JP2006006325A - Il−17相同的ポリペプチドとその治療上の用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒト由来の新規ポリペプチド及び該ペプチドをコードする核酸分子、これら核酸配列を含んでなるベクター及び宿主細胞、異種ポリペプチド配列に融合したポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド分子、該ポリペプチドと結合する抗体、並びに該ポリペプチドを製造する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、概して、ここで「PRO」ポリペプチドと命名したインターロイキン-17及びインターロイキン-17レセプタータンパク質に対して配列同一性を有する新規なポリペプチドの組み換え法による生産、並びに新規なDNAの同定と単離に関する。
分泌タンパク質は、製薬、診断、バイオセンサー及びバイオリアクターを含む、様々な産業上の利用性を有している。血栓溶解剤、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー刺激因子、及び種々の他のサイトカインのような、現在入手可能な大抵のタンパク質薬物は分泌タンパク質である。これらのレセプターは、膜タンパク質であり、治療又は診断用薬としての可能性をも有している。
膜結合タンパク質及びレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業上の利用性を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター-リガンド間相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセプター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリーニングするために使用することもできる。
この点から、本発明は、免疫媒介及び炎症疾患に関連することが示されているインターロイキン-17(IL-17)のレセプター及び新規分泌ポリペプチドに関する。免疫関連及び炎症疾患は、完全な複合現象の症状又は結果であり、これらの殆どは複合的に関連した生物学的経路であり、正常な生理機能において、発作又は損傷へ応答すること、発作又は損傷からの回復を開始すること、並びに外来生物に対する先天性及び後天性の防御を増すことにおいて絶対不可欠である。疾患や病理現象は、これら正常な生理学的経路が付加的発作や損傷を、応答の強度と直接に関連しているものとして、異常な制御又は過度の刺激の結果として、自己への反応として、又はこれらの組み合わせの何れかとして生じせしめる場合に起こる。
これら疾患の起源には、殆どにおいて多段階経路及び複数の異なった生物学的系/経路が関与しているが、これらの一つ又は複数の経路の重要なポイントでの介入は、改善的又は治療的効果をもたらすことができる。治療的介入は、有害なプロセス/経路の拮抗作用又は有益なプロセス/経路の刺激の何れかによって生じることができる。
Tリンパ球(T細胞)は、哺乳動物の免疫応答の重要な構成物である。T細胞は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域中の遺伝子によってコードされている自己分子と結合する抗原を認識する。該抗原は、MHC分子とともに抗原提示細胞、ウイルス感染細胞、癌細胞、移植片などの表面に表示されうる。T細胞系は、宿主哺乳動物の健康へ脅威を与えるこれら改変細胞を除去する。T細胞には、ヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が含まれる。ヘルパーT細胞は、抗原表示細胞上の抗原-MHC複合体の認識の後に大々的に増殖する。また、ヘルパーT細胞は、種々のサイトカイン、すなわちB細胞、細胞傷害性T細胞及び免疫応答に関与する種々の他の細胞の活性化において中心的な役割を担うリンフォカインを分泌する。
体液性及び細胞性免疫応答の双方における中心的現象は、ヘルパーT細胞の活性化とクローン性増殖である。ヘルパーT細胞活性化は、抗原表示細胞の表面におけるT細胞レセプター(TCR)-CD3複合体と抗原-MHCの相互作用によってはじまる。該相互作用は、生成ヘルパーT細胞が細胞周期(G0からG1への移行)へ入ること、並びにIL-2及び時にはIL-4のための高親和性レセプターの発現が生じることを含む、生化学現象のカスケードを媒介する。活性化T細胞は、記憶細胞(免疫記憶細胞,メモリー細胞)又はエフェクター細胞へ増殖及び分化する周期を通して発達する。
リンパ球混合培養又は混合リンパ球培養反応(MLR)におけるT細胞増殖は、免疫系を刺激する化合物の能力の定着した指標である。多くの免疫応答では、炎症細胞は損傷又は感染の部分へ浸潤する。この遊走細胞は、感染組織の組織学的検査によって判定することができる好中球、好酸球、単球又はリンパ球性の細胞でありうる。Current Protocols in Immunology, John E. Coliganら編,1994, John Wiley & Sons, Inc.
インターロイキン-17(IL-17)は、Tリンパ指向性ヘルペスウイルスサイミリによってコードされているタンパク質の細胞類似物として同定されている[Rouvierら, J. Immunol., 150(12): 5445-5466(19993);Yanoら, J. Immunol., 122(12): 5483-5486(1995)及びYanoら, Immunity, 3(6): 811-821(1995)を参照]。後のキャラクタリゼーションでは、このタンパク質が、末梢組織での広範にわたる炎症誘発性の応答を誘導する有力ななサイトカインであることが示されている。IL-17は、CD4+活性化記憶T細胞によってのみ合成及び分泌される約32kDaのホモ二量体のサイトカインである(Fossiezら., Int. Rev. Immunol., 16: 541-551[1998]にて概説)。
IL-17の幅広い作用と呼応し、IL-17に対する細胞表面レセプターが多くの組織及び細胞型において広く発現していることが見出されている(Yanoら., Cytokine, 9: 794[1997])。ヒトIL-17レセプター(IL-R)(866アミノ酸)のアミノ酸配列から、一本鎖の膜貫通ドメイン並びに525アミノ酸長の細胞内ドメインを有するタンパク質を予測できるが、このレセプター配列は独特であり、サイトカイン/成長因子レセプターファミリーのどのレセプターに対しても類似していない。IL-17そのものが他の既知のタンパク質との類似性を欠くことと相まって、このことは、IL-17及びそのレセプターが、シグナルタンパク質及びレセプターの新規なファミリーの一部であろうことを示す。これまでの研究では、T細胞とIL-17レセプターポリペプチドの可溶性型を接触させることが、PHA、コンカナバリンA及び抗-TCRモノクローナル抗体によって誘導されるT細胞増殖及びIL-2生成を阻害することを示しており、IL-17活性が、それに対する独特な細胞表面レセプターへの結合を通して媒介されることが示されている(Yanoら., J. Immunol., 155: 5483-5486[1995])。よって、既知のサイトカインレセプター、特にIL-17レセプターに対して相同性を有する新規ポリペプチドを同定してキャラクタリゼーションすることに多大な関心が寄せられている。
A.実施態様
本発明は、ヒトを含む、哺乳動物における免疫関連疾患の診断及び治療にとって有用な組成物及び方法に関する。本発明は、哺乳動物の免疫応答を刺激又は阻害するタンパク質(アゴニスト及びアンタゴニスト抗体)の同定に基づいている。免疫関連疾患は、免疫応答を抑制又は高めることによって治療することができる。免疫応答を高める分子は、抗原に対する免疫応答を刺激又は増強する。免疫応答の向上が有益である場合には、免疫応答を刺激する分子は治療的に用いることができる。あるいは、免疫応答の緩和が有益である場合には(例えば炎症)、抗原に対する免疫応答を和らげる又は減じる免疫応答を抑制する分子(例えば中和抗体)を治療的に用いることができる。従って、本発明のPROポリペプチド、並びにそのアゴニスト及びアンタゴニストもまた、免疫関連及び炎症疾患の治療ののための医薬及び薬剤を調製するために有用である。特別な側面では、そのような医薬及び薬剤は、製薬的に許容可能な担体を有するPROポリペプチド、アゴニスト又はそのアンタゴニストの治療的有効量を含む。好ましくは、混合物は無菌である。
更なる実施態様では、本発明では、PROポリペプチドと候補化合物を接触させ、前記PROポリペプチドによって媒介される生物活性をモニタリングすることを含む、PROポリペプチドのアゴニスト又はPROポリペプチドに対するアンタゴニストを同定する方法に関する。好ましくは、PROポリペプチドは、天然配列PROポリペプチドである。特別な側面では、PROアゴニスト又はアンタゴニストは、抗-PRO抗体である。
更なるその他の実施態様では、本発明は、製薬的に許容可能な担体との混合物である抗-PRO抗体を含んでなる組成物を提供する。一側面では、この組成物は治療的に有効量の抗体を含む。好ましくは、この組成物は無菌である。この組成物は、液体である製薬的製剤の形で投与され、それは貯蔵安定性を完遂できるように保存されてもよい。あるいは、この抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である。
(a)PROポリペプチド又はアゴニスト、アンタゴニスト、或いはその前記ポリペプチドと特異的に結合する抗体;
(b)前記組成物を収容する容器;並びに
(c)前記容器に添付されるラベル、又は免疫関連疾患の治療における前記PROポリペプチド又はアゴニスト又はそのアンタゴニストの使用を記した前記製薬品に含まれる包装挿入物を含んでなる製造品に関する。この組成物は、PROポリペプチド、或いはアゴニスト又はそのアンタゴニストの治療的有効量を含みうる。
その他の実施態様では、本発明は、(a)哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料、並びに(b)同じ細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料からPROポリペプチドをコードする遺伝子の発現のレベルを検出することを含んでなる、哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法に関する。この方法では、コントロール試料と比較して試験試料でのより高い又は低い発現レベルが、試験組織細胞が得られた哺乳動物における免疫関連疾患の存在を示す。
その他の実施態様では、本発明は、適切な包装体に含まれる抗-PRO抗体を含有する診断用キットに関する。このキットは、好ましくは、この抗体をPROポリペプチドを検出するために用いるための指示書を含む。
その他の実施態様では、本発明は、哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料におけるPROポリペプチドの存在有無を検出することを含む、哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法を示し、その方法では、前記試験試料におけるPROポリペプチドの存否を検出することが、前記哺乳動物における免疫関連疾患の存在を示す。
その他の実施態様では、本発明は:
(a)通常は、PROポリペプチドによって誘導される細胞応答の誘導のために適した条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに
(b)前記細胞応答が有効アゴニストである前記試験化合物の徴候である場合に、試験化合物が有効アゴニストであるかどうかを確定するために、前記細胞応答の誘導を測定することを含んでなる、PROポリペプチドのアゴニストを同定する方法に関する。
(a)通常は、PROポリペプチドによって誘導される細胞応答の誘導のために適した条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに
(b)試験化合物が有効アンタゴニストであるかどうかを確定するために、前記細胞応答の誘導を測定する段階を含む。
その他の実施態様では、本発明は、細胞と試験化合物を接触せしめて、PROポリペプチドの発現が阻害されるかどうかを確定することを方法が含む場合に、通常はポリペプチドを発現する細胞において、PROポリペプチドの発現を阻害する化合物を同定する方法を示す。好ましい側面では、この方法は:
(a)PROポリペプチドの発現を可能にする条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに(b)前記ポリペプチドの発現の阻害を測定する段階を含む。
更にその他の側面では、本発明は、プロモーター、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストをコードする核酸、並びにポリペプチドの細胞分泌のためのシグナル配列で必須として構成されるウイルスベクターを含んでなる組み換えウイルス粒子を提供する。この方法では、ウイルスベクターがウイルス構造タンパク質に関連する。好ましくは、シグナル配列は哺乳動物、例えば天然PROポリペプチドからのものである。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への脈管構造からの炎症性細胞の浸潤を高める方法を提供する。この方法では、哺乳動物における脈管構造からの炎症性細胞の浸潤が高まる。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への脈管構造からの炎症性細胞の浸潤を減少させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物における脈管構造からの炎症性細胞の浸潤が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の活性を減少させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の活性が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖を増加させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖が増加する。
より更なる実施態様では、本発明は、T細胞をPRO1031又はPRO10272ポリペプチド又はそのアゴニストと接触させることを含んでなる、T細胞の増殖を刺激する方法を提供する。この方法では、T細胞の増殖が刺激される。
より更なる実施態様では、本発明は、Tリンパ球をPRO1031又はPRO10272ポリペプチドのアンタゴニストと接触させることを含んでなる、Tリンパ球の増殖を減じる方法を提供する。この方法では、T細胞の増殖が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、PRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストの有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への炎症性細胞の浸潤を高める方法を提供する。この方法では、浸潤が高まる。
更にその他の実施態様では、本発明は、哺乳動物への抗-PRO1031抗体の治療的有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物においてPRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストによって誘導される血管新生を阻害する方法を提供する。好ましくは、この哺乳動物はヒトであり、そしてより好ましくは、この哺乳動物は腫瘍又は網膜疾患を有する。
更にその他の実施態様では、本発明は、哺乳動物へのPRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストの治療的有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物においてPRO1031ポリペプチドによって誘導される血管新生を刺激する方法を提供する。好ましくは、この哺乳動物はヒトであり、そしてより好ましくは、血管新生は組織再生又は創傷治癒を促進し得る。
その他の実施態様では、本発明は、哺乳動物へPRO1031ポリペプチドのアゴニストの有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物における血管新生を阻害する方法を提供する。この方法では、前記血管新生は阻害される。
より更なる実施態様では、本発明は、退行性軟骨性疾患を患う哺乳動物へPRO1031又はPRO1122ポリペプチド、アゴニスト、又はそのアンタゴニストの治療的有効量を投与することを含んでなる、前記哺乳動物における前記疾患を治療する方法に関連する。
更なる実施態様では、本発明は、A、B、又はCポリペプチドを含有すると思われる試料からA、B、又はCと命名されたポリペプチドを検出する方法であって、前記試料をここでD、E、又はFと命名されたポリペプチドと接触させ、前記試料中でのA/D、B/D、C/E又はC/Fポリペプチドコンジュゲートの形成を測定する前記方法に関連する。この方法では、前記コンジュゲートの形成が前記試料中でのA、B、Cポリペプチドの存在を示し、そしてAがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記試料は、前記A、B又はCポリペプチドを発現すると思われる細胞を含む。
更なる実施態様では、本発明は、D、E、又はFポリペプチドを含有すると思われる試料からD、E、又はFと命名されたポリペプチドを検出する方法であって、前記試料をここでA、B,又はCと命名されたポリペプチドと接触させ、前記試料中でのA/D、B/D、C/E又はC/Fポリペプチドコンジュゲートの形成を測定する前記方法に関連する。この方法では、前記コンジュゲートの形成が前記試料中でのA、B、Cポリペプチドの存在を示し、そしてAがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記試料は、前記D、E、又はFポリペプチドを発現すると思われる細胞を含む。この実施態様のその他の側面では、前記A、B、又はCポリペプチドは検出可能なラベルで標識され、前記A、B、又はCポリペプチドは固体支持体へ結合している。
本発明の他の実施態様では、本発明は、PROポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる単離された核酸分子を提供する。
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示された膜貫通タンパク質の細胞外ドメインでシグナルペプチドを有する又は有しないもの、或いはここに開示された全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片を有するPROポリペプチドをコードするDNA分子、或いは(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を含む。
或る側面では、本発明は、ここに開示した全長アミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを有するか又は有しない膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、或いはここに開示した全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片を有するPROポリペプチドに対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいはは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、単離されたPROポリペプチドに関する。
本発明の他の態様は、膜貫通ドメインの欠失した或いは膜貫通ドメインが不活性化している単離されたPROポリペプチドを提供する。それらを製造する方法もここに記載され、それらの方法は、適したコード化核酸分子を含むベクターを含んでなる宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
さらに他の実施態様では、本発明は、ここで定義される天然PROポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニストは抗-PRO抗体或いは小分子である。
またさらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、或いはここに記載したPROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を、担体と組み合わせて含んでなる組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
本発明のその他の実施態様は、PROポリペプチド、又は上記したようなそのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を、PROポリペプチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト又は抗-PRO抗体に対して反応する症状の治療において有用な医薬の調製のために用いることに関する。
他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した、ここに記載した任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列或いは免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。
他の実施態様では、本発明は、任意の上記又は下記のポリペプチドと特異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、この抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又はアンチセンスプローブを単離するために有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導され得る。
I.定義
ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、直後に数値符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、PRO/番号)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」がここで使用される実際の数値符号である、ここで使用される「PRO/番号ポリペプチド」及び「PRO/番号」という用語は、天然配列ポリペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。ここで記載されているPROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。「PROポリペプチド」という用語は、ここで開示されている各個々のPRO/番号ポリペプチドに指す。「PROポリペプチド」を指すこの明細書中の全ての開示は、各ポリペプチドを個別にも組み合わせとしても言及する。例えば、調製の、精製の、誘導の、抗体の形成、投与の、含有する組成物、疾患の治療、などの記述は、本発明の各ポリペプチドに個別に関係する。また、「PROポリペプチド」という用語は、ここに開示されているPRO/番号ポリペプチドの変異体を含む。
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、「PRO」が対象となる仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」が対象となる「比較」タンパク質が比較されているアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び「Z」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示す。
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例として、「PRO−DNA」が対象となる仮説的PROコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「PRO−DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO−DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離されたポリペプチドには、PROポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗-PROポリペプチドモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ特異性を持つ抗-PRO抗体組成物、一本鎖抗-PRO抗体、及び抗-PRO抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギなどを含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
一つ又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)2断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各ドメインの3つのCDRが相互作用してVH−VLに量体の表面に抗原結合部位を決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に分類される。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
用語「ダイアボディ(diabodies)」は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するものである。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチドの「有効量」、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニストとは、特別に言及された目的を実行するために十分な量のことである。「有効量」とは、言及された目的に関連して、経験的及び常套的方法によって決定することができる。
「変性軟骨性疾患」は主に軟骨マトリックスの破壊によって特徴づけられる多くの疾患を記述している。更なる症状には、一酸化窒素の生成及びプロテオグリカン分解の上昇が含まれる。この定義に包含される疾患の例には、例えば関節炎(例えば、変形性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎)が含まれる。
「免疫関連疾患」という用語は、哺乳動物の免疫系の構成成分が哺乳動物の病的状態を引き起こし、媒介し、或いは寄与する疾患を意味する。また、免疫反応の刺激又は処置が、疾患の進行に対して改善的な効果を有するような疾患をも含む。この用語には、免疫媒介炎症誘発性疾患、非免疫媒介炎症誘発性疾患、感染性疾患、免疫不全性疾患、腫瘍形成等が含まれる。
「T細胞媒介疾患」という用語は、T細胞が哺乳動物の病的状態を直接、又は間接に媒介する、或いは寄与する疾患を意味する。T細胞媒介疾患は、細胞媒介効果、リンホカイン媒介効果等、そして例えば、T細胞によって分泌されたリンホカインによってB細胞が刺激された場合に、B細胞と関連している効果にさえも関連している。
ここで用いられる「細胞傷害性剤」は、細胞の機能を阻害又は抑制し、及び/又は細胞破壊を起こす物質を意味する。この用語は、放射性同位元素(例えば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学治療薬、及び細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素又はその断片を意味する。
A.全長PROポリペプチド
本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は全ての与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、ここに開示した全長天然核酸分子にコードされるタンパク質並びに上記のPROの定義に含まれるさらなる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO/番号」で呼称する。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託されている。これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより容易に決定することができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPROポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調製できると考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
天然全長配列PRO又はここに記載したPROポリペプチドの種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変化するPROポリペプチドをコードする一つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポリペプチドの一つ又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を下記の実施例に記載するインビトロアッセイの任意のもので活性について試験することにより決定される。
PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるPRO断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表6に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発[Carterら, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zollerら, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wellsら, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができ、又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO変異体DNAを作成することもできる。
PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の1つの型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶性支持体マトリクスあるいは抗-PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる一つ又は複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列PROに存在しない一つ又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さらに、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化を含む、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。
PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に発行されたWO87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4,179,337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。
より更なる実施態様では、本発明のPROポリペプチドは、ロイシンジッパーに融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法でも修飾してもよい。種々のロイシンジッパーポリペプチドがこの分野で記載されている。例えば、Landschulz等, Science, 240: 1759 (1988); WO 94/10308; Hoppe等, FEBS Letters, 344: 1991 (1994); Maniatis等, Nature, 341: 24 (1989)を参照。PRO364ポリペプチドに融合したロイシンジッパーの使用は、溶液中の可溶性PROポリペプチドの二量体化又は三量体化を助けると考えられる。当業者は、ロイシンジッパーがPRO分子のN-又はC-末端のいずれかに融合することを認めるであろう。
以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又はトランスフェクションされた細胞を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてPROを調製することができると考えられる。例えば、PRO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewartら, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フランシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(フォスター シティー, カリフォルニア)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PROの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて全長PROを生産してもよい。
PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得ることができる。従って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。またPRO-コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又は公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。所望のPROポリペプチドをコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genbankら,の公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrookら,に記述されているような従来のプライマー伸展法を使用して選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られる。
宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクターでトランスフェクション又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及びSambrookら, 上掲に見出すことができる。
PROポリペプチドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、一つ又は複数のシグナル配列、複製開始点、一つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の一つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素、例えば桿菌のD-アラニンラセマーゼをコードしている遺伝子を供給するタンパク質をコードする。
発現及びクローニングベクターは、通常、PRO-コード化核酸配列に作用可能に結合し、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Changら, Nature, 275:615 (1978); Goeddelら, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[deBoer ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21-25 (1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROポリペプチドをコードするDNAと作用可能に結合したシャイン-ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモータはEP 73,657に更に記載されている。
より高等の真核生物による所望のPROポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位に位置している。
組換え脊椎動物細胞培養でのPROポリペプチドの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620-625 (1981); Manteiら, Nature, 281:40-46 (1979);EP117,060;及びEP117,058に記載されている。
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
PROポリペプチドの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PROポリペプチドの発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
PROポリペプチドを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPROポリペプチドのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methodes in Enzymology, 182(1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産される特定のPROの性質に依存する。
PROをコードする核酸配列(又はそれらの相補鎖)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PRO核酸も、ここに記載される組換え技術によるPROポリペプチドの調製に有用である。
全長天然配列PRO遺伝子又はその一部は、全長PROcDNAの単離又はここに開示したPRO配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他の遺伝子(例えば、PROの天然発生変異体又は他の種からのPROをコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリ用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列PROのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から誘導され得る。例えば、スクリーニング法は、PROポリペプチド遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPROポリペプチド遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
PRO核酸の他の有用な断片は、標的PRO mRNA(センス)又はPRO DNA(アンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、本発明によると、PRO DNAのコード化領域の断片を含む。このような断片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを制御する可能性は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res. 48: 2659: 1988)及び van der Krolら,(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されている。
センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、WO90/10048に記載されているもののような、有機部分、及びオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を向上させる他の部分、例えばポリ-(L-リジン)に共有結合したオリゴヌクレオチドを含む。さらにまた、エリプチシン等の挿入剤、アルキル化剤又は金属作体をセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させ、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的ヌクレオチド配列への結合特異性を改変してもよい。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO91/04753に記載されているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ましくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレセプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
アンチセンスRNA又はDNA分子は一般に少なくとも約5塩基長、約10塩基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、約90塩基長、約95塩基長、約100塩基長、あるいはそれ以上である。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPROコード化配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、PROをコードするヌクレオチド配列は、そのPROをコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
ここに記載したPROポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可能ではないため、新規な染色体マーカーの同定の必要である。本発明の各PRO核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のPROポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明のPROポリペプチドは、好ましくは同じ型の正常組織に比較して疾患性組織において、一方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO核酸分子には、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
ここで、本発明の製薬組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化する。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobiら, 編, Pergamon Press, New York 1989, pp. 42-96のMordenti, J. 及びChappell, W. 「The use of interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
これらのタンパク質の持続放出製剤は、ポリ-乳酸-コグリコール酸(PLGA)ポリマーを用い、その生体適合性及び広範囲の生分解特性に基づいて開発された。PLGAの分解生成物である乳酸及びグリコール酸は、ヒト身体内で即座にクリアされる。さらに、このポリマーの分解性は、分子量及び組成に依存して数ヶ月から数年まで調節できる。Lewis, 「Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer」: M. Chasin及び R. Langer (編), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marcel Dekker: New York, 1990), pp. 1-41。
該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の方式で実施される。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸にコードされるPROポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリペプチド-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、従ってPROポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリペプチドの変異形態であってもよい。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、次いでヌクレオチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
これらの小分子は、上記で検討したスクリーニングアッセイの一つ又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
また、ここで開示されている分子の診断的及び治療的利用は、下記に開示及び記載のポジティブ機能アッセイヒットに基づいている。
本発明のPROを発現する組織の位置は、、種々のヒト組織でのmRNA発現の測定により確認できる。そのような遺伝子の位置は、PROポリペプチドの活性の刺激及び阻害によって最も影響を受けやすい組織に関する情報を提供する。また、特定の組織中の遺伝子の位置は、下記において論じる活性遮断アッセイのための試料組織を提供する。
上記したように、種々の組織における遺伝子増幅又は遺伝子発現は、mRNAの転写の定量化のための従来のサザンブロット、ノーザンブロット(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 5201-5205 [1980])、ドットブロット(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーションによって、ここに提供する配列に基づき、適切な標識プローブを用いて測定できる。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-タンパク質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識する抗体を用いてもよい。
あるいは、種々の組織における遺伝子発現は、遺伝子産物を直接定量化するための、組織断片及び細胞培地又は体液の免疫組織学的染色などの免疫的方法によっても測定できる。免疫組織学的染色又は試料液のアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の動物から調製される。都合良く、抗体は、PROポリペプチドの天然配列に対して、又は本発明のポリペプチドをコードするDNA配列に基づく合成ペプチドに対して、或いはPROポリペプチドをコードし、特異的抗体エピトープをコードするDNAと融合した外来配列に対して調製してもよい。下記に、抗体を生成するための一般的な技術、並びにノーザンブロット及びインサイツハイブリダイゼーションのプロトコールを提供する。
本発明のPROポリペプチドの活性は、組織細胞に対するPROポリペプチドの効果を阻害する抗-PRO抗体の能力が試験される抗体結合の研究によって更に確認できる。例示的な抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、及びへテロコンジュゲート抗体を含み、その調製は以下に記載する。
抗体結合の研究は、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドウィッチアッセイ、及び免疫沈降アッセイなどの既知のアッセイ法で実施してよい。Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 1987)。
競合的結合アッセイは、標識標準物の、限られた量の抗体との結合について試験分析物と競合する能力による。試験試料中の(腫瘍細胞で増幅された遺伝子にコードされる)標的タンパク質の量は、抗体に結合し始める標準物の量に逆比例する。結合し始める標準物の量の測定を促進するために、抗体は好ましくは競合の前又は後に固定化し、抗体に結合した標準品及び分析物が未結合で残っている標準物及び分析物から容易に分離できるようにする。
免疫組織学のためには、腫瘍試料は新鮮でも凍結したものでもよく、パラフィンに包埋して、例えばホルマリン等の保存剤で固定してもよい。
細胞ベースアッセイ及び免疫関連疾患の動物モデルを、ここで同定された遺伝子とポリペプチド、並びに免疫関連疾患の発達と病原性との関係をさらに理解するのに用いることができる。
異なる方法では、ここに記載されたcDNAを特定の免疫関連疾患に関与することが知られているある細胞型の細胞へトランスフェクションし、これらのcDNAの免疫機能を刺激又は阻害する能力を分析する。適当な細胞は所望の遺伝子でトランスフェクションし、そして免疫機能をモニターすることができる。このようなトランスフェクション株化細胞は、例えばT細胞の増殖又は炎症性細胞の浸潤を調節する免疫機能を阻害又は刺激するポリ−又はモノクローナル抗体又は抗体組成物の能力を試験するのに用いることができる。ここに同定した遺伝子のコード化配列でトランスフェクションした細胞は、さらに、免疫関連疾患の治療の候補薬の同定に用いることができる。
さらには、安定な株化細胞が好ましいが、トランスジェニック動物から誘導された一次培地を(下記のような)、ここでの細胞ベースアッセイに使用することができる。トランスジェニック動物から連続株化細胞を誘導する技術は、この分野で良く知られている(Smallら, Mol. Cell. Biol. 5, 642-648 [1985]参照)。
本発明におけるような刺激化合物の直接的用途は、初期T細胞上に発現するリガンド(4-1BBL)と結合し、T細胞活性化と成長の信号を伝達する、腫瘍壊死因子レセプターファミリーのメンバーである4-1BB糖タンパク質をともなう実験において確かめられている。Alderson, M.E.ら., J. Immunol. 24:2219(1994) 。
あるいは、免疫刺激又は増強効果は、また、血管透過性を高める特性を有するPROポリペプチドの投与によって達成することができる。高まった血管透過性は、免疫細胞(例えば、単球、好酸球、PMN)の局所的な浸潤によって和らげることが可能な疾患に対して有益である。
あるいは、例えば、本発明の刺激PROポリペプチドと結合し、これら分子の刺激効果を遮断する抗体は、正味の阻害性効果を生成し、T細胞増殖/活性化及び/又はリンフォカイン分泌を阻害することによってT細胞性免疫応答を抑制することに用いることができる。このポリペプチドの刺激効果を遮断することは、哺乳動物の免疫応答を抑制する。この用途は、抗-IL2抗体を用いる実験において確認されている。これらの実験では、抗体はIL2と結合し、IL2のそのレセプターとの結合を遮断することでT細胞阻害効果を達成する。
細胞ベースインビトロアッセイの結果は、インビトロ動物モデル及びT細胞機能向けのアッセイを用いてさらに確かめることができる。免疫関連疾患の発達及び病理におけるここで同定される遺伝子の役割を更に理解するために、そして抗体、及び小分子アゴニストを含む天然ポリペプチドの他のアゴニストを含む候補治療薬の有効性を試験するために、種々の良く知られた動物モデルが使用できる。このようなモデルのインビボの性質によって、特にヒト患者における反応を予測できる。免疫関連疾患の動物モデルは、非組換え及び組換え(トランスジェニック)動物の両方を含む。非組換え動物モデルは、例えば、齧歯類、例えばマウスモデルを含む。このようなモデルは、標準的な技術、例えば、皮下注射、尾部静脈注射、脾臓移植、腹膜内移植、腎被膜下移植などにより、細胞を導入することによって作成される。
皮膚移植片拒絶の動物モデルは、T細胞がインビボ組織破壊を媒介する能力を試験する手段であり、移植片拒絶におけるそれらの役割の基準である。最も普通で許容されるモデルは、マウスの尾の皮膚移植である。繰り返し実験により、皮膚同種移植片拒絶はT細胞、ヘルパーT細胞尾キラー効果T細胞に媒介され、抗体ではないことが示された。Auchincloss, H. Jr.及びSachs, D.H., Fundamental Immunology, 2版, W.E. Paul編, Raven Press, NY, 1989, 889-992。好適な手法は、上記のCurrent Protocols in Immunology, unit 4.4に詳細に記載されている。本発明の化合物の試験に使用できる他の移植片拒絶モデルは、Tanabe, M.ら, Transplantation (1994) 58: 23及びTinubu, S.A.ら, J. Immunol. (1994) 4330-4338に記載されている同種心臓移植モデルである。
EAEは、T細胞及び単核球炎症、及びその結果生じた中枢神経系の軸索の脱髄によって特徴付けられるT細胞性自己免疫疾患である。EAEは、一般的には、ヒトのMSの関連する動物モデルであると考えられる。Bolton, C., Multiple Sclerosis(1995) 1: 143。急性及び再発性軽減モデルの両方が開発されている。Current Protocols in Immunology, unit 15.1及び15.2に記載のプロトコールを用いて、本発明の化合物は、免疫性脱髄疾患に対するT細胞刺激性又は阻害性活性について試験することができる。Duncan, I.D.ら, Molec. Med. Today(1997) 554-561に記載されている、オリゴデンドログリア又はシュワン細胞が中枢神経系へ移植されるミエリン疾患のモデルも参照のこと。
関節炎の動物モデルはコラーゲン誘発関節炎である。このモデルは、ヒトの自己免疫性慢性関節リウマチと臨床的、組織学的及び免疫学的特徴を共有し、ヒトの自己免疫性関節炎の許容されるモデルである。マウス及びラットモデルは、滑膜炎、軟骨及び肋軟骨下骨の浸食を特徴とする。本発明の化合物は、上記のCurrent Protocols in Immunology, unit 15.5に記載されているプロトコールを用いて、自己免疫性関節炎に対する活性について試験できる。また、Issekutz, A.C.ら, Immunology 88: 569 (1996)に記載されているCD18及びVLA-4インテグリンに対するモノクローナル抗体を用いたモデルも参照のこと。
さらに、本発明の化合物は、乾癬様疾患の動物モデルでも試験できる。証拠は、乾癬についてのT細胞病原を示唆している。本発明の化合物は、Schon, M.P.ら, Nat. Med. (1997)3: 183によって記載された、マウスが乾癬に類似する組織病原学的皮膚疾患を示すscid/scidマウスモデルでも試験できる。他の好適なモデルは、Nickoloff, B.J.ら, Am . J. Pathol. (1995) 146: 580に記載されたように調製されるヒト皮膚/scidマウスキメラである。
本発明の目的のために、トランスジェニック動物は、その一部にのみ導入遺伝子を有するもの(「モザイク動物」)を含む。導入遺伝子は、単一の導入遺伝子として、又はコンカテマー、例えば頭部と頭部又は頭部と尾部の直列型として組み込まれる。特定の細胞型への導入遺伝子の選択的導入も、例えば、Laskoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 6232-636 (1992)の技術に従って可能である。
例えば免疫細胞の特定の細胞への浸潤を確定するための組織学的検査によって、免疫疾患病理の兆候に関してこの動物を更に調べてもよい。本発明の化合物によるT細胞増殖の刺激又は阻害の程度を確定するために、この化合物で処理したトランスジェニック動物で遮断実験をも行うことができる。これらの実験では、上記に記載のようにして調製した本発明のポリペプチドと結合する遮断抗体が動物へ投与され、そして免疫機能への影響が測定される。
一実施態様では、本発明の免疫刺激化合物を腫瘍(癌)治療のための免疫アジュバンド療法に利用することができる。T細胞がヒト腫瘍の特異的抗原を認識することは、現在は立証されている。MAGE、BAGE及びGAGEファミリーの遺伝子によってコードされている腫瘍抗原の一群は、すべての成人の正常組織では沈黙しているが、腫瘍、例えばメラノーマ、肺癌、頭頸部腫瘍、及び膀胱癌においてかなりの量が発現している。DeSmet. C.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 7149(1996)。インビトロとインビボの双方において、T細胞の同時刺激によって腫瘍の退行と抗腫瘍応答が誘導されることが示されている。Melero, I.ら., Nature Medicine, 3: 682(1997);Kwon, E.D.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94: 8099(1997);Lynch, D.H.ら., Nature Medicine, 3:625(1997);Finn, O.J.及びLotze, M.T., J. Immunol., 21:114(1998)。本発明の刺激性化合物は、アジュバンドとして、T細胞増殖/活性化及び腫瘍抗原への抗腫瘍応答を刺激するために、単独又は成長制御剤、細胞傷害性剤又は化学療法剤とともに投与することができる。既知の投与処方によって、成長制御、細胞傷害性、又は化学療法剤を従来量で投与してもよい。本発明の化合物による免疫刺激活性によって、成長制御、細胞傷害性、又は化学療法剤の減量が可能となり、それによって患者の毒性が潜在的に低下する。
候補薬のスクリーニングアッセイは、ここで同定された遺伝子によってコードされているポリペプチド、或いはその生物活性断片と結合又は複合化する化合物、或いはそうでなければコードされているポリペプチドと他の細胞性タンパク質の相互作用を妨害する化合物を同定するように設計されている。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに従うアッセイを含み、特に、小分子候補薬の同定に適している。考えられる小分子には、ペプチド、好ましくは可溶性ペプチド、(ポリ)ペプチド-免疫グロブリン融合物を含む合成有機又は無機化合物を含み、そして特に限定することなく、ヒト抗体及び抗体断片と並んで、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びそのような抗体又は断片のキメラ又はヒト化異形を含む抗体を含む。このアッセイは、この分野で良く特徴付けられているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。すべてのアッセイは、候補薬とここで同定された核酸によってコードされているポリペプチドの相互作用を可能にする条件下及び十分な時間に渡って、これら二つの分子を接触させることを必要とするという点で共通である。
免疫関連疾患の治療に有用な組成物は、限定されないが、タンパク質、抗体、小有機分子、ペプチド、ホスホペプチド、アンチセンス及びリボザイム分子、三重螺旋分子などを含み、免疫機能、例えばT細胞増殖/活性化、リンフォカイン放出、又は免疫細胞浸潤を阻害又は刺激する。
例えば、アンチセンスRNA及びRNA分子は、標的mRNAにハイブリダイゼーションしてタンパク質翻訳を防止することによりmRNAの翻訳を直接阻止する。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介する三重螺旋形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。
これらの分子は上記のスクリーニングアッセイの任意のもの又は任意の組み合わせにより、又は当業者に知られた他のスクリーニング技術により同定できる。
本発明は、さらに抗-PRO抗体を提供するものである。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
抗-PRO抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫剤、及び所望するのであればアジュバントを、一つ又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫剤を免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
あるいは、抗-PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤により免疫化することで、免疫剤に特異的に結合する抗体を生成するか或いは生成可能なリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROに対するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード解析法によって測定することができる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。
一価抗体の調製には、同じくインビトロ法が適している。抗体の消化による、その断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成が可能である。
本発明の抗-PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmannら, Nature, 332:323-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合においては、結合特異性の一方はPROに対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537-539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内の一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開のWO93/08829、及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655-3656 (1991)に開示されている。
大腸菌からFab’フラグメントを直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造を記述している。各Fab’フラグメントは大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治療のために[WO91/00360;WO92/200373;EP03089]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,6767,980号に開示されたものが含まれる。
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を向上させることが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caronら, J. Exp. Med. 176: 1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。また、向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolffら, Cancer research 53: 2560-2565 (1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevensonら, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参照。
また、本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性コンジュゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reが含まれる。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体-レセプター複合体は患者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(アビジン等)を投与する。
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソームは、Epsteinら, Proc. Natl. acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985);Hwangら, Proc. natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizonら, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
本発明の抗-PRO抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗-PRO抗体は、PROの診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現の検出に用いられる。競合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われる免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc. (1987) pp. 147-158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識される。検出可能な部位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可能な部位は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あるいはアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を抱合させるためにこの分野で知られた任意の方法が用いられ、それにはHunterら, Nature 144:945 (1962);Davidら, Biochemistry, 13: 1014 (1974);Painら, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981);及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
本発明の活性PRO分子(例えば、PROポリペプチド、抗-PRO抗体、及び/又は各変異体)並びに上記に開示したスクリーニングアッセイで同定された他の分子は、免疫関連疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。活性PRO分子の治療製剤、好ましくは本発明のポリペプチド又は抗体は、所望される程度の純度を持つ活性成分を、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で、最適な製薬上許容される担体、賦形剤又は安定化剤と混合することにより調製され保存される(Remington's Pharmaceutical Science 16th edition, Osol, A. Ed. [1980])。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンズエトニウムクロライド;フェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)及び/又はトゥイーン(TWEEN)(商品名)、プルロニクス(PLURONICS)(商品名)、及びポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
また、リポフェクション又はリポソームをPRO分子を細胞に導入するために利用することができる。抗体断片が用いられる場合には、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持するペプチド分子を設計することができる。このようなペプチドは、化学的に合成でき及び/又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 (1993)参照。
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington's Pharmaceutical Science 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に達成される。
本発明のポリペプチド、抗体及び他の活性化合物は、例えば、組織への炎症性細胞の浸潤、T細胞増殖の刺激、T細胞増殖の阻害、増加又は減少した血管透過性又はその阻害によって特徴付けられるものを含む、T細胞媒介疾患のような種々の免疫関連疾患及び症状を治療するのに利用することが可能であると考えられている。
シェーグレン症候群は、免疫媒介炎症、続く涙腺及び唾液腺の機能破壊によるものである。この疾患は炎症結合組織疾患を伴うか又は伴わない。この疾患は、双方ともが小RNA-タンパク質複合体であるRo及びLa抗原に対する抗体産出に関連している。障害により、結果として乾性角結膜炎、bilary硬変を含む他の徴候又は会合を伴う口内乾燥、末梢又は感覚ニューロパシー、及び明白な紫斑病に至る。
自己免疫性溶血性貧血、免疫再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿を含む自己免疫性溶血性貧血は、赤血球細胞(いくつかのケースにおいては、血小板を含む他の血液細胞)表面で発現する抗原と反応する抗体が産出される結果によるものであり、補体媒介溶解及び/又はADCC/Fc-レセプター-媒介メカニズムを介して、その抗体被覆細胞の除去に反映される。
他の臨床的セッティング(setting)における血小板減少性紫斑病及び免疫仲介血小板減少を含む自己免疫性血小板減少では、抗体又は補体が血小板に接合し、続いて補体溶解、ADCC又はFc-レセプター-媒介メカニズムによる除去の結果として生じる。
I型真性糖尿病又はインシュリン依存性糖尿病は膵臓小島β細胞の自己免疫破壊であり;この破壊は自己抗体及び自己反応性T細胞により媒介される。また、インシュリン又はインシュリン様レセプターに対する抗体は、インシュリン-非-反応性の表現型を産出することができる。
水疱性皮膚疾患、多形性紅斑及び接触性皮膚炎を含む自己免疫又は免疫媒介皮膚疾患は自己抗体により媒介され、Tリンパ球に依存して発生する。
乾癬はTリンパ球媒介炎症疾患である。障害はTリンパ球、マクロファージ及び抗原プロセシング細胞及びある種の好中球の浸潤が含まれる。
喘息;アレルギー性鼻炎;アトピー性皮膚炎;食物過敏症及び蕁麻疹等を含むアレルギー性疾患はT細胞依存性である。この疾患は炎症により誘発されるTリンパ球、及びIgE媒介炎症、又は双方の組合せにより主に媒介される。
拒絶反応及び移植片対宿主疾患(GVHD)を含む移植関連疾患は、Tリンパ球依存性であり;Tリンパ球の機能を阻害することで改善される。
本発明のその他の実施態様では、上記の疾患の診断又は治療に有用な物質を含む製造品が提供される。この製造品は容器とラベルとを含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの材料から形成されてよい。容器は、状態を診断し治療するのに有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の活性剤は本発明のポリペプチド又は抗体である。容器上又は添付されるラベルは、組成物が選択した状態の診断又は治療のために使用されることを示す。製造品はさらに、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液などの製薬的に許容される緩衝液を含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用上の指示を付けたパッケージ挿入物を含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
細胞表層タンパク質、例えばある免疫関連疾患において過剰発現するタンパク質は、候補薬や疾患療法にとって優れた標的である。免疫関連疾患で増幅した遺伝子によってコードされている分泌タンパク質に加えて、これと同じタンパク質には、これら疾患の診断及び予後において更なる用途があることが見出されている。例えば、多発性硬化症、リュウマチ関節炎、又はその他の免疫関連疾患において増幅した遺伝子のタンパク質生産物に対する抗体は、診断上に又は予後兆候として利用できる。
例えば、抗体断片を含む抗体は、増幅又は過剰発現した遺伝子(「マーカー遺伝子産物」)によってコードされたタンパク質の発現の定性的又は定量的検出に用いることができる。抗体は、好ましくは検出可能な、例えば蛍光標識を備え、結合は光学顕微鏡、フローサイトメトリー、蛍光定量法、又はこの分野で知られた他の技術によってモニターできる。過剰発現している遺伝子が細胞表層タンパク質をコードする場合には、これらの技術は特に適している。このような結合アッセイは、上記に記載のように原則的に実施される。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献は、その全体を出典明示によりここに取り入れる。
実施例で言及されている全ての他の市販試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニアである。
Swiss-Prot公的データベースの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、発現配列タグ(EST)データベースの検索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、GenBank、Merck/Wash U.)及び独自に開発したESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を含んだ。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上となった比較を、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
phrapを用いて、他の同定されたEST配列に関連する初期仮想配列断片(コンセンサスアセンブリ)を構築した。上記にて検討したEST配列のソースを用いて、可能な限りこのコンセンサス配列を伸張するために、初期コンセンサスDNA配列をBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長した。このコンセンサスアセンブリの結果をDNA47332と称する。
DNA59294-1381の全核酸配列を図1(配列番号:1)に示す。クローンDNA59294-1381は、単一のオープンリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置42-44に見かけの翻訳開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置582-584の停止コドンで終端する(図1)(配列番号:1)。予測されるポリペプチド前駆体は180アミノ酸長である(図2)(配列番号:2)。図2(配列番号:2)に示した全長PRO1031(UNQ516)タンパク質は、約20,437の見かけ分子量及び約9.58のpIを有する。クローンDNA59249-1381はATCCに寄託され、寄託番号209866が付与されている。ここで提供された配列にいくつかの配列化における不規則性又は誤りがある場合、寄託されたクローンはDNA59624−1381(配列番号:1)として正しい配列を含むと理解される。更に、ここで提供された配列は既知の配列決定法の結果である。
全長PRO1031ポリペプチドのアミノ酸配列(UNQ516)(配列番号:2)の分析は、それがここでIL-17Bと命名された、新規なインターロイキン-17相同体であることを示唆している。
配列番号:2のアミノ酸配列の更なる分析により、推定シグナルペプチドは配列番号:2のおよそアミノ酸1-20であることが明らかである。N-グリコシル化部位は配列番号:2のおよそアミノ酸75-78である。IL-17と配列同一性を有する領域はおよそアミノ酸96-180である。対応するヌクレオチドは、ここに提供した配列から日常的に決定できる。
発現配列タグ(ECD)DNAデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を検索し、ESTを同定した。ESTはDNA49665とも称されるIncyte1347523であった。DNA49665に基づいて、1)PCRにより興味ある配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO1122の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレオチドを合成した。[例えば、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989);Dieffenbach等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
正方向及び逆方向PCRプライマーは一般に20から30ヌクレオチドの範囲であり、約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計されることが多い。プローブ配列は典型的には40−55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいとき付加的オリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAをAusubel等, Current Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPCR増幅によってスクリーニングした。ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードするクローンの単離に使用した。
正方向PCRプライマー 5'-ATCCACAGAAGCTGGCCTTCGCCG-3'(配列番号:19)
逆方向PCRプライマー 5'-GGGACGTGGATGAACTCGGTGTGG-3'(配列番号:20)
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-TATCCACAGAAGCTGGCCTTCGCCGAGTGCCTGTGCAGAG-3'(配列番号:21)
全長クローンの供給源について幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上で同定したPCRプライマー対でPCR増幅してスクリーニングした。次いで、ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びPCRプライマー対の一方を用いてPRO1122遺伝子をコードするクローンを単離するために使用した。
上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO1122の全長DNA配列[ここで、DNA62377-1381-1)と命名される](配列番号:3)及び誘導タンパク質PRO1122配列(UNQ516)(配列番号:4)が得られた。
単離された全長PRO1122(UNQ561)のアミノ酸配列の分析は、それがIL-17と類似性を有することを示唆し、よってPRO1122(UNQ561)が新規なサイトカインとなりうるし、ここでIL-17Cと命名されることが示されている。また図4(配列番号:4)には、IL-17と配列同一性を有する領域、ロイシンジッパーパターン、シグナルペプチドのおよその位置が示されている。
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、GenBankのゲノムDNA配列を検索するために使用した。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA146646と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
正方向PCRプライマー:
5'-GTTGCATTCTTGGCAATGGTCATGGGA-3'(配列番号:22)
逆方向PCRプライマー:
5'-GGTCCATGTGGGAGCCTGTCTGTA-3'(配列番号:23)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA146646配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-CAGCAGCTCCTCAGAGGTGTCCTGCCCTTTGCTGGGGCAGCAGCT-3'
(配列番号:24)
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO10272ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA147531-2821と命名する[図5、配列番号:5])、並びにそのPRO10272ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
Merk/Washington Universityの発現配列タッグ(EST)DNAデーターベースを検索し、インターロイキン-17に対して相同性を示したESTを同定した。
種々の組織の50の異なるヒトcDNAライブラリのプールをクローニングに用いた。ヒトPRO21175をコードするcDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリを、Invitrogen, San Diego, CAのもの等の市販試薬を用いる標準的な方法によって構築した。cDNAをNotI部位を含むオリゴdTでプライムし、平滑末端(blunt)でSalIヘミリン酸化アダプターに結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分類し、適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)の独特のXhoI及びNotI部位において、所定の方向にクローニングした。
正方向プライマー 5'-GCTCAGTGCCTTCCACCACACGC-3'(配列番号:25)
逆方向プライマー 5'-CTGCGTCCTTCTCCGGCTCGG-3'(配列番号:26)
ハイブリダイゼーションプローブ
5'-CGTTCCGTCTACACCGAGGCCTACGTCACCATCCCCGTGGGCTGC-3'
(配列番号:27)
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデーターベースを検索するために使用した。このESTデーターベースには、(1)公的ESTデーターベース(例えば、GenBank)並びに(2)独自開発のESTデーターベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharamaceuticals, Palo Alto, CA)が含まれた。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA105850と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
正方向PCRプライマー1:
5'-ACTCCATATTTTCCTACTTGTGGCA-3' (配列番号:28)
正方向PCRプライマー2:
5'-CCCAAAGTGACCTAAGAAC-3'(配列番号:29)
逆方向PCRプライマー:
5'-TCACTGAATTTCTTCAAAACCATTGCA-3' (配列番号:30)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA105850配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-TGTGGCAGCGACTGCATCCGACATAAAGGAACAGTTGTGCTCTGCCCACA-3'
(配列番号:31)
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO5801ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA115291-2681と命名する[図11、配列番号:11])、並びにそのPRO5801ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
発現配列タッグ(EST)DNAデーターベース(Merk/Washington University)を検索し、インターロイキン-17に対して相同性を示したESTを同定した。
種々の組織の50の異なるヒトcDNAライブラリのプールをクローニングに用いた。ヒトPRO20040をコードするcDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリを、Invitrogen, San Diego, CAのもの等の市販試薬を用いる標準的な方法によって構築した。cDNAをNotI部位を含むオリゴdTでプライムし、平滑末端(blunt)でSalIヘミリン酸化アダプターに結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分類し、適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)の独特のXhoI及びNotI部位において、所定の方向にクローニングした。
正方向プライマー 5'-CCGACTTCTTGCAGGGCCGG-3'(配列番号:32)
逆方向プライマー 5'-GCAGCACGCAGCTGAGCGAG-3'(配列番号:33)
ハイブリダイゼーションプローブ
5'-AGCGAGTGGCTACAGGATGGGGTGTCCGGGCCC-3'(配列番号:34)
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置233−235に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置2348−2350の停止シグナルを有していた(図13;配列番号:13)。予測されるポリペプチド前駆体は705アミノ酸長であり、約76,898ダルトンの計算上の分子量と約6.08の見積もりpIを有する。図14(配列番号:14)に示した全長PRO20040配列の分析は、図14に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA164625−2890は2000年3月21日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−1535が付与されている。
DNA119502−2789を、公的(例えば、GenBank)及び/又は私的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc., Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びにクラスター化及び組み立てられたEST断片へジェネンテク,インク(South San Francisco, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを適用することによって同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考慮している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たない少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1のATGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するアミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価パラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
DNAFROMコンセンサス配列とLIFESEQ(登録商標)データーベースIncyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CAのESTクローン番号700536に含まれるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、クローン番号700536を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タンパク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の配列を図15に示し、ここでDNA119502−2789と命名する。
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデーターベースを検索するために使用した。このESTデーターベースには、独自開発のESTデーターベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharamaceuticals, Palo Alto, CA)が含まれた。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA149870と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
正方向PCRプライマー:
5'-CGTTGTTTGTCAGTGGAGAGCAGGG-3' (配列番号:35)
逆方向PCRプライマー:
5'-CAGGAACACCTGAGGCAGAAGCG-3' (配列番号:36)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA149870配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-CTATCTCCCTGCCAGGAGGCCGGAGTGGGGGAGGTCAGAC-3'
(配列番号:37)
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO20026ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA154095−2998と命名する[図17、配列番号:17])、並びにそのPRO20026ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
以下の方法は、PROをコードするヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションプローブとしての利用を示している。
ここに開示されている全長又は成熟PROをコード化配列を含むDNAは、ヒト組織cDNAライブラリ又はヒト組織ゲノムライブラリの相同的なDNA(PROの天然発生変異体をコードするもの等)のスクリーニングのためのプローブとして用いられる。
ハイブリダイゼーション及びいずれかのライブラリDNAを含有するフィルターの洗浄を、次の高緊縮性条件下において実施する。放射標識PRO誘導プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中において42℃で20時間に渡って実施する。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶液中において42℃で実施する。
次いで、全長天然配列をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分野で知られている標準的技術を用いて同定することができる。
インサイツハイブリダイゼーションは、細胞又は組織調製物内での核酸配列の検出及び局在化のための強力で多用途の技術である。それは、例えば、遺伝子発現部位の同定、転写物の組織分布の分析、ウイルス感染の同定及び局在化、特定mRNA合成及び染色体マッピングにおける追跡に有用である。
インサイツハイブリダイゼーションは、Lu及びGillett, Cell Vision 1: 169-176 (1994)のプロトコールの最適な変形に従って、PCR生成33P-標識リボプローブを用いて実施される。簡単には、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織を切片化し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20g/ml)で15分間37℃で脱タンパクし、さらに上掲のLu及びGillettに記載されたようにインサイツハイブリダイゼーションする。[33P]UTP-標識アンチセンスリボプローブをPCR産物から生成し、55℃で終夜ハイブリダイゼーションする。スライドをKodak NTB2核トラックエマルションに浸漬して4週間に渡って露出する。
6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 1002, SA<2000 Ci/mmol)をスピード真空乾燥させた。乾燥33P−UTPを含む管に以下の成分を添加した:
2.0μlの5x転写バッファー
1.0μlのDTT(100mM)
2.0μlのNTP混合物(2.5mM: 10μl; 各々10mM GTP, CTP & ATP +10μl H2O)
1.0μlのUTP(50μM)
1.0μlのRnasin
1.0μlのDNAテンプレート(1μg)
1.0μlのH2O
1.0μlのRNAポメラーゼ(PCR産物についてT3=AS, T7=S,通常)
管を37℃で1時間インキュベートし、1.0μlのRQ1 DNaseを添加し、次いで37℃で15分間インキュベートした。90μlのTE(10mMトリスpH7.6/1mMのEDTApH8.0)を添加し、混合物をDE81紙にピペットした。残りの溶液をMicrocon-50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10を用いてスピンさせた(6分間)。濾過ユニットを第2の管に変換し、プログラム2を用いてスピンさせた(3分間)。最終回収スピンの後、100μlのTEを添加した。1μlの最終生成物をDE81紙にピペットし6mlのBiofluor IIで数えた。
プローブをTBE/尿素ゲル上で走らせた。1−3μlのプローブ又は5μlのRNA MrkIIIを3μlの負荷バッファーに添加した。加熱ブロック上で95℃に3分間加熱した後、ゲルを即座に氷上に置いた。ゲルのウェルをフラッシングし、試料を負荷し、180−250ボルトで45分間走らせた。ゲルをサランラップでラップし、−17℃冷凍機内で補強スクリーンを持つXARフィルムに1時間から終夜に渡って露出した。
A.凍結切片の前処理
スライドを冷凍機から取り出し、アルミニウムトレイに配置して室温で5分間解凍した。トレイを55℃のインキュベータに5分間配置して凝結を減らした。スライドを蒸気フード内において4%パラホルムアルデヒド中で5分間固定し、0.5xSSCで5分間室温で洗浄した(25ml 20xSSC + 975ml SQ H2O)。0.5μg/mlのプロテイナーゼ中、37℃で10分間の脱タンパクの後(250mlの予備加熱RNase無しRNaseバッファー中の10mg/mlストック12.5μl)、切片を0.5xSSCで10分間室温で洗浄した。切片を、70%、95%、100%エタノール中、各2分間脱水した。
B.パラフィン包埋切片の前処理
スライドを脱パラフィンし、SQ H2O中に配置し、2xSSCで室温において各々5分間2回リンスした。切片を20μg/mlのプロテイナーゼK(250mlのRNase無しRNaseバッファー中10mg/mlを500μl;37℃、15分間)−ヒト胚又は8xプロテイナーゼK(250mlのRNaseバッファー中100μl、37℃、30分間)−ホルマリン組織で脱タンパクした。続く0.5xSSCでのリンス及び脱水は上記のように実施した。
スライドをBoxバッファー(4xSSC、50%ホルムアミド)−飽和濾紙で列を作ったプラスチックボックスに並べた。組織を50μlのハイブリダイゼーションバッファー(3.75gデキストラン硫酸+6mlSQ H2O)で被覆し、ボルテックスし、キャップを外して2分間マイクロ波で加熱した。氷上で冷却した後、18.75mlのホルムアミド、3.75mlの20xSSC及び9mlのSQ H2Oを添加し、組織を良くボルテックスし、42℃で1−4時間インキュベートした。
D.ハイブリダイゼーション
スライド当たり1.0x106cpmのプローブ及び1.0μlのtRNA(50mg/mlストック)を95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、スライド当たり48μlのハイブリダイゼーションバッファーを添加した。ボルテックスの後、50μlの33P混合物をスライド上のプレハイブリッド50μlに添加した。スライドを55℃で終夜インキュベートした。
洗浄は、2xSSC、EDTAで2x10分間、室温で実施し(400mlの20xSSC+16mlの0.25M EDTA、Vf=4L)、次いでRNaseA処理を37℃で30分間行った(250mlRNaseバッファー中10mg/mlを500μl=20μg/ml)。スライドを2x10分間、EDTAで室温において洗浄した。緊縮性洗浄条件は次の通り:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20mlの20xSSC+16mlのEDTA、Vf=4L)。
F.オリゴヌクレオチド
ここに開示したDNA59294−1381についてインサイツ分析を実施した。これらの分析にために用いたオリゴヌクレオチドは、ここで開示したヌクレオチド配列から誘導され、概して約40から50ヌクレオチド長である。
G.結果
ここに開示されているように、インサイツ分析をDNA59294−1381に関して実施した。この分析の結果は、以下の通りである。
このIL17相同体の発現は、正常成人及び胎児組織及び炎症、主に慢性リンパ球炎症を持つ組織からなるパネルで評価した。このパネルは、Tリンパ球作用を媒介(刺激性又は阻害性)する新規なタンパク質の免疫媒介疾患における発現パターンを特異的に評価するために設計した。このタンパク質は、Ig-融合タンパク質として発現された場合は、ヒト混合リンパ球反応(MLR)において用量依存的に免疫刺激性であり;2つの異なる濃度(1.0%及び0.1%の560nMストック)で用いられたとき、ベースライン刺激指数より285%及び147%という増加を生じる(下記の実施例25を参照)。要旨:発現は、筋肉、成人の或る種の型の平滑筋及びヒト胎児の平滑筋に制限された。ヒト成人における発現は、結腸及び胆嚢を含む管器官の平滑筋において評価された。血管及び気管支の平滑筋では発現されなかった。ヒト成人骨格筋は評価しなかった。胎児組織において、骨格筋、体幹骨格及び肢における中程度から高度の拡散発現があった。腸壁の平滑筋では弱い発現があったが、心筋では発現されなかった。発現したヒト成人組織:結腸:慢性炎症性腸疾患を持つ5検体において平滑筋(筋層)で低レベルの拡散発現があった。胆嚢:胆嚢の平滑筋で弱から低レベルの発現があった。発現したヒト胎児組織:骨格筋において中程度の拡散発現及び平滑筋において弱から低レベル発現があった;胎児心臓又は肝臓、脾臓、CNS、腎臓、腸、肺を含む他の任意の器官では発現は無かった。発現の無いヒト組織:慢性肉芽腫炎症及び慢性気管支炎(5患者)の肺、末梢神経、心臓、胎盤、肝臓(疾患多重ブロック)、脳(大脳及び小脳)、扁桃(反応性過形成)、末梢リンパ節、胸腺。
この実施例は、大腸菌中における組み換え発現によるPROの非グリコシル化型の調製を例証する。
DNA配列コード化は選択されたPCRプライマーを利用して最初に増幅される。このプライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベクターを使用することができる。適したベクターの例としては、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含むpBR322(大腸菌由来;Bolivarら, Gene, 2:95 (1997)を参照のこと)がある。ベクターは制限酵素によって消化され、脱リン酸化される。次いで、PCR増幅配列をベクターにライゲーションする。ベクターは好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリHisリーダー(最初の6つのSTIIコドン、ポリHisリーダー、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、PROコード領域、ラムダ転写集結因子及びargU遺伝子をコードする配列を含む。
選択されたクローンを、抗生物質が補填されたLBブロスのような液体培地で一晩かけて成長させることができる。この一晩の培養を、次により大きなスケールでの培養を播種するために使用してもよい。そして、細胞を所望の光学密度になるまで成長させ、その間に発現プロモーターが作用し始める。
更に数時間、細胞を培養した後に、遠心分離によって細胞を収集することが可能である。遠心分離によって得られた細胞ペレットは、当該分野で公知の様々な薬剤を使用して可溶化でき、次いで、この溶解したPROタンパク質を、タンパク質の堅固な結合を可能にする条件下において金属キレート化カラムを用いて精製すること可能である。
所望の再生したPROポリペプチドを含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡化したG25Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した。
ここで開示された多くのPROポリペプチドは、上記の方法によって成功裏に発現した。
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態のPROの調製を例証する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307,247参照)を用いた。場合によっては、PRO DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に結合させ、上記のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRODNAを挿入させる。得られたベクターは、pRK5-PROと呼ばれる。
トランスフェクションの約24時間後、培地を除去し、培地(のみ)又は200μCi/ml35S−システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培地で置換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィルターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PROポリペプチドの存在を現す選択された時間にわたってフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地に、更なるインキュベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
他の実施態様では、PROをCHO細胞で発現させることができる。pRK5-PROは、CaPO4又はDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞にトランスフェクションすることができる。上記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35S-メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PROポリペプチドの存在を同定した後、培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現PROポリペプチドを含む培地を、任意の選択した方法によって濃縮し精製することができる。
またPROは、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法によりCHO細胞で発現させてもよい。
CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質は、それぞれのタンパク質の可溶化形態のコード配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)、又はポリ-Hisタグ形態として発現された。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販のトランスフェクション試薬Superfect(登録商標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)約1千万のCHO細胞に導入する。細胞は、上記のLucas等に記載されているように成長させた。約3x107細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結させた。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
以下の方法は、酵母菌中でのPROポリペプチドの組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPROの細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。PROポリペプチドをコードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPROポリペプチドの細胞内発現を指示する。分泌のために、PROをコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、天然PROシグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要ならば)PROの発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる。
続いて組換えPROポリペプチドは、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PROポリペプチドを含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現を記載する。
PROコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエピトープタグは、ポリ-hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Navagen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO又はPROコード配列の所定部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次いで、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PROの精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
この実施例は、PROに特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば、上記のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PROポリペプチド、PROポリペプチドを含む融合タンパク質、細胞表面に組換えPROポリペプチドを発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Researh, ハミルトン, モンタナ)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗PRO抗体の検出のためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取してもよい。
ハイブリドーマ細胞は、PROに対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。PROに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PROモノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくアフィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
天然又は組換えPROポリペプチドは、この分野の種々の標準的なタンパク質精製方法によって精製できる。例えば、プロ-PROポリペプチド、成熟ポリペプチド、又はプレ-PROポリペプチドは、対象とするPROポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PROポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロテインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr-活性化セファロース(商品名)(Pharmacia LKB Biotechnology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂がブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
可溶化PROポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPROポリペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッファー)で洗浄される。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合を分解する条件下(例えば、約2−3といった低pH、高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオトロープ)で溶離され、PROポリペプチドが回収される。
本発明は、PROポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングとって特に有用である。そのような試験に用いられるPROポリペプチド又は断片は、溶液中の自由状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、或いは細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの1つの方法では、PROポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定にトランスフェクションされる真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのようなトランスフェクション細胞に対して、競合的結合アッセイによってスクリーニングされる。生存可能又は固定化形態のいずれかによって、このような細胞は標準的な結合アッセイで使用できる。例えば、PROポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。あるいは、試験する試薬によって生ずるPROポリペプチドとその標的細胞との間の複合体形成における減少を試験することもできる。
また、本発明は、PROポリペプチドに結合可能な中和抗体がPROポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも考慮する。この方法において、抗体は、PROポリペプチドで、1つ又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
合理的薬物設計の目的は、対象とする生物学的活性ポリペプチド(例えば、PROポリペプチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PROポリペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPROポリペプチドに機能を促進又は阻害する薬物の創作に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19-21 (1991))。
本発明によって、X線結晶学などの分析実験を実施するために十分な量のPROポリペプチドが入手可能である。さらに、ここに提供したPROポリペプチドアミノ酸配列の知識は、X線結晶学に代わる又はそれに加わるコンピュータモデル化技術で用いられるガイダンスを提供する。
オリゴヌクレオチドプローブを、定量PCR増幅反応での利用のために、添付図面に示すPRO1031、PRO1122、PRO21175、PRO10272、PRO20110、PRO5801、PRO20040、PRO9877、及びPRO20026ポリペプチドコード化ヌクレオチド配列から構築した。オリゴヌクレオチドプローブを、標準的PCR反応において、その結合テンプレートの3' 末端から、約200−600塩基対の増幅断片が生じるように選択した。このオリゴヌクレオチドプローブを、異なるヒト成人及び/又は胎児の組織源から単離されたcDNAライブラリーを用いた標準的な定量PCR増幅反応に使用し、試験した種々の組織におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現レベルの定量を得るためにアガロースゲル電気泳動によって分析した。種々の異なるヒト組織型におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現パターンの知識は、転移腫瘍等の一次組織源を決定するために、他の組織特異的マーカーを用いて又は用いない組織分類分けに有用な診断用マーカーが提供される。これらのアッセイは、以下の結果を提供する。
このアッセイでは、レセプター/リガンド相互作用を同定することを目的として、潜在的レセプター又はリガンド分子の一群(パネル)へ結合する能力に関して種々のPROポリペプチドを試験する。既知のレセプターに対するリガンド、既知のリガンドに対するレセプター或いは新規のレセプター/リガンド対の同定は種々の指示にとって有用であり、それらには例えば、レセプター又はリガンドを発現することが知られている細胞へ生物活性分子(リガンド又はレセプターへ結合)を標的とすること、組成物がリガンド又はレセプターを発現すると思われる細胞を含む可能性がある場合に、レセプター又はリガンドを含むと思われる組成物中でのそれらの存在を検出する試薬としてレセプター又はリガンドを利用すること、レセプター又はリガンドを発現すること又はこれらへ反応することが知られている細胞の成長、或いはその他の生物学的又は免疫学的活性を調節すること、細胞の免疫応答又はレセプター又はリガンドを発現する細胞に対する免疫応答を調節すること、レセプター又はリガンドを発現する細胞の成長又は生物学的或いは免疫学的活性を調節するレセプター又はリガンドに対するアゴニスト、アンタゴニスト及び/又は抗体の調製を可能にすること、並びに普通の熟練技術者にとって難なく理解できる種々の他の指示が含まれる。
(1)PRO1031(ここで、ヒトIL-17Bリガンドと命名)がPRO5801(ここで、ヒトIL-17RH1レセプターと命名)と結合する。
(2)PRO10272(ここで、ヒトIL-17Eリガンドと命名)がPRO5801(ここで、ヒトIL-17RH1レセプターと命名)と結合する。
(3)PRO201110(ここで、ヒトIL-17Eリガンドと命名)がヒトIL−17レセプター(IL-17R)(Yaoら, Cytokine 9(11):794-800(1997);またここでPRO1と命名された)及びPRO20040(ここで、ヒトIL-17RH2レセプターと命名)へ結合する。
(4)PRO1031(IL-17Bリガンド)及びPRO1122(IL-17Cリガンド)は、ヒトIL-17レセプターと結合しない(Li ら., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 97(2):773-778(2000))。
A.ヒトIL-17レセプター(IL-17Rと命名;ここでPRO1として命名)のECDのクローニング:
新規IL-17相同性ポリペプチドIL-17B及びIL-17Cのリガンド/レセプター相互作用を研究するために、ヒトIL-17レセプター(Yaoら, Cytokine 9(11):794-800(1997)のECDをクローンした。公表されている配列に基づき、2つのオリゴヌクレオチドプライマーをIL-17R ECDの5’及び3’末端に設計した〔Yanoら., Cytokine, 9:794(1997)〕。2つのプローブは次の配列を有する:
プライマー1:5'-CTG TAC CTC GAG GGT GCA GAG-3' (配列番号:38)
プライマー2:5'-CCC AAG CTT GGG TCA ATG ATG ATG ATG ATG ATG ATG ATG CCA CAG GGG CAT GTA GTC C-3' (配列番号:39)
上述したプライマーをPCR反応に使用し、Pfu Turbo DNAポリメラーゼ(Promrga)を用いて、ヒト精巣cDNAライブラリから全長cDNAを増幅させる。C-末端hisタグを、8つのヒスチジンをコードするヌクレオチドの添加を通し、PCRにより3'末端プライマーに導入した。ついで、PCR生成物を発現プラスミドベクターpRK5B中でサブクローンした。配列分析により、挿入物が、公表されているhIL-17レセプターの細胞外ドメイン(1-320アミノ酸)をコードするDNAフラグメントを含有していることが確認された。
IL-17B(PRO1031;配列番号:2)及びIL-17C(PRO1122;配列番号:4)と比較した場合のIL-17の差異のある活性は(本出願の実施例28から30を参照)、それらが異なる細胞表面に結合し活性化していることを示唆している。IL-17B(PRO1031)又はIL-17C(PRO1122)が直接にレセプターと結合してるか否かテストするために、IL-17R(PRO1)(C-末端hisタグ)を含有する発現プラスミドを、SuperFectトランスフェクション試薬(Quiagen)を使用して293細胞へトランスフェクトした。50μCi/ml[35S]-Cys/Met混合物を6時間使用したトランスフェクションの後に、293細胞の代謝ラベリングを16時間行った。培養上清を収集して濃縮した(Centricon-10, Amicon)。IL-17R ECDの発現を検査するために、Ni-NTAビーズ(Quiagen)を使用して、培養上清からhis-タグIL-17R ECDを親和沈降させた。
IL-17R ECDは、そのヒスチジンタグを介して精製する際に、60kDaのバンドとして移動した(図29A)。さらにIL-17R ECDはまた、IL-17(レーン3)と組み合わされて沈殿した。しかしながら、IL-17BとIL-17Cの両方ともに、ラベルされたIL-17レセプターECDに対するIL-17の結合と競合することができなかった(図29B、レーン15及び16)。
A.IL-17E(PRO10272)の単離、並びに発現ベクターの構築
IL-17E(DNA147531−2821;配列番号:5)及びIL-17RH1(DNA115291−2681;配列番号:11)cDNAクローンをヒトcDNAライブラリから単離し、各々実施例3及び実施例5に示されているように、それらの全部の配列を決定した。Fc融合タンパク質(イムノアドヘシン)を、真核生物発現ベクターpRK5tkNEO及びバキュロウイルスベクターpHIF、Pharmingenから購入したpVL1393の誘導体で、IL-17、IL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)、及びIL-17E(PRO10272)の全オープンリーディーングフレームのフレーム単位でのヒトIgG1のFc領域との融合によって調製した。融合タンパク質を、ヒト293細胞又はSf9昆虫細胞で過度的に発現させ、プロテインAカラムを通して精製した。また、IL-17RH1レセプター(PRO5801)の細胞外ドメインを、C-末端8xHis-tag融合としてバキュロウイルスで発現させ、ニッケルアフィニティーカラムによって精製した。更に、IL-17E(PRO10272)を8xHis-tag融合としてバキュロウイルスで発現させ、精製してリフォールデング(再折りたたみ)した。この精製タンパク質の同一性は、N-末端分析によって確かめられた。
IL-17E(PRO10272)のIL-17RH1(PRO5801)との結合のウェスタンブロット分析を、Xieら., Cytokine, 11(10): 729-735(1999)及びXieら., J. Biol. Chem., 275(40): 31335-31339(2000)によって記載の通りにおこなった。ノーザンブロット分析では、製造者の推奨の通りに、多組織ノーザンブロット(multiple tissue Northern blots)(Clontech)を、ランダムプライムIL-17RH1 cDNAの32P-ラベルプローブでプローブし、72時間に渡ってX-omat(Kodak)に曝露した。定量PCR分析(Taqman(商品名))では、推奨の通りに(Perkin Elmer)、IL-17RH1のコード化配列に基づいて、プライマーでヒト組織からの全mRNA(50ng)を分析した。
ヒト293細胞を、表示の通りに、緑色蛍光タンパク質(GFP)、及びIL-17RH1(PRO5801)又はIL-17R(PRO1と命名)に関する発現ベクターで過度的に同時トランスフェクションした。24時間後に、細胞を表示の通りに細胞をFcタッグリガンドでインキュベートし、結合をPEコンジュゲート抗-ヒトFc抗体で明らかにした。FACS曲線は、同時トランスフェクションされたGFPポジティブの細胞集団中のPE染色を示す(図32A)。
ルシェフェラーゼレポーターアッセイを、Gurneyら., Curr Biol., 9(4): 215-218(1999)に記載の通りにおこなった。要約すると、293又はTK-10細胞(2x105)を、トランスフェクションの間のDNA量を一定に保つためのキャリアープラスミドpRK5D及びIL-17E発現プラスミド(0.1μg)に加えて、0.5μgのホタルルシェフェラーゼレポータープラスミドpGL3-ELAM.tk、及び内部トランスフェクションコントロールとして0.05μgのウミシイタケルシフェラーゼレポータープラスミド
によるEffectine(Quiagen)トランスフェクションによってトランスフェクションした。24時間後、細胞を収集し、推奨の通りにルシェフェラーゼ活性をアッセイした(Pharmacia)。IL-8 ELISAを、製造者の指示書の通りにおこなった(R & D Systems)(図33)。
上に記述したように、IL-17ファミリーの新規メンバーは同定されてキャラクタリゼーションされ、ここでIL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)、IL-17D(PRO21175)、及びIL-17E(PRO10272)と命名された。IL-17ファミリーの4ファミリー、IL-17、IL-17B、IL-17C及びIL-17Eは、C-末端部分に最も高い類似性を共有し、その部分には20−30%のアミノ酸配列同一性、並びに4個のシステインの厳格な保存がある。機能的に保存され得る付加的なシステインは、異なる位置に存在する。対照的に、N-末端の80残基には、保存部が殆ど無いことが明らかである。IL-17ファミリーメンバー[IL-17(配列番号:40)、IL-17B(PRO1031;配列番号:2);IL-17C(PRO1122、配列番号:4);及びIL-17E(PRO10272、配列番号:6)]のアライメントが図30に示されている。保存システインは小丸で示され、潜在的なN-結合グリコシル化部位は囲いで示されている。
IL-17E mRNAは、ノーザンブロット分析では検出されなかった。しかしながら、スプライシングされたmRNAをゲノムDNAから識別できるように設計されたプライマーを用いるRT-PCRによって、IL-17Eは、脳、腎臓、肺、前立腺、精巣、脊髄、副腎及び気管を含む種々の組織において低レベルで検出されている。IL-17E(PRO10272)発現のRT-PCR分析の結果は、図23に示されている。上に記述のように、表示の組織のRNAを、IL-17Eのコード化配列のすべてを増幅するように設計したプライマーによるRT-PCRへ供した。このPCR産物をアガロースゲル電気泳動で分離し、ナイロン膜へ移し、32PでラベルしたIL-17E cDNAプローブでプローブした。
結合研究は、この新規分子(IL-17RH1と命名;PRO5801)がIL-17ファミリーの他のメンバーに対するレセプターとして機能を果たすか否かを確定するためにおこなわれた。IL-17RH1のための発現ベクターでトランスフェクションしたヒト293細胞がIL-17E-Fc融合タンパク質(イムノアドヘシン)と結合することが示されたが、ヒトIL-17の有意な結合は示さなかった(図32Aに示す)。IL-17RH1発現細胞へのIL-17Eイムノアドヘシン結合は、HisエピトープタッグIL-17Eとの競合によって完全に阻害されることもあり得る。相対的に、IL-17Rのための発現ベクターでトランスフェクションされた細胞は、IL-17イムノアドヘシンと結合するが、IL-17Eとは結合しない。IL-17ファミリーのメンバーとの直接相互作用があるか否かを調べるために、リガンド結合研究を、IL-17RH1レセプターのエピトープタッグ細胞外ドメインでおこなった。図32Bに示しあるように、この新規レセプターは、IL-17E-Fcの強い結合を示し、そしてIL-17B-Fcへの弱い結合示すが、IL-17-Fc又はIL-17C-Fcと結合しない。
要約すると、IL-17RH1(PRO5801)は、IL-17ファミリーのメンバーと結合する同定されたセカンドレセプターである。IL-17レセプターファミリーは、他のタンパク質とは全く関連がない。しかしながら、二つのレセプターの比較によって細胞外ドメインでの多くのシステインの保存が明らかとなり、このことは、それらが類似の構造を保持していることを示唆している。同じように、細胞内ドメインに保存エレメントがあり、これらレセプターが同じような細胞内機構に関わっていると思われる。このことは、IL-17のように、IL-17EがNF-κBの活性化をシグナル伝達するという観察によって支持されている。細胞内ドメイン内の保存領域は、NF-κBを活性化することが知られている他のレセプターファミリー、IL1/Toll及びTNFレセプターファミリーとの明確な類似性を有しない。
図25から28は、ここで、各々IL-17RH1(PRO5801;配列番号:12)、IL-17RH2(PRO20040;配列番号:14)、IL-17RH3(PRO9877;配列番号:16)及びIL-17RH4(PRO20026;配列番号:18)と同定された新規IL-17レセプター相同体に関する相対的な組織発現分布を示す。
要約すると、図35は、IL-17ファミリーのサイトカインパターンの重複するレセプター-リガンド特異性を表す。示されているように、IL-17C及びIL-17Dは、IL-17R、IL-17RH1又はIL-17RH2以外の異なるインターロイキン-17レセプターに対する特異性を有すると思われる。更には、図20から28及び図31は、ここで同定された新規IL-17相同体及びIL-17レセプターに関する相対的な組織発現分布を示している。
このアッセイはPROポリペプチドが内皮細胞においてc-fosを誘導する能力を示すか否を確定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブと評価されたPROポリペプチドは、例えば創傷治癒やそれに類似のものを含む血管新生が有益な症状や疾患の治療上の処置にとって有用であると期待される(これらPROポリペプチドのアゴニストのように)。このアッセイにおいて陽性と評価されたPROポリペプチドのアンタゴニストは、癌性の腫瘍の治療上の処置にとって有用であると期待される。
成長培地(50%のハムのF12w/oGHT:低グルコース、及びグリシンなしの50%DMEM:NaHCO3、1%グルタミン、10mMのHEPES、10%のFBS、10ng/mlのbFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮細胞(HUVEC, Cell Systems)を1x104細胞/ウェルの細胞密度で96ウェルマクロタイタープレートにプレーティングした。プレーティングの次の日、成長培地を除き、細胞を100μl/ウェルの試験試料と対照(ポジティブ対照=成長培地;ネガティブ対照=プロテイン32バッファー=10mMのHEPES、140mMのNaCl、4%(w/v)マンニトール、pH6.8)で処理することにより、細胞を飢餓させた。細胞を5%CO2中で37℃において30分間インキュベートした。試料を取り除いて、DNAキットプロトコール(Chiron Diagnostics, cat.#6005-037)の最初の部分に従った。ここで、下記の各大文字の試薬/バッファーはキットから利用可能であった。
次に示すように、PRO1031は「ポジティブ」とアッセイされた。
アッセイ#1
ネガティブコントロール = 1.0RLU
ポジティブコントロール = 10.96RLU
0.056nMのPRO1031 = 2.22RLU
アッセイ#2
ネガティブコントロール = 1.0RLU
ポジティブコントロール = 10.96RLU
0.56nMのPRO1031 = 2.01RLU
このアッセイは、本発明のあるポリペプチドが免疫系を刺激し、哺乳類の注射の部位での単核球、好酸球及びPMN浸潤を誘導することによる炎症を誘導することを示す。免疫応答を刺激する化合物は、免疫応答が有益である場合には治療的に有用である。この皮膚血管透過性アッセイは,以下のようにおこなわれる。350g又はそれ以上の無毛モルモットにケタミン(70−80mg/kg)と5mg/kgのキシラジンを筋肉内投与して麻酔をかける(IM)。本発明の精製ポリペプチド又は条件付試験試料を、注射部位当たり100μlで試験動物の背の皮膚に皮内注射する。動物当たりおよそ10−30、好ましくは16−24の注射部位を有することが可能である。ついで1μlのエバンスブルー染料(1%の緩衝化された生理的食塩水)を心臓内注射する。そして、注射部位の斑点を注射後1及び6時間後に測定する(mm直径)。動物は、注射から6時間後に犠牲となった。各々の皮膚注射部位は、生検されてホルマリンで固定される。そして、この皮膚は、組織病理学的評価のために調整される。各々の部位は、皮膚への炎症細胞湿潤のために評価される。可視的な炎症細胞湿潤の部位は、陽性とスコアされる。炎症細胞は、好中球、好酸球、単核球又はリンパ性である可能性がある。
少なくとも、注射部位の最小血管周囲湿潤物は陽性とスコアされ、注射の部位の湿潤物でないものは、陰性とスコアされる。このアッセイでは、PRO1031は、24時間の時間間隔でポジティブであった。
この実施例は、本発明の所定のペプチドが、刺激されたT-リンパ球の増殖の刺激剤として活性であることを示す。リンパ球の増殖を刺激する化合物は、免疫応答の増強が有益な場合、治療的に有用である。治療剤は、本発明のポリペプチドのアンタゴニストの形をとり、例えば、ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメラ、ヒト化又はヒト抗体である。このアッセイの基本的プロトコールは、Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所, John Wiley & Sons, Incに記載されている。
PRO PRO濃度 コントロールを超えるパーセント増加
PRO10272 0.84nM 201.5
このアッセイは、一つ以上のPROポリペプチドがPBMC又はCD4+の刺激のエンハンサーとして活性があることを示している。CD4+は、LSM分離後にMACビーズを用いるネガティブ選択によって濃縮される。抗-CD28にとって代わるPROポリペプチドの能力を、刺激効果を測定するために検討した。
抗-CD3及び抗-CD28がPBMCを刺激することが知られている。このアッセイで用いられているPBMCを単離するための基本的プロトコールは、Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所, John Wiley & Sons, Incに記載されている。
このアッセイは、抗-CD3及びPROタンパク質の一晩コーティングの後に、200μlの細胞の混合物を三重ウェルへプレートすることによって調製される。
50μlの抗-CD3(50ng/ml、Amac0178)及び50μlのPROタンパク質を、4℃で一晩、96ウェルプレートにコーティングする。PROタンパク質に代わって、50μl Hu-IgGをコントロールとして用いる。次いで、このウェルを約3日間、37℃、5%CO2でインキュベートする。4日目には、各ウェルをトリチウム化チミジン(1.0mC/ウェル;Amersham)でパルスする。6時間後、細胞を収集し、次いでラベルの取り込みを評価する。
このアッセイの他の変形例では、PBMC又はCD4+をBalb/cマウスの脾臓から単離する。細胞を、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピルバート)において、この新たに収集した脾臓から取り出して細かく切断し、そしてPMBCをリンパライトM(Lympholyte M)(Organon Teknika)上にこれらの細胞をオーバーレイし、2000rpmで20分間遠心分離し、回収してアッセイ用培地で単核細胞層を洗浄することで単離した。CD4+細胞を、ビーズを用いたネガティブ選択によって濃縮し、培地で洗浄し、そしてアッセイ用培地で1x107細胞/mlとなるようにこの細胞を再懸濁する。本アッセイは、上文に示すようにおこなわれる。結果を次に示す:
PRO濃度 刺激(+)/阻害(−)
PRO1031 5.6nM ベースライン刺激インデックスを
(+)285%超える
PRO1031 o.56nM ベースライン刺激インデックスを
(+)147%超える
IL17B及びIL17Cのコード化配列をPCRで増幅し、これらをpBPH.His.cのEcoRI及びSmaI部位へサブクローンしてC-末端GHHHHHHHHタッグを作成するか、或いはpBPH.IgGのEcoRI及びStu部位へサブクローンしてヒトIgG1のFc領域を有するC-末端融合を作成した。ベクターpBPH.His.c及びpBPH.IgGは、バキュロウイルス発現ベクターpVL1393の誘導体である(Pharmingen)。コントロールFc又はHis-タッグタンパク質を同じような方法で構築し、膵炎関連タンパク質(175アミノ酸)がヒトIgG1又はhis-8-タッグのFc部分へC末端で結合するようにした。
この融合タンパク質を、製造者が奨める方法(Invitrogen)を用いてHigh5細胞で発現させた。要約すると、7:1の割合でDNA作成物とBaculoGoldバキュロウイルスDNA(Pharmingen)を粘着Sf9細胞へ同時トランスフェクションした。細胞を4日間に渡って28℃でインキュベートし、その上清を回収した。このトランスフェクション上清を増幅させ、Fc融合タンパク質のためのプロテインA-セファロースビーズ(Pharmacia)又はHis-タッグタンパク質のためのNi-NTAアガロースビーズ(QIAGEN)のいずれかによるアフィニティー精製にかけた。
タンパク質の発現を検討するために、銀染色の前に、非還元及び還元条件下で、アフィニティー精製した組み換えタンパク質についてSDS-PAGE分析をおこなった。
IL-6放出に関してYaoら., Immunol., 155: 5483(1995)に要約されている方法を用いて、ヒト包皮繊維芽細胞(ATCC CRL-2091)を試験サイトカインとともにMEM培地(10%FBS)で培養した。37℃及び5%CO2での18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R& D System)を用いてIL-6に関して培養上清をアッセイした。TNF-α分泌のために、ヒト単球性白血病THP-1細胞を試験サイトカインとともにRPMI培地(10% FBS)で培養した。37℃及び5%CO2での18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R& D System)を用いてTNF-αに関して培養上清を定量した。
ヒト包皮繊維芽細胞(ATCC )を、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)を含むMEM培地(10%FBS)中で単独で培養した。37℃及び5%CO2での18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R&D System)を用いてIL-6に関して培養上清をアッセイした。IL-17によって誘導される高レベルのIL-6とは対照的に、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)の両方が繊維芽細胞からのIL-6分泌を刺激することは無かった(図36Aに示す)。
IL-17B及びIL-17CによるTNF-α放出の刺激を更に特徴付けるために、THP-1細胞において、タイムコース及び濃度依存性の応答をアッセイした。図37は、IL-17B及びIL-17CTNF-αの放出を時間及び濃度依存的に刺激することを示している。IL-17Cに関するEC50が25nMである一方で、IL-17B刺激に関するEC50は2.4nMである。
これら実験で用いられたIL-17B及びIL-17C調製物が検出不可能なレベルのエントドキシンを含有する一方で(1 EU/mlより低い)、THP-1細胞からのTNF-αが事実であり人為的な現象では無いことを確かめるために追加のコントロール実験がおこなわれた。IL-17B及びIL-17C活性は、ポリミキシンB処理によって影響されず、熱処理によって破壊され、このことは、どの混入しているエントドキシンでもなく、タンパク質そのものが活性を担っているという考えを支持している。
非特異的結合を阻止するために、THP-1細胞(5x105)を5%ウマ血清を含有するPBSで4℃で30分間に渡ってプレインキュベートした。IL-17、IL-17B.Fc、又はコントロールFc(各1mg)を添加し、THP-1細胞とともに0.25mlの容量で1時間に渡って氷上でインキュベートした。IL-17結合実験のために、事前のしっかりとした洗浄の後、一次抗hIL-17抗体(1:100希釈)及びFITCへ共役させた二次ヤギ抗-マウス抗体(Jackson Immunology Lab, 1:100希釈)を30−60分のインキュベーションによって経時的に添加した。Fc融合タンパク質のために、細胞をヤギ抗-ヒトIgGで共役したFITC(Fc特異的、Jackson Immunology Lab, 1:100希釈)によって染色した。十分な洗浄の後、最小限の5,000細胞をFACScan(Becton Dickinson)を用いて分析した。
上記の方法の結果は、コントロールFc融合タンパク質と比較して、IL-17B及びIL-17C Fc融合タンパク質の両方が、THP-1への結合を示すということであった(図38に示す)。
A.導入:
上述したように、IL-17は前炎症反応の開始又は持続における役割を担っていると思われる。IL-17はCD4+Th細胞により発現するサイトカインであり、滑膜細胞(synoviocytes)及びマクロファージを含む数種の細胞における前炎症及び血液生成サイトカインの分泌を誘発する(例えば、IL-β、TNF-α、IL-6、IL-8、GM-CSF。Aarvakら, J. Immunol 162:1246-1251(1999);Fossiezら, J. Exp. Med. 183:2593-2603(1996);Jovanovicら, J. Immunol.160:3513-3521(1998))。IL-17の存在下で、繊維芽細胞はCD34+血液生成原種の増殖を支持し、好中球における優先的成熟を誘発する。結果として、IL-17はT細胞依存性炎症反応の初期の開始剤を構成し、血液生成に免疫系を架橋させたサイトカイン網状組織の一部となる。
IL-17の可能性のある役割をさらに理解するために、本出願人は軟骨マトリックス代謝におけるIL-17の影響をテストした。軟骨における一酸化窒素(NO)の公知の異化作用、及び関節におめる高レベルのNOに鑑みて、さらにNO生成を測定した。
関節軟骨外植:4〜6ヶ月の雌豚の中手指関節を無菌状態で切開し、下骨を避けて、関節軟骨を注意深く、フリーハンドでスライスして取り出した。軟骨を細かく切断し、0.1%のBSA及び抗生物質を有する無血清(SF)培地で、95%の空気と5%のCO2の湿った雰囲気下で、少なくとも24時間培養した。3回洗浄した後、約80mgの関節軟骨をマイクロニクスチューブ中で等分し、上述したSF培地で少なくとも24時間インキュベートした。ついで、テストタンパク質を単独で、又はIL-1α(10ng/ml)(配列番号:25)と組合せて添加した。培地を集め、種々の時間点(0、24、48、72時間)で交換し、Farndale及びButtle, Biochem. Biophys. Acta 883:173-177(1985)に記載された1,9-ジメチル-メチレンブルー(DMB)比色分析を使用し、プロテオグリカン含有量をアッセイした。35S-硫黄でラベルした後(一晩)、チューブを計量して、組織の量を測定した。続いて一晩消化させ、組織中に残存するプロテオグリカン、並びにプロテオグリカン合成(35S-取り込み)の量を測定する。
IL-17がプロテオグリカンの放出を増加させ、合成を低減することが見出された(図39に示す)。さらにこの効果はIL-1αで見られる効果にも付加的である。IL-17の効果は一酸化窒素の生成によって媒介されないし、一酸化窒素放出の阻害によってマトリックス破壊を増大させることもない(図40〜42)。IL-17C(PRO1122)はマトリックス破壊を増加させ、マトリックス合成を阻害する。よって、PRO1122の発現は変成軟骨疾患に関連してると思われる。
結論として、IL-17は関節における関節軟骨の損失に寄与し、よって活性阻害により、炎症及び軟骨破壊が制限されるように思われる。IL-1α及びIL-17は、異なったレセプターの利用と下流のオーバーラップしているシグナル伝達機構のために、類似しているが区別できる活性を有する。
関節軟骨外植に対するIL-17の強力な分解効果、並びにIL-17に対するIL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)の相同性が見出されたと仮定すると、任意の又は全てのこれらタンパク質のアンタゴニストは、炎症状態及び軟骨欠損、例えば関節炎の治療に有用であり得る。
最後に、成長因子は二相効果を有し、病気になった組織がインビトロにおいて付与された因子に対して正常な組織とは異なる反応を起こすことができることは良く知られている。このため、IL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)又はIL-17のアンタゴニスト又はアゴニスト(例えばタンパク質それ自体)は、炎症状態及び軟骨欠損、例えば関節炎の治療に有用である。
サイトカインレセプターCRF2-4/IL-10Rbを欠くマウスでは、ヒトの炎症性腸疾患(IBD)の症状に類似する突発性及び進行性大腸炎を発症する。この表現型は、以前にも報告されている(Spencer., J. Exp. Med., 187: 571-578(1998))。このIBDのモデルでのIL-17ファミリーメンバーの発現の役割を検討するために、正常(野生型「WT」)マウス及びCRF2-4欠損マウスから結腸を収集した。CRF2-4欠損マウスからの結腸を、軽度のIBDを示す標本、並びにより進行した重度のIBDを示す標本に下位範疇化した。RNAを結腸試料から単離し、IL-17ファミリーメンバーの相対発現を定量PCR(Taqman(商品名))によって測定した。図44は、GAPDHに相対的なデルタCTで表したIL-17、IL-17E(DNA147531−2821)、IL-17B(DNA59294−1381−1)、及びIL-17D(DNA173894−2947)の相対発現を示す。IL-17Eの発現は、正常(野生型「WT」)マウスでの発現レベルと比較して、より進行した重度IBDにおいて際だって減少した。対照的に、軽度から重度のIBDでは、IL-17の増大した発現値が観察された。従って、IL-17Eは、この炎症症状のマーカーとしての機能を果たし得る。
発作のマウス実験モデルで、IL-17D(DNA173894−2947)発現を調べた。C57B1/6雄マウスの右総頸動脈(RCCA)を正中切開によって単離した。緩いヒモを血管の周りに配した。頭蓋に鼻腔裂と高さで頭蓋円窓を形成することによって中大脳動脈(MCA)を視覚化した。定刻には、各々11−0縫合及び6−0縫合で45分の虚血期間に渡ってMCA及びRCCAを塞いだ。この虚血性発作に続いて、RCCA及びMCA縫合をほどいてMCA領域の再灌流を可能にした。IL-17Dの相対発現を、再灌流に続く五つの時点(3,6,24及び72時間)で虚血性皮質から単離したRNAを利用した定量PCR(Taqman(商品名))によって測定し、コントロール非虚血性組織から単離したRNAにおいて観察されたIL-17Dの発現と比較した。図45は、この研究の結果を示す。示されているように、五つの例示された時点で調べると、IL-17D発現は、発作後には急速に減少する。
幾千もの遺伝子配列を殆ど場合において含む核酸マイクロアレイは、組織の正常な対応物と比較して、疾患組織において差次的に発現している遺伝子を同定するために有用である。核酸マイクロアッセイを用いると、試験及びコントロール組織試料からの試験及びコントロールmRNA試料が逆転写され、cDNAプローブを生成するために標識される。次いで、このcDNAプローブは、固体支持体上に固定化さた多くの核酸とハイブリダイズされる。このアレイは、アレイの各メンバーの配列と位置がわかるように構成されている。例えば、ある疾患段階で発現することが知られている遺伝子から選ばれたものを固体支持体上に整列してもよい。標識プローブとある特定のアレイのメンバーとのハイブリダイゼーションは、プローブが誘導された試料がその遺伝子を発現していることを示す。試験(疾患組織)からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルが、コントロール(正常組織)試料からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルより大きい場合は、疾患組織において過剰発現している遺伝子又は複数遺伝子が同定される。この結果の意味は、疾患組織で過剰発現しているタンパク質は、疾患症状の存在のための診断的マーカーとしてだけではなく、疾患症状の治療のための治療上の標的としても有用であるということである。
核酸のハイブリダイゼーション及びマイクロアレイ技術の方法論は、当業者には良く知られている。本実施例では、ハイブリダイゼーション及びプローブ、スライドのための核酸の特別な調製、並びにハイブリダイゼーションの条件は、2000年3月31日に出願された米国仮出願一連番号 60/193,767にすべて詳述されており、ここにおいて文献として取り入れられている。
Claims (31)
- 以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。 - 以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列1位〜20位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチド;及び
(b)(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。 - 以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:13に示すポリ塩基配列の全長コード化配列かなるポリヌクレオチド;及び
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)ATCC登録番号PTA−1535で寄託したDNAの全長コード化配列からなるポリヌクレオチド;及び
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 請求項1のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
- ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列と作用可能に連結している請求項6のベクター。
- 請求項6のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 前記細胞がCHO細胞、大腸菌細胞、酵母細胞又はバキュロウイルス感染昆虫細胞である、請求項8の宿主細胞。
- 配列番号:14に示すポリペプチドの発現に適した条件下で請求項8の宿主細胞を培養し、前記ポリペプチドを細胞培養から回収することを含んでなる、配列番号:12に示すポリペプチドを製造する方法。
- 以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。 - 以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列からなり、同アミノ酸配列1位〜20位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。 - 以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)ATCC登録番号PTA−1535で寄託したDNAの全長コード化配列によってコードされているアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。 - 異種アミノ酸配列と融合した請求項11又は12に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
- 前記異種アミノ酸配列が、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域である、請求項14のキメラ分子。
- 請求項11又は12に記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体。
- 前記抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体又は一本鎖抗体である、請求項16の抗体。
- 配列番号:14に示すポリペプチドを含有すると思われる試料より、前記ポリペプチの存在を測定する方法であって、前記試料を配列番号:12に示すポリペプチドに対する抗体へ曝露し、前記抗体と前記試料の成分の結合を測定する前記方法。
- 配列番号:14に示すポリペプチドの活性を阻害する化合物を同定する方法であって、通常は前記ポリペプチドに応答する細胞を、(a)前記ポリペプチド及び(b)候補化合物と接触させること、及び、前記細胞の(a)前記ポリペプチドへの応答性の欠乏を測定することを含んでなる前記方法。
- 配列番号:14に示すポリペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害する化合物を同定する方法であって、通常は前記ポリペプチドを発現する細胞を候補化合物と接触させ、及び、前記遺伝子の発現の欠乏を測定する前記方法。
- 前記化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項20の方法。
- 配列番号:14に示すポリペプチドの活性を模倣する化合物を同定する方法であって、通常は前記ポリペプチドに応答する細胞と接触させ、前記細胞による前記候補化合物への応答性を測定することを含んでなる前記方法。
- 配列番号:14示すポリペプチドを含有すると思われる試料において、前記ポリペプチドを検出する方法であって、前記試料を配列番号:2、配列番号:6又は配列番号:10に示すポリペプチドと接触させ、及び、前記試料において配列番号:2、配列番号:6、又は配列番号:10に示すポリペプチドと配列番号:14に示すポリペプチドとのコンジュゲートの形成を測定する前記方法。
- 前記試料が配列番号:14に示すポリペプチドを発現していると思われる細胞を含む、請求項23に記載の方法。
- 配列番号:2、配列番号:6、又は配列番号:10に示すポリペプチドが検出可能な支持体で標識されている、請求項23に記載の方法。
- 配列番号:2、配列番号:6、又は配列番号:10に示すポリペプチドが、固体支持体に付着している、請求項23に記載の方法。
- 配列番号:14に示すポリペプチドを発現する細胞を生物活性分子と結合させる方法であって、前記細胞を、前記生物活性分子と結合している配列番号:2、配列番号:6、又は配列番号:10に示すポリペプチドと接触させ、配列番号:14に示すポリペプチドと配列番号:2、配列番号:6、又は配列番号:10に示すポリペプチドと結合させることにより、前記生物活性分子を前記細胞と結合させる前記方法。
- 前記生物活性分子がトキシン、放射線標識又は抗体である、請求項27に記載の方法。
- 前記生物活性分子が前記細胞の死を引き起こす、請求項27に記載の方法。
- 配列番号:14に示すポリペプチドを発現する細胞の少なくとも1つの生物活性を調節する方法であって、A、B又はCと命名されたポリペプチド又は配列番号:14に示すポリペプチドに対する抗体と接触せしめ、それによって前記A、B、又はCポリペプチド又は前記抗体が配列番号:14に示すポリペプチドと結合し、それによって、前記細胞の少なくとも1つの生物活性を調節することを含んでなる前記方法であって、Aは、配列番号:2に示すポリペプチド、Bは配列番号:6に示すポリペプチド、及び、Cは配列番号:10に示すポリペプチドである前記方法。
- 前記細胞が死滅している、請求項30に記載の方法。
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