JP2006048507A - ファイル検索方法、端末、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

Abstract

【課題】 Ｐ２Ｐネットワークにおいて、無駄な検索メッセージ伝播をなくし、検索メッセージの伝播効率を最もよくする。
【解決手段】 各ピアは、他ピアと接続する際、ファイルと、該ファイルを持つピアまでの到着ホップ数からなるファイル情報を構築し、保持する。ファイル検索メッセージを受信した際には、その保持しているファイル情報をもとに、隣接する他ピアのうちで目的ファイルに一番近い一つの他ピアのみへファイル検索メッセージを配送する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、ピア・ツー・ピア型ネットワーク（Ｐ２Ｐネットワーク）において用いられるファイル検索方法、端末、プログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。

最近注目を集めているＰ２Ｐネットワークは、ネットワークを介して互いに接続される端末が、サーバーを必要とすることなく、コンピューター資源やサービスをシステム間で直接共有する。

従来技術として、特許文献１「Ｐ２Ｐネットワークにおけるファイル検索方法、端末、プログラム、および記録媒体」に開示されている技術がある。この特許文献によれば、Ｐ２Ｐネットワークにおいて、ファイル検索を行う場合に、マルチキャストに基づくファイル検索手法を用いずに、各端末がファイル検索を行う際に転送するファイル検索メッセージ数を抑制する方法が提案されている。
特開２００４−１２７０７４号公報

しかし、Ｐ２Ｐネットワークにおいて、ファイル検索を行うと、従来のファイル検索メッセージ数を抑制する方法であっても、ファイル検索メッセージは、接続している端末の多くに配送されるため、どうしても無駄なファイル検索メッセージの伝播が発生する。

また、検索される目的のファイルに関係なく、ファイル検索メッセージの配送経路を選定するため、目的ファイルにファイル検索メッセージがたどり着くまでに早い場合もあれば遅い場合もあるといったように、目的ファイルに応じて検索効率を向上させることができない。

このようなファイル検索メッセージの無駄な伝播は、ネットワーク全体のパフォーマンスを低下させる。

本発明の目的は、Ｐ２Ｐネットワークにおいて、無駄なファイル検索メッセージ伝播をなくし、ファイル検索メッセージの伝播効率が最もよいファイル検索方法、端末、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明のファイル検索方法は、
他端末と接続する際、ファイルと、該ファイルを持つ端末までの到着ホップ数からなる、該他端末のファイル情報を参照し、自分のファイル情報にないファイルが相手のファイル情報にある場合は、そのファイルを自分のファイル情報に追加し、自分の持つ各ファイルに対応したファイルをもつ端末までの到達ホップ数の値が、相手の持つその到達ホップ数の値よりも大きい場合に、相手のその到達ホップ数の値に１を足した値を自分のそのファイルの到達ホップ数の値として保持するステップと、
ファイル検索メッセージを受信した際に、自端末のファイル情報を参照し、検索されたその目的ファイルに関するファイルを持つ他端末までの到達ホップ数の値が０ならば、ファイル検索元の端末に該目的ファイルの発見を通知し、該到達ホップ数の値が０でないならば、隣接する端末のファイル情報を参照し、隣接する端末のうちで、該目的ファイルに関する到達ホップ数の値が最も小さい端末を選定し、この時、最も小さい到達ホップ数の値を持つ端末が複数ある場合はランダムに一つの端末を選定して、その選定した一つの端末のみにファイル検索メッセージを配送するステップを有する。

本発明は、Ｐ２Ｐネットワークにおいて、任意の端末からのファイル検索メッセージが最短経路に沿って目的ファイルまで配送されることで、ファイル検索メッセージの伝播効率を高めるために、各端末はファイル検索メッセージを受信した時に、検索対象となるファイルの情報を保持して隣接する端末のうちで目的ファイルに最も近い端末を選択してファイル検索メッセージを中継できるようにしたものである。

図５に、従来方法と本発明でのファイル検索メッセージ伝播例の比較を示す。図５（１）は、従来のファイル検索メッセージ伝播例であり、図５（２）が本発明でのファイル検索メッセージ伝播例である。なお、Ａ−Ｈはピア（端末）を示している。

従来のファイル検索メッセージ伝播方法では、ファイル検索によるファイル発見のためのファイル検索メッセージが接続しているピアの多くに配送されるため、無駄なファイル検索メッセージの伝播が発生する。一方、本発明によるファイル検索方法では、ファイル検索メッセージは目的ファイルまでの最短経路にのみ配送されるから、無駄なファイル検索メッセージの伝播をなくすことができる。

また、従来の方法では、目的ファイルに関係なく、ファイル検索メッセージの配送経路を選定するため、目的ファイルにファイル検索メッセージがたどり着くまでに早い場合もあれば遅い場合もあるといったように、目的ファイルに応じて検索効率を向上させることができない。一方、本発明によるファイル検索方法においては、目的ファイル別にそれぞれの最短経路に沿ってファイル検索メッセージが伝播するため、検索される任意の目的ファイルにおいて、ファイル検索メッセージの伝播は最も効率よく行われる。

さらに、本発明は、目的ファイルを持つピアをルートとする仮想ツリーを利用するから、接続構成を変えずに、任意のピアから目的ファイルまで、ファイル検索メッセージは必ず最短経路で到達する。

以上説明したように本発明によれば、Ｐ２Ｐネットワークにおいて、目的ファイル別に任意の端末からそれぞれの最短経路に沿って、ファイル検索メッセージが目的ファイルまで配送されるようにすることで、無駄なファイル検索メッセージ伝播をなくし、ファイル検索メッセージの伝播効率が最もよいという効果がある。さらに、端末数が増えても、ファイル検索メッセージは目的ファイルまでの最短経路にて配送されるから、従来方法のように無駄なファイル検索メッセージが増大することはない。したがって、接続する端末数が増えれば増えるほど従来の方法と比較して、本発明の方法によるファイル検索メッセージの伝播が効率よく行われるという効果がますます高くなる。

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

本実施形態では、Ｐ２Ｐネットワークは、図１に示すように、ピアＡ〜Ｈからなるものとする。図１においては、ピアＣがファイルＸを検索した場合に、このファイル検索メッセージが目的ファイルＸをもつピアＡまで最短経路で配送される例を示している。

各ピアＡ〜Ｈは、図２に示すように、通信部１１とファイル情報保持部１２とファイル情報構築部１３とファイル検索メッセージ配送部１４を有している。

ファイル情報保持部１２は、表１に示すように、各ファイルと、自ピアから該ファイルを持つピアまでのホップ数ｈからなるファイル情報（テーブル）を保持している。

ファイル情報構築部１３は表１に示すテーブルを図３のフローチャートにしたがって構築する。まず、隣接ピアと接続の際、相手ピアのテーブルを参照する（ステップ１０１）。次に、自分のテーブルを参照する（ステップ１０２）。自分のテーブルにないファイルが相手のテーブルにある場合は、そのファイルを自分のテーブルに追加する（ステップ１０３、１０４）。次に、各ファイルに対応したｈの値が、相手の持つｈの値よりも大きい場合は、その相手のｈの値に１を足した値を自分のｈ値としてセットする（ステップ１０５、１０６）。各ファイルに対応したｈの値が、相手の持つｈの値よりも大きくない場合には、自分のｈはそのままの値として変更しない。次に、他にも隣接するピアが存在する場合は、ステップ１０１からこの操作を行う（ステップ１０７）。隣接ピアが増加した場合も同様の操作を行う。また、自身がファイルを持つ場合、そのファイルに関してはｈ＝０と値をセットする。このようにして、各ピアは表１に示すテーブルを保持する。

ここで、構築されたテーブルにおいて、ある一つのファイル、例えばファイルＸに着目すると、このファイルＸに関して各ピアの関係は、図１に示すピアＡをルートとするツリー状になっている。このツリー状の関係は、ファイルＸを目的ファイルとする場合における任意のピアからファイル検索メッセージがファイルＸを持つピアＡに向かって配送される時に通過すべき最短経路の例を表している。同様に、例えばピアＤがファイルＹを持っていて、ファイルＹに着目すれば、目的ファイルをＹとする場合のピアＤをルートとするツリーが存在している。ファイルＹを目的ファイルとする場合においても、任意のピアからファイル検索メッセージがファイルＹを持つピアＤに向かって配送される時に通過すべき最短経路が存在している。

検索メッセージ配送部１４は、ファイル検索メッセージを受け取ると、図４のフローチャートにしたがって、ファイル検索メッセージ転送先を決定し、通信部１１を介してファイル検索メッセージを配送する。あるピアから発信されたファイルＸのファイル検索メッセージを隣接するピアから受信する（ステップ２０１）。次に、上記で説明した自分の持つファイル情報テーブルを参照する（ステップ２０２）。ファイルＸに関するｈの値がｈ＝０ならば、自分がファイルＸを持っているということであるから、ファイルＸ発見の応答を返して終了となる（ステップ２０３、２０４）。ファイルＸに関するｈの値がｈ≠０ならば、隣接するピアのテーブルを参照する（ステップ２０５）。隣接するピアのうちで、ファイルＸに関するｈの値が最も小さいピアを選ぶ（ステップ２０６）。もし、最も小さいｈの値を持つピアが複数ある場合はランダムに一つのピアを選ぶ。そして、このようにして選んだ一つのピアのみにファイル検索メッセージを配送する（ステップ２０７）。このファイル検索メッセージを受信したピアも、同様にこれらの動作を行う。

このようにして、無駄なファイル検索メッセージが伝播することなく、ファイル検索メッセージは目的ファイルを持つピアまで最短経路で配送される。

なお、本発明は専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行するものであってもよい。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＣＤ−ＲＯＭ等の記録媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク装置等の記憶装置を指す。さらに、コンピューター読み取り可能な記録媒体は、インターネットを介してプログラムを送信する場合のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの（伝送媒体もしくは伝送波）、その場合のサーバーとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。

本発明を用いたＰ２Ｐネットワークの例を示す図である。 図１のＰ２Ｐネットワークにおける各ピアＡ〜Ｈの構成を示す図である。 ファイル情報構築部の処理を示すフローチャートである。 検索メッセージ配送部の処理を示すフローチャートである。 従来方法と本発明での検索メッセージ伝播例を比較して示す図である。

符号の説明

１１ 通信部
１２ ファイル情報保持部
１３ ファイル情報構築部
１４ ファイル検索メッセージ配送部
１０１〜１０７、２０１〜２０７ ステップ
Ａ〜Ｈ ピア（端末）
Ｘ ファイル

Claims (4)

1. 複数の端末が接続され、ファイルを検索するためのサーバーを持たないＰ２Ｐネットワークにおいて、各端末において行なわれる、ファイルを検索する方法であって、
   他端末と接続する際、ファイルと、該ファイルを持つ端末までの到着ホップ数からなる、該他端末のファイル情報を参照し、自分のファイル情報にないファイルが相手のファイル情報にある場合は、そのファイルを自分のファイル情報に追加し、自分の持つ各ファイルに対応したファイルをもつ端末までの到達ホップ数の値が、相手の持つその到達ホップ数の値よりも大きい場合に、相手のその到達ホップ数の値に１を足した値を自分のそのファイルの到達ホップ数の値として保持するステップと、
   ファイル検索メッセージを受信した際に、自端末のファイル情報を参照し、検索されたその目的ファイルに関するファイルを持つ他端末までの到達ホップ数値が０ならば、ファイル検索元の端末に該目的ファイルの発見を通知し、該到達ホップ数値が０でないならば、隣接する端末のファイル情報を参照し、隣接する端末のうちで、該目的ファイルに関する到達ホップ数の値が最も小さい端末を選定し、この時、最も小さい該到達ホップ数の値を持つ端末が複数ある場合はランダムに一つの端末を選定して、その選定した一つの端末のみにファイル検索メッセージを配送するステップと
   を有するファイル検索方法。
2. ファイルを検索するためのサーバーを持たないＰ２Ｐネットワークを構成する端末において、
   ファイルと、該ファイルを持つ端末までの到着ホップ数を含むファイル情報を保持する手段と、
   他端末と接続する際、該他端末のファイル情報を参照し、自分のファイル情報にないファイルが相手のファイル情報にある場合は、そのファイルを自分のファイル情報に追加し、自分の持つ各ファイルに対応したファイルをもつ端末までの到達ホップ数の値が、相手の持つその到達ホップ数の値よりも大きい場合に、相手のその到達ホップ数の値に１を足した値を自分のそのファイルの到達ホップ数の値として保持する手段と、
   ファイル検索メッセージを受信した際に、自端末のファイル情報を参照し、検索されたその目的ファイルに関するファイルを持つ他端末までの到達ホップ数の値が０ならば、ファイル検索元の端末に該目的ファイルの発見を通知し、該到達ホップ数の値が０でないならば、隣接する端末のファイル情報を参照し、隣接する端末のうちで、該目的ファイルに関する到達ホップ数の値が最も小さい端末を選定し、この時、最も小さい該到達ホップ数の値を持つ端末が複数ある場合はランダムに一つの端末を選定して、その選定した一つの端末のみにファイル検索メッセージを配送する手段と
   を有することを特徴とする端末。
3. 請求項１に記載の方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
4. 請求項３に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体。

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