JP2006014305A - モバイルデバイスがアクセスするネットワーク内のクラスタヘッドを選択する方法 - Google Patents

モバイルデバイスがアクセスするネットワーク内のクラスタヘッドを選択する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】センサデバイスからの測定データをアプリケーションサーバに送信することによって消費されるエネルギーを低減する。
【解決手段】モバイルデバイス(203)を用いて測定データが抽出される分散システムが提供される。モバイルデバイスによるアクセス試行は記録され、該記録された情報を用いて、モバイルデバイスによるセンサデバイスへの将来のアクセスの確率が計算される。収集ポイントは、該将来のアクセスの確率に応じて選択される。さらに、メモリ管理およびデータの優先順位付けを、該将来のアクセスの確率に少なくとも部分的に基づいて行うことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、一般に、分散センサシステムに関する。
マイクロエレクトロニクス、マイクロセンサ、および無線通信の発達につれ、新しいタイプの分散測定システムが提案され、一部においては実現されている。センサデバイスの測定機能と通信機能を適切に実現することにより、このような測定システムを実現することが可能である。一般に、センサデバイスは、バッテリ電力および/または受動的に生成された電力(例えば、光電池(photo-voltaic)のリソース)を使用して長時間動作するように設計されている。また、センサデバイスは一般に、比較的最小の複雑さ(例えば、制限された計算、メモリ、および通信の各リソース)で設計されている。さらに、これらのシステムのセンサデバイスは、短距離無線方法を使用して通信する。たとえば、センサデバイスによって、アドホックワイヤレスネットワーク(ad hoc wireless network, たとえばIEEE802.11bネットワーク、ブルートゥースネットワークなど)を形成することができ、測定データの転送を容易にしている。短距離無線通信プロトコルを使用するセンサデバイスの構成は、スキャタネット(scatter net)、アドホックセンサネット、ピコネット(pico net)などと呼ばれる。
図1は、複数のセンサデバイス102を使用する典型的な分散センサシステム100を示す。センサシステム100は、任意の数の用途(アプリケーション)について測定値を集めるために使用されることができる。たとえば、センサシステム100を使用し、都市全体の化学測定値を得て、該都市の環境モニタリングを容易にすることができる。センサシステム100が意図する目的に応じて、システム内のセンサデバイス102の数は、数個から数千以上の範囲に及ぶことがある。アクセスポイント103との高電力無線通信を使用すると、収集ポイントデバイス101は、ネットワーク104を介して測定データをアプリケーションサーバ105へ転送することができる。アプリケーションサーバ105は、センサシステム100の意図する目的に適切なように、より高いレベルのアルゴリズムに従って該データを処理する。
分散センサシステム100内において、センサデバイス102は、それぞれのスキャタネット(ネット106−1および106−2として示す)において構成される。図1に示すように、センサ102−1、102−2、102−3は、収集ポイント装置101−1と通信し、これによってネット106−1を形成する。同様に、センサ102−4、102−5、102−6は、収集ポイント装置101−2と通信し、これによってネット106−2を形成する。それぞれのネット106内では、センサ102は、低エネルギー短距離無線通信を使用して、処理された測定データをそれぞれの収集ポイント装置101に転送する。
個々のセンサ102と、それに対応する収集ポイントデバイス101の間の通信は、直接である必要はない。たとえば、センサ102−3は、測定データをセンサ102−2に転送し、センサ102−2は、該データを収集ポイント装置101−1に転送してもよい。比較的多数のセンサデバイス102をそれぞれのスキャタネット内で使用する場合、収集ポイント装置101への通信の「ホップ(hop)」数が重要になりうる。通信のホップ数は、収集ポイントに達するのに必要なエネルギー量に関連する。従って、収集ポイントサービスを行うノードの選択は、センサネットにより消費されるエネルギーの合計量に影響する。
収集ポイントサービスを行うノードを適切に選択することによって、センサネットにより消費されるエネルギー量を最小化することを試みるいくつかのプロトコルが存在する。このようなプロトコルのうちの2つは、LEACHプロトコルおよびPEGASISプロトコルである。これらのプロトコルは、多くの前提に基づいている。第1に、これらのプロトコルは、電力の節約が主要問題であるとの前提を持つ。これは、センサデバイスが、バッテリ電力式であり、比較的長時間にわたって使用する目的で現場に配置されるためである。さらにこれらのプロトコルは、すべてのセンササンプルが重要で、該すべてのセンササンプルがアクセスポイントに伝送されなければならないとの前提を持つ。またこれらのプロトコルは、外部へのアクセスが、静的アクセスポイント103を介して固定されるとの前提を持つ。さらにこれらのプロトコルは、アクセスポイント103との通信が、定義された期間に従って生じるとの前提を持つ。
これらの前提の結果、収集ポイントサービスを行うためのノードがランダムに選択される。その後、個々のセンサから、データが、最も近い収集ポイントノード101にルーティングされる。データは、可能であれば、収集ポイントノード101を通過中に、該収集ポイントノード101において集約される。非収集ポイントノードは、収集ポイントノードへ通じる経路内の「次の」ノードに達するのに必要な電力レベルで動作する。収集ポイントノード101は、かなり大きな電力で動作し、より長い距離を介したアクセスポイント103に向けて送信する。収集ポイントノード101は、他のノードより多くの電力を消費するので、収集ポイントノード101の選択は、センサネット全体に関するエネルギー消費パターンを平均化するよう、繰り返し行われる。さらに、センサ102から収集ポイント101へのデータの送信、および、収集ポイント101からアクセスポイント103へのデータの送信は、ノードがほとんどの時間を低電力のスリープモードで動作することができるように、念入りに計画される。
代表的な実施形態は、一般に、モバイルデバイスをアクセスポイントデバイスとして使用して、測定データを転送する分散センサシステムに関する。たとえば、携帯電話あるいは他の無線デバイスは、アクセスポイントサービスを行うことができる。モバイルデバイスが分散センサシステムを介して移動すると、該モバイルデバイスは、該モバイルデバイスが測定データへのアクセスを試みていることを示す信号を送信する。分散センサシステムのそれぞれのスキャタネット内のノードは、モバイルデバイスと無線通信を確立し、測定データを通信することによって、該信号に応答する。その後、モバイルデバイスは、別のネットワーク(たとえば、携帯(セルラ)ネットワーク)を使用して、収集したデータを、1つまたはいくつかのアプリケーションサーバに転送することができる。
アプリケーションサーバへの測定データの通信がモバイルデバイスを介して行われるので、該モバイルデバイスとの通信に関連する空間的な特性は静的には定義されない。さらに、アクセス試行のタイミングを、決定論的に(deterministically)知ることはできない。代表的な実施形態では、分散センサシステムの動作中、モバイルデバイスとスキャタネットのノードとの間の確率論的な特性(probabilistic characteristic)を判断する。具体的には、検出されたアクセス試行に基づいて、将来のアクセスについて最も大きな確率を有する所定のノードが識別される。
確率論的な特性に基づいて、収集ポイントは選択される。センサネットの或る部分内における将来のアクセスの確率が比較的高い場合、収集ポイントの選択により、その部分内の収集ポイントの密度を比較的低くすることができる。同様に、センサネットの或る部分内における将来のアクセスの確率が比較的低い場合、収集ポイントの選択により、その部分内の収集ポイントの密度を比較的高くすることができる。収集ポイントの選択が、アクセス試行の確率論的な特性に従って行われるので、アプリケーションサーバに測定データを送信することによって消費されるエネルギーを低減することができる。具体的には、収集ポイントとモバイルデバイスとの間の通信は、ノード間通信エネルギーに匹敵する低エネルギー送信を使用することができる。
モバイルデバイスとセンサネットのノードとの相互作用の確率論的な特性は、センサネットの他の動作に影響を与えることがある。たとえば、収集ポイントからモバイルデバイスへの通信について、測定データの優先順位を決め、これにより、時宜に応じて(タイムリーに)アプリケーションサーバに配信することができる。追加として、または代替的に、センサデバイスのメモリ内の測定データを、該確率論的な特性に従って管理することができる。特定の用途に適切であるならば、重要性の低い測定サンプルを、統計的なデータによって置き換え、メモリリソースを解放することができる。
代表的な実施形態は、分散センサシステムについて、モバイルデバイスを使用してアクセスポイントサービスを行う。代表的な一実施形態では、携帯電話は、スキャタネット内でセンサデバイスと通信することで、測定データを取得し、該データを、携帯ネットワークインフラストラクチャを使用してアプリケーションサーバに送る。一実施形態では、携帯電話を使用してアクセスポイントサービスを行うが、本発明はこれに限定されるものではない。代表的な実施形態では、適切な通信リソースを統合または付属させることができる、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、他の消費者電子機器、商用/産業用装置(例えばフォークリフト)、車両、または他の任意のモバイルデバイスを使用することができる。モバイルデバイスを使用した、分散センサシステムのセンサへのアクセスに関する詳細は、「普及しているモバイルインフラストラクチャの個別またはネットワーク化されたセンサ、アクチュエータ、その他のデバイスをアクセスするための方法および使用(The Method and Use of Pervasive Mobile Infrastructure to Access Individual or Networked Sensors, Actuators, or Other Devices)」という題名の米国出願第10/664,400号(ドケット番号:10030838)に記載されている。この出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
図2は、代表的な一実施形態に従う、モバイルデバイスが分散ネットから測定データを得るシステム200を示す。図2に示すように、スキャタネット201−1と201−2は、複数のセンサデバイス202を含む。センサデバイス202は、コマンドに応じて、時間スケジュールに従って、および/または、他の適切な方式に従って、測定データを得る。センサデバイス202は、センサデバイス202自体をスキャタネット201内に組み込むことを可能にする短距離無線通信機能を有する。センサデバイス202は、定期的にスリープモードに入り、エネルギーを保存することができる。スリープモードにおいては少量のリソースが維持されるたけなので、エネルギーの消費は比較的少ない。センサデバイス202がスリープモードにない時、センサデバイス202は、測定サンプルを得て、該サンプルを適切に処理し、通信のためにデータを集約し、ネット管理動作を実施する、といった動作を行う。
一部またはすべてのセンサデバイス202は、モバイルデバイス203(例えば、携帯電話)と通信する通信リソースを含む。モバイルデバイス203は、スキャタネット201−1および201−2の一部の通信範囲内に持ち込まれることが時々ある。モバイルデバイス203は、該モバイルデバイス203が測定データを得る試行をおこなっていることを示す適切な信号を一斉送信(broadcast)する。代表的な一実施形態では、該適切な信号は、無線通信を始めるための典型的な無線通信プロトコル(例えばIEEE802.11bまたはBluetooth(ブルートゥース)プロトコル)によって定義される信号であることができる。上記のように、モバイルデバイス203は、或る期間にわたり、低消費電力の「スリープモード」に置かれることができる。通信範囲内にモバイルデバイス203が存在することはランダムに生じることなので、モバイルデバイス203からの最初の信号によって、センサデバイス203がスリープモードを抜けるようにしてもよい。ついで次の信号を使用し、典型的なプロトコルにしたがって無線通信を開始することができる。
たとえば、各センサデバイス202は、別個の(discrete)非常に低電力の受信機を有して、「ウェイクアップ(wake-up)」信号を生成することができる。該低電力受信機を介して適切な信号を受信すると、電力を、センサデバイス202の処理リソース、通信リソース、および他のリソースに供給し、それぞれのモバイルデバイス203と通信することができる。代替的に、受動無線周波数(RF(passive radio frequency))回路を使用し、電源オンの動作を開始してもよい。たとえば、アンテナを適切に結合し、ショットキーダイオードにバイアスをかけることができる。該結合は、同調検出(tuned detection)または広帯域検出(broadband detection)を使用して、電界効果トランジスタ(FET)を起動し、センサデバイス202のスリープモードを終了させることができる。同様に、共振音響構造((resonant acoustic structure), たとえば、MEMデバイス)を使用し、超音波信号に応じて誘導結合または静電結合を提供し、電源オンの動作を起動することもできる。
センサデバイス202への信号を使用したセンサデバイス202のスリープモードの終了は、モバイルデバイス203の移動レートと、スリープモード期間の長さに依存してもよい。たとえば、モバイルデバイス203が、該スリープモード期間に対して比較的ゆっくり移動している場合、モバイルデバイス203は、典型的な無線通信に従って、センサデバイス202との通信を開始することができる。具体的には、スリープモード期間が分かっているので、モバイルデバイス203が通信範囲内にいる間に、センサデバイス202がスリープモードを終了するとの決定を行うことができる。代替的に、モバイルデバイス203がより速く移動する場合、モバイルデバイス203がまだ通信範囲内にいる間に、モバイルデバイス203が、ウェイクアップ信号によって、通信を開始することができる。
モバイルデバイス203と通信することができ、かつモバイルデバイス203からアクセス試行信号を受信する各センサデバイス202は、適切なログを更新して、将来のアクセスの確率(probability、蓋然性)を求めることができる。該ログは、適切な時間ウィンドウ(time window)におけるアクセス試行(access attempt)のそれぞれについてのエントリを含むことができる。さらに、該ログ内のエントリに、タイムスタンプをつけ、アクセスの確率と時間情報とを相関させることもできる。該確率とコスト関数の算出の特定の形態について必要な追加の情報も、ログに入れることができる(たとえば、受信した信号の強さ、バッテリレベル、使用可能なメモリ容量など)。それぞれのセンサデバイス202が現在、収集ポイントとして機能していてもいなくても、アクセスログの維持は行われる。
さらに、現在収集ポイントサービスを行っているセンサデバイス202は、アクセス試行信号に応答して、記憶された測定データを送る。その後、モバイルデバイス203は、適切な通信機構(例えば、携帯サービス)を使用して、サービスポイント204を介して該測定データをアプリケーションサーバ208に送る。たとえばモバイルデバイス203は、データパケット通信プロトコルを使用し、サービスポイント204(例えば、携帯ネットワークの基地局)にデータを送ることができる。データは、ネットワークインフラストラクチャ205(例えば、携帯インフラストラクチャ)とインターネット206を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)207に送られることができる。LAN207を介して接続される1つまたはいくつかのアプリケーションサーバ208は、測定データを記憶し、処理することができる。
モバイルデバイス203と通信することのできるセンサデバイス202は、時々、アクセス試行のそれぞれのログを検査する。これらのセンサデバイス202のそれぞれは、記録された情報を使用して、モバイルデバイス203による将来のアクセスの確率(probability of future access)を計算する。他の実施形態では、将来のアクセスの確率に関する情報は、センサデバイス202以外のデバイスによって維持されてもよい。たとえば、携帯または他の動作パターンの分析によって、種々のセンサデバイス202についての確率が、1日の所定時間の間は比較的高い、ということを判断することができる。モバイルデバイス203を使用して、収集ポイントの選択および他のアルゴリズムのために、将来のアクセスの確率をセンサデバイスに送ることもできる。
将来のアクセスの確率の分布に応答して、収集ポイントサービスを行うためのセンサデバイス202を選択する。確率の空間的分布が比較的均一で高い場合、収集ポイントは選択されず、モバイルデバイス203は、測定データを、元の(発信元の)センサデバイス202から直接得ることができる。センサネット内の将来のアクセスの確率が減少すると、センサデバイス202のクラスタ(一群のセンサデバイス202)からデータをルーティングするための収集ポイントを選択することができる。収集ポイントへのデータのルーティングは、収集ポイントの密度(density)に依存してもよい。たとえば、収集ポイント密度が比較的低い場合、スパニングツリー(spanning tree)アルゴリズムを使用してデータをルーティングし、該ルーティングに関連するエネルギーを最小化することができる。代替的に、収集ポイントの密度が比較的高い場合、測定データの拡散の複雑性を低くすることができる。
一実施形態では、ランダムベースで、収集ポイントサービスを行うためのセンサデバイス202を選択する。さらに、将来のアクセスの確率を使用し、該ランダムアルゴリズムを重み付けする。こうすることによって、センサネットの或る部分内にある収集ポイントノードの密度が、該将来のアクセスの確率の関数になる。具体的には、センサネットの該部分内のノードに対する将来のアクセスの確率が比較的高い場合、その領域内の収集ポイントの密度は比較的低くされる。同様に、センサネットの該部分内のノードに対する将来のアクセスの確率が比較的低い場合、その領域内の収集ポイントの密度は比較的高くされる。他の基準を適用して収集ポイントを選択してもよい。たとえば、特定のセンサデバイス203に対する将来のアクセスの確率が最小であることを、収集ポイントの選択プロセスに課すことができる。
収集ポイントの選択が、アクセス試行の確率的な特性(probabilistic characteristic)に従って行われるので、測定データをアプリケーションサーバに送ることによって消費されるエネルギーを低減することができる。具体的には、収集ポイントとモバイルデバイス203の間の通信に、ノード間通信エネルギーに匹敵する低エネルギー送信を使用することができる。さらに、データ送信に使用するエネルギー量が低減されるので、エネルギーのリソースを他の動作に割り当てることができる。
たとえば、代表的な実施形態では、通信コストを低減することによって使用可能になったエネルギーを使用して、メモリ容量の問題に対処することができる。一実施形態では、センサデバイス202による測定データの処理を使用して、メモリ容量の問題に対処してもよい。いくつかの処理アルゴリズムを使用することができる。たとえば、センサデバイス202によって、統計的解析を行なうことができる。平均測定値、最大測定値、および最小測定値を、それぞれの時間ウィンドウについて記録することができる。代替的に、特定のイベントに関する詳細を記録することができる(たとえば、閾値を超える測定サンプルを得た時間)。それぞれのセンサデバイス202のメモリがほとんど測定データによって消費された場合、適切であれば、センサデバイス202は測定サンプルを削除し、該処理されたデータを保持して、メモリリソースを解放することができる。
アプリケーションサーバ208による測定データの処理は、すべての測定データを配信しなくてもよいという可能性を考慮した方法で実現されることができる。さらに、モバイルデバイス203と収集ポイントの間の通信はランダムプロセスであるので、測定データの配信において、可変量となる待ち時間が生じる可能性が高い。これらの点を考慮し、測定データの「重要性」に従って、測定データのアプリケーションサーバ208への配信に優先順位を付けるアルゴリズムを使用することができる。たとえば、将来のアクセスについて比較的高い確率を有するセンサデバイス202によって収集されたデータを優先して配信することができる。具体的には、これらのセンサデバイス202は、モバイルデバイス203に最も近い、すなわち、モバイルデバイス203を操作している個人に最も近いデバイスである。したがって、これらのセンサデバイス202が行った測定は、特定のアプリケーションについて最も高い関連性を有することがある。
優先順位アルゴリズムは、センサデバイス202のいくつかの動作に影響することがある。たとえば、デバイスのメモリ容量がいっぱいになると、優先順位アルゴリズムは、メモリから削除するデータを識別することができる。さらに、優先順位アルゴリズムは、ルーティングの決定に影響することがある。他の方法では、近い将来に削除されるデータを、優先的に収集ポイントにルーティングすることができる。さらに、優先順位付けされた測定データを、複数の収集ポイントにルーティングし、これにより、時宜に応じた(タイムリーな)アプリケーションサーバ208への該測定データの通信の確率を増加させることができる。
図3は、代表的な一実施形態に従う、分散センサシステム内のセンサデバイス202を操作するフローチャートを示す。図3のフローチャートは、多くの方法で実現されることができる。たとえば、適切なプロセッサが実行するソフトウェア命令を使用して、センサデバイスの種々の要素を制御することができる。代替的に、集積回路における機能を使用してもよい。
ステップ301において、センサデバイス202は、低電力スリープモードに入ることができる。ステップ302において、センサデバイス202がスリープモードを出るべきかどうかを判断する論理比較を行う。センサデバイス202は、スリープモードの持続時間を定義するタイマの終了に応答してスリープモードを出ることができる。代替的に、センサデバイス202は、ウェイクアップ信号の検出に応答してスリープモードを出ることができる。
ウェイクアップ信号をモバイルデバイス203から検出した場合、プロセスの流れは、ステップ302からステップ303に進む。ステップ303では、該ウェイクアップ信号に関連づけられたアクセス試行を記録する。ステップ304では、通信すべきデータがメモリ内に記憶されているかどうかを判断する論理比較を行う。通信すべきデータがなければ、プロセスの流れはステップ301に戻る。通信すべきデータがある場合、プロセスの流れはステップ304からステップ305に進む。
ステップ305では、モバイルデバイス203への通信のために、データの優先順位を決める。いくつかの基準に従って、データの優先順位を決めることができる。たとえば、モバイルデバイス203が、収集ポイントサービスを行っている場合、分散センサシステムの識別された空間領域から発した測定データは、特定の用途についてより大きな関連性を有することがある。代替的に、異なるタイプのデータが、より大きな関連を有することがある。同様に、データ間の時間関係を使用して、データの通信の優先順位を決めてもよい。ステップ306において、記憶されているデータが、優先順位に従って送られる。モバイルデバイス203が許可すれば、最も「重要な」データまたは「緊急の」データを最初に通信し、その後に、より関連性の低いデータを通信する。通信が終わった後、プロセスはステップ301に戻り、センサデバイス202は、スリープモード状態に戻る。
再びステップ302を参照すると、タイマが終了してスリープモードが終了すると、プロセスの流れはステップ307に進む。ステップ307では、センサデバイス202は、モバイルデバイス203による将来のアクセスの確率を計算する。将来のアクセスの確率は、以前のアクセス試行の時間ウィンドウの平均を使用して計算されることができる。特定の用途について適切な場合には、将来のアクセスの確率は、日時の関数であることができる。ステップ308では、ネット管理動作を行うことができる。たとえば、センサデバイス202は、既知の無線ネットアルゴリズムを使用して、ネットのトポロジ/接続性を発見することができる。追加として、または代替的に、センサデバイス202は、ネットプロトコルによって定義されるように、所与のセンサネットから出て別のセンサネットに入ることもできる。
ステップ309において、センサデバイス202とその近隣のデバイスの間で、将来のアクセスの確率を通信する。具体的には、現在のセンサデバイス202は、他のデバイスに関する将来のアクセスの確率を受信することができる。同様に、現在のセンサデバイス202は、それ自体の将来のアクセスの確率を、他のデバイスに送ることができる。ステップ310では、各センサデバイス202内で実現される分散アルゴリズムにより、該通信された確率を使用して、収集ポイントサービスを行うノードの「選択」を協議する(negotiate)ことができる。該分散アルゴリズムは、将来のアクセスの確率に加えて、多くの因子を使用することができる。分散アルゴリズムは、バッテリ容量とメモリ容量とを考慮して、収集ポイントノードを選択することができる。さらに、収集ポイントの選択は、データ収集の制約(constraint)が満たされるかどうかを考慮してもよい。たとえば、特定の収集ポイントの選択が、定義された時間ウィンドウ内で所与のデータを通信する確率を有しているかどうかを識別するための判断を行ってもよい。
ステップ311では、測定動作を行う。ステップ312では、測定サンプルを、メモリに記憶する。ステップ313では、測定サンプルを処理する。たとえば、測定サンプルの統計的解析を行ってもよい。代替的に、センサデバイス202は、適切なモデルによって表わされることのできる物理現象をモニタすることができる。測定サンプルを処理し、該モデルのパラメータを計算することができる。他の実施形態では、測定サンプルから、近似関数(approximation function)の係数を計算してもよい。ステップ314では、該処理によって生成された派生(derivative、導出)測定データをメモリに記憶する。ステップ315では、記憶されたデータの優先順位を決定する。データは、データのタイプ、データが生成された時間、データのソースなどに従って優先順位を決定することができる。ステップ316では、該優先順位を使用して、データを、1つまたはいくつかの収集ポイントに送ることができる。
ステップ317では、記憶されたデータの量が、センサデバイス202のメモリ容量に近づいているかどうかを判断する論理比較を行う。メモリ容量に近づいていなければ、プロセスの流れはステップ301に戻り、センサデバイスは、スリープモードに戻る。センサデバイス202のメモリ容量がほとんど消費されている場合、データの優先順位に従ってデータを削除することができる。たとえば、直接的な測定サンプルを、最初に削除することができる。特定の用途について適切な場合、次に、派生測定データを削除することができる。さらに、データが生成された時間、データのソース、データのタイプ、および(または)、他の適切な因子に依存して、削除するデータを選択することができる。プロセスの流れは、ステップ318からステップ301に戻る。
図3に示すフローチャートの各ステップは、センサデバイス202がスリープモードを出るたびに実行される必要はない。たとえば、センサデバイス202が、比較的頻繁にサンプリングを行なう場合、ネット管理、収集ポイント選択、測定データの処理、測定データの通信などを延期して、エネルギーを保存することが適切であろう。さらに、センサデバイス202の動作を、分散アルゴリズムの観点で説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、アプリケーションサーバ208が、将来のアクセスの確率を受信し、収集ポイントを選択してもよい。収集ポイントの選択は、その後、モバイルデバイス203によって、分散型センサネット内のノードに送られることができる。さらに、典型的なネット通信を使用して、該収集ポイントの選択を分散させることができる。
図4は、代表的な一実施形態に従う、センサデバイス400を示す。センサデバイス400は、プロセッサ401、センサ(複数可)402、および無線通信サブシステム403を含む。センサデバイス400はさらに、モバイルデバイスに、センサデバイス400の低電力スリープモードを終了させ測定データの通信を行わせることを可能にするウェイクアップ機構404を含むことができる。センサデバイス400は、さらに、不揮発性メモリ405を含む。メモリ405を使用して、測定サンプルおよび処理済み測定データ406を記憶することができる。このようなデータの処理は、測定データ処理アルゴリズム407を使用して行なわれることができる。具体的には、アルゴリズム407を規定する実行可能命令を、メモリ405から適切な時に検索し、任意のタイプの所望の処理を行なうことができる。メモリ405はさらに、ネット動作アルゴリズム408を規定する実行可能命令を記憶することができる。一実施形態では、ネット動作アルゴリズム408は、例として図3のタスク310−310と315−318を実現することができる。不揮発性メモリ405はまた、ネットデータ209(たとえば、記録されたアクセス試行、収集ポイントの確率、ネットトポロジ情報など)を記憶し、ネット動作アルゴリズム408の実行を促進することができる。センサデバイス400が、実行可能命令を使用して実現されることを示したが、他の代替を使用してもよい。たとえば、場合によっては、集積回路機能を、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。
代表的な実施形態は、既知のスキャタネットアーキテクチャとはかなり異なる方法で動作する。たとえば、収集ポイントは、モバイルデバイスによる将来のアクセスの確率の空間的分布に従って選択される。従って、代表的な実施形態は、ノード間通信電力に匹敵する無線通信電力を使用して、データをアプリケーションサーバに転送することができる。さらに、代表的な実施形態は、より多くの測定データの処理を採用することができる。該データの処理は、統計に基づく測定データまたはモデルに基づく測定データを生成することを含んでいてもよい。このような派生測定データの使用により、センサデバイスのメモリ容量の問題を低減することができ、通信要件も緩和することができる。
典型的なセンサネットシステムを示す図。 代表的な一実施形態に従う、センサネットシステムを示す図。 代表的な一実施形態に従う、フローチャートを示す図。 代表的な一実施形態に従う、センサデバイスを示す図。
符号の説明
200 システム
201 分散ネット
202 センサデバイス
203 モバイルデバイス
204 サービスポイント
205 ネットワークインフラストラクチャ
206 インターネット
207 ローカルエリアネットワーク
208 アプリケーションサーバ
400 センサデバイス

Claims (10)

  1. センサネット(201)を動作させるための方法であって、
    1つまたはいくつかのモバイルデバイスによる、前記センサネット内のノードへのアクセス試行を検出するステップと、
    前記センサネット内の前記ノードへの将来のアクセス試行の確率を計算するステップ(307)と、
    前記計算された将来のアクセス試行の確率を使用して、前記ノードから、前記センサネットについて収集ポイントサービスを行うノードを選択するステップ(310)と、
    を含む、方法。
  2. 前記選択は、
    前記センサネットの或る部内において前記収集ポイントサービスを行うノードの密度を、該部分内における前記将来のアクセスの確率の関数として選択することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記センサネットを介して、前記計算された確率を通信するステップ(309)をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記センサネットのノードのスリープモードを終了させ、前記モバイルデバイスとの通信を可能にするウェイクアップ信号を、該モバイルデバイスから受信するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記選択は、
    前記収集ポイントサービスを行うノードの選択が、データ収集の制約を満たすかどうかを判断することをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記収集ポイントサービスを行うノードにルーティングする測定データの優先順位を決定するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  7. モバイルデバイスに送る測定データの優先順位を決定するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. センサネット(201)内で動作するセンサデバイス(400)であって、
    モバイルデバイス(203)による測定データへのアクセス試行を検出して記録する手段と、
    前記記録されたアクセス試行を使用して、該モバイルデバイスから前記センサデバイスへの将来のアクセスの確率を計算する手段と、
    前記センサネット内の他のセンサデバイスに関連づけられた将来のアクセスの確率に関連する情報を受信する手段と、
    前記将来のアクセスの確率に関連する情報を、他のセンサデバイスに通信する手段と、
    前記将来のアクセスの確率を使用し、他のセンサデバイスと通信して収集ポイントの選択を行う手段と、
    を備える、センサデバイス。
  9. 前記センサデバイスの低電力動作モードを終了させるウェイクアップ信号を、前記モバイルデバイスから受信する手段をさらに備える、
    請求項8に記載のセンサデバイス。
  10. 測定サンプルを処理する手段と、
    前記センサデバイスのメモリから測定データを削除する手段であって、
    該削除する手段は、測定サンプルを削除した後に、該削除した測定サンプルから導出された測定データを削除する、
    請求項8に記載のセンサデバイス。
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