JP2005509933A - 細胞成分の生物活性を予測するための方法 - Google Patents

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Abstract

生物的系における細胞成分の活性を予測するという方法が提供される(図3)。特に生物状態に影響を及ぼすための細胞成分の潜在的生物活性を予測する方法が、示される(300,310,320,330)。さらに細胞成分により調節される生物状態を同定するための方法は、(340)に記載されている。これは、薬剤の作用に関与する生物過程を予測するための方法を含む。

Description

本発明の分野は、生物系における細胞成分の活性を予測するための方法に関する。具体的には、刺激を変えるため生物系の応答を変化させる細胞成分を同定するため、及び薬剤の発見にれらの方法を適用するための方法に関する。
ゲノム後の時代において、医薬会社には、極めて多くの新規な遺伝子に関する情報で溢れているが、さらに研究を進めるため別の遺伝子より一方の遺伝子を優先させる統合的方法がない。
典型的な予測として、医薬会社は、未知の機能で、新たに配列された遺伝子を知ることになる。この遺伝子は、周知の遺伝子と同じ配列を共有し、それらのタンパク質機能が、ある程度理解されている。類推することにより、新たに配列決定された遺伝子のタンパク質が、周知遺伝子と同じ分類であるとみてよく、従って幾つか同様の機能を類推することができる。医薬会社が、特定疾患と本遺伝子とを関係付ける環境的証明があるものとして、上記遺伝子に特に関心を示すことになる。上記証明は幾つかの形態から成り、すなわち疾患組織からの試料では、正常組織からの試料と比較して新規な遺伝子の発現レベルが、有意に高い(又は低い)ことを証明し、疾患を有する個体の遺伝子において、健常な個体と比較してSNP又は有意に高い(ハプロ型)多型現象を示す可能性がある。さらに上記会社は、遺伝子、又は具体的にタンパク質を理解し、そのためにその遺伝子が、疾患の遺伝性素質又は薬剤応答に対する診断的適応により、潜在的薬剤標的として、又は「疾患遺伝子」としてコードする。この遺伝子に加えて上記会社が、同じ疾患と関係する他の多くの遺伝子の知識を有する。
薬品の開発には、極めて長期間を要し、そして経費のかかる実験室による試験、動物実験、及び臨床試験が伴うことから、上記会社は、これらの資源を使用する幾つかの遺伝子を選択しなければならない。しかしながら医薬会社は、一方の遺伝子を他方の遺伝子より優先させる系統的方法を有していない。そのため生物系における特定細胞成分の役割を予測する方法が、技術的に極めて要望されている。
関係文献
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Brown,Disease simulation system and method,U.S.Patent No.6,233,539B1(2001).
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Paterson,et al.,Method of generating a display for a dynamic simulation model utilizing node and link,U.S.Patent No.6,051,029(2000).
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Winslow,et al.,Computational system and method for modeling the heart,U.S.Patent No.5,947,899(1999).
Winslow,et al,System and method for modeling genetic,biochemical,biophysical and anatomical information,PCT Publication No.WO00/65523(2000).
本発明の1つの観点は、生物状態Sに影響を及ぼすための細胞成分の潜在的生物活性を予測する方法であり、(a)機能の集合体F0(set F0)を前記細胞成分に割り付ける工程において、集合体F0(set F0)の各機能が、前記細胞状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更であり;(b)集合体F0(set F0)の1つの機能のための情報を、前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態と関係する複数の個体生物過程を表し、前記複数の個体における生物過程の少なくとも1つが、前記集合体F0(set F0)の1つの機能により変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成され;(c) 集合体F0(set F0)の前記加えられた1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、前記加えられた集合体F0(set F0)の1つの機能が存在する前記生物状態のためのSx値を作成する工程;(d)集合体F0(set F0)の他のいずれかの機能のため工程(b)及び(c)を繰り返す工程;(e) S0値と、集合体F0(set F0)の機能としての前記全Sx値とを比較する工程において、集合体F0(set F0)のどの機能も前記コンピュータ・モデルに組み込まれなく、前記S0値が、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成され;そして(f)前記生物状態に影響を及ぼすための前記細胞成分の有意に高い潜在的な生物活性を有するとして、S0値に対しSx値の差のある集合体F0(set F0)の機能の同定、及び前記生物状態に影響を及ぼすための前記細胞成分における有意に低い潜在的生物活性を有するとしてS0値に対しSx値において実質的に差がない集合体F0(set F0)の機能を同定する工程;を含む。
本発明の他の観点は、細胞成分の集合体Z0から生物状態Sに影響を及ぼすための潜在的生物活性を有する細胞成分の亜集合体Z1を選択するための方法で、(a)機能の集合体F0(set F0)を集合体Z0の各細胞成分に割り付ける工程において、各機能が、前記細胞状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更であり;(b)集合体Z0の前記細胞成分の1として集合体F0(set F0)の前記1つの機能のための情報を、前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態と関係する複数の個体生物過程を表し、前記複数の個体における生物過程の少なくとも1つが、前記集合体F0(set F0)の1つの機能により変更される過程で、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記個体生物過程の影響を評価するために構成され;(c)コンピュータ・モデル内に組み入れ、前記1つの細胞成分の集合体F0(set F0)の前記加えられた1つの機能により、前記コンピュータ・モデルを実行し、前記1つの細胞成分における集合体F0(set F0)の前記1つの機能の存在下、前記生物状態として値Sxを生成する工程;(d)集合体F0(set F0)の他のどの機能のための工程(b)及び(c)を繰り返す工程;(e)セットZ0の他のいずれかの細胞成分のため工程(b),(c)及び(d)を繰り返す工程;(f)集合体Z0における細胞成分のための前記Sx値の全てと、S0値とを比較する工程において、前記細胞成分のいずれかの前記任意の機能が、前記コンピュータ・モデルに組み込まれなく、前記S0値が、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成される;(g)前記亜集合体Z1の潜在的メンバーのための選択的特徴を確立する工程において、前記選択的特徴は、S0値に対し集合体Z0における細胞成分のためのSx値との間の違いの範囲である;そして(h)前記選択的特徴を有する細胞成分を、前記亜集合体Z1に割り付ける工程で、S0値に対するSx値の差が、前記生物状態に影響を及ぼすための前記細胞成分の潜在的な生物活性に関係付けられていることを、を含む。
本発明のさらなる別の観点は、細胞成分により調節される生物状態の潜在的生物過程を同定するための方法で、(a)前記細胞成分に機能を割り付ける工程において、前記機能は、前記生物状態の少なくとも1つの生物過程の変更である;(b)前記生物状態のコンピュータ・モデルに前記機能のための情報を加える工程において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に関係付ける複数の個体生物過程を表し、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つが、前記機能により変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成される;(c)前記機能の存在下における仮想刺激体(virtual stimulua)が提示され、前記機能の存在下前記生物状態のための応答値Rxを作成できるように、前記コンピュータ・モデルを実行する工程;(d)生物アッセイ・システムに生物的刺激を提供し、前記生物刺激の存在下、前記生物アッセイ・システムのための生物応答値BRxを作成する工程において、前記生物刺激剤が、仮想刺激体(virtual stimulua)と生物的に同一であり、そして前記生物アッセイ・システムが、前記生物状態と生物的に同一である;(f)前記細胞成分により調節される前記生物状態の潜在的な生物過程を同定するための選択的特徴を確立する工程で、前記選択的特徴は、応答値Rxと生物的応答値BRxとの間の違いの範囲である;そして(g)前記生物状態の潜在的生物過程が、前記細胞成分により調節されるものとして前記選択的特徴がある前記生物過程を同定する工程;を含む。
本発明の他の観点は、生物状態Sに影響を及ぼすための細胞成分の潜在的生物活性を予測するための方法で:(a)機能の集合体F0を前記細胞成分に割り付ける工程で、集合体F0の各機能が、前記生物状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更であり;(b)集合体F0の1つの機能のための情報を前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程で、コンピュータ・モデルが、前記生物状態に関係付けられる複数の個体生物過程を表し、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つが、集合体F0の1つの機能により変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成されている;(c)集合体F0の前記加えられた1つの機能にて、前記コンピュータ・モデルを実行し、集合体F0の前記加えられた1つの機能の存在下、前記生物状態のための値Sxを作成する工程;(d)集合体F0における他の任意の機能のための工程(b)及び(c)を繰り返す工程;(e)S0値と集合体F0の機能のための前記Sx値の全てとを比較する工程で、集合体F0のいずれの機能も、前記コンピュータ・モデルに組み込まれていなく、前記S0値が、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成され;(f) 集合体F0の亜集合体F1の潜在的メンバーのための選択的特徴を確立する工程で、前記選択的特徴が、S0値と集合体F0の機能のためのSx値との間の違いの範囲である;そして(g)前記選択特徴を有する前記亜集合体F1(subset F1)に割り付ける工程で、亜集合体F1(subset F1)の潜在的メンバーのための選択的特徴が、前記生物状態に影響を及ぼすための前記細胞成分の潜在的生物活性に関係している;ことを含む。機能の前記亜集合体F1(subset F1)から、前記細胞成分の機能のさらなる亜集合体F2(subset F2)を生成することができ、前記機能の亜集合体F1(subset F1)から前記細胞成分の機能の前記亜集合体F2(subset F2)を生成する場合、機能の亜集合体F2(subset F2)を前記生成には、(a)生物アッセイシステムにおいて、前記細胞成分を乱す工程;(b)前記乱された細胞成分の存在下、前記生物アッセイ・システムを実行し、ある種の集合体の機能値を生成する工程において、前記機能値の集合体におけるそれぞれの機能値FVxが、亜集合体F1(subset F1)の1つの機能に関連している;(c)機能値FV0と、各機能値FVxとを比較する工程において、前記機能値FVxが、前記生物アッセイ・システムにおける前記細胞成分に乱なく生成される値で;(d)前記亜集合体F2に前記選択特性を有する機能を割り付ける工程において、亜集合体F2の潜在的メンバーとしての選択的特徴が、前記生物状態に及ぼす影響のための前記細胞成分潜在的な生物活性に関係している。
本発明の他の観点は、生物状態Sに影響させるための細胞成分の潜在的生物活性を予測するための方法であり、その方法が、前記生物状態に関連する複数の個体生物過程を表すコンピュータ・モデルを使用し、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記個体生物過程の効果を評価するために構成され、その方法は、(a)機能の集合体F0を、前記細胞成分に割り付ける工程で、集合体F0の各機能が、前記生物状態Sの少なくとも1の生物過程を変更することである;(b)集合体F0から、各機能に対する以下のことを行う工程で:(i)集合体F0における残っている機能のための加えられた情報のない状態にて、集合体F0の1つの機能のための情報をある版のコンピュータ・モデルに加える工程において、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つが、集合体F0の前記加えられた1つの機能によって変更される過程であり;そして(ii)集合体F0の前記加えられた1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、集合体F0の前記加えられた1つの機能の存在下、前記生物状態のための値Sxを作成する工程;(c)S0値と集合体F0の機能のための前記Sx値の全てとを比較する工程において、集合体F0のどのような機能も前記コンピュータ・モデルに組み入れられていなく、前記S0値が、前記コンピュータ・モデルを実行することにより生成され;そして(d)前記生物状態に影響を与えるための前記細胞成分の有意に高い潜在的生物活性有するものとしてS0に対してその関連するSx値の差を有する集合体F0における機能の同定、及び前記生物状態に影響を与えるための前記細胞成分の有意的に低い潜在的生物活性しか有しないものとしてS0に対してSx値の差が実質的にない集合体F0の機能を同定する工程;を含む。
本発明は、細胞成分の生物活性を同定するための方法に関する。特に本発明の方法は、特定生物状態における細胞成分の機能の1つを決定することができ、さらに特定生物状態における細胞成分の役割を優先化することができる。さらに本発明は、薬剤により調節される生物過程の同定にも関する。
生物状態、生物過程、細胞成分
「生物状態」は、一連の生物過程の発生による結果である。生物状態のそれぞれの生物過程が、生物状態における1又は複数の他の生物過程によってある種の生物機構により影響される。生物過程が相互に関係して変化するため、さらに生物状態も変化を受ける。状態の1つの尺度は、相互に対し又は基準に対し収集による細胞成分の相互関係である。本明細書に言及されている生物状態は、技術的に十分に知られている。生物状態は、生物過程が互いに影響を及ぼす種々の生物機構に依存する。生物状態が、個体細胞、器官、組織、及び複数の細胞生体の状態を含むことができる。さらに生物生態は、血漿、間質液、細胞内の液体、又は脳脊髄液における滋養又はホルモン濃度の状態、たとえば低血糖症又は低インスリン血症の状態は、血中の糖が低いか又は血中のインスリンが低いことである。これらの状態は、実験的に与えることができ、又は患者の型(type)に存在する状態でもよい。たとえば、神経細胞の生物状態は、神経細胞が静止の状態、神経細胞が活性化電位にて発火する状態、及び神経細胞が神経伝達物質を放出する状態を含む。他の例において、血漿滋養の収集の生物状態は、個人が1晩の絶食で目ざめた状態、摂食直後の状態、及び摂食の間の状態を含むことができる。さらに生物状態は、一連の生物過程の発生の結果を意味すると取られる「疾患状態」を含み、ここで上記状態の1又は複数の生物過程が、上記疾患の発生、又は徴候における役割を果している。疾患状態は、疾患の細胞、疾患の器官、疾患の組織、及び疾患の多細胞生体の可能性がある。典型的疾患では、糖尿病、喘息、肥満症、及び慢性関節リウマチが含まれる。疾患の多細胞生体は、ヒト患者の個体、ヒト患者の特定群、又は全体として一般的なヒトの集団にて可能である。疾患状態は、疾患のタンパク質(欠陥グルコース輸送因子など)、あるいは寛容、変性、又は系成分の合成など疾患過程を含む場合があり、それは幾つかの異なる器官に発生することができる。
「生物過程」は、一般的に細胞成分間の相互作用を生ずるものとして理解される。生物過程の各細胞成分が、上記過程における1又は複数の他の細胞成分によって、ある種の生物機構により影響される。さらに生物過程は、化学過程を含むことができる。生物過程は、細胞、器官、組織、又は多細胞生体の環境内,又は接触して発生する過程を含む。特定過程を構成する細胞成分が、細胞内、又は細胞外のいずれでも可能である。たとえば、1つの過程の細胞成分が、DNA,RNA,タンパク質、酵素、ホルモン、細胞、器官、組織、細胞、組織又は器官の一部、ミトコンドリア、細胞核、ゴルジ複合体、リソソーム、内質細網、及びリボソームなどの細胞下の小器官、H+、過酸化物、ATP、クエン酸、タンパク質アルブミン、細胞成分におけるこれら型の組み合わせなどの化学反応性分子を含むことができる。生物過程の各細胞成分が、ある種の生物機構により生物過程における少なくとも1つの他の細胞成分により影響され、それが特定、あるいは理解すら必要がない。したがって、生物過程では、上記成分間の相互間のネットワークと共に、生物状態のある種の観点から引き出される細胞成分の収集体と共に言及されている。
本明細書に理解されるものとして、生物過程の具体的な例は、技術的に良く知られている。これらは、細胞成分は相互に影響する種々の生物的機構に依存する。生物過程は、たとえば細胞エネルギーを提供するために分子が切断されるか、又は細胞エネルギーを保存するために構築され、細胞が細胞構造又はエネルギーを貯蔵するために構築され、あるいはタンパク質又は核酸が合成、又は活性化され、又はタンパク質又は核酸の前駆体が合成される、周知の生物経路を含む。合成経路の細胞成分は、酵素及び合成中間体を含み、そして後続分子上の前駆分子の影響が、直接酵素介在の転化による。さらに、生物経路の細胞成分が、酵素、基質前駆体、中間種を含み、そして後続する分子に及ぼす生成分子の影響は、酵素媒介にて転化することにより触媒とされる。さらに生物過程が、さらに周知の多くの例としてシグナリング、及び制御経路を含む。これらの経路の細胞成分としては、典型的に初期又は中間シグナリング分子、及びこれらの経路を通常特徴付けるシグナル、又はコントロール・カスケードに関与するタンパク質が含まれる。シグナリング経路において、リセプターにシグナル分子の結合は、極めて多くの中間シグナリング分子に通常直接影響し、そして経路のタンパク質のリン酸化(又は他の変更)の程度に間接的に影響を与える。これら両方の効果が、順次細胞タンパク質の活性に影響を及ぼし、上記細胞タンパク質が、シグナルにより、たとえば細胞の転写状態に影響をもたらすことにより、開始される細胞過程の重要なイフェクターである。細胞周期のタイミング及び発生を制御するなどの制御経路が、よく似ている。ここに多くのしばしば進行中に細胞事象が、フィードバック制御により一時的に配列され、染色体の分離による細胞分割などの一貫した結果を実現する。この配置が、それぞれ他のリン酸化の程度(又は他の変更化)に及ぼすタンパク質を相互に影響することによりしばしば介在される、上記経路を機能する結果である。さらに良く知られた制御経路では、変動する環境の面にて細胞代謝の最適レベルを維持することが求められる。さらに、理解された機構により操作する生物過程の例は、当業者に周知である。
生物過程では、階層的、非階層的、又は階層的と非階層的とを組み合わせが可能である。より詳細には、階層的過程は、特異的に数値がつけられたレベルに属する細胞成分が、他のレベルに属する細胞成分により影響されるような数値化されたレベルの階層に、その細胞成分が配置できることである。階層的過程は、一般的に最も低い数値の細胞成分から開始される。対照的に非階層的過程が、1又は複数のフィードバック・ループを有する。生物過程におけるフィードバック・ループは、過程の細胞成分の亜集合体であり、フィードバック・ループのそれぞれの成分が、上記フィードバック・ループの他の成分により影響するか、さらにそれにより影響される。
従って、要約すると本明細書に用いられているように、生物過程は、細胞成分間にて1つの相互作用又は一連の相互作用である。細胞成分が、細胞の合成、調節、恒常的、又は制御ネットワークによるなど、周知又は未知の何らかの生物機構を介して互いに影響する。一方の細胞成分からもう一方への影響は、一方の細胞成分からもう一方の細胞成分に合成変換することにより、2つの細胞成分の直接的生理相互作用により、中間体の生物事象を介して、介在される2つの細胞成分の間接的な相互作用により、又は他の機構によりとりわけ可能である。
本発明によれば、薬剤は、機構が周知であろうと未知であろうと、そしてこれらが治療として使用されようと、されなくとも、生物状態を乱す任意の程度の複雑性による、任意の化合物である。従って薬剤は、研究又は治療として関心が持たれる典型的な小分子;エンドクリン、パラクリン、又はオウトクリン因子など天然に形成される因子、又はあらゆる型の細胞リセプターと相互作用する因子;細胞内のシグナリング経路における要素などの細胞内因子;他の天然資源から単離される因子;抗病原虫剤、除草剤、及び殺虫剤;を含む。薬剤の生物的効果は、1又は複数種のRNAの転写、又は変性率、1又は複数のポリペプチドの翻訳又は翻訳後のプロセシング率又は程度、1又は複数のタンパク質の変性率又はその程度、1又は複数のタンパク質の活性の阻害又は刺激、あるいはその活性など、とりわけ薬剤を介在する変化の結果である。実際に大部分の薬剤は、タンパク質と相互作用しこれらの影響を発揮する。細胞成分の割合の増大、その活性又はレベルを刺激する薬剤を、本明細書において「活性薬剤」と称し、一方細胞成分の割合の減少、その活性又はレベルを阻害する薬剤を、本明細書において「阻害薬剤」と称する。当業者に明らかなように本発明は、「薬剤」により調節される生物過程を同定することが、本明細書に記載されているが、ある薬剤を構成するか又は含む特定組成物により調節されるがしかし、異なる追加要素以外の同じ薬剤を含む異なる組成物からその標的において変化できる潜在的生物過程を同定することが、同じように適用できる。
薬剤に加え本発明は、標的化される方法において生物状態を乱す生理環境の観点の変化に等しく適用することができる。こうした環境の変化は、適度な温度変化(たとえば10℃の温度上昇)、適度な放射線用量による暴露を含むことができる。他の環境的観点は、特定の糖、アミノ酸しか存在しないなどの栄養環境を含む。
生物系のコンピュータ・モデル
本明細書に開示された方法は、技術的に周知な生物状態のいずれかのコンピュータ・モデルにより適切に行うことができる。生物系のコンピュータ・モデルが、以下の文献-Paterson et al.,U.S.Patent 6,069,629;Fink et al.,U.S.Patent 5,808,918;Fink et al.,U.S.Patent 5,657,255;Paterson et al.,PCT application,WO 99/27443;Paterson et al.PCT application,WO 00/63793;Winslow et al.,PCT publication WO 00/65523;McAdams et al.,U.S.Patent 5,914,891;Thalhammer-Reyero,and U.S.Patent 5,930,154に記載されている。本発明は、商業的に利用できる以下の生物状態のコンピュータ・モデルEntelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systems,Entelos(商標)Obesity PhysioLab(商標)systems and Entelos(商標)Adipocyte CytoLabTM systemsにて行うことができる。本発明の実施に使用できる生物状態の他のコンピュータ・モデルは、当業者に明らかであろう。
本発明を実施するために用いられる適切なコンピュータ・モデルは、必須として組み入れられたコンフリクト・データ及び別の仮説の評価を可能にする方法及び装置を含む。そのモデルは、最も低いレベルにおける過程を、そしてこれらの過程で衝突する有意に大きい生物系を表し、そのためその系における多重変動図を提供する。さらにこのモデルは、2以上の訓練(disciplines)から単一のモデルに情報を合成することにより、又は異なる訓練をそれぞれ示してしている2つのモデルを結び付けることにより、組み合わせによる訓練の観察(cross-disciplinary observations)を提供する。
本発明を実施するために用いられるコンピュータ・モデルは、階層的でよく、上記モデルにで探査される問題に関する特定系,及び解剖組織因子を反映する。階層を開始する詳細なレベル、及び階層を終了する詳細なレベルを、具体的に意図された上記モデルの使用により、大部分追跡される。評価されている細胞成分が、亜細胞レベルでしばしば作用することから最も低いレベルの階層が、亜細胞レベルである。亜細胞レベルには、DNA,mRNAタンパク質、化学的反応分子、及び亜細胞器官が含まれる。上記個体は、細胞成分の最終効果について極めて共通的な関心のある実体(entity)であるから、その個体(臨床的に観察可能な形状にてしばしば提示される)が、おそらく最も高いレベルでの階層となる。
コンピュータ・モデルが、患者、生体、細胞、組織又は器官の生物状態を表すことができる。コンピュータ・モデルが、仮想刺激を用いる場合、あるいは用いない場合により実行することができ、これによりコンピュータ・モデルにより表される生物状態のための値を得ている。この値は、細胞成分のレベル又は活性を測定した、又は生物状態の表現型として言及される生物状態の観察可能な及び/又は測定可能な動作を測定測定した集合体である。上記値が、仮想刺激の使用の後に得られた場合、その値を応答値として指示することができる。
1日に3回食事を摂取する(55%の炭水化物、30%の脂肪、15%のタンパク質)肥満な糖尿病患者のモデルを、行うことができ、そして24時間の次のような測定により得ることができ、つまり循環レベルによる、グルコース(図8A)、インスリン(図8B)、遊離脂肪酸(FFA)、(図8G)、糖新生前駆体(図8E):乳酸塩、アミノ酸、及びグリセロール、ならびに肝臓に作用するグルコース出力の動的過程(図8C)、筋グルコース摂取(図8D)、体全体の炭化水素の相対的寄与、脂肪及びアミノ酸の酸化(図8H)、及び筋肉及び肝臓のグルコース貯蔵プールの拡張及び縮小が、さらに示されている(図8F)。さらに計測可能な行動としては、24時間にわたる摂食要求、及び食の飽食性が含まれる。これらの測定及び/又は行動の1つ、又はその組み合わせが、肥満性糖尿病患者の生物状態の値となり得る。他の例において、喘息のコンピュータ・モデルは、5日毎に抗原投与により刺激することができる。こうした抗原投与の仮想刺激の応答して、以下測定値を得ることができる、すなわち気管支誘導、組織における好酸球の集合体、及びヒスタミン、ブラデイキニン、システニル・ロイコトリエン、及びプロスタグランジンD2等の炎症介在レベルである。図6A及び図6Bを参照。これら測定値の1つ、又はこれらの組み合わせが、喘息患者の生物状態の値となり得る。
上記コンピュータ・モデルは、表現型を生ずる内在性遺伝子型、及び環境因子を表すことができる。1つの現象型が、遺伝子型及び環境因子の1つの集合体より有意に多い結果となることが、可能である。たとえば2人の患者が、同様の過剰重量であると見られるが、一方が遺伝的感受性から過剰重量となる可能性、そしてもう一方が食事及び生活様式の選択を理由として過剰重量になる可能性がある。
これらコンピュータ・モデルが、生物過程の治療としての調節に臨床的応答することを予測するために使用できるように、上記モデルが、患者を表すことができる。これらのモデルは、同じ表現型であるが異なる基本状態を有するか、異なる現象型を有するかのいずれかで、医療患者の応答を、異なる治療にどのように影響するかを予測するために使用することができる。次に異なる治療方法は、異なる治療の応答を予測するために、異なる患者のコンピュータ・モデル上にて使用することができる。
上記コンピュータ・モデルに表される生物状態は、正常な状態、すなわちなんらかの疾患過程の無い状態を表すことができる。上記コンピュータ・モデルは、パラメータを含み、表されている生物状態の疾患状態を表すことができる。1又は複数のこれらのパレメータを選択することにより、使用者が、正常な生物状態から疾患状態に変更することができる。
本発明を行うために用いられる上記コンピュータ・モデルが、これらが表す生物状態にできるだけ類似した、又はできるだけ密接に動くことができる。本発明を行うために、評価されている細胞成分を、コンピュータ・モデルの生物過程において明確に示す必要がない。本発明の例では、特定細胞状態に細胞成分の貢献は、上記コンピュータ・モデルの生物過程に示唆的に表すという概念に関係する。適切なことには、コンピュータ・モデルが、研究されている生物状態を正確に明示する。コンピュータ・モデルの応答は、たとえば、生物アッセイ系において得られる生物応答に対して検証することができる。たとえば脂肪細胞の培養において、レプチンのレベルの変化が、脂肪酸のレベル変化に応答して測定することができる。脂肪細胞のコンピュータ・モデルにおいて、遊離脂肪酸のレベル変化が、上記コンピュータ・モデルにて説明される時、適切なことには、得られた応答が、脂肪細胞の培養に示されたものと同様である。本発明を実施するために用いられる上記コンピュータ・モデルは、モデル化されている生物状態の生物アッセイ・システムを用いて得られるin vitro 及び in vivoにおけるデータにより検証することができる。たとえば肥満性モデルは、脂肪細胞培養物、肥満性マウスのモデル、及び/又は肥満患者からのデータにより検証が可能となる。コンピュータ・モデルの検証方法は、May 17,2001に出願され、同時係続出願の表題が「Developing,analyzing and validating a computer-based model」に記載されている。
本発明を行うための生物系の他の選択肢としてのコンピュータ・モデルが、当業者に明らかであり、そして随伴するクレ−ム内に包含するよう意図されている。
本発明の方法の概要
本発明の方法により、ユーザが細胞成分の生物活性を同定できるようになる。さらに、上記方法により、薬剤により調節される生物過程を同定が可能となる。特に本発明の方法により、さらに科学研究するための細胞成分又は薬剤に対し優先化することを支援する。
本明細書に用いられる用語「生物活性」は、生物状態又は疾患状態の天然又は正常な機能を意味する。幾つかの例において、本発明の方法は、細胞成分の潜在的生物活性を同定するために用いられる。用語「潜在的生物活性」は、特定の生物状態又は疾患状態における機能である、ある種の可能性を有する活性として、同定された生物活性を意味するとして、本明細書に用いられる。すなわち、潜在的生物活性は、評価された生物状態又は疾患状態に生物的に関連しているための幾つかの可能性を有する。細胞成分の生物活性の例は、他の細胞構成に結合、及び/又は他の細胞成分の活性又は構造を調節することを含む。たとえば、インスリンの生物活性は、インスリンリセプターに結合、グルコースレベルの調節、及び遊離脂肪酸のレベルの調節を含む。
下記のように、本発明の方法は、1又は複数の工程を含むことができる。方法が2以上の工程を含む場合,上記工程が記載されている正確な順序にて行う必要がない。さらにすべての工程を並行して行う必要がない。
本発明の例によれば、図1は、生物状態Sに影響を及ぼすための細胞成分の潜在的生物活性を予測するためのフローチャートを示す。工程100にて機能の集合体F0が、細胞成分に割り付けられる。集合体F0の各機能は、生物状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更である。工程110で、集合体F0の1つの機能のための情報が、所定版のコンピュータ・モデルに加えられる。工程120で、コンピュータ・モデルを、加えられた1つの機能にて実行し、集合体F0の1つの機能の存在下、生物状態のためのSX値を作成する。工程110及び120が、集合体F0におけるいずれか別の機能のため繰り返すことができる。工程130で、集合体F0の機能のための全てのSX値が、S0値と比較される。S0値は、集合体F0の機能の情報がない状態にて、コンピュータ・モデルを実行することにより得られる。工程140で、SX値に対してそれに関連さたSX値の差を有する集合体F0の機能が、前記生物状態に影響を与えるための細胞成分の有意に高い潜在的生物活性を有するものとして、同定される。S0値に対しSX値が実質的に差を有しない集合体F0の機能は、前記生物状態に影響を与えるための有意に少ない潜在的生物活性を有するものとして同定される。
細胞成分が評価されるために、ユーザが機能の集合体を割り付ける。細胞成分が、機能の集合体のそれぞれの機能に、直接に又は間接に関与することができる。機能の集合体は、1又は複数の機能を含むことができる。明細書に用いられているように、用語「集合(set)」は、明確な要素の集合体を意味する。集合体の要素が、上記集合体のメンバとして言及される。集合体の要素が、共通の特性を有し、そしてその集合体が、1又は複数の要素を含むことができる。機能は、少なくとも1つの細胞成分の変化、又は生物状態の内部又は外部環境の生理的特性の変化から得られる少なくとも1つの生物過程の変更である。その変更は、生物状態を決定する少なくとも1つの生物過程を実行し、又は調節による制御のいずれにても可能である。上記変更は、1又は複数の過程の上限調節又は下限調節又は過程の細胞成分、阻害、活性化、又は非活性化;及び細胞成分の生成及び/又は輸送の増大又は減少;細胞成分活性の増大、減少、非活性化、又は活性化を可能にする。
機能の割り付けられた集合体は、ユーザに知られた情報及び/又は細胞成分に関して技術的に周知の情報に基づいて開発される。本情報の源は、実験データ、臨床データ、当業者の知識/意見、シュミレーション・データ、又は他の関連資源を含むことができる。
例えば、喘息における遺伝子Xの潜在的生物活性を予測する方法として、ユーザが、以下の情報、すなわち他の周知の遺伝子と遺伝子Xとを相同する配列、疾患のある気道組織の遺伝子Xの産生物の存在するか又は存在しないか、及び健常個体と比較した喘息患者の遺伝子Xの多型形成を使用する上記機能の集合体を開発することができる。
留意することは工程110と120に関する以下の記載は、機能の集合体から別の機能のため行うことができる。換言すると、工程110と120を、機能の集合体から各機能に繰り返し、集合体のそれぞれの機能のための値SXを作成することができる。いったん値SXが、上記機能の集合体からそうした機能が導入されると、その過程を工程130に進めることができる。
工程110にて、機能の集合体から1つの機能の情報が、生物状態のコンピュータ・モデルに加えられる。コンピュータ・モデルは、生物状態と関係する個体生物過程を含む。たとえば、喘息のコンピュータ・モデルは、以下の過程、すなわち炎症細胞の血管内皮性の遊走、炎症媒介物の産生及び放出、気道狭窄、及び粘液の生成及び放出を含む。付加する過程は、加えられる機能に基づいて、コンピュータ・モデルの過程における少なくとも1つの変更を含む。コンピュータ・モデルは、生物状態に及ぼす生物過程の効果を評価するために構成される。
情報が加えることは、コンピュータ・モデルの少なくとも1つの過程に、細胞成分の機能を入れることを含む。たとえば、コンピュータ・モデルは、細胞成分の機能により変更される少なくとも1つの過程を有す。コンピュータ・モデルに上記機能を入れるための手段としての例は、以下において、すなわちPatersonら、PCT application WO99/27433;Paterson ら、PCT application,WO 00/63793;Paterson ら、U.S.Patent 6,051,029;Patersonら、U.S.Patent 6,078,739;Patersonら、U.S.Patent 6,069,629に提供されている。開示によるこれら文献が、全体において引用することにより本明細書に組み入れられる。他の手段は、当業者において容易に明らかとなろう。
特定機能に関する上記情報は、明示的か示唆的のいずれかにてコンピュータ・モデルに入れることができる。明示的な入力は、コンピュータ・モデル内の機能により変更される1又は複数の過程の組み入れを伴う。こうした組み入れの場合、上記機能のための情報は、以下に記載されているように、コンピュータ・モデル内に示唆的に入力することができる。
本発明の方法を実施するために用いられるコンピュータ・モデルに応じて、示唆的に入力する手段が、変わることになる。たとえば、商業的に入手できるEntelos(商標)、Asthma PhysioLab(商標)system, Entelos(商標)Obesty PhysioLab(商標)systems、及びEntelos(商標)Adipocyte CytoLabTM systemsにおける示唆的入力は、状態ノード(state nodes)、機能ノード(function nodes)、及びリンク部(links)が、機能により変更され、さらに関係する状態ノード(state nodes)、機能ノード(function nodes)、及びリンク部(links)を変更させる。次に変更されたノードの情報は、それが接続するノードの活性を変化するように、上記状態ノード(state nodes)が、他の状態ノード、さらには他の機能ノードへのリンク部を使用し、接続することができる。関係する状態ノード(state nodes)、機能ノード(function nodes)、及びリンク部(links)を変えるには、ノード及びリンクに関するパラメータの基準値の一覧を示し、そして新たな入力により基準値を上書できる、ユーザ・インタフェース・ウインドウ(user-interface window)で行うことができる。関心のあるパラメータの型は、割合、開始状態値、及びそのパラメータが、シュミレーションの進行とて固定されるか、計算されるかをも含む。パラメータ値を、細胞成分における仮定された機能に依存して設定する基準線より、増大又は減少させる。さらに操作するパラメータ値に関する情報は、Patersoら、U.S.Patent No.6,069,629から得ることができる。こうした開示された文献が、その全体を引用することにより本明細書に組み入れられる。
工程120で、加えられた機能を伴うコンピュータ・モデルを実行し、生物状態のための値を作成する。コンピュータ・モデルに含まれる仮想刺激のある場合と無い場合に、上記コンピュータ・モデルを実行することができ、これにより生物状態のための値(又はSXとして本明細書に言及)を作成する。前に記載されているようにこの値は、細胞成分のレベル又は活性の測定値、又は生物状態の現象型として言及された生物状態の観察及び/又は測定可能な行動の測定値の集合体である。仮想刺激がコンピュータ・モデル内に組み入れられ、そのコンピュータ・モデルが実行された時、得られた値は、仮想刺激に対する生物状態の応答を表している。仮想刺激が、コンピュータ・モデル内に組み入れられなく、そのコンピュータ・モデルが実行された時、得られた値は、生物状態の進行中の現象型を表している。
たとえば、1日に3食を摂取する肥満性、糖尿病患者のモデル(55%の炭水化物、30%の脂肪、15%のタンパク質)を実施し、24時間にて以下の測定値を得ることができた、すなわち循環レベルでの、グルコース(図8A)、インシュリン(図8B)、遊離脂肪酸(FFA)(図8G)、糖新生前駆物質(図8E):乳酸塩、アミノ酸、及びグリセロール、さらびに肝グルコースの放出(output)(図8C)、筋グルコースの摂取(図8D)、全体重の炭水化物、脂肪、及びアミノ酸酸化の相対的寄与(図8H)、及び筋肉及び肝臓のグルコース貯蔵プールの拡大及び縮小などの動的過程も、示されている(図8A)。この場合に加えられている機能に基づいて、1又は複数の過程(processes)を変更することができ、そしてそのモデルを実行することができる。この場合におけるモデルの実行は、仮想刺激を含んでいない。別の例において、Entelos(商標) Asthma PhysioLab(商標)systemでは、アレルギー刺激を計数している間実行することができる。アレルギー物質を攻撃投与する仮想刺激に応答して、以下の測定値から得ることができ、すなわち気道コンダクタンス、組織中の好酸球の集団、及びヒスタミン、ブラデイキニン、システインのロイコトリエン、及びプロスタグランジンなどの炎症レベルにおける介在物である。図6は、抗原投与に応答してFEV1及び脂質介在物のレベルを表している。
図4及び5は、アレルゲン投与によるEntelos(商標) Asthma PhysioLab(商標)systemを刺激する例を示している。図4は、アレルゲン投与するための設定パラメータを示している。図5は、アレルゲン投与するための実験手順を示している。設定パラメータを変更し、アレルゲン投与を明確にし、そして上記コンピュータ・モデルを実行する。図6は、この抗原投与に応答したFEV1及び脂質介在物のレベルを表している。
上記のように、細胞成分の機能を組み入れたコンピュータ・モデルを実行し、生物状態の値を得ることができる。この値は、たとえば、生物状態の応答、又は生物状態の進行中の現象型を示すことができる。この値は、細胞成分のレベル又は活性の測定値、又は生物状態の観察可能な及び/又は測定可能な行動の測定値の集合体である。上記値は、通常観察可能な及び/又は測定可能な現象の集合体である。たとえば抗原刺激に応答において、上記値は、以下の測定値、すなわち炎症細胞の血管内皮遊走のレベル、放出された炎症介在物の量、気道狭窄物の量、及び粘液放出レベルを含むことができる。この値は、時間にわたり動的に計算することができる。
コンピュータ・モデルが、上記モデルに組み入れられた細胞成分の機能における集合体の全て、又は幾つかの機能により実行することができる。コンピュータ・モデルが、いずれかの機能の無い生物状態としての値(又はS0として本明細書に言及)を得るため、細胞成分の機能集合体におけるいずれかの機能を、モデル内に組み入れることなく実行することができる。上記機能を組み入れるコンピュータ・モデルを実行することと並行して、どの機能も組み入れていない所定版のコンピュータ・モデルを、実行する必要がない。ユーザが、上記機能を組み入れるコンピュータ・モデルを実行する前後の時間で、いずれかの機能が組み入れないコンピュータ・モデルを実行することができる。一旦ユーザが、どの機能も無い状態の値を得ると、この値が将来使用するために保存することができる。上記値を、使用されているコンピュータ・モデルに保存することができる。
工程130で、各機能が存在する生物状態として得られた値、SXは、機能がない状態で得られた値、S0と比較される。前記別の方法で、集合体F0の機能に対する各SX値は、集合体F0のいずれかの機能の無い状態にて得られたS0値と比較される。特定の機能として、機能が存在して得られた値SXが、機能が無い状態にて得られた値、S0と相違する場合、上記機能が、生物状態に影響を与えるための有意に高い潜在的生物活性を有するものとして同定される。機能が存在して得られた値、SXは、機能がない状態で得られた値S0と同じか、実質的に同じである場合、その機能が、生物状態に影響を与えるため、有意に低い潜在的生物活性を有するものとして同定される。
工程140にて、S0値に対しそれと関係するSX値との違いを有する機能が、生物状態に影響を与えるための細胞成分の有意に高い潜在的生物活性を有するものとして同定される。前記別の方法にて、予測される潜在的生物活性は、機能が存在して得られた値SXと機能が存在しなく得られた値S0との間の差に依存する。得られた値は、一般に測定値の集合体であり、上記集合体が1又は複数の測定値から成る。機能が存在する値からの測定値が、機能が無い値から該当する測定値と比較される。測定値の集合体は、細胞成分のレベル又は活性の測定値、又は生物状態の観察可能な及び/又は測定可能な行動の測定値から成る。たとえば肥満モデルにおいて、得られた値が、血漿中のレプチン(leptin)のレベルの測定値を含むことができる。細胞成分に割り付けられた上記機能が、血漿中の遊離脂肪酸のレベルを変更する場合、コンピュータ・モデルにおける血漿中の遊離脂肪酸レベルが変更され、そしてコンピュータ・モデルを実行して、そして血漿中のレプチン(leptin)レベルが得られる。又はコンピュータ・モデルが、血漿中の遊離脂肪酸レベルを変更することなく実行される。遊離脂肪酸レベルを変更した場合としない場合のレプチン(leptin)のレベルを比較して、遊離脂肪酸レベルを変更した機能は、肥満状態に影響を与えるべき細胞成分の潜在的生物活性を有するかどうかを決定する。ユーザは、生物状態に対する値において集合体間のどの違いが、肥満状態に影響を与えるべき細胞成分の潜在的生物活性を明示しているかを決定する。この集合体の違いは、1又は複数の数値的又は非数値的値を含むことができる。
たとえば、実施例2に記載され、図7A,7B,7C及び7Dに明示されているように、プロスタグランジン及び血小板活性因子(PAF)のブロッキング(blocking)の存在下、FEV1値は、これら2種の生物過程が、変更されない場合と比較してわずかな改良を示した。しかしこのわずかな改良が、喘息患者の気道誘導の改良とならなかったであろう。しかしながら、システイン(cysteinyl)ロイコトリエンがブロックされる(block)される時のFEV1値が、この生物過程が変更されない時得られたFEV1値と相違していた。一方で5-リポキシゲナーゼ遺伝子が、喘息患者の臨床結果に影響を与えるための潜在的効果を有するものとして、確認された。
生物状態に影響を与えるための細胞成分の潜在的生物活性を予測する方法は、前記コンピュータ・モデルにおける少なくとも1つの個体生物過程のための前記細胞成分の生物活性に関する実験的情報を得る工程;前記コンピュータ・モデルに前記実験情報を加える工程;前記集合体F0の各機能のためのSX値を再評価する工程;及び前記再評価されたSX値を使用し、前記生物状態に影響を与えることのできる細胞成分の機能に関する科学的研究の優先付けを、もし必要であれば再順位化する工程;をさらに含むことができる。さらに本発明の方法を、薬剤に関し科学的調査を優先させるためにも用いることができる。
たとえば、生物的影響を与えるための新規遺伝子を潜在的生物活性予測した後に、上記新規遺伝子は、研究が行われた生物状態における生物的関連性を有する可能性があると考えられる。次に新規遺伝子と推定される機能は、in vivo又はin vitroにて試験され、同定された潜在的生物活性が、評価された生物状態における新規遺伝子に関係するかどうかを決定することができる。
上記in vivo又はin vitroでの試験は、技術的に周知な生物アッセイ系を用いて行うことができる。生物アッセイ系には、細胞に基づくアッセイ及び動物モデルが含まれる。上記細胞に基づくアッセイは、ヒト又は動物組織から外科的に取り出し、さらに培養皿にて培養する急性培養物、あるいは細胞が死亡することのないように形質転換された細胞を使用し、なんらかの細胞株培養物にて行うことができる。細胞は、正常なヒト又は研究されている疾患に罹っているヒトからでもよく、そしてヒト以外の哺乳動物は、ラット、マウスなどでよい。たとえば、正常なヒト以外の哺乳動物又は肥満又は糖尿病の動物モデルであるヒト以外の哺乳動物からの細胞を、使用することができる。たとえば、ホモ接合肥満(ob),糖尿病(ab),脂肪性(fat),又はタル状(tub)マウスからの細胞を、使用することができる。動物モデルは、マウス、ラットなどのヒト以外のモデルでよい。使用される動物モデルは、研究されている疾患のモデルを含むことができる。たとえば、ホモ接合肥満(ob),糖尿病(ab),脂肪性(fat),又はタル状(tub)マウスのような肥満又は糖尿病の動物モデルを、使用することができる。
たとえば、新規遺伝子生成物のレベルが、適切な細胞培養系において調節することができる。上記レベルは、抗センス又はリポザイム手法を用い、又は転写、翻訳、タンパク質の変更、又は転移、又はタンパク質の変性経路に影響を与える処理を用いて減少させることができる。これらのレベルを、遺伝子組み替え技術、エピゲネテック技術を用い、又は適切な遺伝子産生物の活性を発現する細胞により増大させることができる。これらの手法を用い、生物状態に及ぼす新規遺伝子の効果を、確認することができる。たとえば、生物アッセイ系において、新規遺伝子の新しい機能が同定されれば、この新たな情報を、コンピュータ・モデルに組み入れることができ、そして生物状態のための新規な値が、新規遺伝子の存在下に得ることができる。
本発明の本例の方法は、生物状態に対する各機能のための値を造り出すことができる。したがって、機能の集合体におけるそれぞれの機能は、この値に基づいて順位付け(order)することができる。上記順位付け(order)は、特定細胞成分に対する特定機能が、生物状態に影響を与えるために有する潜在的可能性を表すことができる。さらに、細胞成分の生物活性の科学的調査が、この上記順位付け(order)に基づくことができる。科学的調査の1つの形式は、異なる疾患状態を標的とする効能のある潜在的薬剤を同定することを含む。
本発明の他の例において、生物状態に影響を与えるためのポリヌクレオチド及びポリペプチドの潜在的生物活性を、決定することができる。ポリヌクレオチドは、リボヌクレオチド、ジオキシリボヌクレオチド又はその類似物質のいずれかで、特定長さのヌクレオチドの重合形状の物質を含む。この用語は、分子の1次構造を指し、従って2重及び単一鎖のDNA及び2重及び単一鎖のRNAを含んでいる。さらにメチル化、及び/又はキャップ(capped)されたポリヌクレオチドなどの変更されたポリヌクレオチドを含む。用語「遺伝子」は、ポリヌクレオチド又はタンパク質をコードする配列が含まれるポリヌクレオチドの1部を指している。更に遺伝子が、5'及び3'のフランキング配列(プロモータ、エンハンサー、レプレッサー、及び他の調節配列)及びイントロンなどの非コード配列を含むことが、技術的に十分に理解されよう。ポリペプチド、ペプチド、及びタンパク質が、特定長さのアミノ酸の重合体を指示する、相互交換可能な本明細書に使用することができる。さらにこうした用語は、グリコシル化、アセチル化及び燐酸化を含む反応を介して翻訳後に変更されるタンパク質を含む。
図2は、本発明の例に従えば、細胞成分の集合体Z0から生物状態Sに影響を与えるための潜在的生物活性有する細胞成分の亜集合体Z1(subset)を選択するためのフローチャートを示す。この例においては、ユーザが、生物状態に影響を及ぼす潜在的生物活性を有する細胞成分の集合体により開始する。上記機能の集合体及び細胞成分の集合体は、1又は複数のメンバーを含む。この方法を使用して、ユーザは、各細胞成分の機能を優先化し、さらに細胞成分を優先化することができる。この優先化は、細胞成分に関する科学的調査及び/又は細胞成分の機能の優先性を決定するために、用いることができる。
本方法を用いて、上記ユーザが、細胞成分の集合体から生物状態に影響を与えるための潜在的な生物活性を有する細胞成分の亜集合を生成することができる。上記亜集合(subset)は、上記集合体からのゼロ・メンバー、上記集合体からの全メンバー、又は上記集合体からのメンバーのいずれかの組み合わせを有することができる。
工程200で、機能の集合体F0が、細胞成分の集合体Z0に割り付けられる。各機能は、生物状態Sの少なくとも1の生物過程の変更である。
なお注意すべきことは、工程210と220に関する以下に記載が、機能の集合体(たとえば機能の集合体F0)から各機能に対し行われ、さらにこの全体にわたる過程が、集合体Z0から各細胞成分に繰り返すことができる。換言すると、集合体Z0からの各細胞成分が、機能F0のそれ自体の集合体と関係付ける;集合体Z0から各細胞成分、及び所定の細胞成分に対する機能F0からの機能集合体に対して、工程210及び220は、値SXを生成するため最初の版のコンピュータ・モデルにて繰り返される。一旦値SXが、各細胞成分に対する各機能として作成されると、その過程を、工程230に進めることができる。
工程210で、集合体Z0の細胞成分の1に対し集合体F0の機能の1に対する情報が、生物状態のコンピュータ・モデルに加えられる。上記コンピュータ・モデルが、上記生物状態に関係付けられた個体生物過程を表している。個体生物過程の少なくとも1が、集合体F0の1つの機能により変更される過程である。コンピュータ・モデルが、生物状態に及ぼす個体生物過程を変更の影響を評価するため構成される。
工程220で、1つの細胞成分の集合体F0の1の機能に加えられたコンピュータ・モデルを実行し、1つの細胞成分の集合体F0における1の機能の存在下生物状態に対する値SXを生成する。
工程230において、集合体Z0における細胞成分に対するSX値の全てが、S0値と比較される。S0値が、いずれかの細胞成分からどれかの機能が無い状態で、コンピュータ・モデルを実行することにより作成される。
工程240にて、細胞成分の集合Z0から、亜集合Z1の潜在的メンバーに対する選択的特徴が、確立される。
本明細書に用いられるように、「選択的特徴」という用語が、ユーザにより開発された基準を意味する。選択的特徴が、研究されている生物状態に関する所望の結果を表している。この基準は、ユーザにより実施される方法に依存する。1例において、選択的特徴は、1の異なる値の集合体を含む。異なる値は、比較される値の間の違い、たとえば値S0に対する集合体Z0の細胞成分に対するSX値の間の違いとなり得る。異なる値の集合体が、一連の異なる値から成る。
たとえば、喘息症状における新規遺伝子の役割を予測するため、新規遺伝子に割り付け
られた機能の1つが、プラジキニンを産生することである。喘息のコンピュータ・モデルにおいて、プラジキニンに対する過程を変更することなく、仮想患者が、アレルゲン投与に暴露され、そして得られた状態に対する値が、気道誘導の測定を含み。次にプラジキニンの活性が、コンピュータ・モデルにおいてブロックされ、そして上記仮想患者が、アレルゲン投与に暴露され、そして気道誘導の測定値が得られる。この例において、ユーザが開発した選択的特徴により1のパラメータ、すなわち気道誘導の測定値を得ることになる。このパラメータは、1の組みの値を有し、それぞれの値が、プラジキニンのブロックがある場合と無い場合に、気道誘導の違いがある。相違する値すなわち上記パラメータの値が、プラジキニンの活性がブロックされる時、気道誘導における一連の割合による増大(たとえば50%-100%)にて可能である。したがって気道誘導体は、上記気道誘導の活性がブロックされた時を、上記気道誘導の活性がブロックされない時とを比較して、75%だけ増大すれば、この機能がユーザの選択的特徴を満たし、そしてユーザでは、新規遺伝子Yにより喘息発作中プラジキニン産生の調節が、喘息の疾患状態と関連することが予測可能である。さらに、ユーザが、生物アッセイ系における新規遺伝子Yの研究を実施し、同定されたプラジキニン活性が、新規遺伝子Yに関連性があることを確認する。コンピュータ・モデル及び/又は生物アッセイ系から得られる結果に基づいて、ユーザが、喘息を標的とする潜在的に効能の高い薬剤としてそれを評価するための新規遺伝子Yに対し有意に高い優先順に割り付けることができる。
工程250にて、選択的特徴を有する細胞成分が、亜集合Z1に割り付けられる。換言すれば、選択特徴を使用して、亜集合体のメンバーを決定することができる。選択特徴が、生物状態に対するSX値とS0値との間の違いに基づくことができる。この値は、細胞成分のレベル又は活性の測定値、及び生物状態の観察、及び/又は計測できる動きの測定値の集合体で可能である。上記選択特徴は、ユーザにより定義することができる。ユーザにより定義された典型的な選択的特徴が、評価されている疾患状態における所望の臨床結果に関係する。選択特徴は、SXとS0値の間の相違に基づくか、又はその値の一般的変化に基づいてもよい。ユーザの選択的特徴が、上記値における測定値の幾つか、又は全てに基づくことができる。典型的に細胞成分の機能が、他の細胞成分又は過程の活性化又は不活性化と成りえる。上記活性化又は不活性化が、SX値とS0値における特定測定値反映することができる。この例において、選択的特徴は、細胞成分か過程の活性化か非活性化のいずれかであり、そして上記活性化又は非活性化が、SX値とS0値における妥当な測定値を比較することによる観察が可能である。他の例において、細胞成分の機能として、他の細胞成分のレベルが、増大又は減少が起こる場合がある。このレベルの増大又は減少が、細胞成分を反映するばかりか、細胞成分により変更される動きを監察及び/又は測定することによっても反映可能である。この例において、選択的特徴は、細胞成分のレベルの増大又は減少のいずれかにてあり得、そしてこの増大又は減少を観察して、SX値とS0値の関連する測定値を比較することができる。
本発明の1の例において、亜集合体(subset)Z1の細胞成分が、下記のようにさらに評価することができる。この例において、各細胞成分とその機能の間の相互関係が、生物アッセイ系を用いて評価される。生物アッセイ系における評価されている細胞成分の亜集合体Z1が外乱となる。特に生物アッセイ系は、細胞成分及びその機能間との結び付けを調査するために適した系(system)である。たとえば、新規遺伝子Yに対して、生物アッセイ系が、新規遺伝子Yと喘息の疾患状態におけるプラジキニン産生との関係を評価するために適切なものの1と成ろう。上記生物アッセイ系を、ある集合体の機能値を作成するために外乱となる細胞成分の存在下行う。上記集合体の機能値は、1又は複数の機能値FVXから成り、各機能値FVXが、評価される細胞成分の少なくとも1つの機能と関連性がある。上記機能値が、数値化又は非数値化された値であり、その値が、細胞成分に割り付けられた1又は複数の機能に及ぼす細胞成分の外乱の影響を定量化する。上記機能値が、定量化されている機能により変更された生物過程におよぼす影響を測定することいより定量化することができる。生物過程に及ぼす影響が、生物過程に関係する細胞成分レベル又は活性を測定することにより定量化出来る。細胞成分レベル又は活性を測定する技術は、技術的に周知でこれら技術の幾つかは、下に記載されている。機能値FVXが、乱された細胞成分の存在下に得られる。各FVXが該当するFV0値と比較される。FV0値が、細胞成分の外乱が無い状態にて、生物アッセイ系を実行することにより得られる。細胞成分のためFVX値と同様に、FV0値の集合体が得られる。従って細胞成分の各機能に対しFVXとF0値が得られる。比較工程において、FVXとFV0との各機能にて比較される。亜集合Z1から亜集合Z2に潜在的効能に対する選択的特徴が、確立される。選択特徴を有する細胞成分が、亜集合体Z2に割り付けられる。本発明のこうした例において、選択特徴が、評価される細胞成分の各機能に対するFVXとFV0値との間の違いに基づく。上記選択特徴が、上記値の間の違う範囲でよい。たとえば、特定機能に対する特定値(FVxとFV0)が、細胞成分の活性であるなら、評価される細胞成分の外乱の前後に、細胞成分の活性の相違する範囲でよい。選択特徴が、細胞成分の集合体F0の、少なくとも1の機能に及ぼす評価される細胞成分の外乱の影響に関連している。従って、亜集合体Z2に割り付けられる細胞が、評価される生物状態影響を及ぼすための潜在的効能の高い細胞成分として同定される。選択特徴のない細胞成分が、細胞状態に影響を及ぼす影響の有意に低いものであると考えられる。異なる生物アッセイ系が、亜集合体Z1の異なる細胞成分を評価するために必要であることが、当業者にて明らかであろう。選択特徴は、細胞成分の集合体F0の少なくとも1つの機能に及ぼす、評価された細胞成分の外乱の影響に関連する。従って亜集合体Z2に割り付けられた細胞成分が、評価されている生物状態に影響を与える有意な潜在的効能を有する細胞成分として同定される。選択的特徴がない細胞成分は、生物状態に影響を与えるための潜在的効能の低いことが考えられる。異なる生物アッセイ系は、亜集合Z1の細胞成分を評価するために必要であることが、当業者にて明らかであろう。
図3は、本発明の例によれば細胞成分により調節された生物状態の潜在的生物過程(processes)を同定するためのフローチャートを示す。工程300で、機能化細胞成分に割り付けられる。上記機能は、生物状態の少なくとも1つの生物過程の変更である。工程310で、機能に関する情報が、生物状態のコンピュータ・モデルに加えられる。上記コンピュータ・モデルが、生物状態に関連した個体生物過程を表している。上記生物過程の少なくとも1が、機能により変更される過程(processes)であ。上記コンピュータ・モデルが、生物状態に及ぼす生物過程(processes)の変更による影響を評価するために構成される。
工程320で、上記機能の存在下、仮想刺激を表すコンピュータ・モデルが、機能の存在下生物状態のため応答値RXを作成するために行われる。工程330で、生物的刺激を、生物アッセイ系に提供し、生物的応答値を作成する(又は本明細書にBRXとして明示)。生物的刺激が、仮想刺激と生物的に同一であり、そして生物アッセイ系は、生物状態と生物的に同一である。その結果、ユーザは、コンピュータ・モデルから得られる応答値(又はRxとして本明細書に明示)と、生物アッセイ系から得られる応答値(又は本明細書にBRXとして明示)とを比較することができる。
多くの生物アッセイ系が、技術的に知られている。生物アッセイ系が、細胞に基づくアッセイ、及び動物モデルを含んでいる。細胞に基づくアッセイは、急性培養物、すなわちヒト又は動物組織から外科的に取り出され、その後培養皿にて培養された物かあるいは細胞株培養物、すなわち不死に形質転換された細胞のいずれかにて、行うことができる。細胞は、正常なヒト又は研究されている疾患に罹っているヒト、あるいはラットやマウスなどのようなヒト以外の哺乳動物由来の物でよい。たとえば、正常なヒト以外の哺乳動物、又は肥満又は糖尿病の動物モデルであるヒト以外の哺乳動物を使用しても良い。たとえば、ホモ接合の肥満(ob)、糖尿病(db)、脂肪(fat)、又はタル状(tub)のマウスなどからの細胞を使用することができる。動物モデルは、マウス、ラットなどのヒト以外のモデルで良い。使用される動物モデルは、研究されている症状のモデルを含むことができる。使用される動物モデルは、マウス、ラットなどのヒト以外モデルにて可能である。使用される動物モデルは、研究されている疾患モデルを含む。たとえば、ホモ接合の肥満(ob)、糖尿病(db)、脂肪(fat)、又はタル状(tub)のマウスなど、肥満、糖尿病の動物モデルを使用することができる。
本発明の1例において、本発明に用いられる生物アッセイ系は、コンピュータ・モデルにより表される生物状態と生物的に同一でる。たとえば、肥満の生物状態に対しコンピュータ・モデルが肥満患者を表すことができ、そして使用される生物アッセイ系は、ホモ接合体糖尿マウス動物の肥満も出る肥満症の動物的であるホモ接合(homozygous)肥満(obese)(ob)マウスで良い。コンピュータ・モデルが、生物アッセイ系の生物過程の全てを表すという必要がない。さらに、当業者に明らかなように「生物的に同一」と言う用語は、本明細書に記載されているように、正確には同じか同一物を意味しない。生物アッセイ系は、コンピュータ・モデルにてモデル化された全ての過程を含むことが、必ずしも必要でない。たとえば、肥満の生物状態に対し、コンピュータ・モデルが、肥満患者を示すことができ、そして使用される生物アッセイ系が、ホモ接合の肥満(ob)マウス由来の細胞を、急性的に培養することもできる。用いられた生物アッセイ系、及びコンピュータ・モデルは、研究されている応答値に依存することができる。たとえば肥満の生物状態に対して、研究された応答値が、脂質細胞由来のレプチン放出であれば、コンピュータ・モデルが、脂肪細胞のモデル、又は脂質細胞の機能を含む肥満モデルでもよく、そして生物アッセイ系が、脂肪細胞の細胞培養又は脂肪細胞からのレプチンの放出が測定できる動物モデルのいずれかでよい。さらに使用される生物アッセイ系、及びコンピュータ・モデルが、細胞成分及び細胞成分に割り付けられた機能に依存する。
本明細書に用いられている用語「刺激(stimulus)」は、生物状態の生物過程の全て、又は幾つかの変化を造り出す、薬剤又は環境変化を意味する。「仮想刺激」は、コンピュータ・モデルに用いられ、ここで細胞刺激が、生物アッセイ系において用いられる。本発明に用いられる生物的刺激は、コンピュータ・モデルにより表される仮想刺激と生物的同一である。たとえば、喘息の生物状態に対しアレルゲンが、コンピュータ・モデルに対し仮想刺激であると、さらに用いられる生物刺激もアレルゲンでよい。別の例において、遊離脂肪酸ノレベルが、脂肪細胞のコンピュータ・モデルにて変化すると、生物アッセイにおける遊離脂肪酸ノレベルが変化される。しかしながら、当業者にて明らかなように、本明細書に用いられるような用語「生物的に同一」は、正確な同一又は同定を意味しない。生物的刺激及び仮想刺激は、効果及び/又は機能でよく似ている。アレルゲンが、仮想刺激である場合、用いられる生物的刺激が、アレルゲンを伴う刺激として同じ効果又は機能を有するどのような刺激でも可能である。したがって、生物刺激物は、仮想刺激がアレルゲン、肥満細胞の脱顆粒化を起こす薬剤、又はアレルゲンと同じ効果、又は機能を有す他の任意の薬剤を含む。
工程340にて、細胞成分により調節される生物状態の潜在的生物過程と同定するための選択的特徴が、確立されている。たとえば、ユーザが、選択的特徴を定義することができる。選択的特徴は、コンピュータ・モデルから得られる応答値と、生物アッセイ系から得られる生物応答値との間の違いに基づいている。たとえば、選択特徴が、たとえば応答値RXと、生物応答値BRXとの間の違いの範囲にて可能である。ユーザの選択特徴は、応答値と生物的応答値における幾つかの、又は全ての測定値に基づいている。典型的に、コンピュータ・モデルと生物アッセイ系が、相当する方法により行動する場合、生物過程が、評価されている生物状態の細胞成分により調節されている有意に高い潜在的効能を有すると考えられる。
工程350にて、選択的特徴を有する生物過程が、細胞成分により調節される潜在的生物過程として同定される。典型的に、細胞成分の機能が、他の細胞成分又は過程の活性化、又は非活性化と成り得る。この活性化又は非活性化は、応答値及び/又は生物的応答値における特定の測定値を投影している。この例において、選択特性が、応答値と生物的応答値の両方における細胞成分、又は工程の活性化、又は非活性化のいずれでもなり得る。典型的に、活性化又は非活性化は、応答値及び生物応答値における関係する測定値と比較することにより観察できる。他の例において、細胞成分の機能は、他の成分のレベルに増大又は減少することがある。こうしたレベルにおける増大又は減少が、細胞成分の測定値ばかりか、細胞成分により変更される観察及び/又は測定の動きによっても反映することができる。この例において選択特徴は、応答値及び生物的応答値の両方に細胞成分のレベル減少、又は増大のいずれでもなり得る。典型的に、増大又は減少が、応答値及び生物的応答値の関係する測定値と比較することにより観察することができる。
本発明の1例は、疾患状態における薬剤の活性に関与する生物過程を予測するための方法である。こうした本発明の例では、ユーザが薬剤活性に関与する生物過程を予測することができる。本発明の1例は、薬剤の治療効果に介在する生物過程、又は薬剤の副作用に介在する生物過程を予測するために用いることができる。多くの例において、特定薬剤が、所望の治療効果を生成するばかりか、望ましくない副作用も生成する。本発明の例では、これらの望ましくない副作用に関与する生物過程を予測するために使用することができる。極めて頻繁に薬剤が所望の効果を生成するが、しかしながらこれらの活性機構は、まだ知られていない。活性機構をより良く理解することは、効能や性能を改良した合成薬剤に、開始薬剤の構造の変更を手助けとなることができる。
生物アッセイ系のための生物的応答値を、たとえば細胞成分のレベル又は活性を測定することにより、及び/又は生物状態を測定できる行動を測定することにより得ることができる。細胞成分の転写、翻訳、及び/又は活性を測定することができる。
細胞成分の転写を測定することが、たとえば、ポリヌクレオチド配列を含み、そして固体支持体又は表面に固定される任意のプローブ又は複数のプローブを用いて行うことができる。たとえば、プローブは、DNA配列、RNA配列、又はDNA及びRNAの共重合ポリマー配列を含むことができる。上記プローブのポリヌクレオチド配列が、DNA及び/又はRNAの類似体、又はその組み合わせ体を含むことができる。プローブのポリヌクレオチド配列が、合成オリゴヌクレオチド配列などのさらにヌクレオチド配列も合成することができる。プローブ配列は、プローブ配列が、in vivoにおいて酵素的に、in vitroにおいて酵素的に、(ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)),in vitroにおける非酵素的いすれかを合成することができる。本発明の例において使用される1又は複数のプローブは、孔性又は非孔性のいずれかである固体支持体又は表面を不動化することができる。たとえば、上記プローブが、ポリヌクレオチド配列でよく、ニトロセルローズ、又はナイロン膜、又は濾過器に結合したポリヌクレオチド配列で良い。こうしたハイブリット化プローブは、当業者に周知である(たとえば、Sambrookら、Eds.,1989,Molecular Cloning:A Lzboratory Manual,2nd ed.,Vols.1-3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照)。他の選択肢として、固体支持体又は表面は、ガラス又はプラスチック表面で良い。転写の測定は、固相から成るプローブのマイクロアレイにハイブリット化することにより行われ、その固相の表面上にて、DNA又はDNA擬態の集団又は別にRNAの集団など、ポリヌクレオチド集団が固定化される。マイクロアレイは、生物状態のゲノムにて、たとえば遺伝子の大部分又はほぼ全ての遺伝子における、多くの遺伝子を生成するため結合(たとえばハイブリット化)部位の順序化されたアレイによる表面を含む。
細胞成分の翻訳の測定には、幾つかの方法により実施することができる。たとえば、タンパク質のゲノム監視(すなわち、「プロテオム(proteome)」Goffeaら,supra)が、結合部位が、固定化され、モノクロナールな、細胞ゲノムによりコードされる複数のタンパク質種に特異的抗体を含むマイクロアレイを構成することにより実施することができる。抗体が、コードされるタンパク質の実質的画分として、又は少なくとも関心のある薬剤の活性に関連するこれらのタンパク質に対し提示することができる。モノクロナール抗体を作成するための方法が、よく知られている(Harlow and Lane,1988,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照)。一例において、モノクロナール抗体を、細胞のゲノム配列に基づいて作成された合成ペプチド断片に対し増大させる。こうした抗体のアレイの場合、細胞からのタンパク質をアレイと接触させ、そしてこれらの結合を技術的に周知の方法により評価される。他の選択肢として、タンパク質が、2次元ゲル電気泳動システムにより分離することができる。2次元ゲル電気泳動が技術的に周知であり、そして1次元に沿った等電点電気泳動(isoelectric focusing)の後、2次元に沿ったSDS-PAGE電気泳動を典型的に含む。たとえば、Hamesら、1990,Gel Electrophoresis of Proteins:A Practical Approach,IRL Press,New York;Shevchenko ら、1996,Proc.Natl.Acad.Scie.U.S.A.93:1440-1445;Saglioccoら、1996,Yeast 12:1519-1533;and Lander,1996,Science 274:536-539を参照。得られて電気泳動によるパターンを、質量スペクトロメータ技術、ウエスターン・ブロット,及びポリクロナール及びモノクロナールを用いる免疫ブロット分析、及びインターナル及びN-端末マイクロシークエンスを含む、多くの技術により分析することができる。これらの技術を用いて、薬剤に暴露された細胞(たとえば酵母にて)又はたとえば特定遺伝子の欠失又は過剰発現により変更される細胞を含む、所定の生理的状態下、生成される全てのタンパク質の実質的画分を同定することは、可能である。
タンパク質など細胞成分の活性を、測定することができ、そして本発明の例が、こうした測定に基づいている。活性としての測定値が、特徴付けられて特定活性に対し適切な何らかの機能的、生化学的、又は生理的手段により実施することができる。ここで上記活性が化学的形質転換を含み、細胞タンパク質を、天然の基質と接触させて、そして形質転換の割合が測定された。ここで上記活性が、多重結合単位の会合、たとえばDNAと活性なDNA結合複合体との会合に関与すると、会合タンパク質量又は転写されたmRNA量など会合による2次的に得られた物質を測定することができる。さらに、機能的活性だけ、たとえば細胞のサイクル制御として知られ、機能に関する性能を観察することができる。
本発明の1つの例において、本発明の方法は、種々の疾患状態の治療のための発展を目的として使用できる細胞成分を同定するために使用できる。図16は、新規遺伝子が薬剤を標的として使用できるかどうか同定するための方法を明示する。ユウサーは、技術的に知られた情報を使用し、及び/又はユーザに知られる情報を使用し、新規な遺伝子により調節できる生物過程を同定する。同定された生物過程に基づいて、ユーザが、新規遺伝子に対する想定機能を生成する。次にこれらの想定機能が、生物状態のコンピュータ・モデルにて試験され、そのうちの上記遺伝子が役割を果すと仮定される。この試験は、本発明記載の方法を用いて行うことができる。この試験は、新規な遺伝子が役割を果すと仮定される生物状態に影響を与えるために、新規の遺伝子のいずれかに想定される機能が、潜在的効能を有するかどうかを、上記試験することにより決定する。コンピュータ・モデルは、想定される機能が、生物状態に影響を及ぼさないと指示した場合、新規な遺伝子が、薬剤の標的としてさらに評価されることがない。1又は複数の想定機能が、生物状態に影響を及ぼすと、上記ユーザは、次に同定された想定する機能を評価される新規遺伝子に結合するように試みる。すなわち、ユーザが、同定された機能と新規遺伝子との間の相互作用が存在することを確認する。本発明の1例において、こうした検証が、生物アッセイ系を用いて行われる。新規遺伝子が、生物アッセイ系において乱され、そしてこの外乱による影響が、同定された機能の影響を測定することにより評価される。新規遺伝子の外乱に対する幾つかの技術が、技術的に知られている。たとえば、適切な細胞培養系における新規遺伝子の産生物のレベルを調節することにより、新規遺伝子は、外乱が可能となる。上記レベルは、アンチセンス又はリボザイム手法を用いて、又は転写、翻訳、タンパク質の変更,又は転座あるいはタンパク質の変性経路に影響を与える処理を用いて, 上記レベルを減少させることができる。さらに新規遺伝子が、遺伝子置き換え技術、エピジェネテック(epigenic)技術を用いて新規遺伝子の産生物のレベルを増大させることにより、又は適切な遺伝子産生物の活性を発現する細胞により、乱すことも可能である。機能に及ぼす外乱の影響が、機能に関係する生物過程に及す上記影響を測定することにより、得ることができる。細胞成分のレベル又は活性を測定するための技術は、技術的に知られ,これらの技術の幾つかは、上に記載されている。新規遺伝子に対する外乱により変更される機能が、新規遺伝子に関連性のある有意に高い潜在的効能のある機能であると、確認される。1又は複数の仮定化された機能が、新規遺伝子の外乱により変更されると、さらに新規遺伝子が、標的薬剤として評価される。機能が全く変更されなければ、新規遺伝子がさらに評価されることがない。
図15Aが、生物状態Sに影響を与えるために細胞成分の潜在的生物活性を予測するための方法を示すフローチャートを明示する。細胞成分の潜在的生物活性に基づいて、細胞成分が、薬剤の標的として発展するためにさらに評価することができる。工程1500にて、集合体F0の機能が、細胞成分に割り付けられる。集合体F0の機能においてそれぞれの機能が、生物状態Sの少なくとも1の生物過程の変更である。工程1502で、集合体F0の1の機能のための情報が、生物状態Sのコンピュータ・モデルに加えられる。コンピュータ・モデルが、生物状態に関連する個体生物過程を表している。少なくとも1つの個体生物過程が、機能により変更される過程である。コンピュータ・モデルを構成して、生物状態に及ぼす生物過程を変更するという影響を評価する。工程1504にて、コンピュータ・モデルを、付加される1の機能により実施し、集合体F0における1の機能の存在下、値SXを生成する。工程1502と1504は、集合体F0の他のいずれかの機能として繰り返すことができる。工程1506で、集合体F0の機能に対するSx値全てが、S0値と比較される。S0値が、集合体F0の機能情報のない状態でコンピュータ・モデルを実行することにより得られる。工程1508で、集合体F0から亜集合体F1の潜在的メンバーとしての選択的特徴が、確立される。工程1510で、選択的特徴を有する機能が、亜集合F1に割り付けられる。
前に記載されたように、選択的特徴が、研究されている生物状態に関する所望の結果を表している。1例において、選択的特徴は、SX値とS0値との間の一連の異なる値にて可能である。選択的特徴は、生物状態を影響させるための細胞成分の潜在的生物活性に関連してる。従って亜集合体F1に含まれる上記機能が、本亜集合体に含まれない機能より生物状態に影響する有意に高い潜在的効能を有することである。
本発明の他の例において、選択的特徴が、亜集合体F1の機能が、図15Bに記載されているようにさらに評価することができる。上記図15Bが、さらに亜集合体F1のさらに亜集合体F2を作り出すために本発明の方法を明示している。細胞成分と亜集合体F1の機能との関係を、生物アッセイ系を用いて評価する。細胞成分に関係付けられる有意な可能性を有するものとして同定される亜集合体F1の機能が、亜集合体F2に割り付けられる。工程1512において、評価されている細胞成分が、生物アッセイ系において乱される。この生物アッセイ系が、評価されている生物状態と生物として同一となることができる。特に上記生物アッセイ系が、細胞成分と評価される予測機能とを関係付ける研究に適切な系である。細胞成分を乱す幾つかの技術が、知られている。たとえば細胞成分がポリペプチドである場合、その活性又はレベルを増大又は減少することにより乱すことができる。上記活性が、アゴニスト又はアンタゴニストを用いて増大又は減少することができる。上記レベルが、ポリペプチドの転写又は翻訳と干渉することにより、増大又は減少させることができる。さらにポリヌクレオチドを乱すための方法は、技術的によく知られその幾つかが上に記載されている。工程1514において、上記生物アッセイ系が、一集合体の機能値を作成するため、乱される細胞成分に存在下に実行される。上記機能値の集合体が、1又は複数の機能値FVXから成り、各FVX値が亜集合体F1の1の機能に関係している。上記機能値が、細胞成分に割り付けられる機能の1つに及ぼす、細胞成分を乱す影響を定量化する数値又は非数値による値である。上記機能値が、定量化された機能により変更される生物過程に与える影響を測定することにより定量化される。生物過程に及ぼす影響を、生物過程に関する細胞成分のレベル又は活性を測定することにより定量化することができる。細胞成分のレベル又は活性を測定するための技術が、技術的に良く知られており、これらの技術の幾つかが、上に記載されている。機能値FVXが、乱された細胞成分の存在下得られる。肯定1516で、各FVX値が、該当するFV0値と比較される。上記FV0値が、細胞成分の外乱のない状態にて、生物アッセイ系を実行することにより得られる。細胞成分に対し、FVX値と同様に1集合体FV0値が得られる。従って亜集合体F1の各機能に対して、FVxとFV0値が得られる。比較工程において、すなわち工程1516において、FVxのそれぞれの機能とFV0値に対し、比較される。工程1518において、亜集合体F1から亜集合体F2の潜在的メンバーに対する選択的特徴が、確立されている。工程1520において、選択的特徴を有する機能が、亜集合体F2に割り付けられる。本発明の本例において、選択的特徴が、各機能に対するFVxとFV0値との間の相違に基づいている。上記選択的特徴はその値の間の違いの範囲でよい。たとえば、特定機能のための機能値(FVxとFV0)は、細胞成分の活性であれば、選択的特徴は、細胞成分活性の違いの範囲でよく、細胞成分を乱す前後にて評価される。選択的特徴が、亜集合体F1の機能に対し評価される細胞成分の外乱の影響に関連している。選択的特徴を有する機能が、評価される細胞成分に関係した高い潜在性効能を有する機能として同定される。選択的特徴でない機能が、細胞成分に関係した低い潜在的性能であると考えられる。相違する生物アッセイ系が、亜集合体F1の異なる機能を評価するために必要であることが、当業者に明らかになるであろう。
実施系及び方法
前章に記載された方法を、コンピュータ・システムにより行うことができる。図9が、上記方法を行うため適切なコンピュータ・システムの例を明示する。コンピュータ・システム900は、プロセッサー902,主記憶装置903、及びスタチック・メモリー904を含み、それがバス906を介して通信する。さらにこのシステム900は、ビデオ表示機908(たとえば液晶表示機(LCD)又はカソード・レイチューブ(CRT))を含み、そこに本発明による生物状態又は疾患の症状を表示することができる。さらにコンピュータ・システム900は、アルファ・ニューメリック入力装置(たとえばキーボード)、カーソル制御装置912(たとえばマウス)、デスク・ドライブ装置914、信号発生装置916(たとえばスピーカー)、およびネットワーク・インターフェース装置918を含む。デスク・ドライブ装置914は、コンピュータ読み込みメデア915を含み、そこに上記各方法を実行するためのソフトウエア920が、記憶されている。さらに上記ソフトウエア920を、主記憶装置903,及び/又はプロセッサー902に、完全に又は少なくとも部分的に存在することを示している。さらに上記ソフトウエア920が、ネットワーク・インターフェース装置918を介して送、受信することができる。本明細書の目的として、用語「コンピュータ読み込みメデア」は、本発明の方法を実行するための指示する順位を記憶させ、コードすることができる、いずれかのメデアを含むことを理解すべきであり、それが光及び磁気デスク、導波路シクナルを含むが限定されないことを理解すべきである。
なを注意すべきことは、上記方法を、コンピュータ・ソフトウエアの十分な範囲で、又はコンピュータ・ソフトウエアにより行われる幾つかの工程を組み合わせ、およびコンピュータ・ソフトウエアを使用することにより行われる残りの工程により行うことができる。たとえば、なんら加えられる機能なく生物状態として値S0に対する集合体F0の加えられる機能の存在下、生物状態として値SXを比較する工程が、コンピュータ・ソフトウエア内にて自動的に行うか、又はコンピュータ・ソフトウエアを実行したユーザにより実施し、特定値SX及びS0を得ることができる。
コンピュータ・ソフトウエアにて全部行われる上記方法の例は、たとえば、上記方法の工程を含む特に設計されたコンピュータ・ソフトウエアを含むことができる。選択肢としてこうした例が、たとえば、生物状態と関連する個体生物過程を表わすコンピュータ・モデルと結び付けられるピュータ・ソフトウエアの二次的成分(たとえばコンピュータ・ソフトウエア・マクロ)を含むことができる。こうした二次的コンピュータ・ソフトウエア成分が、上記コンピュータ・モデルを多重時間にて実行し、異なる値のSx(集合体F0の加えられる機能の存在下、生物状態として)が決定される、すなわち一旦SXの種々の値が決定されると、上記マクロが、値S0とこれらの値SXとを比較することができる(なんら加えられた機能のない生物状態に対して)。これにより二次的コンピュータ・ソフトウエア成分が、上記方法により使用され得る前もって存在するコンピュータ・モデル(すなわち、生物状態に関連する個体生物過程を表わすコンピュータ・モデル)を適応することができる。
コンピュータ・モデルの実施例
図11及び図12が、Entelos(商標)Obesity PhysioLab(商標)systemを示している。肥満の生物状態が、生物状態の生物過程を明示する一連のユーザ・インタフェース・スクリーンによりモデル化される。これらの生物状態の生物過程が、それ自体の間で動的な相互作用を有する。上記モデルが多くのモジュールを含む。モジュールの例が図12に明示する。各モジュールが、幾つかの生物過程を表している。互いにグループ化された場合のこれらのモジュールが、生物状態を表している。
それぞれのモジュール・モデルが、上記状態及び機能ノードを使用することによる細胞成分と生物過程との相互作用であり、それらの関連が、矢印符号の使用により明示される。各生物過程のための数学的関係は、ノード及び矢印にて表されている。
状態及び機能ノードは、これらが表す変動可能な名前、及び上記モデルにおける場所の名称を示している。これらの矢印や変更物質が、上記モデル内の他のノードに対するこれらの関係を示している。さらに状態及び機能ノードが、シュミレート化実験における値、又はこれらの変数を計算するために使用されるパラメータ及び式を含んでいる。コンピュータ・モデルの1例において、状態及び機能ノードが、米国特許第6,051,029及び継続出願09/588,855に記載された方法により生成され、その両方の名称が、「Method of generating a display for a dynamic simulation model utilizing node and link representations」であり、共に引用として本明細書に組み入れられている。さらに状態及び機能ノードの例が、さらに以下に記載されている。
図10Aに示される状態ノードが、時間に対するその入力の累積的な影響により決定される値の系における変動を表している。
状態ノードが、異なる式により定義される。状態ノードのため予め定義されたパラメータは、その開始値(S0)及びその状態を含む。半減期を有する状態ノードが、半減期(h)の付加的なパラメータを有し、そして半減期の標識により標識化される。
図10Bに示される機能ノードが、時間で同一時間点での入力により、時間的にどの時間でも決定される値のその系における変動を表している。
機能ノードが、これらの入力を代数機能により定義される。機能ノードのため予め定義されたパラメータは、その開始値(F0)及びその状態を含む。
ノード状態を設定して、ノード値がいかに影響を与えるかを決定する。状態又は機能ノードの状態は、1)計算された:その入力の結果として、上記値が計算される、2)1特異的にロックされる:上記値が時間に対し一定に保持される、又は3)特定の日時:上記値が、予め定められたデータの値点による、時間に伴う変化で可能である。
ノードすべてが、これら矢印に対する位置で定義され、そして他のノードは、元のノード(S)か標的ノード(T)かのいずれかである。元のノードが矢印の尾部に置かれ、そして標的ノードが、矢印の頭部に配置される。両ノードが、活性でも非活性でも良い。
状態ノードのコンピュータ状態は、計算され(Computed),特異的にロックされ(Specified-Locked)、又は特定データ(Specified Data)でよい。
計算された状態ノード:
Figure 2005509933
ここでSは、ノード値であり、tは時間、S(t)は時間tにおけるノード値であり、そしてhは、半減期である。式の末端の3個の点は、そこに誘導するいずれかの有効な矢印から、及びそこから外部に誘導するいずれかの変換矢印により得られる式の付加的条件があることを明示している。Hは、ゼロに等しいと、半減期の計算が行われず、dS/dtが、ノードに付随する矢印により単独にて決定される。
状態ノード特異的ロック(State Specified-Locked):
Figure 2005509933
状態ノード特異的データS(t)は、状態ノードとして登録される特異的データにより定義される。
状態ノード値は、最小値がゼロで、そして最大値が1と限定することができる。ゼロと限定されると、Sが、ゼロより決して小さくならず、それが、負の値になると、Sに対する値が、ゼロにリセットされる。1に限定されると、Sが、1より大きくなることができず、1を越えると、1にリセットされる。
矢印が、機能ノード(アーギュメント)、プラス何らかの目的、及び機能を表現する場合使用される有効な略図パラメータ(Effect Diagram parameters)を指しているノード値の特定機能を評価することにより、機能ノード式が計算される。
矢印は、ソース・ノードを標的ノードに結び付け、そしてノード間の数学的な相互関係を表している。矢印は、上記矢印の作用を明示する丸印で標識化している。もし矢頭が中空でない場合、その有効性が肯定的である。矢頭が中空であれば、その有効性が否定的である。
図10Fに示される有効矢印が、ソースの状態又は機能ノードを標的状態ノード結び付ける。有効矢印が、標的ノードに対し変化を起こすが、ソース・ノードに影響を及ぼさない。これらは、矢印の作用性を指示する円形に標識化されている。
図10Dに明示される変換矢印は、状態ノードの内容が、結合された状態ノードの内容に変換される方法を表している。その作用が、ソース・ノード又は標的ノード、あるいはその両方のノードに有効である。上記変換は、いずれかの方法にて実行することができる。
図10Cに明示されたアーギュメント矢印は、どのノードが機能ノードに対する入力アーギュメントであるかを明記する。これらは、パラメータ又は式を含んでおらず、そして作用円で標識化されていない。
有効性又は変換矢印が、定常、比例、又は相互作用性でよい。定常である矢印は、図10Eに明示するように矢印の軸が破断している。これらは、標的の変化率がソース又は標的ノード値に依存しない場合使用される。
比例である矢印は、中空でなく軸が破断せず、そして変化率がソース・ノードの機能又はソースノードの値に依存する場合使用される。
相互作用である矢印は、図10Gni明示するように、作用円から標的ノードへのループを有する。これらは、標的の変化率がソース・ノード及び標的ノードの両方の機能又は値に依存することを示している。
比例的有効な矢印:標的の変化率がソースノード値を軌跡する。
Figure 2005509933
ここでTは、標的ノードである。Cは係数、Sは、ソースノードであり、aは指数値である。
一定の有効矢印:標的の変化率は一定である。
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード、そしてKは定数。
相互作用有効矢印:標的の変化率は、ソースノードと標的ノード値の両方に依存する。
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード,Sはソースノード、a及びbは指数値である。この式は、オブジェクト・ウインドウ(Object window)において選択されるオペレーションに依存して変化することができる。オペレーションに利用できるのは、S+T,S-T,S*T,T/S及びS/Tである。
比例変換矢印:標的の変化率は、ソースノードの値を軌跡する。
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード、Sはソースノード、Cは係数、Rは変換率、及びaは指数値である。
一定変換矢印:標的が増大するにつれそれに相当してソースが減少するように、標的及びソースの変化率が一定である。
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード、Sはソースノード、Kは定数、Rは変換率である。
相互作用変換矢印:標的及びソースの変化率が、標的が増大するに相当してソースが減少するように、ソース及び標的ノード値の両方に依存する。
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード、Sはソースノード、a及びbは指数値、Rは変換率である。この式は、オブジェクト・ウインドウ(Object window)において選択されるオペレーションに依存して変化することができる。オペレーションに利用できるのは、S+T,S-T,S*T,T/S及びS/Tである。
変更内容は、有効ノードが結合される矢印に有することを明示している。たとえばノードは、ブロック、調節、抑制、あるいは矢印の率を刺激することができる。
有効矢印、変更式:
Figure 2005509933
ここでTは標的ノード、Mは定数の乗数、Nは正規化定数、f()は関数(線形又は変換曲線による特異性のいずれか)であり、そして矢印項は、付加される矢印による式の一部である。
デフォルトにより、変換矢印の変更内容が、ソースと標的矢印項の両方に影響を及ぼす。しかしながら、幾つかの例において、一方だけの変更子が用いられる。こうした変更子が、ソース矢印項か標的矢印項のいずれかに影響することになる。つまり両方の矢印項には影響を及ぼさない。
変換矢印、ソースだけの変更子の式:
Figure 2005509933
変換矢印、標的だけの変更子の式:
Figure 2005509933
ソース及び標的変更のための式は、ソースだけの式及び標的だけの式の両方を使用する。
乗算及び加算の変更子が結び付けられると、有効性では、優位性が与えられる。たとえば、以下の変更子が、矢印上のあれば、
a1,a2:加算、ソース及び標的、
m1,m2: 乗算、ソース及び標的、
A1,A2:加算、標的だけ、
M1,M2: 乗算、標的だけ。
次に率は、以下により変更される、
標的ノード:(a1+a2+A1+A2)*(m1*m2)*(M1*M2)、
ソースノード:(a1+a2)*(m1*m2)、である。
上記のノード、矢印、それに伴う式は、開発するために使用される幾つかのツールであり、商業的に利用可能なものがEntelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systems, Entelos(商標)Obesity PhysioLab(商標)systems,及びEntelos(商標)Adipocyte CytoLab(商標)systemsである。
喘息における5-リポキシゲナーゼの生物活性の予測
本発明の例示的方法を、周知の遺伝子である、5-リポキシゲナーゼを用いて評価した。この遺伝子の機能は、技術的に知られている。この方法を、喘息の商業的に利用できるモデル、Entelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systemsを使用して行った。
Entelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systemsを使用し、モデルとされる喘息患者をアレルゲンに暴露した。図4及び図5を、Entelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systemsからのショットに選別された。図4は、アレルゲンに対するモデルとされた喘息患者の応答を得るために変更可能な種々のパラメータ及びこれらの値を示している。図5は、モデルとされた喘息患者のために設定されたアレルゲン投与を示している。
喘息におけるアレルゲンに対する以下の暴露によれば、肺機能は、平滑筋の収縮、組織の膨潤および粘液の生成により気道の一部の閉塞により危うくなる。アレルゲン刺激に応答し、典型的に両相の応答が、喘息の患者に観察される。図6Aに明示される同様の両相の応答は、アレルゲンに暴露されるモデルとして喘息患者に観察される。図6Aの応答が、図5に明示された実験的な設定を用いて得られた。図6Aは、1秒(FEV1)当たりの強制的呼気量として起動誘導を明示している。モデルの患者にて2相応等と同時に、3種の脂質介在物としてプロスタグランジン、血小板活性因子(PAF)、及びシステイン・ロイコトリエン(CysLT)の増大が観察される。この炎症介在物の増大を、図6B及び6Cに示している。
Entelos(商標)Asthma PhysioLab(商標)systemsにて観察されるこの炎症介在物における増大に基づいて、3つの機能が、5-リポヌクレアーゼに割り付けられる。これらの機能が、3つの異なる脂質介在物、すなわち喘息発作中、プロスタグランジン、血小板活性因子(PAF)、及びシステイン・ロイコトリエン(CysLT)の1を生成した。
次に各機能のための情報を入力し、各炎症介在物の活性を変更させる。各炎症介在物の活性を、アンタゴニストを用いてブロックした。図13及び図14は、システイン・ロイコトリエン(CysLT)・アンタゴニストの影響を、喘息患者のモデルにどのように組み入れるかを示している。図13は、アンタゴニストによりシステイン・ロイコトリエン(CysLT)をブロックするという効果が、評価するため変更される、種々のパラメータ及びこれらの値が示されている。図14は、システイン・ロイコトリエン(CysLT)アンタゴニストの存在下、アレルゲンに喘息患者を暴露するという実験的構成を示している。同様にプロスタグランジン及び血小板活性因子(PAF)には、アンタゴニストによりブロックすることが、行われる。ブロックの結果は、図7A、7B、及び7Cに示されている。図7Dは、いずれかの炎症介在物をブロックすることのない状態での気道誘導を示している。プロスタグランジン及び血小板活性因子(PAF)のブロッキングは、これら2種の生物過程が変更されなかった場合、と比較してFEV1において僅かな改良が示された。しかしこの僅かな改良が、喘息患者の気道誘導を改良する結果にならなかった。しかし、システイン・ロイコトリエンのブロッキングが、気道誘導を正常に戻した(図7A、7B、7C,及び7Dを参照)。
リセプター・アンタゴニストとしてのパラメータが、上記モデルに存在しなければ、関係する炎症介在物が、ノードを変更することによりブロックすることができ、そして炎症介在物と関係して結合することができる。
本実験は、CysLTが、アレルゲンに応答した喘息患者において観察される気道誘導の変化において重要な役割を果たしていることを示す。さらにこの実験は、もし5-リポキシゲナーゼがCysLTの生成物を調節する場合、喘息治療の開発に貴重な標的であることを示唆している。次の工程では、in vitro及び/又はin vivoの実験による5-リポキシゲナーゼのこの想定する機能を確認すべきである。想定される機能が、臨床的に有意な結果を完全に得られなければ、潜在的標的及び付加的機能が、仮定できるものとして、そして繰る返される過程として、上記遺伝子を破棄してもよい。
本明細書に言及されるあらゆる公開文献又は特許出願書が、あたかも各個人の公開文献又は特許出願書が、引用により引用により組み入れられるように特異的に、そして個々に指示されるように、本明細書にある程度引用により組み入れられる。
本発明は現段階にて十分に記載されている。多くの変化又は変更が、添付されたクレームの精神又は範囲を逸脱することなく、ここに行うことができることが、当業者に対して明らかになるであろう。
図1は、本発明の例により、生物状態Sに影響を当たえるための、細胞成分の潜在的生物活性を予測するためのフローチャートを示す。
図2は、本発明の例により、細胞成分の集合体Z0から生物状態Sに影響を当たえるための、潜在的生物活性を有する細胞成分の集合体の亜集合体Z1を選択するためのフローチャートを示す。
図3は、本発明の例により、細胞成分により調節される生物状態の潜在的生物過程を同定するためのフローチャートを示す。
図4は、アレルゲン投与のためのパラメータの集合体を示している。
図5は、アレルゲン投与のための実験手順を示している。
図6は、アレルゲン投与に応答してFEV1及び脂質介在物のレベルを明示している。
図7は、FEV1の脂質介在物をブロックする影響を明示している。
図8は、1日三食消費する肥満糖尿病患者のコンピュータから24時間の間の応答を明示する。
図9は、本発明の方法を行うためのソフトウエアを常駐するか、又は実行するコンピュータ・システムを図式的に表している。
図10は、本発明の方法を行うために用いられるコンピュータ・モデルに用いられるノード及びリンクを明示する。
図11は、肥満のコンピュータ・モデルの機能的及び解剖観点の概要の概略図を示している。
図12は、肥満のコンピュータ・モデルの一部である過程を明示する。
図13は、アンタゴニストによりCysLTをブロックするという効果を評価するために変更可能な種々のパラメータ及びこれらの値を示す。
図14は、CysLTアンタゴニストの存在下、アレルゲンに喘息患者を暴露するための実験的構成を明示する。
図15A及びBは、本発明の例による、生物状態に影響を与えるための細胞成分の潜在的生物活性を予測するためのフローチャートを明示する。
図16は、新規遺伝子が薬剤標的を使用できるか同定するため本発明の方法のフローチャートを明示する。

Claims (21)

  1. 生物状態Sに影響を与えるための細胞成分の潜在的生物活性を予測するための方法において:
    [(a)前記細胞成分に機能集合体F0を、割り付ける工程において,集合体F0の各機能は、前記生物状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更である;
    (b) 集合体F0の1つの機能に関する情報を、前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態と関連した複数の個体生物過程を表し、少なくとも1つにおける複数の個体生物過程は、集合体F0の前記1つの機能により変更される過程で、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成されるている;
    (c) 前記加えられた集合体F0の1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、前記加えられた集合体F0の1つの機能の存在下、前記生物状態のための値SXを作成する工程;
    (d)集合体F0のいずれか他の機能のため(b)及び(c)の工程を繰り返す工程;
    (e) S0値と集合体F0の機能のための前記SX値全てとを比較する工程において、前記S0値が、前記コンピュータ・モデルに加えられている集合体F0の機能のいずれかない状態にて、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成される;そして
    (f)前記生物状態に影響を与えるための前記細胞成分の有意に高い潜在的生物活性を有するような、S0値に対しSx値の差を有する集合体F0における機能を同定し、そして前記生物状態に影響を与えるため有意的に低い潜在的生物活性を有するような、S0値に対しSx値の差が実質的に有しない集合体F0の機能を同定する工程]
    を含む予測するための方法。
  2. [前記コンピュータ・モデルにおける少なくとも1つの個体生物過程のための前記細胞成分の生物活性に関する実験情報を得る工程;
    前記コンピュータ・モデルに前記実験的情報を加える工程;
    集合体F0の前記それぞれの機能のため、Sx値を再評価する工程;そして
    前記再評価されたSX値を用い、て再配置し、必要であれば前記生物状態に影響を与えることのできるため、細胞成分の機能に関する科学的実験の優先性を、必要であれば再配列をする工程]、
    をさらに含む請求項1記載の方法。
  3. 前記集合体F0の機能群が、S0に対しSX値が最っとも高い差から、S0に対しSX値が最も低い差までの亜集合体F1において配列され、そして科学調査における優先性は、前記配列された集合体に基づいて配列される請求項1の方法。
  4. 集合体F0の機能の前記割り付けは、前記細胞成分の生物活性に関する実験情報を得ること、及び前記細胞成分と前記実験情報とを結び付ける工程を含む、請求項1記載の方法。
  5. 集合体F0の前記1つの機能のため付加する情報は、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つに、前記1つの細胞成分の部分的貢献性を割り付けることを含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記細胞成分が、ポリヌクレオチド及びポリペプチドから成る群から選択される請求項1記載の方法。
  7. 細胞成分の集合体Z0から生物状態Sに影響を与えるための潜在的生物活性を有する細胞成分の亜集合体Z1を選択するための方法において:
    [(a)機能の集合体F0を、集合体Z0の各細胞成分に割り付ける工程において,各機能は、前記生物状態Sの生物過程の少なくとも1つの変更であり;
    (b) 集合体Z0の前記細胞成分1つに対し集合体F0の前記機能の1つに関する情報を、前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態と関連した複数の個体生物過程を表し、複数の個体生物過程における少なくとも1つが、前記集合体F0の機能1つにより変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成される、前記工程;
    (c) 前記コンピュータ・モデル内に組み入れられた前記1細胞成分の集合体F0の前記加えられた1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、前記1細胞成分の集合体F0における集合体F0の前記1つの機能の存在下、前記生物状態に対する値SXを作成する工程;
    (d)集合体F0における他の機能のいずれかに対し工程(b)及び(c)を繰り返す工程;
    (e)集合体Z0における他の細胞成分のいずれかに対し工程(b)、(c)及び(e)を繰り返す工程;
    (f)集合体Z0の細胞成分に対する前記SX値の全てと、S0値とを比較する工程において、前記S0値は、前記コンピュータ・モデルに加えられている細胞成分の前記いずれかの機能がない状態にて前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成される;
    (g)前記亜集合体Z1の潜在的メンバーに対する選択的特徴を確立する工程において、前記選択特徴が、集合体Z0における細胞成分に対するSx値からS0値間の違いの範囲である;そして、
    (h)前記選択特徴を有する細胞成分を、前記亜集合体Z1に割り付ける工程において、Sx値のS0値に対する差が、前記生物状態に影響を与えるための前記細胞成分の潜在的生物活性に関連する]、
    ことを含む方法。
  8. 細胞成分の前記亜集合体Z1から細胞成分の亜集合体Z2を造り出す工程において、前記細胞成分の前記亜集合体Z2を造り出すには:
    [(a)生物アッセイ系における亜集合体Z1の細胞成分の1を乱す工程;
    (b)前記乱された細胞成分の存在下、前記生物アッセイ系を実行して機能値の集合体を造り出す工程において、機能値の前記集合体の各機能値FVXが、前記乱された細胞成分の集合体F0の少なくとも1つの機能と関連し;
    (c)亜集合体Z1の他のいずれかの細胞成分に対し工程(a)及び(b)を繰り返す工程、
    (d)各機能値FVXを機能値FV0と比較する工程において、機能値FV0が、前記生物アッセイ系における前記細胞成分の乱れのない状態にて造りだされ;
    (e)亜集合体Z2の潜在的メンバーに対する選択的特徴を確立する工程において、前記選択的特徴が、FVXとFV0との間の違いの範囲であり;そして
    (f)前記選択特徴のある細胞成分を、前記亜集合体Z2に割り付ける工程において、亜集合体Z2の潜在的メンバーに対する選択的特徴を、集合体F0の機能群の及ぼす前記細胞成分の乱れの影響に関連している]
    ことをさらに含む請求項7記載の方法。
  9. [前記コンピュータ・モデルにおける少なくとも1つの個体生物過程に対する亜集合体Z1における各細胞成分の生物活性に関する実験的情報を得る工程;
    前記実験情報を、コンピュータ・モデルに加える工程;
    亜集合体Z1における前記細胞成分のそれぞれに対しSX値を再評価する工程;そして、
    前記再評価されたSX値を用いて、必要であれば前記生物状態に影響を及ぼすことができるため、亜集合体Z1における細胞成分に関する科学的調査の優先性を再順位化する工程]
    をさらに含む請求項7記載の方法。
  10. 集合体Z1は、集合体のメンバーが、S0に対しSX値の最も大きな差から、S0に対しSX値の最も小さな差に順位だてされた順位だて集合体で、科学的調査の優先性が、前記順位だて集合体に基づいて順位だてされる請求項7記載の方法。
  11. 機能の集合体F0を割り付けが、前記細胞成分の生物活性に関する実験的情報を得ること、及び前記実験的情報と前記細胞成分とを関係付けることを含む請求項7記載の方法。
  12. 集合体F0の前記1つの機能のため前記加えている情報は、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つに、前記1つの細胞成分の部分的貢献を割り付けることを含む請求項7記載の方法。
  13. 前記細胞成分が、ポリヌクレオチド及びポリペプチドから成る群から選択される請求項7記載の方法。
  14. [(a)前記細胞成分に機能を割り付ける工程において、前記機能は、前記生物状態の少なくとも1つの生物過程の変更であり;
    (b)前記生物状態のコンピュータ・モデルに前記機能のため情報を加える工程において、前記コンピュータ・モデルは、前記生物状態と関連した複数の個体生物過程を表し、複数の個体生物過程の少なくとも1つは、前記機能により変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成され;
    (c)前記機能の存在下仮想刺激を提示し、前記機能の存在下前記生物状態のため応答値RXを生成するように前記コンピュータ・モデルを実行する工程であり;
    (d) 生物アッセイ系に生物的刺激を提供し、前記生物的刺激の存在下前記生物アッセイ系に対する生物応答値BRXを作成する工程において、前記生物的刺激は、仮想刺激と生物的に同一であり、そして前記生物アッセイ系では、前記生物状態が生物的に同一であり;
    (f)前記細胞成分により調節される前記生物状態の潜在的生物過程を同定するための選択的特徴を確立する工程において、ここで前記選択的特徴が、応答値RXと生物応答値BRXとの間の相違する範囲であり;そして
    (g)前記細胞成分により調節される前記生物状態の潜在的生物過程として、前記選択的特徴を有する前記生物過程を同定する工程]、
    を含む細胞成分により調節される生物状態の潜在的生物過程を同定するための方法。
  15. 前記機能の割り付けは、前記細胞成分の生物活性に関する実験的情報を得ること、及び前記細胞成分と前記実験情報の関係付けを含む請求項14記載の方法。
  16. 前記機能のための付加情報は、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つに、前記1つの細胞成分の1部寄与部分を、割り付けることを含む請求項14記載の方法。
  17. 前記細胞成分が、ポリヌクレオチド及びポリペプチドから成る群から選択される請求項14記載の方法。
  18. 前記生物アッセイ系が、細胞を基本とする系及び動物モデルから成る群から選択される請求項14記載の方法。
  19. [(a)機能の集合体F0を前記細胞成分に割り付ける工程において、集合体F0のそれぞれの機能は、前記生物状態Sの少なくとも1の生物過程の変更であり;
    (b)集合体F0の1つの機能のための情報を、前記生物状態のコンピュータ・モデルに加える工程において,前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態と関連する複数の個体生物過程を表し、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つが、集合体F0の前記1つの機能により変更される過程であり、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記生物過程の影響を評価するために構成され;
    (c)集合体F0の前記加えられた1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、集合体F0の前記加えられた1つの機能の存在下、前記生物状態のための値SXを作成する工程;
    (d)集合体F0の他のなんらかの機能のため工程(b)及び(c)を繰り返す工程;
    (e)集合体F0の機能のための前記SX値の全てとS0値とを比較する工程において、集合体F0のいずれかの機能が前記コンピュータ・モデルに組み入れられることのなく、前記S0値は、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成される;
    (f)集合体F0の亜集合体F1の潜在的メンバーのための選択的特徴を確立する工程において、前記選択的特徴は、集合体F0における機能のためのSX値からS0間の違いの範囲であり;そして
    (g)前記選択的特徴を有する機能を前記亜集合体F1に割り付ける工程において、前記亜集合体F1の潜在的メンバーのための選択的特徴が、前記生物状態に影響するための前記細胞成分の潜在的生物活性に関連する]、
    ことを含む生物状態Sに影響を及ぼすための細胞成分における潜在的生物活性を予測するための方法。
  20. 機能の前記亜集合体F1から、前記細胞成分の機能の亜集合体F2の作成において、前記機能の亜集合体F2を作成には:
    [(a)生物アッセイ系における前記細胞成分を乱す工程;
    (b)前記乱された細胞成分の存在下、前記生物アッセイ系を実行し、1機能値を集合体を作成し、機能値の前記集合体の各機能値FVXが、亜集合体F1に関係しており;
    (c)各機能値FVXと機能値FV0とを比較する工程にて、機能値FV0が、前記生物アッセイ系における前記細胞成分を乱すことなく作成された値であり;
    (d)前記亜集合体F2の潜在的メンバーのための選択的特徴を確立する工程において、前記選択的特徴が、値FVxと値FV0との間における差の範囲であり;そして
    (e)前記選択的特徴を有する機能を前記亜集合体F2に割り付ける工程において、亜集合体F2の潜在的メンバーのための選択的特徴が、亜集合体F1の機能に及ぼす前記細胞成分の外乱の影響に関係している]、
    ことをさらに含む請求項19記載の方法。
  21. 生物状態Sに影響を与えるための細胞成分の潜在的生物活性を予測するための方法、前記生物状態と関係する複数の個体生物過程を表すコンピュータ・モデルを用いる方法において、前記コンピュータ・モデルが、前記生物状態に及ぼす前記個体生物過程の影響を評価するために構成され:
    [(a)前記細胞成分に機能の集合体F0を割り付ける工程にて、集合体F0の各機能は、前記生物状態Sの少なくとも1つの生物過程の変更であり;
    (b)集合体F0から各機能に対し以下のように実施する工程において、
    (i)集合体F0の残っている機能のための付加情報のない特定版のコンピュータ・モデルに、集合体F0の1つの機能のための情報を加える工程において、前記複数の個体生物過程の少なくとも1つが、集合体F0の前記加えられた1つの機能により変更された過程であり;そして
    (ii) 集合体F0の前記加えられた1つの機能により前記コンピュータ・モデルを実行し、集合体F0の前記加えられる1つの機能の存在下、前記生物状態のため値SXを作成する工程;
    (c) 集合体F0の機能のための前記SX値の全てと、S0値とを比較する工程において、集合体F0の機能のいずれかが、機前記コンピュータ・モデル内に組み入れられることなく、前S0値記が、前記コンピュータ・モデルを実行することにより作成される;
    (d)前記生物状態に影響を与えるのための前記細胞成分の有意に高い潜在的生物活性を有するものとして、S0に対しそれと関係するSX値との差を有する集合体F0の機能を同定し、そして前記生物状態に影響を与えるのための有意的に低い潜在的生物活性を有するものとして、S0に対しSX値との差を実質的に有しない集合体F0の機能を同定する工程]、
    を含む方法。
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