JP2005508612A6 - スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法 - Google Patents

スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005508612A6
JP2005508612A6 JP2003509083A JP2003509083A JP2005508612A6 JP 2005508612 A6 JP2005508612 A6 JP 2005508612A6 JP 2003509083 A JP2003509083 A JP 2003509083A JP 2003509083 A JP2003509083 A JP 2003509083A JP 2005508612 A6 JP2005508612 A6 JP 2005508612A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleotide
seq
snp
haplotype
minor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003509083A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005508612A (ja
JP2005508612A5 (ja
Inventor
トニー フルダキス
Original Assignee
ディーエヌエープリント ジェノミクス インコーポレーティッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエヌエープリント ジェノミクス インコーポレーティッド filed Critical ディーエヌエープリント ジェノミクス インコーポレーティッド
Priority claimed from PCT/US2002/020847 external-priority patent/WO2003002721A2/en
Publication of JP2005508612A publication Critical patent/JP2005508612A/ja
Publication of JP2005508612A6 publication Critical patent/JP2005508612A6/ja
Publication of JP2005508612A5 publication Critical patent/JP2005508612A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法が提供され、そのような方法を実行するために使用され得る、オリゴヌクレオチドプローブ、プライマー、およびプライマー対などの試薬も提供される。スタチン応答を推定するための方法は、例えば、被験体由来の核酸試料中で、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在ならびに/またはシトクロムP450遺伝子および/もしくはHMG Co-A還元酵素遺伝子における少なくとも1つのスタチン応答関連ハプロタイプを同定することによって実行され得る。

Description

発明の分野
本発明は概して、スタチン応答を推定するための方法に関し、より詳細には、スタチンに対する応答に関する推定を提供する、核酸試料中における一塩基変異多型およびその組み合わせを検出する方法に関する。
背景情報
心臓発作は、今日の米国における主要な死因である。心臓発作のリスクの増加は、異常に高い血中コレステロールレベルと関連している。異常に高いコレステロールレベルを有する患者は、しばしば、コレステロールレベルを減少させるためにスタチンと呼ばれるクラスの薬物を処方され、それによって心臓発作のリスクを減少させている。しかし、これらの薬物は、すべての患者に有効であるわけではない。さらに、ある患者では、肝臓のトランスアミナーゼレベルの増加のような有害な反応が観察されている。最近、スタチンを投与されている患者が、末梢神経障害にかかりやすいことが報告されている。このような有害な応答は、患者が処置を中断するか、薬物を切り換えることを必要とし得る。
これらの変動しやすいスタチン応答は、少なくとも部分的には、スタチンを投与されている患者の遺伝的な相違によって説明され得る可能性が高い。ヒトは、ヒトゲノム中に存在する30億のDNAの文字の内の0.1%までが異なる。われわれは遺伝子配列の99.9%が同一であるが、われわれの独特さを決定するのはこの0.1%である。われわれの個体性は視覚的な検査から明らかであるが(われわれが顔の特徴、身長および色を有していること、ならびにこれらの特徴は、ある程度まで遺伝性である(すなわち、息子および娘は他人よりも彼らの両親に似る傾向がある)ことを誰でも認識し得る)、われわれの個体性は、スタチンのような一般に使用されている薬物に応答し、そして代謝するわれわれの能力にまでわたっている。
しかし、われわれの個体性の原因である正確な分子の詳細を同定することは、難解な仕事である。ヒトゲノム計画は、ヒトゲノムの配列決定をもたらした。しかし、この配列決定は、少数の個体から得られた試料収集の結果であった。従って、この配列決定は重要な科学的なマイルストーンであったが、ヒトゲノムの最初の配列決定は、個体がスタチンに応答するか否かのような、われわれの個体性の原因であるゲノム上のマーカーの同定を可能にするための個体間の遺伝的差異に関する十分な情報を提供しない。ヒト間の異なるスタチン応答の原因である遺伝子マーカーが同定されれば、鍵となるマーカーについての個体の遺伝子型が決定され得、そしてこの情報は、医師によって、スタチンを処方するか否か、およびどのスタチンを処方するかを決定するために使用され得る。このことは、スタチンで処置される患者において、より小さな有害な反応を伴う、より良好な応答率を生じる。
従って、鍵となるマーカーについての個体の遺伝子型に基づくスタチン応答の推定を可能にする方法および組成物についての必要性が存在する。本発明はこの必要性を満たし、かつさらなる利点を提供する。
発明の要旨
本発明は、被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するために有用な組成物および方法に関する。本発明は、部分的には、一倍体または二倍体の一塩基変異多型(SNP)を含むSNP、および一倍体または二倍体のハプロタイプ対立遺伝子を含むハプロタイプ対立遺伝子(すなわち、1つの遺伝子(例えば、シトクロムP450遺伝子および/または3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素(HMGCR)遺伝子)中での2またはそれ以上のSNPの組み合わせ)により、被験体(特にヒト被験体)がスタチンを用いる処置に対してポジティブな応答(例えば、総コレステロールレベルまたは低密度リポタンパク質レベルの減少を示すことによる)を有するか、または有害な応答(例えば、肝障害)を有するかに関して推定を引き出すことができることに基づく。スタチンは任意のスタチンであり得、例えば、アトルバスタチンまたはシンバスタチンを含む。
1つの実施態様において、本発明は、例えば、核酸試料中で、スタチン応答を示す少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程によって、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法に関する。ヒト被験体においてスタチン応答を示すハプロタイプ対立遺伝子は、本明細書中では、被験体中でスタチンに応答した総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少と関連する、シトクロムP450遺伝子およびHMGCR遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子によって例示される。1つの局面において、このようなハプロタイプ対立遺伝子は、シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子のヌクレオチドによって例示され、このヌクレオチドは、CYP3A4Aハプロタイプ(これは、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227を含む)に対応するか;またはCYP3A4Bハプロタイプ(これは、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、ならびに配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227を含む)に対応するか;またはCYP3A4Cハプロタイプ(これは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227を含む)に対応する。別の局面において、ポジティブなスタチン応答を示すハプロタイプ対立遺伝子は、HMGCR遺伝子のヌクレオチドによって例示され、このヌクレオチドは、HMGCRAハプロタイプ(配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430を含む)に対応するか;HMGCRBハプロタイプ(配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421を含む)に対応するか;あるいはHMGCRCハプロタイプ(配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421を含む)に対応する。
このハプロタイプ対立遺伝子は、CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子、もしくはCYP遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子の組み合わせを含み得るか;または、HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子、もしくはHMGCRハプロタイプ対立遺伝子の組み合わせを含み得るか;またはこのようなCYP遺伝子およびHMGCR遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子の組み合わせを含み得る。さらに、本発明の方法は、ハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対(すなわち、両方の染色体上の対応するハプロタイプ対立遺伝子、例えば、CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、もしくはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子、もしくはHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはこのようなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対の任意の組み合わせ)を同定する工程を包含し得る。従って、例えば、本発明の方法は、少なくとも1つのCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子;またはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;もしくはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、を同定し得る。例えば、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はATGC/ATGCまたはATGC/ATACであり得;HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はCGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAであり得;例えば、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がATGC/ATGCであり得、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がCGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAであり得る。
本発明の方法はまた、少なくとも1つのCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子、またはHMGCRハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、またはHMGCRハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定し得る。例えば、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はATGC/ATGCまたはATGC/ATACであり得;かつHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はGTA/GTAであり得;例えば、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がATGC/ATGCであり得、かつHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がGTA/GTAであり得る。
ハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が同定される場合、そのハプロタイプ対立遺伝子は、集団(例えば、コーカソイドの個体の集団)の比較的大きな割合で存在する、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子であり得るか;集団の比較的小さい割合で存在するマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得るか;またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子およびメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の組み合わせであり得る。例えば、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、1つのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子および1つのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含み得るか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。同様に、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。
CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、
Figure 2005508612
によって例示され、特に、
Figure 2005508612
によって例示される。HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、
Figure 2005508612
によって例示され、特に、
Figure 2005508612
によって例示される。
このハプロタイプ対立遺伝子はまた、少なくとも1つのCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子および/または少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を含み得;ならびにCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を含み得る。被験体がポジティブなスタチン応答を有するか否かについての推定を可能にするCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、例えば、GC/GCであり得;そしてこのようなHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はTG/TGによって例示される。例えば、ヒト被験体はCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、GC/GCを有し得、そしてHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TG/TGを有し得る。CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対および/またはHMGCRハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得るか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。
ポジティブなスタチン応答を推定する方法はまた、少なくとも1つのCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子および/または少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を含み得る。この対立遺伝子には、例えば、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が含まれる。CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子のこのような二倍体対はTGC/TGCによって例示され、そしてHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子のこのような二倍体対は、TG/TGによって例示される。このように、被験体は、例えばCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TGC/TGC、およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TG/TGを有し得る。CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子またはHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得るか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。
本発明の方法はまた、被験体がスタチンの有害な応答(例えば、肝障害)を有するか否かについて推定を引き出すことを可能にする。このような方法は、例えば、被験体からの核酸試料中で、例えば、シトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子(CYP2D6Aハプロタイプに対応する)を同定することによって実行され得、このハプロタイプ対立遺伝子は、配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、および配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223を含有する。このようなハプロタイプの存在は、特に、このハプロタイプ対立遺伝子がCTA以外のハプロタイプ対立遺伝子である場合に、1つ以上の肝細胞のストレスの指標(例えば、血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT))の増加と関連する。この方法は、CYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を包含し得る。
ネガティブな(すなわち、有害な)スタチン応答を推定するための方法もまた、被験体由来の核酸試料中で、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274に対応する位置で、CYP2D6遺伝子のヌクレオチドの二倍体対を同定することによって実行され得る。ここでヌクレオチドの二倍体対、特にC/C以外の二倍体対は、有害な肝細胞の応答を示す。例えば、ヌクレオチドの二倍体対はC/Aであり得、このことは有害な肝細胞の効果を示す。
別の実施態様において、本発明は、核酸試料中で少なくとも1つのスタチン応答関連のSNPを同定することによって、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法に関する。1つの局面において、この方法は、以下のヌクレオチド:
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、または
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応するスタチン応答関連SNPを同定することによって、被験体が、スタチンの投与に応答したポジティブなスタチン応答(例えば、総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少)を有するという推定を引き出すことを可能にする。別の局面において、本方法は、被験体由来の核酸試料中で、以下のヌクレオチド:
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223
に対応する少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定することによって、その被験体が有害なスタチン応答を有するか否かに関しての推定を引き出すことを可能にする。
被験体由来の核酸試料中で、少なくとも1つのスタチン応答関連SNPを同定することによって、スタチン応答を推定するためのこのような方法は、例えば、核酸試料を、SNPのヌクレオチドの存在を含む核酸分子にまたはその核酸分子の近傍にそれぞれ選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーとともにインキュベートすること、および、そのプローブまたはプライマーの選択的ハイブリダイゼーションを検出することによって実行され得る。プローブの選択的ハイブリダイゼーションは、例えば、プローブを検出可能に標識すること、およびブロット型の分析(例えば、サザンブロット分析)を用いてその標識の存在を検出することによって検出され得る。プライマーの選択的ハイブリダイゼーションは、例えば、プライマー伸長反応を実行すること、およびプライマーを含むプライマー伸長反応産物を検出することによって検出され得る。所望される場合、このプライマー伸長反応は、ポリメラーゼ連鎖反応として実行され得る。
本方法は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上)の各々のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定することを含み得、これは、1つまたはそれ以上のハプロタイプ対立遺伝子を含み得るが必ずしも必要ではなく、1つの遺伝子中に存在し得るが必ずしも必要ではない。少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在は、マイナーなヌクレオチドの存在(すなわち、被験体を含む集団の比較的小さな割合で存在するヌクレオチド)であり得るか、またはメジャーなヌクレオチドの存在であり得る。ハプロタイプ対立遺伝子が決定される場合、そのハプロタイプ対立遺伝子は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子であり得るか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る。
本発明はまた、単離されたヒト細胞に関し、これは、内因性HMGCR遺伝子または内因性CYP遺伝子またはその両方において、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。従って、1つの実施態様において、本発明は、単離されたヒト細胞を提供し、その細胞は、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、内因性HMGCR遺伝子を含む。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、または配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応する位置であり得る。
本発明の単離された細胞中の内因性HMGCR遺伝子は、第2のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプ(例えば、HMGCRAハプロタイプまたはHMGCRBハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子はまた、第2のスタチン応答関連のSNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る、ハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、HMGCR遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによってメジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性シトクロムp450遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は、単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置にチミジン残基を含むか、または、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、もしくは配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する位置に第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、内因性のCYP3A4遺伝子を含む。
本発明の単離された細胞中の内因性CYP3A4遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4ハプロタイプ(例えば、CYP3A4Aハプロタイプ、CYP3A4Bハプロタイプ、またはCYP3A4Cハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞の内因性CYP3A4遺伝子はまた、第2のスタチン応答関連のSNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4ハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る、ハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るか、または配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に第2のチミジン残基を含み、それによってCYP3A4遺伝子のヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによってメジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性HMGCR遺伝子を含み得、またスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性CYP2D6遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、内因性CYP3A4遺伝子を含む単離されたヒト細胞を提供する。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、または
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
に対応する位置であり得る。
別の実施態様において、本発明は、単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性CYP2D6遺伝子を含む。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223
に対応する位置であり得る。
本発明の単離された細胞中の内因性CYP2D6遺伝子は、第2のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6ハプロタイプ(例えば、CYP2D6Aハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞中の内因性CYP2D6遺伝子は、第2のスタチン応答関連のSNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6ハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得るハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによってCYP2D6遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによってメジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性HMGCR遺伝子を含み得、またスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性CYP3A4遺伝子を含み得る。
特定の好ましい実施態様において、本発明の単離された細胞は、HMGCRBハプロタイプのマイナーな対立遺伝子、CY3A4Cハプロタイプのマイナーな対立遺伝子、および/またはCY32D6Aハプロタイプのマイナーな対立遺伝子を有する。このようなマイナーな対立遺伝子の特定のヌクレオチドの存在は、本明細書中に列挙される。
本発明はまた、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上)の単離された細胞の集団を含む、複数の単離されたヒト細胞に関し、ここで、1つの集団の単離された細胞は、スタチン応答関連SNPの少なくとも1つのヌクレオチドの存在、または、複数の細胞のうちの少なくとも1つの他の集団の単離された細胞とは異なる、少なくとも1つのスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を含む。従って、1つの実施態様において、本発明は、複数の単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は、第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性HMGCR遺伝子を含む、第1の単離されたヒト細胞、および、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む内因性HMGCR遺伝子を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、そのような細胞の集団)を含み得る。ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではない。これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプ(例えば、HMGCRAハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含み得るが必ずしも必要ではなく、またはHMGCRAハプロタイプのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は複数の単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425にチミジン残基を含むか、または配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、もしくは配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する位置に第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、スタチン応答関連SNPの第1のヌクレオチドの存在を含む内因性のCYP3A4遺伝子を含む第1の単離されたヒト細胞、および、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む、内因性CYP3A4遺伝子を含む少なくとも第2の単離されたヒト細胞を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、そのような細胞の集団)を含み得る。ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性CYP3A4遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではない。これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4Aハプロタイプ、CYP3A4Bハプロタイプ、またはCYP3A4Cハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を形成する。
別の実施態様において、本発明は、複数の単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は、第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、内因性CYP2D6遺伝子を含む第1の単離されたヒト細胞、および、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む内因性CYP2D6遺伝子を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、そのような細胞の集団)を含み得る。ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性CYP2D6遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではない。これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6Aのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を形成する。
本発明はさらに、個体のポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を同定することによって、共通の特徴を共有するグループのメンバーとして個体を分類するための方法に関する。ここでSNPのヌクレオチドの存在は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基、または、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、またはこれらの任意の組み合わせ、
の少なくとも1つのマイナーなヌクレオチドの存在に対応する。
本発明はさらに、個体のポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を同定することによって共通の特徴を共有するグループのメンバーとして個体を分類するための方法に関し、ここで、SNPのヌクレオチドの存在は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基、あるいは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、またはこれらの任意の組み合わせ
の少なくとも1つのマイナーなヌクレオチドの存在に対応する。
さらに、本発明は、ポリヌクレオチド中のSNPについてヌクレオチドの存在を検出するための方法に関し、この方法は、ポリヌクレオチドを含有する試料を特異的結合対メンバーとともにインキュベートすること(ここで特異的結合対メンバーは、多型であると疑われるポリヌクレオチドまたはその近傍に特異的に結合し、そしてこのポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425にチミジン残基を含むか、または
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、またはそれらの任意の組み合わせ、の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む);
ならびに、特異的結合対メンバーの選択的結合を検出すること(ここで、選択的結合はヌクレオチドの存在があることを示す)によって行われる。このような方法は、例えば、上流に選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーまたはSNPの位置に隣接するヌクレオチド配列および相補鎖のヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズする増幅プライマー対をそれぞれ使用する、プライマー伸長反応または増幅反応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応);実験材料をポリメラーゼと接触させること;およびSNPを示す反応産物を同定することによって実行され得る。
さらに、本発明は、ポリヌクレオチド中のSNPについてヌクレオチドの存在を検出するための方法に関し、この方法は、ポリヌクレオチドを含有する試料を、特異的結合対メンバーとともにインキュベートすること(ここで、特異的結合対メンバーは、多型性が疑われるポリヌクレオチドまたはその近傍に特異的に結合し、そしてこのポリヌクレオチドは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、またはそれらの任意の組み合わせ、の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む);
ならびに、特異的結合対メンバーの選択的結合を検出すること(ここで、この選択的結合はヌクレオチドの存在があることを示す)によって行われる。このような方法は、例えば、上流に選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーまたはSNPの位置に隣接するヌクレオチド配列および相補鎖のヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズする増幅プライマー対をそれぞれ使用する、プライマー伸長反応または増幅反応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応);実験材料をポリメラーゼと接触させること;およびSNPを示す反応産物を同定することによって実行され得る。
従って、本発明はまた、単離されたプライマー対に関し、これは、ポリヌクレオチド中にSNPを含むヌクレオチド配列を増幅するために有用であり得、ここで、プライマー対のうちの正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、逆方向プライマーは相補鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425にチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
この単離されたプライマー対は、スタチン応答関連SNPの1つのヌクレオチドの存在に相補的な3’ヌクレオチドを含み得る。従って、このプライマーは、ポリヌクレオチドに対して伸長反応を選択的に開始するために使用され得る。ここでこのSNPのヌクレオチドの存在は、プライマー対の3’ヌクレオチドに相補的であるが、SNPに対応する位置に他のヌクレオチドの存在を伴うポリヌクレオチドではない。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチド中で一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチド中で一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチド中で一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このプローブは、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含むポリヌクレオチドに選択的に結合する。このポリヌクレオチドは、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、に対応するSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドを伸長するための単離されたプライマーを提供する。この単離されたポリヌクレオチドは一塩基変異多型(SNP)を含み、ここでこのプライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドを伸長するための単離されたプライマーを提供する。この単離されたポリヌクレオチドは一塩基変異多型(SNP)を含み、ここでこのプライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応する位置のマイナーなヌクレオチドを含む。
本発明はさらに、単離された特異的結合対メンバーに関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を決定するために有用であり得る。ここで、この特異的結合対メンバーは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、または配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421の少なくとも1つに対応する位置のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、
ポリヌクレオチドに特異的に結合する。
本発明はさらに、単離された特異的結合対メンバーに関し、これは、ポリヌクレオチド中でSNPのヌクレオチドの存在を決定するために有用であり得る。ここで、この特異的結合対メンバーは、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する位置またはその近傍のポリヌクレオチドのマイナーなヌクレオチドの存在に特異的に結合する。この特異的結合対メンバーは、例えば、オリゴヌクレオチドまたは抗体であり得る。この特異的結合対メンバーがオリゴヌクレオチドである場合、これは、プライマー伸長反応のための基質であり得るか、または末端ヌクレオチドとしてSNPを含む配列でポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするように設計され得る。
本発明はまた、少なくとも1つのスタチン応答関連SNPを同定するために有用な1つまたはそれ以上の成分を含むキットに関する。例えば、このキットは、本発明の単離されたプライマー、プライマー対、もしくはプローブ、またはこのようなプライマーおよび/もしくはプライマー対および/もしくはプローブの組み合わせを含み得る。このキットはまた、キットの別の成分と組み合わせて有用な1つまたはそれ以上の試薬を含み得る。例えば、増幅反応を実行するための試薬が、このキットが本発明の1つまたはそれ以上のプライマー対を含む場合に含まれ得る。同様に、キット中に含まれるオリゴヌクレオチドプローブ、プライマー、またはプライマー対を標識するために使用され得るか、またはキットの成分を使用して生成された産物に取り込まれ得る、少なくとも1つの検出可能な標識もまた、例えば、ポリメラーゼ、リガーゼ、エンドヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせとして含まれ得る。
このキットはさらに、スタチン応答関連SNPに対応する位置にマイナーなヌクレオチドの存在を含む少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み得る。
本発明のキットは、本発明に従う単離されたプライマーおよび本発明の単離されたプライマー対を含み得る。
本発明はまた、単離されたポリヌクレオチドに関し、これは、少なくとも約30ヌクレオチド、ならびに配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430に対応するヌクレオチド、および配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応するヌクレオチド、に対応する少なくとも1つの位置で、HMGCR遺伝子のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む。本発明の単離されたポリヌクレオチドは、配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応する第2のスタチン関連SNPでマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明のポリヌクレオチドは、別の実施態様において、ヒトシトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含み得、ここでこのポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する第1のスタチン応答関連SNPの少なくとも1つのマイナーなヌクレオチドの存在を含む。このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する第2のスタチン関連SNPでマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、またはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は、シトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドを提供する。このポリヌクレオチドは、少なくとも第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の少なくとも第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。ここで該マイナーなヌクレオチドの存在は、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、および
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する位置である。この単離されたポリヌクレオチドは、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、および
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する第2のスタチン関連SNPでマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。さらに、この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなCYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、または少なくとも1000のヌクレオチド長であり得る。
193.
別の実施態様において、本発明は、上記に開示した単離した1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。別の実施態様において、本発明は、上記に開示した単離した1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを含む単離された細胞、または先の文において開示した1つまたはそれ以上のベクターを提供する。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-1、表9-2、表9-3、表9-4、表9-5、表9-6、表9-7、表9-8、表9-9、表9-10、表9-11、および表9-12に列挙されたいずれか1つのSNP中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含する。このヌクレオチドの存在はスタチン応答と関連している。それによって、被験体のスタチン応答の推定が提供される。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答する低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって被験体のスタチン応答を推定する。この方法は、SNPが、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-1および表9-2に列挙される遺伝子の1つに存在するように実施することができる。。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここで、この方法は、この核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答する低密度リポタンパク質の減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの例において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-2に列挙される少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答する総コレステロールの減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-3および表9-4に列挙される遺伝子の1つに存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)でヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答する総コレステロールの減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-4に列挙される少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答するSGOTの表示の増加と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-5および表9-6に列挙される遺伝子の1つに存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答するSGOTの表示の増加と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-6に列挙される少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答するALTGPTの表示の増加と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-7および表9-8に列挙される遺伝子の1つに存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答するALTGPTの表示の増加と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-8に列挙される少なくとも1つのSNPである。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによってこのヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答する低密度リポタンパク質の減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-9および表9-10に列挙される遺伝子の1つに存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによってこのヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答する低密度リポタンパク質の減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-10に列挙される少なくとも1つのSNPである。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙される遺伝子のうちの1つの、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによってこのヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答する総コレステロールの減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-11および表9-12に列挙される遺伝子の1つに存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙される少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによってこのヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答する総コレステロールの減少と関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、その被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPは、表9-12に列挙される少なくとも1つのSNPである。
発明の詳細な説明
本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法に関する。本発明の方法は、部分的には、単独でまたは組み合わせて、特にハプロタイプに組み合わせた場合に、スタチン応答に関する推定を引き出す一塩基変異多型(SNP)の同定に基づく。このスタチン応答は、総コレステロールまたはLDLの低下であり得、あるいは有害な反応であり得る。このように、本発明の組成物および方法は、例えば、スタチン処理に最も応答する可能性の高い患者およびスタチン処置の有害な効果に最も苦しむ可能性の低い患者を同定するために有用である。
1つの局面において、本発明は、生物学的試料中で以下のヌクレオチド:
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定することによって、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供する。この局面において、ヌクレオチドの存在は、スタチンの投与に応答した総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少と関連する。それによって、スタチン応答がその被験体について推定される。
本発明のこの局面の1つの実施態様において、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPの各々のヌクレオチドの存在が同定される。この実施態様について、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在は、少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子を含む。
従って、本発明のこの局面の別の実施態様は、核酸試料中で、スタチン応答を示す少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子を同定することによって、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供する。スタチン応答を示すハプロタイプ対立遺伝子は、以下のヌクレオチドを含む:
a)シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子のヌクレオチドであって、
i)配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
を含有するCYP3A4Aハプロタイプ;または
ii)配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
を含有するCYP3A4Bハプロタイプ;または
iii)配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
を含有するCYP3A4Cハプロタイプ
に対応するヌクレオチド;あるいは
b)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素(HMGCR)遺伝子のヌクレオチドであって、
i)配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430
を含有するHMGCRAハプロタイプ;
ii)配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
を含有するHMGCRBハプロタイプ;または
iii)配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
を含有するHMGCRCハプロタイプ
に対応するヌクレオチド。
本明細書中に開示されるように、少なくとも1つのスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子の同定は、ヒト被験体のスタチン応答に関して推定を引き出すことを可能にする。本発明の方法に従って引き出される推定は、同じか、または好ましくは異なるスタチン応答関連遺伝子中で、第2、第3、第4、またはそれ以上のスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を同定することによって強化され得る。従って、この方法は、核酸試料中で、少なくとも第2のスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程をさらに包含し得る。第1および第2のハプロタイプは、代表的には、シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子および3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素(HMGCR)遺伝子において、それぞれ見い出される。本明細書中に含まれる実施例に開示され、上記に列挙されるように、スタチン応答関連ハプロタイプおよびこれらの遺伝子についてのハプロタイプ対立遺伝子は、本明細書中に提供される。好ましい実施態様において、CYP3A4ハプロタイプはCYP3A4Cであり、そしてHMGCRハプロタイプはHMGCRBである。別の実施態様において、CYP3A4ハプロタイプはCYP3A4Cであり、そしてHMGCRハプロタイプはHMGCRCである。
スタチンは、高脂血症の患者のヒト総コレステロール(TC)レベルおよび低密度リポタンパク質(LDL)レベルを低下させるのに効果的であることが示されてきた医薬品のクラスである。この薬物は、コレステロール合成のステップに作用する。細胞によって合成されるコレステロールの量を減少させることによって、HMG Co-A還元酵素遺伝子(HMGCR)の阻害を通して、この薬物は、肝細胞によるLDLの取り込みの増加において最高に達するイベントのサイクルを開始する。LDLの取り込みが増加するにつれて、血液中の総コレステロールレベルおよびLDLレベルは減少する。両因子のより低い血中レベルは、アテローム性動脈硬化症および心臓病のより低いリスクと関連し、そしてスタチンはアテローム性動脈硬化症の罹患率および死亡率を減少させるために広範に使用される。それにも関わらず、一部の患者は所定のスタチンに応答を示さない。
本発明の方法は、被験体へのスタチンの投与後のスタチン応答の推定を提供する。本発明の推定は、スタチンが有効な用量、例えば、FDAによって認定されたスタチンについての用量を含む、FDA認定ガイドラインを用いて投与されることを前提とする。有効な用量とは、スタチンがHMGCR遺伝子型またはCYP3A4遺伝子型に関係なく、一般的な集団中で血清コレステロールを減少させることが示された用量である。
本発明の任意の方法、または本明細書中で同定されるSNPは、スタチンに対するポジティブな応答を予測するためのみならず、ネガティブな応答を予測するためにも同様に有用であることが理解される。
スタチンのような薬物は、ゼノバイオティクスと呼ばれる。なぜなら、これらはヒトの身体において天然には見い出されない化学物質であるからである。ゼノバイオティック代謝遺伝子は、その唯一の目的がヒトの体内に存在する外来性の化合物を無毒化することであるタンパク質を生成し、そして、これらは、ヒトが多くの食物中に存在する有害な化学物質(例えば、多くの薬物がそれらから誘導されているタンニンおよびアルカロイド)を分解および排出することを可能にするように進化した。CYP3A4遺伝子は、ヒトの体内で両方の薬物の代謝を担っている主要な遺伝子である。
スタチンの例としては、フルバスタチン(LescolTM)、アトルバスタチン(LipitorTM)、ロバスタチン(MevacorTM)、プラバスタチン(PravacholTM)、シンバスタチン(ZocorTM)、セリバスタチン(BaycolTM)が挙げられるがこれらに限定されない。これらのスタチンの化学構造は公知であり、広範に利用可能である。例えば、アトルバスタチンカルシウムは、{R-(R,R)}-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4{(フェニルアミノ)カルボニル}-1H-ピロール-1-ヘプタン酸、カルシウム塩(2:1)三水和物である。アトルバスタチンカルシウムの実験式は、(C33H34FN2O5)2Ca・3H2Oであり、そしてその分子量は1209.42である。シンバスタチンは、ブタン酸,2,2-ジメチル-1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-{2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)-エチル}-1-ナフタレニルエステル,{1S-{1a,3a,7b,8b(2S,4S),-8ab}}である。シンバスタチンの実験式はC25H38O5であり、その分子量は418.57である。プラバスタチンナトリウムは、1-ナフタレン-ヘプタン酸,1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-b,d,6-トリヒドロキシ-2-メチル-8-(2-メチル-1-オキソブトキシ)-,モノナトリウム塩,{1S-{1a(bS,dS),2a,6a,8b(R),8aa}}-として化学的に命名される。式C23H35NaO7、分子量は446.52。
スタチン応答関連SNPがCYP3A4遺伝子および/またはHMGCR遺伝子に局在する、本発明のこの局面のスタチン応答関連遺伝子について、スタチン応答は典型的にはスタチンの効力である(すなわち、血清コレステロールレベルの低下)。このことはまた、本明細書中で、スタチンに対するポジティブな応答またはスタチンに対する好ましい応答としても言及される。スタチンの効力は、スタチンの投与の結果としてコレステロールレベルが低下したか否かを決定するコレステロールテストによって決定され得る。このようなテストには、実施例3、5、6、および7において例証されるように、総コレステロール(TC)測定および/または低密度リポタンパク質(LDL)測定が含まれる。実施例3、5、6、および7において開示されるような方法は、血液、とりわけ血清試料中のTCおよびLDLのレベルを決定するため、また、このようなテストの結果を解釈するために、今日の臨床的な実務において広範に使用されている。
コレステロールテストは、心臓病のリスクを評価するためにしばしば実行されている。当該分野で公知であるように、コレステロールは、重要な正常な身体の構成成分であり、細胞膜の構造、胆汁酸の合成、およびステロイドホルモンの合成に使用されている。コレステロールは水に不溶性であるので、大部分の血清コレステロールはリポタンパク質(キロミクロン、VLDL、LDL、およびHDL)によって運ばれる。用語「LDL」はLDL-コレステロールを意味し、そして「HDL」はHDL-コレステロールを意味する。用語「コレステロール」は総コレステロール(VLDL+LDL+HDL)を意味する。
血中の過剰のコレステロールは、心臓血管の疾患と相関する。時折、LDLは「悪玉」コレステロールといわれる。なぜなら、LDLのレベルの上昇は、冠状動脈性心臓病と最も直接的に相関するからである。時折、HDLは「善玉」コレステロールといわれる。なぜなら、高レベルのHDLは冠状動脈性心臓病のリスクを減少させるからである。
好ましくは、コレステロールは患者が絶食した後に測定される。2001年に、National Cholesterol Education Panelからのガイドラインにより、すべての脂質テストは絶食して行うこと、および総コレステロール、HDL、LDL、およびトリグリセリドを測定すべきであることが推奨された。総コレステロール測定は、すべての脂質測定と同様に、典型的にはデシリットルあたりのミリグラム(mg/dL)で報告される。典型的には、総コレステロールが高くなれば、被験体の心臓病のリスクがより高くなる。200mg/dL未満の値が「望ましい」レベルであり、被験体を心臓疾患についてリスクが少ないグループに位置させるものである。240mg/dLを超えるレベルは、200mg/dL未満のレベルのヒトと比較して、被験体の心臓疾患のリスクをほぼ2倍にし得る。高LDLコレステロールレベルは、心臓疾患のリスクの最良の予測指標であり得る。
本発明のスタチン応答関連SNPおよびハプロタイプは、患者のコレステロールレベルが、スタチン処置によってより減少する可能性があるか否かを推定するために使用され得る。コレステロールレベル(例えば、LDLレベルまたはTCレベル)がスタチン処理によって減少する患者は、応答者と呼ばれ得る。しかし、応答者としての被験体の分類については、コレステロール減少の最小値のカットオフが設定され得る。例えば、TCまたはLDLまたはTCとLDLの両方が少なくとも1%、または少なくとも20%減少した場合に、被験体は応答者として分類され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「少なくとも1つの」は、遺伝子、SNP、ハプロタイプなどに関連して使用される場合、例示されるスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子、スタチン応答関連遺伝子、またはスタチン応答関連SNPの、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個,9個、10個等、すべての数までおよびすべての数を含むことを意味する。「少なくとも第2の」遺伝子、SNPなどの言及は、例えば、スタチン応答関連遺伝子が、2個またはそれ以上、すなわち、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個,9個、10個等のスタチン応答関連遺伝子であることを意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「ハプロタイプ」とは、遺伝子中に存在する2つまたはそれ以上のヌクレオチドSNPのグループ分けをいう。本明細書中で使用される場合、用語「ハプロタイプ対立遺伝子」とは、ハプロタイプを形成するSNPのヌクレオチドの存在のランダムでない組み合わせをいう。ハプロタイプ対立遺伝子は、SNPが染色体上で互いに隣接していないこと以外は、連続した塩基配列のストリングのようなものである。例えば、SNPは、たとえそれらがゲノム上で互いに何千塩基対離れていたとしても、同じハプロタイプの一部として含まれ得る。典型的には、ハプロタイプを形成するSNPは、同じ遺伝子由来である。
浸透性スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子は、スタチン応答との関連が単純な遺伝学的アプローチで検出されるほど十分に強い、ハプロタイプ対立遺伝子である。浸透性スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子の対応するハプロタイプは、本明細書中で「浸透性スタチン応答関連ハプロタイプ」という。同様に、そのヌクレオチドの存在のスタチン応答との関係が、単純な遺伝学的アプローチで検出されるほどそれ自体十分に強い場合、またはヌクレオチドの存在についてのSNP遺伝子座が浸透性ハプロタイプの一部を形成する場合に、SNPの個々のヌクレオチドの存在は、本明細書中で「浸透性スタチン応答関連SNPヌクレオチドの存在」という。対応するSNP遺伝子座は、本明細書中では「浸透性スタチン応答関連SNP」という。浸透性ハプロタイプのハプロタイプ対立遺伝子はまた、本明細書中では「浸透性ハプロタイプ対立遺伝子」または「浸透性遺伝的特徴」ともいう。浸透性ハプロタイプはまた、本明細書中では「浸透性遺伝的特徴のSNPの組み合わせ」ともいう。本明細書中に開示され、以下の表1および表2に列挙されるSNPは、単純な遺伝学的アプローチを用いて同定されたため、浸透性および潜在性(以下を参照されたい)の両方のスタチン応答関連SNPを含み、スタチン応答関連浸透性ハプロタイプを形成する。
表1および表3A-Bは、スタチン応答と関連する、本明細書中に開示されるSNPに関する情報を同定および提供する。表1および表3は、マーカー名、ゲノム中のSNPおよび周辺のヌクレオチド配列についての配列番号:、ならびにそのSNPおよび周辺の配列についての配列表のエントリー中でのSNPの位置を示す。この情報から、SNP遺伝子座がヒトゲノム中で同定され得る。表2は、スタチン応答に関連する本発明のハプロタイプに関する情報を同定および提供する。さらに、この配列表は隣接する配列を提供し、そして表3A-Bは可変性のヌクレオチドの存在、ならびにSNPについての名称とマーカー番号、SNPがそこから生じる遺伝子のGenbankアクセッション番号、およびそのSNPが本発明のSNPのいくつかについての遺伝子のコード領域またはイントロン中にあるかどうかに関する情報を含む、本発明のスタチン応答関連SNPに関する付加情報を提供する。
本明細書中で例示される5’および3’隣接配列が、ヒトゲノム中のSNPの位置を同定するための十分な情報を提供することが認識される。しかし、本明細書中に開示されるスタチン応答関連SNPならびに配列の不正確さおよび公的なデータベースにおいて利用可能な情報の不正確さに加えて、ヒトゲノム中での可変性に起因して、本明細書中に開示される5’および3’隣接配列は、データベースエントリーに対して100%同一でないかもしれないが、データベース配列中でSNPの位置を効果的に同定するために100%同一である必要はない。しかし、隣接配列がヒトゲノム配列のデータベースを検索するために使用される場合には、配列同一性の最もよくマッチするものが、これらの隣接配列によって取り囲まれるSNPを含む、ヒトゲノム中の位置に対応するデータベース中のエントリーであることが予想される。
(表1)本発明のスタチン応答関連SNP
Figure 2005508612
(表2)
Figure 2005508612
(表3A)スタチン応答の推定についての例示的なSNP
Figure 2005508612
(表3B)
Figure 2005508612
(表4)CYP3A4およびHMGCRスタチン応答関連SNPについてのプライマーおよびプローブの配列
Figure 2005508612
表4.PCRUは正方向プライマーであり、PCRLは逆方向プライマーである。
多型は、集団中に存在する対立遺伝子変異型である。多型は1つの遺伝子座に存在する1つのヌクレオチドの違いであり得るか、または1つもしくはいくつかのヌクレオチドの挿入もしくは欠失であり得る。このように、一塩基変異多型(SNP)は、ゲノム(例えば、ヒトゲノム)中の特定の遺伝子座の、1種または2種または3種または4種のヌクレオチド(すなわち、アデノシン、シトシン、グアノシンまたはチミジン)、典型的には4種すべてではない、ヌクレオチドの集団に存在することによって特徴付けられる。従って、本発明の方法はSNPの検出によって主に例示されるが、開示された方法または当該分野で公知の他の方法は、例示された遺伝子または他のスタチン応答関連遺伝子における他の多型を同定するために同様に使用され得ることが認識される。
本発明の方法において、ハプロタイプ対立遺伝子は、a)CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、もしくはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子;b)HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子、もしくはHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子;またはc)a)およびb)の組み合わせを含み得る。
本発明の方法において、少なくとも1つのCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子が同定され得る。実施例6および7に例証されるように、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子とHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の両方の組み合わせは、スタチン応答の推定の正確さを改善し得る。本発明の方法において、少なくとも1つのCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子が同定され得る。
本発明の方法において、対立遺伝子の二倍体対が同定され得、そしてそのハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、a)CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、もしくはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;b)HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、もしくはHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはc)a)およびb)の組み合わせを含み得る。
本発明の方法において、対立遺伝子の二倍体対が同定され得、そしてそのハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を含み得る。実施例6および7に例証されるように、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子とHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の両方の組み合わせは、スタチン応答の正確さを改善し得る。
CYP3A4C対立遺伝子の二倍体対が同定される方法において、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、ATGC/ATGCまたはATGC/ATACであり得る。表6-3に例証されるように、LipitorTMのようなスタチンは、ATGC/ATGCまたはATGC/ATACのCYP3A4Cハプロタイプを伴う個体において有効である可能性が高い。
HMGCR対立遺伝子の二倍体対が同定される方法において、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、CGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAであり得る。表6-5に例証されるように、LipitorTMのようなスタチンは、CGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAのHMGCRBハプロタイプを伴う個体において有効である可能性が高い。
HMGCR対立遺伝子の二倍体対が同定される方法において、HMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、GTA/GTAであり得る。表6-5に例証されるように、LipitorTMのようなスタチンは、GTA/GTAの二倍体ハプロタイプ対立遺伝子を伴う個体において有効である可能性が高い。
CYP3A4C対立遺伝子とHMGCRB対立遺伝子の両方の二倍体対が決定される方法において、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はATGC/ATGCであり得、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、CGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAであり得る。実施例6に例証されるように、このハプロタイプ対立遺伝子の組み合わせは、スタチン(例えば、LipitorTM)応答の推定の能力を改善する。その応答がこれらの実施態様によって推定されるスタチンは任意のスタチンであり得るが、特定の好ましい例においてはシンバスタチンであり、そして特定の最も好ましい例においてはアトルバスタチン(すなわち、LipitorTM)である。
CYP3A4C対立遺伝子とHMGCRB対立遺伝子の両方の二倍体対が決定される方法において、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はATGC/ATGCであり得、そしてHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、GTA/GTAであり得る。
浸透性スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を発見するための単純な遺伝学的アプローチには、特定のスタチン応答(例えば、LDLレベルの減少)を有する個体において、頻度がより高くまたはより低く存在するハプロタイプを発見するために、分析されるスタチン応答に関して異なる表現型を有する集団中の対立遺伝子の頻度を分析することが含まれる。このような単純な遺伝学的な方法において、SNPヌクレオチドの存在が点数付けされ、そして分布の頻度が分析される。実施例では、スタチン応答関連ハプロタイプを発見するための単純な遺伝学的アプローチを使用する例証を提供し、そして他のスタチン応答関連ハプロタイプおよびそれらの対立遺伝子、ならびに他のスタチン応答関連SNPを発見するために使用され得る方法を開示する。
ハプロタイプは、StephensおよびDonnellyのアルゴリズム(Am. J. Hum. Genet. 68:978-989, 2001)を用いて、特定のSNPに対応する遺伝子型データから推定され得る。ハプロタイプの段階(すなわち、個体における特定のハプロタイプ対立遺伝子)もまた、StephensおよびDonnellyのアルゴリズム(Am. J. Hum. Genet. 68:978-989, 2001)を用いて決定され得る。このアルゴリズムを実行するソフトウェアプログラム(例えば、PHASEプログラム、Department of Statistics、University of Oxford)が利用可能である。
1つの例において、Haploscope法と呼ばれる方法(2002年4月11日に出願された、「METHOD FOR THE IDENTIFICATION OF GENETIC FEATURES FOR COMPLEX GENETICS CLASSIFIERS」という標題の米国特許出願第10/120,804号を参照のこと)では、候補SNPの組み合わせは、遺伝的な形質と関連する遺伝子についての複数の候補SNPの組み合わせから選択される。この候補SNPの組み合わせと関連するハプロタイプデータは、複数の個体について読みとられ、かつ、個体についての所定の形質の判断基準(例えば、スタチン応答)に合致しているか否かに基づいて、ポジティブな応答グループおよびネガティブな応答グループにグループ分けされる。グループ分けされたハプロタイプデータについての統計学的分析(以下に議論する)は、候補SNPの組み合わせと関連する統計学的測定を得るために実行される。選択、読み込み、グループ化、および実行の動作は、最適な統計学的測定を有する候補SNPの組み合わせを同定するために必要に応じて反復される。1つのアプローチにおいて、すべての可能なSNPの組み合わせが選択され、統計学的に分析される。別のアプローチにおいて、SNPの組み合わせの以前の統計学的分析の結果に基づく方向付けられた検索が、最適な統計学的測定が得られるまで実行される。さらに、選択されかつ分析されるSNPの組み合わせの数は、同時試験の手順に基づいて減少され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「推定する」または「推定すること」とは、スタチン応答に関して使用されるときには、被験体の核酸試料中の1つまたはそれ以上のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を、個々にまたは組み合わせて分析するプロセス、およびSNPのヌクレオチドの存在を、個々にまたは組み合わせて、スタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在の既知の関係に対して比較することを用いて、スタチン応答に関する結論を引き出すことを意味する。本明細書中で開示されるように、ヌクレオチドの存在は、核酸分子を調べることによって直接的に同定され得るか、または特定の遺伝子(例えば、CYP3A4遺伝子)によってコードされるポリペプチドを調べることによって間接的に同定され得る。ここで多型は、コードされたポリペプチドにおけるアミノ酸の変化と関連する。
このような比較を実行する方法およびこの比較に基づいて結論に至る方法は本明細書中に例示される(実施例6を参照されたい)。推定は典型的には複雑なモデルを使用することを含み得る。このモデルは、分類指標(classifier)として既知の対立遺伝子またはヌクレオチドの存在の既知の関係を用いることを含む。比較は、分散共分散行列を使用して、ブラインド二次判別分類(blind, quadratic discriminate classification)を作成する複雑なモデルに、被験体のスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子に関するデータを適用することによって実行され得る。種々の分類モデルは、本明細書中において、より詳細に議論する。
ハプロタイプがスタチン応答の推定において有用であるか否かを決定するために、多数の統計学的分析が実行され得る。対立遺伝子の頻度がハプロタイプについて計算され得、そして対の(pair-wise)ハプロタイプの頻度は、EMアルゴリズム(ExcoffierおよびSlatkin、Mol Biol Evol. 1995 Sep;12(5):921-7)を用いて見積もられる。次いで、連鎖不均衡係数が計算され得る。連鎖不均衡係数、対立遺伝子およびハプロタイプの頻度のような種々のパラメーターに加えて、カイ二乗統計および他の集団遺伝学的パラメーター(例えば、Panmitic指数)は、問題のグループとコントロールグループとの間の民族的、祖先の、または他の体系的バリエーションを制御するために計算され得る。
コントロールから問題のマトリックスを区別するための値を有するマーカー/ハプロタイプは、もしあれば、何らかの関連を記載し関連性(試験および効果)統計を伴う数学的なフォームで提示され得る。SNPマーカーまたはハプロタイプとスタチン応答との関連性が少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%、最も好ましくは95%の信頼度であることを示す統計学的分析の結果、あるいは、0.05未満の有意でない確率が、ハプロタイプを同定するために使用され得る。これらの統計学的ツールは、試験中のSNP対立遺伝子またはハプロタイプ対立遺伝子はグループ間で有意には異なっていないという帰無仮説に関する有意性について試験し得る。この差異の有意性が低い場合、その対立遺伝子はスタチン応答と関連がないことが示唆される。ハプロタイプ対立遺伝子の発見は、ハプロタイプの分岐図の入れ子状にしたコンティンジェンシー分析を用いて、スタチン応答の遺伝的特徴として検証および確証され得る。
多重遺伝子座のハプロタイプによって多型を表現することは有益である。なぜなら、本明細書中に提供される実施例に開示されているように、ランダムな対立遺伝子の組み合わせからの推測に基づいて予想されるよりも、はるかに少ないハプロタイプが世界の集団に存在している。例えば、実施例6に開示されているように、ハプロタイプCYP3A4CについてのCYP3A4遺伝子中の4つの開示された多型遺伝子座、CYP3A4E3-5_249、CYP3A4E7_243、CYP3A4E10-5_292、CYP3A4E12_76について、集団中で観察される24=16の可能なハプロタイプの組み合わせが存在する。各ハプロタイプ対立遺伝子の最初の文字は第1のSNPであるCYP3A4E3-5_249に対応し、2番目の文字はハプロタイプ中の第2のSNP(CYP3A4E7_243)のヌクレオチドの存在に対応し、3番目の文字は第3のSNP(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチドの存在に対応し、そして4番目の文字はハプロタイプの第4のSNP(CYP3A4E12_76)のヌクレオチドの存在に対応する。上記に例示された種々のハプロタイプ対立遺伝子は、集団中でCYP3A4遺伝子の可能なまたは潜在的な「フレーバー(flavor)」と考えられ得る。しかし、上記に列挙されたCYP3A4 SNPについて、7つのハプロタイプまたは「フレーバー」(ATGC、ATAC、AGAT、AGAC、ATAT、ATGT、およびTGAC)が世界の人々からの本当のデータにおいて観察されてきた。自然界におけるハプロタイプの数は可能なハプロタイプ数よりもはるかに少ないという観察は一般的であり、当業者の間では一般的な原理として理解されている。そして、ハプロタイプは遺伝的関連性の研究のための強力な統計学的な能力を提供することが一般的に受け止められている。この現象は集団のボトルネック、ランダムな遺伝的ドリフト、選択などのような体系的な遺伝的な力によって引き起こされ、これは、何百万年もの間集団において機能しており、そして今日の集団において大量の遺伝的「パターン」を作製してきた。結果として、ハプロタイプによる作業は、分離している遺伝子型による作業よりも、関連性および他の遺伝的現象を検出するためにより大きな統計学的な能力を遺伝学者に提供する。多数の多型遺伝子座にとっては、観察されるハプロタイプの数と期待されるハプロタイプの数との間の不一致は、より少ない数の遺伝子座よりも大きい。二倍体の生物(例えば、ヒト)においては、二倍体である体細胞は各ハプロタイプについて2つの対立遺伝子を含む。このようにして、いくつかの場合には、1つのハプロタイプの2つの対立遺伝子は、本明細書中では遺伝子型または二倍体対といわれ、そして体細胞の分析は、典型的には、ハプロタイプの各々のコピーについての対立遺伝子を同定する。本発明の方法は、ハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を包含し得る。これらの対立遺伝子は同一であり得るか(ホモ接合性)、または異なり得る(ヘテロ接合性)。被験体のハプロタイプは、スラッシュの上および下に対立遺伝子を表すことによって記号化され得(例えば、ATG/CTAまたはGTT/AGA)、ここでスラッシュの上の配列は母方の染色体上の多型対立遺伝子、および他方は父型の染色体の多型対立遺伝子の組み合わせ(またはその逆)を表す。
特定のハプロタイプについて、1つの対立遺伝子または少数の対立遺伝子は、そのハプロタイプについての他の対立遺伝子よりも集団中ではるかにより優勢である。典型的には、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子は、ハプロタイプについて、集団中での対立遺伝子の存在の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%を表す。例えば、実施例4に例証されるように、CYP2D6ハプロタイプについては、CTAが他のCYP2D6対立遺伝子よりもその集団中ではるかにより優勢である。従って、CYP2D6については、CTAがメジャーな対立遺伝子である。例えば、実施例6に例証されるように、CYP3A4Cハプロタイプについては、ATGC対立遺伝子が他のCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子よりもその集団中ではるかにより優勢である。従って、CYP3A4Cハプロタイプについては、ATGCがメジャーな対立遺伝子である。例えば、実施例6に例証されるように、HMGCRBハプロタイプについては、CGTA対立遺伝子が他のHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子よりもその集団中ではるかにより優勢である。従って、HMGCRBハプロタイプについては、CGTA対立遺伝子がメジャーな対立遺伝子である。例えば、表6-7に示されるデータから、集団中に見い出されるHMGCRBハプロタイプの、全部で84のハプロタイプの存在(HMGCRBハプロタイプの二倍体対の2×42)のうちの72(86%)がCGTA対立遺伝子であった。
CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子またはHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を分析する本発明の方法のために、二倍体対は1つのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子と1つのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子、マイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、またはメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を含み得る。添付の実施例(例えば、実施例6)に例証されているように、CYP3A4Cのメジャーな対立遺伝子、ATGC、およびHBGCRBのメジャーな対立遺伝子、CGTA、これらの2つのハプロタイプについてのメジャーな対立遺伝子のとりわけホモ接合性の二倍体対は、スタチンが有効であるようなより高い可能性(例えば、LDLまたはTCのレベルを減少させる)と関連している。
本発明の特定の実施態様において、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、
Figure 2005508612
である。これらは、実施例6において例証されたように、集団中で見い出された二倍体対である。本発明の特定の実施態様において、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、
Figure 2005508612
である。これらは、実施例6において例証されたように、集団中で観察された二倍体対である。
本発明の特定の実施態様において、二倍体対は、集団中で観察されるハプロタイプ対立遺伝子についてのすべての可能な二倍体対を含み得る。これらの二倍体対は、CYP3A4Cハプロタイプについては、
Figure 2005508612
を含み得る。これらの二倍体対は、HMGCRBハプロタイプについては、
Figure 2005508612
を含み得る。
例えば、本発明の特異的結合対メンバーは、オリゴヌクレオチドまたは抗体であり得、これらは、適切な条件下で、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421で、またはそれに近接した位置で、標的ポリヌクレオチドに選択的に結合する。このように、本発明の特異的結合対メンバーはオリゴヌクレオチドプローブであり得、これは、標的ポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズし得、そしてプライマー伸長反応のための基質、または抗核酸抗体であり得るが必ずしもその必要はない。特異的結合対メンバーは、それが標的ヌクレオチドの任意の部分、所望される場合には、例えば、末端ヌクレオチドとしてSNPを含む標的ポリヌクレオチドの部分に選択的に結合するように選択され得る。
少なくとも1つのスタチン応答関連SNPについて試料中のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含する本発明の方法は、好ましい実施態様において、スタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を、スタチン応答関連ハプロタイプの1つまたはそれ以上の同定されたハプロタイプ対立遺伝子にグループ分けする工程を包含し得る。被験体のスタチン応答を推定するために、次いで、同定されたハプロタイプ対立遺伝子は、スタチン応答関連ハプロタイプの既知のハプロタイプ対立遺伝子と比較され、ここで既知のハプロタイプ対立遺伝子のスタチン応答に対する関連性は既知である。
本発明の方法において同定されるスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子はまた、少なくとも1つのCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子および/または少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を含み得;そしてCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を含み得る。
被験体がポジティブなスタチン応答(すなわち、好ましい、血清コレステロールレベルの減少)を有すか否かに関する推定を可能にするCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、例えば、GC/GCであり得;そしてそのようなHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はTG/TGによって例示される。例えば、ヒト被験体は、CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、GC/GC、およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TG/TGを有し得る。CYP3A4Aハプロタイプにおいて二倍体対GC/GCを有し、およびHMGCRAハプロタイプにおいて二倍体対立遺伝子TG/TGを有する被験体は、実施例5に例証されるように、スタチン応答にポジティブに応答する高い可能性を有する。実際に、実施例5において議論されるように、このハプロタイプの二倍体対を有する73の被験体のうちの4例のみがアトルバスタチンまたはシンバスタチンのいずれにも応答しなかった。別の例として、CYP3A4Aハプロタイプおよび/またはHMGCRハプロタイプの対立遺伝子の二倍体対は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対(例えば、CYP3A4AにおいてGC/GC、およびHMGCRAにおいてTG/TG)であり得るか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。CYP3A4AおよびHMGCRAのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子は、実施例5において開示され、そして以下に表5において示される。
(表5)メジャーな/マイナーなヌクレオチドの存在およびハプロタイプ対立遺伝子
Figure 2005508612
Figure 2005508612
表5.大文字は、メジャーなヌクレオチドの存在を示し;小文字はマイナーなヌクレオチドの存在を示す。1つまたはそれ以上の小文字(マイナーなヌクレオチドの存在)を伴うハプロタイプ対立遺伝子はマイナーなハプロタイプである。すべて大文字のハプロタイプはメジャーなハプロタイプである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料からその被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供する。ここでこの方法は、CYP3A4C対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRB対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を包含する。好ましい実施態様において、CYP3A4C対立遺伝子の二倍体対は、メジャーな対立遺伝子の二倍体対(ATGC/ATGC)、マイナーな対立遺伝子、すなわち、
Figure 2005508612
を含む対立遺伝子の二倍体対を含む。好ましい実施態様において、HMGCR対立遺伝子の二倍体対は、メジャーな対立遺伝子(CGTA/CGTA)の二倍体対、マイナーな対立遺伝子、すなわち、
Figure 2005508612
を含む対立遺伝子の二倍体対を含む。
本明細書中で開示されるように、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子、とりわけホモ接合性のメジャーなハプロタイプ対立遺伝子、ならびにHMGCRおよびCYP3A4についてのヌクレオチドの存在は、一般的にスタチンに対する有効な応答と関連する。本明細書中で開示されるように、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子、とりわけホモ接合性のメジャーなハプロタイプ対立遺伝子、ならびにCYP2D6についてのヌクレオチドの存在は、一般的にスタチンに対する有害な応答と関連しない。
ポジティブなスタチン応答を推定する方法はまた、少なくとも1つのCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子および/または少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を包含し、この対立遺伝子には、例えば、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;またはCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が含まれる。このようなCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、TGC/TGCによって例示され、そしてこのようなHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対はTG/TGによって例示される。このように、被験体は、例えば、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TGC/TGC、およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、TG/TGを有し得る。CYP3A4Bハプロタイプにおいて二倍体対TGC/TGC、およびHMGCRAハプロタイプにおいてTG/TG対立遺伝子の二倍体対を有する被験体は、実施例5において例証されるように、スタチン処置にポジティブに応答する高い可能性を有する。CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対またはHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対(例えば、CYP3A4BにおけるTGC/TGCおよびHMGCRAにおけるTG/TG)またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であり得る。
本発明の方法および組成物は、多数の有用性を有し、そのうちで最も明白なものは、それらが、血清コレステロールレベルの上昇を有する患者にスタチンを処方するかどうかを決定するために使用され得ることである。
本発明の方法を実施するために有用な試料は、核酸分子を含む被験体の任意の生物学的試料であり得、特定の方法に依存して、調べられる遺伝子配列の一部または対応するコードされたポリペプチドを含む。このようなものとして、試料は、細胞、組織、または器官の試料であり得、あるいは、精液、唾液、血液などのような生物学的液体の試料であり得る。本発明の方法を実施するために有用な核酸試料は、部分的には、同定されるハプロタイプのSNPがコード領域中にあるかまたは非コード領域中にあるかに依存する。従って、同定される少なくとも1つのSNPが非コード領域にある場合には、核酸試料は、一般的に、デオキシリボ核酸(DNA)試料、特に、ゲノムDNAまたはその増幅産物である。しかし、スプライシングされていないmRNAの前駆体のRNA分子を含む異核のリボ核酸(RNA)が利用可能である場合、cDNAまたはその増幅産物が使用され得る。ハプロタイプのSNPの各々が遺伝子のコード領域に存在する場合、核酸試料はDNAまたはRNAであり得るか、あるいはそれに由来する生成物(例えば、増幅産物)であり得る。さらに、本発明の方法は概して核酸試料に関して例示されるが、特定のハプロタイプ対立遺伝子が遺伝子のコード領域に存在し得ること、およびこの遺伝子が、縮重していないコドンの変化に起因して、SNPに対応する位置で、異なるアミノ酸を含むポリペプチドを生じ得ることが認識される。このように、別の局面において、本発明の方法は、被験体のポリペプチドを含む試料を使用して実施され得る。
本発明の方法は、本明細書中に開示されるスタチン応答関連ハプロタイプの任意の1つ単独についての対立遺伝子、または2個、3個、4個、またはそれ以上のスタチン応答関連ハプロタイプの任意の組み合わせについての対立遺伝子を同定し得ることが当業者によって認識される。比較的高い推定の能力を伴う好ましい例において、本発明の方法は、CYP3A4CとHMGCRBの両方についてのハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を包含する。
ここで、核酸試料中のハプロタイプ対立遺伝子を同定する(ゲノムをサーベイするともいう)ための多数の方法が本明細書中で開示されるか、さもなくば当該分野で公知である。本明細書中に開示されるように、ハプロタイプ対立遺伝子を形成する個々のSNPについての核酸の存在が決定され、次いで、個々のSNPについての核酸の存在のデータがハプロタイプ対立遺伝子を同定するために組み合わされる。例えば、HMGCRAハプロタイプについて、マーカーHMGCRE7E11_472およびHMGCRDBSNP_45320に対応する各SNP遺伝子座での両方のヌクレオチドの存在を組み合わせて、被験体のHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を決定し得る。StephensおよびDonnellyのアルゴリズム(Am. J. Hum. Genet. 68: 978-989, 2001、これは、参照として本明細書に組み入れられる)は、被験体の遺伝子型における各ハプロタイプについての対立遺伝子を決定するために、被験体のSNPマーカー中の個々のヌクレオチドの存在に関して生成したデータに適用され得る。被験体の遺伝子型における各ハプロタイプについての対立遺伝子を決定するために使用され得る他の方法には、例えば、Clarksのアルゴリズム、ならびにRaymondおよびRousset(Raymondら、1994、GenePop. バージョン3.0、Institut des Siences de l'Evolution. Universite de Montpellier, France、1994)によって記述されたEMアルゴリズムがある。
添付の配列表は、本明細書中に開示されるSNPについて隣接するヌクレオチド配列を提供する。これらの隣接配列は、ヒトゲノムにおけるSNPの正確な位置の同定を補助するために働き、そして本発明の方法を実行するために有用な標的遺伝子セグメントとして働く。標的ポリヌクレオチドは、典型的には、SNP遺伝子座およびSNPに隣接する対応する遺伝子のセグメントを含む。標的ポリヌクレオチド配列に、またはその配列の近傍に選択的にハイブリダイズするプライマーおよびプローブ、ならびに標的ポリヌクレオチド配列に、またはその配列の近傍に選択的に結合し得る特異的結合対メンバーは、開示された遺伝子配列および本明細書中に提供された情報に基づいて設計され得る。
潜在性のスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子は、1つまたはそれ以上の浸透性のハプロタイプの文脈においては、スタチン応答の推定を強化するハプロタイプ対立遺伝子である。潜在性のスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子は、典型的には、そのスタチン応答との関連性が単純な遺伝学的アプローチを用いて検出するには十分に強力ではない、対立遺伝子である。潜在性のスタチン応答関連SNPは、潜在性のスタチン応答関連ハプロタイプを形成する個々のSNPである。本明細書中に開示されるスタチン応答関連ハプロタイプを形成するいくつかのSNPは、潜在性のスタチン応答関連SNPでありうる。
本発明の方法のための被験体は、いかなる人種の被験体であってもよい。このように、被験体は共通の前歴、国籍、または地理的分布を基礎として共に分類された人々の任意のグループであり得る。例えば、被験体は、アフリカ人、アジア人、オーストラリア人、ヨーロッパ人、北アメリカ人、および南アメリカ人の血統であり得る。特定の実施態様において、被験体は、アジア人、ヒスパニック、アフリカ人、またはコーカソイドである。1つの実施態様において、被験体はコーカソイドである。
本明細書中で使用される場合、用語「選択的ハイブリダイゼーション」または「選択的にハイブリダイズする」とは、ヌクレオチド配列が、SNPのヌクレオチドの存在を同定する際に有用であるのに十分に大きい程度まで、関連性のないヌクレオチド配列を除外して、選択されたヌクレオチド配列に優先的に結合するような、中程度にストリンジェントな条件下または高度にストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションをいう。いくらかの量の非特異的なハイブリダイゼーションは避けられないが、標的のヌクレオチド配列に対するハイブリダイゼーションが十分に選択的であり、その結果、例えば、標的分子以外の核酸分子(特に、標的核酸分子以外の実質的に同様な(すなわち、相同な)核酸分子)と比較して、標的核酸分子に結合する標識されたオリゴヌクレオチドの量によって決定して、非特異的な交差ハイブリダイゼーションから標的配列が区別され得るならば(例えば、少なくとも約2倍より選択的、一般的には少なくとも約3倍より選択的、通常少なくとも約5倍より選択的、特に少なくとも約10倍より選択的)、許容可能であることが認識される。選択的ハイブリダイゼーションを可能にする条件は経験的に決定され得るか、または例えば、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドおよびそれがハイブリダイズする配列の相対的なGC:AT含量、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの長さ、ならびに、もしあれば、オリゴヌクレオチドとそれがハイブリダイズする配列との間のミスマッチの数に基づいて見積もられ得る(例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning: A laboratory manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)」を参照されたい)。
漸次的により高いストリンジェンシーの条件の例は以下の通りである:ほぼ室温で2×SSC/0.1% SDS(ハイブリダイゼーション条件);ほぼ室温で0.2×SSC/0.1% SDS(低ストリンジェンシー条件);約42ECで0.2×SSC/0.1% SDS(中程度のストリンジェンシー条件);および68ECで0.1×SSC(高ストリンジェンシー条件)。洗浄は、これらの条件の1つ(例えば、高ストリンジェンシー条件)のみを用いて実行され得るか、またはこれらの条件の各々が使用され得る(例えば、列挙した工程のいずれかまたはすべてを反復して、上記に列挙された順番で各々10〜15分間)。しかし、上記に言及したように、最適条件は、関係する特定のハイブリダイゼーション反応に依存して変化し、そして経験的に決定され得る。
用語「ポリヌクレオチド」は、ホスホジエステル結合によって共に連結されるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの配列を意味するために本明細書中で広範に使用される。便宜上、用語「オリゴヌクレオチド」は、プライマーまたはプローブとして使用されるポリヌクレオチドをいうために本明細書中で使用される。一般的に、選択されたヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズするプローブまたはプライマーとして有用なオリゴヌクレオチドは、少なくとも約15ヌクレオチド長、通常少なくとも約18ヌクレオチド長、特に約21ヌクレオチドまたはそれ以上の長さである。
ポリヌクレオチドはRNAであり得るかまたはDNAであり得、これは、遺伝子もしくはその一部、cDNA、合成ポリデオキシリボ核酸配列などであり得、そして一本鎖または二本鎖、ならびにDNA/RNAハイブリッドであり得る。種々の実施態様において、オリゴヌクレオチド(例えば、プローブまたはプライマー)を含むポリヌクレオチドは、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドのアナログ、またはホスホジエステル結合以外のバックボーンの結合を含み得る。一般的に、ポリヌクレオチドを含むヌクレオチドは、天然に存在するデオキシリボヌクレオチド(例えば、2’-デオキシリボースに結合したアデニン、シトシン、グアニン、またはチミン)、またはリボヌクレオチド(例えば、リボースに結合したアデニン、シトシン、グアニン、またはウラシル)である。しかし、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドはまた、ヌクレオチドアナログ(天然には存在しない合成ヌクレオチドまたは修飾した天然に存在するヌクレオチドを含む)を含み得る。このようなヌクレオチドアナログは当該分野において周知でありかつ市販されており、このようなヌクレオチドアナログを含むポリヌクレオチドも同様である(Linら、Nucl. Acids Res. 22: 5220-5234(1994); Jellinekら、Biochemistry 34: 11363-11372(1995); Pagratisら、Nature Biotechnol. 15: 68-73(1997)、これらの各々は参照として本明細書に組み入れられる)。
ポリヌクレオチドのヌクレオチドを連結する共有結合は、一般的にはホスホジエステル結合である。しかし、共有結合はまた、多数の他の結合のいずれかであり得、それにはチオジエステル結合、ホスホロチオエート結合、ペプチド様結合、またはヌクレオチドを結合して合成ポリヌクレオチドを産生するために有用である、当業者に公知の任意の他の結合が含まれる(例えば、Tamら、Nucl. Acids Res. 22: 977-986(1994); EckerおよびCrooke、BioTechnology 13: 351360 (1995)を参照されたい。これらの各々は参照として本明細書に組み入れられる)。修飾されたポリヌクレオチドはより分解されにくいことがあり得るため、天然には存在しないヌクレオチドアナログの取り込み、またはヌクレオチドもしくはアナログを連結する結合は、ポリヌクレオチドが、核酸分解活性を含み得る環境にさらされる場合に特に有用であり得る。この環境には、例えば、組織培養培地または生きている被験体への投与の場合が含まれる。
天然に存在するヌクレオチドおよびホスホジエステル結合を含むポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、化学的に合成され得るか、または適切なポリヌクレオチドをテンプレートとして使用する組換えDNA法を用いて産生され得る。対照的に、ヌクレオチドアナログまたはホスホジエステル結合以外の共有結合を含むポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、一般的には、化学的に合成されるが、T7ポリメラーゼのような酵素は、特定の型のヌクレオチドアナログをポリヌクレオチドに取り込み得る。従って、この酵素は、適切なテンプレートから組換え的にこのようなポリヌクレオチドを産生するために使用され得る(Jellinekら、前出、1995)。従って、用語ポリヌクレオチドは、本明細書中で使用される場合、細胞から単離され得る天然に存在する核酸分子、ならびに、例えば、化学合成の方法または酵素的方法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))によって調製され得る合成分子を含む。
種々の実施態様において、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを検出可能に標識することが有用であり得る。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの検出可能な標識は、当該分野で周知である。検出可能な標識の特に非限定的な例には、化学発光標識、放射標識、酵素、ハプテン、または等価な独特のオリゴヌクレオチド配列が含まれる。
SNPを同定するための方法もまた、特異的結合対メンバーを用いて実行され得る。本明細書中で使用される場合、用語「特異的結合対メンバー」とは、特異的結合対の別のメンバーに特異的に結合するかまたは選択的にハイブリダイズする分子をいう。特異的結合対メンバーには、例えば、プローブ、プライマー、ポリヌクレオチド、抗体などが含まれる。例えば、特異的結合対メンバーには、SNP遺伝子座を含む標的ポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするか、またはテンプレートとして標的ポリヌクレオチドを使用して生成した増幅産物にハイブリダイズする、プローブまたはプライマーが含まれる。
本明細書中で使用される場合、用語「特異的相互作用」または「特異的に結合する」などは、2つの分子が生理学的条件下で比較的安定な複合体を形成することを意味する。この用語は、種々の相互作用と関連して本明細書中で使用される。この相互作用には、例えば、SNP部位を含むポリヌクレオチドを結合する抗体の相互作用;または、SNP部位を含むコドンによってコードされるアミノ酸を含むポリペプチドを結合する抗体の相互作用が含まれる。本発明の方法に従って、抗体は、SNP部位を含むコドンによってコードされる特定のアミノ酸を含むポリペプチドに選択的に結合し得る。あるいは、抗体は、例えば、プライマー伸長アッセイを用いて、SNP部位における特定のヌクレオチドの存在のみについてのSNP部位に取り込まれる特定の修飾されたヌクレオチドを優先的に結合し得る。
特異的相互作用は、少なくとも約1×10-6M、一般的には少なくとも約1×10-7M、通常は少なくとも約1×10-8M、特に少なくとも約1×10-9Mもしくは約1×10-10Mまたはそれ以上の解離定数によって特徴付けされ得る。特異的相互作用は、一般的に、生理学的条件下で安定であり、この条件には、例えば、生きている個体(例えば、ヒトまたは他の脊椎動物もしくは無脊椎動物)に存在する条件、ならびに、哺乳動物細胞または別の脊椎生物もしくは無脊椎生物由来の細胞を維持するために使用されるような細胞培養中に存在する条件が含まれる。2つの分子が特異的に相互作用するか否かを決定するための方法は周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などが含まれる。
試料中の特定のSNPについてヌクレオチドの存在を決定するための多数の方法が当該分野で公知である。このような方法は、1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを利用し得る。これらには、例えば、1つまたはそれ以上のスタチン応答関連SNPの位置を含む標的ポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズする増幅プライマー対が含まれる。本発明の方法の実施の際に有用なオリゴヌクレオチドプローブには、例えば、SNPの位置を含む標的ポリヌクレオチドに相補的であり、かつその部分にわたるオリゴヌクレオチドが含まれ得、ここでその位置(すなわち、SNP)における特定のヌクレオチドの存在は、プローブの選択的ハイブリダイゼーションの有無によって検出される。このような方法は、標的ポリヌクレオチドおよびハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを、エンドヌクレアーゼと接触させる工程、ならびに、SNP部位におけるヌクレオチドの存在がプローブの対応するヌクレオチドに相補的であるか否かに依存して、プローブの切断産物の有無を検出する工程をさらに含み得る。
オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイはまた、多型の位置におけるヌクレオチドの存在を同定するために使用され得る。ここで、プローブ対は、SNPの部位に対して、上流におよび隣接して、ならびに下流におよび隣接して、選択的にハイブリダイズし、そして1つのプローブは、SNPのヌクレオチドの存在に相補的な末端ヌクレオチドを含む。プローブの末端ヌクレオチドがヌクレオチドの存在と相補的な場合、選択的ハイブリダイゼーションは末端ヌクレオチドを含む。その結果、リガーゼの存在下で、上流および下流のオリゴヌクレオチドが連結される。このようなものとして、ライゲーション産物の有無は、SNP部位におけるヌクレオチドの存在を示す。
オリゴヌクレオチドはまた、例えば、プライマー伸長反応のためのプライマーとして有用であり得る。ここで、伸長反応の生成物(または生成物の非存在)がヌクレオチドの存在を示す。さらに、SNP部位を含む標的ポリヌクレオチドの一部を増幅するために有用なプライマー対が有用であり得、ここで増幅産物はSNP部位におけるヌクレオチドの存在を決定するために調べられる。特に有用な方法には、ハイスループット形式に容易に適用可能なもの、マルチプレックス形式に適用可能なもの、またはその両方が含まれる。プライマー伸長または増幅の産物は、直接的または間接的に検出され得るか、および/または当該分野で公知の種々の方法を使用して配列決定され得る。SNP遺伝子座にわたる増幅産物は、伝統的な配列決定の方法論(例えば、「ジデオキシ媒介チェーンターミネーション法」、「サンガー法」としても公知(Sanger, F.ら、J. Molec. Biol. 94: 441 (1975); Proberら、Science 238:336-340(1987))および「化学分解法」、「マキサム-ギルバート法」(Maxam, A.M.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 74:560(1977))、両方の文献は参照として本明細書に組み入れられる)を使用して配列決定し、SNP遺伝子座におけるヌクレオチドの存在を決定することができる。
本発明の方法は、「マイクロシークエンシング」法を使用して、SNPにおけるヌクレオチドの存在を同定し得る。マイクロシークエンシング法は、「所定の」部位における単一のヌクレオチドのみの同一性を決定する。このような方法は、標的ポリヌクレオチド中の多型の存在および同一性を決定する際に特定の有用性を有する。このようなマイクロシークエンシング法ならびにSNP遺伝子座におけるヌクレオチドの存在を決定するための他の方法は、Boyce-Jacinoら、米国特許第6,294,336号(参照として本明細書に組み入れられる)において議論され、そして本明細書中に要約されている。
マイクロシークエンシング法は、Goelet, P.ら(国際公開公報第92/15712号、参照として本明細書に組み入れられる)によって開示されたGenetic Bit Analysis法を含む。DNA中の多型部位をアッセイするための、さらなる、プライマーによって導かれるヌクレオチド取り込み手順もまた記載されている(Komher, J.S.ら、Nucl. Acids. Res. 17: 7779-7784 (1989); Sokolov, B.P.、Nucl. Acids Res. 18: 3671 (1990); Syvanen, A.-C.ら、Genomics 8: 684-692 (1990); Kuppuswamy, M.N.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 88:1143-1147 (1991); Prezant, T.R.ら、Hum. Mutat. 1: 159-164 (1992); Ugozzoli, L.ら、GATA 9: 107-112 (1992); Nyren, P.ら、Anal. Biochem. 208: 171-175 (1993); およびWallace、国際公開公報第89/10414号)。これらの方法は、Genetic BitTMとは異なる。これらの方法はすべて、多型部位における塩基間を区別するための標識デオキシヌクレオチドの取り込みに依存する分析である。このような形式において、シグナルは取り込まれたデオキシヌクレオチドの数に比例するので、同じヌクレオチドの実行で起こる多型は実行の長さに比例するシグナルを生じ得る(Syvanen, A. -C.ら、Amer. J. Hum. Genet. 52: 46-59 (1993))。
代替的なマイクロシークエンシング法は、Mundy, C.R.(米国特許第4,656,127号)およびCohen, D.ら(フランス国特許第2,650,840号; PCT出願WO91/02087)によって提供されており、これは、多型部位のヌクレオチドの同一性を決定するための、溶液に基づく方法を議論している。米国特許第4,656,127号のMundyの方法にあるように、直接的に3’-から多型部位までの対立遺伝子の配列に相補的なプライマーが利用される。
配列を分析するためにゲル電気泳動を利用する際に遭遇する困難性に応じて、マイクロシークエンシングの代わりの方法が開発されてきた。例えば、Macevicz(米国特許第5,002,867号)は、オリゴヌクレオチドプローブの複数の混合物とのハイブリダイゼーションを介して核酸配列を決定するための方法を記載している。このような方法に従って、標的ポリヌクレオチドの配列は、その標的が、1つの位置において不変のヌクレオチドを、かつ他の位置において可変のヌクレオチドを有するプローブのセットと連続的にハイブリダイズすることを可能にすることによって決定される。Maceviczの方法は、標的をプローブのセットとハイブリダイズすることによって標的のヌクレオチド配列を決定し、次いで、そのセットの少なくとも1つのメンバーが標的にハイブリダイズし得る部位の数(すなわち、「マッチ」の数)を決定する。この手順は、プローブのセットの各々のメンバーが試験されるまで反復される。
Boyce-Jacinoら(米国特許第6,294,336号)は、ある部位でポリヌクレオチド標的を選択的に結合するプライマーを利用することによって、核酸分子(DNAまたはRNAのいずれか)の配列を決定するための固相シークエンシング法を提供する。ここで、SNPは、標的に選択的に結合した最も3’のヌクレオチドである。
1つまたはそれ以上のSNPのヌクレオチドの存在を同定するために使用され得る方法の1つの特定の商業的な例において、試料中のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在は、SNP-ITTM法(Orchid BioSciences, Inc., Princeton, NJ)を使用して決定され得る。一般的には、SNP-ITTMは、3工程のプライマー伸長反応である。第1の工程では、標的ポリヌクレオチドが、プライマーを捕捉するためにハイブリダイゼーションによって試料から単離される。これは特異性の第1のレベルを提供する。第2の工程では、捕捉プライマーは、標的SNP部位の終結ヌクレオチド三リン酸から伸長される。これは、特異性の第2のレベルを提供する。第3の工程では、伸長されたヌクレオチド三リン酸は、種々の公知の形式を使用して検出され得る。この形式には、直接的な蛍光、間接的な蛍光、間接的な比色アッセイ、質量分析法、蛍光偏光などが含まれる。反応は、SNPstreamTM装置(Orchid BioSciences, Inc., Princeton, NJ)を使用する自動化形式で、384ウェル形式で処理され得る。
別の実施態様において、本発明の方法は、スタチン応答関連SNPを含むポリヌクレオチド領域を増幅すること、マイクロタイタープレートの個々のウェル中で対立遺伝子特異的な様式で、増幅された生成物を捕捉すること、捕捉された標的対立遺伝子を検出することによって実行され得る。
HMGCRAAハプロタイプのマーカーHMGCRE7E11-3_472を同定するための方法の特異的な非限定的な例において、配列番号:2(このマーカーに対応する配列番号(表1を参照されたい))のSNPに対して5’の配列にハイブリダイズする正方向プライマー、および配列番号:2のSNPに対して3’の配列の反対の鎖にハイブリダイズする逆方向プライマーを含むプライマー対が合成される。このプライマー対は、マーカーHMGCRE7E11-3_472を含む標的ポリヌクレオチドを増幅するために使用されて、増幅産物を生成する。次いで、第3のプライマーが、プライマー伸長反応のための基質として使用され得る。この第3のプライマーは、この第3のプライマーの3’ヌクレオチド(例えば、アデノシン)がマーカーHMGCRE7E11-3_472の部位に結合するように増幅産物に結合し得、プライマー伸長反応のために使用される。このプライマー伸長反応が、この第3のプライマーの3’ヌクレオチドがSNPのヌクレオチドの存在に相補的である場合のみに進行するように、このプライマーは設計され得、条件が決定され得る。例えば、この第3のプライマーは、例えば、マーカーHMGCRE7E11-3_472のヌクレオチドの存在がグアニジンである場合にプライマー伸長反応が進行するが、このマーカーのヌクレオチドの存在がアデノシンである場合には進行しないように設計され得る。
フェーズの公知のデータは、SNPstreamTM装置からのフェーズが未知の生のデータを、StephensおよびDonnellyのPHASEプログラムに入力することによって生成され得る。
従って、上記に記載された方法を用いて、スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子またはスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在は、増幅反応、プライマー伸長反応、またはイムノアッセイを使用して同定され得る。スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子またはスタチン応答関連SNPはまた、試料中のポリヌクレオチドまたは試料に由来するポリヌクレオチドを、スタチン応答関連SNPを含むポリヌクレオチド領域に選択的にハイブリダイズする特異的結合対メンバーと、その結合対メンバーがスタチン応答関連SNPまたはその近傍に特異的に結合するような条件下で接触させることによって同定され得る。この特異的結合対メンバーは、抗体またはポリヌクレオチドであり得る。
本発明の方法において使用される抗体には、スタチン応答関連ハプロタイプまたは種関連ハプロタイプを含むポリヌクレオチドを特異的に結合する抗体が含まれる。さらに、本発明の抗体は、SNPを含むコドンによってコードされるアミノ酸を含むポリペプチドを結合する。これらの抗体は、部分的にSNPによってコードされているアミノ酸を含むポリペプチドに結合する。この抗体は、SNP遺伝子座を含むコドンによってコードされる第1のアミノ酸を含むポリペプチドを特異的に結合するが、SNPにおいて異なるヌクレオチドの存在を含むコドンによってコードされる第2のアミノ酸を含むポリペプチドには結合しないか、またはより弱く結合する。
抗体は当該分野において周知であり、例えば、米国特許第6,391,589号において議論されている。本発明の抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、Fab発現ライブラリーによって産生されたフラグメント、抗イデオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが含まれるがこれらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原を免疫学的に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子をいう。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の、任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。
本発明の抗体は、Fab、Fab'およびF(ab')2、Fd、単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、ならびにVLドメインまたはVHドメインのいずれかを含むフラグメントを含むがこれらに限定されない、抗体フラグメントを含む。単鎖抗体を含む、抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を単独で、または以下と全体的に、もしくは以下の一部と組み合わせた可変領域を含み得る:ヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、およびCH3ドメイン。ヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、およびCH3ドメインと、可変領域との任意の組み合わせもまた含む抗原結合フラグメントもまた、本発明に含まれる。本発明の抗体は、鳥類および哺乳動物を含む任意の動物起源であり得る。好ましくは、この抗体はヒト、ネズミ(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、シップラビット(ship rabbit)、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリの抗体である。本発明の抗体は、単一特異的、二重特異的、三重特異的、またはそれ以上の多重特異的であり得る。
本発明の抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって生成され得る。関心対象の抗原に対するポリクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手順によって産生され得る。例えば、本発明のポリペプチドを、種々の宿主動物(これらの動物には、ウサギ、マウス、ラットなどが含まれるがこれらに限定されない)に投与し、抗原に対して特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導することができる。種々のアジュバントが、宿主の種に依存して、免疫応答を増加させるために使用され得、これには、Freundのアジュバント(完全および不完全)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性剤(例えば、リゾレシチン)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、および潜在的に有用なヒトアジュバント(例えば、BCG(bacille Calmette-Guerin)およびCorynebacterium parvum)が含まれるがこれらに限定されない。これらのアジュバントもまた、当該分野で公知である。
モノクローナル抗体は、当該分野で公知の広範な種々の技術を用いて調製され得、これには、ハイブリドーマ技術、組換え技術、およびファージディスプレイ技術、またはこれらの組み合わせの使用が含まれる。例えば、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を使用して産生され得、この技術には、当該分野で公知の技術および、例えば、Harlowら、Antibodies: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1988)、Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681 (Elsevier, N.Y.、1981)(当該参考文献はその全体が参照として組み入れられる)において教示される技術が含まれる。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書中で使用される場合、ハイブリドーマ技術を通して産生される抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、単一のクローンに由来する抗体をいい、このクローンには、任意の真核生物、原核生物、またはファージのクローンが含まれ、それが産生された方法は関係ない。
SNPの特定のヌクレオチドの存在、またはスタチン応答関連ハプロタイプのヌクレオチドの存在は、そのヌクレオチドの存在がコードされたポリペプチド中のアミノ酸の変化を生じるように存在する場合、このヌクレオチドの存在は、ポリペプチド中の特定のアミノ酸を検出することによって間接的に同定され得る。このアミノ酸を決定するための方法は、例えば、ポリペプチドの構造またはポリペプチド中のアミノ酸の位置に依存する。
ポリペプチドが特定のSNPによってコードされた単一のアミノ酸の存在のみを含む場合、このポリペプチドはこのアミノ酸の有無について調べられ得る。例えば、このアミノ酸がこのポリペプチドのアミノ末端にあるかもしくはその近傍にあるか、またはこのアミノ酸がこのポリペプチドのカルボキシ末端にあるかもしくはその近傍にある場合、末端アミノ酸の単純な配列決定が実行され得る。あるいは、このポリペプチドは1つまたはそれ以上の酵素で処理され得、関心対象のアミノ酸の位置を含むペプチドフラグメントは、例えば、そのペプチドを配列決定することによって、または電気泳動後のそのペプチドの特定の移動度を検出することによって調べられ得る。特定のアミノ酸がそのポリペプチドのエピトープを含む場合、そのエピトープに特異的な抗体の特異的結合、またはその非存在が検出され得る。ポリペプチド中の特定のアミノ酸またはそのペプチドフラグメントを検出するための他の方法は周知であり、例えば、質量分析装置、キャピラリー電気泳動システム、磁気共鳴イメージング装置などのような装置の便宜さおよび利用性に基づいて選択され得る。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供する。ここで、この方法は、核酸試料中で、表9-1、表9-2、表9-3、表9-4、表9-5、表9-6、表9-7、表9-8、表9-9、表9-10、表9-11、および表9-12に列挙されるSNPのうちの1つにおける、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含する。これらのSNPは配列番号:43〜234において見い出される。このヌクレオチドの存在はスタチン応答と関連し、それによって被験体のスタチン応答の推定を証明する。
例えば、1つの局面において、ヌクレオチドの存在(本明細書中で、対立遺伝子ともいわれる)は、表9-1に列挙されるSNP756にある。表9-14から、このSNPが配列番号:43に対応することが見てとれる。この配列内のSNPの位置(ヌクレオチド398)は、配列表に示され(配列表中で同定されるマーカー756を参照されたい)、図3において、マーカー756に関連するセクションで視覚的に表現され得る。このSNPは、398位にAまたはTを含み得る。従って、本発明のこの局面について、この方法は、配列番号:43の398位のヌクレオチドの存在を同定し得る。同様に、実施例14で本発明に提供される表ならびに配列表から、本発明のSNPのすべての配列番号:中の、配列番号:および位置が決定され得ることが認識される。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供する。ここで、この方法は、核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙された遺伝子の1つの中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって、この被験体のスタチン応答を推定する。この方法は、SNPが、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-1および表9-2に列挙される遺伝子の1つに存在する場合に実行され得る。
実施例19は、そのヌクレオチドの存在がスタチン応答に関連するSNPを含む多数の遺伝子を開示する。本明細書中に開示される方法を用いて、スタチン応答に関連する他のSNPがこれらの遺伝子中で同定され得ることが理解される。実施例9の表および本文は、スタチン応答関連SNPが同定された遺伝子を開示する。
配列番号:43〜234のSNPが局在する遺伝子は、本明細書中に提供される配列を用いて決定され得る。この遺伝子の名称は、配列表に提供されるか、または、配列表および表9-14におけるマーカー名の最初の部分によって決定され得る。さらに、ヒトゲノム配列の検索(例えば、BLAST検索)においてこれらの配列を使用することによって、ヒトゲノム中に提供される配列の位置が決定され得る。従って、本発明のSNPが存在する遺伝子が容易に同定され得ることが認識される。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの例において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-2に列挙された少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙された遺伝子の1つにおける少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-3および表9-4に列挙された1つの遺伝子に存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-4に列挙された少なくとも1つのSNPである。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙された遺伝子の1つにおける少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-9および表9-10に列挙された1つの遺伝子に存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-10に列挙された少なくとも1つのSNPである。
別の実施態様において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙された遺伝子の1つにおける少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-11および表9-12に列挙された1つの遺伝子に存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-12に列挙された少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、スタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこのスタチン応答は、有害な反応(例えば、肝臓の損傷を含み得る肝細胞のストレス)である。このような方法は、例えば、被験体由来の核酸試料中で、配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、および配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223を含む、CYP2D6Aハプロタイプに対応するシトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子を同定することによって実行され得る。このようなハプロタイプの存在は、特に、そのハプロタイプ対立遺伝子がCTA以外である場合には、肝細胞ストレスおよび可能性のある肝臓損傷を示す、血清グルタミン酸オキサロ酢酸(SGOT)の増加と関連している。CTAは、このハプロタイプのメジャーな対立遺伝子である。本明細書中で同定される他の対立遺伝子には、TTC、TTA、CTC、およびCCAが含まれる。本方法は、CYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を包含し得る。
ネガティブな(すなわち有害な)スタチン応答を推定するための方法はまた、被験体からの核酸試料中で、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274に対応する位置で、CYP2D6遺伝子のヌクレオチドの二倍体対を同定する工程によって実行され得、これによって、ヌクレオチドの二倍体対、特にC/C以外の二倍体対が、有害な肝細胞応答を示す。例えば、ヌクレオチドの二倍体対がC/Aであり得、これは、有害な肝細胞効果を示す。
本発明の特定の実施態様のためのヒト被験体はコーカソイドである。本発明のこの局面の特定の実施態様におけるスタチンは、アトルバスタチンである。
別の局面において、本方法は、被験体由来の核酸試料中で、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する、少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定することによって、被験体が有害なスタチン応答を有するか否かに関して推定を引き出すことを可能にする。
本方法は、少なくとも2個(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の各々のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し得、これは、1つまたはそれ以上のハプロタイプ対立遺伝子を含み得るが必ずしもその必要はなく、そして1つの遺伝子中にあり得るが必ずしもその必要はない。少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在は、マイナーなヌクレオチドの存在、すなわち、被験体を含む集団の比較的少ない割合に存在するヌクレオチドであり得るか、またはメジャーなヌクレオチドの存在であり得る。マイナーなヌクレオチドの存在は、実施例4に例証されているように、一般的に、有害な応答の高い可能性と関連している。ハプロタイプ対立遺伝子が決定される場合、そのハプロタイプ対立遺伝子はメジャーなハプロタイプ対立遺伝子であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る。コーカソイド集団中でCTAであるようである、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子の存在は、実施例4に例証されるように、有害な応答の低い可能性と関連している。
一般的に処方される種々の医薬が、「良性の」副作用と一般にみなされることを引き起こす。FDAで認可された多くの薬物について有害な応答の代理的なマーカーは、通常、自力で治癒し、かつ長期的な健康にはほとんど重要でないと考えられているが、異常な代理的なマーカーの試験結果と長期的な健康との間には、最初に考えられていたよりもより不気味な関連性があるようである(Bakerら、2001;Amacherら、2001)。
スタチンを投与された患者のうち約3%が肝細胞(肝臓の)損傷の徴候を発症する。より多くの割合の患者が、筋肉痛すなわち筋肉の痛みを示す。スタチンに対する有害な応答を示す個体での長期的使用は、持続性の疾患に導く可能性があり、そしてそれに導く。例えば、臨床試験は、Baycol患者(他のスタチンに類似)の約1%が、処置に対して、筋肉の不快感および/またはクレアチンキナーゼの上昇を経験したことを示した。それにもかかわらず、比較的頻度の高いささいな不平および代理的なマーカーの異常が臨床的な病状の連続の一部であり、極端な場合には筋壊死さらには死に至ることを例証することに、薬物の試験的使用後、数年間を要した。
スタチンによって誘導される肝細胞ストレスの発生は、その上に、スタチン患者集団における深刻な健康リスクの前兆となり得る(Rienus、2000)。スタチン誘導肝臓ストレスは通常、それ自体で自然治癒するが、一部の患者では、それは肝臓の重量の減少によって示される肝臓の損傷、黄疸、肝炎、または死亡にまでさえ悪化する。
「有害なスタチン応答」は、スタチンに対するあらゆるネガティブな応答であり、最も詳細には、肝臓ストレス(おそらく肝臓の損傷を伴う)である。本発明に従うネガティブな肝細胞応答は、ヌクレオチドの存在、および選択的に、CYP2D6遺伝子のハプロタイプを同定することによって推定される。
アトルバスタチンを投与されたおよそ0.7%の患者が、持続性かつ用量依存的な肝臓ストレスの徴候(最も一般的に観察されるのは血清トランスアミナーゼ(SGOT、ALTGPT)レベルの上昇)を示す。これらおよび他の肝臓ストレスの徴候は、本発明のこの局面に従う有害なスタチン応答の指標である。薬物によって誘導された肝細胞損傷は、肝機能検査における上昇が先行するので、医師は、スタチンの開始(または用量の増加)後12週めに先立ち定期的に、これらの試験を日常的に実行し、そして上昇が持続する場合は処置を中断する。臨床試験は、少ない割合の患者のみが「危険な」SGOTおよびGPTの上昇と見なされるもの(その分類は完全に恣意的なものである)を表すことを示してきたが、非常に高い割合の患者(30%まで、未発表の観察)が、より緩やかであるがベースラインの20%よりも多い有意な上昇を示すことは一般的な知見である。さらに、平均的な個体については、37もしくはそれ以上までのSGOTレベルの増加、または56より高いGPTレベルの増加は、有害な肝細胞応答を意味する。しかし、これらの閾値は、人種、性別、または年齢に関係なく、平均的なヒトに関するものである。クレアチンキナーゼは、そのレベルの増加がスタチンに対する有害な応答の指標である、別の酵素である。スタチンを投与された患者の約20%が筋肉の痛みを訴えそしてクレアチンキナーゼレベルの上昇は筋肉痛(筋肉の損傷)を示す。
スタチンのような薬物に応答した異常な代理的なマーカーレベルの発生率は少なくないので、薬物の前処理の処方計画が、酸化的ストレスおよび脂質の過酸化を減少させることによって、いくつかの薬物によって引き起こされる有害な肝細胞損傷の重篤度を減じるか否かを、さまざまな研究室が研究してきた。これらの研究の結果は、肝細胞の健康の直接的な尺度(例えば、肝細胞再生またはDNAフラグメント化)は、しばしば、これらの前処理によって影響されないままであることを示す(Ferraliら、1997)。この結果はさらに、スタチンによって誘導された肝細胞ストレスの潜在的な薬物に基づく治癒は、後遺症なしで常に進行するとは限らないこと、患者をスタチンとマッチさせる遺伝的試験は、より有効な予防の様式であり得ることを示唆する。
本発明以前に、肝細胞ストレスを有するどの患者が肝細胞の病理を連続して進むのかを予測すること、または代理的な指標のレベルの強度によってこの進行のリスクを規定することは不可能であった。このようなものとして、患者を、彼らの遺伝的構成に基づいて薬物と対応させることによって、全体のリスクを避けるための方法を見い出すことはより論理的であり得る。この目的のために、本研究は、種々の薬物関連のヒトの遺伝子における一般的なハプロタイプが所望でない肝細胞の副作用と関連し得るか否かを研究することに向けて行った。
スタチンによって誘導される肝細胞の毒性は、シトクロムP450媒介の酸化を介して、病理生理学的に反応性の代謝物を生じると考えられ、この代謝物が肝臓のタンパク質および脂質と反応して共有結合的な付加物を形成することが知られている。これらの付加物は、肝細胞を酸化的損傷に対してより感受性にすることができ、これは、次には、細胞の脂質およびタンパク質のさらなる修飾、DNA分解、アポトーシス、ならびに肝臓の壊死を生じ得る(ReidおよびBornheim 2001、Boularisら、2000;Ulrichら、2001;Reidら、2001)。地理的な領域内におけるこれらの型の有害な効果の広範な分布、民族間での可変性、および民族内での頻度は、肝細胞毒性が、異常な化学的副反応および個々の遺伝的構成の関数であることを示唆する。
モデル系を用いる試験は、同じ薬物および用量に対する肝臓毒性の個体および種の驚くべき可変性を示す。このことは、特定の薬物代謝経路に沿った任意の段階における個体または種の違いが、「特異体質的な応答(Ulrichら、2001)」を生じ得ることを示唆する。変異体ゼノバイオティックモディファイアーアイソフォーム(variant xenobiotic modifier isoform)は、野生型フォームと比較して、異なる基質特異性を有するので(Wennerholmら、1998)、一般に研究されているゼノバイオティックメタボライザー(xenobiotic metabolizer)(すなわち、フェーズI酵素およびフェーズII酵素)の独特のハプロタイプ変異体が、種々の薬物についての有害な事象における変動の大部分を説明することが可能である。これらの遺伝的な差異は、薬物代謝の変動に由来する、引き続く他の特異体質的な応答を説明するために拡張され得るが、必ずしもその必要はない。この応答には、薬物の効力に対する効果、薬物相互作用、およびミトコンドリア機能、栄養的な状態、全体的な健康または潜在的な疾患に対する他の付随する効果が含まれる。
関与するメジャーな代謝経路およびマイナーな代謝経路の複雑さ、ならびに大部分のゼノバイオティックモディファイアー遺伝子座の遺伝的な変動の程度のために、シトクロムP450媒介副反応と関連するハプロタイプは、以前に規定された異常なメタボライザー対立遺伝子に決定論的にまたは遺伝学的に関連するかもしれないし、関連しないかもしれない(Vandelら、1999)。さらに、メジャーなシトクロムP450における多型の現在の知見の基礎はまだ完全ではない。従って、シトクロムP450における遺伝的バリエーションによっていかにして変動しやすい薬物代謝および応答を説明し得るかの理解はまだ存在しない。例えば、CYP2D6メタボライザー表現型と乏しいメタボライザー遺伝子型との間の一致の強さは、薬物および集団に依存する;タンザニア人の間でのデブリソキン代謝は、CYP2D6遺伝子型から予測されたよりも遅いことが見い出され(Wennerholmら、1998)、そして広範なメタボライザー(extensive metabolizer; EM)遺伝子型を有する患者は、ときおり、彼らの血流中に競合的な薬物の非存在下では乏しいメタボライザー(poor metabolizer; PM)としての表現型である(O'Neilら、2000)。この点は、CYP2D6(および他のCYP)メタボライザー遺伝子型が、高度に浸透性の変異体の限定されたセット、化合物の限定されたセットに関して考証されたこと、限定された数における一般化された民族的なクラスの終末点(しばしば、効力)の限定されたセットに対して測定されたことを考慮すれば、理解することは特に容易である(Kalow、1992)。特に、変異体によって影響されるマイナーなCYP2D6代謝経路の生化学および遺伝学についてはほとんど知られていない。なぜなら、これらはしばしば、メジャーな経路よりも測定することがより困難であるからである。
実質的にすべてのシトクロムP450(CYP2D6を含む)について、遺伝子間の対立遺伝子の相互作用(上位性)について、またはいかなる程度の薬理ゲノム学的な概念が、SNPの一倍体のセットおよび環境的な成分に組み込まれ得、薬物応答における変動を説明するのかについて、ほとんど知られていない。薬理ゲノム学の新しい分野の拡張は、薬物応答における薬物メタボライザーの変異体の役割をより体系的に定義することをわれわれに約束している。体系的な候補遺伝子のアプローチ(1つのプロジェクトあたり複数の遺伝子を含む)、各遺伝子内の複数のマーカー、および熱心に注釈付けた患者のデータバンクは、以前に見い出されたよりも、集団中でより多くの割合の薬物反応形質の変動性を説明する、新規かつ/または無料の薬理ゲノム学的マーカーのセットを見い出すために経済的にスクリーニングされ得ることが望まれる。
CYP2D6遺伝子における多型は、以前に他の研究者によって、種々の一般的に処方される医薬に対する所望でない反応に対して決定論的であることが発見されている(Kalow, Pergamon Press, Pharmacogenetics of Drug Metabolism)。この遺伝子におけるカタストロフィックなメンデル変異もまた、種々の薬物の使用に関連する種々の有害な事象に関連している。しかし、本研究を実施するまで、この遺伝子における天然のバリエーションが、いかにしてスタチンの変動性の効力または抗コレステロール薬物のスタチンクラスに対する一般に観察される有害な肝細胞および筋肉の応答と関連するのかに関しては、何ら知られていなかった。
ヒトゲノム計画は、30,000ほどの多くのヒト遺伝子についての変異体(SNP)の位置および同一性を含む、ヒト多型データベース(dbSNP)の生成をもたらした。しかし、CYP2D6遺伝子についてはほんの少しのSNPがこのデータベース中に存在し、合計で18の多型が文献から知られている。これらの多型がいかにしてスタチン応答と関連しているのか、もしくはスタチン応答と関連しているのか否か、または、まだ発見されていない多型がいかにしてスタチン応答と関連しているのか、もしくはスタチン応答と関連しているのか否かは、これまで未知であった。特異体質的な薬物応答のわれわれの限られた理解のために、および大部分のゼノバイオティックモディファイアー遺伝子座での実在の遺伝的バリエーションのわれわれの限られた知識のために、この問題は、新鮮な見地からアプローチされた。本明細書中で開示されるように、公知の機能的関連性を有する少数の以前に記載されたSNPに焦点をおくよりはむしろ、多数の高度に詳細なSNPおよびハプロタイプのマップが、数百の複数の民族のドナーから構築された。
いくつかの因子に起因して、本マップは、以前に作成されたもの(例えば、Marezら、1997を参照されたい)よりもより詳細である。これらのマップは、「マスター」試料データバンク中の個々の患者に遺伝子型を付すために使用された。このデータバンクは、一般に処方され、効力が変動しやすい数百の薬物について、代表的かつ熱心に注釈付けた患者の試料を含む。このアプローチの目的は、変動しやすい薬物応答の、個々の、上位性の、および環境的な成分の、体系的かつ比較的仮説を有しない同定のために、すべての薬物関連遺伝子において、すべてのヒトにハプロタイプを付すことである。
この努力は、CYP2D6遺伝子における50の新規な多型の発見をもたらした。公的に利用可能なSNPのいくつかに加えて、これらの多型のいくつかは、既知のスタチン応答の個体において点数付けされた。本明細書中で開示されるように、最初の結果は、2つの一般的に処方されるスタチンに対する有害な肝細胞応答に統計学的に関連する(LipitorTMおよびZocor;p=0.01;実施例3を参照されたい)、CYP2D6遺伝子におけるSNPを同定する。さらに、アトルバスタチン患者における有害な肝細胞応答を予測する、CYP2D6遺伝子におけるハプロタイプ系が同定された(実施例4)。アトルバスタチン患者において特異的に、SGOT応答に高度に特異的であるというこの結果は、アトルバスタチン処理における野生型CYP2D6の役割を実証する以前の報告と一致している(Cohenら、2000)。このようなものとして、本結果は、アトルバスタチンのモディファイアーとしてCYP2D6を関係付ける以前の報告を確認し、そして特異体質的なアトルバスタチン応答に対して貢献するものとして、マイナーなCYP2D6ハプロタイプを関係付けることによってそれを拡張するものである。この結果はまた、本アプローチが、新規な薬理ゲノム学的試験のための基礎を形成し得る、十分な感度および特異性を有することを実証する。この試験は、予想されるアトルバスタチン患者が、望ましくない肝細胞応答を回避することを補助し得る。
CYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を分析する本発明の方法のために、二倍体対は、1つのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子および1つのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、またはメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を含み得る。実施例4に例証するように、CYP2D6のメジャーな対立遺伝子、CTA、このハプロタイプについてのメジャーな対立遺伝子のとりわけホモ接合性の二倍体対は、SGOTスコアの点から有害な反応と関係ない。
上記に議論したように、少なくとも1つのスタチン応答関連SNPについて、試料中のヌクレオチドの存在を同定する工程を含む本発明の方法は、好ましい実施態様において、スタチン応答関連ハプロタイプの1つまたはそれ以上の同定されたハプロタイプ対立遺伝子に、スタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在をグループ分けする工程を含み得る。被験体のスタチン応答を推定するために、次いで、同定されたハプロタイプ対立遺伝子は、スタチン応答関連ハプロタイプの公知のハプロタイプ対立遺伝子と比較される。ここで、スタチン応答に対するその公知のハプロタイプ対立遺伝子の関連性は公知である。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙された遺伝子の1つにおける少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したSGOTの読み取りの増加に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-5および表9-6に列挙された1つの遺伝子に存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したSGOTの読み取りの増加に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-6に列挙された少なくとも1つのSNPである。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙された遺伝子の1つにおける少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したALTGPTの読み取りの増加に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、SNPは少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-7および表9-8に列挙された1つの遺伝子に存在する。
別の局面において、本発明は、ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法を提供し、ここでこの方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって、このヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したALTGPTの読み取りの増加に関連する。それによって、SNPのヌクレオチドの存在の同定は、被験体のスタチン応答の推定を提供する。1つの局面において、この被験体はコーカソイドであり、このスタチン応答関連SNPは、表9-8に列挙された少なくとも1つのSNPである。
本発明はまた、単離されたヒト細胞または単離された複数の細胞に関し、この細胞は、スタチン応答関連SNPまたはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。この細胞は、薬物設計(例えば、より少ない副作用を示す新規でより有効なスタチン)のために有用である。例えば、この細胞は、有害な応答を誘発する効力および傾向について、新規なスタチンのような試験薬剤をスクリーニングするために使用され得る。この単離された細胞を使用する試験薬剤のバイオアッセイは、例えば、CYP3A4、HMGCR、またはCYP2D6のタンパク質の活性(例えば、酵素活性)に対する効果についてその薬剤をスクリーニングし得る。さらに、試験中の薬剤の効力は、単離された細胞におけるコレステロールの取り込みおよび/または代謝を測定することによって決定され得る。特定の好ましい実施態様において、細胞は培養された肝細胞である。
単離された細胞(肝細胞を含む)に対して、HMGCR、CYP3A4、および/またはCYP2D6の活性の阻害のために、薬剤(例えば、スタチン)を試験するための方法は当該分野で公知である(例えば、Cohenら、Biopharm. Drug Dispos. 21: 353 (2002)を参照されたい。)。本発明の単離された細胞はまた、培養され得、HMGCR、CYP3A4、および/またはCYP2D6の活性に対する、薬剤(例えば、スタチン)の効果をアッセイするためのミクロソーム調製物を作製するために使用され得る。
実施例の節において例証されるように、本スタチン(例えば、LipitorTMおよびZocorTM)は、メジャーなCYP3A4C、CYP3A4B、またはCYP3A4Aの対立遺伝子の二倍体対、およびメジャーなHMGCRBまたはHMGCRAの遺伝子型対立遺伝子の二倍体対を有する被験体において最も有効である。さらに、本スタチン(例えば、LipitorTM)は、メジャーなCYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子を有する被験体において有害なスタチン応答を引き起こす可能性が最も少ない。従って、マイナーなCYP3A4、HMGCR、またはCYP2D6のSNPヌクレオチドの存在、およびマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む単離された細胞は、これらのハプロタイプの1つまたはそれ以上のマイナーな対立遺伝子を有する被験体に対して有効である新規なスタチンを同定するために有用である。これらについては、本スタチンが有効である可能性が低く、有害な反応を引き起こす可能性が高い。
スタチン(例えば、アトルバスタチン)にさらした後で、CYP3A4、HMGCR、および/またはCYP2D6についての酵素活性が、本発明の単離された細胞中で分析され得る。これは、少なくとも1つのスタチン応答関連SNPにおける少なくとも1つのマイナーなヌクレオチドの存在を有し、そして対応するスタチン応答関連SNP中にメジャーな(すなわち、野生型)ヌクレオチドの存在を有する単離された細胞をスタチンにさらした後の酵素活性と比較されて、メジャーなヌクレオチドの存在を有する細胞よりも、スタチンにさらした後で異なる酵素活性を示す単離された細胞を同定する。実施例に提示したデータは、スタチン応答関連SNPにおけるマイナーなヌクレオチドの存在を有する特定の被験体が、有効なスタチン応答および/または有害な反応がないことを示し得ることを示すので、この工程は役立ち得る。従って、これらの被験体から単離された細胞は、さらに、CYP3A4、HMGCR、および/またはCYP2D6の活性に関して野生型の応答を示す可能性が高い。
薬剤を同定するための方法が、例えば、本発明の単離された細胞を、血清コレステロールの上昇を処置するための強力な薬剤として試験される少なくとも1つの試験薬剤と接触させること、およびCYP3A4、HMGCR、またはCYP2D6の活性に対する効果を検出することによって実行され得る。特定の実施態様において、CYP3A4、HMGCR、またはCYP2D56の活性に対する効果は、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む、本発明の単離された細胞に対する効果を、スタチン応答関連SNPにおけるメジャーな存在を含む細胞と比較することによって決定され得る。
用語「試験薬剤」は、本発明の単離された細胞を使用して、CYP2D6、CYP3A4、またはHMGCRの活性に影響を与える能力について試験される任意の薬剤を意味するために本明細書中で使用される。この方法は、コレステロールレベルの上昇を処置するための治療剤として作用し得る、以前には未知の分子を同定するためのスクリーニングアッセイとして一般的に使用される。
試験薬剤は、任意の型の分子であり得、例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、ポリヌクレオチド、または小さな有機分子が含まれ、これは、それを受け入れる患者に治療的な利益を提供する薬剤である治療薬剤として作用する能力について試験することが望まれるものである。本発明の方法は、ハイスループット形式に容易に適合可能であり、従って、この方法は、連続的にまたは並行してのいずれかで、複数の試験薬剤をスクリーニングするために便利であることが認識される。複数の試験薬剤は、例えば、試験薬剤のコンビナトリアル法ライブラリーによって作製された試験薬剤のライブラリーであり得る。治療活性について試験され得る分子のコンビナトリアルライブラリーを作製するための方法は当該分野において周知であり、そして例えば、以下を含む:ペプチド(このペプチドは制約されたペプチドであり得る)のファージディスプレイライブラリーを作製する方法(例えば、米国特許第5,622,699号;米国特許第5,206,347号;ScottおよびSmith、Science 249: 386-390, 1992;Marklandら、Gene 109: 13-19, 1991を参照されたい;これらの各々は参照として本明細書中に組み入れられる);ペプチドライブラリー(米国特許第5,264,563号、これは参照として本明細書中に組み入れられる);ペプチド模倣物ライブラリー(Blondelleら、Trends Anal. Chem. 14: 83-92, 1995);核酸ライブラリー(O'Connellら、前出、1996;TuerkおよびGold、前出、1990;Goldら、前出、1995;これらの各々は参照として本明細書中に組み入れられる);オリゴサッカリドライブラリー(Yorkら、Carb. Res., 285: 99-128, 1996;Liangら、Science, 274: 1520-1522, 1996;Dingら、Adv. Expt. Med. Biol., 376: 261-269, 1995;これらの各々は参照として本明細書中に組み入れられる);リポタンパク質ライブラリー(de Kruifら、FEBS Lett., 399: 232-236, 1996、これは参照として本明細書中に組み入れられる);糖タンパク質または糖脂質ライブラリー(Karaogluら、J. Cell Biol., 130: 567-577, 1995、これは参照として本明細書中に組み入れられる);または、例えば、薬物もしくは他の薬学的薬剤を含む、化学物質ライブラリー(Gordonら、J. Med. Chem., 37: 1385-1401, 1994;EckerおよびCrooke、BioTechnology, 13: 351-360, 1995;これらの各々は参照として本明細書中に組み入れられる)。従って、本発明はまた、このような方法によって同定される治療剤、例えば、ガンの治療剤を提供する。
試験薬剤をスクリーニングするためにこれらの細胞を利用するアッセイは典型的には、組織培養中で、本発明の単離された細胞上で実行される。単離された細胞は、例えば、細胞株、継代された初代細胞、または初代細胞由来の細胞であり得る。本発明に従う単離された細胞は、例えば、肝細胞または肝細胞の細胞株であり得る。
本発明はまた、単離されたヒト細胞に関し、これは、内因性HMGCR遺伝子、内因性CYP遺伝子、またはその両方に、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。従って、1つの実施態様において、本発明は、単離されたヒト細胞を提供し、これは、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、内因性HMGCR遺伝子を含む。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、または配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応する位置であり得る。
本発明の単離された細胞中の内因性HMGCR遺伝子はさらに、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプ(例えば、HMGCRAハプロタイプまたはHMGCRBハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子はまた、第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る、ハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、HMGCR遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性シトクロムp450遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は内因性CYP3A4遺伝子を含み、この遺伝子は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425にチミジン残基を含むか、または、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、もしくは配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する位置に、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの、第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
本発明の単離された細胞中の内因性CYP3A4遺伝子はさらに、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4ハプロタイプ(例えば、CYP3A4Aハプロタイプ、CYP3A4BハプロタイプまたはCYP3A4Cハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞の内因性CYP3A4遺伝子はまた、第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4ハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る、ハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、CYP3A4遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性HMGCR遺伝子を含み得、そしてまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性CYP2D6遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は内因性CYP3A4遺伝子を含み、この遺伝子は、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、もしくは配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する位置であり得る。
別の実施態様において、本発明は単離されたヒト細胞を提供し、この細胞は内因性CYP2D6遺伝子を含み、この遺伝子は、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。例えば、このマイナーなヌクレオチドの存在は、配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、もしくは配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する位置であり得る。
本発明の単離された細胞中の内因性CYP2D6遺伝子はさらに、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6ハプロタイプ(例えば、CYP2D6Aハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む。単離された細胞の内因性CYP2D6遺伝子はまた、第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、これは、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6ハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子であり得る、ハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明の単離された細胞はまた、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、CYP2D6遺伝子のマイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。さらに、本発明の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み得、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する。本発明の単離されたヒト細胞はまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性HMGCR遺伝子を含み得、そしてまた、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を有する内因性CYP3A4遺伝子を含み得る。
特定の好ましい実施態様において、本発明の単離された細胞は、HMGCRBハプロタイプのマイナーな対立遺伝子、CY3A4Cハプロタイプのマイナーな対立遺伝子、および/またはCY32D6Aハプロタイプのマイナーな対立遺伝子を有する。このようなマイナーな対立遺伝子の特定のヌクレオチドの存在は本明細書中に列挙される。
本発明はまた、複数の単離されたヒト細胞に関し、これは、単離された細胞の、少なくとも2個(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個またはそれ以上)の集団を含み、ここで、1個の集団の単離された細胞は、複数のうちの少なくとも1つの他の細胞の集団の単離された細胞とは異なる、少なくとも1つのヌクレオチドの存在のスタチン応答関連SNPまたは少なくとも1つのスタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を含む。従って、1つの実施態様において、本発明は、複数の単離されたヒト細胞を提供し、この複数の細胞は、第1の単離されたヒト細胞(これは、第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性HMGCR遺伝子を含む)、および少なくとも第2の単離されたヒト細胞(これは、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む、内因性HMGCR遺伝子を含む)を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、このような細胞の集団)を含み得、ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではなく、これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、HMGCRハプロタイプ(例えば、HMGCRAハプロタイプ)のマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含み得るが、必ずしも必要ではなく、または、HMGCRAハプロタイプのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は、複数の単離されたヒト細胞を提供し、この複数の細胞は、第1の単離されたヒト細胞(これは、第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性CYP3A4遺伝子を含む)、および少なくとも第2の単離されたヒト細胞(これは、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む、内因性CYP3A4遺伝子を含む)を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、このような細胞の集団)を含み得、ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性CYP3A4遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではなく、これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP3A4Aハプロタイプ、CYP3A4Bハプロタイプ、またはCYP3A4Cハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を形成する。
別の実施態様において、本発明は、複数の単離されたヒト細胞を提供し、この複数の細胞は、第1の単離されたヒト細胞(これは、第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性CYP2D6遺伝子を含む)、および少なくとも第2の単離されたヒト細胞(これは、第1の細胞の第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる第1のスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を含む、内因性CYP2D6遺伝子を含む)を含む。
本発明の複数の単離されたヒト細胞は、例えば、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞(一般的に、このような細胞の集団)を含み得、ここで、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる。第1の単離された細胞の内因性CYP2D6遺伝子は、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得るが、必ずしも必要ではなく、これは、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在と組み合わせて、CYP2D6Aのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を形成する。
別の実施態様において、本発明は、本明細書中で開示される1つまたはそれ以上の単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。発現ベクターを含む多くのベクターが当該分野において公知である。1つの局面において、本発明のベクターは、ベクター上で発現制御配列(例えば、プロモーター配列)に作動可能に連結されたポリペプチドをコードする本発明の単離されたポリヌクレオチドを含む。Sambrook (1989) は、例えば、当該分野で周知である、ベクターおよびベクターを操作するための方法の例を提供する。
別の実施態様において、本発明は、本明細書中に開示される1つもしくはそれ以上の単離されたポリヌクレオチド、または先の文に開示される1つもしくはそれ以上のベクターを含む、単離された細胞を提供する。このようなものとして、この細胞は、組換え細胞である。
本発明は、新規なCYP3A4対立遺伝子、HMGCR対立遺伝子、およびCYP2D6対立遺伝子、ならびに、これらの新規な対立遺伝子の、1つまたはそれ以上の新規なSNPのヌクレオチドの存在を含むポリヌクレオチドを提供する。従って、本発明はさらに、個体のポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を同定することによって共通の特徴を共有するグループのメンバーとして個体を分類するための方法に関する。ここでこのヌクレオチドの存在は、例えば、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基に対応するか、あるいは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、または、これらの任意の組み合わせの少なくとも1つの少なくとも1つのマイナーな対立遺伝子に対応する。
加えて、本発明はさらに、個体のポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を同定することによって共通の特徴を共有するグループのメンバーとして個体を分類するための方法に関する。ここでこのヌクレオチドの存在は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基であるか、あるいは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、または、これらの任意の組み合わせの少なくとも1つに対応する位置におけるマイナーなヌクレオチドの存在である。
さらに、本発明は、ポリヌクレオチドを含有する試料を、特異的結合対メンバーとともにインキュベートすることによって、ポリヌクレオチド中のSNPについて、ヌクレオチドの存在を検出するための方法に関し、ここで、特異的結合対メンバーは、多型であることが疑われるポリヌクレオチドに、またはその近傍に特異的に結合し、そしてこのポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425のチミジン残基を含むか、あるいは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、または、これらの任意の組み合わせの少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含み;特異的結合対メンバーの選択的結合を検出し、ここで、選択的結合は、ヌクレオチドの存在があることを示す。このような方法は、例えば、プライマー伸長反応または増幅反応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)によって実行され得る。これらの反応は、上流に選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー、またはSNPの位置に隣接するヌクレオチド配列およびその相補鎖におけるヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズする増幅プライマー対をそれぞれ使用し;材料をポリメラーゼと接触させ;そしてSNPを示す反応の生成物を同定して、実行され得る。
本発明のこの局面に従う方法は、例えば、個体を同定するためのフィンガープリント分析に使用され得る。さらに、本発明のこの局面に従う方法は、効力および肝細胞に対する毒性について新規なスタチンまたは他のゼノバイオティクスをスクリーニングするために使用され得る。
従って、本発明はまた、単離されたプライマー対に関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPを含むヌクレオチド配列を増幅するために有用であり得る。ここでプライマー対のうちの正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして逆方向プライマーは、相補鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。ここでこのポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基の少なくとも1つに対応するヌクレオチドの存在、または、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する位置のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
本発明はまた、単離されたプライマー対に関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPを含むヌクレオチド配列を増幅するために有用であり得る。ここでプライマー対のうちの正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして逆方向プライマーは、相補鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。ここでこのポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基の少なくとも1つに対応するヌクレオチドの存在、または、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
本発明はまた、単離されたプライマー対に関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPを含むヌクレオチド配列を増幅するために有用であり得る。ここでプライマー対のうちの正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして逆方向プライマーは、相補鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合する。ここでこのポリヌクレオチドは、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む。
単離されたプライマー対は、スタチン応答関連SNPの1つのヌクレオチドの存在に相補的な3’ヌクレオチドを含み得る。従って、このプライマーは、ポリヌクレオチドに対する伸長反応を選択的に開始するために使用され得る。ここで、SNPのヌクレオチドの存在は、プライマー対の3’ヌクレオチドに対して相補的であるが、SNPに対応する位置における他のヌクレオチドの存在を有するポリヌクレオチドに対しては相補的でない。
約20ヌクレオチド長のランダムに選択されたプライマー(例えば、配列表に含まれる5プライムおよび3プライム配列)は、A/T:G/C比が各プライマー中で同様であるならば、本発明に従うプライマーとして使用され得ることが見い出されている。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドにおける一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このプローブは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基の少なくとも1つ、または、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応するSNPにマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ポリヌクレオチドに選択的に結合する。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドにおける一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このプローブは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基の少なくとも1つ、または、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応するSNPにおけるマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ポリヌクレオチドに選択的に結合する。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドにおける一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブを提供する。ここで、このプローブは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基の少なくとも1つ、または、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応するSNPにおけるマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ポリヌクレオチドに選択的に結合する。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドを伸長するための単離されたプライマーを提供する。この単離されたポリヌクレオチドは一塩基変異多型(SNP)を含み、ここで、このプライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のヌクレオチドを選択的に結合し、ここで、このSNPの位置は、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425におけるチミジン残基に対応するヌクレオチドの存在、または、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する位置におけるマイナーなヌクレオチドの存在を有する。
別の実施態様において、本発明は、ポリヌクレオチドを伸長するための単離されたプライマーを提供する。このポリヌクレオチドは一塩基変異多型(SNP)を含み、ここで、このプライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のヌクレオチドを選択的に結合する。このポリヌクレオチドは、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
の少なくとも1つに対応する位置におけるマイナーなヌクレオチドの存在の1つを含む。
本発明はさらに、単離された特異的結合対メンバーに関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を決定するために有用であり得る。ここで、この特異的結合対メンバーは、
配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する位置、またはその近傍におけるポリヌクレオチドのマイナーなヌクレオチドの存在に特異的に結合する。この特異的結合対メンバーは、例えば、オリゴヌクレオチドまたは抗体であり得る。この特異的結合対メンバーがオリゴヌクレオチドである場合、これはプライマー伸長反応のための基質であり得、また、末端のヌクレオチドとしてSNPを含む配列においてポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするように設計され得る。
本発明はさらに、単離された特異的結合対メンバーに関し、これは、ポリヌクレオチド中のSNPのヌクレオチドの存在を決定するために有用であり得る。ここで、この特異的結合対メンバーは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置のチミジン残基、または、
配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
に対応する位置、またはその近傍におけるポリヌクレオチドのマイナーなヌクレオチドの存在に特異的に結合する。
特異的結合対メンバーがプライマー伸長反応のための基質である方法のために、この特異的結合対メンバーは、末端のヌクレオチドとしてSNPを含む配列においてポリヌクレオチドに結合するプライマーである。上記に議論したように、SNP-IT(Orchid BioSciences)のような方法は、その末端ヌクレオチドがSNP遺伝子座における特定のヌクレオチドの存在に選択的に結合するプライマーを使用するプライマー伸長反応を利用して、SNP遺伝子座におけるヌクレオチドの存在を同定する。
本発明はまた、実施例19に開示されるSNP、特に実施例19で、そのSNPの名称(表9-14を参照されたい)が「DBSNP」以外のものを含むSNPについての、本明細書中に記載するプライマー、プローブ、特異的結合対メンバー、および単離されたポリヌクレオチドを提供する。これらのSNPにおける新規なヌクレオチドの存在は、GenbankまたはDBSNPを検索してその位置における既知のヌクレオチドの存在を同定するために配列表および図3において本明細書中で開示される配列を用いることによって、同定され得ることが認識される。
本発明はまた、単離されたポリヌクレオチドに関し、これは、少なくとも約30ヌクレオチドおよびHMGCR遺伝子のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含み、このヌクレオチドの存在は、配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、または配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応するヌクレオチド、に対応する位置にある。単離されたポリヌクレオチドはさらに、配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、または配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応する第2のスタチン関連SNPにおいてマイナーなヌクレオチドの存在を含み得る。この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
本発明のポリヌクレオチドは、別の実施態様において、ヒトシトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含み得る。ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置に少なくとも1つのチミジン残基、および、配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、または
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む。このポリヌクレオチドはさらに、
配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、または
配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する第2のスタチン関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含み得る。この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、またはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
別の実施態様において、本発明は、シトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチドを提供する。このポリヌクレオチドは、少なくとも第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む。ここで、このマイナーなヌクレオチドの存在は、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する位置にある。この単離されたポリヌクレオチドは、
配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する第2のスタチン関連SNPにマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み得る。さらに、この単離されたポリヌクレオチドは、マイナーなCYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子を含み得る。
この単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、などのヌクレオチド長であり得る。本発明のこの局面の特定の実施態様において、この単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、などのヌクレオチド長であり得る。
マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:11を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:2を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:3を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421に対応するヌクレオチドに対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:12を含み得る。
ヌクレオチドの存在が配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置におけるチミジン残基である実施態様においては、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:10を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:7を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:8を含み得る。マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:9を含み得る。
マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:4を含み得る。
マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:5を含み得る。
マイナーなヌクレオチドの存在が配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223に対応する位置にある実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは配列番号:6を含み得る。
本発明のポリヌクレオチドは多くの用途を有する。例えば、このポリヌクレオチドは、組換えDNA技術において使用され得、例えば、スタチンがポリペプチドを結合するかまたはポリペプチドの活性に効果を与えるか否かを決定するために使用され得る、組換えポリペプチドを産生する。本発明はまた、本発明の単離されたポリヌクレオチドを使用して産生される、単離されたポリペプチドを提供する。
別の局面において、本発明は、スタチン応答と統計学的に関連する遺伝子(スタチン応答遺伝子、SNP、SNP対立遺伝子、ハプロタイプ、およびハプロタイプ対立遺伝子を含む)を同定するための方法を提供する。本発明のこの局面は、例えば、商業的に価値のある研究ツールを提供する。このアプローチは、概して以下のように実行され得る:
1)スタチン応答に関与する可能性の高い遺伝子をヒトゲノムデータベースから選択する;
2)各遺伝子について、各プロモーター、エキソン、および3’UTRに隣接するようにプライマーを設計することによって、選択された遺伝子中の共通の一般的な遺伝的バリエーションを同定する;十分なドナー中のこれらの領域の各々に対応するDNAを増幅および配列決定して、統計学的に有意な試料を提供する;ならびに、集団中で変わりやすい各遺伝子の各々の領域中の位置を同定するために、配列を互いに比較するためのアルゴニズムを利用して、関連性のある遺伝子の各々について遺伝子地図を作製する;
3)大規模遺伝子型決定実験を設計および実行するためにその遺伝子地図を使用し、それによって、既知のスタチン応答の、有意な数の個体、典型的には、少なくとも100、より好ましくは少なくとも200の個体が、多型について点数付けされる;ならびに
4)工程3)で得た結果を使用して、定量的および統計学的にスタチン応答と関連する遺伝子、多型、および多型のセット(ハプロタイプを含む)を同定する。
本明細書に含まれる実施例は、上記に示されるように、スタチン応答関連SNPおよびSNP対立遺伝子を発見するための一般的なアプローチを例証する。
本発明はまた、例えば、本発明の方法を実行するために使用され得るキットに関する。従って、1つの実施態様において、本発明は、スタチン応答関連SNPのハプロタイプ対立遺伝子を同定するためのキットを提供する。このようなキットは、例えば、本発明のオリゴヌクレオチドプローブ、プライマー、またはプライマー対、あるいはこれらの組み合わせを含み得、このようなオリゴヌクレオチドは、例えば、本明細書中に開示されるようにSNPまたはハプロタイプ対立遺伝子を同定するために有用である;あるいは、このキットは、スタチン応答と関連する1つまたはそれ以上のヌクレオチドの存在を含む、CYP3A4遺伝子、CYP2D6遺伝子、またはHMGCR遺伝子の一部に対応する1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを含み得、このようなポリヌクレオチドは、例えば、試験試料と並行して調べられ得る標準(コントロール)として有用である。さらに、本発明のキットは、例えば、本発明の方法を実行するための試薬(この試薬には、例えば、プローブもしくはプライマーを標識するために使用され得るか、またはプローブまたはプライマーを使用して生成される産物(例えば、増幅産物)に取り込まれ得る、1つまたはそれ以上の検出可能な標識が含まれる);プライマー伸長もしくは増幅手順を含む方法のために有用であり得る1つもしくはそれ以上のポリメラーゼ、または、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイもしくはミスマッチ切断アッセイを実行するために有用であり得る他の酵素(例えば、リガーゼまたはエンドヌクレアーゼ);ならびに/あるいは、1つもしくはそれ以上のバッファー、または、本発明の方法を実行するために必要であるか、もしくは本発明の方法を実行することを容易にし得る、他の試薬を含み得る。プライマーまたはプローブは、例えば、ビオチンまたは抗体のような標識で標識された形態で、キット中に含まれ得る。
1つの実施態様において、本発明のキットは、本発明の1つまたはそれ以上のプライマー対を含み、このようなキットは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅反応を実行するために有用である。このようなキットはまた、例えば、このキットのプライマー対を使用してポリヌクレオチドを増幅するための1つまたはそれ以上の試薬を含み得る。このプライマー対は、例えば、これらがスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を決定するために使用され得るように、選択され得る。ここで、プライマー対のうちの正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流の標的ポリヌクレオチドの配列に選択的にハイブリダイズし、そしてプライマー対のうちの逆方向プライマーは、相補鎖上のSNPの位置の上流の標的ポリヌクレオチドの配列に選択的にハイブリダイズする。増幅反応中で一緒に使用された場合は、SNP遺伝子座を含む増幅産物が形成される。
プライマー対に加えて、この実施態様において、キットは、SNPのヌクレオチドの存在の1つの増幅産物に選択的にハイブリダイズするが、他のヌクレオチドの存在にはハイブリダイズしない、プローブをさらに含み得る。また、この実施態様において、このキットは、テンプレートとして増幅産物を使用する、SNP遺伝子座を横切るプライマー伸長反応のために使用され得る第3のプライマーを含み得る。この実施態様において、この第3のプライマーは、プライマーの3’末端のヌクレオチドがSNP遺伝子座におけるヌクレオチドの存在の1つに相補的であるように、SNP遺伝子座に好ましく結合する。次いで、このプライマーは、好ましくは、ヌクレオチドの存在がプライマーの3’ヌクレオチドに相補的である場合のみに、テンプレートとして増幅産物を使用する、ポリヌクレオチドを合成するためのプライマー伸長反応において使用され得る。このキットはさらに、プライマー伸長反応の成分を含み得る。
別の実施態様において、本発明のキットは、本発明の複数のオリゴヌクレオチドを提供し、これは、1つもしくはそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブまたは1つもしくはそれ以上のプライマー(正方向プライマーおよび/または逆方向プライマーを含む)、またはこのようなプローブおよびプライマーまたはプライマー対の組み合わせを含む。このようなキットは、所望されるような1つもしくはそれ以上のSNPまたはハプロタイプ対立遺伝子を同定するために有用なプローブおよび/またはプライマーを選択するための便利な供給源を提供する。このようなキットはまた、本発明の方法が多重形式で実行されることを都合よく可能にする、プローブおよび/またはプライマーを含み得る。
このキットはまた、スタチン応答関連ハプロタイプ対立遺伝子を同定するためのプローブまたはプライマーを使用するための指示書を含み得る。
本発明の方法に従って引き出された推定は、複雑なクラシファイアー(classifier)関数を利用し得る。しかし、実施例において例証されるように、単純なクラシファイアー系が、スタチン応答を推定するために本発明のスタチン応答関連SNPおよびハプロタイプとともに使用され得る。しかし、被験体のスタチン応答に関する推定を引き出す本発明の方法は、複雑な分類関数を使用し得る。分類関数は、SNPまたはSNPのセット(例えば、ハプロタイプ対立遺伝子の1つ、または好ましくはその組み合わせ)について同定されたヌクレオチドの存在の情報を、スタチン応答に関する推定を引き出すための規則のセットに適用する。2002年5月28日に出願された係属中の米国特許出願第10/156,995は、複雑なクラシファイアー方法の例を提供する。
以下の実施例は、例示を意図するものであって、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1
スタチン応答と関連するCYP2D6多型の同定
スタチンに対する有害な肝細胞の応答は深刻な長期的な健康のリスクを引き起こすので、医師はスタチン治療を開始する患者に対して日常的に「肝臓パネル」を実行する。血清グルタミン酸オキサロ酢酸(SGOT)試験および血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)試験は、2つの最も一般的な肝臓パネル試験である。ベースSGOT、ポストSGOT、ベースGPTおよびポストGPTを表1-1(以下)に示す。これらの試験は、所定の患者におけるスタチンの処方前(ベース)および処方後(ポスト)の種々の患者における肝臓のトランスアミナーゼ活性のレベルを測定する。平均的な個体については、37以上のSGOTレベルの増加、または56より高いGPTレベルの増加は、有害な肝細胞応答を意味する。しかし、これらの閾値は、彼らの人種、性別、または年齢とは無関係に、平均的なヒトに関するものである。より良好な指標は、ベース(ベースライン)の表示と比較して、2倍以上のポスト(薬物あり)の表示の増加である。スタチンに対する有害な肝細胞応答は、通常、患者の保護のために医薬の中断を招く。
クレアチンキナーゼは、そのレベルの増加がスタチンに対する有害な応答の指標である別の酵素である。スタチンを投与された患者のうち約20%が筋肉の痛みを訴え、クレアチンキナーゼレベルの上昇は、筋肉痛(筋肉の損傷)の指標である。
患者の肝臓の酵素レベルに対する薬物の効果は、ベースレベル(処方前)に対してポスト(処方)レベルを比較することによって決定され得る。これらの研究のために使用される患者の試料データバンクにおいて、試験の各々についてのいくつかの表示が利用可能であるが、処方日の前の最も直近の試験、および薬物処方日後の最も初期の試験結果のみが提示される。ポスト処方表示の増加は、斜字体の、大きなフォントの太字の数字によって示される。
スタチンに対する有害な肝細胞応答は、CYP2D6E7_339遺伝子座においてC/A遺伝子型の個体においては共通である(行われた試験のうち5/8、および検査されたヒトのうち3/3)。対照的に、スタチンに対する有害な肝細胞応答は、CYP2D6E7_339遺伝子座においてC/C遺伝子型の個体については比較的「共通でない」(行われた試験のうち3/41のみ、および検査されたヒトのうち2/20)。この結果は、表1-1における太字で印刷された、斜字体でかつ大きなフォントの数字の数が、C/C遺伝子型のヒトと比較して、C/A遺伝子型のヒトにおける表示の総数の多くの割合を構成することに注目することによって認められ得る。これらの結果は、スタチンに対する有害な肝細胞応答を発症する患者についての傾向は、CYP2D6E7_339遺伝子座におけるそれらの遺伝子型によって、ある程度までは予測され得ることを示す。さらに、これらの結果は、CYP2D6遺伝子が、少なくとも2つのスタチン薬物-LipitorTMおよびZocorTMに対する個体のヒトの応答に関与することを示す。
表1-1は2つのグループのデータを示す。CYP2D6E7_339多型におけるC/A(マイナーな)遺伝子型を有する個体は第1のグループに示され、そしてCYP2D6E7_339遺伝子座においてC/C(メジャーな)遺伝子型を有する個体は、第2のグループにおいて示される(表2;配列番号:3もまた参照されたい)。薬物の処方の前に取られたSGOTおよびSGPT測定は、「ベース」表示として示される。薬物の処方後に取られたSGOTおよびSGPTの測定は、「ポスト」表示として示される。患者が処方された特定のスタチン薬物が列挙される。肝細胞およびクレアチンキナーゼ(CKIN)応答のデータは、患者のための処置の通常の過程の間に医師によって収集された。有害な応答は、太字の、斜字体の数字によって示される。データはすべての患者、すべての試験について利用可能なわけではない。データがない場合は、空欄によって示される。
(表1-1)
Figure 2005508612
これらの結果は、スタチンに対する有害な肝細胞応答を発症するすべての個体がこの遺伝子座にC/A遺伝子型を有するわけではないことを実証する。例えば、DNAP00014は、CYP2D6E7_339遺伝子座にC/C遺伝子型を有するが、スタチンであるLipitorTMに対する有害な応答を発症する。この結果は予想されないわけではない。なぜなら、ヒト集団中の大部分の形質は、複雑な遺伝子-遺伝子および遺伝子-環境の相互作用の関数であるからである。遺伝子産物が、所定の薬物の代謝に関与する場合、この遺伝子におけるいくつかの異なる多型は、この遺伝子産物の機能を、そしてこの薬物の代謝を損ない得る。あるヒトが1つの特定の弱らせる多型を有し得、別のヒトは別の多型を有し得る。従って、集団のレベルにおいては、この遺伝子におけるいくつかの多型はこの薬物の使用と関連する有害な事象と関連し得ることが予想される。本結果は、本発明のCYP2D6E7_339多型が、この薬物に対する患者の肝細胞応答に影響する多型の1つであること、および、CYP2D6E7_339遺伝子座におけるバリエーションが、少なくとも部分的には、スタチンに対する肝細胞応答における天然の変動を説明することを示す。
従って、本発明は、CYP2D6E7_339多型を検出するための組成物;スタチンに対する有害な肝細胞応答の決定のための特許請求された多型(CYP2D6E7_339)に遺伝的に関連している他の遺伝的変異体を照会する方法;スタチンに対する有害な肝細胞応答の決定のためのデオキシリボ核酸多型(CYP2D6E7_339)を照会する方法;スタチンに対する有害な肝細胞応答の決定のための(CYP2D6E7_339)転写物の転写物のレベルまたはその転写物の変異体を照会する方法;ならびに、スタチンに対する有害な肝細胞応答の決定のための、変異体CYP2D6E7_339ポリペプチドまたはこの変異体を含むポリペプチドのレベルを照会する方法、を提供する。
方法
CYP2D6E7_339多型は、より大きなCYPファミリーのこのメンバーを特異的に増幅する際の困難さに起因して、また、この遺伝子の研究を複雑にしたいくつかのCYP2D6偽遺伝子が存在するため、同定することが困難であった。ヒトは、60個までの独特のCYP遺伝子を含む。CYP2D6遺伝子を特異的に増幅することは、配列分析を通してこの遺伝子における多型を発見するために決定的であった。CYP2D6E7_339多型を見い出すために使用されたプライマーはまた、患者集団におけるこの遺伝子座の遺伝子型決定アッセイの独特な特異性を与えた。
CYP2D6E7_339多型は、単一ヌクレオチド配列決定プロトコール(single-nucleotide sequencing protocol)およびOrchid Biosciences から購入されかつ使用許諾された装置(Orchid SNPstream 25K instrument) を用いて点数付けされた。手短に述べれば、プライマーを多型に隣接するように設計した。それによって各対のうちの1つのプライマーが5’ポリチオホスホネート基を含む。多型の5’隣接配列および3’隣接配列ならびに多型部位(「N」によって示される)を配列番号:1に示す。これらのプライマーは、他のCYPファミリーメンバーに関係なく設計されたので、ネステッドPCR(nested PCR)の戦略が使用された。それによって、CYP2D6E7_339多型を発見するために使用されるCYP2D6特異的プライマーが、増幅の最初のラウンドにおいて使用された。第2のプライマーのセットを使用する、第2のラウンドの増幅産物は、ポリチオホスホネート基を介して固相基質に物理的に結合され、TNTバッファーを用いて洗浄した。プライマーおよび増幅産物は以下のとおりであった:
1)プライマーセット1
5’プライマー:
Figure 2005508612
および
3’プライマー:
Figure 2005508612
2)プライマーセット2(「P」はプライマーがホスホチオネート化されていることを示す)
PCRL P
Figure 2005508612
および
PCRU
Figure 2005508612
これらの2つのプライマーによって作製された増幅産物は以下のとおりであった(CYP2D6E7_339多型は「M」で示し、Mに対して5’および3’のブランクスペースが隣接する):
Figure 2005508612
この増幅においてSNPを検出するために使用されるオリゴヌクレオチドは以下のとおりであった:
GBAU
Figure 2005508612
CYP2D6遺伝子についてのNCBI参照配列の1つはM33388であり、これは、参照として本明細書に組み入れられる。CYP2D6E7_339多型は、この参照配列中の5054位に位置する。
実施例2
スタチン応答に関連するSNPおよびハプロタイプを同定するための方法
研究試料はスタチンで処置された数百の患者からなるものであった。被験体は、インフォームドコンセントの提供および病歴の質問の完了後に血液試料を提供した。すぐに試料をDNAに処理し、そしてそのDNAをプロジェクトの間-80℃で保存した。試料は、この研究設計およびプロジェクトプロトコールのみにより使用した。病歴データを、Sun Enterprise 420Rサーバー上で動作するオラクルリレーショナルデータベースシステム(Oracle relational database system)に入力した。
マーカー遺伝子の選択
遺伝子マーカーを、スタチンに対する肝細胞の機能または肝細胞の応答性のいずれかにおいてマーカーと関連付ける一連の文献または他の情報源からの証拠に基づいて選択した。Physicians Desk Reference, Online Mendelian Inheritanceデータベース(NCBI)およびPubMed/Medlineが、この情報のために使用された情報源の例である。
マーカー遺伝子中でのSNPの発見(データマイニング)
以下に記載されるようなリシークエンシングプロトコールを使用して、CYP2D6E7_339を発見した。CYP2D6遺伝子、HMGCR遺伝子、およびCYP3A4遺伝子における新規な多型を、データマイニングツールを使用して、公的なデータ源(NCBIデータベース)中に存在する生のヒトゲノムデータを用いて同定した。NCBI SNPデータベース、Human Genome Unique Geneデータベース(NCBIのUnigene)ならびに、この研究および同様の研究のために作製されたDNA配列データベースを、この生の配列データのための情報源として使用した。遺伝子についての配列ファイルを、製品であるデータベースおよび公的なデータベースからダウンロードし、FASTAフォーマットでテキストファイルとして保存し、そして多重配列アラインメントツールを使用して分析した。この分析から得られたテキストファイルを、SNP/HAPLOTYPE自動化パイプライン発見ソフトウェアシステム(2001年9月26日に出願された米国特許出願第09/964,059号を参照されたい。これは参照として本明細書に組み入れられる)のためのインプットとした。この方法は、配列間で候補SNPを見い出し、これらのSNPに関する配列についてのハプロタイプを示す。この方法は、候補SNPを選択する際に種々の品質制御測定法を使用する。これには、ユーザーによって特定されるストリンジェンシー変数の使用、PHRED品質制御スコアおよびその他の使用が含まれる。
リシークエンシング
公的なゲノムデータベースは、ドナーの比較的小さなコレクションから構築された。公的なヒトSNPデータベースおよびUnigeneデータベースにおいて、表示され得ないまたは偏りがあり得る新規なSNPを発見するために、ヒトのより大きなプール(n=500)のCYP2D6遺伝子を完全に配列決定した(DNA試料はCoriell Instituteから入手した)。この合わせたプールからの試料を、Pfu turbo熱安定性DNAポリメラーゼおよびTaqポリメラーゼの組み合わせを使用する増幅のためのテンプレートとして使用した。増幅を、1.5mM MgCl2、5mM KCl、1mM Tris、pH 9.0、および0.1% Triton X-100非イオン性界面活性剤の存在下で実行した。増幅産物を、Clontech (Palo Alto, CA) PCR Cloning Kitを用いてTベクターにクローニングし、Calcium Chloride Competent細胞(Stratagene, La Jolla CA)に形質転換し、LB-アンピシリンプレートに播種し、そして一晩増殖させた。
クローンを各プレートから選択し、Promega WizardまたはQiagen Plasmid Purification Kitを用いるミニプレップ手順によって単離し、そして標準的なPE Applied Biosystems Big Dye Terminator Sequencing Chemistryを用いて配列決定した。配列を、インターネットに基づくリレーショナルデータベースシステムに入力し、ベクター配列を切り取り、質を整えた。
マーカーの遺伝子型決定
遺伝子型を、Klenowフラグメントに基づく一塩基プライマー伸長ならびに自動Orchid Biosciences SNPstream装置を使用する配列決定によって、伸長の間に取り込まれた塩基の色素結合免疫化学的認識に基づいて、試料の集団中で調査した。反応を384ウェル形式で処理し、そしてUNIXベースのSQLデータベースに移行するまで、一時的なデータベースアプリケーションに保存した。
分析方法
データは、本発明者らが公的なデータベースおよび個人的なデータベースから同定した共通の遺伝的ハプロタイプを区別するために参考になる、SNPに対応した。アルゴリズムを使用して、このデータを、経験的に決定されたSNP配列からハプロタイプを推定するために使用した。
対立遺伝子の頻度を計算し、対のハプロタイプの頻度をEMアルゴリズム(ExcoffierおよびSlatkin 1995)を使用して見積もった。次いで、連鎖不均衡係数を計算した。この分析的なアプローチは、ケース-コントロール研究設計に基づいた。各グループについての遺伝子型/病歴データマトリックスを、パターン検出アルゴリズムを使用して調べた。これらのアルゴリズムの目的は、定量的な(またはメンデル)遺伝データに連続的な(または(場合によっては)不連続な)形質の分布を適合させることである。連鎖不均衡係数、対立遺伝子およびハプロタイプの頻度(民族的なグループ、コントロールグループ、および症例のグループ内で)のような種々のパラメーターに加えて、カイ二乗統計および他の集団遺伝的なパラメーター(例えば、Panmitic指数)を、症例およびコントロールのグループ間で体系的なバリエーションについて制御するために計算した。コントロールから症例のマトリックスを区別するための値を有するマーカー/ハプロタイプは、もしあれば、(試験と効果との)相関の統計学を伴う、それらの関連性を記載する数学的な形式で提示された。
実施例3
スタチンの効力についての2つのマーカー(1つの2遺伝子座ハプロタイプ系)
HMGCR遺伝子によってコードされるHMG co-A還元酵素は、ヒトにおけるコレステロールの合成に関与する。異常に高いコレステロールレベルは、アテローム性硬化症および心臓発作のリスクの増大と関連する。本明細書中で議論されるように、スタチンと呼ばれる薬物のクラスが、異常に高いコレステロールレベルまたは総コレステロール/高密度リポタンパク質レベルを有する患者に一般的に処方され、この疾患のリスクを減少させている。一部の患者においては、肝臓のトランスアミナーゼレベル(SGOT/GPT試験)の増加のような有害な反応が観察され、これは、医師に、患者のために処置を中断するか、薬物を切り換えることを促す。これらの変わりやすいタイプの結果が遺伝的なばらつきの関数であるならば、またこの可変的な応答の原因である遺伝的なばらつきが突き止められ得るのであれば、処方の前に患者を分類するための遺伝的試験が開発され、治療的な効力を最大化しかつ有害な事象の可能性を最小化し得る。
本発明の実施例のための方法は実施例2において議論される。この実施例においてSNPを遺伝子型決定するために使用されるプローブおよびプライマーは、表4に列挙される。HMGCR遺伝子の高密度SNP(一塩基変異多型)地図が開発され、可変性のスタチン応答がHMGCRの遺伝子型、ハプロタイプもしくはハプロタイプ対の関数であるか否かを突き止めるために、個々のスタチン患者がこれらのSNPの位置の各々において遺伝子型決定された(表3-1を参照されたい)。いくつかの個体のSNPについての結果、およびスタチンクラスの薬物の可変性の効力を示すこれらのSNPからなるハプロタイプについての結果が本明細書中に提示される。
表3-1は、2つの開示されたマーカーにおける患者の遺伝子型が、各患者における、スタチンが減少させた総コレステロールレベルの程度と関連することを示す。試料番号は、カラム1における各患者についての識別番号である。カラム2は、特定の薬物および用量(mg/ml)を示し、カラム3、4およびカラム5、6は、処方前および処方後での総コレステロール(TC)レベルおよび低密度リポタンパク質(LDL)レベルを示す。
(表3-1)
Figure 2005508612
カラム7はHMGCRE7E11-3_472マーカーについての個体の遺伝子型を示し、カラム8はHMGCRDBSNP_45320マーカーについての個体の遺伝子型を示す。各個体におけるハプロタイプの二倍体対はカラム9に示される。臨床試験の結果(TCおよびLDL)は、薬物処方の日付の前の所定の試験について最も遅い試験日および薬物処方の日付の後の所定の試験について最も早い試験日を用いて集計した。通常の印刷での表示は、個々の患者がスタチン処置に対して応答しなかったか、または十分に応答しなかったことを示す表示対である。斜字体でありかつ太字の表示は、スタチン処置に対して十分に応答した患者を示し、斜字体であるが太字ではない表示は平均的な応答を示す、所定の試験の型についての試験結果対を示す。
表3-1の結果は、スタチンに対して乏しい応答を示す個体の頻度(5/6)は、同じ遺伝子座におけるGG遺伝子型の個体(3/15)と比較して、HMGCRE7E11_472遺伝子座におけるGA遺伝子型の個体において増加したことを実証する。この結果はp=0.01のレベルで有意である。第2のマーカーについては、HMGCRDBSNP_45320遺伝子座(2/2)におけるヘテロ接合性(CT)遺伝子型を有する2/3の個体が乏しい応答者であった。TTホモ接合性遺伝子型単独では、予測的な値をほとんど有しなかったが、このことは、TTの乏しい応答者およびTTの良好な応答者がほぼ等しい数であることを示す。
OCA2遺伝子座の分析のために記載された幾何的モデリングの方法(2002年5月28日に出願された、T. Frudakis、米国特許出願第10/156,995号、これはその全体が本明細書に参照として組み入れられる)は、マーカーをハプロタイプおよび分類系に組み合わせるために本遺伝子座に適用されて、予測的なマーカーとしてのそれらの値をさらに例証した。上記のハプロタイプから明らかなように、HMGCRE7E11-3_472遺伝子座およびHMGCRDBSNP_45320遺伝子座において、4つの可能な2つの遺伝子座のハプロタイプ、以下、順番に:1)GT;2)AT;3)GC;および4)ACが存在する。
表3-1において、スタチン応答(特に、総コレステロールすなわちTCの減少)に関するHMGCRE7E11-3_472およびHMGCRDBSNP_45320のハプロタイプ対の検査により、GT遺伝子型の2つのコピーを有する個体がスタチンに対して予測されたように反応する傾向があることが示された(12/15の処置事象が総コレステロールレベルの有意な減少を示した)。一方、GTハプロタイプ、およびATハプロタイプまたはGCハプロタイプのいずれかを含むヘテロ接合性の個体は、スタチンに対しての反応が乏しい傾向があった(10/13の処置事象が総コレステロールレベルの有意な減少または増加を示さなかった)。
ACハプロタイプとともにGTハプロタイプを含むヘテロ接合体の個体は、GTハプロタイプの2つのコピーを有する個体と同様にスタチンに対して応答した。これらの結果は、ATハプロタイプおよびGCハプロタイプが、正常な用量のスタチンに対して十分に応答するための個体の抵抗性または能力のなさについて予測的であることを示す。
4つのハプロタイプ系についてのハプロタイプの分岐図は図1に示される。
仕切りの上に分岐図を配置し、値を付したものが表3-2である。
(表3-2)
Figure 2005508612
図2は、二次元空間にプロットした個々の患者についてのハプロタイプ対を示す。個々のハプロタイプは線で示され、その座標は本文中上記される。ヒトが2つの同じハプロタイプ(例えば、GT/GT)を有する場合、これは(1,1)(1,1)としてコード化され、これらは線ではなく円で表された。実線または塗りつぶした円はスタチン処置に応答しなかった個体を示し、点線または白い円はスタチン処置に対してポジティブに応答した個体を表す。
表2-1に示されるデータを表すために視覚的に情報を与える図2より、GT/GTハプロタイプ対を含む個体は、(1,1)(1,1)としてコード化され、位置(1,1)において円として図5において示され;またはGT/AC対の場合は、(1,1)(1,0)としてコード化され、これらの2つの座標間で点線として図5において示され、この個体は、スタチン処置に対して十分に応答する傾向があるが、GTおよび他の任意のハプロタイプ(例えば、ATまたはGC)を含む個体は、スタチン処置に対して十分には応答しない傾向がある(垂直方向および水平方向の薄い線)ことは明らかである。
HMGCR SNPは表6-20ならびに配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)および配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)に示される。表_は、SNPの型(イントロン、エキソンなど)およびINTEGRITY(多型性または単型性)に加えて、順番に、遺伝子の名称、SNPの名称、NCBI参照配列中での位置(GENBANK)、多型ヌクレオチドの位置についての変異体IUBコード、FIVEPRIME隣接配列およびTHREEPRIME隣接配列を示す。
実施例4
アトルバスタチンの効力を予測するCYP2D6ハプロタイプ遺伝子座
この実施例は、スタチンに対する患者の有害な応答性を予測するCYP2D6ハプロタイプ系の3つの遺伝子座(表2;配列番号:4〜6を参照されたい)を同定する。
A.方法
試料
一次ケア医師コレクター(primary care physician collectors)のネットワークがフロリダ州にわたって確立され、匿名の適合する試料と詳細な病歴、薬物および臨床的データが提供された。この研究設計は、それぞれ参加している医師と協働する、病院のための適切な研究的な検査会によって認可され、そして各々の参加する患者は、薬物全体にわたるインフォームドコンセントのフォームを読み、かつそれに署名した。コンセントのフォームは、匿名性を維持するために処置を行う医師によって保持された。DNAを、標準的なDNA単離技術(Promega, Madison WI)を使用して、血液または頬の試料から得て、分光光度法によって定量した。
SNPの発見
近位のプロモーター、エキソン、および3’UTRを含むCYP2D6の垂直方向のリシークエンシングを、670の個体の多民族的なパネルからの各領域を増幅することによって実行した。PCRを、製造者(Stratagene; La Jolla CA)のガイドラインに従って、pfu Turboを用いて670人のヒトのこのプール上で実行した。プライマーを、関連する領域の最大数が、首尾よい配列決定可能なアンプリコンの最も少ない可能な数に含まれるように設計し、偽配列または他の相同配列と交差反応しないようにプライマーを選択した(例えばCYP2D6については、このプライマーはCYP2D6偽遺伝子(CYP2D7)またはヒトゲノム中に存在する他のオーソロガスな配列(他のCYP遺伝子を含む)とはマッチしなかった)。
増幅産物をゲル精製し、そして配列決定ベクターpTOPO(Invitrogen)にサブクローニングした。192までのインサート陽性のコロニーが増殖し、そしてプラスミドDNAを単離し、そしてその遺伝子に特異的なプライマーの1つを用いて配列決定した。得られた配列を整列化し、そのアラインメントの特徴ならびに矛盾した塩基のPHREDスコアに基づいて、候補SNPを同定するために分析した(本明細書に参照として組み入れられる、2001年9月26日に出願された米国特許出願第09/964,059を参照されたい)。
遺伝子型決定
第1のラウンドのPCRを、リ-シークエンシングの間に、設計された遺伝子座特異的なプライマー(上記のSNP発見プライマー)を使用してこれらの試料上で実行した。得られたPCR産物を、アガロースゲル上でチェックし、希釈し、次いでホスホチオネート化プライマーを取り込む第2のラウンドのPCRのためのテンプレートとして使用した。遺伝子型決定を、一塩基プライマー伸長プロトコールおよびOrchid SNPstream 23Kプラットフォーム(Orchid Biosystems, Princeton, NJ)を使用して、個々のDNA試料上で実行した。この手順を、各SNPについて反復した。すべてのPCRの工程には高い忠実度のDNAポリメラーゼであるpfu turboを使用した。スタチン関連応答を推定するために有用である、ハプロタイプに含まれるSNPのためのプライマーおよびプローブは、表3に含まれる。
表現型決定
血清グルタミン酸オキサロ酢酸(SGOT)およびグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、血清アルカリホスファターゼ(AP)、ビリルビンおよびアルブミンの測定の決定を、アトルバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチンに対する肝細胞応答について患者を表現型決定するために使用した。多くの患者が複数の医薬を投与されていたので(患者あたり平均約5種)、薬物の処方前の所定の試験の最も最近の日付をベースラインとして使用し、薬物の処方後の試験の最も初期の日付を指標として使用して、各々を電子的に表現型決定した。これらの試験の日付は処方の日付に最も近接してまたがるため、ベースラインから指標を差し引いて、各試験についてのスタチンに対する患者の応答の最も良好な見積もりが得られた。SGOT、ALTGPT、アルブミン、アルカリホスファターゼ、およびビリルビンの試験について、表示対の98%より多くが互いに3ヶ月以内であった。クレアチンキナーゼ試験については、すべての表示が互いに6ヶ月以内であった。
データ分析
遺伝子型データおよび表現型データを、オラクル8iリレーショナルデータベースシステムから、入力およびアクセスした。各患者を、本発明者らのデータベースにおいて、あらゆる薬理学的に関連のあるマーカーで遺伝子型決定し、そしてこのデータベースを、統計学的に有意な薬理ゲノム学的なコンセプトを自動的に見つけ、かつアップデートするために、データベースが大きくなるに従ってランダムに照会した。薬理ゲノム学的発見サーチエンジンを、JAVAおよび質問式(特定の選択された薬物-反応形質との統計学的な関連について、遺伝子内でのSNPの組み合わせおよび遺伝子間のハプロタイプのランダムな組み合わせの順列をランダムに選択する)を用いて構築した。ユーザーがデータセットおよび関心対象の薬物反応形質を規定した後、ソフトウェアが関連データを検索し、質問式を保存し、そして入力のためのデータをサーチエンジンの統計学的な構成成分に自動的にフォーマットする。このエンジンは、統計学的に有意な集団レベルの比較(もし存在しているならば)の集積において最高に達する、種々のアプリケーションを利用する。
この研究において使用されたソフトウェアのバージョンについては、StephensおよびDonnelly (2000) PHASEアルゴリズムを、ハプロタイプを推定するために使用した。そしてArlequinプログラム(Schneiderら、Arlequinバージョン2.000:A software for population genetics data analysis. Genetics and Biometry Laboratory, University of Geneva, Switzerland (2000))を、「ランダムに」選択された表現型の比較の各々について、集団のレベルの試験および効果の統計学を計算するために使用した。所定の表現型の比較のために有意な集団のレベルの構造を示す結果により、データは別個のサブディレクトリに移され、さらなるより詳細な分析に供される。有意でない結果は破棄する。集団比較のために、平均重み付けペアワイズF-統計値を決定した。さらに、Slatkin線状F-統計値(t)を計算した。ここで、二倍体データについて、t/M=FST/(1-FST)およびM=2Nである。最後に、グループ間の非差別化の精密試験を、帰無仮説を仮定して計算した。これらの3つの試験の2つについての有意な結果との比較が、分析のための次のステップに通過した。
対立遺伝子の頻度を、関数pi=(xi/n)を使用して、ハプロタイプiについて計算した。ここで、xiは、ハプロタイプiが観察された回数であり、nはグループにおける患者の数である。標準偏差(sd)を、V(pi)=pi(1-pi)/(n-1)によって与えられるサンプリングの分散の不偏推定値から測定した。非差別化の精密試験のために、本発明者らは、Markov鎖の1000ステップおよび1000脱記憶(dememorization)ステップを使用した。
B.結果
多数のシトクロムP450多型が直接的に薬物代謝および疾患に影響を与えることが知られており(Kalow, W.、Pharmacogenetics of drug metabolism. Pergamon Press, Elmsford, New York (1992);Brownら、Hum. Molec. Genet. 9: 1563-1566, (2000))、実質的にすべての一致する研究が、これらの遺伝子における遺伝的バリエーションがいかにしてこれらの既知の対立遺伝子を取り込む可変性の薬物応答に影響を与えるか、または影響を与えているか否か、を理解することを目的としている。特異体質的な薬物応答は、独特な遺伝子変異体によって引き起こされ得るので、また、すべての共通の変異体を実証する完全なSNPマップはこれらの遺伝子の多くについて利用可能ではないので、すべての共通のシトクロムP450(および他の遺伝子)のSNPのデータベースを構築した。
遺伝子あたり平均で30の候補SNPを同定し、各遺伝子の近接するプロモーター、各エキソン、および3’UTRにわたって分布していた(表4-1)。SNPの数は、各遺伝子内の領域間で、ならびに異なる遺伝子の同族の領域間で高度に可変性であった。いくつかのSNPは、以前に発見されるかまたは実証されたものであったが、大部分は新規なものであった(特に、イントロン領域中のSNP、データ示さず)。
表4-1は、おそらく、集団中で特異体質的なスタチン応答に関与し得る23のゼノバイオティックメタボライザー遺伝子の各々において見い出された候補SNPおよび確認されたSNP(括弧内)の数を示す。この遺伝子は、カラム1において同定され、そしてSNPの数は、カラム2において示されるテキストに記載されるリ-シークエンシング作業から見い出された。公的なSNPデータベース(NCBI:dbSNP)からの公知のSNPの数、および文献からの公知の数を、カラム3および4に示す。
(表4-1)
Figure 2005508612
各遺伝子において、各々の確認されたSNPを、詳細な病歴、薬物、および臨床データが利用可能であった148名のコーカソイドのスタチン患者のパネルにおいて点数付けた。統計学的に有意な関連性を同定するために、StephensおよびDonnelly (2000) のアルゴリズムおよび分析されたデータのランダム順列を使用して(材料と方法を参照されたい)、遺伝子型を得、ハプロタイプを推定した。合計1,230のハプロタイプ系を、臨床的に意味のある方法で患者を解析するそれらの能力について照会した。特定の遺伝子(平均n=28)について推定された各ハプロタイプ系について、5つの臨床的な終点:ALTGPT、SGOT、ビリルビン、アルカリホスファターゼ、およびアルブミンの各々によって示されるように3つの薬物に対する肝細胞の応答に基づいて患者を階層化した。いくつかの重複するハプロタイプ「系」を、アトルバスタチンに対するSGOT応答に基づいて患者を解析するために有用なCYP2D6遺伝子中で観察した(表4-2)。このグループの最も倹約的なハプロタイプ系(最も少ないSNPで最大の表現型の可変性を説明する)は、CYP2D6遺伝子座の第1と第7のエキソン間に分布した3つの二対立遺伝子SNP遺伝子座を含む。
(表4-2)
Figure 2005508612
表4-2は、CYP2D6 SNPを示し、そのハプロタイプは、本文で議論したように、アトルバスタチンに対する有害な肝細胞応答の相対的なリスクを予測する。SNP名はカラム2に示し、DNAPrint同定番号をカラム3に示す。アミノ酸の変化の型をカラム4に示す;SNPがエキソン中に位置するが、アミノ酸の変化がない場合には、その変化はサイレントとして列挙され、そしてSNPがエキソン中に位置しない場合には、そのSNPの位置が示される。マイナーな対立遺伝子の頻度はカラム5に提示され、そしてSNP対立遺伝子がHardy-Weinberg平衡にあるか否かは、カラム6に記述される。
コーカソイド集団中の3つのSNPについてのマイナーな対立遺伝子の頻度は、1%未満〜27%の範囲にわたり、そしてコーカソイドグループ中で3つすべてのSNPについての対立遺伝子はHardy-Weinberg均衡(HWE;表4-2)にあることが見い出された。これらの3つのSNPのうちで1つのみが以前に文献に記載されていたが、機能性については何ら知られていなかった。他の2つのSNPはいずれも、文献または公的なSNPのデータベース(NCBI:dbSNP)に存在しなかった。これらの3つの遺伝子座について、23=8のあり得るハプロタイプの組み合わせが可能であり、4つのハプロタイプ:CTA、tTc、tTA、CTcおよびCcAのみが244のハプロタイプ付けしたコーカソイドのグループにおいて観察された。ここで、文字の配列は、遺伝子中で、5’から3’の順番で、3つの遺伝子座の各々における対立遺伝子を表し、そして小文字はマイナーな対立遺伝子を示す。一般的なコーカソイドの集団において、遺伝子座1および3は連鎖不均衡にあり(P<0.00001+/−0.00001)、同様に遺伝子座2および3は(P=0.034+/−0.0006)であるが、遺伝子座2および3はLDにはない。3つの遺伝子座で、遺伝子座1の対立遺伝子のみがHardy-Weinberg平衡になく、これは、なぜ遺伝子座1および3がそのように強力に連鎖するのかを説明し得る。
実行した第1の試験により、各薬物グループ内で、スタチン処方後のSGOTレベルにおいて、ベースラインに対する絶対的な増加、対、ベースラインに対する増加なし(または減少)について患者を階層化した。各薬物グループ内の患者はまた、SGOTレベルにおいて、ベースラインに対する20%の増加、対、ベースラインに対する増加なし(または減少)について階層化された。これらの分析の結果は、有害なSGOT応答の絶対的および20%の定義の両方を使用して、3-遺伝子座CYP2D6ハプロタイプ系(ならびに4の他の重複するハプロタイプ系)における集団レベルの構造の差異を示したが、他の遺伝子(n=11)のハプロタイプ系(n=243)では示さなかった。有害な応答者を定義するためのSGOT判断基準の絶対的増加を使用すると、P値は、精密試験についての0.020+/−0.003からペアワイズF統計についての0.063+/−0.004までにわたった(表4-3、2行目、太字)。有害な応答者を定義するためにSGOT判断基準のベースラインに対して20%の増加を使用すると、P値は、精密試験についての0.014+/−0.002からペアワイズF統計についての0.018+/−0.002までの範囲にわたった(表4-3、1行目、太字)。
アトルバスタチン患者グループまたはこの研究の他の2つの薬物グループ中で、他の試験型(アルカリホスファターゼ、ALTGPT、ビリルビン、またはアルブミン)について、同様に定義した上昇したグループと上昇しなかったグループとの間で、CYP2D6(または他の遺伝子)のハプロタイプ配列の違いは観察されなかった(データ示さず)。この研究でシンバスタチンまたはプラバスタチンを投与された、SGOT上昇集団およびSGOT非上昇集団について、CYP2D6(または他の遺伝子)のハプロタイプ配列の違いは観察されず(表4-3)、この研究における表4-1に示す他の遺伝子中の任意のハプロタイプ系について、ハプロタイプ配列の違いはなかった。例えば、CYP3A4遺伝子(アトルバスタチンの処理に関与することが公知の遺伝子)からランダムに選択されたハプロタイプ系は表4-3に示され、薬物の任意のグループにおけるいずれかの試験について有意な関連性はなかった(表4-3)。他の肝細胞試験、他のスタチン、または他のハプロタイプについては、ハプロタイプ配列の違い(すなわち、特定のハプロタイプ対立遺伝子の存在と肝細胞ストレス試験の変化との間の統計的に有意な相関の欠如)が存在しても、試料のサイズ、分析される被験体の集団が理由で観察されないことがあり得る。さらに潜在的なハプロタイプ対立遺伝子が存在することがあり得る。
(表4-3)
Figure 2005508612
表4-3は、アトルバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチンのSGOT応答者グループ間のハプロタイプに基づく集団構造の差別化試験を示す。多くのハプロタイプ系が各薬物について試験されたが、CYP2D6遺伝子およびCYP3A4遺伝子内の2つのハプロタイプ系のみを示す(カラム2)。使用されたグループ分けは、有害な応答者(SGOT試験表示の絶対的な上昇を示した患者)および非応答者(表示において絶対的な上昇を示さなかった患者)(カラム1において「sgot」として示した)または、有害な応答者(SGOTレベルの20%より高い上昇を示した患者)または非応答者(SGOTレベルの20%より高い上昇を示さなかった患者)(カラム1において「sgot20」として示した)であった。考慮された各試験型を試験カラムに示し、これらの試験からの表示を本文中に記載するように入手した。
集団構造試験は、アトルバスタチンを投与されたSGOT応答者の2つのグループ間のハプロタイプ構造の有意な違いを示したので、応答者グループおよび非応答者グループにおける種々の観察されたハプロタイプの頻度を計算した(表4-4)。この結果は、有害な応答者のベースラインの定義よりもSGOTのレベルにおける20%の増加を使用すると、野生型ハプロタイプであるCTAが、有害なSGOT応答者グループと比較して、SGOTの変化していないグループにおいてより頻度が高いことを示した(絶対的応答者対非SGOT応答者について、それぞれ、80%+/−10%対30%+/−10%、および20%SGOT応答者について、それぞれ、80%+/−10%対40%+/−10%)。対照的に、4つのマイナーなハプロタイプ、tTc、tTA、CTc、およびCcAは、有害でないSGOT応答者グループ(それぞれ、10%+/−10%、観察されず、10%+/−10%、観察されず)よりも、SGOT上昇グループにおいてより頻度が高かった(それぞれ、20%+/−10%、10%+/−<0.1%、30%+/−10%、10%+/−<0.1%)。同様の結果を、有害なSGOT応答のベースラインの定義を超えたSGOTレベルの絶対的な増加を使用して得た(表4-4)。両方の型のSGOT比較についての標準偏差は、メジャーなハプロタイプの頻度対マイナーなハプロタイプの頻度の差が有意であることを示す。対照的に、メジャーなCYP3A4ハプロタイプ対マイナーなCYP3A4ハプロタイプの相対的な頻度は、3つの薬物いずれについての有害な応答についてのいずれの定義を使っても、有害なSGOT応答者対有害でないSGOT応答者との間に有意な差はなかった。従って、CYP2D6のメジャーなハプロタイプおよびマイナーなハプロタイプの頻度の違いは、ペアワイズF-統計および非差別的精密試験を用いて本発明者らが観察した集団のハプロタイプの構造の違いを説明した。
(表4-4)CYP2D6ハプロタイプの頻度
Figure 2005508612
表4-4は、有害なSGOT応答者グループ対有害でないSGOT応答者グループにおけるCYP2D6ハプロタイプの計数を示す。有害なSGOT応答のための2つの異なる判断基準が示される;個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示の絶対的な上昇で応答した場合には、「sgot上昇」グループに割り当てられる。そして、個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示の絶対的な上昇で応答しなかった場合には、「sgot上昇なし」グループに割り当てられる。同様に、個体がアトルバスタチン治療に対して、ベースラインよりもSGOT表示が少なくとも20%の上昇で応答した場合には、「sgot上昇>20%」グループに割り当てられる。そして、個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示が少なくとも20%の上昇で応答しなかった場合には、「sgot上昇なし>20%」グループに割り当てられる。マイナーな対立遺伝子は、一番上の行に小文字で示される。
ハプロタイプの二倍体対という点でこれらの結果を与えるために、個々のハプロタイプ対は、応答についての両方の判断基準(上記に同じ)を使用して、上昇したSGOTグループおよび上昇しなかったグループについてカウントされた。この様式における二倍体対の偶発性の表にデータを凝縮すると、2つの応答者グループ中でCYP2D6遺伝子型の明白な分割が示される(表4-6を参照されたい)。8つのハプロタイプ対が本発明者らの患者グループにおいて観察された(表4-6、カラム1)。そして、これらのハプロタイプ対は、コーカソイド集団におけるそれらの頻度に基づいて、野生型(WT)およびマイナーなハプロタイプの対としてコードされていた(表4-2)。この分析の結果は、WT/WTハプロタイプ対が、SGOT表示の増加を伴う、アトルバスタチンに応答しないヒトにおいて最も一般的に観察されたことを示した(有害な応答者を分類するための判断基準に基づいて、73%または67%)。対照的に、WT/WT遺伝子型は、SGOT表示の増加を伴う、アトルバスタチンに応答した個体において一般的でなかった(いずれの判断基準についても1%未満)。実際のところSGOT表示の増加を伴って処置に応答する実質的にすべてのヒト(>99%)が、少なくとも1つのマイナーなハプロタイプを有した。この結果は、SGOT表示の25%の上昇の判断基準が患者をグループ分けするために使用された場合と同様であったが、わずかに高い頻度のWT/マイナーなハプロタイプ対が、SGOT非上昇グループにおいて観察された。
SGOTレベルの平均的な変化は、種々の二倍体ハプロタイプの組み合わせを有する個体について決定された(表4-6)。マイナーなハプロタイプのいくつかの低い頻度により、すべての可能な対が観察されるわけではなかった。観察された6つの組み合わせ間の効果を比較して、本発明者らは、種々のマイナーなハプロタイプと関連する平均的な効果(SGOT上昇)の違いに注目した。2つのマイナーな対立遺伝子を有するマイナーなハプロタイプ(MINOR1)の平均的な効果は、1つの変異体のみを各々含む他の2つのマイナーなハプロタイプの平均的な効果よりも大きい。MINOR1ハプロタイプの平均的な効果は、別のマイナーなハプロタイプを用いて見い出された場合(平均75%のSGOTの増加)に、メジャーな(WT)ハプロタイプを用いた場合(平均38%のSGOTの増加)よりも大きい。しかし、MINOR3ハプロタイプの平均的な効果(平均52%のSGOTの増加)は、別のマイナーなハプロタイプまたはメジャーな(WT)ハプロタイプと組み合わせた場合、同じであった。
(表4-5)CYP3A4ハプロタイプの頻度
Figure 2005508612
表4-5は、有害なSGOT応答者グループ対有害でないSGOT応答者グループにおけるCYP3A4ハプロタイプの計数を示す。有害なSGOT応答のための2つの異なる判断基準が示される;個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示の絶対的な上昇で応答した場合には、「sgot上昇」グループに割り当てられる。そして、個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示の絶対的な上昇で応答しなかった場合には、「sgot上昇なし」グループに割り当てられる。同様に、個体がアトルバスタチン治療に対して、ベースラインよりもSGOT表示が少なくとも20%の上昇で応答した場合には、「sgot上昇>20%」グループに割り当てられる。そして、個体がアトルバスタチン治療に対して、SGOT表示が少なくとも20%の上昇で応答しなかった場合には、「sgot上昇なし>20%」グループに割り当てられる。マイナーな対立遺伝子は、一番上の行に小文字で示される。
(表4-6)アトルバスタチンSGOT応答者間のハプロタイプの組み合わせの頻度
Figure 2005508612
表4-6は、アトルバスタチンに対するそれらのSGOT応答に基づいて、患者についてのハプロタイプ対の計数を示す。ハプロタイプ対はカラム1に示され、そしてこれらのハプロタイプは全体の集団中のそれらの頻度に基づいてハプロタイプ2における野生型(WT)またはMINORとして割り当てられる。2つの2クラスのグループ分けが提示される;アトルバスタチン後の表示がベースラインよりも高い患者、またはベースラインよりも高くない患者(それぞれ、カラム3および4)、および、アトルバスタチン後の表示がベースラインを超えて25%より高い患者、またはベースラインを超えて25%より高くない患者(それぞれ、カラム5および6)。
(表4-7)
Figure 2005508612
表4-7は、種々のハプロタイプの組み合わせを有する、アトルバスタチン患者についての平均のSGOT増加または減少を示す。太字は増加を示す。変化の量はそれらのベースラインと比較した、ハプロタイプのクラスの各個体の変化の平均的割合として示す。
C.考察
SGOT上昇を伴ってアトルバスタチンに応答する傾向に基づいて患者を分類し得る、3つの遺伝子座のCYP2D6ハプロタイプ系が本明細書中で開示される。このような分類は、例えば、事前確率として種々のクラス中の各ハプロタイプの頻度を使用して、正確な分類のBayesian最大可能性評価(maximum likelihood estimators)(事後確率)を計算することによって得ることができる。アトルバスタチン患者のほぼ半数が、SGOT表示の絶対的な増加を伴って薬物に応答した。この応答事象の頻度は、以前に観察されたSNPおよびハプロタイプの頻度と一致しており、この3遺伝子座系を使用して、マイナーなハプロタイプの存在はアトルバスタチンに対する有害なSGOT応答について予測的であることを確認する。この関連性がアトルバスタチン患者の集団におけるSGOTの大部分のバリエーションを説明するために使用され得る場合、この有害な事象の頻度および関連するハプロタイプは、類似であるはずである。
CYP2D6は、ヒトまたは任意のモデル系において、アトルバスタチンの有害な処理に関与することが以前には知られていなかった。唯一の報告は、CYP2D6を肝細胞モデル系を使用してアトルバスタチン処理との関連性を示唆した(Cohenら、Cohen LH、van Leeuwen RE、van Thiel GC、van Pelt JF、Yap SH. Equally potent inhibitors of cholesterol synthesis in human hepatocytes have distinguishable effects on different cytochrome P450 enzymes. Biopharm Drug Dispos 2000 12月号;21(9):353-364、2000)。CYP2D6ではなく、CYP3A4が、アトルバスタチンの主要なメタボライザーと見なされている。特定のCYP2D6変異体は独特の基質特異性を有するので、また、本明細書中に開示したハプロタイプは新規なCYP2D6多型を取り込むので、CYP2D6ハプロタイプとアトルバスタチン応答との間の関連性は、以前に観察されていなかったかもしれない。なぜなら、この特定のハプロタイプの構成成分のSNPは研究されておらず、そして/または、それらは公知のCYP2D6の薬学的関連対立遺伝子と連鎖不均衡にはなかったからである。一般的な集団において、3つの遺伝子座はLDにあり、そして本結果は、これらの遺伝子座を取り込むハプロタイプは、アトルバスタチンに対するSGOT応答者の2つのクラス間に独立して分布していないことを示す。遺伝子座1におけるSNPが劇的なコーディングの変化(プロリンからセリンへ)であることは、本発明者らが記載するこのハプロタイプ変異体が、SGOT応答における表現型的な変動について機能的に決定的である進化的に関連するハプロタイプのクラスターを含むことを示唆する。代替的な説明は、本ハプロタイプ系が、連鎖不均衡を通して未知の病原学的な変異体の存在を追跡しているということである。開示されたマーカーが、以前に定義された乏しい/極端なメタボライザーCYP2D6対立遺伝子とLDにあるか否かはまだ未知である。しかし、本ハプロタイプ分析における劇的なコーディングの変化の存在は、薬理学的な関連性を有する新規なCYP2D6変異体が定義されたことを示す。
これらの対立遺伝子が薬理学的に関連性があることが意味付けられていなかったという事実は、大部分の薬理遺伝学的研究の基準となる終点である薬物の効力に対する、それらの関連性のなさによるものかもしれない。この見解を支持するものとして、ここで記載するハプロタイプアイソフォームの完全に独立した分布が、総コレステロール(TC)応答、臨床的に有意なTC応答、全体のLDL、臨床的に関連のLDL、HDL、およびトリグリセリド応答の全体に基づいて階層化されたアトルバスタチン(および他のスタチン)患者のグループ間で観察された。従って、本明細書中で開示される変異体は、一部のアトルバスタチン患者において非常に特異的な特異体質的な応答を生じる、マイナーな代謝経路に向けて直接的に寄与する可能性が高い。
この関連性がアトルバスタチン患者におけるSGOT応答について高度に特異的であるという事実は、基質および変異体ゼノバイオティックメタボライザー遺伝子座の経路の特異性について何が知られているかに鑑みると、道理にかなったものである。さらに、関連性は本質的に定量的であるようである。野生型ハプロタイプおよびマイナーなハプロタイプを有するヒトにおけるSGOT表示の平均的な増加は、2つのマイナーなハプロタイプを有するヒトにおける平均的な増加よりも低い。この系の遺伝子座1にマイナーな対立遺伝子を有する患者のグループを考慮すると、SGOT上昇の強度と、個々のハプロタイプの二倍体対に存在するマイナーな対立遺伝子の総数との間に良好な相関が存在する。本結果は、遺伝子座1にマイナーな対立遺伝子を含むハプロタイプを有する個体は、最も劇的なSGOT応答の上昇を有し、一方遺伝子座3にのみマイナーな対立遺伝子を含むハプロタイプを有する個体は、より緩やかな応答を有することを示した。これらの結果に鑑みて、遺伝子座1がプロリンからセリンへの劇的な置換を含むこと、一方遺伝子座3はイントロン中にあることに注目することは興味深い。関連性の定量的な性質、有害なSGOT応答者の頻度と関連する対立遺伝子の頻度とのおおよその一致、および、アミノ酸の変化の重篤度とSGOT応答の効果の強度との相関は、すべて組み合わせて、本発明者らの結論を支持し、以下の主張に対する保証を与える:患者がSGOT表示の上昇を伴ってアトルバスタチンに応答する事後確率は、本明細書中に開示されたマイナーな対立遺伝子の文脈において測定されるように、患者のCYP2D6ハプロタイプ対の複合的な独特さの関数である。
現在の形式では、データは、コーカソイド集団におけるアトルバスタチンに対するSGOT応答について厳密に予測的である。これらの結果を他の民族的なグループに拡張することは参考になる。本研究は、遡及的な症例対照的研究であり、これは、より広い、ランダム化された予測的な研究に拡張され得る。予測的なデータは、これらのマーカーを組み込んだ予測的な試験が、予測的なアトルバスタチン患者がSGOT応答の上昇を回避することを補助する程度を規定し得、そして、より重篤な肝細胞応答(例えば、損傷および/または活性な疾患)におけるこれらのマーカーの役割をさらに規定することを補助し得る。しかし、現在の形式では、本結果は、SGOTレベルの増加を伴って薬物に応答するそれらの傾向に基づいて、アトルバスタチン処置から、予測される患者を排除するために有用であり得る。アトルバスタチンによって引き起こされた肝臓の異常の長期的な健康に対する結果は、肝臓の病理学の連続の一部であるので、本明細書中に開示されるマイナーなハプロタイプを有する患者は、代替的な医薬ならびに/または彼らの総コレステロールレベルおよび/もしくはHDLリスクを制御するための生活様式の変化に、より良好に適しているようである。
実施例5
スタチンの効力の複合的な解決
このスタチンの効力の解決には、いくつかのSNPを取り込む。これらの各々は、独立して、患者がアトルバスタチンおよび/またはシンバスタチンに対して好ましく応答する程度との関連を示す。
一般的に、実施例2の方法を本実施例のために使用した。アトルバスタチン(LipitorTM)およびシンバスタチン(ZocorTM)に対する変動性の患者の応答がHMGCRハプロタイプ配列およびCYP3A4ハプロタイプ配列の関数であるか否かを決定するために、2つの遺伝子について、共通のSNPおよびハプロタイプ変異体を同定するために「垂直的」なリ-シークエンシングの試みを行った。遺伝子特異的プライマーを各々のプロモーター、エキソン、および3’UTRに隣接するように設計し、これらのプライマーを使用して500の多民族性ドナー中のこれらの領域を増幅した;HMGCR遺伝子およびCYP3A4遺伝子について、それぞれ、25および23のSNPを同定した(表5-1)。驚くべきことに、これらのSNPのいずれも文献またはNCBI dbSNPリソースから以前には知られてはいなかった(Gonzalezら、Nature 331: 442-446 (1988);Rebbeckら、J. Natl. Cancer Inst. 90: 1225 (1998);Westlindら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 27: 201 (1999);Kuehlら、Nat. Genet. 27: 383 (2001);Sataら、2000;Hsiehら、2001)。これらの3つの遺伝子について48のSNPの位置を調査し、患者が総コレステロール(TC)レベルの絶対的な減少を伴ってアトルバスタチンまたはシンバスタチンに応答するか否かについての予測的な値を含む、2つのSNPをHMGCR遺伝子座において同定し(表1、配列番号:2、および配列番号:3)、2つのSNPをCYP3A4遺伝子座において同定した(表1、配列番号:8、および配列番号:9)。さらに、解決を改善するCYP3A4遺伝子座における第3のSNP(表1;配列番号:7)を同定した。
(表5-1)
Figure 2005508612
表5-1は、垂直的なリ-シークエンシングの試みからのSNP発見の結果の要約を提供する。同定された候補SNPおよび確認された変異体の数をカラム2および3に示す。文献またはNCBI dbSNPデータベースから利用可能なSNPの数をカラム4に示し、各遺伝子についてのSNPの2つのセット間の重複をカラム5に示す。
これらの4つのSNPで遺伝子型決定された189の患者のうち77人が、アトルバスタチンまたはシンバスタチンで処置されたか、または処置されていたコーカソイドであり、臨床的なベースラインおよび終点測定(総コレステロール-TC、低密度リポタンパク質-LDL、高密度リポタンパク質 HDL)が利用可能である患者、および4つの遺伝子座のいずれかについてデータの抜けがない患者であった。別の76の個体がコーカソイドのコントロールであり、彼らは、遺伝子型データに抜けがなく(Human Polymorphism Discovery Resource, Coriell Institute, NJ)、そして遺伝子決定されたコーカソイドの組み合わせたコレクションを使用して、StephensおよびDonnelly(2001)のアルゴリズムを実行するソフトウェアを用いてハプロタイプを推定した。次いで、ハプロタイプをカウントし、頻度を見積もった(表5-2)。本発明者らは、コーカソイド集団において、TGハプロタイプがHMGCRAハプロタイプの最も頻度の高い(95%)バージョンであり、そしてGCハプロタイプがCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の最も頻度の高い(88%)バージョンであることを見い出した。
HMGCRAハプロタイプおよび/またはCYP3A4Aハプロタイプがスタチン応答と関連したか否かを決定するために、症例対照的一致研究を行った。各遺伝子内でのハプロタイプの分布を、2つの遺伝子の各々単独についておよび組み合わせて、応答者と非応答者との間で分析した。応答者はLDLまたはTCの変化によって、各々について2つの異なる変化の判断基準-表示の1%減少または20%減少を用いて定義した。患者を、薬物に対する応答について、処方前の最も新しい関連する表示および処方後の最も初期の関連する表示を使用して、電子的に表現型決定し、そして2つのグループ;応答者および非応答者に分割した。次いで、1%または20%減少グループ(応答者グループ)内のハプロタイプの集団を、そうでない(非応答者グループ)ハプロタイプの集団に対して統計学的に比較した。
単一の遺伝子のレベルにおける分析についての結果は、HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子が20%アトルバスタチン応答者グループと非応答者グループとの間に独立して分布していないことを示した(P=0.03814+−0.00195)(表5-3、1行目)。対照的に、CYP3A4ハプロタイプ対立遺伝子は、同じ2つのグループの間に独立して分布した(表5-3、3行目)。シンバスタチンについては、CYP3A4ハプロタイプ対立遺伝子は、1%LDL応答者グループの間に独立して分布しなかった(表5-3、8行目)。全体として、単一の遺伝子のレベルで分析したデータは、これらの2つの遺伝子の特定のハプロタイプが応答者および/または非応答者と関連することを示唆する。この単一の遺伝子レベルでの結果はさほど印象的ではない;1%応答者階層についてのポジティブな結果は、同じ薬物についての20%応答者の比較に常に拡張されるわけではなかった。
個体は、次に、CYP3A4ハプロタイプ対立遺伝子およびHMGCRハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対に関して検討された。患者についての二倍体ハプロタイプ対立遺伝子を、応答者グループおよび非応答者グループについてカウントした(1%減少の判断基準を使用した)。HMGCR遺伝子ハプロタイプ対立遺伝子についての結果を表5-3に示し、CYP3A4ハプロタイプ対立遺伝子についての結果を表5-4に示す。HMGCR TG/TG非応答者の応答者に対する比率はアトルバスタチン患者について1:2.3であり、シンバスタチン患者については1:4であった。これらのカウントの結果は、HMGCRAハプロタイプについてTGハプロタイプ対立遺伝子(メジャーなハプロタイプ)を有する大部分の個体(アトルバスタチンについては18/26、シンバスタチンについては35/40)が応答者であったことを示す(表5-4、1行目、6行目、11行目)。対照的に、マイナーなハプロタイプ対立遺伝子(HMGCR遺伝子についてはCGまたはTA、およびCYP3A4についてはGT、AT、AC)の1コピーを有する個体は、1%判断基準を使用すると、同程度の応答者または非応答者である可能性が高い。両方の薬物について、TGハプロタイプ(TG/CGおよびTG/TA)を1コピーのみ有する患者は、薬物に対して好ましく応答する傾向の減少を示した。例えば、20のうちの5の非応答者がマイナーなHMGCRハプロタイプを有した(表5-4、13行目、14行目、カラム3)が、一方56のうちの3の応答者がマイナーなHMGCRハプロタイプを有した(表5-4、同行、カラム4)。
(表5-2)
Figure 2005508612
表5-2.HMGCRAハプロタイプおよびCYP3A4Aハプロタイプについてのハプロタイプ頻度。
(表5-3)コーカソイド集団(n=153)におけるHMGCRハプロタイプおよびCYP3A4ハプロタイプの頻度
Figure 2005508612
表5-3は、アトルバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチンについての応答者と非応答者との間のハプロタイプ分布を示す(カラム3に示すように)。この試験は、集団を階層化するための判断基準を示すための試験に従う数字を付してカラム1に示す(LDL)。例えば、LDL1については、応答者を、所定の患者についてベースラインと比較して1%よりも大きい、処方後のLDLレベルの減少を示した個体と定義し、そして非応答者を、所定の患者についてベースラインと比較して、処方後のLDLレベルのこの変化を示さなかった個体と定義した。ペアワイズF統計値を、そのP値とともにカラム4および5に示す。Slatkin統計値をカラム6に示し、そして非差別化精密試験からのP値をカラム7に示す。N/Sは、意味ある結果を得るために十分な試料サイズが存在しなかったことを意味する。TCレベルについての結果は本質的に同じであった(示さず)。
(表5-4)
Figure 2005508612
表5-4は、アトルバスタチン(LipitorTM)またはシンバスタチン(Zocor)に対する異なる応答を有する患者におけるHMGCRハプロタイプの組み合わせを示す。薬物はカラム1に示し、観察された3つの異なるハプロタイプの組み合わせ(カラム2)についてのハプロタイプのカウントはカラム4および5に示す。
(表5-5)
Figure 2005508612
表5-5は、アトルバスタチン(LipitorTM)またはシンバスタチン(ZocorTM)に対して異なる応答をする患者におけるCYP3A4ハプロタイプの組み合わせを示す。薬物はカラム1に示し、観察された3つの異なるハプロタイプの組み合わせ(カラム2)についてのハプロタイプのカウントはカラム4および5に示す。
CYP3A4遺伝子については、GC CYP3A4ハプロタイプを有する個体の大部分が応答者であった(アトルバスタチン(LipitorTM)については15/17、シンバスタチン(ZocorTM)については30/32)(表5-5、1行目、6行目、11行目)。メジャーなGCハプロタイプ(メジャーなハプロタイプ)についてホモ接合性であったアトルバスタチンおよびシンバスタチンの患者(共に考える)は、このときの92%のTCレベルの減少を伴って薬物に応答したが、GCハプロタイプを1コピーのみ有し、マイナーなハプロタイプの1つのコピーを有する患者は、このときの43%のみのTCレベルの減少を伴って薬物に応答した。全体で、マイナーなCYP3A4ハプロタイプを有する10個体のうちで6個体が、連帯させて考慮した場合に両方の薬物についての非応答者であったが、一方53個体のうちで8個体のみが応答者であった。いくつかの予測されたハプロタイプ対はこの分析においては観察されなかった。これはおそらく、集団中でのそれらの低い頻度に起因するものであろう。
患者の遺伝子型が、各患者において両方の遺伝子で連帯して考慮された場合、非常に明白な傾向が明らかになってくる。ハプロタイプは、表5-2において示されるそれらの頻度に基づいて、野生型またはマイナーとしてコードされた。次いで、二変量分析の結果を組み合わせた(表5-6)。この比較の結果は、両方の薬物について、メジャーなCYP3A4ハプロタイプの二倍体対と組み合わせた、メジャーなHMGCRハプロタイプの二倍体対の存在は、両方の薬物についての予測された治療的応答(TCレベルの減少)と強力に関連することを示した。表5-5は、各薬物について、次いで、組み合わせた両方の薬物についての分解を示す。薬物に対して応答しなかった11人のアトルバスタチン患者のうちの9人は、HMGCRまたはCYP3A4遺伝子のいずれかにおいて少なくとも1つのマイナーなハプロタイプを含んでいた。対照的に、応答した18人のアトルバスタチン患者のうちの2人のみが、これらの遺伝子のいずれかについてマイナーなハプロタイプを有していた。シンバスタチンについては、4または6人の非応答者がこれらの遺伝子の1つで少なくとも1つのマイナーなハプロタイプを有していたが、36人の応答者のうちの2人のみがマイナーなハプロタイプを有していた。
両方の薬物を一緒に考慮した場合、13/17の非応答者がマイナーなハプロタイプを有していたが、4/56の応答者のみがマイナーなハプロタイプを有しており、そして4/17の非応答者がメジャーなハプロタイプの二倍体対を有していたが、52/56の応答者がメジャーなハプロタイプの二倍体対を有していた。アトルバスタチンまたはシンバスタチンに対する潜在的な非応答者として未知の個体を分類するための判断基準として、いずれかの遺伝子でマイナーなハプロタイプの存在を使用することにより、応答者について93%、および非応答者について76%の正確さが得られた。この分類ツールの全体的な正確さは、個体の遺伝子型に依存して変動し得るが、すべての遺伝子型について、約90%であった(表5-9)。この解決における両方の遺伝子の使用により、いずれかの遺伝子単独よりもより良好な結果が得られた。これは、HMGCR遺伝子単独(表5-7)、CYP3A4遺伝子単独(表5-8)、または両方(表5-9)を使用する分類の正確さを比較することによって証明される。
この解決の効果の統計値を計算するために、、患者の総数(73)を固定変数として使用した。いずれの薬物にも応答しない、いずれの遺伝子にもマイナーなハプロタイプを含まない個体の確率は4/73=0.0547である(信頼区間0.0025〜0.1069)。同じ個体がいずれかの薬物に応答する(TCレベルに基づく)確率は52/73=0.7123である(CI 0.6085〜0.8161)。1つのマイナーなハプロタイプを有する個体については、これらの薬物に応答しない(TCレベルに基づく)確率は、0.1780(CI 0.0902〜0.2658)であり、応答する個体の確率は0.0548(CI 0.0026〜0.1070)である。これらの薬物に応答する(TCレベルに基づく)彼らの傾向に基づいて、個体を分類するためのマイナーなハプロタイプの存在を使用することの安定性は、T試験を使用するこのデータから測定できる。T試験を用いて統計値を比較することにより、P<0.0001の有意性が得られる。
最後に、解決を改善したCYP3A4遺伝子座における第3のSNP(表1;配列番号:7)を同定した。
(表5-6)
Figure 2005508612
表5-6は、治療的応答を示したか(カラム4、減少)、または治療的応答を示さなかった(カラム3、同じまたは増加)、アトルバスタチンおよびシンバスタチン患者における、HMGCRハプロタイプおよびCYP3A4ハプロタイプの組み合わせのカウントを示す。ハプロタイプは、表5-2に示されるそれらの頻度に依存して、野生型(wt)またはマイナー(--)として符号化する。ハプロタイプ対の組み合わせは、第1のセットの括弧においてHMGCR遺伝子についてのハプロタイプの符号化された二倍体遺伝子型、およびその行の第2のセットの括弧においてCYP3A4についてのハプロタイプの符号化された二倍体遺伝子型とともに、カラム2に示す。これらのデータのさらなる凝縮は、最後の2行に示し、ここで、2つの遺伝子のいずれかについてのマイナーなハプロタイプの存在(またはその欠如)に基づいて患者がグループ化されている。
(表5-7)
Figure 2005508612
表5-7は、マイナーなHMGCRハプロタイプの存在に基づいて潜在的な非応答者として患者を分類することの正確さを示す。
(表5-8)
Figure 2005508612
表5-8は、マイナーなCYP3A4ハプロタイプの存在に基づいて潜在的な非応答者として患者を分類することの正確さを示す。
(表5-9)
Figure 2005508612
表5-9は、マイナーなHMGCRハプロタイプまたはマイナーなCYP3A4ハプロタイプの存在に基づいて潜在的な非応答者として患者を分類することの正確さを示す。
実施例6
LIPITORTM応答についての遺伝的解決
この実施例は、LipitorTMに対する応答に関するCYP3A4遺伝子におけるハプロタイプを同定する。使用した方法は、本明細書中に記載されるSNPについて、表4において列挙されたプライマーと共に、実施例2において全体的に記載されたものである。手短に述べると、アルゴリズムのセットを使用して、種々の形質のクラスを解明するために最も良好な遺伝的特徴を同定した。次いで、遺伝的クラシファイアーを構築するためにこれらの特徴をモデル化した。遺伝的特徴を見い出すために、患者を、ゼノバイオティック代謝遺伝子および薬物標的遺伝子中の何百もの一塩基変異多型(SNP)において遺伝子型決定し、ハプロタイプ系をこれらの遺伝子中で定義し、そして所定のハプロタイプ系の個々のハプロタイプを、LipitorTM応答に関連するか否かを決定するために分析した。この決定を行うために、個々のハプロタイプを2つのクラス:非応答者=TCレベルが変化してないかまたは増加した;および応答者=TCレベルが減少した、の各々においてカウントした。LipitorTM応答が所定のハプロタイプ系の特定のハプロタイプとは関連していないという帰無仮説を、ハプロタイプのカウントに対して、Pearsonのカイ二乗試験またはFisherの精密試験を実行することによって試験した。
24の遺伝子におけるSNPの組み合わせを、それらの構成成分であるハプロタイプ対立遺伝子が、総コレステロール(TC)レベルの割合の増加または減少に基づいて、LipitorTM応答を「説明する」能力;LipitorTM患者を回復させる能力についてスクリーニングした。これらの24の遺伝子について規定された1,434の候補ハプロタイプ系のうちで、CYP3A4Cハプロタイプ系の対立遺伝子(表6-1)が、LipitorTMに対するそれらの応答に基づいて患者を回復させる際に最も良好であることを見い出した(総コレステロール(TC)レベルの割合の増加または減少;FST P=0.036+/−0.020)(表6-2および表6-3)。ATGCハプロタイプは、患者の集団中で最も頻度が高かった。ATGC/ATGC個体は、34/40回(85%)のTCレベルの減少(表6-2、「DECR」)を伴ってLipitorTMに応答したが、他のハプロタイプの組み合わせを有する個体は、14/26回(54%)のみで応答した。
(表6-1)
Figure 2005508612
表6-1.ハプロタイプ系の組成は本文中で議論した。
(表6-2)総コレステロールの変化
Figure 2005508612
表6-2.種々の応答を示すLipitorTM患者のCYP3A4C遺伝子型のカウント。応答を、ベースラインと比較した、処方後の総コレステロール(TC)の増加(INCR)または減少(DECR)によって測定する。遺伝子型は、第1のカラムに示したハプロタイプの二倍体対であり、種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
LipitorTM患者における総コレステロール(TC)変化のこれらのカウントの有意性、ならびに低密度リポタンパク質(LDL)の変化のカウントを試験した。データの統計学的分析のために、片側、両側t-検定(one-sided, paired t-test)を使用した。低いコレステロールレベル(ldl)を減少させる薬物の効果が存在しないという仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(ldl)の違い(薬物前のldlレベル−薬物後のldl)の平均値が0であること)を、各遺伝子型について試験した(表6-3)。
(表6-3)
遺伝子-CYP3A4、マーカー:809114|664803|712037|869772;薬物-LipitorTM;試験-LDL
Figure 2005508612
表6-3.CYP3A4Cハプロタイプ系の遺伝子型クラスにおけるLipitorTM応答についての統計の要約(LDLの変化によって測定)。遺伝子型を最も左に示し、第2のカラムに患者の数(「n」)、第3のカラムに平均の応答、最後の2つのカラムに統計学的な効果および関連するp-値を示す。
この分析の結果は、ATGC/ATGC遺伝子型およびATGC/ATAC遺伝子型を有する個体のみにおいてLDLコレステロールレベルの減少において薬物LipitorTMの効果が存在することを示す。すべての患者に対する効果は高度に有意であるが(表6-3、8行目、<0.00005)、この応答はATGC/ATGC遺伝子型およびATGC/ATAC遺伝子型の個体に集中しているようである。ATGC/ATGC遺伝子型およびATGC/ATAC遺伝子型の個体についてのLDLコレステロールの違いの平均値(試験日前−試験日後)は、それぞれ32.6779および61.6000であり、このことは、LDLの減少が高度に有意であることを示す。他の遺伝子型、ATGC/AGAT、ATGC/AGAT、およびATGT/AGATの場合は、減少は有意ではなく、そしてATGC/AGACおよびATGC/TGACの場合は、平均的なLDL応答は実際に増加である。(=有意である)
次に、各遺伝子型に総コレステロールレベル(TC)を減少させる薬物の効果が存在しない帰無仮説を試験した。換言すれば、TCレベルの違いの平均値(LipitorTM前のTCレベル−LipitorTM後のTCレベル)が各遺伝子型グループについて0であるかどうかを試験した(H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0)(表6-4)。
(表6-4)
遺伝子-CYP3A4、マーカー:809114|664803|712037|869772;薬物-LipitorTM;試験-TC
Figure 2005508612
表6-4.CYP3A4Cハプロタイプ系の遺伝子型クラスにおけるLipitorTM応答についての統計の要約(TCの変化によって測定)。遺伝子型を最も左に示し、第2のカラムに患者の数(「n」)、第3のカラムに平均の応答、最後の2つのカラムに統計学的な効果および関連するp-値を示す。(=有意である)
この分析の結果は、ATGC/ATGC遺伝子型およびATGC/ATAC遺伝子型を有する個体のみにおいて低いコレステロールレベルの減少の薬物LipitorTMの効果が存在することを示す。すべての患者に対する効果は高度に有意であるが(表6-4、8行目、<0.00005)、この応答はATGC/ATGC遺伝子型およびATGC/ATAC遺伝子型の個体に集中しているようである。これらのグループにおけるTCの減少の平均値は、それぞれ31.8537および48.875であった。1つのマイナーな対立遺伝子を有する他の遺伝子型、ATGC/AGAC、ATGC/AGAT、ATGC/ATAT、およびATGT/AGATの場合は、TCの減少は有意ではなかった。この結果は、LipitorTM応答の指標としてTCレベルを使用して得られたものと同じ結果であった。
上記のCYP3A4中の第1のハプロタイプ系に加えて、HMGCR遺伝子中の第2のハプロタイプ系(表6-1、HMGCRB)を同定した。LipitorTM応答者と非応答者との間で統計的に分離できるようにHMGCR遺伝子中の2つの遺伝的特徴の全体を同定した。LipitorTM応答者と非応答者との間で分離できる最適なハプロタイプ系として、LipitorTM患者において1,110の可能なHMGCR SNPの組み合わせのスクリーニングより、HMGCRBを発見した。HMGCRは、スタチンクラスの薬物についての分子標的である。LDL表示を用いて測定されるLipitorTM応答と、HMGCRB遺伝子型(表6-5)またはTCレベル(表6-6)との間の遺伝的依存性について、帰無仮説(Ho)を試験した。
第1に、LipitorTMに対するLDL応答が任意の特定のHMGCRB遺伝子型と関連していないという帰無仮説(Ho)を試験した。換言すれば、種々の遺伝子型グループのLipitorTM患者におけるLDLの違いの平均値(LipitorTM前のLDLレベル−LipitorTM後のLDLレベル)が0であるかどうかを試験した(すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0)。
(表6-5)遺伝子-HMGCR、ハプロタイプ系:809125|712050|712044|664793;薬物-LipitorTM;試験-LDL
Figure 2005508612
表6-5.HMGCRBハプロタイプ系の遺伝子型クラスにおけるLipitorTM応答についての統計の要約(LDLの変化によって測定)。遺伝子型を最も左に示し、第2のカラムに患者の数(「n」)、第3のカラムに平均の応答、最後の2つのカラムに統計学的な効果および関連するp-値を示す。(有意である)
この結果は、患者集団においてLipitorTMに対する高度に有意な応答を示す(表6-5、7行目、「合計」)。特に、LipitorTMは、CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/TGTA遺伝子型の個体について低コレステロールレベルの減少に影響を与えるようである。CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/TGTA遺伝子型の個体において、薬物前対薬物後のLDLレベルの違いの平均値は、それぞれ、32.9524および39.5714である。これらの減少は、高度に有意であることが見い出される(それぞれ、P<0.00005およびP=0.0225)。他の遺伝子型、CGTA/CGCA、CGTA/CGTC、およびCGTA/CATAは、処置によって有意に減少しない平均的なLDL応答を示した。CGTA/CGCAを有する個体は、LipitorTM治療を開始後、実際にLDLレベルの平均的な増加を示した。
LDL応答の代わりにTC応答が使用された場合、同じ結果が得られた。総コレステロールレベル(tc)の減少に薬物の効果が存在しないという帰無仮説(Ho)(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(tc)の違い(試験日の前−試験日の後)の平均値が0である)を試験した(すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0(表6-6))。
(表6-6)
遺伝子-HMGCR、マーカー:809125|712050|712044|664793;薬物-LipitorTM;試験-TC
Figure 2005508612
表6-6.HMGCRBハプロタイプ系の遺伝子型クラスにおけるLipitorTM応答についての統計の要約(TCの変化によって測定)。遺伝子型を最も左に示し、第2のカラムに患者の数(「n」)、第3のカラムに平均の応答、最後の2つのカラムに統計学的な効果および関連するp-値を示す。(有意である)
この結果は、患者集団においてLipitorTMに対する高度に有意な応答を示す(表6-6、6行目、「合計」)。特に、LipitorTMは、CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/TGTA遺伝子型の個体について低コレステロールレベルの減少に影響を与えるようである。CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/TGTA遺伝子型を有する個体について、違いの平均値(薬物前のTCレベル−薬物後のTCレベル)は39.1957、34.7143であり、有意に減少していることが見い出された。他の遺伝子型、CGTA/CGCA、CGTA/CGTC、およびCGTA/CATAは、処置によって有意に減少しない平均的なTC応答を示した。
LIPITORTMクラシファイアーの開発のための特徴モデリング
HMGCRBハプロタイプによるLipitorTM応答の解決のためのp-値は、CYP3A4Cハプロタイプ系のためのものよりも大きかったので、CYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプの対(遺伝子型)による可変性のLipitorTM応答の分類樹分析のための根として、CYP3A4Cハプロタイプ系を使用した。この遺伝子特徴のモデリングの方法は、T.Frudakis、2002年5月28日に出願された米国特許出願第10/156,995号において記載されている。
大部分のCYP3A4C:ATGC/ATGC個体はLipitorTMに応答したが、数名の個体は応答しなかった。分類樹の構築プロセスの一部として、CYP3A4C:ATGC/ATGC個体はHMGCR遺伝子におけるハプロタイプについてタイプ付けされた。構築された分類樹より、HMGCRBハプロタイプ系は効果的にLipitorTM応答者と非応答者(CYP3A4C ATGC/ATGC遺伝子型を有する)との間を分離することが観察された(FST P=0.081+/−0.029)。対照的に、他の遺伝子についてのハプロタイプ系は、CYP3A4C:ATGC/ATGC応答者および非応答者との間を分離する能力を示さなかった。CYP2D6ハプロタイプの分布についてのF統計P値は、ハプロタイプ系に依存して、0.56〜0.89の範囲にわたった。
CYP3A4ハプロタイプ系およびHMGCRハプロタイプ系の特徴を使用して開発された分類樹からの組み合わせた結果は、32のうちの29(91%)のCYP3A4C:ATGC/ATGC、HMGCRB:CGTA/CGTA個体がLipitorTMに応答したが、10のうちの6(60%)のみのCYP3A4C:ATGC/ATGC、HMGCRB:個体がLipitorTMに応答したことを示す(表6-5)。これは非常に重要な観察であった。HMGCRまたはCYP3A4遺伝子のいずれかにマイナーなハプロタイプを有する個体がLipitorTMに応答しない傾向を示すことが示された。例えば、表6-6および表6-7を考慮されたい。ここでは、HMGCRB遺伝子型がCYP3A4 ATGC/ATGC個体(メジャーなCYP3A4ハプロタイプの2コピーを有する個体)についてカウントされる。このグループ内では、非応答者の大部分がマイナーなHMGCRハプロタイプ(CGTAではない)を有し、非応答者に対する応答者の比率は、CGTA/CGTA個体についてよりもこれらの個体について有意に低い。この効果は、HMGCRBハプロタイプおよびCYP3A4Cハプロタイプについて高度に特異的である。最も大量にあるゼノバイオティックメタボライザー遺伝子と考えられているCYP2D6遺伝子を考慮した場合;この遺伝子の遺伝子型と応答との間には依存性が存在しない(表6-8)。7,000を超えるSNPの組み合わせが試験されたが、それらのいずれもが全般的にこの患者のサブグループまたはLipitorTM患者において応答とは有意に関連しなかった。
本発明者らが、本発明者らが記載する特定のハプロタイプ系に関してCYP3A4遺伝子またはHMGCR遺伝子のいずれかについてメジャーなハプロタイプ(それぞれATGCおよびCGTA)を示すために「メジャー」を使う場合には;また、いずれかの遺伝子についてマイナーなハプロタイプを示すために「マイナー」を使う場合には、2つの遺伝子分析の分解は、両方の遺伝子についてメジャーなハプロタイプの2つのコピーを有する個体がそうでない個体よりもLipitorTMに対して応答する傾向が大きいことを明確に示す。
結論:
このように、LipitorTMおよびZocorTM応答のための分類樹「解決」(または薬理遺伝学的クラシファイアー)は全く単純である。表6-8は、最終的なカウントを示す。メジャーなCYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプについて複合ホモ接合体である患者は、約91%の倍率で応答者である。他は66.7%の倍率でのみ応答する。従って、患者がメジャーなCYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプについて複合ホモ接合体でない場合には、彼らは好ましく応答する可能性が比較的低く、他の処置オプションを考慮する可能性がある。ここに記載した例は、他の処置(例えば、ナイアシン処理)(これは、スタチンと組み合わせて一般に投与される)または食餌療法の変更については補正しなかった。スタチンは、現在のFDA推奨に一致した様式で本研究において個体に処方され;食餌療法の変更はほとんど常に患者によって要求されたということが想定された。本発明者らのデータによりコンプライアンスを評価することはできないが、コンプライアンスはどのハプロタイプ系または遺伝子が分析されたかに関わらず同じであるため、スタチン応答に関連するハプロタイプ系の知見は、研究の参加者、彼らの食事、彼らの摂取した他の医薬、彼らの性別、または彼らの年齢に関わらず、意義深いことである。
(表6-7)
Figure 2005508612
表6-7.CYP3A4C ATGC/ATGC遺伝子型を有するLipitorTM患者のHMGCRB遺伝子型のカウント。種々の総コレステロール(TC)応答(ベースラインと比較して増加(INCR)または減少(DECR))を示す各遺伝子型についてのカウントを示す。遺伝子型はハプロタイプの二倍体対であり、第1のカラムに示される。種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
(表6-8)
Figure 2005508612
表6-8.図5に提示されたデータの要約であって、LipitorTM応答に基づくCYP3A4C:ATGC/ATGC患者のHMGCRB遺伝子型のカウントを示す。応答者は総コレステロールレベルの減少を伴ってLipitorTMに応答した個体であり、非応答者は総コレステロールレベルの増加を伴うかまたは変化を伴わずに応答した個体である。
(表6-9)
Figure 2005508612
表6-9.種々の応答を示すLipitorTM患者の2D6ST1105遺伝子型のカウント。応答は、ベースラインと比較した、処方後の総コレステロール(TC)の増加(INCR)または減少(DECR)によって測定する。遺伝子型はハプロタイプの二倍体対であり、第1のカラムに示される。種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
(表6-10)
Figure 2005508612
表6-10.メジャーな(+)およびマイナーな(-)CYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプのカウントによるLipitorTM応答の要約。応答は、ベースラインと比較した、処方後の総コレステロール(TC)レベルの減少(ポジティブ応答)または、ベースラインと比較した、TCレベルの増加もしくはTCレベルの変化がないこと(ネガティブ応答)によって測定する。
実施例7
ZOCORTM応答についての遺伝的解決
この実施例は、ZocorTMに対する応答に関するCYP3A4遺伝子におけるハプロタイプを同定する。ZocorTMを投与された患者についての同様の、より劇的でさえある傾向が観察された。24の遺伝子におけるSNPの組み合わせをZocorTM応答との関連性(すなわち、総コレステロール(TC)および低密度リポタンパク質(LDL)のレベルの割合の増加または減少に基づいて、ZocorTM患者を回復させる、それらの構成成分のハプロタイプ対立遺伝子の能力)についてスクリーニングした。使用した方法は、本明細書中に開示されるSNPについて表4に列挙されたプライマーとともに、実施例2に全体的に記載されたものである。この分析のためのストラテジーは実施例6においてLipitorTM患者にのためにすでに記載されたものと同一であった。1,434の試験された候補ハプロタイプ系のうちでCYP3A4Cハプロタイプ系の対立遺伝子がそれらの応答に基づいてZocorTM患者を回復させる際に最も良好であった(FST P=0.045+/−0.015)(表7-1)。これは、実施例6においてLipitorTMについて同定された同じハプロタイプ系である。ATGCハプロタイプが全体的な集団中で最も頻度が高く、一方ATGC/ATGC個体は41/45回(91%)のTCレベルの減少(DECR)を伴ってZocorTMに応答し、他のハプロタイプの組み合わせを有する個体は8/13回(62%)のみで応答した(表7-1)。
(表7-1)
Figure 2005508612
表7-1.種々の応答を示すZocorTM患者のCYP3A4C遺伝子型のカウント。応答は、ベースラインと比較した、処方後の総コレステロール(TC)の増加(INCR)または減少(DECR)によって測定する。遺伝子型はハプロタイプの二倍体対であり、第1のカラムに示される。種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
HMGCRハプロタイプおよびZocorTM応答
ZocorTMに対する応答に関するハプロタイプを同定するために、HMGCR遺伝子の統計学的分析を実行した。HMGCRハプロタイプおよび、各HMGCR遺伝子型においてコレステロールレベル(LDL)を減少させる薬物の効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(LDL)の違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)を調べるためにLDLデータについて片側両側t-検定(one-sided paired t-test)を行った。
(表7-2)
Figure 2005508612
表7-2.各HMGCRB(マーカー:809125|712050|712044|664793)遺伝子型について、コレステロール(LDL)レベルを減少させるZocorTMの効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(LDL)レベルの違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)の試験-すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0。(有意である)。
この分析は、全体的な集団中で、ZocorTMの使用は、LDL表示の見地から、有意な応答(37.98、P<0.00005)と関連する(表7-2、6行目)ことを示した。この減少は、HMGCRBハプロタイプに関連する。詳細には、ZocorTMの使用は、CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/CGTC遺伝子型の個体におけるLDLコレステロールレベルの減少と関連する。CGTA/CGTA遺伝子型およびCGTA/TGTA遺伝子型の個体について、LDLコレステロールにおける平均のLDLの違い(薬物の日付前-薬物の日付後)は、それぞれ、41.8810および43.0である。これらの値は有意である(それぞれ、P<0.00005およびP=0.0385)。他の遺伝子型、CGTA/CGTC、CGTA/CATA、およびCGTA/CGCAは、ZocorTM患者におけるLDL減少と有意には関連しないことが見い出された。
次に、HMGCRハプロタイプを調べるために、および、各HMGCR遺伝子型において総コレステロール(TC)を減少させる薬物の効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおける総コレステロール(TC)の違い(試験の日付前-試験の日付後)の平均値が0である)を調べるために、総コレステロール(TC)データについて片側両側t-検定を実行した。
(表7-3)
Figure 2005508612
表7-3.各HMGCRB(マーカー:809125|712050|712044|664793)遺伝子型について、総コレステロール(TC)レベルを減少させるZocorTMの効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおける総コレステロール(TC)レベルの違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)の試験-すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0。(有意である)。
この分析は、全体的な集団中で、ZocorTMの使用は、TC表示の見地から、有意な応答(33.16、P<0.00005)と関連する(表7-3、6行目)ことを示した。この応答は、HMGCRBハプロタイプに関連する。詳細には、ZocorTMの使用は、CGTA/CGTA遺伝子型の個体におけるTCコレステロールレベルの減少と関連する。CGTA/CGTA遺伝子型の個体について、LDLコレステロールにおける平均のTCの違い(薬物の日付前-薬物の日付後)は、38.9565であり、統計学的に有意である。他の遺伝子型、CGTA/CGTC、CGTA/CATA、CGTA/CATA、およびCGTA/CGCAは、ZocorTM患者においてLDLの減少と有意には関連しないことが見い出された。
CYP3A4ハプロタイプおよびZocorTM応答
ZocorTMに対する応答に関するハプロタイプを同定するために、CYP3A4遺伝子の統計学的分析を実行した。CYP3A4ハプロタイプおよび、各CYP3A4遺伝子型においてコレステロールレベル(LDL)を減少させる薬物の効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(LDL)の違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)を調べるためにLDLデータについて片側両側t-検定を行った。
(表7-4)
Figure 2005508612
表7-4.各CYP3A4C(マーカー:809125|712050|712044|664793)遺伝子型について、コレステロール(LDL)レベルを減少させるZocorTMの効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおけるコレステロール(LDL)レベルの違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)の試験-すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0。(有意である)。
この分析は、全体的な集団中で、ZocorTMの使用は、40.16LDL単位の有意な減少と関連する(表7-4、6行目)ことを示した。この減少は、CYP3A4Cハプロタイプに関連する。詳細には、ZocorTMの使用は、ATGC/ATGC遺伝子型の個体におけるLDLコレステロールレベルの減少と関連する(P<0.00005)。この遺伝子型を有する個体について、平均のLDLの減少は45.8605である。1つのマイナーな対立遺伝子を有する遺伝子型の場合、LDLの減少は有意でなかった。
次に、CYP3A4Cハプロタイプを調べるために、および、各CYP3A4C遺伝子型において総コレステロール(TC)を減少させる薬物の効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおける総コレステロール(TC)の違い(試験の日付前-試験の日付後)の平均値が0である)を調べるために、総コレステロール(TC)データについて片側、両側t-検定を実行した。
(表7-5)
Figure 2005508612
表7-5.各CYP3A4C(マーカー:809114|664803|712037|869772)遺伝子型について、総コレステロール(TC)レベルを減少させるZocorTMの効果が存在しないという帰無仮説(すなわち、各遺伝子型グループにおける総コレステロール(TC)レベルの違い(試験日前-試験日後)の平均が0である)の試験-すなわち、H0=dバー=0 H1に対して:dバー>0。(有意である)。
この分析は、全体的な集団中で、ZocorTMの使用は、TC表示による有意な応答(34.81、P<0.00005)と関連する(表7-5、6行目)ことを示した。この応答は、CYP3A4Cハプロタイプに関連する。詳細には、ZocorTMの使用は、ATGC/ATGC遺伝子型の個体におけるTCコレステロールレベルの減少と関連する。この遺伝子型において、TCの減少の平均は41.5532である。1つのマイナーな対立遺伝子を有する遺伝子型の場合、LDLの減少はZocorTM患者において有意でなかった。
ZocorTMクラシファイアーの開発のための特徴モデリング
LipitorTMの場合と同様に、ZocorTM応答者と非応答者との間を統計学的に分類し得るように合計2つの遺伝的特徴を同定した。2番目の特徴はHMGCRBハプロタイプ系であった。これは、1,110の可能なHMGCR SNPの組み合わせのスクリーニングから発見された。CYP2D6およびCYP2C9のような遺伝子におけるハプロタイプ系は、良好な特徴を形成しなかった。HMGCRBハプロタイプによるZocorTM応答の分解についてのp-値は、CYP3A4Cハプロタイプ系についてのものよりも大きかったので、本発明者らは、CYP3A4Cハプロタイプ系を、CYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプの対(遺伝子型)による可変性のZocorTM応答の分類樹分析のための根として使用した。この遺伝子特徴のモデリングの方法は、T.Frudakis、2002年5月28日に出願された米国特許出願第10/156,995号において記載され、これはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
分類樹の構築プロセスの一部として、本発明者らはCYP3A4C:ATGC/ATGC個体をHMGCR遺伝子におけるハプロタイプについてタイプ付けした。構築された分類樹より、本発明者らは、HMGCRBハプロタイプ系が効果的にZocorTM応答者と非応答者(CYP3A4C ATGC/ATGC遺伝子型を有する)との間を分離することを観察した。大部分のCYP3A4C:ATGC/ATGC個体はZocorTMに好ましく応答するが、数名の個体は応答しない。HMGCRBハプロタイプ系は、応答者と非応答者との間の遺伝的な区別についての次の良好なp-値を示した。従って、この患者のグループにおける偏った応答の不均一な成分を「説明する」ための試みにおいて、HMGCRB遺伝子型を、遺伝的分類樹の構築の間にCYP3A4C ATGC/ATGC個体間でカウントした(表7-6)。
(表7-6)
Figure 2005508612
表7-6.CYP3A4C ATGC/ATGC遺伝子型を有するZocorTM患者のHMGCRB遺伝子型のカウント。種々の総コレステロール(TC)応答(ベースラインと比較した増加(INCR)または減少(DECR))を示す各遺伝子型のカウントを示す。遺伝子型は、第1のカラムに示したハプロタイプの二倍体対であり、種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
ZocorTM応答のこの2つの遺伝子のハプロタイプ分析から合わせた結果を表7-7に示す。CYP3A4メジャーハプロタイプ(ATGC)の2コピーおよびHMGCRメジャーハプロタイプ(CGTA)の2コピーを有する個体はほとんど常にZocorTMに対して好ましく応答したが(39/40または98%の倍率)、一方マイナーなCYP3A4ハプロタイプまたはHMGCRハプロタイプを有する個体は半分のみの倍率で好ましく応答した(10/22または45%の倍率)。
(表7-7)
Figure 2005508612
表7-7.メジャーな(+)およびマイナーな(-)CYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプのカウントによるZocorTM応答の要約。応答は、ベースラインと比較した、総コレステロール(TC)レベルの減少(ポジティブ応答)または、ベースラインと比較した、TCレベルの増加もしくはTCレベルの変化がないこと(ネガティブ応答)によって測定する。
CYP3A4ハプロタイプ系およびHMGCRハプロタイプ系の特徴を用いて開発された分類樹からの合わせた結果は、CYP3A4C:ATGC/ATGC、HMGCRB:CGTA/CGTA個体の38/39(97%)がZocorTMに応答したが、他の個体の10/22(45%)のみがZocorTMに応答したことを示す(表7-7)。
HMGCR遺伝子またはCYP3A4遺伝子のいずれかにマイナーなハプロタイプを有する個体は、ZocorTMに応答しない傾向を示した。例えば、表7-7を考慮されたい。ここでは、HMGCRB遺伝子型がCYP3A4 ATGC/ATGC個体(メジャーなCYP3A4ハプロタイプの2コピーを有する個体)についてカウントされる。このグループ内では、非応答者の大部分がマイナーなHMGCRハプロタイプ(CGTAではない)を有し、非応答者に対する応答者の比率は、CGTA/CGTA個体についてよりもこれらの個体について有意に高い。この効果は、他の遺伝子についての他のハプロタイプ系では見られなかった。CYP2D6遺伝子を考慮した場合(CYP2D6は最も大量にあるゼノバイオティックメタボライザー遺伝子と考えられている);この遺伝子の遺伝子型と応答との間には依存性が存在しない(結果は示していない)。7,000を超えるSNPの組み合わせが試験され、それらのいずれもが全般的にはこの患者のサブグループまたはZocorTM患者において応答とは有意には関連しなかった。
CYP3A4遺伝子またはHMGCR遺伝子のいずれかについてメジャーなハプロタイプ(本発明者らが記載した特定のハプロタイプ系に関して;それぞれATGCおよびCGTA)を示すために、「メジャー」を使う場合には、および、いずれかの遺伝子についてマイナーなハプロタイプを示すために「マイナー」を使う場合には、2つの遺伝子分析の分解は、両方の遺伝子についてのメジャーなハプロタイプの2つのコピーを有する個体がそうでない個体よりもZocorTMに対して応答する傾向が大きいことを明確に示す。
結論:
このように、ZocorTM応答のための分類樹「解決」(または薬理遺伝学的クラシファイアー)は全く単純である。表7-7は、最終的なカウントを示す。メジャーなCYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプについて複合ホモ接合体である患者は、約97%の倍率で応答者である。他は45%の倍率のみで応答する。従って、患者がメジャーなCYP3A4CハプロタイプおよびHMGCRBハプロタイプについて複合ホモ接合体でない場合には、彼らは好ましく応答する可能性が比較的低く、そして他の処置オプションを考慮する可能性がある。ここに記載した例は他の処置(例えば、ナイアシン処理)(これは、スタチンと組み合わせて一般に投与される)または食餌療法の変更については補正しなかった。本発明者らは、スタチンは現在のFDA推奨に一致した様式で本研究の一部において個体に処方され;食餌療法の変更はほとんど常に患者によって要求されたということを想定した。本発明者らのデータによりコンプライアンスを評価することは可能ではないが、コンプライアンスはどのハプロタイプ系または遺伝子が分析されたかに関わらず同じであるため、スタチン応答に関連するハプロタイプ系の知見は、研究の参加者、彼らの食事、彼らの摂取した他の医薬、彼らの性別、または彼らの年齢に関わらず、意義深いことである。
実施例8
ProvacholTM応答についての遺伝的解決
前記実施例において記載された結果は、LipitorTMまたはZocorTMに対する患者の応答を予測する方法を提供する。この方法を他のスタチンに拡張するための試みがなされた(すなわち、実施例7および8に開示されているハプロタイプを使用する)。例えば、PravacholTM応答を本方法を用いて解析した。しかし、分析される患者の数が限られているPravacholTMの効力は、統計学的に有意な様式でCYP3A4C遺伝子型と相関しないことが見い出された(表8-1)。CYP3A4C ATGC/ATGC個体中で、HMGCRB遺伝子型はまた、PravacholTMの効力とは有意に相関しなかった(表8-2)。実際に、PravacholTM応答の型は、分析された患者において、2D6SG1107遺伝子型とも有意に相関しなかった(示さず)。限られた試料サイズを用いたこれらの研究における有意性の欠如にも関わらず、本発明に従って遺伝子型決定され、LipitorTMまたはZocorTMに対して応答する可能性が比較的低い遺伝子型を有することが見い出された被験体は、PravacholTM処置のための良好な候補であると考えられる。
(表8-1)
Figure 2005508612
表8-1.種々の応答を示すPravacholTM患者のCYP3A4C遺伝子型のカウント。応答を、ベースラインと比較した、処方後の総コレステロール(TC)の増加(INCR)または減少(DECR)によって測定した。遺伝子型は、第1のカラムに示したハプロタイプの二倍体対であり、種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
(表8-2)
Figure 2005508612
表8-2.CYP3A4C ATGC/ATGC遺伝子型を有するPravacholTM患者のHMGCRB遺伝子型のカウント。種々の総コレステロール(TC)応答(ベースラインと比較した増加(INCR)または減少(DECR))を示す各遺伝子型のカウントを示す。遺伝子型は、第1のカラムに示したハプロタイプの二倍体対であり、種々の応答は、最も乏しい応答(最も左;>5%INCR)から最も良好な応答(>20%DECR、最も右)まで、表の一番上にわたって示される。
CYP3A4ハプロタイプを用いて、LipitorTM患者およびZocorTM患者は回復され得るが、おそらくPravacholTM患者はそうではないという知見は、これらの薬物の代謝についての文献から公知であることと一致する;LipitorTMおよびZocorTMの両方はCYP3A4によって代謝されるが、PravacholTMはCYP3A4によって代謝されないことが知られている(Igelら、Eur. J. Clin. Pharmacol., 57(5): 357 (2001);Chongら、Am. J. Med. 111(5): 390-400 (2001);Cohenら、Biopharm. Drug Dispos. 21(9): 353-64 (2000))。実際、PravacholTMは、シトクロムP450系を通しては全く代謝されないことが知られている。したがって、文献が正しければ、PravacholTM応答に関連するCYP3A4または他のいかなるCYP遺伝子中の遺伝的マーカーを見出すことは期待できないであろう。しかし、本明細書中に開示されたハプロタイプは、CYP3A4によって代謝される他のスタチンに関する応答を推定する際には有用であることが期待される。この実施例に提示される結果は、これらの文献報告とは関わりなく体系的に得られた。これらが以前の研究から引き出された結論を支持するという事実は、これらの真実性を強調する。
実施例9
LipitorTMまたはZocor応答と関連するSNP対立遺伝子のスクリーニング
LipitorまたはZocor応答と統計学的な関連性を有する対立遺伝子を同定するために、本発明者らは数百のSNPの対立遺伝子をスクリーニングした。関連性の強さは、デルタ値(Shriverら、Am. J. Genet., (2002)、Shriverら、Am. J. Genet., 60: 1558 (1997))を用いて測定する。これは、カイ二乗統計と逆の関係にある(この値が高くなると関連性が強くなる)。このデルタ値は、1つのグループ(この場合は応答者)と別のグループ(この場合は非応答者)との間の対立遺伝子の比率の違いを測定する。全般的に、本発明者らは、0.15よりも高いデルタ値を有するSNPを選択したが、デルタ値は試料サイズに対して非常に感受性であるわけではないので、本発明者らは、全体の試料(応答者および非応答者を合わせて)中におけるマイナーな対立遺伝子についての20カウントよりも少ないカウントを有する0.15より上のデルタ値有するものを破棄する。全体として、本発明者らは、ゼノバイオティック代謝遺伝子および他の遺伝子から862のSNPを調査した。そして本発明者らは以下の表に有意な知見のみを提示する。「有意な」デルタ値を有するSNPのみをここに列挙し、そしてそれらの配列を図3および配列表の配列番号:43〜234に示す。薬物反応は単純な遺伝学的形質ではないので、カイ二乗検定のような試験からの任意のp<0.05判断基準を選択することは合理的ではない。なぜなら、主にまたは実質的に上位性を通しての遺伝的な変動に寄与する遺伝子座の限界的効果が見落とされるからである(相加性および/または優性を通して寄与するもののみが認識される)。本発明者らの経験において(Frudakisら、2002b)、0.10よりも大きいデルタ値に基づいてSNPを選択することは、遺伝的な分類について、カイ二乗p<0.05判断基準を用いるよりも良好な結果を生じる(すなわち、デルタ値判断基準に基づいて選択されたものは、カイ二乗判断基準に基づいて選択したものよりも良好に一般化するクラシファイアーを構築するために有用であることがわかった)。本発明者らは、たとえそれらのカイ二乗p-値が0.05よりも下でないかもしれないとしても、本発明者らのスクリーニングからここで提示したSNPを主張することを正当と考えることは、この経験に基づく(Frudakisら、2002b)(実際、0.10に近いデルタ値を有するものは通常、関連性の有意性に近づいているが0.05よりも下でないカイ二乗p-値を有する)。
この実施例の各々の表について、遺伝子はそのGENBANKの略名で示され、マーカー番号はSNPについての独特の識別子である。対立遺伝子についてのカウントは、20%応答者または有害な応答者グループについて示され(表の左側)、そして残りを表の右側に示す。G1 A1は第1の対立遺伝子であり、それに続く「NO」はそのグループにおけるこの対立遺伝子についてのカウントである。一方、G2 A2は第2の対立遺伝子であり、それに続く「NO」はその同じグループにおけるこの対立遺伝子についてのカウントである。試料サイズもまた示される。表の右の方には、応答者対他のグループの間のカウントの区別のためのデルタ値、また、SNPの対立遺伝子が応答者グループの1つとどの程度良好に関係するかの別の統計的測定値である、EAE値が示される。
これらの3つのOCA2 SNPの対立遺伝子は連鎖不均衡にあると思われる(G2 A1カウントが非応答グループにおいて3つそれぞれについて同様であることに注意されたい)。これらのマーカーは、良好な家系情報を与えるマーカー(ancestry informative marker; AIM)であるので、本発明者らは、ZOCORに対する可変性のLDL応答への有意な祖先の構成成分が存在する可能性があると結論する。この祖先の構成成分は、混合の連関を通して、まだ未知である遺伝子座のいくつかのものとの連鎖の検出を可能にするかもしれないし(Shriverら、2002)、または、祖先の構成成分はいわゆる「偽陽性」を生じるかもしれない。しかし、文献は、ZOCORまたはLIPITOR応答は、人種間でほとんど違いがないことを示唆する。また、有意なデルタ値を有しなかった他の87のマーカーの大部分もまた、優秀なAIMである(Frudakisら、2002)。実際に、最も強いOCA2、TYR AIMはこのリストにはない。良好なAIMであるすべてのSNPがこのリストにあるわけではない(例えば、TYR遺伝子については、TYRP1遺伝子、MC1R遺伝子など)ということは、祖先の区分の特定の染色体領域が(特に、OCA2遺伝子座の近傍)この特定の薬剤に対するLDL応答について重要であること、および、本発明者らが、応答者および非応答者におけるディファレンシャルな混合を通して、この連鎖を検出したことを示唆し得る。上記に規定したOCA2マーカーと連鎖した遺伝子座は、以下に示すTC応答と、または上記に示したLIPITORTMに対するLDL応答と関連していないようである。
このことは、薬物クラシファイアーの開発のための非常に重要な点を提起する。OCA2の関連性は集団のサブ構造の存在を暗示し、そしてそれらはまた、少なくともLDL応答の点から、可変性LIPITORTM応答に対応する集団間(祖先の)構成成分の存在を暗示する。従って、上記に列挙した遺伝子およびマーカーがLIPITORTM代謝に関与するか否か、または、それらが祖先のグループ混合とのそれらの関連によってのみ、可変性の代謝と関連するか否かは未知である。従って、この研究から、この実施例に開示した遺伝子およびマーカーが実際に生化学的または細胞的な意味で可変性の応答に関連していると結論付けることはできない。しかし、この実施例の目的は、可変的な応答の遺伝的な決定因子を同定することではなく、むしろ応答を予測する遺伝的クラシファイアーを開発することであり、そして、いくつかの可変性応答が祖先の混合によるのであれば、全般的な(混合された)集団中での応答について正当な分類ツールとしてこの混合のマーカーを考慮することは正当なことである。
もう一つの非常に重要な点は、すべてのAIMが可変性のLDL応答のための良好なマーカーを形成するわけではないことである。連鎖不均衡の程度は、混合された集団中では極端であり得るので-例えば、数メガベース(Shriverら、2002)、本研究はOCA2マーカーを有する祖先を測定するだけでなく、混合された集団中で混合連鎖効果を測定するということがあり得る。この点に関して、可変性のLDL応答と関連する色素遺伝子SNPのすべてを加え、それらが説明する可変性の割合を計算すること(例えば、回帰分析を通して)は、試験されてきたが、集団においてディファレンシャルな祖先の割合の未知のマーカーであるとして説明される、一連のゼノバイオティック代謝遺伝子を用いて説明できなかった可変性の構成成分を与える可能性が高い。OCA2は第19染色体上にあるので、この染色体上に他のLIPITORTM-LDL応答遺伝子が存在することが疑われる。
(表9-1)LDLの減少によるLIPITOR応答と関連するSNP
その他(G2)に対する20%応答者(G1)
Figure 2005508612
コーカソイド試料のみが分析された場合、上記のSNPが同じ関連性を示したが、以下のSNPも同定された。
(表9-2)LDLの減少によるLIPITOR応答と関連するSNP
その他(G2)に対する20%応答者(G1)
Figure 2005508612
表9-1の複数の人種の試料において、以下の遺伝子(SNP)が提示された:UGT1A1(2)、PON3(1)、CYP2D6(4)、いくつかの色素遺伝子SNP(5)、GSTM1(3)、CYP2E1(1)、CYP4B1(3)、ESD(1)、ACE(7)、AHR(1)、CYP2C8(1)、CYP2B6(2)、CYP3A5(1)、CYP1A2(1)。CYP3A4、HMGCR、HMGCS1のような遺伝子は、LDL応答について検出されなかった。OCA2およびTYRのような良好なAIMは検出されなかった。表9-2のコーカソイドの分析において、関連性が確認され、色素遺伝子の関連性の大部分が消失した。GSTM1(2)、CYP4B1(2)、CYP2D6(3)、UGT1A1(2)、およびESD(2)。合わせた結果は、5つの遺伝子:CYP2D6、GSTM1、CYP4B1、ESD、およびUGT1A2におけるSNPがLIPITORTMに対する変動するLDL応答と関連することを例証する。
(表9-3)人種に関わりないすべての患者における総コレステロール(TC)減少によるLIPITORTM応答(G2-その他に対するG1-20%応答者)
2つのグループについてのメジャーな対立遺伝子に対するマイナーな対立遺伝子の比率は2:1:1:1に近かったため、この場合、0.15よりも小さいデルタ値を有するいくつかのSNPは許容された。この値の性質はデルタ値が常に獲得するとは限らないものである(しかし通常は獲得する)。
Figure 2005508612
(表9-4)総コレステロール(TC)減少によるコーカソイドのLIPITORTM応答(G2-その他に対するG1-20%応答者)
2つのグループについてのメジャーな対立遺伝子に対するマイナーな対立遺伝子の比率は2:1:1:1に近かったため、この場合、0.15よりも小さいデルタ値を有するいくつかのSNPは許容された。この値の性質はデルタ値が常に獲得するとは限らないものである(しかし通常は獲得する)。
Figure 2005508612
表9-3の複数の人種のデータにおいて、以下の遺伝子が、LIPITORTMに対する可変性のTC応答との関連性について、リスト上で1つより多いSNPを有した:MYO5A(8)、CYP4B1(4)、CYP2B6(2)、GSTT2(2)、CYP2C8(3)、SILV(2)およびCYP2E1(2)。表9-4のコーカソイドの分析において、以下の遺伝子が、LIPITORTMに対する可変性のTC応答と関連した1つより多いSNPを有した:GSTM(2)、CYP2C8(7)、OCA2(2)、GSTT2(4)。従って、CYP2C8遺伝子、GSTM遺伝子、およびGSTT2遺伝子がLIPITORTMに対する可変性のTC応答に最も強力な制御を発揮すると結論付けられる。これらの関連はあまりに強力なので単一のSNPのレベルで検出され得る(本発明者らが以前に記載したハプロタイプ関連の大部分とは異なる)。彼らの人種の知見を伴わずに個体に向けた試験を適用した場合、MYO5A遺伝子もまた、有益であった。興味深いことに、HMGCR、HMGCS1、または他のゼノバイオティック代謝遺伝子(例えば、CYP3A4またはCYP2C9)からのSNPは同定されなかった。明らかに、本願中に以前に記載した、HAPLOSCOPE法を用いて本発明者らが同定したHMGCR対立遺伝子およびCYP3A4対立遺伝子は、それら自体ではLDL/TC応答とは有意に関連していないが、それらのそれぞれの遺伝子における他の遺伝子座の文脈においては全く有意である。
(表9-5)人種に関係ない個体のLIPITORTMSGOT20%応答
本発明者らは、LIPITORTM投与後SGOTの表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他の個体(G2)からの遺伝子型を比較する。このスクリーニングのために、0.125より低いデルタ値を有するSNP、およびデルタ値は0.125より上であるが10(20ではない)(集団における有害な反応の希少性に起因する)より少ないマイナーな対立遺伝子サンプルサイズを有するSNPを除外した。
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
表9-5は、104にも達するSNPがLIPITORTMによって誘発された20%より大きいSGOT増加と関連することを示す。試験した他の約700のSNPは関連しなかった。104の関連したSNPのうち、GSTA2遺伝子(11SNP)、GSTT2遺伝子(11SNP)、CYP2C9遺伝子(4SNP)、CYP2C8遺伝子(9SNP)、CYP4B1(5)、およびCYP2D6(4SNP)遺伝子におけるSNPが、デルタ値、協力関係の見積もり(estimates of affiliation; EAE)の点から、およびリスト上のこれらの遺伝子の各々におけるSNPの数の点から、有害なSGOT応答の例外的に強力なマーカーである。0.20より大きなデルタ値を有すると同定された各遺伝子中の多数のSNPだけではなく、多くが、特定の対立遺伝子のみが応答者または非応答者グループに存在したという点で、絶対的に応答を示す対立遺伝子を有した(上記の表の太字を参照されたい)。例えば、GSTT2140187マイナー対立遺伝子を有する19/20の個体がSGOTレベルの20%の増加を経験し、そしてGSTA21051536マイナー対立遺伝子を有する22/26の個体が同様に応答する。CYP2C9もまた、重要な役割を演じるようである-マイナーなCYP2C9RS2860905対立遺伝子を有する24のうちの21個体が20%増加を伴わずにLIPITORに応答し、このマイナーな対立遺伝子は予防的効果に寄与し得る。コーカソイドに限れば(表9-6)、この分析は、はるかに少ないSNPが関与し、以下の遺伝子がSGOT上昇と関連する複数のSNPを有することを示す:GSTT2(8)、GSTA2(11)、CYP2C8(4)、CYP2C9(2)、DCT(3)、CYP4B1(2)。2つのスクリーニングを組み合わせると、GSTT2、GSTA2、CYP2C8、CYP2C9、およびCYP4B1の対立遺伝子が、生物学的に意味のある様式でLIPITORTM患者におけるSGOT上昇と関連することを十分な確信をもって断言できる。未知の祖先の個体においても、DCT遺伝子、MYO5A遺伝子、AP3D遺伝子、およびAIM遺伝子はまた、有用なマーカーを含む。
(表9-6)コーカソイド家系のみの個体のLIPITORTMSGOT20%応答
本発明者らは、LIPITORTM投与後SGOT表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他の個体(G2)からの遺伝子型を比較する。このスクリーニングのために、有害な応答者の試料により、本発明者らは、0.23より低いデルタ値を有するもの、およびデルタ値は0.23より上であるが15より少ないマイナーな対立遺伝子サンプルサイズを有するものを除外した。
Figure 2005508612
(表9-7)LIPITORTMALTGPT20%応答
本発明者らは、LIPITORTM投与後ALTGPT表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他の個体(G2)からの遺伝子型を比較する。
Figure 2005508612
ALTGPTの上昇との関連についてリスト上で1つより多いSNPを有する遺伝子には、GSTM1(2)、GSTA2(4)、ACE(10)、MAOA(2)、AHR(2)、およびCYP2B6(7)が含まれる。分析をコーカソイドグループに限定した場合には(表9-8)、ALTGPTの上昇と関連する1つより多いSNPを有する遺伝子は、ACE遺伝子(8SNP)およびCYP2B6(2)のみであることがわかる。この結果は、ACE遺伝子およびCYP2B6遺伝子がLIPITORTM患者におけるALTGPT上昇のために最も重要であるが、このリスト上のすべてのSNPが分類のために有用であることを示唆する。ハプロタイプ分析は、このリスト上のSNPを有する他の遺伝子が分類のために有用である程度を示す。
(表9-8)コーカソイドのみにおけるLIPITOR ALTGPT20%応答
本発明者らは、LIPITOR投与後ALTGPT表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他の個体(G2)からの遺伝子型を比較する。
Figure 2005508612
(表9-9)人種に関わりないすべての患者におけるLDL減少によるZOCORTM応答
その他(G2)に対する20%応答者(減少)(G1)
Figure 2005508612
Figure 2005508612
次に、ZOCORTMの効力に関連するSNPを同定した。このスクリーニングからの結果は全く明白である。トップの25のデルタスコアのうち(表のトップから下に読むと)8つがCYP2D6 SNPに、6つがCYP2C8 SNPに属する。従って、それらの半数がCYP2D6 SNPおよびCYP2C8 SNPであり、これは、無作為に与えられた数字とはかけ離れており、SNPの多様性が調査された(p<0.0001)。さらに、残りのトップの25 SNPはCYP2C9遺伝子(2SNP)、ABC1遺伝子(3SNP)、およびACE遺伝子(2SNP)に見い出された。1つのみの色素沈着遺伝子SNPがトップ25スコアの一部であった。分析をコーカソイドに限定した場合には、27の関連したSNPおよび以下の遺伝子がリスト上で1つより多いSNPを有したことが観察される:CYP2D6(6)、CYP2C8(8)、CYP2C9(3)、およびACE(4)。それゆえ、本発明者らは、CYP2D6遺伝子、CYP2C8遺伝子、CYP2C9遺伝子、およびACE遺伝子がZOCORTM患者におけるLDL応答のために重要であると結論する。
(表9-10)コーカソイドのみにおけるLDL減少によるZOCOR応答
その他(G2)に対する20%応答者(減少)(G1)
Figure 2005508612
(表9-11)すべての患者における総コレステロール(TC)減少によるZOCOR応答(G2-その他に対するG1-20%応答者)
全体の試料(約70)のうち、0.15より低いデルタ値を有するもの、またはデルタ値は0.15より上であるがマイナーな対立遺伝子について15より少ないサンプルを有するものを除外した。
Figure 2005508612
本発明者らのスクリーニングのいずれかのうちで最初のものについて、人種に関係ない個体でのTCレベル減少によるZOCORTM応答の場合には、本発明者らはNAT2を可変性のスタチン応答に対して主に貢献するものとみなす(表9-11)。NAT2 SNPは、この特定の薬物/試験の組み合わせについての結果と関連する25のSNPのこのグループにおいて5回現れる。CYP2B6遺伝子は25のこのリスト中で4SNPを有する。NAT2とCYP2B6のいずれもが、任意の応答測定を使用する可変性LIPITORTM応答の有意な成分ではなく、LDL測定を使用するZOCORTM応答の有意な成分でもなかった。このことは、これらの結果に対する特定の特異性を示唆する。コーカソイドのみにおけるTC応答を見ると(表9-12)、本発明者らは、リスト中で以下の遺伝子が有意な1つより多いSNPを伴うことを見い出す:CYP4B1遺伝子(3)、UGT1A2遺伝子(3)、NAT2遺伝子(3)、およびCYP2B6遺伝子(2)。それゆえに、本発明者らは、CYP4B1遺伝子、UGT1A2遺伝子、NAT2遺伝子、およびCYP2B6遺伝子の変異体はZOCORTM患者におけるTCの結果に関連すると結論付ける。
(表9-12)コーカソイドのみにおける総コレステロール(TC)減少によるZOCORTM応答(G2-その他に対するG1-20%応答者)
全体の試料(約70)のうち、0.15より低いデルタ値を有するもの、またはデルタ値は0.15より上であるがマイナーな対立遺伝子について15より少ないサンプルを有するものを除外した。
Figure 2005508612
有害な応答者についての試料サイズはこの薬物については4のみであったため、ZOCOR投与後のSGOT表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他(G2)の個体からの遺伝子型の比較は不可能であった。
有害な応答者についての試料はこの薬物については4のみであったため、ZOCORTM投与後のALTGPT表示において少なくとも20%の増加を経験した個体(G1)対その他(G2)の個体からの遺伝子型の比較は不可能であった。
まとめ
このSNPスクリーニングの結果を表9-13に示す。表9-13から、多くの異なる遺伝子が可変性のスタチン応答に影響を与えることが明らかである。この結果の大部分について、少なくとも4つの異なる関連する遺伝子からのSNPが存在していた。この遺伝子の評価(compliment)は各終点および各遺伝子について高度に独特であることもまた明白である。GST(GSTM1、GSTT2、GSTA2)は、LDL、TC、およびSGOTの結果に関連して、LIPITORTM応答に全く強力に関連したが、ZOCORTM応答には関連しなかった。NAT2遺伝子は、唯一ZOCORTM応答に関連することが見い出され、この薬物のTC低下効果のみに影響を与えたが、LDL低下効果には影響を与えなかった。CYP2C8は、LIPITORTMおよびZOCORTMの両方についての重要な決定因子であった。前者については、TCとSGOTの両方の結果に影響を与えた。顕著に興味深いものとして、HMGCS1遺伝子、MVK遺伝子、またはHMGCR遺伝子においてはSNPが同定されなかったか、または弱く関連したSNPが同定されたが、本発明者らは、応答と関連したHMGCRハプロタイプを以前に記載した。通常、SNPのレベルにおける関連性を同定する能力は、その遺伝子の応答に向けた寄与が、ハプロタイプのレベルでのみ見られる関連性を有する遺伝子と比較して、比較的強力であることを示す。HMGCS1遺伝子、MVK遺伝子、およびHMGCR遺伝子は、スタチンによって阻害されるコレステロール合成経路の一部であるが、まだ本発明者らの結果は、大部分の可変性スタチン応答が、標的経路の配列ではなくゼノバイオティック代謝遺伝子配列に帰することを示唆する。それゆえに、本願において前記した関連性は、ハプロタイプの機能であってSNP配列によるものではない。これらのハプロタイプおよび以下の遺伝子からのSNPを用いて、一次的または二次的な判別クラシファイアー(本発明者らが別の場所で記載したように(2002年5月28日に出願された、T. Frudakis、米国特許出願第10/156,995号)、Frudakisら、J. Forensic Science, (2002); Frudakis 2002a)が、各結果を予測することを可能にする。
(表9-13)LIPITORTMとZOCORTMの両方についての各試験と最も強力に関連するSNPを有する遺伝子
Figure 2005508612
1-(個々のSNPのレベルにおける関連の強度の順番によるランク付け)
*-人種が不明の場合の分類についてもまた有用である
(表9-14)スタチン応答に関連するとして実施例9において同定されたSNPのリスト
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
実施例3に議論されるような、以下(順番に):1)GT;2)AT;3)GC;および4)ACの、HMGCRE7E11-3_472遺伝子座およびHMGCRDBSNP_45320遺伝子座の4つのハプロタイプ系のハプロタイプの分岐図である。 二次元空間にプロットした個々の患者についてのハプロタイプ対のグラフである。個々のハプロタイプは線で示され、その座標はGT/GT(1,1)(1,1);GT/AT(1,1)(0,1);GT/GC(1,1)(1,0);GT/AC(1,1)(0,0)である。あるヒトが2つの同じハプロタイプ(例えば、(1,1)(1,1)でコードされるGT/GT)を有すると、それらは線ではなく円で表される。 実線または塗りつぶした円はスタチン処理に応答しなかった個体を示し、点線または白い円はスタチン処理に対してポジティブに応答した個体を表す。
【配列表】
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612
Figure 2005508612

Claims (195)

  1. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、スタチン応答を示す少なくとも1つのハプロタイプの対立遺伝子を同定する工程を含み、ここで該ハプロタイプ対立遺伝子は、以下のヌクレオチド:
    a)シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子のヌクレオチドであって、
    i)配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    を含有するCYP3A4Aハプロタイプ;または
    ii)配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    を含有するCYP3A4Bハプロタイプ;または
    iii)配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    を含有するCYP3A4Cハプロタイプ
    に対応するヌクレオチド;あるいは
    b)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素(HMGCR)遺伝子のヌクレオチドであって、
    i)配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430
    を含有するHMGCRAハプロタイプ;または
    ii)配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
    を含有するHMGCRBハプロタイプ;または
    iii)配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
    を含有するHMGCRCハプロタイプ
    に対応するヌクレオチド
    を含み、
    それによって該ハプロタイプ対立遺伝子は、被験体に対するスタチンの投与に応答する総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少に関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、
    方法。
  2. ハプロタイプ対立遺伝子が、
    a)CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子、もしくはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子;
    b)HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子、もしくはHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子;または
    c)a)およびb)の組み合わせ、
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. ハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  4. ハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が、
    a)CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、またはCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;
    b)HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対、もしくはHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;または
    c)a)およびb)の組み合わせ、
    を含む、請求項3記載の方法。
  5. 少なくとも1つのCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  6. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;
    HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;または
    CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対
    を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  7. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がATGC/ATGCまたはATGC/ATACである、請求項6記載の方法。
  8. HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がCGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAである、請求項6記載の方法。
  9. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がATGC/ATGCであり、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がCGTA/CGTAまたはCGTA/TGTAである、請求項6記載の方法。
  10. スタチンがアトルバスタチンまたはシンバスタチンである、請求項1記載の方法。
  11. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が1つのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子および1つのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項6記載の方法。
  12. HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項6記載の方法。
  13. ヒト被験体のスタチン応答が総コレステロールレベルの減少である、請求項1記載の方法。
  14. ヒト被験体のスタチン応答が低密度リポタンパク質の減少である、請求項1記載の方法。
  15. ヒト被験体がコーカソイドの被験体である、請求項1記載の方法。
  16. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が
    Figure 2005508612
    である、請求項6記載の方法。
  17. HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がCGTA/CGTA、CGTA/TGTA、CGTA/CGCA、CGTA/CGTC、またはCGTA/CATAである、請求項6記載の方法。
  18. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が
    Figure 2005508612
    である、請求項6記載の方法。
  19. HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が
    Figure 2005508612
    である、請求項6記載の方法。
  20. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;
    HMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;または
    CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対
    を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  21. CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がATGC/ATGCであり、HMGCRCハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がGTA/GTAである、請求項15記載の方法。
  22. コーカソイド被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、スタチン応答を示す対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を包含し、ここで該対立遺伝子の二倍体対は、以下のヌクレオチド:
    a)シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子のヌクレオチドであって、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、を含有するCYP3ACハプロタイプに対応するヌクレオチド;ならびに
    b)3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素(HMGCR)遺伝子のヌクレオチドであって、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
    を含有するHMGCRBハプロタイプに対応するヌクレオチド、
    について同定され、
    ここで、CYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が
    Figure 2005508612
    であり、HMGCRBハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対が
    Figure 2005508612
    であり、そしてハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対は、被験体に対するアトルバスタチンまたはシンバスタチンの投与に応答する総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少に関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  23. 少なくとも1つのCYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  24. CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;
    HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;または
    CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対
    を同定する工程を含む、請求項23記載の方法。
  25. CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がGC/GCである、請求項24記載の方法。
  26. HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTG/TGである、請求項24記載の方法。
  27. CYP3A4Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がGC/GCであり、ヒト被験体のHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTG/TGである、請求項24記載の方法。
  28. CYP3A4Aハプロタイプの二倍体対がメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項24記載の方法。
  29. HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項24記載の方法。
  30. 少なくとも1つのCYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子および少なくとも1つのHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を含む、請求項1記載の方法。
  31. CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;
    HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対;または
    CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対およびHMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対
    を同定する工程を含む、請求項30記載の方法。
  32. CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTGC/TGCである、請求項31記載の方法。
  33. HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTG/TGである、請求項31記載の方法。
  34. CYP3A4Bハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTGC/TGCであり、HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がTG/TGである、請求項31記載の方法。
  35. CYP3A4Bハプロタイプの二倍体対がメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項31記載の方法。
  36. HMGCRAハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がメジャーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対であるか、またはマイナーなハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項31記載の方法。
  37. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、CYP2D6Aハプロタイプに対応するシトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子のハプロタイプ対立遺伝子を同定する工程を包含し、ここで該ハプロタイプ対立遺伝子は、以下のヌクレオチド:
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、および
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    を含有し、
    それによって該ハプロタイプ対立遺伝子は、スタチンの投与に応答した血清グルタミン酸オキサロ酢酸(SGOT)レベルの増加に関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  38. ハプロタイプ対立遺伝子がCTA以外のハプロタイプ対立遺伝子である、請求項37記載の方法。
  39. ヒト被験体のCYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対を同定する工程を含む、請求項37記載の方法。
  40. CYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対がCTA/CTA以外のハプロタイプ対立遺伝子の二倍体対である、請求項39記載の方法。
  41. ヒト被験体がコーカソイド被験体である、請求項37記載の方法。
  42. スタチンがアトルバスタチンである、請求項37記載の方法。
  43. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274に対応する位置で、CYP2D6遺伝子のヌクレオチドの二倍体対を同定する工程を包含し、
    それによって、C/C以外のヌクレオチドの二倍体対は、有害な肝細胞の応答を示し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  44. ヌクレオチドの二倍体対がC/Aである、請求項43記載の方法。
  45. ヒト被験体がコーカソイドである、請求項43記載の方法。
  46. スタチンがアトルバスタチンまたはシンバスタチンである、請求項43記載の方法。
  47. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、少なくとも1つのスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、該ヌクレオチドの存在は、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、または
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、
    に対応し、
    それによって該ヌクレオチドの存在は、スタチンの投与に応答した総コレステロールまたは低密度リポタンパク質の減少に関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、
    方法。
  48. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定する工程が、
    a)核酸試料を、SNPのヌクレオチドの存在を含む核酸分子に、またはその核酸分子の近傍に選択的にハイブリダイズするプローブまたはプライマーとともにインキュベートすること、および
    b)そのプローブまたはプライマーの選択的ハイブリダイゼーションを検出し、それによって該ヌクレオチドの存在を同定すること、
    を含む、請求項47記載の方法。
  49. プライマーの選択的ハイブリダイゼーションを検出する工程が、プライマー伸長反応を実行すること、およびプライマーを含むプライマー伸長反応産物を検出することを含む、請求項48記載の方法。
  50. プライマー伸長反応がポリメラーゼ連鎖反応を含む、請求項49記載の方法。
  51. 少なくとも2つのスタチン応答関連SNPの各々のヌクレオチドの存在を同定する工程を含む、請求項47記載の方法。
  52. 少なくとも2つのスタチン応答関連SNPが、少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項51記載の方法。
  53. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在が、マイナーなヌクレオチドの存在である、請求項47記載の方法。
  54. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在が、メジャーなヌクレオチドの存在である、請求項47記載の方法。
  55. 少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子が、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子である、請求項52記載の方法。
  56. 少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子が、マイナーなハプロタイプ対立遺伝子である、請求項52記載の方法。
  57. スタチンがアトルバスタチンまたはシンバスタチンである、請求項47記載の方法。
  58. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、該核酸試料中で、少なくとも1つのスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、該ヌクレオチドの存在は、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    に対応し、
    それによって該ヌクレオチドの存在は、スタチンの投与に応答した有害な肝細胞の応答に関連し、それによってその被験体のスタチン応答を推定する、
    方法。
  59. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在を同定する工程が、
    a)核酸試料を、SNPの1つのヌクレオチドの存在を含む核酸分子に、またはその核酸分子の近傍に選択的にハイブリダイズするプローブまたはプライマーとともにインキュベートすること、および
    b)そのプローブまたはプライマーの選択的ハイブリダイゼーションを検出し、それによって該ヌクレオチドの存在を同定すること、
    を含む、請求項58記載の方法。
  60. 少なくとも2つのスタチン応答関連SNPの各々のヌクレオチドの存在を同定する工程を含む、請求項58記載の方法。
  61. 少なくとも2つのスタチン応答関連SNPが、少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項60記載の方法。
  62. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在が、マイナーなヌクレオチドの存在である、請求項58記載の方法。
  63. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPのヌクレオチドの存在が、メジャーなヌクレオチドの存在である、請求項58記載の方法。
  64. 少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子が、メジャーなハプロタイプ対立遺伝子である、請求項61記載の方法。
  65. 少なくとも1つのハプロタイプ対立遺伝子が、マイナーなハプロタイプ対立遺伝子である、請求項61記載の方法。
  66. スタチンがアトルバスタチンまたはシンバスタチンである、請求項58記載の方法。
  67. 単離されたヒト細胞であって、該細胞は、少なくとも第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性HMG Co-A還元酵素(HMGCR)遺伝子を含み、ここで該マイナーなヌクレオチドの存在は、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
    配列番号:3(HMGCRDBSNP_45320)のヌクレオチド1430、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、または
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    に対応する位置である、
    細胞。
  68. 内因性HMGCR遺伝子がさらに、第2のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  69. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、HMGCRAハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項68記載の単離されたヒト細胞。
  70. 内因性HMGCR遺伝子がさらに、第2のスタチン応答関連のSNPのメジャーなヌクレオチドの存在を含む、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  71. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在が、HMGCRAハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項70記載の単離されたヒト細胞。
  72. 第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、マイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項67記載の単離されたヒト細胞株。
  73. 第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項67記載の単離されたヒト細胞株。
  74. スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムp450遺伝子をさらに含む、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  75. 肝細胞である、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  76. 細胞株由来である、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  77. 肝細胞株由来である、請求項67記載の単離されたヒト細胞。
  78. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、HMGCRBハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項68記載の単離されたヒト細胞。
  79. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在が、HMGCRBハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項70記載の単離されたヒト細胞。
  80. 複数の単離されたヒト細胞であって、
    第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性HMG Co-A還元酵素(HMGCR)遺伝子を含む、第1の単離されたヒト細胞、および
    第1の細胞の第1のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連のSNPのヌクレオチドの存在を含む内因性HMGCR遺伝子を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞、
    を含む細胞。
  81. 請求項80記載の複数の単離されたヒト細胞であって、ここで少なくとも第2の単離されたヒト細胞は、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含み、そして該第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在は、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、細胞。
  82. 請求項80記載の複数の単離されたヒト細胞であって、ここで第1の単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子が、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、細胞。
  83. 請求項82記載の複数の単離されたヒト細胞であって、ここで第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、HMGCRAハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、細胞。
  84. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞のHMGCR遺伝子がHMGCRAハプロタイプのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項80記載の複数の単離されたヒト細胞。
  85. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 3A4(CYP3A4)遺伝子をさらに含む、請求項80記載の複数の単離されたヒト細胞。
  86. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 2D6遺伝子をさらに含む、請求項80記載の複数の単離されたヒト細胞。
  87. 複数の単離されたヒト細胞であって、
    第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 3A4(CYP3A4)遺伝子を含む、第1の単離されたヒト細胞、および
    第1の細胞の第1のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連のSNPのヌクレオチドの存在を含む内因性CYP3A4遺伝子を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞、
    を含む細胞。
  88. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含み、該第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在が、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、請求項87記載の複数の単離されたヒト細胞。
  89. 第1の単離された細胞の内因性HMGCR遺伝子が、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、請求項87記載の複数の単離されたヒト細胞。
  90. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、CYP3A4Cハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項89記載の複数の単離されたヒト細胞。
  91. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞のCYP3A4遺伝子がCYP3A4Cハプロタイプのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項87記載の複数の単離されたヒト細胞。
  92. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、スタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムHMG Co-A還元酵素(HMGCR)遺伝子、およびスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 2D6遺伝子をさらに含む、請求項87記載の複数の単離されたヒト細胞。
  93. 複数の単離されたヒト細胞であって、
    第1のスタチン応答関連の一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 2D6(CYP2D6)遺伝子を含む、第1の単離されたヒト細胞、および
    第1の細胞の第1のスタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、第1のスタチン応答関連のSNPのヌクレオチドの存在を含む内因性CYP2D6遺伝子を含む、少なくとも第2の単離されたヒト細胞、
    を含む細胞。
  94. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在を含み、該第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在が、第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在とは異なる、請求項93記載の複数の単離されたヒト細胞。
  95. 第1の単離された細胞の内因性CYP2D6遺伝子が、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、請求項93記載の複数の単離されたヒト細胞。
  96. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、CYP2D6ハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項95記載の複数の単離されたヒト細胞。
  97. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞のCYP2D6遺伝子がCYP2D6ハプロタイプのメジャーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項93記載の複数の単離されたヒト細胞。
  98. 少なくとも第2の単離されたヒト細胞が、スタチン応答関連のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムP450 3A4(CYP3A4)遺伝子をさらに含む、請求項93記載の複数の単離されたヒト細胞。
  99. 単離されたヒト細胞であって、該細胞は、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置にチミジン残基を有するか、または少なくとも第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を有する、少なくとも第1の一塩基変異多型(SNP)を含む内因性シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子を含み、ここで、該マイナーなヌクレオチドの存在は、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、または
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    に対応する位置である、
    細胞。
  100. 内因性CYP3A4遺伝子がさらに、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  101. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、CYP3A4Bハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項100記載の単離されたヒト細胞。
  102. 内因性CYP3A4遺伝子がさらに、第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在を含む、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  103. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在が、CYP3A4Bハプロタイプのハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項102記載の単離されたヒト細胞。
  104. 第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、マイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項99記載の単離されたヒト細胞株。
  105. 第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項99記載の単離されたヒト細胞株。
  106. スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性HMGCR遺伝子をさらに含む、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  107. 肝細胞である、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  108. 細胞株由来である、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  109. 肝細胞株由来である、請求項99記載の単離されたヒト細胞。
  110. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、CYP3A4Cハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項100記載の単離されたヒト細胞。
  111. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在が、CYP3A4Cハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項102記載の単離されたヒト細胞。
  112. 単離されたヒト細胞であって、該細胞は、少なくとも第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子を含み、ここで該マイナーなヌクレオチドの存在は、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    に対応する位置である、
    細胞。
  113. 単離されたヒト細胞であって、該細胞は、少なくとも第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含む内因性シトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子を含み、ここで該マイナーなヌクレオチドの存在は、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、または
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223
    に対応する位置である、
    細胞。
  114. 内因性CYP2D6遺伝子が、第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、請求項113記載の単離されたヒト細胞。
  115. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在が、CYP2D6Aハプロタイプのマイナーなハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項114記載の単離されたヒト細胞。
  116. 内因性CYP2D6遺伝子がさらに、第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在を含む、請求項113記載の単離されたヒト細胞。
  117. 第1のスタチン応答関連SNPの第1のマイナーなヌクレオチドの存在、および第2のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在が、CYP2D6Aハプロタイプのハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項116記載の単離されたヒト細胞。
  118. 第1のスタチン応答関連SNPの第2のマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、マイナーなヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項113記載の単離されたヒト細胞株。
  119. 第1のスタチン応答関連SNPのメジャーなヌクレオチドの存在をさらに含み、それによって、メジャーなヌクレオチドの存在およびマイナーなヌクレオチドの存在を含むヌクレオチドの存在の二倍体対を提供する、請求項113記載の単離されたヒト細胞株。
  120. 肝細胞である、請求項113記載の単離されたヒト細胞。
  121. 細胞株由来である、請求項113記載の単離されたヒト細胞。
  122. 肝細胞株由来である、請求項113記載の単離されたヒト細胞。
  123. 共通の特徴を共有するグループのメンバーとして個体を分類するための方法であって、該方法は、該個体のポリヌクレオチド中の一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、ここで該SNPは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421、またはこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つのマイナーなヌクレオチドの存在に対応し、それによって該個体を分類する、
    方法。
  124. 同定する工程が増幅反応を用いて行われる、請求項123記載の方法。
  125. 同定する工程がプライマー伸長反応を用いて行われる、請求項123記載の方法。
  126. 一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を検出するための方法であって、該方法は、
    i)ポリヌクレオチドを含む試料を特異的結合対メンバーとともにインキュベートする工程であって、ここで、該特異的結合対メンバーは、多型性を有すると疑われるポリヌクレオチドまたはその近傍に特異的に結合し、そして該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置にチミジンを含むか、または
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    の少なくとも1つに対応する位置にマイナーなヌクレオチドの存在を含む、工程、ならびに
    ii)特異的結合対メンバーの選択的結合を検出する工程であって、ここで該選択的結合は、該ヌクレオチドの存在があることを示し、それによって多型についてのヌクレオチドの存在を検出する、工程、
    を含む、方法。
  127. 同定する工程が増幅反応を用いて行われる、請求項126記載の方法。
  128. 同定する工程がプライマー伸長反応を用いて行われる、請求項126記載の方法。
  129. 一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を検出するための方法であって、該方法は、
    i)ポリヌクレオチドを含む試料を特異的結合対メンバーとともにインキュベートする工程であって、ここで、該特異的結合対メンバーは、多型性を有すると疑われるポリヌクレオチドまたはその近傍に特異的に結合し、そして該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    の少なくとも1つに対応するマイナーなヌクレオチドの存在を含む、工程、ならびに
    ii)特異的結合対メンバーの選択的結合を検出する工程であって、ここで該選択的結合は、該ヌクレオチドの存在があることを示し、それによって多型についてのヌクレオチドの存在を検出する、工程、
    を含む、方法。
  130. ポリヌクレオチド中の一塩基変異多型(SNP)を含むポリヌクレオチドを増幅するための単離されたプライマー対であって、ここで正方向プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、逆方向プライマーは相補鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    の少なくとも1つに対応する位置にマイナーなヌクレオチドの存在を含む、プライマー対。
  131. プライマーの3’ヌクレオチドが、スタチン応答関連SNPの1つのヌクレオチドの存在に相補的である、請求項130記載の単離されたプライマー対。
  132. ポリヌクレオチド中の一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離されたプローブであって、ここで該プローブは、スタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含むポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    に対応するヌクレオチドの存在の1つを含む、プローブ。
  133. ポリヌクレオチド中の一塩基変異多型(SNP)を含むポリヌクレオチドを伸長するための単離されたプライマーであって、ここで該プライマーは、一方の鎖のSNPの位置の上流のポリヌクレオチドに選択的に結合し、そして該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    の少なくとも1つに対応する位置にマイナーなヌクレオチドの存在を含む、プライマー。
  134. ポリヌクレオチド中の一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を決定するための単離された特異的結合対メンバーであって、ここで該特異的結合対メンバーは、
    配列番号:1(CYP2D6E7_339)のヌクレオチド1274、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    に対応するマイナーなヌクレオチドの存在またはその近傍で該ポリヌクレオチドに特異的に結合する、特異的結合対メンバー。
  135. ポリヌクレオチドプローブである、請求項134記載の特異的結合対メンバー。
  136. 抗体である、請求項134記載の特異的結合対メンバー。
  137. プライマー伸長反応のための基質である、請求項134記載の特異的結合対メンバー。
  138. 末端のヌクレオチドとしてSNPを含む配列でポリヌクレオチドに選択的に結合する、請求項134記載の特異的結合対メンバー。
  139. 請求項133記載の単離されたプライマー;請求項130もしくは131記載の単離されたプライマー対;請求項132記載の単離されたプローブ;請求項134〜138のいずれか1項記載の特異的結合対メンバー;またはこれらの組み合わせを含む、少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型を同定するためのキット。
  140. プライマー対を用いてポリヌクレオチドを増幅するための試薬をさらに含む、請求項139記載のキット。
  141. 請求項140記載のキットであって、試薬が
    a)少なくとも1つの検出可能な標識、ここで該標識は単離されたオリゴヌクレオチドプローブ、プライマー、もしくはプライマー対を標識するために使用され得るか、または単離されたオリゴヌクレオチドプローブ、プライマー、もしくはプライマー対を用いて生成される産物に取り込まれ得るか;あるいは
    b)少なくとも1つのポリメラーゼ、リガーゼ、もしくはエンドヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせを含む、
    キット。
  142. 少なくとも1つのスタチン応答関連SNPを含むスタチン応答関連遺伝子の一部に対応する、少なくとも1つのポリヌクレオチドをさらに含む、請求項141記載のキット。
  143. 請求項132記載の単離されたプローブおよび請求項133記載の単離されたプライマー対を含む、請求項141記載のキット。
  144. ヒトHMG Co-A還元酵素(HMGCR)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドであって、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    に対応する第1のスタチン応答関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ポリヌクレオチド。
  145. 請求項144記載の単離されたポリヌクレオチドであって、
    配列番号:11(HMGCRE5E6-3_283)のヌクレオチド519、
    配列番号:2(HMGCRE7E11-3_472)のヌクレオチド1757、および
    配列番号:12(HMGCRE16E18_99)のヌクレオチド1421
    に対応する第2のスタチン関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、ポリヌクレオチド。
  146. マイナーなHMGCRBハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項144記載の単離されたポリヌクレオチド。
  147. 少なくとも50ヌクレオチド長である、請求項144〜146のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  148. 少なくとも100ヌクレオチド長である、請求項144〜146のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  149. 少なくとも250ヌクレオチド長である、請求項144〜146のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  150. 少なくとも500ヌクレオチド長である、請求項144〜146のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  151. 少なくとも1000ヌクレオチド長である、請求項144〜146のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  152. ヒトシトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425に対応する位置にチミジン残基を含むか、または
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    に対応する第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、少なくとも第1のスタチン応答関連SNPを含む、
    ポリヌクレオチド。
  153. 請求項152記載の単離されたポリヌクレオチドであって、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    に対応する第2のスタチン関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在をさらに含む、ポリヌクレオチド。
  154. マイナーなCYP3A4Cハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項152記載の単離されたポリヌクレオチド。
  155. 少なくとも50ヌクレオチド長である、請求項152〜154のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  156. 少なくとも100ヌクレオチド長である、請求項152〜154のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  157. 少なくとも250ヌクレオチド長である、請求項152〜154のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  158. 少なくとも500ヌクレオチド長である、請求項152〜154のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  159. 少なくとも1000ヌクレオチド長である、請求項152〜154のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  160. ヒトシトクロムp450 3A4(CYP3A4)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドであって、
    配列番号:10(CYP3A4E3-5_249)のヌクレオチド425、
    配列番号:7(CYP3A4E7_243)のヌクレオチド1311、
    配列番号:8(CYP3A4E10-5_292)のヌクレオチド808、および
    配列番号:9(CYP3A4E12_76)のヌクレオチド227
    に対応する第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のマイナーなヌクレオチドの存在を含む、
    ポリヌクレオチド。
  161. シトクロムp450 2D6(CYP2D6)遺伝子の少なくとも30ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、少なくとも第1のスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)の第1のマイナーなヌクレオチドの存在を含み、ここで該マイナーなヌクレオチドの存在は、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093および、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    に対応する位置である、
    ポリヌクレオチド。
  162. 請求項161記載の単離されたポリヌクレオチドであって、
    配列番号:4(CYP2D6PE1_2)のヌクレオチド1159、
    配列番号:5(CYP2D6PE7_150)のヌクレオチド1093および、
    配列番号:6(CYP2D6PE7_286)のヌクレオチド1223、
    に対応する第2のスタチン関連SNPのマイナーなヌクレオチドの存在を含む、ポリヌクレオチド。
  163. 第1のSNPのマイナーなヌクレオチドの存在がマイナーなCYP2D6Aハプロタイプ対立遺伝子を含む、請求項161記載の単離されたポリヌクレオチド。
  164. 少なくとも50ヌクレオチド長である、請求項161〜163のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  165. 少なくとも100ヌクレオチド長である、請求項161〜163のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  166. 少なくとも250ヌクレオチド長である、請求項161〜163のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  167. 少なくとも500ヌクレオチド長である、請求項161〜163のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  168. 少なくとも1000ヌクレオチド長である、請求項161〜163のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド。
  169. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-1、表9-2、表9-3、表9-4、表9-5、表9-6、表9-7、表9-8、表9-9、表9-10、表9-11、および表9-12に列挙されたいずれか1つのSNP中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在はスタチン応答と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  170. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  171. SNPが少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-1および表9-2に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項170記載の方法。
  172. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-1および表9-2に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  173. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-2に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項172記載の方法。
  174. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  175. SNPが少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-3および表9-4に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項174記載の方法。
  176. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-3および表9-4に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  177. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-4に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項176記載の方法。
  178. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したSGOTの表示の増加と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  179. SNPが少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-5および表9-6に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項178記載の方法。
  180. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-5および表9-6に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したSGOTの表示の増加と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  181. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-6に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項180記載の方法。
  182. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したALTGPTの表示の増加と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  183. SNPが少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-7および表9-8に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項182記載の方法。
  184. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-7および表9-8に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、アトルバスタチンの投与に応答したALTGPTの表示の増加と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  185. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-8に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項184記載の方法。
  186. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  187. SNPが少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む表9-9および表9-10に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項186記載の方法。
  188. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-9および表9-10に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した低密度リポタンパク質の減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  189. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-10に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項188記載の方法。
  190. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙されたいずれか1つの遺伝子中の少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  191. SNPが、少なくとも2つのスタチン応答関連SNPを含む、表9-11および表9-12に列挙されたいずれか1つの遺伝子中に存在する、請求項190記載の方法。
  192. ヒト被験体の核酸試料から、その被験体のスタチン応答を推定するための方法であって、該方法は、核酸試料中で、表9-11および表9-12に列挙された少なくとも1つのスタチン応答関連一塩基変異多型(SNP)のヌクレオチドの存在を同定する工程を包含し、それによって該ヌクレオチドの存在は、シンバスタチンの投与に応答した総コレステロールの減少と関連し、それによって該被験体のスタチン応答を推定する、方法。
  193. 被験体がコーカソイドであり、スタチン応答関連SNPが表9-12に列挙された少なくとも1つのSNPである、請求項192記載の方法。
  194. 請求項144〜168のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチドを含有するベクター。
  195. 請求項144〜168のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド、または請求項194記載のベクターを含有する、単離された細胞。
JP2003509083A 2001-06-29 2002-07-01 スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法 Pending JP2005508612A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US30186701P 2001-06-29 2001-06-29
US60/301,867 2001-06-29
US31078301P 2001-08-07 2001-08-07
US60/310,783 2001-08-07
US32247801P 2001-09-13 2001-09-13
US60/322,478 2001-09-13
PCT/US2002/020847 WO2003002721A2 (en) 2001-06-29 2002-07-01 Compositions and methods for inferring a response to a statin

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005508612A JP2005508612A (ja) 2005-04-07
JP2005508612A6 true JP2005508612A6 (ja) 2005-08-04
JP2005508612A5 JP2005508612A5 (ja) 2006-01-05

Family

ID=27404843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003509083A Pending JP2005508612A (ja) 2001-06-29 2002-07-01 スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20030215819A1 (ja)
EP (1) EP1572878A4 (ja)
JP (1) JP2005508612A (ja)
CA (1) CA2486789A1 (ja)
WO (1) WO2003002721A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1711622A2 (en) * 2003-11-26 2006-10-18 Applera Corporation Genetic polymorphisms associated with cardiovascular disorders and drug response, methods of detection and uses thereof
AU2005304645A1 (en) * 2004-11-12 2006-05-18 Dnaprint Genomics, Inc. Compositions and methods for inferring an adverse effect in response to a drug treatment
WO2007014132A2 (en) * 2005-07-22 2007-02-01 Children's Hospital & Research Center At Oakland Hmgcr isoforms in prediction of efficacy and identification of cholesterol-modulating compounds
US20100280056A1 (en) * 2007-11-05 2010-11-04 The Govt. of the U. S. as Represented by the Secretary of the Dept. of Health and Human Svcs. Identification of subjects likely to benefit from statin therapy
EP2411542A4 (en) 2009-03-26 2012-10-31 Univ Ohio State Res Found POLYMORPHISM OF THE CYP3A4 GENE AFFECTING MEDICAMENTAL METABOLISM AND USES THEREOF
US9938576B1 (en) 2012-09-21 2018-04-10 Ohio State Innovation Foundation Materials and methods for determining metabolizer status in humans
CN105940116A (zh) * 2014-01-27 2016-09-14 财团法人生技医疗科技政策研究中心 药物引发毒性的风险性筛检方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5206347A (en) 1985-08-06 1993-04-27 La Jolla Cancer Research Foundation Isolation and use of receptors binding to a peptide column
US5264563A (en) 1990-08-24 1993-11-23 Ixsys Inc. Process for synthesizing oligonucleotides with random codons
US6004744A (en) 1991-03-05 1999-12-21 Molecular Tool, Inc. Method for determining nucleotide identity through extension of immobilized primer
US7625697B2 (en) * 1994-06-17 2009-12-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for constructing subarrays and subarrays made thereby
US5622699A (en) 1995-09-11 1997-04-22 La Jolla Cancer Research Foundation Method of identifying molecules that home to a selected organ in vivo
AU2320597A (en) 1996-03-19 1997-10-10 Molecular Tool, Inc. Method for determining the nucleotide sequence of a polynucleotide
GB9914440D0 (en) * 1999-06-22 1999-08-18 Zeneca Ltd Chemical compounds
US6297014B1 (en) * 1999-07-02 2001-10-02 Cedars-Sinai Medical Center Genetic test to determine non-responsiveness to statin drug treatment
JP2004537292A (ja) 2001-05-25 2004-12-16 ディーエヌエープリント ジェノミクス インコーポレーティッド 体色形質を推測するための組成物および方法
US7107155B2 (en) 2001-12-03 2006-09-12 Dnaprint Genomics, Inc. Methods for the identification of genetic features for complex genetics classifiers

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090305900A1 (en) Genemap of the human genes associated with longevity
Craig et al. Applications of whole-genome high-density SNP genotyping
CN106559998A (zh) 预测对hdl升高剂或hdl模拟剂疗法的应答性的遗传标记
WO2009026116A2 (en) Genemap of the human genes associated with longevity
JP2007526764A (ja) アルツハイマー病の発症年齢に関連するapoe遺伝子マーカー
AU2013301607A1 (en) Prognosis biomarkers in cartilage disorders
Deo et al. A high-density admixture scan in 1,670 African Americans with hypertension
US20060073479A1 (en) Single nucleotide polymorphisms and combinations thereof predictive for paclitaxel responsiveness
JP2005508612A6 (ja) スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法
JP2005508612A (ja) スタチンに対する応答を推定するための組成物および方法
US20050255498A1 (en) APOC1 genetic markers associated with age of onset of Alzheimer's Disease
US7700277B2 (en) Use of polymorphisms in human OATP-C associated with an effect on statin pharmacokinetics in humans in statin therapy
US20060183146A1 (en) Genetic markers in the HLA-C gene associated with an adverse hematological response to drugs
US20060177860A1 (en) Genetic markers in the HLA-DQBI gene associated with an adverse hematological response to drugs
US20080318218A1 (en) Compositions and Methods for Inferring an Adverse Effect in Response to a Drug Treatment
US20230332230A1 (en) Biomarkers and uses thereof in the treatment of chronic hepatitis b infection
Zhan et al. PMP22‐Related neuropathies and other clinical manifestations in Chinese han patients with charcot‐marie‐tooth disease type 1
WO2008055196A2 (en) Genemap of the human genes associated with male pattern baldness
WO2021026293A1 (en) Compositions and methods relating to identification of genetic variants
WO2006105537A2 (en) Human niemann pick c1-like 1 gene (npc1l1) polymorphisms and methods of use thereof
US20040229252A1 (en) Genotyping the T cell receptor
AU2002316485A1 (en) Compositions and methods for inferring a response to a statin
US20140302013A1 (en) Predicting and diagnosing patients with systemic lupus erythematosus
EP4208569A2 (en) Biomarkers and uses thereof in the treatment of chronic hbv infection
Anttila Identification of genetic susceptibility loci for migraine