JP2006003244A - 界面接着性評価用試験片、界面接着評価用試験片の成形方法、および強化繊維と樹脂との界面接着性を評価する試験方法 - Google Patents

界面接着性評価用試験片、界面接着評価用試験片の成形方法、および強化繊維と樹脂との界面接着性を評価する試験方法 Download PDF

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尚光 村山
Masatsugu Furukawa
雅嗣 古川
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Abstract

【課題】試験片作製から評価に至るまでの時間を大幅に短縮し、少量のサンプルによる評価を可能とするばかりでなく、従来、取り扱いが困難といわれていた炭素繊維や熱可塑性樹脂組成物にも適用可能で容易に、かつ誰にでも正確に強化繊維と樹脂との界面接着性を評価できる画期的な試験方法を提供する。
【解決手段】マルチフィラメントからなる強化繊維を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物で含浸して成形加工し、下記界面接着性評価の対象となる当該マルチフィラメントからなる強化繊維の「埋込み長さ」が、0.5mm〜100mmである樹脂と繊維との界面接着性評価用試験片。
埋込み長さ;添付図1に示したA部分からB部分までの長さ(番号6)を「埋込み長さ」と定義する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般にピッチ系、PAN系、レーヨン系などの炭素繊維、パラ系、メタ系のアラミド繊維、ガラス繊維、そのほか種々の強化繊維と樹脂との接着性を評価するための界面接着性評価用試験片、該試験片の成形方法、およびそれを用いた試験方法に関するものである。
近年、繊維強化樹脂は、大きな進歩・発展をなし、各種容器、機械部品、建築資材、車輌、船舶、航空機、宇宙ロケットなどに使用され、金属では得られない重要な材料特性、例えば耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量性などを発揮し、今後ますますその利用は増大するものと考えられる。
繊維強化樹脂用の強化繊維は、プリプレグやフィラメントワインディング、プルトルージョンなどの連続繊維の形態で使用される場合と、射出成形、長繊維射出成形、射出圧縮成型、押出成型、シートモールディングコンパウンド、バルクモールディングコンパウンド、ランダムマットのスタンピング成形など、強化繊維を所定長に切断して使用するケースに分けられる。後者において、短繊維強化樹脂の機械的特性は、繊維と樹脂との界面接着性に大きく影響を受けることが知られており、界面接着性を向上させることは非常に重要である。
ところで、強化繊維と樹脂との界面強度の評価法は、これまで有効なものが確立されていない。例えば、単繊維(モノフィラメント)による方法は、試験片作製が難しく、測定者の熟練度が低い場合にはデータのバラツキが非常に大きくなる。特に、炭素繊維を強化繊維として使用する場合、単繊維が細く破断伸度も小さいため、試験片作製およびその評価は一層困難となる。特許文献1(特開平8−334455号公報)には、モノフィラメントを使用した測定方法のひとつであるマイクロドロップレット法が開示され、それによれば、試験片の作製から評価までの実施、ならびに繊維径の実測などが比較的容易になるけれども、単繊維の糸質そのものに起因するバラツキの多さは避けられないため、膨大なN数、データ数を必要とし、その設備も非常に高価となる。
特開平8−334455号公報
そこで、複合材料の引張り試験、曲げ試験、衝撃試験などを行い、その強度を測定するとともに、試験後の破断面を観察して、強化繊維と樹脂との濡れ性から判断することが広く行われてきた。しかしながら、これらの複合材料の強度は、繊維強化樹脂内における強化繊維の体積含有率、分散状態、繊維長、繊維配向などに大きく影響されるため、強化繊維と樹脂との接着性を評価しているとは言い難い。また、破断面における強化繊維と樹脂との濡れ性を定量評価することは難しい。さらに、試験片の作製には、ある程度のサンプル量を必要とし、試験片の作製から評価までに時間もかかる。
本発明は、試験片作製から評価に至るまでの時間を大幅に短縮し、少量のサンプルによる評価を可能とするばかりでなく、従来、取り扱いが困難といわれていた炭素繊維や熱可塑性樹脂組成物にも適用可能で容易に、かつ誰にでも正確に強化繊維と樹脂との界面接着性を評価できる画期的な試験片およびこれを用いた試験方法を提供することを目的とする。
本発明は、マルチフィラメントからなる強化繊維を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物で含浸して成形加工し、下記界面接着性評価の対象となる当該マルチフィラメントからなる強化繊維の「埋込み長さ」が、0.5mm〜100mmであることを特徴とする樹脂と繊維との界面接着性評価用試験片に関する。
埋込み長さ;添付図1に示したA部分からB部分までの長さ(番号6)を「埋込み長さ」と定義する。
また、本発明は、シート状の樹脂フィルムで請求項1記載のマルチフィラメントからなる強化繊維を両側からサンドイッチ状に挟み込んで当該強化繊維中に熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物を含浸して成形加工し、一体化してなることを特徴とする上記試験片の成形方法に関する。
本発明の試験片の成形方法は、マルチフィラメントからなる強化繊維中に成形温度付近にて液状となる熱硬化性樹脂組成物を含浸して成形加工し、一体化してもよい。
また、本発明の試験片の成形方法は、当該マルチフィラメントからなる強化繊維に0.02g/dtex〜0.3g/dtexの荷重を加えた状態で成形加工し、一体化することが好ましい。
次に、本発明は、本発明の試験片を用いて引張試験を行い、その試験片内で当該マルチフィラメントからなる強化繊維が当該樹脂から引抜けた際の最大荷重を測定することにより、強化繊維と樹脂との界面接着性を評価する試験方法に関する。
本発明によれば、マルチフィラメントからなる繊維束を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物内で含浸成形加工した試験片を用いて引張試験を行い、マルチフィラメントからなる繊維束が樹脂組成物から引抜ける際の最大荷重を測定することにより、繊維と樹脂との界面接着性を容易に、誰にでも正確に評価することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の試験片は、マルチフィラメントからなる強化繊維に熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物を含浸して加熱、加圧し、一体成形化された長方形の試験片であって、かつ、当該マルチフィラメントからなる強化繊維が試験片の巾、および厚さの中心に引張方向(長手方向)と平行になるよう埋め込み、一体成形化された一方向強化繊維配列の試験片である。
なお、この試験片の作製に当たっては、当該マルチフィラメント強化繊維の長手方向(強化繊維の繊維軸方向)に0.02g/dtex〜0.3g/dtexの引張力、好ましくは0.05〜0.15g/dtexの引張力を与えた状態で、樹脂と成形加工し、一体化することが好ましい。引張力が0.02g/dtex未満では、成形加工時に、樹脂の流れや移動によって当該マルチフィラメントからなる強化繊維中の単繊維の配列が乱れて、単繊維の繊維軸方向が同一方向でなくなり、測定評価時に当該マルチフィラメントからなる強化繊維全体に均一に引張荷重がかからなくなって本発明の目的である界面接着力が正確に測定できなくなる。一方、引張力が0.3g/dtexを超えると、逆に成形加工時における圧力や樹脂流れによって単繊維に部分的に異常張力が加わって部分的な切断を生じたり、かつ単繊維に損傷を与えたりして単繊維が本来有する引張強度を低下させ、上記と同様に、測定評価時における界面の接着性を正確に測定できなくなる。
この試験片を用いた評価方法は、当該試験片の長手方向(強化繊維の繊維軸方向)に、すなわち強化繊維の繊維軸方向に引張力(引張荷重)を与えて、当該試験片内でマルチフィラメントからなる強化繊維が当該樹脂組成物から引抜けた際の最大荷重を測定することにより、繊維と当該樹脂との界面接着性を評価、判定する方法である。
本発明に使用されるマルチフィラメントからなる強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリルなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
PAN系炭素繊維の場合、1,000フィラメントから50,000フィラメントのものが一般的に使用されるが、本発明では任意のフィラメントの集束数を選んで試験することができる。この場合、強化繊維と樹脂との親和性、埋込み繊維長、強化繊維の集束数や糸幅(周長など)などにより、強化繊維引抜け時の最大荷重は変化し、強化繊維が破断して試験片が破壊することもある。
本試験法では、強化繊維引抜け時の最大荷重を測定する以外に、強化繊維の集束数ごとに強化繊維が確実に破断するために必要な繊維長を調べることができるため、複合材料中で強化繊維の繊維長をどれくらいに保ち、かつ、強化繊維をどの程度分散させるべきかを知ることができ、より高強度の複合材料開発に資することができる。
本発明の試験片において用いる樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物であり、特に限定されるものではない。
次に、樹脂内にマルチフィラメントからなる強化繊維を埋め込む(または含浸する)成形手法について述べる。
本試験片作製において用いる樹脂は、試験片の厚みが調整しやすい樹脂フィルムを使用するのが望ましく、当該樹脂フィルム上に、マルチフィラメントからなる強化繊維を試験片の長さ方向と平行に配列し、続いて、その上に他の樹脂フィルムを重ねて、当該強化繊維を当該樹脂フィルムで挟み込み、金型内に投入し、加熱、加圧条件下でプレス成形する。この際、当該マルチフィラメントからなる強化繊維は、前述のごとく、ある一定の張力で引き揃え性を保ったままの状態でプレス成型できるよう工夫された治具(例えば、図5に示した治具)を金型内で使用することが望ましい。この治具の使用により、マルチフィラメントからなる強化繊維が金型内で泳いだり、移動したり、損傷したりすることを防止でき、より信頼性のあるデータを得ることが可能となる。
続いて、成形温度付近で液状となる熱硬化性樹脂を用いて試験片を作製する場合の成形手法について述べる。まずはじめに、熱硬化性樹脂を金型内に投入した後、当該マルチフィラメントからなる強化繊維を試験片の長さ方向と平行に配列し、ある一定の張力で引き揃え性を保ったままの状態でプレス成形できるように工夫された治具を金型内に投入し、加熱、加圧条件下でプレス成形する。熱硬化性樹脂の場合は、熱可塑性樹脂とは異なり、マルチフィラメントからなる強化繊維が金型内で泳いだり、移動したり、損傷したりすることは少ないため、信頼性のあるデータを得ることができる。
試験片の厚みは、0.5mm〜10mmが好ましく、3mm〜7mmがより好ましい。樹脂厚みが0.5mm未満では、マルチフィラメントからなる強化繊維が試験片の表面近傍に存在するため、引張試験中に当該マルチフィラメントからなる強化繊維と表面近傍の樹脂が一体化したままマトリックス破断することが多くなって、またプレス成形時に当該強化繊維中の単繊維を損傷し易くなって、当該繊維と樹脂との界面接着性を正確に評価できなくなる。一方、試験片の厚みが10mmを超えると、試験片の加工(試験片長手方向に対する中心部分で、試験片中の強化繊維と樹脂とを予め切断加工しておくこと⇒後述の図2を参照のこと)を容易にできなくなる。
試験片内のマルチフィラメントからなる強化繊維の界面接着性評価の対象となる強化繊維の埋込長(試験片中の繊維束を、予め一定長で切断しておく長さ⇒後述の図1の番号6を参照のこと)は、0.5〜100mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。埋込長が0.5mm未満では、試験片の加工が非常に困難である。逆に、埋込長が100mmを超えると、樹脂内の強化繊維が引張試験方向に対して完全に同一方向となる確率が少なくなって測定誤差やバラツキ拡大の原因となりやすくなる。繊維と樹脂との界面接着性が高い場合には、たとえ樹脂内の中心部にマルチフィラメントからなる強化繊維が埋め込まれていたとしても、マトリックスが破断することがあり、そのため該試験片には、界面接着性の測定に関与しない範囲内で樹脂が繊維などの補強材により補強されていることが好ましく、試験片内の状態を上手く観察できる程度の低目付けのガラスクロスなどで補強してもよい。
かくして、本発明によれば、マルチフィラメントからなる強化繊維を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物で含浸成形した試験片を用いて、引張試験を行なって、マルチフィラメントからなる強化繊維が当該樹脂組成物から引抜ける際の最大荷重を測定することにより、従来は容易にでき得なかった繊維と樹脂との界面接着性の評価を容易に、かつ誰でも正確に評価、判定できるようになし得たものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例で用いた試験片の作製方法、および、その評価方法は下記の方法で行った。
<試験片の作製方法>
(1)試験片の成形・加工
マルチフィラメントからなる強化繊維として、ある任意の繊度からなる繊維束(図1の番号1)を用い、当該繊維束が樹脂(図1の番号2)で完全に含浸されるような後述の実施例に記載した条件で試験片を成形加工した。次に、マルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長が設定した長さになるように樹脂を溶かして、または裁断具で、試験片巾方向に対する中央部の強化繊維と樹脂とを切断した(後述の図1のA部分)。続いて、試験片長手方向に対する中心部分(後述の図1のB部分)で、強化繊維の体積含有率が60%となるように、試験片巾方向の樹脂部分を切断加工した(後述の図4参照)。
<試験片の評価方法>
(2)引張試験による繊維と樹脂の接着性評価
図1に示した試験片のC部分(後述の図1のC部分、図3も参照)をチャッキングし、マルチフィラメントからなる強化繊維の長手方向(繊維軸方向)に、クロスヘッドスピード1.3mm/分で引張試験を行い、試験片内でマルチフィラメントからなる強化繊維が樹脂組成物から引抜けた際の最大荷重を測定し、これを繊維と樹脂との接着性評価とした。なお、表に示した最大荷重のデータはn=5〜10の平均値である。
(3)電顕による接着性評価
上記<試験片の評価方法>(2)記載の方法により、樹脂組成物から引抜いたマルチフィラメントからなる強化繊維の表面を電顕写真で観察して、下記の如く判定した。
○ ;接着性最良⇒樹脂が繊維表面に大量に付着している。
△ ;接着性良好⇒樹脂が繊維表面に付着している。
× ;接着性不良⇒樹脂が繊維表面に付着していない。
(4)試験片の破断状態
上記<試験片の評価方法>(2)記載の方法により、引張試験を実施した後の試験片の破断状態を下記の如く分類した。
引抜 ;当該マルチフィラメントからなる強化繊維が樹脂から引抜けた。
破断 ;当該マルチフィラメントからなる強化繊維が2つに破断した。
実施例1
マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−12K」(サイズ剤:エポキシ系、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:12,000本)を用い、この強化繊維を挟み込む樹脂フィルムとして、東洋紡(株)製のポリプロピレンフィルム「パイレン」を用い、試験片を補強する材料として、カネボウ(株)製の「テキストグラス スクリムクロス」を用いた。当該炭素繊維束に0.1g/dtexの荷重を掛け、かつ当該荷重が、強化繊維を構成する引き揃えられた単繊維全体に均一にかかるようにした状態で、上記樹脂フィルムで両面から挟み込んで、成型温度260℃、成型圧力30kg/cm、成型時間40分の条件にて、試験片厚み5mm、試験片巾(図1の番号4に相当)20mm、試験片長さ(図1の番号5に相当)200mmとなるよう試験片を作成した。
次に、この試験片中のマルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長が20mmとなるように、温度200℃のヒートカッターで樹脂を溶かし、当該強化繊維と樹脂とを切断(図1のA部分)した。続いて、試験片長手方向に対する中心部分で、繊維束の体積含有率が60%となるように、試験片巾方向の樹脂部分を切断加工した(図4参照)。
このようにして得られた試験片について、前述の<試験片の評価方法>(2)引張試験による繊維と樹脂の接着性評価、(3)電顕による接着性評価に記載された方法で評価し、(4)試験片の破断状態と共に、その結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−12K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:12,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例3
実施例1において、使用する樹脂フィルムとして、2.5%のマレイン酸変性ポリプロピレンフィルム、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維、「BESFIGHT HTA−12K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:12,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
なお、上記の2.5%のマレイン酸変性ポリプロピレンフィルムは以下の方法により製造した。まず、ポリプロピレンペレット(出光石油化学社製:J−900GP)とマレイン酸10%変性ポリプロピレンペレット(三洋化成社製:ユーメックス1010)とを二軸混練押出機でコンパウンドとし、2.5%のマレイン酸変性ポリプロピレンペレットを製造した。次いで、この2.5%のマレイン酸変性ポリプロピレンペレットを用いて、ホットプレス機により、温度:200℃、圧力:30kg/cmの条件で、厚さ100μmの2.5%のマレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例4
実施例1において、使用するマルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長を1.0mmとなるように、埋込長を変えた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例6
実施例1において、使用するマルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長を80mmとなるように、埋込長を変えた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例7
実施例1において、炭素繊維束を挟み込む樹脂フィルムとして、東邦テナックス(株)製の「中温硬化型エポキシ樹脂#11E」を離型紙上に塗布してなるフィルム接着剤を用い、成型温度130℃、成型圧力5kg/cm、成型時間120分の条件にて試験片を作製した以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例8
実施例1において、炭素繊維束を挟み込む樹脂フィルムとして、ユニチカ(株)製のポリアミドフィルム「エンブレム」を用い、成型温度280℃、成型圧力15kg/cm、成型時間20分の条件にて試験片を作製した以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例9
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−W1K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:1,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例10
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−3K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:3,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例11
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−24K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:24,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例12
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維として、東邦テナックス(株)製の炭素繊維「BESFIGHT HTA−W1K」(サイズ剤:無、単繊維直径:7.0μm、フィラメント数:1,000本)を用い、マルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長を5.0mmとなるように、埋込長を変えた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
実施例13
マルチフィラメントからなる強化繊維として、帝人テクノプロダクツ(株)製の「テクノーラ」(繊度:1,670dtex、フィラメント数:1,000本)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製し、これについて実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、マルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長が0.1mm(図1の番号6)となるように試験片の加工を試みたが、目的とする試験片は作製できなかった。
比較例2
実施例1において、使用するマルチフィラメントからなる強化繊維の埋込長を150mmとなるように、埋込長を変えた以外は、実施例1と同様に行って、目的とする試験片を作製した。これについて実施例1と同様の方法で評価した。
Figure 2006003244
※)CVは、変動係数と呼ばれ、次式にて算出される。
CV=標準偏差÷平均値×100
ここで、標準偏差は√(U)であり、Uは下記式(1)で表される。
Figure 2006003244
上記式(1)中、Xiは最大荷重の各測定値、Xsub−は最大荷重の平均値、nは測定数を示す。
本発明によれば、マルチフィラメントからなる繊維束を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物内で含浸成形加工した試験片を用いて引張試験を行い、マルチフィラメントからなる繊維束が樹脂組成物から引抜ける際の最大荷重を測定することにより、繊維と樹脂との界面接着性を容易に、誰にでも正確に評価できる。さらに、この評価方法は、あらゆる繊維強化樹脂の繊維と樹脂との界面接着性の測定に対して有効で、界面接着性検討を低コストで行うことができるため、各種用途における繊維強化樹脂の繊維と樹脂との界面接着性の測定に有用である。
評価前の試験片の構成図である。 評価後の試験片の構成図である。 図1のC部分における断面構成図である。 図1のB部分における断面構成図である。 治具の構成図である。
符号の説明
1 繊維束
2 樹脂
3 試験片厚み
4 試験片巾
5 試験片長さ
6 埋込み長さ
7 治具
8 樹脂フィルム

Claims (5)

  1. マルチフィラメントからなる強化繊維を熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物で含浸して成形加工し、下記界面接着性評価の対象となる当該マルチフィラメントからなる強化繊維の「埋込み長さ」が、0.5mm〜100mmであることを特徴とする樹脂と繊維との界面接着性評価用試験片。
    埋込み長さ;添付図1に示したA部分からB部分までの長さ(番号6)を「埋込み長さ」と定義する。
  2. シート状の樹脂フィルムで請求項1記載のマルチフィラメントからなる強化繊維を両側からサンドイッチ状に挟み込んで当該強化繊維中に熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物を含浸して成形加工し、一体化してなることを特徴とする請求項1記載の界面接着性評価用試験片の成形方法。
  3. 請求項1記載のマルチフィラメントからなる強化繊維中に成形温度付近にて液状となる熱硬化性樹脂組成物を含浸して成形加工し、一体化してなることを特徴とする請求項1記載の界面接着評価用試験片の成形方法。
  4. 当該マルチフィラメントからなる強化繊維に0.02g/dtex〜0.3g/dtexの荷重を加えた状態で成形加工し、一体化する請求項2〜3いずれかに記載の界面接着評価用試験片の成形方法。
  5. 請求項1記載の試験片を用いて引張試験を行い、その試験片内で当該マルチフィラメントからなる強化繊維が当該樹脂から引抜けた際の最大荷重を測定することにより、強化繊維と樹脂との界面接着性を評価する試験方法。

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