JP2006060827A - 向上した帯域幅を有する小型アンテナと無線認識及び無線センサートランスポンダーに用いられる小型レクテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 向上した帯域幅を有する小型平面アンテナは、誘電体基板と、誘電体基板の上面に形成された金属層と、金属層にパターン化されてなる1つの主スロットと、主スロットの一端に接続され、所定の方向に回旋する複数の副スロットとを含み、複数の副スロットが、主スロットを中心に左右対称の一対をなすことを特徴とする。
【選択図】 図10
Description
アンテナの小型化に関する理論的考察は、1940年代から1960年代の非特許文献1〜3を参照すればよい。
従って、アンテナの小型化技術は、常に大きさ、帯域幅、及び効率性(ゲイン)の折衝が求められる。平面アンテナの場合、アンテナの与えられた領域の大半が放射現象に関与する時によい折衝案が得られる。即ち、アンテナの小型化技術は、アンテナの大きさと帯域幅、及び効率性の折衝が求められる。
図1は、同公報に開示されているアンテナに係る図面である。
図1に示すように、アンテナ1は、誘電体基板2と、給電線5と、金属層3と、金属層3内にパターン化されてなる主スロット4、及び複数の副スロット6a〜6dとを含む。主スロット4と副スロット6a〜6dを含む金属層3は、アンテナ1の放射部をなす。
図2a〜図2cにおいて、共通する構成要素の主スロットと金属層に対しては、同一の図面符号を付す。各種の形態を有する複数の副スロット8a〜8d、9a〜9d、10a〜10dが主スロット4の各端に設けられる。
図3は、従来のトランスポンダーアンテナを示す図である。典型的な従来のトランスポンダーアンテナは、金属ストリップパターンからなる平面型構造である。
図3の(a)は、従来の半波長ダイポールアンテナを示す。平行金属ストリップによりアンテナの輻射抵抗を下げ、小型ループによりリアクタンスを上げることによって前記半波長ダイポールアンテナのインピーダンスが整流器のインピーダンスと整合する。上述したように、半波長大きさのアンテナは、多くの応用分野から排除される。半波長ダイポールアンテナのまた他の例が図3の(b)に示されている。図3の(b)に示したアンテナのインピーダンスは、2つの分離されたコイルにより整合する。図3の(c)は、分離されたコイルを有する折り返しダイポールアンテナを示す図である。分離されたコイルは、誘導性特性を持つ平面型の狭い蛇行ストリップパターンで代替してもよい。図3の(b)、(c)及び(d)に示すアンテナは、分離されたコイルまたは狭い蛇行ストリップに起因する更なる損失をもたらし得る。
図3の(e)及び(f)に示すアンテナの重要な短所は、相対的に小さいアンテナ反射領域(Radar Cross Section;RSC)である。アンテナ反射領域は、アンテナが入射電界の電磁気エネルギーをどれほど拡散させるかに関する特性を示す。変調されたレーダー反射領域は、トランスポンダーから質問機までのデータの伝送に必須として用いられるため、バックスキャター通信のためにレクテナのレーダー反射領域は非常に重要である。
H. A. Wheeler, "Fundamental limitations of small antennas," Proceedings of the IRE, vol. 35, pp. 1479-1484, Dec. 1947 L. J. Chu, "Physical limitation on omni-directional antennas," Journal of Applied Physics, vol. 19, pp. 1163-1175, Dec. 1948 R. F. Harrington, "Effect of antenna size on gain, bandwidth and efficiency," Journal of Research of the National Bureau of Standards - D. Radio Propagation, vol. 64D, pp. 1-12, Jan. - Feb. 1960 J. S. McLean, "A re-examination of the fundamental Antenna limits on the radiation Q of electrically small antennas," IEEE Transactions on Antennas and Propagation, vol. 44, pp. 672-676, May 1996
本発明の他の目的は、トランスポンダー半導体チップと共役整合する小型アンテナを備え、向上したレーダー反射領域と動作周波数帯域幅を有しながら、輻射パターン、輻射効率、分極純度などに影響を及ぼすことなく動作可能なレクテナを提供することにある。
ここで、主スロットを中心にそれぞれ一対をなす複数の副スロットが、互いに逆の回旋方向を有することが好ましい。
ここで、副スロットの回旋腕の長さが、アンテナの動作周波数において1/4波長より小さいことが好ましい。
ここで、第1の右側副スロット及び第4の右側副スロットの回旋腕の長さが、第2の右側副スロット及び第3の右側副スロットの回旋腕の長さより大きいことが好ましい。
ここで、副スロットの幅と主スロットの幅とを同一とすることができ、また、副スロットの幅が主スロットの幅より狭い構成、副スロットの幅が主スロットの幅より広い構成とすることも可能である。
ここで、プローブの幅とマイクロストリップラインのストリップの幅とを同一にすることができ、プローブの幅がマイクロストリップラインのストリップの幅より小さい構成、または、プローブの幅がマイクロストリップラインのストリップの幅より大きい構成とすることも可能である。
本発明に係る小型レクテナは、誘電体基板と、誘電体基板の上面に形成された金属層と、金属層にパターン化されてなる1つの主スロットと、主スロットの一端に接続され、所定の方向に回旋する複数の副スロットと、主スロットの上側に主スロットと垂直に形成される複数の第1のクロススロット及び主スロットの下側に前記主スロットと垂直に形成される複数の第2のクロススロット、及び主スロット内に組み込まれた半導体チップの入口とを含む。
また、複数の第1、第2のクロススロットが、主スロットにより対称的に二分されることが好ましい。
ここで、主スロットを中心にそれぞれ一対をなす複数の副スロットが、互いに逆の回旋方向を有することが好ましい。
ここで、複数の副スロットが、主スロットの右上側に設けられ時計回りに回旋する第1の右側副スロットと、第1の右側副スロットの内側に設けられ第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第2の右側副スロットと、主スロットの右下側に設けられ第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第4の右側副スロット、及び第4の右側副スロットの内側に設けられ第4の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第3の右側副スロットとを含むことが好ましい。
ここで、誘電体基板及び金属層が平面型であることが好ましい。
ここで、半導体チップが、整流回路を更に含むことが好ましい。
また、本発明に係る小型レクテナによれば、トランスポンダーの半導体チップと共役整合された電気的小型アンテナを備え、輻射パターン、効率性、分極純度に影響を及ぼすことなく、増大した帯域幅で動作可能な向上したレーダー反射領域が得られるという長所がある。
図4は、本発明に係る小型平面アンテナの斜視図である。同図に示すように、本発明に係る小型平面アンテナ100は、誘電体基板20と、誘電体基板20の上面に形成された金属層30と、金属層30内にパターン化されてなる主スロット40と、複数の副スロット60a、60b、70a、70b、80a、80b、90a、90b、及び誘電体基板20の下部に形成された給電線50とを含む。主スロット40と複数の副スロット60a、60b、70a、70b、80a、80bを含む金属層30がアンテナ100の‘放射部’をなす。
図5に示すように、放射部は、金属層30と、1つの主スロット40、及び主スロット40の両端に配された複数の副スロット60a、60b、70a、70b、80a、80b、90a、90bとを含む。
また、右側の各副スロット60a、70a、80a、90aと対をなす左側の副スロット60b、70b、80b、90bは、右側の副スロット60a、70a、80a、90aと左右対称の形態を有するため、回旋方向は、右側の副スロット60a、70a、80a、90aの回旋方向と逆である。
一般に、放射部は、全てのアンテナの電磁気特性を支配する。放射部の大半の領域は、アンテナ100の小型化のために、輻射パターン、効率性、分極純度などに影響を及ぼすことなく動作帯域幅を向上するために放射現象に供される必要がある。
大半のアンテナの最大長さは、半波長より小さく、甚だしくは1/4波長よりも小さいため、主スロットの長さはより一層短くなる。同時に、アンテナの放射部は、半波長の共振特性を保持する必要がある。従って、アンテナの大きさの縮小のために、主スロットの両端に特定のしきい電圧値が印加されなければならない。この結果、短縮した主スロット上に所望する共振電磁場の分布が生成する。主スロットの両端に所望する電圧不連続性をもたらすために、副スロットの両終端は、誘導的特性を持つ必要がある。
一方、主スロットラインに対し鏡対称的な構造により、回旋腕の領域72aと74a、82aと84a、61aと63a、91aと93aにおいて発生する好ましくない電界結合効果(field coupling effect)が抑制される。
図7は、従来のアンテナにおけるE平面とH平面の輻射パターンを示す図である。図8は、本発明に係るアンテナにおけるE平面とH平面の輻射パターンを示す図である。図7及び図8に示すように、両アンテナの全方向性パターンはほぼ同一であることが目視される。本発明に係る小型平面アンテナのゲインは−1.9dBiであり、従来のアンテナのゲインは−1.8dBiである。従って、ゲイン及び効率性の面では、本発明の長所は微弱である。
−10dBの反射損失レベルにおいて、本発明に係るアンテナの動作帯域幅は38MHzであるのに対し、従来のアンテナの動作帯域幅は29MHzであるに過ぎない。従って、本発明に係るアンテナの帯域幅は、輻射パターン、放射効率、分極純度などの影響を受けることなく、従来のアンテナの帯域幅に比べて30%程度広い。
図11は、図10中のアンテナを分離して示す図である。電気的に小型のアンテナ1100は、誘電体基板1110と、誘電体基板1110の上面に形成された薄い金属層1120、及び金属層1120内のスロットパターンとを含む。スロットパターンを備えた金属層1120は、アンテナ1100の放射部となる。
即ち、第1の右側副スロット1140aと第3の右側副スロット1160aは、時計回りに曲がりくねった形態を有し、第2の右側副スロット1150aと第4の右側副スロット1170aは、反時計回りに曲がりくねった形態を有する。
図12は、実際の半導体チップの特定のインピーダンスにより誘導されたアンテナの反射損失を示す図である。トランスポンダー半導体チップの複素インピーダンスは、34.5−j815の値を有すると仮定する。同図に示すように、−10dBの反射損失レベルにおいてアンテナの帯域幅は10MHz(1.1%)である。このように増大した動作帯域幅は、実際のRFIDシステムに十分に適用可能である。シミュレーションしたアンテナの放射効率は75%に至り、金属及び誘電体の損失の双方を考慮しなければならない。輻射パターンは、全方向性(omni-directional)である。極性は、交差分極(Cross polarization)のごく小さなレベルに線形的に比例する。共通分極(co-polarized)を有する一般の入射波の場合、912MHzにおけるレーダー反射領域は共役整合で38.4cm2、短絡回路の終端で6.5cm2に至るようになる。
レーダー反射領域は、物体が電磁波をどれほどよく反射できるかを示す尺度である。与えられた波長と分極において、レーダー反射領域は、物体の大きさ、形態、物質、表面構造のような設計変数の範囲によって可変する。例えば、金属表面は、誘電体物質より反射率がよい。
以上、本発明の好適な実施形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも種々の変形実施が可能であることはもとより、そのような変更は、特許請求の範囲記載の範囲内に属することは言うまでもない。
30 金属層
40 主スロット
50 給電線
60a、60b 第1の副スロット
70a、70b 第2の副スロット
80a、80b 第3の副スロット
90a、90b 第4の副スロット
61a〜63a 第1の副スロットの回旋腕領域
71a〜75a 第2の副スロットの回旋腕領域
81a〜85a 第3の副スロットの回旋腕領域
91a〜93a 第4の副スロットの回旋腕領域
100 小型平面アンテナ
1000 小型レクテナ
1110 誘電体基板
1100 図10中のアンテナ
1120 金属層
1130 主スロット
1180a、1180b クロススロット
Claims (27)
- 誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面に形成された金属層と、
前記金属層にパターン化されてなる1つの主スロットと、
前記主スロットの一端に接続され、所定の方向に回旋する複数の副スロットと、
を含み、前記複数の副スロットが、前記主スロットを中心に左右対称の一対をなすことを特徴とする小型平面アンテナ。 - 前記所定の方向が、時計回り及び反時計回りのいずれかの方向であることを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記主スロットを中心にそれぞれ一対をなす複数の副スロットが、互いに逆の回旋方向を有することを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記副スロットの回旋腕の長さが、前記アンテナの動作周波数において1/4波長より小さいことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記複数の副スロットが、前記主スロットの右上側に設けられ時計回りに回旋する第1の右側副スロットと、前記第1の右側副スロットの内側に設けられ前記第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第2の右側副スロットと、前記主スロットの右下側に設けられ前記第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第4の右側副スロット、及び前記第4の右側副スロットの内側に設けられ前記第4の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第3の右側副スロットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 主スロットを中心に前記第1〜第4の右側副スロットのそれぞれと対称的に設けられて1つの対をなし、前記第1〜第4の右側副スロットのそれぞれの方向と逆の方向に回旋する第1〜第4の左側副スロットを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の小型平面アンテナ。
- 前記第1の右側副スロット及び第4の右側副スロットの回旋腕の長さが、前記第2の右側副スロット及び第3の右側副スロットの回旋腕の長さより大きいことを特徴とする請求項5に記載の小型平面アンテナ。
- 前記主スロットの長さが、前記アンテナの動作周波数において半波長より小さいことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記副スロットの幅と前記主スロットの幅とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記副スロットの幅が前記主スロットの幅より狭いことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記副スロットの幅が前記主スロットの幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記誘電体基板の裏面に終端開放型(open-ended)容量プローブからなるマイクロストリップラインを有する給電線を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の小型平面アンテナ。
- 前記プローブの幅と前記マイクロストリップラインのストリップの幅とが同一であることを特徴とする請求項12に記載の小型平面アンテナ。
- 前記プローブの幅が前記マイクロストリップラインのストリップの幅より小さいことを特徴とする請求項12に記載の小型平面アンテナ。
- 前記プローブの幅が前記マイクロストリップラインのストリップの幅より大きいことを特徴とする請求項12に記載の小型平面アンテナ。
- 誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面に形成された金属層と、
前記金属層にパターン化されてなる1つの主スロットと、
前記主スロットの一端に接続され、所定の方向に回旋する複数の副スロットと、
前記主スロットの上側に前記主スロットと垂直に形成される複数の第1のクロススロット及び前記主スロットの下側に前記主スロットと垂直に形成される複数の第2のクロススロットと、
前記主スロット内に組み込まれた半導体チップの入口と、
を含むことを特徴とする小型レクテナ。 - 前記主スロット、複数の副スロット、及び複数の第1、第2のクロススロットが、外部に整合素子を設けることなく前記小型レクテナと共役インピーダンス整合を行って、前記小型レクテナがトランスポンダーの動作帯域幅において向上したレーダー反射領域を有するようにすることを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 前記複数の第1、第2のクロススロットが、前記主スロットにより対称的に二分されることを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 前記所定の方向が、時計回り及び反時計回りのいずれかの方向であることを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 前記主スロットを中心にそれぞれ一対をなす複数の副スロットが、互いに逆の回旋方向を有することを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 前記複数の副スロットが、前記主スロットの右上側に設けられ時計回りに回旋する第1の右側副スロットと、前記第1の右側副スロットの内側に設けられ前記第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第2の右側副スロットと、前記主スロットの右下側に設けられ前記第1の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第4の右側副スロット、及び前記第4の右側副スロットの内側に設けられ前記第4の右側副スロットの方向と逆の方向に回旋する第3の右側副スロットとを含むことを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 主スロットを中心に前記第1〜第4の右側副スロットのそれぞれと対称的に設けられて1つの対をなし、前記第1〜第4の右側副スロットのそれぞれの方向と逆の方向に回旋する第1〜第4の左側副スロットを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の小型レクテナ。
- 前記誘電体基板及び前記金属層が平面型であることを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 前記半導体チップが、整流回路を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の小型レクテナ。
- 誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面に形成された金属層と、
前記金属層上に形成された主スロットと、
前記主スロットの右側及び左側にそれぞれ配される複数の副スロットと、
を含み、前記主スロットの右側に配された副スロットが、第1群の副スロットと第2群の副スロットを含み、前記第1群の副スロットと第2群の副スロットとが、前記主スロットの縦軸に対し互いに対称であることを特徴とするアンテナ。 - 前記主スロットの左側に配された副スロットが、第3群の副スロットと第4群の副スロットを含み、前記第3群の副スロットと第4群の副スロットとが、前記主スロットの縦軸に対し互いに対称であることを特徴とする請求項25に記載のアンテナ。
- 前記第1〜第4群の副スロットが、互いに逆の方向に回旋する一対の副スロットを含むことを特徴とする請求項26に記載のアンテナ。
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