JP2005522485A - 石灰化された動脈プラークの蓄積および細胞の機能不全を軽減し、イオンカルシウムの釣合いをとるための方法 - Google Patents

石灰化された動脈プラークの蓄積および細胞の機能不全を軽減し、イオンカルシウムの釣合いをとるための方法 Download PDF

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Abstract

マグネシウムの複合配位錯体を治療効果のある用量で投与することにより、石灰化された動脈プラーク蓄積および細胞の機能不全を軽減するための方法を提供する。当該方法は、イオンカルシウムの釣合いをとり、釣合いのとれていないカルシウム代謝、細胞の機能不全または石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与しないカルシウムの複合配位錯体を作りかつ投与するためのステップを含む。無機質のミネラルの複合配位錯体を作るための標準化された方法も開示される。

Description

発明の背景
技術分野
この発明は、生化学的かつ生理学的に重要な無機塩マグネシウム(Mg)、より特定的には、複合錯体マグネシウムとして公知の、より生物学的に活性型であるマグネシウムを適量投与することにより石灰化された動脈プラークの蓄積量を減らし、細胞の機能不全を軽減する方法に関する。加えて、この発明は、生化学的かつ生理学的に重要な無機塩カルシウム(Ca)、より特定的には、石灰化された動脈プラーク蓄積および細胞の機能不全には寄与しない複合錯体カルシウムとして公知の、より生物学的に活性型であるカルシウムを適量投与することによりイオンカルシウムの釣合いをとる方法に関する。
マグネシウム塩は人の栄養には必要不可欠である。アデノシン三リン酸(ATP)の一部として、マグネシウムは生合成プロセス、解糖、環状アデノシン一リン酸(環状AMP)の形成すべてに必要とされ、エネルギ代謝およびエネルギ依存の膜輸送に関わり、リボ核酸(RNA)合成および遺伝子暗号伝達に必要とされる。マグネシウム塩(陽イオン)は、(基質と活性部位との間の相互作用または立体配座変化の導入による)300を越える酵素、特に、酸化的リン酸化に関わる酵素の活性に必要とされる。マグネシウム塩は細胞内液および細胞外液の両方の重要な成分である。細胞内マグネシウムは律速酵素の活性を調整することによって細胞代謝を調節すると考えられている。細胞外マグネシウムは神経膜および筋膜の電位の維持と神経筋接合部に亘るインパルスの伝達とのために重要である。マグネシウム塩は心筋組織および平滑筋組織のホメオスタシスを維持するのに重要である。これらの生理学的プロセスの各々には、相乗的または拮抗的に作用し得る無機塩カルシウムとの相互作用がある。
成人の身体には20〜28gのマグネシウムが存在すると考えられており、身体の骨格および骨構造には約59%、身体の筋系組織および柔らかい身体組織には約40%、身体の細胞外液には約1%(約2〜2.8g)が存在する。血清濃度は健康な個体においては1.1〜2.1mEq/lの範囲であり、主に腎臓によって調節されると考えられている。腎臓によって濾過可能なマグネシウム(タンパク質と結合しない血清マグネシウム)は、腎臓の近位曲尿細管またはヘンレわなで再吸収され、そこでは血清濃度に応じて主要な調整が行なわれると考えられている。骨格のマグネシウムの一部と血液中のそれとの間には受動的平衡があり、これは細胞外マグネシウム濃度の変動に対して調整を行なうものとして作用すると考えられている。
マグネシウムは人体内でカルシウムとその機能との釣合いをとる。成人の体には約1200gのカルシウムが含まれ、その約99%が骨格にあり、約1%(約12g)が細胞外液、細胞内構造および細胞膜にあると考えられている。この約1%がマグネシウムと関連して、神経伝導、筋肉収縮、血液凝固および膜透過性の機能において極めて重要な役割を果たす。血清のカルシウム濃度は、エストロゲンおよびテストステロンを含むいくつかのホルモンによって維持されると考えられている。食物タンパク質がカルシウム吸収を高め、食物リンがカルシウム保持をもたらすことが分かっている。
マグネシウム不足が、吐き気、筋肉虚弱、神経筋および心臓の過敏、テタニー、痙攣、震え、精神的な落込み、精神病性の行動を引起し、適切な筋肉機能および収縮を阻害し、カルシウムおよびカリウムの適切な利用を妨げることが分かっている。
マグネシウムは無機質であり、人体によっては生成されない。人は必要なマグネシウムを身体に供給するには食事に頼らなければならない。マグネシウムは地殻の天然成分であり、土壌で育った食物から人の食事に利用される。最高濃度のマグネシウムを含む食物は未加工の全粒粉、豆科植物、種子および緑色植物食品を含むクロロフィル(クロロフィル分子の中心原子はマグネシウムである)である。胚芽部分を除去し、製粉加工中に穀物の外層(ブラン)を除去することによって、製粉されていない穀物の80%を超えるマグネシウム含有量が失われる。精製および加工された食物、肉および乳製品が豊富に含まれる食事は、タンパク質消費によりカルシウム吸収が増加し、(しばしば加工された食物およびソーダからのリン酸塩の形である)リン消費によりカルシウムが保持されることに加え、マグネシウム含有量が低い。
米国では食事によるマグネシウム摂取量が低下しており、米国の食糧供給における1人当たりのマグネシウム摂取量は(食品流通機構を通じて流通する食物で推定すると)1909年の1日当たり408mgから1986年の1日当たり329mgと、ほぼ20%低下している。これは、精製および加工されていない食物と肉および乳製品のより少ない消費とが米国における標準的食事であった数十年前と比べると比較的僅かな低下であると考えられる。これは、1976年、1977年、1980年、1981年および1982年の食品医薬品局による1日摂取量調査における典型的な米国の食事の化学的分析と、米国農務省による1985年の成人男性の平均的マグネシウム摂取量および同省による1987年の成人女性の平均的マグネシウム摂取量とに密接に関連している。米国において食事によるマグネシウム摂取量が低下したのは、未加工の全粒粉、豆科植物、種子および緑色植物食品の食事が減少し、同時に精製および加工された食物、肉、ソーダおよび乳製品の食事が増加したことに直接原因がある。
通常の消化および同化作用を有する人では、食物からのマグネシウム吸収は約40〜60%が摂取されるもののによると考えられており、フィチン酸塩(フィチン酸の負に荷電したもの、すなわち植物の葉に見られるイノシトール六リン酸)または繊維の存在の下では吸収が僅かに減少する。
人のマグネシウム不足は、不十分な食事による摂取、(カルシウム代謝を阻害する)過度のカルシウム摂取、過度のまたは長期にわたるストレス、消化不良に関連付けられる胃腸管異常、腎臓再吸収機能不全、全身性または利尿薬による過度の流体および電解質の損失といった症状のある人において、および或る薬物の妨害によって生じ得る。
マグネシウムの大量の経口摂取は一般に安全であると考えられており、通常の腎機能を持つ人に有害であるという証拠はない。マグネシウムの過度の経口摂取は一過性の下痢を引き起す可能性があることが分かっている。
経口摂取されたマグネシウムは自然には身体に吸収されにくい。僅かに3〜12%の元素のマグネシウムが身体で使用するのに吸収されると考えられている。身体が吸収可能なマグネシウム量を増やそうとする過去の試みは、複合錯体マグネシウムが開発されるまではほんの一部が成功したに過ぎなかった。
タンパク質アミノ酸でキレート化されたマグネシウムがより効果的に体に吸収され、元素のマグネシウムよりも効率的に腸管膜を通って血液中に至るという証拠があるが、それがどの程度より効果的であるかについては完全には明らかではない。したがって、複合錯体マグネシウムの開発以前には、マグネシウムの適切な用量の選択にはある程度不確実さがあった。
複合錯体マグネシウムは、1:1:2の比のマグネシウム、タンパク質アミノ酸およびアスコルビン酸の配位錯体を含むマグネシウムの複合配位錯体であり、すなわち、この比は重量でマグネシウム1に対し、タンパク質アミノ酸1およびアスコルビン酸2の割合である。複合錯体マグネシウムのこの組成物は水素の釣合いのとれたポテンシャルにつながり、これは本質的に中性のpH係数を生じる(すなわち、溶液1リットル当り0.0000001gの水素イオン原子−本質的に蒸留水を同じpH)。指示されたとおりに調製すると、陰イオンタンパク質アミノ酸成分が陽イオンマグネシウム成分を結合可能な強い錯化剤として作用し、配位子配位錯体を効果的に生出す。加えて、アスコルビン酸成分との第2の錯化がマグネシウム成分とタンパク質アミノ酸との第1の錯化を強化し、それを、腸管吸収、細胞利用および有効性のためのポテンシャルの指数関数的な増加により、その十分なポテンシャルに達成させる。この二重の錯化のプロセスは、段階的な二重錯化または複合配位錯体または複合配位子または単に複合錯体として考えられ得る。この複合配位錯体はマグネシウムを効果的に増強し、腸管吸収および細胞利用が本質的に100%可能な組成を生じさせ、効力を最大にする。複合錯体マグネシウムは他の何らかの形態の経口投与または食事摂取されるマグネシウムを改良したものである。
複合錯体マグネシウムはより優れた腸管吸収および細胞利用を示し、有効量で投与されると、カルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、血圧を下げて正常化し、ストレスによって誘発された心不整脈期外収縮を軽減して調節し、動脈プラークの形成を防ぎ、アテローム性動脈硬化症を防ぎ、人体の心臓血管系のホメオスタシスを維持する能力を示した。これは、1998年12月15日に発行された先の私の米国特許第5,849,337号により十分に詳述される。
心臓血管疾患が米国ならびに世界の大抵の先進国において死亡の主要な原因であることは広く知られている。アテローム性動脈硬化症が心臓血管疾患の主な原因であることが広く認識されている。アテローム性動脈硬化症は石灰化された動脈プラークの蓄積によって特徴付けられ、これにより動脈の血流が減じられ、最終的には心臓発作、卒中および抹消動脈機能不全に寄与するかまたはこれらを発症する可能性がある。石灰化された動脈プラークは無機塩カルシウムでの石灰化により硬化された動脈プラークである。撮像機器、特に電子ビームコンピュータトモグラフィの最近の進歩により、機能し拍動する心臓における石灰化された動脈プラーク蓄積を画像をぼやかすことなく非観血的かつ明瞭に観察し測定することが可能となった。
最近の調査により、石灰化された動脈プラーク蓄積の主な原因が長期間にわたりコラーゲンが弱化している動脈系における過度のフリーラジカルによって触媒される釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝であることが判明した。イオンカルシウムはタンパク質に結合されないカルシウムの形態である。遊離した非結合イオンカルシウムがカルシウムの形態であり、これは、特にイオンカルシウムが過度であり、かつ/または、複合錯体マグネシウムなどのマグネシウムのより生物学的に利用可能な形態と釣合いのとれていない場合に、細胞の機能不全および釣合いのとれていないカルシウム代謝をもたらしかつそれに寄与し、結果として、他の生物学的に重要なカルシウムの機能を犠牲にしてジストロフィー性石灰化および石灰化された動脈プラークの蓄積をもたらしかつそれに寄与することが最近発見された。複合錯体マグネシウムは釣合いのとれていないカルシウム代謝の釣合いをとり、細胞の機能不全および石灰化された動脈プラーク蓄積を防ぐ。イオンカルシウムの釣合いをとり得、適切な細胞の機能を阻害し得ず、石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与し得ない改善された形態のカルシウムが必要とされる。
動脈プラーク蓄積を制限する過去の試みは一般に、食物脂肪およびコレステロールを減少させること、血液中のコレステロールを下げる薬剤ならびに血圧を下げる薬物療法などの「リスクファクタ」の制御に限定されており、それらすべての有効性は100%に満た
ず、時には実質的に有害な副作用をもたらす。動脈プラーク蓄積に対する過去の観血的治療には血管形成術、シャントインプラント手術および動脈移植バイパス手術が含まれていた。これらの処置に固有のリスクに加えて、動脈プラーク蓄積の再発生がかなり記録されており、一般には処置を施した部位で加速的に再発することが知られている。
したがって、人体における石灰化された動脈プラーク蓄積および細胞の機能不全を効果的に減じ得る複合錯体マグネシウムの投与方法と、イオンカルシウムの釣合いをとり得、正常な細胞機能を阻害し得ないかまたは石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与し得ない改善された形態のカルシウムを作るための方法とが必要とされる。
発明の概要
簡単に一般的な用語で、複合錯体の形態のマグネシウムが経口投与される場合に人体における既存の石灰化された動脈プラーク蓄積を減らしかつ細胞の機能不全を軽減するための方法を記載する。これは、より優れた腸管吸収および細胞利用を可能にする複合錯体マグネシウムを有効量で投与することにより達成され、この複合錯体マグネシウムは細胞機能を改善し、細胞の機能不全を軽減することにより細胞効率を高め、カルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、人体の心臓血管系のホメオスタシスを維持する能力を有する。加えて、イオンカルシウムの釣合いをとり得、細胞機能を阻害し得ず、細胞の機能不全および石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与し得ない改善された形態のカルシウムを作るための方法を記載する。
これらの発見に従うと、この発明の目的は、複合錯体マグネシウムとして公知であり有効量で投与された場合に石灰化された動脈プラークの形成または蓄積を減らすことのできる改善されたマグネシウム組成物を選択的に投与するための方法を提供することである。
この発明の別の目的は、有効量で投与された場合にアテローム性動脈硬化症の進行を退行または軽減させる得る複合錯体マグネシウムを選択的に投与するための方法を提供することである。「アテローム性動脈硬化症」という用語は、ここでは、何らかの形の心臓血管疾患、特に動脈プラーク形成もしくは蓄積、動脈狭窄もしくは痙攣、血栓形成、制限もしくは低減された動脈血流または動脈血圧の上昇によって特徴付けられる心臓血管疾患を識別するものとして用いられる。
この発明の別の目的は、有効量で投与された場合に細胞の機能不全を軽減することにより細胞機能を改善し得、細胞効率を高め得る複合錯体マグネシウムを選択的に投与するための方法を提供することである。
この発明の別の目的は、イオンカルシウムの釣合いをとり得、細胞機能を阻害し得ない改善された形態のカルシウムを作るための方法を提供することである。
この発明のさらなる目的は、イオンカルシウムの釣合いをとり得、細胞の機能不全に寄与しない改善された形態のカルシウムを提供することである。
この発明のさらなる目的は、イオンカルシウムの釣合いをとり得、ジストロフィー性石灰化に寄与しない改善された形態のカルシウムを提供することである。
この発明のさらなる目的は、イオンカルシウムの釣合いをとり得、石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与しない改善された形態のカルシウムを提供することである。
この発明のさらなる目的は、イオンカルシウムの釣合いをとり得、簡単に生成され、商業的に見て経済的に流通可能である改善された形態のカルシウムを提供することである。
この発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明および臨床事例研究から容易に明らかとなるだろう。
発明の詳細な説明
「複合錯体マグネシウム」という用語はここでは、この発明で用いられるマグネシウム化合物を識別するために用いられる。複合錯体マグネシウムは、1:1:2の比のマグネシウム、タンパク質アミノ酸およびアスコルビン酸の配位錯体を含むマグネシウムの複合配位錯体であり、すなわち、この比は重量でマグネシウム1に対し、タンパク質アミノ酸1およびアスコルビン酸2の割合である。複合錯体マグネシウムのこの組成は水素の釣合いのとれたポテンシャルにつながり、これは本質的に中性のpH係数を生じる(すなわち、溶液1リットル当り0.0000001gの水素イオン原子−本質的に蒸留水を同じpH)。指示されたとおりに調製すると、陰イオンタンパク質アミノ酸成分が陽イオンマグネシウム成分を結合可能な強い錯化剤として作用し、配位子配位錯体を効果的に生出す。加えて、アスコルビン酸成分との第2の錯化がマグネシウム成分とタンパク質アミノ酸との第1の錯化を強化し、それを、腸管吸収、細胞利用および有効性のためのポテンシャルの指数関数的な増加により、その十分なポテンシャルに達成させる。この二重の錯化のプロセスは、段階的な二重錯化または複合配位錯体または複合配位子または単に複合錯体として考えられ得る。この複合配位錯体はマグネシウムを効果的に増強し、腸管吸収および細胞利用が本質的に100%可能な組成を生じ、効力を最大にする。複合錯体マグネシウムは他の何らかの形態の経口投与または食事摂取されるマグネシウムを改良したものであり、カルシウムに関連して細胞レベルで機能する。
複合錯体マグネシウムの有効性に寄与する少なくとも10のメカニズムまたはレベルが作用していると考えられている。その第1はマグネシウムの二重の複合された錯化であり、第2は化合物の水素のポテンシャルの釣合いをとることであり、第3は電気的な陰イオン/陽イオンのバランスであり、第4は化合物の成分の強い相乗作用であり、第5は化合物の成分の比率であり、第6は無機食物と有機食物との釣合いをとることであり、第7はカルシウム代謝の釣合いをとる化合物の能力であり、第8は血液のホメオスタシスに対する化合物の寄与であり、第9は心筋および血管のホメオスタシスへの化合物の寄与であり、第10は化合物の酸化防止の利点である。
複合錯体マグネシウムは体の腸管によって実質的に100%吸収可能であるので、投与はより正確に調節可能であり、要件を満たす生理学的な量に制限され得る。これは、必要に合う消費量に対しての正確な予め選択された調節を可能にするという点で、複合錯体マグネシウムの重要な利点をもたらす。
複合錯体マグネシウムは、その釣合いをとる性質のために、食物または他の栄養素とともにいずれの妨害もなしに経口投与され得るか、または、胃の不調および有効性の低下なしに空腹状態で投与され得る。複合錯体マグネシウムは、或る種の全身性吸収障害、たとえば(持続放出性としても知られる)遅延または徐放製剤がときに強い腸管過敏を引き起こすことがある過敏性腸症候群(IBS)を抱える人にもよく許容される。
複合錯体マグネシウムの他の主な利点はそのアスコルビン酸成分の相補的局面である。それがマグネシウムに対して釣合いをとり支援を行なうことに加え、いくつかのその機能および利点はマグネシウムのそれに非常に類似しており、それは決して数多くの酵素との
アスコルビン酸の機能でなく、心臓および動脈の平滑筋組織のホメオスタシスを維持するその有利な役割である。同様に、マグネシウムもシュウ酸塩結晶の起こり得る形成、すなわちシュウ酸カルシウム腎結石を調整することによってアスコルビン酸を補う。この相乗作用は化合物の指数関数的な効力の起こり得るメカニズムを強く指し示すものである。マグネシウム同様、アスコルビン酸は一般に通常の腎機能を有する人には、摂取量が多くても安全であるとみなされている。アスコルビン酸を過度に経口摂取すると一過性の下痢を引き起こす恐れがある(本質的にマグネシウムの過度の経口摂取と同様である)ことが知られているが、マグネシウムおよびアスコルビン酸がともに結合されてマグネシウムの複合配位錯体を形成する場合、腸の許容度に改善が見られる。これは、複合錯体マグネシウムの改善された腸管吸収特性の結果として生じ、マグネシウムまたはアスコルビン酸を結合して複合配位錯体を形成するのではなく個々にまたは一緒に摂取することにより可能となるよりも、大量の有効量の複合錯体マグネシウムを摂取することが可能となる。
この発明に従うと、以下に示すように、複合錯体マグネシウムの投与による予期せぬ発見および利点は、石灰化された動脈プラーク蓄積を減じアテローム性動脈硬化症の進行を軽減することによって心臓血管系を守る上での利点が与えられることである。複合錯体マグネシウムの投与によるさらなる予期せぬ発見および利点は、細胞の機能不全を軽減することにより細胞機能を改善しかつ細胞効率を高めることである。複合錯体マグネシウムは他の何らかの形態の経口投与型心臓血管疾患予防組成物を著しく向上させたものであり、有害な副作用なしにカルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、石灰化された動脈プラーク蓄積の量を減らし、アテローム性動脈硬化症の進行を退行させ、細胞の機能不全を軽減する能力を示した唯一の組成物である。人の生体におけるその有効性および安全性は以下の臨床事例研究で詳述されるとおりである。
以下の臨床事例研究はこの発明をさらに例示するためだけのものであり、この発明の真の精神および範囲を限定することを意図するものではない。
臨床事例研究
すべての臨床研究は実験動物または死体の組織ではなく生きている人で行なわれた。この明細書中に示される臨床研究は方法論、被験者および結果については典型的なものである。臨床研究のすべての結果は二重盲検ベースで別個に検証された。
臨床的にアテローム性動脈硬化症と診断された58歳の男性被験者が提示され、特に動脈の分岐部のちょうど前方に位置する左冠状動脈に石灰化された動脈プラーク蓄積があり、大動脈弓においていくらかより少量の石灰化された動脈プラーク蓄積があった。これは、別個に実施および検証される他の標準的な診断検査とともに電子ビームコンピュータトモグラフィスキャン(EBCTスキャン)によって別個に検証された。被験者に見られる石灰化された動脈プラーク蓄積は、臨床的にアテローム性動脈硬化症と診断された患者に見られる場所および進行に特有ものである。石灰化された動脈プラークの量を注意深く測定して、冠状動脈疾患に対するリスクのレベルを決定し、さらにプラークの進行または退行の度合いを追跡した。独立したリスク評価により、冠状動脈疾患についての被験者のリスクのレベルが「中程度」と設定された。
すべての臨床検査作業は独立した二重盲検検証ベースで行なわれ、各々の実験室の作業は他の実験室が関与していることを知らされずに第2の独立した実験室により検証され、いずれの実験室の医師、看護士、技士または管理者も、被験者に石灰化された動脈プラーク蓄積が発見された後に当該被験者に複合錯体マグネシウム摂生が施されたことを知らされていない。整合性を維持するためにフォローアップの動脈スキャンについては同じEBCTスキャン設備および同じ較正されたEBCTスキャン装置を用いたが、EBCTスキャン設備のスタッフおよび作業員はいずれも被験者の複合錯体マグネシウム摂生について
知らされていない。被験者の年齢、体重、(腰周りに過度の)体脂肪分布、(適度に高い)血圧、(血中総コレステロール251〜264mg/dlである高い)血中コレステロール、家族歴、ストレスレベルならびに石灰化された動脈プラーク分布および場所はすべて、同じ年齢および健康状態の男性被験者に典型的に見られるものとほぼ一致した。使用される被験者は典型的なテスト被験者であった。
この発明の方法に従った、マグネシウム化合物摂生の投与前の被験者の左冠状動脈にある石灰化された動脈プラーク蓄積を示すEBCTスキャン画像が図1に示される。
被験者は分割された投与量で1日当り2000〜3000mg(通常、毎食後に1000mgを摂取)の複合錯体マグネシウム投与の正確な摂生を施されたが、約15〜25%のタンパク質、25〜35%の脂肪および40〜60%の炭水化物を含む通常の食事を維持した。1日当り3000mgレベルの複合錯体マグネシウム投与で被験者が最も利点を得るようであることが認められ、このレベルは以前には最大と考えられていた量の2倍(予防レベルの2倍)であり、如何なる種類の有害な副作用もなかった。これは、複合錯体マグネシウムが1日当り3000mgを含む用量までであっても通常の腎機能を有する被験者に長期にわたって極めて安全に投与されるという知識を強化する。被験者の腎機能は定期的に監視され、その血清クレアチニンは0.7〜1.3mg/dlの通常の基準範囲内で一貫している。被験者は如何なる薬物療法または他の特殊な物質をも施されておらず、非喫煙者であり、適度に活動的であり、複合錯体マグネシウム摂生以外に生活様式で特殊であったり目立ったりしたことは何もなかった。被験者は動脈系についての十分な血液検査、完全な精密検査、ドップラー超音波およびEBCTスキャンを別個に定期的に施されて注意深く監視された。
EBCTスキャンにより被験者の左冠状動脈および大動脈弓に石灰化された動脈プラーク蓄積があることが明らかにされた6ヶ月後、および被験者が複合錯体マグネシウム摂生を始めた6ヶ月後に、同じ独立した実験室設備において同じ較正されたEBCTスキャン機器で行なわれたフォローアップのEBCTスキャンにより、被験者の左冠状動脈にある石灰化された動脈プラークの量が年間で27.3%減少していることが明らかとなり、被験者の大動脈弓には石灰化された動脈プラークについて同様の程度の減少が見られた。動脈プラークの進行(または減少)は、年間の増加(または減少)率として表わされる。というのも、石灰化された動脈プラークの形成は減少するのではなく単に増加するだけであり、このような増加が数年に亘って比較的ゆっくりと発生すると一般に考えられていたからである。しかしながら、この発明に記載される私の発見により、石灰化された動脈プラーク蓄積を減らすことができ、さらに比較的容易かつ速やかに減らすことができ、有害な副作用もないことがここで提示され、独立して検証されている。
この発明の方法に従った、マグネシウム摂生の投与後の被験者の左冠状動脈における石灰化された動脈プラーク蓄積の減少を示すEBCTスキャン画像が図2に示される。
石灰化された動脈プラーク蓄積は自然には退行しないことは周知である。被験者を入念に詳細に検査することにより、その生活様式に何も異常がないこと、またはそうでない場合、観察される石灰化された動脈プラークの減少の原因となり得るものが何もないことが明らかとなった。この発明に従ったマグネシウム化合物の投与方法は、石灰化された動脈プラーク蓄積を特に減らし、これによりアテローム性動脈硬化症の進行を退行かつ縮小させる、心臓血管系に対する重大で有益な効果を示している。
動脈プラークはフィブリゲン、コレステロール、脂質、血小板、細胞破壊片およびカルシウムの複合混合物である。それは弱化しかつ損傷した動脈、身体の血液凝固メカニズム、細胞の機能不全および石灰化に関連付けられる。
EBCTスキャンは、明瞭な視覚画像および石灰化された動脈プラークの厳密な測定値を可能にする現在で最先端の非観血的な撮像機器である。被曝速度を上げることにより、EBCTスキャンは、画像をぼやけさせることなく限られた放射線被曝で、機能し拍動する人の心臓の画像を生成する能力を有する。1997年には、米国心臓病協会(AHA)がアテローム性動脈硬化症に対するEBCTスキャンの使用を認めた。すなわち「電子ビームCTは冠状動脈におけるカルシウム蓄積を測定するのにも用いることができる。EBCTによって検出されるカルシウムの量は潜在的な冠状動脈硬化症の量と関連がある」と述べている。1996年にはAHAは次のように述べている。「合計2,745人の無症候性の患者によると、冠状動脈のカルシウムスコアが将来の心疾患を高く予測することが示される。[EBCT]スキャン技術は[血中]コレステロール試験よりも冠状動脈疾患の発現を10倍以上も有力に予測するもので[ある]。」
したがって、私は、複合錯体マグネシウムが有効量で投与された場合に身体の心臓血管系のホメオスタシスに非常に有益な影響を及ぼし、複合錯体マグネシウムがEBCTスキャンを用いることにより検証される石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる能力を有することを発見した。
石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる複合錯体マグネシウムの能力は適切な細胞代謝を中心とし、カルシウムに関連して機能する。
マグネシウムが細胞機能にとって重要であることは周知である。マグネシウムおよびカルシウムの適切な釣合いが適切な細胞機能に寄与すると考えられている。過度のカルシウムまたは過度のイオンカルシウムは、特に不十分なマグネシウムにも拘らず、適切な細胞機能を阻害する。釣合いのとれていない過度のイオンカルシウムが細胞に入り蓄積することにより、細胞効率を減じ、細胞の機能不全を引き起こす。細胞の機能不全は、釣合いのとれていない過度のイオンカルシウムがある状態で細胞全体に亘って生じるが、生物学的に活性のミトコンドリアおよび小胞体が主に影響を及ぼされるオルガネラであると考えられている。ミトコンドリアはATP合成として公知のアデノシン三リン酸の形でエネルギを生成し、必要不可欠な細胞の化学反応が人体全体に亘って発生することを可能にする。これは通常の細胞代謝プロセス中に発生し、自由電子を遊離させ、電子伝達系として公知の一連のタンパク質を介してこれらを搬送する。この電子の移動の結果により、内部のミトコンドリア膜にわたる電位が生じ、生じたエネルギがATP合成の駆動力として用いられる。十分に吸収され、適切に利用されるマグネシウムは、ATP合成および適切な細胞代謝にとって極めて重要である。不十分なマグネシウムおよび/または不十分に吸収されたマグネシウムおよび/または過度のカルシウムおよび/または過度のイオンカルシウムは、特に長期間にわたると、ミトコンドリアの通常のATP合成を阻害して機能不全を引起す。ミトコンドリア機能不全は、全体的な細胞代謝、エネルギ生成および最終的には細胞の生存に著しく影響を及ぼす。細胞のミトコンドリア機能不全および崩壊は老化プロセスおよび変性疾患における主な要素であり得ると現在考えられている。過度のフリーラジカルがこれらのプロセスに寄与すると考えられている。フリーラジカルは細胞の酵素利用の副産物であり、十分なレベルの釣合いをとる酸化防止剤がなければ蓄積する可能性があり、細胞全体ならびにミトコンドリアに損傷を与える可能性がある。これに密接に関連付けられるのが、カルシウムを蓄積し、使用の際にそれを解放し、使用後にはそれを蓄積する小胞体の機能である。小胞体は、細胞の中の、その細胞の化学的活動の多くが行なわれる部分である。釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝、過度のカルシウムおよび/または過度のイオンカルシウムは小胞体の正常な機能を阻害し、かつ細胞の機能不全に寄与する可能性がある。複合錯体マグネシウムは有効量で投与される場合、カルシウム代謝の釣合いをとることにより、細胞機能を有効に改善し得、細胞の機能不全を軽減することにより細胞効率を高めて、細胞のホメオスタシスに寄与し得る。
複合錯体マグネシウム組成を投与した結果として観察された有利な効果を起こすメカニズムは、この組成といくつかの異なるが密接に関連したレベルのカルシウムとの相互作用と、特に、カルシウム代謝の釣合いを取りジストロフィー性石灰化を防ぐ複合錯体マグネシウムの能力と、この組成が与える動脈の強化および弾性サポートと、この組成のフリーラジカルによる損傷を防ぐ特性と、生体内での化合物成分とその指数関数的な作用増大との特別に相補的な相乗作用とである。
フリーラジカル損傷によって触媒されると考えられるカルシウム代謝の減損は過度のカルシウムを細胞に入れさせ、損傷および機能不全を起こす。カルシウムは膜のリン脂質からのアラキドン酸を開裂するホスホリパーゼ−Aを活性化させることが知られている。アラキドン酸はプロスタグランジンおよびロイコトリエンを生成し、これがフリーラジカルを生む。炎症性の物質ロイコトリエンは白血球を引きつけ、刺激し、これは貧食作用の間にスーパーオキシドフリーラジカルを生じ、フリーラジカルに周囲の組織を損傷させる。損傷を受けた血管の小動脈および毛細管は拡張して血管壁に水腫および赤血球のリークを引き起こす。微小血栓が刺激された血小板によって引き起こされ、その一方で赤血球が遊離した鉄および銅を解放し、それが組織の損傷を増大させる。細胞へのフリーラジカルの損傷の結果としての、平滑筋細胞(すなわち、血管細胞)内の過度のイオンカルシウムがカルモジュリンと結合し、それはミオシンキナーゼを活性化させ、そのリン酸化ミオシンはミオシンおよびアクチンを圧縮させて筋肉細胞の収縮をもたらす。同じことが心筋細胞にも起こる。筋肉細胞内のイオンカルシウム増加が筋肉の痙攣を引き起こし得る。血管の平滑筋繊維内で狭窄が起こると、血流が低減され、血圧が上昇する。狭窄が心臓の心筋繊維内で起こると、アンギナまたは心筋梗塞さえもが起こり得る。過度の細胞内カルシウムが酸素利用効率を下げることによって心筋機能を損なうことがわかっている。細胞内の過度のカルシウムはまた、部分的には過度の食物リン酸の結果として、年齢とともにゆっくりと増加する増加したイオン化血清カルシウムレベルに起因し、過度のカルシウムが細胞に入らないように防ぐのをより困難にする。もう1つの要因であるストレスが、ストレスにより増加する循環カテコールアミンの結果として細胞内カルシウムの保持を引き起こし、マグネシウムカルシウムATPアーゼの統合性を緩める。代謝されるとカテコールアミンはフリーラジカルを生む。フリーラジカルはアテローム性動脈硬化症に関連している。
マグネシウムは、カルシウムが細胞に入ることを阻止し、細胞内保管場所からのカルシウムの流動化を阻止する自然のカルシウムチャネルブロッカであり、房室伝導および洞房伝導を遅くし、動脈の平滑筋および心筋を弛緩させる。これが、被験者に見られた血圧低下および正常化作用の原因となる。マグネシウムはカルシウムが引き起こすストレスの影響に対抗する。ストレスとともにフリーラジカル損傷につながる、カルシウム代謝を含む複雑な一連の事象がアテローム性動脈硬化症のもとであると考えられている。カルシウムの不適切な利用が少なくともアテローム性動脈硬化症の要因の一部であるように思われる。複合錯体マグネシウムがカルシウム代謝の安定化と釣合いをとることに役立ち、こうしてその機能を正常化する。
石灰化された動脈プラークの1つの成分がカルシウムであることがよく知られている。動脈プラークの石灰化はプラーク形成の終わりの段階で生じると当初考えられていたが、現在、血清カルシウム(特にイオンカルシウム)が動脈プラーク形成および蓄積プロセスの全体を通じて存在することが知られている。複合錯体マグネシウムが与えるようなマグネシウムの通常の高い血清レベルは、血清カルシウムの機能の釣合いをとり、これを正常化することによってプラーク石灰化の予防に役立ち、かつその低減に寄与すると考えられている。マグネシウムはカルシウムと拮抗する公知の性質を有しているが、これはカルシウムを使い切ったりなくすことはせず、その機能の釣合いをとる。これは、カルシウムの投与なしで8.8〜9.9mg/dlの通常の範囲内に一貫して留まった、複合錯体マグネシウム摂生中の被験者の監視された血清カルシウムレベルによって証明された。投与さ
れた過度のカルシウムまたはイオンカルシウムは釣合いのとれていないカルシウムとその有害な作用とを悪化させる可能性があると考えられている。
カリフォルニア大学(ロスアンゼルス)で行なわれた1999年の研究においては、治療摂生の一環としてカルシウムの「超高用量」を必要とした39人の腎臓透析患者のうち90%がEBCTスキャンによって検出された「重篤な冠状動脈石灰化」を発症し、これは典型的に見られるよりも少なくとも20年も若い20代の若者にも発生したことがわかった。英国心臓病協会が資金を提供しエジンバラでの動脈研究によって行なわれAHAによって1998年4月に発表された関連の研究においては、血管の厚さを血流状態およびさまざまな血液物質のレベルと比較した1106人の参加者が含まれ、「粘着性の」血液が男性において初期のアテローム性動脈硬化症の発症を特徴付けたことがわかった。「この研究により、女性ではなく男性には以下の重大な相関関係があることが示された。すなわち、内膜−中膜間の厚さ[動脈プラークの堆積が形成すると考えられる動脈壁内の内層および中間層]と高い血液粘度と血液粘着性を決定する3つの主な要素とである。この3つの主な要素とは、血漿の粘度、フィブリノゲンおよび赤血球数である。」フィブリノゲンはトロンビンによってフィブリゲンクロットに変換され得る血液タンパク質であり、277mg/dlより高いレベルではアテローム性動脈硬化症のリスクに寄与すると考えられており、現在、最先端の実験室で測定される血液成分のうちの1つである。この調査結果は血液凝固(coagulation)因子ならびに血液凝固(clotting)因子としてのカルシウムの役割に相互に関連する。カルシウムが特にフィブリノゲン(血液凝固(coagulation)因子I)とともに血液凝固のさまざまな段階における所要の因子(血液凝固(coagulation)因子IV)であり、血液粘度および粘着性に寄与することはよく知られている。
ホモシステイン、すなわちビタミンピリドキシン(B−6)、シアノコバラミン(B−12)および葉酸(葉酸塩)の十分な投与によって軽減されると考えられるアミノ酸メチオニンの代謝副産物は、高いレベルでアテローム性動脈硬化症の患者の20〜30%に発見されるが、これについて被験者が監視され、4〜14nmol/mlの通常の基準範囲内に平均8.1nmol/mlでばらつきなく発見された。
アスコルビン酸が血管のような身体のコラーゲン構造のホメオスタシスを維持することがよく知られている。アスコルビン酸の臨床的な不足が、毛細管の出血を拡げる血管の弱まりによって特徴づけられる壊血症の深刻な状態につながる。特に長期にわたるアスコルビン酸の潜在的不足が血管を弱めるが臨床的な不足よりも深刻ではないと考えられている。血管の概して弱化された性質のため、潜在的な不足が歯茎の出血または非常に小さい血管の出血となり得る。身体は非常に僅かな出血を修復するので、自然の修復材料および機能、たとえば、内因性および外因性のプロトロンビンおよびトロンビンの形成と、安定したフィブリンポリマーの形成とがアテローム性動脈硬化症に寄与する。定期的に投与された複合錯体マグネシウムはこれらの状況を、そのアスコルビン酸成分の作用と、アスコルビン酸成分をはるかに有効にする化合物の特に強いマグネシウム相乗作用とのために防ぐと考えられている。また、アスコルビン酸成分の性質が強い酸化防止剤であるので、これはさらに、多くの人によってアテローム性動脈硬化症の根本的な原因であると考えられているフリーラジカル損傷から身体を守るその能力の結果として石灰化された動脈プラーク蓄積の低減に寄与するとも考えられている。一般に、投与された複合錯体マグネシウムは血液、心臓および血管に対する正常化作用といった明らかに相補的な機能を生み出すものと考えられ得る。
複合錯体マグネシウムおよびカルシウムは相互に関係して細胞レベルで機能する。釣合いのとれていない過度のイオンカルシウムは(喫煙者の頚動脈で発生することがよく知られた)弱化し過敏なコラーゲンの部位および/または(典型的には大動脈弓などの動脈の湾曲部においてまたは動脈の分岐部近くで見られる)血流の乱れた場所で動脈内皮細胞の
細胞代謝を阻害し、過度のフリーラジカルの生成および損傷によって触媒され、動脈プラークの成分がその部位で形成し始めると考えられている。動脈プラークが大きくなると、内膜の厚さを完全に含む動脈層に突き入り、中膜を巻き込むように広がる。プラークはまた動脈内部に突き入り、血流を塞いで石灰化、おそらくは動脈痙攣および/または狭窄、おそらくはプラーク断裂および血栓形成を引起す。過度のイオンカルシウムが原因となる要因であるが、複合錯体マグネシウムは釣合いのとれていないカルシウム代謝の釣合いを取り、石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずるその能力によって証明されるように、そのプロセスを退行させることがわかっている。
これらの複雑なプロセスがいかに1つにまとまって人の動脈に影響を及ぼすかについてより明確に理解しやすくするために、基本的な動脈構造が図3に示される。
成人期に良好な健康を保ち、主に骨粗鬆症を防ぐのに大量の無機質カルシウムの消費が必要であると一般に考えられてきた。カルシウムについての最近の調査と人体の機能におけるその生物学的な役割の綿密な検査とにより、一般に抱かれている概念と現実との間に極めて重大ないくつかの不一致が明らかとなり、食物カルシウムの真の価値ならびにその欠点に或る観点が加えられる。
すべての無機物のようにカルシウムは地球から生じる。したがって、カルシウムは土壌と水との天然成分であり、土壌に育った植物を消費し、水を消費することにより食事に入り、米国では、この約100年ほどの間に乳製品の大量消費によって入り(牛が植物を消費し、これによりその乳にカルシウムが濃縮される)、米国政府はそれが米国人口のカルシウム摂取量の55〜60%を占めると述べている。加えて、カルシウムは最近「補強」または「強化」としてすべての態様の製造食品に加えられており、最も人気のある制酸製剤における主成分(現在米国で消費される薬剤の単独で最大の容量)である。
カルシウムは人体においていくつかの重要な機能を有する。カルシウムは、縦方向の骨の成長が起こる発育期(約25歳までの小児期)全体を通じて骨格を形成するのに役立つ。縦方向の骨の成長が止まった後、その厚さおよび密度が、最大骨量が確立されると考えられる約35歳まで成長し続ける。カルシウムは、骨の主要成分であるという事実にもかかわらず、その適切な利用および骨形成にとって必要不可欠ないくつかの要因のうちの1つでしかない。遺伝は骨量に影響を及ぼすが、ホルモンおよび身体的活動は骨代謝に影響を及ぼす。適切なカルシウム利用および骨形成に必要な他の本質的な栄養素は、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、フッ素、シリコン、ホウ素、シリカ、ストロンチウム、葉酸、ビタミンB−6、ビタミンCおよびビタミンD、ならびにコラーゲンを形成する十分なタンパク質アミノ酸を含む(骨はカルシウムおよび他の無機物で硬化されたコラーゲンから形成され、これは無機化として公知である)。最大骨量が達成されると、新しい骨の成長に最大量の骨の無機化が必要とされ、最大骨量が大きければ大きいほど、老化の発生とともに維持される骨密度および骨強度が高くなる。骨量は年齢とともに次第に減少し、女性については、エストロゲンの産生が低減する結果として閉経期に加速され、男性の骨量の減少は概して女性よりも約10年または15年遅れる。食物カルシウムおよび補足的なカルシウム摂取は成人の骨量の減少にほとんど影響を及ぼさないが、閉経後の女性のエストロゲン補充療法は骨量の減少率を下げることが分かっている。大豆からのイソフラボンも成人の骨量の減少を遅らせるのに役立つと考えられている。
カルシウムが最も蓄積されるのは骨である。筋肉のように、骨は定期的な身体的活動が不足すると劣化し(萎縮として公知のプロセス)、これが老化の発生とともに起こる骨粗鬆症のもとである。年を取っても活動的なままで身体的に健康を保つ人々が一般により長期にわたりより強くかつ頑強であり、そしてより強固な骨を維持する(結果として、加齢とともにあまり活動的でなくなった人に典型的に見られる骨からの過度のカルシウムの放
出により体に負担をかけすぎることがない)ことが知られている。
より高齢の人々は適切な種類のウエイトトレーニング運動で筋肉および強度を築くことができ、適切な種類の運動が十分に長い期間続けられる場合さらに骨を造ることができる(筋肉などの軟らかい組織は結合組織である腱および靭帯、そして最終的には骨のようなより硬い組織よりも速く反応し、組織がより硬くかつより高密度であればあるほど適応反応はより遅くなる)ことが示された。これは、測定された量のストレス(ウエイトトレーニング)が或る期間にわたって定期的に加えられた場合の人体の適応メカニズムの結果であり、現在では最良の骨粗鬆症予防法と考えられる。
骨からカルシウムを引出す要因はカフェイン、加工食品、過度の動物性タンパク質、ソーダ、精製された炭水化物、糖、過度のナトリウム、ストレスおよび定期的な身体運動の不足である。骨から引出されるカルシウムはイオンカルシウムとして血流に放出され、こうして、釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化および石灰化された動脈プラーク蓄積の一因となる。現在、骨粗鬆症に寄与するこれらの要因がアテローム性動脈硬化症に寄与するのと同じ要因のうちのいくつかであると考えられている。
人体中のカルシウムの99%が骨に蓄積される。カルシウムの残りの1%は神経伝導、筋肉収縮、血液凝固(coagulation)、血液凝固(clotting)および膜透過性などの生体機能に極めて重要である。不十分なカルシウム摂取または吸収にもかかわらず、骨に蓄積されるカルシウムは生体機能に対する十分なカルシウムレベルを維持するのに犠牲にされる。血液および軟らかい組織におけるカルシウム濃度はいくつかのホルモンおよび他の栄養素、特にマグネシウムおよびリンとの相互作用により維持されると考えられている。
過度のカルシウム摂取は過度のイオンカルシウムの取込みを増し、および/または、十分な量の釣合いをとる栄養素(主にマグネシウム、特に複合錯体マグネシウム)なしで、カルシウムを吸収し適切に利用する身体のプロセス(カルシウム代謝)の釣合いを失わせかつその身体のプロセスを阻害する。慢性的に釣合いのとれていないカルシウム代謝により、カルシウムが軟らかい組織に堆積し異常に蓄積される可能性がある。釣合いのとれていないカルシウム代謝はジストロフィー性石灰化をもたらすものであり、石灰化された動脈プラーク蓄積のもとである。これは最近の極めて重要な発見である。
過度の量のカルシウムのみが肝臓および腎臓の排泄作用に負担をかけすぎて、便秘を誘発し、尿路結石形成(腎臓結石)のリスクを高めると考えられてきた。過度の量の釣合いのとれていないイオンカルシウムが軟らかい組織のジストロフィー性石灰化の原因であるという最近の発見により、現在、カルシウムの負の側面がより理解され始めている。主にジストロフィー性石灰化の原因となるのは、タンパク質結合カルシウム成分ではなくカルシウムのイオンカルシウム成分であると考えられている(超過の量が大き過ぎない限り、その超過は肝臓および腎臓によって適切に対処されると考えられている)。これは、いくつかの臨床的研究および疫学的研究において有力に積上げられる証拠によって支持される。イオンカルシウムはそれが電気の正電荷を含むことによって識別され、したがって陽イオン電解質であり、この場合、釣合いのとれていないことにより、軟らかい組織を引寄せかつ融合する(動脈プラーク形成などの)能力が生じる可能性がある。ジストロフィー性カルシウムが腫瘍形成部位に堆積され、EBCTスキャンによって検証されるように松果腺石灰化に関わり、腫瘍形成および多発性硬化症へつながる可能性を示唆することも発見された。
カルシウムはその生物学的機能の間に分解され、連続的に補充される必要があるという点で用いられない。逆に、それは貯蔵場所から引出され、用いられ、ほとんど損失せずに貯蔵場所に戻される。カルシウムの使用は、それが細胞の小胞体部分に蓄積される場合に
筋肉収縮に典型的に表わされ、筋肉の収縮が活性化されるとそこから解放され、使用後に貯蔵場所に戻される。
生物学的機能に対して人体に必要な量のカルシウムは一般に考えられているよりも少なく、米国の多くの人々が消費すべきと考えているよりもはるかに少ないことが現在わかっている。マンチェスター(英国)の王立病院、マンチェスター大学の心臓病学部の英国人研究者ステファン・シーリー(Stephen Seely)博士により1991年に心臓病学国際ジャーナル(33;191〜198)において発表され、「西洋の食事におけるカルシウムの過度の摂取は動脈疾患の主要原因であるか?(Is calcium excess in Western diet a major cause of arterial disease?)」と題されるカルシウム消費および動脈疾患の画期的な研究において、人体の1日のカルシウム必要量が入念に詳述されている。この研究は、釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化ならびに石灰化された動脈プラークの形成および蓄積の主要な原因として過度のカルシウム消費の相互関係を示している。この研究はまた、現在の推奨栄養所要量(RDA)よりも低いカルシウムの推奨される食事摂取量に対する有力な事例を示し、過度のおよび/または釣合いのとれていないカルシウムの食物摂取による健康に対する否定的な結果についての説得力のある証拠を示している。この研究に含まれるのは、カルシウム摂取量が1日当り200〜400mg以下である国においては動脈疾患が存在せず、血圧が加齢とともに上がらないことが判明したことを参照したいくつかの根拠となる疫学的な研究である。対照的に、カルシウム摂取量がRDA(1日当り800〜1200mg)である国においては動脈疾患がよく見られ、カルシウム摂取量がRDAをはるかに上回る国においては動脈疾患が蔓延している。この研究により、妊娠の最後の第3半期(および授乳期間中)に1日当り650mgを摂取しなければならない妊婦を除いては、若年成人については1日当り300〜400mgおよび高齢者については1日当り200〜300mgのカルシウムの食事摂取が、標準的な条件下では大抵の人にとって身体の必要条件をすべて完全に満たすのに十分であるというかなり説得力のある証拠が示される。これらの推奨量は、典型的な西洋式の食事を取る米国および他の国々で一般的に摂取される食物カルシウム摂取量との著しい差を表わしており、調査によると、典型的な1日の食物カルシウム摂取合計は研究による推奨量(1日当り2000〜4000mg)の10倍を超える量に達する可能性があることが示される。
米国で消費される乳製品、カルシウム強化食品、カルシウム補給剤および制酸剤の量を考えると、現在の一般的な定説に反して、典型的なアメリカ人の食事には食物カルシウムがその最適量よりも何倍も多く含まれていることが容易にわかる。栄養士および多くの医師は、過度のカルシウム消費の結果ならびに釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化および心臓血管疾患とのその関連性を十分に理解または認識せずに、このようなレベルのカルシウム消費を正常で望ましいものであると考えているようである。
1日のカルシウム摂取量についてのRDAは、米国学術研究会議においてライフサイエンス委員会の食品栄養評議会によって設定され(製造食品のパッケージラベルに「1日の所要パーセント値」として示され)ているが、研究で明らかになった最適量の約3〜4倍である。しかしながら、米国学術研究会議の食品栄養評議会はRDAの基準参考書において「集団グループの多くは、RDAよりもはるかに低いカルシウム摂取量で十分な[健康]状態を維持しているようである」と理解しかつ認識している。しばしば見落とされるカルシウム摂取量についての別の重要な局面は、RDAが、組合されたすべての源からの「総カルシウム摂取量」(食事、カルシウム補給剤ならびに日毎に組合される制酸剤および薬物療法で通常摂取されるもの)に対するものであることである。現在、過度の総カルシウム摂取量および/または過度のイオンカルシウム量が人体における釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化、細胞の機能不全および石灰化された動脈プ
ラーク蓄積に寄与することが分かっている。
過度の量の釣合いのとれていないまたはイオンのカルシウムも高血圧、すなわち心臓血管疾患が認識される部分、の原因であることが分かっている。動脈石灰化を発症しがちな典型的な区域は大動脈である。大動脈は、収縮期中には身体全体に亘って、そして拡張期中には心臓に対して血液を供給するのに役立つ弾性によって機能する。心臓は血液を供給するのに拡張期血圧に依存するという点で身体の器官の中でも特有である。心臓筋肉に供給する拡張期血圧は大動脈の弾性に依存し、それが大動脈を拡張させると収縮期血圧によってもたらされる一時的に蓄積された膨張エネルギによって駆動される。拡張期血圧が(大動脈の弾性の低下のために)低減する場合、身体は(心臓に供給するのに明らかに重要な)拡張期血圧を維持するために収縮期血圧を上げることによって補償する。健康な大動脈の弾性を維持するのに重要な要因のうちの1つは、すべての血管の健康な弾性を維持することに加えて、適量のビタミンCによって支持される健康なコラーゲンである。大動脈の弾性が低下すると、それ以前の通常の体積にまで大動脈を拡張しようとしてより高い収縮期血圧が必要とされ、このため拡張期血圧が低下し得ない。大動脈の部分における(大動脈弓に典型的に見られる)石灰化された動脈プラーク蓄積により、その機能的な弾性が低下し、結果として血圧が上がる。石灰化された動脈プラーク蓄積が冠状動脈に同時的に存在してこれら冠状動脈を狭め、これにより血流抵抗をさらに増す場合、血圧がさらに上昇するだろう。血圧が上昇すると心臓の作業負荷も増大する。心臓の作業負荷が増大すると、酸素および栄養素の必要性も高まる。したがって、石灰化された動脈プラークが固着し、大動脈および他の動脈において徐々に増え続けると、心臓の機能的な蓄えおよび過負荷能力を犠牲にして血圧の上昇といった段階的な悪循環がもたらされる(最終的には、慢性的な高血圧の病歴を有する高齢者にしばしば見られる鬱血性心不全の前兆となるおそれのある心臓の弱化をもたらす)。これは、加齢とともに血圧が高くなることの根本的原因のうちの1つであると考えられ、高血圧症が心臓血管疾患の一部と考えられる理由である。
乳製品、カルシウムで強化された食品、カルシウム補給剤および制酸剤が、食事における総カルシウムおよびイオンカルシウム量が過度になる主要な原因である。牛乳の栄養含有量は母乳とは著しく異なっている(1リットル当り約330mgのカルシウムを有する母乳に比べて、牛乳は1リットル当り1250mgのカルシウムを有する)。牛乳はリン酸塩レベルが高くかつ酸性であり、これらはともに釣合いのとれていないカルシウム代謝に寄与する可能性がある。牛乳にはカルシウムおよび飽和脂肪が過剰に存在する。牛乳にはマグネシウムの10倍を超える量のカルシウムが存在する。過度の細胞内カルシウムは、グルコースを細胞に届けるインシュリンの能力を適切に使用するといった適切な細胞機能のいくつかの局面に干渉する(別の点では、糖尿病とアテローム性動脈硬化症とが関連付けられ得る)ことが知られている。牛乳の酸性の性質は(その動物性タンパク質含有量のために)、過度に摂取された場合、釣合いをとるアルカリ性カルシウムを骨から引出す傾向があり、そうすることで骨を弱くする。
研究により、チーズが、その飽和動物性脂肪含有量にもかかわらず釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化および石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与しないと思われる唯一の公知の乳製品であることが示された。チーズ製造プロセスを研究することによりその理由が明らかとなる。チーズ製造プロセス中に、乳清部分、すなわち凝固後により厚い部分(凝乳)から分離する乳の薄い水様性部分が定期的に捨てられる。捨てられる乳清のカルシウム含有量は主にイオンカルシウムであり、ジストロフィー性石灰化および石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与する釣合いのとれていないカルシウム代謝の根本的な原因であるのが(十分に釣合いをとるマグネシウムのない場合には)過度のイオンカルシウムであるという発見を支持する。この種類のチーズも要因であり得るが、より軟らかいチーズでは含まれる飽和動物性脂肪がより少ないので動脈プラークにはそれ
ほど寄与し得ないと考えられていた。チーズの飽和動物性脂肪含有量にもかかわらず、チーズが釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化および石灰化された動脈プラーク蓄積には寄与しないと思われる主要な原因はそのイオンカルシウム含有量が少ないためであると現在考えられている。チーズのイオンカルシウム含有量は、石灰化された動脈プラーク蓄積において、周知の飽和動物性脂肪含有量よりも強く影響を及ぼすように思われ、これはいくつかの疫学的研究によって支持される。
遺伝は心臓血管疾患の素因のわずか6〜10%を占めるのみと考えられている。心臓血管疾患の約40〜44%が不適当な食事、高い血中コレステロール、定期的な身体的運動の不足、喫煙、ストレス、糖尿病、肥満および高血圧症の「リスクファクタ」によってもたらされると広く考えられている。しかし、心臓血管疾患のうち残りの約50%の原因については現在まで従来の医学研究では把握しにくいままであった。(複合錯体マグネシウムおよび改善された複合錯体の形態であるカルシウムなどの釣合いをとる栄養素の利用可能性が不十分であるにもかかわらず過度のイオンカルシウムによってもたらされる)釣合いのとれていないカルシウム代謝はその隠れた手掛かりであると考えられ得る。はるかに過度の食物動物性脂肪、水素化トランス脂肪および(精製された過度の食物炭水化物および糖によって上がる)高いトリグリセリドが単なる要因ではない場合、釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝が石灰化された動脈プラーク蓄積およびアテローム性動脈硬化症の主な原因であると現在考えられている。複合錯体マグネシウムが石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずることが証明されているが、改善されたカルシウムの錯体は、通常のカルシウム機能および細胞代謝に必要な形態のカルシウムを身体に提供しつつ、イオンカルシウムの釣合いを取る傾向があると考えられている。
釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝が石灰化された動脈プラーク蓄積の主な原因であるという発見により、そして、イオンではなくかつイオンカルシウムの釣合いをとることのできる形態のカルシウムの必要性を確立して、改善された形態のカルシウムを作るための方法が発見され、ここに開示される。
より特定的には、カルシウムの複合配位錯体である改善されたカルシウムの錯体を作るための方法が発見された。「複合錯体カルシウム」という用語はここでは、この発明のカルシウム化合物を識別するために用いられる。複合錯体カルシウムは、1:1:2の比のカルシウム、タンパク質アミノ酸およびアスコルビン酸の配位錯体を含むカルシウムの複合配位錯体であり、すなわち、この比は重量でカルシウム1に対し、タンパク質アミノ酸1およびアスコルビン酸2の割合である。複合錯体カルシウムのこの組成は水素の釣合いのとれたポテンシャルにつながり、これは本質的に中性のpH係数を生じる(すなわち、溶液1リットル当り0.0000001gの水素イオン原子−本質的に蒸留水を同じpH)。指示されたとおりに調製すると、陰イオンタンパク質アミノ酸成分が陽イオンカルシウム成分を結合可能な強い錯化剤として作用し、配位子配位錯体を効果的に生出す。加えて、アスコルビン酸成分との第2の錯化がカルシウム成分とタンパク質アミノ酸との第1の錯化を強化し、それを、腸管吸収、細胞利用および有効性のためのポテンシャルの指数関数的な増加により、その十分なポテンシャルに達成させる。この二重の錯化のプロセスは、段階的な二重錯化または複合配位錯体または複合配位子または単に複合錯体として考えられ得る。この複合配位錯体はカルシウムを効果的に増強し、腸管吸収および細胞利用が本質的に100%可能な組成を生じ、効力を最大にする。複合錯体カルシウムは他の何らかの形態の経口投与または食事摂取されるカルシウムを改良したものであり、遊離した非結合イオンカルシウムではないので、釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化または石灰化された動脈プラーク蓄積には寄与しない。
複合錯体カルシウムは2つの方法のうち1つによって調製される。すなわち、タンパク質アミノ酸1と錯化され、回収され、従来の何らかの手順によって乾燥されたカルシウム
の水溶性塩1の水溶液にアスコルビン酸2を加えることによるか、または、単に周囲条件下で、タンパク質アミノ酸1と錯化されたカルシウム1とアスコルビン酸2とを完全に混合することによるものである。結果として得られる複合配位錯体カルシウム組成はイオンではなく、かつ十分に増強される。
以下の実施例はこの発明をさらに例示するためだけのものであり、この発明の真の精神または範囲を限定することを意図するものではない。
非反応性のガラス容器内で、植物性タンパク質からのアミノ酸によって等しい割合で錯化された500mgの炭酸カルシウム(USP)が室温の100mlの蒸留水で溶解させられた。その後、植物源からの1000mgのアスコルビン酸(USP)がこの溶液に付加され、溶液は連続して撹拌された。溶液を含むガラス容器は加熱容器の中に配置された。次に、水が溶液の高さのちょうど上まで加熱容器に付加された。ガラス容器内の溶液と加熱容器内の水は決して接触しないようにされている。加熱容器の水は次に沸騰するまで加熱され、その間、ガラス容器内の溶液は連続して撹拌された。溶液を沸騰させずに、溶液はその混合物が完全に溶解するまで加熱され、撹拌され、その後、ガラス容器は氷浴内に沈められ、24時間冷蔵室に保管された。24時間後、結晶が分離され、凍結乾燥された。結晶のアッセイは、複合錯体カルシウムの配位錯体変換が約425mgの錯化されたカルシウムと848mgのアスコルビン酸とを7.0の中性のpHで含むことを示した。
加熱された溶液が、冷却、結晶化および凍結乾燥工程の代わりに蒸気加熱乾燥機内で乾燥されたことを除き、実施例1の手順が繰返された。生成物のアッセイは本質的に実施例1と同じ結果を示した。
使用される蒸留水の量が5mlに低減され、加熱された溶液が冷却、結晶化および凍結乾燥工程の代わりに温風乾燥されたことを除き、実施例1の手順が繰返された。生成物のアッセイは本質的に実施例1と同じ結果を示した。
非反応性ガラス容器内で、植物性タンパク質からのアミノ酸によって等しい割合で錯化された500mgの炭酸カルシウム(USP)と、植物源からの1000mgのアスコルビン酸(USP)とを室温の5mlの蒸留水に溶解させ、その間混合物溶液が連続して撹拌されるようにして溶液が調製された。水性混合物溶液は加熱されず、生成物は空気乾燥された。生成物のアッセイは複合錯体カルシウムの配位錯体変換が約100%であることを示し、これは約500mgの錯化されたカルシウムと1000mgのアスコルビン酸とを示した。
植物性タンパク質からのアミノ酸によって等しい割合で錯化された500mgの炭酸カルシウム(USP)と植物源からの1000mgのアスコルビン酸(USP)とを完全に混合させることによって化合物が調製された。混合物は水性溶液内で調製されず、その結果、乾燥する必要がなかった。生成物のアッセイは複合錯体カルシウムの配位錯体変換が約100%であることを示し、これは500mgの錯化されたカルシウムと1000mgのアスコルビン酸とを示した。
複合錯体カルシウムは主に経口摂取のためのものであるが、これが胃腸管へと直接摂取されてもよく、または非経口投与されてもよいことがわかる。経口投与されると、それは
濃縮物として食物に組入れられ得るか、または粉末、結晶または液体として単独で用いられ得る。代替的には、それが何らかの公知の技術を用いて何らかの適切な結合剤または担体とともに錠剤、丸薬またはカプセルへと製造されてもよい。複合錯体カルシウムは複合錯体マグネシウムとともに用いられてもよく、複合錯体マグネシウムへの添加物として用いられてもよい。複合錯体マグネシウムが釣合いのとれていないカルシウム代謝に釣合いをもたらすのに対し、複合錯体カルシウムはイオンカルシウムに釣合いをもたらす。
臨床事例研究の分析の結果として達した結論は以下のとおりである。
1. 複合錯体マグネシウムは経口投与される形態の他のどのマグネシウムよりも効果的に吸収される。
2. 複合錯体マグネシウムは経口投与される形態の他のどのマグネシウムよりも身体による使用のためにより利用可能なマグネシウムを与える。
3. 複合錯体マグネシウムは、傷ついたまたは過敏な胃腸管を持つ人においても、よく許容され、胃の不調または腸の過敏性をもたらさない。
4. 複合錯体マグネシウムは安全であり、通常の腎機能を持つ人に対して有害な副作用をもたない。
5. 複合錯体マグネシウムは効果的にカルシウム代謝の釣合いをとることができ、そうすることにより、いかなる血清カルシウムも犠牲にしない。
6. 複合錯体マグネシウムは効果的に血圧を下げかつ正常化することができ、被験者には20〜30ポイントの収縮の低下と10〜20ポイントの拡張の低下が見られる。
7. 複合錯体マグネシウムは血中脂質プロファイルを効果的に改善し得、高密度リポタンパク質を増やし、トリグリセリドを下げ得る。
8. 複合錯体マグネシウムは解糖、エネルギ代謝およびインシュリン効率を効果的に改善し得る。
9. 複合錯体マグネシウムは細胞ATPおよび環状AMPの形成および生成を効果的に改善し得る。
10. 複合錯体マグネシウムは効果的に細胞機能を改善し得、細胞効率を高め得、細胞の機能不全を軽減し得る。
11. 複合錯体マグネシウムはジストロフィー性石灰化を効果的に防ぎ得る。
12. 複合錯体マグネシウムは石灰化された動脈プラークの形成または蓄積を効果的に減じ得る。
13. 複合錯体マグネシウムはアテローム性動脈硬化症の進行を効果的に退行または低減させ得る。
14. 複合錯体マグネシウムは心臓動脈の狭窄および痙攣を抑制する。
15. 複合錯体マグネシウムは、血液凝固(coagulation)および凝固(clotting)
における血清カルシウムの役割を減ずることにより、通常の血液凝固(coagulation)および凝固(clotting)を犠牲にせずに血栓の形成を抑制し、血栓の寸法が大きくなるの抑制する。
16. 複合錯体マグネシウムは、血液、心臓および血管のホメオスタシスを維持することにより、釣合いを与え、完全性を維持し、心臓血管系を正常化する傾向がある。
17. 複合錯体マグネシウムはその成分間に自然の強い相乗作用を有しており、これにより生体内においてその有効性の指数関数的な増加をもたらす。
18. アテローム性動脈硬化症の原因の1つは、釣合いのとれていないカルシウムによって引き起こされる細胞損傷、動脈弱化およびフリーラジカル損傷を防ぐために身体の中で利用可能でない有効量の容易に吸収可能なマグネシウムおよびアスコルビン酸が長期にわたって不十分であることに対する身体の反応であり得る。
19. 石灰化された動脈プラーク蓄積の主な原因は、長期間にわたりコラーゲンが弱化した動脈系における過度のフリーラジカルによって触媒される釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝であることが明らかになった。
20. 複合錯体マグネシウムの有効な作用は、それが、寸法が大きくなり続ける石灰化された動脈プラーク蓄積の運動量および自然な傾向を克服し、蓄積プロセスを退行させるように明らかに強いものである。
21. 適量のマグネシウムが血液、細胞および心臓血管系の神経筋組織に有利に影響し、適量のアスコルビン酸が血液および血管構造に有利に影響するのに対し、錯化されたマグネシウムおよびアスコルビン酸がともに錯化されてマグネシウムの複合配位錯体を形成すると、有効性が指数関数的に高まり、有効量で投与されるとカルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる。
22. 複合錯体マグネシウムは心臓血管系の健康をサポートすることが知られている他の特定の栄養素との効果の相乗作用を有し、ともに投与される場合、複合錯体マグネシウムのより低い用量が可能となり得、さらに利点を受ける(他の特定の栄養素がいずれも個々にまたはともに、有効量の複合錯体マグネシウムなしでカルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、細胞の機能不全を軽減するかまたは石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる能力を有するものではないことが示されかつ指摘されている)。
23. 複合錯体マグネシウムは心臓血管系の健康をサポートすることが知られている特定の食事および生活様式の変更に伴う効果の相乗作用を有し、複合錯体マグネシウムの投与に組込まれると複合錯体マグネシウムのより低い用量が可能となり得、さらに利点を受ける(他の特定の食事および生活様式の変更がいずれも、個々にまたはともに、有効量の複合錯体マグネシウムなしでカルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、細胞の機能不全を軽減するかまたは石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる能力を有するものではないことが示されかつ指摘されている)。
24. 複合錯体カルシウムは経口投与される形態の他のどのカルシウムよりも効果的に吸収される。
25. 複合錯体カルシウムは経口投与される形態の他のどのカルシウムよりも身体による使用のためにより利用可能なカルシウムを与える。
26. 複合錯体カルシウムは、傷ついたまたは過敏な胃腸管を持つ人においても、よく許容され、胃の不調または腸の過敏性をもたらさない。
27. 複合錯体カルシウムは安全であり、通常の腎機能を持つ人に対して有害な副作用をもたない。
28. 複合錯体カルシウムは細胞のホメオスタシスの確立を助ける複合錯体マグネシウムと相乗的に相互作用し、イオンカルシウムは細胞のホメオスタシスを阻害するマグネシウムと拮抗的に相互作用する。
29. 複合錯体カルシウムは細胞機能を阻害せず、細胞の機能不全に寄与せず、石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与しない。
30. 複合錯体カルシウムはイオンではなく、イオンカルシウムの釣合いを効果的にとり得、通常のカルシウム機能および細胞代謝に対しより利用可能な形態のカルシウムを与え得る。
31. カルシウムとマグネシウムとの間の強い相互関係および人体におけるそれらの機能のために、そして、イオンカルシウムでないことにより釣合いのとれていないカルシウム代謝、ジストロフィー性石灰化、細胞の機能不全または石灰化された動脈プラーク蓄積に寄与しない改善された形態の必須の無機塩カルシウムとして利用可能なカルシウムの複合配位錯体を作る手段として、複合錯体カルシウムの製造および使用によりイオンカルシウムの釣合いをとる方法が必要とされる。
32. (イオンカルシウムの釣合いをとる)複合錯体カルシウムは(釣合いのとれていないイオンカルシウム代謝の釣合いをとる)複合錯体マグネシウムとの効果の自然な相乗作用を有し、ともに投与される場合、複合錯体マグネシウムのより低い用量が可能となり得、さらに利点を受ける(複合錯体カルシウム単独では、有効量の複合錯体マグネシウムなしでカルシウム代謝の釣合いをとり、ジストロフィー性石灰化を防ぎ、細胞の機能不全を軽減するかまたは石灰化された動脈プラーク蓄積を減ずる能力を持たないことが示されかつ指摘されている)。
33. 無機質のミネラル(塩、混合物またはそれらの組合せを含む)の複合配位錯体を作る手段として、そして、複合錯体ミネラルに関連付けられる向上した腸管吸収および細胞利用に対するポテンシャルのために、無機質のミネラルの複合錯体を作る標準化された方法が必要とされる。
この発明の好ましい実施形態を記載してきたが、さまざまな変形例および変更例がこの発明の真の精神および範囲から逸脱することなくこの明細書中で可能であることが明らかとなるだろう。その点については、この明細書中に開示される複合錯体カルシウム組成がいかなる薬学的に許容可能なカルシウム、タンパク質アミノ酸およびアスコルビン酸をも含み得、各々がこの明細書中に記載される目的に対して好適であるさまざまな割合を含み得ることを認識すべきである。したがって、上述の成分の特定の比率は例示を目的としたものであり、この発明を限定することを意図するものではない。この明細書中には、他の無機質のミネラル、その塩またはその混合物を用いて複合錯体カルシウムを作るために用いられかつこの明細書中に記載される方法を限定することを意図するものは何もない。
この発明の方法に従った、マグネシウム化合物物摂生の投与前の被験者の左冠状動脈における石灰化された動脈プラーク蓄積を電子ビームCTスキャンで示す図である。 この発明の方法に従った、マグネシウム化合物摂生の投与の後の、図1と同じ被験者の左冠状動脈における同じ場所にある石灰化された動脈プラーク蓄積の減少を電子ビームCTスキャンで示す図である。 この発明の方法に従った、石灰化された動脈プラーク蓄積の作用のメカニズムをより明確に理解しやすくし、かつマグネシウム化合物の作用および利点を説明するための人の基本的な動脈構造を示す図である。

Claims (14)

  1. マグネシウムの複合配位錯体を人に投与することにより人体における石灰化された動脈プラーク蓄積を退行させかつ減ずるための方法であって、前記方法は、一重のジペプチドおよびポリペプチドタンパク質アミノ酸からなる群から選択されるタンパク質アミノ酸とマグネシウムを共有結合してマグネシウムの配位錯体を形成するステップと、前記マグネシウムの配位錯体をアスコルビン酸と共有結合してマグネシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップと、人体における石灰化された動脈プラーク蓄積を退行させかつ減ずるのに有効な量で前記マグネシウムの複合配位錯体を人に投与するステップとを含む、方法。
  2. 前記マグネシウムを前記タンパク質アミノ酸と等しい重量で共有結合して前記マグネシウムの配位錯体を形成するステップと、前記マグネシウムの配位錯体を前記アスコルビン酸と等しい重量で共有結合して、人に投与するための前記マグネシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マグネシウムの複合配位錯体は人に経口投与される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記マグネシウムの複合配位錯体は人に非経口投与される、請求項1に記載の方法。
  5. マグネシウムの複合配位錯体を人に投与することにより人体における細胞の機能不全を軽減して、細胞機能を改善しかつ細胞効率を高めるための方法であって、前記方法は、一重のジペプチドおよびポリペプチドタンパク質アミノ酸からなる群から選択されるタンパク質アミノ酸とマグネシウムを共有結合してマグネシウムの配位錯体を形成するステップと、前記マグネシウムの配位錯体をアスコルビン酸と共有結合してマグネシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップと、人体における細胞の機能不全を軽減するのに有効な量で前記マグネシウムの複合配位錯体を人に投与するステップとを含む、方法。
  6. 前記マグネシウムを前記タンパク質アミノ酸と等しい重量で共有結合して前記マグネシウムの配位錯体を形成するステップと、前記マグネシウムの配位錯体を前記アスコルビン酸と等しい重量で共有結合して、人に投与するための前記マグネシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記マグネシウムの複合配位錯体は人に経口投与される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記マグネシウムの複合配位錯体は人に非経口投与される、請求項5に記載の方法。
  9. カルシウムの複合配位錯体を人に投与することにより人体における遊離した非結合イオンカルシウムの釣合いをとるための方法であって、前記方法は、一重のジペプチドおよびポリペプチドタンパク質アミノ酸からなる群から選択されるタンパク質アミノ酸とカルシウムを共有結合してカルシウムの配位錯体を形成するステップと、前記カルシウムの配位錯体をアスコルビン酸と共有結合してカルシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップと、人体における遊離した非結合イオンカルシウムの釣合いをとるのに有効な量で前記カルシウムの複合配位錯体を人に投与するステップとを含む、方法。
  10. 前記カルシウムを前記タンパク質アミノ酸と等しい重量で共有結合して前記カルシウムの配位錯体を形成するステップと、前記カルシウムの配位錯体を前記アスコルビン酸と等しい重量で共有結合して、人に投与するための前記カルシウムの複合配位錯体を十分に形成するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 人の消費および投与に適した医薬品グレードのカルシウム、その塩およびその混合物からなる群から前記カルシウムを選択するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  12. 人の消費および投与に適した医薬品グレードのアスコルビン酸、その塩およびその混合物からなる群から前記アスコルビン酸を選択するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記カルシウムの複合配位錯体は人に経口投与される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記カルシウムの複合配位錯体は人に非経口投与される、請求項9に記載の方法。
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