JP2006060351A - 衛星通信システム、静止衛星、地上局、及び衛星通信方法 - Google Patents

衛星通信システム、静止衛星、地上局、及び衛星通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静止衛星によって二重化された通信網を構成する衛星通信システムを提供する。
【解決手段】6個の静止衛星S1〜S6と、2以上の地上局1、2とを有する衛星通信システムであって、各静止衛星は、他の静止衛星と通信可能であり、6個の静止衛星は、奇数グループ(S1、S3、S6)と、偶数グループ(S2、S4、S6)とに分かれており、静止衛星軌道上において隣接する静止衛星は異なるグループに属する静止衛星であり、各グループに属する静止衛星間において通信を行うものであり、その2つのグループによって二重化された通信網が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、静止衛星を用いて通信を行う衛星通信システム等に関する。
従来、静止衛星を用いた通信が行われている。また、そのような静止衛星を用いた通信において、主衛星と補助衛星との間で通信を行うことによって、空間的ダイバシティを構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−121184号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、従来、衛星を用いた通信においては、地上局からある衛星を介して他の地上局への通信が行われるのみであった。
本発明は上記問題点に鑑み、信頼性を向上させた通信網を構成する衛星通信システム等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による衛星通信システムは、6個以上の静止衛星と、2以上の地上局とを有し、前記地上局は、前記静止衛星と通信するとともに、前記各静止衛星は、他の静止衛星と通信して、6個以上の前記静止衛星によってN重化(Nは2以上の整数)された通信網が構成され、
ある地上局から他の地上局までの一の通信網を介した通信が不能となった場合に他の通信網に切り替えるものである。
このような構成により、6個以上の静止衛星によってN重化(Nは2以上の整数)された通信網を構成することができる。この通信網は、宇宙空間において構成されているため、地上における天災や戦争などの災害による影響を受けにくく、信頼性の高い通信網を提供しうることになる。また、その通信網における通信がN重化されているため、信頼性がさらに向上されている。
また、本発明による衛星通信システムでは、6個以上の前記静止衛星が、N個のグループに分かれており、各グループに属する静止衛星間において通信を行ってもよい。
このような構成により、N個のグループによって、N重化された通信網を形成することができる。
また、本発明による衛星通信システムでは、静止衛星軌道上において隣接する前記静止衛星が、異なるグループに属する静止衛星であってもよい。
このような構成により、異なるグループに属する静止衛星が隣接することとなり、各グループに属する静止衛星が偏在することなく、均等に分布することになる。その結果、ある地上局から異なるグループに属する2以上の静止衛星と通信することができる確率が高くなりうる。
また、本発明による衛星通信システムでは、6以上の前記静止衛星が、互いに隣接する前記静止衛星間において通信を行うものであり、前記Nが2であり、ある静止衛星から他の静止衛星まで、右回りの通信経路、及び左回りの通信経路によって二重化されていてもよい。
このような構成により、ある静止衛星から、他の静止衛星までの通信において、右回りの通信経路、あるいは、左回りの通信経路を利用することができ、片方の通信経路が何らかのトラブルによって利用できない場合であっても、他の通信経路によって通信を行うことができる。その結果、通信の信頼性が向上されている。
また、本発明による衛星通信システムでは、前記静止衛星間における通信の対象の情報である通信情報に、前記静止衛星間における前記通信情報の通信のルート制御に関する情報である衛星間通信制御情報が含まれており、前記静止衛星が、前記衛星間通信制御情報に基づいて、前記通信情報の静止衛星間における通信を行ってもよい。
このような構成により、この衛星間通信制御情報を用いることによって、静止衛星によって構成された通信網における通信情報のルートを制御することができ、所望のルートを経由した通信情報の転送を衛星通信網において行うことができる。
また、本発明による衛星通信システムでは、前記衛星間通信制御情報が、前記通信情報の寿命に関する情報である寿命情報を有しており、前記静止衛星が、前記寿命情報に基づいて、寿命の到来した前記通信情報を廃棄してもよい。
このような構成により、何らかのトラブルによって通信先に到達しない通信情報が、衛星通信網において転送され続ける事態を回避することができる。その結果、衛星通信網における通信トラフィックの増大を防止することができうる。
本発明による衛星通信システム等によれば、静止衛星によって構成される通信網によって通信を行うことができる。また、通信網がN重化(Nは2以上の整数)されているため、何らかのトラブルが発生し、ある通信網での通信が行えなくなったとしても、他の通信網での通信を行うことができ、通信の信頼性を向上させることができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による衛星通信システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による衛星通信システムは、複数の静止衛星を2つのグループに分け、グループ内の静止衛星間において通信を行うことによって、通信が二重化されているものである。
図1は、本実施の形態による衛星通信システムの構成を示す模式図である。本実施の形態による衛星通信システムは、赤道上の上空36000kmに地軸を中心に約60度間隔で配置された6個の静止衛星S1〜S6と、地球上にある2以上の地上局1、2とを備える。この静止衛星S1〜S6によって宇宙空間上に環状の通信網が構成されている。
静止衛星S1〜S6は、静止衛星S1、S3、S5のグループ(以下、「奇数グループ」とする)と、静止衛星S2、S4、S6のグループ(以下、「偶数グループ」とする)との2つのグループに分かれている。また、静止衛星S1〜S6は、静止衛星軌道上において隣接する静止衛星が異なるグループに属する静止衛星となるように配置されている。また、静止衛星S1〜S6は、それぞれ、各グループに属する静止衛星間において通信することができる。例えば、静止衛星S1は、静止衛星S3、S5と通信することができる。また、奇数グループと偶数グループとによって、通信が二重化されている。すなわち、地上局1から地上局2までの通信は、地上局1→静止衛星S1→静止衛星S5→地上局2という奇数グループの静止衛星を介した通信と、地上局1→静止衛星S2→静止衛星S4→地上局2という偶数グループの静止衛星を介した通信との2つの経路によって行いうる。したがって、片方の経路が何らかのトラブルによって使用できない場合であっても、他の経路を使用することができるため、通信の信頼性が向上させられている。なお、静止衛
星を介した通信において用いられる通信プロトコルとしては、無線マルチメディア通信用アクセスプロトコル、例えば、RS−ISMA方式(Reservation−based Slotted Idle Signal Multiple Access)を用いることができる。また、地上と衛星との間の通信では、例えば、ギガヘルツ周波数帯の周波数を用いることができ、衛星間での通信では、例えば、ギガヘルツ周波数帯、テラヘルツ周波数帯等の周波数を用いることができる。図1において、地上局1、2しか記載していないが、これは説明の便宜のためであり、3以上の地上局が存在してもよい。
図2は、本実施の形態による地上局1の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態による地上局1は、通信部11と、衛星送信部12と、衛星受信部13と、通信制御部14と、衛星管理情報記憶部15と、衛星間通信制御情報付加部16とを備える。なお、ここでは地上局1の構成について説明するが、他の地上局2等も、この地上局1と同様の構成である。
通信部11は、地球上における他の地上局や他のサーバ等と通信情報の送受信を行う。ここで、通信情報とは、通信の対象となる情報である。なお、通信部11は、通信を行うための通信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、通信部11の外部に図示しない通信デバイスが存在することとなる)。また、通信部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは通信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
衛星送信部12は、通信情報を静止衛星に送信する。この送信は、例えば、パラボラアンテナ等のアンテナを介して行われる。そのパラボラアンテナ等は、通信情報を送信する静止衛星ごとに備えられていてもよく、あるいは、一つのパラボラアンテナ等を複数の静止衛星に対する通信情報の送信に用いてもよい。なお、衛星送信部12は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカード、パラボラアンテナなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、衛星送信部12の外部に図示しない送信デバイスが存在することとなる)。また、衛星送信部12は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
衛星受信部13は、静止衛星から送信された通信情報を受信する。この受信は、例えば、パラボラアンテナ等のアンテナを介して行われる。そのパラボラアンテナ等は、通信情報を送信した静止衛星ごとに備えられていてもよく、あるいは、一つのパラボラアンテナ等を複数の静止衛星からの通信情報の受信に用いてもよい。また、通信情報の受信で用いるパラボラアンテナ等は、衛星送信部12による通信情報の送信で用いるパラボラアンテナ等と共用されてもよい。
通信制御部14は、通信情報の通信に関する制御を行う。通信制御部14は、通信部11が受信した通信情報を、衛星間通信制御情報付加部16を介して衛星送信部12に渡したり、衛星受信部13が受信した通信情報を通信部11に渡したりする。また、衛星受信部13がエラーによって返信された通信情報を受信した場合には、以前に送信したルートとは別のルートによって通信情報を送信するための衛星間通信制御情報を付加するように、衛星間通信制御情報付加部16を制御するものとする。なお、衛星間通信制御情報については後述する。
衛星管理情報記憶部15は、衛星管理情報を記憶している。ここで、衛星管理情報とは、静止衛星を介した通信経路の選択のために用いられる情報であり、例えば、ある静止衛星と通信可能な地上局を示す情報や、地上局がどの地域にあるのかを示す情報などが含まれている。衛星管理情報記憶部15は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気デ
ィスク、光ディスクなど)によって実現され得る。衛星管理情報記憶部15での記憶は、外部のストレージデバイス等から読み出した衛星管理情報のRAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。
衛星間通信制御情報付加部16は、衛星送信部12によって送信される通信情報に、衛星間通信制御情報を付加する。衛星間通信制御情報付加部16は、衛星間通信制御情報を、衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星管理情報を参照することによって付加する。ここで、衛星間通信制御情報とは、静止衛星間における通信情報の通信のルート制御に関する情報である。衛星間通信制御情報には、例えば、通信情報を送信する地上局を識別する情報、通信情報を最初に受信する静止衛星を識別する情報、通信情報を地上に送信する静止衛星を識別する情報、その通信情報を受信する地上局を識別する情報などが含まれている。また、衛星間通信制御情報には、通信情報の寿命に関する情報である寿命情報が含まれていてもよい。本実施の形態では、衛星間通信制御情報に寿命情報が含まれているものとする。この寿命情報の詳細については、後述する。
図3は、本実施の形態による静止衛星S1の構成を示すブロック図である。図3において、本実施の形態による静止衛星S1は、地上受信部21と、地上送信部22と、衛星間受信部23と、衛星間送信部24と、通信制御部25と、寿命判断部26と、寿命更新部27とを備える。なお、ここでは静止衛星S1の構成について説明するが、他の静止衛星S2等も、この静止衛星S1と同様の構成である。また、図3では、静止衛星S1の通信に関する機構のみを示している。したがって、静止衛星S1は、例えば、位置制御や姿勢制御等のための機構を別途、有していてもよい。
地上受信部21は、地上局から送信された通信情報を受信する。なお、地上受信部21は、受信を行うための受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカード、アンテナなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、地上受信部21の外部に図示しない受信デバイスが存在することとなる)。また、地上受信部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
地上送信部22は、地上局に通信情報を送信する。なお、地上送信部22は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカード、アンテナなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、地上送信部22の外部に図示しない送信デバイスが存在することとなる)。また、地上送信部22は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
衛星間受信部23は、他の静止衛星から送信された通信情報を受信する。なお、衛星間受信部23は、受信を行うための受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカード、アンテナなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、衛星間受信部23の外部に図示しない受信デバイスが存在することとなる)。また、衛星間受信部23は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
衛星間送信部24は、他の静止衛星に通信情報を送信する。なお、衛星間送信部24は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカード、アンテナなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、衛星間送信部24の外部に図示しない送信デバイスが存在することとなる)。また、衛星間送信部24は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
通信制御部25は、地上受信部21、及び衛星間受信部23によって受信された通信情報の通信先に関する制御(例えば、地上局に送信するのか、他の静止衛星に送信するのかに関する制御)を行う。この制御は、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報に基づいて行われる。また、通信制御部25は、地上受信部21、または衛星間受信部23によって受信された通信情報の寿命が到来したと寿命判断部26によって判断された場合に、その通信情報を廃棄する処理を行う。また、通信制御部25は、衛星間送信部24によって送信された通信情報を所定のメモリ等において一時的に記憶しておき、衛星間送信部24による送信が確実に行われなかった場合には、そのメモリ等において一時的に記憶している通信情報の衛星間通信制御情報を書き換えて再度、衛星間送信部24による送信を行うように制御する。
寿命判断部26は、地上受信部21、または衛星間受信部23によって受信された通信情報の寿命が到来したかどうかを判断する。この判断は、例えば、衛星間通信制御情報に含まれる寿命情報に基づいて行われる。例えば、寿命情報において、寿命を示す値(例えば、0以上の整数値)が設定されており、その値が静止衛星間の通信のたびに1ずつ減少されるような場合には、その値が0となったときに、寿命が到来したと判断してもよい。また、例えば、通信情報の経由した静止衛星の数が寿命情報に含まれる場合には、その数が所定のしきい値を超えたときに、寿命が到来したと判断してもよい。また、例えば、通信情報を地上局から静止衛星に送信した時刻が寿命情報に含まれる場合には、その時刻から所定の期間が経過したときに、寿命が到来したと判断してもよい。なお、本実施の形態では、寿命情報に通信情報の経由した静止衛星の数が含まれており、その数が所定のしきい値を超えた場合に、寿命が到来したと判断するものとする。
寿命更新部27は、寿命情報を更新する。本実施の形態では、寿命更新部27は、寿命情報に含まれる、通信情報の経由した静止衛星の数をインクリメントするものとする。
次に、本実施の形態による衛星通信システムの動作について説明する。
図4は、本実施の形態による地上局の動作を示すフローチャートである。
(ステップS101)通信制御部14は、通信部11または衛星受信部13において、通信情報が受信されたかどうか判断する。そして、通信情報が受信された場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、通信情報が受信されるまで、ステップS101の処理を繰り返す。
(ステップS102)通信制御部14は、受信された通信情報が、エラーによって返信された通信情報であるかどうか判断する。この判断は、例えば、衛星間通信制御情報に含まれるエラーによる返信である旨を示す情報に基づいて行われる。そして、受信された通信情報がエラーによって返信されたものである場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS103に進む。
(ステップS103)通信制御部14は、受信された通信情報を衛星に送信するかどうか判断する。通信制御部14は、例えば、衛星受信部13が通信情報を受信した場合には、その通信情報を衛星に送信すると判断し、通信部11が通信情報を受信した場合には、通信情報のヘッダによって示される通信先が、衛星を介して通信を行う地域であるかどうかによってその判断を行う。そして、受信された通信情報を衛星に送信する場合には、通信制御部14は、その通信情報を衛星間通信制御情報付加部16に渡してステップS104に進み、そうでない場合には、通信情報を通信部11に渡してステップS106に進む。
(ステップS104)衛星間通信制御情報付加部16は、通信制御部14から受け取っ
た通信情報に対して、衛星管理情報記憶部15で記憶されている衛星管理情報に基づいて、衛星間通信制御情報を付加する。そして、その衛星間通信制御情報を付加した通信情報を衛星送信部12に渡す。なお、エラーによって返信された通信情報に対して、再度、衛星間通信制御情報を付加する場合には、以前の送信のときに用いたルートとは異なるルートによって送信されるように衛星間通信制御情報を付加するものとする。
(ステップS105)衛星送信部12は、衛星間通信制御情報付加部16から受け取った通信情報を、その通信情報に含まれる衛星間通信制御情報に基づいて、所定の静止衛星に送信する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS106)通信部11は、通信制御部14から受け取った通信情報を、その通信情報のヘッダに含まれる送信先のアドレスに基づいて送信する。そして、ステップS101に戻る。なお、静止衛星から送信された通信情報を地上の送信先に送信する場合には、衛星間通信制御情報を削除してから送信してもよい。
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
図5は、本実施の形態による静止衛星の動作を示すフローチャートである。
(ステップS201)通信制御部25は、地上受信部21または衛星間受信部23において、通信情報が受信されたかどうか判断する。そして、通信情報が受信された場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、通信情報が受信されるまで、ステップS201の処理を繰り返す。
(ステップS202)通信制御部25は、受信された通信情報の通信先の衛星が通信制御部25の存在する衛星、すなわち自衛星かどうか判断する。この判断は、例えば、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報に基づいて行われる。そして、通信先が自衛星である場合には、通信情報を地上送信部22に渡してステップS207に進み、そうでない場合には、ステップS203に進む。
(ステップS203)通信制御部25は、受信された通信情報の衛星間通信制御情報に含まれる寿命情報を寿命判断部26に渡す。寿命判断部26は、通信制御部25から寿命情報を受け取ると、その寿命情報に基づいて、寿命が到来していないかどうか判断し、その判断結果を通信制御部25に渡す。寿命が到来していないと判断された場合には、ステップS204に進み、寿命が到来していると判断された場合には、ステップS208に進む。
(ステップS204)通信制御部25は、受信された通信情報の衛星間通信制御情報に含まれる寿命情報を寿命更新部27に渡す。寿命更新部27は、寿命情報を更新し、その更新後の寿命情報を通信制御部25に渡す。ここで、寿命情報の更新としては、本実施の形態では、寿命情報に含まれる、通信情報の経由した静止衛星の数を1だけインクリメントするものとする。
(ステップS205)通信制御部25は、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報に基づいて、通信先の衛星を特定し、その特定した衛星に通信情報を送信する旨の指示と、寿命情報の更新された通信情報とを衛星間送信部24に渡す。衛星間送信部24は、受け取った通信情報を通信制御部25からの指示に応じて送信する。なお、通信制御部25は、通信情報を衛星間送信部24に渡した後も、後述するように、送信が確実に行われたと判断するまで、その通信情報を一時的にメモリ等において記憶しているものとする。
(ステップS206)通信制御部25は、送信が確実に行われたかどうかを判断する。
この判断は、例えば、通信情報が送信されてから所定の期間以内に通信情報を受信した旨を示す情報を衛星間受信部23が受信したかどうかによって判断する。そして、送信が確実に行われた場合には、メモリ等において一時的に記憶している通信情報を廃棄してステップS201に戻り、そうでない場合には、ステップS209に進む。
(ステップS207)地上送信部22は、通信制御部25から通信情報を受け取ると、その通信情報を地上局に送信する。そして、ステップS201に戻る。
(ステップS208)通信制御部25は、受信された通信情報を廃棄する。ここで、通信情報の廃棄とは、一時的に通信情報を記憶しているメモリ等から通信情報を削除することであってもよく、あるいは、その後、その通信情報を利用しないということであってもよい。
(ステップS209)通信制御部25は、衛星間通信制御情報を変更する。そして、ステップS205に戻る。この衛星間通信制御情報の変更処理の詳細については、後述する。
なお、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、本実施の形態による衛星通信システムの動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、静止衛星によって構成される通信網は、インターネットにおけるバックボーン回線であるとする。衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星管理情報には、図6で示される衛星地上局対応情報と、図7で示される地上局地域情報とが含まれているとする。
図6で示される衛星地上局対応情報において、静止衛星を識別する情報である衛星識別情報と、地上局を識別する情報である地上局識別情報と、メインフラグとが対応付けられている。ここで、メインフラグとは、ある地上局が2以上の静止衛星と通信可能な場合に、どの静止衛星と主に通信を行うのかを示すフラグである。メインフラグ「1」に対応する地上局識別情報と、衛星識別情報との組み合わせで主に通信が行われるものとする。例えば、衛星識別情報「S1」と地上局識別情報「B001」とに対応するメインフラグは「1」であり、衛星識別情報「S2」と地上局識別情報「B001」とに対応するメインフラグは「0」であるため、地上局識別情報「B001」で識別される地上局(以下、「地上局B001」とすることもある。他の地上局識別情報についても同様である。)は、通常は衛星識別情報「S1」で識別される静止衛星(以下、「静止衛星S1」とすることもある。他の衛星識別情報についても同様である。)と通信を行い、静止衛星S1との通信が行うことができない場合や、静止衛星S1の属するグループ(奇数グループ)のいずれかの静止衛星が通信を行うことができない場合には、静止衛星S2と通信を行うことになる。
図7で示される地上局地域情報において、地域を識別する情報である地域識別情報と、地上局識別情報とが対応付けられている。ここで、この具体例では、地域識別情報として国を識別する情報を用いるが、地域識別情報はこれ以外の情報であってもよい。例えば、緯度、経度等によって画一的に決定された地域を識別する情報等であってもよい。
図8は、衛星間通信制御情報の構成を示す図である。衛星間通信制御情報には、通信元に関する衛星識別情報及び地上局識別情報と、通信先に関する衛星識別情報及び地上局識別情報と、転送区分情報と、寿命情報と、エラー区分情報とが含まれる。ここで、転送区分情報は、奇数グループの静止衛星で通信情報を転送するのか、偶数グループの静止衛星で通信情報を転送するのかを示す情報であり、転送区分情報に「1」が代入されている場合には、奇数グループで転送することを示し、「0」が代入されている場合には、偶数グ
ループで転送することを示すものとする。寿命情報は、通信情報の経由した静止衛星の個数(すなわち、通信情報の静止衛星による転送回数)を示す情報である。地上局から静止衛星に通信情報の送信されるときには、寿命情報として「0」が代入さており、静止衛星によって通信情報が転送されるたびに、1だけインクリメントされるものとする。エラー区分情報は、通信情報が通信エラーに起因して返信されているものであるかどうかを示す情報である。エラー区分情報に「1」が代入されている場合には、通信エラーに起因して地上局に返信されている通信情報であることを示し、「0」が代入されている場合には、通常の(エラーによる返信ではない)通信情報であることを示すものとする。この衛星間通信制御情報は、OSI参照モデルのデータリンク層に含まれるものとする。
以下の具体例では、地上局B001から地上局B007への静止衛星を介した通信情報の送信が行われる場合について説明する。なお、各地上局、各静止衛星の構成は、それぞれ図2、図3で示され、同様のものであるとする。また、各地上局、各静止衛星の動作を示すフローチャートも、それぞれ図4、図5で示され、同様のものであるとする。また、寿命判断部26は、寿命情報の示す転送回数が2以下である場合には、寿命が到来していないと判断するものとする。転送回数が2を超えた場合には、何らかのエラーによって通信情報が衛星通信網を1周以上していることになる。したがって、その場合には、通信トラフィックの増大を防止するために、寿命が到来したとして、その通信情報を廃棄することになる。また、静止衛星間の通信は、コネクション型の通信であるとする。したがって、ある静止衛星から他の静止衛星に通信情報を送信すると、その通信情報を受信した静止衛星は、通信情報を送信した静止衛星に対して、通信情報を受信した旨を送信するものとする。
まず、地上局B001の通信部11が通信情報を受け取ったとする(ステップS101)。通信制御部14は、通信部11が通信情報を受信したため、エラーによる返信ではないと判断する(ステップS102)。次に、通信制御部14は、通信情報のヘッダに含まれる通信先のIPアドレスを取得する。そして、通信制御部14は、図示しないアドレス地域対応情報にアクセスし、その取得した通信先のIPアドレスに対応する地域識別情報を取得する。なお、アドレス地域対応情報とは、IPアドレスと、そのIPアドレスに対応した地域とを対応付けている情報のことである。ここでは、通信制御部14は、地域識別情報として「uk」を取得したとする。通信制御部14は、衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、地域識別情報「uk」に対応する地上局が地上局「B007」であり、その地上局「B007」に対応するメインの静止衛星が静止衛星「S3」であると判断する。したがって、通信先の地域に対応する静止衛星S3、が地上局「B001」に対応するメインの静止衛星S1とは異なるため、通信制御部14は、通信情報を衛星に送信すると判断し(ステップS103)、通信情報と、地域識別情報「uk」とを衛星間通信制御情報付加部16に渡す。衛星間通信制御情報付加部16は、通信制御部14と同様にして、衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、通信先の地上局「B007」と、通信先の静止衛星「S3」とを決定する。この場合に、通信先の静止衛星は、地上局B001のメインの静止衛星S1の属する奇数グループから選択するものとする。そして、それらの情報に基づいて、図9(a)で示される衛星間通信制御情報を生成し、その衛星間通信制御情報を通信制御部14から受け取った通信情報に付加して衛星送信部12に渡す(ステップS104)。衛星送信部12は、衛星間通信制御情報付加部16から受け取った通信情報に含まれる衛星間通信制御情報の通信元の衛星識別情報「S1」を参照し、通信情報を静止衛星S1に送信する(ステップS105)。
静止衛星S1の地上受信部21は、その送信された通信情報を受信し、通信制御部25に渡す(ステップS201)。通信制御部25は、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報を参照し、通信先が静止衛星S3であるため、通信先が自衛星でないと判断する(ステ
ップS202)。また、通信制御部25は、衛星通信制御情報から寿命情報を取得し、その寿命情報を寿命判断部26に渡す。寿命判断部26は、寿命情報の示す転送回数が「0」であり、2以下であるため、寿命が到来していないと判断する(ステップS203)。すると、通信制御部25は、寿命情報を寿命更新部27に渡す。寿命更新部27は、寿命情報を1だけインクリメントして「1」とする(ステップS204)。通信制御部25は、寿命更新部27によって更新された寿命情報を通信情報に含まれる衛星間通信制御情報に上書きで書き込む。図9(b)は、寿命情報の更新された衛星間通信制御情報を示す図である。通信制御部25は、衛星間通信制御情報の更新された通信情報をバッファメモリにおいて一時的に記憶しておくと共に、その通信情報を静止衛星S3に送信する旨の指示と、通信情報とを衛星間送信部24に渡す。衛星間送信部24は、通信制御部25から受け取った通信情報を静止衛星S3に送信する(ステップS205)。なお、通信制御部25は、通信情報の通信先の静止衛星S3から通信情報を受け取った旨を示す情報が衛星間受信部23によって受信された場合には(ステップS206)、バッファメモリにおいて一時的に記憶しておいた通信情報を削除する。
静止衛星S3の衛星間受信部23は、静止衛星S1から送信された通信情報を受信する(ステップS201)。すると、静止衛星S3の通信制御部25は、前述した通信情報を受信した旨を示す情報を、衛星間送信部24を介して、静止衛星S1に送信する。
また、通信制御部25は、図9(b)で示される衛星間通信制御情報を参照し、通信先の静止衛星が静止衛星S3であることから、その通信情報の通信先が自衛星であると判断する(ステップS202)。そして、その通信情報を通信先の地上局識別情報によって識別される地上局B007に送信する旨の指示と、通信情報とを地上送信部22に渡す。地上送信部22は、受け取った通信情報を地上局B007に送信する(ステップS207)。
地上局B007の衛星受信部13は、その通信情報を受信し、通信制御部14に渡す(ステップS101)。通信制御部14は、図9(b)で示される衛星間通信制御情報を参照し、エラー区分情報が「0」であるため、エラーによる返信ではないと判断し(ステップS102)、通信先の地上局が地上局B007であることから、その通信情報を衛星に送信しないと判断する(ステップS103)。そして、その通信情報は、衛星間通信制御情報が削除されて通信部11に渡され、通信部11は、通信情報のヘッダに含まれるIPアドレスに応じて、その通信情報を他のルータ、サーバ等に送信する(ステップS106)。このようにして、衛星を介した通信が行われる。
次に、衛星を介した通信において、エラーが発生した場合について説明する。
地上局B001から静止衛星S1までは、上記説明と同様にして送信されたものとする。その後、静止衛星S1から静止衛星S3に通信情報を送信したが、何らかのトラブル(例えば、静止衛星S3の故障など)が発生し、静止衛星S3が静止衛星S1から送信された通信情報を確実に受信できなかったとする。すると、静止衛星S1は、通信情報を受信した旨を示す情報を静止衛星S3から受信しないため、通信制御部25は、送信を確実に行うことができなかったと判断する(ステップS206)。そして、通信制御部25は、通信情報の衛星間通信制御情報における通信先の情報を通信元と同一の情報に書き換え、エラー区分情報を「1」にする。また、寿命情報をクリヤして「0」にする(ステップS209)。その結果、衛星間通信制御情報は、図9(c)で示されるようになる。
その後、通信制御部25は、変更された通信先である地上局B001に通信情報を送信する旨の指示と、通信情報とを地上送信部22に渡す。地上送信部22は、通信制御部25から受け取った通信情報を地上局B001に送信する(ステップS202、207)。
地上局B001の衛星受信部13は、その通信情報を受信すると、通信制御部14に渡す(ステップS101)。通信制御部14は、受信された通信情報の衛星間通信制御情報におけるエラー区分情報が「1」であるため、エラーによる返信であると判断し(ステップS102)、転送区分情報「1」とは異なるグループによる転送、すなわち、偶数グループによる転送を行う旨と、通信情報とを衛星間通信制御情報付加部16に渡す。すると、衛星間通信制御情報付加部16は、衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、通信情報のヘッダに含まれるIPアドレスに基づいて、図9(d)で示される衛星間通信制御情報を通信情報に付加して(ステップS104)、衛星送信部12に渡す。衛星送信部12は、その通信情報を静止衛星S2に送信する(ステップS105)。なお、この後の通信の動作については、上記具体例の説明と同様であり、その説明を省略する。
なお、ここでは、エラーが発生した場合に、通信情報が通信元の地上局にまで返信され、その通信元の地上局において、異なるグループの衛星を用いた通信がなされるように衛星間通信制御情報が変更され、その後に、通信情報が再度、静止衛星に送信される場合について説明したが、例えば、異なるグループに属する衛星が通信可能に構成されている場合には、エラーが発生したとしても、地上局に通信情報を返信せず、静止衛星において他のグループを用いた通信となるように衛星間通信制御装置を変更し(ステップS209)、変更後のグループに属する静止衛星にその通信情報を送信するようにしてもよい。例えば、上記具体例の場合に、静止衛星S1は、衛星間通信制御情報を図9(e)で示されるように変更し、その変更後の衛星間通信制御情報を含む通信情報を静止衛星S2に送信してもよい。なお、この場合には、静止衛星の通信制御部25も、直接的に、あるいは間接的に衛星管理情報にアクセスできるように構成しておく必要がある。ここで、「直接的に」とは、静止衛星において衛星管理情報を記憶している場合であり、「間接的に」とは、静止衛星と地上局との通信によって、衛星管理情報にアクセスする場合である。
また、この具体例では、図4のステップS103において、通信制御部14が通信情報を衛星に通信すると判断する場合についてのみ説明したが、例えば、通信先の地域に対応する静止衛星と、通信元の地域に対応する静止衛星とが同一である場合などには、通信制御部14は、通信情報を衛星に送信しないと判断し、通信情報を通信部11に渡して、通信部11による地上の通信を行うようにしてもよい。なお、通信先の地域が、通信元の地域と同一である場合にも、通信制御部14は、通信情報を衛星に送信しないと判断してもよい。
以上のように、本実施の形態による衛星通信システムによれば、静止衛星によって構成される通信網によって通信を行うことができる。また、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報を用いて静止衛星間における通信情報の通信のルート制御を行うため、ある地上局から、任意の他の地上局まで、静止衛星の通信網を用いた通信を行うことができる。さらに、通信網が二重化されているため、何らかのトラブルが発生し、一方の通信網(例えば、奇数グループの通信網)での通信が行えないようになったとしても、他の通信網(例えば、偶数グループの通信網)での通信を行うことができ、通信の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、静止衛星が2つのグループに分かれており、静止衛星によって構成される通信網が二重化される場合について説明したが、静止衛星をN個(Nは3以上の整数)のグループに分け、各グループに属する静止衛星間において通信を行うことによって、静止衛星によって構成される通信網がN重化してもよい。この場合に、一つのグループについて最低3つの静止衛星を使用する場合には、3N個以上の静止衛星によって通信網が構成されることになる。
また、本実施の形態では、隣接する静止衛星が異なるグループに属する静止衛星である場合につい説明したが、各グループに属する静止衛星の個数が4以上であって多い場合(例えば、各グループに10個程度の静止衛星が属する場合など)には、隣接する静止衛星が同一のグループに属してもよい。
また、本実施の形態では、静止衛星が寿命判断部16、寿命更新部27を備える構成について説明したが、通信情報に寿命が設定されていない場合には、静止衛星は寿命判断部16、寿命更新部27を備えなくてもよい。また、寿命に関する情報が時刻等によって示されるものであり、更新の必要がない場合には、寿命更新部27を備えなくてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による衛星通信システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による衛星通信システムは、ある静止衛星から他の静止衛星まで、右回りの通信経路、及び左回りの通信経路によって、二重化されているものである。
図10は、本実施の形態による衛星通信システムの構成を示す模式図である。本実施の形態による衛星通信システムは、赤道上の上空36000kmに地軸を中心に約60度間隔で配置された6個の静止衛星S1〜S6と、地球上にある2以上の地上局1、2とを備える。この静止衛星によって宇宙空間上に環状の通信網が構成されている。
静止衛星S1〜S6は、互いに隣接する静止衛星間において通信を行うものである。例えば、静止衛星S1は、隣接する静止衛星S2、及び静止衛星S6との間で通信を行う。また、上述のように、ある静止衛星から他の静止衛星まで、右回りの通信経路、及び左回りの通信経路によって、二重化されている。例えば、静止衛星S1から静止衛星S5への通信を行う場合に、静止衛星S1→静止衛星S6→静止衛星S5という左回りの経路と、静止衛星S1→静止衛星S2→静止衛星S3→静止衛星S4→静止衛星S5という右回りの経路との2つの経路によって二重化されている。したがって、片方の経路が何らかのトラブルによって使用できない場合であっても、他の経路を使用することができるため、通信の信頼性が向上させられている。ここで、右回り、左回りというのは、単なる便宜上の表現であり、例えば、地球の北極側から地球を見た場合に、通信情報が経由する静止衛星が右回りか、左回りかによって決めてもよく、その逆であってもよい。なお、図10において、地上局1、2しか記載していないが、これは説明の便宜のためであり、3以上の地上局が存在してもよい。
なお、本実施の形態による地上局及び静止衛星の構成及び動作についは、地上局において、通信情報を衛星の右回りで送信するのか、左回りで送信するのかを決定するなどの、衛星の右回り、左回りに関する処理以外は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。本実施の形態における地上局、静止衛星の構成は、それぞれ図2、図3によって示され、地上局、静止衛星の動作は、それぞれ図4、図5によって示されるものとする。
次に、本実施の形態による衛星通信システムの動作について、具体例を用いて説明する。この具体例においても、静止衛星によって構成される通信網は、インターネットにおけるバックボーン回線であるとする。また、衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星管理情報には、図6で示される衛星地上局対応情報と、図7で示される地上局地域情報とが含まれているとする。また、衛星間通信制御情報付加部16が付加する衛星間通信制御情報も、図8と同様の構成を有する。ただし、この具体例においては、転送区分情報は、通信情報の転送が右回りであるか、左回りであるのかを示す情報である。すなわち、転送区分情報に「1」が代入されている場合には、通信情報を左回りで転送するものとし、転送区分情報に「0」が代入されている場合には、通信情報を右回りで転送するものとする。
以下の具体例では、地上局B001から地上局B007への静止衛星を介した通信情報の送信が行われる場合について説明する。静止衛星間の通信がコネクション型の通信であることなどは実施の形態1の具体例と同様であるとする。なお、寿命判断部26は、寿命情報の示す転送回数が7以下である場合に、寿命が到来していないと判断することとする。また、以下の具体例の説明において、実施の形態1と同様の処理については、詳細な説明を省略する場合がある。
まず、地上局B001の通信部11が通信情報を受け取ると(ステップS101)、通信制御部14は、エラーによる返信ではないと判断し(ステップS102)、図示しないアドレス地域対応情報にアクセスして、通信部11が受信した通信情報のヘッダに含まれる通信先のIPアドレスに対応する地域識別情報「uk」を取得したとする。通信制御部14は、衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、地域識別情報「uk」に対応するメインの静止衛星が静止衛星S3であると判断する。したがって、通信先の地域に対応する静止衛星S3が、地上局「B001」に対応するメインの静止衛星S1とは異なるため、通信制御部14は、通信情報を衛星に送信すると判断し(ステップS103)、通信情報と、地域識別情報「uk」とを衛星間通信制御情報付加部16に渡す。
衛星間通信制御情報付加部16は、衛星間通信制御情報付加部16は、通信制御部14と同様にして、衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、通信先の地上局「B007」と、通信先の静止衛星「S3」とを決定する。また、衛星間通信制御情報付加部16は、通信情報を右回りで送信するのか、左回りで送信するのかについても決定する。衛星間通信制御情報付加部16は、短い方の経路によって通信情報を転送するように右回り、あるいは左回りを決定することにする。この決定において、衛星間通信制御情報付加部16は、静止衛星の並び(例えば、静止衛星S1,S2,S3…の順番で環状に並んでいるなど)に関する情報を有しており、経由する衛星の数が少ない方の経路を短い経路であると判断する。例えば、静止衛星S1から静止衛星S3までの送信の場合には、静止衛星S1→静止衛星S2→静止衛星S3の短い方のルートとなるように、右回りで通信情報を転送する。なお、右回りでも左回りでも通信経路の長さが同じ場合、例えば、静止衛星S1から静止衛星S4までの送信の場合には、出発点の静止衛星が静止衛星S1、S3、S5である場合には、左回りで転送し、出発点の静止衛星が静止衛星S2、S4、S6である場合には、右回りで転送する。したがって、衛星間通信制御情報付加部16は、図11(a)で示される衛星間通信制御情報を生成し、その衛星間通信制御情報を通信制御部14から受け取った通信情報に付加して衛星送信部12に渡す(ステップS104)。衛星送信部12は、衛星間通信制御情報付加部16から受け取った通信情報に含まれる衛星間通信制御情報の通信元の衛星識別情報「S1」を参照し、通信情報を静止衛星S1に送信する(ステップS105)。
静止衛星S1の地上受信部21は、その送信された通信情報を受信し、通信制御部25に渡す(ステップS201)。通信制御部25は、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報を参照し、通信先が静止衛星S3であるため、通信先が自衛星でないと判断する(ステップS202)。また、寿命判断部26によって寿命が到来していないと判断され(ステップS203)、寿命更新部27によって寿命情報が「1」に更新される(ステップS204)。図11(b)は、寿命情報の更新された衛星間通信制御情報を示す図である。通信制御部25は、転送区分情報が「0」であるため、右回りで送信する、すなわち、通信先の衛星は静止衛星S2であると判断する。そして、通信制御部25は、衛星間通信制御情報の更新された通信情報をバッファメモリにおいて一時的に記憶しておくと共に、その通信情報を静止衛星S2に送信する旨の指示と、通信情報とを衛星間送信部24に渡す。衛星間送信部24は、通信制御部25から受け取った通信情報を静止衛星S2に送信する(ステップS205)。なお、通信制御部25は、通信情報の通信先の静止衛星S2から
通信情報を受け取った旨を示す情報が衛星間受信部23によって受信された場合には(ステップS206)、バッファメモリにおいて一時的に記憶しておいた通信情報を削除する。
静止衛星S2の衛星間受信部23は、静止衛星S1から送信された通信情報を受信する(ステップS201)。すると、静止衛星S2の通信制御部25は、前述した通信情報を受信した旨を示す情報を、衛星間送信部24を介して、静止衛星S1に送信する。
また、静止衛星S2の通信制御部25は、図11(b)で示される衛星間通信制御情報を参照し、通信先の静止衛星が静止衛星S2であることから、その通信情報の通信先が自衛星でないと判断する(ステップS202)。また、寿命判断部26によって寿命が到来していないと判断され(ステップS203)、寿命更新部27によって寿命情報が「2」に更新される(ステップS204)。図11(c)は、寿命情報の更新された衛星間通信制御情報を示す図である。通信制御部25は、転送区分情報が「0」であるため、右回りで送信する、すなわち、通信先の衛星は静止衛星S3であると判断する。そして、通信制御部25は、衛星間通信制御情報の更新された通信情報をバッファメモリにおいて一時的に記憶しておくと共に、その通信情報を静止衛星S3に送信する旨の指示と、通信情報とを衛星間送信部24に渡す。衛星間送信部24は、通信制御部25から受け取った通信情報を静止衛星S3に送信する(ステップS205)。なお、通信制御部25は、通信情報の通信先の静止衛星S3から通信情報を受け取った旨を示す情報が衛星間受信部23によって受信された場合には(ステップS206)、バッファメモリにおいて一時的に記憶しておいた通信情報を削除する。
静止衛星S3の衛星間受信部23は、静止衛星S2から送信された通信情報を受信する(ステップS201)。すると、静止衛星S3の通信制御部25は、前述した通信情報を受信した旨を示す情報を、衛星間送信部24を介して、静止衛星S2に送信する。
また、静止衛星S3の通信制御部25は、図11(c)で示される衛星間通信制御情報を参照し、通信先の静止衛星が静止衛星S3であることから、その通信情報の通信先が自衛星であると判断する(ステップS202)。そして、その通信情報を通信先の地上局識別情報によって識別される地上局B007に送信する旨の指示と、通信情報とを地上送信部22に渡す。地上送信部22は、受け取った通信情報を地上局B007に送信する(ステップS207)。
なお、地上局B007における動作は、実施の形態1の具体例と同様であり、その説明を省略する。このようにして、衛星を介した通信が行われる。
次に、衛星を介した通信において、エラーが発生した場合について説明する。
地上局B001から静止衛星S2までは、上記説明と同様にして送信されたものとする。その後、静止衛星S2から静止衛星S3に通信情報を送信したが、何らかのトラブルが発生し、静止衛星S3が静止衛星S2から送信された通信情報を確実に受信できなかったとする。すると、静止衛星S2は、通信情報を受信した旨を示す情報を静止衛星S3から受信しないため、通信制御部25は、送信を確実に行うことができなかったと判断する(ステップS206)。そして、通信制御部25は、通信情報の衛星間通信制御情報における通信先の情報を通信元と同一の情報に書き換え、衛星の通信網において逆周りで通信されるように転送区分情報を「1」にし、エラー区分情報を「1」にする。また、寿命情報をクリヤして「0」にする(ステップS209)。その結果、衛星間通信制御情報は、図11(d)で示されるようになる。
その後、静止衛星S2から静止衛星S1に通信情報が送信され、静止衛星S1から地上局B001に通信情報が送信される動作については、上記説明と同様であり、その説明を
省略する。
地上局B001の衛星受信部13は、そのエラーによって返信された通信情報を受信すると、通信制御部14に渡す(ステップS101)。通信制御部14は、受信された通信情報の衛星間通信制御情報におけるエラー区分情報が「1」であるため、エラーによる返信であると判断し(ステップS102)、返信された転送区分情報「1」をそのまま維持して転送を行う旨と、通信情報とを衛星間通信制御情報付加部16に渡す。すると、衛星間通信制御情報付加部16は、衛星地上局対応情報(図6)と、地上局地域情報(図7)とを参照し、図9(e)で示される衛星間通信制御情報を通信情報に付加して(ステップS104)、衛星送信部12に渡す。衛星送信部12は、その通信情報を静止衛星S1に送信する(ステップS105)。なお、この後の通信の動作については、上記具体例の説明と同様であり、その説明を省略する。
なお、ここでは、エラーが発生した場合に、通信情報が通信元の地上局にまで返信され、その通信元の地上局において、衛星の通信網において逆周りで通信がなされるように衛星間通信制御情報が設定され、その後に、通信情報が再度、静止衛星に送信される場合について説明したが、例えば、静止衛星S2の通信制御部25が、送信が確実に行われていないと判断した場合に、衛星間通信制御情報における転送区分情報を「1」に変更し、寿命情報を「0」としてから、逆周りで通信情報の静止衛星間における転送を行ってもよい。この場合には、通信情報が地上局にまで戻されないため、目的の地上局まで、通信情報の送信をより早く行うことができ、また、静止衛星と地上局との間の通信トラフィックを減少させることができる。
また、この具体例では、右回りでも左回りでも通信経路の長さが同じ場合に、出発点の静止衛星が静止衛星S1、S3、S5であれば左回りで転送し、出発点の静止衛星が静止衛星S2、S4、S6であれば右回りで転送すると説明したが、これは一例であって、左回りと右回りとを逆にしてもよく、あるいは、右回りでも左回りでも通信経路の長さが同じ場合には、絶えず右回り、あるいは左回りで転送するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態による衛星通信システムによれば、静止衛星によって構成される通信網によって通信を行うことができる。また、通信情報に含まれる衛星間通信制御情報を用いて静止衛星間における通信情報の通信のルート制御を行うため、ある地上局から、任意の他の地上局まで、静止衛星の通信網を用いた通信を行うことができる。さらに、通信網が二重化されているため、何らかのトラブルが発生し、ある静止衛星との通信を行うことができなくなった場合であっても、その静止衛星を経由しないルートによって通信を行うことができ、通信の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、1個の地上局に対して2個の静止衛星が対応している場合について説明したが、それに限定されるものではなく、1個の地上局に対応している静止衛星の個数は、1個であってもよく、3個以上であってもよい。
また、本実施の形態では、静止衛星S1〜S6が一つのグループに属する場合について説明したが、実施の形態1と同様に、複数のグループによって衛星通信が行われる場合に、各グループ内での右回りでの通信、左回りでの通信を、本実施の形態と同様に行ってもよい。例えば、静止衛星S1〜S10が存在し、静止衛星S1、S3、S5、S7、S9によって奇数グループが構成され、静止衛星S2、S4、S6、S8、S10によって偶数グループが構成される場合に、各グループ内において、ある衛星から他の衛星まで、右回りの通信経路、及び左回りの通信経路によって二重化してもよい。
また、本実施の形態では、ある静止衛星にトラブルが発生した場合に、その静止衛星を
経由しないように通信網を構成してもよい。具体的には、例えば、静止衛星S3にトラブルが発生した場合に、静止衛星S2と、静止衛星S4とが通信を行うようにし、静止衛星S3に関する衛星管理情報を削除してもよい。このようにすることで、静止衛星S3以外の静止衛星によって通信網が構成されることになる。
また、本実施の形態では、衛星間通信制御情報付加部16が、短い方の経路によって通信情報を転送するように右回り、左回りを決定する場合について説明したが、衛星間通信制御情報付加部16は、その他の方法によって右回り、左回りを決定してもよい。例えば、地上局から送信情報を送信する静止衛星が静止衛星S1,S3,S5である場合には、右回りに決定し、地上局から送信情報を送信する静止衛星が静止衛星S2,S4,S6である場合には、左回りに決定してもよい。
なお、上記各実施の形態おいて、通信網を構成する静止衛星の個数は、6個以上であればよく、6個に限定されるものではない。また、その6個以上の静止衛星は、地軸を中心に均等に配置されてもよく、そうでなくてもよい。
また、上記各実施の形態における具体例では、静止衛星によって構成される通信網がインターネットのバックボーン回線である場合について説明したが、静止衛星によって構成される通信網は、インターネット以外のネットワークにおいて用いられてもよい。例えば、静止衛星によって構成される通信網が、静止衛星を介した通信を行う専用回線の通信網として用いられてもよい。
また、静止衛星によって構成された通信網がインターネットにおいて用いられる場合に、そのプロトコルは、IPv4であってもよく、IPv6であってもよい。
また、上記各実施の形態における地上局は、固定の地上局であってもよく、あるいは、移動可能な地上局(モバイル端末)であってもよい。また、地上局は、例えば、惑星(例えば、月など)等の星の上に存在してもよく、あるいは宇宙ステーションなどに存在してもよい。
また、固定の地上局である場合に、その地上局はISP(Internet Service Provider)から通信情報を受信する大型の地上局であってもよく、超小型地上局(VSAT:Very Small Aperture Terminal)であってもよく、その他の静止衛星と通信可能なものであってもよい。
また、上記各実施の形態において、ある静止衛星にトラブルが発生していることがわかっている場合には、その静止衛星を経由しないルートによって通信情報を送信するように衛星間通信制御情報付加部16が衛星間通信制御情報を付加するようにしてもよい。例えば、実施の形態1の具体例の場合、静止衛星S3においてトラブルの発生していることがわかっている場合には、偶数グループの静止衛星を用いて通信を行うようにしてもよい。また、例えば、実施の形態2の具体例の場合、静止衛星S3においてトラブルの発生していることがわかっている場合には、静止衛星S3を経由しないように、右回り、左回りのルートを決定してもよい。
また、地上局から静止衛星までの通信において、サイトダイバシティ方式を用いてもよい。例えば、図12で示されるように、地上局と静止衛星S1との間での通信について、降雨の影響によって通信で用いる高周波数の減衰が大きい場合には、そのことをテスト電波等によって検知し、図12で示される地上局に対するメインの静止衛星が静止衛星S1である場合には、静止衛星S2をメインの静止衛星とするように衛星管理情報を書き換えるようにしてもよい。
また、地上局から複数の静止衛星に対して通信情報を送信可能な場合に、通信情報を送信する静止衛星を、通信情報のトラフィック状況と衛星回線の負荷状況に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、所定の静止衛星との間でのトラフィックが大きい場合には、衛星管理情報において、他の静止衛星をメインの静止衛星とすることによって負荷が分散されるようにしてもよい。なお、衛星回線の負荷状況などについては、静止衛星において取得され、その負荷情報を示す情報が地上局に送信されるものとする。
また、図13、図14で示されるように、地上局及び/または静止衛星において、通信先から取得したWEBデータなどをキャッシュ記憶部17、28において記憶しておき、そのキャッシュ記憶部17、28において記憶しているデータと同一のデータを取得する旨の通信情報が通信制御部14、25において受け付けられた場合には、そのキャッシュ記憶部17、28において記憶されているデータを読み出して用いてもよい。このようにすることで、データ取得の高速化を図ることができる。ここで、キャッシュ記憶部17、28は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現され得る。このキャッシュ記憶部17、28は、地上局や静止衛星の有するハードディスクドライブ等の記憶領域の一部であってもよい。なお、キャッシュを行いたくないデータについては、キャッシュ記憶部17、28に記憶しないようにしてもよい。例えば、地上局や静止衛星においてキャッシュ対象外であるアドレスを有しており、そのアドレスのサイトについては、キャッシュ記憶部17、28への蓄積を行わないようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、地上局において衛星間通信制御情報が通信情報に対して付加される場合について説明したが、地上局が地球上の他の通信装置から受信した通信情報に、あらかじめ衛星間通信制御情報が付加されていてもよい。この場合には、衛星間通信制御情報を付加する通信装置が衛星管理情報を有しており、その衛星管理情報に基づいて、衛星間通信制御情報を付加するものとする。
また、上記各実施の形態の具体例では、通信情報のヘッダに含まれるIPアドレスに基づいて、通信先の地域を判断する場合について説明したが、これは一例であって、通信先の地域が通信情報にあらかじめ含まれていてもよく、また、通信情報にURLが含まれている場合には、そのURLの国識別情報(例えば、「.jp」や「.uk」など)を用いて通信先の地域を判断してもよく、その他の方法によって通信先の地域を判断してもよい。
また、上記各実施の形態における具体例では、通信情報を送信する通信先の地域に対応する静止衛星と、通信情報を静止衛星に送信する地上局に対応する静止衛星とが異なる場合に、静止衛星を介して送信する場合(すなわち、複数の静止衛星を介して通信するのであれば静止衛星を利用する場合)について説明したが、通信情報を送信する通信先の地域に対応する静止衛星と、通信情報を静止衛星に送信する地上局に対応する静止衛星とが同一であっても、通信先の地域の地上局と、通信元の地上局とが異なるのであれば、静止衛星を用いた送信を行うようにしてもよい。
また、上記各実施の形態において、地上局が静止衛星による通信を行わない通信情報を示す情報である衛星対象外情報を有しており、その衛星対象外情報の示す通信情報については、衛星通信網による通信を行わないようにしてもよい。ここで、衛星対象外情報は、通信情報の通信先アドレスや、通信情報のヘッダの情報など、通信情報に含まれる何らかの情報に基づいて、衛星通信網による通信を行わない通信情報を特定することができる情報であるとする。
また、上記各実施の形態において、ある地上局から他の地上局まで、専用の回線を構成
することができるようにしてもよい。そのような場合に、その専用の回線を使用可能な期間を示すための使用開始日時(例えば、世界標準時による日時を用いる)と、使用期間(例えば、24時間など)とを衛星間通信制御情報に含ませるようにして、その使用可能な期間を過ぎた場合には、地上局及び/または静止衛星において、通信情報の送信及び/または受信を行わないようにしてもよい。なお、地上局や静止衛星において、専用の回線を特定する情報と、使用可能な期間を示す情報とを対応付けて有しておき、その使用可能な期間を過ぎた場合には、専用の回線による通信情報の通信を行わないようにしてもよい。
また、上記各実施の形態の具体例において、寿命情報が2以下または7以下であれば寿命が到来していないと判断する場合について説明したが、これは一例であって、その他の設定であってもよい。また、上記各具体例では、エラーによる返信時に寿命情報をクリヤして新たに「0」を設定する場合について説明したが、エラーによる返信時に寿命情報をクリヤせず、寿命情報が6以下または13以下であれば寿命が到来していないと判断するように設定してもよい。この場合には、通常の送信時と、エラーでの返信時とにおいて、通信情報が衛星通信網を2周以上転送された場合には、通信情報が廃棄されることになる。
また、上記各実施の形態において、地上局の衛星管理情報記憶部15が記憶している衛星管理情報が衛星地上局対応情報及び地上局地域情報から構成されている場合について説明したが、衛星管理情報がそれら以外の情報によって構成されていてもよい。例えば、衛星地上局対応情報と、静止衛星と地域とを対応付ける情報とによって構成されていてもよい。
また、上記各実施の形態において、地球上の各地上局において記憶されている衛星管理情報を管理する衛星管制局を備えてもよい。そして、その衛星管制局によって管理されている衛星管理情報の更新に伴って、各地上局において記憶されている衛星管理情報が更新されるようにしてもよい。このようにしておくことで、例えば、各地上局における衛星管理情報を変更しなければならない場合に、衛星管制局において管理されている衛星管理情報を変更することによって、その変更を各地上局において記憶されている衛星管理情報に反映させることができる。なお、衛星管制局において管理されている衛星管理情報は、障害発生に備えてリモートバックアップ機能等によってバックアップを取るようにしてもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。なお、その集中処理、あるいは分散処理において、例えば、以下の衛星通信方法における処理を実行してもよい。その衛星通信方法は、他の静止衛星と通信可能な6個以上の静止衛星によって構成された、N重化(Nは2以上の整数)された通信網による衛星通信方法であって、前記静止衛星間における通信の対象の情報である通信情報に、前記静止衛星間における前記通信情報の通信のルート制御に関する情報である衛星間通信制御情報が含まれており、前記衛星間通信制御情報に基づいて、前記通信情報の静止衛星間における通信を行うものである。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されて
もよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明による衛星通信システム等によれば、複数の静止衛星を経由して通信を行う衛星通信網を構成することができ、静止衛星を介して行う通信システム等として有用である。
本発明の実施の形態1による衛星通信システムの構成を示す模式図 同実施の形態による地上局の構成を示すブロック図 同実施の形態による静止衛星の構成を示すブロック図 同実施の形態による地上局の動作を示すフローチャート 同実施の形態による静止衛星の動作を示すフローチャート 同実施の形態における衛星地上局対応情報の一例を示す図 同実施の形態における地上局地域情報の一例を示す図 同実施の形態における衛星間通信制御情報の構成の一例を示す図 同実施の形態における衛星間通信制御情報の一例を示す図 本発明の実施の形態2による衛星通信システムの構成を示す模式図 同実施の形態における衛星間通信制御情報の一例を示す図 サイトダイバシティ方式について説明するための図 本発明による地上局の他の構成を示すブロック図 本発明による静止衛星の他の構成を示すブロック図
符号の説明
1、2 地上局
11 通信部
12 衛星送信部
13 衛星受信部
14 通信制御部
15 衛星管理情報記憶部
16 衛星間通信制御情報付加部
17、28 キャッシュ記憶部
21 地上受信部
22 地上送信部
23 衛星間受信部
24 衛星間送信部
25 通信制御部
26 寿命判断部
27 寿命更新部
S1〜S6 静止衛星

Claims (11)

  1. 6個以上の静止衛星と、2以上の地上局とを有し、前記地上局は、前記静止衛星と通信するとともに、前記各静止衛星は、他の静止衛星と通信して、6個以上の前記静止衛星によってN重化(Nは2以上の整数)された通信網が構成され、
    ある地上局から他の地上局までの一の通信網を介した通信が不能となった場合に他の通信網に切り替える衛星通信システム。
  2. 6個以上の前記静止衛星は、N個のグループに分かれており、各グループに属する静止衛星間において通信を行う、請求項1記載の衛星通信システム。
  3. 静止衛星軌道上において隣接する前記静止衛星は、異なるグループに属する静止衛星である、請求項2記載の衛星通信システム。
  4. 前記Nは2である、請求項1から3のいずれか記載の衛星通信システム。
  5. 6以上の前記静止衛星は、互いに隣接する前記静止衛星間において通信を行うものであり、
    前記Nは2であり、
    ある静止衛星から他の静止衛星まで、右回りの通信経路、及び左回りの通信経路によって二重化されている、請求項1記載の衛星通信システム。
  6. 前記静止衛星間における通信の対象の情報である通信情報に、前記静止衛星間における前記通信情報の通信のルート制御に関する情報である衛星間通信制御情報が含まれており、前記静止衛星は、前記衛星間通信制御情報に基づいて、前記通信情報の静止衛星間における通信を行う、請求項1から5のいずれか記載の衛星通信システム。
  7. 前記衛星間通信制御情報は、通信情報を前記静止衛星に送信する地上局において付加される、請求項6記載の衛星通信システム。
  8. 前記衛星間通信制御情報は、前記通信情報の寿命に関する情報である寿命情報を有しており、
    前記静止衛星は、前記寿命情報に基づいて、寿命の到来した前記通信情報を廃棄する、請求項1から7のいずれか記載の衛星通信システム。
  9. 請求項1から8のいずれか記載の衛星通信システムを構成する静止衛星。
  10. 請求項1から8のいずれか記載の衛星通信システムを構成する地上局。
  11. 他の静止衛星と通信可能な6個以上の静止衛星によって構成された、N重化(Nは2以上の整数)された通信網による衛星通信方法であって、
    前記静止衛星間における通信の対象の情報である通信情報に、前記静止衛星間における前記通信情報の通信のルート制御に関する情報である衛星間通信制御情報が含まれており、前記衛星間通信制御情報に基づいて、前記通信情報の静止衛星間における通信を行う衛星通信方法。
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