JP2005538067A - 副鼻腔炎の処置方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アレルギー性真菌性副鼻腔炎のような慢性鼻副鼻腔炎の処置方法であって、塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む組成物を、毎日経口的に、症候を低減化するか、または慢性鼻副鼻腔炎を排除するのに有効な期間投与することを含んでなる方法を提供する;本発明はさらに、対応する医薬の製造におけるテルビナフィンの使用、ならびに複数の対応する組成物および医薬を含有するパックに関する。

Description

発明の詳細な説明
分野
本発明は、副鼻腔炎(sinusitis)、特に慢性鼻副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis)の処置に関係する方法に関する。
背景
医薬の実際において、副鼻腔炎は来院の約20%を占める。不運なことに、副鼻腔炎は、しばしば非常にいらだたしいものであり、そして病状を処置するのが困難であり、そして医療的失敗によりしばしば外科的患者となる。それゆえ、この疾患についてのより良い理解およびより有効な処置について大きな必要性が存在する。
副鼻腔炎は、さらに、米国における推定58億ドルの1996年の支出により証明されるように、非常に大きな医療上の影響を有する(J. Allergy Clin. Immunol. 103 [1999] 408-414)。45才以下の米国市民の約12%が、慢性副鼻腔炎の症候を有することが報告されている。さらに、慢性副鼻腔炎は、来院に関して大きな医療費を占め、抗生物質処方薬が調合され、仕事日を失し、そして在学期間を失する。約200'000件の洞(sinus)手術が1994年に米国において行われた。
アレルギー性真菌性副鼻腔炎(AFS)は、慢性鼻副鼻腔炎の部分集合である。AFSの概念は、1983年に最初に提案された(Am. J. Surg. Pathol. 7 [1983] 439-443)。これは、真菌種に対する激しいアレルギー性および好酸球性炎症性応答により引き起こされる。当該疾患は、高温多湿気候およびカビ胞子数の大きい環境の領域でより頻繁に見られる。AFSの診断基準としては、洞放射線撮影または胸部−胸郭(CT)スキャン上での慢性的な粘膜肥厚を通常有する慢性鼻副鼻腔炎の存在、すなわち「アレルギー性ムチン」(脱顆粒した好酸球で満たされた濃厚な洞分泌として定義される)およびアレルギー性ムチン内の菌糸体が挙げられる(J. Allergy Clin. Immunol. 96 [1995] 24-35;Arch. Otolaryngol. Head Neck Surg. 124 [1998] 1179-1180)。AFSを有するほとんどすべての患者は、鼻ポリープおよび末梢血好酸球増加症を有する。アレルギー性ムチンの陽性真菌培養物は、診断を確認するのに役立つが、必要とされるわけではない。当該病状は、また、欧州においてありふれたものである(Laryngoscope 113 [2003] 264-269;Laryngoscope 113 [2003] 410-414)。
テルビナフィンは、アリルアミンクラスの合成抗真菌剤であり、そしてたとえばEP−A−24587から既知である。これは、ラミシール(登録商標)のもと、商品として入手可能である。テルビナフィンは、経口的ならびに局所的に投与された場合、インビトロでの強力な抗真菌作用およびさまざまな皮膚糸状菌感染における迅速な臨床効果に基づく抗真菌治療において有意な利点を示す。その構造は、式I
Figure 2005538067
において示したとおりである。
上記化合物は、遊離塩基の形態または酸付加塩の形態であり得る。酸付加塩の形態は、遊離塩基の形態から慣用的方法で製造され得、そしてその逆もあり得る。適当な酸付加塩の形態の例は、塩酸塩、乳酸塩、アスコルビン酸塩、およびリンゴ酸塩、たとえばL−(−)−水素リンゴ酸塩である。遊離塩基ならびに塩酸塩およびリンゴ酸塩が好適である。
テルビナフィンは、エルゴステロールの生合成の強力なインヒビターであり(Ann. NY Acad. Sci. 544 [1988] 46-62)、スクアレンエポキシダーゼの作用をブロックし、その結果、スクアレンからスクアレンエポキシダーゼへの変換を阻害する。エルゴステロールの生合成は部分的にのみ阻害されるが、細胞増殖は完全に阻まれる。このことは、テルビナフィンの殺菌作用はスクアレンの蓄積に関係し得、高濃度のスクアレンが真菌に対して毒性であり得ることを示唆している。
インビトロでのテルビナフィンの活性スペクトルは、Trichophyton、Epidermophyton および Microsporum類のすべての皮膚糸状菌を含む。これらの皮膚糸状菌の平均最小阻害濃度は、0.001μg/mlから0.01μg/mlの範囲である(Science 224 [1984] 1239-1241)。テルビナフィンは、また、カビおよび二形性真菌に対して、ならびにPityrosporum、Candida および Rhodotorula類の多くの病原性イーストに対して活性である。これらの生物は、慢性鼻副鼻腔炎に関係するか、または引き起こすものと考えられてきた。
慢性鼻副鼻腔炎は、12週間以上継続する副鼻腔炎の徴候および/または症候として定義される。
WO 99/20261は、副鼻腔へのとりわけテルビナフィンのような抗真菌剤の間接的または、とりわけ直接的粘膜投与により、とりわけ鼻副鼻腔炎のような本質的に局所的な、非侵襲的真菌誘導性粘膜炎を処置および予防するための方法および物質を開示している。
発明の要約
今回、経口用量形態のテルビナフィンの最適量は、特に慢性鼻副鼻腔炎、特に真菌性の病因を有する慢性鼻副鼻腔炎、たとえばアレルギー性真菌性副鼻腔炎の処置において有効であることが見いだされた。
したがって、本発明は、哺乳類における慢性鼻副鼻腔炎の処置方法であって、1日あたり塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む組成物を、経口的に、症候を低減化するか、または慢性鼻副鼻腔炎を排除するのに有効な期間投与することを含んでなる方法(以下、単に「本発明の方法」という)に関する。
哺乳類は、好ましくはヒトである。テルビナフィンは、最も好ましくは塩酸付加塩の形態である。慢性鼻副鼻腔炎は、好ましくは真菌性の病因を有する。
好適な実施態様において、慢性鼻副鼻腔炎を低減化するかまたは排除するのに有効な期間は、6週間を含んでなり、そして組成物は6週間の期間投与される。
さらなる実施態様において、本発明は、哺乳類、好ましくはヒトにおける慢性鼻副鼻腔炎を処置する方法であって、1日あたり塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量を、当該哺乳類に6週間投与することを含んでなる方法に関する。
さらなる実施態様において、本発明は、塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む、慢性鼻副鼻腔炎の処置用医薬の製造のおける遊離塩基または酸付加塩の形態のテルビナフィンの使用を含む。
本発明は、さらに、塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む、慢性鼻副鼻腔炎の処置のための、そして経口投与形態として錠剤、ミニタブレット、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ペレットまたは液体経口投与形態に製剤化された、医薬の製造における対応する使用に関する。
本発明は、さらに、簡便な場合には使用のための指示書、たとえばカレンダーパックとともに、塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む複数のテルビナフィン医薬または組成物を含むパックであって、症候を低減化するか、または慢性鼻副鼻腔炎を排除するのに有効な期間の経口投与により、上で定義した哺乳類における慢性鼻副鼻腔炎を処置する方法において投薬されるように調整されたパックを含む。
本明細書において使用される「処置」なる用語は、予防的ならびに治療的処置を包含すると理解されるべきである。
詳細な説明
本発明において使用するための組成物および医薬は、遊離塩基または酸付加塩の形態のテルビナフィンを含み、そして簡便には、たとえば錠剤、ミニタブレット、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ペレットまたは液体経口投与形態(液体経口エマルジョンを含む)、好ましくは錠剤またはミニタブレットの形態に製剤化された経口用量形態で提供される。これらはすべて、慣用的方法により製造され得る。テルビナフィンは、組成物の総重量に基づいて、約0.1〜約70重量%、たとえば約1〜約60重量%、好ましくは約5〜約55重量%の塩基当量の量で存在し得る。
本発明の方法は、とりわけ、たとえば塩酸塩として、約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量の1つの錠剤を含むか、あるいはテルビナフィンの総合計量が塩酸塩として、約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量である2またはそれ以上の錠剤を含む、錠剤またはミニタブレットの形態の組成物または医薬で実施される。
上で示したテルビナフィンの量は指標であり、そして塩酸塩として、たとえば約610mg、もしくは約710mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量であり得る。
投与は、好ましくは1日1回行われる。
慣用的な経口用量形態は、たとえば市販の錠剤形態で使用され得る。
経口用量形態は、また、たとえばWO 01/52895の記載にしたがって、たとえばテルビナフィン、崩壊剤および緩衝剤を含む急速崩壊組成物として製造され得る。
液体経口エマルジョンテルビナフィン組成物も使用され得る。当該エマルジョンは、たとえばWO 01/54675の記載にしたがって製造され得る。エマルジョンは、水中油型(oil-in-water)または油中水型(water-in-oil)、好ましくは水中油型(oil-in-water)エマルジョンであり得る。エマルジョンは、さらに、親油性成分、界面活性剤およびエマルジョン安定化剤、たとえばエマルジョンの崩壊、たとえばクリーミング、合一または沈降予防剤を含み得る。液体経口エマルジョン組成物は、さらに、慣用的な添加剤、たとえばとりわけ抗酸化剤、保存剤、甘味料および着香料を含有し得る。
被覆および/または多層にされた経口投与のためのテルビナフィンの固体用量形態、たとえば被覆ミニタブレットまたはカプセル中のペレットも使用され得る。かかる固体用量形態は、たとえばWO 03/22267の記載にしたがって製造され得る。
かくして、塩酸塩として、625mgのテルビナフィン塩基当量の1日用量の投与のために、たとえば、それぞれ以下の組成:
Figure 2005538067
を有する5個の慣用的125mg錠剤が投与され得る。
あるいは、たとえば625mgまたは700mgのテルビナフィン塩基当量の投与のために、適当な数の錠剤、またはサシェ剤もしくはカプセル剤中のミニタブレットが、たとえばWO 03/22267の実施例A、Bおよび1〜16において開示されたように使用され得る。
臨床試験のための実験的手順
1日あたり塩酸塩として、625mgのテルビナフィン塩基当量または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態の安全性および効力を比較する、見込み、二重盲検、並行群、多施設、プラセボコントロール試験を、慢性副鼻腔炎の処置においてプラセボに対して6週間行う。試験期間は合計18週であり、そして3つの期間:(a)スクリーニング(3週、−3〜−1週);(b)処置(6週、処置週のベースライン〜+6週);およびc)追跡評価(9週、+7〜+15)からなる。
18〜65歳の男性および女性の60名の患者を無作為化し、6週間のテルビナフィン治療またはプラセボを投与する。
試験への参加のためのさらなる登録基準は、以下のとおりである:
・スクリーニング前の少なくとも3か月にわたって慢性非侵襲的鼻副鼻腔炎(CRS)の徴候および症候を有する患者。慢性鼻副鼻腔炎は、耳鼻咽喉科頭頚部外科学会(American Academy of Otolaryngology - Head and Neck Surgery)(AAO−HNS)により定義される2もしくはそれ以上の主要な要因または1つの主要なおよび2つの軽微な要因の存在により定義される;これらの要因は、
1)主要な要因:顔面痛/圧迫(pressure);顔面鬱血/充満;鼻閉塞/鼻閉;鼻汁/化膿/変色した後鼻腔排膿(discolored postnasal drainage);嗅覚鈍麻/嗅覚消失;試験上の鼻腔における化膿;発熱(急性鼻副鼻腔炎のみ)+
2)軽微な要因:頭痛;発熱(非急性のものすべて);口臭;疲労;歯痛;咳;耳痛/圧迫/充満
顔面痛/圧迫だけでは、別の主要な鼻症候または徴候の不存在下において鼻副鼻腔炎の示唆的病歴を構成しない。
急性副鼻腔炎における発熱(+)だけでは、別の主要な鼻症候または徴候の不存在下において急性のための強力に示唆的病歴を構成しない;
・薬物療法に失敗し、そして手術以外の他の治療代替法が無い患者;
・副鼻腔炎のコンピュータートモグラフィー(CT)スキャンエビデンスを有する患者、たとえば少なくとも2種の主要な副鼻腔における25%の不透明化/粘膜骨膜肥厚を有する患者;
・真菌の関与が十分に裏付けされた慢性副鼻腔炎を有する患者、すなわち、
−副鼻腔または鼻腔のムチンから得られた菌糸体の現在の組織学的エビデンスを有する患者;あるいは
−組織学または培養により裏付けされた真菌性副鼻腔炎の十分に裏付けされた前歴を有する患者;当該患者は継続的な徴候および症候を有し、そして完全な臨床的治癒はない;
・妊娠の可能性のある女性患者は、登録時に妊娠陰性の尿検査結果を有していなければならず、そして処置期間中および処置終了後9週間医学的に証明された形態の避妊を実施すべきである;
・書面によるインフォームドコンセントを、試験参加の前に取得しなければならない;それぞれの写しを、治験医師の医療記録中に保持し、そして患者にも提供しなければならない。
試験の除外基準は以下のとおりである:
・表1中の薬を投薬中の患者;
・過去3ヶ月以内に副鼻腔手術を受けた患者;
・妊娠または授乳中の女性;
・非侵襲的、生命にかかわる(life-threatening)真菌性鼻副鼻腔炎を有する患者;
・現在培養で証明されたクモノスカビ(Rhizopus)真菌性副鼻腔炎を有する患者;
・心臓もしくは神経系疾患、または治験医師の判断において、患者の安全を危険にさらすか、もしくは試験の結果の解釈に干渉し得る脳機能障害を有する患者;
・胃腸吸収不良(gastrointestinal malabsorption)、肝臓疾患、ネフロパシー、またはテルビナフィンもしくはその代謝物の代謝もしくは排泄の吸収の変化、過剰蓄積および欠陥の可能性をもたらし得る血管障害を有する患者;
・B型またはC型肝炎を有する患者;
・過去6ヶ月以内にアルコール、幻覚剤、または他の耽溺薬の乱用の前歴を有する患者;
・スクリーニング時に正常値の上限(ULN)を超える血清クレアチニンおよび/または血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT、AST)および/または血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT、ALT)値を有する患者;
・HIVであることが判明しているか、またはそれ以外で免疫が抑制されている患者;
・テルビナフィンに過敏症の患者。
Figure 2005538067
患者は、上の3つの期間(a)、(b)および(c)に分けて、合計5回の訪問で診察される:
(a)スクリーニング期間
訪問1:処置期間の前に、スクリーニング期間(−3週時)が存在する。患者に、過去の病歴、現在の病状、ならびに過去および現在の医薬および生命徴候に関して面接する。研究室的評価(肝臓機能試験を含む)ならびに洞分泌収集物を、以下の2つの技術ごとに採取する(すべての物質を、十分な標本作成を可能にする程度に回収しなければならない):
1)洞分泌収集物のための注入技術:
1. 各鼻孔に塩酸フェニレフリン(1%)2パフをスプレーする。約2分待つ。
2. 滅菌湾曲ブラントニードルを有する滅菌シリンジを用いて、20mlの滅菌生理食塩水で各鼻孔を洗い流す(深く息を吸うように患者に指示し、そして当該生理食塩水の注射前まで維持させる)。
3. 洗い流す間、力強く鼻から息を吐き出すよう患者に指示する。滅菌皿中の回収物(粘液)を回収する。
4. 回収した粘液を、分析のために滅菌遠心管に入れる。
2)洞分泌収集物のための培養技術:
上記の技術で集めた粘液の標本を、以下の手順にしたがってコンタミネーションを防ぐために層流フード下で培養する。
1. 粘液標本を、等量の希釈ジチオスレイトール(90mlの滅菌水を有する10mlの滅菌ジチオスレイトール)で希釈し、そして30秒間ボルテックスに付す。
2. 粘液を溶かすために、混合物を室温で15分間静置する(この間に、ジチオスレイトールはジスルフィド結合を破壊する)。
3. 混合物を、50mlのチューブ中で3000×gにて10分間遠心分離する。
4. 上清を捨て、そして沈殿物を30秒間ボルテックスに付す。
5. 0.5mlの当該沈殿物を真菌増殖培地:
−クロラムフェニコール(125μg/ml)を含有する阻害性カビ寒天プレート;
−シプロフロキサシン(5μg/ml)を含有する阻害性カビ寒天プレート;
−5%ヒツジ血、ゲンタマイシン(5μg/ml)、およびクロラムフェニコール(15μg/ml)を含有する脳−心臓注入プレート;
−5%クロラムフェニコール(15μg/ml)、ゲンタマイシン(5μg/ml)、およびシクロヘキシミド(5mg/ml)を含有する脳−心臓注入寒天プレート
(上記の抗菌剤は、培地中の細菌の増殖を予防するために利用される)
を含有する別の寒天プレートに播種する;
6. 当該プレートを30℃にてインキュベートし、30日間待つ。30日のインキュベーション期間後、2日間の間隔で試験し、そしてすべての培養物の真菌増殖を同定する。
(b)処置期間
訪問2:訪問2(処置週のベースライン)時に、患者を、以下の手順/評価に付す:身体検査、生命徴候、妊娠尿検査、コンピュータートモグラフィー(CT)スキャン、洞MRI T2(選択的であって、選ばれた志願施設においてのみ)、視力検査、検眼鏡検査および視覚的アナログ尺度(VAS)を用いる選択的症候の臨床的評価。患者に、スクリーニング期間以降の彼/彼女の医薬(複数も可)における変化について質問する。
次いで、登録/排除を満たす患者を、2つの処置群の1つに無作為化し、すなわち1つの群はテルビナフィン処置を受け、そして他の群はプラセボ処置を受ける。
患者に、塩酸塩として、625mgのテルビナフィン塩基当量(または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量)またはプラセボを投与し、そして治験医師の診察室において最初の用量を服用する。次いで、患者に、1日あたり625mgのテルビナフィン医薬(またはプラセボ)を、次の6週間毎日服用するように指示する。テルビナフィン医薬は1日すべての医薬を含有する単一錠剤として投与されるか、あるいは、たとえば2またはそれ以上の錠剤(それぞれ、1日の総量未満のテルビナフィン医薬を含有する)を、簡便には、複数の錠剤の合計用量が塩酸塩として625mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量となるように、投与時に合わせてもよい。このような例の1つには、塩酸塩として5個の125mg錠のテルビナフィン塩基当量の6週間にわたる1日1回投与が含まれる。塩酸付加塩形態以外のテルビナフィンの投与は、それにしたがって調節されたモル量とともに、同様に行われる。
訪問3:訪問3(処置期間の+3週)に、患者から、肝機能検査(LFT)を含む血液化学および全血球計算値(CBC)を含む血液学のために採取する。併用薬ならびに任意の有害事象について議論する。
訪問4(処置の最後;処置期間の+6週):患者を以下の手順/評価に付す:身体検査、生命徴候、研究室評価、視力検査、検眼鏡検査および視覚的アナログ尺度(VAS)を用いる選択的症候の臨床的評価、洞CTスキャン、洞MRI T2(選択的であって、選ばれた志願施設においてのみ)、鼻洗浄ならびに患者および医師総合評価。
一部の施設において、鼻粘膜のバイオプシーを、粘液および鼻粘膜におけるテルビナフィン濃度を評価するために行う。医師の診察室内での鼻粘膜のバイオプシーの技術は以下のとおりである:
1. 血管収縮剤と混合した局所麻酔剤の組合せ(たとえば0.001%エピネフリンを有する1%キシロカイン)を鼻腔にスプレーする。
2. 5分待ち、次いで再びスプレーするか、または同一の溶液で浸したコットノイド(cottonoid)を中鼻道に入れる。
3. 5分待つ。
4. 適当な可視化により、咬鉗子を用いて、篩骨胞(Bulla ethmoidalis)を覆う炎症を起こした鼻粘膜に加えてその粘液を注意深く除去する。接近できない場合、中鼻甲介と鼻外側壁との間の鼻粘膜を標本とする。
5. 集めた粘膜および粘液を、分析のために別々のバイアルに入れる。
(c)追跡評価期間
訪問5(ベースライン訪問から+15週)時に、以下の手順を行う:
身体検査、生命徴候、VASを用いる選択された症候の臨床的評価(ベースラインと処置の終了時を比較して)、ならびに患者および医師の総合評価。
結果の評価
慢性鼻副鼻腔炎の処置におけるテルビナフィンの効力の測定での一次変数は、0〜4のスケールのスコアを用いる5つの主要な左右洞(前部、上顎、前篩状および後篩状ならびに楔状)の総不透明化スコアの、ベースラインからの変化である。
慢性鼻副鼻腔炎の処置におけるテルビナフィンの効力の測定における二次変数は、
1)前部陥凹、中鼻道、漏斗(infundibulum)、および蝶篩陥凹の左右の閉塞の総スコアにおけるベースラインからの変化、それぞれ0または1として評点(CTスキャン);
2)副鼻腔炎の患者の総合評価;
3)副鼻腔炎の医師の総合評価;
4)治療応答の患者の評価;
5)治療応答の医師の評価;
6)顔面痛/圧迫VASにおけるベースラインからの変化;
7)顔面鬱血VASにおけるベースラインからの変化;および
8)鼻排出VASにおけるベースラインからの変化。
試験の結果は、効力の一次変数および二次変数に対して、1日1回塩酸塩として、625mgの経口テルビナフィン塩基当量(または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量)を含んでなる6週間のレジメンは、慢性鼻副鼻腔炎の処置のための治療上有効なレジメンを提供することを示す。

Claims (10)

  1. 塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む、慢性鼻副鼻腔炎の処置用医薬の製造のおける遊離塩基または酸付加塩の形態のテルビナフィンの使用。
  2. 経口投与形態として錠剤、ミニタブレット、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ペレットまたは液体経口投与形態に製剤化された慢性鼻副鼻腔炎の処置用医薬の製造における請求項1に記載の使用。
  3. 哺乳類における慢性鼻副鼻腔炎を処置する方法であって、1日あたり塩酸塩として、500mg〜約800mg、好ましくは約600mg〜約800mg、とりわけ約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量を含む組成物を、経口的に、症候を低減化するか、または慢性鼻副鼻腔炎を排除するのに有効な期間投与することを含んでなる方法。
  4. 哺乳類がヒトである、請求項3に記載の方法。
  5. 慢性鼻副鼻腔炎を低減化または排除するのに有効な期間が6週間を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 組成物が錠剤、ミニタブレット、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ペレットまたは液体経口投与形態に製剤化されている、請求項3に記載の方法。
  7. 組成物が錠剤またはミニタブレットの形態である、請求項6に記載の方法。
  8. 錠剤形態が、塩酸塩として、約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量の1つの錠剤を含むか、あるいはテルビナフィンの総合計量が、塩酸塩として、約625mgもしくは725mgのテルビナフィン塩基当量、または他の酸付加塩もしくは遊離塩基の形態のモル当量である2またはそれ以上の錠剤を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 慢性鼻副鼻腔炎が真菌性の病因を有する、請求項3に記載の方法。
  10. 簡便な場合には使用のための指示書、たとえばカレンダーパックとともに、請求項3〜9のいずれか1項に記載の方法において投薬されるように調整された、複数の請求項1において定義したテルビナフィン医薬または請求項3において定義した組成物を含むパック。
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