JP2005508062A - データ記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、物品について最大チルト範囲及び半径を予め求めることにより物品の吸水歪を測定する方法を提供する。本発明の他の実施形態は、データ記憶媒体及びデータ記憶媒体用ポリマーであり、上記データ記憶媒体は複数の層を備え、上記吸水歪は複数の層について計算される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
この発明は、記憶媒体用ポリマーに関する。特に、ポリマーの吸水歪を測定することにより記憶媒体のチルトを低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
データ記憶密度の増加など光データ記憶媒体の改良が切望されており、このような改良を実現することで、再生専用、追記形、書換形、デジタルバーサタイル(DV)及び光磁気(MO)ディスクのような既に確立されたコンピュータ技術や新しいコンピュータ技術の向上が図れると期待されている。
【0003】
デジタルビデオレコーダ(DVR)のような短期又は長期データアーカイブ用のデジタルバーサタイルディスク(DVD)及び高密度データディスクのような最新の技術に対処するために、光データ記憶媒体におけるデータ記憶密度を増加するにつれて、光データ記憶装置の透明なプラスチック部品への設計要件が益々厳格になっている。「読取り及び書込み」波長が次第に短くなっている光ディスクは、光データ記憶装置の分野で多大な努力の払われる対象となっている。
【0004】
光データ記憶媒体に用いる材料への設計要件には、低吸水歪/水吸収、低複屈折、高透明性、耐熱性、延性、高純度、そして不均質又は粒子がほとんど含まれないことなどがある。現在用いられている材料はこれらの特性の1つ以上に欠けることが分かっており、光データ記憶媒体のデータ記憶密度をさらに高めるために、新しい材料が求められている。
【0005】
高い記憶密度を必要とする用途では、光物品を製造するポリマー材料における水吸収特性がより一層重要になる。水を吸収すると、材料に体積変化が生じる。吸水による材料の線形歪みを吸水歪(water strain)という。データ記憶密度を高める上で、吸水歪は光物品におけるチルト、即ちディスク平坦度に影響する物性である。ディスク平坦度は高データ記憶密度用途に必要な臨界的特性である。吸水歪が大きいとディスクのスキュー(傾き)が生じ、これが信頼性の低下につながることが知られている。ディスクの大部分はポリマー材料から構成されているので、ディスクの平坦度はポリマー材料の低吸水歪に依存する。
【0006】
ディスク平坦度を呈する組成物が必要とされている。データ記憶媒体に用いるのに適当な材料とその物性を最適化する方法がいつも求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、本発明は、複数の層を備えるデータ記憶媒体において、
a)ポリマーを含有する基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層とを備え、
前記ポリマーは、記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、次式(I)で求められる吸水歪を有する、データ記憶媒体を提供する。
【0008】
【数1】
【0009】
式中のtは基板厚さ、rは記憶媒体の予め求めた半径、Δrhは相対湿度の変化分である。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、複数の層を備えるデータ記憶媒体において、
a)ポリマーを含有する1以上の基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層と、
c)データ層上の1以上の薄膜層とを備え、
前記薄膜層がポリマーと実質的に同じ物性を有する材料を含有し、
前記ポリマーは、記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、次式(II)で求められる吸水歪を有する、データ記憶媒体を提供する。
【0011】
【数2】
【0012】
式中のtは基板厚さ、ρは薄膜層の厚さ対基板層の厚さの予め求めた厚さ比、rは記憶媒体の予め求めた半径、Δrhは相対湿度の変化分である。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、積層物品の片側から水吸収時の吸水歪を測定する方法であって、
物品の最大チルト範囲及び半径を予め求め、
式(I)を用いて吸水歪を計算する
工程を含む、積層物品の吸水歪の測定方法を提供する。
【0014】
さらに他の実施形態では、本発明は、積層物品の2側面以上から水吸収時の吸水歪を測定する方法であって、
物品の最大チルト範囲及び半径を予め求め、
式(II)を用いて吸水歪を計算する
工程を含む、積層物品の吸水歪の測定方法を提供する。
【0015】
さらに他の実施形態では、本発明は、ポリマーを含有する基板層と1以上のデータ層とを備えるデータ記憶媒体用のポリマーであって、
記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、式(I)で求められる吸水歪を有する、ポリマーを提供する。
【0016】
さらに他の実施形態では、本発明は、
a)ポリマーを含有する1以上の基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層と、
c)データ層上の1以上の薄膜層とを備え、
前記薄膜層がポリマーと実質的に同じ物性を有する材料を含有する、データ記憶媒体用のポリマーであって、
記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、式(II)で求められる吸水歪を有する、ポリマーを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書及び特許請求の範囲において、多数の用語に言及するが、これらの用語は以下の意味をもつと定義される。
【0018】
単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
【0019】
「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。
【0020】
本発明は、データ記憶媒体用のポリマーの使用に主眼がある。本発明の一実施形態では、データ記憶媒体は複数の層を備え、複数層は基板部分と基板上の1以上のデータ層とを含む。本発明の別の実施形態では、データ記憶媒体は複数の層を備え、複数層は1以上の基板部分と、基板上の1以上のデータ層と、データ層上の1以上の薄膜層とを含む。
【0021】
データ記憶層は、読み出し可能なデータを記憶できる任意の材料から構成でき、例えば光層、磁気層或いはより好ましくは光磁気層を含み、その厚さは約600オングストローム(Å)以下、好ましくは300Å以下である。情報は基板表面に直接インプリントするか、基板表面に堆積した光、熱又は磁気媒体に記憶させることができる。使用可能なデータ記憶層には、酸化物(例えば酸化ケイ素)、希土類元素−遷移金属合金、ニッケル、コバルト、クロム、タンタル、白金、テルビウム、ガドリニウム、鉄、ホウ素など、及びこれらの1種以上を含む合金及び組合せ、有機色素(例えばシアニン又はフタロシアニン系色素)、無機相変化形化合物(例えばTeSeSn又はInAgSb)があるが、これらに限定されない。代表的には、データ層は保磁力約1,500エルステッド(Oe)以上であり、保磁力約3,000Oe以上が特に好ましい。
【0022】
基板上に設けることのできる他の層には、誘電層、絶縁層、接着層、これらの層1つ以上を含む組合せなどがある。誘電層は、熱抑制層としてしばしば用いられ、代表的には厚さ約1,000Å以下でも以上でもよく、約200Åのように薄くてもよい。使用可能な誘電層には、環境内で適合性があり、好ましくは周囲層と反応性でない材料の中でも、窒化物(例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウムなど)、酸化物(例えば酸化アルミニウム)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、これらの1種以上を含む組合せなどが挙げられる。
【0023】
反射層は、データ読み出しを可能にする十分な量のエネルギーを反射するのに十分な厚さをもつ必要がある。代表的には、反射層の厚さは約700Å以下とすることができ、通常約300Å〜約600Åの範囲の厚さが好ましい。使用可能な反射層には、特定のエネルギー場を反射できる任意の材料、具体的には金属(例えばアルミニウム、銀、金、チタン、及びこれらの1種以上を含む合金及び混合物など)がある。
【0024】
接着層は、通常、読取り薄膜を基板に支持された他の層に接着するのに用いられる。代表的な接着剤は、ゴム系材料又はゴム状材料、例えば天然ゴム、シリコーンゴム又はアクリル酸エステルポリマーなどである。非剛性ポリマー接着剤、例えばゴム又はアクリル系ポリマーなどを主剤とする接着剤は、エラストマーの特性、例えば可撓性、耐クリープ性、レジリエンス及び弾性のいくつかを有し、有効な緩衝作用をなし、データ記憶ディスクの再生品質を高める。非剛性ポリマー接着剤の化学は多岐にわたり、エラストマー及びゴム、可撓性熱可塑性プラスチックス、並びに熱可塑性エラストマーと記述する材料タイプのポリマーを包含する。接着層に使用できるこのようなポリマー材料の適当な例として、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フルオロビニルメチルシロキサン、塩素化イソブテン−イソプレン、クロロプレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリル酸ブチル、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、可塑化ポリ塩化ビニル、ジメチルシリコーンポリマー、メチルビニルシリコーン、ポリ酢酸ビニルなどがある。接着層は、普通の方法、例えばスピンコート、溶液塗布、射出成形、押出成形などによりデータ記憶媒体に付加することができる。代表的には、このような用途に粘着剤(感圧接着剤)を用いるのが好ましい。データ記憶層、誘電層、保護層、接着層及び反射層のほかに、他の層、例えば潤滑層などを使用することができる。有用な潤滑剤には、フッ素化合物、例えばフッ素オイル及びグリースなどがある。
【0025】
高密度フォーマット用のフィルム(膜)は、面内リターデーション10nm以下のような光学特性を有する。フィルムはまた、厚さ不均一性及び表面粗さが小さい。100μmのフィルムの場合、2cmより長い長さスケールでの厚さ均一性が2μm未満程度であり、1mmの長さスケールでの表面粗さが40nm以下程度である。このような仕様のフィルムを製造するのに使用できる慣例の方法は、例えば溶液キャスティング、押出キャスティング、押出カレンダリング、スピンコーティング及び射出成形である。溶液キャスティングを用いるのが好ましい。
【0026】
記憶媒体の製造には、種々の方法を採用でき、例えば射出成形、発泡加工、スパッタリング、プラズマ蒸着、真空蒸着、電着、スピンコーティング、スプレーコーティング、メニスカスコーティング、データスタンピング、型押(エンボス加工)、表面研磨、固着、積層、回転成形、2ショット成形、共射出、フィルムの上乗せ成形、微孔成形及びこれらの組合せなどがあるが、これらに限定されない。所望の造作、例えばピット及びグルーブを有する基板をその場で製造できる技術を使用するのが好ましい。このような方法の一つに射出成形−圧縮技術があり、この場合金型に本発明の溶融ポリマーを入れる。金型にはプレホーム、インサートなどを配置してもよい。ポリマー系を冷却し、少なくとも部分的に溶融状態にある間に、圧縮して所望の表面造作、例えば螺旋、同心その他の向きに配列したピット及びグルーブを基板の所望部分に、即ち所望区域の片側又は両側にインプリントする。この後基板を室温まで冷却する。
【0027】
一般に、高面積密度用途、即ち約5ギガバイト/平方インチ(Gbit/in2)以上では、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に比較的近接して配置する(スタンドオフ距離)。一般に、実現したい密度が高ければ高いほど、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に一層近づける必要がある。代表的には、これらの例で、スタンドオフ距離は通常約0.3mm未満、多くの場合約760nm未満である。極めて高い密度では、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に極めて近く、具体的には表面から約0.064μm未満、多くの場合約0.013μm未満に近づけるのが好ましい。本発明のデータを読出すシステムは、代表的には、約1Hz〜約500Hzの周波数範囲で、好ましくは約100Hz〜約200Hzの周波数範囲で作動する。光記憶媒体に高い面積密度を実現するには、ビームスポットの直径を小さくする必要がある。純粋な回折限界の場合、ビーム直径と開口数及び波長との関係は以下の通りである。
【0028】
【数3】
【0029】
ここで、λ=光源の波長、NA=対物レンズの開口数。
【0030】
通常、必要な密度増加を達成するには、レーザ波長及び開口数両方を変える。これはディスクのチルト許容量に影響する。ここで「チルト」は、材料が水平軸上で屈曲する度合を指し、代表的には記憶媒体の外径での鉛直方向変位として測定される。代表的には、チルトは、ディスクにある角度で入射するレーザビームの偏向を測定することにより求められる。幾何学的に考えると、レーザビームの偏向は径方向チルト角の2倍に等しい。これは半径方向偏差として表され、度(°)で測定したチルト角の2倍である。チルト許容量と開口数及び波長との関係は以下の通りである。
【0031】
【数4】
【0032】
ここで、d=読取り媒体の厚さ。
【0033】
記憶媒体が1以上の基板層と1以上のデータ層とを有する場合、代表的にはデータ層(即ち、スパッタされた金属及び有機/無機層))を通しての水透過率がゼロに近いことが原因で水吸収が非対称となる。記憶媒体構造は面内方向に無限に延在する、材料特性が厚さの関数ではない弾性プレートであると仮定すると、水吸収による等方性歪みは次式で与えられる。
【0034】
【数5】
【0035】
ここで、ε=歪み、z=厚さ方向、l=厚さ、c=濃度、β=膨潤係数、但しε(t)=βc(z,t)。
【0036】
基板の曲率とディスクにおける水分布の一次モーメントとの関係は下記:
【0037】
【数6】
【0038】
に示す通りであり、また厚さ及び時間の関数c(z,t)としての水の濃度は拡散式の解から計算される。
【0039】
(反対側が水不透過性であるために)水吸収が片側から生じる積層物品の場合、所定の温度(T)での水吸収に基づくラジアルチルト範囲の最大値は次式で与えられる。
【0040】
【数7】
【0041】
ここで、κは曲率(/長さ)、Δrhは相対湿度差、βは所定温度(T)での歪み/水質量部分、sは相対湿度(rh)=1及びTでの水質量部分、ε=βsはrh=1及びTでの吸水歪、tは基板厚さ、rは該当半径である。ここで用いる用語「最大ラジアルチルト範囲」は水の吸収及びその後の脱着時のディスク湾曲であり、したがって当業界の開発者が通常定義しているラジアルチルト規格値の2倍である。
【0042】
水吸収が片側から生じ、特定の半径及び所定の基板厚さで所定の最大ラジアルチルト規格値(度)を有する積層物品の場合、材料の吸水歪が次式(I)の条件を満たす必要がある。
【0043】
【数8】
【0044】
水吸収が片側から生じ、特定の半径で所定の最大ラジアルチルト規格値(度)を有する所定の材料の積層物品の場合、基板の厚さが下記条件を満たす必要がある。
【0045】
【数9】
【0046】
水吸収が2側面以上から生じる積層物品(例えば1以上の基板層と、基板層上の1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する記憶媒体)の場合、基板の曲率の積分を、各層ごとの材料パラメータを含む、各特定層厚さについての積分値の総和に分割する。その結果得られる解析の解は一般的形態で次式により与えられる。
【0047】
【数10】
【0048】
ここで、t=基板厚さ、ρ=厚さ、γ=スチッフネス、δ=歪み、q=拡散率(添字1は薄膜層を示し、添字2は基板層を示す)。
【0049】
記憶媒体が1以上の基板層と、基板層上の1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する場合、不透過層は基板層と薄膜層との界面にある。不透過層は水の吸収に対して十分に不透過性である。ここで用いる用語「十分に不透過性」とは、水吸収が記憶媒体の寸法安定性に有意な(測定可能な)影響を与えないことを意味する。本発明では、基板層及び薄膜層を実質的に同じ物性を有する材料から構成し、前述したような薄膜特性対基板特性の比が約1に等しくなるようにする。関与する他の特性は熱膨張係数(CTE)及び熱伝導率である。したがって、あらゆる環境温度変化に対して、平坦なディスクの薄膜及び基板のCTE比及び熱伝導率比が約1である。
【0050】
記憶媒体に基板と実質的に同じ(即ち基板と適合した)材料のフィルムを加えると、結果として記憶媒体構造の最大ダイナミックチルトが純粋な基板のそれより小さくなる。所定の厚さのフィルムの場合、二重層システムチルトは、所定の適合材料システムについての純粋な基板チルトにより規格化することができる。図1は、適合システムについてのシステムチルトの減少をフィルム厚さの関数として示す。フィルム対基板比が約0.22〜約0.3の範囲となるように選択することにより、チルトを最小にすることができる。この曲線の最初の部分は、フィルム対基板厚さ比が0〜約0.22の範囲にあるとき、下記の関数で表すことができる。
【0051】
チルト範囲構造/基板のチルト=11.474ρ2−6.6ρ+0.99
ここで、ρは薄膜層の厚さ対基板層の厚さの予め求めた厚さ比である。
【0052】
したがって、2層構造の最大ラジアルチルト範囲は、0〜約0.22の範囲の厚さ比について、下記等式で与えられる。
【0053】
【数11】
【0054】
所定の基板部分厚さ、フィルム厚さ及び段階的湿度変化を有する記憶媒体構造について、チルトをある規格値内に保って、材料の吸水歪がある限度内に入るようにする必要がある。材料の吸水歪の範囲は次式(II)を用いて求めることができる。
【0055】
【数12】
【0056】
ここで、t、ρ、r及びΔrhは上記定義の通り。
【0057】
ここで説明する記憶媒体は、通常の光、光磁気及び磁気システムに、またより高品質、高面積密度又はこれらの組合せを必要とする最新記憶媒体システムに使用することができる。使用時には、記憶媒体を読取り/書込み装置に対して、エネルギー(例えば磁気、光、電気又はその組合せ)が、記憶媒体に入射するエネルギー場の形態で、データ記憶層に接触するように配置する。エネルギー場が記憶媒体上に配置された層に接触する。エネルギー場は記憶媒体に適当な物理的変化、化学的変化又はその組合せを起こし、層上のその点にエネルギーの入射を記録する。例えば、入射磁場は層内の磁区の配向を変え、あるいは入射光ビームは光が材料を加熱するところで相転移を起こしたりする。
【0058】
現在、記憶媒体の寸法は、現在使用できる記憶媒体読取り/書込み装置で使用できるように、業界で規格化されている。記憶媒体は代表的には、内径が約15mm〜約40mmの範囲にあり、外径が約65mm〜約130mmの範囲にあり、通常半径53mmが好ましく、また基板厚さが約0.4mm〜約2.5mmの範囲にあり、多くの場合約1.2mm以下の厚さが好ましい。典型的には、基板層及び1以上のデータ層を有する記憶媒体の場合、基板厚さが1.2mmで、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.06%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.04%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.015%未満である。所望に応じて、基板厚さが0.6mmで、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.03%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.02%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.0008%未満である。典型的には、1以上の基板層と、1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する記憶媒体の場合、基板厚さが1.1mmで、厚さ比が0.068であり、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.095%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.064%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.024未満である。所望に応じて、基板厚さが1.1mmで、厚さ比が0.091であり、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.117%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.078%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.029%未満である。必要なら、水誘引チルトに対してもっと頑丈な構造を得るのに、他の直径及び厚さを採用してもよい。
【0059】
記憶媒体の主成分は1種以上の熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーである。本発明には付加ポリマーも縮合ポリマーも含まれる。熱可塑性ポリマーの具体例としては、オレフィン系ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びそのコポリマー;ポリメチルペンタン;ジエン系ポリマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン及びそのコポリマー;エチレン系不飽和カルボン酸及びその官能性誘導体のポリマー、具体的にはアクリルポリマー、例えばポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル及びポリアクリル酸;アルケニル芳香族ポリマー、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルトルエン及びゴム変性ポリスチレン;ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11及びナイロン12;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリエステルカーボネート;ポリエーテル、例えばポリアリーレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルイミド;ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン及びポリスルフィドスルホン;及び液晶ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
熱可塑性ポリエステル及び熱可塑性エラストマー状ポリエステル共に本発明に用いるのに適当である。熱可塑性ポリエステルの具体例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)及びポリアリーレートが挙げられるが、これらに限定されない。熱可塑性エラストマー状ポリエステル(通称TPE)の具体例としては、ポリエーテルエステル、例えばポリ(アルキレンオキシド)のソフトブロックセグメント、特にポリ(エチレンオキシド)及びポリ(ブチレンオキシド)のセグメントを含有するポリ(アルキレンテレフタレート)(特にポリ[エチレンテレフタレート]及びポリ[ブチレンテレフタレート]);ポリエステルアミド、例えば芳香族ジイソシアネートとジカルボン酸及びカルボン酸終端ポリエステル又はポリエーテルプレポリマーとの縮合により合成したものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
適当なポリアリーレートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、及び次式I:
【0062】
【化1】
【0063】
(式中のR16は水素又はC1-4アルキルである)の構造単位のみ、或いは所望に応じて次式II:
【0064】
【化2】
【0065】
(式中のR17は二価C4-12脂肪族、脂環式又は混成脂肪族−脂環式基である)の構造単位との組み合わせからなるポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。後者のポリエステルは、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と1種以上の芳香族ジカルボン酸クロリドとをアルカリ条件下で反応させることにより製造できる。式IIの構造単位は、ハロゲン、通常塩素又は臭素で、又は好ましくはC1-4アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルで置換されていてもよい1,3−ジヒドロキシベンゼン部分を含有する。上記アルキル基は第一又は第二基であるのが好ましく、メチルがより好ましい。またアルキル基は、ほとんどの場合両酸素原子に対してオルト位に位置するが、他の位置であってもよい。上記部分としては、R16が水素であるレゾルシノール部分がもっとも好ましい。上記1,3−ジヒドロキシベンゼン部分は、イソフタレート又はテレフタレートのような単環部分でも、ナフタレンジカルボキシレートのような多環部分でもよい芳香族ジカルボン酸部分に結合されている。
【0066】
所望に応じて用いられる式IIのソフトブロック単位においても、レゾルシノール又はアルキルレゾルシノール部分が、二価C4-12脂肪族、脂環式又は混成脂肪族−脂環式基であるR17とのエステル形成性組合せ内に存在する。
【0067】
本発明の組成物に有用なポリカーボネートには、次式IIIの構造単位を含有するものがある。
【0068】
【化3】
【0069】
式中、R18基の総数の約60%以上が芳香族有機基であり、残部が脂肪族、脂環式又は芳香族基である。R18基としては、m−フェニレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、4,4’−ビ(3,5−ジメチル)フェニレン、2,2−ビス(4−フェニレン)プロパン、6,6’−(3,3,3’、3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インダン])、1,1’−ビス(4−フェニレン)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、並びに類似の基、例えば米国特許第4,217,438号に化合物名又は式(一般式又は特定式)で開示されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素に対応する基が適当である。
【0070】
より好ましくは、R18は芳香族有機基であり、さらに好ましくは式IVの基である。
【0071】
【化4】
【0072】
式中、A1及びA2は各々単環の二価アリール基であり、Y1はA1とA2との間に1個又は2個の原子が介在する橋かけ基である。例えば、A1及びA2は代表的には非置換フェニレン又はその置換誘導体を示す。橋かけ基Y1は大抵の場合炭化水素基であり、特に飽和基、例えばメチレン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン又はイソプロピリデンである。ポリカーボネートとしては、A1及びA2が各々p−フェニレンで、Y1がイソプロピリデンであるビスフェノールAポリカーボネートがもっとも好ましい。適当なポリカーボネートは、界面法、溶液法、固体法、溶融法など当業界で知られた方法のいずれを用いても製造できる。
【0073】
一実施形態では、本発明は少なくとも1層が1種以上のポリカーボネートを含有する記憶媒体である。別の実施形態では、本発明は少なくとも1層が2種の異なるポリカーボネートを含有する記憶媒体である。単一のジヒドロキシ化合物モノマーから誘導したホモポリカーボネートも、2種以上のジヒドロキシ化合物モノマーから誘導したコポリカーボネートも包含される。
【0074】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、構造単位V又はVIを含有するポリカーボネート又はコポリカーボネートを含む。
【0075】
【化5】
【0076】
式中のR1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々独立にC1−C6アルキル及び水素からなる群から選択され、
R7及びR8は各々独立にC1−C6アルキル、フェニル、C1−C6アルキル置換フェニル及び水素からなる群から選択され、
mは約0〜約12の範囲の整数、
qは約0〜約12の範囲の整数、
m+qは約4〜約12の範囲の整数、
nは約1〜約2の範囲の整数、
pは約1〜約2の範囲の整数である。
【0077】
構造Vの単位の代表例には、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(DMBPI)及びこれらの混合物の残基があるが、これらに限定されない。
【0078】
構造VIの単位の代表例には、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル)プロパン(DMBPA)及び4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)(DMbisAP)の残基があるが、これらに限定されない。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態では、基板は構造単位VIIを含有するポリカーボネート又はコポリカーボネートを含有する。
【0080】
【化6】
【0081】
式中のR9、R10、R13及びR14は各々独立にC1−C6アルキル、
R11及びR12は各々独立にH又はC1−C5アルキル、
R15は各々独立にH及びC1−C3アルキルからなる群から選択され、
nは各々独立に0、1及び2から選択される。
【0082】
構造VIIの単位の代表例には、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン(SBI)、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,5,3’、3’、5’−ヘキサメチルスピロビインダン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,5,7,3’、3’、5’、7’−オクタメチルスピロビインダン、5,5’−ジエチル−6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0083】
熱硬化性ポリマーの具体例としては、シリコーン、ポリフェニレンエーテル、エポキシ、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、多官能性アリル化合物、例えばジアリルフタレート、アクリル、アルキッド、フェノール−ホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、ビスマレイミド、PMR樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、ベンゾシクロブタン、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネートから誘導されるポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、熱硬化性ポリマーはさらに1種以上の熱可塑性ポリマー、例えばポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエステルなどを含有する。代表的には、熱硬化性モノマー混合物の硬化前に、熱可塑性ポリマーを熱硬化性モノマー混合物と混合する。
【0084】
本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、次式VIIIの構造単位複数個を含む既知のポリマーである。
【0085】
【化7】
【0086】
式VIIIの各単位で独立に、各Q1は独立にハロゲン、第一又は第二低級アルキル(即ち炭素原子数7以下のアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又は2個以上の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子との間に介在するハロ炭化水素オキシを示し、各Q2は独立に水素、ハロゲン、第一又は第二低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(Q1について定義した通り)を示す。大抵の場合、各Q1はアルキル又はフェニル、特にC1-4アルキルであり、各Q2は水素である。
【0087】
ポリフェニレンエーテルのホモポリマーもコポリマーも本発明に包含される。適当なコポリマーには、これらの単位を、例えば2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と組み合わせて含有するランダムコポリマーがある。ポリフェニレンエーテルにビニルモノマーやポリマー、例えばポリスチレン及びエラストマーのような材料を既知の方法でグラフトすることにより得られる部分を含有するポリフェニレンエーテルや、低分子量ポリカーボネート、キノン、ヘテロ環式化合物、ホルマールのようなカップリング剤が既知の方法で2つのポリフェニレンエーテル鎖のヒドロキシ基と反応してより高分子量のポリマーを生成した(但し遊離OH基の実質部分が残存する)、カップリング型ポリフェニレンエーテルも本発明に包含される。
【0088】
多くの目的に特に有用なポリフェニレンエーテルは、1以上のアミノアルキル含有末端基を有する分子を含有するものである。アミノアルキル基は、ヒドロキシ基に対してオルト位にあるのが代表的である。このような末端基を有するポリマーは、酸化カップリング反応混合物の成分の一つとしてジ−n−ブチルアミン又はジメチルアミンのような適当な第一又は第二モノアミンを導入することにより得ることができる。4−ヒドロキシビフェニル末端基が存在することも多く、かかる末端基は、代表的にはジフェノキノン副生物が、特に銅−ハライド−第二又は第三アミン系に存在する反応混合物から得られる。ポリマー分子の大部分、代表的にはポリマーの約90重量%のような大きな割合を構成する部分が、上記アミノアルキル含有及び4−ヒドロキシビフェニル末端基を1つ以上含有してもよい。
【0089】
上述した説明から当業者に明らかなように、本発明に使用するポリフェニレンエーテルは、構造単位や副次的な化学特性がどのようなものでも、現在知られているすべてのものを包含する。ホモポリマー熱可塑性ポリマーもコポリマー熱可塑性ポリマーも、本発明の組成物に含有される。コポリマーはランダム、ブロック又はグラフト型いずれも含む。したがって、例えば、適当なポリスチレンには、無定形ポリスチレンやシンジオタクチックポリスチレンなどのホモポリマーも、これらの種を含有するコポリマーも包含される。後者は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、即ちゴムがポリブタジエンであるか、約70〜98重量%のスチレンと約2〜30重量%のジエンモノマーとのゴム状コポリマーである、ブレンド及びグラフトを含む1群のゴム変性ポリスチレンを包含する。また、代表的には予め形成したジエンポリマー主鎖(例えばポリブタジエン又はポリイソプレン)にスチレン及びアクリロニトリルをグラフトしたものであるABSコポリマーも含まれる。適当なABSコポリマーは当業界で知られた任意の方法で製造できる。
【0090】
当業者が本発明を適切に実施できるように、以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。数値(例えば量、温度など)に関しては正確を期したが、若干の誤差やずれはやむを得ない。特記しない限り、部は重量部、温度は摂氏(℃)又は室温、圧力は大気圧又はその近くである。
【0091】
実施例1
フィルム及び基板両方用に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)から一連の構造物を製造し、25℃で40%の湿度変化に供した。すべてのシステムで、名目上80μmのフィルムを1.15mmの基板に接着し、厚さ比を0.070とした。BPAホモポリカーボネート(BPA−PC)の飽和吸水歪は0.00048であった。ここでポリマー材料の膨潤度は、特定温度の相対湿度100%の環境にさらしたときの完全乾燥材料の体積膨張の割合(%)であると定義する。膨潤度をTMA2940熱機械分析器(TA Instruments)を用いて測定した。フィルムを極めて低い一定荷重下で装着し、最初に乾燥雰囲気中で保持した。つぎに、材料を相対湿度100%にさらした場合の吸水時の長さ変化を測定した。吸水歪又は膨潤度を材料のひずみ(長さ変化/元のゲージ長さ)とみなした。図2は、BPA−PCフィルムを有するBPA−PC基板について53mmでのラジアルチルトの変化を示す。基板層及び薄膜層を有する積層体モデルは実験データによく合致した。さらに、別の接着剤を用いても、結果にほとんど影響なかった。平均最大チルト性能は0.25〜0.26度で、これはチルト範囲0.50〜0.52度に等しかった。これは、このような膨張係数を有する材料についての値とよく一致した。
【0092】
実施例2
厚さ比0.089(1.1mmの基板上に98μmのフィルム)のポリマー材料を数個製造した。表1に、25℃で40%の1段湿度変化での吸水歪の結果を示す。これらは、チルトの予測値と歪の測定値である。PSはポリスチレン、PPO/PSはポリフェニレンオキシドとポリスチレンとのブレンド、BPAはビスフェノールA、即ち2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、BHPMはビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、DMBPAは2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル)プロパン、DMBPCは,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、SBIは6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン、DDDAはドデカン二酸である。
【0093】
【表1】
【0094】
表1の結果から、試験した材料が、特定の厚さ比、半径及び相対湿度変化での記憶媒体に適切な吸水歪内にあることが分かる。
【0095】
以上代表的な実施形態を説明のために提示したが、以上の説明は本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。したがって、本発明の要旨から逸脱することなく、種々の変更、改変、置き換えが当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】適合システムについてのシステムチルトの減少をフィルム厚さの関数として示すグラフである。
【図2】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA−PC)フィルムを有するBPA−PC基板について53mmでのラジアルチルトの変化を示すグラフである。
【0001】
この発明は、記憶媒体用ポリマーに関する。特に、ポリマーの吸水歪を測定することにより記憶媒体のチルトを低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
データ記憶密度の増加など光データ記憶媒体の改良が切望されており、このような改良を実現することで、再生専用、追記形、書換形、デジタルバーサタイル(DV)及び光磁気(MO)ディスクのような既に確立されたコンピュータ技術や新しいコンピュータ技術の向上が図れると期待されている。
【0003】
デジタルビデオレコーダ(DVR)のような短期又は長期データアーカイブ用のデジタルバーサタイルディスク(DVD)及び高密度データディスクのような最新の技術に対処するために、光データ記憶媒体におけるデータ記憶密度を増加するにつれて、光データ記憶装置の透明なプラスチック部品への設計要件が益々厳格になっている。「読取り及び書込み」波長が次第に短くなっている光ディスクは、光データ記憶装置の分野で多大な努力の払われる対象となっている。
【0004】
光データ記憶媒体に用いる材料への設計要件には、低吸水歪/水吸収、低複屈折、高透明性、耐熱性、延性、高純度、そして不均質又は粒子がほとんど含まれないことなどがある。現在用いられている材料はこれらの特性の1つ以上に欠けることが分かっており、光データ記憶媒体のデータ記憶密度をさらに高めるために、新しい材料が求められている。
【0005】
高い記憶密度を必要とする用途では、光物品を製造するポリマー材料における水吸収特性がより一層重要になる。水を吸収すると、材料に体積変化が生じる。吸水による材料の線形歪みを吸水歪(water strain)という。データ記憶密度を高める上で、吸水歪は光物品におけるチルト、即ちディスク平坦度に影響する物性である。ディスク平坦度は高データ記憶密度用途に必要な臨界的特性である。吸水歪が大きいとディスクのスキュー(傾き)が生じ、これが信頼性の低下につながることが知られている。ディスクの大部分はポリマー材料から構成されているので、ディスクの平坦度はポリマー材料の低吸水歪に依存する。
【0006】
ディスク平坦度を呈する組成物が必要とされている。データ記憶媒体に用いるのに適当な材料とその物性を最適化する方法がいつも求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、本発明は、複数の層を備えるデータ記憶媒体において、
a)ポリマーを含有する基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層とを備え、
前記ポリマーは、記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、次式(I)で求められる吸水歪を有する、データ記憶媒体を提供する。
【0008】
【数1】
【0009】
式中のtは基板厚さ、rは記憶媒体の予め求めた半径、Δrhは相対湿度の変化分である。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、複数の層を備えるデータ記憶媒体において、
a)ポリマーを含有する1以上の基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層と、
c)データ層上の1以上の薄膜層とを備え、
前記薄膜層がポリマーと実質的に同じ物性を有する材料を含有し、
前記ポリマーは、記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、次式(II)で求められる吸水歪を有する、データ記憶媒体を提供する。
【0011】
【数2】
【0012】
式中のtは基板厚さ、ρは薄膜層の厚さ対基板層の厚さの予め求めた厚さ比、rは記憶媒体の予め求めた半径、Δrhは相対湿度の変化分である。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、積層物品の片側から水吸収時の吸水歪を測定する方法であって、
物品の最大チルト範囲及び半径を予め求め、
式(I)を用いて吸水歪を計算する
工程を含む、積層物品の吸水歪の測定方法を提供する。
【0014】
さらに他の実施形態では、本発明は、積層物品の2側面以上から水吸収時の吸水歪を測定する方法であって、
物品の最大チルト範囲及び半径を予め求め、
式(II)を用いて吸水歪を計算する
工程を含む、積層物品の吸水歪の測定方法を提供する。
【0015】
さらに他の実施形態では、本発明は、ポリマーを含有する基板層と1以上のデータ層とを備えるデータ記憶媒体用のポリマーであって、
記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、式(I)で求められる吸水歪を有する、ポリマーを提供する。
【0016】
さらに他の実施形態では、本発明は、
a)ポリマーを含有する1以上の基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層と、
c)データ層上の1以上の薄膜層とを備え、
前記薄膜層がポリマーと実質的に同じ物性を有する材料を含有する、データ記憶媒体用のポリマーであって、
記憶媒体の予め求めた最大チルト範囲で、式(II)で求められる吸水歪を有する、ポリマーを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書及び特許請求の範囲において、多数の用語に言及するが、これらの用語は以下の意味をもつと定義される。
【0018】
単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
【0019】
「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。
【0020】
本発明は、データ記憶媒体用のポリマーの使用に主眼がある。本発明の一実施形態では、データ記憶媒体は複数の層を備え、複数層は基板部分と基板上の1以上のデータ層とを含む。本発明の別の実施形態では、データ記憶媒体は複数の層を備え、複数層は1以上の基板部分と、基板上の1以上のデータ層と、データ層上の1以上の薄膜層とを含む。
【0021】
データ記憶層は、読み出し可能なデータを記憶できる任意の材料から構成でき、例えば光層、磁気層或いはより好ましくは光磁気層を含み、その厚さは約600オングストローム(Å)以下、好ましくは300Å以下である。情報は基板表面に直接インプリントするか、基板表面に堆積した光、熱又は磁気媒体に記憶させることができる。使用可能なデータ記憶層には、酸化物(例えば酸化ケイ素)、希土類元素−遷移金属合金、ニッケル、コバルト、クロム、タンタル、白金、テルビウム、ガドリニウム、鉄、ホウ素など、及びこれらの1種以上を含む合金及び組合せ、有機色素(例えばシアニン又はフタロシアニン系色素)、無機相変化形化合物(例えばTeSeSn又はInAgSb)があるが、これらに限定されない。代表的には、データ層は保磁力約1,500エルステッド(Oe)以上であり、保磁力約3,000Oe以上が特に好ましい。
【0022】
基板上に設けることのできる他の層には、誘電層、絶縁層、接着層、これらの層1つ以上を含む組合せなどがある。誘電層は、熱抑制層としてしばしば用いられ、代表的には厚さ約1,000Å以下でも以上でもよく、約200Åのように薄くてもよい。使用可能な誘電層には、環境内で適合性があり、好ましくは周囲層と反応性でない材料の中でも、窒化物(例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウムなど)、酸化物(例えば酸化アルミニウム)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、これらの1種以上を含む組合せなどが挙げられる。
【0023】
反射層は、データ読み出しを可能にする十分な量のエネルギーを反射するのに十分な厚さをもつ必要がある。代表的には、反射層の厚さは約700Å以下とすることができ、通常約300Å〜約600Åの範囲の厚さが好ましい。使用可能な反射層には、特定のエネルギー場を反射できる任意の材料、具体的には金属(例えばアルミニウム、銀、金、チタン、及びこれらの1種以上を含む合金及び混合物など)がある。
【0024】
接着層は、通常、読取り薄膜を基板に支持された他の層に接着するのに用いられる。代表的な接着剤は、ゴム系材料又はゴム状材料、例えば天然ゴム、シリコーンゴム又はアクリル酸エステルポリマーなどである。非剛性ポリマー接着剤、例えばゴム又はアクリル系ポリマーなどを主剤とする接着剤は、エラストマーの特性、例えば可撓性、耐クリープ性、レジリエンス及び弾性のいくつかを有し、有効な緩衝作用をなし、データ記憶ディスクの再生品質を高める。非剛性ポリマー接着剤の化学は多岐にわたり、エラストマー及びゴム、可撓性熱可塑性プラスチックス、並びに熱可塑性エラストマーと記述する材料タイプのポリマーを包含する。接着層に使用できるこのようなポリマー材料の適当な例として、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フルオロビニルメチルシロキサン、塩素化イソブテン−イソプレン、クロロプレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリル酸ブチル、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、可塑化ポリ塩化ビニル、ジメチルシリコーンポリマー、メチルビニルシリコーン、ポリ酢酸ビニルなどがある。接着層は、普通の方法、例えばスピンコート、溶液塗布、射出成形、押出成形などによりデータ記憶媒体に付加することができる。代表的には、このような用途に粘着剤(感圧接着剤)を用いるのが好ましい。データ記憶層、誘電層、保護層、接着層及び反射層のほかに、他の層、例えば潤滑層などを使用することができる。有用な潤滑剤には、フッ素化合物、例えばフッ素オイル及びグリースなどがある。
【0025】
高密度フォーマット用のフィルム(膜)は、面内リターデーション10nm以下のような光学特性を有する。フィルムはまた、厚さ不均一性及び表面粗さが小さい。100μmのフィルムの場合、2cmより長い長さスケールでの厚さ均一性が2μm未満程度であり、1mmの長さスケールでの表面粗さが40nm以下程度である。このような仕様のフィルムを製造するのに使用できる慣例の方法は、例えば溶液キャスティング、押出キャスティング、押出カレンダリング、スピンコーティング及び射出成形である。溶液キャスティングを用いるのが好ましい。
【0026】
記憶媒体の製造には、種々の方法を採用でき、例えば射出成形、発泡加工、スパッタリング、プラズマ蒸着、真空蒸着、電着、スピンコーティング、スプレーコーティング、メニスカスコーティング、データスタンピング、型押(エンボス加工)、表面研磨、固着、積層、回転成形、2ショット成形、共射出、フィルムの上乗せ成形、微孔成形及びこれらの組合せなどがあるが、これらに限定されない。所望の造作、例えばピット及びグルーブを有する基板をその場で製造できる技術を使用するのが好ましい。このような方法の一つに射出成形−圧縮技術があり、この場合金型に本発明の溶融ポリマーを入れる。金型にはプレホーム、インサートなどを配置してもよい。ポリマー系を冷却し、少なくとも部分的に溶融状態にある間に、圧縮して所望の表面造作、例えば螺旋、同心その他の向きに配列したピット及びグルーブを基板の所望部分に、即ち所望区域の片側又は両側にインプリントする。この後基板を室温まで冷却する。
【0027】
一般に、高面積密度用途、即ち約5ギガバイト/平方インチ(Gbit/in2)以上では、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に比較的近接して配置する(スタンドオフ距離)。一般に、実現したい密度が高ければ高いほど、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に一層近づける必要がある。代表的には、これらの例で、スタンドオフ距離は通常約0.3mm未満、多くの場合約760nm未満である。極めて高い密度では、読出し/書込み装置を記憶媒体の表面に極めて近く、具体的には表面から約0.064μm未満、多くの場合約0.013μm未満に近づけるのが好ましい。本発明のデータを読出すシステムは、代表的には、約1Hz〜約500Hzの周波数範囲で、好ましくは約100Hz〜約200Hzの周波数範囲で作動する。光記憶媒体に高い面積密度を実現するには、ビームスポットの直径を小さくする必要がある。純粋な回折限界の場合、ビーム直径と開口数及び波長との関係は以下の通りである。
【0028】
【数3】
【0029】
ここで、λ=光源の波長、NA=対物レンズの開口数。
【0030】
通常、必要な密度増加を達成するには、レーザ波長及び開口数両方を変える。これはディスクのチルト許容量に影響する。ここで「チルト」は、材料が水平軸上で屈曲する度合を指し、代表的には記憶媒体の外径での鉛直方向変位として測定される。代表的には、チルトは、ディスクにある角度で入射するレーザビームの偏向を測定することにより求められる。幾何学的に考えると、レーザビームの偏向は径方向チルト角の2倍に等しい。これは半径方向偏差として表され、度(°)で測定したチルト角の2倍である。チルト許容量と開口数及び波長との関係は以下の通りである。
【0031】
【数4】
【0032】
ここで、d=読取り媒体の厚さ。
【0033】
記憶媒体が1以上の基板層と1以上のデータ層とを有する場合、代表的にはデータ層(即ち、スパッタされた金属及び有機/無機層))を通しての水透過率がゼロに近いことが原因で水吸収が非対称となる。記憶媒体構造は面内方向に無限に延在する、材料特性が厚さの関数ではない弾性プレートであると仮定すると、水吸収による等方性歪みは次式で与えられる。
【0034】
【数5】
【0035】
ここで、ε=歪み、z=厚さ方向、l=厚さ、c=濃度、β=膨潤係数、但しε(t)=βc(z,t)。
【0036】
基板の曲率とディスクにおける水分布の一次モーメントとの関係は下記:
【0037】
【数6】
【0038】
に示す通りであり、また厚さ及び時間の関数c(z,t)としての水の濃度は拡散式の解から計算される。
【0039】
(反対側が水不透過性であるために)水吸収が片側から生じる積層物品の場合、所定の温度(T)での水吸収に基づくラジアルチルト範囲の最大値は次式で与えられる。
【0040】
【数7】
【0041】
ここで、κは曲率(/長さ)、Δrhは相対湿度差、βは所定温度(T)での歪み/水質量部分、sは相対湿度(rh)=1及びTでの水質量部分、ε=βsはrh=1及びTでの吸水歪、tは基板厚さ、rは該当半径である。ここで用いる用語「最大ラジアルチルト範囲」は水の吸収及びその後の脱着時のディスク湾曲であり、したがって当業界の開発者が通常定義しているラジアルチルト規格値の2倍である。
【0042】
水吸収が片側から生じ、特定の半径及び所定の基板厚さで所定の最大ラジアルチルト規格値(度)を有する積層物品の場合、材料の吸水歪が次式(I)の条件を満たす必要がある。
【0043】
【数8】
【0044】
水吸収が片側から生じ、特定の半径で所定の最大ラジアルチルト規格値(度)を有する所定の材料の積層物品の場合、基板の厚さが下記条件を満たす必要がある。
【0045】
【数9】
【0046】
水吸収が2側面以上から生じる積層物品(例えば1以上の基板層と、基板層上の1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する記憶媒体)の場合、基板の曲率の積分を、各層ごとの材料パラメータを含む、各特定層厚さについての積分値の総和に分割する。その結果得られる解析の解は一般的形態で次式により与えられる。
【0047】
【数10】
【0048】
ここで、t=基板厚さ、ρ=厚さ、γ=スチッフネス、δ=歪み、q=拡散率(添字1は薄膜層を示し、添字2は基板層を示す)。
【0049】
記憶媒体が1以上の基板層と、基板層上の1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する場合、不透過層は基板層と薄膜層との界面にある。不透過層は水の吸収に対して十分に不透過性である。ここで用いる用語「十分に不透過性」とは、水吸収が記憶媒体の寸法安定性に有意な(測定可能な)影響を与えないことを意味する。本発明では、基板層及び薄膜層を実質的に同じ物性を有する材料から構成し、前述したような薄膜特性対基板特性の比が約1に等しくなるようにする。関与する他の特性は熱膨張係数(CTE)及び熱伝導率である。したがって、あらゆる環境温度変化に対して、平坦なディスクの薄膜及び基板のCTE比及び熱伝導率比が約1である。
【0050】
記憶媒体に基板と実質的に同じ(即ち基板と適合した)材料のフィルムを加えると、結果として記憶媒体構造の最大ダイナミックチルトが純粋な基板のそれより小さくなる。所定の厚さのフィルムの場合、二重層システムチルトは、所定の適合材料システムについての純粋な基板チルトにより規格化することができる。図1は、適合システムについてのシステムチルトの減少をフィルム厚さの関数として示す。フィルム対基板比が約0.22〜約0.3の範囲となるように選択することにより、チルトを最小にすることができる。この曲線の最初の部分は、フィルム対基板厚さ比が0〜約0.22の範囲にあるとき、下記の関数で表すことができる。
【0051】
チルト範囲構造/基板のチルト=11.474ρ2−6.6ρ+0.99
ここで、ρは薄膜層の厚さ対基板層の厚さの予め求めた厚さ比である。
【0052】
したがって、2層構造の最大ラジアルチルト範囲は、0〜約0.22の範囲の厚さ比について、下記等式で与えられる。
【0053】
【数11】
【0054】
所定の基板部分厚さ、フィルム厚さ及び段階的湿度変化を有する記憶媒体構造について、チルトをある規格値内に保って、材料の吸水歪がある限度内に入るようにする必要がある。材料の吸水歪の範囲は次式(II)を用いて求めることができる。
【0055】
【数12】
【0056】
ここで、t、ρ、r及びΔrhは上記定義の通り。
【0057】
ここで説明する記憶媒体は、通常の光、光磁気及び磁気システムに、またより高品質、高面積密度又はこれらの組合せを必要とする最新記憶媒体システムに使用することができる。使用時には、記憶媒体を読取り/書込み装置に対して、エネルギー(例えば磁気、光、電気又はその組合せ)が、記憶媒体に入射するエネルギー場の形態で、データ記憶層に接触するように配置する。エネルギー場が記憶媒体上に配置された層に接触する。エネルギー場は記憶媒体に適当な物理的変化、化学的変化又はその組合せを起こし、層上のその点にエネルギーの入射を記録する。例えば、入射磁場は層内の磁区の配向を変え、あるいは入射光ビームは光が材料を加熱するところで相転移を起こしたりする。
【0058】
現在、記憶媒体の寸法は、現在使用できる記憶媒体読取り/書込み装置で使用できるように、業界で規格化されている。記憶媒体は代表的には、内径が約15mm〜約40mmの範囲にあり、外径が約65mm〜約130mmの範囲にあり、通常半径53mmが好ましく、また基板厚さが約0.4mm〜約2.5mmの範囲にあり、多くの場合約1.2mm以下の厚さが好ましい。典型的には、基板層及び1以上のデータ層を有する記憶媒体の場合、基板厚さが1.2mmで、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.06%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.04%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.015%未満である。所望に応じて、基板厚さが0.6mmで、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.03%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.02%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.0008%未満である。典型的には、1以上の基板層と、1以上のデータ層と、1以上の薄膜層とを有する記憶媒体の場合、基板厚さが1.1mmで、厚さ比が0.068であり、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.095%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.064%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.024未満である。所望に応じて、基板厚さが1.1mmで、厚さ比が0.091であり、最大チルト範囲1.2度、最大吸水歪0.117%未満であり、より典型的には、最大チルト範囲0.8度、最大吸水歪0.078%未満であり、最も典型的には、最大チルト範囲0.3度、最大吸水歪0.029%未満である。必要なら、水誘引チルトに対してもっと頑丈な構造を得るのに、他の直径及び厚さを採用してもよい。
【0059】
記憶媒体の主成分は1種以上の熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーである。本発明には付加ポリマーも縮合ポリマーも含まれる。熱可塑性ポリマーの具体例としては、オレフィン系ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びそのコポリマー;ポリメチルペンタン;ジエン系ポリマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン及びそのコポリマー;エチレン系不飽和カルボン酸及びその官能性誘導体のポリマー、具体的にはアクリルポリマー、例えばポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル及びポリアクリル酸;アルケニル芳香族ポリマー、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルトルエン及びゴム変性ポリスチレン;ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11及びナイロン12;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリエステルカーボネート;ポリエーテル、例えばポリアリーレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルイミド;ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン及びポリスルフィドスルホン;及び液晶ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
熱可塑性ポリエステル及び熱可塑性エラストマー状ポリエステル共に本発明に用いるのに適当である。熱可塑性ポリエステルの具体例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)及びポリアリーレートが挙げられるが、これらに限定されない。熱可塑性エラストマー状ポリエステル(通称TPE)の具体例としては、ポリエーテルエステル、例えばポリ(アルキレンオキシド)のソフトブロックセグメント、特にポリ(エチレンオキシド)及びポリ(ブチレンオキシド)のセグメントを含有するポリ(アルキレンテレフタレート)(特にポリ[エチレンテレフタレート]及びポリ[ブチレンテレフタレート]);ポリエステルアミド、例えば芳香族ジイソシアネートとジカルボン酸及びカルボン酸終端ポリエステル又はポリエーテルプレポリマーとの縮合により合成したものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
適当なポリアリーレートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、及び次式I:
【0062】
【化1】
【0063】
(式中のR16は水素又はC1-4アルキルである)の構造単位のみ、或いは所望に応じて次式II:
【0064】
【化2】
【0065】
(式中のR17は二価C4-12脂肪族、脂環式又は混成脂肪族−脂環式基である)の構造単位との組み合わせからなるポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。後者のポリエステルは、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と1種以上の芳香族ジカルボン酸クロリドとをアルカリ条件下で反応させることにより製造できる。式IIの構造単位は、ハロゲン、通常塩素又は臭素で、又は好ましくはC1-4アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルで置換されていてもよい1,3−ジヒドロキシベンゼン部分を含有する。上記アルキル基は第一又は第二基であるのが好ましく、メチルがより好ましい。またアルキル基は、ほとんどの場合両酸素原子に対してオルト位に位置するが、他の位置であってもよい。上記部分としては、R16が水素であるレゾルシノール部分がもっとも好ましい。上記1,3−ジヒドロキシベンゼン部分は、イソフタレート又はテレフタレートのような単環部分でも、ナフタレンジカルボキシレートのような多環部分でもよい芳香族ジカルボン酸部分に結合されている。
【0066】
所望に応じて用いられる式IIのソフトブロック単位においても、レゾルシノール又はアルキルレゾルシノール部分が、二価C4-12脂肪族、脂環式又は混成脂肪族−脂環式基であるR17とのエステル形成性組合せ内に存在する。
【0067】
本発明の組成物に有用なポリカーボネートには、次式IIIの構造単位を含有するものがある。
【0068】
【化3】
【0069】
式中、R18基の総数の約60%以上が芳香族有機基であり、残部が脂肪族、脂環式又は芳香族基である。R18基としては、m−フェニレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、4,4’−ビ(3,5−ジメチル)フェニレン、2,2−ビス(4−フェニレン)プロパン、6,6’−(3,3,3’、3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インダン])、1,1’−ビス(4−フェニレン)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、並びに類似の基、例えば米国特許第4,217,438号に化合物名又は式(一般式又は特定式)で開示されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素に対応する基が適当である。
【0070】
より好ましくは、R18は芳香族有機基であり、さらに好ましくは式IVの基である。
【0071】
【化4】
【0072】
式中、A1及びA2は各々単環の二価アリール基であり、Y1はA1とA2との間に1個又は2個の原子が介在する橋かけ基である。例えば、A1及びA2は代表的には非置換フェニレン又はその置換誘導体を示す。橋かけ基Y1は大抵の場合炭化水素基であり、特に飽和基、例えばメチレン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン又はイソプロピリデンである。ポリカーボネートとしては、A1及びA2が各々p−フェニレンで、Y1がイソプロピリデンであるビスフェノールAポリカーボネートがもっとも好ましい。適当なポリカーボネートは、界面法、溶液法、固体法、溶融法など当業界で知られた方法のいずれを用いても製造できる。
【0073】
一実施形態では、本発明は少なくとも1層が1種以上のポリカーボネートを含有する記憶媒体である。別の実施形態では、本発明は少なくとも1層が2種の異なるポリカーボネートを含有する記憶媒体である。単一のジヒドロキシ化合物モノマーから誘導したホモポリカーボネートも、2種以上のジヒドロキシ化合物モノマーから誘導したコポリカーボネートも包含される。
【0074】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、構造単位V又はVIを含有するポリカーボネート又はコポリカーボネートを含む。
【0075】
【化5】
【0076】
式中のR1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々独立にC1−C6アルキル及び水素からなる群から選択され、
R7及びR8は各々独立にC1−C6アルキル、フェニル、C1−C6アルキル置換フェニル及び水素からなる群から選択され、
mは約0〜約12の範囲の整数、
qは約0〜約12の範囲の整数、
m+qは約4〜約12の範囲の整数、
nは約1〜約2の範囲の整数、
pは約1〜約2の範囲の整数である。
【0077】
構造Vの単位の代表例には、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(DMBPI)及びこれらの混合物の残基があるが、これらに限定されない。
【0078】
構造VIの単位の代表例には、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル)プロパン(DMBPA)及び4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)(DMbisAP)の残基があるが、これらに限定されない。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態では、基板は構造単位VIIを含有するポリカーボネート又はコポリカーボネートを含有する。
【0080】
【化6】
【0081】
式中のR9、R10、R13及びR14は各々独立にC1−C6アルキル、
R11及びR12は各々独立にH又はC1−C5アルキル、
R15は各々独立にH及びC1−C3アルキルからなる群から選択され、
nは各々独立に0、1及び2から選択される。
【0082】
構造VIIの単位の代表例には、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン(SBI)、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,5,3’、3’、5’−ヘキサメチルスピロビインダン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,5,7,3’、3’、5’、7’−オクタメチルスピロビインダン、5,5’−ジエチル−6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0083】
熱硬化性ポリマーの具体例としては、シリコーン、ポリフェニレンエーテル、エポキシ、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、多官能性アリル化合物、例えばジアリルフタレート、アクリル、アルキッド、フェノール−ホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、ビスマレイミド、PMR樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、ベンゾシクロブタン、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネートから誘導されるポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、熱硬化性ポリマーはさらに1種以上の熱可塑性ポリマー、例えばポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエステルなどを含有する。代表的には、熱硬化性モノマー混合物の硬化前に、熱可塑性ポリマーを熱硬化性モノマー混合物と混合する。
【0084】
本発明に用いるポリフェニレンエーテルは、次式VIIIの構造単位複数個を含む既知のポリマーである。
【0085】
【化7】
【0086】
式VIIIの各単位で独立に、各Q1は独立にハロゲン、第一又は第二低級アルキル(即ち炭素原子数7以下のアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又は2個以上の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子との間に介在するハロ炭化水素オキシを示し、各Q2は独立に水素、ハロゲン、第一又は第二低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(Q1について定義した通り)を示す。大抵の場合、各Q1はアルキル又はフェニル、特にC1-4アルキルであり、各Q2は水素である。
【0087】
ポリフェニレンエーテルのホモポリマーもコポリマーも本発明に包含される。適当なコポリマーには、これらの単位を、例えば2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と組み合わせて含有するランダムコポリマーがある。ポリフェニレンエーテルにビニルモノマーやポリマー、例えばポリスチレン及びエラストマーのような材料を既知の方法でグラフトすることにより得られる部分を含有するポリフェニレンエーテルや、低分子量ポリカーボネート、キノン、ヘテロ環式化合物、ホルマールのようなカップリング剤が既知の方法で2つのポリフェニレンエーテル鎖のヒドロキシ基と反応してより高分子量のポリマーを生成した(但し遊離OH基の実質部分が残存する)、カップリング型ポリフェニレンエーテルも本発明に包含される。
【0088】
多くの目的に特に有用なポリフェニレンエーテルは、1以上のアミノアルキル含有末端基を有する分子を含有するものである。アミノアルキル基は、ヒドロキシ基に対してオルト位にあるのが代表的である。このような末端基を有するポリマーは、酸化カップリング反応混合物の成分の一つとしてジ−n−ブチルアミン又はジメチルアミンのような適当な第一又は第二モノアミンを導入することにより得ることができる。4−ヒドロキシビフェニル末端基が存在することも多く、かかる末端基は、代表的にはジフェノキノン副生物が、特に銅−ハライド−第二又は第三アミン系に存在する反応混合物から得られる。ポリマー分子の大部分、代表的にはポリマーの約90重量%のような大きな割合を構成する部分が、上記アミノアルキル含有及び4−ヒドロキシビフェニル末端基を1つ以上含有してもよい。
【0089】
上述した説明から当業者に明らかなように、本発明に使用するポリフェニレンエーテルは、構造単位や副次的な化学特性がどのようなものでも、現在知られているすべてのものを包含する。ホモポリマー熱可塑性ポリマーもコポリマー熱可塑性ポリマーも、本発明の組成物に含有される。コポリマーはランダム、ブロック又はグラフト型いずれも含む。したがって、例えば、適当なポリスチレンには、無定形ポリスチレンやシンジオタクチックポリスチレンなどのホモポリマーも、これらの種を含有するコポリマーも包含される。後者は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、即ちゴムがポリブタジエンであるか、約70〜98重量%のスチレンと約2〜30重量%のジエンモノマーとのゴム状コポリマーである、ブレンド及びグラフトを含む1群のゴム変性ポリスチレンを包含する。また、代表的には予め形成したジエンポリマー主鎖(例えばポリブタジエン又はポリイソプレン)にスチレン及びアクリロニトリルをグラフトしたものであるABSコポリマーも含まれる。適当なABSコポリマーは当業界で知られた任意の方法で製造できる。
【0090】
当業者が本発明を適切に実施できるように、以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。数値(例えば量、温度など)に関しては正確を期したが、若干の誤差やずれはやむを得ない。特記しない限り、部は重量部、温度は摂氏(℃)又は室温、圧力は大気圧又はその近くである。
【0091】
実施例1
フィルム及び基板両方用に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)から一連の構造物を製造し、25℃で40%の湿度変化に供した。すべてのシステムで、名目上80μmのフィルムを1.15mmの基板に接着し、厚さ比を0.070とした。BPAホモポリカーボネート(BPA−PC)の飽和吸水歪は0.00048であった。ここでポリマー材料の膨潤度は、特定温度の相対湿度100%の環境にさらしたときの完全乾燥材料の体積膨張の割合(%)であると定義する。膨潤度をTMA2940熱機械分析器(TA Instruments)を用いて測定した。フィルムを極めて低い一定荷重下で装着し、最初に乾燥雰囲気中で保持した。つぎに、材料を相対湿度100%にさらした場合の吸水時の長さ変化を測定した。吸水歪又は膨潤度を材料のひずみ(長さ変化/元のゲージ長さ)とみなした。図2は、BPA−PCフィルムを有するBPA−PC基板について53mmでのラジアルチルトの変化を示す。基板層及び薄膜層を有する積層体モデルは実験データによく合致した。さらに、別の接着剤を用いても、結果にほとんど影響なかった。平均最大チルト性能は0.25〜0.26度で、これはチルト範囲0.50〜0.52度に等しかった。これは、このような膨張係数を有する材料についての値とよく一致した。
【0092】
実施例2
厚さ比0.089(1.1mmの基板上に98μmのフィルム)のポリマー材料を数個製造した。表1に、25℃で40%の1段湿度変化での吸水歪の結果を示す。これらは、チルトの予測値と歪の測定値である。PSはポリスチレン、PPO/PSはポリフェニレンオキシドとポリスチレンとのブレンド、BPAはビスフェノールA、即ち2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、BHPMはビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、DMBPAは2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル)プロパン、DMBPCは,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、SBIは6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロビインダン、DDDAはドデカン二酸である。
【0093】
【表1】
【0094】
表1の結果から、試験した材料が、特定の厚さ比、半径及び相対湿度変化での記憶媒体に適切な吸水歪内にあることが分かる。
【0095】
以上代表的な実施形態を説明のために提示したが、以上の説明は本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。したがって、本発明の要旨から逸脱することなく、種々の変更、改変、置き換えが当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】適合システムについてのシステムチルトの減少をフィルム厚さの関数として示すグラフである。
【図2】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA−PC)フィルムを有するBPA−PC基板について53mmでのラジアルチルトの変化を示すグラフである。
Claims (115)
- 半径が53mmである、請求項1記載の記憶媒体。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項1記載の記憶媒体。
- 前記ポリマーが熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項1記載の記憶媒体。
- 前記ポリマーが1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項1記載の記憶媒体。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5記載の記憶媒体。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項6記載の記憶媒体。
- 前記基板厚さが約0.4mm〜約2.5mmの範囲にある、請求項1記載の記憶媒体。
- 前記基板厚さが1.2mmである、請求項8記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.06%未満である、請求項9記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.04%未満である、請求項9記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.015%未満である、請求項9記載の記憶媒体。
- 前記基板厚さが0.6mmである、請求項8記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.03%未満である、請求項13記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.02%未満である、請求項13記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.0008%未満である、請求項13記載の記憶媒体。
- 半径が53mmである、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記厚さ比が0.068であり、基板厚さが1.1mmである、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.095%未満である、請求項21記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.064%未満である、請求項21記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.024%未満である、請求項21記載の記憶媒体。
- 前記厚さ比が0.091であり、基板厚さが1.1mmである、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.117%未満である、請求項25記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.078%未満である、請求項25記載の記憶媒体。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.029%未満である、請求項25記載の記憶媒体。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記ポリマーが熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記ポリマーが1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項30記載の記憶媒体。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項31記載の記憶媒体。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項32記載の記憶媒体。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約5%〜約25%の範囲にある、請求項19記載の記憶媒体。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約10%〜約20%の範囲にある、請求項34記載の記憶媒体。
- 前記物品がデータ記憶媒体である、請求項38記載の方法。
- 前記データ記憶媒体は
a)ポリマーを含有する基板層と、
b)1以上のデータ層とを備える、
請求項39記載の方法。 - 半径が53mmである、請求項40記載の方法。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項38記載の方法。
- 前記ポリマーが熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項40記載の方法。
- 前記ポリマーが1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項43記載の方法。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項44記載の方法。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項45記載の方法。
- 前記基板厚さが約0.4mm〜約2.5mmの範囲にある、請求項40記載の方法。
- 前記基板厚さが1.2mmである、請求項47記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.06%未満である、請求項48記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.04%未満である、請求項48記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.015%未満である、請求項48記載の方法。
- 前記基板厚さが0.6mmである、請求項47記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.03%未満である、請求項52記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.02%未満である、請求項52記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.0008%未満である、請求項52記載の方法。
- 前記物品がデータ記憶媒体である、請求項58記載の方法。
- 前記データ記憶媒体は、
ポリマーを含有する1以上の基板層と、
b)基板上の1以上のデータ層と、
c)データ層上の1以上の薄膜層とを備え、
前記薄膜層はポリマーと実質的に同じ物性を有する材料を含有する、
請求項59記載の方法。 - 半径が53mmである、請求項60記載の方法。
- 前記厚さ比が0.068であり、基板厚さが1.1mmである、請求項60記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.095%未満である、請求項62記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.064%未満である、請求項62記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.024%未満である、請求項62記載の方法。
- 前記厚さ比が0.091であり、基板厚さが1.1mmである、請求項60記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.117%未満である、請求項66記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.078%未満である、請求項66記載の方法。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.029%未満である、請求項66記載の方法。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項58記載の方法。
- 前記ポリマーが熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項60記載の方法。
- 前記ポリマーが1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項71記載の方法。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項72記載の方法。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項73記載の方法。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約5%〜約25%の範囲にある、請求項58記載の方法。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約10%〜約20%の範囲にある、請求項75記載の方法。
- 記憶媒体の半径が53mmである、請求項79記載のポリマー。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項79記載のポリマー。
- 熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項79記載のポリマー。
- 1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項82記載のポリマー。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項83記載のポリマー。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項84記載のポリマー。
- 前記基板厚さが約0.4mm〜約2.5mmの範囲にある、請求項79記載のポリマー。
- 前記基板厚さが1.2mmである、請求項86記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.06%未満である、請求項87記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.04%未満である、請求項87記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.015%未満である、請求項87記載のポリマー。
- 前記基板厚さが0.6mmである、請求項86記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.03%未満である、請求項91記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.02%未満である、請求項91記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.0008%未満である、請求項91記載のポリマー。
- 記憶媒体の半径が53mmである、請求項97記載のポリマー。
- 前記厚さ比が0.068であり、基板厚さが1.1mmである、請求項97記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.095%未満である、請求項99記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.064%未満である、請求項99記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.024%未満である、請求項99記載のポリマー。
- 前記厚さ比が0.091であり、基板厚さが1.1mmである、請求項97記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が1.2度であり、最大吸水歪が0.117%未満である、請求項103記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.8度であり、最大吸水歪が0.078%未満である、請求項103記載のポリマー。
- 前記最大チルト範囲が0.3度であり、最大吸水歪が0.029%未満である、請求項103記載のポリマー。
- 相対湿度の変化分が25℃で40%である、請求項97記載のポリマー。
- 熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む、請求項97記載のポリマー。
- 1種以上の熱可塑性ポリマーを含む、請求項108記載のポリマー。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリケトン、ポリアミド、芳香族ポリエーテル、例えばポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項109記載のポリマー。
- 前記熱可塑性ポリマーがポリカーボネートを含む、請求項110記載のポリマー。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約5%〜約25%の範囲にある、請求項97記載のポリマー。
- 前記薄膜層の厚さが基板厚さの約10%〜約20%の範囲にある、請求項112記載のポリマー。
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