JP2005522996A - Rsvタンパク質、抗体、組成物、方法および使用 - Google Patents

Rsvタンパク質、抗体、組成物、方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質をコードする単離された核酸を含む少なくとも1種の新規のRSVタンパク質、抗体、RSVベクター、宿主細胞、トランスジェニック動物または植物、および治療用組成物、方法およびデバイスを含み、それらを製造および使用する方法に関する。

Description

本発明は、少なくとも1種の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)タンパク質またはその断片、および特定の部分または変種を含み、従って特異性である抗体、ならびにこのようなRSVタンパク質をコードする核酸、断片、抗体、相補的核酸、ベクター、宿主細胞、および治療製剤、投与およびデバイスを含むそれらを製造および使用する方法に関する。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、通常上部および下部気道に感染するニューモウイルス属のパラミクソウイルスである。2歳で、高い割合の小児がこれに感染するほどこれは感染性である。さらに、4歳では、実際的にすべてのヒトがRSVに免疫を有する。典型的には、RSV感染は温和であり、上部気道内に局在して残存しそして大規模な治療は必要としない通常の風邪に類似した症状を起こす。しかし、一部の個体、例えば免疫抑制個体、例えば小児、老齢者または潜伏している心肺疾患を有する患者では、ウイルスは下部気道に浸透し入院および呼吸介助を必要とすることもある。これらの事例の一部では、RSV感染は永久的肺障害または生命の危険をももたらすこともある。米国だけでも、RSVは毎年90,000人の入院をもたらし、そして約4500人の死亡となっている。
RSVは、主として付着性糖タンパク質Gに関連する血清学的相違に基づいて、2種の主要な系統サブグループ、AおよびB、として現れる。主要な表面糖タンパク質、すなわち90kD Gタンパク質は、単離物間のアミノ酸レベルで50%まで異なることができる。反対に、潜在的な治療標的、すなわち70kD融合(F)タンパク質は、異なるRSV系統間で高度に、すなわちアミノ酸レベルで約89%が保存される。その上、与えられたタイプのF−タンパク質に対して誘発された抗体は他のタイプと交差反応性であることが知られている。
F−タンパク質はヘテロ二量体であり、それぞれ48および23kDのジスルフィド結合断片よりなる線型前駆体より生成される。ポリクローナル抗体による合胞体形成の阻害は、23kD断片への著しい反応と関連している。知られているように、RSV感染は通常温和であるが、一部の個体ではRSV感染は生命に危険となることがある。
しかし、RSVに特異性のヒト化およびFab断片の従来公開された報告にもかかわらず、改善された治療能力を有する改善された抗−RSV抗体、具体的にはRSV感染を有効に中和しそして防止してRSV F−タンパク質に高い親和性および特異性を有する抗−RSV抗体に対する著しい必要性がまだ存在する。
ヒト以外の哺乳動物、キメラ、ポリクローナル(例えば血清)および/またはモノクローナル抗体(Mab類)および断片(例えばそれらのタンパク質分解性消化または融合タンパク質産物)は、ある種の疾患を治療する試みとしてある場合に研究されている保存的な治療剤である。しかし、このような抗体または断片は、ヒトに投与された場合に免疫反応を誘発する可能性がある。このような免疫反応は、循環から抗体または断片の免疫複合体−媒介クリアランスをもたらすことができ、そして治療のための反復投与を不適当とし、これにより患者への治療利益を低下しそして抗体または断片の再投与を制限する。例えば、ヒト以外の部分を含んでなる抗体または断片の反復投与は、血清疾患および/または過敏症となり得る。それらおよびその他の問題を避けるために、当該技術分野では周知のようなキメラ化およびヒト化を含むそれらのこのような抗体および部分の免疫原性が低下されるように多数の手段が採用されている。しかし、それらおよびその他の手段も一部の免疫原性、低い親和性、低い結合活性(avidity)または細胞カルチャー、規模拡大、製造、および/または低収率に問題を有する抗体または断片をもたらす可能性がある。従って、このような抗体または断片は、治療タンパク質としての製造または使用のための適合が理想より遠い可能性がある。
従って、それらの問題の1種またはそれ以上を克服するRSVタンパク質もしくは抗体または断片ならびに公知のタンパク質もしくは抗体またはそれらの断片の改善を提供する要求がある。
本発明は、単離されたヒト、霊長類、げっ歯類、哺乳動物、キメラ、またはヒトRSVタンパク質、抗体、免疫グロブリン、切断産物およびその他の特定のタンパク質およびそれらの変種、ならびにRSVタンパク質または抗体組成物、コード化または相補性核酸、ベクター、宿主細胞、組成物、製剤、デバイス、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物、およびこれらの製造および使用の方法を提供し、それらは当該技術分野で公知のものと組み合わせて本明細書中に記載されそして可能となる。
本発明は、本明細書中に記載されたような少なくとも1種の単離されたRSV抗体も提供する。本発明に従う抗体は、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分、例えば、これらに限定はされないが、重鎖もしくは軽鎖可変領域の少なくとも1個の相補性決定領域(CDR)(超可変領域またはHVとも呼ばれる)、またはそれらのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖の定常領域、フレームワーク領域、またはそれらのいずれかの部分を含んでなる分子を含むいずれのタンパク質またはペプチドも含むことができ、ここで、抗体は本発明の抗体内に組み込まれることができる。本発明の抗体は、あらゆる哺乳動物、例えば、これらに限定はされないが、ヒト、マウス、ラビット、ラット、げっ歯類、霊長類、またはそれらのあらゆる組み合わせなどを含みまたはそれらより誘導されることができる。
本発明は、一つの局面では、少なくとも1個の特定の配列、ドメイン、部分もしくはそれらの変種を含んでなる特定のRSVタンパク質もしくは抗体をコードするポリヌクレオチドを含んでなる相補性であるか、またはそれらにハイブリダイズする単離された核酸分子を提供する。本発明はさらに、少なくとも1種の該RSVタンパク質または抗体をコードするかもしくは相補性の核酸分子を含んでなる組換えベクター、このような核酸および/または組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのような抗体核酸、ベクターおよび/または宿主細胞を製造および/または使用する方法も提供する。
本発明の少なくとも1個の抗体は、少なくとも1個のRSVタンパク質、サブユニット、断片、部分またはそれらのあらゆる組み合わせに特異性の少なくとも1個の特定のエピトープを結合する。少なくとも1個のエピトープは、該タンパク質の少なくとも1個の部分を含んでなる少なくとも1個の抗体結合領域を含んでなることができ、そのエピトープは、好ましくはその少なくとも一部分の少なくとも1〜5個のアミノ酸を含んでなり、例えばそれらに限定はされないが、該タンパク質の少なくとも1個の機能性、細胞外、可溶性、親水性、外部もしくは細胞質ドメインまたはそれらのいずれかの部分を含んでなることができる。
少なくとも1種の抗体は、場合により少なくとも1個の相補性決定領域(CDR)(例えば重鎖または軽鎖可変領域のCDR1、CDR2またはCDR3)の少なくとも1個の特定部分および場合により少なくとも1個の定常または可変フレームワーク領域またはそれらのいずれかの部分を含んでなることができる。少なくとも1個の抗体アミノ酸配列は、さらに場合により、本明細書中に記載または当該技術分野で公知の少なくとも1個の特定の置換、挿入または欠失を含んでなることができる。
本発明は、本明細書中に記載の少なくとも1種のRSVタンパク質または抗体も提供し、ここで、抗体は少なくとも1種の活性、例えば、それらに限定はされないが、いずれかのRSV生物学的活性を有する。従って、RSVタンパク質抗体は、公知の方法に従って相当する活性、例えば、これらに限定はされないが、RSVタンパク質またはタンパク質関連機能に対する少なくとも1種の生物学的活性に関してスクリーニングできる。
本発明は、さらに本発明の少なくとも1種の抗体に対する少なくとも1種のRSV抗−イディオタイプ抗体を提供する。抗−イディオタイプ抗体には、免疫グロブリン分子の少なくとも1部分、例えば、これらに限定はされないが、軽鎖もしくは重鎖の少なくとも1個の相補性決定領域(CDR)またはそれらのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖の可変領域、重鎖もしくは軽鎖の定常領域、フレームワーク領域、または本発明の抗体内に組み込むことができるそれらのいずれかの部分を含んでなる分子を含むあらゆるタンパク質またはペプチドが含まれる。本発明の抗体は、あらゆる哺乳動物、例えば、これらに限定はされないが、ヒト、マウス、ラビット、ラット、げっ歯類、霊長類などを含むかまたはそれらより誘導できる。本発明は、一つの局面では、少なくとも1個の特定の配列、ドメイン、部分もしくはそれらの変種を含んでなる少なくとも1種のRSV抗−イディオタイプ抗体をコードするポリヌクレオチドを含んでなるか、相補性であるか、またはハイブリダイゼーションする単離された核酸分子を提供する。本発明は、さらに、該RSV抗−イディオタイプ抗体をコードする核酸分子を含んでなる組換えベクター、このような核酸および/または組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのような抗−イディオタイプ抗体核酸、ベクターおよび/または宿主細胞を製造および/または使用する方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種のRSV抗体が検出可能および/または回収可能な量で発現される条件下で本明細書記載のように宿主細胞を培養することを含んでなる、少なくとも1種のRSVタンパク質もしくは抗体、またはRSV抗−イディオタイプ抗体を宿主細胞中で発現するための少なくとも1種の方法も提供する。
本発明は、(a)単離されたRSVタンパク質もしくは抗体をコードする核酸および/または本明細書中に記載のタンパク質もしくは抗体および(b)適当なキャリヤもしくは希釈剤を含んでなる少なくとも1種の組成物も提供する。キャリヤまたは希釈剤は、場合により製薬学的に許容できるものであり、例えば、これらに限定はされないが、公知のキャリヤまたは希釈剤であることができる。組成物は、場合により、さらに少なくとも1種の別の化合物、タンパク質または組成物を含んでなることができる。
本発明は、さらに、当該技術分野で公知および/または本明細書中に記載するような、細胞、組織、器官、動物もしくは患者内の少なくとも1種のRSV関連症状および/または関連症状の前、その後もしくは同時に緩和もしくは治療するために治療的な有効量を投与するための少なくとも1種のRSVタンパク質または抗体、方法または組成物を提供する。
本発明は、本発明に従う少なくとも1種のRSVタンパク質または抗体の治療的または予防的な有効量の送達のための少なくとも1種の組成物、デバイスおよび/または方法も提供する。
本発明は、さらに、当該技術分野で公知および/または本明細書中に記載するような、細胞、組織、動物または患者内の少なくとも1種のRSV関連症状および/または関連症状の前、その後、もしくは同時の診断のための少なくとも1種のRSVタンパク質もしくは抗体、方法または組成物を提供する。
本発明は、本発明に従う少なくとも1種のRSVタンパク質または抗体の診断のための少なくとも1種の組成物、デバイスおよび/または送達のための方法も提供する。
少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質をコードする単離された核酸、単離された核酸を含んでなる単離された核酸ベクター、および/または単離された核酸を含んでなる原核もしくは真核宿主細胞も提供する。宿主細胞は、場合により原核もしくは真核細胞、またはそれらの融合細胞、例えば、これらに限定はされないが、哺乳動物、植物または昆虫、例えば、これらに限定はされないが、CHO、骨髄腫、もしくはリンパ腫細胞、細菌細胞、酵母細胞、カイコ細胞、またはそれらのいずれかの誘導体、不死化または形質転換した細胞より選択される少なくとも1種であることができる。例えばRSVタンパク質は検出可能または回復可能な量で発現されるようにin vitro、in vivoまたはin situの条件下でタンパク質をコードする核酸を翻訳することを含んでなる少なくとも1種のRSVタンパク質を産生するための方法も提供される。
少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質および少なくとも1種の製薬学的に許容できるキャリヤまたは希釈剤を含んでなる組成物も提供される。本組成物は、場合によりさらに、検出可能な標識またはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド抗炎症薬(NTHE)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、疥癬薬、コルチコステロイド、同化ステロイド、エリスロポイエチン、免疫化剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤、成長ホルモン、ホルモン代替薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、喘息薬剤、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、エピネフリン(epinephrine)または類似薬、サイトカイン、またはサイトカインアンタゴニストの少なくとも1種より選ばれる少なくとも1種の化合物またはタンパク質の有効量を含んでなることができる。
細胞、組織、器官もしくは動物を用いるか、またはそれらへ、本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質の有効量を含んでなる組成物を接触または投与することを含んでなる、細胞、組織、器官もしくは動物中のRSV関連症状を診断または治療するための方法も提供される。本方法は、場合によりさらに、細胞、組織、器官または動物のkgあたりに0.0000001〜500mgの有効量を用いることを含んでなることができる。本方法は、場合によりさらに、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮より選ばれる少なくとも1種の様式による接触または投与を用いることを含んでなることができる。本方法は、場合によりさらに接触または投与の前、同時またはその後に、少なくとも1種の検出可能な標識もしくはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、抗炎症薬、非ステロイド抗炎症薬(NTHE)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、疥癬薬、コルチコステロイド、同化ステロイド、エリスロポイエチン、免疫化剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤、ホルモン、ホルモン代替薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、喘息薬剤、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、エピネフリンまたは類似薬、サイトカイン、またはサイトカインアンタゴニストから選択される少なくとも1種の化合物またはタンパク質の有効量を含んでなる少なくとも1種の組成物を投与することを含んでなることができる。
本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質を含んでなる少なくとも1種の医療用デバイスも提供され、ここで、デバイスは非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮から選択される少なくとも1種の様式により少なくとも1種のRSVタンパク質と接触またはこれを投与するために適する。
包装材料および本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質からの溶液または冷凍乾燥された形を含んでなる容器を含んでなる、ヒト薬剤または診断使用のための製品も提供される。本製品は、場合により、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮送達デバイスまたはシステムの構成要素として容器を有することを含んでなることができる。
タンパク質を回収可能な量で発現できる宿主細胞またはトランスジェニック動物またはトランスジェニック植物または植物細胞を提供することを含んでなる、本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質を産生するための方法も提供される。さらに上記の方法により製造された少なくとも1種のRSVタンパク質も本発明内で提供される。
別の局面では、本発明は、配列番号7〜12、図3〜4のいずれかの部分または図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされるアミノ酸配列を含んでなる少なくとも1個の可変領域を含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を提供する。
別の局面では、本発明は、配列番号1〜6、図3〜4のいずれかの部分または図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされるアミノ酸配列を含んでなる重鎖のすべてもしくは軽鎖のすべての相補性決定領域(CDR)アミノ酸配列を含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を提供する。
別の局面では、本発明は、配列番号1〜6の少なくとも1個の少なくとも一部のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの重鎖もしくは軽鎖CDRを含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を提供する。
別の局面では、本発明は、いずれかの公知のRSVタンパク質、例えばF糖タンパク質のアミノ酸配列に少なくとも1〜3個ないしすべてを含んでなる少なくとも1個のエピトープを抗体が特異的に結合する、少なくとも1種のヒトCDRを含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を提供する。
この少なくとも1種の抗体は、場合により、少なくとも10−9M、少なくとも10−10M、少なくとも10−11M、もしくは少なくとも10−12Mより選択される少なくとも1種の親和性をもって少なくとも1種のRSVをさらに結合でき、少なくとも1種のRSVタンパク質の少なくとも1種の活性を本質的に中和する。少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体をコードする単離された核酸、単離された核酸を含んでなる単離された核酸ベクター、および/または単離された核酸を含んでなる原核もしくは真核宿主細胞も提供する。宿主細胞は、場合により、原核もしくは真核細胞、またはそれらの融合細胞、例えば、これらに限定はされないが、哺乳動物、植物もしくは昆虫、例えばこれらに限定はされないが、CHO、骨髄腫、もしくはリンパ腫細胞、細菌細胞、酵母細胞、カイコ細胞、またはそれらのいずれかの誘導体、不死化または形質転換された細胞より選択される少なくとも1種であることができる。また、RSV抗体は検出可能または回収可能な量で発現されるように、in vitro、in vivoまたはin situの条件下で抗体をコードする核酸を翻訳することを含んでなる、少なくとも1種のRSVタンパク質を産生するための方法も提供される。
少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体および少なくとも1種の製薬学的に許容できるキャリヤまたは希釈剤を含んでなる組成物も提供される。本組成物は、場合によりさらに、検出可能な標識またはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド抗炎症薬(NTHE)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、疥癬薬、コルチコステロイド、同化ステロイド、エリスロポイエチン、免疫化剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤、成長ホルモン、ホルモン代替薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、喘息薬剤、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、エピネフリンまたは類似薬、サイトカイン、またはサイトカインアンタゴニストの少なくとも1種より選ばれる少なくとも1種の化合物またはタンパク質の有効量を含んでなることができる。
本発明は、さらに、本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を特異的に結合する抗イディオタイプ抗体または断片を提供する。
細胞、組織、器官もしくは動物を用いるか、またはそれらへ、本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体の有効量を含んでなる組成物を接触または投与することを含んでなる、細胞、組織、器官もしくは動物中のRSV関連症状を診断または治療するための方法も提供される。本方法は、場合によりさらに、細胞、組織、器官または動物のkgあたりに0.0001〜500mgの有効量を用いることを含んでなることができる。本方法は、場合によりさらに、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮より選ばれる少なくとも1種の様式により接触または投与を用いることを含んでなることができる。本方法は、場合によりさらに接触または投与の前、同時またはその後に、少なくとも1種の検出可能な標識もしくはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、抗炎症薬、非ステロイド抗炎症薬(NTHE)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、疥癬薬、コルチコステロイド、同化ステロイド、エリスロポイエチン、免疫化剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤、ホルモン、ホルモン代替薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、刺激薬、喘息薬剤、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、エピネフリンまたは類似薬、サイトカイン、またはサイトカインアンタゴニストから選択される少なくとも1種の化合物またはタンパク質の有効量を含んでなる少なくとも1種の組成物を投与することを含んでなることができる。
本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を含んでなる少なくとも1種の医療用デバイスも提供され、ここで、デバイスは非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮から選択される少なくとも1種の様式により少なくとも1種のRSVタンパク質と接触またはこれを投与するために適する。
包装材料および本発明の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSVタンパク質からの溶液または冷凍乾燥された形を含んでなる容器を含んでなる、ヒト薬剤または診断使用のための製品も提供される。製品は、場合により、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もしくは経皮送達デバイスまたはシステムの構成要素として容器を有することを含んでなることができる。
抗体を回収可能な量で発現できる宿主細胞またはトランスジェニック動物またはトランスジェニック植物または植物細胞を提供することを含んでなる、本発明の少なくとも1種の哺乳動物RSV抗体を産生するための方法を提供することも提供される。さらに上記の方法により製造された少なくとも1種のRSV抗体も本発明内で提供される。
本発明は、本明細書中に記載するあらゆる発明も提供する。
[発明の詳細な記述]
本発明は、単離、組換えおよび/または合成されたRSVヒト、霊長類、げっ歯類、哺乳動物、キメラ、ヒト化またはCDRグラフト化、抗体およびそのRSV抗イディオタイプ抗体、ならびに少なくとも1種のRSV抗体または抗−イディオタイプ抗体をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドを含んでなる組成物およびコーディング核酸分子を提供する。本発明は、診断および治療組成物、方法およびデバイスを含むこのような核酸および抗体、抗−イディオタイプ抗体作製および使用の方法をさらに含むがこれらに限定はされない。
本明細書中に使用される場合に、「呼吸器合胞体ウイルス抗体」、「RSV抗体」などは、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分、例えば、これらに限定はれないが、重鎖もしくは軽鎖もしくはそれらのリガンド結合部分の少なくとも1個の相補性決定領域(CDR)、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、もしくはそれらのあらゆる部分、断片もしくはそれらの変種、またはRSVレセプターもしくは結合タンパク質の少なくとも1個の部分を含んでなる分子を含むあらゆるタンパク質またはペプチドを含み、それらは本発明のRSV抗体内に組み込むことができる。
抗体は、少なくとも1個のCDR、少なくとも1個の可変領域、少なくとも1個の定常領域、少なくとも1個の重鎖(例えばγ、γ、γ、γ、μ、α、α、δ、ε)、少なくとも1個の軽鎖(例えばκおよびλ)、またはそれらのあらゆる部分もしくは断片の1種またはそれ以上を含むことができ、そしてさらに鎖間および鎖内ジスルフィド結合、ヒンジ領域、ヒンジ領域により分離されることができるグリコシル化部位、ならびに重鎖および軽鎖を含んでなることができる。軽鎖は典型的には約25Kdの分子量を有し、そして重鎖は典型的には50K〜77Kdの範囲内にある。軽鎖は2種類の区別されるタイプまたはイソタイプ、すなわちカッパ(κ)およびラムダ(λ)として存在でき、それらはいずれの重鎖タイプとも組み合うことができる。すべての軽鎖は少なくとも1個の可変領域および少なくとも1個の定常領域を有する。IgG抗体は典型的な抗体構造と考えられそして軽鎖内に2個の鎖内ジスルフィド結合を有し(1個は可変領域内そして1個は定常領域内)、重鎖内には4個を有し、そしてこのような結合は、鎖内に約110アミノ酸の「ドメイン」を含んでなるアミノ酸約60〜70アミノ酸のペプチドループを包含する。IgG抗体は、4種、すなわちIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に特性化できる。
それぞれの免疫グロブリンのクラスは、一組の異なる機能を有する。下記は免疫グロブリンクラスおよびサブクラスそれぞれの物理化学的性質を要約したものである。
免疫グロブリン種と亜種の物理化学的性質
Figure 2005522996
下記の表には、ヒト抗体クラスおよびサブクラスの抗体エフェクター機能の非限的な例を要約する。
Figure 2005522996
従って、抗体のタイプまたはそれらの断片は、特定の治療もしくは診断使用、例えば、これらに限定はされないが、血清半減期、脈管内分布、補体結合などに対して望まれる所望の特性および機能に基づいて本発明による使用のために選択できる。
抗体の多様性は、少なくとも5種の機構により発生し、すなわち、(1)抗体の部分をコードする同義遺伝子の使用、(2)体細胞変異、例えば種々のB細胞クローン中に種々のV遺伝子を産生するB細胞個体発生の間の始原V遺伝子変異、(3)体細胞組換え、例えばB個体発生の間のV領域遺伝子の主要部分を結合する遺伝子セグメントJ1−Jn組換え、(4)擬V領域の成員からDNAのセクションをV領域内にコピーしてDNA配列を改変できる遺伝子変換、および(5)ヌクレオチド付加、例えばVおよびJが切断される場合、結合の前に、そして余分のヌクレオチドを追加のアミノ酸をコードするために挿入してもよいことを含む。限定ではない例としては、これらに限定はされないが、(i)生殖系列からB細胞クローンへVκ、J、およびCκ領域を選択/組換えてカッパ鎖を生成する、(ii)生殖系列からB細胞クローンへVκ、J、およびCκ領域を選択/組換えにラムダ鎖を生成する、(iii)V、DI−D30およびJ1−J6遺伝子の選択/組換えして重鎖可変領域をコードする機能性VDJ遺伝子を形成する。上記の機構は、抗体多様性および特異性を発生するために同調する様式で作動する。
「抗体」の用語は、さらに抗体、消化断片、それらの特定の部分および変種を包含することを意図し、これには抗体擬態物を含みまたは抗体もしくはその特定の断片もしくは部分の構造および/または機能を模擬する抗体の部分を含んでなり、これには一本鎖抗体およびその断片も含まれる。機能性断片は、哺乳動物RSVに結合する抗原−結合性断片を含む。例えば、Fab(例えばパパイン消化による)、Fab’(例えばペプシン消化および部分還元による)およびF(ab’)(例えばペプシン消化による)、Fabc(例えばプラスミン消化による)、pFc’(例えばペプシンまたはプラスミン消化による)、Fd(例えばペプシン消化、部分還元および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば分子生物学技術による)断片を含み、これらに限定はされないがRSVへ結合できる抗体断片またはその部分は、本発明内に包含される(例えばコリガン「免疫学」、下記参照)。
このような断片は、当該技術分野では公知であるかおよび/または本明細書中に記載されているようにして酵素切断、合成または組換え技術により作製できる。抗体は、1個またはそれ以上の終止コドンが本来の終止部位の上流側に導入されている抗体遺伝子を用いてさまざまな短小化形として産生されることもできる。例えば、F(ab’)重鎖部分をコードする組み合わせ遺伝子は、重鎖のCH ドメインおよび/またはヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計できる。抗体の種々の部分は、慣用の技術により化学的に一緒に結合でき、または遺伝子工学技術を用いて隣接タンパク質として調製できる。
本明細書中に使用する場合に、用語「ヒト抗体」は、本質的にすべてのタンパク質の部分(例えばCDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えばC1、C2、C3)、ヒンジ、(V、V))が本質的にヒト内で非−免疫原性であり、僅かな配列変化または変更のみを有する抗体を呼ぶ。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー、など)、げっ歯類(マウス、ラット、ラビット、テンジクネズミ、ハムスター、など)および他の哺乳動物を指定する抗体は、その種、亜属、属、亜科、科に特定の抗体を指定する。さらに、キメラ抗体は上記のあらゆる組み合わせを含む。このような変更または変化は場合によりそして好ましくは非−変性抗体と比較してヒトまたはその他の種内の免疫原性を維持または低下する、従って、ヒト抗体はキメラまたはヒト化抗体とは区別される。ヒト抗体は、機能的に組換えヒト免疫グロブリン(例えば重鎖および/または軽鎖)遺伝子を発現できる非−ヒトの動物または原核もしくは真核細胞により産生できることが指摘される。さらに、ヒト抗体が一本鎖抗体である場合に、本来のヒト抗体内には見いだされないリンカーペプチドを含んでなることができる。例えば、Fvは、リンカーペプチド、例えば2〜約8個のグリシンまたはその他のアミノ酸残基を含んでなることができ、これらは重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを連結する。このようなリンカーペプチドは、ヒト由来と考えられる。
二重特異性、異種特異性、異種共役性または同様の抗体は、少なくとも二種の異なる抗原への結合特異性を有するモノクローナルで好ましくはヒトまたはヒト化された抗体であるものも使用できる。この場合に、結合特異性の一つは少なくとも1種のRSVタンパク質に対して、他のものはいずれかの他の抗原に対するものである。二重特異性抗原の製法は、当該技術分野では公知である。伝統的に、二重特異性抗体の組換え産生は、2種の免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここで、2種の重鎖は異なる特異性を有する(ミルステインおよびクエロ(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな組合のために、これらのハイブリドーマ(クワドローマ(Quadroma))は、10種の異なる抗体分子の潜在性混合物を産生し、この中で1種のみが正しい二重特異性構造を有する。通常はアフィニティークロマトグラフィー操作で行われる正しい分子の精製は、どちらかというと煩瑣であり、そして生成物収率は低い。同様な手順は、例えばWO93/08829、米国特許(US Patent)第6210668号、第6193967号、第6132992号、第6106833号、第6060285号、第6037453号、第6010902号、第5989530号、第5959084号、第5959083号、第5932448号、第5833985号、第5821333号、第5807706号、第5643759号、第5601819号、第5582996号、第5496549号、第4676980号、WO91/00360、WO92/00373、欧州特許(EP)第03089号、トラウネッカーら(Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)),スレシュら(Suresh et al,Methods in Enzymology 121:210(1986))中に開示され、それぞれ引用することによりすべてを本明細書に編入される。
このような抗体は、場合によりさらに特定のリガンドに対し、例えば、これらに限定はされないが、このような抗体がin vitro、in situおよび/またはin
vivoで少なくとも1種のRSV活性または結合、またはRSVレセプター活性または結合、を調節、低下、増加、拮抗、作動、緩和、軽減、遮断、阻害、阻止および/または干渉して影響する。非限定の例として、本発明の適合するRSV抗体、特定の部分または変種は少なくとも1種のRSV、またはその特定の部分、変種またはドメインと結合できる。適合するRSV抗体、特定の部分または変種は少なくとも1種のRSV活性または機能、例えば、これらに限定はされないが、RNA、DNAもしくはタンパク質合成、RSV放出、RSVレセプター信号伝達、膜RSV切断、RSV活性、RSV産生および/または合成に場合により影響もできる。
本発明の方法および組成物中で有用なRSV抗体(RSV抗体とも呼ぶ)は、場合によりRSVへの高い親和性結合を特徴としそして場合によりかつ好ましくは低い毒性を有することができる。特に、本発明の抗体、特定の断片または変種は、個別の成分、例えば可変領域、定常領域およびフレームワークが個別および/または集団的に、場合によりそして好ましくは低い免疫原性を有する場合に、本発明内で有用である。本発明内で使用できる抗体は、場合により患者を長期間治療して測定できるような症状を緩和するそれらの能力および低いおよび/または受容できる毒性を特徴とする。低いまたは受容できる免疫原性および/または高い親和性、ならびにその他の適合する性質は、達成される治療結果に寄与できる。「低い免疫原性」とは、本明細書中では、治療される患者の約75%未満、または好ましくは約50%未満で著しいHAHA、HACA、またはHAMA反応を上昇し、および/または治療される患者内の低い力価を上昇するとして定義される(二重抗原酵素免疫アッセイで測定して約300未満、好ましくは約100未満)(エリオットら(Elliot et al,Lancet 344:1125−1127(1997))、引用することにより全体を本明細書中に編入する)。
有用性
本発明の単離された核酸は、少なくとも1種のRSV抗体またはそれらの特定の変種の製造のために使用でき、それらは細胞、組織、器官もしくは動物(哺乳動物およびヒトを含む)内の処置または効果のため、少なくとも1種の免疫障害もしくは疾患、心血管障害もしくは疾患、感染性、悪性、および/もしくは神経学的障害もしくは疾患、またはその他の既知もしくは特定のRSV関連病状より選択され、これらに限定はされない少なくとも1種のRSV病状の診断、監視、調節、処置、軽減、影響防止を援助、または症状の低下のために使用できる。
このような方法は、症状、効果もしくは機構におけるこのような調節、処置、軽減、防止、もしくは低下を必要とする細胞、組織、器官、動物もしくは患者に対して少なくとも1種のRSV抗体を含んでなる組成物もしくは薬剤組成物の有効量を投与することを含んでなることができる。有効量は、単回(例えばボーラス)、複数回もしくは連続投与あたりに約0.001〜500mg/kgの量、または単回、複数回もしくは連続投与あたりに血清濃度0.01〜5000μg/mlの血清濃度に到達するため、または公知方法を用いて実行および決定されるいずれかの効果的な範囲もしくはその間の値を含んでなることができ、これは本明細書中に記載もしくは当該技術分野で公知である。
引用文献
本明細書中に引用するすべての刊行物または特許は、これらが本発明の時点における当該分野の状態を示すとしておよび/または本発明の記載および可能性を提供するために引用することによりすべてを編入される。刊行物とは、あらゆる科学的もしくは特許刊行物、またはすべての記録、電子的もしくは印刷された形態を含みあらゆる媒体形態で利用できるあらゆるその他の情報を呼ぶ。下記の引用文献は、引用することによりすべてを本明細書に編入される:オースベルら編集「分子生物学における最近のプロトコール」(Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1987−2001));サンブルックら「分子クローニング:実験マニュアル」第二版(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd.Ed.Cold Spring Harbor,NY(1989));ハーロウおよびレーン「抗体:実験マニュアル」(Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989));コリガンら編集「免疫学における最近のプロトコール」(Colligan,et al.,eds.Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994−2001));コリガンら「タンパク質科学における最近のプロトコール」(Colligan,et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1997−2001))。
本発明の抗体
本発明の少なくとも1種のRSV抗体は、場合により細胞株、混合細胞株、不死化細胞もしくは不死化細胞のクローン集団により、同様に当該技術分野では公知のようにして産生できる。例えば、オースベルら編集「分子生物学における最近のプロトコール」(Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1987−2001));サンブルックら「分子クローニング:実験マニュアル」第二版(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd.Ed.Cold Spring Harbor,NY(1989));ハーロウおよびレーン「抗体:実験マニュアル」(Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989));コリガンら編集「免疫学における最近のプロトコール」(Colligan,et al.,eds.Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994−2001));コリガンら「タンパク質科学における最近のプロトコール」(Colligan,et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1997−2001))(これらはすべて引用することにより本明細書に編入される)を参照のこと。
ヒトRSVタンパク質またはそれらの断片に対して特異性であるヒト抗体は、適当な免疫原性抗原、例えば単離されおよび/またはRSVタンパク質もしくはその一部分(合成分子、例えば合成ペプチドを含む)に対して培養できる。その他の特異性または一般的哺乳動物抗体も同様に培養できる。免疫原性抗原の調製、およびモノクローナル抗体作製は、あらゆる適合する技術を用いて行うことができる。
一つの方法では、ハイブリドーマは適当な不死化細胞株を融合して産生される(例えば、骨髄腫細胞株、例えば、これらに限定はされないが、Sp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、>243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U937、MLA144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA144、NAMAIWA、NEURO 2A、など、またはヘテロ骨髄腫、それらの融合産物、またはそれらより誘導されたあらゆる細胞もしくは融合細胞、または当該技術分野で公知のあらゆるその他の適合する細胞株である。例えばwww.atcc.org、www.lifetech.com.、などで、抗体産生細胞、例えば、これらに限定はされないが、単離またはクローニングされた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、またはその他の免疫もしくはB細胞を含む細胞、または重鎖もしくは軽鎖定常もしくは可変もしくはフレームワークもしくはCDR配列を発現するいずれかのその他の細胞であって、内因性もしくは異種核酸として、組換えもしくは内因性のウイルス、細菌、藻類、原核生物、両棲類、昆虫類、爬虫類、魚類、哺乳動物、げっ歯類、ウマ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAもしくはRNA、葉緑体DNAもしくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本鎖、二本鎖、三本鎖、ハイブリダイズ化、などおよびそれらのあらゆる組み合わせとしてのいずれかを参照のこと。例えば引用することによりすべて本明細書に編入するオースベル(上記)、およびコリガン「免疫学」(上記)第2章を参照のこと。
抗体産生細胞は、末梢血液より、または好ましくは関連する抗原を用いて免疫化されたヒトまたはその他の適当な動物の脾臓もしくはリンパ節より得ることができる。あらゆるその他の適当な宿主細胞も本発明の抗体、特定の断片またはその変種をコードする異種または内因性核酸を発現するために使用できる。融合細胞(ハイブリドーマ)または組換え細胞は、選択的培養条件またはその他の適当な公知の方法を用いて単離し、そして限界希釈もしくは細胞選別、またはその他の公知方法によりクローニングできる。所望の特異性を有する抗体を産生する細胞は、適合するアッセイ(例えばELISA)により選択できる。
必要な特異性の抗体を産生または単離するその他の適当な方法は、ペプチドもしくはタンパク質ライブラリーより組換え抗体を選択する方法(例えば、これらに限定はされないが、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNA、などを表示するライブラリー;例えばケンブリッジ抗体テクノロジーズ(Cambridge
antibody Technologies,Cambridgeshire,UK);モルフォシス(MorphoSys,Martinsreid/Planegg,DE);バイオヴェーション(Biovation,Aberdeen,Scotland.UK);バイオインヴェント(BioInvent,Lund,Sweden);ダイアックス社(Dyax Corp.)、エンゾン(Enzon)、アフィマックス/バイオサイト(Affymax/Biosite);キソマ(Xoma,Berkeley,CA);イクシス(Ixsys)より入手可能。例えば欧州特許(EP)第368,684号、PCT/GB91/01134、PCT/GB92/01755、PCT/GB92/002240、PCT/GB92/00883、PCT/GB93/00605、米国特許(US)08/350260号(5/12/94)、PCT/GB94/01422、PCT/GB94/02662、PCT/GB97/01835、(CAT/MRC)、WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、PCT/US94/1234、WO92/18619、WO96/07754、(スクリップス(Scipps))、欧州特許(EP)第614,989号(モルホシス)、WO95/16027(バイオインヴェント)、WO88/06630、WO90/3809(ダイアックス)、米国特許(US)第4,704,692号(エンゾン)、PCT/US91/02989(アフィマックス)、WO89/06283、欧州特許(EP)第371,998号、欧州特許(EP)第550,400号、(キソマ)、欧州特許(EP)第229,046号、PCT/US91/07149(イクシス)、または確率的に産生されるペプチドもしくはタンパク質−米国特許(US)第5723323号、第5763192号、第5814476号、第5817483号、第5824514号、第5976862号、WO86/05803、欧州特許(EP)第590 689号(イクシル、現在はアプライド モレキュラー エヴォリューション(Applied Molecular Evolution、AME))、いずれも引用することによりすべて本明細書に編入される)またはトランスジェニック動物の免疫化に依存する方法(例えばSCIDマウス、(エングイエンら(Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901−907(1997));サンズら(Sanzhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95−118(1996));エレンら(Eren et al.,Immunol.93:154−161(1998))それぞれ関連特許および出願も同様に引用することによりすべて本明細書に編入される)を含み、これらに限定はされないが、使用が可能であり、これらは当該技術分野では公知のようにおよび/または本明細書中に記載のように、ヒト抗体のある範囲を産生できる。このような技術には、リボソームディスプレイ(ヘインズら(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937−4942(May,1997));ヘインズら(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130−14135(Nov,1997)));単一細胞抗体産生技術(例えば選択されたリンパ球抗体法(”SLAM”)(米国特許(US)第5,627,052号、ウエンら(Wen et al.,J.Immunol.17:887−892(1987));バクコックら(Babcock et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:7843−7848(1996)))、ゲル小滴およびフロー細胞測定(パウエルら(Powell et al.,Biotechnol.8:333−337(1990));ワンセルシステムズ(One Cell Systems,Cambridge,MA);グレイら(Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155−163(1995));ケニーら(Kenny et al.,Bio/Technol.13:787−790(1995)))、B細胞選択(スティーンバッカーズら(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125−134(1994));ジョナクら(Jonak et al.,Progress Biotech. Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrenbaeck ed.Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Netherlands(1988))参照)が含まれるがこれらに限定はされない。
非ヒトまたはヒト抗体の操作またはヒト化のための方法も使用できそして当該技術分野では周知である。一般に、ヒト化または操作した抗体は、ヒト以外、例えば、これらに限定はされないが、マウス、ラット、ラビット、ヒト以外の霊長類またはその他の哺乳動物である起源からの1個またはそれ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒトアミノ酸残基はしばしば「外来(imported)」残基と呼ばれ、それらは典型的には既知のヒト配列の「外来」可変、定常またはその他のドメインより取られる。既知のヒトIg配列は、例えば下記に開示され、それらはそれぞれ引用することによりすべて本明細書に編入される。
Figure 2005522996
このような外来の配列は、免疫原性を低下するため、または結合、親和性、オンレート(on−rate)、オフレート(off−rate)、結合活性、特異性、半減期、もしくはその他のいずれかの適合する当該技術分野で公知のようにして特性を低下、増進もしくは変更するために使用できる。一般に、非−ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全体は、可変および定常領域の非−ヒト配列がヒトまたは他のアミノ酸により置換されている間は保持される。抗体も場合により抗原およびその他の好ましい生物学的性質への高い親和性の保持を伴ってヒト化できる。この目的を達成するために、ヒト化された抗体は、場合により親およびヒト化配列の三次元モデルを用いて親配列および種々の概念的ヒト化産物の分析のプロセスにより産生できる。三次元免疫グロブリンモデルは、一般的に入手ができそして当該技術分野の熟練者には熟知されている。選択された候補免疫グロブリン配列の可能な三次元配置構造を説明および表示するコンピュータープログラムが利用できる。これらの表示の検査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の予想される役割の分析、すなわちその抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響する残基の分析を可能とする。この方法で、所望の抗体特性、例えば標的抗原に対する増大した親和性が達成されるようにコンセンサスおよび外来配列からFR残基が選択および組み合わせできる。一般に、CDR残基は抗原結合に影響する際に直接的そして最も本質的に関与する。本発明の抗体のヒト化または操作は、いずれかの公知の技術、例えば、これらに限定はされないが、ウインター(Winter)(ジョーンズら(Jones et al.,Nature 321:522(1986))、リーチマンら(Riechmann et al.,Nature 332:323(1988))、フェルフイエンら(Verhoeyen et al., Science 239:1534(1988))、シムズら(Sims et al., J.Immunol.151:2296(1993))、コティアおよびレスク(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987))、カーターら(Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992))、プレスタら(Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993))、米国特許(US)第5723323号、第5976862号、第5824514号、第5817483号、第5814476号、第5763192号、第5723323号、第5766886号、第5714352号、第6204023号、第6180370号、第5693762号、第5530101号、第5585089号、第5225539号、第4816567号、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630、US91/05939、US94/01234、GB89/01234、GB91/01134、GB92/01755、WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、欧州特許(EP)第229246号に記載されたものに従って実施でき、これらはその中に引用された引用文献も含め、それぞれ引用することにより本明細書に編入される。
RSV抗体は、本明細書中の記載のようにしておよび/または当該技術分野で公知のようにして、ヒト抗体の一定の範囲を産生できるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ヒト以外の霊長類、など)の免疫化により場合により生成できる。ヒトRSV抗体を産生する細胞は、適当な方法、例えば本明細書中の記載の方法を用いてこのような動物より単離しそして不死化できる。
ヒト抗原に結合するヒト抗体のある範囲を産生できるトランスジェニックマウスは、公知の方法により産生できる(例えば、これらに限定はされないが、ロンバーグら(Lonberg et al.)に発行された米国特許(US)第5,770,428号、第5,569,825号、第5,545,806号、第5,625,126号、第5,625,825号、第5,633,425号、第5,661,016号および第5,789,650号、ヤコボヴィッツら(Jakobovits et al.)WO98/50433、ヤコボヴィッツら(Jakobovits et al.)WO98/24883、ロンバーグら(Lonberg et al.)WO98/24884、ロンバーグら(Lonberg et al.)WO97/13852、ロンバーグら(Lonberg et al.)WO94/25585、クヘルラパテら(Kucherlapate
et al.)WO96/34096、クヘルラパテら(Kucherlapate et al.)欧州特許(EP)第0463 151 B1号、クヘルラパテら(Kucherlapate et al.)欧州特許(EP)第0710 719 A1号、スラニら(Surani et al.)米国特許(US)第5,545,807号、ブルッゲマンら(Bruggemann et al.)WO90/04036、ブルッゲマンら(Bruggemann et al.)欧州特許(EP)第0438 474 B1号、ロンバーグら(Lonberg et al.)欧州特許(EP)第0814 259 A2号、ロンバーグら(Lonberg et al.)英国特許(GB)第2 272 440号、ロンバーグら(Lonberg et al.Nature 368:856−859(1994))、テイラーら(Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579−591(1994))、グリーンら(Green et al.,Nature Genetics 7:13−21(1994))、メンデスら(Mendez et al.,Nature Genetics 15:145−156(1997))、テイラーら(Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6289−6295(1992))、テュエロンら(Tuellon et al.,Proc Natl.Acad.Sci.USA 90(8):3720−3724(1993))、ロンバーグら(Lonberg
et al.Int.Rev.Immunol.13(1);65−93(1995))およびフィシュワルドら(Fishwald et al.,Nat.Biotechnol.14(7):845−851(1996)))、これらはそれぞれ引用することによりすべて本明細書に編入される)。一般に、これらのマウスは機能的に再構成されたか、または機能的再構成を受けることができる少なくとも1個のヒト免疫グロブリン遺伝子座よりのDNAを含んでなる少なくとも1個の導入遺伝子を含んでなる。このようなマウス内の内因性免疫グロブリン遺伝子座は、内因性遺伝子によりコードされる抗体を産生するための動物の能力を排除するために破壊または欠失できる。
類似のタンパク質または断片に特異的に結合する抗体のスクリーニングは、ペプチド表示ライブラリーを用いて都合よく達成できる。この方法には、所望の機能または構造を有する個別成員に関するペプチドの大きい集団のスクリーニングが含まれる。ペプチド表示ライブラリーの抗体スクリーニングは、当該技術分野では周知である。表示されたペプチド配列は、アミノ酸3〜5000個またはそれ以上の長さ、しばしば5〜100個のアミノ酸長さ、そして多くは約8〜25個のアミノ酸長さであることができる。ペプチドライブラリーを生成するための直接化学合成方法に加えて、数種の組換えDNA法が記載されている。一つのタイプでは、バクテリオファージまたは細胞の表面上のペプチド配列の表示が含まれる。それぞれのバクテリオファージまたは細胞は、特定の表示されたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む。このような方法は、PCT特許公開第91/17271号、第91/18980号、第91/19818号、および第93/08278号に記載されている。ペプチドのライブラリーを発現するための他のシステムは、in vitro化学合成および組換え法の双方の局面を有する。PCT特許公開第92/05258号、第92/14843号、および第96/19256号参照。また、米国特許(US)第5,658,754号および第5,643,768号も参照のこと。ペプチド表示ライブラリー、ベクターおよびスクリーニングキットは、インヴィトロジェン(Invitrogen,Carlsbad,CA)、およびケンブリッジ抗体技術(Cambridge antibody Technologies,Cambridgeshire,UK)などの供給者より容易に入手できる。例えば、エンゾン(Enzon)に譲渡された米国特許(US)第4704692号、第4939666号、第4946778号、第5260203号、第5455030号、第5518889号、第5534621号、第5656730号、第5763733号、第5767260号、第5856456号、ダイアックス(Dyax)に譲渡された第5223409号、第5403484号、第5571698号、第5837500号、アフィマックス(Affymax)に譲渡された第5427908号、第5580717号、ケンブリッジ抗体技術(Cambridge antibody Technologies)に譲渡された第5885793号、ジェネンテック(Genentech)に譲渡された第5750373号、キソマ(Xoma)に譲渡された第5618920号、第5595898号、第5576195号、第5698435号、第5693493号、第5698417号、上記のコリガン、上記のオースベル、上記のサンブルック参照。上記の特許および刊行物それぞれは引用することにより本明細書にすべて編入される。
本発明の抗体は、その乳中にこのような抗体を産生するトランスジェニック動物または哺乳動物、例えばヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジなどを提供するために、少なくとも1種のRSV抗体をコードする核酸を用いてでも製造できる。このような動物は、既知の方法を用いて提供できる。例えば、これらに限定はされないが、米国特許(US)第5,827,690号、第5,849,992号、第4,873,316号、第5,849,992号、第5,994,616号、第5,565,362号、第5,304,489号など参照。上記のそれぞれは引用することにより本明細書にすべて編入される。
本発明の抗体は、このような抗体、特定の部分または変種を植物の部分内たはそれより培養された細胞内に産生するトランスジェニック植物および培養植物細胞(例えば、これらに限定はされないが、タバコおよびメイズ)を提供するために少なくとも1種のRSV抗体をコードする核酸を用いて追加的に調製できる。非限定の例として、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉は、例えば誘導可能なプロモーターを用いて大量の組換えタンパク質を提供するために使用して成功した。例えば、クレーマーら(Cramer et al.,Curr.Top.Microb.Immunol.240:95−118(1999))およびその中に引用された文献を参照。また、トランスジェニックメイズは、他の組換えシステムで産生または天然起源から精製されたものと同等の生物学的活性を有して、商業生産レベルで哺乳動物タンパク質を産生するために使用された。例えばフードら(Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999))およびその中に引用された文献を参照。例えばタバコ種子およびバレイショ塊茎を含む一本鎖抗体(scFv)のような抗体断片を含むトランスジェニック植物種子より、抗体が大量に生産された。例えばコンラッドら(Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101−109(1998))およびその中に引用された文献参照。従って、本発明の抗体は、既知の方法に従ってトランスジェニック植物を用いてでも生産できる。例えばフィシャーら(Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct.,1999))、マら(Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522−7(1995))、マら(Ma et al.,Plant
Physiol.109:341−6(1995))、ワイトラムら(Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994))およびそれらの中に引用された文献を参照。一般的に、抗体の植物発現に関して、これらに限定はされないが、参照すること。上記それぞれの引用文献は、引用することによりすべて本明細書に編入される。
本発明の抗体は、広範囲の親和性(K )を有するヒトRNAを結合できる。好ましい態様では、本発明の少なくとも1種のヒトmAbは、場合により高い親和性でヒトRSVを結合できる。例えば、ヒトmAbは、約10−7Mと同等またはそれ以下、例えば、これらに限定はされないが、0.1〜9.9(またはその間のあらゆる範囲もしくは値)X10−7、10−8、10−9、10−10 、10−11 、10−12 、10−13 またはその間のいずれかの範囲もしくは値のK をもってヒトRNAを結合できる。
抗原に対する抗体の親和性または結合活性は、いずれの適合する方法を用いてでも実験的に決定できる(例えばベルゾフスキーら「抗体−抗原相互作用」(Berzofsky,et al.,”Antibody−Antigen Interactions,”In Fundamental Immunology,Paul,W.E.Ed.,Raven Press:New York,NY(1984))、クビー、ジャニス「免疫学」(Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992))、およびその中に記載の方法参照)。特定の抗体抗原相互作用の測定された親和性は、異なる条件下(例えば塩濃度、pH)で測定された場合には変化する可能性がある。従って、親和性およびその他の抗原結合パラメーター(例えばK 、K 、K )の測定は、好ましくは抗体および抗原の標準化された溶液、および標準化された緩衝液、例えば本明細書中に記載の緩衝液を用いて行われる。
核酸分子
本明細書で提供される情報、例えば配列番号7〜12のいずれかの5〜500個のアミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされるアミノ酸の少なくとも1種の連続アミノ酸の少なくとも70〜100%をコードするヌクレオチド配列、それらの特定の断片、変種またはコンセンサス配列、またはそれらの配列の少なくとも一個を含んでなる寄託された(deposited)ベクターなどを用いて、少なくとも1種のRSV抗体をコードする本発明の核酸分子が、本明細書中に記載の方法または当該技術分野で公知のようにして得ることができる。
本発明の核酸分子は、RNAの形、例えばmRNA、hnRNA、tRNAもしくはその他の形、またはDNAの形であることができ、それには、これらに限定はされないが、クローニングにより得られるかもしくは合成して作製されるcDNAおよびゲノムDNA、またはそれらのあらゆる組み合わせも含まれる。DNAは、三本鎖、二本鎖もしくは一本鎖、またはそれらのあらゆる組み合わせであることができる。DNAもしくはRNAの少なくとも1本の鎖のいかなる部分もコーディング鎖であることができ、これはセンス鎖としても知られ、またはこれは非−コーディング鎖であることもでき、これはアンチセンス鎖とも呼ばれる。
本発明の単離された核酸分子は、場合により1種またはそれ以上のイントロン、例えば、これらに限定はされないが、少なくとも1個の重鎖もしくは軽鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3としての少なくとも1個のCDRの少なくとも1個の特定の部分を場合により有するオープンリーディングフレーム(ORF)を含んでなる核酸分子;RSV抗体または可変領域のコーディング配列を含んでなる核酸分子(例えば配列番号7〜12のいずれかの5〜500個のアミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされるもの);および上記のものとは本質的に異なるがしかし、本明細書中に記載のようにおよび/または当該技術分野で公知のように遺伝子コードの縮退により、それでもまだ少なくとも1種のRSV抗体をコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子を含むことができる。当然ながら、遺伝子コードは当該技術分野では周知である。従って、当該技術分野の熟練者にとって、本発明の特定のRSV抗体をコードするこのような縮退核酸変種を生成することは日常的である。例えば、上記のオースベル参照、そしてこのような核酸変種は本発明中に含まれる。本発明の単離された核酸分子の限定ではない例には、配列番号7〜12のいずれかの5〜500個のアミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされるCDR配列が含まれ、それらはそれぞれHC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、LC CDR3、HC変種領域およびLC変種領域をコードする核酸の非限定例に相当する。
本明細書中に指摘するように、RSV抗体をコードする核酸を含んでなる本発明の核酸分子は、抗体断片のアミノ酸配列を自体でコードするもの;抗体全部もしくはその一部分のコーディング配列;抗体、断片もしくは部分のコーディング配列、ならびに追加の配列、例えば上記の追加的なコーディング配列、例えば少なくとも1個のイントロンを持つかもしくは持たない少なくとも1個のシグナルリーダーもしくは融合ペプチドのコーディング配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル(例えばリボソーム結合およびmRNAの安定化)を含む非−コーディング5’および3’配列、例えば転写の際に役割を果たす転写された非翻訳配列mRNAプロセシングを含み、これらに限定はされない;追加のアミノ酸、例えば追加の機能を提供するものをコードする追加コーディング配列を含むことができるが、これらに限定はされない。従って、抗体をコードする配列は、マーカー配列、例えば抗体断片または部分を含んでなる融合抗体の精製を容易にするペプチドをコードする配列に融合できる。
本明細書中に記載のポリヌクレオチドに選択的ハイブリダイズするポリヌクレオチド
本発明は、本明細書に開示のポリヌクレオチドに選択的ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を提供する。従って、本態様のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含んでなる核酸を単離、検出、および/または定量化するために使用できる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、寄託ライブラリー中の部分または全長クローンを同定、単離または増幅するために使用できる。ある態様では、ポリヌクレオチドは、ヒトまたは哺乳動物核酸ライブラリーよりのcDNAを単離され、またはこれに相補的なゲノムまたはcDNA配列である。
好ましくは、cDNAライブラリーは、全長配列の少なくとも80%、好ましくは全長配列の少なくとも85%〜90%、そして最も好ましくは全長配列の少なくとも95%を含んでなる。cDNAライブラリーは、稀な配列の表現を増加するために、標準化できる。低いかまたは温和なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、典型的には、しかし独占的ではなく、相補配列に関して低い配列一致性を有する配列を使用する。温和ないし高いストリンジェンシー条件は、一致性がより高い配列に対して場合により使用できる。低いストリンジェンシー条件は、約70%の配列一致を有する配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能としそしてオルソログまたはパラログ配列を同定するために利用できる。
場合により、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載したポリヌクレオチドによりコードされる抗体の少なくとも一部分をコードする。本発明のポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドに選択的ハイブリダイゼーションするために利用できる核酸配列を包含する。例えば、上記のオースベル、上記のコリガン参照。それぞれ引用することにより本明細書にすべて編入される。
核酸の構築
本発明の単離された核酸は、当該技術分野では周知のように、(a)組換え法、(b)合成技術、(c)精製技術、またはそれらの組み合わせを用いて作製できる。
核酸は、好都合には、本発明のポリヌクレオチドに加えて複数の配列を含んでなることができる。例えば、1個またはそれ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含んでなるマルチクローニング部位は、ポリヌクレオチドの単離を援助するために核酸内に挿入できる。同様に、翻訳可能な配列は本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離を援助するために挿入できる。例えば、ヘキサ−ヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための好都合な手段を提供する。本発明の核酸は、コーディング配列を除外して、場合により本発明のポリヌクレオチドのクローニングおよび/または発現のためのベクター、アダプター、またはリンカーである。
追加の配列は、クローニングおよび/または発現の際のそれらの機能を最適化するため、ポリヌクレオチドの単離を援助するため、または細胞内へのポリヌクレオチドの導入を改善するためにこのようなクローニングおよび/または発現配列に追加できる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、およびリンカーの使用は、当該技術分野では周知である(例えば上記のオースベル、または上記のサンブルック参照)。
核酸構築のための組換え方法
本発明の単離された核酸組成物、例えばRNA、cDNA、ゲノムDNAまたはそれらのいずれの組み合わせも、当該技術分野の専門家には公知の数種のクローニング手段を用いて生物学的起源より得ることができる。ある態様では、ストリンジェント条件下で、本発明のポリヌクレオチドに選択的ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNAまたはゲノムDNAライブラリー内の所望の配列を同定するために使用される。RNAの単離、およびcDNAおよびゲノムライブラリーの構築は、当該技術分野の通常の熟練者には周知である(例えば上記のオースベル、または上記のサンブルック参照)。
核酸スクリーニングおよび単離方法
cDNAまたはゲノムライブラリーは、本発明のポリヌクレオチドの配列に基づくプローブ、例えば本明細書中に記載のものを用いてスクリーニングできる。同一または異なる生物体内の同種遺伝子を単離するためにゲノムDNAまたはcDNA配列を用いてハイブリダイゼーションするためにプローブに使用できる。当該技術分野の熟練者は、ハイブリダイゼーションの種々の段階のストリンジェンシーがアッセイで使用でき、そしてハイブリダイゼーションまたは洗浄媒体のいずれかがストリンジェントであることができることを認めるであろう。ハイブリダイゼーションの条件がストリンジェントになるほど、二本鎖形成が起きるためにプローブと標的との間の相補性のさらに高い段階とならなければならない。ストリンジェンシーの段階は、1種またはそれ以上の温度、イオン強度、pHおよび部分変性する溶剤、例えばホルムアミドの存在により制御できる。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば0%〜50%の範囲内のホルムアミド濃度の操作を介して反応溶液の極性を変化することにより都合よく変化される。検出可能な結合のために必要な相補性(配列一致)の程度は、ハイブリダイゼーション媒体および/または洗浄媒体のストリンジェンシーに従って変化するであろう。相補性の程度は、場合により100%、または70〜100%、またはその間のいずれかの範囲または値である。しかし、プローブおよびプライマー内の小さい配列変化がハイブリダイゼーションおよび/または洗浄媒体のストリンジェンシーを低下により補償できることを理解しなければならない。
RNAまたはDNAの増幅の方法は、当該技術分野では周知でありそして本明細書中に提出する教示および指図に基づいて、過度な実験を伴うことなく本発明に従って使用できる。
DNAまたはRNA増幅の既知方法には、これらに限定はされないが、ポリメラーゼ連鎖反応(OCR)および関連する増幅プロセス(例えばムリスら(Mullis,et al.)への米国特許(US)第4,683,195号、第4,683,202号、第4,800,159号、第4,965,188号、テイバーら(Tabor,et al.)への米国特許(US)第4,795,699号および第4,921,794号、イニス(Innis)への米国特許(US)第5,142,033号、ウイルソンら(Wilson,et al.)への米国特許(US)第5,122,464号、イニス(Innis)への米国特許(US)第5,091,310号、ジレンステンら(Gyllensten,et al.)への米国特許(US)第5,066,584号、ジェルファンドら(Gelfand,et al.)への米国特許(US)第4,889,818号、シルヴァーら(Silver,et al.)への米国特許(US)第4,994,370号、ビスワス(Biswas)への米国特許(US)第4,766,067号、リンゴルド(Ringold)への米国特許(US)第4,656,134号)および二本鎖DNA合成のための鋳型として標的配列へアンチセンスRNAを使用するRNA媒介増幅(マレクら(Malek,et al.)への米国特許(US)第5,130,238号、商標NASBA)、これらの引用文献の全内容は、引用することにより本明細書に編入される(上記のオースベルまたは上記のサンブルック参照)。
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、本発明のポリヌクレオチド配列および関連遺伝子をゲノムDNAまたはcDNAライブラリーから直接増幅するために使用できる。PCRおよびその他のin vitro増幅方法は、例えば発現されるべきタンパク質をコードする核酸配列をクローンするため、試料中の所望のmRNAの存在を検出するためのプローブとして使用する核酸を作製するため、核酸配列決定のため、またはその他の目的のためにも有用であり得る。in vitro増幅方法を介して熟練者に指示するために十分な技術の例は、上記のバーガー、上記のサンブルック、および上記のオースベル中、ならびにムリスら(Mullis,et al.米国特許(US)第4,683,202号(1987))、およびイニスら(Innis,et al.)「PCRプロトコール、方法および応用へのガイド」(PCR Protocols,A Guide to Methods and Applications,Eds.,Academic Press Inc.,San Diego,CA(1990)に見出される。ゲノムPCR増幅のために市場で入手できるキットは、当該技術分野では公知である。例えばアドヴァンテージ−GC−ゲノムPCR(Advantage−GC−Genomic PCR,クロンテク(Clontech)参照。さらに、例えばT4遺伝子32タンパク質(ベーリンガー マンハイム(Boehringer Mannheim))は、長いPCR産物の収率を改善するために使用できる。
核酸構築のための合成方法
本発明の単離された核酸は、既知方法による直接化学合成によってでも調製できる(例えば上記のオースベルら参照)。化学合成は、一般に一本鎖オリゴヌクレオチドを生成し、これは相補配列を用いるハイブリダイゼーションにより、または鋳型として一本鎖を用いるDNAポリメラーゼを用いる重合により二本鎖DNAに変換できる。当該技術分野の専門家は、DNAの化学合成が約100個またはそれ以上の塩基の配列に限定でき、それより長い配列は、より短い配列の連結により得ることができることを認めるであろう。
組換え発現カセット
本発明は、さらに本発明の核酸を含んでなる組換え発現カセットも提供する。本発明の核酸配列、例えば本発明の抗体をコードするcDNAまたはゲノム配列は、少なくとも1個の所望の宿主細胞内に導入できる組換え発現カセットを構築するために使用できる。組換え発現カセットは、典型的には、意図する宿主細胞内でポリヌクレオチドの転写を実行する転写開始調節配列に操作的に連結した本発明のポリヌクレオチドを含んでなる。異種および同種(すなわち内因性)の双方のプロモーターは、本発明の核酸の直接発現を実行するために使用できる。
ある態様では、プロモーター、エンハンサー、またはその他の要素として働く単離された核酸は、本発明のポリヌクレオチドの発現を上昇または下降調節するように、本発明のポリヌクレオチドの非−異種形の適当な位置(上流、下流またはイントロン内)に導入できる。例えば、内因性プロモーターは、変異、欠失および/または置換によりin vivoまたはin vitroで改変できる。
ベクターおよび宿主細胞
本発明は、本発明の単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターを用いて遺伝子的に操作された宿主細胞、および組換え技術による少なくとも1種のRSV抗体の産生に関し、これらは当該技術分野では周知である。例えば、上記のサンブルックら、上記のオースベルら参照。それぞれ引用することによりすべて本明細書に編入される。
ポリヌクレオチドは、場合により宿主内の繁殖のための選択可能なマーカーを含むベクターに結合できる。一般に、プラスミドベクターは、沈降物、例えばリン酸カルシウム沈降物中、または荷電脂質との複合体中に導入される。ベクターがウイルスの場合には、適当なパッケージング細胞株を用いてin vitroでパッケージングされ次いで宿主細胞内に形質導入できる。
DNA挿入物は、適当なプロモーターに操作的に連結するべきである。発現構築物は、さらに転写開始、終止のための部位、および転写された領域内には翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物により発現された成熟転写物のコーディング部分は、好ましくは開始位置に翻訳開始および翻訳されるべきmRNAの末端に適切に位置する終止コドン(例えばUAA、UGAまたはUAG)を含み、ここでUAAおよびUAGが哺乳動物または真核細胞発現のためには好ましい。
発現ベクターは、好ましくはしかし場合により、少なくとも1個の検出可能なマーカーを含む。このようなマーカーは、例えば、これらに限定はされないが、メトトレキサート、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR、米国特許(US)第4,399,216号、第4,634,665号、第4,656,134号、第4,956,288号、第5,149,636号、第5,179,017号)、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸(Mycophenolic acid)、または真核細胞カルチャーへのグルタミン合成酵素(GS、米国特許(US)第5,122,464号、第5,770,359号、第5,827,739号)抵抗性、および大腸菌(E.coli)およびその他の細菌もしくは原核生物内培養のためのテトラサイクリンもしくはアンピシリン抵抗性遺伝子(上記の特許は引用することによりすべて本明細書に編入される)を含む。上記の宿主細胞のために適当なカルチャー媒体および条件は、当該技術分野で公知である。適当なベクターは熟練者には直ちに明らかになる。宿主細胞内へのベクター構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染またはその他の公知の方法により行うことができる。このような方法は、当該技術分野では記載されており、例えば上記のサンブルック、第1〜4章および第16〜18章、上記のオースベル、第1、9、13、15、16章である。
本発明の少なくとも1種の抗体は、変性された形、例えば融合タンパク質として発現されることができ、そして分泌シグナルのみならず追加の異種機能領域を含むことができる。例えば、追加のアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域は、抗体のN−末端に付加できて、精製の間、または引き続く処理および貯蔵の間に、宿主細胞内の安定性および存続性を改善する。同様に、ペプチド部分は精製を容易にするために本発明の抗体に追加できる。このような領域は、抗体またはその少なくとも1個の断片の最終調製の前に除去できる。このような方法は、多数の標準的実験マニュアル、例えば上記のサンブルックの第17.29〜17.42章および第18.1〜18.74章、上記のオースベルの第16、17および18章に記載されている。
当該技術分野の通常の熟練者は、本発明のタンパク質をコードする核酸の発現に利用できる多数の発現系に精通している。
あるいは、本発明の核酸は、本発明の抗体をコードする内因性DNAを含む宿主細胞内で(操作により)作動させることにより宿主細胞内に発現できる。このような方法は当該技術分野では周知であり、例えば米国特許(US)第5,580,734号、第5,641,670号、第5,733,746号および第5,733,761号中に記載され、これらはすべて引用することにより本明細書に編入される。
抗体、特定の部分またはそれらの変種の産生のために有用な細胞カルチャーの例は哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞懸濁液またはバイオリアクターも使用できるにもかかわらず、哺乳動物細胞系は、しばしば細胞の単層の形である。変化していないグリコシル化タンパク質を発現できる多数の適当な宿主細胞株が当該技術分野で開発され、そしてそれにはCOS−1(例えばATCC CRL 1650)、COS−7(例えばATCC CRL 1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL−10)、CHO(例えばATCC CRL 1610)およびBSC−1(例えばATCC CRL−26)細胞株、Cos−7細胞、CHO細胞、hepG2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0−Ag14,293細胞、HeLa細胞などが含まれ、それらは例えばアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection,Manassas,Va)(www.atcc.org)より容易に入手できる。好ましい宿主細胞には、リンパ系起源の細胞、例えば骨髄腫およびリンパ腫細胞が含まれる。特に好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCCアクセッション(Accession)番号CRL−1580)およびSP2/0−Ag14細胞(ATCCアクセッション番号CRL−1851)である。特に好ましい態様では、組換え細胞はP3X63Ab8.653またはSP2/0−Ag14細胞である。
これらの細胞のための発現ベクターは、1個またはそれ以上の下記の発現制御配列、例えば、これらに限定はされないが、複製の起点、プロモーター(例えば後期または初期SV40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許(US)第5,168,062号、第5,385,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーター、EF−1アルファプロモーター(米国特許(US)第5,266,491号)、少なくとも1種のヒト免疫グロブリンプロモーター;エンハンサー、および/またはプロセシング情報部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えばSV40ラージT AgポリA付加部位)、および転写ターミネーター配列を含むことができる。例えば上記のオースベルら、上記のサンブルックら参照。本発明の核酸またはタンパク質の産生に有用な他の細胞は公知および/または例えば細胞株およびハイブリドーマのアメリカン タイプ カルチャー コレクションのカタログ(www.atcc.org)またはその他の既知または商業的提供先より入手できる。
真核宿主細胞を使用する場合に、ポリアデニル化または転写ターミネーター配列は、典型的にはベクター内に組み込まれる。ターミネーター配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子よりのポリアデニル化配列である。転写物の正確なスプライシングのための配列も含むことができる。スプライシング配列の例は、SV40からのVP1イントロンである(スプラーグら(Sparague et al.,J.Virol.45:773−781(1983))。さらに、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列は、当該技術分野で公知のようにベクター内に組み込まれることができる。
抗体の精製
RSV抗体は、タンパク質A精製、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈降、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含み、これらに限定はされない周知の方法により組換え細胞より回収および精製できる。高速液体クロマトグラフィー(”HPLC”)も精製のために使用できる。例えばコリガン「免疫学における最近のプロトコール」または「タンパク質科学における最近のプロトコール」(Colligan,Current Protocols in Immunology,or Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY(1997−2001))の例えば第1、4、6、8、9、10章参照。いずれも引用することにより本明細書にすべて編入される。
本発明の抗体には、例えば酵母、高級植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核生物宿主よりの天然に精製された産物、化学合成法の産物、および組換え技術により産生された産物が含まれる。組換え産生法で使用された宿主に応じて、本発明の抗体はグリコシル化されてもよく、またはグリコシル化されなくてもよく、ここでグリコシル化が好ましい、このような方法は、多数の実験マニュアル、例えば上記のサンブルック、第17.37〜17.42章、上記のオースベル第10、12、13、16、18および20章、上記のコリガン「タンパク質科学」第12〜14章に記載され、これらはいずれも引用することにより本明細書にすべて編入される。
RSVタンパク質および抗体
本発明の単離されたタンパク質および抗体は、いずれかの適当なポリヌクレオチドによりコードされ本明細書中に開示または記載された少なくとも1種のタンパク質および/または抗体アミノ酸配列、またはいずれかの少なくとも1種の単離もしくは調製されたタンパク質抗体を含んでなる。好ましくは、少なくとも1種のタンパク質は少なくとも1種のRSV抗体を有しそして少なくとも1種の抗体はヒトRSVを結合しそして、これにより、少なくとも1個のRSVタンパク質の少なくとも1種の構造的または生物学的活性を部分的または本質的に調節する。
本明細書中に使用される場合に、「RSVタンパク質」の用語とは、公知またはその他のRSVタンパク質またはそれらの活性部分の活性の少なくとも1種のRSV依存性活性、例えば5〜10000%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%またはそれ以上をアッセイに依存して有する本明細書中に記載のタンパク質を呼ぶ。少なくとも1種のRSV依存性活性を有するRSVタンパク質の能力は、本明細書中に記載されおよび/または当該技術分野では公知のようにして、好ましくは少なくとも1種の適当なRSVタンパク質またはレセプターアッセイにより評価される。
本明細書中に使用される場合に、「中和性抗体」の用語とは、少なくとも1種のRSV依存性活性を約5〜120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%またはそれ以上をアッセイに依存して阻害できる抗体を呼ぶ。RSV依存性活性を阻害するRSV抗体の能力は、本明細書中に記載されおよび/または当該技術分野では公知のようにして、好ましくは少なくとも1種の適当なRSVタンパク質またはレセプターアッセイにより評価される。本発明の抗体は、いかなるクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgD、など)またはイソタイプであってもよくそしてカッパまたはラムダ軽鎖を含んでなることができる。一つの態様では、ヒト抗体はIgG重鎖または定義された断片、例えば少なくとも1種のイソタイプ、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4を含んでなる。このタイプの抗体は、本明細書中に記載のようにおよび/または当該技術分野で公知のようにして、少なくとも1種のヒト軽鎖(例えばIgG、IgA□およびIgM(例えばγ1、γ2、γ3、γ4)導入遺伝子を含んでなるトランスジェニックマウスまたはその他のトランスジェニック非−ヒト哺乳動物を使用して調製できる。他の態様では、ヒトRSVヒト抗体はIgG1重鎖およびIgG1□軽鎖を含んでなる。
本発明の少なくとも1種の抗体は、少なくとも1種のRSVタンパク質、サブユニット、断片、部分またはそれらのいずれかの組み合わせに特異性の少なくとも1種の特定のエピトープを結合する。少なくとも1種のエピトープは、タンパク質の少なくとも1個の部分を含んでなる少なくとも1個の抗体結合領域を含んでなることができ、そのエピトープは、場合によりタンパク質の少なくとも1種の細胞外、可溶性、親水性、外部または細胞質のタンパク質の部分の少なくとも1つの部分を含んでなることができる。少なくとも1種の特定のエピトープは、少なくとも1〜3個のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸配列から、いずれかのRSVタンパク質、例えばF糖タンパク質の連続アミノ酸のすべての特定の部分までのあらゆる組み合わせを含んでなることができる。
本発明の少なくとも1種の抗体は、好ましくは少なくとも1種のヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)もしくは少なくとも1種の重鎖可変領域の変種および/または少なくとも1種のヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)もしくは少なくとも1種の軽鎖可変領域の変種を含んでなる少なくとも1種の抗原結合領域を含んでなることができる。限定ではない例として、抗体は、少なくとも1種の配列番号1、2または3の少なくとも1種の重鎖CDR;少なくとも1種の配列番号4、5および/または6の少なくとも1種の軽鎖CDRを含んでなることができる。特定の例では、タンパク質および抗体は、相当するHC CDR1、2および/または3のアミノ酸配列を有する少なくとも1個の重鎖(HC)CDR(すなわちHC CDR1、HC CDR2および/またはHC CDR3)の少なくとも一部分を含んでなる抗原結合領域を有することができる。別の特定の態様では、抗体または抗原結合部分または変種は、少なくとも1個の軽鎖(LC)CDR(すなわちLC CDR1、LC CDR2および/またはLC CDR3)の少なくとも一部分を含んでなる少なくとも1個の抗原結合領域を有することができる。好ましい態様では、抗体の3個の重鎖CDRおよび3個の軽鎖CDRまたは抗原結合断片は、本明細書中に記載のように、相当するmAb H1L1、H1L2、H2L1、H2L2、H1L3、H2L3の少なくとも1個のCDRのアミノ酸配列を有する。このような抗体は、慣用の技術を用いて抗体の種々の部分(例えばCDR、フレームワーク)を一緒に化学的に結合することにより、組換えDNA技術の慣用の技術を用いて抗体をコードする1種(すなわち1個またはそれ以上)の核酸分子を作製および発現することにより、またはその他のあらゆる適合する方法により作製できる。
RSV抗体は、規定されたアミノ酸配列を有する重鎖または軽鎖可変領域の少なくとも1個を含んでなることができる。例えば、好ましい態様では、RSV抗体は、場合により配列番号7、8および/または9の少なくとも1個のアミノ酸配列を有する少なくとも1個の重鎖可変領域、および/または場合により配列番号9、10および/または11の少なくとも1個のアミノ酸配列を有する少なくとも1個の軽鎖可変領域の少なくとも1個を含んでなる。ヒトRSVに結合しそして規定された重鎖または軽鎖可変領域を含んでなる抗体は、適合する方法、例えばファージディスプレイ(カツベ Y.ら(Katsube Y.et al.,Int J.Mol.Med,1(5):863−868(1988)))または当該技術分野で公知のようにおよび/または本明細書中の記載のようにしてトランスジェニック動物を使用する方法を用いて作製できる。例えば、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン重鎖導入遺伝子および機能的再構成を受けることができるヒト免疫グロブリン軽鎖座よりのDNAを含んでなる導入遺伝子を含んでなるトランスジェニックマウスは、ヒトRSVまたはその断片を用いて不死化して抗体の産生を誘発することができる。望む場合には、抗体産生細胞を単離できそしてハイブリドーマまたはその他の免疫化した抗体産生細胞は、本明細書中の記載のようにおよび/または当該技術分野で公知のようにして作製できる。あるいは、抗体、特定の部分または変種は、適当な宿主細胞内でコーディング核酸またはその部分を用いて発現できる。
本発明は、本明細書中に記載のアミノ酸配列と本質的に同様である配列中のアミノ酸を含んでなる抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖およびCDRにも関する。好ましくは、このような抗体または抗原結合断片およびこのような鎖またはCDRを含んでなる抗体は、ヒトRSVを高い親和性(例えば約10−9Mに等しいかまたはそれ未満のKD )で結合できる。本明細書中に記載の配列と本質的に同様であるアミノ酸配列は、同類(conservative)アミノ酸置換を含んでなる配列、ならびにアミノ酸欠失および/または挿入を含む。同類アミノ酸置換とは、第一のアミノ酸のものと類似する化学的および/または物理的性質(例えば電荷、構造、極性、疎水性/親水性)を有する第二のアミノ酸による第一のアミノ酸の置換を呼ぶ。同類置換は、下記グループ内の一個のアミノ酸の他のアミノ酸による置換を含む:リシン(K)、アルギニン(R)およびヒスチジン(H);アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、DおよびE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)およびグリシン(G);F、WおよびY;C、SおよびT。
アミノ酸コード
本発明のRSV抗体を作り上げているアミノ酸はしばしば短縮される。アミノ酸記号は、アミノ酸をその一文字コード、三文字コード、名称、または3個のヌクレオチドコドンによりアミノ酸を記号化して指定でき、これは当該技術分野では良く理解されている(アルバーツ、B.ら「細胞の分子生物学」第三版(Alberts,B.,Molecular Biology of The Cell,第三版、Garland Publishing,Inc.,New York,1994参照)。
Figure 2005522996
本発明のRSV抗体は、本明細書中に規定のように、天然の変異またはヒトの操作のいずれかにより、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または付加を含むことができる。
当然ながら、熟練者が作製するであろうアミノ酸置換の数は、上記のものを含め多数の因子に依存する。一般的には、いずれかの与えられたRSV抗体、断片または変種に対するアミノ酸置換、挿入または欠失の数は、本明細書中に同定するように、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個、例えば1〜30個またはその間のいずれかの範囲または値を越えない。
機能のために必須である本発明のRSV抗体内のアミノ酸は、当該技術分野では公知の方法、例えば部位指定変異誘発またはアラニン−スキャンニング変異誘発(例えば上記のオースベル、第8、15章、カニンガムおよびウエルズ(Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1985))により同定できる。後者の操作は、分子のすべての残基で単一アラニン変化変異を導入する。次いで、得られた変異分子を生物学的活性、例えば、これらに限定はされないが、少なくとも1個のRSV中和活性に関して試験する。抗体結合に重要な部位は、構造分析、例えば結晶化、核磁気共鳴または光親和性標識によっても同定できる(スミスら(Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:899−904(1994))およびデ フォスら(de Vos,et al.,Science 255:306−312(1992)))。
本発明のRSVタンパク質は、いずれかの少なくとも1個の公知RSV Fタンパク質の隣接アミノ酸の3〜100ないし全部から選択される少なくとも1個の部分、配列または組み合わせを含むことができるが、これらに限定はされない。本発明のRSV抗体は、配列番号1〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされる少なくとも1個の隣接アミノ酸の5個ないし全部から選択された少なくとも1個の部分、配列または組み合わせを含むことができるが、しかしこれらに限定はされず、好ましくそして場合により相当するCDRの少なくとも1個を含む。
表示した活性の少なくとも1個を増強または維持できる非−限定の変種には、これらに限定はされないが、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分の少なくとも1個、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされる1〜50アミノ酸よりなる群より選択された少なくとも1個の置換に相当する少なくとも1個の変異をさらに含んでなる上記のポリペプチドのいずれかも含まれる。
RSV抗体は、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分によりコードされる少なくとも1個の隣接アミノ酸、またはそれらのいずれかの変種の70〜100%のいずれか1個のポリペプチドを場合により含んでなることができる。
一つの態様では、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分もしくは図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかによりコードされるいずれか1個の相当する鎖のアミノ酸配列に対して、約70〜100の一致(例えば70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはその間のいずれかの範囲もしくは値)を有する。好ましくは、70〜100アミノ酸一致(すなわち、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはその間のいずれかの範囲もしくは値)は、当該技術分野で公知のように、適合するコンピューターアルゴリズムを用いて決定される。
例示的な重鎖および軽鎖可変領域配列は、配列番号7〜12に提供される。本発明のタンパク質および抗体、または特定のそれらの変種は、本発明の抗体より隣接アミノ酸残基のいずれかの数を含んでなる、ここで、数はRSVタンパク質または抗体内の隣接残基の数の10〜100%より成る整数の群より選択される。場合により、隣接アミノ酸のサブ配列(subsequence)は、少なくとも長さが約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250もしくはそれ以上のアミノ酸長さ、またはそれらの間のいずれかの範囲もししくは値である。さらに、このようなサブ配列の数は、1〜20よりなる群、例えば少なくとも2、3、4または5より選択されたいずれかの整数であることができる。
熟練者が認めるように、本発明は、本発明の少なくとも1種の生物学的に活性なタンパク質または抗体を含む。生物学的に活性なタンパク質または抗体は、特異的活性を、本来(非−合成)、内因性または関連しそして公知のタンパク質もししくは抗体のものの少なくとも20%、30%、もしくは40%、そして好ましくは少なくとも50%、60%、もしくは70%、そして最も好ましくは少なくとも80%、90%、もしくは95%〜1000%を有する。酵素活性および基質特異性のアッセイおよび定量測定の方法は、当該技術分野の専門家には周知である。
別の態様では、本発明は、本明細書中に記載のように、一つの部分の共有結合付着により変性された本発明のRSVタンパク質または抗体に関する。このような変性は、改善された薬物動態学的性質(例えば上昇したin vivo血清半減期)を有するRSVタンパク質または抗体を産生できる。有機部分は、線状または分枝状親水性ポリマー基、脂肪酸基、または脂肪酸エステル基であることができる。特定の態様では、親水性ポリマー基は、約800〜約120,000ドルトンの分子量を有することができそしてポリアルカングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマーまたはポリビニルピロリドンであることができ、そして脂肪酸または脂肪酸エステル基は炭素原子約8〜約40個を含んでなることができる。
本発明の変性タンパク質および抗体は、抗体またはタンパク質に直接または間接的に共有結合している1個またはそれ以上の有機部分を含んでなることができる。本発明のタンパク質または抗体に結合しているそれぞれの有機部分は、独立して親水性ポリマー基、脂肪酸基または脂肪酸エステル基であることができる。本明細書中に使用される場合に、「脂肪酸」という用語は、モノカルボン酸またはジカルボン酸を包含する。用語が本明細書中に使用される場合に、「親水性ポリマー基」とは、オクタン中よりも水中に良く溶解できる有機ポリマーを呼ぶ。例えば、ポリリシンはオクタン中よりも水中に良く溶解する。従って、ポリリシンの共有結合により変性されたRSV抗体またはタンパク質は、本発明に包含される。本発明の抗体またはタンパク質を変性するために適当な親水性ポリマーは、線状または分枝状であることができそして例えば、ポリアルカングリコール(例えばPEG、モノメチルポリエチレングリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えばデキストラン、セルロース、オリゴ糖類、多糖類、など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えばポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキシド(例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)およびポリビニルピロリドンを含む。好ましくは、本発明のタンパク質または抗体を変性する親水性ポリマーは、分離した分子の本体として約800〜約150,000ドルトンの分子量を有する。例えば、PFG5000およびPEG20,000が使用でき、ここで下付き文字はポリマーの平均分子量をドルトンで表したものである。親水性ポリマー基は、1〜約6個のアルキル、脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換できる。脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換された親水性ポリマーは、適当な方法を用いて調製できる。例えば、アミン基を含んでなるポリマーは、脂肪酸または脂肪酸エステルのカルボキシレートにカプリングでき、そして脂肪酸または脂肪酸エステル上で活性化されたカルボキシレート(例えばN,N−カルボニルジイミダゾールで活性化)は、ポリマー上のヒドロキシル基にカプリングできる。
本発明の抗体を変性するために適当な脂肪酸および脂肪酸エステルは飽和であることができまたは1個またはそれ以上の不飽和単位を含むことができる。本発明の抗体を変性するために適当な脂肪酸には、例えばn−ドデカン酸(C12、ラウリン酸)、n−テトラデカン酸(C14、ミリスチン酸)、n−オクタデカン酸(C18、ステアリン酸)、n−エイコサン酸(C20、アラキドン酸)、n−ドコサン酸(C22、ベヘン酸)、n−トリアコンタン酸(C30)、n−テトラコンタン酸(C40)、シス−Δ9−オクタデカン酸(C18、オレイン酸)すべてのシス−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエン酸(C20、アラキドン酸、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸などが含まれる。適当な脂肪酸エステルには、線状または分枝状低級アルキル基を含んでなるジカルボン酸のモノエステルが含まれる。低級アルキル基は、1〜約12個、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含んでなることができる。
変性されたヒトタンパク質および抗体は、適当な方法、例えば1種またはそれ以上の変性剤との反応を用いて調製できる。用語が本明細書中で使用される場合に、「変性剤」とは、活性化基を含んでなる適当な有機基(例えば親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を呼ぶ。「活性化基」とは、適当な条件下で、第二の化学基と反応でき、それにより変性剤と第二の化学基との間に共有結合を形成する化学部分または官能基である。例えば、アミン−活性の活性化基には、親電子性基、例えばトシラート、メシラート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)などが含まれる。チオール類と反応できる活性化基には、例えばマレイミド、ヨードアセチル、アクリロイル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)などが含まれる。アルデヒド官能基は、アミンまたはヒドラジンを含む分子にカプリングでき、そしてアジド基は三価のリン基と反応してホスホルアミデートまたはホスホルイミド結合を形成できる。分子内に活性化基を導入するために適当な方法は、当該技術分野では公知である(例えばヘルマンソン、G.T.「バイオコンジュゲート技術」(Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:SanDiego,CA(1996))参照)。活性化基は、有機基(例えば親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接結合するか、またはリンカー部分、例えば1個またはそれ以上の炭素原子がヘテロ原子、例えば酸素、窒素もしくは硫黄で置換されていてもよい二価C〜C12基を介して結合できる。適当なリンカー部分には、例えばテトラエチレングリコール、−(CH−、−NH−(CH−NH−、−(CH−NH−、および−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−NH−が含まれる。リンカー部分を含んでなる変性剤は、例えば、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えばモノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノヘキサン)と脂肪酸とを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で反応させて遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間にアミド結合を形成させて調製できる。Boc保護基は、トリフルオロ酢酸(TFA)を用いる処理による上記の別のカルボキシレートにカプリングできる第一級アミンに暴露して生成物より除去できるか、または無水マレイン酸と反応させそして得られた生成物を環化して脂肪酸の活性化マレインイミド誘導体を生成できる(例えばトムソンら(Thompson,et al.,WO92/16221参照、その全体を引用することにより本明細書に編入する)。
本発明の変性されたタンパク質または抗体は、タンパク質または抗体を変性剤と反応させて調製できる。例えば、アミン反応性変性剤、例えばPEGのNHSエステルを用いて、非−部位特異性の様式で有機部分を抗体またはタンパク質に結合できる。変性されたRSVタンパク質または抗体は、タンパク質および抗体のジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元してでも調製できる。次いで還元されたタンパク質および抗体をチオール反応性変性剤と反応させて本発明の変性された抗体を調製できる。本発明の抗体の特定の部位に結合している有機部分を含んでなる変性されたタンパク質および抗体は、適当な方法、例えば逆タンパク質分解(フィッシュら(Fisch et al.,Bioconjugate Chem.,3:147−153(1992));ワーレンら(Werlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411−417(1994));クマランら(Kumaran et al.,Protein Sci.6(10):2233−2241(1997));イトーら(Itoh et al.,Bioorg.Chem.24(1):59−68(1996));カペラスら(Capellas et al.,Biotech.Bioeng.56(4):456−463(1997)))およびヘルマンソン、G.T.「バイオコンジュゲート技術」(Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:SanDiego,CA(1996)))中に記載の方法を用いて調製できる。
RSV抗体組成物へのイディオタイプ抗体
モノクローナルまたはキメラRSV抗体に加えて、本発明は、本発明のこのような抗体に特異性のイディオタイプ(Id)抗体にも関する。抗−Id−抗体は、他の抗体の抗原結合領域と一般的に関連するユニークな決定因子を認識する抗体である。Idは、Id抗体の起源として同じ種および遺伝子タイプの動物(例えばマウス株)を抗体またはそのCDR含有領域を用いて免疫化して調製できる。免疫化した動物は、免疫化抗体のイディオタイプ決定因子を認識して反応し、そして抗−Id抗体を産生する。抗−Id抗体は、さらに他の動物内に免疫反応を誘発するための「免疫原」としても使用して、いわゆる抗Id−抗体を産生してもよい。
RSVタンパク質および抗体組成物
本発明は、本来的には存在しない組成物、混合物または形状で提供される本明細書中に記載および/または当該技術分野で公知のような少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種またはそれを越えるRSV抗体またはそのタンパク質を含んでなる少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質組成物も提供する。このような組成物は、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分でコードされる隣接アミノ酸の5〜100%、またはそれらの特定の断片、ドメインもしくは変種より成る群より選択された少なくとも1種または2種のRSV抗体またはタンパク質アミノ酸配列を含んでなる本来的には存在しない組成物を含んでなる。好ましいRSV抗体組成物は、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分でコードされるもの、またはそれらの特定の断片、ドメインもしくは変種の70〜100%のRSV抗体配列の部分を含む少なくとも1種のCDRとして、少なくとも1種または2種の全長、断片、ドメインまたは変種を含む。さらに好ましい組成物は、配列番号7〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A〜Gもしくは5A〜Fのいずれかの部分でコードされるもの、またはそれらの特定の断片、ドメインもしくは変種の70〜100%の少なくとも1個の40〜99%を含んでなる。このような組成物百分率は、当該技術分野で公知のようにまたは本明細書中に記載のように、重量、体積、濃度、モル濃度、または液体もしくは乾燥溶液、混合物、懸濁液、エマルションもしくはコロイドとしてのモル濃度基準である。
本発明のRSV抗体またはタンパク質組成物は、このような調節、処置または治療を必要とする細胞、組織、器官、動物または患者への少なくとも1種のRSV抗体を含んでなることができ、場合によりさらに少なくとも1種のTNFアンタゴニスト(例えば、これらに限定はされないが、TNF抗体または断片、可溶性TNFレセプターまたは断片、それらの融合タンパク質、または小分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート(methotrexate)、オーラノフィン(auranofin)、オーロチオグルコース(aurothioglucose)、アザチオプリン(azathioprine)、エタネルセプト(etanercept)、金ナトリウムチオマレート(gold sodium thiomalate)、硫酸ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine sulfate)、レフルノミド(leflunomide)、スルファザルジン(sulfazalzine))、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えばアミノグリコシド)、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン(cephalosporin)、フルオルキノロン(fluorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他の抗菌薬)、疥癬薬(antipsoriatic)、コルチコステロイド、同化ステロイド(anabolic steroid)、糖尿病関連薬剤、無機質、栄養薬、サイロイド薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、下痢止め薬、鎮咳薬、鎮吐薬、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝血薬、エリスロポイエチン(例えばエポエチンアルファ(epoetin alfa))、フィルグラスチム(filgrastim)(例えばG−CSF、ノイポゲン(Neupogen))、サルグラモスチム(sargramostim)(G−CSF、ロイキン(Leukine))、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ(basiliximab)、サイクロスポリン(cyclosporine)、ダクリズマブ(daclizumab))、成長ホルモン、ホルモン代替薬、エストロゲンレセプター調節薬、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経様作用薬、興奮薬、ドネペジル(donepezil)、タクリン(tacrin)、喘息薬、ベータ拮抗薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害薬、メチルキサンチン(methylxanthine)、クロモリン(Cromolyn)、エピネフリン(epinephrine)または類似薬、ドルナーゼ
アルファ(dornase alpha)(プルモジム(Pulmozyme))、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストより選択された少なくとも1種を含んでなる組成物または薬剤組成物のいずれかの適当でそして有効量の少なくとも1種を含んでなることができる。このようなサイトカインの非限定的な例は、これらに限定はされないが、IL−1〜IL−23のいずれかを含む。適当な投与量は、当該技術分野で周知である。例えば、ウエルズら編集「薬物療法ハンドブック」第二版(Wells,et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd.Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000);「PDRファルマコペイア」(PDR Pharmacopeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000))、これらの引用文献それぞれは、引用することによりすべて本明細書に編入される。
このような組成物は、本発明の少なくとも1種の抗体またはタンパク質と関連、結合、同時製剤または一緒に投与されるトキシン分子も含むことができる。トキシンは、場合により病原体細胞または組織を選択的に殺すように作用することができる。病原性細胞は、ガンまたはその他の細胞であることができる。このようなトキシンは、これらに限定はされないが、トキシンの少なくとも1種の機能性細胞毒性ドメイン、例えばリシン、ジフテリアトキシン、毒物トキシン(venom toxin)、細菌トキシンの少なくとも1種より選択されたものを含んでなる精製または組換えられたトキシンまたはトキシン断片であることができる。トキシンという用語は、死亡をもたらすことができるトキシンショックを含むヒトおよびその他の哺乳動物内にいずれかの病状を起こすことができるいずれかの天然に存在、変異または組換え細菌またはウイルスにより産生されるエンドトキシンおよびエキソトキシンの双方も含む。このようなトキシンには、これらに限定はされないが、エンテロトキシン性大腸菌(E.coli)非耐熱性エンテロトキシン(LT)、熱安定性エンテロトキシン(ST)、赤痢菌(Shigella)細胞毒、アエロモナス(Aeromonas)エンテロトキシン、毒性ショック症候群トキシン−1(TSST−1)、ブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシンA(SEA)、B(SEB)もしくはC(SEC)、連鎖球菌エンテロトキシンなどが含まれてもよい。このような細菌には、これらに限定はされないが、エンテロトキシン産生性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌(例えば血清型0157:H7の株)、ブドウ球菌種(例えば黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ピオゲネス(Staphylococcus pyogenes))、赤痢菌種(例えば志賀赤痢菌、フレクスナー赤痢菌、ボイド赤痢菌、ソンネ赤痢菌)、サルモネラ種(例えばチフス菌、豚コレラ菌、腸炎菌)、クロストリジウム種(例えばウェルシュ菌、クロストリジウム・ディフィシレ(clostridium dificile)、ボツリヌス菌)、カンフロバクター(Camphlobacter)種(例えばカンフロバクター・ジェジュニ(Camphlobacter jejuni)、カンフロバクターフェツス(Camphlobacter fetus)、ヘリオバクター(Heliobacter)種(例えばピロリ菌(Heliobacter pylori)、アエロモナス(Aeromonas)種(例えばアエロモナス・ソブリア(Aeromonas sobria))、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アエロモナス・カヴィエ(Aeromonas caviae))、プレイソモナス・シゲロイデス(Pleisomonas shigelloides)、イェルシナ・エンテロコリチカ(Yersina enterocolitica)、ビブリオ(Vibrios)種(例えばコレラ菌(Vibrios cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrios parahemolyticus)、クレブシエラ(Klebsiella)種、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、およびストレプトコッカス(Streptococci)の種の株を含む。例えばスタイン編集「内科学」(Stein ed.INTERNAL MEDICINE、3rd ed.,1〜13ページ、Little,Brown and
Co.,Boston(1990))、エヴァンスら編集「ヒトの細菌感染、疫学およびコントロール」(Evans et al.eds.,Bacterial Infections of Humans:Epidemiology and Control,2d.Ed、239−254ページ、Plenum Medical Book Co.,New York(1991));マンデルら「感染疾患の原理と実際」(Mandell et al,Principles and Practice of Infectious Diseases,3d Ed..Churchill Livingstone,New York(1990));バーコフら編集「メルク・マニュアル」(Berkow et al,eds.,The Merck Manual,16th edition,Merck and Co.,Rahway,N.J.,1992);ウッドら(Wood et al,FEMS Microbiology Immunology,76:121−134(1991));マラックら(Marrack et al.,Science,248:705−711(1990))参照。それらの引用文献の内容は、引用することによりすべて本明細書に編入される。
本発明のRSV抗体またはタンパク質化合物、組成物または組み合わせは、さらに少なくとも1種のいずれかの適当な助剤、例えば、これらに限定はされないが、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩類、親油性溶剤、保存剤、アジュバントなどを含んでなることができる。製薬学的に許容できる助剤が好ましい。このような滅菌溶液を調整する非限定的例、およびその方法は、当該技術分野では周知であり、例えば、これらに限定はされないが、ジェンナロ編集「レミントンの薬剤科学」(Gennaro,Ed.,Reminton’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA)1990)参照。製薬学的に許容できるキャリヤは、当該技術分野で周知または本明細書中に記載のようにRSV抗体またはタンパク質組成物の投与の様式、溶解度および/または安定性のために適するように慣用的に選択できる。
本組成物中で有用な薬剤賦形剤および添加剤には、これらに限定はされないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、および炭水化物(例えば単糖類、二、三、四、およびオリゴ糖類または糖ポリマーを含む糖類、誘導(derivertizsd)糖類、例えばアルジトール(alditol)、アルドン酸(aldonic acid)、エステル化糖類など;および多糖類または糖ポリマー)が含まれ、これらは単独または組み合わせて存在することができ、単独または組み合わせで1〜99.99%(重量または体積基準)を含んでなる。例示的であるが非限定的なタンパク質賦形剤には、血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどが含まれる。緩衝能力としても機能できる代表的なアミノ酸/抗体成分には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが含まれる。1種の好ましいアミノ酸はグリシンである。
本発明に使用するために適する炭水化物賦形剤には、例えば単糖類、例えば果糖、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなど;二糖類、例えばラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなど;多糖類、例えばラッフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなど;およびアルジトール類、例えばマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グリシトール)、ミオシトールなどが含まれる。本発明に使用するために好ましい炭水化物賦形剤は、マンニトール、トレハロース、およびラフィノースである。
RSV抗体またはタンパク質組成物は、緩衝剤またはpH調整剤を含んでもよく、典型的には、緩衝剤は有機酸または塩基より調製された塩である。代表的な緩衝剤には、有機酸塩、例えばクエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の塩;トリス(Tris)、塩酸トロメタミン、またはリン酸緩衝剤が含まれる。本組成物内に使用のために好ましい緩衝剤は、有機酸塩、例えばクエン酸塩である。
さらに、本発明のRSV抗体またはタンパク質は、ポリマー状賦形剤/添加剤、例えばポリビニルピロリドン、フィコール(ficoll、ポリマー状糖)、デキストレート(例えばシクロデキストリン、例えば2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、調味料、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、静電防止剤、界面活性剤(例えばポリソルベート、例えば「TWEEN20」および「TWEEN80」)、脂質(例えばリン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えばコレステロール)およびキレート剤(例えばEDTA)を含むことができる。
本発明に従うRSV抗体またはタンパク質組成物中に使用するために適するそれらおよび追加の公知の薬剤賦形剤および/または添加剤は、当該技術分野では公知であり、例えば「レミントン:薬剤の科学および実際」(”Remington:The Science & Practice of Pharmacy”,19th ed.,Williams & Williams,(1995))および「医師の机上参考書」(”Physician’s Desk Reference”,52th ed.,Medical Economics,Montvale,NJ(1998))に表示され、それらの開示は、引用することによりすべて本明細書に編入される。好ましいキャリヤまたは賦形剤は、炭水化物(例えば糖類およびアルディトール)および緩衝剤(例えばクエン酸塩)またはポリマー状剤である。
製剤
上記のように、本発明は安定な製剤を提供し、それは好ましくは生理食塩水または選択された塩類を含むリン酸緩衝液、ならびに保存剤を含む保存性溶液および製剤、ならびに薬剤または獣医薬への使用に適する多用途保存製剤であり、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を製薬学的に許容できる製剤中に含んでなる。保存される製剤は、少なくとも1種の公知の保存剤または場合により少なくとも1種のフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば6水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール(thimerosal)、またはそれらの混合物を水性希釈剤中に含むものよりなる群より選択されたものを含む。あらゆる適当な濃度または混合物が当該技術分野では公知のようにして使用でき、例えば0.001〜5%、またはその間のいずれかの範囲または値、例えば、これらに限定はされないが、0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、またはその間のいずれかの範囲または値である。非限定的な例では、保存剤はなく、0.1〜2%m−クレゾール(例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1〜3%ベンジルアルコール(例えば0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001〜0.5%チメロサール(例えば0.005、0.01)、0.001〜2.0%フェノール(例えば0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%アルキルパラベン(類)(例えば0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などを含む。
上記のように、本発明は、包装材料、および指定された緩衝剤および/または保存剤を用い、場合により水性希釈剤中の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の溶液を含んでなる少なくとも1個の小瓶を含んでなる製品を提供し、ここで上記の包装材料はこのような溶液が1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間またはそれ以上の期間維持できることを示したラベルを含んでなる。本発明は、さらに、包装材料、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を凍結乾燥して含んでなる第一の小瓶、指定された緩衝液または保存剤の水性希釈液を含んでなる第二の小瓶を含んでなる製品を含んでなり、ここで該包装材料は、水性希釈剤中の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を再構成するために、24時間またはそれ以上の期間維持できる溶液を形成することを患者に指示するラベルを含んでなる。
本発明に従って使用される少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質は、哺乳動物細胞もしくはトランスジェニック調製よりのものを含み、組換え手段により産生されることができ、または本明細書中に記載されているかまたは当該技術分野では公知のように、他の生物学的起源より精製できる。
本発明の少なくとも1種の製品中の少なくとも1種のRSV抗体の範囲には、湿潤/乾燥系内の場合には約1.0ng/ml〜約1000ng/mlの濃度を再構成して生成する量を含み、そしてより高いかまたはより低い濃度でも操作可能でありそしてそれでも意図する送達ビヒクルに依存し、例えば溶液製剤は経皮パッチ、肺、経粘膜、または浸透圧またはマイクロポンプ法とは異なる。
本発明の少なくとも1種の製品中の少なくとも1種のRSV抗体の範囲には、湿潤/乾燥系内で約1.0μg/ml〜約1000mg/mlの濃度を再構成して生成する量を含み、ここでより高いかまたはより低い濃度でも操作可能でありそしてそれでも意図する送達ビヒクルに依存し、例えば溶液製剤は経皮パッチ、肺、経粘膜、または浸透圧またはマイクロポンプ法とは異なる。
好ましくは、水性希釈剤は、場合により製薬学的に許容できる保存剤をさらに含んでなる。好ましいは保存剤には、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール、またはそれらの混合物より成る群から選択されたものが含まれる。製剤中に使用される保存剤の濃度は、微生物効果を生むために十分な濃度である。このような濃度は選択された保存剤に依存しそして熟練者により容易に決定される。
他の賦形剤、例えば等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存増強剤は、場合によりそして好ましくは希釈剤に加えられることができる。等張剤、例えばグリセリンは、公知濃度で通常加えられる。生理学的に許容される緩衝剤は、好ましくは改善されたpH制御を得るために使用される。製剤は、広範囲のpH、例えば約pH4〜約pH10、そして好ましい約pH5〜約pH9の範囲、そして最も好ましい約pH6.0〜約pH8.0の範囲をカバーできる。好ましくは、本発明の製剤は、約6.8〜約7.8の間のpHを有する。好ましい緩衝剤は、リン酸塩緩衝剤、最も好ましくはリン酸ナトリウム、とくにはリン酸緩衝された生理食塩水(PBS)を含む。
他の添加剤、例えば製薬学的に許容できる可溶化剤、例えばツウイーン(Tween)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウリン酸塩)、ツイーン40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミチン酸塩)、ツイーン80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸塩)、プルロニック(Pluronic)F68(ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン ブロックコポリマー)、または非−イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート(polysorbate)20もしくは80またはポロキサマー(Poloxamer)184または188、プルロニック(Pluronic)(R) ポリオール、その他のブロックコポリマー、およびキレート化剤、例えばEDTAおよびEGTAは、場合により凝集を低下させるために製剤または組成物に加えることができる。それらの添加剤はポンプまたはプラスチックコンテナーが製剤を投与するために使用される場合に特に有用である。製薬学的に許容できる界面活性剤の存在は、タンパク質が凝集する傾向を低下させる。
本発明の製剤は、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質と、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよっびチメロサール、またはそれらの混合物より成る群から選択された保存剤とを水性希釈剤中で混合することを含んでなるプロセスにより調製できる。少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質と保存剤との水性希釈剤中での混合は、慣用の溶解および混合操作を用いて実行される。例えば、適当な製剤を調製するために、緩衝溶液中で少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の計量された量を、タンパク質および保存剤を所望の濃度で提供するために十分な量の緩衝溶液中の所望の保存剤とを一緒にする。この方法の変更は、当該技術分野の通常の専門家により認められるであろう。例えば、成分を添加する順序、追加の添加剤を使用するかどうか、製剤が調製される温度およびpH、は、すべて使用される濃度および投与の手段について最適化できる因子である。
特許請求する製剤は、患者に、透明な溶液としてまたは水性希釈相中で、水、保存剤および/または賦形剤、好ましくはリン酸緩衝剤および/または生理食塩水および選択された塩を含む第二の小瓶を用いて再構成され凍結乾燥された少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の一つの小瓶と含んでなる二重小瓶(dual vial)として提供できる。単一溶液小瓶または再構成を要する二重小瓶のいずれも、複数回数に再使用できそして患者処置の単一または複数サイクル処置に十分であり従って現在利用できるものよりはさらに好都合な処置手段を提供できる。
この現在の特許請求する製品は、即時または24時間またはそれ以上の期間に渡って投与するために有用である。従って、この現在特許請求する製品は、患者に著しい利益を与える。本発明の製剤は、場合により約2〜約40℃の温度で安全に貯蔵できそして長期間にわたってタンパク質の生物学的活性を保持し、従って、溶液が6、12、18、24、36、48、73、または96時間またはそれ以上の期間にわたって維持および/または使用できると記載した包装ラベルを可能とする。保存性希釈剤を用いると、例えばこのラベルは1〜12カ月、半年、1年、1.5年および/または2年までを含むことができる。
本発明における少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の溶液は、水性希釈剤中に少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を混合することを含んでなるプロセスにより調製できる。混合は、慣用の溶解および混合操作を用いて実行される。適当な希釈剤を調製するために、例えば、水または緩衝液中の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の測定された量を、所望の濃度でタンパク質および場合により保存剤または緩衝剤を提供するために十分な量と組み合わせる。この方法の変更は、当該技術分野の通常の専門家により認められるであろう。例えば、成分を加える順序、追加の添加剤を使用するかどうか、製剤が調製される温度およびpHは、すべて使用される濃度および投与の手段について最適化できる因子である。
特許請求する製品は、患者に、透明な溶液としてまた水性希釈液を含む第二の小瓶を用いて再構成される凍結乾燥された少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の一つの小瓶を含んでなる二重小瓶として提供できる。単一溶液小瓶または再構成を要する二重小瓶のいずれでも、複数回再使用できそして患者処置の単一または複数サイクルに十分であり従って現在利用できるものよりはさらに好都合な処置手段を提供できる。
特許請求する製品は、薬局、診療所、またはその他のこのような病院または施設に、透明溶液または水性希釈剤を含む第二の小瓶を用いて再構成される凍結乾燥した少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の小瓶を含んでなる二重小瓶を提供することにより患者に間接的に提供されることができる。この場合の透明溶液は、その量が1リットルまたはそれ以上であることができ、少なくとも1種の抗体またはタンパク質溶液の小さい部分が小瓶に移動するために一回または数回で小分けできそして薬局または診療所によりそれらの顧客および/または患者に提供されることができる大きい貯槽を提供する。
これらの単一小瓶システムを含んでなる承認されたデバイスには、溶液の送達のための以下のようなペン−注入デバイス、例えばBDペン、BDオートジェクター(Autojector)(R)、ヒュマジェクト(Humaject)(R)、ノヴォペン(NovoPen)(R)、BD(R)ペン(Pen)、オートペン(AutoPen)(R)、およびオプティペン(OptiPen)(R)、ジェノトロピンペン(GenotropinPen)(R)、ジェノトロノルムペン(GenotronormPen)(R)、ヒュマトロペン(HumatroPen)(R)、レコ−ペン(Reco−Pen)(R)、ロフェロンペン(RoferonPen)(R)、バイオジェクター(Biojector)(R)、アイジェクト(iject)(R)、J−チップ ニードルフリー−インジェクター(J−tip Needle−Free Injector)(R)、イントラジェクト(Intraject)(R)、メディ−ジェクト(Medi−Ject)(R)、が含まれ、例えばベクトン−ディッケンソン(Becton Dickenson, Franklin Lakes,NJ,www.bectondickenson.com)、ディセトロニック(Disetronic,Burgdorf,スイス,www.disetronic.com)、バイオジェット(Biojet,Portland,Oregon,www.biojet.com)、ナショナル メディカル プロダクツ(National Medical Products)、ウエストン メディカル(Westson Medical,Peterborough,UK,www.weston−medical,com.)メディジェクト社(Medi−Ject Corp.,Minneapolis,MN,www.mediject.com)、により製作または開発されている。二重小瓶のシステムを含んでなる承認されたデバイスには、再構成溶液の送達のためカートリッジ中の凍結乾燥された薬剤を再構成のためのそれらのペンインジェクターシステムが含まれ、例えばヒュマトロペン(HumatroPen)(R)である。
ここで特許請求する製品には、包装材料も含まれる。包装材料は、統制官庁により要求される情報に加えて、製品が使用できる条件を提供する。本発明の包装材料は、二個の小瓶、湿潤/乾燥、製品のために水性希釈液中で少なくとも1種のRSV抗体もしくはタンパク質を再構成し、溶液を調製しそして2〜24時間、またはそれ以上の期間にわたって溶液を使用するための患者への指示を提供する。単一小瓶の溶液製品に対しては、ラベルは、このような製品が2〜24時間、またはそれ以上の期間にわたって使用できることを示す。ここに特許請求する製品は、ヒト医薬製品使用のために有用である。
本発明の製剤は、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質と選択された緩衝液、好ましくは生理食塩水または選択された塩を含むリン酸緩衝液とを混合することを含んでなるプロセスにより調製できる。水性希釈液中での少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質と緩衝液との混合は、慣用の溶解および混合操作を用いて実行される。適当な製剤を調製するために、例えば、水中または緩衝液中の少なくとも1種の抗体またはタンパク質の測定された量を、所望の濃度でタンパク質と緩衝液とを提供するために十分な量の水中で所望の緩衝剤と混和する。この方法の変更は、当該技術分野の通常の専門家により認められるであろう。例えば、成分を加える順序、追加の添加剤を使用するかどうか、製剤を調製する温度およびpHは、すべて使用される濃度および投与手段に関して最適化できる因子である。
特許請求する安定または保存された製剤は、透明溶液としてまたは水性希釈液中に保存剤もしくは緩衝剤と賦形剤とを含む第二の小瓶を用いて再構成された凍結乾燥の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の小瓶を含んでなる二重小瓶として患者に提供できる。単一溶液小瓶でもまたは再構成を要する二重小瓶のいずれでも複数回再使用できそして患者処置の単一または複数サイクルに十分であり、従って現在利用できるものよりもさらに好都合な処置方法を提供できる。
本明細書中に記載した安定または保存された製剤または溶液中のいずれかである少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質は、本発明に従って、SCまたはIM注入、経皮、肺、経粘膜、埋込、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、または熟練者により承認されたその他の手段を含む各種の送達方法を介して患者に投与でき、これらは当該技術分野では周知である。
治療への適用
本発明は、当該技術分野で既知のようにしてまたは本明細書中に記載のようにして、本発明の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を用いて、細胞、組織、器官、動物または患者中の少なくとも1種のRSV関連疾患を調節または処理するための方法を提供する。
本発明は、下呼吸器感染、肺炎、気管気管支炎、細気管支炎、気管支炎を含み、これらに限定はされない細胞、器官、動物、もしくは患者における少なくとも1種の成人または小児のRSV関連疾患、およびあらゆる関連感染または炎症性疾患、例えば、これらに限定はされないが、少なくとも1種、または関連する炎症の少なくとも1種、全身炎症反応症候群、敗血症症候群、グラム陽性菌性敗血症、グラム陰性菌性敗血症、カルチャー陰性敗血症、真菌性敗血症、白血球減少熱病、尿性敗血症、髄膜炎菌菌血症、成人呼吸困難症候群、アレルギー性鼻炎、通年性鼻炎、喘息、全身性過敏症、レセプター過敏性反応、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、過敏性肺臓炎、細胞内器官による肉腫、薬物感受性、カヘキシー、嚢胞性繊維症、新生児慢性肺疾患;急性もしくは慢性細菌感染症、細菌、ウイルスおよび真菌感染症を含む急性もしくは慢性の寄生虫もしくは感染プロセス、HIV感染症、HIV神経疾患、髄膜炎、肝炎(A、BまたはC、など)、敗血性関節炎、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、大腸菌0157:h7、溶血尿毒症症候群、血栓崩壊性血小板減少性紫斑症、マラリア、デング出血性熱病、リーシュマニア症、らい病、トキシックショック症候群、連鎖球菌筋炎、ガス壊疽、ヒト型結核症、細胞内鳥型結核菌、ニューモシスティス カリーニー肺炎、骨盤炎症性疾患、睾丸炎、精巣上体炎、レジオネラ菌、ライム病、インフルエンザa、エプスタイン−バー−ウイルス、ウイルス関連血球貪食症候群、バイタル(vital)性脳炎、無菌性髄膜炎、などの少なくとも1種を含み、これらに限定はされないが、細胞、組織、器官、動物もしくは患者内の少なくとも1種の感染疾患を調節または処置するための方法も提供する。このような方法は、場合により、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を含んでなる組成物もしくは薬剤組成物の有効量をこのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、器官、動物もしくは患者に投与することを含んでなる。
本発明のいずれの方法も、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を含んでなる組成物もしくは薬剤組成物の有効量をこのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、器官、動物もしくは患者に投与することを含んでなることができる。このような方法は、場合によりさらにこのような疾患を処置するための同時投与または併用療法を含んでなることができ、ここで、上記の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質、特定の部分もしくはそれらの変種の投与は、さらに少なくとも1種のTNFアンタゴニスト(例えば、これらに限定はされないが、TNF抗体または断片、可溶性TNFレセプターもしくは断片、それらの融合タンパク質、または小分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート(methotrexate)、オーラノフィン(auranofin)、オーロチオグルコース(aurothioglucose)、アザチオプリン(azathioprine)、エタネルセプト(etanercept)、金ナトリウムチオマレート(gold sodium thiomalate)、硫酸ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine sulfate)、レフルノミド(leflunomide)、スルファザルジン(sulfazalzine))、筋弛緩薬、麻薬、非−ステロイド炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えばアミノグリコシド)、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン(cephalosporin)、フルオルキノロン(fluorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他の抗菌薬)、疥癬薬(antipsoriatic)、コルチコステロイド、同化ステロイド(anabolic steroid)、糖尿病関連薬剤、無機質、栄養薬、サイロイド薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、下痢止め薬、鎮咳薬、鎮吐薬、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝血薬、エリスロポイエチン(例えばエポエチンアルファ(epoetin alfa))、フィルグラスチム(filgrastim)(例えばG−CSF、ノイポゲン(Neupogen))、サルグラモスチム(sargramostim)(GM−CSF、ロイキン(Leukine))、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ(basiliximab、サイクロスポリン(cyclosporine)、デクリズマブ(declizumab))、成長ホルモン、ホルモン代替薬、エストロゲンレセプター調節薬、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経様作用薬、興奮薬、ドネペジル(donepezil)、タクリン(tacrin)、喘息薬、ベータ作動薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害薬、メチルキサンチン(methylxantine)、クロモリン(cromolyn)、エピネフリン(epinephrine)または類似薬、ドルナーゼ アルファ(dornase alpha)(プルモジム(Pulmozyme))、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストより選択された少なくとも1種をその前、同時、および/またはその後に投与することを含んでなる。適当な投与量は、当該技術分野では周知である。例えばウエルズら編集「薬物療法ハンドブック」第二版(Wells,et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd.Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000);「PDRファルマコペイア(PDR Pharmacopeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing, Loma Linda,CA(2000))、これらの引用文献それぞれは、引用することにより本明細書に編入される。
本発明の組成物、併用治療、同時投与、デバイスおよび/または方法のために適するTNFアンタゴニスト(さらに本発明の少なくとも1種のRSV抗体、特定の部分およびそれらの変種を含んでなる)には、これらに限定はされないが、TNF抗体、それらの抗原結合断片、およびTNFを特異的に結合するレセプター分子、TNF合成、TNF放出または標的細胞へのその作用を防止および/または阻害する化合物、例えばサリドマイド(thalidomide)、デニダプ(tenidap)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例えばペントキシフィリン(pentoxifylline)およびロリプラム(rolipram))、A2bアデノシンレセプターアゴニストおよびA2bアデノシンレセプターエンハンサー;TNFレセプター信号伝達を防止および/または阻害する化合物、例えばマイトジェン(mitogen)活性化タンパク質(MAP)キナーゼ阻害剤;膜TNF切断を遮断および/または阻害する化合物、例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤;TNF活性を遮断および/または阻害する化合物、例えばアンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤(例えばカプトプリル(captopril));およびTNF産生および/または合成を遮断および/または阻害する化合物、例えばMAPキナーゼ阻害剤が含まれる。
本明細書中に使用する場合に、「腫瘍壊死因子抗体」、「TNF抗体」、「TNFα抗体」、または断片などは、in vitro、in situおよび/または好ましくはin vivoにおいてTNFα活性を低下、遮断、阻害、阻止または干渉する。例えば、本発明の適当なTNFヒト抗体はTNFαを結合できそしてTNF抗体、その抗原結合断片、およびTNFαに特異的に結合するそれらの特定の変異体またはドメインを含む。適当なTNF抗体または断片も、TNF RNA、DNAまたはタンパク質合成、TNF放出、TNFレセプター信号伝達、膜TNF切断、TNF活性、TNF産生および/または合成を低下、遮断、阻止、干渉、防止および/または阻害もできる。
キメラ抗体cA2は、A2と呼ばれるマウス ヒトTNFαIgG1抗体を中和する高親和性の抗原結合可変領域およびヒトIgG1、カッパ免疫グロブリンの定常領域よりなる。ヒトIgG1 Fc領域は、異質遺伝子型抗体エフェクター機能を改善し、循環血清半減期を増加しそして抗体の免疫原性を低下する。キメラ抗体cA2の結合活性およびエピトープ特異性は、マウス抗体A2の可変領域より誘導される。特定の態様では、マウス(murine)抗体A2の可変領域をコードする核酸の好ましい起源は、A2ハイブリドーマ細胞株である。
キメラA2(cA2)は、投与量依存の様式で天然および組換えヒトTNFαの双方の細胞毒効果を中和する。キメラ抗体cA2および組換えヒトTNFαの結合アッセイより、キメラ抗体cA2の親和性定数が1.04x1010M−1と算出された。競合阻害によりモノクローナル抗体特異性および親和性を決定するための好ましい方法は、ハーロウら「抗体、実験マニュアル」(Harlow et al.,antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1988);コリガンら編集「免疫学における最近のプロトコール」(Colligan et al.,eds.Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,New York(1992−2000));コズバーら(Kozbor et al.,Immunol.Today,4:72−79(1983));オースベルら「分子生物学における最近のプロトコール」(Ausubel et al.eds.,Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Inerscience,New York(1987−2000));およびムラー(Muller,Meth.Enzymol.,92:589−601(1983))に見出すことができ、これらの参考文献は、引用することによりすべて本明細書に編入される。
特定の態様では、マウスモノクローナル抗体A2は、c134Aと呼ばれる細胞株により産生される。キメラ抗体cA2は、c168Aと呼ばれる細胞株により産生される。
本発明中に使用できるモノクローナルTNF抗体の別の例は、当該技術分野で記載されている(例えば米国特許(US)第5,231,024号;メラーら(Moeller
et al.,Cytokine2(3):162−169(1990));米国特許出願番号07/943,852号(1992年9月11日出願);ラジエンら(Rathjen et al.,)国際出願公開番号WO91/02078(1991年2月21日公開);ルビンら(Rubin et al.)EPO特許公開第0 218 868号(1987年4月22日公開);ヨネら(Yone et al.)EPO特許公開番号第0 288 088号(1988年10月26日);リャンら(Liang.et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.137:847−854(1986));ミーガーら(Meager,et al.,Hybridoma 6:305−311(1987));フェンドリーら(Fendly,et al.,Hybridoma 6:359−369(1987));ブリングマンら(Bringman,et al.,Hybridoma 6:498−507(1987));およびヒライら(Hirai,et al.,J.Immunol.Meth.96:57−62(1987))参照、これらの引用文献は、引用することによりすべて本明細書に編入される)。
TNFレセプター分子
本発明に有用な好ましいTNFレセプター分子は、高い親和性でTNFαと結合し(例えばフェルドマンら(Feldmann et al.,)国際特許公開番号WO92/07076(1992年4月30日公開);シャルら(Schall et al.,Cell 61:361−370(1990));およびレチャーら(Loetscher et al.,Cell 61:351−359(1990)))参照、これらの引用文献は、引用することによりすべて本明細書に編入される)そして場合により低い免疫原性を有するものである。特に、55kDa(p55 TNF−R)および75kDa(p75 TNF−R)TNF細胞表面レセプターは、本発明に有用である。レセプターまたはその機能性部分の細胞外ドメイン(ECD)を含んでなるこれらのレセプターの短縮形(例えばコルコランら(Corcoran et al.,Eur.J.Biochem.223:831−840(1994))参照)は、本発明でも有用である。ECDを含んでなるTNFレセプターの短縮形は、尿および血清中に30kDaおよび40kDa
TNFα阻害性結合タンパク質として検出された(エンゲルマン,H.ら(Engelmann,H.et al.,J.Biol.Chem.265:1531−1536(1990))。TNFレセプター多量体分子およびTNF免疫レセプター融合分子、およびそれらの誘導体および断片または部分は、本発明の方法および組成物に有用なTNFレセプター分子の別の例である。本発明で使用できるTNFレセプター分子は、症状の良好ないしは優秀な軽減および低い毒性で患者を長期間処置するそれらの能力を特徴とする。低い免疫原性および/または高い親和性、ならびにその他の特定されない性質は、達成される治療結果に貢献できる。
本発明において有用なTNFレセプター多量体分子は、1個またはそれ以上のポリペプチドリンカーまたはその他の非ペプチドリンカー、例えばポリエチレングリコール(PEG)を介してリンクした2個またはそれ以上のTNFレセプターのECDのすべてまたは機能性部分を含んでなる。多量体分子は、多量体分子発現を実行するために分泌されたタンパク質のシグナルペプチドをさらに含んでなることができる。これらの多量体分子およびそれらの産生の方法は、米国特許(US)出願番号08/437,533号(1995年5月9日出願)に記載されており、その内容は、引用することによりすべて本明細書に編入される。
本発明の方法および組成物に有用なTNF免疫レセプター融合分子は、1個またはそれ以上の免疫グロブリン分子の少なくとも一部分および1個またはそれ以上のTNFレセプターのすべてまたは機能性部分を含んでなる。これらの免疫レセプター融合分子はモノマー、またはヘテロ−またはホモ−多量体として構築できる。免疫レセプター融合分子は一価または多価であることもできる。このようなTNF免疫レセプター融合分子の例は、TNFレセプター/IgG融合タンパク質である。TNF免疫レセプター融合分子およびそれらの製造のための方法は、当該技術分野で記載されている(レスラウアーら(Lesslauer et al.,Eur.J.Immunol.21:2883−2886(1991));アシュケナージら(Ashkenazi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10535−10539(1991));ペッペルら(Peppel et al.,J.Exp.Med.174:1483−1489(1991));コルズら(Kolls et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215−219(1994));バトラーら(Butler et al.,Cytokine 6(6):616−623(1994));ベーカーら(Baker et al.,Eur.J.Immunol.24:2040−2048(1994));ボイトラーら(Beutler et al)米国特許(US)第5,447,851号および米国特許出願番号08/442,133号(1995年5月16日出願))、これらの引用文献それぞれは、引用することによりすべて本明細書に編入される。免疫レセプター融合分子を産生するための方法は、カポンら(Capon et al.)米国特許(US)第5,116,964号、カポンら(Capon et
al.)米国特許(US)第5,225,538号およびカポンら(Capon et
al.,Nature 337:525−531(1989))にも見出すことができ、これらの引用文献それぞれは、引用することによりすべて本明細書に編入される。
TNFレセプター分子の機能性等価体、誘導体、断片または領域とは、TNFレセプター分子の部分、または本発明に使用できるTNFレセプター分子に機能的に類似するために十分な大きさおよび配列であるTNFレセプター分をコードするTNFレセプター分子の部分を呼ぶ(例えば、高い親和性を有しそして低い免疫原性を有する結合TNF□を結合する)。TNFレセプター分子の機能性等価体は、本発明に使用できるTNFレセプター分子に機能的に類似する変性TNFレセプター分子も含む(例えば高い親和性で結合TNF□を結合しそして低い免疫原性を有するる)。例えば、TNFレセプター分子の機能性等価体は、「サイレント」コドンまたは1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または付加(例えば1個の酸性アミノ酸を他の酸性アミノ酸で置換、または同じまたは異なる疎水性アミノ酸のコドンを疎水性アミノ酸をコードする他のコドンで置換)を含むことができる。例えばオースベルら「分子生物学における最近のプロトコール」(Ausubel et al.,Current Protocol in Molecular Biology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Inerscience,New York(1987−2000))参照。
サイトカインにはあらゆる公知のサイトカインが含まれる。例えばCopewithCytokines.com.参照。サイトカインアンタゴニストは、これらに限定はされないが、あらゆる抗体、断片または擬似体、あらゆる可溶性レセプター、断片または擬似体、あらゆる小分子アンタゴニスト。またはそれらのあらゆる組み合わせを含む。
治療処置 本発明のいずれの方法も、少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質を含んでなる組成物または薬剤組成物の有効量をこのような調節、処置または治療を必要とする細胞、組織、器官、動物または患者に投与することを含んでなる、RSV媒介障害または疾患を処置するための方法を含んでなることができる。このような方法は、このような障害または疾患を処置するための同時投与または併用治療を場合によりさらに含んでなることができ、ここで、上記の少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質の投与は、さらに少なくとも1種のTNGアンタゴニスト(例えば、これらに限定はされないが、TNF抗体または断片、可溶性TNDレセプターもしくは断片、それらの融合タンパク質、または小分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート(methotrexate)、オーラノフィン(auranofin)、オーロチオグルコース(aurothioglucose)、アザチオプリン(azathioprine)、エタネルセプト(etanercept)、金ナトリウムチオマレート(gold sodium thiomalate)、硫酸ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine sulfate)、レフルノミド(leflunomide)、スルファザルジン(sulfazalzine)、筋弛緩薬、麻薬、非−ステロイド炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えばアミノグリコシド)、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン(cephalosporin)、フルオルキノロン(fluorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他の抗菌薬)、疥癬薬(antipsoriatic)、コルチコステロイド、同化ステロイド(anabolic steroid)、糖尿病関連薬剤、無機質、栄養薬、サイロイド薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、下痢止め薬、鎮咳薬、鎮吐薬、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝血薬、エリスロポイエチン(例えばエポエチンアルファ(epoetin alfa))、フィルグラスチム(filgrastim)(例えばG−CSF、ノイポゲン(Neupogen))、サルグラモスチム(sargramostim)(GM−CSF、ロイキン(Leukine))、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ(basiliximab)、サイクロスポリン(cyclosporine)、デクリズマブ(declizumab))、成長ホルモン、ホルモン代替薬、エストロゲンレセプター調節薬、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害薬、放射性薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交感神経様作用薬、興奮薬、ドネペジル(donepezil)、タクリン(tacrin)、喘息薬、ベータ作動薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害薬、メチルキサンチン(methylxantine)、クロモリン(cromolyn)、エピネフリン(epinephrine)または類似薬、ドルナーゼ アルファ(dornase alpha)(プルモジム(Pulmozyme))、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストより選択された少なくとも1種をその前、同時、および/またはその後に投与することを含んでなる。
タンパク質投与
典型的には、病理的状態の処置は、合計して、平均で、投与あたりに患者のキログラムあたりに少なくとも1種のRSVタンパク質の少なくとも約0.001ng〜500mgの範囲、そして好ましくは単回または複数回投与あたりに患者のkgあたりに少なくとも0.1ng〜100mgの抗体を、組成物中に含まれる比活性に応じて少なくとも1種のRSVタンパク質組成物の有効量または投与量を投与して実行される。あるいは、有効血清濃度は、単回または複数回投与あたりに0.0001ng〜0.05mg/mlの血清濃度を含んでなることができる。適当な投与量は、医師には公知でありそして、当然ながら、特定の疾患病状、投与される組成物の比活性、および処置される特定の患者に依存する。ある例では、所望の治療量に到達するために、反復投与、すなわち特定の監視または測定された投与の反復個別投与を与えることが必要であることがあり、ここで、個別投与は、所望の投与日量または効果が達成されるまで繰り返される。
少なくとも1種のタンパク質の好ましい投与量は、場合により0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および/または100〜500マイクログラムまたはミリグラム/kg/投与またはその間のいずれかの範囲、値もしくは部分、または0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500および/または5000ngまたはμg/ml血清濃度の血清濃度またはそれらのいずれかの範囲、値または部分を単回または数回の投与あたりに達成するために含むことができる。
あるいは、投与される投与量は、公知の因子、例えば特定の薬剤の薬力薬理学的特性、およびその投与の様式および経路;レシピエントの年齢、健康、および体重;症状の性質および程度、同時に行う処置の種類、処置の頻度、および希望する効果に依存して変化できる。通常、活性成分の投与量は、体重kgあたりに約0.1μg〜100mgであることができる。通常、投与または持続性放出剤型あたりに0.0001〜50、そして好ましくは0.001〜10mg/kgが所望の結果を得るために有効である。
非限定の例として、ヒトまたは動物の処置は、本発明の少なくとも1種の抗体の0.1〜100μg/kg、例えば0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000もしくは3000μg/kgを一日あたりに、または0.1〜100mg/kg、例えば0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90もしくは100mg/kgを一日あたりに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40日の少なくとも一期間、またはその代わりにまたは追加して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、もしくは52週間の少なくとも一期間、またはその代わりまたは追加して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20年間の少なくとも一期間、またはそれらのいずれかの組み合わせで、単回、輸液または反復投与を用いて一回または定期投与として提供できる。
内部投与(internal administration)に適する投与剤型(組成物)は、一般に単位または容器あたりに活性成分の約0.00001mg〜約500mgを含む。それらの薬剤組成物内には、活性成分は、組成物の全重量に基づいて、約0.5〜99.999重量%の量で通常存在する。
典型的には、病理状態の処置は、全体で、平均して、投与あたりに患者のkgあたりに少なくとも1種のRSV抗体を少なくとも約0.00001〜約500mgの範囲、そして好ましくは単回または複数回投与あたりに少なくとも0.00001〜100mg/kg(患者)を組成物内に含まれる比活性に応じて少なくとも1種のRSV抗体組成物の有効量または投与量を投与して行われる。あるいは、有効血清濃度は、単回または複数回投与あたりに0.0001〜500μg/mlの血清濃度を含んでなることができる。適当な投与は、医師には公知であり、当然ながら特定の疾患状態、投与される組成物の比活性、および処置を受ける特定の患者に依存する。ある例では、所望の治療量に到達するために、反復投与、すなわち特定の監視または測定された投与量の反復する個別投与を与えることが必要なことがあり、ここで、個別投与は所望の投与日量または効果が達成されるまで繰り返される。
抗体投与
典型的には、病理的状態の処置は、合計して、平均で、投与あたりに患者のkgあたりに少なくとも1種のRSV抗体の少なくとも約0.001ng〜500mg、そして好ましくは単回または複数回あたりに患者のkg当たりに少なくとも約0.1ng〜100mgの抗体の範囲の組成物内に含まれる比活性に応じて少なくとも1種のRSV抗体組成物の有効量または投与量を投与して行われる。あるいは、有効血清濃度は、単回または複数回あたりに0.0001ng〜0.05mgmlの血清濃度を含んでなることができる。適当な投与量は、医師には公知であり、そして当然ながら、特定の疾患病状、投与され組成物の比活性、および処置される特定の患者に依存する。ある例では、所望の治療量に到達するために、反復投与、すなわち特定の監視または測定された投与量の反復個別投与を与えることが必要であることがあり、ここで、個別投与は、所望の投与日量または効果が達成されるまで繰り返される。
少なくとも1種の抗体の好ましい投与量は、場合により0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および/または100〜500mg/kg/投与、またはそれらのいずれかの範囲、値もしくは部分、または0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500および/または5000μg/ml血清濃度の血清濃度またはそれらのどのような範囲、値または部分を単回または多数回投与あたりに達成するために、場合により含むことができる。
あるいは、投与される投与量は、公知の因子、例えば特定の薬剤の薬力薬理学的特性、およびその投与の様式および経路;レシピエントの年齢、健康、および体重;症状の性質および程度、同時に行う処置の種類、処置の頻度、および希望する効果に依存して変化できる。通常、活性成分の投与量は、体重kgあたりに約0.1〜100mgであることができる。通常、投与または持続性放出剤型あたりに0.1〜50、そして好ましくは0.1〜10mg/kgが所望の結果を得るために有効である。
非限定の例として、ヒトまたは動物の処置は、本発明の少なくとも1種の抗体の0.1〜100mg/kg、例えば0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90または100mg/kgを一日あたりに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40日の少なくとも一期間またはその代わりにまたは追加して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、または52週間の少なくとも一期間、またはその代わりまたは追加して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20年間の少なくとも一期間、またはそれらのいずれかの組み合わせで、単回、輸液または反復投与を用いて一回または定期投与として提供できる。
内部投与(internal administration)に適する投与形剤型(組成物)は、一般に単位または容器あたりに活性成分の約0.1mg〜約500mgを含む。それらの薬剤組成物内には、活性成分は、組成物の全重量に基づいて、約0.5〜99.999重量%の量で通常存在する。
投与
非経口投与のために、抗体またはタンパク質は、製薬学的に許容できる非経口ビヒクルと一緒に、または別途に分離して、液剤、懸濁剤、乳剤または凍結乾燥した散剤として製剤できる。このようなビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、および1〜10%ヒト血清アルブミンである。リポソームおよび非水性ビヒクル、例えば不揮発性油も使用できる。ビヒクルまたは凍結乾燥粉末は、等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)および化学安定性(例えば緩衝剤および保存剤)を維持する添加剤を含むことができる。製剤は公知または適当な技術により滅菌される。
適当な薬剤キャリヤは、この分野での標準文献であるレミントンの薬剤科学(Reminton’s Pharmaceutical Science,A.Osol)の最新版に記載されている。
別の投与
多数の公知および開発された様式が、本発明に従う少なくとも1種のRSV抗体の薬剤学的に有効な量を投与するために本発明に従って使用できる。肺投与は以下の記載で使用されるが、その他の投与様式は本発明に従って使用できて、適当な結果を得る。
本発明のRSV抗体は、キャリヤ中で、溶液、エマルション、コロイド、または懸濁液として、または乾燥粉末として、本明細書に記載または当該技術分野で公知の吸入またはその他の様式により投与するために適する種々のデバイスおよび方法のいずれかを用いて送達できる。
非経口製剤および投与
非経口投与のための製剤は、通常の賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレンなどを含むことができる。注入のための水性または油性懸濁剤は、公知の方法に従って、適当な乳化剤または湿潤化剤および懸濁剤を用いて調製できる。注入のための薬剤は、無毒性、非経口投与可能な希釈剤、例えば水溶液または滅菌し注入可能な溶液または溶剤中の懸濁液であることができる。使用可能なビヒクルまたは溶剤として、水、リンゲル液、等張食塩水などが許容される。通常の溶剤または懸濁溶剤として、滅菌した不揮発性油が使用できる。それらの目的のために、天然または合成または半合成脂肪油または脂肪酸、天然または合成または半合成モノ−もしくはジ−もしくはトリ−グリセリドを含む不揮発性油および脂肪酸のいずれの種類でも使用できる。非経口投与は、当該技術分野では公知であり、そして、これらに限定はされないが、注入の慣用の手段、米国特許(US)第5,851,198号に記載のガス加圧無針注入デバイス、および米国特許(US)第5,839,446号に記載のレーザー穿孔器を含み、これらの文献は、引用することによりすべて本明細書に編入される。
別の送達
本発明は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、腹膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内もししくは経皮手段による少なくとも1種のRSV抗体の投与に関する。少なくとも1種のRSV抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内もしくは静脈内)もしくはいずれかのその他の投与、特には液体溶液もしくは懸濁液の形で使用するため;特に半固体形、例えばこれらに限定はされないが、クリーム剤および座薬での膣もしくは直腸投与に使用するため;例えば、これらに限定はされないが、錠剤もしくはカプセルの形での腹、または舌下投与のため;または例えば、これらに限定はされないが、散剤、鼻ドロップもしくはエーロゾルもしくはある種の薬剤の形での鼻内;または経皮、例えば、これらに限定はされないが、ゲル剤、膏薬、ローション剤、懸濁剤もしくは皮膚構造を変性するかまたは経皮貼付剤内の薬剤濃度を増加するための化学エンハンサー、例えばジメチルスルホキシドを用いる貼付剤送達系(ジャンジンジャーら(Junginger et al. In”Drug Permeation Enhancement”;Hsieh,D.S.eds.,pp.59−90,Marcel Dekker,Inc.New York 1994)、引用することによりすべて本明細書に編入される)、または皮膚上にタンパク質およびペプチドを含む製剤の適用を可能とする酸化剤を用い(WO98/53847)、または例えばエレクトロポレーションのような一時的輸送経路を創成すため、または例えばイオン侵透療法(iontophoresis)のような皮膚を通す荷電薬剤の移動性を増加するための電場の適用、または、例えばソノフォレシス(sonophoresis、米国特許(US)第4,309,989号および第4,767,402号)のような超音波の適用(上記の出版物および特許は、引用することによりすべて本明細書に編入される)のために調製できる。
肺/鼻投与
肺投与のために、好ましくは少なくとも1種のRSV抗体組成物を、肺または血脈洞の下気道に到達するために有効な粒径で送達される。本発明に従って、少なくとも1種のRSV抗体は、吸入による治療薬剤の投与のために当該技術分野では公知の各種の吸入または鼻デバイスのいずれかにより送達できる。患者の血脈洞または胞内にエーロゾル化した製剤を沈着できるこれらのデバイスには、定量投与吸入器、ネブライザー、乾燥粉末発生器、噴霧器、などが含まれる。抗体の肺または鼻投与を実行するために適するその他のデバイスも当該技術分野で公知である。すべてのこのようなデバイスは、エーロゾル中の抗体の分配のための投与のために適する製剤を使用できる。このようなエーロゾルは、溶液(水性および非水性の双方)または固体粒子のいずれかより成ることができる。ヴェントリン(Ventolin)(R)計量投与吸入器のような計量投与吸入器は典型的には噴霧気体を使用しそして吸気の間の動作を必要とする(例えばWO94/16970、WO98/35888参照)。タービュヘーラー(Turbuhaler)TM(アストラ(Astra))、ロタヘーラー(Rotahaler)(R)(グラクソ(Glaxo))、ディスクス(Diskus)(R)(グラクソ)、スピロス(Spiros)TM吸入器(デュラ(Dura))、インヘール・セラペティクス(Inhale Therapeutics)により市販されているデバイス、およびスピンヘーラー(Spinhaler)(R)粉末吸入器(ファイソンズ(Fisons))などの散剤吸入器は、混合粉末の呼吸作動を利用している(米国特許第4668218号アストラ、欧州特許第237507号アストラ、WO97/25086グラクソ、WO94/08552デュラ、米国特許第5458135号インヘール、WO94/06498ファイソンズ、引用することによりすべて本明細書に編入される)。ネブライザー、例えばAERxTM(アラダイム(Aradigm))、ウルトラベント(R)ネブライザー(マリンクロト(Mallinckroth))、およびアコーン(Acorn)II(R)ネブライザー(マーケスト・メディカル製品(Marquest Medical Products)(米国特許第5404871号アラダイム、WO97/22376)(上記の引用文献は引用することによりすべて本明細書に編入される)は、溶液よりエーロゾルを発生し、一方計量投与吸入器、乾燥粉末吸入器などは小粒子のエーロゾルを発生する。市場で入手できる吸入デバイスのこれらの特定の例示は、本発明の実施のために適する特定デバイスの代表であることを意図し、そして本発明の範囲を制限することは意図しない。好ましくは、少なくとも1種のRSV抗体を含んでなる組成物は、乾燥粉末吸入器または噴霧器により送達される。本発明の少なくとも1種の抗体を投与するための吸入デバイスには数点の特徴がある。例えば、吸入デバイスによる送達は、有利に信頼性があり、再現可能、そして正確である。吸入デバイスは、場合により小さい乾燥粉末、例えば10μm以下、好ましくは約1〜5μmを良好な吸入特性をもって送達できる。
スプレーとしてのRSV抗体組成物の投与
RSV抗体組成物を含むスプレーは、少なくとも1種のRSV抗体の懸濁液または溶液を加圧したノズルを通って強制送出することにより発生できる。ノズルの大きさおよび形状、加える圧力、および液体の供給速度は、所望の送出量および粒径を達成するように選択できる。エレクトロスプレー(electrospray)は、例えば毛管またはノズル供給物と連結する電場により発生できる。有利には、噴霧器により供給される少なくとも1種のRSV抗体組成物の粒子は、約10μm以下、好ましくは約1μm〜約5μm、そして最も好ましくは2μm〜約3μmでの範囲内の粒径を有する。
噴霧器で使用するために適する少なくとも1種のRSVタンパク質または抗体組成物の製剤は、典型的には溶液mlあたりに少なくとも1種のRSV抗体またはタンパク質組成物の約0.0000001mg〜約1000mgすなわちmg/ml、またはその間のいずれかの範囲もしくは値、例えば、これらに限定はされないが、.1、.2、.3、.4、.5、.6、.7、.8、.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90もしくは100ngまたはμgまたはmg/mlまたはngまたはμgまたはmg/gmの濃度で水溶液中に抗体またはタンパク質組成物を含む。製剤は、薬剤、例えば賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、および、好ましくは亜鉛を含むことができる。製剤は、抗体組成物の安定化のための賦形剤または薬剤、例えば緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質(bulk protein)、または炭水化物も含むことができる。抗体組成物を製剤するために有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが含まれる。抗体組成物を製剤するために有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコースなどが含まれる。抗体組成物製剤は、エーロゾル形成において溶液の噴霧により起きる抗体またはタンパク質組成物の表面誘発凝集を低下または防止できる界面活性剤も含むことができる。種々の慣用の界面活性剤が使用でき、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコール、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルである。その量は一般に製剤に対して0.001〜14重量%の間の範囲にある。本発明の目的に特に好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート(polysorbate)80、ポリソルベート20などである。タンパク質、例えばRSV抗体、または特定の部分もしくは変種の製剤のために当該技術分野で公知のその他の薬剤も製剤中に含まれることができる。
ネブライザーによるRSV抗体組成物の投与
抗体組成物は、ネブライザー、例えばジェットネブライザーまたは超音波ネブライザーにより投与できる。典型的には、ジェットネブライザーにおいては圧縮空気法がオリフィスを通る高速空気ジェットを作るために使用される。気体がノズルを通って膨脹すると、低圧領域が作られ、これは液体貯槽に連結している毛管を通って抗体組成物の溶液を吸引する。毛管からの液体流は、管を出る際に不安定なフィラメントおよび小滴に分断され、エーロゾルを作る。与えられたジェットネブライザーからの所望の性能特性を達成するために、一連の形状、流速、およびバッフル形式が使用できる。超音速ネブライザーの場合に、高周波電気エネルギーが、典型的には圧電変換器を使用して振動、機械的エネルギーを発生するために使用される。このエネルギーは、直接またはカプリング流体を介するかのいずれかで抗体組成物の製剤に伝達され、抗体組成物を含むエーロゾルを生成する。有利には、ネブライザーにより送達される抗体組成物の粒子は、約10μm以下、好ましくは約1μm〜約5μm、そして最も好ましくは2μm〜約3μmの範囲内の粒径を有する。
ジェットもしくは超音波のいずれかのネブライザーを使用するために適する少なくとも1種のRSV抗体の製剤は、典型的には、溶液mlあたりに少なくとも1種のRSV抗体の約0.1mg〜約100mgの濃度を含む。製剤は薬剤、例えば賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、および好ましくは、亜鉛を含むことができる。製剤は、少なくとも1種のRSV抗体組成物の安定化のための添加剤または薬剤、例えば緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質、または炭水化物も含むことができる。少なくとも1種のRSV抗体組成物を製剤するために有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが含まれる。少なくとも1種のRSV抗体組成物を製剤するために有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコースなどが含まれる。少なくとも1種のRSV抗体組成物製剤は、エーロゾル形成において溶液の噴霧により起きる少なくとも1種のRSV抗体の表面誘発凝集を低下または防止できる界面活性剤も含むことができる。種々の慣用の界面活性剤が使用でき、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコール、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルである。その量は一般に製剤に対して0.001〜4重量%の間の範囲にある。本発明の目的に特に好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。タンパク質、例えば抗体タンパク質の製剤のために当該技術分野で公知のその他の薬剤も製剤中に含まれることができる。
計量投与吸入器によるRSV抗体組成物の投与
計量投与吸入器(MDI)においては、噴霧媒体、少なくとも1種のRSV抗体、およびいずれの賦形剤またはその他の添加剤が液化圧縮気体を含む混合物としてキャニスター中に含まれる。計量弁が作動すると混合物をエーロゾルとして、好ましくは約10μm以下、好ましくは約1μm〜約5μm、そして最も好ましくは2μm〜約3μmの粒径範囲内の粒子を含んで放出する。所望のエーロゾル粒径は、ジェット−ミル(jet−milling)、噴霧乾燥、臨界点凝縮などを含む当該技術分野の熟練者には公知の種々の方法により生成される抗体組成物の製剤を用いて得ることができる。好ましい計量投与吸入器には、3Mまたはグラクソにより製作されそしてフッ化炭化水素噴霧剤を使用するものが含まれる。
計量投与吸入デバイスを用いて使用するための少なくとも1種のRSV抗体の製剤は、一般に、例えば界面活性剤の助けをかりて噴霧剤中に懸濁される非水性媒体中の懸濁液として少なくとも1種のRSV抗体を含む微細に分割された粉末を含む。噴霧剤は、この目的に使用されるいずれかの慣用の物質、例えばクロロフルオロ炭素、ヒドロクロロフルオロ炭素、ヒドロフルオロ炭素、または炭化水素、であることができ、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノールおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタン、HFA−134a(ヒドロフルオロアルカン−134a)、HFA−227(ヒドロフルオロアルカン−227)等を含む。好ましくは、噴霧剤はヒドロフルオロ炭素である。界面活性剤は、噴霧剤中の懸濁液として少なくとも1種のRSV抗体を安定化し、化学分解に対して活性剤を促進するなどのように選択される。適当な界面活性剤には、ソルビタントリオレイン酸、ダイズレシチン、オレイン酸などが含まれる。ある場合には、エタノールのような溶剤を用いる溶液エーロゾルが好ましい。タンパク質のようなタンパク質の製剤のために当該技術分野で公知の追加の薬剤も製剤中に含むことができる。
当該技術分野の通常の熟練者は、本明細書中に記載されていないデバイスを介して少なくとも1種のRSV抗体組成物の肺投与により本発明の方法が達成されることを認めるであろう。
経口製剤および投与
経口のための製剤は、腸壁の透過性を人工的に増加するためのアジュバント(例えばレゾルシノールおよび非イオン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテル)の同時投与、ならびに酵素分解を阻害するための酵素阻害剤(例えば膵トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFF)およびトラシロール(trasylol))の同時投与に依存する。経口投与のための固体形投与剤型の活性成分化合物は、スクロース、ラクトース、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、カンテン、アルギネート、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成または半合成ポリマーおよびグリセリンを含む少なくとも1種の添加剤と混合できる。これらの投与剤型は、他のタイプの添加剤、例えば不活性希釈剤、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、パラベン、保存剤例えばソルビン酸、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロール、抗酸化剤例えばシステイン、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、調味料、香料なども含むことができる。
錠剤および丸剤は、さらに腸溶被覆製剤に加工できる。経口投与のための液体製剤には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤および医薬用途のために許容できる液剤製剤が含まれる。これらの製剤は、該分野に通常使用される不活性希釈剤、例えば水を含むことができる。リポソームもインスリンおよびヘパリンの薬剤送達系として記載されている(米国特許(US)第4,239,754号)。さらに最近では、混合アミノ酸の人工ポリマーの微小球(プロテイノイド(proteinoid))が薬剤を送達するために使用されている(米国特許(US)第4,925,673号)。さらに、米国特許(US)第5,879,681号および第5,871,753号に記載されたキャリヤ化合物が生物学的活性薬剤を経口送達するために使用されることは、当該技術分野では公知である。
粘膜製剤および投与
粘膜面を通る吸収のために、少なくとも1種のRSV抗体を投与する組成物および方法は、複数のサブミクロン粒子を含んでなるエマルション、粘膜付着性巨大分子、生活性ペプチド、およびエマルション粒子の粘膜付着を達成することによる粘膜表面を通る吸収を促進する水性連続相を含む(米国特許(US)第5,514,670号)。本発明のエマルション適用に適する粘膜面には、角膜、結膜、頬、舌下、鼻、膣、肺、胃、腸、および直腸の投与経路が含まれる。膣または直腸投与のための製剤、例えば座薬は、賦形剤として、例えばポリアルキレングリコール、ワセリン、ココアバターなどを含むことができる。鼻内投与のための製剤は、固体であってそして賦形剤として、例えば、ラクトースを含むことができ、または鼻ドロップの水性または油性溶液であることができる。頬投与のために、賦形剤は、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、プレゲル化(Pregelinatined)デンプン、などが含まれる(米国特許(US)第5,849,695号)。
経皮用製剤および投与
経皮投与のために、少なくとも1種のRSV抗体は、送達デバイス、例えばリポソームもしくはポリマー性ナノ粒子、マイクロ粒子、マイクロカプセル、またはマイクロスフェア(別途断らない限り集合的にマイクロ粒子と呼ぶ)中にカプセル化される。多数の適合するデバイスが公知でありそれには、合成ポリマー例えばポリヒドロキシ酸例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマー、ポリオルトエステル、ポリ無水酸、およびポリホスファゼン、および天然ポリマー例えばコラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミンおよびその他のタンパク質、アルギン酸塩および他の多糖類、およびそれらの組み合わせより作製されたマイクロ粒子が含まれる(米国特許(US)第5,814,599号)。
長期投与および製剤
本発明の化合物を患者に長期にわたって、例えば、一週間から一年の間単回投与で送達することが望ましいことがあり得る。種々の徐放、デポー(depot)または埋込投与剤型が使用できる。例えば、投与剤型は、体液内に低い溶解度を有する化合物の製薬学的に許容できる無毒性塩、例えば(a)多塩基酸、例えばリン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレン一−もしくは二−スルホン酸、ポリガラクツロン酸、などとの酸付加塩;(b)多価金属陽イオン、例えば亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどとの塩、または例えばN,N’−ジベンジル−エチレンジアミンまたはエチレンジアミンより形成される有機陽イオンとの塩;または(c)(a)と(b)との組み合わせ、例えばタンニン酸亜鉛を含むことができる。さらに、本発明の化合物、または好ましくは直前に記載したものなどの相対的に不溶性の塩が、ゲル、例えばモノステアリン酸アルミニウムゲル中で例えばゴマ油を用いて注入に適するように製剤できる。特に好ましい塩は亜鉛塩、タンニン酸亜鉛塩、パモ酸塩などである。注入のための徐放デポー製剤の別の例では、遅い分解性、無毒性、非抗原性ポリマー、例えばポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマー、例えば米国特許(US)第3,773,919号に記載のポリマー中でカプセル化のために分散された化合物または塩を含む。化合物、または、好ましくは、比較的不溶性の塩、例えば上記のものは、コレステロールマトリックスシラスティック(silastic)ペレット中では、特に動物に使用のためにも製剤できる。その他の徐放、デポーまたは埋込製剤、例えば気体または液体リポソームは、文献中で公知である(米国特許(US)第5,770,222号およびJ.R.ロビンソン編集「持続性および制御放出薬剤送達システム」(”Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems”,J.R.Robinson ed.,Marcel Dekker,Inc.,N.Y.,1978))。
本発明を一般的に説明したが、これは下記の実施例を参照してさらに容易に理解されるであろうが、この実施例は説明のために提供されるものであり限定とは意図しない。
大腸菌内のRSVタンパク質または抗体の発現および精製
細菌発現ベクターpQE60をこの実施例における細菌発現のために使用する(キアゲン社(Qiagen,Inc.,Chatsworth,CA))。pQE60はアンピシリン抗生物質抵抗性(”Ampor”)をコードしそして細菌複製起点(”ori”)、IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(”RBS”)、キアゲン社により販売されているニッケル−ニトリロ−トリ酢酸(”Ni−NTA”)親和性樹脂を用いるアフィニティー精製を可能とするヒスチジン残基をコードする6個のコドン、および適当な単一制限酵素切断部位を含む。それらの要素は、タンパク質または抗体のカルボキシル末端に共有結合でリンクした6個のHis残基(すなわち”6 X Hisタグ”)を有するタンパク質または抗体を産生する様式で、そのタンパク質または抗体をコードするDNA断片が挿入できるように配列されている。しかし、タンパク質または抗体をコードする配列は、場合により、6個のHisコドンの翻訳が防止されそして、これにより、タンパク質または抗体が場合により6 X Hisタグを持たないで産生されるように挿入できる。
疎水性リーダー配列を欠失するRSVタンパク質または抗体の所望の部分をコードする核酸配列は、PCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いる寄託された(deposit)cDNAクローンより増幅される(提示された配列、例えば少なくとも1個の配列番号7〜12、もしくはそれらのいずれかの部分もしくはそれらをコードする核酸、またはRSVタンパク質または抗体の所望の部分のアミノ酸末端をコードするDNA配列に、およびcDNAコーディング配列に対し寄託された構築物3’内の配列にアニールする図2〜5のいずれかの部分中に提示されたものに基づく)。pQE60ベクター中のクローニングを促進する制限部位を含む別のヌクレオチドをそれぞれ5’および3’配列に付加する。
RSVタンパク質または抗体をクローニングするために、5’および3’プライマーはRSVのコーディング配列の一部分に相当または相補的なヌクレオチド、例えば少なくとも1個の配列番号1〜12、またはそれらのいずれかの部分もしくはそれらをコードする核酸、または図2〜5のいずれかの部分で示されるものを既知の方法の段階に従って有する。当該技術分野の通常の熟練者は、当然ながら、5’プライマーが開始するタンパク質または抗体コーディング配列内の点が、完全なタンパク質または抗体の所望の部分を成熟形よりも短くもしくは長く増幅するために変化できることを認めるであろう。
増幅されたRSV核酸断片およびベクターpQE60は、適当な制限酵素を用いて消化され次いで消化されたDNAを一緒に連結する。制限されたpQE60ベクター内へのRSV DNAの挿入は、その関連する終止コドンを含むRSVタンパク質または抗体コーディング領域をIPTG誘導性プロモーターより下流にそして開始AUGコドンをインフレームに位置させる。関連する終止コドンは、挿入点より下流の6個のヒスチジンコドンの翻訳を防止する。
標準手順、例えばサンブルックら、1989、オースベル、1987〜1998に記載のものを用いて、連結混合物を適格な大腸菌(E.coli)細胞内に形質転換する。lacレプッサーを発現しそしてカナマイシン抵抗性(”Kanr”)を与えるプラスミドpREP4の複数コピーを含む大腸菌株M15/rep4を、本明細書中に記載する実施例の実行のために使用する。RSVタンパク質または抗体を発現するために適する多数の中で唯一であるこの株は、キアゲン社より商業的に入手できる。形質転換体はアンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増殖するそれらの能力により同定する。プラスミドDNAは、抵抗性コロニーから単離しそしてクローニングされたDNAの真正性は制限分析、PCRおよびDNA配列決定により確認される。
所望の構築物を含むクローンをアンピシリン(100μg/ml)およびカナマイシン(25μg/ml)の双方を補足したLB培地中の液体カルチャー内で一晩(”O/N”)培養する。ほぼ1:25〜1:250の希釈で、大きいカルチャーに接種するためにO/Nカルチャーを使用した。600nmでの光学密度(”OD600”)が0.4〜0.6の間となるまで細胞を培養した。次いでイソプロピルb−D−チオガラクトピラノシド(”IPTG”)を最終濃度1mMまで加え、lacIレプレサーを不活性化してlacレプレッサー感受性プロモーターより転写を誘発させる。その後さらに3〜4時間、細胞をインキュベーションする。次いで遠心分離により細胞を採取する。
次いで、6Mグアニジン−HCl、pH8中、4℃で3〜4時間細胞を攪拌する。細胞残さを遠心分離して除去し、そし200mM NaClを補足した50mM酢酸Na緩衝液pH6に対してRSVを含む上清を透析する。あるいは、プロテアーゼ阻害剤を含む500mM NaCl、20%グリセロール、25mMトリス/HCl pH7.4に対してそれを透析して、タンパク質または抗体のリフォールドに成功できる。
不溶性のタンパク質が生成した場合には、既知の方法手段に従ってタンパク質を可溶性とする。再生の後、タンパク質または抗体をイオン交換、疎水相互作用およびサイズ排除クロマトグラフィーにより精製する。あるいは、アフィニティークロマトグラフィー法、例えば抗体カラムを純粋のRSVタンパク質または抗体を得るために使用する。精製したタンパク質または抗体を4℃で保存または−40℃〜−120℃で冷凍する。
バキュロウイルス発現系内でのRSVポリペプチドのクローニングおよび発現
この実施例では、バキュロウイルスリーダーおよびサマーズら「バキュロウイルスベクターおよび昆虫細胞カルチャー操作のための方法のマニュアル」(Summers,et al.,A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures,Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No.1555(1987))記載の方法を使用して、RSVタンパク質または抗体を発現するために、成熟したタンパク質または抗体をコードするクローニングしたDNAをバキュロウイルス内に挿入するために、プラスミドシャトルベクターpA2 GPを使用する。この発現ベクターは、オートグラファ カリフォルニア 核多面性(Autographa california nuclear polyhedrosis)ウイルス(AcMNPV)の強いポリヘドリン(polyhedrin)プロモーター、次いでバキュロウイルスgp67タンパク質または抗体の分泌シグナルペプチド(リーダー)および好都合な制限部位、例えばBamHI、Xba IおよびAsp718を含む。サルウイルス40(”SV40”)のポリアデニル化部位を効率的なポリアデニル化のために使用する。組換えウイルスの容易な選択のために、プラスミドは、同じ方向にある弱いショウジョウバエ(Drosophila)プロモーターの制御下の大腸菌よりのベータ−ガラクトシダーゼ遺伝子、次いでポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む。挿入された遺伝子は、野生型ウイルスDNAを用いる細胞媒介相同組換えのためのウイルス配列により両側に結合してクローニングしたポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを生成する。
その他のバキュロウイルスベクターを上記のベクターの代わりに使用し、これらは例えばpAc373、pVL941およびpAcIM1であり、構築物が、シグナルペプチドおよびインフレームAUGを必要に応じて含む転写、翻訳、分泌などのための適当に位置したシグナルを提供する限り、当該技術分野の熟練者はこれを直ちに認めるであろう。このようなベクターは、例えばルコフら(Luckow,et al.,Virology 170:31−39)に記載されている。
寄託されたクローンまたはその他のクローン中で成熟RSVタンパク質または抗体をコードし、AUG開始コドンおよび天然に関連するヌクレオチド結合部位を欠失するcDNA配列は、遺伝子の5’および3’配列に相当するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅される。非限定の例には、RSVタンパク質または抗体のコーディング配列の一部分に相当または相補的なヌクレオチドを有する5’および3’プライマーが含まれ、例えば既知の方法手段に従って配列番号1〜12の少なくとも1個、またはそれらのいずれかの部分またはそれらをコードする核酸、または図2〜5のいずれかの部分で表される。
増幅された断片は、商業的に入手できるキット(例えばジーンクリーン(Geneclean,”BIO 101 Inc.,La Jolla,CA))を用いて1%アガロースゲルより単離される。次いで断片を適当な制限酵素を用いて消化しそして再度、1%アガロースゲル上で精製する。この断片を本明細書では”F1”と呼ぶ。
プラスミドを適切な制限酵素を用いて消化しそして場合により、当該技術分野では公知の慣用の方法を用いて、コウシ腸ホスファターゼ(calf instetinal phosphatase)を用いて脱リン酸できる。次いで商業的に入手できるキット(ジーンクリーン(”Geneclean,”BIO 101 Inc.,La Jolla,CA))を用いて1%アガロースゲルよりDNAを単離する。このベクターDNAを本明細書では”V1”と呼ぶ。
断片1および脱リン酸したプラスミドV1をT4 DNAリガーゼを用いて一緒に連結する。大腸菌HB101またはその他の適合する大腸菌宿主、例えばXL−1 Blue(ストラタジーン クローニングシステムズ(Stratagene Cloning
Systems,La Jolla,CA))細胞を連結混合物を用いて形質転換しそしてカルチャープレート上に拡げる。PCR法を用いて細菌がヒトRSV遺伝子を有するプラスミドを含むと同定され、その中で遺伝子を増幅するために使用されるプライマーの1種および第二のプライマーが、RSV遺伝子断片を含むこれらの細菌コロニーのみがDNAの増幅を示すようにベクター内のウエル由来である。クローニングした断片の配列は、DNA配列決定により確認する。このプラスミドを本明細書中ではpBacRSVと呼ぶ。
プラスミドpBacRSVの5μgをフェルグナーら(Felgner,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(1987))に記載のリポフェクション法を用いて、商業的に入手できる線型化バキュロウイルスDNA(”BaculoGoldTM baculovirusDNA”,Pharmingen,San Diego,CA))の1.0μgを用いて同時トランスフェクションする。BaculoGoldTMウイルスDNAの1μgおよびプラスミドpBacRSVの5μgを血清を含まないグレース媒体(Grace’s medium)(ライフ テクノロジーズ(Life Techonologies,Inc.,Rockville,MD))の50μgを含むマイクロタイタープレートの滅菌ウエル内で混合する。その後、10μlリポフェクチンおよび90μgグレース媒体を添加し、混合しそして15分間、室温でインキュベーションする。次いで、トランスフェクションした混合物を、血清を含まないグレース媒体1mlを含む35mm組織カルチャープレート内で接種したSf9昆虫細胞(ATCC CRL1711)に滴下して加える。プレートを前後に揺らして新たに加えた溶液を混合させる。次いでプレートを5時間、27℃でインキュベーションする。5時間後にトランスフェクション溶液をプレートから取り出しそして10%ウシ胎児血清を補足したグレース昆虫媒体1mlを加える。プレートをインキュベーターに戻しそして27℃で4日間培養を続ける。
4日後、上清を採取しそして公知の方法に従ってプラークアッセイを行う。ブルー ガル」(”Blue Gal”、ライフ テクノロジーズ社(Rockville, MD))を含むアガロースゲルを同定およびゲル発現クローンの単離を容易にするために使用し、これは青色染色プラークを産生する。(このタイプの「プラーク アッセイ」の詳細な説明は、ライフテノロジーズ社(Rockville,MD)により配付される昆虫細胞カルチャーおよびバキュロウイルス学のためのユーザー ガイド9〜10ページにも見いだすことができる。適当なインキュベーションの後、青色染色したプラークをマイクロピペッター チップ(例えばエッペンドルフ)を用いて拾い上げる。次いで組換えウイルスを含むアガーをグレース媒体200μlを含むマイクロ遠心分離管内に再懸濁しそして組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を35mm皿内で接種したSf9細胞を感染するために使用する。4日後、それらのカルチャー皿の上清を採取し次いでそれらを4℃で保存する。組換えウイルスをV−RSVと呼ぶ。
RSV遺伝子の発現を確証するために、Sf9細胞を10%熱不活性化FBSを補足したグレース媒体中で増殖させる。約2の感染倍率(”MOI”)で組換えバキュロウイルスV−RSVを用いて細胞を感染させる。6時間後に媒体を取り去りそしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900II媒体(例えばライフテノロジーズ社(Rockville,MD)より入手できる)と置換する。放射能標識したタンパク質または抗体が望ましい場合には、42時間後に、35Sメチオニン5mCiおよび5mCi 35S−システイン(アマシャム(Amersham)より入手できる)を加える。細胞をさらに16時間インキュベーションし、次いでそれらを遠心分離で採取する。上清内のタンパク質または抗体ならびに細胞内タンパク質または抗体をSDS−PAGEで分析し次いでオートラジオグラフィーで分析する(放射能標識した場合)。精製したタンパク質または抗体のアミノ末端のアミノ酸配列のマイクロシークエンシングは、成熟タンパク質または抗体のアミノ末端配列次いで切断点および分泌シグナルペプチドの長さを決定するために使用できる。
哺乳動物細胞中のRSVタンパク質または抗体のクローニングおよび発現
典型的な哺乳動物発現ベクターは少なくとも1個のプロモーター要素を含み、それはmRNA、抗体コーディング配列、および転写物の転写およびポリアデニル化の終止に必要なシグナルの転写の開始を媒介する。別の要素には、エンハンサー、コザック配列、およびRNAスプライシングのためのドナーおよびアクセプターが隣接した介在配列が含まれる。高度に効率的な転写は、SV40よりの初期および後期プロモーター、レトロウイルスよりの長い末端重複(LTRS)、例えばRSV、HTLVI、HIVIおよびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターを用いて達成できる。しかし細胞要素も使用できる(例えばヒトアクチンプロモーター)。本発明の実施に使用するために適する発現ベクターには、例えば、pIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSN、またはpLNCX(クローンテク・ラボズ(Clontech Labs,Palo Alto,CA))、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)またはpcDNA3.1/Hygro(+/−)(インヴィトロジェン(Invitrogen))、PSVLおよびPMSG(ファルマシア(Pharmacia,Upsala,Sweden))、pRSVcat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)およびpBC12MI(ATCC67109)のようなベクターが含まれる。使用できた哺乳動物宿主細胞には、ヒトHela293、H9、およびJurkat細胞、マウスN1H3T3およびC127細胞、Cos1,Cos7およびCV1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が含まれる。
あるいは、染色体内に組み込まれた遺伝子を含む安定細胞株内で遺伝子を発現できる。dhfr、gpt、ネオマイシン、またはハイグロマイシンのような選択マーカーとの同時トランスフェクションは、トランスフェクションされた細胞の同定および単離を可能とする。
トランスフェクションされた遺伝子は、大量のコード化タンパク質または抗体、例えば配列番号1〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A−Gもしくは5A−Fのいずれかの部分でコードされる少なくとも1個の所望部分として発現するために増幅もできる。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは関係する遺伝子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を発生するために有用である。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミン合成酵素(GS)(マーフィーら(Murphy,et al.,Biochem.J.227:277−279(1991));ベビントンら(Bebbington,et al.,Bio/Technology 10:169−175(1992)))である。それらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞は選択媒体中で培養されそして最高の抵抗性を有する細胞が選択される。それらの細胞株は、染色体内に組み込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細胞は、本発明の抗体またはタンパク質の産生のために使用される。
発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力プロモーター(LTR)(カレンら(Cullen,et al.,Molec.Cell Biol.5:438−447(1985))およびCNV−エンハンサーの断片(ボスハート(Boshart,et al.,Cell 41:521−530(1985)))を含む。例えば制限酵素切断部位BamHI、XbaIおよびAsp718を有する多重クローニング部位は、関係する遺伝子のクローニングを促進する。ベクターはその外にもラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化シグナルおよび終止シグナルを含む。
CHO細胞内のクローニングおよび発現
ベクターpC4は、例えば配列番号1〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A−Gもしくは5A−Fのいずれかの部分でコードされる少なくとも1個のためのコーディング配列を用いてRSV抗体またはタンパク質の発現のために使用される。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCCアクセッション番号37146)の誘導体である。プラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下にあるマウスDHFR遺伝子を含む。それらのプラスミドを用いてトランスフェクションされるジヒドロ葉酸活性を欠失するチャイニーズハムスター卵巣またはその他の細胞は、化学治療剤のメトトレキサートを補足された選択媒体(例えばアルファマイナスMEM、ライフテクノロジーズ(Life Techonologies,Gaithersburg,MD))内での細胞の培養により選択できる。メトトレキサート(MTX)に抵抗性の細胞内でのDHFR遺伝子の増幅は、多数報告されている(例えばF.W.アルトら(F.W.Alt,et al.,J.Biol.Chem.253:1357−1380(1978));J.L.ハムリンおよびC.マ(J.L.Hamlin and C.Ma,Biochem.et Biophys.Acta 1097:101−113(1990));およびM.J.ページおよびM.A.サイデナム(M.J.Page and M.A.Sydenham,Biotechnology 9:64−68(1991))参照)。MTXの増加する濃度内で生育する細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素、DHFRを過剰産生して薬剤への抵抗性を発生する。第二の遺伝子がDHFR遺伝子のリンクしていると、それは通常、同時増幅および過剰発現される。この方法は、増幅された遺伝子の1,000コピー以上を有する細胞株を発生させるために使用できることは当該技術分野では公知である。その結果、メトトレキサートを取り去ると、宿主細胞の1個またはそれ以上の染色体内に組み込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得られる。
プラスミドpC4は、ラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)の強力プロモーターの制御下で関係する遺伝子(例えば配列番号1〜12の少なくとも1種をコードするもの)を発現するためのコーディングDNA(カレンら(Cullen,et al.,Molec.Cell Biol.5:438−447(1985))に加えてヒトサイトメガロウイルス(CMV)の最初期遺伝子のエンハンサーより単離された断片(ボスハート(Boshart,et al.,Cell 41:521−530(1985)))を含む。プロモーターの下流には、遺伝子の組込みを許容するBamHI、XbaI、およびAsp718制限酵素切断部位がある。それらのクローニング部位の後に、プラスミドはラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。その他の高効率プロモーターは、例えばヒトb−アクチンプロモーター、SV40初期および後期プロモーターまたは他のレトロウイルス、例えばHIVおよびHTLVIよりの長期反復を発現するためにも使用できる。クロンテック(Clontech)のTet−OffおよびTet−On遺伝子発現系および同様の系は、哺乳動物細胞内で制御された様式でRSVを発現するために使用できる(M.ゴッセンおよびH.ブジャード(M.Gossen and H.Bujard,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551(1992)))。mRNAのポリアデニル化のために、例えばヒト成長ホルモンまたはグロブリン遺伝子よりの他のシグナルも同様に使用できる。染色体内に組み込まれた関係する遺伝子を有する安定な細胞株も、選択マーカー、例えばgpt、G418またはハイグロマイシンを用いて同時トランスフェクションして選択できる。開始時期には一個を越える選択マーカー、例えばG418とメトトレキサートを使用すると有利であることができる。
プラスミドpC4は、制限酵素を用いて設計され次いで当該技術分野では公知の操作によりコウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸される。次いでベクターは1%アガロースゲルより単離される。
所望のRSV抗体またはタンパク質をコードするDNA配列、例えば配列番号1〜12のいずれかの5〜500アミノ酸部分、図3〜4のいずれかの部分または図2A−Gもしくは5A−Fのいずれかの部分でコードされる少なくとも1個をコードするDNAまたはRNAが使用され、それらは既知の方法段階に従って、本発明の少なくとも1種のRSV抗体タンパク質の少なくとも1部分に相当する。
単離されたコード化DNAおよび脱リン酸されたベクターを次いでT4DNAリガーゼを用いて連結する。次いで大腸菌HB101またはXL−1 Blue細胞を形質転換しそして例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4内に挿入された断片を含む細菌を同定する。
活性DHFR遺伝子を欠失するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をトランスフェクションに使用する。発現プラスミドpC4の5μgをリポフェクチンを用いてプラスミドpSV2−neoの0.5μgと同時トランスフェクションする。プラスミドpSV2neoは、優性選択性マーカー、すなわちG418を含む抗生物質の群への抵抗性を与える酵素をコードするTn5からのneo遺伝子を含む。1μg/ml G418を補足したアルファマイナスMEM内に細胞を接種する。2日後、細胞をトリプシン処理しそしてメトトレキサート10、25、または50ng/mlおよび1μg/ml G418を補足したアルファマイナスMEM内でハイブリドーマクローニングプレート(グレイナー(Greiner、ドイツ))内に接種する。約10〜14日後に単一クローンをトリプシン処理し次いでメトトレキサートの種々の濃度(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて6−ウエルペトリ皿または10mlフラスコ内に接種する。次いでメトトレキサートの最高濃度で増殖するクローンをさらに高いメトトレキサート濃度(1mM、2mM、5mM、10mM、20mM)を含む新しい6−ウエルプレートに移す。濃度100〜200mMで増殖するクローンが得られるまで同じ操作を反復する。例えばSDS−PAGEおよびウエスタンブロットによりまたは逆相HPLC分析により所望の遺伝子産物の発現を分析する。
トランスジェニックマウスを用いるヒトRSVと反応性の抗体の発生
要約
1種またはそれ以上のRSV媒介疾患の処置のためにRSVの作用を阻害するために治療的に使用できる高親和性、完全ヒト型のモノクローナル抗体を生成するためにヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニックマウスを使用した。重鎖および軽鎖の双方に対するヒト可変および定常領域抗体導入遺伝子を含む(CBA/J x
C57/BL6/J)F2 ハイブリッドマウスをヒト組換えRSVを用いて免疫化する(テイラーら(Taylor,et al.,Intl.Immunol.6:579−591(1993));ロンバーグら(Lonberg,et al.,Nature 368:856−859(1994));ノイバーガー、M.(Neuberger,M.,Nature Biotech.14:826(1996));フィシュワイルドら(Fishwild,et al.,Nature Biotechnology 14:845−851(1996)))。数回の融合で完全にヒト型のRSV反応性IgGモノクローナル抗体の1個またはそれ以上のパネルが得られる。完全ヒト型RSV抗体をさらに特性試験する。すべてIgG1κである。この抗体は1x109 〜9x1012 の間のいずれかのアフィニティー定数を有することが見いだされる。これらの完全ヒト型モノクローナル抗体の高い親和性は、RSV関連疾患、病理学または障害における治療への適用の適当な候補となる。
略字
BSA−ウシ血清アルブミン
CO2 −二酸化炭素
DMSO−ジメチルスルホキシド
EIA−酵素免疫アッセイ
FBS−ウシ胎児血清
H2 O2 −過酸化水素
HRP−ホースラディシュペルオキシダーゼ
ID−皮膚内
Ig−免疫グロブリン
RSV−呼吸器合胞体ウイルス
IP−腹腔内
IV−静脈内
Mab−モノクローナル抗体
OD−光学密度
OPD−o−フェニレンジアミン二塩酸
PEG−ポリエチレングリコール
PSA−ペニシリン、ストレプトマイシン、アンフォテリシン
RT−室温
SQ−皮下
v/v−体積あたりの体積
w/v−体積あたりの重量
材料および方法
動物
ヒト抗体を発現できるトランスジェニックマウスは当該技術分野では公知である(そして商業的に入手でき(例えばジェンファームインターナショナル(GenPharm International,San Jose,CA);アブジェニクス(Abgenix,Freemont,CA)など)、それらはヒト免疫グロブリンは発現するがマウスIgMまたはIgκは発現しない。例えば、このようなトランスジェニックマウスは、ヒト配列免疫グロブリンの全範囲を生成するためにV(D)J結合、重鎖クラス切り替え、および体細胞変異を受けるヒト配列導入遺伝子を含む(ロンバーグら(Lonberg,et al.,Nature 368:856−859(1994)))。軽鎖導入遺伝子は、例えば生殖系列ヒトVκ領域のほぼ半分を含む酵母人工染色体クローンよりの一部分は誘導できる。その上、重鎖導入遺伝子は、ヒトμおよびヒトγ1(フィシュワイルドら(Fishwild,et al.,Nature Biotechnology 14:845−851(1996))および/またはガンマ3定常領域の双方をコードできる。適当な遺伝子型より誘導されたマウスは、RSVへの完全ヒト型モノクローナル抗体を生成する免疫化および融合プロセスに使用できる。
免疫化
公知の方法(例えば実施例1に記載の方法)に従って生成したような免疫原としての少なくとも1種のRSVタンパク質を使用する1種またはそれ以上の免疫化スケジュールは、RSVヒトハイブリドーマを生成するために使用できる。最初の数回の融合は、下記の例示としての免疫化プロトコールに従って行えるが、しかしその他の同様の公知プロトコールも使用できる。数匹の14〜20週齢の雌および/または外科的に去勢した雄マウスを、等量のTITERMAXまたは完全フロイントアジュバントを用いて最終体積100〜400μL(例えば200)となるように乳化した組換えヒトRSVタンパク質の1〜1000μgを用いてIPおよび/またはID免疫化する。それぞれのマウスは、場合により2SQ部位それぞれに100μL生理食塩水中の1〜10μgも受けることができる。マウスは、次いで1〜7、5〜12、10〜18、17〜25および/または21〜31日後に、等量のTITERMAXまたは不完全フロイントアジュバントを用いて乳化したRSVを用いてIP(1〜400μg)およびSQ(1〜400μgx2)で免疫化できる。12〜25および25〜40日後に凝血剤を用いない眼窩後穿刺によりマウスを放血する。次いで血液を室温、1時間で凝固させ、そして血清を採取しそして公知の方法に従ってRSV EIAアッセイを用いて力価検定する。反復した注入が力価を上昇させない場合に融合を行う。その場合、100μL生理食塩水中で希釈した1〜400μg RSVの最終IVブースター注入をマウスに与えることができる。3日後に、マウスを脊椎脱臼により安楽死させそして脾臓を無菌で取り出しそして100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、および0.25μg/mLアンフェテリシンB(PSA)を含む冷リン酸緩衝食塩水(PBS)10mL中に浸漬する。PSA−PBSを用いて脾臓を無菌で灌流して脾臓細胞を採取する。細胞を冷PSA−PBS中で1回洗浄し、トリパン染料排除を用いて計数しそして25mM Hepesを含むRPMI 1640媒体中に再懸濁する。
細胞融合
融合は、公知方法、例えば当該技術分野で公知のような方法に従って生存可能な脾臓細胞にマウス骨髄腫細胞を1:1〜1:10の比率で行うことができる。非制限的な例として、脾臓細胞および骨髄腫細胞を一緒にペレット化できる。ペレットを30秒間で、37℃の50%(w/v)PEG/PBS溶液(PEG分子量1,450(シグマ(Sigma))の1mL中にゆっくりと再懸濁できる。次いで25mM Hepesを含むPRMI 1640媒体(37℃)10.5mLを1分間でゆっくりと加えて融合を停止できる。融合細胞を500〜1500rpmで5分間遠心分離する。次いで、細胞をHAT媒体(25mM Hepes、10%胎児クローンI血清(ハイクロン(Hyclone))、1mMピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミン、10μg/mLゲンタマイシン、2.5%オリジェン(Origen)培養サプリメント(フィッシャー(Fisher))、10%653−条件調整RPMI 1640/Hepes媒体、50μM 2−メルカプトエタノール、100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、および16μMチミジンを含むRPMI 1640媒体)中に再懸濁し、次いで15枚の96−ウエル平底組織カルチャープレート内に200μL/ウエルでプレーティングする。次いでプレートを5%CO2 および95%空気を含む湿度調整した37℃のインキュベーター中に7〜10日間置く。
マウス血清内のヒトIgG RSV抗体の検出
固相EIAは、ヒトRSVタンパク質に特異性のヒトIgG抗体に関してマウス血清をスクリーニングするために使用できる。要約すると、プレートはPBS中で2μg/mLのRSVタンパク質を一晩用いてコートできる。0.02%(v/v)Tweenを含む0.15m生理食塩水を用いて洗浄した後、1時間、室温でPBS中の1%(w/v)BSAを200μl/ウエルで用いてウエルをブロックできる。プレートは直ちに使用するかまたは将来の使用のために−20℃に冷却する。マウス血清希釈液を50μl/ウエルのRSVコートプレート上、室温で1時間インキュベーションする。プレートを洗浄し次いで、1%BSA−PBS中のFc特異性希釈1:30,000した50μl/ウエルのHRP標識ヤギヒトIgGを用いて、1時間、室温でプローブする。次いでプレートを再度洗浄しそしてクエン酸−リン酸基質溶液(0.1Mクエン酸および0.2Mリン酸ナトリウム、0.01%Hおよび1mg/mL OPD)の100μL/ウエルを15分間、室温で加える。次いで停止溶液(4N硫酸)を25μL/ウエルで加えそしてODを自動化プレート分光光度計を用いて490nmで読み取る。
ハイブリドーマ上清中の完全ヒト型免疫グロブリンの検出
完全ヒト型免疫グロブリンを分泌する培養陽性ハイブリドーマは、適当なEIAを用いて検出できる。要約すると、96ウエルポップアウトプレート(VWR,610744)を炭酸ナトリウム緩衝液中の10μg/mLヤギヒトIgG Fcを一晩、4℃で用いてコートできる。次いでプレートを洗浄しそして1%PSA−PBS中、1時間、37℃でブロックしそして直ちに使用するかまたは−20℃で冷凍する。非希釈ハイブリドーマ上清をプレート上、1時間、37℃でインキュベーションする。プレートを洗浄しそして1%BSA−PBS中で1:10,000に希釈したHRP標識ヤギヒトカッパを用い、1時間、37℃でプローブする。次いでプレートを上記と同様に基質溶液と一緒にインキュベーションする。
完全ヒト型RSV反応性の決定
ハイブリドーマは、上記と同様に適当なRIAまたはアッセイを用いてRSVへの反応性を同時にアッセイできる。例えば、上清を上記と同様にしてヤギヒトカッパIgG Fcプレート上でインキュベーションし、洗浄し次いでウエルあたりに適当なカウントを有する放射能標識RSVを用いて1時間、室温でプローブする。ウエルを2回、PBSを用いて洗浄しそして結合した放射能標識RSVを適当なカウンターを用いて定量する。
ヒトIgG1κ RSV分泌ハイブリドーマを細胞カルチャー内で増大させ、そして限界希釈によりシリーズにサブクローンできる。得られたクローン集団を増大し、そして冷媒(95%FBS、5%DMSO)中で冷凍保存しそして液体窒素中で保管できる。
イソタイプ決定
抗体のイソタイプ決定は、特定の力価に関してマウス免疫血清をスクリーニングするために使用すると同様のフォーマットでEIAを用いて達成できる。RSVタンパク質は、上記のように96−ウエルプレート上にコートできそして精製された2μg/mLの抗体をプレート上で1時間室温でインキュベーションできる。プレートを洗浄しそして1%BSA−PBS中で1:4,000に希釈したHRP標識ヤギヒトIgGまたはHRP標識ヤギヒトIgGを用い、1時間、室温でプローブする。プレートを再度洗浄しそして上記と同様に基質溶液を用いてインキュベーションする。
ヒトRSVを用いるヒトヒトRSV抗体の結合キネティクス
抗体の結合特性は、例えば、RSV捕捉EIAおよびBIAcore技術を用いて適切にアッセイできる。精製したヒトRSV抗体の段階濃度を上記のようなアッセイにおいてRSVの2μg/mLでコートしたEIAプレートへの結合に関して評価できる。次いで、ODは、相対結合効率を示す半対数プロットとして表される。
定量結合定数は、例えば下記のようにして、または他の公知の適当な方法により得ることができる。BIAcore CM−5(カルボキシメチル)チップをBIAcore2000単位内に配置する。HBS緩衝液(0.01M HEPES、0.15M NaCl、0.3M EDTA、0.005%v/v P20界面活性剤、pH7.4)をチップのフローセル上に、安定な基線が得られるまで5μL/分で流す。200μL水中のEDC(N−エチル−N’−(3−ジメチル−アミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)の15mgの溶液(100μL)を、200μL水中のNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)の2.3mgの溶液100μLに加える。得られた溶液40μLをチップ上に注加する。ヒトRSV(10mM酢酸ナトリウム中の15μg/mL、pH4.8)の溶液6μLをチップ上に注加すると、約500RUの増加をもたらす。緩衝液をTBS/Ca/Mg/BSAランニングバッファー(20mMトリス、0.15M塩化ナトリウム、2mM塩化カルシウム、2mM酢酸マグネシウム、0.5%Triton X−100、25μg/mL BSA、pH7.4)に変更しそしてチップ上を一晩流してそれを平衡化しそしてあらゆる未反応スクシンイミドエステルを加水分解するかまたはそれをキャップする。
抗体をランニングバッファー中に33.33、16.67、8.33および4.17nMに溶解させる。流量を30μL/分にそして装置温度を25℃に調節する。2個のフローセルをキネティック試験に使用し、その一個ではその上にRSVタンパク質を不動体化し(試料)そして第二のものは非誘導化フローセル(ブランク)である。それぞれの抗体濃度の120μLをフローセル上に30μL/分で注加し(会合相)、次いで中断されない360秒間の緩衝液流を続ける(解離相)。2Mチオシアン酸グアニジンのそれぞれ30μLの2回の連続注加によりチップの表面を再生(呼吸器合胞体ウイルス/抗体複合体解離)する。
データの分析は、当該技術分野では公知のように、BAI評価3.0またはCLAMP2.0を用いて行われる。それぞれの抗体濃度に対して、ブランクセンソグラム(sensogram)を試料センソグラムより差し引く。全般的な適合を解離(k、秒−1)および会合(k、秒−1)の双方について行いそして解離定数(K、モル)を算出した(k/k)。抗体親和性が、捕捉された抗体のRUが>100であるために十分高い場合に、抗体の追加希釈を行う。
結果および考察
ヒトRSVモノクローナル抗体の生成
数回の融合を行いそしてそれぞれの融合では15枚のプレート内に接種し(プレート1440枚/融合)これはヒトRSVタンパク質に特異性の数ダースの抗体を生成する。これらの内で、一部はヒトおよびマウスIg鎖の組み合わせより成ることが見いだされる。残存したハイブリドーマ分泌RSV抗体は、ヒト重鎖および軽鎖のみよりなる。ヒトハイブリドーマの中ですべてがIgG1κであると期待される。
ヒトヒトRSV抗体の結合キネティクス
ELISA分析は、これらのハイブリドーマの大部分またはすべてからの精製抗体が濃度依存性の様式でRSVタンパク質を結合することを確認する。図1〜2は、これら抗体の相対結合効率の結果を示す。この場合に、その同族体抗原(エピトープ)に対する抗体の結合活性を測定する。EAIプレートへRSVを直接結合させることがタンパク質の変性を起こすことがあり、そしてみかけの結合親和性は非変性タンパク質への結合の反映ではないことを認めなければならない。50%結合が濃度の一定の範囲内で見いだされる。
定量結合定数がヒト抗体のBIAcore分析を用いて得られそしてヒトモノクローナル抗体の数種が1x10−8〜7x10−12の範囲内のKを有する非常に高い親和性であることを明らかにする。
結論
ヒトRSVを用いて免疫化されたヒト可変および定常領域抗体導入遺伝子を含むハイブリッドマウスよりの脾細胞を用いて数回の融合を行う。IgG1κイソタイプの数種の完全ヒト型RSV反応性IgGモノクローナル抗体の一組が生成する。完全ヒト型RSV抗体をさらに特性試験する。数種の生成した抗体は1x10〜9x1012の範囲内の親和性定数を有する。これらの完全ヒト型モノクローナル抗体の予想以上に高い親和性は、RSV依存性疾患、病理または関連病状における治療適用に適させる。
本発明が上記の説明および実施例に特定して記載されたものとは異なった様式で実施できることは明らかである。
本発明の多数の変更および変種が上記の教示を参考にして可能であり、従って特許請求の範囲内にある。
図1は、本発明のRSV抗体をコードする二種の重鎖および軽鎖抗体アミノ酸配列を示す。 図2A〜Gは、本発明のRSV抗体をコードする二種の重鎖領域コーディングDNAの非限定例を示す。 図3は、図2A〜G中のDNA配列に相当する二種の重鎖アミノ酸配列の非限定例を示し、ここでCDR1、2&3、可変および定常領域およびシグナルペプチドを示し、ならびに別の配列との間の変化を示す。 図4は、本発明のRSV抗体内に使用できる四種の異なる軽鎖アミノ酸配列の非限定例を示し、ここでCDR1、2&3、可変および定常領域およびシグナルペプチドを示し、ならびに別の配列との間の変化を示す。 図5A〜Fは、図4中のアミノ酸配列に相当する本発明のRSV抗体をコードする四種の別の軽鎖領域コーディングDNA配列の非限定例を示す。
【配列表】
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Claims (24)

  1. 配列番号7ないし12の少なくとも1個の重鎖および少なくとも1個の軽鎖を含んでなる少なくとも1個の可変領域を含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体。
  2. (i)配列番号1ないし3の少なくとも1個の重鎖相補性決定領域(CDR)アミノ酸配列の少なくとも2個、または(ii)配列番号4ないし6の少なくとも1個の軽鎖CDRアミノ酸配列の少なくとも2個のいずれかを含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体。
  3. 配列番号1ないし6の少なくとも1個のアミノ酸配列を有する少なくとも1個の重鎖または軽鎖CDRを含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体。
  4. 配列番号1、2、3、4、5、または6の少なくとも1個のアミノ酸配列を有する少なくとも1個の重鎖または軽鎖CDRを含んでなる抗体と、RSVポリペプチドの同じ領域に結合する、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体。
  5. 配列番号7〜12の少なくとも1から3個ないし全アミノ酸配列を含んでなる少なくとも1個のエピトープに特異的に結合し、少なくとも1個のヒトCDRを含んでなる、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体。
  6. 少なくとも10−9M、少なくとも10−10M 少なくとも10−11 M、または少なくとも10−12Mより選択される少なくとも1種の親和性でRSVに結合する、請求項1ないし5のいずれかに記載のRSV抗体。
  7. 少なくとも1個のRSVポリペプチドの少なくとも1つの活性を本質的に調節する、請求項1ないし6のいずれかに記載のRSV抗体。
  8. 請求項1ないし6に従いそして配列番号1ないし6の少なくとも1個のヒトCDRを有する、少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体をコードする単離された核酸。
  9. 請求項9に記載の単離された核酸を含んでなる、単離された核酸ベクター。
  10. 請求項9に記載の単離された核酸を含んでなる、原核または真核宿主細胞。
  11. 該宿主細胞が、COS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、Hep G2、653、SP2/0、293、HeLa、骨髄腫、もしくはリンパ腫細胞、またはそれらのいずれかの誘導体、不死化、もしくは形質転換した細胞より選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の宿主細胞。
  12. RSV抗体が検出可能または回収可能な量で発現されるように、in vitro、in vivoまたはin situの条件下で請求項9に記載の核酸を翻訳することを含んでなる、少なくとも1種のRSV抗体を産生するための方法。
  13. 配列番号9の少なくとも1から3個ないし全アミノ酸配列を含んでなる少なくとも1個のエピトープに特異的に結合し、少なくとも1個のヒトCDRを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体、および少なくとも1種の製薬学的に許容できるキャリヤまたは希釈剤を含んでなる組成物。
  14. 少なくとも1個の検出可能な標識もしくはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸管(GI)薬、ホルモン薬、流体もしくは電解質バランスに関する薬、血液剤、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、眼、耳もしくは鼻の薬剤、局所薬、栄養剤、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストより選ばれる少なくとも1種の化合物またはポリペプチドをさらに含んでなる、請求項13に記載の組成物。
  15. 請求項1ないし6のいずれかに記載の少なくとも1種のRSV抗体に特異的に結合する、抗イディオタイプ抗体または断片。
  16. (a)請求項1ないし6のいずれかに記載の少なくとも1種の抗体の有効量を含んでなる組成物を、細胞、組織、器官または動物と接触またはそれらに投与する
    ことを含んでなる、細胞、組織、器官または動物のRSV関連状態を診断または処置するための方法。
  17. 上記有効量が、該細胞、組織、器官または動物の1キログラムあたり、0.001〜50mgである、請求項16に記載の方法。
  18. 上記の接触または上記の投与が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、損傷内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内または経皮より選択される少なくとも1種の様式による、請求項16に記載の方法。
  19. 上記(a)の接触または投与を行なう前、同時またはその後に少なくとも1個の検出可能な標識もしくはレポーター、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸管(GI)薬、ホルモン薬、流体もしくは電解質バランスに関する薬剤、血液剤、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、眼、耳もしくは鼻に関する薬剤、局所薬、栄養剤、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストより選ばれる少なくとも1種の化合物またはポリペプチドの有効量を含んでなる少なくとも1種の組成物を投与することをさらに含んでなる、請求項16に記載の方法。
  20. 非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、損傷内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内または経皮より選択される少なくとも1種の様式により、請求項1ないし6のいずれかに記載の少なくとも1種のRSV抗体を接触または投与するために適する、上記の少なくとも1種のRSV抗体を含んでなる医療用デバイス。
  21. 包蔵材料および請求項1ないし6のいずれかに記載の少なくとも1種のRSV抗体の溶液または凍結乾燥された形を含んでなる容器を含んでなる、ヒトの薬剤学的または診断の用途に使用するための製品。
  22. 該容器が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、窩内、腔体内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、損傷内、ボーラス、膣、直腸、頬、舌下、鼻内または経皮送達デバイスまたはシステムの構成要素である、請求項21に記載の製品。
  23. 請求項1ないし6に記載の少なくとも1種の単離された哺乳動物RSV抗体を産生する方法であって、該抗体の回収可能な量を発現できる宿主細胞またはトランスジェニック動物またはトランスジェニック植物または植物細胞を提供することを含んでなる上記方法。
  24. 請求項23に記載された方法により生産された少なくとも1種のRSV抗体。
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