JP2005519102A - エネルギー恒常性の調節に関与するcg3842相同タンパク質 - Google Patents
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Abstract
本発明は、エネルギー恒常性および中性脂肪の代謝、および本発明で開示したタンパク質を同定およびコードするポリヌクレオチドの調節を行なうCG3842またはSCAD相同タンパク質を開示する。また、本発明は、代謝疾患および障害の診断、研究、予防、および治療における、これらの配列の使用法に関するものである。
Description
本発明は、体重調節、例えば、限定するものではないが、代謝疾患のような肥満症に関連する疾患および障害、同様に、摂食障害、悪質液、糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎、胆石症のような関連障害の診断、研究、予防、および治療におけるCG3842またはSCAD相同タンパク質をコードする核酸配列の使用法、およびそれによってコードされたポリペプチド、およびその使用法またはCG3842のエフェクター分子またはSCAD相同核酸またはポリペプチドに関するものである。
エネルギー消費量に対比して摂取熱量がアンバランスというエネルギー不均衡に関連するヒトおよび動物代謝のさまざまな代謝疾患、例えば肥満症や体重の激減が存在する。肥満症は世界に最も蔓延している代謝障害の1つである。この肥満症は、西側諸国にとってますます問題となっているヒトの疾病であり、その本質は依然としてほとんど理解されていない。肥満症は体脂肪過多として特定され、多くの場合、著しい健康障害を招く。高血圧、中性脂肪高値および空腹時血糖高値、同様に、低HDLコレステロール値のような心血管系危険因子は、多くの場合肥満と関連する。この典型的な一群の症状は「代謝症候群」として一般に定義されている(Reaven、2002、Circulation106(3): 286-8 レビュー済)。高脂血症および遊離脂肪酸の上昇は、肥満症、インスリン耐性を始めとするさまざまな疾患間の連鎖として定義される「代謝症候群」と明確に相関する。これは多くの場合、同一患者において生じ、そして2型糖尿病および心疾患の発生の主要な危険因子である。脂質値および血糖値のコントロールが、2型糖尿病、心臓病、およびその他の代謝症候群を治療するために必要であることが示されている(例えば、Santomauro A. T. らの(1999)Diabetes、48(9):1836-1841を参照)。代謝症候群は多くの場合、2型糖尿病および心疾患の発生に先行する(McCook、2002、JAMA288:2709-2716)。
ヒト肥満は、環境的要因および遺伝的要因によって強く影響を受けるので、環境的な影響が多くの場合(ヒト)肥満症の遺伝子を同定する上の障害物となっている。肥満症は、遺伝的要因、代謝要因、生化学的要因、心理学的要因、および行動的要因によって影響を受ける。このような事情から、肥満症は、好ましく持続可能な臨床結果を達成するために、さまざまな分野で取り組まなくてはならない複合障害である。
肥満症は単一障害と考慮されるべきでなく、潜在的に複数の原因をともなう異種の条件群から成る障害と考慮されるべきである。また、肥満症は、空腹時血漿インスリン濃度の上昇および経口グルコース摂取に対する過度なインスリン反応を特徴とする(Kolter mann、1980、J. Clin. Invest 65:1272-1284)。2型糖尿病における肥満症の明らかな関与が確認されている(Kopelman、2000、Nature 404:635-643)。
他のホルモンの中でも、インスリンは特に燃料代謝の調節において重要な役割を演ずる。高血糖値は、すい臓β細胞によるインスリン分泌を促がす。インスリンはグリコーゲンおよび中性脂肪の貯蔵およびタンパク質の合成につながる。グルコースの筋肉および脂肪細胞への流入はインスリンによって促進される。真性糖尿病に苦しむ患者では、すい臓の膵島細胞によって産生されるインスリン量が少なすぎるか(糖尿病1型またはインスリン依存型真性糖尿病IDDM)、あるいは肝臓および筋細胞の正常な血中インスリン値に応答する能力が失われている(インスリン耐性)かのいずれかである。次の段階では、すい臓細胞が十分な量のインスリンを作り出すことができなくなる(糖尿病2型または非インスリン依存型真性糖尿病 NIDDM)。
たとえ、レプチン、VCPI、VCPL、またはペルオキシソーム増殖活性の受容体ガンマ活性化補助因子のような体重/重量を調節する恒常性システムに影響を及ぼすはずの候補遺伝子についての記述がいくつかあるとしても、肥満調節または体重/重量調節(およびその故の代謝症候群)に影響を及ぼす特有の分子機構および(または)分子は知られていない。
以上の点から、本発明の根底にある技術的問題は、体重調節および(または)エネルギー恒常性回路に影響を及ぼす(病理学的な)代謝条件の調節のための手段と方法を提供することにあった。当該技術的問題に対する解決は、請求項において特徴付けられた実施例を提供することによって達成する。
従って、本発明は、体重調節における新規機能を有する遺伝子、エネルギー恒常性、代謝、および肥満症に関連するものである。本発明は、体重、エネルギー恒常性、代謝、および肥満症の調節、ひいては、それらに関連する代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎、および胆石症のような障害の調節に関与する特異的な遺伝子を開示する。本発明では、上述したそれらの条件に関与しているものとしてショウジョウバエCG3842遺伝子のヒト相同体を記述する。
アシルCoA脱水素酵素(AcadまたはACAD)遺伝子ファミリーの酵素には、極長鎖(VLCAD)、中鎖(MCAD)、および短鎖(SCAD)のアシルCo脱水素酵素が含まれる。短鎖脱水素酵素/還元酵素ファミリー(SDR)は、古い起源の多種多様な大ファミリー酵素を構成する。そのメンバーのいくつかは、人間生理学および人間の疾病、特にステロイド基質(例えば、プロスタグランジン、エストロゲン、レチノイド、アンドロゲン、および副腎皮質ステロイド)の代謝において重要な役割を演ずる。それら酵素は、内分泌関連癌、骨粗鬆症、およびアルツハイマー疾病のような一般的な人間の障害に関与するため、薬剤標的の重要候補となる。
本発明のショウジョウバエ遺伝子(GadFlyアクセッション番号CG3842)は、一つのアミノ末端膜貫通領域を有し、そして大体において短鎖アルコール脱水素酵素の予測された二次構造モチーフの特徴を示す(adh-shortモチーフ; 例えば、長さが406のアミノ酸のタンパク質におけるアミノ酸73〜アミノ酸328)。本発明においては、3種類のヒトの相同タンパク質を同定した。これらのタンパク質は、無名タンパク質XP_085058 (BAB70811、本明細書中ではDG21-1とも呼ぶ)、CGI-82(本明細書中では前立腺短鎖脱水素酵素還元酵素1、PSDR1,またはDG21-2とも呼ぶ)、およびPAN2である。
ヒトPSDR1(CGI-82)遺伝子は比較ゲノミクスによって同定された(Lai らの、2000、Genome Res 10(5):703-713)。PSDR1は前立腺において多く発現されること、およびヒト前立腺のアンドロゲン受容体調節の遺伝子ネットワークにおける機能(作用)が示されている。雄性ホルモンによって調節された遺伝子は、ヒト前立腺の正常生理機能にとって決定的な重要性を有するものであり、前立腺癌腫の発生および進行の一因となる(Linらの、2001、Cancer Res 61(4):1611-1618)。
ヒト小脳(cer ebrellum)組織から取り出したヒトBAB70811 (無名タンパク質XP_085058)cDNAを、配列決定計画の一部として分離した。本発明がなされた時点では、機能的データは提供されていなかった。
アシルCoA脱水素酵素(AcadまたはACAD)遺伝子ファミリーの酵素には、極長鎖(VLCAD)、中鎖(MCAD)、および短鎖(SCAD)のアシルCo脱水素酵素が含まれる。短鎖脱水素酵素/還元酵素ファミリー(SDR)は、古い起源の多種多様な大ファミリー酵素を構成する。そのメンバーのいくつかは、人間生理学および人間の疾病、特にステロイド基質(例えば、プロスタグランジン、エストロゲン、アンドロゲン、および副腎皮質ステロイド)の代謝において重要な役割を演ずる。それら酵素は、内分泌関連癌、骨粗鬆症、およびアルツハイマー疾病のような一般的な人間の障害に関与するため、薬剤標的の重要候補となる。
このファミリーの第1メンバーの1つとして特徴付けられたのはショウジョウバエのアルコール脱水素酵素であった。また、このタンパク質のファミリーおよび関連相同体は、「昆虫型」,または「短鎖」アルコール脱水素酵素(「adh-short」)と呼ぶ。このタンパク質ファミリーのメンバーは、GadFlyアクセッション番号CG3842を有し、adh-shortモチーフをタンパク質の主要部として含有するショウジョウバエ遺伝子(例えば、長さが406のアミノ酸のタンパク質におけるアミノ酸73〜アミノ酸328)の注釈付きタンパク質製品である。ヒトにおいては、adh-shortモチーフを含有する3種類のタンパク質を、ショウジョウバエCG3842によってコードされたタンパク質に対する相同体として、本発明(実施例を参照)において同定した。これらのタンパク質はCGI-82(GenBankアクセッション番号NP_057110)、PAN2(GenBankアクセッション番号NP_065956)、および無名タンパク質XP_085058 (GenBankアクセッション番号XP_085058)である。
ヒトCGI-82遺伝子は、最近になって比較ゲノミクス(Lai らの、2000、Genome Res 10(5):703-713)によって同定された。CGI-82(PSDR1)は短鎖脱水素酵素/還元酵素酵素(前立腺短鎖脱水素酵素/還元酵素1、PSDR1)のファミリーメンバーである。前立腺において多く発現されたタンパク質は、ヒト前立腺のアンドロゲン受容体調節の遺伝子ネットワークに関与すると言われてきた。雄性ホルモンによって調節された遺伝子は、ヒト前立腺の正常生理機能にとって決定的な重要性を有するものであり、前立腺癌腫の発生および進行の一因となるものである(Linらの、2001、Cancer Res 61(4):1611-1618)。
ヒトPAN2タンパク質は最近になってNCBI Genbank に提出されている(GenBankアクセッション番号NP_065965; 提出日2002年2月10日、提出人はBreretonら)。PAN2はSCADスーパーファミリーのメンバーとして記述されている。
これまでは、CG3842によってコードされたタンパク質および近縁のタンパク質、特にヒトタンパク質である無名タンパク質XP_085058、CGI-82、およびPAN2が、エネルギー恒常性の調節および体重調節および関連障害に関与することは記述されていないので、上に列記したような代謝疾患および他の疾患における機能は検討されていない。
本発明において、CG3842の正しい遺伝子投与量がエネルギー恒常性の維持にとって必須であることを実証する。遺伝子スクリーニングを用いて、CG3842相同遺伝子の突然変異が、主要なエネルギー貯蔵物質である中性脂肪含有量の著しい増加が反映される、肥満症の原因となることを同定した。
CG3842に対して相同性を持つタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、上記のように疾患および障害を調査研究するために好適である。さらに、上記のような疾患および障害の診断、治療、および予後に有用である新規組成物を提供する。
本タンパク質、ヌクレオチド配列、および方法について以下に説明するが、説明した特定の方法、プロトコル、細胞株、ベクターおよび試薬によって本発明が限定されるものではなく、改変し得ることは当然のことながら共通認識とする。また、本詳細書で使用する専門用語は特定の実施例を説明する目的で用いたものに過ぎず、特許請求の範囲にのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも当然のことながら共通認識とする。本明細書中で用いる全ての専門用語および科学用語は、特に定義されている場合を除き、当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有するものとする。本明細書中に記載する方法および材料に類似または等価な方法および材料は、本発明の実践または検査で用いることができるが、好適な方法、装置、および材料はここに記載する。本明細書で言及する全ての刊行物は、本発明に関連し得る刊行物中で報告されている細胞株、ベクターおよび方法論について説明および開示する目的で、ここに引用することをもって本明細書の一部となす。本明細書のいかなる開示内容も、本発明がこのような開示に対して先行する権利を与えられていないことを認めるものではない。
本発明は、CG3842相同タンパク質がエネルギー恒常性および脂肪代謝、特に中性脂肪、および本発明において開示したタンパク質を同定およびコードするポリヌクレオチドの代謝と貯蔵を調節することを開示する。また、本発明は、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを作り出すためのベクター、宿主細胞、抗体、および組換え方法に関連するものである。また、本発明は、疾患および障害、例えば、限定するものではないが、肥満症のような代謝疾患、同様に、代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症のような関連障害の診断、研究、予防、および治療における、これらのポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびそのエフェクター、例えば、核酸分子を認識する抗体、アプタマー、アンチセンス分子、リボザイムまたはその他の受容体、またはCG3842に対して相同性を有するポリペプチドの使用法にも関するものである。
用語「GenBankアクセッション番号に示されたヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド」とは、対応するGenBankアクセッション番号下に保管されるヌクレオチド配列の発現可能な遺伝子に関するものである。用語「GenBankアクセッション番号」とは、NCBI GenBankデータベースエントリに関するものである(Bensonらの(2000) Nucleic Acids Res.28: 15-18を参照)。
よって、CG3842相同タンパク質および核酸分子コードは、昆虫または脊椎動物各種、例えば、哺乳動物または鳥から入手可能である。特に好適なのは、ヒトの相同核酸、特にヒトの無名タンパク質、ヒトCGI-82タンパク質、またはPAN2タンパク質をコードする核酸である。
本発明は特に、エネルギー恒常性および中性脂肪の代謝の調節に寄与するポリペプチドをコードする核酸分子に関連するものであり、そして当該核酸分子は下記より成るものとする。
(a) 無名タンパク質(識別標識番号1; GenBankアクセッション番号XM_085058)、ヒトCGI-82(識別標識番号3; GenBankアクセッション番号NM_016026)、またはPAN2(GenBankアクセッション番号NM_020905)、またはGadFlyアクセッション番号CG3842および(または)それらのタンパク質に対して相補的な配列のヌクレオチド配列、またはそれらのタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
(b) 50℃にて、1 x SSCおよび0.1%のSDSを含んだ溶液中で(a)の配列に対してハイブリダイズするヌクレオチド配列、
(c) 遺伝暗号の変性内における(a)または(b)の配列に対応する配列、
(d) 少なくとも85%、望ましくは少なくとも90%、より望ましくは少なくとも95%、より望ましくは少なくとも98%および最大で99,6%までCG3842のアミノ酸配列に同一のポリペプチドをコードする配列、
(e) CG3842相同タンパク質、望ましくは識別標識番号2; GenBankアクセッション番号XP_085058)を有するヒトCG3842相同タンパク質の無名タンパク質、CGI-82タンパク質(識別標識番号4; GenBankアクセッション番号NP_057110)、またはPAN2(GenBankアクセッション番号NP_065956)、および(または)それに対して相補的な配列をコードする配列、
(f) 突然変異によって(a)〜(d)の核酸分子と異なる配列であり、コードされたポリペプチドにおいて当該突然変異が改変、削除、複製および(または)早期停止を引き起こす配列、または
(g) 少なくとも15塩基、望ましくは少なくとも20塩基、より望ましくは少なくとも25塩基および最も望ましくは少なくとも50塩基の長さを有する(a)〜(e)のヌクレオチド配列の任意の部分的配列。
(a) 無名タンパク質(識別標識番号1; GenBankアクセッション番号XM_085058)、ヒトCGI-82(識別標識番号3; GenBankアクセッション番号NM_016026)、またはPAN2(GenBankアクセッション番号NM_020905)、またはGadFlyアクセッション番号CG3842および(または)それらのタンパク質に対して相補的な配列のヌクレオチド配列、またはそれらのタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
(b) 50℃にて、1 x SSCおよび0.1%のSDSを含んだ溶液中で(a)の配列に対してハイブリダイズするヌクレオチド配列、
(c) 遺伝暗号の変性内における(a)または(b)の配列に対応する配列、
(d) 少なくとも85%、望ましくは少なくとも90%、より望ましくは少なくとも95%、より望ましくは少なくとも98%および最大で99,6%までCG3842のアミノ酸配列に同一のポリペプチドをコードする配列、
(e) CG3842相同タンパク質、望ましくは識別標識番号2; GenBankアクセッション番号XP_085058)を有するヒトCG3842相同タンパク質の無名タンパク質、CGI-82タンパク質(識別標識番号4; GenBankアクセッション番号NP_057110)、またはPAN2(GenBankアクセッション番号NP_065956)、および(または)それに対して相補的な配列をコードする配列、
(f) 突然変異によって(a)〜(d)の核酸分子と異なる配列であり、コードされたポリペプチドにおいて当該突然変異が改変、削除、複製および(または)早期停止を引き起こす配列、または
(g) 少なくとも15塩基、望ましくは少なくとも20塩基、より望ましくは少なくとも25塩基および最も望ましくは少なくとも50塩基の長さを有する(a)〜(e)のヌクレオチド配列の任意の部分的配列。
本発明は、CG3842相同タンパク質、特に上記に定義したようなSCADファミリーのタンパク質(本明細書中ではCG3842またはCG3842相同タンパク質と呼ぶ)、およびこれらをコードするポリヌクレオチドが中性脂肪貯蔵の調節に関与するので、エネルギー恒常性にも関与するという知見に基づく。本発明では、肥満症のような代謝疾患、同様に、代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎、および(または)胆石症のような関連障害を始めとする疾患および障害とその関連の診断、研究、予防、または治療のためのこれらの組成物の使用法を記載する。
従って、本発明は、体重調節、エネルギー恒常性、代謝、および肥満症、当該遺伝子の断片、当該遺伝子またはその断片によってコードされたポリペプチドコード、および当該ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを認識するエフェクター、例えばアンチセンス分子、RNAi分子またはリボザイム、アプタマー、ペプチドまたは低分子量有機化合物のような抗体、生物学的に活性な核酸において新規機能を有する遺伝子に関するものである。
キイロショウジョウバエのようなモデル個体のゲノムを操作およびスクリーニングする能力は、遺伝子、細胞プロセス、および経路の有意な進化的保存に起因する、より複雑な脊椎動物個体に対する直接的な関連性を有する生物学的および生化学的プロセスを分析するための強力なツールを提供する(例えば、Adams M. D. らの、(2000) Science 287:2185-2195を参照)。モデル個体における新規遺伝子機能の同定は、哺乳動物(ヒト)における反応経路の解明およびそれらの調節方法の解明に直接的に貢献する。病理モデル(例: 肥満症を始めとする代謝症候群の徴候としての中性脂肪値の変化)とハエ遺伝子の修飾発現との関係によって、ヒトの相同分子種の特定のヒト疾病との関連を同定することができる。一実施例では、フォーワード遺伝子スクリーニングを、既知の遺伝子の異所性発現に起因する変異表現型を示すハエにおいて実施する(Johnston Nat Rev Genet 3: 176-188 (2002); Rorth P.、(1996) Proc Natl Acad Sci U SA 93: 12418-12422を参照)。
中性脂肪は、細胞において最も効果的なエネルギーの貯蔵場所であり、そして肥満者は中性脂肪含有量の著しい増加を主に示す。本発明において、発明者らは遺伝子スクリーニングを用いて、中性脂肪値の著しい変化が反映される体重の変化の原因となるCG3842相同遺伝子の突然変異を同定した。エネルギー恒常性における機能を有する遺伝子を分離するため、長期にわたる摂食期間後に、数千のEPラインの中性脂肪含有量を検査した(詳細は実施例を参照)。さらなる分析のための好ましい候補として、中性脂肪含有量が顕著に変化したラインを選択した。遺伝子機能の損失に起因する中性脂肪含有量の変化は、中性脂肪として貯蔵されたエネルギー量を制御する用量依存的な態様で、エネルギー恒常性における遺伝子活性を示唆する。
スクリーニングのためのリソースは、PXラインの専売キイロショウジョウバエ在庫コレクションであった。このコレクションのPベクターは、UAS部位へのGal4の結合時に、隣接するゲノムショウジョウバエ配列に転写できる基底プロモーターに融合したGal4-UAS結合部位を有する。これによって、PXラインのコレクションの内因性側方遺伝子配列の過剰発現が可能となる。加えて、UAS部位の活性化なしに、EPエレメントの遺伝子への統合は、遺伝子活性の低下を引き起こす可能性があるので、機能喪失の表現型を評価することによって、その機能を確定することができる。
一実施例では、ショウジョウバエPX2287.1ラインに対するベクター統合にホモ接合のハエを、これらのハエの中性脂肪含有量を測定するアッセイで分析し、本発明の実施例セクションにおいてその詳細を図解した。中性脂肪含有量の分析結果を図1に示した。PX2287.1ラインが見出されたハエコレクションの平均中性脂肪値を100%として、図1(最初のコラム、「TG010419、n=60」)に示した。ホモ接合の生存可能なショウジョウバエPX2287.1ラインの中性脂肪含有量の平均増加率は80%である(図1、第2コラム、ライン「2287.1」を参照)。本発明では、ホモ接合のPX2287.1ハエが、検査した対照ハエに比べて著しく高い中性脂肪含有量を持つことが見出された。遺伝子機能の損失に起因する中性脂肪含有量の増加は、中性脂肪として貯蔵されたエネルギー量を制御する用量依存的な態様で、エネルギー恒常性における遺伝子活性を示唆する。
本発明のショウジョウバエGadFlyアクセッション番号CG3842の相同タンパク質をコードする核酸は、プラスミド救出技術を用いて同定した。EPベクター(本明細書中ではPX2287.1)統合に近接して局在するゲノムDNA配列を分離した。それらの分離したゲノム配列を用いて、Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクト(GadFly; FlyBase (1999) Nucleic Acids Research 27:85-88も参照)またはGenBank (NCBI)のような公共データベースをスクリーニングし、それによって、Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクトのアクセッション番号CG3842として同定した遺伝子のコード配列のPX2287.1ベクター542塩基対下流のホモ接合の生存可能な統合部位を確認した(図2)。図2はこの遺伝子座の分子構造を示す。図2において、ゲノムDNA配列は、PX2287.1ラインに対するベクター統合部位を含んだ中央の黒色の細線としてアセンブリで表した(数字はゲノムDNAの塩基対の長さを表す)。転写したDNA配列(EST)および予測エキソンは2側面上にバーとして示した(センス鎖およびアンチセンス鎖)。EST (発現配列タグ)クローンは、2外側面上に、細線で部分的につながった薄灰色バーとして表した。予測遺伝子(Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクト、GadFlyによる予測)は、細線でつながった濃灰色バーで表した。ショウジョウバエcDNA(BerkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクトGadFlyによる注釈)の予測エキソンは濃灰色バーとして示し、そして予測イントロンは薄灰色線として示した。
本発明の配列は、GadFly配列分析プログラムによって、GadFlyアクセッション番号CG3842として予測される遺伝子に対してコードする。公共DNA配列データベース(例えば、NCBI GenBank)をスクリーニングすることによって、中性脂肪含有量の上昇を引き起すPX2287.1ラインの統合部位を同定した。PX2287.1は、Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクトアクセッション番号CG3842として同定される遺伝子のコード配列の542塩基対下流に統合する(本統合部位は垂直の点線としてを示した)。以上の点から、GadFlyアクセッション番号CG3842をコードするcDNAの発現は、PX2287.1ラインのベクターのホモ接合の生存可能な統合によって誘起され、エネルギーを貯蔵する中性脂肪の増加をもたらす。
それによってコードされた、中性脂肪代謝の調節機能を有するショウジョウバエ遺伝子およびタンパク質は、公的に利用できる配列データベースで分析し(詳細は実施例を参照)、そして哺乳動物の相同体を同定した(図3)。
本発明では、CG3842のアミノ酸配列から成るポリペプチドをさらに説明する。異なる種(ヒトおよびショウジョウバエ)のCG3842タンパク質間の比較(Clustal X (1.81)分析)を行った(図4を参照)。相同性に基づき、本発明のCG3842タンパク質および各相同タンパク質またはペプチドは、少なくともある程度の活性を共有する。本発明の遺伝子に関し、体重制御の調節および肥満症のような関連代謝疾患を記載した機能的データは、従来の技術では提供されていない。
エネルギー恒常性における哺乳動物相同体の機能(作用)は、異なる組織における転写物の発現の分析、および脂肪細胞分化における役割の分析によって、本発明でさらに確証した。発現プロファイル実験(詳細は実施例を参照)によって、本発明のタンパク質の哺乳動物におけるエネルギー代謝の制御因子としての特定の関連性が確認される。例えば、無名タンパク質(DG21-1)転写物の多くは、哺乳動物の脾臓、骨髄および肺に限定される(図6A)。CGI-82(DG21-2)転写物は精巣において最も高い発現を示す(図7A)。加えて、本発明のタンパク質は白色脂肪組織(WAT)においても明らかに発現され、無名タンパク質は特にWATにおいて高いレベルの発現を示す(を参照図6A)。従って、脂肪組織における本発明のタンパク質の発現は、エネルギー恒常性および熱産生の調節における役割を確認するものである。
さらに、本発明のタンパク質が、絶食と遺伝的に誘発された肥満によって調節されることを明らかにする。本発明では、本発明のタンパク質の発現を研究するために、レプチン経路遺伝子においてノックアウトを保有しているマウスのようなインスリン耐性および(または)糖尿病のマウスモデルを使用した(例えば、ob (レプチン)またはdb (レプチン受容体)マウス)。糖尿病の典型的な症状を呈するそのようなマウスは、肝脂質蓄積を示し、そして高い頻度で血漿脂質レベルを増加した(Bruningらの1998、Mol.Cell.2:449-569を参照)。本発明者らは、例えばDG21-1の発現が、特に絶食マウスのすい臓において強く上方制御されることを見出した(図6Bを参照)。DG21-2の発現は、絶食マウスの脾臓および腎臓において強く上方制御される(図7B)。加えて、DG21-1およびDG21-2の顕著な上方制御は、絶食マウスのみならず遺伝的に肥満したマウス(ob/ob)の代謝的に活性な組織(例えば、茶色脂肪組織(BAT)におけるDG21-1およびWATにおけるDG21-2)においても観察することができる(図6Bおよび図7Bをそれぞれ参照)。
加えて、DG21-1(無名タンパク質)のmRNAは、高脂肪食(HFD)が与えられた場合、糖尿病、脂質蓄積、および血漿脂質高値の症状を持つマウスのすい臓およびBATにおいて上方制御される(図6C)。DG-21-2(CGI-82=PSDR1に対する相同体)は、白色脂肪組織(WAT)においては、wtマウスに比べてob/obマウスの場合には、より積極的に上方制御され(図7B)、また、BATおよび筋肉においては、標準食を与えたマウスに比べてHFDを与えたマウスの場合には、より積極的に上方制御される(図7C)。これらの結果により、本発明のタンパク質が脂質作成の修飾因子であるという証拠が提供される。
加えて、本発明では、未知のタンパク質(DG21-1)mRNAが、生体外の脂肪細胞分化中に著しく上方制御され(詳細は実施例を参照。また図6D、図6E、図6Fを参照)、脂肪細胞脂質蓄積の修飾因子としての役割を示唆することを明らかにする。従って、本発明者らは、本発明のタンパク質(またはその変異体)が成熟脂肪細胞の代謝における機能(作用)を有することを結論する。
グルコースは、該細胞によって急速に取り込まれ、そして主に細胞の代謝要求に使われるグリコーゲン形態で貯蔵される。無名タンパク質XP_085058の過剰発現の結果としての細胞内のグリコーゲンレベルの上昇(図8Aを参照)によって、グルコース取り込みの上昇、グリコーゲン合成速度の増加またはエネルギー消費の減少を反映することがあり得るので、代謝調節における無名タンパク質XP_085058の役割が確認される。
加えて、本発明では、細胞を過剰発現する無名タンパク質XP_085058が、外来性グルコースから取り出した脂質の合成において一層有効であることを明らかにする(図8Eを参照)。その結果、無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞のインスリン刺激による脂質合成量も増加した。無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞における外来性グルコースから取り出した脂質合成量の増加は、脂質合成に関与する酵素の活性化を実証する。
無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞の遊離脂肪酸の取り込みにおける著しい増加(図8Cを参照)、および細胞を過剰発現するCGI-82における遊離脂肪酸エステル化の減少(図8Dを参照)は、本発明のタンパク質の直接作用に起因するか、あるいは遊離脂肪酸の取り込みおよびエステル化の調節における役割に起因し得る。本発明のタンパク質は、例えば、調節不活性レチノイドまたは脂肪酸代謝を直接的に影響する調節活性ホルモン誘導体におけるステロイドの変換において役割を演ずることが可能であり、あるいは脂肪酸代謝酵素または転写レベルの輸送体の遺伝子発現を調節することも可能である。
また、本発明には、CG3842および相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドも包含される。それ故に、CG3842相同タンパク質のアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、CG3842相同タンパク質を発現する組換え分子を作成することができる。当業者にとっては当然のことながら、遺伝暗号の縮重の結果、CG3842相同タンパク質をコードする多数のヌクレオチド配列(一部は既知であり天然の遺伝子のヌクレオチド配列に対して最小の相同性を有する)を作り出すことが可能である。従って、本発明には、可能コドン選択に基づく組合せの選択によって作り得るようなありとあらゆる可能性のあるヌクレオチド配列変異体を網羅し得る。
また、本発明に包含されるのは、請求項に記載のヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする能力のあるポリヌクレオチド配列、そして特に、ショウジョウバエタンパク質(GadFlyアクセッション番号CG3842)および相同ヒトタンパク質をコードする核酸配列から成るポリヌクレオチドの該配列である。ハイブリダイゼーション条件は、Wahl、G. M.およびS.L. Berger (1987:Methods Enzymol. 152:399-407)およびKimmel、A. R. (1987; Methods Enzymol. 152:507-511)で教示されたように、核酸結合複合体またはプローブの溶解温度(Tm)に基づいており、定義されたストリンジェントでの使用が可能である。望ましくは、ストリンジェントな条件下のハイブリダイゼーションとは、1時間 1 x SSCおよび0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を用いて50℃にて、望ましくは55℃にて、より望ましくは62℃にて、および最も望ましくは68℃にて、特に1時間 0.2 x SSCおよび0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)中で50℃にて、望ましくは55℃にて、より望ましくは62℃にて、および最も望ましくは68℃にて洗浄後、ポジティブなハイブリダイゼーションシグナルが認められることを意味する。本発明に包含されているCG3842をコードする変更核酸配列には、異なるヌクレオチドの欠損、挿入、または代替が含まれており、同一物または機能に同等なCG3842相同タンパク質をコードするポリペプチドを結果としてもたらす。
コードされたタンパク質には、サイレント変化を作り出し、機能的に等価なCG3842相同タンパク質を結果としてもたらす、アミノ酸残基の欠損、挿入、または置換も含まれ得る。計画的アミノ酸置換は、CG3842相同タンパク質の生物学的活性が保持される限りにおいて、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および(または)両親媒性特性の類似性を基に行い得る。さらには、本発明は、少なくとも4、望ましくは少なくとも6および最大で50長のアミノ酸を有する、タンパク質のペプチド断片、または例えば環状ペプチド、レトロ(retro-inverso)ペプチドまたはペプチド擬態のような該ペプチドの誘導体に関するものである。
また、本発明の範囲内にには、CG3842相同タンパク質をコードする遺伝子の対立遺伝子も含まれている。本明細書で使用されている「対立遺伝子」または「対立遺伝子配列」は遺伝子の代替形態であり、核酸配列における少なくとも1つの突然変異から生じ得る。対立遺伝子は、構造または機能を改変し得るかどうかわからない変性mRNAまたはポリペプチドを結果としてもたらし得る。任意の遺伝子には、ゼロ、単一、または多くの対立遺伝子形態が含まれ得る。対立遺伝子を誘発する一般の突然変異変化は通常、ヌクレオチドの自然欠損、付加、または置換に帰する。これらの各変化は、単独、またはその他の変化と共に、所定の配列内で1回以上生じ得る。
CG3842相同タンパク質をコードする核酸配列は、部分的ヌクレオチド配列を利用したり、当分野で周知の種々の方法を用いて伸長させ、プロモーターおよび調節要素などの上流配列を検出することができる。例えば、使用可能な方法の1つである「制限部位PCR法」は、ユニバーサルプライマーを用いて既知の遺伝子座に対して近傍する未知の配列を読み出す方法である(Sarkar、G. (1993) PCR Methods Applic.2:318-322)。逆PCR法も、既知の領域に基づいた分岐プライマーを用いて配列を増幅または伸長するために使用することが可能である(Triglia、T. らのNucleic Acids Res. 16:8186)。また、別の使用可能な方法としては、ヒトおよび酵母菌の人工染色体DNAにおける既知の配列に近傍するDNA断片のPCR増幅を伴うキャプチャPCR法があげられる(Lagerstrom、M.らのPCR Methods Applic. 1:111〜119)。未知の配列を読み出すために使用可能な別の方法としては、Parker 、J. D.らの方法が挙げられる(1991; Nucleic Acids Res. 19:3055-3060)。加えて、PCR法、ネステッドプライマー、およびPROMOTERFINDERライブラリを用いて、ゲノムDNAの中に入ることができる(Clontech社, Palo Alto, Calif.)。このプロセスは、ライブラリをスクリーニングすることを回避し、イントロン接合部およびエキソン接合部を見つけるのに有用である。
生物学的に活性なCG3842相同タンパク質を発現するために、CG3842相同タンパク質または、随意的に異種配列に対して融合する機能的な等価物をコードするヌクレオチド配列を好適な発現ベクター、例えば挿入されるコード配列の転写および翻訳に必要な要素を含むベクターに挿入することが可能である。当業者に周知の方法を用いて、CG3842相同タンパク質をコードする配列、好適な転写及び翻訳調節エレメントを含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、生体外組換えDNA技術、合成技術、および生体内遺伝子組換え技術が含まれる。その技術は、Sambrook, J.らの(1989)Molecular Cloning、Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press, Plainview, N.Y.、およびAusubel, F. M.らの(1989)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley& Sons, New York, N.Y.に記載されている。
種々の発現ベクター/宿主系を用いて、CG3842相同タンパク質をコードする配列を保持かつ発現することができる。これらには、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換させた細菌や、酵母菌発現ベクターで形質転換させた酵母菌や、ウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルスCaMVまたはタバコモザイクウイルスTMV)または細菌発現ベクター(例えばTiまたはpBR322プラスミド)で形質転換させた植物細胞系、または動物細胞系などの微生物等が含まれているが、これらに限定されるものではない。
CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の存在は、CG3842相同タンパク質に特異的なポリヌクレオチドのプローブまたは一部または断片を用いて、DNA-DNAまたはDNA-RNAハイブリダイゼーションおよび(または)増幅によって検出することができる。核酸増幅試験法には、CG3842相同タンパク質をコードするDNAまたはRNAを含んだ形質転換体を検出するために、CG3842相同タンパク質をコードする配列に基づいたオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの使用が伴う。本詳細書で使用した「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、少なくとも約10のヌクレオチド、そして約60もの数のヌクレオチド、望ましくは約15〜30ヌクレオチド、およびより望ましくは約20〜25ヌクレオチドの核酸配列を言及し、プローブまたはアンプライマーとして使用することが可能である。
タンパク質に固有のポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを用いて、CG3842相同タンパク質の発現を検出かつ測定するための種々のプロトコルは、当分野で周知である。実施例には、酵素免疫測定(吸着)法(ELISA)、放射免疫測定(RIA)、および蛍光細胞分析分離装置(FACS)が含まれる。CG3842相同タンパク質上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いた2部位のモノクローナルベースの免疫測定法が好ましいが、競合結合実験を用いることも可能である。これらを含めた他のアッセイは、Hampton、R.らの(ミネソタ州セントポール市、1990; Ser ological Methods, Laboratory Manual, APS Press)およびMaddox、D. E.らの(1983; J. Exp. Med. 158:1211-1216)の諸所に記載されている。
多岐にわたる標識技術および抱合技術が当業者には周知であり、種々の核酸およびアミノ酸測定法において使用することが可能である。CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブまたはPCRプローブを作り出す方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション法、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれる。
あるいは、CG384相同タンパク質をコードする配列、またはその任意の一部分をmRNAプローブの作成のためのベクターにクローニングしてもよい。このようなベクターは、当分野において周知であり、市販もされており、T7、T3またはSP6等の好適なRNAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドを加えて、試験管内でRNAプローブの合成に用いてもよい。このような手順は、市販されている種々のキット(ミシガン州カラマズーのPharmacia & Upjohn社、Promega社(ウィスコンシン州マディソン)、およびU.S. Biochemical Corp社(オハイオ州クリーブランド))を用いて実行することが可能である。
また、使用可能な好適レポーター分子または標識には、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、または発色剤のほかに、基質、補助因子、阻害剤、磁力粒子なども含まれる。
CG3842相同タンパク質をコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培地からのタンパク質の発現と回収を行うのに好適な条件下で培養してもよい。組換え細胞によって作り出されたタンパク質は、使用する配列および(または)ベクターによるが、分泌または細胞内含有させることが可能である。当業者であれば理解し得るように、CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、原核細胞膜または真核細胞膜を透過するCG3842相同タンパク質の直接分泌を誘導するシグナル配列を含むように設計し得る。他の組換え構造を用いて、CG3842相同タンパク質をコードする配列を、水溶性タンパク質の精製を促進するポリペプチド領域をコードするヌクレオチド配列に対して結合することができる。そのような精製を促進する領域には、固定化金属上での精製を可能にするヒスチジントリプトファン分子などの金属キレートペプチド、固定化免疫グロブリン上の精製を可能にするタンパク質A領域、およびFLAG伸長/親和性の精製装置(Immunex Corp社, Seattle, Wash.)で利用される領域などが含まれるが、これらによって限定されるものではない。浄化領域とCG3842相同タンパク質との間にあるXA因子またはエンテロキナーゼ(腸活素)(カリフォルニア州のサンディエゴ市、Invitrogen社)に対して特異的であるような切断可能なリンカー配列の包括によって、精製を促進することが可能である。組換え産生に加えてCG3842相同タンパク質の断片は、固相技術 (Mer rifield J. (1963) J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154)を用いてペプチド合成を誘導することによって作り出すことが可能である。タンパク質合成は、手動または自動の何れの技術によっても実行することが可能である。自動合成は、例えば Applied Biosystems 431Aペプチドシンセサイザ(PerkinElmer社)を用いて行なうことが可能である。CG3842相同タンパク質の種々の断片は、完全長分子を作り出すために、化学的方法を用いて個別に化学的な合成および結合を行なうことが可能である。
診断および治療
本発明において開示したデータは、本発明の核酸およびタンパク質およびそのエフェクター分子が関連する診断目的および治療目的、例えば、限定するものではないが、肥満症のような代謝障害、同様に摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症のような関連障害において有用であることを明らかにする。従って、本発明のCG3842相同タンパク質核酸およびタンパク質の診断目的および治療目的は、例えば、これらに限定されるものではないが、次の通りである: (i)タンパク質治療、(ii)小分子薬剤標的、(iii)抗体標的(治療、診断、薬剤ターゲッティング/細胞毒性抗体)、(iv)診断および(または)予後マーカー、(v)遺伝子療法(遺伝子送達と遺伝子除去)、(vi)研究ツール、および(vii)生体外および生体内における組織再生(これらの組織に由来する組織型および細胞型を構成する全ての組織型および細胞型の再生)。
本発明において開示したデータは、本発明の核酸およびタンパク質およびそのエフェクター分子が関連する診断目的および治療目的、例えば、限定するものではないが、肥満症のような代謝障害、同様に摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症のような関連障害において有用であることを明らかにする。従って、本発明のCG3842相同タンパク質核酸およびタンパク質の診断目的および治療目的は、例えば、これらに限定されるものではないが、次の通りである: (i)タンパク質治療、(ii)小分子薬剤標的、(iii)抗体標的(治療、診断、薬剤ターゲッティング/細胞毒性抗体)、(iv)診断および(または)予後マーカー、(v)遺伝子療法(遺伝子送達と遺伝子除去)、(vi)研究ツール、および(vii)生体外および生体内における組織再生(これらの組織に由来する組織型および細胞型を構成する全ての組織型および細胞型の再生)。
本発明の核酸とタンパク質は、下記のように種々の用途に関与する診断目的および治療目的において特に有用である。例えば、限定するものではないが、遺伝子療法、および本発明のCG3842タンパク質および特にそのヒト相同体において有用であり得る本発明のCG3842タンパク質をコードするcDNAおよび特にそのヒト相同体は、それを必要とする被験体に投与された場合に有用であり得る。例証として、本発明の組成物は、例えば、限定するものではないが、上記のような代謝障害およびその他の疾患および障害に苦しむ患者の治療に対して有効性を有するであろう。
本発明のCG3842相同タンパク質をコードする新規核酸またはその断片は、核酸またはタンパク質の存在または量が評価されるような診断目的においてもさらに有用であり得る。これらの材料はさらに、治療法または診断法における使用のため、本発明の新規物質に対して免疫特異的に結合する抗体の作成に有用である。
例えば一実施態様では、アンタゴニストとして直接的に、またはCG3842相同タンパク質を発現する細胞や組織に薬剤をもたらす標的または輸送機構として間接的に、CG3842相同タンパク質に特異な抗体を用いることができる。その抗体は当分野で周知の方法を用いて作成することが可能である。このような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖、Fab断片、およびFab発現ライブラリによって作り出された断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。中和抗体(即ち二量体の形成を抑制する抗体)は特に治療用に好適である。
抗体を作り出すため、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒトなどを含む種々の宿主は、CG3842相同タンパク質または免疫抗原性の特性を有する任意の断片またはそのオリゴペプチドを注入することによって、免疫化することが可能である。 宿主の種類にもよるが、種々のアジュバントを用いて免疫応答を高めることが可能である。そのようなアジュバントには、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、およびリゾレシチン、プルオニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性乳濁液、キーホールリンペットヘモシニアン、およびジニトロフェノールのような表面活性物質などが含まれるが、それらに限定されるものではない。ヒトに使用されるアジュバントの中では、BCG (カルメット‐ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム パルヴムが特に望ましい。CG3842相同タンパク質に対する抗体を誘導するために用いるペプチド、断片またはオリゴペプチドは、少なくとも約 5のアミノ酸からなり、より望ましくは少なくとも約 10のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有するものが望ましい。これらが、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であること、および小さな天然分子の全アミノ酸配列を含み得ることが望ましい。CG3842相同タンパク質アミノ酸の短い伸長部は、キメラ分子に対して作り出されたキーホールリンペットヘモシニアンおよび抗体などの、別のタンパク質の伸長部と融合することが可能である。
CG3842相同タンパク質に対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、抗体分子を作り出す任意の技術を用いて作ることが可能である。これらには、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBVハイブリドーマ技術(Kohler 、G.らの(1975) Nature 256:495-497; Kozbor、D.らの(1985)J. Immunol. Methods 81:31-42; Cote、R. J.らのProc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030; Cole、S.P.らの(1984)Mol. Cell Biol. 62:109-120)が含まれるが、それらに限定されるものではない。
加えて、「キメラ抗体」を作り出すために開発された技術である、好適な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るためにマウス抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子に対するスプライシングを使用することが可能である(Morrison, S. L.らの(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neuberger , M. S. らの(1984) Nature 312:604-608; Takeda, S.らの(1985) Nature 314:452-454)。あるいは、一本鎖抗体を作り出すために記述された技術を適用し、当分野で周知の方法を用いて、CG3842相同タンパク質特異性一本鎖抗体を作り出すこともできる。関連特異性を有するが、固有イディオタイプ組成物の一部でもある抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンライブラリからのチェーンシャフリングによって作成することが可能である(Burton、D. R. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. 88:11120-3)。抗体はまた、リンパ球集団における生体内産生を誘導することによって作り出すことが可能であり、または組換え免疫グロブリンライブラリまたは文献に開示されているような高特異結合試薬パネルのスクリーニングによっても作り出すことが可能である(Orlandi、R.らの(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86:3833-3837; Winter 、G.らの(1991) Nature 349:293-299)。
また、CG3842相同タンパク質に対する特異的な結合部位を含む抗体断片も得ることができる。例えば、そのような断片には、限定されるものではないが、抗体分子のペプシン消化によって作り出すことができるF(ab')2断片、およびF(ab')2のスルフィド架橋を還元することによって作成できるFab断片が含まれる。あるいは、Fab 発現ライブラリを作製して、所望の特異性を有するモノクローナル Fab 断片の迅速かつ容易な同定を可能にすることができる(Huse、W. D. らの (1989)Science 254:1275-1281)。
種々の免疫測定法をスクリーニングに対して用い、所望の特異性を有する抗体を同定することができる。既存の特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを使用する競合結合および免疫放射定量測定法のための幾多のプロトコルは、当分野では周知である。通常このような免疫測定法には、CG3842相同タンパク質とその特異的抗体との間の複合体調整の測定が伴う。2つの非干渉性CG3842相同タンパク質エピトープに反応するモノクローナル抗体を利用する2部位モノクローナルベースの免疫測定法が望ましいが、競合結合実験を用いることもできる(前出のMaddox)。
本発明の別の実施例によれば、CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドまたはその任意の断片、またはアンチセンス分子のような核酸エフェクター分子、アプタマー、RNAi分子またはリボザイムを治療目的のために使用することが可能である。一実施態様によれば、組み合わせ核酸ライブラリの使用を含んだ手順のスクリーニングおよび選択によって、アプタマー、すなわち、CG3842タンパク質に対して結合し、その活性を調節する能力のある核酸分子を作成することが可能である。
さらなる実施態様によれば、CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンスを、mRNAの転写を阻止することが望ましいような状況において使用することが可能である。具体的には、細胞は、CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチドに相補的な配列を用いて形質転換することができる。このようにアンチセンス分子を用いて、CG3842相同タンパク質活性を調節すること、または遺伝子機能を調節することができる。現在、このような技術は当分野では周知であり、センスまたはアンチセンスのオリゴマーまたは大きな断片を、CG3842相同タンパク質をコードする配列のコード領域または制御領域に沿ったさまざまな位置から設計することが可能である。レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスまたはワクチニア ウィルス、または種々の細菌プラスミドに由来する発現ベクターを用いて、ヌクレオチド配列を標的器官、組織または細胞集団に送達することができる。当業者に周知の方法を用いて、CG3842相同タンパク質をコードする遺伝子のポリヌクレオチドに補遺的なアンチセンス分子を発現する組換えベクターを構築することができる。これらの技術は、Sambrookら(前出)およびAusubelら(前出)の両方の文献に記載されている。CG3842相同タンパク質をコードする遺伝子は、ハイレベルのポリヌクレオチドを発現する発現ベクターまたはCG3842相同タンパク質をコードするその断片を用いて、細胞または組織を形質転換することによって、オフにすることがでる。そのような構成物を用いて、翻訳不可能なセンス配列またはアンチセンス配列を細胞に導入することができる。DNAへの組み込みが不在の場合でさえ、そのようなベクターは、RNA分子が内因性ヌクレアーゼ(核酸分解酵素)によって使用不可能になるまで継続してRNA分子を転写することが可能である。一過性の発現は、非複製ベクターによって1ヶ月以上持続することが可能であり、さらに適切な複製要素がそのベクター系の一部である場合には、より一層長く持続することが可能である。
上述したとおり、遺伝子発現の修飾は、PNAのようなアンチセンス分子、DNA、RNA、または核酸アナログを、CG3842相同タンパク質すなわち、プロモーター、エンハンサー、およびイントロンをコードする遺伝子の制御領域に対して設計することによって得ることができる。転写開始部位(例えば始動部位から-10〜+10の間)由来のオリゴヌクレオチドが望ましい。同様に、「三重らせん」塩基対の形成方法を用いて抑制が可能となる。三重らせん対合が有用であるのは、三重らせん対合は、ポリメラーゼ、転写因子または調節分子の結合に対して二重らせんが充分に開くような能力を阻害するためである。三重らせんDNAを用いる最近の治療における進歩は文献に記載がある(Gee, J. E.らの(1994) In; Huber , B. E. and B. I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futura Publishing Co., Mt. Kisco, N. Y.)。また、アンチセンスは、転写物のリボソームに対する結合を防止することによって、mRNAの翻訳を阻止する目的で設計することも可能である。
また、酵素性RNA分子であるリボソームを用いて、RNAの特異的切断を触媒することもできる。リボザイム作用のメカニズムには、内ヌクレオチド結合分解性の切断に先立つ相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異性ハイブリダイゼーションが含まれる。使用可能な実施例には、CG3842相同タンパク質をコードする配列の内ヌクレオチド結合分解性の切断を特異的且つ効果的に触媒する組換え型のハンマーヘッド型リボザイム分子が含まれる。任意の潜在的RNA標的内の特異性リボザイム切断部位は、GUA、GUU、およびGUC配列を含めたリボザイム切断部位に対する標的分子を走査することによって最初に同定する。ひとたび同定すると、標的遺伝子の領域に対応し、切断部位を含む15〜20リボヌクレオチド間の短いRNA配列は、オリゴヌクレオチドを機能不全にするような二次構造的特徴に対して評価することが可能となる。また、候補標的の適合性の評価も、リボヌクレアーゼ保護試験法(ribonuclease protection assay)を用いて、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの実施容易性を検査することによって行うことができる。
核酸エフェクター分子、例えば本発明のアンチセンスおよびリボザイムは、核酸分子合成のために当分野で周知の任意の方法を用いて作ることが可能である。これらの方法には、固相フォスフォアミダイト化合合成のようなオリゴヌクレオチドを化学的に合成する技術が含まれる。あるいは、CG3842相同タンパク質をコードするDNA配列の生体外および生体内における転写によってRNA分子を作成することもできる。このようなDNA配列は、T7またはSP6のような好適なRNAポリメラーゼプロモーターを用いて、種々のベクターに組み込むことができる。あるいは、アンチセンスRNAを構成的または誘導的に合成するこれらcDNA構成物は、細胞株、細胞または組織の内に導入することができる。RNA分子を修飾して、細胞内の安定性および半減期を向上することが可能である。可能な修飾には、分子の5'末端および(または)3'末端でのフランキング配列の追加、またはホスホロチオネートの使用、または分子の背骨連鎖内のホスホジエステラーゼ連鎖ではなく2'O-メチルが含まれるが、それらに限定されるものではない。この概念は、PNAの作成に固有のものであり、例えばイノシン、クエオシン、ワイブトシンのほかに、アセチル系、メチル系、チオ系、および内因性エンドヌクレアーゼによって容易には認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミン、およびウリジンに類似の修飾態様なども含めた非従来型塩基の抱合によって、これら全ての分子に適用することができる。
ベクターを細胞または組織に導入する多数の方法が提供されており、それらの方法は生体内、生体外および生体内外交通の使用に同程度に適している。生体内外交通治療では、ベクターは患者から採取した幹細胞内に導入し、同一患者に自家移植で戻すためにクローン増殖することが可能である。形質移入およびリポソーム注入による送達は、当分野で周知である方法を用いて達成することが可能である。上記の治療方法はいずれも、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、および最も望ましくはヒトなどの哺乳動物を始めとする好適な被験体に適用することが可能である。
本発明の追加実施例は、医薬用に許容できるキャリアと共に、上述の任意の治療効果のための医薬品組成物の投与に関するものである。そのような医薬品組成物は、CG3842相同タンパク質、CG3842相同タンパク質、擬態、アゴニスト(作用薬)、アンタゴニストに対する抗体、またはCG3842相同タンパク質の阻害剤から構成され得る。本組成物は単独で投与することができるが、少なくとも1つの安定化化合物などの他剤と共に投与することもでき、その場合には、例えば生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロースおよび水など(これらに限定されるものではない)の滅菌した生物学的に適合な医薬品キャリアを用いて投与することが可能である。本組成物は単独で患者に投与することができるが、他剤、薬剤またはホルモンと共に投与することも可能である。本発明に用いられる医薬品組成物は、幾つもの経路によって投与することができ、その経路には経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下または直腸があるが、これらに限定されるものではない。
その活性成分に加えて、これらの医薬品組成物は、医薬用に使用することができる活性化合物の製剤への処理を促進する賦形剤および助剤を備えている好適な医薬用に許容できるキャリアを包含し得る。および投与に関する技術の詳細は、Remington's Pharmaceutical Sciences (ペンシルベニア州イーストンのMaack Publishing社)の最新版を参照。
本発明の医薬品成分は、当分野で周知であるような方法で製造することができ、それらの態様としては、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、取り込み、または凍結乾燥工程等があげられる。本医薬品組成物を調製した後には、適切な容器に充填し、適応条件の治療のために標識する。CG3842相同タンパク質の投与に対する標識には、投与の量、頻度、および方法が明記される。
本発明に好適な医薬品組成物には、活性成分が所望の目的を達成するために有効な量で含有されているような成分が含まれる。有効投与量の定量は、当業者の能力の範囲内で行うものとする。任意の化合物の場合には、細胞培養試験法、例えば前脂肪細胞の細胞株の細胞培養試験法おいて、または通常マウス、ウサギ、イヌまたはブタなどの動物モデルにおいてのいずれかを用いて、治療に有効な投与量を初期に推定することができる。また、動物モデルを好適な濃度範囲および投与経路を決定するために使用することも可能である。次にはこのような情報を用いて、ヒトに対する有益な投与量および投与経路を決定することができる。治療に有効な投与量とは、活性成分、例えば核酸またはCG3842タンパク質またはその断片、または抗体の特異的な状態を治療するために十分な量のことである。相同タンパク質の治療有効度および毒性は、細胞培養または実験用動物における標準的な調剤手順によって決定することが可能であり、その例としては、ED50(集団の50%の治療に有効な量)およびLD50(集団の50%に対する致死量)などが挙げられる。治療効果と毒性効果間の投与量の比は、治療指数、すなわちLD50/ED50比率として表すことができる。高い治療指数を示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養試験法および動物実験から得たデータは、ヒト用のさまざまな投与量の製剤に使用する。そのような組成物に含まれる投与量は、毒性を殆ど持たないED50を含む循環濃度の範囲内にあることが望ましい。投与量は、投与量の使用元、患者の感受性、および投与の経路によって、本範囲内で変わる。正確な投与量は、治療を必要とする被験者に関する要因を考慮して、現場の医師が決定することになる。投与量および投与法は、十分なレベルの活性部を提供するため、または所望の効果を維持するために調節する。配慮されるべき要因には、疾患の重症度、患者の身体全体の健康状態、患者の年齢、患者の体重および性別、食習慣、投与の時間と頻度、薬剤の組み合わせ、反応感受性、および治療に対する耐性と反応が含まれる。長時間効果のある医薬品組成物は、個別製剤の半減期およびクリアランス率にもよるが、3〜4日毎、1週間毎、または2週間毎に1回の間隔で投与することが可能である。通常の投与量は、投与経路にもよるが、約0.1〜100,000マイクログラムと異なり、合計投与量は最大で約1グラムまでとする。特定の投与量および送達の方法に関する指針は文献に記載されており、通常、当分野の実務家に提供されている。当業者であれば、タンパク質または阻害剤とは異なったヌクレオチドの製剤を利用するであろう。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの送達も、個別の細胞、状態、位置などに対して特異的なものとなる。
別の実施例によれば、CG3842相同タンパク質を特異的に結合する抗体は、CG3842の過剰発現乃至は低発現を特徴とするか、または過剰発現乃至は低発現と関連する症状または疾患の診断に用いることが可能であり、また、CG3842相同タンパク質、アゴニストまたは阻害剤で治療を受けている患者を監視するためのアッセイに用いることも可能である。診断目的に有用な抗体は、上記の治療のために記載した方法と同様の態様で調製することが可能である。CG3842相同タンパク質の診断アッセイには、抗体及び標識を利用してヒトの体液において或いは細胞や組織のエキスにおいてCG3842相同タンパク質を検出する方法が含まれる。抗体は、その修飾の有無に拘わらず使用することが可能であり、その抗体を共有的または非共有的のいずれかでレポーター分子と結合することによって標識化することが可能である。当分野で周知の種々のレポーター分子を用いることが可能であり、そのさまざまなレポーター分子を上述した。
CG3842相同タンパク質を測定するためのELISA、RIA、およびFACSを始めとする種々のプロトコルは、当分野では周知であり、そしてCG3842相同タンパク質発現の変更値または異常値を診断する基準を提供する。CG3842相同タンパク質発現の正常値または標準値は、正常な哺乳動物、望ましくはヒトから採取した体液または細胞を、複合体の形成に適した条件下でCG3842相同タンパク質に対する抗体と結合させて確定する。標準複合体の形成量は、種々の方法によって定量化することが可能であるが、測光的方法を用いることが望ましい。例えば生検組織から取り出した対照試料および疾患試料に発現したCG3842相同タンパク質の量を標準値と比較する。標準値と被験体値の偏差は、疾患を診断するためのパラメータを樹立する。
本発明の別の実施例によれば、CG3842相同タンパク質に特異的なポリヌクレオチドは、診断目的に用いることが可能である。使用可能なポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列、アンチセンスRNA分子とDNA分子、およびPNAが含まれる。ポリヌクレオチドを用いて、CG3842相同タンパク質の発現と相関関係にあり得る生検組織内の遺伝子発現を検出し、定量化することができる。診断アッセイを用いて、CG3842相同タンパク質の不在、存在および過剰発現間の差異を区別すること、および治療介入中にCG3842相同タンパク質レベルの調節を監視することができる。
一実施形態によれば、緊密に関連する分子であるCG3842相同タンパク質をコードするゲノム配列を含むポリヌクレオチド配列を検出することが可能なPCRプローブを用いたハイブリダイゼーションを用いて、CG3842相同タンパク質をコードする核酸配列を同定することができる。プローブがCG3842相同タンパク質、対立遺伝子、または関連配列をコードする天然の配列のみを同定するかどうかは、そのプローブの特異性(高度に特異的な領域、例えば5'調節領域における独特のヌクレオチド、またはそれほど特異的ではない領域、例えば特に3'コード領域のいずれの領域から作られているかの拘らない)、およびそのハイブリダイゼーションまたは増幅(最大、高、中、低)の厳密性によって確定される。また、プローブは、関連配列の検出に用いることも可能であり、配列をコードする任意のCG3842相同タンパク質から取り出したヌクレオチドを少なくとも50%を含んでいることが望ましい。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、DNAまたはRNAのいずれであっても良いし、また、ショウジョウバエタンパク質(GadFlyアクセッション番号CG3842)またはヒトの相同タンパク質をコードする核酸の核酸配列から成るポリヌクレオチドのヌクレオチド配列に由来しても良いし、または天然CG3842相同タンパク質のプロモーター、エンハンサーエレメント、およびイントロンを始めとするゲノム配列由来であっても良い。CG3842相同タンパク質をコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブ産生の手段には、CG3842相同タンパク質または誘導体をmRNAプローブの産生のベクターにコードする核酸配列のクローニングが含まれる。当分野で周知であり、かつ市販されている該ベクターを用いて、適切なRNAポリメラーゼと適切に標識されたヌクレオチドを追加することによって、生体外RNAプローブを合成することができる。ハイブリダイゼーションプローブは、種々のレポーター集団によって標識することができ、その例としては32Pまたは35S等の放射性核種、またはアビジン結合系やビオチン結合系を介してプローブに結合されたアルカリホスファターゼ等の酵素標識等が挙げられる。
CG3842相同タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、CG3842相同タンパク質の発現に関連する状態または疾患の診断のために使用することが可能である。そのような状態または疾患の例には、肥満症および糖尿病を始めとする代謝疾患および障害が含まれるが、それらに限定されるものではない。CG3842相同タンパク質に特異的なポリヌクレオチド配列を用いて、糖尿病を始めとする代謝疾患および障害に対して治療を受けている患者の進歩状況を監視することができる。CG3842相同タンパク質に特異的なポリヌクレオチド配列は、変性CG3842相同タンパク質の発現を検出するために患者の生検から採取した体液または組織を利用して、サザン法、ノーザン法、ドットブロット法またはその他の膜ベースの技術、およびPCR法、またはディップスティック法、ピンアッセイ、ELISAアッセイまたはチップアッセイにおいて使用することが可能である。このような定性的または定量的方法は当分野で周知である。
特定の実施形態では、CG3842相同タンパク質に特異的なヌクレオチド配列は、肥満症のようなさまざまな代謝疾患、同様に代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎、および胆石症のような関連障害の活性または誘発を検出するアッセイにおいて有用であり得る。CG3842相同タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、標準的な方法で標識化し、ハイブリダイゼーション複合体の形成に好適な条件下で患者から採取した体液或いは組織の試料に加えることが可能である。好適なインキュベーション期間の後には、その試料を洗浄し、そしてそのシグナルを定量化して標準値と比較する。その試料におけるCG3842相同タンパク質をコードするヌクレオチド配列の変更値の存在は、関連疾病の存在を示すものである。また、このようなアッセイを用いて、動物実験、臨床試験、または個々の患者の治療監視において、特定の治療上療法の有効性を評価することも可能である。
CG3842相同タンパク質の発現に関連する疾患の診断基準を提供するため、発現の標準プロファイルまたは基準プロファイルを確定する。これを達成するには、ハイブリダイゼーション或いは増幅に好適な条件下で、動物或いはヒトのいずれかの正常な被験体から取り出した体液或いは細胞抽出物と、CG3842相同体タンパク質をコードする配列或いはその断片とを結合させることができる。標準ハイブリダイゼーションの定量化は、正常な被験体から得た値を、既知量の十分に精製したポリヌクレオチドを使用する実験から得た値に対して比較することによって行なうことができる。正常試料から得た標準値は、疾患の徴候を示す患者から得た試料から得た値と比較することが可能である。標準値と被検者値間の偏差を用いて疾病の存在を確定する。ひとたび疾患の存在を樹立して、治療プロトコルを開始した時点では、患者の発現レベルが正常患者において観察されるレベルに近づき始めるかどうかを評価するために、ハイブリダイゼーションアッセイを定期的に繰り返すことが可能である。連続アッセイから得た結果を用いて、数日〜数ヶ月の期間にわたる治療効果を明らかにすることができる。
代謝疾患(代謝症候群)に関しては、個体から取り出した生検組織における比較的に多量の転写物の存在によって、疾患の発生に対する素因を示され得るか、または実際に臨床的症状が現れる前に疾患を検知する手段が提供され得る。この種のより一層信頼のおける診断により、医療の専門家が予防措置または積極的な早期治療を施し、膵臓の疾病および障害の発生またはさらなる進行を防止することが可能となる。CG3842相同体タンパク質をコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断用途には、PCRの利用が伴い得る。このオリゴマーは、化学的に合成しても良いし、酵素的に作成するか、または組換えソースから作り出しても良い。オリゴマーは望ましくは2つのヌクレオチド配列から構成され、1つはセンス方向、他の1つはアンチセンス方向で、特異的な遺伝子または条件を識別するために最適化された条件下で用いられる。オリゴマーのネスト化したセット、または縮重オリゴマーの集積である2つの同一オリゴマーを、あまりストリンジェントでない条件下で用いて、緊密に関連したDNA配列またはRNA配列の検出あるいは(または)定量化を行なうことができる。
また、CG3842相同体タンパク質の発現を定量するために用い得る方法には、放射標識またはビオチン標識ヌクレオチド、対照核酸の相互増幅、および実験結果を補間した標準曲線などが挙げられる(Melby, P. C. らの(1993) J. Immunol. Methods, 159:235-244; Duplaa, C. らの(1993) Anal. Biochem. 212:229-236)。複数試料の定量化速度は、目的のオリゴマーが種々の希釈液中に存在し、そして分光光度法または非色応答が迅速な定量に関与するような状態にあるELSA形態のアッセイを実行することによって加速し得る。
また、本発明の別の実施例では、CG3842相同体タンパク質をコードする核酸配列を用いて、天然のゲノム配列をマッピングするのに有効なハイブリダイゼーションプローブを作成することもできる。その配列は、特定の染色体にマッピングするか、または周知の方法を用いて染色体の特異的な領域にマッピングすることが可能である。このような技術には、FISH、FACS、または酵母人工染色体、細菌人工染色体、細菌P1構築または単一染色体cDNAライブラリのような人工染色構造があり、Price, C. M. (1993) Blood Rev. 7:127-134,およびTrask, B.J. (1991) Trends Genet. 7:149-154. FISH (Vermaらによって記述されているとおり、(1988) Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York, N.Y.)などの文献で論評されているように、他の物理的染色体のマッピング技術および遺伝地図データと相関させることが可能である。遺伝地図データの例は、1994 Genome Issue of Science (265:1981f)にある。物理的染色体地図上のCG3842をコードする遺伝子の位置と、特異的な疾患または特異的な疾患に対する素因との間の相関性は、その遺伝子病に関連するDNA領域範囲を定めるのに役立ち得る。
相同体タンパク質のヌクレオチド配列を用いて、健常者、保有者、または感染者の三者間における遺伝子配列の相違を検出することができる。確定した染色体マーカーを用いた、染色体標本および連鎖解析のような物理的なマッピング技術の原位置ハイブリッド形成法を用いて、遺伝地図を拡張することができる。マウスのような別の哺乳動物種の染色体上への遺伝子の配置は、多くの場合、特定のヒト染色体の数またはアームが未知の場合でさえも、関連するマーカーを明らかにすることが可能である。新配列は、物理的マッピングによって、染色体アーム、またはその部分に指定することができる。これによって、位置クローニングまたは他の遺伝子発見技術を用いて疾病遺伝子を探索する研究者にとって貴重な情報が提供される。一旦疾患または症候群が、特定のゲノム領域への遺伝子連鎖、例えばAT〜11q22-23 (Gatti, R.A.らの(1988) Nature 336:577-580)によって大まかに位置決めがされると、その領域にマッピングする全ての配列は、さらなる研究のための関連遺伝子または調節遺伝子に相当し得る。また、本発明のヌクレオチド配列を用いて、転座、反転などに起因する、健常者、保有者、感染者の三者間における染色体位置の相違を検出することもできる。
本発明の別の実施例によれば、CG3842相同体タンパク質、それらの触媒断片または免疫抗原断片またはそのオリゴペプチド、試験管内モデル、遺伝子操作を受けた細胞、または動物を用いて、任意の薬剤スクリーニング技術で化合物のライブラリをスクリーニングすることができる。
1つ以上の本発明のタンパク質の作用に結合、乃至は該作用を調節または模倣するエフェクター、例えば受容体、酵素、タンパク質、リガンドまたは基質を同定することができる。そようなスクリーニングに用いるタンパク質またはその断片は、溶液中に遊離していても、固体支持物に付着していても、細胞表面上にあっても、または細胞内に位置していても良い。CG3842相同体タンパク質と検査する薬剤による結合複合体の形成は測定し得る。また、本発明のタンパク質の活性は、薬剤によって直接的または間接的に影響され得る。直接的な影響の機構は、例えば、限定するものではないが、基質または補助因子の認識、結合および変換のいずれかとの薬剤干渉であり得る。例えば、脱水素酵素活性は、遺伝子組換えによって発現および精製したCG3842相同体タンパク質またはその断片を用いて、試験管内で測定し得る。
例えば、本発明のタンパク質のオキシドレダクターゼ活性の試験管内測定は、トリチウム化したステロイド、例えば、限定するものではないが、ジヒドロ検査ステロン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルドステロン、アンドロステロン、アロプレグナノロン,または3-アンドロスタンジオールを用いて実施することができる。その反応は、補助因子NADP+/NAD+の存在下では酸化方向に駆動することができ、あるいはNADPH/NADHの存在下では還元方向に駆動することができる。反応産物は、シリカゲルTLCプレート上で抽出および分析できる。あるいは、レチノイド基質、すなわち、レチノイドのオールトランスおよびシス異性体は、オキシドレダクターゼ基質として使用することができ、そして産物作成は、HPLC分離のような当分野で周知の手順で分析することができる(Kedishvili らの(2002)、J. Biol. Chem.277 (No. 32)、28909-28915)。本発明の別の実施例によれば、酵素のオキシドレダクターゼ活性は、NADPHまたはNADHからNADP+またはNAD+へのそれぞれ変換(逆方向の変換も同様)によって、蛍光の変化を追跡することによって監視できる。
加えて、その生理的基質またはその誘導体に対するCG3842相同体タンパク質の活性は細胞ベースアッセイにおいて測定することができる。また、薬剤は、リン酸化および脱リン酸化、ファルネシル化、パルミトイル化、アセチル化、アルキル化、ユビキチン結合、蛋白分解性処理、細胞内局在性および劣化のようなタンパク質の翻訳後の修飾を妨害し得る。その上、薬剤は、本発明のタンパク質の二量体化またはオリゴマー形成に影響を及ぼすか、または異種態様で、他のタンパク質、例えば、限定するものではないが、ドッキングタンパク質、酵素、受容体、または翻訳因子を備えた本発明のタンパク質の二量体化またはオリゴマー形成に影響を及ぼすことができる。また、薬剤は、本発明のタンパク質の、タンパク質機能、例えば、限定するものではないが、タンパク質下流のシグナル伝達に必要とされる他のタンパク質との物理的相互作用に影響を与えることができる。
タンパク質間の相互作用を判定するための方法は当分野で周知である。例えば、タンパク質と相互作用するCG3842相同体タンパク質(またはその逆も同様)由来の蛍光標識されたペプチドの結合は、分極の変化によって検出することができる。両結合パートナー(完全長タンパク質またはその断片のいずれでもよい)が蛍光標識されている場合、結合は一つの蛍光色素から他の蛍光色素への蛍光エネルギー移動(FRET)によって検出することができる。加えて、種々の市販されている、タンパク質間の相互作用を検出するために好適なアッセイ原理は、当分野で周知であり、例えば、限定するものではないがAlphaScreen(PerkinElmer 社)またはAmersham社によるシンチレーション近接測定法(SPA)が提供されている。 あるいは、CG3842相同体タンパク質の細胞タンパク質との相互作用は、両タンパク質が蛍光標識され、そして両タンパク質の相互作用を、例えば、限定するものではないが、「セロミクス」またはEvotecOAIによって作り出された細胞画像処理読取装置を用いて両タンパク質に共通する転位置を分析して検出できるスクリーニングアッセイのための細胞ベース基準であり得る。すべての事例においては、2以上の結合パートナーは異なるタンパク質であって良く、その1つはCG3842相同体タンパク質、または二量体化および(または)オリゴマー形成の場合にはCG3842相同体タンパク質自体であっても良い。対象となる一つの標的機構(一つのみとは限らない)がそのようなタンパク質/タンパク質相互作用であるCG3842相同体タンパク質は、無名のヒトタンパク質BAB70811およびヒトPSDR1であろう。
特に興味深いのは、哺乳動物の細胞に対して低毒性を有する薬剤のスクリーニングアッセイである。本明細書中で使用した用語「薬剤」は、1つ以上の本発明のタンパク質の生理機能を改変または模倣する能力を有する任意の分子、例えばタンパク質または医薬品である。候補薬剤は、典型的には有機分子であり、望ましくは50〜約2,500ドルトンの分子量を有する小有機化合物であるが、幾多の化学的クラスを包含する。候補薬剤には、タンパク質、特に水素結合との構造上の相互作用に必要な機能グループが含まれ、そして典型的には少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基、望ましくは少なくとも2つの機能化学グループが含まれる。候補薬剤には、多くの場合、炭素環式構造または複素環式構造、および(または)1つ以上の上記機能グループと置換された芳香族構造またはポリ芳香族構造が包含される。
候補薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、核酸および誘導体、構造上の類似体またはその組み合わせを含んだ生体分子間に見出される。候補薬剤は、合成化合物または天然化合物のライブラリを始めとするさまざまな原料から取得する。例えば、任意に抽出されたオリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現を始めとして、さまざまな有機化合物および生体分子のランダム合成および直接合成のための多くの手段が提供されている。或いは、細菌、真菌、植物、および動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリは入手可能であるか、または容易に作り出すことができる。その上、従来の化学的、物理的、および生化学的な手段を介して、天然または合成的に作り出したライブラリおよび化合物は容易に修飾でき、それらを用いて組み合わせライブラリを作り出すことが可能である。アシル化、アルキル化、エステル化、アミジン化(amidification)などのような公知の薬剤は、構造上の類似体を作り出すために、有向またはランダムな化学的修飾の対象となり得る。スクリーニングアッセイが結合実験である場合、1つ以上の分子が標識に結合することが可能であり、その標識は直接的または間接的に検出可能な信号を提供する。
使用可能な別の薬剤スクリーニング技術は、PCT出願公開番号WO84/03564に記載されているように、目的タンパク質に対して好適な結合親和性を有する化合物の高処理能力スクリーニングを提供する。この方法においては、CG3842相同体タンパク質に適用したように、多数の異なる小試験化合物をプラスチックピンまたはその他の表面上等の固体基質上で合成する。試験化合物は、CG3842相同体タンパク質またはその断片と反応させ、そして洗浄した。次に、結合したCG3842相同体タンパク質を当分野で周知の方法で検出した。また、精製したCG3842相同体タンパク質は、前記の薬剤スクリーニング技術で使用するプレート上で直接被覆することもできる。あるいは、非中和抗体を用いてペプチドを捕捉し、ペプチドを固体支持物上に固定することもできる。別の実施例では、CG3842相同体タンパク質を結合する能力をもつ中和抗体がCG3842相同体タンパク質を結合するための試験化合物と特異的に競合するような、競合薬スクリーニングアッセイを用いることができる。この方法では、抗体を用いて、CG3842相同体タンパク質と1つ以上の抗原決定因子を共有する全てのペプチドの存在を検出することができる。別の実施例では、CG3842相同体タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、その新規技術が既知のヌクレオチド配列の特性、例えば、限定するものではないが、トリプレット遺伝暗号および特異的塩基対の相互作用などを含む特性に依存する限り、今後開発される任意の分子生物学技術においても使用することが可能である。
本発明のタンパク質をコードする核酸を用いて遺伝子導入細胞株および動物を作成することができる。これらの遺伝子導入非ヒト動物は、本発明生体外のタンパク質の機能および調節の研究において有用である。遺伝子導入動物、特に哺乳動物の遺伝子導入動物は、ヒトに共通する多くの発生プロセスおよび細胞プロセスの検討のためのモデル系として役立つことができる。代謝障害を有する種々の非ヒトモデルを用いて、本発明のタンパク質の修飾因子を検査することができる。本発明のタンパク質の異所性発現(例えば過剰発現または発現の欠如)、特定の摂食条件、および(または)生物学的活性化合物の投与により、代謝障害のモデルを作ることができる。
本発明の一実施例によれば、そのようなアッセイでは、レプチン経路遺伝子においてノックアウトを保有しているマウスのようなインスリン耐性および(または)糖尿病のマウスモデルが使用される(例えば、ob (レプチン)またはdb (レプチン受容体)マウス)。糖尿病の典型的な症状を呈するそのようなマウスは、肝脂質蓄積を示し、そして高い頻度で血漿脂質値を増加した(Bruningらの1998、Mol.Cell.2:449-569を参照)。感受性の野生型マウス(例えばC57Bl/6)は、高脂肪食を与えた場合、類似の症状を示す。そのようなマウス菌株における本発明のタンパク質の発現の検査に加えて(実施例を参照)、これらのマウス用いて、候補修飾因子の投与が例えば肝臓、血漿、または脂肪組織における脂質蓄積を改変するかどうかを、FPLC、比色法、血糖値検査、インスリン耐性検査などのような当技術分野で周知の標準アッセイを用いて検査することもできる。
遺伝子導入動物は、本発明のタンパク質をコードする遺伝子の正常な遺伝子座が突然変異する場合、胚幹細胞における相同組換えを介して作ることが可能である。別法としては、タンパク質をコードする核酸構成物を卵母細胞に注入し、ゲノムにランダムに統合する。また、本発明の遺伝子またはその変異体を、通常には発現されないか、または異常発生するような場所に発現することもあり得る。さらには、アンチセンス分子を発現する特異的な構成物または本発明のタンパク質の発現を阻止または改変する優性阻害突然変異の発現のような本発明の遺伝子の変異体は、ランダムにゲノムに統合することが可能である。本発明の遺伝子発現の上方制御が表現型の容易に検出可能な変化を結果としてもたらすlac Zまたはルシフェラーゼのような検出可能なマーカーは、本発明遺伝子の遺伝子座に導入することが可能である。安定した統合のベクターには、プラスミド、レトロウィルスおよびその他の動物ウィルス、酵母菌人工染色体(YACs)などが含まれる。相同組換えDNA構成物には、少なくとも所望の遺伝子組換えをした本発明の遺伝子の一部が含まれ、そして標的遺伝子座に対する相同領域が含まれるであろう。都合よく、ポジティブ選択およびネガティブ選択用のマーカーを含む。ランダム統合のためのDNA構成物には、組換えを仲介するための相同領域が含まれる必要はない。ランダム統合のためのDNA構成物には、本発明のタンパク質、調節エレメント(プロモーター)、イントロンおよびポリアデニル化信号をコードする核酸から成る。相同組換えを通して標的遺伝子修飾を有する細胞を作成する方法は本分野で周知である。胚FoR胚 幹 (ES)細胞、an ES 細胞株 利用して〜することが可能である。または胚 細胞 maybe obtaineD新たにから取り出した 宿主、例えばマウス、ラット、モルモット、etc. そのような細胞 are 増殖 on an 適切 fibroblast-feedeR層 およびare で育てた が存在する白血病抑制因子 (抑制因子)。ES細胞または胚細胞は形質移入することが可能であり、それらを用いて遺伝子導入動物を作り出すことができる。形質移入後、ES細胞を適切な培地の支持細胞層上にプレーティングする。その構成物を含んでいる細胞は、選択培地を用いることによって選択することが可能である。コロニーを十分な時間をかけて増殖した後、コロニーを摘出し、相同組換えの発生率を分析する。陽性反応を示すコロニーは、後の胚操作および桑実胚凝集に用いることが可能である。つまり、桑実胚を4〜6週間目の過排卵メスから取得し、透明帯を除去し、桑実胚を組織培養皿の小凹部に入れる。ES細胞をトリプシン処理し、そしてその修飾細胞は桑実胚に密接して凹部に置く。次の日には、凝集体を偽妊娠のメスの子宮角に移す。次に、メスに出産させる。キメラの子孫は、外殻の変化によって容易に検出することができ、引き続いて突然変異の次世代への伝達のためにスクリーニングする(F1世代)。F1-世代の子孫を修飾遺伝子の存在に対してスクリーニングし、修飾したオスおよびメスを交尾させ、ホモ接合の子孫を作り出す。その遺伝子改変が成長の過程における死亡率の原因となる場合には、組織または器官は、同種間移植用または類遺伝子性移植用、または生体外培養用として維持することができる。遺伝子導入動物は、実験動物、家畜など、例えばマウス、ラット、モルモット、ヒツジ、ウシ、ブタなどのような任意の非ヒト哺乳動物であり得る。遺伝子導入動物は、機能的研究、薬物スクリーニングおよび他の用途において用いることが可能であり、そして試験管内における本発明タンパク質の機能および調節の研究に有用である。
また、最終的に、本発明は少なくとも下記の1つから成るキットに関するものである。
(a) SCAD核酸分子またはその断片;
(b) (a)の核酸をから成るベクター;
(c) (a)の核酸または(b)のベクターから成る宿主細胞;
(d) (a)の核酸によってコードされたポリペプチド;
(e) (a)の核酸によってコードされた融合ポリペプチド;
(f) (a)の核酸または(d)または(e)のポリペプチドに対する抗体、アプタマーまたは別の受容体および
(g) (a)の核酸の抗センスオリゴヌクレオチド。
(a) SCAD核酸分子またはその断片;
(b) (a)の核酸をから成るベクター;
(c) (a)の核酸または(b)のベクターから成る宿主細胞;
(d) (a)の核酸によってコードされたポリペプチド;
(e) (a)の核酸によってコードされた融合ポリペプチド;
(f) (a)の核酸または(d)または(e)のポリペプチドに対する抗体、アプタマーまたは別の受容体および
(g) (a)の核酸の抗センスオリゴヌクレオチド。
本キットは、上述のように、診断用または治療用またはスクリーニング用に使用することが可能である。本キットには、さらに取扱説明書が含まれ得る。
各図は下記を示す:
図1は、Pベクター(「TG010419、n=60」と呼ばれるゲノムの他の部分にあるこれらベクター統合を有する対照と比較して)の統合によって引き起こされるPX2287.1ハエ(「2287.1」と呼ぶ)の中性脂肪含有量の増加を示す。
図1は、Pベクター(「TG010419、n=60」と呼ばれるゲノムの他の部分にあるこれらベクター統合を有する対照と比較して)の統合によって引き起こされるPX2287.1ハエ(「2287.1」と呼ぶ)の中性脂肪含有量の増加を示す。
図2は、Gadflyアクセッション番号CG3842の変異型遺伝子座の分子構造を示す。
図3は、ヒトの相同性の最良マッチ(被検体)を有するGadflyアクセッション番号CG3842 (クエリー)のBLASTP検索結果 を示す。
図3Aは、GenBankアクセッション番号XP_085058.1(識別標識番号2)を有するヒトの無名タンパク質に対する相同性を示す。
図3Bは、ヒトPAN2タンパク質(GenBankアクセッション番号NP_065956.1)に対する相同性を示す。
図3Cは、ヒトCGI-82タンパク質(GenBankアクセッション番号NP_057110.1、識別標識番号4)に対する相同性を示す。
図4は、ヒトCGI-82(アクセッション番号NP_057110、識別標識番号4)、ヒトXP_085058 (識別標識番号2)、ショウジョウバエGadFlyアクセッション番号CG3842、およびヒトPAN2(アクセッション番号NP_065956)のタンパク質配列を含有するClustal X (1.81)複数配列アライメント分析を示す。
図5は本発明のヒト配列を示す。
図5A. ヒトの無名タンパク質XP_085058 (本明細書中では DG21-1とも呼ぶ) (識別標識番号1; GenBankアクセッション番号XM_085058)の核酸配列を示す。
図5B. 無名ヒトタンパク質XP_085058 (識別標識番号2; GenBankアクセッション番号XP_085058)のアミノ酸配列を示す。
図5C. ヒトCGI-82(本明細書中ではDG21-2またはPSDR1とも呼ぶ) (識別標識番号3; GenBankアクセッション番号NM_016026)の核酸配列を示す。
図5D. ヒトCGI-82(本明細書中ではDG21-2またはPSDR1とも呼ぶ) (識別標識番号4; GenBankアクセッション番号NP_057110)のアミノ酸配列を示す。
図6. 哺乳動物の組織における無名タンパク質(DG21-1)の発現。相対RNA発現はX軸上に示した。図6A、6B、および6Cにおいて、検査した組織をX軸上に表した。「WAT」は白色脂肪組織を参照し、「BAT」は茶色脂肪組織を参照する。図6D、6E、および6Fにおいて、X軸は時間軸に相当する。「d0」は第0(ゼロ)日目(実験開始日)を参照し、「d2」〜「d10」は脂肪細胞分化の第2日目目〜第10日目目を参照する。
図6A: 野生型マウス組織における無名タンパク質(DG21-1)のリアルタイムPCR分析。
図6B: 異なるマウスモデルにおける無名タンパク質(DG21-1)のリアルタイムPCR間接分析。
図6C: 異なるマウスモデルにおける無名タンパク質(DG21-1)のリアルタイムPCR間接分析(異なる食餌)。
図6D: 3T3-L1細胞の前脂肪細胞から成熟脂肪細胞への生体外分化中における無名タンパク質(DG21-1)発現のリアルタイムPCR間接分析。
図6E: 3T3-F442A細胞の前脂肪細胞から成熟脂肪細胞への生体外分化中における無名タンパク質(DG21-1)発現のリアルタイムPCR間接分析。
図6F: TA1細胞の前脂肪細胞から成熟脂肪細胞への生体外分化中における無名タンパク質(DG21-1)発現のリアルタイムPCR間接分析。
図7. 哺乳動物の組織におけるCGI-82 (DG21-2)の発現。
相対RNA発現はX軸上に示した。検査した組織はX軸上に示した。「WAT」は白色脂肪組織を参照し、「BAT」は茶色脂肪組織を参照する。
図7A: 野生型マウス組織におけるCGI-82 (DG21-2)のリアルタイムPCR分析。
図7B: 異なるマウスモデルにおけるCGI-82 (DG21-2)のリアルタイムPCR間接分析。
図7C: 異なるマウスモデルにおけるCGI-82 (DG21-2)のリアルタイムPCR間接分析(異なる食餌)。
図8は、無名タンパク質(DG21-1)またはCGI-82(DG21-2)を過剰発現する細胞におけるグリコーゲン、脂肪酸代謝および脂質合成の定量のための試験管内試験法を示す。
図8Aは、対照細胞と対比した、無名タンパク質(DG21-1)を過剰発現する細胞におけるグリコーゲンレベルの上昇を示す。
Y軸は、細胞のグリコーゲンレベル(μg/mgタンパク質)を示し、そしてX軸は細胞分化の日数を示す。
図8Bは、CGI-82(DG21-2)を過剰発現する細胞におけるグリコーゲンレベルが、対照細胞と対比して変化のないことを示す。
Y軸は、細胞のグリコーゲンレベル(μg/mgタンパク質)を示し、そしてX軸は細胞分化の日数を示す。
図8Cは、無名タンパク質(DG21-1)またはCGI-82(DG21-2)を過剰発現する細胞における遊離脂肪酸取り込みの上昇を示す。Y軸は遊離脂肪酸値を示す(mgタンパク質当りのDPMで示した)。
図8Dは、無名タンパク質(DG21-1)またはCGI-82(DG21-2)を過剰発現する細胞における遊離脂肪酸エステル化の減少を示す。Y軸は遊離脂肪酸値を示す(mgタンパク質当りのDPMで示した)。
図8Eは、インスリン刺激作用の有無にかかわらず、無名タンパク質(DG21-1)またはCGI-82(DG21-2)を過剰発現する細胞における脂質合成の上昇を示す。
Y軸は脂質合成を示す(mgタンパク質当りのDPMとして示した)。
この実施例は本発明を図解するものである。
実施例 1: エネルギー貯蔵代謝産物含有量の測定
変異体ハエは専売のハエ変異在庫コレクションから取得する。ハエは当業者であれば公知の標準条件下で増殖する。実験の過程で、追加の摂食としてベーカーの酵母菌(サッカロミセスセレビジエ)を与えた。ヘテロ接合の生存可能なPX2287.1統合においてトランスポゾンベクターを含んだショウジョウバエの中性脂肪含有量の平均増加を対照ハエと比較して検討した(図1)。中性脂肪含有量の定量のため、ハエを5分間90℃にて水溶性の緩衝液中において水浴を用いてインキュベートした後に熱抽出を行なった。さらなる5分間、90℃にてインキュベーションし、マイルドな遠心分離を行なった後、Sigma社の中性脂肪(INT 336-10または-20)アッセイを使用し、製造者のプロトコルに従って光学的な濃度における変化を測定することによって、ハエ抽出物の中性脂肪含有量を確定した。基準としてBIO-RAD DCタンパク質アッセイを使用し、製造者のプロトコルに従って同一抽出のタンパク質含有量を測定した。そのアッセイを数度繰返した。図1において、PXコレクションの全ハエの平均中性脂肪値を100%として示した。PX2287.1ホモ接合のハエは、対照よりも常に高い中性脂肪含有量を示す。ショウジョウバエPX2287.1ラインの中性脂肪含有量の平均増加は80%である(図1のコラム2)。つまり、PX2287.1ハエのEPベクターがホモ接合の生存可能な統合されている染色体X上のPX2287.1統合の遺伝子座における遺伝子活性の変化は、以上の点から、エネルギーを貯蔵する中性脂肪の代謝の変化の原因である。
変異体ハエは専売のハエ変異在庫コレクションから取得する。ハエは当業者であれば公知の標準条件下で増殖する。実験の過程で、追加の摂食としてベーカーの酵母菌(サッカロミセスセレビジエ)を与えた。ヘテロ接合の生存可能なPX2287.1統合においてトランスポゾンベクターを含んだショウジョウバエの中性脂肪含有量の平均増加を対照ハエと比較して検討した(図1)。中性脂肪含有量の定量のため、ハエを5分間90℃にて水溶性の緩衝液中において水浴を用いてインキュベートした後に熱抽出を行なった。さらなる5分間、90℃にてインキュベーションし、マイルドな遠心分離を行なった後、Sigma社の中性脂肪(INT 336-10または-20)アッセイを使用し、製造者のプロトコルに従って光学的な濃度における変化を測定することによって、ハエ抽出物の中性脂肪含有量を確定した。基準としてBIO-RAD DCタンパク質アッセイを使用し、製造者のプロトコルに従って同一抽出のタンパク質含有量を測定した。そのアッセイを数度繰返した。図1において、PXコレクションの全ハエの平均中性脂肪値を100%として示した。PX2287.1ホモ接合のハエは、対照よりも常に高い中性脂肪含有量を示す。ショウジョウバエPX2287.1ラインの中性脂肪含有量の平均増加は80%である(図1のコラム2)。つまり、PX2287.1ハエのEPベクターがホモ接合の生存可能な統合されている染色体X上のPX2287.1統合の遺伝子座における遺伝子活性の変化は、以上の点から、エネルギーを貯蔵する中性脂肪の代謝の変化の原因である。
実施例 2: 代謝制御に関連するショウジョウバエ遺伝子の同定
図2においては、ゲノムDNA配列を、PX2287.1ラインに対するベクター統合部位を含んだ中央の黒色の細線としてアセンブリによって表す(数字はゲノムDNAの塩基対の長さを表す)。転写したDNA配列(EST)および予測エキソンは2側面上にバーとして示した(センス鎖およびアンチセンス鎖)。cDNAの予測エキソンは濃灰色バーとして示し、そしてイントロンは薄灰色線として示した。GadFly配列分析プログラムによってGadFlyアクセッション番号CG3842として予測される遺伝子に対してコードする配列。それらの分離したゲノム配列を用いて、Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクト(GadFly)のような公共データベースをスクリーニングし、中性脂肪含有量の上昇を引き起こすCG3842のコード配列のPX2287.1ベクター542塩基対下流のホモ接合の生存可能な統合部位を確認した(統合部位は垂直の点線として示した)。以上の点から、アクセッション番号CG3842をコードするcDNAの発現は、PX2287.1ラインのベクターのホモ接合の生存可能な統合によって影響を受け、エネルギーを貯蔵する中性脂肪の増加をもたらす。
図2においては、ゲノムDNA配列を、PX2287.1ラインに対するベクター統合部位を含んだ中央の黒色の細線としてアセンブリによって表す(数字はゲノムDNAの塩基対の長さを表す)。転写したDNA配列(EST)および予測エキソンは2側面上にバーとして示した(センス鎖およびアンチセンス鎖)。cDNAの予測エキソンは濃灰色バーとして示し、そしてイントロンは薄灰色線として示した。GadFly配列分析プログラムによってGadFlyアクセッション番号CG3842として予測される遺伝子に対してコードする配列。それらの分離したゲノム配列を用いて、Berkeleyショウジョウバエゲノムプロジェクト(GadFly)のような公共データベースをスクリーニングし、中性脂肪含有量の上昇を引き起こすCG3842のコード配列のPX2287.1ベクター542塩基対下流のホモ接合の生存可能な統合部位を確認した(統合部位は垂直の点線として示した)。以上の点から、アクセッション番号CG3842をコードするcDNAの発現は、PX2287.1ラインのベクターのホモ接合の生存可能な統合によって影響を受け、エネルギーを貯蔵する中性脂肪の増加をもたらす。
実施例 3: ヒトCG3842相同体の同定
よって、CG3842相同タンパク質および核酸分子コードは、昆虫または脊椎動物各種、例えば、哺乳動物または鳥から入手可能である。それによってコードされた最も類似性を有するヒト核酸配列およびタンパク質は、公共GenBankデータベースを検索するBLASTアルゴリズムを用いて確定されている(図3を参照)。最も相同性を有するヒトタンパク質は、PAN2 (GenBankアクセッション番号NM_020905; 59%の相同性; 図3Bを参照)、ヒトCGI-82タンパク質(GenBankアクセッション番号NM_016026; 62%の相同性; 図3Cを参照)、およびGenBankアクセッション番号XM_085058 (64%の相同性; 図3Aを参照)を有する無名タンパク質である。
よって、CG3842相同タンパク質および核酸分子コードは、昆虫または脊椎動物各種、例えば、哺乳動物または鳥から入手可能である。それによってコードされた最も類似性を有するヒト核酸配列およびタンパク質は、公共GenBankデータベースを検索するBLASTアルゴリズムを用いて確定されている(図3を参照)。最も相同性を有するヒトタンパク質は、PAN2 (GenBankアクセッション番号NM_020905; 59%の相同性; 図3Bを参照)、ヒトCGI-82タンパク質(GenBankアクセッション番号NM_016026; 62%の相同性; 図3Cを参照)、およびGenBankアクセッション番号XM_085058 (64%の相同性; 図3Aを参照)を有する無名タンパク質である。
GenBankアクセッション番号XP_085058を有するadh-short領域の無名タンパク質を伴うショウジョウバエadh-short領域(例えばGadFlyアクセッション番号CG3842、アミノ酸73〜328)、ヒトCGI-82タンパク質(GenBankアクセッション番号NM_016026)、およびペアアライメントのヒトPAN2タンパク質(GenBankアクセッション番号NM_020905)の比較の結果を表1に示した。
表1. ショウジョウバエGadFlyアクセッション番号SCG3842、および近縁のヒトタンパク質の無名タンパク質XP_085058、CGI-82(PSDR1)、およびPAN2の演繹アミノ酸配列のfペアアライメントの結果。
ClustaW (1.81)複数配列アライメントは、上記の表1に記載したタンパク質のadh-short領域間で実施して、図4に示した。
実施例 4: 哺乳動物組織におけるポリペプチドの発現
哺乳動物の組織における本発明のタンパク質に対してコードするmRNAの発現を分析するため、さまざまなマウス菌株(望ましくは、標準モデル系における肥満症および糖尿病の研究であるマウス菌株RNA、C57Bl/6J、C57Bl/6J ob/obおよびC57Bl/KSdb/db)を、Harlan Winkelmann(33178 Borchen、Ger many)から購入し、一定の温度(望ましくは22℃)、湿度40パーセントおよび望ましくは14/10時間の明暗サイクル下に維持した。マウスには標準食を与えた(例えばssniff Spezialitaten有限責任会社、製品番号sniff M-Z V1126-000)。絶食実験(「絶食野生型マウス」)に関しては、野生型マウスを食物を与えずに水のみを適時に与えるだけで48時間飢えさしめた(例えばSchnetzler らのJ ClinInvest1993 Jul;92(1):272-80、MizunoらのProc Natl Acad Sci U SA1996 Apr 16;93(8):3434-8を参照)。動物は6〜8週間目に達した時点で屠殺した。動物組織は、当業者であれば公知の標準手順に従って分離し、液体窒素で簡易冷凍し、必要となるまで-80℃にて貯蔵した。
哺乳動物の組織における本発明のタンパク質に対してコードするmRNAの発現を分析するため、さまざまなマウス菌株(望ましくは、標準モデル系における肥満症および糖尿病の研究であるマウス菌株RNA、C57Bl/6J、C57Bl/6J ob/obおよびC57Bl/KSdb/db)を、Harlan Winkelmann(33178 Borchen、Ger many)から購入し、一定の温度(望ましくは22℃)、湿度40パーセントおよび望ましくは14/10時間の明暗サイクル下に維持した。マウスには標準食を与えた(例えばssniff Spezialitaten有限責任会社、製品番号sniff M-Z V1126-000)。絶食実験(「絶食野生型マウス」)に関しては、野生型マウスを食物を与えずに水のみを適時に与えるだけで48時間飢えさしめた(例えばSchnetzler らのJ ClinInvest1993 Jul;92(1):272-80、MizunoらのProc Natl Acad Sci U SA1996 Apr 16;93(8):3434-8を参照)。動物は6〜8週間目に達した時点で屠殺した。動物組織は、当業者であれば公知の標準手順に従って分離し、液体窒素で簡易冷凍し、必要となるまで-80℃にて貯蔵した。
本発明において開示した異なる哺乳動物培養細胞の前脂肪細胞から脂肪細胞への生体外分化におけるタンパク質の役割の分析するため、哺乳動物の線維芽細胞(3T3-L1) (例えば、Green& Kehinde、Cell 1: 113-116、1974)をAmer icanTissue Culture Collection(米国バージニア州ハナサスのATCC; ATCC- CL 173)から入手した。あるいは、哺乳動物の線維芽細胞TA1細胞株、T101/2マウス胚線維芽細胞(Chapman らの、1984、J Biol Chem259(24):15548-55)に由来するマウス前脂肪細胞ライン、または3T3-F442Aと呼ばれる3T3由来の細胞株を用いた。3T3-L1またはTA-1細胞は線維芽細胞として維持し、従来の技術に記述されたように脂肪細胞に分化した(例えばQiu.らのJ. Biol. Chem. 276:11988-95、2001; Slieker らのBBRC 251: 225-9、1998)。手短に言えば、細胞はDMEM/10% FCS (Invitrogen社、Karlsruhe、ドイツ)において50,000細胞/ウェルを6ウェル プラスチック皿に二通りにプレーティングし、5%の二酸化炭素、37℃の加湿環境において培養した。集密日(0日目: d0と定義した)に、細胞をDMEM/HamF12 (3:1; Invitrogen社)、フェチュイン(300マイクロg/ml; Sigma社、Munich、ドイツ)、トランスフェリン(2マイクロg/ml; Sigma社)、パントテン酸(17マイクロM; Sigma社)、ビオチン(1マイクロM; Sigma社)、およびEGF (0.8nM; Hoffmann-La Roche社、Basel、スイス)を含んだ無血清(SF)培地に移した。分化は、デキサメサゾン(DEX; 0.1μM; Sigma社)、3-メチル-イソブチル-1-メチルキサンチン(MIX; 0.5 mM; Sigma社)、およびウシインスリン(5μg/ml; Invitrogen社)を添加することによって4日間誘導した。集密日(d4)後の4日間は、分化が完了するまで、細胞をSF培地中に保持した。培地は48時間毎に変更し、そして好適な細胞のアリコットを取り込んだ。
RNA発現のTaqMan分析
RNAをTrizol試薬(例えば、ドイツ、KarlsruheのInvitrogen社製)を用いて、マウス組織または細胞の培養細胞から分離し、さらに、RNeasyキット(例えば、ドイツ、Qiagen社製)と共に、DNase-treatmentを使用し、製造者の指示に従って当業者であれば公知の方法で精製した。全RNAを逆転写(望ましくはドイツ、KarlsruheのInvitrogen社製のSuperscriptII RNaseH-逆転写酵素を用いる)し、望ましくはTaqman 2xPCR Master Mix (ドイツ、WeiterstadtのApplied Biosystems社; このミックスには、製造者によれば、例えばAmpliTaq ゴールドDNAポリメラーゼ、Amper ase UNG、dUTP を有するdNTP、Rox passive refer enceおよび最適化された緩衝液成分などが含まれている)を用いてTaqman分析をGeneAmp 5700配列検出システム(ドイツ、WeiterstadtのApplied Biosystems社製)上で行った。
RNAをTrizol試薬(例えば、ドイツ、KarlsruheのInvitrogen社製)を用いて、マウス組織または細胞の培養細胞から分離し、さらに、RNeasyキット(例えば、ドイツ、Qiagen社製)と共に、DNase-treatmentを使用し、製造者の指示に従って当業者であれば公知の方法で精製した。全RNAを逆転写(望ましくはドイツ、KarlsruheのInvitrogen社製のSuperscriptII RNaseH-逆転写酵素を用いる)し、望ましくはTaqman 2xPCR Master Mix (ドイツ、WeiterstadtのApplied Biosystems社; このミックスには、製造者によれば、例えばAmpliTaq ゴールドDNAポリメラーゼ、Amper ase UNG、dUTP を有するdNTP、Rox passive refer enceおよび最適化された緩衝液成分などが含まれている)を用いてTaqman分析をGeneAmp 5700配列検出システム(ドイツ、WeiterstadtのApplied Biosystems社製)上で行った。
TaqMan分析(マウスDG-21-1配列(ヒトの無名タンパク質XP_085058に対する相同体)用のGenBankアクセッション番号AK020927、マウスDG-21-2配列(ヒトタンパク質CGI-82に対する相同体)用のGenBankアクセッション番号AB030503)のために次のプライマー対/プローブ対を用いた:
マウスDG-21-1フォーワードプライマー(識別標識番号5): 5’- CAAGGGCCCGGAACAAG-3’;
マウスDG-21-1逆プライマー(識別標識番号6): 5’- TGGATTCCタグAAGCTCGCAG-3’;
マウスDG-21-1Taqmanプローブ(5/6-FAM)(識別標識番号7): AACAGCTGAGCGATTGTGGAACGTCA(5/6-TAMRA)
マウスDG-21-2フォーワードプライマー(識別標識番号8): 5’- AATCCAGGACTACATTTCCCAGAG-3’;
マウスDG-21-2逆プライマー(識別標識番号9): 5’- CCタグACACACCCCGGTTCA-3’;
マウスDG-21-2Taqmanプローブ(5/6-FAM)(識別標識番号10): CTTTGCTCCCTGGCGGTTGCAG (5/6-TAMRA)
発現プロファイル実験により、本発明のタンパク質の特定の関連性が哺乳動物細胞におけるエネルギー代謝の制御因子として確認される。Taqman分析により、本発明のタンパク質が、白色(WAT)および茶色(BAT)脂肪組織のような代謝活性組織を始めとする、異なるタイプの哺乳動物組織において偏在的に発現されることが明らかにされた。但し、図6Aに記述したように、DG21-1のmRNAは、野生型マウスにおける他のタイプの組織と比べ、主に脾臓、骨髄、肺、WATおよび筋肉組織において発現される(すい臓を基準組織として使用した)。また、DG21-2は、同様に偏在的に発現されるが、精巣において最も高い発現を示す(図7A)。
マウスDG-21-1フォーワードプライマー(識別標識番号5): 5’- CAAGGGCCCGGAACAAG-3’;
マウスDG-21-1逆プライマー(識別標識番号6): 5’- TGGATTCCタグAAGCTCGCAG-3’;
マウスDG-21-1Taqmanプローブ(5/6-FAM)(識別標識番号7): AACAGCTGAGCGATTGTGGAACGTCA(5/6-TAMRA)
マウスDG-21-2フォーワードプライマー(識別標識番号8): 5’- AATCCAGGACTACATTTCCCAGAG-3’;
マウスDG-21-2逆プライマー(識別標識番号9): 5’- CCタグACACACCCCGGTTCA-3’;
マウスDG-21-2Taqmanプローブ(5/6-FAM)(識別標識番号10): CTTTGCTCCCTGGCGGTTGCAG (5/6-TAMRA)
発現プロファイル実験により、本発明のタンパク質の特定の関連性が哺乳動物細胞におけるエネルギー代謝の制御因子として確認される。Taqman分析により、本発明のタンパク質が、白色(WAT)および茶色(BAT)脂肪組織のような代謝活性組織を始めとする、異なるタイプの哺乳動物組織において偏在的に発現されることが明らかにされた。但し、図6Aに記述したように、DG21-1のmRNAは、野生型マウスにおける他のタイプの組織と比べ、主に脾臓、骨髄、肺、WATおよび筋肉組織において発現される(すい臓を基準組織として使用した)。また、DG21-2は、同様に偏在的に発現されるが、精巣において最も高い発現を示す(図7A)。
さらに、発明者らは、本発明のタンパク質の遺伝子コードの転写が、絶食、高脂肪食(HFD)、または遺伝的に誘発される肥満症によって調節されることを本発明において明らかにする。本発明においては、本発明者らは、本発明のタンパク質の発現を研究するために、レプチン経路遺伝子においてノックアウトを保有しているマウスのようなインスリン耐性および(または)糖尿病のマウスモデルを使用した(例えば、ob (レプチン)またはdb (レプチン受容体/リガンド)マウス)。糖尿病の典型的な症状を呈するそのようなマウスは、肝脂質蓄積を示し、そして高い頻度で血漿脂質レベルを増加した(Bruningらの1998、Mol.Cell.2:449-569を参照)。
発明者らは、DG21-1(無名タンパク質)のmRNAが、野生型(wt)マウス(図6B)に比べ、絶食マウスのすい臓および代謝活性組織茶色脂肪組織(BAT)、および遺伝的に誘発された肥満マウス(ob-ob)のBATにおいて上方制御されること、そして高脂肪食(HFD)が与えられた場合(図6C)、糖尿病、脂質蓄積、および血漿脂質高値の症状を示す感受性野生型マウス(例えばC57Bl/6)のすい臓およびBATにおいても上方制御されることを本発明において見出した。DG-21-2(CGI-82=PSDR1に対する相同体)は、白色脂肪組織(WAT)においては、wtマウスに比べてob/obマウスの場合には、より積極的に上方制御され(図7B)、また、BATおよび筋肉においては、標準食を与えたマウスに比べてHFDを与えたマウスの場合には、より積極的に上方制御される(図7C)。
無名タンパク質XP_085058 (DG21-1)は、3T3-L1細胞の分化中(図6E)に著しく上方制御され(第6日目に35倍の上方制御)、同様に、3T3-F442A細胞(第4日目に60倍の上方制御) (図6D)およびTA1細胞(第12日目に30倍の上方制御) (図6Fを参照)においても著しく上方制御される。
生体外脂肪細胞分化中、無名タンパク質XP_085058 (DG-21-1)およびCGI-82(DG-21-2)の組織特定の制御とDG-21-1の制御は、本発明のタンパク質が、哺乳動物細胞における脂質作成と代謝の修飾因子であることを明らかに示す。
実施例 5: 本発明のタンパク質を過剰発現する細胞における試験管内試験法
肥満症は、個体の保存エネルギーと消費エネルギーの不均衡によって引き起こされる。哺乳動物細胞では、エネルギーは、主にグリコーゲンまたは中性脂肪としてエネルギー貯蔵代謝産物(ESM)によって保存される。グリコーゲンは、中性脂肪が長期的エネルギー消費のための燃料として使用されるのに対して、緊急のエネルギー必要性に対する迅速な応答として使われる。よって、本発明では、本発明のタンパク質を過剰発現する細胞におけるエネルギー貯蔵代謝産物のレベルを分析した。
肥満症は、個体の保存エネルギーと消費エネルギーの不均衡によって引き起こされる。哺乳動物細胞では、エネルギーは、主にグリコーゲンまたは中性脂肪としてエネルギー貯蔵代謝産物(ESM)によって保存される。グリコーゲンは、中性脂肪が長期的エネルギー消費のための燃料として使用されるのに対して、緊急のエネルギー必要性に対する迅速な応答として使われる。よって、本発明では、本発明のタンパク質を過剰発現する細胞におけるエネルギー貯蔵代謝産物のレベルを分析した。
前脂肪細胞のレトロウイルス性の感染
パッケージング細胞を、リン酸カルシウム法を用いて、本発明のタンパク質のマウス遺伝子コードおよび選択マーカーを保有するレトロウイルス性のプラスミドpLPCXで形質移入した。対照細胞は、導入遺伝子を保有しないpLPCXで感染せしめた。手短に、指数関数的に成長するパッケージング細胞を、形質移入の1日前に、2 mlのDMEM+10%FCSにおいて、6-ウェルあたり350,000細胞の密度で播種した。形質移入の10分前に、クロロキンを表面を覆う培地に直接添加した(25マイクロMの末端濃度)。250 μlの形質移入のための混合物は、5 μg のプラスミド-DNA(候補: ヘルパーウイルス、比率1:1)および250 mMの塩化カルシウム(CaCl2)から成り、15 mlのプラスチック管において調製した。同一容量の2 x HBS(280 μMのNaCl、50 μM のHEPES、1.5 mMのNa2HPO4、pH 7.06)を加えた後、気泡を混合物に15秒間注入した。形質移入混合物を滴下式でパッケージング細胞に添加および分布した後に、細胞を37℃にて、5%のCO2で6時間インキュベートした。細胞はPBSで洗浄した後、培地を6-ウェル当たり2 mlのDMEM+10%のCSと交換した。形質移入の1日後、細胞を再び洗浄し、6-ウェル当たり1mlのDMEM+10%のCS、32℃にて、5%のCO2において2日間(ウイルスコレクション)インキュベートした。さらに、その上澄みを0.45μmのセルロースアセテートフィルタを通してフィルターし、そしてポリブレン(末端濃度8μg/ml)を添加した。半密集状態における哺乳動物の線維芽細胞(3T3-L1)細胞を調製したウイルスを含んだ培地で覆った。感染した細胞を2μg/mlのピューロマイシンを用いて1週間選択した。その選択後、ウエスタンブロットおよび免疫蛍光を用いて細胞における導入遺伝子発現を確認した。過剰発現細胞を分化のために播種した。3T3-L1細胞は線維芽細胞として保ち、従来の技術および実施例8において記載されたように脂肪細胞に分化した。本発明で開示したタンパク質の役割を分析するため、ESM貯蔵、合成および輸送を定量するための試験管内試験法を実施した。
パッケージング細胞を、リン酸カルシウム法を用いて、本発明のタンパク質のマウス遺伝子コードおよび選択マーカーを保有するレトロウイルス性のプラスミドpLPCXで形質移入した。対照細胞は、導入遺伝子を保有しないpLPCXで感染せしめた。手短に、指数関数的に成長するパッケージング細胞を、形質移入の1日前に、2 mlのDMEM+10%FCSにおいて、6-ウェルあたり350,000細胞の密度で播種した。形質移入の10分前に、クロロキンを表面を覆う培地に直接添加した(25マイクロMの末端濃度)。250 μlの形質移入のための混合物は、5 μg のプラスミド-DNA(候補: ヘルパーウイルス、比率1:1)および250 mMの塩化カルシウム(CaCl2)から成り、15 mlのプラスチック管において調製した。同一容量の2 x HBS(280 μMのNaCl、50 μM のHEPES、1.5 mMのNa2HPO4、pH 7.06)を加えた後、気泡を混合物に15秒間注入した。形質移入混合物を滴下式でパッケージング細胞に添加および分布した後に、細胞を37℃にて、5%のCO2で6時間インキュベートした。細胞はPBSで洗浄した後、培地を6-ウェル当たり2 mlのDMEM+10%のCSと交換した。形質移入の1日後、細胞を再び洗浄し、6-ウェル当たり1mlのDMEM+10%のCS、32℃にて、5%のCO2において2日間(ウイルスコレクション)インキュベートした。さらに、その上澄みを0.45μmのセルロースアセテートフィルタを通してフィルターし、そしてポリブレン(末端濃度8μg/ml)を添加した。半密集状態における哺乳動物の線維芽細胞(3T3-L1)細胞を調製したウイルスを含んだ培地で覆った。感染した細胞を2μg/mlのピューロマイシンを用いて1週間選択した。その選択後、ウエスタンブロットおよび免疫蛍光を用いて細胞における導入遺伝子発現を確認した。過剰発現細胞を分化のために播種した。3T3-L1細胞は線維芽細胞として保ち、従来の技術および実施例8において記載されたように脂肪細胞に分化した。本発明で開示したタンパク質の役割を分析するため、ESM貯蔵、合成および輸送を定量するための試験管内試験法を実施した。
エネルギー貯蔵代謝物の分析のための細胞可溶化液の調製
集密日(d0)以来、細胞培地は48時間毎に変えた。下記の通り、細胞を培地交換の6時間後に採取した。 培地を収集し、PBSにおいて2回洗浄した600 μlのHB-緩衝剤(0.5% ポリオキシエチレン10トリデシルエタン(tridecylethan)、1mMのDTA、0.01MのNaH2PO4、pH 7.4)における溶解に先行して、細胞を2回洗浄した。70℃にて5分間の不活性化後、細胞可溶化液をBio 101系溶解マトリックスB (0.1mm シリカ ビーズ; Q-Biogene社、Carlsbad、USA)上で、2 x 45秒間、4.5 (Fastprep FP120、Bio 101Ther mosavant社、Holbrock、USA)の速度で攪拌することによって調製した。溶解細胞の上澄みを、3000 rpmにて2分間の遠心分離後に収集し、後の分析のため、-80℃にてアリコットに貯蔵した。
集密日(d0)以来、細胞培地は48時間毎に変えた。下記の通り、細胞を培地交換の6時間後に採取した。 培地を収集し、PBSにおいて2回洗浄した600 μlのHB-緩衝剤(0.5% ポリオキシエチレン10トリデシルエタン(tridecylethan)、1mMのDTA、0.01MのNaH2PO4、pH 7.4)における溶解に先行して、細胞を2回洗浄した。70℃にて5分間の不活性化後、細胞可溶化液をBio 101系溶解マトリックスB (0.1mm シリカ ビーズ; Q-Biogene社、Carlsbad、USA)上で、2 x 45秒間、4.5 (Fastprep FP120、Bio 101Ther mosavant社、Holbrock、USA)の速度で攪拌することによって調製した。溶解細胞の上澄みを、3000 rpmにて2分間の遠心分離後に収集し、後の分析のため、-80℃にてアリコットに貯蔵した。
脂質作成中の細胞のグリコーゲンレベルにおける変化
細胞可溶化液は、タンパク質およびグリコーゲン総含有量を96-ウェルプレートにおいて製造者の指示に従ってBio-Rad DCタンパク質アッセイ試薬(Bio-Rad社、Munich、ドイツ)およびHoffmann-LARoche社(Basel、スイス)からの酵素性でんぷんキットを用いて2通り分析した。 10-μLの試料を、20-μl アミログルコシダーゼ溶液を用いて15分間60℃にて、グリコーゲンをグルコースに消化するためインキュベートした。そのグルコースは、100 μlの蒸留水および100 μlの酵素補助因子緩衝剤および12 μlの酵素緩衝剤(ヘキソキナーゼおよびグルコースリン酸脱水素酵素)を用いてさらに代謝する。背景(基礎)血糖値は、アミログルコシダーゼを添加しない複製プレートから減算することによって決定する。最終吸光度は340 nmとした。HB-緩衝剤をブランクとして用い、そしてグリコーゲンの標準曲線(Hoffmann-LARoche社)を各アッセイの一部とした。試料中のグリコーゲン含有量は、標準曲線を用いて算出した。
細胞可溶化液は、タンパク質およびグリコーゲン総含有量を96-ウェルプレートにおいて製造者の指示に従ってBio-Rad DCタンパク質アッセイ試薬(Bio-Rad社、Munich、ドイツ)およびHoffmann-LARoche社(Basel、スイス)からの酵素性でんぷんキットを用いて2通り分析した。 10-μLの試料を、20-μl アミログルコシダーゼ溶液を用いて15分間60℃にて、グリコーゲンをグルコースに消化するためインキュベートした。そのグルコースは、100 μlの蒸留水および100 μlの酵素補助因子緩衝剤および12 μlの酵素緩衝剤(ヘキソキナーゼおよびグルコースリン酸脱水素酵素)を用いてさらに代謝する。背景(基礎)血糖値は、アミログルコシダーゼを添加しない複製プレートから減算することによって決定する。最終吸光度は340 nmとした。HB-緩衝剤をブランクとして用い、そしてグリコーゲンの標準曲線(Hoffmann-LARoche社)を各アッセイの一部とした。試料中のグリコーゲン含有量は、標準曲線を用いて算出した。
グルコースは細胞によって急速に取り込み、そしてグリコーゲン形態において貯蔵する。図8Aに示したように、このエネルギー貯蔵場所は主に細胞の代謝要求のために使用し、無名タンパク質XP_085058を過剰発現する分化した脂肪細胞において、脂質作成の間中に細胞のグリコーゲンレベルを増加した(6日目に開始、8日目に最大に増加し、12日目まで持続した)。無名タンパク質XP_085058の過剰発現の結果としてのグリコーゲンレベルのこの増加は、グルコース取り込みの上昇、グリコーゲン合成速度の増加、またはエネルギー消費の減少を反映することがあり得るので、代謝調節における無名タンパク質XP_085058役割を確認する。
脂質作成中の脂質の合成
脂質作成の末端段階中(d12)では、脂質を代謝する能力に関して細胞を分析した。脂質合成のため、Jensenらの(2000)の方法に対する修飾プロトコルを樹立した。細胞は、0.1%のFCSで補充したKrebs-Ringer -Bicarbonate-Hepes緩衝剤(KRBH; 134 nMのNaCl、3.5 mMのKCl、1.2 mMのKH2PO4、0.5mMのMgSO4、1.5 mMのCaCl2、5 mMのNaHCO3、10 mMのHepes、pH 7.4)における2.5時間、37℃にての血清飢餓に先行して、PBSで3回洗浄した。インスリン刺激脂質合成に関しては、細胞を1μMのウシインスリン(Sigma社; キャリア: 0.005NのHCl)で45分間、37℃にてインキュベートした。基礎脂質合成は、キャリアのみを用いて確定した。14C(U)-D-グルコース(NEN Life Sciences社) (1 μCi/ウェル/mlの最終活性における)を5mMのグルコースの存在下で30分間37℃にて添加した。背景放射能の算出のためには、25 μMのサイトカラシンB (Sigma社)を使用した。すべてのアッセイは、二通りのウェルにおいて実施した。反応を終結するため、細胞を氷のように冷たいPBSで3回洗浄し、1ml 0.1NのNaOHにおいて溶解した。各ウェルのタンパク質濃度は、標準Biuret方法(タンパク質アッセイ試薬; Bio-Rad社)を用いて評価した。全脂質は、Insta-Fluorシンチレーション反応混液(Packard Bioscience社)において一晩抽出後に水溶性の位相から分離し、継いでシンチレーションカウンティングを行った。
脂質作成の末端段階中(d12)では、脂質を代謝する能力に関して細胞を分析した。脂質合成のため、Jensenらの(2000)の方法に対する修飾プロトコルを樹立した。細胞は、0.1%のFCSで補充したKrebs-Ringer -Bicarbonate-Hepes緩衝剤(KRBH; 134 nMのNaCl、3.5 mMのKCl、1.2 mMのKH2PO4、0.5mMのMgSO4、1.5 mMのCaCl2、5 mMのNaHCO3、10 mMのHepes、pH 7.4)における2.5時間、37℃にての血清飢餓に先行して、PBSで3回洗浄した。インスリン刺激脂質合成に関しては、細胞を1μMのウシインスリン(Sigma社; キャリア: 0.005NのHCl)で45分間、37℃にてインキュベートした。基礎脂質合成は、キャリアのみを用いて確定した。14C(U)-D-グルコース(NEN Life Sciences社) (1 μCi/ウェル/mlの最終活性における)を5mMのグルコースの存在下で30分間37℃にて添加した。背景放射能の算出のためには、25 μMのサイトカラシンB (Sigma社)を使用した。すべてのアッセイは、二通りのウェルにおいて実施した。反応を終結するため、細胞を氷のように冷たいPBSで3回洗浄し、1ml 0.1NのNaOHにおいて溶解した。各ウェルのタンパク質濃度は、標準Biuret方法(タンパク質アッセイ試薬; Bio-Rad社)を用いて評価した。全脂質は、Insta-Fluorシンチレーション反応混液(Packard Bioscience社)において一晩抽出後に水溶性の位相から分離し、継いでシンチレーションカウンティングを行った。
発明者らは、無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞が、外来性グルコースから取り出した脂質の合成において一層有効であることを本発明において明らかにする。その結果、無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞のインスリン刺激による脂質合成量も、対照細胞に比較すると、脂質作成の第12日目で一層高くなる(図8E)。分化と同一日には、細胞を過剰発現するCGI-82の脂質合成は、対照細胞と同じようにインスリンによって刺激することができない(図8E)。無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞における外来性グルコースから取り出した脂質合成量の増加は、対照細胞と比べて、これらの細胞の脂質合成に関与する酵素の活性化を実証する。
脂質作成中の遊離脂肪酸の輸送および代謝(図8C)
脂質作成(d12)の末端段階中、細胞の長鎖脂肪酸を血漿膜全域に輸送する能力を分析した。脂肪酸の細胞輸送のため、Abumradらの(1991) ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1991: 88; 6008-12)の方法に対する修飾プロトコルを樹立した。要約すれば、血清飢餓に先行して、細胞をPBSで3回洗浄した。これに継いで、0.1%のFCSで補充したKRBH緩衝剤において、2.5時間、37℃にてインキュベートした。外来性遊離脂肪酸の取り込みは、非放射性のオレイン酸および5 mMのグルコース存在下で、1μCi/ウェル/mlの最終活性において血清アルブミンに対して複合型の(3H)オレイン酸(NEnLife Sciences社)を含んだ同位体の培地の追加により、30分間、室温(RT)にて開始した。血漿膜全域で能動輸送(AT)の不在下における、受動拡散(PD)を算出するため、グルコース遊離培地(Sigma社)における20 mMのフロレチンを30分間、室温(RT)にて添加した。すべてのアッセイは、3通りのウェルにおいて実施した。能動輸送を終結するため、グルコース遊離培地における20 mMのフロレチンを細胞に添加した。細胞を1ml 0.1NのNaOHに溶解し、そして標準Biuret方法(タンパク質アッセイ試薬; Bio-Rad社)を用いて各ウェルのタンパク質濃度を評価した。エステル型の脂肪酸は、Insta-Fluorシンチレーション反応混液(Packard Bioscience社)において一晩抽出を用いて遊離脂肪酸から分離し、継いで、シンチレーションカウンティングを行った。
脂質作成(d12)の末端段階中、細胞の長鎖脂肪酸を血漿膜全域に輸送する能力を分析した。脂肪酸の細胞輸送のため、Abumradらの(1991) ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1991: 88; 6008-12)の方法に対する修飾プロトコルを樹立した。要約すれば、血清飢餓に先行して、細胞をPBSで3回洗浄した。これに継いで、0.1%のFCSで補充したKRBH緩衝剤において、2.5時間、37℃にてインキュベートした。外来性遊離脂肪酸の取り込みは、非放射性のオレイン酸および5 mMのグルコース存在下で、1μCi/ウェル/mlの最終活性において血清アルブミンに対して複合型の(3H)オレイン酸(NEnLife Sciences社)を含んだ同位体の培地の追加により、30分間、室温(RT)にて開始した。血漿膜全域で能動輸送(AT)の不在下における、受動拡散(PD)を算出するため、グルコース遊離培地(Sigma社)における20 mMのフロレチンを30分間、室温(RT)にて添加した。すべてのアッセイは、3通りのウェルにおいて実施した。能動輸送を終結するため、グルコース遊離培地における20 mMのフロレチンを細胞に添加した。細胞を1ml 0.1NのNaOHに溶解し、そして標準Biuret方法(タンパク質アッセイ試薬; Bio-Rad社)を用いて各ウェルのタンパク質濃度を評価した。エステル型の脂肪酸は、Insta-Fluorシンチレーション反応混液(Packard Bioscience社)において一晩抽出を用いて遊離脂肪酸から分離し、継いで、シンチレーションカウンティングを行った。
発明者らは、本発明において、無名タンパク質XP_085058を過剰発現する過剰発現細胞の血漿膜全域にわたる外来性脂肪酸の輸送が、対照細胞と比較して、脂質作成の12日目で著しく高いことを見出した(図8C)。また、本発明では、細胞を過剰発現するCGI-82 (無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞ではない)の脂肪酸のエステル化が、対照細胞に比較すると、脂質作成の第12日目で著しく低かったことも示す(図8D)。
無名タンパク質XP_085058を過剰発現する細胞の遊離脂肪酸の取り込みにおける著しい増加、および細胞を過剰発現するCGI-82における遊離脂肪酸エステル化の減少は、本発明のタンパク質の直接作用に起因するか、あるいは遊離脂肪酸の取り込みおよびエステル化の調節における役割に起因し得る。本発明のタンパク質は、例えば、調節不活性レチノイドまたは脂肪酸代謝を直接的に影響する調節活性ホルモン誘導体におけるステロイドの変換において役割を果たすことが可能であり、あるいは脂肪酸代謝酵素または転写レベルの輸送体の遺伝子発現を調節することも可能である。
実施例 6: 遺伝子導入マウスの作成および分析
遺伝子導入動物の作成
当業者であれば公知のような標準プロトコルを用いて、マウスcDNAをマウス茶色脂肪組織(BAT)から分離した。RT-PCR により、cDNAを増幅し、そして点変異をcDNAに導入した。結果として得られた変異型cDNAをに好適な遺伝子導入発現ベクターにクローニングした。導入遺伝子を、受精したマウス胚(望ましくは菌株C57/BL6/CBAF1(Harlan Winkelmann)の雄性前核へ微量注入した。注入した胚は偽妊娠の仮親マウスへ移した。遺伝子導入創始者をPCR分析によって検出した。構成物を含んだ2つの非依存性遺伝子導入マウスラインを樹立し、C57/BL6の背景に保持した。手短に、分析用のF1マウスを作成するために、初代動物をC57/BL6マウスと戻し交配させた。遺伝子導入マウスをC57/Bl6背景上へ連続的に繁殖せしめた。本発明のタンパク質の発現は、上記のようにtaqman分析によって分析することができ、当業者であれば周知のように、マウスのさらなる分析を行うこともできる。
遺伝子導入動物の作成
当業者であれば公知のような標準プロトコルを用いて、マウスcDNAをマウス茶色脂肪組織(BAT)から分離した。RT-PCR により、cDNAを増幅し、そして点変異をcDNAに導入した。結果として得られた変異型cDNAをに好適な遺伝子導入発現ベクターにクローニングした。導入遺伝子を、受精したマウス胚(望ましくは菌株C57/BL6/CBAF1(Harlan Winkelmann)の雄性前核へ微量注入した。注入した胚は偽妊娠の仮親マウスへ移した。遺伝子導入創始者をPCR分析によって検出した。構成物を含んだ2つの非依存性遺伝子導入マウスラインを樹立し、C57/BL6の背景に保持した。手短に、分析用のF1マウスを作成するために、初代動物をC57/BL6マウスと戻し交配させた。遺伝子導入マウスをC57/Bl6背景上へ連続的に繁殖せしめた。本発明のタンパク質の発現は、上記のようにtaqman分析によって分析することができ、当業者であれば周知のように、マウスのさらなる分析を行うこともできる。
本明細書において開示した全ての刊行物および特許を言及することをもって本明細書の一部となす。本発明の方法およびシステムの種々の修正および改変は当業者に当然のことであり、本発明の範囲および精神から逸脱しない限り行い得るものとする。本発明について説明するにあたり特定の好適実施例に関連して説明を行ったが、本発明の範囲が、そのような特定の実施例に不当に制限されるべきではないことは当然のことながら共通認識とする。実際に、分子生物学または関連分野の専門家には明らかな、本明細書に記載されている本発明の実施方法の様々な改変は、特許請求の範囲内にあるものとする。
Claims (27)
- 短鎖デヒドロゲナーゼ(SCAD)遺伝子ファミリーの核酸分子またはそれによってコードされたポリペプチドまたは断片または当該核酸分子または核酸分子の変異型、または当該ポリペプチドまたはSCAD遺伝子ファミリーの核酸分子のエフェクターまたはポリペプチド、例えばSCAD遺伝子ファミリーの核酸分子を認識する抗体、アプタマーまたは別の受容体、またはそれによってコードされた当該ポリペプチドから成る医薬品組成物であって、望ましくは医薬用に許容できるキャリア、希釈液および(または)補助剤と共にある医薬品組成物。
- 核酸分子が脊椎動物または昆虫SCAD核酸、特に、ショウジョウバエタンパク質(GadFlyアクセッション番号CG3842)、無名タンパク質(識別標識番号1および2)、ヒトCGI-82タンパク質(識別標識番号3および4)、またはヒトPAN2タンパク質(タンパク質のGenBankアクセッション番号NP_065956、cDNAのNM_020905)またはその断片またはその変異型および(または)それに対して相補的な核酸をコードする核酸であるような請求項1に記載の組成物。
- 当該核酸分子が下記の場合の請求項1または2に記載の組成物。
(a) 50℃にて、1 x SSCおよび0.1%のSDS (ドデシル硫酸ナトリウム)を含んだ溶液中において、請求項2で定義した核酸分子および(または)それに対して相補的な核酸分子にハイブリダイズする場合;
(b) 核酸分子(a)に対して縮重する場合
(c) 少なくとも85%、望ましくは少なくとも90%、より望ましくは少なくとも95%、より望ましくは少なくとも98%および最大で99,6%までが請求項2において定義したSCADポリペプチドと同一のポリペプチドをコードする場合;
(d) (a)〜(c)の核酸分子と異なり、当該突然変異体がコードされたポリペプチドにおいて改変、削除、複製または早期停止の原因となるような突然変異による核酸分子。 - 核酸分子がDNA分子、特にcDNAまたはゲノムDNAである請求項1〜3の任意の1項の組成物。
- 当該核酸がポリペプチドをコードし、エネルギー恒常性および(または)中性脂肪の代謝の調節に寄与する請求項1〜4の任意の1項の組成物。
- 当該核酸分子が修飾核酸分子である請求項1〜5の任意の1項の組成物。
- 組換え核酸分子がベクター、特に発現ベクターである請求項1〜6の任意の1項の組成物。
- ポリペプチドが組換えポリペプチドである請求項1〜5の任意の1項の組成物。
- 当該修飾ポリペプチドが融合ポリペプチドである請求項8の組成物。
- 当該核酸分子がハイブリダイゼーションプローブ、プライマーおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される請求項1〜7の任意の1項の成分。
- 診断用組成物である請求項1〜10の任意の1項の組成物。
- 治療用組成物である請求項1〜10の任意の1項の組成物。
- 肥満症およびその他の体重調節障害のような代謝疾患を始めとする障害、同様に代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症などのような関連障害、および他の細胞内、細胞塊、器官臓器および(または)被験者における障害の治療、軽減および(または)予防のための検出および(または)検証用の薬剤製造のための請求項1〜12の任意の1項に記載の組成物。
- SCAD遺伝子ファミリーまたはそのコードされたポリペプチドまたは断片または当該核酸分子の変異型または当該ポリペプチドまたは抗体、SCAD遺伝子ファミリーを認識するアプタマーまたは別の受容体またはエンドフィリン相同性ポリペプチドによって影響および(または)修飾される遺伝子および(または)遺伝子産物の機能を制御するためのコードされたそのポリペプチドの核酸分子の使用法。
- SCAD遺伝子ファミリーまたはポリペプチドまたは断片または当該核酸分子の変異型または当該ポリペプチドまたは抗体、SCAD遺伝子ファミリーの核酸分子を認識するアプタマーまたは別の受容体またはエンドフィリン相同性ポリペプチドと相互作用する能力のある物質を同定するためのコードされたそのポリペプチドの核酸分子の使用法。
- SCAD相同性ポリペプチドの修飾発現を示す非ヒト遺伝子導入動物。
- SCAD相同性ポリペプチドの発現が増大または減少した請求項16に記載の動物。
- SCAD相同性ポリペプチドの修飾発現を示す組換え宿主細胞。
- ヒト細胞である請求項18に記載の細胞。
- 哺乳動物におけるエネルギー恒常性および(または)中性脂肪の代謝に関与する(ポリ)ペプチドを同定する方法のステップは下記の通りである。
(a) SCAD相同性ポリペプチドまたはその断片を用い、当該(ポリ)ペプチドの結合を可能にする条件下(ポリ)ペプチドの回収に接触するステップ。
(b) 結合しない(ポリ)ペプチドを除去するステップ、および
(c) 当該SCAD相同性ポリペプチドまたはその断片に結合する(ポリ)ペプチドを同定するステップ。 - SCAD相同性ポリペプチドの結合標的および薬剤との相互作用を調整する薬剤をスクリーニングする方法は下記のステップから成る。
(a) 下記から成る混合物をインキュベートするステップ。
(aa) SCAD相同性ポリペプチド、またはその断片;
(ab) 当該SCAD相同性相同性ポリペプチドまたはその断片の結合標的および薬剤; および
(ac) 候補薬剤
下記参照の親和性にて当該SCADポリペプチドまたはその断片が特異的に当該結合標的と薬剤に結合する条件下;
(b) (候補)薬剤偏向親和性を決定するため、当該結合標的に対する当該SCADポリペプチドまたはその断片の結合親和性を検出する; および
(c) (候補)薬剤偏向親和性と基準親和性間の差異を確定するステップ。 - SCAD相同性ポリペプチドの活性を調整する薬剤をスクリーニングする方法は下記のステップから成る。
(a) 下記から成る混合物をインキュベートするステップ。
(aa) SCAD相同性ポリペプチドまたはその断片; および
(ab) 当該SCADポリペプチド、その断片が基準活性を有する条件下の候補薬剤;
(b) (候補)薬剤偏向活性を決定するため、当該結合標的に対する当該SCADポリペプチドまたはその断片の活性を検出するステップ; および
(c) (候補)薬剤偏向活性と基準活性間の差異を確定するステップ。 - 医薬用に許容できるキャリア、希釈剤および(または)アジュバントを有する請求項20または22に記載の方法によって同定された(ポリ)ペプチド、または請求項21の方法によって同定された薬剤を含む組成物を作り出す方法。
- 当該組成物が、肥満症および他の体重調節障害のような代謝疾患を始めとする疾患および障害、同様に代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症のような関連障害および他の疾患および障害を防止、軽減または治療するための医薬品組成物である請求項23に記載の方法。
- 肥満症および他の体重調節障害のような代謝疾患を始めとする疾患および障害、同様に代謝症候群、摂食障害、悪質液、真性糖尿病、高血圧、冠動脈心疾患、高コレステロール血症、異脂肪血症、骨関節炎および(または)胆石症のような関連障害、および他の疾患および障害の治療、軽減および(または)予防のための医薬品組成物の調製のための請求項20に記載の方法によって同定された(ポリ)ペプチド、または請求項21または22に記載の方法によって同定された薬剤の使用法。
- SCAD遺伝子産物を過剰発現または低発現する非ヒト動物の調製のためのファミリーの核酸分子の使用法またはその断片の使用法。
- 少なくとも下記の1つを備えたキット。
(a) SCAD核酸分子またはその断片;
(b) (a)の核酸をから成るベクター;
(c) (a)の核酸または(b)のベクターから成る宿主細胞;
(d) (a)の核酸によってコードされたポリペプチド;
(e) (a)の核酸によってコードされた融合ポリペプチド;
(f) (a)の核酸または(d)または(e)のポリペプチドに対する抗体、アプタマーまたは別の受容体および
(g) (a)の核酸の抗センスオリゴヌクレオチド。
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