JP2005537887A - ロック可能ヒンジ - Google Patents

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Abstract

整形外科用ブレースに用いられるロック可能ヒンジが提供される。ニーブレースに用いられる場合、本発明のヒンジは人の起立や歩行を援助する膝固定ブレースを提供する。ヒンジは、ロックモードから自由可動域モード、そしてその反対に容易に切り換えられる。ヒンジがロックモードにあるとき、患者は、起立と歩行がよりうまくできるようになる。ボタンを押すことで、患者は膝を曲げて座ったり横になったりすることがより快適にできるようになる。ヒンジが自由可動域モードにあるとき、患者はヒンジをロックせずに理学療法活動に参加できる。

Description

本発明は整形外科用ブレース(矯正器)のヒンジに関する。具体的には、本発明のロック可能ヒンジは、ニーブレース(knee brace)と組み合わせて使用される際、膝関節を固定するロックモードと、膝を曲げるための自由可動域モードを提供する。
歩行や起立能力に障害を生じる筋骨格の疾患に苦しむ人は多い。例えば、筋ジストロフィー、多発性硬化症や小児麻痺(polio)のような神経系の疾患は、歩行や起立に不可欠な筋肉群を適切に制御する脳の能力を妨げる。他の例として、発作や脊髄損傷に苦しむ人々にとってもこれらの筋肉群を制御することは困難である。このような障害に苦しむ人には、歩行や起立は難しいか、あるいは不可能な場合がある。膝を曲げることができなくなるように足をブレースで固定することで起立や歩行が促される。膝の屈曲を防ぐ様々な脚用ブレースが利用可能である。
一般に、座ったり横になったりするときは膝を曲げることができればより快適になる。しかし、膝固定ブレースを装着している場合、膝の屈曲は不可能である。よって、このようなブレースを装着している人は、座ったり横になったりするときに必ずブレースを取り外さなければならない。ブレースを取り外すプロセスは難しく、時間がかかる。更に、再び立ち上がりたいときにブレースを脚に装着し直すことが必要になる。このプロセスも難しく、時間がかかるものである。
タウンゼンドデザイン(Townsend Design)によって製造され、トリガーロック(Trigger Lock)という名で販売されているヒンジは、ロックモードとロック解除モードを切り換えることができる。ロックモードでは、ヒンジは第1の屈曲角と第2の最大屈曲角との間を自由に回転することができる。ヒンジが第1の屈曲角よりも小さい屈曲角に達すると、ヒンジは自動的にロックし、ヒンジは第1の屈曲角よりも大きい屈曲角に達することができない。レバーを回転させることによってヒンジをロック解除することができ、ヒンジは第1の屈曲角よりも大きい屈曲角に達することができる。第2のレバーを回転させることにより、ヒンジをロック解除モードに配置することができる。このロック解除モードにおいて、ヒンジは自由に回転可能であり、第1の屈曲角よりも小さい屈曲角に達してもロックしない。
ディージェイ・オーソピーディクス(dj Orthopedics)(カリフォルニア州ヴィスタ(Vista, California))により製造され、米国特許第5,292,303号及び第5,409,449号に記載されているヒンジによってもロックモードとロック解除モードを切り換えることができる。ヒンジは、ほぼ半径方向に突出するレバーを含む。ばねは、レバーがヒンジアームの回転を妨げるロック位置に向けてレバーを付勢する。レバーがロック位置にあるとき、ヒンジは完全に伸張した状態でロックされる。レバーは、レバーがヒンジアームの回転を妨げないロック解除位置に移動することができる。レバーがロック解除位置にあるとき、ヒンジは完全に伸張した状態と約120°の屈曲との間を自由に回転することができる。ヒンジプレートのエッジに固定されたラッチが、レバーをロック解除位置に保持するようにレバーと選択的に係合可能である。ヒンジが完全に伸張した状態よりも小さい任意の角度に配向され、ラッチがレバーから外されると、レバーはロック位置に向けて付勢される。しかし、ヒンジアームのうち一方がレバーを妨げ、レバーがロック位置に達するのを防止する。ヒンジが完全に伸張した状態に達すると、ヒンジアームはレバーを妨げなくなり、レバーはロック位置にはまる。
ヒンジは屈曲制限ピン及び伸張制限ピンを更に含む。ピンは、ヒンジの屈曲範囲と伸張範囲を設定するようにヒンジプレートの複数の開口と選択的に係合可能である。このように、ピンを適切に位置決めすることにより、装着者はピンを用いてヒンジを完全に伸張した状態にロックし、屈曲を防ぐことができる。
ディージェイ・オーソピーディクスによって製造される他のヒンジによっても、ロックモードとロック解除モードを切り換えることができる。しかし、ヒンジは所定の屈曲角に達しても自動的にロックしない。ヒンジは、前後方向にスライド可能な2位置スイッチを含む。スイッチが後ろの位置にあるとき、ヒンジは完全に伸張した状態と約120°の屈曲との間を自由に回転可能である。ヒンジが完全に伸張した状態にあるとき、装着者はスイッチを前の位置にスライドさせ、この位置で、スイッチはヒンジを完全に伸張した状態にロックする。
ディージェイ・オーソピーディクスにより製造され、米国特許番号第5,921,946号に記載されている他のヒンジによっても、ロックモードとロック解除モードを切り換えることができる。このヒンジも、所定の屈曲角に達しても自動的にロックしない。ヒンジプレートのうち一方は、他方のヒンジプレートに接近離間するようにスライド可能なロックスイッチを含む。対向するヒンジプレートに向かってスイッチがスライドされると、スイッチは対向するヒンジプレート上にある複数のスロットのうちの1つと係合し、ヒンジの回転を防ぐ。スロットは、完全に伸張した状態を含む複数の異なる屈曲角でヒンジをロックできるように配置される。スイッチが対向するヒンジプレートから離れるようにスライドされると、スイッチはスロットから外れ、ヒンジは自由に回転可能になる。ヒンジは、伸張制限止め具と屈曲制限止め具を更に含む。各止め具は、ヒンジの最大伸張/屈曲範囲を設定するように複数の位置間をスライド可能である。各々の位置において、各止め具は一方のヒンジプレート上の異なるランドと係合し、伸張/屈曲限度を定める。
米国特許第5,292,303号明細書 米国特許第5,409,449号明細書 米国特許第5,921,946号明細書
ロック可能ヒンジの好適な実施の形態にはいくつかの特徴があるが、いずれの特徴もその望ましい特質のみに関与しているわけではない。後述の請求の範囲によって表されるロック可能ヒンジの範囲を限定せずに、そのより顕著な特徴を簡潔に論じる。この論述を考慮し、特に「好適な実施の形態の詳細な説明」と題するセクションを読んだ後、ロックモードと自由可動域モードとの間を容易に切り換え、ヒンジが組み込まれたブレースを着脱する必要性を取り除くことを含む利点が好適な実施の形態の特徴によってもたらされる態様を理解するであろう。
本発明のロック可能ヒンジの好適な実施の形態は、整形外科用ブレースに用いられるロック可能ヒンジを含む。このヒンジは、ヒンジプレートと、ヒンジプレートに回転可能に取り付けられ、ヒンジ軸を中心に回転可能なアームと、屈曲止め具とを含む。屈曲止め具は、屈曲止め具がアームの屈曲範囲を制限する第1の位置と、屈曲止め具がアームの屈曲範囲を制限しない第2の位置との間をヒンジ軸とほぼ平行な方向に移動可能である。
アームが第1の屈曲範囲を占めるとき、アームは屈曲止め具を第1の位置に保持することが好ましい。アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、アームは屈曲止め具を第1の位置に保持しないことが好ましい。アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、アームの屈曲当接面が屈曲止め具の屈曲当接面と協働してヒンジの屈曲範囲を制限することが好ましい。
ロック可能ヒンジは、屈曲止め具と選択的に係合可能なトグルを更に含むことができる。トグルが屈曲止め具と係合しないとき、屈曲止め具は、アームが第2の屈曲範囲を占める際に第2の位置に向かって移動することが好ましい。トグルが屈曲止め具と係合するとき、屈曲止め具は、アームが第2の屈曲範囲を占める際に第1の位置にとどまることが好ましい。
ロック可能ヒンジは、ヒンジプレートに回転可能に取り付けられ、第2のヒンジ軸を中心に回転可能な第2のアームを更に含むことができる。ロック可能ヒンジは、伸張止め具を更に含むことができる。
本発明のロック可能ヒンジの他の好適な実施の形態は、整形外科用ブレースのロック可能ヒンジを含む。このヒンジは、第1のヒンジ軸を定める第1の開口及び第2のヒンジ軸を定める第2の開口を有するヒンジプレートを含む。第1のアームが、第1のヒンジ軸を中心に回転できるようにヒンジプレートに固定されている。第2のアームが、第2のヒンジ軸を中心に回転できるようにヒンジプレートに固定されている。ヒンジは屈曲止め具を更に含む。屈曲止め具は、ヒンジプレートの凹部内で選択的に位置決め可能であるが、凹部の外に向かって付勢されている。これにより、アームが第1の屈曲範囲を占めるとき、アームは屈曲止め具を凹部内に保持してアームが第1の最大屈曲角に達するのを可能にする。アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、屈曲止め具は凹部から出され、アームを第1の最大屈曲角よりも小さい第2の最大屈曲角に制限する。
ヒンジは、第2のヒンジプレートを更に含むことができる。屈曲止め具は、プレート状部分と突起部を含むことが好ましい。突起部の断面はほぼ涙形に作られることが好ましい。突起部はボタンを含むことができる。ボタンの一部分が、第2のヒンジプレートの開口を通って突出することが好ましい。トグルが、第2のヒンジプレートの外側表面に取り付けられていることが好ましい。トグルは、第2のヒンジプレートから突出するボタンの部分と選択的に係合可能であることが好ましい。トグルがボタンと係合する際、トグルは屈曲止め具を凹部内に保持することが好ましい。トグルは、ボタンを受けるためのくぼみを含むことが好ましい。トグルは、くぼみに隣接する少なくとも1つの傾斜面を更に含むことが好ましい。トグルを第2のヒンジプレートに旋回可能に取り付けることができる。ボタンがくぼみに配置されると、ボタンはトグルの回転を妨げることが好ましい。トグルは、トグルがボタンと係合する際にボタンへのアクセスを可能にする通り穴を更に含むことが好ましい。トグルは、第2のヒンジプレートに旋回可能に取り付けられていることが好ましい。リベットにより第2のヒンジプレートにトグルを旋回可能に取り付けることができる。
トグルは溝を更に含むことが好ましい。溝は、ボタンと選択的に係合可能であることが好ましい。溝をV字形とすることができる。ボタンは中空の内部部分を含むことが好ましい。ボタンの中空内部部分はばねを収容することが好ましい。ばねは凹部に位置する柱を収容し、これによって屈曲止め具が柱に対して移動可能となり、柱から離れるように付勢されることが好ましい。
アームの端部は、第1及び第2のヒンジプレートの間に位置することが好ましい。リベットにより第1及び第2のヒンジプレートのうち少なくとも一方にアームを固定することができる。ヒンジは、アームと第1及び第2のヒンジプレートのうち少なくとも一方との間に配置された摩擦低減ベアリングプレートを更に含むことができる。ヒンジは、ヒンジプレートに固定された伸張止め具を更に含むことが好ましい。リベットによりヒンジプレートにアームを固定することができる。各アームの第1の端部はギヤ歯を含み、双方のアームが互いから独立して回転することができなくなるように第1のアームのギヤ歯は第2のアームのギヤ歯と噛み合うことが好ましい。
本発明のロック可能ヒンジの他の好適な実施の形態は、整形外科用ブレースのロック可能ヒンジを含む。このヒンジは、ヒンジプレートに回転可能に取り付けられた第1及び第2のヒンジアームを含む。ヒンジは、第1の位置と第2の位置との間を移動可能で、第2の位置に向かって付勢される屈曲止め具を更に含む。屈曲止め具が第1の位置にあり、ヒンジが所定の伸張角に達すると、屈曲止め具は第1の位置から第2の位置に移動する。
屈曲止め具が第1の位置にあるとき、屈曲止め具はヒンジの最大屈曲角を制限しないことが好ましい。屈曲止め具が第2の位置にあるとき、屈曲止め具はヒンジの最大屈曲角を制限することが好ましい。屈曲止め具は、第2の位置から第1の位置に移動可能であることが好ましい。
ヒンジはトグルを更に含むことが好ましい。トグルは、屈曲止め具を第1の位置にロックするように、屈曲止め具に固定された突起と選択的に係合可能であることが好ましい。屈曲止め具が第1の位置にロックされると、屈曲止め具は、ヒンジが所定の伸張角に達した際に第1の位置から第2の位置に移動できなくなることが好ましい。
ヒンジは、ヒンジの伸張角を制限する伸張止め具を更に含むことが好ましい。ヒンジは、ヒンジプレートと第1及び第2のアームとの間に位置する摩擦低減ベアリングプレートを更に含むことができる。アームの端部が第1及び第2のヒンジプレートの間に位置するように、ヒンジは第2のヒンジプレートを更に含むことができる。
本発明のロック可能ヒンジの他の好適な実施の形態は、人の起立及び/又は歩行の援助方法を含む。この方法は、膝を曲げた着席姿勢から始めるステップと、膝を伸ばし、脚を伸展位置までまっすぐに伸ばすステップと、脚に固定されたニーブレースに組み込まれたヒンジをロックし、ロックされたヒンジが膝を最大屈曲角に制限するようにするステップと、着席姿勢から立ち上がって立ち姿勢になるステップと、を含む。ロックステップは、屈曲止め具の突起からトグルを外すことを含む。
この方法は、屈曲止め具を第1の位置から第2の位置に移動させるステップを更に含むことができる。このステップでは、屈曲止め具が第1の位置にあるとき、屈曲止め具は膝を最大屈曲角に制限せず、屈曲止め具が第2の位置にあるとき、屈曲止め具は膝を最大屈曲角に制限する。屈曲止め具が第1の位置にあるとき、屈曲止め具はヒンジのヒンジプレートの凹部内に含まれ、屈曲止め具が第2の位置にあるとき、屈曲止め具は凹部から出されることが好ましい。
この方法は、歩くステップを更に含むことができる。この方法は、着席姿勢に戻るステップを更に含むことができる。この方法は、屈曲止め具上の突起を押し下げて屈曲止め具を第2の位置から第1の位置に移動させ、トグルを屈曲止め具の突起と係合させて屈曲止め具を第1の位置にロックするステップを更に含むことができる。
特徴を示すロック可能ヒンジの好適な実施の形態を詳細に論じる。これらの実施の形態は、添付の図面に示される非自明の新規なロック可能ヒンジを示すもので、これらは説明のためにすぎない。これらの実施の形態の説明では、方向は全てロック可能ヒンジ装着者の体に対して示される。よって、上面図/下面図は上/下の軸に沿った図を指し、側面図は内側/外側の軸に沿った図を指し、前面図/背面図は、前/後ろの軸に沿った図を指す。更に、例示する実施の形態のロック可能ヒンジを左膝の外側や右膝の内側に装着することができる。しかし、参照しやすくするために、本明細書では、左膝の外側に装着されているかのようにロック可能ヒンジを説明する。当業者は、例示するロック可能ヒンジの鏡像を左膝の内側や右膝の外側への装着に適用してもよいことを理解するであろう。好適な実施の形態において、本発明のロック可能ヒンジを含むニーブレースは、装着者の膝の各側部に1つのヒンジを有する。ロック可能ヒンジの図面は、同様の番号が同様の部品を示す下記の図を含む。
図1乃至図8Dに説明される本発明のロック可能ヒンジ20には、整形外科用ブレースにおいて広範囲の用途がある。このような用途の1つはニーブレースであり、ニーブレースは、歩行や起立能力に障害を生じる筋骨格の疾患に苦しむ人を援助する。例えば、医者は、本発明のロック可能ヒンジ20を含むニーブレースを小児麻痺患者や脊髄損傷に苦しむ患者に薦めることができる。このような患者は、歩行や直立に不可欠な筋肉群の制御が難しい場合がある。本発明のロック可能ヒンジ20を含むブレースは、患者がある一定の筋肉に依存する必要性を低減することによって患者の歩行や起立を可能にするものである。参照しやすくするために、本発明のロック可能ヒンジ20をこのような患者に関連して説明する。しかし、当業者はこのロック可能ヒンジ20が種々の他の用途にも適用可能であることを理解するであろう。従って、本発明のロック可能ヒンジ20を1つの用途に制限するものとして以下の説明を解釈すべきではない。
図1乃至図6を参照すると、ロック可能ヒンジ20は第1のアーム22及び第2のアーム24を含み、これらはそれぞれ第1のヒンジプレート26と第2のヒンジプレート28との間で旋回可能に固定されている。第1のアーム22は、第1の端部30(図5)において、ヒンジプレート26、28にほぼ垂直な第1のヒンジ軸34を中心に旋回可能である。第2のアーム24は、第1の端部32において第2のヒンジ軸36を中心に旋回可能であり、第2のヒンジ軸は第1のヒンジ軸34から離間され、これにほぼ平行している。ヒンジ20は、アーム22、24と第2のヒンジプレート28との間に位置する外側ベアリングプレート38、そしてアーム22、24と第1のヒンジプレート26との間に位置する内側ベアリングプレート40を含むことが好ましい。ベアリングプレート38、40は、ヒンジプレート26、28間のアーム22、24の回転を容易にする、ナイロンやデルリン(登録商標)などの低摩擦材料からなる。当業者は、ベアリングプレート38、40を設けなくてもよいことを理解するであろう。
ヒンジ20をニーブレース(図示せず)と組み合わせて使用する際、第1のアーム22は装着者の腿に沿って延びる第1の垂直部(図示せず)に相当し、第2のアーム24は装着者の下肢に沿って延びる第2の垂直部(図示せず)に相当する。各アーム22、24は、ファスナと協働して各アーム22、24をそれぞれの垂直部に固定する一対の開口42(図1)を、第1の端部30、32から離間された第2の端部付近に含むことが好ましい。当業者は、アーム22、24が開口42を含まなくてもよいことを理解するであろう。また、当業者は、垂直部をアーム22、24に固定せず、ヒンジ20に一体的に接続してもよいことを理解するであろう。例えば、各アーム22、24は装着者の脚に沿って延びてもよく、アーム22、24を装着者の脚に固定する装置を含んでもよい。
各アーム22、24は、各々の第1の端部30、32に隣接する通り穴44を含む(図5及び図6)。各通り穴44はファスナ(留め具)46(図1及び図5)と協働し、それぞれのアーム22、24をヒンジプレート26、28に旋回可能に固定する。例示の実施の形態において、ファスナ46はリベットを含む。しかし、当業者は、ファスナ46が、例えばボルト、ねじ又は他の同様のファスナを含んでもよいことを理解するであろう。
各アームの第1の端部30、32は、伸張当接面48及び屈曲当接面50を更に含む(図5及び6)。各アームの第1の端部30、32は、当接面48、50の中間に複数の歯52を更に含むことができる。各アーム22、24の歯52は、対向するアーム22、24の歯52と噛み合うことが好ましい。よって、アーム22、24は互いから独立して回転することができず、これにより、膝の屈曲や伸張の際にヒンジ20の動作が更に滑らかになる。当業者は、歯52を設けなくてもよいことと、歯52をなくしてアーム22、24を互いから独立して回転させることが可能であることを理解するであろう。
第1のヒンジプレート26の、前部エッジ56に隣接する外側面54(図5)の一部は溝58を含む。伸張止め具60(図5及び図6)の内側面(図示せず)上の隆起(図示せず)が溝内に位置し、伸張止め具60を第1のヒンジプレート26に固定する。第2のヒンジプレート28の、前部エッジ62(図5)に隣接する内側面(図示せず)の一部も溝(図示せず)を含む。伸張止め具60の外側面66(図5)上の隆起64が溝内に位置し、伸張止め具60を第2のヒンジプレート28に固定する。
伸張止め具60は、第1のヒンジプレート26(図5)の前部エッジ56に対応するほぼまっすぐな前部エッジ68を含むことが好ましい。伸張止め具60の後部エッジ70は、頂部76(図5及び図6)で交差する第1及び第2の隣接する内側湾曲部分72、74を含むことが好ましい。第1の湾曲部分72は第1のアーム22の第1の端部30に隣接して位置し、第2の湾曲部分74は第2のアーム24の第1の端部32に隣接して位置する。各湾曲部分72、74の半径は、第1及び第2のアーム22、24のギヤ歯付き部分52の外径よりもわずかに大きいことが好ましい。よって、湾曲部分72、74は、第1及び第2のアーム22、24の第1の端部30、32に対して明瞭な回転軌道を定める。
伸張止め具60は、ねじなどのファスナ(図示せず)を受ける少なくとも1つの開口78を含むことが好ましい。ねじは第1のヒンジプレート26のねじ穴80(図5)と協働し、伸張止め具60を第1のヒンジプレート26に固定する。例示の実施の形態では、開口78は頂部76に隣接して位置する。当業者は、開口78が伸張止め具60のいずれの場所に位置してもよいことを理解するであろう。更に、当業者は、伸張止め具60が1つよりも多い開口78を含んでもよいし、開口78を全く含まなくてもよいことを理解するであろう。例えば、伸張止め具60を第1のヒンジプレート26に接着することができる。機械的なファスナか、例えば接着によって伸張止め具60を第2のヒンジプレート28に固定することもできる。
伸張止め具60の上端部は第1の当接面82(図6)を含み、これは、第1のアーム22の伸張範囲を制限するように第1のアーム22の伸張当接面48と選択的に係合可能である。同様に、伸張止め具60の下端部は第2の当接面84を含み、これは、第2のアーム24の伸張範囲を制限するように第2のアーム24の伸張当接面48と選択的に係合可能である。例示の実施の形態では、伸張止め具60がヒンジ20の伸張を約10°に制限する。当業者は、他の伸張止め具を提供し、ヒンジ20をこれよりも大きい伸張かこれよりも小さい伸張に制限できることを理解するであろう。例えば、患者は所定の治療過程を進むにつれて膝を更に伸ばすことができるようになる可能性がある。よって、治療の進んだ段階で、医者は伸張止め具を取り外し、より大きな伸張を許容するものと取り替えることができる。
例示の実施の形態において、第1のヒンジプレート26は側面視でほぼ楕円形である。第1のヒンジプレート26は、第1及び第2のヒンジ軸34、36に対応する一対の開口86、88(図5)を含む。開口86、88は、第1のヒンジプレート26の縦軸にほぼ沿って位置し、縦軸に沿って測定した際に第1のヒンジプレート26の中心点からほぼ均等に離間されることが好ましい。ファスナ46はこれらの開口86、88と協働し、アーム22、24を第1のヒンジプレート26に固定する。
第1のヒンジプレート26の、後部エッジ90に隣接する外側面54の一部は、屈曲止め具94を選択的に収容する凹部92を含む(図5及び図7A乃至図7C)。屈曲止め具94は、好ましくはアーム22、24の厚さにほぼ等しい厚さを有するほぼプレート状の部分95(図7A及び図7B)を含む。屈曲止め具94の後部エッジ96はほぼまっすぐで、第1のヒンジプレート26の後部エッジ90に隣接して位置することが好ましい(図5及び図7A乃至図7C)。屈曲止め具94の前部エッジ98(図7A及び図7C)は、頂部104(図7A)で交差する第1及び第2の隣接する内部湾曲部分100、102を含むことが好ましい。
図6に示すように、第1の湾曲部分100は、第1のアームの第1の端部30のギヤ歯52に隣接して位置する。第2の湾曲部分102は、第2のアーム24の第1の端部32のギヤ歯52に隣接して位置する。各湾曲部分100、102の半径は、第1のアーム22及び第2のアーム24のギヤ歯付き部分52の外径よりもわずかに大きいことが好ましい。よって、湾曲部分100、102は、第1及び第2のアーム22、24の第1の端部30、32に対して明瞭な回転軌道を定める。
ほぼ円筒状のボタン106(図7A乃至図7C)が、屈曲止め具94の外側面108から突出している。例示の実施の形態において、ボタン106の横断面は完全に丸いわけではない。むしろ、断面は、丸みのある部分110及び頂部112(図7A)を含むほぼ涙形につくられている。当業者は、ボタン106の断面が丸くてもよいし、他のいかなる幾何学的な形や不規則な形でもよいことを理解するであろう。ボタン106は、ほぼ円筒状の中空内部部分114(図7C)を含むことが好ましい。後述するように、装着者は、ボタン106によってロック可能ヒンジ20をロック形状からリリースすることができる。
後部エッジ96と約85°の角度を形成する屈曲止め具94の上部エッジは第1の当接面116(図7A)を含み、これは、第1のアーム22の屈曲範囲を制限するように第1のアーム22の屈曲当接面50と選択的に係合可能である。同様に、後部エッジ96と約85°の角度を形成する屈曲止め具94の下部エッジは第2の当接面118(図7A)を含み、これは、第2のアーム24の屈曲範囲を制限するように第2のアーム24の屈曲当接面50と選択的に係合可能である。屈曲止め具の当接面116、118が第1及び第2のアーム22、24の屈曲当接面50と係合すると、屈曲止め具94はヒンジ20の屈曲を約10°に制限する。当業者は、屈曲止め具の各当接面116、118が屈曲止め具の後部エッジ96と交差する角度を変更することによって屈曲を増減してもよいことを理解するであろう。
第1のヒンジプレート26の外側面54の凹部92の周囲は、屈曲止め具94の周囲とほぼ同じであるがこれよりもわずかに大きいことが好ましい(図5)。凹部92の深さは、屈曲止め具のプレート状部分95の厚さよりもわずかに大きいことが好ましい。よって、図2、図4及び図6に示すように、凹部92は、プレート状部分95が第1のヒンジプレート26の外側面54よりも上に突出しないように屈曲止め具のプレート状部分95を収容することができる。凹部92の床120は、コイルばね124の内端部を受ける柱122(図5)を含む。コイルばね124の外端部は、ボタン106の中空内部部分114内に延びる。よって、コイルばね124がはね返って柱122の周りで拡張すると、屈曲止め具94は凹部92の中や外に移動できる。コイルばね124は、屈曲止め具94を凹部92から出るように付勢する。
第2のヒンジプレート28は、側面視でほぼ楕円形である(図1)。第2のヒンジプレート28は、第1及び第2のヒンジ軸34、36に対応する第1及び第2の開口126、128を含む(図5)。第1及び第2の開口126、128はファスナ46と協働し、第2のヒンジプレート28をヒンジ20に固定する。第2のヒンジプレート28は後部エッジ130(図5)に隣接して第3の開口132を含み、ボタン106がこの開口を通って突出する。第2のヒンジプレート28は、リベットなどのファスナ136を受ける第4の開口134(図5)を中心近くに含む。
トグル138(図5及び図8A乃至図8D)が、ファスナ136に旋回可能に取り付けられる。トグル138は、ファスナ136を受ける第1の通り穴139(図8C及び図8D)を有するほぼ長円形のスイッチである。トグル138は、第2のヒンジプレート28の外側面142(図5)に当接するほぼ平らな内側面140(図8A、図8C及び図8D)を有することが好ましい。トグル138は、ファスナ136を中心に360°旋回可能である。しかし、当業者は、トグルは360°未満で回転可能でもよいことを理解するであろう。また、トグル138を他の態様で第2のヒンジプレート28に取り付けてもよい。例えば、トグル138は第2のヒンジプレート28に対してスライド可能であってもよい。
図4に示すように、ファスナ136から離間されたトグル138の第1の端部144(図8A、図8C及び図8D)が第2のヒンジプレート28の後部エッジに隣接するようにトグル138が回転されると、第1の端部144はボタン106と係合する。この位置において、トグル138はボタン106を押下位置に保持し、プレート状部分95を凹部92内に付勢する。プレート状部分95が凹部92内にあるとき、屈曲止め具94の屈曲当接面116、118はアーム22、24の屈曲当接面50を妨げない。よって、アーム22、24は、伸張止め具60の伸張当接面82、84(図6)がアーム22、24の伸張当接面48に当接する最大伸張と、アーム22、24の屈曲当接面50(図6)がボタン106に当接する最大屈曲との間を自由に回転することができる。この形状は、ヒンジ20の自由可動域を定める。ヒンジ20の自由可動域は、完全な伸張よりも10°小さい角度と125°の屈曲の間にあることが好ましい。しかし、当業者は、ヒンジが様々な異なる伸張限度と屈曲限度の間の自由可動域を有してもよいことを理解するであろう。
都合のよいことに、装着者がボタン106を手動で押し下げない限り、ボタン106は常に第2のヒンジプレート28の外側面142(図2及び図3)よりも上に突出している。よって、ボタン106は、ヒンジ20が誤って自由可動域モードに入ってしまうのを防止する。仮に、トグル138が誤って回転し、第1の端部144がボタン106に接近した場合、トグル138はボタン106の側面と接触する。トグル138はボタン106を乗り越えられず、ヒンジを自由可動域モードにすることができない。
トグル138の内側面140は、ボタン106の断面とほぼ同じサイズ及び形状のくぼみ146を第1の端部144に隣接して含むことが好ましい(図8B、図8C及び図8D)。トグル138が図4に示すような自由可動域位置にあるとき、ボタン106の外側端148(図2及び図7B)の短尺はくぼみ146内に配置される。このように、ボタン106はトグル138をこの位置にロックする。
トグル138は、第2の通り穴150(図8B、図8C及び図8D)を第1の端部144に隣接して含むことが好ましい。第2の通り穴150は、くぼみ146のほぼ中心に位置するが、ボタンが第2の通り穴150に入るのを防ぐためにより短い周囲を有する。図4の自由可動域位置からトグル138をロック解除するために、装着者は、まっすぐにしたペーパークリップやペン先などの細長い物体を穴150に挿入してボタン106を押し下げ、同時にトグル138を回転させる。ボタン106がくぼみ146から離れると、トグル138は自由に回転することができる。
物体が第2の通り穴150に誤って入ってボタン106を押し下げ、これによりトグル138が図4の自由可動域位置から誤ってロック解除される、ということがないように、第2の通り穴150の周囲は十分に短いことが好ましい。ボタン106の外側端148(図7A及び図7C)は、中心付近にへこみ151を含むことが好ましい。へこみ151は、装着者が押力をかける際に物体がボタン106を横切ってすべってしまう傾向を減らすことにより、装着者が挿入する物体を案内し、ボタン106のスムーズな操作を可能にする。当業者は、へこみ151を設けなくてもよいことを理解するであろう。
屈曲止め具94は、プレート状部分95からボタン106とほぼ同じ方向に突出し、ボタン106から離間された第2のボタン(図示せず)を含んでもよい。第2のボタンは第2のヒンジプレート28の表面よりも上に延びることが好ましいが、トグル138と係合しないことが好ましい。トグル138とボタン106を係合させたり、これら2つの構成要素の係合を解除するために、装着者は第2のボタンを押し下げ、ボタンを押さえながらトグル138を回転させる。トグル138をボタン106と係合させている間、装着者の指はトグル138を妨げない。ボタン106からトグル138の係合を解除する際、装着者はボタン106を押し下げるために別個のツールを使用する必要はない。第2のボタンは、アーム22、24の回転を妨げないことが好ましい。例えば、第2のボタンをボタン106の後ろに配置することができる。第2のボタンがボタン106の前に配置される場合、アーム22は、アーム22が回転されると第2のボタンを収容するスロット(図示せず)を含むことができる。
トグル138がボタン106を押し下げない任意の位置にあるとき(図1、図2及び図3)、ばね124(図5)は屈曲止め具94を凹部92から出るように付勢する。しかし、アーム22、24が10°よりも大きい任意の屈曲角にある際、図2に示すように各アーム22、24の内側面が屈曲止め具94を凹部92内に保持する。よって、アーム22、24は、最大屈曲と最大伸張より−10°との間を自由に回転可能である。アーム22、24が最大伸張より−10°に達すると、図3に示すように、アームの屈曲当接面50は屈曲止め具94の屈曲当接面116、118から離れる。アーム22、24の内側面は、もはや屈曲止め具94を凹部92内に保持しない。図3に示すように、屈曲止め具94の外側面108が外側ベアリングプレート38の内側面に接触するまで、ばね124は屈曲止め具94を凹部92から押し出す。外側ベアリングプレート38が設けられない場合は、屈曲止め具94の外側面108が第2のヒンジプレート28の内側面に接触するまで、ばね124は屈曲止め具94を凹部92から押し出す。
トグル138の第1の端部144の反対側にある第2の端部152(図8A及び図8D)は、V字形のへこみ156を有する延長部154を含むことが好ましい(図8C)。トグル138がボタン106を押し下げないようにヒンジ20がロックモードにあるとき(図1、図2及び図3)、トグル138は、トグルの第1の端部144が第2のヒンジプレート28の前部エッジ62に隣接するように配向されることが好ましい(図1)。この向きにおいて、ボタン106の頂部112は、図1に示すようにトグル138の第2の端部152のV字形のへこみ156内に位置する。このように、ボタン106はトグル138が自由に回転するのを防止する。
屈曲止め具94が図3に示す位置にあるとき、屈曲止め具94はアーム22、24の屈曲を10°に制限する。よって、ヒンジ20は装着者の膝を支持し、装着者が膝を10°よりも大きく曲げるのを防止する。このように、ヒンジ20は筋骨格の障害をもつ患者に上記の利点をもたらす。患者が、例えば座るために膝を曲げる準備ができたとき、屈曲止め具94がアーム22、24を妨げなくなるまでボタン106を押し下げる。患者は、ボタン106を押さえながら膝を曲げることができる。
患者がヒンジ20を図4の自由可動域モードにロックしたい場合、ボタン106の外側端148(図7B)が第2のヒンジプレート28の外側面142とほぼ面一になるまでボタン106を完全に押し下げる。患者は、ボタン106を押し下げながら、トグル138を図4に示すロック位置に回転させる。ボタン106の外側面は持ち上がってトグル138のくぼみ146に入り、ヒンジ20を自由可動域モードにロックする。ボタン106をトグル138から外すには、患者は上記の手順をふむ。
ボタン106とくぼみ146との係合及び係合解除を容易にするために、外側端148の周囲は面取りした面158(図7B及び図7C)を含むことができる。同様に、くぼみに隣接するトグルのエッジは傾斜面159(図8A、図8B及び図8C)を含むことができる。トグル138がボタンの外側端148に近づくと、傾斜面159は面取り面158と係合し、ボタン106を第2のヒンジプレート28の外側面142に付勢する。よって、装着者は第2のヒンジプレート28の外側面142をボタンの外側端148と完全に面一になるように保持する必要はない。従って、装着者はヒンジ20をより容易にロックすることができる。当業者は、面取り面158及び傾斜面159のいずれもヒンジ20の適切な動作には必要ではないことを理解するであろう。
トグル138の周囲は、山頂状の突起を有するポインタ160(図8C)を含むことができる。第2のヒンジプレート28の外側面142は、ロックシンボル162及びロック解除シンボル164(図1)を含むことができる。トグル138の第1の端部がボタン106を覆い、ヒンジ20が自由可動域モードにある図4の位置にトグル138があるとき、ポインタ160はロック解除シンボル164の隣に配置され、ヒンジ20が自由可動域モードにあることを装着者に示す。トグルの第1の端部144がボタン106から180°の位置にあり、ヒンジ20がロック可能モードにある図1、図2及び図3の位置にトグル138があるとき、ポインタ160はロックシンボル162の隣に配置され、ヒンジ20がロックモードにあることを装着者に示す。当業者は、ヒンジ20のロックシンボル162及びロック解除シンボル164やポインタ160が、ヒンジの適切な動作には必要でないことを理解するであろう。
本発明のヒンジ20を含むニーブレースは、膝を固定するブレースの支持と、十分に柔軟性のあるブレースの可動性とを組み合わせたものである。ヒンジ20が図4のロックモードにあるとき、筋骨格の障害に悩む人はブレースを装着し、自身の起立と歩行を援助することができる。座るか又は横になる準備ができたとき、膝を曲げるためにブレースを取り外す必要はない。膝を曲げながらボタン106を押し下げるだけである。例えば、理学療法に参加するためにヒンジを自由可動域モードにロックしたい場合、ボタン106を押し下げ、トグルがボタン106を覆うまでトグル138を回転させる。ヒンジをもとのロックモードに切り換える準備ができたとき、細長い物体を通り穴150に挿入してボタン106を押し下げ、トグルがボタン106を覆わなくなるまでトグル138を回す。ボタン106がV字形のへこみ156と係合するように、トグル138を図1、図2及び図3に示す位置まで回転させることが好ましい。ボタン106は、このようにトグル138が自由に回転するのを防止する。脚をまっすぐにすることにより、アーム22、24が屈曲止め具94を凹部92内に保持しないようにアーム22、24を回転させる。屈曲止め具94は凹部から持ち上がり、ヒンジ20はロックモードになる。よって、ブレースは起立や歩行の支持を提供する。
上記は、本発明のロック可能ヒンジを実施するために熟慮された最良の形態と、本発明のロック可能ヒンジの製造及び使用の形態や方法を、任意の当業者がこのロック可能ヒンジを製造し使用できるよう完全に、明確に、そして厳密に説明したものである。しかし、このロック可能ヒンジは前述のものから変更物や他の構造物を生じることができ、これらは前述のものと完全に同等である。従って、このロック可能ヒンジは開示された特定の実施の形態に限定されない。反対に、このロック可能ヒンジは、ロック可能ヒンジの内容を具体的に示し、明確に主張する下記の請求の範囲によって広く表されるロック可能ヒンジの趣意及び範囲内に入る全ての変更物や他の構造物を含む。
本発明のロック可能ヒンジの好適な実施の形態の、内側/外側の軸に沿った側面図である。 図1のロック可能ヒンジの後ろ側からみた斜視図である。 図1のロック可能ヒンジの後ろ側からみた斜視図である。 図1のロック可能ヒンジの後ろ側からみた斜視図である。 図1のロック可能ヒンジの後ろ側からみた分解斜視図である。 図1のロック可能ヒンジの後ろ側からみた斜視図であり、外側のヒンジプレートが取り外されている。 図1のロック可能ヒンジの屈曲止め具の側面図である。 図7Aの屈曲止め具の背面図である。 図7Bの屈曲止め具の7C―7C線に沿った下面断面図である。 図1のロック可能ヒンジのトグルの下面図である。 図8Aのトグルの背面図である。 図8Aのトグルの側面図である。 図8Cのトグルの8D―8D線に沿った下面断面図である。

Claims (53)

  1. 整形外科用ブレースに用いられるロック可能ヒンジであって、
    ヒンジプレートと、
    ヒンジプレートに回転可能に取り付けられ、ヒンジ軸を中心に回転可能なアームと、
    屈曲止め具と、
    を含み、
    前記屈曲止め具は、該屈曲止め具が前記アームの屈曲範囲を制限する第1の位置と、前記屈曲止め具が前記アームの屈曲範囲を制限しない第2の位置との間を前記ヒンジ軸とほぼ平行な方向に移動可能である、
    ロック可能ヒンジ。
  2. 前記ヒンジプレートに回転可能に取り付けられ、第2のヒンジ軸を中心に回転可能な第2のアームを更に含む、請求項1のロック可能ヒンジ。
  3. 前記アームが第1の屈曲範囲を占めるとき、前記アームは前記屈曲止め具を前記第1の位置に保持する、請求項1のロック可能ヒンジ。
  4. 前記アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、前記アームは前記屈曲止め具を前記第1の位置に保持しない、請求項3のロック可能ヒンジ。
  5. 前記アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、前記アームの屈曲当接面が前記屈曲止め具の屈曲当接面と協働してヒンジの屈曲範囲を制限する、請求項4のロック可能ヒンジ。
  6. 前記屈曲止め具と選択的に係合可能なトグルを更に含む、請求項4のロック可能ヒンジ。
  7. 前記トグルが前記屈曲止め具と係合しないとき、前記屈曲止め具は、前記アームが前記第2の屈曲範囲を占める際に前記第2の位置に向かって移動する、請求項6のロック可能ヒンジ。
  8. 前記トグルが前記屈曲止め具と係合するとき、前記屈曲止め具は、前記アームが前記第2の屈曲範囲を占める際に前記第1の位置にとどまる、請求項7のロック可能ヒンジ。
  9. 伸張止め具を更に含む、請求項1のロック可能ヒンジ。
  10. 整形外科用ブレースのロック可能ヒンジであって、
    第1のヒンジ軸を定める第1の開口及び第2のヒンジ軸を定める第2の開口を有するヒンジプレートと、
    前記第1のヒンジ軸を中心に回転できるように前記ヒンジプレートに固定された第1のアームと、
    前記第2のヒンジ軸を中心に回転できるように前記ヒンジプレートに固定された第2のアームと、
    屈曲止め具と、
    を含み、
    前記屈曲止め具が、前記ヒンジプレートの凹部内で選択的に位置決め可能であるが前記凹部の外に向かって付勢されており、これにより、前記アームが第1の屈曲範囲を占めるとき、前記アームは前記屈曲止め具を前記凹部内に保持して前記アームが第1の最大屈曲角に達するのを可能にし、前記アームが第2の屈曲範囲を占めるとき、前記屈曲止め具は前記凹部から出され、前記アームを前記第1の最大屈曲角よりも小さい第2の最大屈曲角に制限する、
    ロック可能ヒンジ。
  11. 第2のヒンジプレートを更に含む、請求項10のロック可能ヒンジ。
  12. 前記屈曲止め具がプレート状部分及び突起部を含む、請求項11のロック可能ヒンジ。
  13. 前記突起部の断面がほぼ涙形に作られる、請求項12のロック可能ヒンジ。
  14. 前記突起部がボタンを含む、請求項12のロック可能ヒンジ。
  15. 前記ボタンの一部分が前記第2のヒンジプレートの開口を通って突出する、請求項14のロック可能ヒンジ。
  16. 前記第2のヒンジプレートの外側表面に取り付けられたトグルを更に含む、請求項15のロック可能ヒンジ。
  17. 前記トグルが、前記第2のヒンジプレートから突出する前記ボタンの部分と選択的に係合可能である、請求項16のロック可能ヒンジ。
  18. 前記トグルが前記ボタンと係合する際、前記トグルが前記屈曲止め具を前記凹部内に保持する、請求項17のロック可能ヒンジ。
  19. 前記トグルが前記ボタンを受けるためのくぼみを含む、請求項17のロック可能ヒンジ。
  20. 前記トグルは、前記くぼみに隣接する少なくとも1つの傾斜面を更に含む、請求項17のロック可能ヒンジ。
  21. 前記トグルが前記第2のヒンジプレートに旋回可能に取り付けられている、請求項16のロック可能ヒンジ。
  22. 前記ボタンが前記くぼみに配置されると、前記ボタンは前記トグルの回転を妨げる、請求項21のロック可能ヒンジ。
  23. 前記トグルは、前記トグルが前記ボタンと係合する際に前記ボタンへのアクセスを可能にする通り穴を更に含む、請求項22のロック可能ヒンジ。
  24. 前記トグルが前記第2のヒンジプレートに旋回可能に取り付けられている、請求項17のロック可能ヒンジ。
  25. 前記トグルが、リベットにより前記第2のヒンジプレートに旋回可能に取り付けられている、請求項24のロック可能ヒンジ。
  26. 前記トグルが溝を更に含む、請求項25のロック可能ヒンジ。
  27. 前記溝が前記ボタンと選択的に係合可能である、請求項26のロック可能ヒンジ。
  28. 前記溝がV字形である、請求項27のロック可能ヒンジ。
  29. 前記ボタンが中空の内部部分を含む、請求項14のロック可能ヒンジ。
  30. 前記ボタンの前記中空内部部分がばねを収容する、請求項29のロック可能ヒンジ。
  31. 前記ばねが前記凹部に位置する柱を収容し、前記屈曲止め具が前記柱に対して移動可能であり、前記柱から離れるように付勢される、請求項30のロック可能ヒンジ。
  32. 前記アームの端部が、前記第1及び第2のヒンジプレートの間に位置する、請求項11のロック可能ヒンジ。
  33. 前記アームが、リベットにより前記第1及び第2のヒンジプレートのうち少なくとも一方に固定されている、請求項11のロック可能ヒンジ。
  34. 前記アームと前記第1及び第2のヒンジプレートのうち少なくとも一方との間に配置された摩擦低減ベアリングプレートを更に含む、請求項11のロック可能ヒンジ。
  35. 前記ヒンジプレートに固定された伸張止め具を更に含む、請求項10のロック可能ヒンジ。
  36. 前記アームが、リベットにより前記ヒンジプレートに固定されている、請求項10のロック可能ヒンジ。
  37. 各アームの第1の端部がギヤ歯を含み、前記アームが互いから独立して回転することができなくなるように前記第1のアームの前記ギヤ歯が前記第2のアームの前記ギヤ歯と噛み合う、請求項10のロック可能ヒンジ。
  38. 整形外科用ブレースのロック可能ヒンジであって、
    ヒンジプレートに回転可能に取り付けられた第1及び第2のヒンジアームと、
    第1の位置と第2の位置との間を移動可能で、前記第2の位置に向かって付勢される屈曲止め具と、
    を含み、
    前記屈曲止め具が第1の位置にあり、前記ヒンジが所定の伸張角に達すると、前記屈曲止め具が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、
    ロック可能ヒンジ。
  39. 前記屈曲止め具が前記第1の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記ヒンジの最大屈曲角を制限しない、請求項38のロック可能ヒンジ。
  40. 前記屈曲止め具が前記第2の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記ヒンジの最大屈曲角を制限する、請求項38のロック可能ヒンジ。
  41. 前記屈曲止め具が前記第2の位置から前記第1の位置に移動可能である、請求項38のロック可能ヒンジ。
  42. トグルを更に含む、請求項38のロック可能ヒンジ。
  43. 前記トグルは、前記屈曲止め具を前記第1の位置にロックするように、前記屈曲止め具に固定された突起と選択的に係合可能である、請求項42のロック可能ヒンジ。
  44. 前記屈曲止め具が前記第1の位置にロックされると、前記屈曲止め具は、前記ヒンジが所定の伸張角に達した際に前記第1の位置から前記第2の位置に移動することができない、請求項43のロック可能ヒンジ。
  45. 前記ヒンジの伸張角を制限する伸張止め具を更に含む、請求項38のロック可能ヒンジ。
  46. 前記ヒンジプレートと第1及び第2のアームとの間に位置する摩擦低減プレートを更に含む、請求項38のロック可能ヒンジ。
  47. 前記アームの端部が前記第1及び第2のヒンジプレートの間に位置するように第2のヒンジプレートを更に含む、請求項38のロック可能ヒンジ。
  48. 人の起立及び/又は歩行の援助方法であって、
    膝を曲げた着席姿勢から始めるステップと、
    前記膝を伸ばし、脚を伸展位置までまっすぐに伸ばすステップと、
    前記脚に固定されたニーブレースに組み込まれたヒンジをロックし、ロックされた前記ヒンジが前記膝を最大屈曲角に制限するようにするステップと、
    前記着席姿勢から立ち上がって立ち姿勢になるステップと、
    を含み、
    前記ロックステップが、屈曲止め具の突起からトグルを外すことを含む、
    前記方法。
  49. 前記屈曲止め具を第1の位置から第2の位置に移動させるステップを更に含み、このステップにおいて、前記屈曲止め具が前記第1の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記膝を最大屈曲角に制限せず、前記屈曲止め具が前記第2の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記膝を最大屈曲角に制限する、請求項48の方法。
  50. 前記屈曲止め具が前記第1の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記ヒンジのヒンジプレートの凹部内に含まれ、前記屈曲止め具が前記第2の位置にあるとき、前記屈曲止め具は前記凹部から出される、請求項49の方法。
  51. 歩くステップを更に含む、請求項49の方法。
  52. 前記着席姿勢に戻るステップを更に含む、請求項49の方法。
  53. 前記屈曲止め具の前記突起を押し下げて前記屈曲止め具を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させ、前記トグルを前記屈曲止め具の前記突起と係合させて前記屈曲止め具を前記第1の位置にロックするステップを更に含む、請求項49の方法。
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