JP2005519604A - 部位特異的組換を用いた、組換ウイルス生産のための高生産性機構 - Google Patents

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Abstract

生体外での部位特異的組換を用いた組換ウイルスの準備方法を開示する。本発明では、環状ウイルスゲノムDNAを制限酵素で消化し、部位特異的組換部位によって隣接される線状ウイルスゲノムDNAを形成し、生体外において、部位特異的組換部位によって隣接される所望のゲノム材料を用いて部位特異的組換を行う。本発明によれば、前記部位特異的組換した混合物を、所望の組換ウイルスゲノムDNAの選出といった更なる工程なくして、宿主に適用することができるので、同時に多数の組換ウイルスをより迅速に得ることが出来る。従って、本発明は、数百または、数千の組換ウイルスを準備したり、スクリーニングするための、高生産性機構に適用することが可能である。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、組換ウイルスの生産方法、及び組換ウイルスベクターの生産方法に関し、さらに、前記生産方法およびその生産方法によって生産される組換ウイルスにおけるDNA構成に関するものである。
〔背景技術〕
組換ウイルスベクターとは、遺伝学的に作りだされたベクターであり、ワクチンの生成、遺伝子の機能解析、遺伝子群の解析、または遺伝子ドメインの解析等に使用され、さらに蛋白質の生成及び、遺伝子療法等にも使用される。ウイルスベクターに組み込まれるゲノム材料として、遺伝子、cDNA、ゲノムDNA、ペプチドあるいは蛋白質をコードしたDNA配列、RNA、アンチセンスRNA、siRNA(低干渉性RNA)、DNA用のsiRNA、プロモーター、エンハンサー等がある。ベクターの生成に使用されるウイルスとしては、バキュロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルス、ポリオーマウイルス、シンドビド(sindbid)ウイルス、バクシニア(vacxnia)ウイルス等がある。
レトロウイルスは、遺伝子療法において最もよく使用されるウイルスの一つとして知られている[Clive Patience et al. J Virol, 72:2671-2676, 1998, Marshall, Science, 269: 1050-1055,1995]。レトロウイルスゲノムは、2つの末端反復配列(LRTs)と、キャプシド配列と、3つのコーディング領域(gag、pol、env)とを有しており、その生成(準備)方法と、生体外及び生体内における用途は、WO9908692A1と、EP453242とに開示されている。しかしながら、レトロウイルスには、臨床応用において、以下のような問題点がある。すなわち、複製可能レトロウイルス(RCR)(Sharon K. Powell et al. J.Virol., 73:8813-8816, 1999)を形成してしまう。また、遺伝子発現レベルが比較的低く、体内において徐々に減少してしまう。また、低力価であるといった問題がある。また、非分裂細胞に遺伝子を導入することができないという問題もある(Jaffe, E.M. Cancer Res., 53:2221-2226, 1993; Bender, M.A. et al. J. Virol., 61:1639-1646, 1987)。
アデノウイルスは、線状のゲノム(約36kb)を有し、左反転末端領域(the left inverse terminal region)(ITR)(103bp)付近に複製開始点とキャプシドシグナルとを有する(Shenk, Adenoviridae: The Viruses and Their Replication. In: Fields BN, Knipe DM Howley PM, ed. Virology. Philadelphia: Raven publishers, 1996: 2111-2148)。通常、アデノウイルスベクターは、ウイルスゲノムから、ウイルスの複製に不可欠なE1部位を切除することによって作られる。E1部位の代わりに外来のゲノム材料を有するアデノウイルスベクターは、E1蛋白質を供給するパッケージング細胞に導入され、パッケージング細胞でのみ、ウイルスの複製が行われる。代表的なパッケージング細胞としては、HEK293細胞、911細胞及び、PER.C6細胞などが挙げられる(Hitt MM et al., Advances in Pharmacology, vol. 40, 137-206 (1997), Wang Y. and Huang S., Drug)。アデノウイルスベクターは、その安全性、多様な細胞とのアフィニティー性、分裂細胞への感染率、及び、高い力価(1011pfu/ml)と言った点等において有利であることから、異種遺伝子を発現するベクターの作製のために使用されている。
アデノ随伴ウイルス(約4700bp)は、各末端に複製開始点としてのITRs(約145bp)を有しており、多様な宿主細胞のゲノムDNAに安全かつ特異的に組み込まれる。
組換ウイルスをベクターとして使用するために、感染先の細胞内で組換ウイルス自体の複製が行われないようにしなければならない。このことから、通常、組換ウイルスの作製には、ウイルス複製に不可欠なゲノム領域の幾つかが切除された欠陥ウイルスが使用される。レトロウイルスでは、例えばgag、pol及び/又はenv遺伝子が、所望のゲノム材料に置き換えられる(Bender et al., J. Virol. 61 (1987) 1639)。アデノウイルスにおいては、ウイルスベクター作製のために、E1、E2及び/又は、E4部位が切除されている(Levrero et al., Gene 101 (1991) 195; Gosh-Choudhury et al., Gene 50 (1986) 161, Van der Vliet et al.,(1975))。一方、ITRやキャプシド配列等の、複製に不可欠な領域でのみ構成される仮性ウイルス(pseudo-virus)ベクターもまた、組換ウイルスを得るために使用されている(WO95/02697参照)。
また、環状ゲノムDNAを有することで知られているバキュロウイルスも、ウイルスベクターの作製に使用されている。バキュロウイルス科(のウイルス)は、昆虫及び甲殻類などの無脊髄動物に感染する。AcNPVは、最も広く使用されているバキュロウイルスの一つで、二本鎖の環状ゲノムDNA(約134kb)(GenBank:NC001623)を有している。Smith et alは、β−インターフェロン遺伝子を挿入することによって組換バキュロウイルスを開発し、この組換バキュロウイルスを使った、昆虫細胞からのβ−インターフェロン蛋白質の取得に成功している(Smith GE., Mol. Cell. Biol., V3, p2156-2165, 1983)。以来、バキュロウイルス系を使って多数の遺伝子の発現と、生産とが行われてきた。前記方法では、以下の(1)及び(2)に示すような特徴を有している。すなわち、(1)ポリヘドリンプロモーターを使い、所望の組換バキュロウイルスを効率的に生成することができ、(2)細菌内培養において活性を示さない遺伝子を発現させるために使用することができる、と言った特徴を有している。これは、昆虫の細胞内で、翻訳後修飾が行われるためである。しかしながら、バキュロウイルスのゲノムサイズが原因となり、従来の制限酵素反応及びライゲーション反応法では、ゲノム操作が難しいということが生る。そのため、一般的に昆虫細胞内では、相同的組換が用いられてきた。相同的組換を行うために、所望の遺伝子と、及び相同的組換に必要な核酸配列とを含む担体ベクターが作製される。この担体ベクターと、ウイルスゲノムDNAとを昆虫細胞に感染させて組換を促進する。しかしながら、組換ウイルスの生産効率は0.1〜2%と比較的低いため、所望の組換ウイルスを得るためには、バキュロウイルスプラークのスクリーニングが繰り返し行われる必要があるよって、この方法も非効率的な方法と考えられている。
そこで、組換ウイルスの生産効率を上げた、改善方法がKitts PA et al.により開示されている(Nucleic Acids Res., Oct 1990; 18: 5667 - 5672. Kitts PA et al)。この技術では、バキュロウイルスのゲノムDNAを制限酵素を用いて線状に形成した。この方法では、Bsu36I部位認識核酸配列を導入するために、Bsu36I認識塩基配列(CCTNAGG)又はLacZ遺伝子を含むリンカーが、野生型オートグラファカリフォルニアニュークレア多角体病ウイルス(AcNPV)ゲノムのポリヘドリン配列に挿入される。次いで、相同的組換を促進するために、ウイルスDNAはBsu36I制限酵素で消化され、所望のゲノム材料を含む担体ベクターと共に昆虫細胞に導入される。所望の組換ウイルスの生産効率は26%〜44%である。この方法によれば、組換対象外の消化された線状DNA部分は、ウイルスベクターの生産から選択的に除外される。これにより、比較的高い効率で、所望の蛋白質を発現する所望の組換ウイルスが生成される。しかしながら、前記方法には、以下の(1)および(2)の問題ある。すなわち、(1)Bsu36I認識部位を100%消化することができない、(2)消化されたDNA部位同士が連結酵素(リガーゼ)によって昆虫細胞内で融合しているので、所望のウイルスベクターを選抜する工程が必要になると言った問題点がある。
別の方法として、Peakman TC et al.によって開示された、生体外でのcre/loxP機構の部位特異的組換えを用いた方法がある(Peakman TC et al., Nucleic Acids Research, Vol 20, Issue 3 495-500)。つまり、loxP部位を含むバキュロウイルスを生成し、cre組換酵素の存在下で、前記バキュロウイルスと、loxP部位によって隣接されたゲノム材料を有するトランスファーベクター(transfer vectors)とを反応させることにより、バキュロウイルスに対し、所望のゲノム材料を用いた体外での部位特異的組換を行った。前記方法により、組換ウイルスの生産に費やされる時間が短縮することができる。しかしながら、所望の組換ウイルスの生産効率が0.2%〜49%とまだ低く、このため組換ウイルス生成のための高生産性機構として利用するには適していない。
さらに、細胞内において部位特異的組換えによってバキュロウイルスに所望のゲノムカセットを挿入する方法がLuckow VA et alによって報告されている(Luckow VA et al., Virol., Aug 1993; 67: 4566 - 4579)。Luckowの方法によれば、まず、バクテリア内で複製を行うプラスミド複製開始点と、カナマイシン耐性遺伝子と、attTn7組換配列とを、バキュロウイルスゲノムに挿入することにより、シャトルベクター(約130kb)を生成する。前記シャトルベクターは、「Bacmid」と名付けられ、このBacmidとヘルパープラスミドを用いて、大腸菌E coliを形質転換させることにより、DH10Bacを生成する。その後、DH10Bacを、所望の遺伝子とポリヘドリンプロモーターとを有するプラスミドを用いて形質転換させ、大腸菌E coli内で組換Bacmidを生成する。このようにして生成された組換Bacmidは単離されて、組換ウイルスを得るために昆虫細胞に導入される。前記方法によれば、トランスポゾンの部位特異的組換によって、比較的高い効率でバキュロウイルスを生成することができる。しかしながら、前記方法は、複雑な工程(手順)を要する。例えば、所望のゲノム材料をTn7Bacmid担体ベクターにクローニングする工程、Tn7バキュロウイルス組換のためにDH10Bacを形質転換させる工程、所望のゲノム材料を含むBacmidを持つバクテリアを選び、単離する工程、単離したバクテリアのBacmidDNA(約130kb)を精製する工程、組換ウイルスを生産するために、再度、該DNAを昆虫細胞に導入する工程などが挙げられる。
したがって、前記先行技術のどの方法も、組換ウイルスの生成に費やされる比較的長い時間(約3〜6週間)及び、低い生産効率の問題を克服するのに適した方法を開示していない。それゆえ、改善された方法の開発が渇望されている。
そこで、我々は、所望のゲノム材料を有する組換ウイルスを、より速く、より効率的に生産するための研究を重ね、部位特異的組換を用いて生体外で組換ウイルスベクターを準備することによって、また、その組換ウイルスベクターに、組換ウイルスを生成させるようにすることによって、本発明を完成させた。本発明によって、生体外で得られたウイルスベクターは、選出といった更なる工程を経ずに、直接動物細胞に適用できることから、本発明は、全工程を著しく簡素化することができる。さらに、100%の生産効率で所望の組換ウイルスを提供することが出来る。したがって、本発明では、ウイルスのより高い力価を得ることが出来る。
〔発明の詳細な説明〕
本発明をより詳細に説明するために、参照の刊行物は本願の一部として含むものである。
本発明を理解するうえで、ここに使用される全ての技術用語及び、科学用語は、ここで定義されているものを除いて、当業者によって共通に解釈される意味をなすものとする。また、ここにおいて定義されてない技術も、当業者に熟知されているものとする。
特定の緩衝剤(液)、培養培地、試薬、細胞、培養物、条件等あるいは、これらに準ずるものは、ここに挙げたものに限定されるものでなく、当業者が、審議されている特定の文脈に関わると判断し得る材料あるいは、該当すると判断し得る全ての材料を含むものとする。例えば、ここに挙げる方法、材料あるいは組成物の掲げる目的を達成することができるならば、緩衝機構又は培地が異なる公知の方法を用いて、代替することは、往々にして可能である。
本発明の目的は、より迅速に、より効率的に組換ウイルスを生成する方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明において、生体外での部位特異的組換によって生成された組換ウイルスベクターを採用している。
本発明によれば、ウイルスゲノムDNAは、生体外において部位特異的組換に導入される前に、制限酵素によって線状にされる。部位特異的組換の対象でない線状ウイルスゲノムDNAは、自ら複製を行うことが出来ないので、発現したウイルスの殆どは、環状ウイルスゲノムDNAからのものであるとすることができる。よって、本発明によれば、所望の組換ウイルスを選出・分離の工程を経ずに、高い効率で、組換ウイルスを得ることができる。従って、本発明の方法は、例えばポリオーマウイルスや、パピローマウイルスや、B型肝炎ウイルス等の環状ゲノムDNAを有するウイルスに適用することができる。
部位特異的組換は、多様な生物において自然に起こる事象である。この部位特異的組換用の酵素は、DNA配列を部分的に認識して、他の対応するDNA配列と置き換えるために、エンドヌクレアーゼ活性だけでなく、リガーゼ活性も有している(Yang W. and Mizuuchi K.、 Structure、 1997、 Vol. 5、 1401-1406(9))。バクテリオλ(ラムダ)ファージ由来のInt/att機構や、P1バクテリオファージ由来のCre/loxP機構や、酵母菌由来のFLP-FRT機構は、非常に発展した部位特異的組換機構である。
部位特異的組換システムは、1)組換ウイルスにクローニングされた所望のゲノム材料の発現制御、2)ヘルパーウイルス依存性ウイルスの作製の際のヘルパーウイルスの切り取り、3)パッケージング細胞における相同的組換の効率向上、あるいは、4)担体ベクターと、組換ウイルス生成用のパッケージング細胞内のウイルスゲノムとの間の部位特異的組換の促進、に用いられる(Philip NG et al.、 Biotechniques、 vol. 29. 524-528 (2000)、 Philip NG et al.、 Human Gene therapy、 vol. 10.、 2667-2672 (1999)、 Hardy S et al.、 Journal of Viology、 vol. 71.、 1842-1849 (1997)、 Parks RJ et al.、 Proc. Natl. Acad. Sci USA、、 vol 93.、 13565-13570 (1996))。しかしながら、このような従来技術に開示される部位特異的組換の応用は、単に間接的な用途であり、生体外ではなく、生体内又は細胞株内での補充用途に過ぎない。
さらに、環状ゲノムDNAを有する組換ウイルス生成における部位特異的組換の応用として、1)バクテリア内でのTn7組換による組換バキュロウイルスの作製、2)生体外におけるcre/loxP機構を用いた組換バキュロウイルスの作製、が報告されている。
しかしながら、組換ウイルスベクターを得るために、生体外での部位特異的組換を応用して、ウイルスゲノムDNAへ所望のゲノム材料を特異的に挿入するといったことはなかった。特に、所望のゲノム材料を含まないウイルスゲノムDNAの発現を防止するための応用がなかった。従って本発明は、生体外で組換ウイルスベクターを生成するにあたり、部位特異的組換を使用したことに特徴がある。本発明には、従来技術と比べて、予期されなかった以下の利点を有していた。1)生体外において部位特異的組換を用いることによって組換ウイルスベクターをより容易に、より迅速に生成することが可能である。2)ウイルスゲノムDNAを線状に形成することから、所望のゲノム材料が合わさることによる環状は形成されず、発現されないので、中間宿主から所望の組換ウイルスを選び出すといった更なる工程を必要としなくなる。3)ウイルスゲノム由来のDNAを含まない発現カセットを含むトランスファーベクターを用いることによって、異なる種類のウイルスから同じ種類のゲノム材料を生成したり、ウイルス型マルチウエル(例えば、96ウエルあるいは、384ウエル)と類似するものから異なるゲノム材料を生成したりすることが可能である。
さらに、本発明によれば、パッケージング細胞内での相同的組換はもはや必要なくなり、また相同的組換を誘発するための特別な細胞株も必要としない。本発明の方法(BacHTS機構)の工程と、従来技術の方法(BacPAK6機構及び、BacToBac機構)の工程とを比較した結果を表1及び表2に示す。以下の結果から明白であるように、本発明の方法では、従来技術に比べてより迅速に所望の組換ウイルスを生成することが可能である。
Figure 2005519604
Figure 2005519604
さらに、本発明によれば、所望のゲノム材料を発現するプロモーターと、融合蛋白質生成用の融合機構及びポリアデニル配列とが、親ウイルスゲノムから与えられるので、共通の担体ベクターにクローニングされた遺伝子カセットが、多様な種類のウイルスの作製のために用いられる。
一実施形態において、本発明は、環状ゲノムDNAを有するバキュロウイルスを採用しており、バクテリオファージλ(Genebank: NC 001416)由来のInt/att機構を部位特異的組換機構に採用している。Int/att機構では、ウイルスゲノムDNA断片内のattR部位特異的組換部位が、λインテグラーゼ組換酵素と、コファクター(a co-factor)としてのIHFと、Xisとの存在下において、担体ベクター由来の所望のゲノム材料を有する対応するattL部位特異的組換部位と反応して、attB部位及びattP部位を含むベクターDNA断片となる(see Hartley JL. Genome Research、 2000、 Vol. 10、 1788-1795)。その他にも、例えば、バクテリオファージP1由来のCre/loxP機構や、酵母2μ環状プラスミド由来のFLP-FRT機構といった多様な生物由来の組換機構を採用することができる。
混合物が直接、所望の組換ウイルスを発現すると見込まれる好適な宿主に導入するときは、attB1−「所望のゲノム材料」−attB2を含む環状ウイルスゲノムDNAのみが複製を行い、ウイルス粒子を形成することができる。互いに反応することのない線状ウイルスDNA断片及びベクターDNA、並びに、attP部位を有する環状ウイルスDNAは、複製を行うことができず、またウイルス粒子を形成することもできない。遺伝子カセットと、vBacHTSバキュロウイルスDNAとの間での、生体外での部位特異的組換を図1に示す。
他の実施例において、vBacHTSウイルスDNAは、部位特異的組換配列とBsu36I認識塩基配列とを含むように構成されており、制限酵素Bsu36Iによって処理され、2つの部位特異的部位に挟まれた線状ウイルスDNAとなる。部位特異的組換によって生成された環状DNAが、効率的にウイルス粒子を形成するのに対して、前記の線状vBacHTSDNAは、vBacHTSウイルスDNAが、互いに異なる核酸配列を有する、2つのBsu36I認識配列において消化されるので、ウイルス粒子を形成することができない。
さらに他の実施形態では、部位特異的組換によって組み込まれた所望のゲノム材料を有するウイルスDNAを含む反応混合物が、Sf21昆虫細胞に導入され、ウイルスパッケージング(viral packaging)が検知される。従って、本発明によれば、好適なゲノムDNAを選択し増幅するための大腸菌E coli又は、酵母菌等の中間宿主を用いることなく、組換ウイルスを得ることが可能である。これにより、組換ウイルスは、宿主からの所望の遺伝子の発現に適用可能である。GFP蛋白質及びGUS蛋白質の活性測定によって、本発明の方法が従来技術に比べてより効率的であることが示されている。従って本発明は、ゲノムプロジェクト[Wang Y. and Huang S.、 Drug Discovery Today、vol. 5、 10-16 (2000)]が完了して以来、大幅な需要の高まりを見せている遺伝子機能の研究において、非常に有用なツールとなり得るものである。
図1は、BacHTS機構を用いた遺伝子スクリーニング工程を示す図である。図2は、BacHTSプラスミド(pBacHTS)の切断地図である。図3は、BacHTS2プラスミド(pBacHTS2)の切断地図を示す。図4は、BacPAK8-attR1プラスミド(pBacPAK8-attR1)の切断地図である。図5は、BacPAK8-attR1R2プラスミド(pBacPAK8-attR1R2)の切断地図である。図6は、BacHTS-GFPプラスミド(pBacHTS-GFP)の切断地図である。図7は、BacHTS-Flagプラスミド(pBacHTS-Flag)の切断地図である。図8は、BacHTS-Hisプラスミド(pBacHTS-His)の切断地図である。図9は、BacHTS-HisGstプラスミド(pBacHTS-HisGst)の切断地図である。図10は、BacHTS-Gstプラスミド(pBacHTS-Gst)の切断地図である。図11は、BacHTS2-EGFPプラスミド(pBacHTS2-EGFP)の切断地図である。図12は、Entr-EGFPプラスミド(pEntr-EGFP)の切断地図である。図13は、vBacHTSウイルスの準備工程を示す図である。図14は、bBacHTS2クローンの準備工程を示す図である。図15は、バキュロウイルスポリヘドリンの遺伝子座の地図を示す図である。図16は、vBacHTSウイルスDNA及びbBacHTS2ウイルスDNAのアガロースゲル電気泳動解析を説明する図である。図17は、vBacHTS及び遺伝子カセットを用いて、所望の組換えウイルスを準備する過程を説明する図である。図18は、vBacHTS機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとの活性測定結果を示す図である。図19は、vBacHTS機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとに対するプラーク測定を示す図である。図20は、bBacHTS2機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとの活性測定結果を示す図である。図21は、bBacHTS2システム内の、GUSバキュロウイルスとGUS組換えウイルスとの活性度測定結果を示す図である。図22は、マルチウエルプレート内のGFPの画像及び、ウエスタンブロットの結果を示す図である。図23は、マルチウエルプレートにおける、GUS組換ウイルスのX-Glucを用いた酵素活性を示す図である。図24は、生体外における部位特異的組換の結果を示す図である。図25は、組換えDNAを細胞に導入して、4日目Sf21細胞内のGFP-LacZ融合蛋白質の発現を表す図である。図26は、SDS−PAGE及びGFP抗体を用いた、GFP-LacZ融合蛋白質発現のウエスタンブロット結果を示す図である。図27は、X-Gal基質を用いた、組換えウイルス(GFP-LacZ)におけるLacZ酵素活性を表す図である。図28は、マルチウエルプレートからの、GFP-YPKバキュロウイルスに感染したSf21細胞のイメージを示す図である。図29は、プロテインキナーゼ(Rb、ヒストンH1、MBP)のスクリーニング結果を示す図である。図30は、Rb(網膜芽細胞腫)蛋白質のリン酸化反応を示す図である。図31は、#2-A9プロテインキナーゼによる、Rb蛋白質のリン酸化反応を示す図である。
本発明の最良の実施形態について以下の実施例に記載する。本発明の特許請求の範囲内にある他の実施形態は、本明細書あるいはここに開示される発明の実施を検討することにより、当業者にとって明白になるであろう。本明細書及び実施例は、実施例とともに請求項に記載される本発明の範囲及び精神に基づいて、典型例として解釈されたものであり、ここに記載する実施例は、あくまでも本発明を様々な角度から例示したものであり、決して本発明の範囲を制限するものではない。実施例において、ゲノムDNA分離、PCR、及び配列を決定する工程等に採用した従来技術の詳細にわたる説明はなされていない。これらの従来技術は、当業者が熟知するものであり、多数の刊行物に記載されているものである。ここで参照した刊行物は、本発明の基礎として含めるものである。
〔実施例〕
〔実施例1:pBacHTSの作製〕
pBacHTSウイルスベクターを作製した。作製にあたり、まず、pBacPAK8(Clontech製、Genebank:U2446)のシャトルベクターのBamHI/EcoRI部位(Clontech社のGenebank:U2446)において、増幅したattR1部位と、pBacPAK8のBsu36I認識塩基配列とをクローニングして、Life Technologies(LTI)社のDH5aを形質転換させ、アンピシリンを含む寒天培地において、培養しスクリーニングすることによって、pBacPAK8-R1(図4参照)を作製した。同様に、pBacPAK8-R1のEcoRI/PacI部位配列にて、PCRで増幅されたattR2部位と、Bsu36I認識部位配列とをクローニングすることによってpBacPAK8-R1R2を生成した(図5参照)。pBacHTSを得るために、pEntr4プラスミド(Invitrogen社)のEcoR1消化断片由来のccdB遺伝子を含むDNA断片(427bp)をpBacPAK8-R1R2に挿入し、得られたプラスミドをDB3.1 cell(LTI社)に導入された。pBacHTSは、attR1部位とattR2部位との間に、二つの異なるBsu36I認識配列を有していた(図2)。attR1部位及びattR2部位には、λバクテリオファージ、Xis、IHF-a及び、IHF-b由来のインテグラーゼ存在下で、attL1及びattL2部位それぞれと反応する部位特異的リコンビナーゼ標的配列を含む。
〔実施例2:pBacHTS-6His、pBacHTS-Gst、pBacHTS-HisGst、pBacHTS-GFP及び、pBacHTS-Flagの作製〕
各種の融合蛋白質を発現する組換バキュロウイルスを作製するために、融合タグをポリヘドリンプロモーターの下流(in the back of polyhedrin promoter)に挿入した。pBacHTS-Gstは、GST融合蛋白質の発現ベクターを生成するために構築された。そのため、pGEX-2T(Genbank:U13850)を、Bg1IIを含むプライマー及び、BamH1 linkerを含むプライマーを用いてPCR増幅し、BglII及びBamHIで処理して、pBacHTS/BamHI制限部位に挿入した。加えて、6個のHisリンカーをpBacHTSのBamHI部位に挿入することによってHisタグ融合蛋白質を発現するベクターを生成pBacHTS-Hisが構築された。さらにPCR増幅され、BglIIとBamHIとで処理されたGST遺伝子をpBacHTS-HisのBamHI部位に挿入することによってpBacHTS-HisGSが構築された。一方、GFP遺伝子をBamHIリンカーを含むプライマー及び、KpnIリンカーを含むプライマーを用いてPCR増幅し、BamHI/KpnIを用いて消化した。その後、消化された遺伝子をpBacHTSのBamHI/KpnI制限部位に挿入し、pBacHTS-GFPを生成した。さらに、pBacHTSのBamHI/KpnI部位において、Flagタグを発現するリンカーを挿入することによって、pBacHTS-Flagを生成した(図7参照)。
〔実施例3:vBacHTSウイルス、vBacHTS-Hisウイルス、vBacHTS-HisGstウイルス、vBacHTS-Gstウイルス及び、vBacHTS-GFPウイルスのDNAの作製〕
pBacHTSプラスミドによってポリヘドリン座位が取り除かれたバキュロウイルスは、相同的組換を用いて準備された。つまり、pBacHTSプラスミド、Bsu36I消化BacPAK6ウイルスDNA(Clontech製、#6144-1)及び、リポフェクチン(LTI製)の混合物をSf21昆虫細胞にトランスフェクト(形質移入)し、細胞内での相同的組換を促した。PCRの対象となる組換えウイルスを、二度繰り返されるプラーク測定を通して単離した。精製されたウイルスクローンをvBacHTSウイルス(配列番号1:ポリヘドリン座位の配列)と呼ぶ(図15参照)。図13に示されるように、pBacHTS-His(図8参照)、pBacHTS-HisGst(図9参照)、pBacHTS-GST(図10参照)、pBacHTS-GFP(図6参照)をそれぞれ、BacPAK6ウイルスと共に導入し、vBacHTS-His(配列番号2:ポリヘドリン座位の配列)、vBacHTS-HisGst(配列番号3:ポリヘドリン座位の配列)、vBacHTS-Gst(配列番号4:ポリヘドリン座位の配列)及び、vBacHTS-GFP(配列番号5:ポリヘドリン座位の配列)を作製した(図15参照)。得られたウイルスは、前記ポリヘドリン座位の配列以外において、野生型AcNPV(GenBank:NC001623)と同じである。ウイルスプラークは寒天培地から選択した。
〔実施例4:vBacHTS、vBacHTS-His、vBacHTS-HisGst、vBacHTS-GFP及び、vBacHTSのウイルスDNAの精製〕
vBacHTSウイルスDNAを単離するために、Sf21細胞を、細胞培養皿(直径100mm)に蒔くことにより、3日後にウイルス力価が1.2×108pfu/mlのウイルス培養培地を作成した。そして、Sf21細胞1.25×107を、再度細胞培養皿(直径150mm)に蒔き、20倍の量のウイルス(MOI=20)に感染させた。48時間培養した後、一皿当たり、25mlの細胞培養培地を得た。6皿(直径150mm)から得た、計150mlの細胞培養培地を、20,000回転/分(rpm)で90分間遠心分離させることによって、ウイルス粒子を沈殿させ、この沈殿したウイルス粒子をHanil, Supra22kを用いて回収した。回収したウイルス粒子を2mlのTE(10mMのTris―HCl、pH=8.0、1mMのEDTA)に懸濁させ、ショ糖濃度勾配超遠心機(Beckman SW41 rotor)を用いて、30,000回転/分で処理し、50%〜40%ショ糖溶液の層からウイルス粒子を精製した。精製されたウイルスを再度18,000回転/分で90分間、遠心分離した。その後、再度ウイルス粒子の沈殿物を2mlのTE(10mMのTris-HCl、pH=8.0、1mMのEDTA)に懸濁させ、0.5%のSDS、1%のβ−メルカプトエタノール、0.2mgのプロテイナーゼKを加え、42℃で2時間放置し、ウイルス包膜を分離した。同量のフェノール/クロロホルム溶液を用いてウイルスライセート(lysate)を二度抽出し、抽出物にエタノールを加えることにより、沈殿物である純粋なウイルスDNAを得た。そして、50単位(ユニット)の制限酵素Bsu36I(New England Bio labs 社 NEB#524)を、精製されたDNA(10μg)に加えた混合物を、以下の研究に使用する前に2時間、37℃で放置した(図16参照)。
〔実施例5:遺伝子カセットの作製〕
GFPのPCR生成物をattL1とattL2部位との間に挿入しpEntr-GFP遺伝子カセットを作製した。LTI社のpEntr-Gus遺伝子カセットを使用した。
〔実施例6:GFP遺伝子又はGUS遺伝子を有する、所望の組換ウイルスの作製〕
GFP及び、Gusを発現する組換えウイルスを、本研究では作製した。pEntr-GFP遺伝子カセット(100ng)又は、pEntr-Gus遺伝子カセット(100ng)を試験管に移し、4μLのインテグラーゼ、Xis、IHF-a及び、IHF-bを含むインテグラーゼ混合物の存在下で、100ngのBsu36I処理済vBacHTSウイルスDNAと25℃、2時間反応させた。そして、Sf21細胞に、前記の反応混合物をリポフェクチン(LTI製)と共に感染させることによって、組換えウイルスを作製した。二日後、GFP遺伝子カセットを有する昆虫細胞に、緑色蛍光が観測された。また、四日後、ほぼ全ての細胞が緑色蛍光を表した。また、感染した感染細胞内に、蛍光及びウイルス感染の症状が観測された。
一方、pEntr-Gus遺伝子カセットを含む混合物をSf21細胞に導入し、四日後に、さらにX-Glucを加えた。2時間反応させた後、Sf21細胞は青くなり、GUSの発現を示した(図18参照)。前記の組換えウイルスの生産性を測定するために、四日目のウイルス培養物を拡散し、昆虫細胞に導入した。次いで、1%低融点アガロースを含む培養地を感染細胞に加えて四日後、プラークが検知された。結果、殆どのプラークが青色蛍光を表した(図19参照)。
〔実施例7:組換ウイルス生産効率の測定〕
本研究では、GFPを発現する組換ウイルスを作製した。作製にあたり、pEntr-GFP遺伝子カセット100ngを、4μLのインテグラーゼ混合物の存在下で反応させた。前記100ngのpEntr-GFP遺伝子カセットには、GFP遺伝子及び、200ngのBsu36I処理されたvBacHTS、vBacHTS-His又は、vBacHTS-HisGstのウイルスDNAが含まれており、前記4μLのインテグラーゼ混合物には、インテグラーゼ、Xis(エグシオネーゼ)(exisionase)、IHF-a及び、IHF-bが含まれている。反応は、25℃で6時間行われた。このようにして、得られた混合物を、組換バキュロウイルスを作製するために、リポフェクチン(LTI製)と共に、Sf21細胞に導入した。27℃で48時間培養した後、蛍光顕微鏡下でGFPの発現が確認された。バキュロウイルスが複製された細胞が蛍光を示したことから、緑色蛍光を示した細胞を数えることによって組換ウイルスの発現効率を測定した。一方、Bsu36I及び500ngのpBacPAK-GFPで処理したBacPAK6ウイルスDNA(Clontech製)をSf21細胞に導入し、Sf21細胞内でのGFPの発現を観察した。
Figure 2005519604
結果、本発明のウイルス発現効率は、従来技術と比べて、はるかに高かった(表3参照)。
〔実施例8:組換ウイルス発現効率の測定〕
Gusを発現する組換えウイルスを作製し、Gus遺伝子を発現しているプラークの数を数えた。そのために、まず、100ngのpEntr-Gus遺伝子カセットを4μLのインテグラーゼ混合物存在下で反応させた。前記100ngのpEntr-Gus遺伝子カセットには、Gus遺伝子の他に、Bsu36Iにより処理されたvBacHTS、vBacHTS-His又は、vBacHTS-HisGstのウイルスDNAをそれぞれ200ngずつ有しており、前記4μLのインテグラーゼ混合物には、インテグラーゼ、エグシオネーゼ、IHF-a及び、IHF-bが含まれている。反応は、25℃で6時間行われた。このようにして、作られた混合物をリポフェクチン(LTI社)と共にSf21細胞へ導入し、組換バキュロウイルスを生成した。ウイルス培養培地に対し、プラーク測定を行った。一方、組換えウイルスの生産性を測定するために、四日目のウイルス培養培地を拡散し昆虫細胞に導入した。続いて、前記昆虫細胞に、1%低融点アガロースを含む培地を加えた後、四日間培養した。100μLの0.33%中性赤色水溶液及び、25μLのX-Gluc(DMSO 1mlに対し20mg)を加えた後、染色処理を施して四日後に、Gus遺伝子を発現しているプラークの数を数えた(表4参照)。
Figure 2005519604
結果、X-Glucで処理すると殆どのプラークが青色を表し、従来技術に比べてかなり高いGUSウイルスの生成効率を示した。
〔実施例9:マルチウエルプレート内における、組換えウイルスの高生産的作製〕
マルチウエルプレートから所望の組換ウイルスを同時に生成するために、vBacHTSウイルスDNAをBsu36I制限酵素で処理した。本研究では、組換バキュロウイルスの作製と、遺伝子発現を確認するためにGFP遺伝子カセットを採用した。前記GFP遺伝子カセットを同時に96ディープウエルプレート(96-deep well plate)内で培養し、自動装置で精製した。組換反応、昆虫細胞の培養及び、ウイルス感染を8チャンネル・ピペットを用いて行う間、その全工程はマルチウエルプレート内で行われた。2μLのリコンビナーゼ及び4μLの緩衝液の存在下で、約50ngの遺伝子カセットと、200ngのvBacHTSバキュロウイルスDNAとを25℃で12時間反応させた。計20μLの反応混合物をこの反応に使用した。遺伝子カセットの挿入を検知するために、プライマーを用いて、ポリヘドリン座位増幅のためのPCR増幅を行った。
Baculo-Forwardプライマー: 5-actgttttcgtaacagttttg-3(配列番号6)
Baculo-Reverse プライマー: 5-acaacgcacagaatctagc-3 (配列番号7)
結果、極めて高い効率で組換ウイルスDNAが作製された。一方、5μLの組換反応混合物と、5μLの10%リポフェクチン希釈溶液(10% lipofectin dilates)とを混合することによってリポゾームが作製された。次に、このリポゾームは、96ウエルプレート(SPL)内の50,000のSf21細胞に導入された後、細胞を4日間培養した。10μLのウイルスを再度感染させた培養三日目のSf21細胞50,000個が蛋白質発現を示した。GFPウイルスに関しては、蛍光顕微鏡下で、緑色蛍光の発現が確認された。また、GFPウイルス感染による症状の発症も確認された。それぞれのウエルからSDS−PAGEを用いて細胞を単離し、GFP抗体を用いたウエスタンブロットでGFP発現を測定した。GFP蛋白質に関しては、計測値が蛍光顕微鏡下で見られたパターンと類似していた(図22参照)。
〔実施例10:GFP組換バキュロウイルスを用いた96ウエルプレート内のLacZ遺伝子突然変異体の高生産及び酵素活性スクリーニング〕
マルチウエルプレートから同時に所望の組換バキュロウイルス(約1〜3.2kb)を作製するために、vBacHTS-GFPウイルスDNAをBsu36I制限酵素で処理した。本研究では、pEntr-LacZdelの遺伝子カセットを採用した。pEntr-LacZdelの遺伝子カセットは、96ウエルプレート内において、大腸菌E coli(約3.2kb)由来のβ−ガラクトシダーゼの遺伝子を、PCRクローニングすることによって作製された。なお、このβ−ガラクトシダーゼ遺伝子は、3'-末端において切除されている。具体的には、LacZの遺伝子をPCRクローニングすることによってpEntr-LacZを生成し、その後、ExoIII/S1ディリーションキット(ExoIII/S1 deletion kit)(#K0421)(Fermentas製)を用いて、pEntr-LacZを処理することによってpEntr-LacZdelを作製した。この全工程は、組換反応、昆虫細胞の培養及び、ウイルス感染を、8チャンネルピペットを用いて行うのと同時に、マルチウエルプレート内で行われた。2μLの組換物及び4μLの緩衝液の存在下で、50ngの遺伝子カセット及び200ngのvBacHTSバキュロウイルスDNAを25℃で12時間反応させた。計20μLの反応混合物がこの反応に使用された。遺伝子カセットの挿入を検知するために、一対のプライマー(actgttttcgtaacagttttg 及び acaacgcacagaatctagc)を用いて、PCR増幅を行い、ポリヘドリン座位を増幅した。結果、極めて高い効率で組換ウイルスが作製された(図25参照)。一方、5μLの組換反応混合物と、5μLの10%リポフェクチン希釈液とを混合しリポゾームを作製した。このリポゾームは、96ウエルプレート(SPL)内のSf21細胞50,000個に導入され、細胞を4日間培養された(図26参照)。GFP融合蛋白質の発現を測定するために、SDS−PAGE解析及び、GFP抗体を用いたウェスタンブロッティングを行った(図26参照)。
遺伝子活性をスクリーニングするために、β−ガラクトシダーゼの展開液として、X-Gal(DMSO 1mLに対し25mg)1.5μLを、最初の感染から三日間培養したウイルスを含むそれぞれのウエルに加えた。12時間反応を行った後、2個のウエルにおいて、β−ガラクトシダーゼ活性を有するウイルスを検知した(図27参照)。
〔実施例11:96ウエルプレート内での組換バキュロウイルスを用いた非相同性遺伝子の高発現、及び酵素活性のスクリーニング〕
本研究では、124個のプロテインキナーゼ遺伝子を有するS. cerevisieを採用した。S. cerevisieゲノムから112個の遺伝子カセットを得るために、遺伝子特異的プライマーを用いて、PCR増幅と、クローニングとを行った。前記遺伝子カセットの組換と、vBacHTS-GFPベクターDNAとにより組換バキュロウイルスを生成した。それぞれの組換ウイルスが、融合した蛋白質に応じて、特有の蛍光を表した(図28参照)。また、ヒトcDNAを32個有する組換バキュロウイルスも同様に作製された。
まず、細胞を前記のウイルスに感染させ、三日間培養した。細胞を溶解させるために、緩衝液を使って細胞ライセートを生成した。ヒストンH1基質、MBP(ミエリン塩基性蛋白質)基質及び、Rb基質に対してプロテインキナーゼ活性を示すウイルスをスクリーニングした。10μMのATPと、0.2μCiのP32−δ−標識ATP(ガンマ、P32 ATP)と、2μLのリン酸塩バッファー[200mMのTris―HCl(pH=8.0)、100mMのMgCl2、10mMのEGTA及び、10mMのDTT]の存在下で、2μgの蛋白質基質(ヒストンH1、MBP及びRb)を10μLの細胞抽出物と30℃で10分間反応させた。120μLの1%リン酸溶液を加えて反応を止めた後、反応混合物をPVDF膜(Milipore製、#MAIP-N45)に導入した。その後、洗浄剤[10mMのTris―HCl(pH=8.0)、1mMのEDTA、及び150mMのNaCl]で、前記PVDF膜を4回洗い、乾燥させ、その後室温でホスホスクリーン(phosphoscreen)に露出し、ホスホイメージャー(MD社又はFuji社製)を使って、シグナルを検知した。結果、いくらかのウイルスでプロテインキナーゼ活性の増加が観察された(図29参照)。続いて、蛋白質のリン酸化反応の特異性を確認するためにSDS−PAGE電気泳動解析を行った。このとき、細胞抽出物の濃度を変えると同時に、細胞抽出物に含まれるプロテインキナーゼ濃度に対するRb蛋白質リン酸化レベルを測定した。結果、プレート#2-D3蛋白質及び、プレート#2-A9蛋白質を発現するバキュロウイルスの細胞抽出物においてのみ、濃度に合わせるようにRb蛋白質リン酸化が増加した(図30参照)。一方、プレート#2-D1蛋白質及び、プレート#2-D2蛋白質は、非常に弱いリン酸化活性を見せた。プレート#2-D1蛋白質及び、プレート#2-D2蛋白質からの陽性信号は、Rb蛋白質リン酸化反応よりも自動リン酸化活性によるものだと言うことが確認された。プレート#2-D3蛋白質及び、プレート#2-A9蛋白質によるRb蛋白質リン酸化は、前記Rb蛋白質のリン酸化が基質と酵素との濃度に依存すると言う典型的な蛋白質リン酸化パターンを示した(図31参照)。したがって、本発明によれば、本発明の高生産性機構から得たバキュロウイルスライブラリーから、新種の有用な蛋白質を見つけ出すことが出来る。
〔実施例12:pBacHTS2及び、pBacHTS2-GFPの作製〕
複製が可能であり、かつ、生体外での組換反応に適用可能なvBacHTS2ウイルス(配列番号8:ポリヘドリン座位配列)を生成するために、pBacHTS2のバキュロウイルス導入ベクターが作製された。得られたvBacHTS2ウイルスの配列は、前記ポリヘドリン座位配列以外において、野生型AcNPV(GenBank:NC001623)のものと同じであった。前記pBacHTS2は、attR1部位とattR2部位との間にあるBsu36I制限酵素認識部位に、BACベクター由来の複製開始点及びCmR(クロラムフェニコール耐性遺伝子)を有していた。したがって、前記pBacHTS2は、バクテリア内での複製が可能なBACベクターの一種であった。BACベクター由来の複製開始点とCmRとを、所望の遺伝子カセットに置き換えることで、vBacHTSウイルスが生体外において生成される。
pBacHTS2を作製するために、まず、BAC(細菌性人工染色体)ベクター複製開始点及びCmRを有する6.5kbのDNA断片を作製した。pBACe3.6(Genbank:U80929)を鋳型として使用した。そして、10pmoleのBsu36I認識配列を有する一対の配列、200μMのdNTPs、及び、2.5UのPfuターボポリメラーゼ(ストラタジーン製)を用いて、PCRサイクラー(アプライドバイオシステム製、Gene Amp PCR System 2700)で、PCR増幅を行った。計50μLの反応混合物を使用した。PCRを20サイクル(95℃でのDNA変性を30秒間、60℃でのDNA伸長を30秒間、72℃でのDNA増幅を7分間)行った。6.5kbのDNA断片及び、vBacHTSベクターのPCR生成物をBsu36Iで消化し、T4リガーゼの存在下、16℃で一晩反応させた。反応後の混合物を使い、大腸菌E coli(DH5a)を形質転換し、その後、pBacHTS2を作成するために、クロラムフェニコール(Cm)及びアンピシリン(Amp)(選出用)培養培地を用いて培養した。同様に、Bsu36I処理済PCR生成物である6.5kbのDNA断片を、pBacHTS-GFPベクターのBsu36I部位に挿入することにより、pBacHTS2-GFPベクターを得た。
〔実施例13:部位特異的組換部位を有するウイルスの作製〕
細菌内で複製される相同的組換を用いて、バキュロウイルスは準備された。つまり、この相同的組換体は、pBacHTS2プラスミドと、Bsu36I消化BacPAK6DNAと、リポフェクチン(LTI製)との混合物を導入することによって、Sf21細胞内で誘発された。感染細胞を、27℃で4日間培養し、100mm皿内において5×106のSf21細胞に導入した。これにより、ウイルスの高い力価を得た。2mlの50%PEG(ポリエチレングリコール)6000を細胞培養培地に加えた後の遠心分離によって、ウイルス粒子の沈殿物を生成した。次いで、プロテイナーゼKを、42℃の混合物に加え、2時間放置することによって、ウイルスエンベロープを取り除いた。同量のフェノール/クロロホルムを用いて、ウイルスライセートを二度抽出し、エタノールを加えた。これにより、沈殿・精製されたvBacHTS2ウイルスDNAを得た。その後、DH10B細胞株(LTI製)を、マイクロパルサー(MicroPulser)(Bio-Rad社)を用いて、前記の精製されたDNAで形質転換し、次に、Cm含有の培養培地で培養することによって、バクテリアコロニーを形成させた。そして、1Lの2×YT培地(1Lにつき、10gの酵母エキス粉末、16gのトリプトン、5gのNaCl)でバクテリアを培養し、その後、DNAを精製してbBacHTS2と命名した(図16)。したがって、この方法によれば、ウイルスDNAを昆虫細胞で培養することなく、バクテリア培養培地から得ることができるので、所要時間とコストの大幅な削減が可能になる。精製された10μgのDNAを、50単位(ユニット)のBsu36Iを用いて、37℃で5時間消化した後、80℃で20分間加熱してBsu36I酵素を不活性化した。同様に、vBacHTS2-GFP(配列番号9:ポリヘドリン座位配列)を相同的組換によってpBacHTS2-GFPベクターから準備し、エレクトロポレーションによってDH10Bに導入した。DNAは精製され、bBacHTS2-GFPと命名された(図16参照)。vBacHTS2-GFPウイルスの配列は、前記ポリヘドリン座位配列以外において、野生型AcNPV(GenBank:NC001623)のものと同じであった。
〔実施例14:バクテリアから生成されたvBacHTS2DNA及びvBacHTS2-GFPDNAを用いた、所望の組換ウイルスの作製準備〕
1μLのインテグラーゼ混合物の存在下において、50ngのpEntr-GFP及びpEntr-Gus遺伝子カセットを、200ngのBsu36I処理済vBacHTS2ウイルスDNAと、25℃で12時間、生体外で反応させた。pEntr-GFP遺伝子カセットの代わりにpEntr-Gus遺伝子カセットを使い、同様の反応を行った。前述の実施例と同様のPCR反応を行った。テンプレートとしての反応混合物、及び、ウイルスポリヘドリン座位を増幅する一対のプライマーを用いてPCR増幅を行い、組換反応があったかどうかを確認した。10pmoleの各プライマーと、Bioneerプレミックスキット(Bioneer premix kit)のチューブ一本とを用いて、計20サイクルのPCRを行った。各サイクルのPCRは、95℃で30秒、50℃で30秒、72℃で3分間行った。PCR反応を完了した後、1%アガロースゲルで、PCR生成物を電気泳動し、組換作業の効率(efficient performance)を確認した。遺伝子カセット反応混合物を、5μLのリポフェクチン(LTI)と共に、Sf21細胞へと導入し、バキュロウイルスを得た。GFP遺伝子カセット反応混合物を導入してから二日後に、昆虫細胞内で、緑色蛍光が観察された。さらに、導入後四日目に殆どの細胞が、緑色蛍光を表した(図25)。緑色蛍光及び感染症状を確認するために、Sf21細胞を、再度ウイルス培養培地を感染させた。同様に、pEntr-Gus遺伝子カセットを、Bsu36I処理済vBacHTS2DNAと25℃で12時間反応させた。その後、得られた反応混合物をSf21細胞に導入し、27℃で4日間培養した。培養した細胞に、6μLのX-Gluc(DMSO 1mlに対し20mg)を加えると、培養培地全体で強い青色を表し、Gus遺伝子の発現だけでなく、Gus遺伝子を有する組換えウイルスが効率的に生成されたことも示した。
〔産業上の利用の可能性〕
前記のように、本発明によれば、より速く、より簡単に組換ウイルスを生成することが出来る。また、高い効率で高力価ウイルスを得ることが出来る。本発明では、部位特異的組換を生体外で行うので、ウイルスゲノムのどの目的部位にも正確に所望の遺伝子を挿入することが可能であり、また膨大な量のウイルスを同時に生成することが可能である。したがって、本発明を高生産性機構に適用し、遺伝子機能研究に用いる数百あるいは数千のウイルスを同時に生成したり、いくつかの組換ウイルスを生成することが可能である。さらに本発明により、組換バキュロウイルスライブラリーを構築し、前記バキュロウイルスライブラリーを、所望のゲノム材料のスクリーニングに利用することも可能である。
BacHTS機構を用いた遺伝子スクリーニング工程を示す図である。 BacHTSプラスミド(pBacHTS)の切断地図である。 BacHTS2プラスミド(pBacHTS2)の切断地図を示す。 BacPAK8-attR1プラスミド(pBacPAK8-attR1)の切断地図である。 BacPAK8-attR1R2プラスミド(pBacPAK8-attR1R2)の切断地図である。 BacHTS-GFPプラスミド(pBacHTS-GFP)の切断地図である。 BacHTS-Flagプラスミド(pBacHTS-Flag)の切断地図である。 BacHTS-Hisプラスミド(pBacHTS-His)の切断地図である。 BacHTS-HisGstプラスミド(pBacHTS-HisGst)の切断地図である。 BacHTS-Gstプラスミド(pBacHTS-Gst)の切断地図である。 BacHTS2-EGFPプラスミド(pBacHTS2-EGFP)の切断地図である。 Entr-EGFPプラスミド(pEntr-EGFP)の切断地図である。 vBacHTSウイルスの準備工程を示す図である。 bBacHTS2クローンの準備工程を示す図である。 バキュロウイルスポリヘドリンの遺伝子座の地図を示す図である。 vBacHTSウイルスDNA及びbBacHTS2ウイルスDNAのアガロースゲル電気泳動解析を説明する図である。 vBacHTS及び遺伝子カセットを用いて、所望の組換えウイルスを準備する過程を説明する図である。 vBacHTS機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとの活性測定結果を示す図である。 vBacHTS機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとに対するプラーク測定を示す図である。 bBacHTS2機構における、GFPバキュロウイルスとGUS組換ウイルスとの活性測定結果を示す図である。 bBacHTS2システム内の、GUSバキュロウイルスとGUS組換えウイルスとの活性度測定結果を示す図である。 マルチウエルプレート内のGFPの画像及び、ウエスタンブロットの結果を示す図である。 マルチウエルプレートにおける、GUS組換ウイルスのX-Glucを用いた酵素活性を示す図である。 生体外における部位特異的組換の結果を示す図である。 組換えDNAを細胞に導入して、4日目Sf21細胞内のGFP-LacZ融合蛋白質の発現を表す図である。 SDS−PAGE及びGFP抗体を用いた、GFP-LacZ融合蛋白質発現のウエスタンブロット結果を示す図である。 X-Gal基質を用いた、組換えウイルス(GFP-LacZ)におけるLacZ酵素活性を表す図である。 マルチウエルプレートからの、GFP-YPKバキュロウイルスに感染したSf21細胞のイメージを示す図である。 プロテインキナーゼ(Rb、ヒストンH1、MBP)のスクリーニング結果を示す図である。 Rb(網膜芽細胞腫)蛋白質のリン酸化反応を示す図である。 #2-A9プロテインキナーゼによる、Rb蛋白質のリン酸化反応を示す図である。

Claims (14)

  1. 発現用環状組換ウイルスベクターの構築方法であって、
    1)少なくとも2つの部位特異的組換部位と、少なくとも1つの制限酵素認識部位とを有するウイルスゲノムDNAを準備する工程と、
    2)少なくとも2つの部位特異的部位に隣接した、所望のゲノム材料を含む遺伝子カセットを準備する工程と、
    3)前記の1)において準備したDNA断片と、2)において準備した遺伝子カセットとを、生体外で反応させる工程とを含むことを特徴とする発現用環状組換ウイルスベクターの構築方法。
  2. 制限酵素を用いて前記ウイルスゲノムDNAの1つ以上の部位を消化し、線状のウイルスゲノムDNAを生成することを特徴とする請求項1に記載の発現用環状組換ウイルスベクターの構築方法。
  3. 前記制限酵素は、CCTNAGGの塩基配列を認識することを特徴とする請求項2に記載の発現用環状組換ウイルスベクターの構築方法。
  4. 前記ウイルスが、バキュロウイルス、ポリオーマウイルス、パピローマウイルス、あるいはHBVであることを特徴とする請求項1に記載の発現用環状組換ウイルスベクターの構築方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の構築方法によって生成された、組換ウイルスベクター。
  6. 所望のゲノム材料を含む組換ウイルスのスクリーニング方法であって、
    1)少なくとも2つの部位特異的組換部位と、少なくとも一つの制限酵素認識部位とを含むウイルスゲノムDNA断片を準備する工程と、
    2)少なくとも2つの部位特異的部位に隣接する所望のゲノム材料を含んだ遺伝子カセットを準備する工程と、
    3)発現用環状変換ウイルスベクターを含む反応混合物を生成するために、前記の1)において準備したDNA断片と、2)において準備した遺伝子カセットとを生体外で反応させる工程と、
    4)マルチウエルプレート内の宿主に、3)における前記反応混合物を導入する工程と、
    5)宿主内における発現を識別する工程とを含むことを特徴とするスクリーニング方法。
  7. 前記ウイルスが、バキュロウイルス、ポリオーマウイルス、パピローマウイルス、HBVの何れかであることを特徴とする所望のゲノム材料を含む組換ウイルスのスクリーニング方法。
  8. 環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法であって、
    1)少なくとも2つの部位特異的組換部位と、少なくとも1つの制限酵素認識部位とを含むウイルスゲノムDNA断片を準備する工程と、
    2)少なくとも2つの部位特異的部位によって隣接された所望のゲノム材料を含む遺伝子カセットを準備する工程と、
    3)発現用環状組換ウイルスベクターを含む反応混合物を生成するために、1)において準備したDNA断片と、2)において準備した遺伝子カセットとを生体外で反応させる工程と、
    4)マルチウエルプレート内の宿主に、3)における前記反応混合物を導入する工程とを有する組換ウイルスの準備方法。
  9. 前記ウイルスゲノムDNA断片は、動物細胞に対して非感染性であるか、複製かつウイルス粒子形成が不可能であるとともに、細菌型の複製開始点と抗生物質耐性DNAとを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法。
  10. 宿主への前記反応混合物の導入は、マルチウエルプレート内で行われることを特徴とする請求項8に記載の環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法。
  11. 制限酵素を用いて前記ウイルスゲノムDNAの1つ以上の部位を消化し、線状のウイルスゲノムDNAを生成することを特徴とする請求項8に記載の環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法。
  12. 前記制限酵素は、CCTNAGGの塩基配列を認識することを特徴とする請求項8に記載の環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法。
  13. 前記ウイルスは、バキュロウイルス、ポリオーマウイルス、パピローマウイルス、HBVの何れかであることを特徴とする請求項8に記載の環状ゲノムDNAを有する組換ウイルスの準備方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれかに記載の準備方法によって準備された組換ウイルス。
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