JP2005508497A - クロマトグラフィー用の方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、標的分子を分離及び単離するための方法及び組成物に関する。特に、本発明は、CCDのような、粒子を含み支持構造を必要としない装置を含む。CCDにおいて、限定はされないが、イオン交換、逆相及び純相分配を含む、クロマトグラフィー分離技術が用いられる。これらの方法は、低圧、中圧及び高圧液体クロマトグラフィーも含む。このような方法は、分析的、準分取プロセス、初期清澄化、分取濾過及びプロセス基準化用途に用いることができる。

Description

【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照の説明)
本出願は、2001年11月9日出願の米国仮特許出願番号60/344,745の優先権を請求しその全体を参考として取り込む。
【0002】
(技術分野)
本出願は、クロマトグラフィー用の方法及び装置、そしてそれに用いる組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
クロマトグラフィーの目的は材料を分離することである。クロマトグラフィー技術は、基礎科学における研究から薬剤の精製までの種々の目的で用いられる。クロマトグラフィー技術の生成水準への適用は、ある程度作用するが、方法及び装置を製薬及び生物学的生成物製造に必要な大きな寸法まで規模拡大すると、大部分の方法及び装置の作用は不十分である。
【0004】
多くの異なる種類のクロマトグラフィー法及び材料がある。これらの一部は、紙及び薄層クロマトグラフィー法、全てのタイプのカラム及び樹脂、高圧液体クロマトグラフィー、拡大床技術並びに逆相及び逆流法を含む。例えば、微生物、植物又は動物細胞培地の発酵ブロスからの多くの蛋白精製プロセスにおける第1の段階は、ブロスからの所望の蛋白の捕捉である。これを達成するための典型的方法は、拡張床において吸着剤を用いることである。大規模の場合、拡張床は、床を通過する上方操作流を使用し、流量は、増加した粘度、使用するクロマトグラフィー吸着剤の密度及び所望の蛋白の吸着剤への結合速度により制限される。ビーズのように、僅かのタイプの官能結合基、粒径及び粒子密度しか存在しないので、用いることができる吸着剤材料も僅かにしかない。さらに、クロマトグラフィーを実施するために用いられるカラムは、細菌又は真菌成長により汚染される、又は細胞破片により阻害されることが多い。これらの問題の多くが、単離される材料が少ないよりゆっくりしたプロセスを生み出す。
【0005】
薬剤又は診断用生成物を製造する方法の多くが、細菌、酵母及び植物又は動物細胞培養液からの蛋白及びペプチド、又は組織からの抽出物の精製を含む。通常、植物精製は、不純物及び汚染物の除去を確保するための多くのクロマトグラフィーステップを含む複数単位操作を用いる。生成される生成物のタイプ及びその意図する用途は、必要とされる精製の程度を左右する。回復プロセスにおける各ステップは、操作コスト及びプロセス時間を増加させること、及び生成物収率の損失を引き起こすことによっても、全プロセス効率に影響を与える。設計相中の適当な単位操作の注意深い選択及び組み合わせにより、必要なステップの数を減らす。最も少ない可能なプロセスステップは、高いプロセス効率を得るための最も効率的な方法を提供し、全製造プロセスにおける低コストを提供する。近年、最も用いられているプロセスは、未だに、費用を増し、生成物を失わせ、汚染の機会を提供する複数のプロセスステップを含む。
【0006】
材料の単離における問題は、発酵ブロスの清澄化又は初期組織均質化のような最も初期の段階において始まる。細胞又は破片を除去するための標準的技術は、遠心分離及びミクロ濾過である。遠心分離ステップの効率は、粒径、粒子と周囲の液体との間の密度の相違、及び原料の粘度に依存する。ミクロ濾過は細胞を含まない溶液を提供するが、単位膜面積当たりの液体の流動は、濾過プロセス中に、しばしば、劇的に減少する。ミクロ濾過膜の汚れは、操作コストを著しく増すもう一つの問題である。遠心分離と濾過とを組み合わせて用いると、しばしば、プロセス時間が長く、又は比較的大きな単位が用いられるようになり、資本支出が大きくなり、装置維持のためのコストが頻発する。また、生成物劣化のための生成物損失も著しくなる。精製の初期ステップの時間及びコストを減少させることができる粗原料からの直接吸着を可能とする方法、組成物及び装置が必要である。
【0007】
清澄化及び充填層クロマトグラフィーの方法への代替は、攪拌下のタンク内における樹脂への吸着である。この技術は、大きな体積の粗原料から標的物質を回収する場合に有用であることが多い。この方法は、DEAE Sephadexを用いて血漿凝集因子IXを単離するために商業的規模で長い間用いられてきた。この系の大きな欠点は、充分に混合されたバッチ吸着プロセスが単一段階吸着手順であり、充填層クロマトグラフィーのような多段階(多板)プロセスと同じ程度の吸着を達成するのに、より多くの吸着剤を必要とすることである。
【0008】
大量分離のために非常に広く用いられている技術は、流動床内での標的分子の吸着である。この技術は、粒子除去の必要性を除くことができる。流動床は産業において、ストレプトマイシンの回収及びノボビオシンの半連続系のためのバッチ加工技術を含む抗生物質の回収のために長年用いられてきた。流動床において、チャネリング、乱流及びバックミキシングは費用がかかり、攪拌下のタンク中でのバッチプロセスに類似している。流動床での単一平衡段階は、吸着プロセスの効率を下げて回収率を低くし、溶媒の再利用を必要とさせ、洗浄手順を非効率的にし、プロセス時間を長くする。
【0009】
これらの問題を解決するために、流動床が充填床クロマトグラフィーと類似の分離特性を有するように多くの技術による試行が成された。一つの手段は、適当な寸法の孔を有する多くのプレートを吸着カラムに挿入することによる床の分割を利用する。もう一つの手段において、床を安定化するために、磁気吸着剤粒子と、流動床カラムの磁場が用いられる。磁気吸着剤を用いて実質的な安定化が達成されたが、実験は小さな実験室規模で行われ、規模拡大には完全かつ費用のかかる装置が必要である。もう一つの手段は、カラム中に栓流を与える液体分配口を備えるカラム中でアガロースを使用する。
【0010】
これらの拡大床を、蛋白と細胞との混合物と実際に一緒に用いると、何らかの改良があった。それらの床における突破性能は、充填床における突破性能に非常に似ていた。しかしながら、床が過度に拡大しないようにするために低流速を適用しなければならず、それにより、全生産性が低くなった。
【0011】
分離に用いられる粒子を用いると問題も生じる。多くの標準的に用いられる粒子は、大きなカラム床の重量に耐えるのに充分に頑強でなく、また、床及びカラムを清浄化するのに用いられる過酷な化学的処理に耐えることもできない。充填材料又は樹脂は、その場での清浄化手順、過酷な緩衝条件及び変化する緩衝条件故に経時劣化する。さらに、細菌又は真菌の成長又は効率を低下させる粒子又は樹脂上への材料の蓄積により、カラム、配管又は樹脂の全てが汚染される。これは、樹脂の取換え、装置全体の清浄化、カラムが良好な信頼性ある作動条件に戻ることを確保するための経費がかかる。
【0012】
従って、現在用いられているクロマトグラフィー装置で見られる問題を克服する生物学的材料又は化学物質を分離することができる系、方法及び装置が必要とされている。そのような装置、方法及び装置が、クロマトグラフィー技術を用いることができ、生物学的材料を単離及び分離するための樹脂又は材料が、より効率的で製造費用が低い化学物質であることが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、生物学的材料、化学物質又は他の材料を分離及び単離するための組成物を用いる方法及び装置に関する。特に、本発明は、支持構造体を必要としない粒子を含むことができる装置を含む。好ましい方法及び装置が、米国特許第5,622,819号、5,821,116号、6,133,019号、6,214,617号及び 、及び米国特許出願09/316,566、09/870,928、09/773,027、09/788,991及び10/153,161に記載されており、これらの全てのその全体をここで参考のために取り込む。通常、そのような装置は、細胞の成長に用いる場合、「CBR」又は遠心分離バイオリアクターと呼ばれる。ここで教示の分離及び単離技術に適用された場合、装置は、集合的に「CCD」又は遠心分離クロマトグラフィー装置と表示される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
通常、本発明の装置は、遠心分離場に設けられたチャンバー内で固定化される床材料、ビーズ、樹脂又はゲルのようなクロマトグラフィー材料を含み、液体が、その液体と接触する気相を有して又は有さず、チャンバーに流入し流出する、新規装置を含む。床材料は、三次元粒子配列に整えられ、その密度は粒子の寸法、形状、固有密度により、及び液流量及び回転の角速度のような制御可能なパラメーターの組み合わせの選択により決められる。
【0015】
別の態様において、床材料は、閉鎖されたチャンバー内に閉じ込められず、むしろ、隣接ディスクにより及びその間に形成される開放チャンバー内に固定化される。本発明の他の開示された態様と同様に、チャンバー内への栄養液の流入は、開放チャンバー内で床材料を固定化するために底材料にかかる遠心分離を相殺する一つの力である。ベクトル力の加重を用いて、CCDは、粒子又は樹脂をチャンバー内に維持して床を形成することができ、この床を用いて、クロマトグラフィーにより材料が分離される。限定はされないが吸着、イオン交換、サイズ分離、アフィニティクロマトグラフィー、イオン排除、配位子交換、逆相及び純相仕切りを含む全ての標準的クロマトグラフィー技術が、CCDにおいて用いられる。CCDにおいて用いられるクロマトグラフィー材料は、クロマトグラフィー法で用いられる材料を含み、カラム重量を考慮すると粒子脆さにより限定されない。これら方法は、低圧、中圧及び高圧液体クロマトグラフィーも含む。そのような方法を、分析、準分取プロセス、初期清澄化、分取濾過及びプロセス基準化用途に用いることができる。CCDにおいてクロマトグラフィー系が容易に形成され、その結果、必要なら、清浄化用の系の除去が容易に達成される。
【0016】
通常、これらの方法は、一又は二つ以上のCCDのチャンバーに所望のクロマトグラフィー材料を添加すること及びCCDを行い、標的分子がそこから分離される液体を加え、単離された標的分子を集めることにより床又はクロマトグラフィーペーストを形成することを含む。
【0017】
従って、本発明は、クロマトグラフィー用の組成物を用いる一又は二つ以上のCCDを含む装置を含んでなる、材料を単離する方法を含む。
【0018】
本発明は、ここに含まれる以下の詳細な説明を参考にして、より容易に理解することができる。本発明を、その特定の態様の具体的詳細について説明したが、そのような詳細は、本発明の範囲を制限するものとみなすべきでない。ここに挙げた参考文献の全内容を、ここで、参考のために取り込む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
通常、本発明は、ここに記載の装置を用いる材料を単離する方法、及びクロマトグラフィー技術用の溶媒及び粒子を含む組成物に関する。本発明は、発酵ブロス又は組織抽出物からの蛋白又はペプチドの単離あるいは化学反応からの化学物質の単離のような、より複合的な材料からの一又は二つ以上の成分の単離を企図する。クロマトグラフィー法により単離することができるいかなる材料も、ここに記載の方法、装置及び組成物により単離することができ、本発明は、特定の材料又はクロマトグラフィー技術の記載により制限されない。
【0020】
分子の単離に近年用いられているものに類似の標的分子単離方法は、CCDすなわち遠心分離クロマトグラフィー装置と呼ばれるここに記載の一又は二つ以上の装置の使用を含む。本発明は、限定はされないが、清澄化、濾過、単一段階吸着、バッチ吸着吸収法、イオン排除クロマトグラフィー、純相分配、逆相分配、極性分離、非極性分離、疎水性分離、親水性分離、液交換、イオン対形成、サイズ排除及びアフィニティクロマトグラフィー法を含む。
【0021】
例えば、標的分子を単離する初期精製ステップは、CCD内に配された従来の吸着剤床を用いる吸着クロマトグラフィーにより始まる。発酵ブロス、組織抽出物又は化学的反応混合物のような開始材料の添加の前に、開始材料を、通常、清澄化又は、少なくとも、大きな粒子を除去する。細胞又は破片を除去する標準的技術は、遠心分離及びミクロ濾過である。遠心分離ステップの効率は、粒径、粒子と周囲の液体との間の密度相違、及び供給原料の粘度に依存する。大腸菌のような小さな細胞又は細胞ホモジネートを取り扱う場合、小さな粒径及び高い密度が、各遠心分離で用いることができ、しばしば完全に粒子を含まない液体を得ることを困難にする材料の量を減少させる。遠心分離法は当業者に知られており、そのような方法を、吸着前又は標的分子の濃縮が必要である任意のステップにおいて用いることができる。あるいは、遠心分離を、CCDにおいて分離する方法に取り換えることができる。粗開始材料を、分取ステップにおいて用いられるCCDに添加することができ、ここで例えば、小さな材料が次のプロセスステップを流通する間、開始材料中の大きな材料の動きを妨ぐためにサイズ分離ビーズの床が用いられる。
【0022】
クロマトグラフィーによりさらに精製することができる溶液を得るために、遠心分離は通常、ミクロ濾過のような濾過方法と組み合わされる。本発明の方法は、CCDを用い、遠心分離又は濾過ステップにより材料を予備処理又は後処理することを含む。濾過は、既知の材料から作られナノメーター、ミクロン、ミリメーターからメーターの孔寸法を有する膜及びフィルターを用いる濾過法を含む。
【0023】
本発明で意図される方法は、樹脂への吸着である。この技術は、大きな体積の粗原料から標的物質を回収する場合、有用であることが多い。本発明で、単段階吸着及びバッチ吸着の方法が意図される。樹脂がCCDに加えられ、粗原料、清澄化すべき溶媒、又は任意の他の液体が加えられる。CCD及び樹脂を用いて、DEAE Sephadexを用いて血漿凝集因子を単離することができる。
【0024】
単一段階吸着又はバッチ吸着用の本発明のCCD及び方法は、樹脂又は他の床材料を容易に添加し、例えば回転速度を変化させることによりCCDから取り出すことができるので、標準的クロマトグラフィー法より有利である。液体バッチが一旦、床を通過すると、床は除去され、同じタイプ又は異なるタイプの新しい床をCCDに添加され、加工を続けることができる。換言すれば、床を通過した液体を2回以上戻すためにループ系を用いて、液体からの標的分子の完全な除去を確保又は床材料を飽和させることができる。一旦、標的分子が液体から除去され、床材料上に吸着されると、液体が、CCD又は他の下流の装置において加工される。床材料が、要求される材料上に吸着される標的分子を有する場合、床材料がCCD内で処理されて結合した標的分子を放出又は床材料をCCDから除去して、標的分子が除去されるように処理することができる。結合した標的分子が必要ない場合、床材料を、CCD内で清浄化する又は、CCDから除去して清浄化又は廃棄することができる。
【0025】
標的分子のバルク分離法は、流動床中での標的分子の吸着である。ある用途においては、この方法は、粒子除去のステップを取り除く。ベクトル力の加重によりCCD中に床材料を形成することにより、CCD中に流動床が作られ、床材料の粒子が、CCD中の実質的に同じ位置に懸濁維持され、次に、標的分子を有する溶媒が、床材料を通るように流される。
【0026】
本発明の方法において標的分子を含む溶媒から標的分子を分離するために用いることができる多数の粒子がある。例えば、アガロース支持粒子が、クロマトグラフィー法において長い間用いられてきた。無定形シリカに基づく市販の吸着剤も用いられてきた。これらの吸着剤は、アガロース系吸着剤より密度が高いが、ビーズ寸法は小さいと、この材料を、匹敵する流速でのアガロースビーズの床と同じ程度に拡大させることができる。本発明において、床材料として用いられる粒子のタイプについて制限はない。標準的クロマトグラフィー法で用いることができる粒子が、本発明の方法及び装置で用いられる。特定の標的分子について又は特定の溶媒について特化された粒子も本発明で用いられる。
【0027】
ここで用いられる標的分子の単離は、標的分子の単離のプロセスに含まれるステップの全てを含む。例えば、供給原料ブロスを清澄化又は遠心分離するステップが、通常単離プロセスの第1ステップとして、標的分子の単離に含まれる。これらのプロセスは、開始材料を含まない標的分子を提供する又は提供しないが、特定のステップ又はプロセスにより達成される精製の任意の段階を含む。
【0028】
本発明の方法は、一又は二つ以上のCCDによる標的分子の調製又は単離を含む。CCDは、直列又は並列で、及び他の分離技術及び装置と組み合わせて、個々に用いることができる。一つのCCDにおいて一つのプロセスステップを用いることができ、第1のCCDからの溶離液を、第2以降のCCD中に供給することができる。この系を、例えば、その全てが同じ床材料を含むCCD中の大量の液体を処理する方法のために用いることができ、その結果、液体の全てが、直列又は並列で、1度に多くのCCDにより処理される。あるいは、方法は、特定の床材料を有する第1のCCDに、標的分子を含む液体を添加し、CCD中に条件に影響を受ける液体を有し、次に、第1のCCDから出る液体を、異なる床材料を有する第2のCCDに添加することを含む。例えば、粗供給原料が、サイズを揃える機能を提供すると共に細胞又は細胞破片のような大きな材料を除去する床材料を有する第1のCCDに添加される。床材料により作用された第1CCDから出る液体は、もはや、床材料に曝される前と同じ数の細胞を含まない。この処理された液体は、次に、イオン交換材料として作用する床材料を有する第2CCD中に供給される。
【0029】
これらの方法において、一つのプロセスステップを、貯蔵又はブロス材料、化学反応物質又は組織抽出物のような大量の開始材料を用いて行うこと、又は精製又は単離の複数ステップを行うことができる。さらに、開始材料を、連続ループで一つのCCD中に供給して、CCDのチャンバー内に含まれる単離又は分離材料(粒子)を不均質液を複数回通過させることができる。このようにして、特定の標的分子が開始材料から完全に除去され、これにより、得られる標的分子の量が多くなる又は、液体から不必要な材料を除くことができる。
【0030】
一又は二つ以上のCCDに添加されるクロマトグラフィー材料は、クロマトグラフィー技術において用いられる全ての既知のタイプの材料、特に、充填床又は拡大床カラムにおいて用いられる材料、及び低、中及び高性能液体クロマトグラフィーカラムを含む。CCDの一又は二つ以上のチャンバーに添加される材料の選択は、組織抽出物、化学反応混合物又は原料ブロスのような開始材料、予備プロセスステップ、及び、標的分子又は単離される分子により決められる。本発明の方法において、CCDが、ベクトル力の組み合わせにより床材料を含むと共に支持構造又は他の床材料が床材料をその場に保持することに依存しないので、床材料の圧縮は、従来のカラム技術において見られるように起こらない。従って、より小さな材料又は、より高い圧力で用いられ得ない材料を、本発明において用いることができる。クロマトグラフィー材料の選択は、従来のクロマトグラフィーにおいて見られるものと同じ考察により制限されず、本発明は、これらの材料のそのような新規使用を含む。本発明は、当業者に知られている緩衝液及び溶離液の方法及び組成物も含む。
【0031】
本発明の有利な局面は、CCDが容易に維持されることである。通常、ここで樹脂、ゲル、ビーズ又は床材料と呼ばれるクロマトグラフィー材料が、入口からチャンバーに容易に添加される。この床は、他の力のうち、特定の用途に必要な寸法及び形状を得るような所望の速度でチャンバーを回転することにより形成される。限定はされないが遠心力、溶媒流の力及び重力を含む力のベクトルの組み合わせにより、粒子は、CCDのチャンバーの内側に床を形成することができ、そこで、各粒子は、樹脂の他の粒子に対して独立して懸濁される。これにより、粒子の全ての表面への充分な露出、粒子の非充填、逆流圧問題が無いこと、及び粒子がチャンバー内に維持されることが可能になり、それにより、粒子と共にチャンバーを出る溶媒の汚染が無い。回転パラメーターを含む力を変化させることにより、必要なら粒子をチャンバーから容易に排出することができ、空チャンバーを、もう一つのランのために清浄化又は滅菌することができる。粒子を再充填又は除去することができ、これらは、チャンバー内に維持される又は、排出、清浄化及びチャンバーに逆に添加される。
【0032】
CCD内で形成された力は、通常液体と共に添加される粒子の添加直後にチャンバー内に床を形成させる。一旦、回転パラメーターを含む好ましい力加重がCCD内で達成されると、床は所望の密度及び形状を維持する。プロセスステップが、床を通る標的分子の異なる流速を必要とする場合、CCDの力パラメーターを変化させることにより床の密度及び形状が容易に変えられる。一つのCCDは、粒径を変えなくても、多数の異なるクロマトグラフィー技術を提供する能力を有する。例えば、特別の力加重パラメーターにおいてサイズを揃える粒子を使用するCCDを用いて、まず、ブロスを迅速に床を通過させることにより発酵ブロスを濾過することができ、それにより、例えば大きな材料が保持されるように低密度床を形成し高い流速溶媒を有することにより大きな材料のみが保持される。粒子床は、洗浄により容易に除かれる。次に、同じCCDが、標的分子による長い保持時間を提供する異なる回転及び操作力パラメーターを用いることにより、より密度の高い粒子床を形成することができる。
【0033】
CCD法及び組成物は、充填床クロマトグラフィーを用いる問題を克服し、優れた分離を提供する。充填床は、深いフィルターであり、粒状材料用の優れた収集装置である。充填溶媒が小さい程、これはフィルターとして良好に作用する。結合した樹脂カラム充填材料は、特定の溶質の分離に適しているが、サンプルの他の成分を無制限に保持することもできる。これらの保持化合物は、カラムの効率及び選択性を著しく低下させ得る。カラムを適当に管理しないと、カラムを短時間で破壊した場合に時間及び予算が浪費される。カラムのメインテナンスは、一定の費用がかかり労働力が費やされる。
【0034】
CCDは、充填拘束故に材料を蓄積しないが、これは、力加重パラメーターの変化が、各充填粒子間の距離を拡張させることができ、それにより、全ての表面上の各粒子が排除されることになるからである。さらに、充填材料が、付着した材料で汚染される場合、充填材料を、CCDチャンバー及び加えられた新規充填材料から容易に排出することができ、最初の充填材料が清浄化又は再充填され、又は材料を清浄化又はチャンバー内に再充填することができる。CCDのチャンバーは、任意の頑強な材料から作ることができ、従って、粗い緩衝液又は材料に抵抗性であり、容易に清浄化されるようになる。
【0035】
本発明の方法及び組成物の適用のための例をここで提供する。これらの例は例示のためであり、本発明を制限するものと見なされない。本発明は、CCDを用いる分子の分離を含み、CCDに適合することができる分離技術が本発明に含まれる。特に、本発明は、粒子型を含む組成物及び、カラムのような標準的クロマトグラフィー用途における制限故に現在用いることができない粒子型の新規適用を含む。一つのCCD又は一つのチャンバーという場合、複数のCCD又はチャンバーも意図されると解される。特定の成分を記載する場合、個々の成分、圧力水準、樹脂又は粒子型、チャンバー形状、液体、液流及び回転パラメーターは本発明のものに限定されず、これら及び他の成分の新規組み合わせが本発明に含まれると解される。
【0036】
ここで用いられる粒子、ビーズ又は樹脂は交換可能に用いられ、クロマトグラフィーに用いることができる如何なる粒子又は材料も含まれる。粒子は、CCDにおいてカラムクロマトグラフィーにおけるように床を形成するように機能し、CCDチャンバーに添加される液体又は溶媒中で分子を分離するように作用する場合、クロマトグラフィーに用いることができる。床を形成する粒子が、粒子に作用するベクトル力の加重により、床に形成され、実質的にチャンバー内の一つの位置に保持される。粒子としては、例えば、アガロース、セファロース、シリカビーズ、混合組成ビーズ、アニオン性ビーズ、カチオン性ビーズ、アフィニティクロマトグラフィービーズ、及び官能基を有する特別ビーズがあるが、これらに限定されない。これらのクロマトグラフィー材料は既知であり、カリフォルニア州のBioRad社及びニュージャージー州、PiscatawayのAmersham Biosciencesのような会社から市販されている。
【0037】
本発明は、CCDが、拡張床又は充填床クロマトグラフィー装置として機能するようにCCDで用いられる方法及び組成物を包含する。CCDは、高操作流速で安定な流動床を形成するように吸着剤を用いることができる。必要な密度を提供するように不活性結晶性石英芯材料と共に高度に生適合性のアガロースベースマトリクスから作られたような、イオン交換樹脂が用いられる。吸着剤の定められた粒径及び密度分布は、充分に定められた一貫した流体力学特性を有し、標準的クロマトグラフィー溶媒の充填床に類似の吸着特性を有する拡張床を提供する。
【0038】
拡大床の特徴を有するCCD法を、粗供給原料からの標的蛋白の初期回収のために用いることができる。清澄化、濃縮及び初期精製のプロセスステップを、一つの単位操作に組み合わせることができ、プロセスステップ数の減少、収率の増加、全プロセス時間の短縮、労働費用の低下及び実行費用及び資本支出の減少故に、プロセス経済が高められる。さらに、全ての種類の原料を、限定はされないが、細菌ホモジネート、細菌溶解産物、大腸菌封入体、細菌・酵母・昆虫・動物及び植物細胞からの分泌生成物、酵母細胞及び他の細胞のホモジネート、ハイブリドーマ発酵全ブロス、骨髄腫細胞培養物、動物細胞培養全ブロス、乳、動物組織抽出物、植物組織抽出物、未知原材料、化学的反応混合物、金属スラリー、連続流動床バイオリアクターからの培養上澄みを含むそのような異なる材料の加工において用いることができる。原料は、不均質液とも呼ばれる。不均質液は高度に不均質であり得、それは、液体が、非常に多くの異なる種類の分子を含むことを意味し、又は不均質液が二分子以上を含み、例えば、精製プロセスにおける後期ステップにおいて液体が得られる。
【0039】
CCD法及び装置は単一通過操作を提供することができ、所望の蛋白が、粒子含有供給原料から精製され、別途清澄化、濃縮及び初期精製する必要がない。力パラメーターの設計により作られるCCD床は、吸着剤粒子間の距離を可能にし、床における増加した空隙体積フラクションを提供し、これにより、粗原料のカラムへの適用中に、細胞、細胞破片及び他の粒子の通過が妨げられない。
【0040】
粗い非清澄化原料である高度に不均質の液体がCCD床に適用され、標的分子が吸着剤に結合され、一方、細胞破片、細胞、粒子及び汚染物質が妨げられることなく通過する。いかなる標的分子もこのように扱うことができ、異なる吸着剤材料を用いる方法を達成することができる。残留細胞、細胞破片及び他のタイプの粒状材料のような弱く結合した材料が、液流を用いて床から洗い出される。次に、異なるパラメーターを用いて、捕捉された標的分子を適当な緩衝条件を用いて床から溶離する。例えば、吸着剤材料の粒子間の距離が大きくなり、緩衝条件が、標的分子が吸着剤材料粒子から放出され溶離液相に入るように変えられる。溶離液は、濃度が増加し、清澄化され、部分的に精製され、必要ならばさらなる精製の準備ができている標的分子を含む。すなわち、本発明は、吸着剤をCCDチャンバーに添加すること、吸着剤材料に作用するベクトル力の加重により吸着剤材料を懸濁させること、標的分子を吸着し不均質液中の他の材料を床を通過させるクロマトグラフィー床を形成すること、吸着された標的分子を吸着剤材料から溶離すること、及び溶離された標的分子を集めることを含んでなる、高度に不均質な液体から標的分子を濃縮する方法を包含する。吸着剤材料がCCDのチャンバー内にあるときに、吸着された標的分子を吸着剤材料から溶離することができる、又は、吸着剤材料がCCDを出た後、吸着剤材料から溶離される。
【0041】
CCD法、装置及び組成物は、イオン排除クロマトグラフィー法及び材料を含む。イオン排除において、同様の電荷を有する可動性イオンは、固定された電荷を有するビーズを貫通することができない。高度に荷電された種が、粒子内から排出され、迅速に溶離される。純相分配において、粒子内(結合)水と極性のより低い可動相との間にサンプルが分配される。適当な緩衝液を選択することにより、カラム又は床選択性を、特定の化合物用に細かく調節することができる。非極性化合物は、極性化合物よりも強度に保持される。逆相分配において、極性の通常は水性である可動相と非極性(芳香族)樹脂バックボーンとの間にサンプル分子が分配される。より疎水性の分子が、疎水性の低い分子より遅れて溶離される。配位子交換及びサイズ排除も用いることができる。サイズ排除において、樹脂の効果的孔構造を通過するには大きすぎる分子は、粒子内から物理的に排除される。本発明の方法及び組成物は、粒子及び溶媒を含む組成物を用いてCCDのチャンバー内に実質的固定床を形成することを含んでなり、粒子の組成物が、イオン排除に適した粒子を含み、培地の組成物が、標的分子が粒子により結合されるイオン環境を形成する液体を含む、分子を分離する方法を包含する。また、この方法は、その中で標的分子が粒子により結合される溶媒の組成物を含む。もう一つの態様において、この方法は、標的分子が入るには小さすぎる孔を有する粒子の組成物を含む。もう一つの態様において、この方法は、標的分子が入るようにサイズ調節された孔を有する粒子の組成物を含み、そのような方法において、標的分子は、標的分子が床を直接流通した場合よりも遅い時間にCCDから流出する。
【0042】
CCD中のイオン交換クロマトグラフィーは、BioRad社製のUNOsphere S強力カチオン交換溶媒のような粒子を含むことができる。これらの粒子は、蛋白、核酸、ウイルス、プラスミド及び他のマクロ分子の分離のために設計された親水性球状ポリマービーズである。ビーズは、20%エタノール中に100mM NaClを含む溶液中に50%(v/v)スラリーとして提供される。ビーズは、CCDに入る溶媒流に添加され、ビーズからなる床が、CCD内に形成される。最適の流量及び床寸法の決定は、充分に当業者の技術範囲内であり、単離又は分離すべき標的分子により決められる。標的分子を含む液体が、適当な緩衝条件でCCDに添加され、標的分子がビーズに結合する又はビーズから排出されるまで流れる。次に、標的分子は、排除される場合は、CCDから直接溶離される、又は、標的分子は、適当に緩衝した溶媒と共にCCD床から溶離される。
【0043】
アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィーに共通に用いられる全ての緩衝液が、イオンビーズ及び本発明方法と共に用いられる。種々の緩衝液を、標的分子及び、標的分子がその中で見つけられる不均質液の性質に依存して、異なるステップにおいて用いることができる。イオン交換ビーズ上の官能基と同じ電荷を有する緩衝イオンの使用は、最良の結果を生み出す。例えば、カチオン交換ビーズを有するリン酸イオン、及びアニオン交換ビーズを有するTrisである。カチオン緩衝液には、例えば、酢酸、クエン酸、HEPES、乳酸、MES、MOPS、リン酸塩、PIPES、ピバル酸、TES及びトリシンがあるが、これらに限定されない。アニオン性緩衝には、ビシン、bis−Tris、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、L−ヒスチジン、イミダゾール、ピリジン、トリシン、トリエタノールアミン及びTrisがあるが、これらに限定されない。イオンビーズは、2〜4倍床体積の1〜2M NaClで洗うことにより再生することができる。この洗浄は、結合した材料を可逆的に除去する。
【0044】
逆相及びシリカ上イオン対を含む方法は、効果的分離のために複合溶離液を必要とする。これらの機構は、床材料と適合されるまで分離される化合物を修飾する原理に作用する。あるいは、床材料を修飾することができ、クロマトグラフィー条件が、化合物と適合性になるように最適化され、定組成溶離が可能になり、サンプルが誘導されない。
【0045】
CCD適用は、イオン交換法の使用を含む。イオンクロマトグラフィーは、蛋白精製のために最も広く用いられている技術の一つである。最も一般的に用いられているイオン交換支持体の二つは、強力アニオン交換剤及びカチオン交換剤である。酸、中性蛋白及びペプチドの精製のために、四級アミン官能基を有する強力アニオン交換剤が用いられる。塩基性及び中性蛋白及びペプチドの精製のために、スルホン酸官能基を有する強力カチオン交換剤が用いられる。これら及び他のイオン官能基を有し得るCCD装置において用いることができる全てのタイプの支持材料が、本発明に包含される。
【0046】
CCD床材料
CCD法及び装置において用いられる、それらの全てが交換可能な用語である床材料、樹脂及びビーズの型は、少なくとも部分的に、標的分子又は化合物、及びその中で標的分子が見られる溶液の化学的性質により決められる。特定のクラスの水不溶性又は水溶性の乏しい化合物は、好ましくは、逆相粒床上で分離され、糖、アルコール及び短鎖有機酸のような他の水溶性化合物は、好ましくは、イオン交換樹脂上で分離される。中間的可溶性の化合物を、幾つかの異なる方法を用いて分離することができる。
【0047】
CCD法、装置及び組成物の特別の利点は、CCD内で重力充填が不足しているので、従来のカラムにおいて用いられるものに加えて、小さな直径のビーズ、樹脂又はゲルのような高分解能クロマトグラフィー支持体を用いることができることである。樹脂、ビーズ又は支持材料の密度は、標準的カラム床材料より低くすることができる。不純状態で標的分子を含む装入液、原料又は発酵ブロスは、標準的カラム分離において実用的なより高い粘度を有することができるが、これは、CCD内の床の密度を、回転及び他の力パラメーターにより注意深く制御及び微調整することができるからである。より高粘度の性能により、開始材料の希釈程度を下げることができ、濾過のような予備プロセスステップを防ぐことができる。液流は、吸収速度により制限され、負荷時間を短くする最低流動化速度のような物理的床条件によっては制限されない。
【0048】
CCD法、組成物及び装置は、クロマトグラフィー法により分離することができるいかなる生物材料又は無機材料の分離にも用いることができる。例えば、食物及び飲料中の蛋白、炭水化物、アルコール及び有機酸の分析、生化学的、生物医学的及びバイオテクノロジー用途のためにCCDを用いることができる。分離のパラメーターは、異なる標的分子、開始材料及び必要な精製度について異なる。最近用いられているクロマトグラフィーにおいて、吸着クロマトグラフィーの産業的適用において必要な高処理量を達成するために、流速が、ビーズがカラムから運び出されることなく完全な精製サイクルを通して高くなくてはならない。CCDの設計及び操作パラメーターにより、ビーズを失うことなく効率的な流動制御が可能になる。
【0049】
標的分子を単離する方法であって、遠心力場における少なくとも一つのチャンバー内にクロマトグラフィー粒子を懸濁させることを含み、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を形成するように作用し、重力が粒子に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、粒子に作用するベクトル力の加重により粒子を実質的に固定化し、また、クロマトグラフィー床を形成すること、標的分子を不均質液を添加すること、クロマトグラフィー床の作用により不均質液を分離すること;及び標的分子を含む不均質液の分離部分を保持することを含む。この方法は、限定はされないが、吸着性、サイズ排除、親和性、吸収性、極性、非極性、カチオン性、アニオン性、配位子交換、疎水性、親水性及びイオン対形成性、及び当業者に知られている他の性質のクロマトグラフィー粒子を含む任意の既知のクロマトグラフィー粒子を用いることを含む。クロマトグラフィー床の作用は、粒子と、不均一液の成分及びCCDのクロマトグラフィーラン中に用いられる緩衝液との相互作用又は非相互作用から生じる。クロマトグラフィー床の作用は、一又は二つ以上の方法で不均一液を、少なくとも一つのフラクション中で見られる標的分子と共に分離又は分別することである。
【0050】
粒子
CCD床材料は、本発明の分離方法用の、全てのタイプの樹脂又は材料であり得る。さらに、CCDは、異なるビーズの新規組み合わせ又は、同じビーズ上の官能基又は配位子の新規組み合わせを用いることができる。粒子は、限定はされないが、強度の多孔質、マクロ多孔質、僅かな多孔質、非多孔質、親水性、疎水性、高帯電、僅かな帯電、非帯電、硬質又は膨潤性であり得る。粒子は、限定はされないが、プラスチック、メタクリレート、高結合能又は低結合能を有する強アニオン交換剤、DEAE弱アニオン性交換粒子、高S強度カチオン交換材料、又はCM弱カチオン性交換材料であり得る。
【0051】
一般的に用いられる材料は、産業規模クロマトグラフィーに良好に作用すると分かっている材料であるアガロースである。高度に架橋したアガロースマトリクスのマクロ多孔質構造は、蛋白のような大きな分子に対する良好な結合能を、高度の科学的及び機械的安定性に組み合わせる。高機械的安定性は、用いられるマトリクスが、粒子が自由に動いているときの磨耗の効果を低下させる重要な特性である。CCDの設計は、カラムクロマトグラフィーとは異なる態様が可能であるので、アガロースビーズは、標準的ビーズと比べて架橋量が小さい又は大きいあるいは異なる。これらの変化又は非変化が、床材料中の全ての構造材料について可能である。変性アガロースマトリクスは、一部のガラス又はセラミクス材料のような無機材料より脆さが小さい。
【0052】
無機材料のみからなる粒子は、密度が制限されており、必要とされる高沈殿速度のような従来のクロマトグラフィー条件のために非常に大きな直径を有する必要がある。そのような大きな粒径により、拡散経路長さが長くなり、これが、かなりの質量移動抵抗を生じさせ、生産性が低下する。従来のクロマトグラフィーとは異なり、CCD装置、方法及び装置は、これらの大きな有機材料を用いることができる。さらに、有機材料より密度の高い不活性芯材料を含む複合粒子を含む。そのような粒子は、かなりの粒径においてその密度が高いように設計することができる。
【0053】
本発明で、床材料中の粒子多分散性も考えられる。寸法及び密度勾配が、CCDチャンバーでビーズを特定の位置に配する。より小さくより軽い粒子が一つの位置に移動すると、より大きくより重い粒子が異なる位置に移動する。任意の特性における多分散性が、本発明で考えられる。寸法、密度、結合能、孔寸法排除、支持材料の相違が、CCD法及び装置で用いられる成分及び因子の種々の組み合わせの一部である。
【0054】
HPLC適用
本発明は、CCDに高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)の特性を与えるCCD用の方法及び組成物を包含する。CCD法は、特に、イオン排除、イオン交換、配位子、交換サイズ排除、逆相及び純相分配及び親和性を含む。これらの複合式の相互作用は、化合物を分離する独自の性能を提供する。樹脂上の荷電が、イオン排除の性能を提供し、一方、ポリスチレンバックボーンのような樹脂材料が、疎水性相互作用を起こさせる。相互作用の範囲は、分析される化合物及び、必要な選択性の程度に依存する。
【0055】
逆相及びイオン対形成HPLC技術は、効果的分離のために複合的溶離条件を必要とする。これらの方法は、床と適合性になるまで、分析される化合物を修飾する原理に作用する。さらに、樹脂系HPLC様CCD床を用いると、分析される化合物の修飾の代わりに、床材料が修飾され、回転及び他の力パラメーターが、化合物構造と適合性になるように最適化される。樹脂系床は、定組成HPLC系の使用を可能にし、サンプル調製法を単純化し、サンプルの誘導を必要としない。これが、サンプル調製時間を短くし、合計分析時間を低下させる。濾過は、必要な唯一の予備プロセスステップである。
【0056】
アフィニティクロマトグラフィー
アフィニティクロマトグラフィーは、床中の粒子が標的分子を特異的に結合する性能に基づく。例えば、モノクローナル抗体の精製は、クロマトグラフィーの主要な適用の一つであり、CCD法及び組成物は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体を含む抗体、結合部分、Fc領域及び抗体の断片、及び抗体受容体の精製を含む。材料を含むA蛋白及びG蛋白は、種々のクラスのイムノグロブリンを精製するための手段である。例えば、A蛋白又はG蛋白を有する粒子がCCD床内で用いられ、標的分子である抗体を含む不均質液が床を通される。標的分子はA蛋白又はG蛋白により結合され、不均質液中の他の材料が床を通される。他の受容体系床材料を用いて、抗体の種又はサブクラスを単離することができる。
【0057】
特定のモノクローナル抗体を単離するCCD法の例を提供する。Cibacron blue F3GA染料を有するDEAEビーズの床材料、すなわち混合式アニオン交換/染料配位子を含む第1CCDが用いられ、これが、第2CCD又は従来のカラム内のCHT−1セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー床に直接供給される。DEAE青色樹脂は、DEAEアガロースに共有結合しているCibacron blue F3GA染料を含む二官能親和ゲルである。この染料はアルブミンを結合し、DEAE基は、残りの酸性蛋白を結合する。これは、A又はG蛋白結合分離のための別の分離を提供する。組み合わせられた染料とDEAE材料は、全てのIgGサブクラスを結合することができ、穏やかな溶離条件を利用し、全てのプロテアーゼの完全除去を提供する。適当な条件下に、抗体が溶離され、アルブミンが保持される。ヒドロキシアパタイトステップは、抗体をさらに精製する。CHT−I床は、抗体のpIがアルブミンのpIに充分近くイオン交換の問題を引き起こす場合、有用である。さらに、CHT−Iは、モノクローナル抗体の異なるイデオタイプを分離させる。
【0058】
もう一つの精製法は、床材料用の強力カチオン交換材料の使用を包含する。4.5〜5のpHにおいて、アルブミンは陰性帯電し、結合しない。抗体は、このpHにて陽性帯電し、床材料に結合する。アルブミンはCCDチャンバーから排出され、抗体は保持される。塩化ナトリウムグラジエントを用いて抗体を溶離することができる。
【0059】
もう一つの精製法は、DEAE20弱アニオン交換材料のような弱アニオン交換剤の使用を包含する。大部分のイムノグロブリンは、6〜8の範囲のpIを有し、DEAE床のために7.5のpHが用いられる。大部分のイムノグロブリンは、これらの条件下に結合し、グラジエントにおいて初期に溶離する。抗体用の弱いアニオン交換条件を記載している多数の文献があり、これらの方法をCCD装置及び方法に種々適用することができる。標準的クロマトグラフィー装置を用いると、pHを変える場合に大きな平衡体積が要求されるので、弱イオン交換剤を用いることに不利益がある。CCDは、回転及び他の力パラメーターを容易に変化させることにより、床粒子間の距離を変化させることができ、このように、平衡における緩衝液及び時間を減らすことができる。
【0060】
これらのような方法、特に、アルブミンと他の蛋白との間を区別することができる青色染料親和材料を使用して、補体、フェトプロテイン、マクログロブリン、チロメジン、ゲルソリン及びアルブミンのような血清及び血漿蛋白を分離及び精製することができる。限定はされないが、キナーゼ、デヒドロゲナーゼ及び他のヌクレオチド依存酵素を含む酵素を精製することもできる。酵素基質親和性ビーズも本発明に含まれる。生物特異的親和性材料がCCDにおいて用いられて、標的分子用に特異的に選択される。
【0061】
アフィニティクロマトグラフィー用のもう一つの選択的結合材料は、ボロネート誘導床材料を用いる。ボロネート誘導材料を、ポリアクリルアミドのようなクロマトグラフィービーズ、樹脂又はゲルの製造において用いられる材料から作ることができ、現在用いられていない材料と一緒に用いることができる。これは、CCD床材料が、材料の異なる構造を含むからである。これらのボロネート誘導床材料が、ヌクレオチド、ヌクレオシド、カテコールアミン及び糖のような低分子量化合物の高度に効率的な分離のために用いられる。ボロネート誘導床材料は、隣接シスヒドロキシ基(シスジオール)に親和性を有し、AMP及び環式AMPのような密に関連する種を分離することができる。方法は、シトシン、ウリジン及びアデノシンのようなシスジオール含有化合物を互いに分離することを含む。これらの化合物の全てが結合されるが、それらの異なる親和性により、別途溶離することが可能になる。小さな分子を分離するために床充填密度又はビーズ排除パラメーターを用いることにより、サイズ排除を親和性と組み合わせることもできる。
【0062】
特定の標的分子用に特異的に選択するために個々に設計されたビーズ(床材料)を用いることもできる。アガロース又は他のタイプの支持材料へイムノグロブリンカップリングさせる床材料が、本発明に含まれる。イムノグロブリンを、第一アミンにより又は、IgGのFc領域上に見られる炭水化物の糖の隣接ヒドロキシルの過ヨウ素酸塩酸化のような他の方法により、活性化支持体に付着させることができる。これらの特異的抗体は、任意の標的分子に導くことができ、1ステップ分離法に用いることができる。
【0063】
CCD法及び装置において材料を精製又は分離するために他の化学材料を用いることができる。例えば、キレート化イオン交換樹脂を用いて金属を結合することができる。そのような樹脂の例はジビニルベンゼンコポリマーのような支持材料であり、対になったイミニオ二酢酸イオンを含み、これらは、ナトリウム及びカリウムのような一価カチオンの存在下に、銅、鉄及び他の重金属のような結合性多価金属においてキレート化基として作用する。この樹脂は、高濃度塩溶液中であっても、遷移金属に対する非常に強力な吸引力を有する。CCD中でのそのような床材料の使用は、そのような金属の精製又は、他の標的分子を含む生物学的材料からのそのような金属の除去に加えて、環境浄化法を可能にする。
【0064】
本発明の方法は、各粒子に作用するベクトル力の加重を用いることにより床を形成する粒子を実質的に固定する装置を用いることを含む。そのような装置の態様が、米国特許第5,622,819号、5,821,116号、6,133,019号、6,214,617号、 、及び米国特許出願09/316,566、09/733,027、09/788,991及び10/153,161が記載され、その各々の全体を参考のために取り込む。粒子の遠心分離固定について米国特許第4,939,087号のように他の装置が用いられてきたが、これらは、重力の効果が無視されるので、粒子、細胞、生体触媒及びクロマトグラフィー材料の長期固定化に成功していない。微生物又は動物細胞は重量が非常に軽いが、それらの質量はゼロではない。その結果、重力は粒子に大きな効果を有し、この効果は経時的に増加する。長期間に渡って、懸濁粒子の重量は、これらの粒子を、生体触媒固定化チャンバーの最も低い領域に沈降させ、最初は粒子をチャンバー内に懸濁させた力のバランスが崩される。さらに、これらの粒子を、個々の粒子と実質的に同じ密度の大きな粒子に凝集させると、遠心分離効果が増加し、凝集塊が長い方の半径に移動し、その結果、液入口が閉塞する。
【0065】
本発明の方法で用いられる装置は、(1)ストークスの法則及び向流遠心分離の理論、(2)流速と遠心分離場力との幾何学的関係、(3)ガスのヘンリーの法則及び(4)溶媒及び粒子への水圧の効果、における固有の関係を利用する。本発明の方法は、既知のクロマトグラフィービーズ及び樹脂のような粒子の三次元配列の固定化によりクロマトグラフィー床を形成することができる装置を含む。
【0066】
本発明の装置により利用されるプロセスの理論的基礎は、粒子配列を固定化する新規方法を利用する。固定化粒子にやはり作用する重力の効果と組み合わせてストークスの法則を適当に適用すると数学的関係が得られ、これにより、そのような粒子が相対的固定化される。重力の効果は、図1に示すような回転軸の代替的な選択により償うことができる。生物学的遠心分離において最も一般的であるように、垂直軸(z)の回りの回転の代わりに水平軸(y)の回りの回転が選択されると、固定化粒子への重力の効果は、常に、x−z平面のみの作用に限定される。これは、遠心分離と液流に関わる力との両方が作用させられる同じ平面であるので、それに作用する3つのタイプの力の合計の結果、回転サイクルにおける任意の地点において制限粒子が動く。
【0067】
図の平面がx−z平面である図2の挿入図Aに示すように、内側に向けられた流動液(Fb)により提供される正確に等しく対向する力が粒子に向けられているときの、半径方向の遠心分離場(Fc)中に懸濁された粒子の位置への重力(Fg)の効果を、等式1〜4の評価によって計算することができる(式中、(k)は、(a)に等しい位置のローターの角度回転中に重力により付与されるx−z平面内の下方向移動を表す)。これらの拘束下、及び[2□×(k/a)]<R(低質量粒子)についての粒子の回転の分析により、動作が周期的であると決められ、すなわち、粒子動作により、360°の完全回転後(平衡達成後)にその開始位置に戻ることになる。図2に示すように、対向する等しい遠心力及び流通に関わる力の結果としてさもなければ固定する粒子の動作に対する重力の効果により、I及びII象限での半径位置及び、III及びIV象限での正確に等しい半径方向延長が減少する。すなわち、回転軸からの粒子の半径方向距離も、360°の完全回転の途中で周期的動作を示す。数学的に、動作の周期性の測定は、測定が90°又は180°で始まる場合は1回転のみを必要とし、測定が0又は180°で始まる場合は2回の完全回転を必要とするが、この理由は、最初の距離と異なる新しい平衡半径方向距離は、後者の場合になるからであることに注目すべきである。
【0068】
完全回転サイクルでの粒子の効果的動作を、図3の挿入図に示す。粒子がその中で懸濁される容器の側部を1及び2と標識し、1つの回転サイクル中の粒子の動作は円を描き、その中心が、粒子容器の「先端」側に移動される。すなわち、同じ液流場により対向される遠心分離場に懸濁された粒子は、半径方向の力のバランスをその動作中に維持することができるので、周期的動作に拘束される(及び、効果的に固定される)。
【0069】
回転軸がここでは(y)軸であるグラフを図4に示す。これらの条件下では、サンダーゾン及びバードの仮説を言い換えて、粒子の長期的固定に適用することができる。z軸(rz)によって半径方向距離があり、これは、等式3により評価すると、重力場の存在下であっても内側に向けられた液流により正確に対向される遠心分離場において粒子が相対的に固定される位置を表す。さらに、均一な粒子の寸法、形状及び密度及び均質液流の条件下にストークスの法則(等式1)を単純化すると、等式2になり、ここで、粒子の沈降速度(SV)が、適用された遠心分離場の単純線形関数であることが明らかである。同様に、等式3を同じ条件下に等式4に書き換えることができ、ここで、液速度(等式3におけるV)は、液流速(FV)に置き換えられた。等式4は、定数(C)の評価により適合され得る適用された遠心分離場と液流速に連続性があり、これらの全てが、相対的粒子固定の要求を満たすことを示している。さらに、液流速を(z)の関数として変化させると、各半径方向距離においてこの等式を別途適用することができる。等式4の意味の考察は、回転軸からの単一半径方向距離における粒子の二次元配列の固定化と対照的に、粒子の三次元配列の相対的固定にとって重要である。
【0070】
粒子がその中に配されるチャンバーが円筒形(図5に図示するように)であり、液体が、回転軸に最も遠いチャンバーの端部からこのチャンバー内に流入し、次に、この液流(等式1、図5に示す)の流速が、粒子の層により占められない全ての地点において単一の値を有することが明らかである。その結果、粒子の二次元配列が、等式2(ここで、CFは遠心分離場力でありFVは液流速である)に示すように、特定の半径方向距離(A1)において位置的平衡である場合、図5においてA2又はA3に位置するような、A1より大きい又は小さい半径方向距離における位置を占めるようにされた粒子は、必ず、不均一な拘束力が付与され、粒子が真に変形される。すなわち、A2に配される粒子は、A1より半径方向距離が長く、A1におけるよりも大きな遠心力を受け、必ず、より長い半径方向距離になる(等式3)。逆に、最初にA3に位置していた粒子は、遠心分離場が低下し、より短い半径方向距離になる(等式4)。すなわち、図5のような平行壁チャンバー内に粒子の三次元配列を形成することは不可能である。
【0071】
しかしながら、生体触媒固定化チャンバーは、図6に示すように、回転半径が小さくなると断面積が増加するような幾何学的形状を有し、固定化粒子の三次元配列を形成することが数学的に可能である。これは、液流の微視的流速が、断面積と逆に変化し(等式1)、一方、相対的遠心分離場が回転半径と比例して変化する(等式2)という事実の結果である。すなわち、流速及び回転速度の値が、粒子の二次元配列が回転半径A1において固定化されるように選択されると(等式3)、生体触媒固定化チャンバーの側壁の「アスペクト比」を調節することが数学的に可能であり、それにより、半径方向位置A2に最初に配される粒子も同様の均等な力を受ける又は、等式4に示すように、不均等な力により、チャンバーの中心に逆に向かう真の動作が得られる。同様の理屈を、A3に配された粒子に適用することができる(等式5を参照)。図6に示すような生体触媒固定化チャンバーの幾何学的形状は、切頭円錐の形状であるが、他の幾何学的形状を代替として用いることができ、回転半径が減少すると、チャンバーの断面積が増加する拘束に付されることに注目すべきである。すなわち、図7に示すように、選択される生体触媒固定化チャンバー幾何学的形状により、回転半径が低下するときの遠心分離場力の低下と同じ又はそれ以上の流速低下が引き起こされる場合、液流場により対抗される種々の遠心分離場において粒子の三次元配列を構築することができる。切頭円錐である図7で選択された幾何学的形状において、各回転半径(Rc)における粒子の二次元配列は、各々、対抗力が性格に等しい半径に向かう動きに制限される。
【0072】
一見して、前記記載は、固定化を提供するもの以外の全ての半径における力の不適当な組み合わせの真の効果は、全ての場合にそうではないように、適当な半径上に集中する狭い領域に全ての粒子が「詰め込まれる」ことを示唆している。図8に示すように、粒子の各層が隣接層に接近すると、「緩衝効果」が各層を離して維持する領域に移動する(図8中の水平矢印)。粒子の隣接層が互いにかみあうことができないことの説明は、各層を通過する微視的流速プロフィールの分析の結果である。図9において、環状断面のチャンバー層における特別の半径方向距離に限定される球状粒子の単一の代表的層を示す。図9の断面の直径に対する粒子の直径の比は12:1である。チャンバーの断面の非占領部分を通過する液体の流速の程度は、単にその地点のチャンバー直径から定量化することができ、粒子の層により占められる領域を通過する流速は、必ず、粒子の層の不存在下における流速より大きいが、これは、液体が通過しなければならない断面積が非常に小さくなっているからである。図9のグラフに示すように、前記寸法の層を通過する流速の増加は、各側の層に直に隣接する自由空間において決められるものの2倍を超える。各層の領域における局部的流速のこの微視的増加は、各隣接層を離して維持する「クッション」を提供する。
【0073】
実際の使用において、切頭円錐のチャンバー形状の場合は、切頭円錐の最も離れた領域が、遠心力及び液流速の正確な均等性が達成される領域であることが好ましいことが決められた。切頭円錐の「アスペクト比」(切頭円錐の大きな半径に対する切頭円錐の小さな半径の比)は、図10に示す2つの等式を同時に解決することにより決められる。等式2において、粒子のその「最も低い」層についての固定化の望ましい境界条件を示す。これは、離れた距離において適用される相対的遠心力(RCF)に調和する重力(SR)による粒子の固有沈降速度が、その地点における液流速(FV)の大きさに正確に等しいことを説明している。等式1において、粒子の配列の反対側の表面における望ましい境界条件を示す。生体触媒固定化チャンバー内での全ての粒子の保持を確保するために、SRとRCFとの積がその半径方向距離における流速の大きさの2倍である境界条件を任意に選択した。所望の境界条件等式の同時解決を用いて、上側直径及び円錐長さが知られている場合の円錐部分直径の比を解く。
【0074】
図11は、この実施例において、大径=6.0cm、小径=3.67cm及び深さ=3.0cmの寸法である円錐断面の生体触媒固定化チャンバーを交差する、流れに関する力と遠心力の相対的大きさのプロフィールである。我々は、相対的沈降割合を、最適温度における栄養培地中の重力による粒子の固有沈降速度と、適用された遠心力との積として定義する。指示される寸法の生体触媒固定化チャンバー内への所定の流速(この例では、10mL/分)について、生体触媒固定化チャンバーの離れた端部は、回転軸から9.0cmであり、重力による固有粒子沈降速度と各速度との積は、所望の境界条件を満たすためには、所定の流速において一定である(図10)。換言すると、ここで角速度を特定する必要はない。この値は、固定化すべき特別の粒子型にのみ依存するからである。図11における点線は、生体触媒固定化チャンバーの底部から頂部への遠心分離場力の線形変化を示し、実線は対応する流速の値を示す。チャンバーの底部(チャンバーの最も離れた部分)において、力は均等であり、この位置での粒子は真の力を受けない。チャンバーの頂部において、粒子は、遠心分離の大きさの僅かに半分である流れに関する力しか受けず、そのため、減少する断面積の近接領域(チャンバー液出口)の存在下であっても、チャンバーを出る傾向がなく、流速は著しく増加する。
【0075】
前述のことから、回転半径が減少すると断面積が増加するという必要な条件に従って、三次元粒子配列において所望の力関係を達成するために任意の半径方向距離において、適用される遠心分離場と液流速力との境界的かつ中間的関係を達成するようにその形状を調節することができる他の幾何学的形状のチャンバー構造があることが明らかである。しかしながら、実際には、回転平面を横切る平面において作用するコリオリ力の異常な効果の結果として、方形断面を有する形状を利用することは望ましくない。方形断面の場合、これらの別の重要でない力が層間粒子動作に寄与することができる。
【0076】
前述のことから、適用された遠心力と独立して作用する個々の粒子集団に作用する重力の効果は、先に示したよりも重要性がかなり低いことも明らかである。特に、他の固定化粒子の重力の基本的効果は、半径の延長又は半径の短縮を起こすので、粒子のそのような動作は、必ず、増加した流速(より長い半径)又は減少した流速(より短い半径)をもたらし、遠心分離場力はかなり小さな変化しか示さない。
【0077】
その結果、その固有質量への重力の効果による粒子の周期的動作は、そのような不均衡な対抗力場の存在下において大きく低下し、低い質量粒子の場合、平面内の振動を引き起こす。
【0078】
固定化チャンバー内のガスの導入又は発生を制御することが好ましい。液体に溶解し得るガスの量は系の圧力の関数であることを本質的に述べているヘンリーの法則の適用によりこの条件を確実にすることができる。すなわち、チャンバー及びチャンバーに導きチャンバーから出る液ラインを含む系の液体含有部分の水圧は、入力ガスの必要量を充分に溶解すると共に、生成されたガスの溶解性を確保するのに充分な水圧に維持され、固定化力学を妨げない。
【0079】
図12は、本発明の種々の態様による系を示す。クロマトグラフィーにおけるように標的分子を分離及び単離するための方法及び組成物を利用する系100において、CCD 102は、生成器104及び生成物捕捉手段106と共に作用する。
【0080】
典型的には、CCD 102は、固定化粒子の寸法又は粒子の機能とは独立に操作する。すなわち、CCD 102は、特定の液流速と分当たり回転速度(RPM)の組み合わせにおいて操作することができ、例えば、直径5又は200μmのイオン交換樹脂ビーズ又はゲル排除ビーズの配列が固定化され、固定化粒子の配列を通過する液体の背圧又は抵抗(2)は、同じ数の粒子の等しい充填床の背圧の一部である。
【0081】
生成器104は、開始材料である不均質液を生成、貯蔵又は、CCD 102のようなクロマトグラフィー装置に提供するための既知の方法及び系に関する従来の装置であり得る。
【0082】
生成物捕捉手段106は、CCD 102のようなクロマトグラフィー装置からの一又は二つ以上の生成物を捕捉、保蔵又は受け取るための既知の方法及び系に関わる従来装置であり得る。
【0083】
図12に示すように、CCD 102は、生成器104で生成された開始材料である不均質液を受け取る。CCD 102は、適当なクロマトグラフィー技術を用いて、開始材料からの標的分子を捕捉又は単離する。CCD 102は、次に、生成物捕捉手段106に標的分子を提供する。図12の108に示すように、CCD 102により用いられるクロマトグラフィー技術に依存して、CCD 102は、挿入クロマトグラムに示すように、不均質液中の他の材料から標的分子を単離し、ここで、ピークは、不均質液中の異なる材料の分離を示している。
【0084】
図13は、本発明の種々の態様に従って、クロマトグラフィーにおけるように、標的分子を分離及び単離するための方法及び組成物を利用するもう一つの系200を示す。この態様において、それぞれのクロマトグラフィープロセスにおいて、所望の生成物分子を得るために、一又は二つ以上のCCD 202a,bを用いることができる。各CCD 202a,bは、クロマトグラフィープロセスに従う、固定化クロマトグラフィー粒子配列すなわちクロマトグラフィー床を含む。第1のCCD 202aを一次プロセス装置として用いることができ、第2のCCD 202bをバックアップ又は流出プロセス装置として用いることができる。一般的生成器204からの開始材料である不均質液を、第1のCCD 202aにポンプで送り、次に第2のCCD 202bに送ることができる。固定化クロマトグラフィー粒子配列からの標的分子の溶離を引き起こすように設計されている化学的組成物の液体のような溶離溶媒206を、必要により各CCD 202a,bに提供することができる。典型的には、第1CCD 202aからの流体流が特定の体積に達すると、その後の流体流を第2のCCD 202bへと転向する。それぞれの生成物捕捉貯蔵器208a,bを、各CCD 202a,bに接続して、CCD 202a,bにより行われるクロマトグラフィープロセスからの標的分子を集める。液体のような非生成物廃棄物210を、クロマトグラフィープロセスの結果として、各CCD 202a,bから排出する。典型的には、収集装置又は貯蔵器は、非生成物廃棄物210を捕捉する。
【0085】
例えば、連続流型系200を、古典的イオン交換型又は親和型クロマトグラフィープロセスと組み合わせて用いることができる。連続流系200に示すCCDと組み合わせてこのタイプのプロセスを用いて、標的分子を不均質液から得ることができる。
【0086】
系200により行われる連続流型プロセスを以下に記載する。最初に、標的分子を含む開始材料である不均質液を、生成物容器204から第1CCD 202aにポンプで送られるように導入する。標的分子は、最初に、樹脂粒子からなるクロマトグラフィー粒子配列において第1のCCD 202aにより吸着される。標的分子は、第1のCCD 202aにおいて固定化される。全ての利用できる結合部位が飽和すると、溶離溶媒206が、続いて、支持体から所望の生成物分子を溶離する。第1のCCD 202aからの廃液を、次に、廃液貯蔵器又は非生成物廃棄物210へと転向する。このようにして、より精製され濃縮された生成物を、生成器204から連続的に抽出することができる。
【0087】
第1のCCD 202aが、予め定めら得た標的分子結合能に達しようとするとき、生成器204からの流れを、第2のCCD 202bを通って流れるよう転向する。第1のCCD 202aからの標的分子の出力は、次に、生成物捕捉器208aへと転向され、そこで、クロマトグラムのピークに示されるように標的分子が集められる。第2のCCD 202bからの標的分子の出力は、第2の生成物捕捉手段208bに転向される。すなわち、標的分子結合能が、第1CCD 202a又は第2CCD 202bのいずれかのための予め決められた量に達すると、必要により流れを他のCCDへと転向する。このようにして、第1CCD 202a及び第2CCD 202bを、別の期間に操作して、所望の生成物分子の連続流を提供することができる。
【0088】
図14は、本発明の種々の態様に従ってクロマトグラフィーを用いて標的分子を分離及び単離するための方法及び組成物を利用するもう一つの系300を示す。この態様において、一又は二つ以上のCCDが、連続プロセス流型スキームで用いられ、高分子量生成物分子を、不均質液から単離及び精製することができる。図13の系200と同様に、系300は、生成装置302からの不均質液を第1CCD 304に提供する。第1のCCD 304において、不均質液の細胞質部分を除去する。非生成物廃棄物306のような廃棄物を貯蔵器へと転向する。次に、細胞を含まない液体を、第1のCCD 304から第2のCCD 308に送り、そこで、低分子量蛋白汚染物を廃棄し、標的分子を含む液体を下流の精製セクションに移す。第2のCCD 308からの廃棄物を、もう一つの一つの貯蔵器又は非生成物廃棄物306へと転向する。次に、第3のCCD 310及び第4のCCD 312を代わりに操作して、まず吸収を行い、次に、より精製され濃縮された蛋白標的分子を溶離する。溶離液314を、必要により第3のCCD 310及び/又は第4のCCD 312の各々に添加する。第3のCCD 310及び第4のCCD 312の各々からの廃棄物を、非生成物廃棄物316のような別の又は一般的貯蔵器へと転向する。第5CCD 318及び第6CCD 320が代替的な操作で用いられて、アフィニティクロマトグラフィー樹脂配列から蛋白生成物を吸着し溶離する。溶離液322を、必要により第5CCD 318及び/又は第6CCD 320の各々に添加することができる。第5CCD 318及び第6CCD 320の各々からの廃棄物を、非生成物廃棄物316のような別の又は一般的貯蔵器へと転向する。得られる生成物流は出力324であり、そこで、蛋白標的分子は、少なくとも4つの連続的クロマトグラフィー精製ステップに付される。
【0089】
図15〜24は、一般的に遠心分離クロマトグラフィー装置すなわち「CCD」としても知られている本発明の態様に従う装置の図である。この示された態様は、クロマトグラフィーにおけるように、標的分子を実質的に分離及び単離するための装置に関する。分離及び単離すべき標的分子の型、及び特定のクロマトグラフィープロセスにおけるCCDの役割に依存して、種々のクロマトグラフィー樹脂配列をCCDで利用することができる。
【0090】
図15は、少なくとも一つの生物材料を分離及び単離するための少なくとも一つのチャンバー402を有するCCD 400の正面図である。この態様において、CCD 400は、シャフト404の長手軸に沿って位置される少なくとも一つのチャンバー402を含む。CCD 400は、シャフト404に取り付けられた任意の数のチャンバー402を含み得ることに注目されたい。図21A及び22Aにおいては、シャフト404は典型的に、入口腔406、出口腔408、注入オリフィス410、及び出口オリフィス412を有する。シャフト404は、典型的に、ステンレス鋼、代表的には、アニーリング、研削及び研磨されたステンレス鋼304又は316からなる。しかしながら、シャフト404は、限定はされないが、鋼、鉄及びチタンを含む金属、プラスチック、複合材料、それらの組み合わせ、あるいは、操作中にCCD 400で生じる応力に耐えることができる材料からなってよい。
【0091】
入口腔406及び出口腔408は、好ましくは、シャフト404内に配され、シャフト404の長さ全体に伸びる。注入オリフィス410おより出口オリフィス412は、それぞれ入口腔408及び出口腔410と流体交通しており、各オリフィスは、シャフト406の外側表面に接触する。CCD 400は、さらに、少なくとも一つの注入要素414を含み、これは、図15及び16A−Bに示すように、注入オリフィス410と流体交通しており、各チャンバー402内に配される。この態様において、複数の注入要素414を図16Aに示す。さらに、CCD 400は、ローターのようなシャフト404を回転させる手段及び、シャフト404の長手軸回りの少なくとも一つのチャンバー402を含む。
【0092】
図15〜20に示すように、チャンバー402は、典型的に、ステンレス鋼のような材料からなってよい2つの側部416を含む。あるいは、各側部416は、CCD 400の操作中に生じる応力を耐えることができる任意の材料からなってよく、限定はされないが、鉄又はチタンのような金属、プラスチック、複合材料及び/又はそれらの組み合わせを含んでよい。この態様において、チャンバー402の側部416を合わせる場合、各チャンバー402は側部から見て三角環状の内部腔418を有すことに注目されたい。さらに、チャンバー402の外側形状は、2つの側部416を合わせた場合、望ましくは円形及びホイール形状である。内部腔418の最も外側の部分は、シャフト404の長手軸に通常直交する位置から見た場合、チャンバー402の各内側表面間に角部420を維持する。角部420は、典型的には、約0°〜90°、好ましくは約25°の角度を有する。
【0093】
角部420は、CCD 400が操作中、チャンバー402内に含まれる生物材料(図示せず)が、マニホールドスリーブ422又はシャフト404の外側表面に接触しない実質的静止クロマトグラフィー材料を形成するようにすべきである。さらに、チャンバー402は、チャンバーの角部とスリーブ又はシャフトとの間に遷移セクション又は壁を含むことができる。典型的には、遷移セクションは、シャフト404の長手軸に通常直交する表面からなる。このように遷移セクションを配置すると、CCD 400の操作中にマニホールドスリーブ422に生物材料が接触することが防止され、それにより生物材料がその意図する機能を奏することができる。
【0094】
チャンバー402の側部416は、典型的には、複数のボルト424を用いて一緒に締められる。ボルト424は、チャンバー402の外周428の回りに配された孔426内に配されている。あるいは、チャンバー402の各側部416を、ファスナー又は他の取り外し可能な接合機構の組み合わせを用いて一緒の保持することができる。チャンバー402の側部416が一旦合わせられると、チャンバー402の内側腔418の幅は約2.6インチ(6.7cm)となり、チャンバー402の直径は約12.0インチ(30.5cm)となり、対抗するボルト424間で測定された直径は約9.8インチ(25.0cm)である。しかしながら、CCD 400の他の態様は、前述のような本発明の範囲に従う寸法を有するチャンバー402を含み得る。
【0095】
チャンバー402の内腔418の窪み部分432の内側表面上に典型的に配されるO−リング430を用いて、各側部416間の封止を設けることができる。側部が一旦合わされると、O−リング430は、両側部416に接触する。あるいは、限定はされないが、外すことができる接着剤、ガスケット又は任意のタイプの封止材料を含む手段を用いて、チャンバー402の各側部416間に封止を作ることができる。
【0096】
図15、21A−B、22A−Bに示すように、シャフト404を、各々が、チャンバー402のそれぞれの側部416の中心部分又はそれに近い部分においてチャンバー402に取り付けられている2つの部分に分けることができる。シャフト404の各々の部分におけるフランジ434により、シャフト404を、チャンバー402の外側表面に接続することができる。ボルト436は、フランジ434内に配された孔438に配され、加工されてチャンバー402の外側表面になる。あるいは、シャフト404を、ファスナー又は他の取り外し可能な接合機構の任意の組み合わせを用いて、チャンバー402の直前に固定することができる。シャフト404が、一旦、チャンバー402の側部416の接合されると、シャフト404は駆動して回転することができ、回転力をフランジ434を通してチャンバー402に送る。
【0097】
図23A−Fに、チャンバー用のマニホールドスリーブを示す。チャンバー402は、入口チャンネル440を有するマニホールドスリーブ422、マニホールドスリーブ422の内壁における少なくとも一つの出口チャンネル442、複数の入口開口444、それぞれ入口チャンネル440と出口チャンネル442との間に延びる複数の出口開口446、及びマニホールドスリーブ422の外側壁を含むことができる。好ましくは、入口チャンネル440は、マニホールドスリーブ422の長手軸の中央点に配される。あるいは、マニホールドスリーブ422の長手軸に沿った任意の地点に入口チャンネル440を配することができる。好ましい態様において、入口チャンネル440は、複数の出口チャンネル442の間に配される。図15及び16Bに示されるO−リング448は、典型的には、マニホールドスリーブ422の外側壁に沿った窪み端部450に配される。さらに、o−リング448は、シャフト402に隣接して、注入オリフィス410及び出口オリフィス412の周囲に配することができる。o−リング448は、シャフト404とチャンバー402との間の流体流を防止するための封止を提供する。
【0098】
マニホールドスリーブ422は、マニホールドスリーブ422の入口チャンネル440がシャフト404の注入オリフィス410と流体交通し、マニホールドスリーブ422の各出口チャンネル442が、シャフト404内に配された出口オリフィス412と流体交通するように、チャンバー402内に配される。そのような位置において、チャンバー402の側部416とマニホールドスリーブ422との間に配されたo−リング448は、入力液が出力液と混合又は汚染させない封止を形成する。複数の入口開口444が、入口チャンネル440から、マニホールドスリーブ422の外側壁に延びる。同様に、複数の出口開口446が、出口チャンネル442からマニホールドスリーブ422の外側壁に延びる。
【0099】
マニホールドスリーブ422は、チャンバー402の両側部416が一旦一緒に締められると、チャンバー402内に完全にはまる寸法である。もちろん、当業者に理解されるように、シャフト404に近く又は直前にマニホールドスリーブ422を配する多くの方法がある。さらに、入力液の供給源と流体交通するようにCCD 400を配する2以上の方法があることが当業者に理解される。
【0100】
図15、16A−B及び19Bに示すように、チャンバー402の内腔418から、複数のチャンバー402出口開口452を通して流体がチャンバー402をでることができる。これらの開口452から、流体が、チャンバー出口チャンネル454を通って出口開口412に移動し、次に出口腔408を通ってシャフト404を通過し、ここで、CCD 400から流体を集めることができる。
【0101】
図15に示すように、CCD 400が、ドライブプーリー456を用いてシャフト404に接合される。図24において、CCD 400がスタンド458に取り付けられ、モーター460がプーリーベルト(図示せず)を介して接合されて、ドライブプーリー456が駆動される。ドライブプーリー456は、好ましくは溶接、接着剤、キー溝又は他の機械的接合を用いて、シャフト404に機械的に締め付けられる。スタンド458は、シャフト404を重力に垂直に配し、これは、典型的には、シャフト404を地面に平行に配することにより達成される。スタンド458は、シャフト404が、シャフト404の長手軸の周りの回転運動を除いて動かないように拘束する。スタンド458は、シャフト404をその位置を保持しつつ回転させるベアリングアセンブリー462に取り付けられる。操作中は、シャフト404及びそこに取り付けられた一又は二つ以上のチャンバー402をシャフト404の長手軸の周りに回転させるようにモーター460が用いられる。モーター460は、使用者によって望まれる任意の速度でシャフト404を回転させることができる。
【0102】
操作中、チャンバー402は、マニホールドスリーブ422の外側表面とチャンバー402の内側表面との間に配されたクロマトグラフィー材料を収容する。モーター460は、プーリーベルト及びドライブプーリー456と一緒に、シャフト404及び少なくとも一つのチャンバー402を所望の速度で回転させる。図24に示すように、CCD 400は、典型的には、シールド又は安全性保持チャンバー464を含み、これは、2つの半割体を含むと共に、シールド又は安全性保持チャンバー464が容易に除去できるようにスタンド458の対抗端部にヒンジ付け又はボルト付けすることができる。シールド又は安全性保持チャンバー464は、そこでチャンバー402がクロマトグラフィー材料を含むシールド又は安全性保持チャンバーの内側の温度を一定に保つための熱障壁又は熱保持装置を提供する。さらに、シールド又は安全性保持チャンバー464は、個人が回転チャンバー402に接触することを防止する。チャンバー402が回転すると、典型的に、入力原料チューブ460、入口腔406、注入オリフィス410、複数の入口開口444、複数の出口開口446、及び複数の注入要素414を介して各チャンバー402に加圧流体が配達される。流体の圧力は、圧力ゲージを用いてモニターすることができる。注入要素414は、好ましくはシャフト404の長手軸から最も離れて位置するチャンバー402の内側腔418の内側表面に近い加圧流体を放出する。
【0103】
流体が放出されると、チャンバー402の内側腔418の最も外側の部分から、流体が内側に向かって、マニホールドスリーブ422の隣接するチャンバー402の内側腔418上に配された複数のチャンバー出口開口452に流れる。チャンバー402の設計が前述のような三角環状である場合、チャンバー402に注入された液体は、チャンバー402の内側腔418の最も外側部分から、内側に向かって、シャフト404の長手軸に流れるときに、速度が低下する。チャンバー402の内側腔418の最も外側部分からシャフト404の長手軸に向かって動くときにチャンバー402の断面積が増加するので、流体の速度が低下する。チャンバー402の内側腔418の最も外側部分において加圧流体を注入すると、複数のチャンバー出口開口452を介してチャンバーを出る前に生物材料を通って拡散するように、流体が配される。これらの開口452から、流体が、チャンバー出口チャンネル454を通って、出口開口412に移動し、次に、出口腔408を介してシャフト404を通り、ここで、CCD 400から液体を集めることができる。
【0104】
CCD 400は、種々の有益な目的でクロマトグラフィー床を形成する粒子を配置し懸濁させる。CCD 400は、クロマトグラフィーの機能又はプロセスを実施することができる一又は二つ以上の成分からなる粒子を含むことができる。
【0105】
前述のように、CCD 400は、単一シャフト404上に互いに隣接して配されている複数のチャンバー402を含むことができる。
【0106】
しかしながら、チャンバー402又は複数のチャンバー402は、その三角環状形を維持しつつ直径を増やして、クロマトグラフィーの機能又はプロセスに用いるための材料又は他の生物材料を固定及び維持することができる。
【0107】
すなわち、本発明は、ここに記載の装置において用いられるクロマトグラフィービーズ、粒子、樹脂又はゲルを含む組成物を含んでなる標的分子を分離する方法を包含する。多くの態様がここで開示され、方法、組成物及び装置の組み合わせが本発明に包含される。
【0108】
ここで及び添付の請求の範囲で用いられる単一形は、明らかに要旨が異なる場合を除き複数形を含む。すなわち、例えば、「化合物」というとき、一又は二つ以上のそのような化合物を意味し、当業者に知られているその等価物などが含まれる。
【0109】
特記しない限り、ここで用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明が属する分野における当業者が一般的に理解される意味を有する。本発明の実施又は試験において、ここに記載のものに類似又は等価の任意の方法、装置及び材料を用いることができるが、好ましい方法、装置及び材料をここでは記載する。
【0110】
ここに記載の全ての公報及び特許が、ここで、説明及び開示の目的で参考のために取り込まれ、例えば、ここに記載の本発明と組み合わせて用いることができる公報に記載の構造及び方法が取り込まれる。前述及び明細書全体において記載した公報は、本出願の出願日の前の開示のためにのみ提供される。従来技術であるので、そのような開示に先立つものとして発明者に権利を与えるものではない。
【0111】
本発明は、ここに記載の特定の方法、プロトコール、粒子、構造及び試薬に限定されることはなく、そのものとして変化させることができる。ここで用いられる用語は、特定の態様を説明するためのみの目的であり、本発明の範囲の制限を意図せず、本発明は添付の請求の範囲によってのみ制限されることも理解すべきである。
【実施例】
【0112】
(実施例1 クロマトグラフィー床の形成)
Model 101096透明アクリル固定化チャンバー(合計体積=30mL)を備える分析的規模CCDユニットに、直径30μmのガラスビーズ(カタログ番号GP0029、Whitehouse Scientific,英国)2mLを負荷した。CCDユニットを起動し、350のRPMで50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)を開始した。固定化チャンバー及びその内容物の物理的外観は、ストロボを用いて照明により連続的に観察することができた。
【0113】
5mL/分を下回る流速において、ガラスビーズは、チャンバーの長半径末端部に古典的充填床を形成した。粒子側が7mL/分に増加すると、充填床は、3mLの推定体積に拡大し、視覚試験で明るくなった。7〜12ml/分の液体粒子量の段階的増加により、床体積が実質的に直ぐに段階的に拡張し、床の明るさが増した。同様に、段階的流量減少により、床が収縮し、外観が暗くなった。7〜12mL/分の間の全流量において、ガラスビーズの配列の短半径末端と、その短半径出力ポートにおいてチャンバーを出る流動液との間に明らかに観察できる分割があった。
【0114】
先に概説した方法により形成される床の均質性を評価するために、液体溶媒を50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M酢酸ナトリウム緩衝液(pH=5.0)に変え、ガラスビーズの充填床2mLを4mLの見かけ体積に拡張した。これは、床の流動化が、緩衝化学物質又は液体のpHに依存しないことを示している。次に、1%Trypan blueを含む緩衝液100mlを調製し、CCD内に7ml/分の割合で流した。少し遅れて、固定化チャンバー内への青色着色液体溶媒の入口を観察した。拡張床を通して反半径的に移動するときの青色染料前面の進行を観察することができた。染料前面の進行は非常に規則正しく、流動床内でのチャンネリング又は他の不規則流動の形跡はない。
【0115】
RPMを一定にし染料の床通過を一定にして流量を変えることにより複数サイクルでガラスビーズ配列を拡張及び収縮させ得ることは、古典的流動床が形成されたことの強力な証明と見なした。
【0116】
(実施例2 イオン交換クロマトグラフィー)
分析規模CCDユニット中で固定化された30μmのガラスビーズの床が、イオン交換クロマトグラフィー特性を示す性能を、以下の方法で評価した。CCDをRPM=350で操作し、ガラスビーズ2mLをチャンバー内に入れた後に50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)の7mL/分流動を開始した。床形成が示された(流量が10mL/分に上昇;その後に床体積が増加;流量が7mL/分に減少;床体積が低下)後、50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)中に1%トリパンブルーを含む溶液100mLを、固定化チャンバーにポンプで入れた。この溶液が固定化チャンバーを通過するとき、透明な無色ビーズが暗青色に変化した。約15分後、CCDに入る液流を、染料材料を用いない50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)に変えた。ガラスビーズ配列から非結合染料をさらに15分間洗い流した。CCDに流入及び流出する液体は透明で無色であるが、ガラスビーズの流動床は、なお、結合染料分子で暗く染色されており、15分洗浄より前の色より暗さが弱かった。次に、CCDへの流入液を50%−50%(v/v)グリセロール−0.01M酢酸ナトリウム緩衝液(pH=5.0)に変えた。個の溶液を固定化チャンバーに入るとき、ガラスビーズ上の青色染色が薄くなり始めた。100mLをチャンバーを流した後、固定化ガラスビーズは、再び、裸眼で見て透明及び無色であった。これらの結果は、カチオン性青色染料が、中性pHで(塩基性でも同様に)、ある程度の親和性で、アニオン性ガラス表面に結合することを示している。流動液のpHが低下するので、これらのデータは、流動液の水素イオン濃度が増加すると、結合染料が液流中に放出させることを示している。
【0117】
当業者は、例示態様についてここで開示の本発明に、発明の精神から離れることなく特定の修飾を設け得ることがわかる。本発明を好ましい態様で説明したが、本発明は、種々の再配列、修飾及び変化に付され、そのような配列、修飾及び変化は添付の請求の範囲に含まれるものであると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図1は、本発明の装置のプロセスを説明する。
【図2】図2は、液流が対向する遠心分離場において拘束される粒子への重力の効果故に粒子の動作を支配する数学を示す。
【図3】図3は、図2の制限下における粒子の得られる動作を示す。
【図4】図4は、所定の半径における固定化条件の数学的評価である。
【図5】図5は、回転している円筒形バイオリアクターチャンバー中での遠心力と流速力とのバランスの分析である。
【図6】図6は、回転している円錐形生体触媒固定化チャンバー中での遠心力と流速力とのバランスの分析である。
【図7】図7は、回転している円錐形生体触媒固定化チャンバー中での粒子の三次元配列を示す。
【図8】図8は、回転している円錐形生体触媒固定化チャンバー中での粒子の三次元配列における層間緩衝領域を示す。
【図9】図9は、回転している円錐形生体触媒固定化チャンバー中での粒子の二次元配列における層内流速変化の数学的分析である。
【図10】図10は、円錐形固定化チャンバー及び次元を決める境界条件の例を示す。
【図11】図11は、流量10mL/分での図10のチャンバーにおける遠心分離及び流速力の位置的変化の分析である。
【図12】図12は、本発明の種々の態様による系を示す。
【図13】図13は、本発明の種々の態様によるもう一つの系を示す。
【図14】図14は、本発明の種々の態様によるさらにもう一つの系を示す。
【図15】図15は、本発明の種々の態様によるCCDの正面又は側面図である。
【図16】図16A及び16Bは、図15に示す本発明の態様によるCCDのチャンバーの端面又は側面図である。
【図17】図17A及び17Bは、図15及び図16A、16Bに示す本発明の態様によるチャンバーの一方の側部の端部及び断面図を示す。
【図18】図18A及び18Bは、図15及び図16A、16Bに示す本発明の態様によるチャンバーの一方の側部の端部及び断面図を示す。
【図19】図19A及び19Bは、図15から図18A、16Bに示す本発明の態様によるチャンバーの一方の側部の断面図を示す。
【図20】図20A及び20Bは、図15及び図16A、16Bに示す本発明の態様によるチャンバーのもう一方の側部の端部及び断面図を示す。
【図21】図21A及び21Bは、図15に示す本発明の態様によるCCDのシャフトの部分の側面及び端面図である。
【図22】図22A及び22Bは、図15に示す本発明の態様によるCCDのシャフトのもう一つの部分の側面及び端面図である。
【図23】図23A〜23Eは、図15に示す本発明の態様によるCCDのマニホールドスリーブの側面及び断面図である。
【図24】図24は、本発明の種々の態様によるCCDの端面図である。

Claims (18)

  1. 標的分子を単離する方法であって、
    a)クロマトグラフィー粒子を一つの遠心力場内にある少なくとも一つのチャンバー中で懸濁させ、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を形成するように作用し、及び重力が粒子に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、粒子に作用するベクトル力の加重により粒子を実質的に固定化し、及びクロマトグラフィー床を形成し、
    b)標的分子を含む不均質液を加え、
    c)クロマトグラフィー床の作用により不均質液を分離し、及び
    d)標的分子を含む不均質液の分離部分を保持する
    ことを含んでなる方法。
  2. クロマトグラフィー粒子が吸着剤粒子である、請求項1に記載の方法。
  3. クロマトグラフィー床の作用が、標的分子を吸着剤粒子に吸収させることにより、不均質液を分離する、請求項2に記載の方法。
  4. クロマトグラフィー床の作用は、標的分子でない材料がクロマトグラフィー床を通過するようにすることにより不均質液を分離する、請求項2に記載の方法。
  5. 吸着剤粒子から吸収標的分子を溶離し、及び
    溶離標的分子を集める
    ことをさらに含んでなる、請求項2に記載の方法。
  6. クロマトグラフィーを行う方法であって、
    a)遠心力場において、入口及び出口を有する少なくとも一つのチャンバーにクロマトグラフィー粒子を含み、
    b)不均質液を、液流中、入口を通してチャンバーに導入し、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を生み出すように作用し、重力が粒子に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、粒子に作用するベクトル力の加重により粒子を実質的に固定化し、
    c)チャンバーを通過する液体、及び粒子を集め、
    d)集められた液体から又は、クロマトグラフィー粒子から標的分子を単離する
    ことを含んでなる方法。
  7. a)第2のチャンバーを提供し、
    b)遠心力場において、入口及び出口を有する第2のチャンバーにクロマトグラフィー粒子を含み、
    c)集められた液体を、液流中、入口を通してチャンバーに導入し、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を生み出すように作用し、重力が粒子に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、粒子に作用するベクトル力の加重により粒子を実質的に固定化し、
    d)第2チャンバーを通過する液体、及び粒子を集め、
    e)集められた液体から又は、クロマトグラフィー粒子から標的分子を単離する
    ことをさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。
  8. a)第2のチャンバーを提供し、
    b)遠心力場において、入口及び出口を有する第2のチャンバーにクロマトグラフィー粒子を含み、
    c)不均質液を、液流中、入口を通してチャンバーに導入し、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を生み出すように作用し、重力が粒子に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、粒子に作用するベクトル力の加重により粒子を実質的に固定化し、
    d)第2チャンバーを通過する液体、及び粒子を集め、
    e)集められた液体から又は、クロマトグラフィー粒子から標的分子を単離する
    ことをさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。
  9. a)集められた液体を、液流中、入口を通してチャンバーに導入し、
    b)第2チャンバーを通過する液体、及び粒子を集め、
    c)予め決められた量の所望の生成物が集められるまで導入及び収集ステップを繰り返す
    ことをさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。
  10. クロマトグラフィー材料の密度又は形状に影響を与えるように、少なくとも一つのチャンバー中で少なくとも一つの力を変化させることをさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。
  11. 少なくとも一つのチャンバー中にクロマトグラフィー材料を含むことが、複数のチャンバー中にクロマトグラフィー材料を含むことを包含する、請求項6に記載の方法。
  12. クロマトグラフィー粒子が吸着剤材料、樹脂、アガロース粒子、シリカ粒子、イオン交換粒子、ゲル、ビーズ、プラスチック、ガラス、メタクリレート、アニオン性粒子、カチオン性粒子、極性粒子、非極性粒子、疎水性粒子、親水性粒子、配位子交換粒子、イオン対粒子、サイズ排除粒子又はアフィニティクロマトグラフィー粒子を含む、請求項6に記載の方法。
  13. 不均質液が、精製供給原料、組織抽出物、化学的反応混合物、貯蔵ブロス、細菌ホモジネート、細菌溶解産物、大腸菌封入体、細菌・酵母・昆虫・動物又は植物細胞からの分泌生成物、細菌・酵母・昆虫・動物又は植物細胞の組織ホモジネート;酵母細胞ホモジネート、細胞ホモジネート、ハイブリドーマ発酵全ブロス、骨髄腫細胞培養物、動物細胞培養全ブロス、乳、動物組織抽出物、植物組織抽出物、未知原材料、化学的反応混合物、金属スラリー、連続流動床バイオリアクターからの培養上澄みを含む、請求項2に記載の方法。
  14. クロマトグラフィーを行うための装置であって、
    クロマトグラフィー材料を含み、
    チャンバーを回転させてクロマトグラフィー材料に遠心力をかけ、
    液流中、入口を通して開始材料を受け取り、液体の連続流が遠心力場に対抗する力を生み出すように作用し、重力がクロマトグラフィー材料に作用する全ての力のベクトル相加合力に寄与し、その力が、クロマトグラフィー材料に作用するベクトル力の加重によりクロマトグラフィー材料を実質的に固定化する
    ように適合されたチャンバーであり、入口及び出口を有する少なくとも一つのチャンバーを含んでなる装置。
  15. 該チャンバーがさらに、
    a)チャンバーを通過する液体を集め、
    b)集められた液体を、液流中で入口を通してチャンバーに導入し、及び
    予め決められた量の所望の生成物が集められるまで導入及び収集ステップを繰り返す
    ように適合されている、請求項14に記載の装置。
  16. 該チャンバーがさらに、
    クロマトグラフィー材料の密度又は形状に影響を与えるように回転速度を調節する
    ように適合されている、請求項14に記載の装置。
  17. 少なくとも一つのチャンバーが複数のチャンバーを包含する、請求項14に記載の装置。
  18. 少なくとも一つのチャンバーを支持するように適合され、そのチャンバーを頂くシャフト;
    シャフトに回転力を付与し、それにより遠心力がチャンバーに適用される回転装置、
    とをさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
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