JP2006030195A - 電気機械共振器を備える磁力計 - Google Patents

電気機械共振器を備える磁力計 Download PDF

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Abstract

【課題】一実装において、駆動検出(DD)回路に結合された電気機械共振器102を含む磁力計を提供すること。
【解決手段】共振器は閉電流路の一部である変形可能ビームを備える。周期的駆動信号を変形可能なビームの近くに配置されている駆動電極に印加すると、DD回路はビームの発振を引き起こす。磁場の存在下で、この発振により、閉電流路を通る磁束が変化し、それによって、電流路内で発振電流が発生する。閉電流路内の抵抗損失によりこの電流が消費されると、変形可能なビームの発振が減衰するが、減衰係数は磁場強度に依存する。変形可能なビームの近くに配置されている感知電極を使用するDD回路が、発振の振幅を検出する。検出された振幅に基づいて、共振周波数を見つけるためDD回路で駆動信号の周波数を変化させる。共振周波数は、減衰係数に依存するため、磁場強度は、共振周波数から比較的容易に推論できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁力計に関するものであり、より具体的には、電気機械共振器に基づく磁力計に関する。本発明は、さらに、微小電気機械システム(MEMS)にも関係する。
磁力計は、地球外探査、工業プロセス・センサ、画像診断機器、科学機器、および鉱床ならびに沈没船の検知など、さまざまな用途で広く用いられている。磁力計の設計および開発は、最近では、一貫して小型化、低消費電力化、および所望のパフォーマンス特性を持たせた低コスト化の傾向を示している。従来技術の小型磁力計の例は、参照によりその教示が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,998,995号、米国特許第5,731,703号、および米国特許第5,644,230号に記載されている。
米国特許第5,998,995号 米国特許第5,731,703号 米国特許第5,644,230号 B.Yurke他によるPhysical Review A、1995、vol.51、4211−29頁
従来技術の小型磁力計の問題の1つは、通常は強い永久または電磁微小磁石を含むという点である。永久微小磁石は、従来の微細加工技術では加工および磁力計構造への組み込みが比較的難しい磁性(例えば、強磁性および/または磁気歪み)材料を必要とする。微小電磁石は、比較的製造が容易であるが、電流を流す必要があり、これは、過剰な発熱を引き起こし、および/または受け入れがたいほど大きな消費電力を発生させる可能性がある。
従来技術における問題は、本発明の原理に従って、共振周波数が測定される磁場強度に応じて変化する電気機械共振器を備える磁力計を採用し、共振器の発振から磁場の強度を推論することにより解消される。一実施形態では、電気機械共振器は、駆動検出(DD)回路に結合され、閉電流路の一部である変形可能なビームを持つ。周期的駆動信号を変形可能なビームの近くに配置されている駆動電極に印加すると、DD回路はビームの発振を引き起こす。磁場の存在下で、この発振により、閉電流路を通る磁束が変化し、それによって、電流路内で発振電流が発生する。閉電流路内の抵抗損失によりこの電流が消費されると、磁場強度に依存する減衰係数をもつ変形可能なビームの発振が減衰する。変形可能なビームの近くに配置されている感知電極を使用してDD回路が、発振の振幅を検出する。検出された振幅に基づいて、DD回路は、駆動信号の周波数を変化させて、共振周波数(つまり、最大発振振幅に対応する周波数)を見つける。共振周波数は、減衰係数に依存するため、磁場強度は、共振周波数から比較的容易に推論できる。有利なことに、本発明の磁力計は、磁力計構造内に微小磁石を必要とせず、従来の微細加工技術により製造されたMEMSデバイスを使用することにより実装することができる。
本明細書で「一実施形態」と記述されている場合、これは、その実施形態に関して説明されている特定の機能、構造、または特性が少なくとも本発明の1つの実施形態に含まれうることを意味する。「一実施形態」という語句が明細書のさまざまな箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を参照しているとは限らないし、また他の実施形態と相互排他的な別の、または代替え実施形態とも限らない。
磁力計
図1は、本発明の一実施形態による磁力計100のブロック図を示している。磁力計100は、駆動検出(DD)回路104に結合された電気機械共振器102を含む。共振器102は、比較的大きなQ係数を持つ非線形共振器である。以下で詳しく説明するように、比較的大きなQ係数を持つ共振器の場合、線形共振器と非線形共振器の違いの1つは、共振周波数の共振器のQ係数に対する依存関係にある。より具体的には、線形共振器では共振周波数はQ係数の値に実質的に無関係であるが、非線形共振器の場合にはそうでないのである。共振器102は、非線形共振器なので、共振器のQ係数が変化すると、その結果、共振周波数が変移する。以下でさらに詳しく説明するが、共振器102は、そのQ係数が、共振器が置かれている磁場Bに依存するように設計されている。共振周波数の測定値からBの値を取得する方法の詳細については、以下のセクションで説明する。
DD回路104は、共振器102の共振周波数の値を測定するように適合されている。より具体的には、DD回路104は、電気的駆動信号106を共振器102に印加し、共振器内に機械的発振を励起する。これらの機械的発振により、共振器102はDD回路104にフィードバックされる電気的応答信号108を発生する。一実施形態では、DD回路104は、駆動信号106を発生し、応答信号108を処理して、それらの信号に基づき、DD回路が共振器102の共振周波数の値を判別できるように適合される。この値は、その後、出力信号110を介してDD回路104から、出力信号に基づき、Bの値を導くことができる外部プロセッサ(図に示されていない)に出力される。他の実施形態では、DD回路104は、Bの値を(例えば、デジタル形式で)直接表す出力信号110を発生するように適合された内部プロセッサを備える。
一実施形態では、DD回路104は、共振器102とともに閉ループ内で動作するように設計されている。閉ループ動作では、駆動信号106の位相は、応答信号108の位相に関して固定される。DD回路104は、応答信号108の振幅が最大となる周波数値に自動的に同調し、固定されように設計されている。したがって、閉ループ動作では、DD回路104の動作周波数は、通常、共振器102内の電流共振周波数を表す。
他の実施形態では、DD回路104は、共振器102とともに開ループ内で動作するように設計されている。開ループ動作では、駆動信号106の位相は、応答信号108の位相に関して固定されない。開ループ内の共振器102の共振周波数の値を決定するために、DD回路104は、指定された範囲にわたって駆動信号106の周波数を掃引し、応答信号108の振幅を周波数の関数として決定する。その後、DD回路104により最大振幅に対応する周波数値が共振器102の共振周波数の電流値として選択される。
さらに他の実施形態では、DD回路104は、共振器102とともに開ループまたは閉ループ・モードで動作する構成が可能となるように設計されている。特定の用途に応じて、磁力計100の操作者は、これらのモードから磁力計の所望の動作モードを選択することができる。
図2は、本発明の一実施形態による磁力計100において共振器102として使用できる電気機械共振器202の三次元斜視図を例示している。共振器202は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハ210を使用して製造される。ウェハ210は、(i)2つのシリコン層、つまり基材層212および上張層216、および(ii)上張層216と基材層212との間に配置されている酸化ケイ素層214を持つ。基材層212は、共振器構造の支持材を備え、酸化ケイ素層214は、上張層216と基材層212との間に電気的絶縁を備え、上張層216は、共振器のいくつかの構造要素を定めるために使用され、それらの要素のそれぞれについて、以下で詳述する。
共振器202は、くさび形支持材222a〜bの間に取り付けられた変形可能なビーム220を含む。くさび形支持材222aは、上張層216の一部であり、くさび形支持材222bは、上張層216から形成される導体パッド224の一部である。導体パッド224の上面およびビーム220の上面の一部分は、導電率が高まるように、任意選択により金属(例えば、金)薄膜で被覆される。金属薄膜は、導体パッド224と直接電気的接触している。金属薄膜は、ビーム220の材料と直接電気的接触するか、またはそれとは別に、ビームと金属薄膜との間に蒸着された誘電体薄層によりビームから電気的に絶縁されるようにできる。導体パッド224に似た導体パッド226が、導電トラック228を介してビーム220に電気的に接続される。導体パッド226の上面の一部は、導電率が高まるように、任意選択により金属(例えば、金)薄膜で被覆できる。導体パッド226は上張層216と直接電気的接触する。
一実施形態では、上張層216内に溝をエッチングして酸化被膜214にまで通すことにより導電トラック228を形成し、この溝で導体トラックを上張層の残り部分から電気的に絶縁する。他の実施形態では、導電トラック228は、上張層216と導電トラック228の金属薄膜との間に蒸着された誘電体薄層でトラックの経路上に金属薄膜を蒸着することにより形成され、金属薄膜は上張層216の基礎部分から電気的に絶縁される。
抵抗器負荷(図に示されていない)が導体パッド224と226との間に接続されている場合(例えば、抵抗器負荷の一方の端子が導体パッド224に接続され、抵抗器負荷の他方の端子が導体パッド226に接続される)、この抵抗器負荷は変形可能なビーム220および導電トラック228とともに閉電流路を形成する。共振器202が磁場内に置かれた場合、閉電流路を通る磁束の変化により、磁束の変化に対応する方向に閉路にそって流れる電流が発生する。より具体的には、共振器202に関する特定の磁場の向きについて、磁束が増大すると、電流は、図2に関して時計回りの方向に、閉路にそって流れる。それとは別に、磁束が減ると、電流は反時計回りの方向に閉路にそって流れる。変形可能なビーム220の機械的発振、例えば、上張層216により定められた平面内での発振は、閉電流路の面積の周期的変化をもたらし、したがって、磁束の周期的変化を引き起こす。そのため、磁場が存在していると、変形可能ビーム220の機械的発振により、変形可能ビーム220、導電トラック228、および導体パッド224と226との間に接続されている抵抗器負荷により形成される閉電流路内で振動電流が生じる。
共振器202は、さらに、駆動電極232および感知電極242を含み、それらは両方とも図2に示されているように変形可能ビーム220に近い位置に配置されている。一実施形態では、電極232および242はそれぞれ、T字型電極であり、その底のところで、基材層212に取り付けられ、ウェハ210の開口部230に覆いかぶさっている。開口部230は、例えば、基材層212および酸化ケイ素214の対応する部分を取り除くことにより、形成される。電極232および242はそれぞれ、上張層216から加工され、(i)電極の基部のところの酸化ケイ素層214の基礎部分により基材層212から、また(ii)電極を囲む上張層216内の開口部により上張層216の残り部分から、電気的に絶縁される。したがって、電極232および242はそれぞれ、変形可能ビーム220、基材層212、および上張層216の残り部分に関して、独立にバイアスをかけることができる。一実施形態では、導電性を高めるために、電極232および242は、それぞれ導体パッド234および244を持ち、それぞれのパッドは対応する電極の基部に配置される。パッド234および244はそれぞれ、例えば、電極の上面の一部の上に金属(例えば、金)薄膜を蒸着することにより形成することができる。
代表的な構成において、導体パッド226、基材層212、および上張層216は、基準(例えば、接地)電位にある。駆動電極232と導体パッド226との間の電圧差は、駆動信号106(図1)に対応し、感知電極242と導体パッド226との間の電圧差は、応答信号108(図1)に対応する。
図3は、本発明の一実施形態による磁力計100内でDD回路104として使用できるDD回路304のブロック図を示している。より具体的には、DD回路304は、電気機械共振器、例えば共振器202(図2)とともに閉ループで動作するように設計される。代表的な構成では、DD回路304は、駆動電極232(図2)に印加される駆動信号306を発生し、感知電極242(図2)から応答信号308を受信する。応答信号308に基づいて、DD回路304は、共振器202(図2)内の共振周波数の値を表す出力信号310を発生する。
DD回路304は、駆動信号306を発生するように適合された駆動信号(DS)発生器320を備える。一構成では、駆動信号306は、バイアスがかかっていない周期的(例えば、正弦波)信号、つまり、ゼロ(接地)電位を中心にして振動する信号である。駆動信号306の位相は、移相器318により発生する信号330の位相により決定され、駆動信号306の周波数は、振幅測定および周波数制御(AMFC)回路322により生成される制御信号332により決定される。DS発生器320は、駆動信号の位相および周波数とは実質的に無関係な一定レベルで駆動信号306の振幅を維持するように設計されている。
周期的駆動信号306が駆動電極232に印加されると(図2)、駆動電極と変形可能ビーム220との間に振動する引力が発生し、これにより、変形可能ビームは引力の時間平均値に対応する平衡位置を中心にして振動する。引力は駆動電極232と変形可能ビーム220との間の電圧差の平方に比例するので、時間平均引力値は、一般に、ゼロではなく、変形可能ビームの発振は駆動信号306の二次高調波を持つ。
変形ビーム220が発振するため、変形可能ビームおよび感知電極242により形成されるキャパシタ(これ以降、感知キャパシタと呼ぶ)の容量は時間依存となる。バイアス発生器312の抵抗RbiasとDD回路304内の固定利得増幅器314の入力インピーダンスが比較的大きい場合、感知キャパシタに蓄積される電荷は、実質的に時間依存である。時間依存感知キャパシタに蓄積された実質的に一定の電荷により、感知キャパシタにかかっている電圧は、(i)変形可能ビーム220のものと同じ周波数、(ii)変形可能ビームの振動振幅に比例する振動振幅で発振する。応答信号308は、感知キャパシタにかかっている電圧に実質的に対応するため、応答信号は、バイアス発生器312により与えられ、変形可能ビーム220の振動振幅に比例する振幅を持つ、バイアス電圧レベルを中心として発振する周期的信号である。
応答信号308は、固定利得増幅器314で増幅され、増幅された信号334は、AMFC回路322および周波数分割器316の両方に印加される。周波数分割器316は、増幅された信号334の周波数を2分の1に分周し、周波数分割された信号336を移相器318に印加する。信号336は、駆動信号306と同じ周波数を持ち、信号336の位相は、駆動信号306の位相と固定された関係を持つ。移相器318は、それら2つの信号の位相差が固定された選択値となるように信号336に基づいて信号330を発生するように適合された構成可能な回路である。一実施形態では、移相器318は、信号336と330との間の移相の値を選択するように手動で構成可能である。他の実施形態では、信号336と330との間の移相の値は、AMFC回路322により発生する任意選択の制御信号338により決定される。以下でさらに説明するように、比較的大きなQ係数を持つ電気機械共振器では、駆動信号330と周波数分割信号336との間の相対的移相は、通常、約90度となるように選択され、その場合、周波数分割信号は駆動信号より遅れる。しかし、90度異なる移相値を使用してDD回路304を動作させることも可能である。
AMFC回路322は、増幅信号334の振幅を測定し、その測定結果に基づいて、DS発生器320に印加される制御信号332、および任意選択により移相器318に印加される制御信号338を発生するように設計されている。より具体的には、増幅信号334の振幅が実質的に最大になるような制御信号332および338が発生される。その結果、DD回路304は、DD回路が結合されている、電気機械共振器(例えば、共振器202)の共振器周波数に自動的に同調し、動作する。
当業者であれば、DD回路304は、それとは別に、駆動信号がバイアスがかけられた周期的信号、つまり、振動周期全体にわたって信号極性が変化せずに選択されたバイアス電圧を中心として発振する信号となるように駆動信号306を発生するように構成することができることを理解するであろう。この構成では、応答信号308は、駆動信号306と同じ周波数を持ち、周波数分割器316は、DD回路304からバイパスまたは除去されることができる。しかし、非バイアス駆動信号306に基づく構成は、バイアスがかかった信号306に基づく構成よりも有利な場合があるが、それは、駆動信号306と応答信号308との間に周波数差があることで、DD回路304の動作に対する電気機械共振器内の電極間クロストークの発生しうる悪影響が低減されるからである。
動作の物理的原理
A.共振周波数とQ係数との関係
このサブセクションでは、共振周波数とQ係数の間の関係式を線形および非線形発振器について導く。線形発振器を最初に取りあげ、その後、非線形発振器についても同様にして取りあげる。
周期的駆動力により駆動される減衰線形発振器の運動は、以下のように式(1)により決まり、
Figure 2006030195
yおよびtはそれぞれ変位量および時間、mは質量、Γは減衰係数、kは線形バネ定数、Fは駆動力の振幅、ωは角振動数である。以下のように、式(2)および(3)をそれぞれ使用して、基本周波数fおよびQ係数Qを定義し、
Figure 2006030195
以下の式(4)により与えられる形の式(1)の解を仮定し、
y=Ael(ωt+φ)
Aは、質量mの変位の振幅、φは駆動力の位相に関する変位の位相とすると、以下の式が得られる。
Figure 2006030195
図4は、式(5)および(6)をそれぞれ、パラメータ化形式で表した図である。より具体的には、図4の上パネル内の曲線402は、式(5)から導かれた正規化された振幅に対応し、図4の下パネル内の曲線406は、式(6)により与えられる位相に対応する。2πf=ωという表記は、図4で使用されており、Apeakは、式(5)に対応する最大(共振)振幅である。
共振では、振幅Aはその最大値であることに注意し、したがって、
Figure 2006030195
式(5)を式(7)に代入すると、式(1)により決定される発振器の共振に対応する角振動数ωresは以下のように式(8)により与えられることがわかる。
Figure 2006030195
式(6)と式(8)を結合すると、式(1)により決定される発振器の共振に対応する位相φresは以下のように式(9)により与えられることがわかる。
Figure 2006030195
Qが比較的大きい(例えば、>>1)場合、式(8)および(9)は、それぞれ、
Figure 2006030195
および
Figure 2006030195
度にまで下げることができ、その場合、変位は駆動力よりも遅れる。Q係数の値の比較的小さな変化により生じるωresのシフトは、さらに、以下のように式(10)により与えられる。
Figure 2006030195
式(10)から、約100のQの比較的穏当な値であっても、Qの値が1%変化すると、ωresの値は約0.0001%シフトすることがわかる。Q>100の場合に発生するωresの相対的シフトはなおいっそう小さい。あらゆる実用上の目的に関して、式(10)の結果は、比較的大きなQ係数を持つ線形電気機械共振器では、共振周波数は、Q係数に実質的に無関係であることを意味する。
周期的駆動力により駆動される減衰非線形発振器の運動は、以下のように式(11)により決まり、
Figure 2006030195
xおよびtはそれぞれ変位量および時間、mは質量、Γは減衰係数、kは一次(つまり、線形)バネ定数、kは三次(つまり、一次非線形)バネ定数、Fは駆動力の振幅、ωは角振動数である。当業者であれば、一般に、非線形バネにより生じる力は奇数次の項からなる級数として表すことができることを理解するであろう。簡単のため、式(11)から三次よりも高い次数に対応する項を省略する。
式(4)により与えられる解と似た解を想定すると、変位の振幅は、以下のように、式(12)で与えられることがわかる。
Figure 2006030195
式(12)は、Aに関する三次式であり、したがって、従来の解析的方法または数値解析的方法で解くことができる。図4の上パネル内の曲線404は、式(12)の典型的な解を周波数fのパラメータ化値の関数として示している。
さらに先へ進むと、変位の位相は以下のように式(13)により与えられることがわかるが、
Figure 2006030195
ただし、Aは、式(12)から導かれる。図4の下パネル内の曲線408は、式(13)の典型的な解を周波数の関数として示している。
式(7)の条件を適用すると、共振時に、
Figure 2006030195
tanφres=−2Qωres/ω (16)
Qが比較的大きい(例えば、>>1)場合、式(14)〜(16)は、以下のように式(17)〜(19)に帰着できる。
Figure 2006030195
φres=−90° (19)
Q係数の値の比較的小さな変化により生じるωresのシフトは、さらに、以下のように式(20)により与えられる。
Figure 2006030195
式(20)から、ωresの値の相対的シフトは、Qの値の相対的変化に比例することがわかる。あらゆる実用上の目的に関して、式(20)の結果は、比較的大きなQ係数を持つ非線形電気機械共振器では、共振周波数は、Q係数に依存することを意味する。したがって、Q係数の変化は、共振器の共振周波数を監視することにより検出することができる。
B.開ループ動作と閉ループ動作の対比:
開ループ動作時に、式(11)によって決定される非線形発振器の駆動力の位相と変位の位相は、互いに関して強くは固定されない。そのため、図4の曲線404および408の破線部分は不安定であり、発振器は曲線の安定(実線)分岐の1つに整定する。例えば、周波数掃引が点Pに対応する状態から開始し(図4を参照)、より高い周波数に進む場合、発振器の状態は、点PとRとの間の曲線404と408の分岐により決定される。周波数が点Rの周波数を超えると、発振器は、図4の対応する縦の矢印により示されているように、点Rに対応する状態から点Sの状態に遷移する。周波数が、さらに、例えば、点Sの周波数から点Tの周波数にまで高くなった場合、発振器の状態はそれらの点の間の曲線404と408の分岐に従う。それとは別に、周波数掃引が点Tに対応する状態から開始し、より低い周波数に進む場合、発振器の状態は、点TとUとの間の曲線404と408(図4)の分岐により決定される。周波数が点Uの周波数よりも低くなると、発振器は、図4の対応する縦の矢印により示されているように、点Uに対応する状態から点Vの状態に遷移する。周波数が、さらに、例えば、点Vの周波数から点Pの周波数にまで下がると、発振器の状態はそれらの点の間の曲線404と408の分岐に従う。
開ループ動作とは対照的に、閉ループ動作時には、式(11)によって決定される非線形発振器の駆動力の位相と変位の位相は、互いに関して強く固定される。その結果、曲線404と408の任意の点で発振器の安定した動作を実現できる。非線形発振器のこの特性の理論に関する説明は、B.Yurke他によるPhysical Review A、1995、vol.51、4211〜29頁で公開されている記事に示されており、その教示は参照により本明細書に組み込まれている。例えば、DD回路304(図3)に結合されている電気機械共振器202(図2)に対する、実用に関してのこの特性の意味は、共振器およびDD回路は例えば点R(図4)の付近で共振に近い安定した形で動作し、しかも、図4に示されている縦矢印に対応する急な遷移を伴わないということである。
C.固定ビーム発振器:
式(1)および(11)では、質量mおよびバネは発振器構造内の別々の要素である仮定している。しかし、共振器202(図2)内の変形可能ビーム220などの固定ビーム発振器では、固定ビームは、同時に質量とバネの両方である。この事実により、式(17)〜(19)のわずかな修正は適切である。
長さlおよび断面積Acsの固定ビームに対する三次バネ定数は以下のように式(21)により与えられ、
Figure 2006030195
ただし、Eはヤング率である。固定ビームに作用する駆動力の分散される性質から、式(18)で使用しなければならない力の振幅に対する約1.3195の倍率が得られる。固定ビームの基本共振周波数は、以下のように式(22)により与えられるが、
Figure 2006030195
ただし、Iは、
Figure 2006030195
のように一般的に定義された断面積のモーメントであり、
dA=hdx、およびρはビームを形成するために使用される材料の密度である。幅w、高さhの断面が矩形をしているビームについては、以下の式が適用される。
Figure 2006030195
式(17)〜(19)で適切な代入を行うと、以下のように式(25)〜(27)が得られる。
Figure 2006030195
φres=−90° (27)
ただし、|ymppeakは、共振時の固定ビームの中点変位の振幅であり、|F|は、駆動力の振幅である。
D.Q係数、共振周波数、および磁場の間の関係:
上ですでに示されているように、共振器202(図2)の変形可能ビーム220などの固定ビームが閉電流路の一部である場合、磁場に垂直なビームの運動により閉電流路内に電流が発生する。閉電流路内の抵抗損失、例えば、共振器202(図2)の導体パッド224と226の間に接続されている抵抗器負荷および/または変形可能ビーム220自体の損失のせいで、電力が抵抗加熱で損失し、ビームの振動が減衰する。抵抗損失に加えて、ビームおよび/または電気機械共振器に固有のエネルギー損失、ビームと雰囲気ガスとの摩擦相互作用に対応するエネルギー損失も、ビームの振動を減衰する。一般に、Q係数の実効値は、これらすべての損失を反映し、例えば、以下のように式(28)により表すことができる。
Figure 2006030195
ただし、Qint、Q、およびQgasは、固有損失、抵抗損失、および気体損失に対応するQ係数である。以下では、簡単のため、気体項が無視できるくらい小さくなるように、共振器は高真空環境に置かれていると仮定する。
閉電流路内で消費される電力
Figure 2006030195
は、以下のようにQに関係する。
Figure 2006030195
ただし、Uは以下の式で与えられるビームの振動エネルギーを表す。
Figure 2006030195
磁場B内の導体の運動により発生する電圧Vは、以下の式により決定される。
Figure 2006030195
ただし、
Figure 2006030195
は、セグメント
Figure 2006030195
の速度である。磁場が共振器202の平面に対し法線方向であれば、この式は以下のように簡略化される。
Figure 2006030195
閉電流路のインピーダンスが抵抗負荷Rloadにより決まると仮定すると、消費電力は、以下のように式(33)によって与えられる。
Figure 2006030195
式(29)で適切な代入を行うと、以下の式が得られることがわかる。
Figure 2006030195
したがって、固定抵抗負荷については、Qは磁場の平方に反比例する。
以下では、磁力計に対する最適な磁場感度は、Bが以下のように式(35)により定義されている
Figure 2006030195
の特定の値の近くで得られることが示される。
Figure 2006030195
式(25)、(26)、(28)、(34)、および(35)を結合すると、共振周波数fres(ただし、2πfres≡ωres)と磁場Bとの間に以下のように式(36)で与えられる関係があることがわかる。
Figure 2006030195
式(36)は、B>>Bについて、電流共振周波数fresと基本周波数fとの間の差は、全減衰が大きく、ビーム振幅が小さいため比較的小さいことを示している。それは別に、B<<Bの場合、この差は、漸近的に定数値に近づくが、それは、全減衰が固有項で決まるからである。その後、磁場の比較的小さな変化δB により生じるfresのシフトδfは、式(36)を別の形で表し、適切な代入を行って整えることにより、比較的簡単な方法で得られる。このシフトは、以下のように式(37)により与えられる。
Figure 2006030195
式(37)から、磁力計の感度は、共振器の運動の検出に使用される方法(例えば、|ymp|の測定について)および共振器のQ係数にも依存することが示される。また、式(35)により、抵抗負荷の最適な抵抗はB に比例し、前記抵抗は、非常に低い磁場できわめて小さくなり、その場合、共振器を冷却し、および/または超電導体を使用しなければならないことがある。
E.ビームの駆動およびその運動の検出:
図2を参照すると、ビーム220の振幅|ymp|がビームと駆動電極232との間のギャップ(g)と比較して小さい場合、駆動電極に印加された電圧Vにより発生する駆動力Fは以下のように式(38)により与えられる。
Figure 2006030195
ただし、Cは、ビーム220および駆動電極232により形成されるキャパシタの容量である。駆動電極232に印加される駆動信号がバイアスがかけられた正弦波信号の場合、以下の条件が適用される。
V=Vdc+|Vac|sinωt (39a)
|Vdc|>|Vac| (39b)
さらに、|Vdc|>>|Vac|の場合、駆動力の発振成分(Fac)は、以下のように式(40)により与えられる。
Figure 2006030195
式(40)により、図3の前記の説明で行われた、バイアスがかけられた駆動信号306について、駆動力および、したがって、応答信号308は、駆動信号と同じ周波数を持つという陳述が確認される。それとは別に、駆動電極232に印加される駆動信号がバイアスがかけられていない正弦波信号の場合、|Vdc|=0であり、駆動力は以下のように式(41)により与えられる。
Figure 2006030195
式(41)により、図3の前記の説明で行われた、バイアスがかけられていない駆動信号306については、駆動力および、したがって、応答信号308は、駆動信号の二次高調波を持つという陳述が確認される。
フリンジ場効果を無視し、駆動電極232がビーム220と同じ長さを持つと仮定すると、容量Cに対する以下の式が得られる。
Figure 2006030195
ただし、εは真空誘電率である。式(26)、(41)、および(42)を結合し、
Figure 2006030195
を仮定すると、駆動電圧としての|ymppeakに対する以下の式が得られる。
Figure 2006030195
式(43)は、駆動信号306とビーム220の振動振幅との関係を示している。
DD回路304(図3)が共振器202(図2)に結合されている場合、応答信号308の振動成分の振幅(|V|)は以下のように表すことができる。
Figure 2006030195
ただし、Vbiasは、バイアス発生器312により発生するバイアス電圧、gは、ビーム220と感知電極232(図2)との間のギャップ、Ctotalは、感知電極242に対応する、ビーム220および感知電極242により形成されるキャパシタの容量(C)および回路内の寄生容量(Cpara)を含む全容量である。寄生容量が比較的小さい場合、式(44)は以下のように式(45)に帰着できる。
Figure 2006030195
式(45)は、ビーム220の振動振幅と応答信号308の関係を示している。式(45)は、応答信号308の振動成分の振幅がビーム220の変位振幅に実質的に比例することを示している。
式(45)は、バイアス電圧を上げ、および/またはビーム220と感知電極242との間のギャップを小さくすると応答信号308を任意に大きくできることを暗示しているように思われるが、上記の導出の基礎となっているのが、バイアス電圧によるビーム変形はギャップを著しく変えないという仮定であるため、これは当てはまらない。明らかに、バイアス電圧は、ビーム220を感知電極242の方へ引き、何らかの臨界電圧で、ビームはいきなり感知電極と接触する可能性がある。したがって、バイアス電圧は、以下のように式(46)により近似される、スナップダウン電圧により制限される。
Figure 2006030195
ただし、
Figure 2006030195
F.磁力計感度
「実際の」周波数からの測定された周波数の標準偏差(δf)は、複数の係数により決定され、そこでは、共振器の固有損失(ほとんどはその性質上、熱)に関連するノイズおよび増幅器(例えば、図3の増幅器314)から放射される電子ノイズが主要な寄与要因である。簡単のため、他のすべての寄与要因を無視すると、δfは以下のように表すことができる。
Figure 2006030195
ただし、インデックスintおよびampは共振器の固有ノイズおよび増幅器ノイズにそれぞれ対応する。磁力計感度に対する式は、式(37)および(47)を結合することにより比較的簡単に得られる。
共振器がDD回路からはずされた場合、平均周波数からの測定された周波数の相対偏差は、以下のようにして求めることができる。
Figure 2006030195
ただし、kは、ボルツマン定数、Tは、温度、Qfilterは、以下の式により与えられる。
Figure 2006030195
ただし、Δνはフィルタ帯域幅、τは測定時間である。式(30)、(48)、および(49)を結合すると、共振器の固有損失に関連するノイズのδfの中への寄与要因について以下の式が得られる。
Figure 2006030195
共振曲線のピークでは、増幅器の出力ポートのノイズによる位相拡散は、非線形性の強さと無関係であり、上記のB.Yurke他によるPhysical Review記事で導かれている以下の式により与えられる。
Figure 2006030195
ただし、νrmsは、白色電圧ノイズ/ヘルツの平方根の二乗平均平方根を表し、τは、DD回路に接続されたときの共振器の振幅リングダウン時間である。τは、
Figure 2006030195
として表せることに注意すると、増幅器ノイズのδfの中への寄与要因に対する以下の式が得られる。
Figure 2006030195
式(37)、(47)、(50)、および(52)から、固有ノイズが支配的であれば、磁力計感度は以下の式で決まる。
Figure 2006030195
それとは別に、増幅器ノイズが支配的であれは、磁力計感度は以下の式で決まる。
Figure 2006030195
式(53)はB=21/2で最小値を持つが、式(54)はB=Bで最小値を持つ。これらの最小値は、磁力計に対する動作のそれぞれの最適な領域に対応する。
以下でさらに説明されるように、比較的低い磁場では、共振器をバイアス磁場Bbias内に置くことにより磁力計感度を著しく改善することができる。例えば、バイアス磁場は、共振器支持構造に取り付けた永久磁石により実現できる。すると、共振器に作用する全磁場Bは、バイアス磁場と磁力計により監視される外部磁場bとの総和である。そこで、全磁場内の相対的変動は、以下のように式(55)により与えられる。
Figure 2006030195
この式を整理すると、以下の式が得られる。
Figure 2006030195
ただし、δB/Bは、式(37)により与えられる。b<<Bbias、および
Figure 2006030195
ならば、式(56)は以下のように式(57)に簡略化される。
Figure 2006030195
固有ノイズが支配的な場合、バイアス磁場がある場合とない場合の感度の比は式(50)および(57)を使用して求めることができる。Bbias=Bに対する代表的結果は、以下のように式(58)により与えられる。
Figure 2006030195
それとは別に、増幅器ノイズが支配的な場合、バイアス磁場がある場合とない場合の感度の比は式(52)および(57)を使用して求めることができる。Bbias=Bに対する代表的結果は、以下のように式(59)により与えられる。
Figure 2006030195
式(58)および(59)は、バイアス磁場が存在すると、比較的低い磁場で磁力計の感度を高める(つまり、δbの検出可能な値を小さくする)傾向があることを示している。
実施例
A.実施例1:
地球の磁場(約0.5ガウスの強さを持つ)の変動を監視したく、また製造、真空、振動、および/または電子工学面の問題に基づき、fに対し比較的高い値、例えば、f=20kHzを必要とすると仮定する。そこで、共振器202は、例えば、パラメータw=1μm、l=620μm、h=7.75μmを使用して、ビーム220を実装した場合にこの要求条件を満たす。ドープド・シリコン(ビーム220の材料)の導電性を利用すると、ビームは約800Ωの抵抗を持つことがわかる。この抵抗が負荷抵抗(例えば、導体パッド224および226は単に良導体の導線により接続されている)であり、Qint=10である場合、B=1670ガウスである。それとは別に、ビーム220が厚さ約0.6μmの金の薄膜で覆われている場合、
Figure 2006030195
およびB=300ガウスである。g=g=15.5μmを選択し、式(46)を使用すると、バイアス発生器312の最大バイアス電圧は約120Vであることもわかる。
図5は、この例のパラメータを使って実装された共振器202の磁場強度の関数として共振周波数をグラフで示している。図5の異なる曲線は、駆動電極232に印加される駆動信号の異なる振幅(Vac)に対応する。図5は、例えば、Vac=140mVに対して、磁場強度が約0から約500ガウスまで変化する場合に、共振器202の共振周波数が約40kHから約22kHzまでシフトすることを示している。図5は、さらに、磁場変動に対する最良の感度は、約100ガウスから約350ガウスの間で得られることも示している。
図6は、この例の上述のパラメータを使って実装された共振器202の磁場強度の関数として磁力計の感度をグラフで示している。曲線602および604は、ymp/w=0.1となる駆動信号に対応し、曲線606および608は、ymp/w=1.0となる駆動信号に対応する。曲線602および606は、Bbias=0である構成を表し、曲線604および608は、Bbias=300ガウスである構成を表す。図6は、バイアス磁場の印加で、比較的低い磁場、例えばB<10ガウスの測定に対する磁力計の感度が向上することを示している。例えば、共振器が約0.5ガウスの外部磁場内でymp/w=1.0により駆動される場合、磁力計感度は、バイアス磁場のない場合には約100ppmであり、バイアス磁場のある場合には約1ppmである。約0.001ppmの最適な感度は、約300ガウスの外部磁場強度で、バイアス磁場があってもなくても得られる。
B.実施例2:
共振器202の最適な感度の領域は、fの比較的低い値、例えば、f=2kHzを持つ共振器を実装することにより低い磁場にシフトさせることができる。ビーム220がw=10μm、l=6200μm、およびh=77.5μmの寸法を持つ、共振器202は、この仕様を満たす。ビーム220が厚さ約2μmの金の薄膜で覆われている場合、
Figure 2006030195
およびB=160ガウスである。
図7は、この例の上述のパラメータを使って実装された共振器202の磁場強度の関数として磁力計の感度をグラフで示している。曲線702および704は、ymp/w=0.1となる駆動信号に対応し、曲線706および708は、ymp/w=1.0となる駆動信号に対応する。曲線702および706は、Bbias=0である構成を表し、曲線704および708は、Bbias=160ガウスである構成を表す。例えば、図7は、共振器が約0.5ガウスの外部磁場内でymp/w=1.0により駆動される場合、磁力計感度は、バイアス磁場のない場合には約1ppmであり、バイアス磁場のある場合には約0.01ppmであることを示している。約10−4ppmの最適な感度は、約200ガウスの外部磁場強度で、バイアス磁場があってもなくても得られる。
本発明は例示されている実施形態を参照して説明されているが、この説明は、限定する目的で解釈することを意図されていない。説明されている実施形態だけでなく本発明の他の実施形態のさまざまな修正は、本発明が関係する当業者には明白であり、請求項で表現されているように本発明の原理および範囲内に収まるとみなされる。
本発明の電気機械共振器はシリコン/酸化ケイ素SOIウェハの背景状況において説明されているが、ゲルマニウム補償シリコンなどの他の適当な材料も同様に利用できる。これらの材料は、当業で知られているように適切にドーピングできる。例えば、電気伝導度向上のための金属蒸着または機械強度向上のためのイオン注入により、さまざまな表面を修正することができる。本発明の範囲および原理から逸脱することなく、異なる形状の電極、パッド、トラック、溝、開口部、および支持構造物を実装することができる。変形可能ビームは、異なる形状およびサイズを持つことができ、「ビーム」という用語は、一般に、歪められた後、元の形状を復元できる適当な弾性構造を意味する。本発明の共振器内では、本発明の範囲および原理から逸脱することなく、さまざまな数の電極を使用できる。本発明の2つ以上の共振器を他の回路、例えばDD回路とともに、必要に応じて、および/または当業者に明白なように、アレイ状に配置および/または集積化することができる。本発明の2つ以上のさまざまな向きの共振器を磁力計に組み込んで、磁力計がさまざまな向きの磁場を感知するようにできる。
本明細書の目的に関して、MEMSデバイスとは、2つ以上のパーツが互いに相対的に移動するように適合されているデバイスであり、その運動は、機械、熱、電気、磁気、光、および/または化学的相互作用などの相互作用の組み合わせのうちの適当な相互作用に基づく。MEMSデバイスは、限定はしないが、(1)例えば、単層のセルフアセンブリ、所望の化学物質に対する親和性が高い化学コーティング、およびダングリング・ボンドの生成および飽和を採用するセルフアセンブリ技術、および(2)例えば、リソグラフィ、化学気相蒸着、材料のパターニングおよび選択的エッチング、および表面の処理、形状創成、メッキ、およびテクスチャ化などを採用するウェハ/材料処理手法を含むことができる、微細加工または小型加工技術(ナノ加工技術を含む)を使用して製造される。MEMSデバイス内の特定の要素のスケール/サイズは、量子効果が現れることを許すようなものとすることができる。MEMSデバイスの例としては、限定はしないが、NEMS(ナノ・エレクトロメカニカル・システム)デバイス、MOEMS(マイクロ・オプティカル・エレクトロメカニカル・システム)デバイス、マイクロマシン、マイクロシステム、およびマイクロシステム技術またはマイクロシステム集積化を使用して創成されるデバイスがある。
本発明は、MEMSデバイスとしての実装の背景状況において説明されているが、本発明は、理論的には、微小規模を超える規模を含むいかなる規模でも実装できる。
方法の請求項の工程は、あった場合には、請求項の記載において他の何らかの形でそれらの工程の一部または全部を実装する特定の順序を示唆していない限り、対応するラベル付けのある特定の順序で記載されているが、それらの工程は、必ずしも、その特定の順序で実装されることに限定されることを意図されていない。
本発明の一実施形態による磁力計のブロック図である。 本発明の一実施形態による図1の磁力計で使用できる電気機械共振器の三次元斜視図である。 本発明の一実施形態による図1の磁力計で使用できる駆動検出(DD)回路のブロック図である。 線形および非線形発振器の振幅および位相を周波数の関数として示すグラフである。 図2に示されている共振器の一実装の磁場強度の関数として共振周波数を示すグラフである。 図5に例示されている共振器実装の磁場強度の関数として磁力計感度を示すグラフである。 図2に示されている共振器の他の実装の磁場強度の関数として磁力計感度を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 共振器が磁場に曝された場合に、変形可能ビームの振動の共振周波数が磁場強度の関数となるように発振するように適合された前記変形可能ビームを持つ前記共振器を備えるデバイスであって、前共振周波数に基づいて、前記磁場強度を示す信号を発生するように適合されたデバイス。
  2. さらに、前記共振器に結合された駆動検出(DD)回路を備え、前記DD回路は(i)前記共振器に印加される、前記発振を誘起する、駆動信号を発生し、(ii)前記発振のため前記共振器により発生した応答信号を受信するように適合され、前記共振周波数は前記応答信号の最大振幅に対応する請求項1に記載の発明。
  3. 前記DD回路は、(i)自動的に前記共振周波数にロックオンして動作し、(ii)前記駆動信号の位相と前記応答信号の位相との間の固定された関係を維持するように適合され、前記応答信号は、約90度だけ駆動信号よりも遅れる請求項2に記載の発明。
  4. 前記DD回路は、
    前記駆動信号を発生するように適合された発生器と、
    前記応答信号を増幅するように適合された増幅器と、
    前記増幅された信号に基づいて移相信号を発生するように適合された移相器と、
    前記増幅された信号の振幅を測定し、前記測定結果に基づいて、第1の制御信号を前記発生器に供給するように適合された制御回路を備え、前記発生器は、前記第1の制御信号および前記移相信号に基づいて前記駆動信号を発生するように適合されている請求項2に記載の発明。
  5. 前記DD回路は、さらに、前記増幅器と前記移相器との間に結合された周波数分割器および前記応答信号にバイアスをかけるように適合されたバイアス電圧発生器を備え、
    前記制御回路は、前記第1の制御信号を発生し、前記増幅された信号の前記振幅が実質的に最大化されるように適合され、前記共振周波数は、前記増幅された信号の前記最大化された振幅に対応する請求項4に記載の発明。
  6. 前記変形可能ビームは、MEMSデバイス内に実装され、前記MEMSデバイスは、前記変形可能ビームに電気的に接続された導電トラックを備え、
    前記変形可能ビームおよび前記導電トラックは、閉電流路の一部であり、
    前記変形可能ビームの前記振動は、前記閉電流路を通る磁束を変化させ、それによって前記閉電流路内に電流を発生させるように適合され、
    閉電流路内の抵抗損失による電流の消費は、共振周波数に影響を及ぼす請求項1に記載の発明。
  7. 前記MEMSデバイスは、前記変形可能ビームの前記振動を誘起するように適合された第1の電極および前記変形可能ビームの前記振動を感知するように適合された第2の電極を備え、
    前記MEMSデバイスは、層状ウェハを使用して製造され、
    前記変形可能ビーム、前記第1の電極、および前記第2の電極は、層状ウェハの単一層を使用して製造される請求項6に記載の発明。
  8. 基板上で支持され、閉電流路の第1の部分となるように適合された変形可能ビームを備え、前記変形可能ビームは、前記閉電流路が磁場に曝された場合に、前記変形可能ビームの前記振動の前記共振周波数が磁場強度の関数となるように発振するように適合されたMEMSデバイス。
  9. 磁場を測定する方法であって、
    閉電流路の一部である変形可能ビームの振動を誘起することと、
    前記閉電流路が前記磁場に曝された場合に、前記振動の共振周波数が前記磁場強度の関数となる前記振動を感知することと、
    前記共振周波数に基づいて前記磁場強度を決定することとを含む方法。
  10. 閉電流路の一部である変形可能ビームと、
    前記変形可能ビームの振動を誘起するための手段と、
    前記閉電流路が磁場に曝された場合に、前記振動の共振周波数が前記磁場強度の関数となる前記振動を感知する手段と、
    前記共振周波数に基づいて前記磁場強度を決定する手段とを備える装置。
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