JP2005503854A - 鎮火および消火性組成物 - Google Patents

鎮火および消火性組成物 Download PDF

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ディッグズ,デイヴィッド・エル
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Abstract

本発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、任意にペンタフルオロエタン、および任意に1つ又はそれを越える消火性フルオロ又はクロロフルオロアルカン類から本質的に成るハロゲン化アルカン消火性組成物を記載する。

Description

【技術分野】
【0001】
関連出願の記載
本願は、米国特許仮出願番号60/323876号(参照によりその全部が本願明細書に組み込まれる)に関連し、その優先権を主張する。
【0002】
本発明は、低いオゾン減少可能性および低い温室ガス可能性、ブロモクロロジフルオロメタン(環境問題のために使用を継続することが適切でない高効率消化剤)の使用に匹敵する消火特性を有する消火性組成物および方法に向けられている。
【背景技術】
【0003】
一般に消火剤は、次の3つのやり方で火災に適用することができる:1)液体消火剤の流れを火へ向ける(以下「流体用途」);2)液体消火剤を噴霧して、ガス(典型的には空気)中に浮遊する液体小滴の「ミスト」または「霧」を作り、火に「霧」を与える(以下「霧用途」);および3)火が含まれるエリアをガス状態の消火剤で包含すること(充満用途)する。充満用途は、火が含まれる密閉空間の全体を一様に占めるように消火剤を気化させることによって(全体的充満)、またはガス雲形態の該材料の主体部を火が燃えている領域上に移動させて火を消すことによって行うことができる。
【0004】
それらの水素原子の幾つか又は全部がハロゲンと置換されているアルカン類(以下「ハロアルカン」;それの或る亜種グループは様々な産業において「ハロン」および「フレオン」としても知られている)を含んでなる消火剤組成物の適用は、一般に充満または流体に限定される。これらの例には、流体用途にはブロモ−クロロ−ジフルオロ−メタン(Br(Cl)CF2))、および充満用途にはブロモ−トリフルオロメタン(BrCF)が含まれる。
【0005】
消火剤として使用されるハロアルカン類は、(a)火からの熱エネルギーの除去(燃焼を維持するのに必要なレベル未満に冷える);(b)酸素と燃焼源を、その燃焼源を包囲することにより分離させる(隠蔽);および(c)燃焼を維持する化学的プロセスを効果的に終了させるフラグメントを発生する消火剤の分解を介して、消火効果を発揮し得る。様々なハロアルカン類は火に適用された時にこれらの特性の1つ以上を発揮する。消火剤を火災に適用する方法は、消火剤がこれらの消火プロセスを発揮することの重要性についての程度と関係している。
【0006】
充満用途において、消火剤は、それが展開される空間が火災を抑えるのに十分な濃度の消火剤を含むことが確実となるように消火剤が使用されるすべての周囲条件において揮発性でなければならず、したがって、蒸気相熱容量(vapor phase heat capacity)および炎を窒息させる能力(flame suffocating ability)は、充満剤が関与する重要な側面である。第2に、燃焼に関係する化学的過程を分解および分断する充填剤の能力もまた重要である。
【0007】
流体用途において、消火剤は火に液体として与えられる。そのような適用では、液体から蒸気相への高い値の熱吸収(気化熱)、並びに蒸気相熱容量が重要となる。その液体の揮発性も流体用途に使用される消火剤において付加的に重要である。相の変化における高い熱吸収は望ましいが、揮発性が火への適用で大容量の隠蔽性ガスを提供するのに十分でない流体剤は、火災の炎前線を容易に“ノックダウン”せず、消火の効率は低いものとなる。
【0008】
ガス、通常は空気中に浮遊する液体消火剤の小液滴である霧剤は、典型的には、液体からガスへの非常に高い蒸気化熱、および低い揮発性を有する。良い霧剤の例は水である。
典型的には、これまでハロアルカン類をベースとする消火剤組成物は、霧剤のための用途ではなく、充満または流体剤としての用途のために製剤化されてきた。ハロアルカン消火剤組成物のなかで、流体用途において優れた能力を有するものとして当該技術分野で長いこと知られているものはブロモ−クロロ−ジフルオロメタン(Br(Cl)CF2)であると知られている。Br(Cl)CF2はヒトに有毒であるので、充満用途には使用されない。効率の低い消火剤ではあるが、毒性のないブロモ−トリフルオロメタン(BrCF)がブロモ−クロロ−ジフルオロメタンの代わりに流体用途に使用される。
【0009】
様々なハロアルカン類が大気に入る用途での使用は、上層大気中のオゾンの破壊を助長するこれら材料の能力および「温室」ガスとしても機能するこれらガスの能力に関する国際的懸念を巻き起こしている。この懸念は、上記のBr(Cl)CF2およびBrCF(以下「ハロメタン類」)に類似した充満及び流体消火剤特性を発揮するが、それら材料が関わるネガティブな環境的影響を持たない組成物についての必要性を生んだ。
【0010】
化合物、4以下の炭素原子のハロアルカン類のクラスは、消火剤組成物に使用するのに十分な揮発性および熱容量を有しているものとして同定されており、それらの低いオゾン破壊性および低い温室ガス性という長所により、上述のハロメタン化合物に代わる候補となり得る。
【0011】
そのような化合物のひとつは、1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロ−プロパンである。消火剤として使用される場合、それは隠蔽性蒸気の低容量のためにそれが代替するハロメタン類ほど効率的ではない。他の化合物、ペンタフルオロエタンは、ヘプタフルオロ−プロパンよりも良く隠蔽性蒸気を出し、且つ環境中で速やかに分解するとも考えられ、よって、充満用途における消火剤としてブロモトリフルオロ−メタン(BrCF)の代わりとなる可能性を有する。ペンタフルオロエタンは、蒸気相熱容量および大量の包囲性ガスを放つ能力の対比に基づき、ブロモトリフルオロ−メタンと匹敵する。このことは、ペンタフルオロエタンは、消火剤としての使用のための良い候補物であることを示す。しかし、ペンタフルオロエタンを単独で消火剤として充満用途に使用する場合、それはそれが代替するブロモトリフルオロ−メタンよりも非効率的であり、かくして出願人は、改善された効率での代替について引き続き存在する必要性を認識している。
【0012】
様々なフルオロ−アルカン類をブレンドすることで、フルオロアルカン類の個々様々な特性の利点を取り、上記のハロメタン類の特性と類似する組成物を製造することができ、それらに代わってより適切な消火剤組成物を提供することができると示唆されている(Yuichi et alへの米国特許第5,124,053号を参照せよ)。そのような組成物の例には、充満用途のための2つの消火剤組成物を記載している公開PCT出願WO93/17758、出願人TAG Investments, Inc.(以下「'758出願」)に記載された組成物が含まれる。最初の組成物は、4つの炭素原子までの1つ又はそれを越えるフルオロ若しくはクロロフルオロカーボン化合物を含んでなるものとして概説されている。第2の組成物は、1つ又はそれを越えるフルオロ若しくはクロロフルオロカーボン化合物であって、そのような約40個の化合物名を記したリストからの化合物を含有するものとして記載されている。ペンタフルオロエタンはこのリストに含まれている。しかし、ペンタフルオロエタン単独では、流体用途における消火剤としての使用には適さない。その低い沸点のため、ペンタフルオロエタンが流体として適用された場合、それは火に届く前に消散し、野外での使用には不適切なものとなる。'758出願に記載されているすべての組成物は、下記で更に記載されるタイプの約0.1〜約10 wt%の酸捕捉性化合物をも含む。
【0013】
Fernandezへの米国特許第5,393,438号および第5,141,654号(以下それぞれ「'438特許」および「'654特許」)の両者は、充満用途に使用するのに適合したもので、ペンタフルオロエタンまたはペンタフルオロエタンとクロロ−フルオロプロパン、ヘキサ及びヘプタフルオロプロパンが含まれるリストから選ばれる1つ又はそれを越えるプロパン化合物との混合物を含んでなる消火剤組成物を記載している。'438特許および'654特許のいずれも、これら組成物の流体または霧剤としての使用について記載していない。
【0014】
公開PCT出願WO95/26218号は、充満剤としての使用のための消火剤組成物を記載しており、それは式C(ここで“x”=整数、且つ“y+z”=“2x+2”)の1つ又はそれを越えるフルオロカーボン化合物;および、テルペン類、不飽和オイル、およびビカルボネート、ホスフェイト、ハライド及びウレアのアルカリ金属化合物が含まれる酸捕捉性化合物;を含んでなる。これら組成物は全部、充満剤としての使用に適したものとして記載されている。この刊行物は、流体または霧用途に適した消火剤を記載していないし、1,1,1,3,3ペンタフルオロプロパン単独で又はペンタフルオロエタンとの組合せでの使用について言及も示唆もしていない。
【0015】
出願人は、火が閉じた空間内か又はカバーやカウル下にある場合のように消火剤の供給源と火との間で“視野(line of sight)”の通らない状況において、改善された消火の方法についての必要性を認識するに至った。これまで、そのような状況では充満法を使用することが一般的であった。これまで、充満剤として使用されるのに十分に揮発性である組成物は、流体または霧消火剤としての用途には不適切であるとされてきた。なぜなら、充満剤及び方法は、火に適用される前にその物質がガス相に蒸発するようにデザインされているが、流体および霧剤は、液体からガスへの変換に関わる熱容量の利点を活かすために液体として火の場所に適用されなければならないからである。
【0016】
出願人は、上で説明したように、今まで使用されてきた流体剤は、火に適用された後の十分な窒息性容量を提供する能力が比較的無いという欠点があり、それは概して、火の場所との接触前に液体が消散することを回避できるのに十分低い揮発性であると同時に、相対的には高い揮発性であることを要求する。
【発明の要旨】
【0017】
出願人は、先行技術の上記欠点の幾つか又はすべて、並びに上で言及していない他の点を克服することが企図された組成物を見出した。
本発明の1つの側面は、ペンタフルオロプロパン及び場合によりペンタフルオロエタンを含んでなる消火剤を提供すること、前記消火剤の霧を生じさせること、および前記霧を火へ導くことを含んでなる消火方法に関する。好ましい態様では、その方法は、火が視野にない位置から霧を放出することにより、前記霧を火へ導くことを含んでなる。
【0018】
出願人は、オペレーションのいかなる特定の理論によりまたはそれに必然的に縛られることを望まないが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンは412℃よりも高い温度で容易な分解を示すので、流体用途においてブロモクロロジフルオロメタン(BrClCF2)についての代替物として優れたパフォーマンスを有すると考えられる。この分解特性は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンにそれが火に曝されたときにフリーラジカル捕捉に速やかに加わるという異例な能力を与えると考えられる。
【0019】
出願人は、一定の用途において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの使用をその組成物へのペンタフルオロエタンの添加によって更に改善できることも見出した。それは1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを火に適用した時、ブロモクロロジフルオロメタンに類似する熱容量を有するが、そのハロメタンの場合と同様の量の隠蔽性蒸気を常には生成し得ない。そのような状況において、それは消火するための適正な冷却を提供し得るが、ハロメタンに匹敵する急速な炎前線“ノックダウン”特性(火隠蔽能力)を発揮し得ない。本組成物中において一緒のペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの使用は、多くの場合にハロメタンの消火効率に匹敵するかまたはそれを越える消火剤を提供する。
【0020】
本発明の1つの側面は、ペンタフルオロエタンおよびペンタフルオロプロパン、好ましくは、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなる、好ましくはそれらから本質的に成る消火剤を提供することにある。一定の好ましい態様では、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンは、その組成物中に該組成物の少なくとも約20 wt.%の量で存在する。他の態様では、その組成物は、少なくとも約6 wt%ペンタフルオロエタンを含んでなる。好ましくは、その組成物は、少なくとも約6 wt%ペンタフルオロエタンおよび少なくとも約20 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなる。
【0021】
本発明の組成物は、場合により約10 %までの付加的なフッ化水素(“HF”)捕捉剤を含有することができる。好ましくは、HF捕捉剤が使用される場合、それはその組成物の約2 wt%〜約10 wt%含まれる。
【0022】
本発明の他の側面は、ペンタフルオロエタンおよび約1 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン〜約80 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなるか、好ましくはそれらから本質的になる組成物から作られる霧の形態の消火剤の提供である。
【0023】
本発明の他の側面は、ペンタフルオロエタンおよび約45 wt%〜約94 wt%、さらに好ましくは約64 wt%〜約94 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなるか、好ましくはそれらから本質的になる組成物から作られる流体の形態の消火剤の提供である。一定の好ましい態様によると、本発明の消火流は、約20 wt%〜約36 wt%のペンタフルオロエタンおよび少なくとも約45 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなる組成物を使用して形成される。
【0024】
本発明の他の側面は、本発明の消火性組成物を、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよびペンタフルオロエタンを含んでなり、該1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンがその組成物の少なくとも約45 wt%の量で存在し、該ペンタフルオロエタンがその組成物の少なくとも約6 wt%のレベルで存在する消火剤の流体として火に提供することにより消火する方法の提供である。
【0025】
場合により、流体用途の消火性組成物は、約10 %までの追加のHF捕捉剤を含有することができる。好ましくは、HF捕捉成分が使用される場合、それは約2 wt%〜約10 wt%のレベルまでその組成物に添加される。
【0026】
本開発品の他の側面は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよびペンタフルオロエタンの混合物であって、該ペンタフルオロプロパンがその組成物の少なくとも1 wt%のレベルまで存在し且つ該ペンタフルオロエタンがその組成物の少なくとも20 wt%のレベルまで存在する混合物を含んでなる消火剤の霧として本開発品の消火性組成物を火に与えることによる消火方法の提供である。
【0027】
場合により、霧用途の消火剤は、約10 wt%までの追加のHF捕捉剤を有することができる。
本発明の他の特徴は、本発明の原理を開示するが、本発明の広範な側面を必ずしも限定するものではない下記の記載およびクレームにおいて示されるであろう。
【0028】
或る好ましい態様において、本組成物は、消火を行う量の、完全にフッ素化されている如何なる化合物および/または塩素を含有する如何なる化合物も含有しない。そのような態様において好ましくは、本組成物は、完全にフッ素化されている如何なる化合物および/または塩素を含有する如何なる化合物を、如何なる実質量でも含有せず、より好ましくは実質的に有さない。
【好ましい態様の詳細な記載】
【0029】
定義
消火の効果は、標準的火災(standard fire)を特定の時間内で消すのに要求される薬剤の量により決定される。そうような試験は、例えば、カップバーナーまたは他の消火濃度測定法(extinguishing concentration measurement)を使用して行うことができる。効果の標準試験としてこの方法の詳細は、“NFPA 2001 Standard on Clean Agent Fire Extinguishing Systems”Appendix B Cup Burner Test Procedureの2000版に見つけることができる。
【0030】
効率は、消火剤の適用を開始してから標準火災の炎前線(flame front)が“ノックダウン”される速度、および標準火災を消すためにその箇所へ適用されるのに要求される消火剤の量により決定される。効率は、UL testing standard 2166または上記の標準的カップバーナー試験(Standard cup burner test)のいずれを使用して定量化してもよい。
【0031】
本明細書に記載されるように、大部分の水素がハロゲンで置換されたアルカン類(以下“高度にフッ素化された”アルカン類)およびすべての水素がフッ素で置換されたもの(以下“完全フッ素化”若しくは“過フッ素化”アルカン類)は、その類縁のクロロ、クロロ/フルオロおよびブロモ化合物と同様にオゾン破壊に参与しないらしいと考えられるものである。しかし、これら材料の安定性は、大気中におけるそれらの存在が地球からの熱の再放射を妨げ、地球温暖化を導き得るという懸念を生じさせる。この理由のため、高度フッ素置換および過フッ素化アルカン類は温室ガスとして関わってきた。フッ素で高度には置換されていないアルカン類(以下“部分フッ素化”)は、環境中でより容易に分解されやすいと考えられるものであるから、地球温暖化の可能性はより小さい。
【0032】
本開発品の組成物
上で説明したように、ペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンは、上記のハロメタン消火剤に代替可能なものとして同定された“部分フッ素化”フルオロアルカン類である。火が小さい場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンをブロモクロロジフルオロメタンの代替流体剤として単独で使用することもできるし、類似の物性を有する他のハロゲン化アルカン類と共に使用することもできる。塩素化材料が許容される用途では、様々なフルオロ−又はクロロ/フルオロ−アルカン類が、望ましい消火性組成物を得るために代替されてもよいし、ペンタフルオロエタンに加えて使用されてもよい。このように、択一的または追加的な低沸性又は高沸性フルオロおよびクロロフルオロアルカン類を1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとブレンドして、流体またはミスト用途に使用し得る消火剤組成物を提供することができる。例には、HC(Cl)F2(HCFC-22)、HCF3(HFC-23)、F3C-(H)CCl2(HCFC-123)、F2C(Cl)-(H)C(F)Cl(HCFC-123a)、Cl2C(F)-(H)CF2(HCFC-123b)、F3C-(H)C(F)Cl(R124)、F2C(Cl)-(H)CF2(R124a)、F2C(H)-(H)CF2(R134)、F3C-(F)CH2(R134a)、H(F)C(Cl)-(H)C(F)Cl(HCFC132)、F3C-(H)C(F)-CF3(HFC-227ea)、F2C(H)-C(F2)-CF3(HFC-227ca)、F3C-C(H2)-CF3(HFC-236fa)、F2C(H)-(H)C(F)-CF3(HFC-236ea)、H2C(F)-(CF2)-CF3(HFC-236cb)、F2C(H)-C(H2)-CF3(HFC-245fa)、F2C(H)-(H)C(F)-(H)CF2(HFC-245ea)、H2C(F)-(H)C(F)-CF3(HFC-245eb)、H3C-C(F3)-CF3(HFC-245cb)、ICF3が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
上記の通り、消火剤の消火効率性が要求される場合、例えば、大きな火を消す場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンまたはペンタフルオロエタンの単独使用がすべての用途において完全に適正な代替品であるとは証明されておらず、これら材料のいずれかを含有し、消火において流体および霧用途に適切なブレンドは、今まで同定されていなかった。
【0034】
今般、驚いたことに、ペンタフルオロエタンを1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと、好ましくは実質的に均一な混合物またはブレンドにまで組合せることによって、得られた組成物の流体用途消火剤として使用された場合の効率は、多くの用途においてブロモ−クロロ−ジフルオロ−メタンに匹敵するところにまで改善されることが見出された。
【0035】
理論に縛られるつもりはないが、ペンタフルオロプロパン単独に優るペンタフルオロプロパン/ペンタフルオロエタン組合せのパフォーマンスの改善は、炎前線の素早い“ノックダウン”を与えるのに優れた隠蔽特性を有する十分な量のガスおよび十分な熱容量を供給すると共に、そのガス相成分とそこに微細液滴として分散している液相成分との間の十分な熱容量を提供するその低沸性成分、並びにそのブレンドが適正な冷却特性を維持することに起因すると考えられる。ペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから作られたブレンドは、追加的な放出体充填を使用せずとも、低沸性ペンタフルオロエタンの組込みが流体用途様式の貯蔵容器から液体を放出するのに十分な蒸気圧をその組成物に与えるので特に望ましい(その目的のため、典型的には、過度圧力のガス、例えば窒素を使用してもよいが)。
【0036】
ペンタフルオロエタンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの好ましいブレンドは、ブロモクロロジフルオロメタン(-4℃)の沸点を含む沸騰域(Experimental Thermodynamics Volume II, Editors B. Le Neindre and B. Vodar (1975), page 780に詳説されている通り、その測定される材料の“沸点”から“露点”として定義される)を有する。かくして、6 wt%ペンタフルオロエタンと94 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのブレンドは-4℃“沸点”を示し、55 wt%ペンタフルオロエタン/45 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのブレンドは-4℃“露点”を示す。44 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなり残部がペンタフルオロエタンからなるブレンドが-4℃“沸点”を示すことも分かった。この類似する物理的特性は、そのようなブレンドは、流体用途に現在使用されているハロゲン化メタンに取って代わるのに適正であり得ることを示唆する。
【0037】
加えて、ペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから本質的に成り74〜94 wt%の該ペンタフルオロプロパンを有するブレンドは、ブロモクロロジフルオロメタン、1,1ジクロロ−2,2,2トリフルオロエタンに代わって現在使用されている流体剤により発揮されるのと同じかそれを越える火からの熱除去能力を有するものになることができる。そのようなブレンドの例は、23 wt%ペンタフルオロ−エタンおよび77 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなる。
【0038】
加えて、ペンタフルオロエタンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとのブレンドは、慣例的装置を使用して生成される小滴の懸濁物、例えば、霧またはミスト(以下“霧分散”)として使用され、典型的には、空気分散の霧として水を運ぶために使用されることが見出された。驚いたことに、このタイプの霧分散は、消火剤の充満適用が使用される状況で消火に使用することができる“充満剤様”特性を有することが分かった。
【0039】
そのような霧用途消火剤のための良い候補となるペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから本質的に成るブレンドは、約20〜約99 wt%の量で存在するペンタフルオロエタンを有する。これらブレンドの消火霧分散体は、充満用途に消火剤として使用される場合にヘプタフルオロプロパンと同じ熱容量を有することが見出された。加えて、それらは、ブロモジクロロフルオロメタンの充満用途により示されたのと同じ効率を有する。また、当業者により、ペンタフルオロエタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのブレンドの霧は、内包された火(enclosed fires)を消すのに使用することができ、また、単一分子充満剤を使用するのと同じ様式で入り組んだ通路を通ることができることが認識されるであろう。また、これら霧分散体は、そのような用途においてブロモトリフルオロメタンに代わって以前使用されていた単一分子化合物を越える改善された消火効率を提供することができると認識されるであろう。
【0040】
水素およびフッ素原子が同じ分子内に存在する場合(部分的にまたは高度にフッ素化されたアルカン類の場合のように)、それら化合物は分解するとHFを生じる傾向にあることが知られている。HFは材料に対し高度に腐食性であり、それが存在するところで空気空間を占領し、人に危険を及ぼす。おびただしいHF発生は、フッ素に対する水素の比率が高い化合物においては特に深刻である。そのようなフルオロアルカン類を使用する消火剤組成物には、HFの捕捉剤をその製剤中に含ませる。これは、人が居るかまたはHFの腐食効果により害される装置又は材料が存在する閉じた空間内におけるそのような材料の消火剤中の成分としての使用を可能にする。酸捕捉性分子は、消火剤組成物中に容易に含ませられる。このやり方でそれらは鎮火成分と一緒に火へ到達するので、HFの発生場所でのそれらの存在は確実である。流体および充満剤の双方における使用に適切な酸捕捉性化合物は、例えば、公開特許出願WO93/17758号およびWO95/26218号およびGreenへの米国特許第4,954,271号に開示されている。
【0041】
また、本発明の消火剤組成物は、本発明組成物のフルオロアルカン類が消火工程において加熱された時に発生するHFにより引き起こされる問題を緩和するのに有効な量のHF捕捉剤をそれらの製剤中に組み込まれ得る。HF捕捉特性を有することが知られている物質の例は、ベータ−カロテン、シトラール、シトロネロール、シトネラル、パラ−シメン、カンフル、ラノステロール、リモネン、ルテイン、リコペン、メンタジエン、メントール、ミルセン、オシメン(ocimeme)、オレアノリック、ジペンテン、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、フィトール、サビネン(sabinene)、サポニン、スクアレン、シルベストレン(sylvestrene)、テルピネン、アルファ−テルピネオール、テルピノレン、テルペンチン、ビタミンA、ジンギベレン、オレイン酸、エレオステアリン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、リカニン(licanic)酸、ペトロセリン酸、アビエチン酸、リノレン酸、リシノール酸、バクセン酸である。更なる例は、Greenへの米国特許第4,954,271号および公開国際出願WO95/26218号およびWO93/17758号にも見出すことができ、それらの開示は、参照により本願明細書内に組み込まれる。当業者は、様々な酸捕捉性化合物の混合物を消火の間に発生するHFを捕捉することに追加的に使用し得ることを認識するであろう。
【0042】
概して、酸捕捉性化合物は、消火性組成物に該組成物の約0.1〜10 wt%の量で加えられる。好ましくは、それらは、消火性組成物の約2.0〜約10 wt%の量で加えられる。
消火剤組成物の調製
本発明の組成物は、圧縮ガスをブレンドすることに熟練した当業者に良く知られているやり方で、成分を先ず最少揮発性成分から密封容器内で混合することにより調製することができる。したがって、例えば、10 wt%の酸捕捉性成分、80 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび10 wt%のペンタフルオロエタンを含んでなる組成物は、密封ガスシリンダー内に先ず所量の酸捕捉性成分を入れ、先に充填した酸捕捉性成分の8倍の重量の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンをそのガスシリンダー内へ圧縮し、次いで、最初にガスシリンダー内に充填した酸捕捉性成分と等しい重量のペンタフルオロエタンをガスシリンダー内へ圧縮することにより調製される。次いで、その混合物を放置して静かにブレンドしてもよいし、シリンダーを回転または揺動させることにより大胆にブレンドしてもよい。
【0043】
揮発性液体をブレンドするおよび液体と圧縮ガス成分をブレンドする他の公知の手段は、本発明の組成物を調製することにおいて同じく効果的であり得ることが認識されるであろう。
【実施例】
【0044】
0〜55モル%の間で変動させた量で存在するペンタフルオロエタンと共に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含んでなるブレンド消火剤組成物の放出挙動をモデリングする算定(カルキュレーション)を検討した。典型的な決定では、所量のその組成物は、その放出を駆動するために600 psigの駆動圧力を使用して容器から放出されると想定される。その算定は、周囲温度に平衡な密封容器内の所量の組成物を想定することにより行われた。更に、その際にその組成物は、駆動圧力下で直進流体を生じる標準オリフィスを通じて容器から放出されると想定した。放出の間、放出された材料の流体および蒸気の組成と温度をその材料の断熱膨張に基づいて計算した。この測定は、8つの実施例ブレンドについて行われ、下の表1に列挙した結果となった。
【0045】
【表1】
Figure 2005503854
【0046】
表1内のデータを精査すると、低沸性成分のパーセンテージを増加させることは、蒸気を含んでなる低沸性成分の量を増加させ、これは、放出された液体中において当該低沸性成分の存在が増加するよりも高い度合であることが分かる。これらの放出試験の間、流体と共に放出された蒸気の容量を計算し、各ケースにおいて、放出された流体の組成を有する液体の気化熱を計算した。各ケースにおいて、放出された蒸気の容量計算値は、各組成物から得られる窒息性物体(suffocant)の相対的な量を示す。熱除去の計算は、412℃の最終蒸気温度、つまり1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの自発的発火温度を想定することにより行われた。その自発的発火温度でまたはそれより高い温度でのペンタフルオロプロパンの分解はたやすいので、その分解生成物による急進的な捕捉は、そのような組成物が向けられた消火工程において有意なものとなる。これらの結果は、下の表2に示される。
【0047】
【表2】
Figure 2005503854
【0048】
液体のペンタフルオロエタン含量が増加するに従い、その組成物の熱除去能力は低下し、その組成物から生じる隠蔽性容量はペンタフルオロエタン含量の増加に伴って単調に上昇することが分かる。
【0049】
表1および表2に示される通り、本発明消火剤の組成物の熱容量および隠蔽性挙動は先行技術の充満剤(1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパン)および先行技術の流体剤(1,1ジクロロ,2,2,2トリフルオロエタン)のものに匹敵する。その充満剤は、47.1 ml/gの隠蔽性容量を生じることが知られている。その流体剤は、液体から412℃ガスへ変換された場合に76649キロジュール/kg-モルを除去することが知られている。約20 wt%〜約36 wt%のペンタフルオロエタンおよび実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの残部を含んでなる組成物を選択することによれば、その充満剤の隠蔽性能力およびその流体剤の熱容量を単一の組成物において達成することができる。そして、この範囲の組成物は、それが放出される装置に依存して、流体用途に使用することもできるし、霧用途において分散させて充満剤として使用することもできる。
【0050】
様々な組成物のカップバーナー試験
カップバーナー試験は、“NFPA 2001 Standard on Clean Agent Fire Extinguishing Systems”Appendix B “Cup burner Test Procedure”の2000版に列挙された試験プロトコルに従い、ペンタフルオロエタン(以下“R125”)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下“R245fa”)との2成分ブレンドを消火剤として使用して行われた。それらブレンドを作るフルオロアルカン類はHoneywellから供給された。それらは99.5%を越える純度を有し、認可されたものとして使用した。消火剤を含んでなる2つの成分の容量比は、カップバーナー装置の空気流内へガス形態で進入可能になるそれら2つの成分の流速を変動させることにより変動させた。様々な成分の流速を、使用されるガスについて較正した流量計を備えたEnvironics(登録商標)ガス混合機を使用してコントロールした。
【0051】
最初に、精製R125を消火剤として使用し、カップバーナー装置を較正した。この様式において、25 l/minの気流流速は、試験炎を消すために空気流へ導入される最も高い容量パーセント(8.4 Vol.%)のR125を要求すると決定され、この流速のバーナー空気が試験全体を通じて使用された。カップバーナー試験は、0, 2.4, 4.8, 7.0, 9.1, 10.5, 11.3, 13.3, 15.5, 15.7, 17.6, 18.7, 19.8, 20.3, 27.1, 31.0, 35.0, 41.6, 48.4, および62.5 Vol.%のR245faを含んでなり、その消火剤容量の残部にR125を含んでなる消火剤が導入される25 l/minの気流流速を使用して繰り返された。このブレンド化消火剤の、試験炎を消すためにバーナー空気流内へ導入しなければならない量(その空気流中の消火剤の容量パーセントとして表現される)は、試験された各ブレンドについて図1に示される。
【0052】
表1は、3つの軌跡線、つまり、ベースライン軌跡、上記試験データ軌跡、および更に下記で説明される“効果の無いブレンド”の軌跡を示す。図1の試験データ軌跡は、試験された各々の消火剤組成物(上記の通りのもの)について記録された値(バーナー空気のVol%で)で配置した黒菱形のものであり、ベースライン軌跡は長と短を交互に含む破断状のラインであり、“効果の無いブレンド”軌跡は点線である。
【0053】
図1のベースライン、つまりバーナー空気流における8.4 Vol%の消火性組成物での水平線は、上記した通り試験炎を消すのに要求されたバーナー空気流のVol%で表される精製R125の量である。
【0054】
“効果の無いブレンド”軌跡、つまり図1の最上曲線は、消火特性を有しない希釈剤およびR125を含んでなる組成物は、十分なVol%のその組成物がバーナー空気流内(そこに存在するR125はカップバーナー空気流の8.4 Vol%に計上される)に導入された時にカップバーナー炎を消すのに効果的であり得るという観念に基づいている。“効果の無いブレンド”データを得るために、R125および消火特性を有しない希釈剤を含んでなる理論上の2成分ブレンドを想定した。R125および希釈剤の与えられたあらゆる比率に関し、バーナー炎を消すのに適正であると示された“効果の無いブレンド”の容量パーセントは、8.4 Vol%のR125を含有するバーナー空気流を提供するためにバーナー空気流内へ導入されるのに要求されるであろう当該与えられ示された組成物の量(バーナー空気流の容量パーセントとして表される)である。
【0055】
試験データ軌跡、つまり図1の中間の軌跡は、上記した通り、試験された様々な2成分消火剤ブレンドの組成物の量(バーナー空気のVol%で)で配置した一連の黒菱形により示される。この軌跡は、本発明の消火剤“ブレンド”が上記した理論上の“効果の無い”2成分ブレンドよりも有意に優って働くことを示す。このデータは、精製R125蒸散物だけのものがR125/R245faブレンドの蒸散物よりも効率の良い消火剤であることも示す。
【0056】
カップバーナー試験は、精製R125の物理的特性を考慮しておらず、上述の通り、それによると“流体”又は“霧”の形態の消火剤としての使用には適さないとされ、本試験が“流体”又は“霧”剤としての使用ための好適性を示すものではないというように認識されるであろう。上述の通り、R245faおよびR125のブレンドを含んでなる本発明の消火剤は、流体用途(流体の形態の消火剤)においてまたは液体小滴の分散物(霧の形態の消火剤)として使用される消火剤に取って代わることが企図されている。このようにして、R125単独の非好適性を考慮に入れる場合、並びに上記の図1および表1と表2中のデータを考慮する場合、R125およびR245faのブレンドは、霧または流体用途における使用に適切な物理的特性を有する効果的な消火剤が提供されることが明らかである。
【0057】
追加の有益性として、ブレンドされた組成物は、周囲温度で含有される場合に約165 psigまでの蒸気圧を示す。かくして、本発明の組成物は、標準的消火装置に充填され、そこから標準的放出システムを使用して放出されることができる。
【0058】
流体の形態の好ましい消火剤は、その流体が火に適用された時、炎の速やかな“ノックダウン”という見地からの優れた消火特性および優れた冷却および隠蔽特性を持ち、0〜約55 wt%ペンタフルオロエタンを有しその残部が実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる組成物から作られる。さらにより好ましいものは、約20 wt%〜約36 wt%ペンタフルオロエタンを有し、その残部が実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる組成物から作られる流体である。
【0059】
霧の形態の好ましい消火剤は、その分散体が火に適用された時、炎の速やかな“ノックダウン”を発揮し、優れた冷却および隠蔽特性を持ち、約20 wt%を越えるペンタフルオロエタンを有し、その残部が実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる組成物から作られる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、試験された各ブレンドについて、試験炎を消すためにバーナー空気流内へ導入しなければならないブレンド化消火剤の量を示す。

Claims (32)

  1. 消火に有効な量の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、及び場合により、1つ又はそれを越える消火性フルオロ又はクロロフルオロアルカン類を含んでなる消火性組成物。
  2. 前記1つ又はそれを越える消火性フルオロ又はクロロフルオロアルカン類が前記組成物中に存在し、HC(Cl)F2(HCFC-22)、HCF3(HFC-23)、F3C-(H)CCl2(HCFC-123)、F2C(Cl)-(H)C(F)Cl(HCFC-123a)、Cl2C(F)-(H)CF2(HCFC-123b)、F3C-(H)C(F)Cl(R124)、F2C(Cl)-(H)CF2(R124a)、F2C(H)-(H)CF2(R134)、F3C-(F)CH2(R134a)、H(F)C(Cl)-(H)C(F)Cl(HCFC132)、F3C-(H)C(F)-CF3(HFC-227ea)、F2C(H)-C(F2)-CF3(HFC-227ca)、F3C-C(H2)-CF3(HFC-236fa)、F2C(H)-(H)C(F)-CF3(HFC-236ea)、H2C(F)-(CF2)-CF3(HFC-236cb)、F2C(H)-(H)C(F)-(H)CF2(HFC-245ea)、H2C(F)-(H)C(F)-CF3(HFC-245eb)、H3C-C(F3)-CF3(HFC-245cb)、ICF3からなる群から選択される、請求項1の組成物。
  3. 前記1つ又はそれを越える消火性フルオロ又はクロロフルオロアルカン類が、ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項1の組成物。
  4. 消火に有効な量の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび約55 wt%までのペンタフルオロエタンを含んでなる消火性組成物。
  5. 前記ペンタフルオロエタンが、前記組成物の約36 wt%までの量で存在する、請求項4の組成物。
  6. 前記1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび前記ペンタフルオロエタンが、-4℃を含む沸点範囲を持つ前記組成物を提供するのに有効な量で存在する、請求項4の組成物。
  7. 前記1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンが、前記組成物の少なくとも約74 wt%の量で該組成物中に存在する、請求項6の組成物。
  8. 前記ペンタフルオロエタンが、前記組成物の約20 wt%〜約36 wt%の量で該組成物中に存在する、請求項6の組成物。
  9. 前記ペンタフルオロエタンが、前記組成物の約20 wt%〜約99 wt%の量で該組成物中に存在する、請求項6の組成物。
  10. ペンタフルオロエタンおよび約1 wt%〜約80 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから本質的に成る組成物を含んでなる消火性霧。
  11. 有効量のHF捕捉剤を更に含んでなる、請求項10の消火性霧。
  12. 前記HF捕捉剤が、ベータ−カロテン、シトラール、シトロネロール、シトネラル、パラ−シメン、カンフル、ラノステロール、リモネン、ルテイン、リコペン、メンタジエン、メントール、ミルセン、オシメン、オレアノリック、ジペンテン、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、フィトール、サビネン、サポニン、スクアレン、シルベストレン、テルピネン、アルファ−テルピネオール、テルピノレン、テルペンチン、ビタミンA、ジンギベレン、オレイン酸、エレオステアリン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、リカニン酸、ペトロセリン酸、アビエチン酸、リノレン酸、リシノール酸、バクセン酸からなる群から選択される、請求項11の消火剤霧。
  13. ペンタフルオロエタンおよび約45 wt%〜約94 wt%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから本質的に成る組成物を含んでなる消火性流体。
  14. 前記1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンが、前記組成物の約64 wt%〜約94 wt%の量で存在する、請求項13の消火性流体。
  15. 前記組成物が、有効量のHF捕捉剤を更に含んでなる、請求項13の消火性流体。
  16. 前記組成物が、有効量のHF捕捉剤を更に含んでなる、請求項14の消火性流体。
  17. 前記HF捕捉剤が、ベータ−カロテン、シトラール、シトロネロール、シトネラル、パラ−シメン、カンフル、ラノステロール、リモネン、ルテイン、リコペン、メンタジエン、メントール、ミルセン、オシメン、オレアノリック、ジペンテン、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、フィトール、サビネン、サポニン、スクアレン、シルベストレン、テルピネン、アルファ−テルピネオール、テルピノレン、テルペンチン、ビタミンA、ジンギベレン、オレイン酸、エレオステアリン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、リカニン酸、ペトロセリン酸、アビエチン酸、リノレン酸、リシノール酸、バクセン酸からなる群から選択される、請求項15の消火剤。
  18. 下記の工程:
    (a)請求項13の組成物を含んでなる消化性組成物を火へ流す工程;および
    (b)前記流れを、火を実質的に小さくするのに十分な時間をかけて、場合により前記火が消えるまで維持する工程;
    を含んでなる消火方法。
  19. 前記消火性組成物が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよびペンタフルオロエタンを含んでなり、前記組成物が-4℃を含む沸点範囲を有する、請求項18の方法。
  20. 前記消火性組成物が、約20 wt%〜約36 wt%の前記ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項19の方法。
  21. 下記の工程:
    (a)請求項9の組成物を霧として分散させる工程;
    (b)前記霧を、それが火に接触するような領域内へ方向付ける工程;および
    (c)前記方向付ける工程を、火を実質的に小さくするのに十分な時間をかけて、場合により前記火が消えるまで続ける工程;
    を含んでなる消火方法。
  22. 前記消火性組成物が、約20 wt%〜約36 wt%の前記ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項21の方法。
  23. 下記の工程:
    (a)請求項1の消化性組成物を火と接触させる工程;および
    (b)前記接触を、火を実質的に小さくするのに十分な時間をかけて、場合により前記火が消えるまで維持する工程;
    を含んでなる消火方法。
  24. 前記消火性組成物が-4℃を含む沸点範囲を有する、請求項23の方法。
  25. 前記消火性組成物が、約6 wt%〜約26 wt%の前記ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項23の方法。
  26. 下記の工程:
    (a)請求項3の組成物を霧として分散させる工程;
    (b)前記霧を、火を実質的に包み込むような領域内へ送り込む工程;および
    (c)前記分散させて送り込む工程を、火を実質的に小さくするのに十分な時間をかけて、場合により前記火が消えるまで続ける工程;
    を含んでなる消火方法。
  27. 前記消火性組成物が、約20 wt%〜約99 wt%ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項26の方法。
  28. 前記組成物が、約20 wt%〜約36 wt%ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項14の流体。
  29. 前記組成物が、約20 wt%〜約23 wt%ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項14の流体。
  30. 前記組成物が、77 wt%1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび約23 wt%ペンタフルオロエタンから本質的に成る、請求項14の流体。
  31. 前記組成物が、約20 wt%〜約36 wt%ペンタフルオロエタンを含んでなる、請求項10の霧。
  32. 前記組成物を、前記火に流体の形態で接触させる、請求項23の方法。
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