JP2005538720A - 哺乳動物巨核球前駆細胞 - Google Patents

哺乳動物巨核球前駆細胞 Download PDF

Info

Publication number
JP2005538720A
JP2005538720A JP2004536271A JP2004536271A JP2005538720A JP 2005538720 A JP2005538720 A JP 2005538720A JP 2004536271 A JP2004536271 A JP 2004536271A JP 2004536271 A JP2004536271 A JP 2004536271A JP 2005538720 A JP2005538720 A JP 2005538720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
cell
megakaryocyte
progenitor cells
population
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004536271A
Other languages
English (en)
Inventor
タンヤファング ナ ナコーン
敏浩 宮本
アービング エル. ウェイスマン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Leland Stanford Junior University
Original Assignee
Leland Stanford Junior University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Leland Stanford Junior University filed Critical Leland Stanford Junior University
Publication of JP2005538720A publication Critical patent/JP2005538720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0634Cells from the blood or the immune system
    • C12N5/0644Platelets; Megakaryocytes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2503/00Use of cells in diagnostics
    • C12N2503/02Drug screening

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

巨核球系列に方向付けられた前駆細胞として特徴付けられる、実質的に濃縮された哺乳動物造血細胞集団が提供される。これらの細胞を単離および培養するための方法が提供される。この細胞濃縮方法は、CD9およびCD41を特異的に認識する試薬と、系列が決定された前駆細胞において発現する他のマーカーを使用する。これらの細胞は、インビトロおよびインビボでの増殖および分化により証明されるように巨核球および血小板のみを生じる。

Description

政府支援
本研究は米国公衆衛生総局助成金番号CA42551による助成を受けた。米国政府は本発明に対して一定の権利を有し得る。
発明の背景
造血系は、赤血球、リンパ球、単球、多形核白血球(例えば、好塩基球、好酸球、および好中球);ならびに巨核球を含む動的な血液細胞集団を含む。これらの多様な細胞の全てが多能性造血幹細胞に由来している。一連の細胞分裂によって、これらの系列の1つへの分化が起こる。少なくともインビボでは、細胞分裂一回一回の後に、娘細胞の発生能力は維持されるか、または親細胞と比較してさらに限定され、親細胞は決して増殖しないと考えられている。従って、多能性幹細胞が多系列に方向付けられる前駆細胞(multi-lineage committed progenitor cell)を生じ、この前駆細胞が特定の系列を生じ、最終的に成熟細胞を生じることが観察される。系列方向付けの不可逆的な限定につながる細胞特性の協調的な変化は、様々な遺伝子の連続的な活性化またはサイレンシングによるものであるかもしれない。
未分画のマウス骨髄は複数のタイプのコロニー形成単位(CFU)を含むことが分かっている。コロニー形成単位(CFU)として、多能性の全骨髄細胞CFU(CFU-GEMMまたはCFU-Mix)、二能性の顆粒球マクロファージCFU(CFU-GM)、巨核球赤血球CFU (CFU-MegE)、ならびに単能性の顆粒球CFU(CFU-G)、マクロファージCFU(CFU-M)、赤血球CFU(CFU-E)、または巨核球CFU(CFU-MK)が挙げられる。
3種類の骨髄系前駆細胞集団:共通骨髄系前駆細胞(common myeloid progenitor:CMP)、顆粒球/単球前駆細胞(GMP)、および巨核球/赤血球前駆細胞(MEP)が個々に特徴付けられている。CMPは全ての骨髄系列を生じるが、GMPおよびMEPは、それぞれ、顆粒球/単球系列および巨核球/赤血球系列の細胞を生じる。これらの細胞の限定された分化能力および系列方向付けは、Akashi et al.(2000)Nature 404,193-197;およびNa Nakorn et al.(2002)J.Clin.Invest.109,1579-1585によるインビトロ培養およびインビボ移植アッセイによってはっきりと証明されている。それぞれの骨髄系列の単能性前駆細胞は見込みを持って単離されておらず、インビトロおよびインビボでの分化能についてクローンレベルで試験されていないので、同じように存在するかどうかはまだ分かっていない。
巨核球系列では、骨髄に含まれる単能性巨核球前駆細胞(MKP)からCFU-MKが生じると広く考えられている。例えば、Burstein et al.(1979)Blood 54,169-179;Long et al(1982)J.Cell.Physiol.112,339-344;Long et al(1984)J.Clin.Invest.74,1686-1692;およびPaulus et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79,4410-4414を参照のこと。
系列方向が決定された前駆細胞の使用は成熟細胞の導入により生じる問題の多くを回避し、非常に特異的な活性を有する薬剤をスクリーニングする手段を提供する。しかしながら、このような前駆細胞は他の造血細胞から分離しなくてはならない。分離には、細胞が同定されること、および分離手順に利用可能な表現型の違いが特徴付けられることが必要とされる。遺伝子操作しやすい細胞が特に望ましい。
関連文献
造血系列細胞の表現型を扱っている多くの概説が発表されている。血液リンパ系の発生全体はOrkin(1996)Curr.Opin.Genet.Dev.6:597-602において議論されている。造血分化の調節における転写因子の役割はGeorgopoulos et al.(1997)Annu.Rev.Immunol.15:155-176;およびSingh(1996)Curr.Opin.Immunol.8:160-165において議論されている。造血幹細胞の表現型は、Morrison&Weissman(1994)Immunity 1,661-673;Spangrude et al.(1988)Science 241,58-62;Enver et al.(1998)Blood 92,348-351;discussion 352;Uchida et al.(1994)Blood 83,3758-3779;Morrison et al.,The aging of hematopoietic stem cells.Nat Med 2,1011-1016(1996)において議論されている。
発明の概要
巨核球系列に方向付けられた前駆細胞(本明細書ではMKP細胞と呼ぶ)として特徴付けられる、実質的に濃縮された哺乳動物造血細胞集団が提供される。これらの細胞は、インビトロおよびインビボでの増殖および分化により証明されるように巨核球および血小板のみを生じる。インビボにおいて、MKPは脾コロニー形成活性を有さず、長期間の多系列造血に寄与しないが、血小板を約3週間生じる。MKP細胞は、移植において、実験評価に、ならびに系列および細胞に特異的な産物(これらの細胞において特異的に発現する遺伝子の同定に有用なmRNA種を含む)の供給源として、ならびにMKP細胞に影響を及ぼす可能性のある因子または分子を発見するための標的として有用である。
方向付けられた巨核球前駆細胞を、巨核球前駆細胞より方向付けられていない前駆細胞および成熟した巨核球から分離するために、CD9、CD41、およびCD34の発現の正の選択が用いられる。選択的に、この細胞集団はまた、系列パネル(lineage panel);Thy-1(CD90);および/またはIL-7Rαの発現について負の選択が行われてもよい。
特定の態様の説明
巨核球系列に方向付けられた哺乳動物造血前駆細胞(本明細書では巨核球前駆細胞またはMKPと呼ばれる)が提供される。MKP集団は、移植;薬物スクリーニング;造血分化および相互作用の実験モデル;増殖因子および分化因子を特定するためのインビトロスクリーニングアッセイ;ならびに巨核球の発生および調節に関与する遺伝子の特徴付けなどに有用である。このネイティブな細胞はこれらの目的に用いられてもよく、能力を変えるために遺伝子組換えされてもよい。
巨核球前駆細胞は、細胞表面上のマーカーを特異的に認識する試薬を使用することによって、複雑な細胞混合物から分離することができる。MKP細胞は、検出可能なレベルのマーカーCD41、CD9、およびCD34を発現する。選択的に、この細胞は、マーカーThy-1(CD90)、IL-7Rα(CD127)の発現の欠如について;および/または以下にさらに説明されるマーカー系列パネルを用いて、さらに選択されてもよい。関心対象の他のマーカーとして、CD38およびc-Kit(CD117)の正の発現が挙げられる。
血小板は止血および血栓症において極めて重要な役割を果たしている。血小板は骨髄巨核球から生成され、細胞質の断片化から生じる。循環している血小板の濃度がある特定の数値より少なくなると(血小板減少症)、患者は破滅的な出血を生じるおそれがある。化学療法または骨髄移植を受けた癌患者は、通常、血小板が減少しており、これらの患者における血小板数の遅い回復が考慮すべき事柄であった。主に、このような癌患者または大規模な心臓外科手術を受けた患者ではある特定の血小板濃度を維持する必要があるために、輸血用血小板ユニットの需要は着実に増加してきている。血小板数を増加させる薬剤は、血小板減少症患者における使用に加えて、正常な血小板ドナーへの投与について考慮される場合がある。
完全長TPOまたは短縮されたPEG化誘導体分子の前臨床試験から、TPO投与後4〜6日以内に末梢血小板数が用量依存的に増加したというすばらしい結果が得られている。しかしながら、問題の1つは、細胞傷害療法の後に投与されるTPOの有効性である。なぜなら、適切な幹細胞または前駆細胞が増殖および分化に使用できる場合にしか薬物が有効でない可能性があるからである。本発明は、インビボで血小板を生じることが示されている高度に精製された巨核球前駆細胞の供給源を提供する。この細胞はまた、血栓形成を刺激する薬剤(例えば、増殖因子および/または分化因子)の試験においても有用である。
表現型の特徴付け
述べられる発現レベルは細胞表面上のマーカータンパク質の検出可能な量を反映していることが当業者に理解されるだろう。染色が陰性の細胞(マーカー特異的試薬の結合レベルは、検出の点では、アイソタイプが一致する対照と違いはない)は、それでもなお、少量のマーカーを発現していることがある。細胞を特定のマーカーについて「陽性」または「陰性」と言うことは当技術分野において珍しくはないが、実際の発現レベルは量的な形質である。細胞表面上の分子の数は数対数だけ異なることがあるが、それでもなお「陽性」として特徴付けられる。
細胞の染色強度はフローサイトメトリーによってモニターすることができる。フローサイトメトリーでは、レーザーが蛍光色素の量的レベルを検出する(蛍光色素の量的レベルは、特異的試薬(例えば、抗体)に結合した細胞表面マーカーの量と比例する)。フローサイトメトリーまたはFACSはまた、特異的試薬への結合強度、ならびに細胞の大きさおよび光散乱などの他のパラメータに基づいて細胞集団を分離するのに使用することもできる。染色の絶対レベルは特定の蛍光色素および試薬調製物によって異なる場合があるが、データは対照と比較して標準化することができる。
対照と比較して分布を標準化するために、細胞一つ一つが、特定の染色強度を有するデータ点として記録される。これらのデータ点は、測定の単位が任意の染色強度である対数目盛りに従って表示することができる。一例では、試料中で最も明るい染色細胞は非染色細胞より4対数も大きな強度である場合がある。このように表示された時、最も高い対数の染色強度になっている細胞が明るく、それに対して、最も低い強度の細胞は陰性であることは明らかである。「低い」陽性染色細胞は、アイソタイプが一致する対照の明るさより高い染色レベルを有するが、集団に通常に見られる最も明るい染色細胞ほどの強度はない。別の対照として、正の強度対照となる、表面に特定のマーカー密度を有する支持層(例えば、組み立てられたビーズまたは細胞株)を使用してもよい。
マーカー
MKP細胞はCD34発現について陽性である。CD34は、ヒト造血前駆細胞において選択的に発現される分子量約110kDの単量体細胞表面抗原である。この遺伝子は、造血前駆細胞の他に小血管内皮細胞により発現され、単鎖105〜120kDaの高度にO-グリコシル化された膜貫通糖タンパク質である。この配列は、Simmons et al.(1992)J.Immun.148:267-271によって開示されている。例えば、BDバイオサイエンス(BD Biosciences)、ファーミンゲン(Pharmingen)(San Diego,CA)カタログ番号550760から抗体が市販されている。
MKP細胞はテトラスパニンCD9抗原を発現する。CD9抗原は、4個の疎水性ドメインおよび1個のN-グリコシル化部位を有する227アミノ酸分子である。この抗原は広範囲に発現されているが、造血系列のある特定の前駆細胞には存在しない。CD9はインテグリンファミリーおよび他の膜タンパク質と相互作用し、細胞遊走および接着に加わると仮定されている。例えば、Boucheix et al.(1991)J.Biol.Chem.266:117-122を参照のこと。例えば、BDバイオサイエンス、ファーミンゲン(San Diego,CA)カタログ番号559456から抗体が市販されている。
MKP細胞はCD41(糖タンパク質IIb/IIIaインテグリンとも呼ばれる)を発現する。CD41は、フィブリノゲンおよび他の数種類の細胞外マトリックス分子の血小板受容体である。GP IIIaは788アミノ酸のタンパク質であり、26残基のアミノ末端シグナルペプチド、カルボキシ末端付近にある29残基の膜貫通ドメイン、および4個の直列に反復している33〜38残基システインリッチドメインを含む。例えば、BDバイオサイエンス、ファーミンゲン(San Diego,CA)カタログ番号340929、555466から抗体が市販されている。
MKP細胞はCD117発現について陽性である。CD117は受容体型チロシンキナーゼc-Kitを認識する。この受容体は、特に、造血幹細胞を含む幹細胞と結び付けられてきた。mRNA選択的スプライシング、タンパク質切断、およびある特定の細胞タイプにおける隠れた内部プロモーターの使用の結果として、複数のc-Kitアイソフォームも存在する。構造的には、c-Kitは、細胞外には、5個の免疫グロブリン様ドメインを含み、細胞内には、77アミノ酸インサートによって2つの領域に分けられる触媒ドメインを含む。この配列は、Yarden et al.(1987)EMBO J.6(11):3341-3351において見ることができる。例えば、BDバイオサイエンス、ファーミンゲン(San Diego,CA)カタログ番号340529から抗体が市販されている。
MKP細胞はCD38発現について陽性である。CD38は300アミノ酸のII型膜貫通タンパク質であり、短いN末端細胞質尾部および4個のC末端細胞外N-グリコシル化部位を有する。この配列は、Jackson et al.(1990)J.Immun.144:2811-2815によって開示されている。このマーカーは、一般的に、リンパ球、骨髄芽球、および赤芽球と関係している。例えば、BDバイオサイエンス、ファーミンゲン(San Diego,CA)カタログ番号347680から抗体が市販されている。
MKP細胞は、系列特異的マーカーの発現が無いという表現型を有する。染色の目的で、結合試薬のカクテル(本明細書では「lin」と呼ばれる)を使用することができる。linパネルは、2種類以上の系列マーカーを認識する結合試薬(例えば、抗体およびその機能的な結合断片、リガンド、ペプチドミメティックなど)を含む。linパネルは、一般的に、成熟B細胞、成熟T細胞、成熟顆粒球、および成熟マクロファージにおいて発現する少なくとも1つのマーカーを含む。系列パネルにおける使用に適したマーカーは、一般的に、これらの成熟細胞において発現しているが、複数の系列に存在せず、幹細胞および前駆細胞にも存在しない。系列マーカーは、ヒトではCD2;CD3;CD4;CD7;CD8;CD10;CD11b;CD14;CD19;CD20;CD56;およびグリコホリンA(GPA)、マウスではCD2;CD3;CD4;CD8;CD19;IgM;Ter110;Gr-1を含んでもよい。
MKP細胞はThy-1(CD90)発現について陰性である。Thy-1(CD90)は、ヒト胎児肝臓細胞、臍帯血細胞、および骨髄細胞の1〜4%に発現する25〜35kDの分子である。例えば、BDバイオサイエンス、ファーミンゲン(San Diego,CA)カタログ番号555595から抗体が市販されている。
濃縮方法
MKP細胞の濃縮方法が提供される。濃縮された細胞集団は、通常少なくとも約80%の選択された表現型の細胞、さらに通常には少なくとも90%の選択された表現型の細胞を有し、95%の選択された表現型の細胞またはそれ以上の細胞でもよい。本発明の細胞集団は、特定のマーカーに基づいて他の細胞(例えば、造血細胞)から分離され、マーカーは親和性試薬(例えば、モノクローナル抗体)を用いて同定される。
細胞供給源として有用なエクスビボ細胞集団およびインビトロ細胞集団は、新鮮な細胞または凍結細胞でもよく、骨髄、脾臓、肝臓、臍帯血、末梢血、動員末梢血、卵黄嚢などを含む胎児、新生児、年少者、または成人の細胞でもよい。自家移植または同種移植の場合、骨髄および動員末梢血が好ましい出発材料である。末梢血の場合、化学療法;G-CSFもしくはGM-CSF、またはその両方を用いた処置の後に、前駆細胞は骨髄区画から末梢血流に動員される。細胞を動員するために、多数の単独療法用化学療法剤および併用療法用化学療法剤が使用されている。末梢血幹細胞の概説は、Shpall et al.(1997)Annu Rev Med 48:241-251に記載されており、幹細胞動員の特徴付けは、Moog et al.(1998)Ann Hematol 77(4):143-7に記載されている。別の細胞供給源として、1991年10月29日に発行されたU.S.Patent nos.5,061,620および1992年2月11日に発行されたU.S.Patent nos.5,087,570に記載の造血幹細胞をインビボまたはインビトロで分化するように培養および誘導して、細胞供給源を得ることができる。
前駆細胞は、任意の哺乳動物種(例えば、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター)、霊長類など)から入手することができる。組織は、生きたドナーからの生検またはアフェレーシス(aphoresis)によって得られてもよく、死んでから約48時間以内の死んだドナーからまたは死にかけているドナーから得られてもよく、新鮮に凍結された組織(死んでから約12時間以内凍結され、約-20℃以下に、通常、液体窒素温度(-180℃)のあたりで維持された組織)でもよい。
MKP細胞は増殖因子受容体の発現によって特徴付けられる。コグネイトリガンドは、分離のための便利なマーカーを提供することに加えて、増殖因子に対する反応性の評価において、および分離用のリガンドとして用いられる。MKP細胞において発現している関心対象の増殖因子受容体としてc-kit(CD117)が挙げられる。例えば、c-kitリガンドであるSl因子(Slf)は、c-kitを発現する細胞を同定するのに使用することができる。
本発明の細胞は、前記の特徴を有する細胞を濃縮する技法によって(好ましくは、CD34+、CD41+、CD9+細胞を選択することによって)複雑な細胞混合物から分離される。選択的に、細胞はlin-としてさらに選択され、表現型CD117+、CD90-、CD38+、IL-7Ra-、およびマウスではSca-1-について選択することによってさらに精製されてもよい。
組織から細胞を単離する場合、分散または懸濁のために適切な溶液を使用することができる。一般的に、このような溶液は、低濃度(一般的に、5〜25mM)の許容可能な緩衝液と共にウシ胎仔血清または他の天然の因子が都合よく添加された、平衡塩溶液(例えば、通常の生理食塩水、PBS、ハンクス液など)である。便利な緩衝液として、HEPES、リン酸緩衝液、乳酸緩衝液などが挙げられる。
次に、実質的に純粋な集団を得るために、本発明の細胞集団の分離には親和性分離が用いられる。親和性分離のための技法として、磁気分離(抗体がコーティングされた磁気ビーズを使用する)、アフィニティクロマトグラフィー、モノクローナル抗体に結合された細胞傷害剤もしくはモノクローナル抗体と共に用いられる細胞傷害剤(例えば、補体および細胞毒素)、および固体マトリックス(例えば、プレート)に取り付けられた抗体を使用する「パニング」、または他の便利な技法を挙げることができる。正確な分離をもたらす技法として、複数のカラーチャンネル、低角度および鈍角光散乱検出チャンネル、インピーダンスチャンネルなどの様々な程度の精巧さを有し得る蛍光活性化セルソーターが挙げられる。細胞は、死細胞に関連する色素(例えば、ヨウ化プロピジウム)を使用することによって死細胞を除くように選択することができる。選択された細胞の生存能力に過度の影響を及ぼさない任意の技法を使用することができる。
親和性試薬は、前記の細胞表面分子の特異的な受容体またはリガンドでもよい。抗体試薬に加えて、ペプチド-MHC抗原およびT細胞受容体;ペプチドリガンドおよび受容体;エフェクターおよび受容体分子の対などが使用されてもよい。抗体およびT細胞受容体はモノクローナルまたはポリクローナルでもよく、トランスジェニック動物、免疫化動物、ヒトまたは動物の不死化B細胞、抗体またはT細胞受容体をコードするDNAベクターでトランスフェクトされた細胞などによって生成されたものでもよい。抗体の調製および特異的結合メンバーとして使用するためのその適性の詳細は当業者に周知である。
特に関心があるのは、親和性試薬としての抗体の使用である。都合よく、これらの抗体は、分離に使用するために標識と結合される。特定の細胞タイプの分離を容易にするような標識として、磁気ビーズ(直接的な分離を可能にする)、ビオチン(支持体に結合されたアビジンまたはストレプトアビジンによって分離することができる)、蛍光色素(蛍光活性化セルソーターと共に使用することができる)などが挙げられる。使用される蛍光色素として、フィコビリンタンパク質(例えば、フィコエリトリンおよびアロフィコシアニン)、フルオレセインおよびテキサスレッドが挙げられる。それぞれのマーカーを独立して分別できるように、しばしば、それぞれの抗体が異なる蛍光色素で標識される。
抗体は細胞懸濁液に添加され、利用可能な細胞表面抗原に結合するのに十分な時間インキュベートされる。インキュベーションは、通常、少なくとも約5分であり、通常、約30分未満である。分離の効率が抗体の不足によって制限されないように、反応混合物には十分な濃度の抗体があることが望ましい。適切な濃度は滴定によって求められる。細胞が分離される培地は、細胞の生存能力を維持する任意の培地である。好ましい培地は、0.1〜0.5%のBSAを含むリン酸緩衝食塩水である。様々な培地が市販されており、細胞の性質に従って使用することができる。培地としてダルベッコ改変イーグル培地(dMEM)、ハンクス液(HBSS)、ダルベッコリン酸緩衝食塩水(dPBS)、RPMI、イスコブ(Iscove)培地、5mM EDTAを含むPBSなどが挙げられ、しばしば、胎仔ウシ血清、BSA、HSAなどが添加される。
次いで、標識された細胞は、前記の細胞表面マーカーの発現について分離される。ここで、最初の集団は、CD34+、CD41+、CD9+の細胞に限定されてもよい。選択的に、細胞集団は、系列パネル;CD117、CD90、IL-7Rα、CCD38、および/またはSca-1の発現に基づいてさらに選択される。
分離された細胞は、細胞の生存能力を維持する任意の適切な培地(通常、収集用チューブの底に血清の緩衝材を有する)に収集することができる。様々な培地が市販されており、細胞の性質に従って使用することができる。培地として、dMEM、HBSS、dPBS、RPMI、イスコブ培地などが挙げられ、しばしば、胎仔ウシ血清が添加される。
このように、巨核球前駆細胞活性について高度に濃縮された組成物が得られる。本発明の集団は、細胞組成物の90%または約90%またはそれ以上にあり、好ましくは、細胞組成物の95%または約95%またはそれ以上にある。望ましい細胞は、表面表現型によって、増殖因子に反応する能力によって、インビボおよびインビトロで巨核球および血小板のみを発生する能力によって同定される。濃縮された細胞集団は直ぐに使用されてもよく、液体窒素温度で凍結され、長期間保存され、解凍されて再使用することができてもよい。細胞は、通常、10%DMSO、50%FCS、40%RPMI 1640培地の中で保存される。解凍されたら、細胞は、造血細胞の増殖および分化に関連する増殖因子またはストローマ細胞を使用することによって増殖されてもよい。
インビトロ培養
濃縮された細胞集団は様々な培養条件下でインビトロで増殖することができる。培地は液体培地でもよく、半固形培地(例えば、寒天、メチルセルロースなどを含む)でもよい。細胞集団は、都合よく、適切な栄養培地(例えば、イスコブ改変DMEMまたはRPMI-1640)(通常、胎仔ウシ血清(約5〜10%)、L-グルタミン、チオール(特に、2-メルカプトエタノール)、ならびに抗生物質(例えば、ペニシリンおよびストレプトマイシン)が添加される)に懸濁されてもよい。
培養物は、細胞が反応する増殖因子を含んでもよい。本明細書で定義される増殖因子は、培養物またはインタクトな組織において、膜貫通受容体に及ぼす特異的な作用によって細胞の生存、増殖、および/または分化を促進することができる分子である。増殖因子として、ポリペプチド因子および非ポリペプチド因子が挙げられる。本発明の細胞にとって特に関心があるのは、血小板形成を促進する因子(トロンボポエチンを含む)である。本発明の細胞の培養において使用することができる特異的な増殖因子として、Sl因子(c-kitリガンド)、Flk-2リガンド、IL-11、IL-3、GM-CSF、エリスロポエチン、およびトロンボポエチンが挙げられる。特定の目的(すなわち、巨核球への分化、前駆細胞活性の維持など)を達成するために、特定の培養条件が選択される。前記の因子それ自体に加えて、因子の活性は、ミメティック、コグネイト受容体に結合する抗体などによって得られてもよい。例えば、多数のトロンボポエチンミメティックが当技術分野において周知である。Duffy et al.(2002)J Med Chem.45(17):3576-8はトロンボポエチン活性のファーマコフォアを同定し、Cwirla et al.(1997)Science 276:1696は、非常に活性の高いトロンボポエチンミメティックについて述べている。
本発明の細胞は、増殖因子に加えて、または増殖因子の代わりに、ストローマ細胞またはフィーダー層細胞との共培養において増殖することができる。造血細胞の増殖における使用に適したストローマ細胞は当技術分野において周知である。これらのストローマ細胞として、「ウィットロック-ウィット(Whitlock-Witte)」(Whitlock et al.[1985]Annu Rev Immunol 3:213-235)または「デクスター(Dexter)」培養条件(Dexter et al.[1977]J Exp Med 145:1612-1616)において用いられる骨髄支質;および不均一な胸腺ストローマ細胞(Small and Weissman[1996]Scand J Immunol 44:115-121)が挙げられる。
本発明の培養細胞は多種多様なやり方で使用することができる。条件培地である栄養培地が様々な段階で取り出され、成分が分析される。分離は、HPLC、逆相HPLC、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、または分子量、分子容、電荷、その組み合わせなどによって分離が可能な他の非分解的技法を用いて行うことができる。特定の画分をさらに濃縮するために、これらの技法の1つまたはそれ以上が組み合わされてもよい。
巨核球形成は、幹細胞および前駆細胞と支質要素と増殖因子との相互作用が関与している可能性が高い。これらの相互作用を特徴付ける必要性、関与している因子を特定する必要性、および結果として生じる血小板生成を分析する必要性がある。巨核球および血小板の分化および成熟に関連する因子の単離および評価において、前駆細胞を培養系と共に使用することができる。従って、条件培地などの培地の活性を確かめるアッセイ、増殖因子活性について液体を評価するアッセイ、系列の専念(dedication)への関与を評価するアッセイなどにおいて、前駆細胞を使用することができる。
様々な目的でMKP細胞に遺伝子を導入することができる(例えば、機能喪失変異を有する遺伝子、マーカーなどを交換することができる)。または、アンチセンスmRNAまたはリボザイムを発現するベクターを導入し、それによって、望ましくない遺伝子の発現をブロックする。遺伝子療法の他の方法が、正常な前駆細胞が利点を有し、選択圧を受けることを可能にする薬剤耐性遺伝子(例えば、多剤耐性遺伝子(MDR))または抗アポトーシス遺伝子(例えば、bcl-2)の導入である。標的細胞をトランスフェクトするために、当技術分野において周知の様々な技法(例えば、エレクトロポレーション、カルシウム沈殿DNA、融合、トランスフェクション、リポフェクションなど)を使用することができる。DNAが導入される特定の方法は、本発明の実施にとって重要でない。
外因性遺伝子を標的哺乳動物細胞に導入するのに有用な多くのベクターが利用可能である。ベクターはエピソームでもよく(例えば、プラスミド、ウイルス由来ベクター(例えば、サイトメガロウイルス、アデノウイルス))、相同組換えまたはランダムな組込みによって標的細胞ゲノムに組み込まれてもよい(例えば、MMLV、HIV-1、ALVなどのレトロウイルス由来ベクター)。レトロウイルスに基づくベクターは、標的細胞が造血前駆細胞である時に特に有用であることが示されている。例えば、Schwarzenberger et al.(1996)Blood 87:472-478;Nolta et al.(1996)P.N.A.S.93:2414-2419;およびMaze et al.(1996)P.N.A.S.93:206-210を参照のこと。
標的細胞への感染のためにキャプシドタンパク質が機能する場合、レトロウイルスおよび適切なパッケージング株の組み合わせを使用することができる。通常、細胞およびウイルスは培地中で少なくとも約24時間インキュベートされる。次いで、細胞は、ある用途では短時間(例えば、24〜73時間)培地中で増殖されるか、または少なくとも2週間増殖され、分析の前には5週間以上増殖されてもよい。一般的に用いられるレトロウイルスベクターは「欠損性」である(すなわち、増殖性感染に必要とされるウイルスタンパク質を産生することができない)。ベクターの複製にはパッケージング細胞株での増殖が必要とされる。非分裂細胞(例えば、休止期のヒト長期造血幹細胞)をトランスフェクトするために、レンチウイルスベクター(例えば、HIVまたはFIV gag配列に基づくベクター)を使用することができる(Uchida et al.(1998)P.N.A.S.95(20):11939-44を参照のこと)。
レトロウイルスの宿主細胞特異性はエンベロープタンパク質env(p120)によって決定される。エンベロープタンパク質はパッケージング細胞株によって供給される。エンベロープタンパク質は、少なくとも3種類(同種指向性、両種指向性、および異種指向性)のエンベロープタンパク質である。同種指向性エンベロープタンパク質でパッケージングされたレトロウイルス(例えば、MMLV)は大部分のマウス細胞タイプおよびラット細胞タイプに感染することができる。同種指向性パッケージング細胞株として、BOSC23(Pear et al.(1993)P.N.A.S.90:8392-8396)が挙げられる。両種指向性エンベロープタンパク質(例えば、4070A(Danos et al,前記)を有するレトロウイルスは、ヒト、イヌ、およびマウスを含む大部分の哺乳動物細胞タイプに感染することができる。両種指向性パッケージング細胞株として、PA12(Miller et al.(1985)Mol.Cell.Biol.5:431-437);PA317(Miller et al.(1986)Mol.Cell.Biol.6:2895-2902);GRIP(Danos et al.(1988)PNAS 85:6460-6464)が挙げられる。異種指向性エンベロープタンパク質(例えば、AKR env)でパッケージングされたレトロウイルスは、マウス細胞を除く大部分の哺乳動物細胞タイプに感染することができる。
レトロウイルスの5'末端および3'末端にある配列は長末端反復配列(LTR)である。多数のLTR配列が当技術分野において周知であり、使用することができる。長末端反復配列(LTR)として、MMLV-LTR;HIV-LTR;AKR-LTR;FIV-LTR;ALV-LTRなどが挙げられる。特定の配列が公的データベースを通じて入手することができる。ネイティブなLTR配列の様々な変更も知られている。5'LTRは、標的細胞ゲノムへの組み込み後に導入遺伝子を転写する強力なプロモーターとして働く。しかしながら、用途によっては、調節可能な発現プロモーターを有することが望ましい。このようなプロモーターが含まれる場合、LTRのプロモーター機能は不活化される。これは、エンハンサー反復およびプロモーターを含む3'LTRのU3領域を欠失させることによって行われ、これは、プロモーター機能を不活化するのに十分である。標的細胞ゲノムへの組み込み後に、5'および3'LTRは再編成され、転写に欠陥のあるプロウイルスが生じる(「自己不活化」ベクターと呼ばれる)。
ベクターは、(例えば、Cre/Loxなどのリコンビナーゼ系を用いて)後で除去しなければならない遺伝子を含んでもよい。または、ベクターを発現する細胞は、例えば、選択的毒性を可能にする遺伝子(例えば、ヘルペスウイルスTK、bcl-xs)を含めることによって破壊されてもよい。
望ましい標的細胞タイプ(トランスフェクトされた細胞またはその子孫)において適切な誘導性プロモーターが活性化される。転写活性化によって、転写は標的細胞において基底レベル以上に、少なくとも約100倍、より通常には少なくとも約1000倍に増大することが意図される。造血細胞タイプにおいて誘導される様々なプロモーターが知られている。
前駆細胞が遺伝子組換えされていることを証明するために、様々な技法を使用することができる。細胞のゲノムを制限酵素処理し、増幅して、または増幅せずに使用することができる。ポリメラーゼ連鎖反応;ゲル電気泳動;制限分析;サザンブロット、ノザンブロット、およびウエスタンブロット;配列決定などの全てを使用することができる。導入されたDNAを発現する能力を維持しながら、細胞を全ての骨髄系列に成熟できることを保証するために、細胞を様々な条件下で増殖することができる。細胞の多能性が維持されていることを保証するために、様々なインビトロ試験およびインビボ試験を使用することができる。
移植
本発明のMKP細胞は、レシピエント(例えば、血小板減少症)において血小板機能を再構成するのに使用することができる。この状態は遺伝的条件によって引き起こされてもよく、環境的条件(例えば、化学療法、放射線への暴露など)によって引き起こされてもよい。前駆細胞の単離およびその後の移植のために、自己細胞(特に、細胞減少療法もしくは他の療法の前に取り出される場合)または同種細胞を使用することができる。
前駆細胞は、任意の生理学的に許容可能な培地に溶解して、通常、血管内に投与することができるが、骨または他の便利な部位にも導入することができる(ここで前駆細胞は再生および分化に適した部位を見つけることができる)。通常、少なくとも1×105個の細胞が投与され、好ましくは1×106以上の細胞が投与される。細胞は、注射、カテーテルなどによって導入することができる。細胞は、液体窒素温度で凍結され、長期間保存され、解凍時に使用できるものでもよい。凍結される場合、細胞は、通常、10%DMSO、50%FCS、40%RPMI 1640培地に溶解して保存される。解凍されたら、細胞は、造血細胞の増殖および分化に関連する増殖因子および/またはストローマ細胞を使用することによって増殖することができる。
スクリーニング方法
本発明の細胞は、巨核球前駆細胞に対して活性のある因子(特に、巨核球系列に特異的であり、他の系列に影響を及ぼさない因子)を検出するためのインビトロアッセイおよびスクリーニングに有用である。特に関心があるのは、ヒト細胞に対して活性のある薬剤のスクリーニングアッセイである。この目的で多種多様なアッセイを使用することができる。このようなアッセイとして、タンパク質結合についてのイムノアッセイ;細胞増殖、分化、および機能活性の測定;サイトカイン(例えば、IL-1)の産生などが挙げられる。
MKP細胞における遺伝子発現の検査も関心対象である。前駆細胞と成熟巨核球との間で、または当技術分野において周知の他の造血サブセットとの間で、発現している遺伝子セットを比較することができる。例えば、MKP細胞において発現している遺伝子セットと、幹細胞またはリンパ系前駆細胞において発現している遺伝子セットを比較することができる。
特異的mRNAを検出するための当技術分野において周知の任意の適切な定性方法または定量方法を使用することができる。mRNAは、例えば、マイクロアレイへのハイブリダイゼーション、組織切片におけるインサイチューハイブリダイゼーション、逆転写酵素PCR、またはポリA+mRNAを含むノザンブロットによって検出することができる。当業者は、2つの試料間のmRNA転写物の大きさまたは量の違いを確かめるために、これらの方法を容易に使用することができる。例えば、MEP細胞における特定のmRNAのレベルは参照試料(例えば、CMP細胞)におけるmRNAの発現と比較される。
本発明の方法を共に、試料中のmRNA発現レベルを検出および比較するための任意の適切な方法を使用することができる。例えば、試料中のmRNA発現レベルは、試料から発現配列タグ(EST)のライブラリーを作成することによって確かめることができる。出発試料に含まれる遺伝子転写物の相対表示を概算するために、このライブラリーに含まれるESTの相対表示を数えたものを使用することができる。次いで、選択されたポリヌクレオチド(特に、本明細書に記載の特異的に発現している遺伝子の1つまたはそれ以上に対応するポリヌクレオチド)の相対発現レベルを確かめるために、試験試料のEST分析の結果を参照試料のEST分析と比較することができる。
または、試験試料中の遺伝子発現は、SAGE(serial analysis of gene expression)法(Velculescu et al.,Science(1995)270:484)を用いて行うことができる。手短に言うと、SAGEは、それぞれの転写物の中のある特定の位置に由来する短い独特の配列タグの単離を伴う。配列タグはつなぎあわされ、クローニングされ、配列決定される。出発試料に含まれる特定の転写物の頻度は、関連する配列タグがその配列集団に現れる回数で表される。
試験試料中の遺伝子発現はまた、ディファレンシャルディスプレイ(DD)法を用いて分析することもできる。DDでは、特定の配列区切り文字(delimiter)(例えば、制限酵素部位)によって特定される断片が、遺伝子の独特の識別子(identifier)として、断片の長さまたは発現遺伝子内の断片の位置に関する情報と共に使用される。次いで、可能性のある全ての断片のプール内の発現遺伝子に関連する断片の相対表示に基づいて、発現遺伝子と試料の相対表示を評価することができる。DDを行うための方法および組成物は当技術分野において周知である。例えば、U.S.5,776,683;およびU.S.5,807,680を参照のこと。
または、試料中の遺伝子発現は、ヌクレオチド相互作用の特異性に基づくハイブリダイゼーション分析を用いて分析することができる。オリゴヌクレオチドまたはcDNAを使用して、特定の配列組成のDNAまたはRNAを選択的に同定または捕捉し、既知の捕捉配列にハイブリダイズされたRNAまたはcDNAの量を定性的または定量的に求めて、試料中の細胞メッセージのプールに含まれる特定のメッセージの相対表示に関する情報を得ることができる。ハイブリダイゼーション分析は、例えば、高密度フォーマットを備えるアレイに基づく技術(フィルター、顕微鏡スライド、もしくはマイクロチップを含む)または分光学的分析(例えば、質量分析)を使用する溶液に基づく技術を使用することによって、数百個〜数千個の遺伝子の相対的発現を同時にスクリーニングできるように設計することができる。本発明の診断方法におけるアレイの例示的な使用の1つを以下でさらに詳細に述べる。
アレイに対したハイブリダイゼーションを行うことができる。ここで、アレイは、当技術分野において任意の適切な方法に従って生成することができる。例えば、大きなオリゴヌクレオチドアレイを生成する方法が、U.S.5,134,854および光指向性合成法を使用するU.S.5,445,934において述べられている。コンピュータ制御されたシステムを用いて、不均一なモノマーアレイが、多数の反応部位での同時カップリングによって不均一なポリマーアレイに変えられる。または、例えば、PCT公開出願WO95/35505に記載のように、予め合成されたオリゴヌクレオチドを固体支持層に沈着させることによってマイクロアレイが作成される。
試料とアレイとのハイブリダイゼーションからデータを収集する方法も当技術分野において周知である。例えば、細胞試料のポリヌクレオチドは、検出可能な蛍光標識を用いて作成することができ、試料中のポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、検出可能な標識の存在についてマイクロアレイを走査することによって検出することができる。蛍光で印をつけられた標的を装置の上で検出する方法および装置は当技術分野において周知である。一般的に、このような検出装置は、顕微鏡および支持層に光を向けるための光源を備える。光子計数器は支持層からの蛍光を検出するのに対して、x-y移動ステージは支持層の位置を変える。本発明の方法において使用することができる共焦点検出装置は、U.S.Patent no.5,631,734において述べられている。走査型レーザー顕微鏡は、Shalon et al.,Genome Res.(1996)6:639において述べられている。使用されるそれぞれの蛍光色素について、適切な励起ラインを用いて走査が行われる。次いで、走査から作成されたデジタル画像は、後の分析のために一つにまとめられる。どの特定のアレイ要素についても、ある試料からの蛍光シグナルの比が別の試料からの蛍光シグナルと比較され、相対シグナル強度が得られる。
アレイとのハイブリダイゼーションから収集されたデータを分析する方法は当技術分野において周知である。例えば、ハイブリダイゼーションの検出が蛍光標識を伴う場合、データ分析は、収集されたデータから蛍光強度を支持層位置の関数として決定する段階、アウトライアー(すなわち、予め決められた統計分布からはずれているデータ)を取り除く段階、および残りのデータから標的の相対結合親和性を計算する段階を含んでもよい。結果として得られたデータは、それぞれの領域の強度が標的とプローブとの結合親和性に応じて異なる画像として表示することができる。
パターンマッチングは手動で行ってもよく、コンピュータプログラムを用いて行ってもよい。支持層マトリックス(例えば、アレイ)を調製する方法、このようなマトリックスと共に使用するためのオリゴヌクレオチドの設計、プローブの標識、ハイブリダイゼーション条件、ハイブリダイズされたマトリックスの走査、および作成されたパターンの分析(比較分析を含む)は、例えば、U.S.5,800,992において述べられている。
別のスクリーニング方法では、試験試料はポリペプチド濃度についてアッセイされる。試験試料において特異的に発現しているポリペプチドの有無または量の変化を確かめる多数の任意の方法を用いて、診断を行うことができる。例えば、検出には、従来の方法に従って行われる標識抗体を用いた細胞または組織学的切片(例えば、生検試料からの細胞または組織学的切片)の染色を使用することができる。細胞質分子を染色するために、細胞に透過化処理を行うことができる。一般的に、本発明の特異的に発現しているポリペプチドに特異的に結合する抗体が試料に添加され、エピトープに結合するのに十分な時間(通常、少なくとも約10分間)インキュベートされる。抗体は、直接検出するために(例えば、放射性同位体、酵素、蛍光物質(fluorescer)、化学発光物質(chemiluminescer)などを用いて)検出可能に標識されてもよく、結合を検出する第2段階の抗体または試薬(例えば、ビオチンと西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジン、蛍光化合物(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッドなど)に結合している二次抗体)と共に使用されてもよい。抗体結合の有無は、解離した細胞のフローサイトメトリー、顕微鏡法、ラジオグラフィー、シンチレーションカウンティングなどを含む様々な方法によって決定することができる。特異的に発現しているポリペプチドのレベルまたは量の定性的検出または定量的検出の任意の適切な代替方法(例えば、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降、ラジオイムノアッセイなど)を使用することができる。
実施例
以下の実施例は、当業者に本発明を作成および使用する方法を完全に開示および説明するために示されるが、本発明とみなされるものの範囲を限定することを目的としない。使用される数値(例えば、量、温度、濃度など)に関する精度を保証するように努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が占められるはずである。特別の定めのない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧であるか、または大気圧に近い。
本発明は、説明された特定の方法、プロトコール、細胞株、動物の種または属、および試薬に限定されず、これらは変更してもよいことが理解すべきである。本明細書で使用する用語は特定の態様だけを説明する目的で用いられ、本発明の範囲を限定することを目的とせず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解すべきである。
本明細書で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、特に文脈によってはっきりと規定されていない限り複数の指示物を含む。従って、例えば、「細胞」についての言及は複数のこのような細胞を含み、「タンパク質」についての言及は、1つまたはそれ以上のタンパク質および当業者に周知のその等価物についての言及などを含む。特別の明確な定めのない限り、本明細書に用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。
実施例1
材料および方法
マウス系統
巨核球前駆細胞(MKP)および他の骨髄系前駆細胞の単離には、6〜8週齢のC57BI/Ka-Thy1.1マウスを使用した。競合的再増殖(competitive repopulation)および脾コロニー形成単位(CFU-S)アッセイは、Na Nakorn et al.(2002)J.Clin.Invest.109:1579-1585に記載のようにコンジェニックLy5抗原系(Ly5.1対Ly5.2)において行った。β-アクチン緑色蛍光タンパク質(GFP)トランスジェニックマウスは本発明者らの研究室で作成され(Wright et al.(2001)Blood 97,2278-2285)、C57BI/Ka-Thy1.1マウスと少なくとも5世代、戻し交雑されている。全ての動物を、スタンフォード(Stanford)ガイドラインに従って、Stanford University Laboratory Animal Facilityにおいて酸性水(pH2.5)を与えて飼育した。
細胞染色および分別
骨髄系前駆細胞(CMP、MEP、およびGMP)は、Akashi et al.(2000)Nature 404,193-197に以前に述べられた染色プロトコールを用いて単離した。MKPの単離の場合、骨髄細胞を、以下の系列マーカー(Lin):CD3(KT31.1)、CD4(GK1.5)、CD8(53-6.7)、B220(6B2)、Gr-1(8C5)、Mac-1(M1/70)、TER119、Thy1.1(19XE5)と、IL-7Rα(A7R34)およびSca-1(E13-161-7)に特異的な抗体を用いて染色した。次いで、Lin+IL-7Rα+Sca-1+細胞を、ヒツジ抗ラットIgG結合磁気ビーズ(ダイナビーズ(Dynabeads)M-450,Dynal A.S.,Oslo,Norway)を用いて除去し、残った細胞を、Cy5-PE結合ヤギ抗ラットIgGポリクローナル抗体(カルタグラボラトリーズ(Caltag Laboratories Inc.),Burlingame,CA)で染色した。ラットIgG(シグマ(Sigma),St.Louis,MO)とインキュベートした後に、細胞を、PE結合抗FcγRII/III(2.4G2)、FITC結合抗CD41(MWReg30;ファーミンゲン,San Diego,CA)、ビオチン化抗CD9(KMC8;ファーミンゲン)、およびAPC結合抗c-Kit(2B8)モノクローナル抗体で染色した。次いで、CD9をストレプトアビジン-テキサスレッド(カルタグラボラトリーズ)で視覚化した。
大幅に改良されたトリプルレーザー(488nmアルゴンレーザー,599nm色素レーザー、およびUVレーザー)FACSバンテージ(FACS Vantage)(ベクトンディキンソンイムノサイトメトリーシステムズ(Becton Dickinson Immunocytometry Systems),Mountain View,CA)を用いて、細胞を分別または分析した。示された表面マーカー表現型について本質的に純粋な集団を得るために、2回の分別によって前駆細胞を精製した。アッセイによっては、注意深く較正された自動細胞沈着ユニット(ACDU)装置(ベクトンディキンソン)を使用して、再分取を行った。この装置によって、ある特定の数の精製細胞が、24ウェルプレートまたは96ウェルプレートのウェル1つ1つに沈着された。
DNA染色
細胞を氷冷80%エタノールで30分間固定し、リン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄し、次いで、250μlのヨウ化プロピジウム(PI)/リボヌクレアーゼ(RNase)溶液(0.1% Triton X-100に溶解した50μg/ml PI+10μl/ml RNase)に入れて4℃で一晩インキュベートした。この分析は、488nm励起を用いてFACScanサイトメーター(ベクトンディキンソン)で行った。
インビトロ分化アッセイ
コロニー形成アッセイは、Akashi et al.,前記に記載のように、SCF、IL-3、IL-11、Flt3-リガンド、GM-CSF、エリスロポエチン(Epo)、およびトロンボポエチン(Tpo)を添加したメチルセルロース培地(メトカルト(MethoCult)M3231;ステムセルテクロノジーズ(StemCell Technologies),Vancouver,Canada)において行った。培養10日目に倒立顕微鏡を用いてコロニーを評価した。個々のコロニーにおける細胞の形態をギムザ染色によって確認した。前駆細胞間の系列関係を評価するために、10%胎仔ウシ血清(サミットバイオテクノロジー(Summit Biotechnology),Fort Collins,Colorado,USA)およびサイトカイン(SCF、IL-11、およびTpo)を含有するRPMI 1640培地を含む24ウェルプレートのOP9ストローマ細胞層上に、10,000個のCMPおよびMEPを分別した。72時間後に、細胞を採取し、MKP単離について説明されたモノクローナル抗体で染色した。これらの細胞をFACSバンテージによってレーザー分析および分別した。
インビボ分化アッセイ
再構築アッセイは、Na Nakorn et al.,前記によって以前に述べられたように、致死線量を照射した(9.5Gyを2つの部分に与えた)Ly5-コンジェニックレシピエントの眼窩後静脈洞に、1,000個の精製MKPと200,000個の宿主型の未分画骨髄細胞を注射することによって行った。レシピエントの脾臓を標準的な組織学的検査にも供した。インビボ血小板測定のために、前駆細胞をβ-アクチンGFPトランスジェニックマウスから精製し、致死線量以下の線量を照射した(4.5Gy)C57BI/Kaに移植した。末梢血中のGFP+血小板のフローサイトメトリー分析のために、移植後毎週、マウスを採血した。
結果
MKPは、骨髄のCD9+CD41+FcγRloc-kit+Sca-1-IL-7Rα-Thy1.1-Lin-画分にある。まず最初に、フローサイトメトリーによって、成獣C57BI/Ka-Thy1.1マウスの骨髄細胞におけるCD9の発現を調べた。実質的に全てのGr-1+Mac-1+顆粒球単球(GM)およびCD61+巨核球細胞がCD9を高レベルで発現していた。対照的に、TER119+赤芽球のうちCD9+であったものは5%未満であった。リンパ系細胞はCD9を中程度に同時発現し、B220+B細胞では15%の陽性が見られ、CD3+T細胞では7%の陽性が見られた。c-Kit+Sca-1-IL-7Rα-Lin-骨髄系前駆細胞区画では、細胞の約1〜2%がCD9+であることも分かった。これらは、CD16/32(FcγR)およびCD41の発現に従って2つの集団にさらに分けることができる(図1Aに示す)。CD41loFcγRhi画分は大きな骨髄コロニー形成活性を有さず、主に未熟なGM細胞からなった(これはギムザ染色によって確かめられた)。
対照的に、CD41+FcγRloc-Kit+Sca-1-IL-7Rα-Thy1.1-Lin-細胞は全て骨髄芽球様細胞であるように見えた(図1Bに示す)。骨髄系前駆細胞の他の2つのマーカーに対する抗体を用いたさらなる表現型分析は、この集団におけるCD34およびCD38の均一に陽性の発現パターンを示した。これらの細胞はFACSによってきれいに単離することができ、有核骨髄細胞総数の約0.008〜0.012%に相当した。これらの細胞は、当初、2N〜4N量のDNAを含んでいたが、SCFおよびTpoを用いて5日間培養されると、巨核球の特有の特徴を有する多倍数体(16N)細胞になった(図1C)。この細胞集団を以下ではMKPと呼ぶ。
MKPはインビトロで巨核球コロニーのみを形成する。可能性のある全ての骨髄分化結果を検出するように設定されたメチルセルロース培養系では、MKPは主にCFU-MKを生じ、CFU-GM、CFU-M、およびBFU-Eは1%未満であった(表1)。これらの非巨核球コロニーの測定値は、より限定されたソーティングゲートを使用することによって完全に除去することができ、このことから、MKPではなく他の前駆細胞プールに由来する汚染物質から生じたものであることが分かる。興味深いことに、MKP由来コロニーの約1〜2%は、Long et.al.(1985)J.Clin.Invest.76,431-438によって以前に述べられた巨核球バースト形成単位(BFU-MK)に似た大きなコロニーであった。MKPに由来するCFU-MKおよびBFU-MKの形態を図2Aに示す。個々のコロニーにおける細胞のギムザ染色から、CFU-MKは成熟巨核球のみを含むが(図2B)、BFU-MKはしばしば少数の赤芽球も含むことが明らかになった。従って、これらのコロニーはBFU-MK/Eとしてさらに正確に定義すべきであり、恐らく、巨核球前駆細胞の初期段階に相当する。
(表1)CD9+CD41+FcγRloc-Kit+Sca-1-IL-7Rα-Thy1.1-Lin-細胞のCFU活性
Figure 2005538720
100個の細胞を、SCF、Flt3-リガンド、IL-3、IL-11、GM-CSF、Tpo、およびEpoを添加したメチルセルロース培地を含む35mmディッシュ上で直接分別した。コロニーを10日目に計数した。CFU-MKは、コロニーに3個以上の巨核球が存在し、他の細胞タイプが存在しないことによって特定された。各実験は3回繰り返して行われた。データは、ここでは、ディッシュ1個あたりの平均コロニー数±SEMとして表した。
骨髄系前駆細胞集団間のクローン形成性コロニー形成を比較するために、単一前駆細胞を、メチルセルロース培地およびサイトカインを含む96ウェルプレートの各ウェルに分別した。単一MKPが沈着された150個のウェルのうち99個(66%)は培養10日目にCFU-MKを発生した(図2C)。各コロニーにおける巨核球の平均数は3.9であった。同じ条件において、CMPおよびMEPの16.7%および21.6%がCFU-MKを生じ、コロニー1個あたりの巨核球の平均数は、それぞれ、8.9および8.7であった。BFU-MK/Eを含む大きなコロニーは、MKPより高い頻度でCMPまたはMEPから生じた。これらの結果は、MKPが巨核球系列にのみ方向付けられ、造血の発生階層においてCMPおよびMEPの下流にある少なくとも1つの段階であることを示唆している。
MKPのCFU-MK活性にはトロンボポエチンが必要とされる。次に、本発明者らは、MKPから巨核球を発生させるためのサイトカイン必要条件を試験した。
(表2)MKPのコロニー形成活性に及ぼすサイトカインの影響
Figure 2005538720
表2に示したように、Tpoは、CFU-MK形成にとって最も重要なサイトカインである。MKPのプレーティング効率は、Tpoの非存在下では10%未満に著しく低下した。MKPが、初期に作用するサイトカイン(例えば、SCFおよびIL-11)だけを用いて培養された時、コロニーは観察されなかった。Tpoのみを添加した場合、潜在的なCFU-MKの約50〜60%が救出された。他のサイトカインは、MKPからのCFU-MK発生に、あるとしてもほとんど影響を及ぼさなかった。しかしながら、GMを対象とするサイトカイン(GM-CSFおよびIL-3)ならびにMEを対象とするサイトカイン(EpoおよびTpo)との相乗効果も観察された。実際には、全てのサイトカインが培養物に存在した場合にのみ、BFU-MK/Eを含む大きなCFU-MKが認められた。
MKPのインビボ分化
1000個のMKPは、8日目または12日目のレシピエントの脾臓において表面コロニーを全く生じなかった。これは、本発明者らが、MEPが8日目CFU-Sの主要な供給源であることを発見した、他の骨髄系前駆細胞集団を用いた本発明者らの実験の結果(14)とは対照的であった。しかしながら、8日目脾臓の組織学的検査によって、MKPを与えたマウスでは、いくつかの非常に小さな巨核球増殖巣が明らかになった(図3A)。同じ時点で、CMPおよびMEPは主に赤芽球コロニーを形成した(図3Aおよび参考文献14)。このことは、MKPがインビボでは赤芽球分化能を有さないことを示唆している。再構築アッセイにおいて、ドナーに由来するGr-1+細胞、Mac-1+細胞、CD3+細胞、B220+細胞、Ter119+細胞は、1,000個のMKPとヘルパー骨髄細胞を与えたマウスの血液、骨髄、脾臓において検出されなかった。血小板はLy5抗原を発現しないので、このコンジェニック系において巨核球系列における移植は評価することができない。
血小板生成をインビボで直接測定するために、本発明者らは、β-アクチンGFPマウスの骨髄からCD9+FcγRloc-kit+Sca-1-IL-7Rα-Lin-MKPを精製し、致死線量以下の線量を照射したレシピエントに移植した。コンジェニック移植系において観察されたものと同様に、MKPは、分析のどの時点でも、GFP+GM、赤芽球、リンパ系細胞を全く生じなかった。しかしながら、MKPは、これらのマウスにおいて検出可能なレベルの血小板を生じた(図3B)。血小板移植のピークは移植後約14日目に生じ、末梢液中のGFP+血小板のパーセントは0.005〜1%であった。GFP+血小板は移植後3週間を過ぎると検出されなかった(図3C)。
同じ実験において、10,000個のCD9-FcγRloc-kit+Sca-1-IL-7Rα-Lin-細胞(CMPおよびMEP)は同様の血小板移植パターンを示したが、10,000個のCD9-FcγRhic-kit+Sca-1-IL-7Rα-Lin-細胞(GMP)は末梢血中に検出可能な血小板を全く生じなかった。この結果は、GMPがインビボでGM細胞しか生じることができないという以前の観察を裏付けている。さらに重要なことには、これは、血小板において観察されるGFPシグナルが、他の移植されたGFP+細胞から非特異的に生じたという可能性を排除している。ひとまとめにして考えると、これらのデータは、MKPが大きなインビボ自己複製能も多能性分化能も有さないが、一過的に巨核球および血小板のみを生じることを証明している。
CMPおよびMEPはインビトロでMKPを生じた。骨髄系前駆細胞間の関係を調べるために、本発明者らは、CMPおよびMEP(CD9-)を、SCF、IL-11、およびTpoの存在下でOP9ストローマ層上で72時間培養した。CMPおよびMEPは両方とも、新鮮に単離された骨髄に見られるようなMKPの表現型を有する細胞を生じることができる(図4A)。これらのCD9+CD41+FcγRloc-Kit+Lin-細胞は、CMP培養物およびMEP培養物の総細胞のそれぞれ約0.78%および0.33%に相当した。これらの細胞はまた、メチルセルロース培養ではCFU-MKのみを形成した。同じ培養条件において、MKPは決してCMPもMEPも生じなかったが、5日以内に多核性巨核球に分化した。これらの発見と単一前駆細胞コロニー形成アッセイの結果は、MKPが、CMPおよびMEPの下流にある、方向付けられた前駆細胞であることを証明している。
巨核球に方向付けられた前駆細胞の概念は、1970年代に、半固形培地におけるマウス骨髄細胞培養物から巨核球コロニーが発見された後に導入された。その時から、いくつかの研究者グループが、ヒトおよびマウスの様々なタイプの巨核球コロニーを検出するための培養系を開発してきている。文献において述べられたこれらの巨核球含有コロニーのうち、他の系列の細胞をさらに含む大きなコロニーは、主として多能性前駆細胞に起因するとされているのに対して、純粋な巨核球コロニーは真の単能性巨核球前駆細胞に相当するものであると考えられている。しかしながら、異なる条件でアッセイが行われた時に、多くの純粋なコロニーは二能性または少能性(oligopotent)であることが後に判明したので、この仮定は全く正しいというわけではないかもしれない。さらに、これらの細胞の系列制限を確認するために、インビボ実験はまれにしか行われなかった。
最近、MEPおよびCMPはCFU-MKを高頻度で生じるが、致死線量を照射したマウスに注射された時に他の系列の細胞にも分化できることが報告された。これらの発見は、MEPの下流にある単離可能な前駆細胞がこれらの巨核球コロニーの起源である可能性を提起した。この研究において、本発明者らは、巨核球のみを生じることができる細胞を求めて見込みを持って探索し、いくつかのインビトロアッセイおよびインビボアッセイにおいて、その分化能を広範囲に試験した。ここで単離されたMKPは、巨核球に方向付けられた前駆細胞の全ての基準を満たしており、従って、これらの単能性前駆細胞がマウス骨髄に存在するという決定的な証拠を提供する。
巨核球前駆細胞を単離するという以前の試みは、沈降速度、密度勾配による物理的分離、細胞化学的染色、化学療法剤5-フルオロウラシルによるインビボ濃縮、最近ではフローサイトメトリーなどの様々な方法の使用を含んでいた。例えば、Pallavicini et al.(1987)Exp.Hematol.15,704-709;Bauman et al.(1987)Exp.Hematol.15,1074-1079;およびHodohara et al.(2000)Blood 95,769-775を参照のこと。
CFU-MKは、いくつかの単離集団の中に回収することができるが、常に、かなりの数の他のCFU活性が観察された。MKP探索における主な制限の1つは、巨核球系列の特異的表面マーカーが少ないことである。ヒト系では、血小板糖タンパク質(GP)(例えば、GPIIb(CD41)またはGPIIIa(CD61))が巨核球前駆細胞の濃縮に広く用いられてきている。最近、Hodoharaらは、Tpo処置マウスに由来するCD41+c-kit+骨髄細胞がCFU-MK活性について高度に濃縮されていることも示している。この培養系では、これらの細胞は、CFU-MKの他にかなりの数のCFU-GMおよびBFU-MK/Eを生じた。さらに、骨髄系前駆細胞の3つの集団の間でCD41発現レベルは違いがないことが発見された。これらの観察は、多能性前駆細胞がCD41+であると報告されたヒトおよびニワトリにおける研究と一致している。従って、骨髄のCD41+c-kit+画分は、MKPの他に他の骨髄系前駆細胞集団を含んでいる。
CD9は、一般的に細胞接着、運動、増殖、および分化などの多くの細胞プロセス、ならびにシグナル伝達に関与する細胞表面タンパク質テトラスパニンスーパーファミリーに属する。CD9は、骨髄を含む様々な組織において発現している。骨髄では、血小板、巨核球、顆粒球単球、およびストローマ細胞において最も高い発現を観察することができる。CD9の機能はまだ分かっていないが、抗CD9抗体は、ストローマ培養における初期前駆細胞の骨髄分化を阻害することが示されている。抗CD9抗体はCFUアッセイでは直接的な影響を及ぼさなかったので、この阻害は、恐らく、ストローマ細胞との相互作用によるものである。これらのデータは、CD9が、巨核球系列への方向付けを特定するための有用な分化マーカーであることを示している。
興味深いことに、CD9+FcγRhic-kit+Sca-1-IL-7Rα-Lin-細胞は、GM細胞におけるCD9の高い発現にもにもかかわらず大きなコロニー形成活性を有さない。この結果は、巨核球系列でのCD9発現とは異なり、GM系列でのCD9発現は発生のかなり後期で生じることを示唆している。これは、骨髄において同定されたGMP(GMに方向付けられた最も初期の前駆細胞)がCD9を低レベルでしか発現せず、CD9の発現が成熟GM細胞へのGMPの分化と共に徐々に増加するという事実によって確かめられる。最近、2つの独立したグループによってCD9タンパク質を欠くマウスが作成された。このマウスは、精子卵母細胞融合に欠陥があるために雌不妊であることが報告されている。驚くべきことに、造血系の異常は観察されなかった。本発明者らのデータからの結果は、造血におけるCD9の役割を扱うために、これらのマウスにおいて骨髄系前駆細胞の詳細な分析(特に、巨核球系列の詳細な分析)を行わなければならないことを示唆している。
MKPと他の2つの骨髄系前駆細胞との関係も、この研究において調べられた。インビトロ培養の結果は、CMPおよびMEPが両方ともMKPを生じることができることをはっきりと証明している。単一細胞レベルでは、これらの細胞はまた、MKP由来コロニーと比較して少なくとも2倍の数の巨核球を含むより大きなCFU-MKも生じた。これらの結果は、MKPは確かにCMPおよびMEPの下流にあることを示している。
結論として、メチルセルロース培養においてCFU-MKを均一に生じる、クローン形成性の単能性巨核球前駆細胞が見込みを持って単離された。この前駆細胞はCMPおよびMEPの下流にある。MKPは、多能性前駆細胞の性質も少分化能性前駆細胞の性質も示さないが、巨核球系列にのみ分化方向が決定され、インビボで3週間だけ血小板を生じる。従って、これらの細胞は、血小板および巨核球の生成、ならびに血小板形成に作用する薬剤のスクリーニングに用いられる。
本明細書に記載の全ての刊行物は、説明および開示のために(例えば、本発明と共に用いられ得る刊行物に記載の化合物および方法の説明および開示のために)参照として本明細書に組み入れられる。前記でおよび本文全体を通して述べられた刊行物は、単に、本願の出願日前の刊行物を開示するために示される。本明細書には、先行発明に基づいて本発明者らがこのような開示に先行する権利がないことが認められると解釈されるものは何もない。
マウス骨髄におけるMKPの同定を示す。A)磁気ビーズで系列陽性細胞を枯渇させた後の骨髄のフローサイトメトリー分析。MKPのソーティングゲートを上パネルに示す。MKPの頻度を、負の枯渇(negative depletion)前の有核骨髄細胞総数に対する相対値として示す。1回目の分別後の再分析から、MKPは、きれいに単離することができる集団であることが分かった(下パネル)。B)MKPは、巨核球の特有の特徴を有さない骨髄芽球様細胞であった(ギムザ染色、最初の倍率×1000)。C)DNA含有量分析からMKPは二倍体細胞であることが分かった。SCFおよびTpoと5日間インキュベートした後に、多倍数体(16N)巨核球が培養物中に現れた。 クローン形成性巨核球のコロニー形成を示す。A)培養10日目のMKPから生じた代表的なCFU-MKおよびBFU-MKの形態(位相差;最初の倍率100×(CFU-MK)、40×(BCU-MK))。B)単一コロニーからの成熟巨核球(ギムザ;最初の倍率200×および1000×)。C)SCF、Flt3-リガンド、IL-3、IL-11、GM-CSF、EpoおよびTpoを含むメチルセルロースにおける単一前駆細胞の10日目コロニー測定値。単一前駆細胞が沈着された合計270個のウェルを評価した。CMPは、80%を超えるプレーティング効率で全てのタイプの骨髄コロニーを生じた。MEPは巨核球コロニーおよび赤芽球コロニーの両方を生じたのに対して、MKPは巨核球コロニーのみを形成した。 MKPのインビボ分化を示す。A)8日目の脾臓の組織(ヘマトキシリンおよびエオシン,最初の倍率:対照およびMEP=200×、MKP=400×および差し込み図=1000×)。マウスに致死線量を照射し、次いで、細胞を注射しないか(対照)、1000個のMKPまたは500個のMEPを注射した。MKPは、巨核球(Meg)の非常に小さな増殖巣を生じたのに対して、MEPは、赤芽球(E)のみからなる大きなコロニーを形成した。対照動物では赤血球系コロニーも巨核球コロニーも観察されなかった。B)βアクチンGFPトランスジェニックドナーに由来する精製前駆細胞を与えた14日後のレシピエントマウス末梢血に含まれる血小板の代表的なFACSプロット。まず最初に、血液細胞を前方散乱光および側方散乱光でゲーティングした。血小板ゲートにおけるGFP+CD61+細胞のパーセントを囲みの中に示す。C)MKPはインビボで血小板を3週間生じた。3000個のMKPの血小板移植のキネティクスは、10,000個のCMPおよびMEP(破線)と似ていた。対照的に、10,000個のGMPは、分析のどの時点でも、検出可能な血小板を生じなかった(黒線)。集団全体におけるGFP+血小板を検出する閾値は1/100,000であった。 骨髄系前駆細胞間の系列関係を示す。CMPおよびMEPの培養物におけるMKP表現型を有する細胞のフローサイトメトリー分析。CMP培養物には、MEP培養物より多くのMKPが存在することに注意のこと。

Claims (14)

  1. 哺乳動物巨核球前駆細胞の実質的に純粋な組成物であり、該組成物中の細胞の少なくとも80%がCD41+、CD9+、CD34+として特徴付けられる、組成物。
  2. 細胞が系列パネル-としてさらに特徴付けられる、請求項1記載の組成物。
  3. 系列パネルがCD2;CD3;CD4;CD7;CD8;CD10;CD11b;CD14;CD19;CD20;CD56;およびグリコホリンA(GPA)を含む、請求項2記載の組成物。
  4. 巨核球前駆細胞が、Sl因子(SLF)、flt-3リガンド(FL)、インターロイキン(IL)-3、IL-11、GM-CSF、トロンボポエチン(Tpo)、およびエリスロポエチン(Epo)の存在下でメチルセルロース中で培養された時、巨核球コロニーを生じる、請求項1記載の組成物。
  5. 巨核球前駆細胞がマウス細胞である、請求項1記載の組成物。
  6. 細胞が外因性DNAベクターを含むように遺伝子組換えされている、請求項1記載の組成物。
  7. 哺乳動物巨核球前駆細胞の組成物を濃縮する方法であり、該組成物中の細胞の少なくとも90%はCD41+、CD9+、およびCD34+として特徴付けられ、
    CD41、CD9、およびCD34を特異的に認識する試薬と、造血細胞試料を組み合わせる段階;および
    CD41+、CD9+、CD34+の細胞を選択して、巨核球前駆細胞活性を有する細胞の濃縮された集団を得る段階を含む、方法。
  8. 造血細胞試料が骨髄である、請求項7記載の方法。
  9. 造血細胞試料が動員末梢血である、請求項8記載の方法。
  10. 巨核球系列に方向付けられた細胞において特異的に発現する遺伝子配列をスクリーニングする方法であり、以下の段階を含む方法:
    請求項1記載の細胞集団からRNAを単離する段階、
    該RNAからプローブを作成する段階、
    該プローブとのハイブリダイゼーションについて核酸の集団をスクリーニングする段階。
  11. 細胞がマウス細胞である、請求項10記載の方法。
  12. 哺乳動物レシピエントに血小板を提供する方法であり、以下の段階を含む方法:
    該レシピエントに巨核球前駆細胞の集団を投与する段階であり、該集団中の細胞の少なくとも80%がCD41+、CD9+、およびCD34+として特徴付けられ、該巨核球前駆細胞はインビボで血小板を生じる、段階。
  13. 巨核球前駆細胞と共にトロンボポエチンまたはそのミメティックを投与する段階をさらに含む、請求項12記載の方法。
  14. 血小板形成に影響を及ぼす因子をスクリーニングする方法であり、以下の段階を含む方法:
    血小板形成因子候補と巨核球前駆細胞の集団を組み合わせる段階であり、該集団中の細胞の少なくとも80%がCD41+、CD9+、およびCD34+として特徴付けられる、段階;および
    巨核球および血小板の形成に及ぼす薬剤の影響を確かめる段階。
JP2004536271A 2002-09-13 2003-09-12 哺乳動物巨核球前駆細胞 Pending JP2005538720A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US41049002P 2002-09-13 2002-09-13
PCT/US2003/028810 WO2004024875A2 (en) 2002-09-13 2003-09-12 Mammalian megakaryocyte progenitor cell

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005538720A true JP2005538720A (ja) 2005-12-22

Family

ID=31994143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004536271A Pending JP2005538720A (ja) 2002-09-13 2003-09-12 哺乳動物巨核球前駆細胞

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7494807B2 (ja)
EP (1) EP1536688B1 (ja)
JP (1) JP2005538720A (ja)
AT (1) ATE539146T1 (ja)
AU (1) AU2003272369A1 (ja)
CA (1) CA2496319A1 (ja)
ES (1) ES2378524T3 (ja)
WO (1) WO2004024875A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014523741A (ja) * 2011-07-06 2014-09-18 セレラント セラピューティクス インコーポレイテッド 血小板産生のための巨核球前駆細胞
JP2018519845A (ja) * 2015-07-23 2018-07-26 エタブリスマン フランセ デュ サン Cd34+cd41dim巨核球前駆細胞及び血小板前駆細胞を有するmk及び/又はその血小板を製造するためのその使用。

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101080486B (zh) 2004-04-23 2012-05-16 佰欧益股份有限公司 多谱系祖细胞
WO2006025802A1 (en) * 2004-09-03 2006-03-09 Agency For Science, Technology And Research Method for maintaining pluripotency of stem/progenitor cells
EP1812555B1 (en) * 2004-10-25 2015-04-22 Cellerant Therapeutics, Inc. Methods of expanding myeloid cell populations and uses thereof
US20070077654A1 (en) * 2004-11-01 2007-04-05 Thomson James A Platelets from stem cells
US8383095B2 (en) 2006-02-14 2013-02-26 Cellerant Therapeutics, Inc. Methods and compositions for enhancing engraftment of hematopoietic stem cells
AU2006339445A1 (en) 2006-03-02 2007-09-07 Agency For Science, Technology And Research Methods for cancer therapy and stem cell modulation
EP2377925A1 (en) 2006-04-14 2011-10-19 Advanced Cell Technology, Inc. Hemangio-colony forming cells
US9278993B2 (en) 2010-09-17 2016-03-08 Agency For Science, Technology And Research Cell-targeting nanoparticles and uses thereof
ES2896354T3 (es) * 2012-12-21 2022-02-24 Astellas Inst For Regenerative Medicine Métodos para la producción de plaquetas a partir de células madre pluripotentes
US11203739B2 (en) 2014-04-07 2021-12-21 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Modulating cell proliferation and pluripotency
SG11201803493UA (en) 2015-11-27 2018-05-30 Cartherics Pty Ltd Genetically modified cells and uses thereof
JP2021534101A (ja) 2018-08-09 2021-12-09 ヴェルソー セラピューティクス, インコーポレイテッド Ccr2及びcsf1rを標的とするためのオリゴヌクレオチド組成物ならびにその使用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4721096A (en) * 1986-04-18 1988-01-26 Marrow-Tech Incorporated Process for replicating bone marrow in vitro and using the same
US6261841B1 (en) 1999-06-25 2001-07-17 The Board Of Trustees Of Northwestern University Compositions, kits, and methods for modulating survival and differentiation of multi-potential hematopoietic progenitor cells
US6761883B2 (en) * 1999-06-29 2004-07-13 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Mammalian myeloid progenitor cell subsets
AU774876B2 (en) 1999-06-29 2004-07-08 Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Mammalian myeloid progenitor cell subsets

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6009053832, Stem Cells(1999),Vol.17,No.1,p.45−53 *
JPN6009053834, Blood(2001 Apr),Vol.97,No.7,p.1982−1989 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014523741A (ja) * 2011-07-06 2014-09-18 セレラント セラピューティクス インコーポレイテッド 血小板産生のための巨核球前駆細胞
JP2018519845A (ja) * 2015-07-23 2018-07-26 エタブリスマン フランセ デュ サン Cd34+cd41dim巨核球前駆細胞及び血小板前駆細胞を有するmk及び/又はその血小板を製造するためのその使用。
JP7068162B2 (ja) 2015-07-23 2022-05-16 エタブリスマン フランセ デュ サン Cd34+cd41dim巨核球前駆細胞及び血小板前駆細胞を有するmk及び/又はその血小板を製造するためのその使用。
JP7068162B6 (ja) 2015-07-23 2023-12-20 エタブリスマン フランセ デュ サン Cd34+cd41dim巨核球前駆細胞及び血小板前駆細胞を有するmk及び/又はその血小板を製造するためのその使用。

Also Published As

Publication number Publication date
US20050176142A1 (en) 2005-08-11
CA2496319A1 (en) 2004-03-25
WO2004024875A2 (en) 2004-03-25
AU2003272369A1 (en) 2004-04-30
ATE539146T1 (de) 2012-01-15
ES2378524T3 (es) 2012-04-13
EP1536688B1 (en) 2011-12-28
EP1536688A2 (en) 2005-06-08
WO2004024875A3 (en) 2004-08-05
EP1536688A4 (en) 2006-10-11
WO2004024875A8 (en) 2004-10-14
US7494807B2 (en) 2009-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7618654B2 (en) Mammalian myeloid progenitor cell subsets
US6465247B1 (en) Mammalian myeloid progenitor cell subsets
US7416887B2 (en) Methods for use of MPL ligands with primitive human stem cells
Larochelle et al. Identification of primitive human hematopoietic cells capable of repopulating NOD/SCID mouse bone marrow: implications for gene therapy
US7297329B2 (en) Mammalian common lymphoid progenitor cell
US8617885B2 (en) Cultured hematopoietic stem cells and method for expansion and analysis thereof
US7494807B2 (en) Mammalian megakaryocyte progenitor cell
EP1129175A2 (en) Promotion of self-renewal and improved gene transduction of hematopoietic stem cells by histone deacetylase inhibitors
US20090191164A1 (en) Human hematopoietic multipotent progenitor cells
Mojica et al. Phenotypic distinction and functional characterization of pro-B cells in adult mouse bone marrow

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091019

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100415

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100512