JP2006003159A - 河川魚類計測方法およびその装置 - Google Patents

河川魚類計測方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006003159A
JP2006003159A JP2004178352A JP2004178352A JP2006003159A JP 2006003159 A JP2006003159 A JP 2006003159A JP 2004178352 A JP2004178352 A JP 2004178352A JP 2004178352 A JP2004178352 A JP 2004178352A JP 2006003159 A JP2006003159 A JP 2006003159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fish
ultrasonic
river
fishes
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004178352A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuji Terazono
勝二 寺薗
Katsuhiko Kamijo
勝彦 上條
Makiko Okuda
満紀子 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WATER RESOURCES ENVIRONMENT TE
WATER RESOURCES ENVIRONMENT TECHNOLOGY CENTER
Original Assignee
WATER RESOURCES ENVIRONMENT TE
WATER RESOURCES ENVIRONMENT TECHNOLOGY CENTER
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WATER RESOURCES ENVIRONMENT TE, WATER RESOURCES ENVIRONMENT TECHNOLOGY CENTER filed Critical WATER RESOURCES ENVIRONMENT TE
Priority to JP2004178352A priority Critical patent/JP2006003159A/ja
Publication of JP2006003159A publication Critical patent/JP2006003159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】より一層正確に遡上魚及び降下魚の有無、種類、数量を計測する。
【解決手段】河川にある魚道3の隔壁9を設けた複数の潜孔部11から魚を通過せしめ、水中に設けた超音波送受波器15により前記各潜孔部11を通過する魚類13に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に魚類13に反射した反射波を受信し、この反射波により魚類13の有無と数量とを時系列に自動的に計測する。超音波が魚類13に対して斜め方向に向けて送受信されることで、ターゲットを大きく捉えることができ、反射波を大きくできる。さらに、各潜孔部11を通過する魚類13を水中から魚類撮像手段31で撮影する。記録した映像は、後日、人手により各超音波送受波器15によるデータと併せて通過時間、移動方向、魚数、魚種を確認、集計できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、河川魚類計測方法およびその装置に関し、特に送波器より超音波を発射し、水中の魚類(ターゲット)からの反射波を受波器で受信して魚群を計測する河川魚類計測方法およびその装置に関する。
河川や小規模の港湾とか湖沼等のように水深が浅く、反射物が複雑で混在している場所において魚類を探知して計測することは、海洋において使用されている超音波式魚探器では実用に耐えないのが実状であった。
さらに、河川等の場合は、水平方向の探知となるため、水面、水底および周辺の構造物等の影響を受けやすく、ターゲットの反射がマスクされて、明瞭なエコーをとらえ難いものであった。すなわち、超音波ビームは本来、一定角度の広がり(探知幅)をもっており、距離が遠くなるにつれて探知幅も広くなる。例えば探知幅が±6度とすると、探知距離の±10%の広がりをもってくるため、探知距離を20mとすると±2mの水底、水面等による反射のために、ターゲットがマスクされてしまい、観測が困難になるという問題や、距離が近くなると例えば2mの位置では±20cmとなり死角が発生し、観測が困難になるという問題があった。
しかし、この発明者らは、上記の問題点を解消して、超音波送受波器の指向特性を改善すると共に送受波器をその指向特性に合わせて受波信号の不要雑音を取り除いて正確で確実な魚類の有無並びに魚類の種類、数量を探知できる河川計量魚探の探知方法およびその装置を開発している(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−140244号公報
ところで、前述した特許文献1の河川計量魚探の探知方法およびその装置においては、河川の魚類に対して魚類の有無並びに魚類の種類、数量を探知できるという点で効果的であるが、超音波送波器が河川のほぼ流れ方向に向けて遡上してくる魚類に向けて送信されることから、魚類を大きく捉えられないために反射量が小さくなり、より一層正確さを図る点で改善の必要性がある。
さらに、魚類の種類を識別することができるとしても、魚の大きさが反射強度と長さを基にして行い、この魚の大きさが春夏秋冬の各シーズンに該当する魚の種類で判断するものであるので、必ずしも確実に正確に判断しているとは言えないものであった。
また、特許文献1で用いられている超音波式魚探装置には各種の判別処理機構が組み込まれており、それぞれの判別式におけるしきい値を緩くし、ほぼ100%の補足状態であると考えていた。前記超音波式魚探装置による計測結果は表1及び表2に示されている。表1及び表2は、魚探装置の計測値と、この値の実体をビデオ映像から視認したもので、表1は遡上する魚類を示し、表2は降下する魚類を示したものである。
Figure 2006003159
Figure 2006003159
上記の表1では、遡上する魚は超音波式魚探装置による速報値でも、ほぼ100%の的中率で計測できる。しかし、表2では、降下する魚は速報値の的中率が60%程度と極端に低下している。その理由は、河川には種々のゴミが混在して流れてくるので、降下する物体に対してはそれがゴミなのか魚なのかを判別することが難しいものであった。
また、例えば魚の通過時間および時刻、群れの大きさ、水平方向のどの位置を通過しているか、通過スピード、通過方向などの生態を判別するには、人が1日中ずっと監視する必要があるので、監視の交替制の必要や、かなりの労力を要するという問題点があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の河川魚類計測方法は、河川にある魚道の幅方向に隔壁を設けると共にこの隔壁に設けた潜孔部から魚を通過せしめ、水中に設けた超音波送受波器により前記潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信し、この超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と魚類の数量とを時系列に自動的に計測することを特徴とするものである。
この発明の河川魚類計測方法は、河川にある魚道の幅方向に隔壁を設けると共にこの隔壁に設けた潜孔部から魚を通過せしめ、水中に設けた超音波送受波器により前記潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信し、この超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と魚類の数量とを時系列に自動的に計測し、前記各潜孔部を通過する魚類を水中から魚類撮像手段で撮影することにより魚類の種類を時系列に自動的に計測することを特徴とするものである。
この発明の河川魚類計測方法は、前記河川魚類計測方法において、前記隔壁に複数箇所の潜孔部を設け、この各潜孔部に対応する複数の超音波送受波器により超音波の送受信を行うことが好ましい。
この発明の河川魚類計測方法は、前記河川魚類計測方法において、前記魚類撮像手段が、前記超音波送受波器の超音波で魚類がいることを判断したときに撮像を行うと共に前記撮像した映像を録画することが好ましい。
この発明の河川魚類計測装置は、河川にある魚道の幅方向に隔壁を設け、この隔壁に魚が通過する潜孔部を設け、この潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信する超音波送受波器を設け、この超音波送受波器により送受信する超音波を制御すると共に前記超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と数量とを時系列に自動的に演算処理する制御装置を設けてなることを特徴とするものである。
この発明の河川魚類計測装置は、河川にある魚道の幅方向に隔壁を設け、この隔壁に魚が通過する潜孔部を設け、この各潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信する超音波送受波器を設け、前記潜孔部を通過する魚類を水中から撮影する魚類撮像手段を設け、
前記超音波送受波器により送受信する超音波を制御すると共に前記超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と数量とを時系列に自動的に演算処理すると共に前記魚類撮像手段により撮像した魚類の種類を時系列に自動的に計測する制御装置を設けてなることを特徴とするものである。
この発明の河川魚類計測装置は、前記河川魚類計測装置において、前記隔壁に複数箇所の潜孔部を設け、この各潜孔部に対応して超音波の送受信を行う複数の超音波送受波器を設けることが好ましい。
この発明の河川魚類計測装置は、前記河川魚類計測装置において、前記制御装置が、前記超音波送受波器の超音波で魚類がいることを判断したときに撮像を行うと共に前記撮像した映像を録画する指令を与えることが好ましい。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、各超音波送受波器がターゲットとしての魚類に対して斜め方向に向けて送受信されることにより、ターゲットの大きさを大きく捉えることができるので超音波の反射量を大きくできる。しかも、この高感度の反射波により魚類の有無と魚類の数量とが正確に時系列に自動的に計測できる。
また、魚類撮像手段にて各潜孔部を通過する魚類を水中から撮影記録した映像は、後日、人手により前記各超音波送受波器によるデータと併せて通過時間、移動方向、魚数、魚種の確認、集計できる。降下する物体については降下魚かゴミかを正確に判別でき、且つ遡上魚及び降下魚のいずれに対しても魚種を正確に判別できる。人が交替で一日中(24時間)ずっと魚道を通過する魚類を監視する必要が無く、例えば1日の始めに前日の録画により時系列的に集計できる。また、魚類撮像手段による録画は超音波送受波器の魚類探知に即応して行われるので、効率的且つ経済的である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照するに、この実施の形態に係る河川魚類計測装置1としては、例えば潜孔式魚道3の上流側に魚を探知して計測処理するための超音波式魚類計測装置5(以下、「魚探装置」という)と、魚を撮影して計測処理するための魚道カメラ装置7が設けられている。なお、図1では平面図で図示されている潜孔式魚道3には、河川に設けられた魚道3の幅方向に隔壁9が設けられ、この隔壁9の複数箇所に魚類13が通過する潜孔部11を設けている。この実施の形態では、水流方向に対して魚道3の左岸29L側と右岸29R側にそれぞれ1個ずつで合計2つの潜孔部11が設けられている。
なお、上記の超音波式の魚探装置5は、魚類13の数量と通過方向(遡上か降下か)を自動的に計測するものであり、魚道カメラ装置7は、前記超音波式魚探装置5の魚類探知に同調して魚種を識別するための記録(録画)を行うものである。
より詳しく説明すると、上記の魚探装置5は、超音波送受波器15と、送受信制御装置17と、インターフェースユニット19と、データ収集装置21と、魚探表示装置23と、前記データ収集装置21に備えたプリンタ25及びMO装置27と、から構成されている。
超音波送受波器15は、図1に示されているように、潜孔部11の上流側で魚道3の左岸29L側と右岸29R側の水中に設置されており、超音波の送信及び受信を行うものであり、各潜孔部11に対応して設けられている。しかも、超音波送受波器15より前記各潜孔部11を通過する魚類13に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平方向に指向特性を制御した超音波を送信し、超音波ビーム内を通過するターゲットとしての魚類13に反射した反射波を受信する。つまり、左岸29L側の超音波送受波器15は右岸29R側の潜孔部11を通過する魚類13に対して超音波の送受信が行われ、右岸29R側の超音波送受波器15は左岸29L側の潜孔部11を通過する魚類13に対して超音波の送受信が行われる。なお、この実施の形態では各超音波送受波器15の超音波の指向角度は12°である。
上記のように、各超音波送受波器15が魚類13に対して斜めに送受信されることにより、ターゲットの大きさを大きく捉えることができるので超音波の反射量を大きくできるという点で効果がある。
また、上記の送受信制御装置17は、超音波パルスを超音波送受波器15へ送る超音波パルス発生回路部(図示省略)を内蔵しており、超音波送受波器15にて受信された超音波パルスが送受信制御装置17内の受信器(図示省略)にて電気信号に変換され、この電気信号が制御ボードで制御されてインターフェースユニット19に送るように構成されている。なお、送受信制御装置17はパルス減衰対策のため超音波送受波器15から40m以内に設置される。
また、上記のインターフェースユニット19は、超音波パルスの送出を制御するものである。超音波送受波器15からの超音波送出周期は1〜40回/秒にて設定可能である。なお、インターフェースユニット19は、前記送受信制御装置17から500m以内に設置される。
また、データ収集装置21では、一定の周期で送られてくる超音波受信信号が内蔵するA/DコンバータでA/D変換が行なわれ、A/D変換されたデータは演算処理装置(図示省略)により演算処理される。この演算処理されたデータはメモリとしての例えばハードディスク(図示省略)に蓄積されるように構成されている。
また、データ収集装置21により演算処理されたデータは、魚探表示装置23としての例えばCRTディスプレイに随時表示されて確認可能である。画面表示としては魚類13等が移動した軌跡が生データで表示されるものである。
また、前記プリンタ25及びMO装置27では、必要に応じてプリンタ25によるプリントアウトや、データをMO装置27へ転送できるように構成されている。
上記の魚道カメラ装置7について詳しく説明すると、魚道カメラ装置7は、魚類撮像手段としての例えば魚道カメラ31と、2画面分割装置33と、デジタルレコーダ35と、カメラ表示装置37と、から構成されている。
魚道カメラ31は、水中に設置されて潜孔部11を通過する魚類13を撮影するものである。この実施の形態では、左岸29L側の潜孔部11を通過する魚類13を撮影する左岸側魚道カメラ31Lと、右岸29R側の潜孔部11を通過する魚類13を撮影する右岸側魚道カメラ31Rとの合計2台の魚道カメラ31が隔壁9の魚道3の幅方向のほぼ中央部に設けられている。なお、魚道カメラ31としては暗視カメラ装置(この実施の形態では「水中赤外線カメラ」を使用)が用いられており、付属している赤外線照明により0(ゼロ)luxの環境条件においても撮影可能である。
また、2画面分割装置33は、2台の魚道カメラ31L,31Rからの映像を1画面上に分割表示するよう制御するものである。
また、デジタルレコーダ35は、画像メモリとしての例えばハードディスク搭載型のDVレコーダであり、録画コマ数を自由に設定できるので、長時間の録画を可能とする。このデジタルレコーダ35は映像を常にハードディスクに記録しており、ハードディスクからDVテープにデジタル録画する。なお、DVテープヘの録画は魚探装置5で魚類13を探知、計測したときにのみ同調して録画開始と録画終了が繰り返し行われる。したがって、デジタルレコーダ35では、超音波送受波器15の超音波で魚類13の有無を判断したときに魚道カメラ31の撮像開始及び終了と録画開始及び終了を行う指令を与えるように構成されている。
また、カメラ表示装置37は、2台の左岸側魚道カメラ31Lと右岸側魚道カメラ31Rで撮影された映像が1画面上に分割表示され、カメラ映像を常に確認できる構成である。
次に、上記構成の魚探装置5によるデータ収集及び数値化処理の概要について説明する。
図2(B),図3(B)及び図5を併せて参照するに、魚探表示装置23の表示画面39の横軸は超音波送受波器15からの距離をドット単位で表しており、総ドット数は640ドットである。1ドットは3.75mmで、超音波送受波器15の原点は図5における画面左端となっており、画面左端が0mで、右端が2.4mの地点になる。
一方、表示画面39の縦軸は、超音波の送出回数をドット単位で表しており、総ドット数は400ドットである。1ドットは25ms、つまり25msの周期で400回の超音波を送出したときが1画面として表示されている。画面の上端が超音波の送出開始点(0s)で、下端が送出区切り点(10s)である。
また、各ドットには、超音波送受波器15から送出して戻ってきた電圧の強度が反射強度という単位に換算した情報を有している。この情報は0〜255(電圧0V〜5V)で表現されている。
図2(A),(B)を参照するに、遡上魚とは、図2(A)に示されているように潜孔部11を下流から上流に向かって遡上する魚類13である。つまり、潜孔部11から超音波送受波器15に向かって近づく魚類13である。魚探表示装置23のCRT表示画面39上では、図2(B)に示されているように左下がりの魚影の連続した軌跡が表示された場合に遡上魚として計測される。
図3(A),(B)を参照するに、降下魚とは、図3(A)に示されているように潜孔部11を上流から下流に向かって降下する魚類13である。魚探表示装置23のCRT表示画面39上では、図3(B)に示されているように右下がりの魚影の連続した軌跡が表示された場合に降下魚として計測される。
上記のように降下魚と遡上魚とは軌跡の傾き方向の違いから区別される。しかし、実際の生データでは、流れてくるゴミなどが映像として捉えられるので、魚類13かゴミかを判断し、処理する必要がある。そこで、魚数の計測は、画面に表示される超音波の反射波の生データを数値化処理することにより行われる。このデータの数値化処理について詳しく説明する。
図4を参照するに、魚影の数値化処理のフロー図が示されており、生データは、ノイズ除去(ステップS1)、計測範囲の限定(ステップS2)、感度の調整(ステップS3)、遡上・降下の判別(ステップS4)、軌跡の長さから判別(ステップS5)を経て数値化される。
図5及び図6を併せて参照するに、生データは、表示画面39上で図5のA部に示されているように反射強度が1〜50(電圧1V未満)のものと、反射強度が50〜255(電圧1V〜5V)のものとが表示される。
ノイズ除去(ノイズ処理;ステップS1)としては、図5に示されている反射強度1〜50(電圧1V未満)の弱いデータが、図6に示されているように超音波反射波の受信ノイズとして除去される。また、壁面からの反射波などの固定ノイズも除去される。
計測範囲の限定(ステップS2)は、計測範囲を任意に設定し、過剰なデータ収集を防止することである。この実施の形態のシステムでは、魚道カメラ31の撮影範囲と一致する潜孔部11の周囲に計測範囲を限定している。
感度の調整(ステップS3)は、反射強度が1V以上のデータを増幅調整して魚影判別処理に最適な軌跡が表示されるように感度調整を行うことである。
遡上・降下の判別(ステップS4)は、図2(A),(B)及び図3(A),(B)で説明したように、魚類13の移動方向を、魚影の軌跡の傾きから遡上と降下に判別することである。時間の経過とともに近づく軌跡は遡上とし、遠ざかる軌跡は降下として判別する。
軌跡の長さから判別(ステップS5)としては、魚類13のデータは遡上及び降下移動したときに連続性のある一定の長さの軌跡が画面表示に表れることから、軌跡の長さにしきい値を設け、しきい値より長いものを魚類13の軌跡とし、短いものはゴミの軌跡として除去している。なお、しきい値としては経験値が使用されている。
例えば、魚類13を抽出する作業の精度向上のために気泡処理が行われる。この処理が行われないと、気泡が魚としてミスカウントされる恐れがある。この処理方法は、気泡処理前の図6と処理後の図7に示されているように、生データから5ドット以上にわたって縦、横、斜めの連続したデータ以外を削除する。ちなみに、気泡はランダムに細かく発生するもので時間経過しても移動しない物体であり、大半が不連続なデータとなり、せいぜい連続したとしても4ドット程度であり、それ以上は生データからあまり見受けられていない。
次に、ゴミ処理が行われる。遡上魚だけを捉える場合は、図7の表示画面39において時間の経過とともに超音波送受波器15に近づいている物体が魚であり、逆に時間の経過とともに超音波送受波器15から遠ざかっている物体は、ゴミとして処理できる。その結果は、図8に示されている通りである。しかし、降下魚を判別するときは、降下する物体が魚類13であるかゴミであるかを正確に判別することが難しいので、上記のゴミ処理は行われない。この降下魚を判別する場合は、魚道カメラ装置7のデータと共に判別するものであり、詳細は後述する。
次に、魚影判別処理が行われる。魚影判別処理条件として例えば、遡上又は降下する物体の移動量、移動量内ドットの割合、魚群の場合はドットの太さなどが予め設定されており、この魚影判別処理条件により遡上又は降下する物体が魚影であるかどうかの魚影判別処理が行われる。
この実施の形態では、遡上又は降下する物体の移動量が37cm、移動量内ドットの割合75%が魚影判別処理条件である。さらに、上記の魚影判別処理によって求めた物体の円形度を算出して、0.6以上(数値が1に近づく程、円形になる)の魚影をゴミとして判別する円形度処理が行われる。また、魚影の軌跡から移動速度が求められ、この実施の形態では移動速度が0.05〜5m/sの魚影を有効データとする速度処理が行われる。
以上のようにして、この実施の形態では、図8は魚影判別処理前の画面であり、図9は魚影判別処理後の画面であり、上記の魚影判別処理条件により遡上魚が一匹であると判別されている。
また、魚群については、魚影が魚群であるか一匹であるかの判別処理が行われる。魚群とは、少しの時間差でほぼ同時に魚が遡上及び降下したためにいくつかの魚影が重なって表示される魚影である。例えば、CRT表示画面39上では図10に示されているように単体の魚影に比べて太い魚影として表示される。
数値化のステップとしては、上記の魚影判別処理後の残った魚類13の軌跡が10秒単位で計上されて魚数を計算して数値化すると同時に、計測時間と遡上魚、降下魚の移動方向がデータ収集装置21に記録される。
次に、上記構成の魚道カメラ装置7によるデータ収集及び処理の概要について説明する。
図1及び図11(A),(B)を併せて参照するに、前述したように魚道カメラ31は魚道3に設けた隔壁9のほぼ中央部に取付けられており、左岸29L側の潜孔部11及び右岸29R側の潜孔部11を通過する物体を真横からとらえる形で撮影する。2台の魚道カメラ31L,31Rの映像は、図11(B)に示されているように、カメラ表示装置37の1画面内に左右に分割して左岸側カメラ画面41Lと右岸側カメラ画面41Rとに表示される。遡上魚は画面中央部から外側に向けて移動し、降下魚は外側から中央部に移動する。
また、魚道カメラ31によるデータ集計について説明すると、魚道カメラ31にて撮影し、デジタルレコーダ35に記録した映像は、後日、人手により通過時間、移動方向、魚数、魚種の確認が行われ、前述した魚探装置5のデータと併せて判断して集計される。これにより、降下する物体が降下魚かゴミかを正確に判別することができると共に、遡上魚及び降下魚のいずれに対しても魚種を正確に判別することができる。なお、魚類13の通過方向は、潜孔部11から上流部に遡上した魚類13を遡上魚とし、上流部から潜孔部11に降下した魚類13を降下魚とし、そのどちらとも判断できない動き、例えば潜孔部11を通らない動きをする魚類13を判定不能魚とし、3通りに分類している。
例えば、ダムができたために魚道3を設けたとしても、例えばヤマメ、ウグイ、鮎などの魚類のうち、どれほどの鮎が遡上しているかを確認するには、従来では人が交替で一日中(24時間)ずっと監視していたのであるが、この実施の形態では1日の始めに前日の全体(24時間分)を魚探装置5のデータと魚道カメラ装置7のデータとを時系列的に確認することにより、従来と比較してより一層正確なデータを容易に集計することが可能である。
なお、前述した魚探装置5の魚影判別処理条件におけるしきい値を厳しくして速報値の精度を高めることは、その反面でビデオの録画回数を減じ、ひいては確定値が有する捕捉率の減少に繋がることになる。つまり、速報値の的中率の向上と確定値の捕捉率の低下とはトレードオフの関係にあるので、その兼ね合いが重要である。
この発明の実施の形態の河川魚類計測装置の概略説明図である。 (A)は超音波送受波器で遡上魚を探知する状態の平面図で、(B)は魚探表示装置の表示画面に表示された遡上魚の魚影の画像図である。 (A)は超音波送受波器で降下魚を探知する状態の平面図で、(B)は魚探表示装置の表示画面に表示された降下魚の魚影の画像図である。 この発明の実施の形態の魚影の数値化処理のフロー図である。 魚探表示装置の表示画面に表示された生データ画像図である。 魚探表示装置の表示画面に表示されたノイズ処理後の画像図である。 魚探表示装置の表示画面に表示された気泡処理後の画像図である。 魚探表示装置の表示画面に表示された魚影判別処理前の画像図である。 魚探表示装置の表示画面に表示された魚影判別処理後の画像図である。 魚探表示装置の表示画面に表示された遡上魚の魚群の魚影の画像図である。 (A)は魚道カメラで遡上魚を撮像する状態の平面図で、(B)はカメラ表示装置のカメラ画面に表示された遡上魚の映像図である。
符号の説明
1 河川魚類計測装置
3 魚道
5 魚探装置(超音波式魚類計測装置)
7 魚道カメラ装置
9 隔壁
11 潜孔部
13 魚類
15 超音波送受波器
17 送受信制御装置
19 インターフェースユニット
21 データ収集装置
23 魚探表示装置
25 プリンタ
27 MO装置
29L 左岸
29R 右岸
31 魚道カメラ(魚類撮像手段)
31L 左岸側魚道カメラ
31R 右岸側魚道カメラ
33 2画面分割装置
35 デジタルレコーダ
37 カメラ表示装置
39 表示画面
41L 左岸側カメラ画面
41R 右岸側カメラ画面

Claims (8)

  1. 河川にある魚道の幅方向に隔壁を設けると共にこの隔壁に設けた潜孔部から魚を通過せしめ、水中に設けた超音波送受波器により前記潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信し、この超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と魚類の数量とを時系列に自動的に計測することを特徴とする河川魚類計測方法。
  2. 河川にある魚道の幅方向に隔壁を設けると共にこの隔壁に設けた潜孔部から魚を通過せしめ、水中に設けた超音波送受波器により前記潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信し、この超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と魚類の数量とを時系列に自動的に計測し、前記各潜孔部を通過する魚類を水中から魚類撮像手段で撮影することにより魚類の種類を時系列に自動的に計測することを特徴とする河川魚類計測方法。
  3. 前記隔壁に複数箇所の潜孔部を設け、この各潜孔部に対応する複数の超音波送受波器により超音波の送受信を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の河川魚類計測方法。
  4. 前記魚類撮像手段が、前記超音波送受波器の超音波で魚類がいることを判断したときに撮像を行うと共に前記撮像した映像を録画することを特徴とする請求項2又は3記載の河川魚類計測方法。
  5. 河川にある魚道の幅方向に隔壁を設け、この隔壁に魚が通過する潜孔部を設け、この潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信する超音波送受波器を設け、この超音波送受波器により送受信する超音波を制御すると共に前記超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と数量とを時系列に自動的に演算処理する制御装置を設けてなることを特徴とする河川魚類計測装置。
  6. 河川にある魚道の幅方向に隔壁を設け、この隔壁に魚が通過する潜孔部を設け、この各潜孔部を通過する魚類に対して斜め方向に向けて水中からほぼ水平に指向特性を制御した超音波を送信すると共に前記魚類に反射した反射波を受信する超音波送受波器を設け、前記潜孔部を通過する魚類を水中から撮影する魚類撮像手段を設け、
    前記超音波送受波器により送受信する超音波を制御すると共に前記超音波の反射時間、反射強度、長さの性質を分類整理して魚類の有無と数量とを時系列に自動的に演算処理すると共に前記魚類撮像手段により撮像した魚類の種類を時系列に自動的に計測する制御装置を設けてなることを特徴とする河川魚類計測装置。
  7. 前記隔壁に複数箇所の潜孔部を設け、この各潜孔部に対応して超音波の送受信を行う複数の超音波送受波器を設けたことを特徴とする請求項5又は6記載の河川魚類計測装置。
  8. 前記制御装置が、前記超音波送受波器の超音波で魚類がいることを判断したときに前記魚類撮像手段の撮像を行うと共に前記撮像した映像を録画する指令を与えることを特徴とする請求項6又は7記載の河川魚類計測装置。

JP2004178352A 2004-06-16 2004-06-16 河川魚類計測方法およびその装置 Pending JP2006003159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004178352A JP2006003159A (ja) 2004-06-16 2004-06-16 河川魚類計測方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004178352A JP2006003159A (ja) 2004-06-16 2004-06-16 河川魚類計測方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006003159A true JP2006003159A (ja) 2006-01-05

Family

ID=35771674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004178352A Pending JP2006003159A (ja) 2004-06-16 2004-06-16 河川魚類計測方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006003159A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506500A (ja) * 2012-12-10 2016-03-03 フジツウ テクノロジー ソリューションズ インタレクチュアル プロパティ ゲーエムベーハー コンピュータシステムのセンサデバイス、センサデバイスを有するコンピュータシステム及びセンサデバイスの作動方法
CN107245987A (zh) * 2017-05-27 2017-10-13 三峡大学 竖缝式鱼道内可视化过鱼监测系统及监测方法
CN113219471A (zh) * 2021-04-09 2021-08-06 广东海洋大学 一种基于实验水槽的鱼类自由状态目标强度测量装置
CN115812646A (zh) * 2022-12-05 2023-03-21 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 鱼道内鱼类行为分析方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506500A (ja) * 2012-12-10 2016-03-03 フジツウ テクノロジー ソリューションズ インタレクチュアル プロパティ ゲーエムベーハー コンピュータシステムのセンサデバイス、センサデバイスを有するコンピュータシステム及びセンサデバイスの作動方法
US9470780B2 (en) 2012-12-10 2016-10-18 Fujitsu Technology Solutions Intellectual Property Gmbh Sensor device for a computer system, computer system with a sensor device and operating method for a sensor device
CN107245987A (zh) * 2017-05-27 2017-10-13 三峡大学 竖缝式鱼道内可视化过鱼监测系统及监测方法
CN107245987B (zh) * 2017-05-27 2018-03-16 三峡大学 竖缝式鱼道内可视化过鱼监测系统及监测方法
CN113219471A (zh) * 2021-04-09 2021-08-06 广东海洋大学 一种基于实验水槽的鱼类自由状态目标强度测量装置
CN115812646A (zh) * 2022-12-05 2023-03-21 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 鱼道内鱼类行为分析方法
CN115812646B (zh) * 2022-12-05 2023-07-11 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 鱼道内鱼类行为分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Williamson et al. Multisensor acoustic tracking of fish and seabird behavior around tidal turbine structures in Scotland
Martignac et al. The use of acoustic cameras in shallow waters: new hydroacoustic tools for monitoring migratory fish population. A review of DIDSON technology
Burwen et al. Accuracy and precision of salmon length estimates taken from DIDSON sonar images
US9354314B2 (en) Underwater detection device
CN108254748A (zh) 基于激光测距和雷达图像的内河船舶超高报警系统及方法
Boldt et al. Development of stereo camera methodologies to improve pelagic fish biomass estimates and inform ecosystem management in marine waters
Båmstedt et al. An evaluation of acoustic and video methods to estimate the abundance and vertical distribution of jellyfish
US20040027919A1 (en) Acoustical imaging interferometer for detection of buried underwater objects
Enzenhofer et al. Fixed-location riverine hydroacoustics as a method of enumerating migrating adult Pacific salmon: comparison of split-beam acoustics vs. visual counting
JP2008268183A (ja) 水中探知装置
CN104390588B (zh) 一种用于浮托安装的实时监测系统
Mann et al. Active and passive acoustics to locate and study fish
JP7035272B2 (ja) 撮影システム
Cotter et al. Benchmarking sensor fusion capabilities of an integrated instrumentation package
Travade et al. Monitoring techniques for fishways
JP2006003159A (ja) 河川魚類計測方法およびその装置
US4105990A (en) Process of and apparatus for exploring objects detected by different energy sources
Stokes et al. A new optical instrument for the study of bubbles at high void fractions within breaking waves
US20030053373A1 (en) Acoustical imaging interferometer for detection of buried underwater objects
CN112113541A (zh) 河流湖泊的环境问题识别方法及系统
Doray et al. A method for controlled target strength measurements of pelagic fish, with application to European anchovy (Engraulis encrasicolus)
Benfield et al. Measurement of zooplankton distributions with a high-resolution digital camera system
US20170169576A1 (en) Crowd intelligence on flow velocity measurement
RU2167434C2 (ru) Способ определения плотности концентрации рыб
CN109246353B (zh) 捕捞方法