JP2005503832A - 動物の健康管理、福利および栄養摂取 - Google Patents

動物の健康管理、福利および栄養摂取 Download PDF

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Abstract

本発明は、全世界の動物に関連する包括的かつ累積的な遺伝的評価データベースおよび健康評価データベース(22)の管理のための方法、システムおよび装置に関する。より具体的には、本発明は、動物の健康管理、および栄養摂取を決定するために使用される方法およびシステムに関する。本発明の1つの実施形態は、非家畜動物被験体の健康管理および健康を管理する、動的な方法およびシステムである。このような動物は、好ましくは、イヌ被験体またはネコ被験体である。この方法は、少なくとも1つの種類の動物または選択された種類の群に関連するデータベースを得る工程を包含する。次に、この方法は、その動物に関連するデータ(例えば、その動物に関連する実験室試験データ)を得る工程を包含する。次の工程は、コンピューターを使用して、そのデータとデータベースとを関連付ける工程;およびその動物の管理のためのレジメンを決定する工程を包含する。

Description

【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号09/419,192(1999年10月15日付け出願);出願番号09/432,851(1999年11月2日付け出願);および出願番号09/898,193(2001年7月2日付け出願);および出願番号60/305,443(2001年7月13日付け出願)と関連する。これらの出願の内容は、本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
(A.技術分野)
本発明は、世界的規模で、包括的かつ累積的に動物に関連する遺伝学および健康状態を評価するデータベースを管理するための方法、システムおよび装置に関する。特に、本発明は、動物の生物学的データに関連する、バイオインフォマティクスシステムおよびその実施に関する。より詳細には、本発明は、動物の健康管理、福利および栄養摂取を決定するために使用される、方法およびシステムに関する。
【0003】
(B.関連技術)
動物の健康状態を特徴付けるために、時間、労力および資金源におけるかなりの投資が、動物(特に、純血種の動物)の飼育者、所有者および養護者によってなされている。この特徴付けは、動物の遺伝的背景の決定、ならびに動物の罹患率、死亡率および長寿性(longevity)の予測を含み得る。個々の動物が、その生涯に健康に関連した特定の状態を発達させる確率は、その遺伝的構成と、環境的影響(食餌を含む)と、その動物が遭遇する疾患因子(すなわち、化学的因子、物理的因子または生物学的因子)との間の複雑な相互作用の産物である。従って、おそらく、個々の動物または品種の全体的な健康に関する最良の指標が長寿性である。
【0004】
(1.表現型データ)
一般的に、表現型は、可視的な特徴または測定可能な能力によって示される、生物の遺伝的性質である。表現型のデータまたは情報は、身体的の記述的な特徴および健康評価プロフィールの特徴を含む。これらの特徴は、例えば、表現型、品種、寿命、健康上の病歴、ならびに感染性疾患および代謝性障害の存在のようなパラメーターからの生理的、病理学的、内分泌学的、血液学的、疫学的、行動学的および免疫学的なデータを含む。
【0005】
被験体動物の血液サンプルおよび他の生物学的サンプルが、中央データベース処理リソース(CDPR)を有する研究室によって分析される。これは、表現型的な情報を得るためのシステムである。これらの研究室を、自動化基盤で電話および/またはファックス接続を通して獣医病院と接続するための通信システムが知られている。これらのシステムは、獣医、動物病院または他の関係者(集合的または個々に、「リモートユーザー」と称される)が、CDPRから、被験体動物の健康評価プロフィールおよび基本的な記述的同定データ(すなわち、表現型情報)を受け取ることを可能にする。近年までは、リモートユーザーが、被験体動物のこの表現型情報を得るために直接的にCDPRにアクセスすることは不可能であった。
【0006】
代表的に、動物の飼育者および/または所有者は、血液サンプルまたは他の身体の流体サンプルもしくは組織サンプルを獣医または獣医病院に提出することによって、それらの動物の健康評価を得ている。その獣医または獣医病院は、その動物の生物学的状態、生理的状態、または病理学的状態の分析のために、そのサンプルを研究室に提出する。データ(その動物の身体的健康)は、獣医または獣医病院を通して、所有者に報告される。このデータはまた、その研究室のCDPRに保存され得る。さらに、各被験体動物について、その表現型的データが、獣医病院のコンピューター保存システムあるいは所有者および/または飼育者のコンピューター保存システムに保存され得る。データの検索は、必要に応じて、電子的に、音声によって、ハードコピーによって、またはファックスによってなされ得る。
【0007】
この表現型情報の探索、入手および保存は、動物の飼育者、所有者、または所有者の代理業者、および動物の健康管理提供者の必要によって駆動される。この情報は、その動物が定期的な健康検査の必要な状態にある場合、その動物が病気である場合、またはその動物が良好な状態に回復されなければならない場合に、その動物被験体の臨床的、診断的、管理上および治療的な必要性を解決するために探索される。
【0008】
(2.遺伝子型データ)
動物に関連するデータの第2の局面は、遺伝子または遺伝子型のデータまたは情報である。生物の遺伝子構成は、可視的な影響を有さない遺伝子ならびに表現型によって表される遺伝子を含む。遺伝子データは、代表的に、動物の異なる品種または種類の間における疾患および/または障害の存在および流行を推定するために使用される。遺伝子型情報は、最も多くは、非CDPR設備(例えば、精選された臨床的研究データベース、書籍形態、ハードコピー、または遺伝子疾患登録簿)において手動で保存されている。
【0009】
遺伝子登録簿のいくつかは、特定の疾患または障害(例えば、股関節異形成、眼状態、甲状腺状態、および血液状態)と関連付けられている。遺伝子疾患登録簿に保有される場合、このデータは代表的に、問題の遺伝形質に罹患していない動物のみ、または問題の遺伝形質を保有している動物のみを列挙する。これらの遺伝子登録簿は通常、飼育者および/または所有者の機密的知見の対象であり、一般的にアクセス可能なデータベースの対象ではない。これらは、資金的理由、損害的理由、法的責任的理由または個人的理由のいずれかのために、所有者により機密として保有される。
【0010】
従って、遺伝子型情報は、CDPRにおける表現型データの様式で臨床的目的のためにユーザーに容易にアクセス可能な状態にあるわけではなく、特定の障害のために維持されそして疾患および障害の研究を促進するために設計された、個人または地方および国の遺伝子型データベースに、そしてそれらのデータベースから、手動で伝送されている。
【0011】
(3.既存のシステムの欠点)
データベース管理の累積的、包括的かつ動的なシステムにおいてこれらのデータを発展させることにより、動物の健康の予測可能性および長寿性を高める必要性が存在する。個々の動物または動物群に関するこの型の包括的かつ累積的なデータベースは、局所的に、地方的に、国家的に、そして地球的規模で、保存されそして共有されることが必要である。これを成し遂げるための機構は、この2つの型のデータベースの各々を取り囲む種々の制約に起因して、現在知られていない。表現型データベースの保存、使用およびアクセスは、臨床的研究室および獣医による使用のために築かれ、形成され、そして構築されている。遺伝子型情報は一般に、臨床医学的用途とは対照的に、臨床的研究および飼育者/所有者の使用ために、築かれそして構築されている。
【0012】
また、包括的かつ累積的な動物の健康評価データならびに遺伝的識別子、ゲノムマッピング、および遺伝的評価データを管理、分析および/または統合するコンピューター化されたネットワークとともに、新たなデータベース管理のバイオインフォマティクススキームおよび関連のデータベースについて必要性が存在する。現在の研究室および研究システムならびにコンピューター化は、これを達成しておらず、そしてまた、この技術分野において、このような関係またはこの包括的かつ累積的な情報の管理および普及のための関連のバイオインフォマティクスデータベースシステムを促進するために、通信プロトコールが効率的に使用されてもいない。
【0013】
より詳細には、動物の健康の診断および管理において、罹患率および死亡率を減少させ、そして生活の質および寿命を改善するために、動物の疾患および障害についての適切な予測試験が達成されることが必要である。現在、利用可能な試験は、動物の疾患および障害の正確な判断材料である能力と相関して、不必要に複雑かつ高価である。
【0014】
本発明は、許可を与えられたリモートユーザーにコンピューターネットワークを通して利用可能なコンピューター化様式で、個々の動物被験体、被験体の家族、被験体の品種、または動物種の包括的かつ累積的評価として、表現型情報および遺伝子型情報を保存および/または提示する最初のものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の簡単な要旨)
本発明の1つの実施形態は、非家畜動物被験体の健康管理および健康を管理する、動的な方法およびシステムである。このような動物は、好ましくは、イヌ被験体またはネコ被験体である。この方法は、少なくとも1つの種類の動物または選択された種類の群に関連するデータベースを得る工程を包含する。次に、この方法は、その動物に関連するデータ(例えば、その動物に関連する実験室試験データ)を得る工程を包含する。次の工程は、コンピューターを使用して、そのデータとデータベースとを関連付ける工程;およびその動物の管理のためのレジメンを決定する工程を包含する。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、非家畜動物の栄養摂取を管理する方法である。この方法は、少なくとも1つの種類の動物または選択された種類の群に関連するデータベースを得る工程を包含する。次に、この方法は、その動物に関連するデータ(例えば、その動物に関連する実験室試験データ)を得る工程を包含する。次の工程は、コンピューターを使用して、そのデータとデータベースとを関連付ける工程;およびその動物の管理のための栄養摂取レジメンを決定する工程を包含する。栄養摂取レジメンは、少なくとも、栄養素もしくはカロリーの組成、または食物アレルギーおよび食物不耐性に関連する。治療的な介入または維持は、薬物、栄養補助食品、ビタミン、抗酸化剤、全体的な処置、運動または液体の摂取を含み得る。
【0017】
本発明の別の実施形態は、非家畜動物の健康を管理する方法である。この方法は、少なくとも1つの種類の動物または選択された種類の群に関連するデータベースを得る工程を包含する。次に、この方法は、その動物に関連するデータ(例えば、その被験体に関連する実験室試験データ)を得る工程を包含する。次の工程は、コンピューターを使用して、そのデータとデータベースとを関連付ける工程;およびその動物の管理のための治療的な介入または維持を決定する工程を包含する。
【0018】
少なくとも1つの種類または群のデータベースは定期的に更新され、それにより、その種類または群の累積的なデータを得る。好ましくは、これらのデータベースの両方が使用され、そして好ましくは、両方とも更新されて、累積的なデータを得る。その動物のデータは定期的に更新され、それにより、累積的なデータを得る。好ましくは、両方のデータベースが定期的に更新される。更新されている収集データは、動物の異なる集団、群および種類において経時的に変動し、それにより、実質的または本質的に最新であるようにデータベースを調節することが可能である。
【0019】
本発明はまた、通信ネットワーク(インターネットを含む)において、健康管理、健康、栄養摂取または他の治療的な要求および示唆または健康の決定を報告する工程を包含する。好ましくは、インターネットを介して達成される報告には、支払い手順が存在する。この通信ネットワークおよび通信構造は、本明細書中にさらに詳細に記載される。
【0020】
なおさらに、本発明の別の実施形態は、非家畜動物の疾患を調節する方法である。この方法は、少なくとも1つの種類の動物または選択された種類の群に関連するデータベースを得る工程を包含する。次に、この方法は、その動物に関連する遺伝子型データ(例えば、その動物に関連する遺伝子型データ)を得る工程を包含する。次の工程は、コンピューターを使用して、そのデータとデータベースとを関連付ける工程;およびその疾患を調節するための栄養摂取レジメンを決定する工程を包含する。
【0021】
本発明の別の実施形態は、非家畜動物において疾患を調節する方法であり、この方法は、疾患に関連付けられる既知のDNAマーカーを決定するためにDNA試験を実施する工程、およびそのDNA試験から得られたデータに基づいて、その疾患を調節するための栄養摂取レジメンを決定する工程、を包含する。
【0022】
前述は、以下の本発明の詳細な説明がより良好に理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点をやや広範に概説した。本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本明細書の以降において記載される。開示される概念および特定の実施形態が、本発明の同じ目的を実行するために他の構造を改変または設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者に理解されるべきである。このような等価な構成物が、添付の特許請求の範囲に示される本発明の意図および範囲から逸脱しないこともまた、当業者に理解されるべきである。その構成および操作方法の両方に関して、本発明に特徴的と考えられる新規な特徴は、さらなる目的および利点と共に、添付の図面と関連付けて考慮される場合に、以下の説明からより良好に理解される。しかし、各図面は、例示および記載の目的のためのみに提供され、そして本発明の制限の定義としては意図されないことが、明確に理解されるべきである。
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明をここに、添付の図面に例示されるような、そのいくつかの好ましい実施形態を参照して、詳細に記載する。以下の説明において、多数の特定的な詳細が、本発明の全体的な理解を提供するために示される。しかし、本発明がこれらの特定的な詳細のいくつかまたはすべてを伴わなくても実施され得ることが当業者に明らかである。他の場合において、周知のプロセス工程は、本発明を不必要に不明瞭にしないために、詳細には記載されていない。
【0024】
本明細書中で使用される場合、文章および/または明細書中で用語「含む」と関連付けられて使用される場合の語句「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、「1つ」を意味し得るが、これはまた、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つまたは1つより多く」の意味とも一致する。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「コンパニオン動物」としては、イヌ、ネコ、ウマ、家畜動物(farm animal)、食物動物(food animal)、家畜動物(live−stock animal)、動物園の動物、または野生動物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、コンパニオン動物の特定の科としては、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、鳥類、ヤギおよびヒツジが挙げられるが、これらに限定されない。より好ましくは、コンパニオン動物としては、イヌ種、ネコ種、鳥類種、およびウマ種が挙げられる。
【0026】
用語「疾患」は、本明細書中で使用される場合、身体の機能、システムまたは器官を乱す障害または状態として規定される。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子型情報」は、動物の遺伝子構成に関連した情報をいう。この情報としては、特定の動物、動物の家族、系統、または動物群の家系、家族の経歴、遺伝性の身体的特徴、遺伝子スクリーニング試験、DNA試験、ゲノムマッピング、ならびに既知または予期される先天的形質および遺伝形質の遺伝子産物に関する関連の研究室評価から得られるデータが挙げられ得る。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子産物」は、遺伝子型の発現から生じる特定の表現型的特徴をいい、そして特定の特異的な研究室試験データを含み得る。
【0029】
本明細書中で使用される場合、用語「群」は、多くの異なる特徴を有する。これは、例えば、動物の特定の品種、これらの動物を使用する特定の目的、例えば、家庭状況下において純粋なコンパニオンペットである動物、ショー形態のためのパフォーマンス動物、従順性について、作業試用、狩猟試用、ならびにヒツジの牧畜および他の牧畜目的のため、が挙げられ得る。これはまた、どこにそれらが生存するか−温帯気候において、温暖または熱帯の気候において、乾燥砂漠気候において、または北部の寒冷気候において−に依存した動物の群を含み得る。これは、当然ながら、都市および農村地域において生存する動物、水の付近で生存する動物、種々の年齢の動物、インタクトな動物または去勢された動物、および生殖について、を含み得る。換言すると、用語「群」は、非常に広範な意味で使用され、そしてユーザーがデータベースに問い合わせることを望む任意の群に対して適用し得る。従って、群という用語は、データベース全体の中にある健康な動物または疾患もしくは障害を受けた動物の任意の選択されたサブセットである。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語「動物の健康評価プロフィール」は代表的に、全体としての動物の群とは対照的に、群の中の特定の対象に関連する。
【0031】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ接合体」は、相同染色体上の1つ以上の対形成した遺伝子座において異なる対立遺伝子を有することをいう。当業者は、ヘテロ接合体動物が、特定の疾患についての1つの対立遺伝子を含むかまたは特定の疾患を生じさせる1つの対立遺伝子を欠損している動物であるということを理解する。従って、ヘテロ接合体動物は、代表的に、疾患についてのキャリアといわれる。
【0032】
本明細書中で使用される場合、用語「栄養補助食品」組成物は、良好な健康を促進するための、好ましくは相乗作用的な天然産物および補助剤から構成される多成分系の天然材料の調製物である。栄養補助食品組成物は、薬用植物に由来し得る。
【0033】
本明細書中で使用される場合、用語「栄養補助剤」は、栄養補助食品、抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、または栄養補助食品をいう。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「栄養摂取レジメン」は、予め選択され、予め調製された、食物、食料品(foodstuff)、処置、飲料、栄養補助剤、全体的な処置または運動を含み得るが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「表現型情報」は、身体的特性、品種、ならびに他の記述的情報および健康評価情報をいう。従って、当業者は、表現型が、臨床的に観察可能な1つ以上の特徴に基づいて、または遺伝的多様性もしくは遺伝子−環境相互作用を反映する研究室手段によって割り当てられることを理解する。
【0036】
用語「予防剤」は、本明細書中で使用される場合、疾患または状態を防止するように作用する薬物または薬剤として規定される。
【0037】
用語「処置」は、本明細書中で使用される場合、治療的処置または予防的処置としての薬物の使用として規定される。当業者は、「処置」が、疾患、障害または状態と闘う目的のための動物の管理および看護をいうことを認識する。従って、処置という用語は、本明細書中で使用される場合、疾患を治療する行為、疾患を予防する行為、または単に疾患を管理する行為のすべてを含む。
【0038】
用語「治療剤」は、本明細書中で使用される場合、疾患または状態を処置するように作用する薬物または薬剤として規定される。
【0039】
(A.純血動物の遺伝子スクリーニングおよびカウンセリング)
系統繁殖動物および同系交配純血動物への通常の実施は、先天的欠損および遺伝性欠損の伝達および認識を助長する。遺伝的に影響を受けた動物およびキャリア動物の同定のための大規模スクリーニングプログラムは、大規模で集団内におけるこれらの欠損の頻度を発見し、そして最終的には制御するために有効な方法である。この型のスクリーニングプログラムは、長年にわたりヒトにおいて首尾良く使用されており(すなわち、テイ−サックス病、フェニルケトン尿症)、そしてより近年では、動物に適用されている(すなわち、ウシにおけるマンノシドーシス;イヌにおける股関節異形成、眼疾患、血液疾患および心臓疾患)。遺伝子スクリーニングは、軽い欠損または中程度に重篤な欠損が多世代にわたり無意識のうちに繁殖された品種の生存に必須であり得る。
【0040】
今日生じている大半の純血動物は、長年にわたり、比較的少数の遺伝子プールから進化した。特定の遺伝子障害が、最初は、品種内の特定の系統または家族において認識され得るとしても、その品種の重要な種畜はすべてスクリーニングされる必要がある。なぜなら、それらの遺伝子型は、最初の制限された遺伝子プールから進化したものであるからである。このアプローチが採択されない場合、その品種内の遺伝子欠損の頻度は必然的に増加し、そして全体的な健康および長寿性に対して負の影響を有する。
【0041】
遺伝の様式に依存して、異なるアプローチが、遺伝的障害の検出および制御のために適用される必要があり得る。一旦条件が明らかになると、育種プログラムから罹患した個体を排除する必要があるのではなく、ヘテロ接合体(キャリア)に対して選択できることが有利である。試験による疾患の制御および排除は、無症候状態またはキャリア状態が発現された表現型および/または生化学的マーカーを有する場合(すなわち、血液、尿または唾液の試験、心電図、皮膚生検、眼検査または毛髪分析において測定された場合)、実行可能かつ確実である。いくつかの現在の例としては、出血障害(例えば、ヴォン・ヴィレブランド病および血友病);甲状腺機能低下不全症に至る自己免疫甲状腺疾患;種々の眼障害、心臓障害、代謝酵素障害および蓄積障害;ならびに骨疾患および神経筋障害についての試験が挙げられる。
【0042】
(B.動物に関する遺伝データおよび他のデータに関する特徴)
(1.疾患の物理的特徴)
初期には、動物ブリーダーが疾患状態または物理的特徴の繰り返して生じる症状を認識し始めた場合、これらの特性の所望しない特徴により、ブリーダーは、罹患した動物を試験交尾させ、そしてこの動物を飼育場から除くことによって、これらの問題を避けて選択することができた。遺伝疾患および先天性疾患に対して選択する一方法が残るが、生化学的マーカーについてスクリーニングすることにより、そしてより最近では、分子遺伝技術を使用することにより、より正確なアプローチが実現されている。
【0043】
包括的な世界的なデータベースは、個々の純血動物に関する以下の情報を含む。
【0044】
宿主の特徴:年齢、性別、去勢状態、家系図、高さ、体重、肥満度指数、色およびマーキング、眼の色など。
【0045】
食餌:消費されるイヌおよびヒトの食品のタイプおよび量、ビタミンおよびミネラルサプリメント、食事の頻度。これは、脂肪、炭水化物およびタンパク質から誘導されるカロリーの割合を導くために使用される。
【0046】
病歴:疾患、感染などの発症(発症の日付、処置、期間および結果、死亡原因ならびに診断方法を含む);疾患の処置または予防のために使用した医薬のタイプおよび量;ワクチン接種のタイプおよび頻度。
【0047】
性格および気質:以前に使用した人格測定尺度に基づく。
【0048】
研究データ:慣用的に収集された血液、血清化学試験、尿検査など、ならびに特定の状態(例えば、免疫媒介性甲状腺炎、甲状腺機能低下症、癌など)についてスクリーニングするかまたはこのような状態を診断するために実施される研究試験からなる。
【0049】
特定の診断試験の結果:試験が利用可能になった場合、股関節異形成、先天性眼疾患、先天性心臓疾患、血液障害、および他の疑わしい遺伝障害についての試験が含まれる。
【0050】
遺伝情報:イヌゲノムプロジェクト、ならびに特定の遺伝状態(例えば、進行性網膜萎縮、血友病およびヴォン・ヴィレブランド病についての試験から導かれる。
【0051】
この包括的な世界的なデータベースは、個々の純血動物に利用可能であるが、非純血動物についてのデータベースを開発する必要性がなお存在する。従って、本発明は、純血動物および非純血動物に関する表現型および遺伝情報を含むこのようなデータベースの開発を企図する。このデータベースを使用して、所有者および/またはブリーダーの動物における疾患を予測および/または診断し得ることが想定される。なおさらに、本発明のデータベースは、疾患を予測し、動物における疾患の管理および/または予防のための栄養的レジメンを決定することによって、疾患を管理しそして/または疾患を予防するために使用され得る。
【0052】
(2.疾患の表現型マーカー)
約30年間、獣医学および比較遺伝学が発展し、そしてキャリア(ヘテロ接合体)および罹患した動物を同定するための特定の遺伝特徴の物理的マーカーおよび生化学的マーカーに頼ってきた。これらの方法は、遺伝子産物、従って、特定の遺伝障害の遺伝子型を予測し得る正確で実用的で入手可能な試験を作成することを目標とする。正確性かつ予測性であるために、これらの試験プログラムから生じたデータの遡及的分析は、試験を確証する手段としてスクリーニングされている動物の家系図と比較された。このような遺伝子スクリーニング試験は、この試験が、動物を正常な遺伝子型および異常な遺伝子型を有すると、少なくとも80%の時間で正確に同定する場合に、正確であるとみなされ得る。
【0053】
個々の動物または種の全体的な健康の重要な指標は、寿命である。特定の健康関連状態と動物の遺伝的影響、環境的影響および寿命との間の関係は、一部、イヌのいくつかの重要な疾患(骨癌(骨肉腫)および胃拡張軸捻(GDV)を含む)について特徴付けられている。例えば、骨肉腫の危険性は、年齢の増加、体重の増加および身長の増加と共に、増加する。ジャーマンシェパード種と比較した場合、骨肉腫の最高の危険性が、大型種およびかつ超大型種の中で生じるが、小型種は、小さい危険性を有する。さらに、骨肉腫の危険性は、去勢したイヌにおいて2倍に増加する。なおさらに、純血種のイヌにおけるGDVの危険性を増大する因子は、雄性、体重不足、一日1回の食餌しかとらないこと、早食い、および激しい気質である。GDVの危険性を下げる因子としては、明るい気質、および食餌に一般食品(table food)を含めることが挙げられる。大型種および超大型種におけるGDVを発症する生涯の危険性は、それぞれ、20%および23%であり、一方、これらの種についてのGDVで死亡する生涯の危険性は、6%である。
【0054】
同様に、異なる犬種の比較寿命は、大きな獣医学データベースに含まれる38,000匹を越えるイヌの死亡年齢および他の記述的特性を使用して記載されている。予測可能な関係は、イヌの種および大きさと平均死亡年齢との間に見出された。イヌは、成体の身体の大きさにおける50倍より大きな差、および最小の犬種と最大の犬種との間の寿命における対応する大きな差を有するという点で、動物種の中で珍しいことが特筆された。これらの犬種は、そのゲノムの99%より多くが共通しているので、大きさおよび寿命の両方についての遺伝子コードがイヌのゲノムの非常に小さい部分に含まれることが示唆される。イヌゲノムのマッピングが進むにつれて、特定の疾患(例えば、癌およびGDV)をコードする遺伝子だけでなく、身体の大きさおよび寿命を決定する遺伝子を同定することが可能となる。
【0055】
(3.疾患の遺伝子型マーカー)
分子遺伝学における最近の進歩は、ヒトゲノムのマッピングに集中しており、これは、動物の並行遺伝マップを開発することへの関心を刺激した。例えば、最低10年および数百万ドルが、イヌゲノムをマッピングするために必要であると見積もられる。一旦開発されると、遺伝マップは、相対オーダーおよび遺伝子または特定の染色体上の特定のDNAマーカーの配置についての情報を提供する。これにより、目的の遺伝子が見出される可能性のある染色体状の特定の領域を位置決めすることが可能になる。一旦、目的の特定の遺伝子に近い分子マーカーが同定されると、この特定のマーカーについてのスクリーニング試験を使用して、この特性を有するかまたは発現する個体を同定し得る。
【0056】
従って、本発明は、動物の遺伝プロフィールを決定するために、単一の試験(例えば、DNA試験)を使用することを企図する。一旦、特定の疾患および/または障害のDNAマーカーが決定されると、当業者に周知でありかつ当業者により使用される標準的なDNA試験が、このDNAマーカーの存在および/または非存在を決定するために実施され得る。このような試験としては、PCRベースの方法、サザンブロット、オリゴヌクレオチドアレイなどが挙げられ得る。
【0057】
本発明が注目する動物の特徴のいくつかは、以下のとおりである:
【0058】
【表1】
Figure 2005503832
【0059】
【表2】
Figure 2005503832
遺伝子型およびいくつかの表現型の分類において、表現型成分(測定可能な遺伝子産物)は、代表的に、20%未満である。
【0060】
(C.診断試験)
本発明の試験プロトコルを実施するための1つ以上のアッセイおよび技術、本発明の標準および手順の開発は、簡単であり、そして当業者の知識の範囲内である。米国特許第5,830,7009(Benson)(表題「Detection Method for Homologous Portions of a Class of Substances」)は、可能な試験および様式のいくつかを示す。この特許の内容は、本明細書中で参考として援用される。
【0061】
一連の試験の1つ以上は、内分泌機能、免疫学的機能、胃腸機能および栄養分析、先天性代謝異常、父系、DNAフィンガープリント法、止血および凝固機能、ワクチン抗体状態、有害および潜在的に有害なワクチン反応、感染性疾患、病理学、血液型および骨髄分析、細胞傷害性、サイトカインおよびアレルギー試験、ならびに腫瘍性または腫瘍随伴性の変化のマーカーの少なくとも1つに関する。これらのデータは、可能性のある罹患率、可能性のある寿命、および/または動物の疾患または障害に対する潜在的な危険性に関する。当業者は、本明細書中で使用される場合、用語「DNAフィンガープリント法」とは、遺伝子プロファイリング(例えば、疾患感受性についてのプロファイリングがあるが、これに限定されない)をいうことを、理解している。
【0062】
以下は、いくつかの特定の診断試験パネル、ならびに動物および動物ファミリーの健康状態、罹患率、死亡率および寿命をモニタリングするため、ならびに疾患または障害の潜在的な危険性を予測するために使用された特的の診断試験ならびに試験群である。
【0063】
(1.試験1:包括診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型の記述子/バックグランド;全血球算定(CBC)および血小板数、血小板サイズ、血小板形態;血清化学プロフィール[すなわち、AST(SGOT)、ALT(SGOT)、ビリルビン(合計、直接および間接)、アルカリホスファターゼ、GGT(GGTP)、総タンパク質、アルブミン、グロブリン、A/G比、コレステロール、BUN、クレアチニン、BUN/クレアチニン比、リン、カルシウム、修正カルシウム、カルシウム/リン比、グルコース、アミラーゼ、リパーゼ、ナトリウム、カリウム、Na/K比、塩素、CPK、トリグリセリド、浸透圧重量モル濃度];完全甲状腺プロフィール(全T4、全T3、遊離T4(EDまたはその他)、遊離T3、T3自己抗体、T4自己抗体、TSH、サイログロブリン自己抗体);ならびに尿検査、尿培養物および感受性(示される場合)。
【0064】
(2.試験2:内分泌機能についての診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
1)甲状腺機能:全T4、全T3、遊離T4(EDまたはその他)、遊離T3、T3自己抗体、T4自己抗体。自己免疫甲状腺炎(B細胞、T細胞レセプター、ならびに主要組織適合遺伝子複合体(MHC)遺伝子クラスIおよびII対立遺伝子HLA、DLAに対する免疫グロブリンレセプターを含む)についての分子スクリーニング、または等価な動物抗原特異性(RFLP、PCR/SSO、PCR/SSP)。
2)副腎機能:コルチソル(基本のおよびACTHで刺激された後、または高容量もしくは低容量のデキサメタゾンで抑制された後で連続的に);内在性コルチソル;および内在性ACTH。
3)生殖機能:テストステロン;エストラジオール−17β;レラキシン(妊娠診断);プロゲステロン;黄体化ホルモン;硫酸エストロン;卵胞刺激ホルモン;膣細胞診断および/または培養;精巣細胞診断および/または生検;前立腺細胞診断、生検または洗浄;卵巣または精巣のレムナントについてのスクリーン。
4)膵臓機能:アミラーゼ;リパーゼ;グルコース;グルカゴン、トリプシン様免疫反応性(TLI);インシュリン、フルクトサミン;グリコシル化ヘモグロビン。
5)副甲状腺ホルモン機能;パラトルモン;イオン化カルシウム。
6)他の内分泌機能:アルドステロン;21副腎ヒドロキシラーゼ;バニリルマンデル酸(VMA、エピネフリンおよびノルエピネフリンの代謝産物について)。
【0065】
(3.試験3:免疫学的機能についての診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグランド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
抗核抗体(ANA):陽性の場合、二本鎖、一本鎖、斑付きの、抗RNAレベル;Coomb試験(直接および間接;溶出またはマイクロビーズゲル試験);リウマチ因子;血清電気泳動を実施。異常な場合、以下を実施する:免疫電気泳動、等電集束法、免役ブロッティング(ウエスタンブロット、ノーザンブロット、サザンブロット);免疫グロブリンレベル(IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgE);補体レベル(C1、C1a、C1エステラーゼインヒビター、C3、C4、C5〜C9);LE調製試験;ループス性抗凝固因子(希釈ラッセルクサリヘビ蛇毒試験または希釈インヒビター試験);尿タンパク質SDS−ゲル電気泳動;フィブロネクチンおよび抗フィブロネクチン抗体;蛍光標示式細胞分取器(FACS、白血球サブセットおよびマーカー(例えば、CD4+およびCD8+)について)を用いるフローサイトメトリー;白血球走化性(白血球移動阻害試験、ロイコトリエン);サイトカイン(リンホカインおよびモノカイン(マクロファージ由来)を含む)(例えば、インターロイキン(IL)[すなわち、エストラジオール−1β,IL−8により調節されたIL−6は、好中球走化性因子として働く]、インターフェロン、腫瘍壊死因子、ロイコトリエン、コロニー刺激因子、形質転換増殖因子βおよびケモカイン(炎症性サイトカイン));抗血小板抗体試験(血清、骨髄);抗骨髄巨核球抗体試験(IFA、溶出);ならびに抗白血球抗体試験(直接的および間接的な抗好中球細胞質抗体、抗リンパ球抗体など)。
【0066】
(4.試験4:胃腸機能についての診断試験パネルおよび栄養分析)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+栄養補助剤および食物補助剤の過去および現在の使用+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
血清栄養素分析および血清ビタミン分析;試験1におけるようなCBC;試験1におけるような血清化学+マグネシウムおよび鉄;尿検査、尿培養および感受性(示される場合);尿の分割排泄;血清および尿のアミノ酸分析;血清コバラミン(ビタミンB12)および葉酸分析;TLI(試験2、4と同じ);便浮上法;Giardianスクリーン、Clostridium perfringenesエンテロキシン試験;クリプトスポリジウム症試験(FA);トキソプラスマ症試験;胆汁酸試験(安静時および食事後);便α−1プロテアーゼインヒビター活性。任意の異常が存在する場合、さらなる研究は、鉱物分析のためのイオン結合プラズマ発光分光法(ICP)および電気泳動を含む。
【0067】
(5.試験5:先天性代謝異常についての診断試験パネル)
動物の乳癌の存在または乳癌に対する感受性に関する特徴を決定する。動物の体液または組織からの生物学研究試験データを分析する。これらの試験データは、エストロゲン(エストラジオール−17β)、エストロゲンレセプター、インターロイキン(IL)6、プロゲステロンおよびプロゲステロンレセプターに関する。この値は、乳癌の存在または乳癌に対する感受性の決定因子としての予め決定されたレベル内になければならない。
【0068】
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
遺伝子スクリーニング試験(ムコ多糖類、セレブドシド、グリコーゲン貯蔵疾患、フェニルケトン、ホスホフルクトキナーゼ、マンノシダーゼ、複合型および特異的な免疫グロブリン欠損/不全に付いての血液分析および尿分析を含む);皮膚および組織の生検;遺伝子型決定のための核型決定;ならびにDNAマーカー分析。
【0069】
(6.試験6:父系試験およびDNAフィンガープリント法についての診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIおよびII対立遺伝子[HLA、DLAまたは等価な動物抗原特異性の分析];遺伝子型決定;遺伝子マッピング;およびフィンガープリント法。
【0070】
(7.試験7:止血機能および凝固機能についての診断試験パネル)
患者の記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
血小板数、血小板のサイズ(血液スライド、平均血小板容量)、血小板形態学(光走査電子顕微鏡);プロトロンビン時間;部分トロンボプラスチン時間;フィブリノーゲン;フィブリン−フィブリノーゲン分解産物(D二量体試験);血小板機能試験(凝固、放出、血餅退縮、全血凝集、リストセチン補因子);フォン・ビルブラント因子抗原および多量体分析;特異的凝固因子分析(第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII:C因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子);フィブリン溶解試験(プラスミノゲン、プラスミン、抗プラスミン、組織プラスミノゲン活性化因子、希釈全血溶解試験、オイグロブリン溶解時間);抗トロンビンIII試験;循環抗凝固試験;血小板因子3および4(ヘパリン補因子);プロテインC;プロテインS;キニン−キノゲン(kinin−kinogen)試験;プレカリクレン試験;α1抗トリプシンアッセイ;α2マクログロブリンアッセイ;C1エステラーゼ不活性化因子アッセイ;抗血小板抗体;ならびに抗骨髄巨核球抗体試験(試験3を参照のこと)。
【0071】
(8.試験8:ワクチン抗体状態および逆ワクチンまたは潜在的逆ワクチンの反応についての診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
1)ワクチン抗体についての血清学:イヌジステンパー、イヌパルボウイルス、イヌコロナウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、感染性イヌ肝炎ウイルス、イヌボルデテラ、イヌライム(ボレリア)、イヌレプトスピラ症、狂犬病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコの伝染性腹膜炎ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコカリチウイルス、ネコヘルペスウイルス、およびウマヘルペスウイルス(I−IV)など。
2)逆ワクチン反応:特に、CBC以外は試験3と同じ;ANA;Coomb試験;血小板の数、サイズおよび形態学;抗好中球細胞質抗体、脈管炎に対するマーカー;補体試験;白血球走化性試験;尿タンパク/クレアチニン比;抗血小板抗体、免疫グロブリンレベル、特に、IgG、IgA、IgM;フローサイトメトリー(FACS)白血球サブセット;細胞傷害性分析;サイトカイン、特に、ケモカイン;ならびに完全甲状腺自己抗体パネル。
3)潜在的な(可能性の高い)ワクチン反応:特に、以下のような交配について:秋田(Akita)、ウェイマラナー(Weimaraner)、スタンダードプードル(Standard poodle)、エスキモー犬(Eskimo Dog)、ハーレクィングレートダン(harlequin Great Dane);CBC;ANA;血小板の数、サイズおよび形態学;完全甲状腺自己抗体パネル;細胞傷害性分析;サイトカイン;および免疫グロブリンレベル、特に、IgG、IgA、IgM。
【0072】
(9.試験9:感染性疾患についての診断試験パネル)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
1)北アメリカ:Ehrlichia種(E.canis、E.risticii、E.equi、E.platysなど);Rickettsia rickettsei(RMSF);Borrelia種(ライム病);Bartonella種(B.henselae、B.vinsonii、B.clarridgeiae、B.kochlerae);全身性真菌疾患(Coccidioides spp、Cryptococcus spp、Histoplasma spp、Blastomyces spp、Aspergillus spp、白癬);ダニ疥癬(Demodex、Sarcoptes、Chyletiellaなど);腸疾患(Clostrindium perfringensエンテロトキシン);原生動物疾患(Toxoplasma spp.;Coccidia spp;Giardia spp);レトロウイルス(ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ヤギの関節炎ウイルス;コロナウイルス(イヌコロナウイルス、ネコ腸コロナウイルス、ネコの伝染性腹膜炎ウイルス);Babesia spp(B.Canis、B.gibsoni);Dirofilaria spp(イヌ糸状虫);他の寄生生物疾患(ノミ、マダニ、回虫、サナダムシ、鉤虫、円虫および他の腸寄生生物);ならびにクラミジア抗原(PCR試験)。
2)世界的:上記と同一+Leishmania spp;Trypanosoma spp.;Anaplasma spp;Yersinaペスト。
【0073】
(10.試験10:他の診断試験)
患者の表現型記述子および遺伝子型記述子/バックグラウンド+以下のリストから選択される試験のいずれかまたは全て:
病理学(解剖学的、組織学的、細胞学的、免疫組織化学的、電子顕微鏡、FACS);血液型決定;骨髄分析および特定の免疫組織化学染色;RFLPおよびPCR試験(上記の分類の多くに適用可能);IFAおよびFA試験;ELISA試験、細胞傷害性試験、サイトカイン試験(表3、他の細胞傷害性細胞試験およびミトコンドリア試験を参照のこと);好中球変化および腫瘍随伴性変化(癌)のマーカー;神経伝達物質(セロトニン、γ−アミノ酪酸(GABA)、グルタミン酸、ドーパミン、グリシン、アスパラギン酸、アセチルコリン、ノルエピネフリン、ヒスタミン、サブスタンスP、バソプレシン、血管作用性腸ペプチド、ニューロテンシン、または他の神経ペプチドを含む);およびアミノ酸プロファイリング。
【0074】
(D.動物の健康状態の包括累積データベース)
包括累積データプロファイリングを、非常に早期の段階の特定の異常の管理(careおよびmanagement)に役立ち得る特定の栄養管理介入、または動物の健康プロフィールにおいて同定された傾向を予測することを可能にするために、長期にわたり使用し、それにより、その健康状態および寿命を延長および改善する。これは、個々の動物および特定の規定される群内の動物の包括累積研究および/または遺伝子プロファイリングによって、科学的かつ医学的に決定するための特有のアプローチであり、一般的および獣医学的な医療的健康管理の予防、管理および処置における介入を可能にする。
【0075】
特に、本発明は、長期にわたる特定の規定される異常および傾向の栄養的管理および栄養補助的管理に対する研究および/または遺伝子プロファイリングの結果に関する。これは、重要なだけでなく、実際的である。なぜなら、栄養的介入および管理は、比較的安価であり、非侵襲性であり、かつペットの飼い主およびこれらを推奨する獣医により容易に受け入れられるからである。従って、本発明は、コンパニオン動物の健康管理、福祉および栄養要件を管理する動的な方法およびシステムを包含する。
【0076】
栄養摂取レジメンは、少なくとも被験体に必要とされる栄養組成またはカロリー組成、または被験体の食物アレルギーおよび食物不耐性に少なくとも関連する。栄養摂取レジメンはまた、疾患および/または障害の、治療的介入および/または予防的介入でもあり得る。栄養摂取レジメンは、予め選択され、予め調製された、食物、処置物(treat)、飲料、および/または栄養素補充物(すなわち、栄養補給食品、酸化防止剤、ビタミンまたはミネラル)が挙げられ得る。なおさらには、栄養摂取レジメンはまた、全身性処置または全身性運動を含み得る。
【0077】
しかし、単純化のために、イヌについての1例を記載するが、本発明は、ネコまたは任意の他のコンパニオン動物に、等しく適用可能であり得る。最初に、イヌ種に関連するデータベースを全体的に使用し、そしてイヌの選択された群(例えば、品種)に関連するデータベースを使用する。特定のイヌ被験体に関するデータを得、そしてこのデータは、診断的な研究室試験データー、および理論上包括的でありかつ選択された、そのイヌに関する診断的な研究室試験データーを含む。選択されたイヌの群および品種のデータベースは、例えば、コンピューターによって特定の被験体イヌのデータに関係付けられる。例えば、これらの種の選択された群のデータベースは、品種、年齢、性別、大きさ、体重、能力、または地理的位置のうちの少なくとも1つである。次いで、この関連に基づき、イヌ被験体の取扱いおよび保健医療についてのレジメンが決定される。
【0078】
診断的研究室試験データは、選択された被験体動物についての、包括的な全身健康プロフィール、および少なくとも1つの選択された診断的プロフィールである。被験体についての研究室データは、理論上、同じ研究室から時間を掛けて得られる。このことは、データの均一性を強め、そして健康、栄養素要求、温度および寿命の判定をより正確かつ予測的にさせる可能性がある。
【0079】
種または群のうちの少なくとも1つのデータベースは、定期的に更新されて、これによってイヌの種または群の累積的なデータを得る。これらのデータベースの両方を使用し、そして両方を更新して、累積的なデータを得る。いくつかの場合において、データベースのうちの1つのみを使用し、そして/またはこれらのうちの1つを定期的に更新する。
【0080】
イヌ被験体のデータもまた、定期的に更新する。総じて、イヌ被験体、種または群の累積的なデータが得られる。この更新は、特定のイヌ被験体、群(例えば、品種)および種(例えば、一般的に種としてのイヌ)の異なる集団内の、長時間にわたるデータの変遷(drift)または傾向を強める。このことは、実質的または本質的に最新であるように、データベースの再考または監視を可能とする。
【0081】
イヌ被験体のデータは、実質的または本質的に最新のデータと比較される。同様に、イヌ被験体のデータの歴史的記録を保管し、そして更新されたデータベースと関連付けることによって、健康管理および福利(well−being)の管理がこのデータベースを有する確実性、ならびに栄養素要求の開発および設計、または治療的介入および維持介入は、有意に増強される。この様式で、例えば食物、栄養補助剤、栄養補助食品(nutraceutical)などは、決定された関係に基づく成分の追加および/または差し引きによって改変され得る。なぜなら、これらの累積的かつ動的なデータベースおよびデータ分析物は、長時間にわたって変化し、これによって決定された関係は有意に増強するからである。これらの点の一つまたは全てにおけるイヌ被験体の管理は、高レベルの正確さおよび予測性で対処される。
【0082】
コンピューターは、少なくとも、データベースおよびデータ関係を決定するための専用システムまたは相互関連プログラムもしくは相互関連ネットワークのうちの少なくとも1つである。これは、ニューラルネットワーク、または他の統計的サンプリングシステムおよびサンプリングネットワークのようなシステムであり得、そして本出願の後の節により詳細に考察される。
【0083】
健康管理、福利、栄養摂取もしくは他の治療的要求、およびイヌの健康を強化および維持するための提案を決定することは、インターネットを含む通信ネットワーク上で報告されている。インターネットを通して達成される、レポートに対する支払い手順が存在する。
【0084】
このシステムはまた、パスワードまたはシステム(これによってデータへのアクセスが、料金を生じる)を介して遺伝子データおよび/または表現型データへのアクセスを許可する。このシステムはまた、健康査定プロフィール、および安全なゲノムマップ情報およびゲノムスクリーニング情報を実施するリクエストに対する支払いが、クレジットカードによってなされ得る状態を提供する。このようなバイオインフォマティクスシステムはまた、データベースまたは研究室の銀行業務システムに対する、このようなサービスおよび製品に対する自動支払いを許容し得る。このようにして、データベースは、例えば、サービスおよび製品の性能、ならびにこのようなデータの検索に対するリクエストと共にクレジットカード番号を供給することによって、支払いが保障されることを必要とし得る。
【0085】
ユーザーは多く方法でデータベースに対してリクエストを送信し得る。例えば、リクエストは、インターネットのようなすなわちコンピューターネットワークを通じて、オンラインの直接の接続を介して送信され得る。獣医師または所有者以外の科学者のような介在する研究者はまた、中央データベースシステムの電子メール可能出力を使用して、所有者の目的に対するリクエストを送信し得る。あるいは、ユーザーは、供給者のデータベースシステムに組み合わされた対話式の声応答ユニットを介してデータを送信し得る。いくつかの状況において、データベース供給者は、ユーザーまたはその中間代行者の判定基準に基づく、健康査定情報および/またはゲノムマップ情報および遺伝子スクリーニング情報を供給することの可否を、決定し得る。このようなユーザーまたは中間代行者は、対話式応答ユニットまたは本物のオペレーターを介する決定を通達され得る。
【0086】
ユーザーまたは代行者は、データベースシステムにログインし得、そして動物の身体的健康およびまたは遺伝的な祖先もしくは子孫に関する必要な記録を取得し得る。データベースシステムは、実時間で、または決定された定期的な基準上で通信され得、これによって、健康査定または遺伝的背景に関する情報を提供し、そしてこの情報をユーザーおよびまたは中間代行者に転送する。
【0087】
本発明のデータ保管デバイスは、特定の種の表現型に関するデータベース、特定の種における特定の動物の健康査定または他の表現型に関するデータベース、ならびに異なる種の遺伝的特徴および異なる種に関する異なる系統樹に関するデータベースを含む、種々のデータベースを含む。系統樹は、起源、ゲノムマップ、ならびに種の親系統および種の健康記録および種の性能を含む情報を含む。これらのデータベースは、分析様式で、そして組み合わせ(permutation)および確率の異なるアルゴリズムに従い、相互に関連付けられ、遺伝子型データベースおよび表現型データベース、ならびに選択されたデータベースにおける情報の併用に基づき、有用な出力情報を容易にする。
【0088】
更なる実施形態において、この方法は動的ではないことが想起される。例えば、この方法は、結果が時間および/または処置で変化しない、1回のDNA試験を包含する。このような1回試験の1つとしては、動物が疾患の遺伝的予測を有するかどうか(すなわち、疾患に関連する任意のDNAマーカーの存在または非存在)を示す、DNA試験が挙げられるが、これに限定されない。次いで、DNA試験からのデータは、栄養摂取レジメンを決定するためのデータベースを見込んで解析され得る。従って、本発明はまた、コンパニオン動物の健康管理、福利、および栄養摂取を取り扱う、連続的な方法およびシステムを包含し得る。
【0089】
この連続的な方法は、データの解析するような割り当て、および/または栄養摂取レジメンの決定するような割り当てを必要としなくてよいこともまた、企図される。1回の試験は、ポジティブまたはネガティブの結果を提供し、この結果は疾患および/または障害の存在および/または不在を示す。この1回の試験からのデータに基づき、データベースを用いずに栄養摂取レジメンが決定され得る。
【0090】
(E.全体的なシステム)
コンパニオン動物の健康管理、福利、および栄養摂取を管理するために、所望の方法で使用されるシステムの説明は、以下である。
【0091】
図1は、本発明のデータベース管理システムへのアクセスを提供する、ウェブベースのシステムの全体図である。このシステムを用いて、複数のユーザー、例えば遠隔ユーザー8は、インターネット6を使用してウェブサイト4にアクセスする。各ユーザー8は、インターネットにアクセスするための適切なソフトウェアを備えるコンピューター端末を有する。ユーザー8は、ウェブサーバー10および12に知られていなくてもよい。各ユーザー8は、ウェブサイトをブラウズすること、およびこのシステムが機能する方法を探索することが許可される。
【0092】
データベースサーバー22および銀行業務システム28において保存される情報の安全性を維持するためのいくつかの局面が存在する。ファイヤーウォール20は、任意のユーザー8がファイヤーウォール20の後ろの任意の構成要素にアクセスすることを妨げる。この方法では、これらユーザー8はウェブサーバーコンピューター10および12にアクセスするが、ファイヤーウォール20を介してのみデータベースサーバー22にアクセスする。データベースサーバー22は、とりわけ、被験体の健康プロフィールの各々、ならびに被験体およびグループの遺伝情報に関する種々のデータベースフィールドを維持する。データベース22は、どの健康査定データおよびどの遺伝子データがユーザー8によりブラウズされ得るかを決定することに関係した設計で、サービスを維持し得る。各ウェブサーバーコンピューター10および12は、ユーザー8が、データベースから利用可能な、被験体およびグループのカテゴリー、ならびに稼動中のサービスおよびデータ出力を閲覧することを許可する。
【0093】
ウェブサーバーコンピューター10および12は、同一であり得、そしてシステムに対するさらなる負荷および増大が生じるにつれて二重化され得る。ウェブサーバーコンピューター10および12は、そのサイトのユーザーにサービスする責任を分担する。この配置は、必要に従ってさらなるウェブサーバーを追加することのみによる、システムの拡大可能性を提供する。
【0094】
好ましくは、このシステムは、金融施設コンピューター28にシルアル接続26を介してオンライン接続される、独立した金融施設とインターフェース連結するための、適切なコンピューター端末24を備える。このことは、健康プロフィールならびに遺伝子データのサービスおよび製品へのアクセスの、自動的実時間確認を可能とする。一旦、ユーザーは製品またはサービスへのアクセスを必要とすると、ユーザーは、購入のクレジットカード支払いまたはデビットカード支払いを許可するために、認証プロセスまたは登録プロセス、および金融情報の交換を介して進む。このことは、適切な銀行業務システム施設28によって認証され、確実にされ、そして認可が与えられる。データの購入または寄託の確認、またはサービスは、ユーザー8にE−メールを送信して購入または寄託を確認する、メールサーバー34によってなされる。このメールサーバー34は、メールが受信または送信されることを可能とする。種々のデータベースのセキュリティが維持される。警告メッセージは、権限のないアクセスが目論まれた場合に発される。認証メッセージ、認可メッセージおよび確認メッセージは、適時発される。
【0095】
データベースサーバー22は、また、CDPRによって操作される入力コンピューター32と相互作用するよう設計される。ファイヤーウォール30は、データベースサーバー22または入力コンピューター32への非認証なアクセスを妨げるのに役立つ。入力コンピューター32は、適切なアクセスおよびまたはパスワードがシステムに入力された後に、健康プロフィールデータおよび遺伝子データをデータベースに入力し得る。同様に、自分のコンピューターを介するユーザー8は、データベースサーバー22にデータをアクセス入力するために、適切なアクセスコードおよびパスワードを使用し得る。このことは、セキュリティの理由のために、厳密に制御される。データは、データベースサーバー22の独立したサブデータベースにのみ加えられ得、そして入力コンピューター32を通じてデータベースのCDPRオペレーターによる検査の後にのみ、続いて、ユーザー8からのこのデータはメインデータベースサーバー22に追加される。
【0096】
図2は、インターネットおよび本発明のシステムのインターネット使用の図例である。インターネット6は、インターネットプロバイダー42およびAmelica Online(TM)のような情報システム44により所有されるシステムを含む数百万台の相互接続されたコンピューター40のネットワークである。個々のユーザーまたは企業ユーザーは、いくつかの方法でインターネットへの接続を構築し得る。家庭用PC46のユーザーは、インターネットプロバイダー42を通じてアカウントを購入し得る。モデム48を使用して、このPCユーザーは、インターネットプロバイダーに電話接続(dial up)してハイスピードモデム50に接続し得、次いで、このモデムはインターネットへの完全なサービスを提供する。ユーザー52はまた、顧客へのインターネットゲートウェイ接続54および56を提供するシステム20を通して、ある程度制限されたインターネット接続をなし得る。データベース22はまた、適切なモデムまたは高速インターフェースもしくは直接インターフェース58を通してインターネット6へと接続される。データベース22は、CDPRオペレーターのコンピューター60によって操作可能であり、そして維持される。本発明のデータベースのユーザーは、適切に選択された様式で、インターネットにアクセスし得る。
【0097】
図3は、本発明の種々の局面を実行するための、例示のコンピューターシステム100のブロックダイヤグラムである。このコンピューターシステム100は、ディスプレイ画面またはモニター104、プリンター106、ディスクドライブ108、ハードディスクドライブ110、ネットワークインターフェース112およびキーボード114を備える。このコンピューターシステム100は、マイクロプロセッサ116、メモリーバス118、ランダムアクセスメモリ(RAM)129、リードオンリーメモリ(ROM)122、周辺バス124、およびキーボードコントローラー126を備える。このコンピューターシステム100は、パーソナルコンピューター(例えば、Appleコンピューター(すなわち、Apple Macintosh(TM))、IBM(TM)パーソナルコンピューターもしくはその互換機)、ワークステーションコンピューター(例えば、Sun Micorsystems(TM)ワークステーションもしくはHewlett−Packard(TM)ワークステーション)、またはいくつかの型の他のコンピューターであり得る。
【0098】
マイクロプロセッサ116は、コンピューターシステム100の操作を制御する、一般的な目的のデジタルプロセッサである。マイクロプロセッサ116は、シングルチップのプロセッサであり得るか、または複数の構成要素で満たされ得る。メモリから引き出された命令を使用して、マイクロプロセッサ116は、入力データおよび出力データの受け取りおよび操作、ならびに出力デバイスへのデータの表示を制御する。
【0099】
メモリバス188は、RAM120およびROM122にアクセスするために、マクロプロセッサ116によって使用される。RAM129は、一般的な記憶領域およびスクラッチパッドメモリとして、マクロプロセッサ116により使用され、そしてまた、入力データおよび処理されたデータを保管するために使用される。ROM122は、マイクロプロセッサ116によって従われる命令コードまたはプログラムコード、ならびに他のデータを記憶するために使用され得る。
【0100】
ペリフェラルバス124は、コンピューターシステム10によって使用される、入力デバイス、出力デバイス、および記憶デバイスにアクセスするために使用される。これらのデバイスは、ディスプレイ画面104、プリンターデバイス106、ディスクドライブ108、ハードディスクドライブ110、およびネットワークインターフェース112を備える。キーボードコントローラー126は、キーボード114からの入力を受け取り、そして各々押されたキーに対するデコードされた記号を、バス128の越えてマイクロプロセッサ116に送信するために使用される。
【0101】
ディスプレイスクリーンまたはモニター104は、コンピューターシステム100において、ペリフェラルバス124を介してマイクロプロセッサ116によって提供されるか、または他のコンピューターシステムによって提供されたデータの画像を表示する出力デバイスである。プリンターデバイス106は、プリンターとして操作される場合に、1枚の紙または類似物の表面の上に画像を提供する。プロッター、タイプセッターなどのような他のデバイスは、プリンターデバイス106の代わりか、またはプリンターデバイス106に追加して使用され得る。
【0102】
ディスクドライブ108およびハードディスクドライブ110は、種々の型のデータを記憶させるために使用され得る。このディスクドライブ108は、このようなデータを他のコンピューターシステムに運ぶのを容易にし、そしてハードディスクドライブ110は、大量の記憶データへの高速なアクセスを可能にする。
【0103】
マイクロプロセッサ116はオペレーションシステムと一緒になって、コンピューターコードを実行すること、およびデータを作成しそして使用するように、作動する。コンピューターのコードおよびデータは、RAM120、ROM122またはハードディスクドライブ120に置かれ得る。コンピューターのコードおよびデータはまた、取り外し可能なプログラム媒体に置かれ得、そして必要な場合、コンピューターシステム100上にロード、またはインストールされる。取り外し可能な記録縛体としては、例えば、CD−ROM、PC―CARD、フロッピー(登録商標)ディスク、または磁気テープが挙げられる。
【0104】
ネットワークインターフェース回路112は、他のコンピューターシステムに接続されたネットワークを介して、データを送信および受信するために使用される。インターフェースカードまたは同様のデバイス、およびマイクロプロセッサ116によって実行される適切なソフトウェアは、既存のネットワークにコンピューターシステム100を接続し、そして標準的なプロトコルに従ってデータを運ぶために、使用され得る。このようにして、コンピューターシステムは、インターフェースデバイスを介してインターネット6と接続可能である。
【0105】
キーボード114は、コンピューターシステム100に対する命令(command)および他の命令(instruction)を入力するために、ユーザーによって使用される。他の型のユーザー入力デバイスもまた、本発明と組み合わせて使用される。例えば、コンピューターのマウス、トラックボール、スタイラス、またはタブレットのようなポインティングデバイスは、汎用コンピューター画面上でポインターを操作するために使用され得る。
【0106】
データの動物データベース管理に関する本発明はまた、コンピューター読み取り可能な媒体上で、コンピューター読み取り可能なコードとして組み込まれ得る。このコンピューター読み取り可能な媒体は、コンピューターシステムによって後で読み取られ得るデータを保管し得る、任意のデータ記憶デバイスである。コンピューター読み取り可能な媒体の例としては、リード−オンリーメモリ、ランダム−アクセスメモリ、磁気データ記憶デバイス(例えば、ディスク、および光学式データ記憶デバイス(例えば、CD−ROM)が挙げられる。コンピューター読み取り可能な媒体はまた、コンピューター読み取り可能なコードが分配した様式で、記憶されそして実行されるように、コンピューターシステムに繋がれたネットワークを介して分配され得る。
【0107】
図4は、本発明のデータベースシステムと共に使用するためのブラウザーシステムを図示する。ブラウザーは、多くの非制限定的な画面および論理段階を介して進行し、そして「Next Entry」と題されたスクリーン60に達する。このスクリーンは、一般的に、62のように示される、データの詳細または情報を提供する。これらのカテゴリーの任意に対してクリックすることにより、ユーザーは、データベース詳細64(66により一般に示されるような、特に詳細なデータ)を精密に調べることを可能にする。この方法で、ユーザーは、システムの異なるデータベースに関する情報を得るために、多くのスクリーンを通してインデックスを付け得る。さらに、トリガー70、72、74および76の任意をクリックすることが可能である。このことは、「HOW IT WORKS,SECURITY,EXTENDED DATA and PRE−REGISTRATION」に対応する。トリガー70をクリックすることは、ユーザーにこのプロセスが働く方法についての情報を提供し、システムを説明し、そしてユーザーがデータベースに参加する方法、およびデータを得るかまたはデータを入力する方法についての詳細を提供する。トリガー72をクリックすることは、システムのセキュリティおよび自動支払いに関する詳細を提供する。いくつかの場合において、製品およびサービスは、拡張されたデータおよびトリガー74をクリックすることと共に提供され、そして拡張されたデータの詳細を提供し得、そして特定のサービスまたは製品についてのみ利用可能であり得ることを説明する。
【0108】
トリガー76は、ユーザーが仮登録(pre−resister)し、そしてユーザーID番号を得ることを可能にする。このID番号は、符号化された様式でデータベース中に保持される、金融情報と組み合わされる。この仮登録トリガー76は、ステップ78に追従し、このステップ78は、自動支払いを許可にするために、クレジットカード番号および有効期限日のような個人情報をまとめ得る。ステップ80は、このことが生じる場合、データベース中での現存するものを確認することである。ネガティブな答えを有する場合、ユーザーは82に示すような登録過程へと向けられる。ユーザーIDが割り当てられ、そしてパスワードが入力される。この情報は、データベース22の一部に保存される。84において、ユーザーは、画面86でユーザーIDを識別するスクリーンを提供される。ユーザーが既に存在する場合、登録過程は、88で拒否され、そしてユーザーは画面86での情報の助言を受ける。86での画面はまた、データベース22において利用可能な情報を示す。
【0109】
図5において、CDPRを構築する構成要素の基本的なブロックダイヤグラムを示す。表現型データベースまたは身体健康データベース200および遺伝子型データベースまたは遺伝子情報データベース201が存在する。これらは、全体的なCDPRデータベース202の一部に含まれる。ユーザー入力203は、獣医師、所有者、ブリーダー、またはデータベースオペレーター、代理人および研究者のような遠隔ユーザーから得られ得る。データベース204からの出力は、獣医師、所有者、ブリーダー、オペレーターデータベース、または代理人または研究者に対してであり得る。
【0110】
図6は、データベース202から引き出されるデータについての関係を示す。ユーザー8は、ここでは、CDPR202にアクセスする、獣医師、所有者、ブリーダー、オペレーター、または代理人または研究者203が、コンピューターネットワーク6を通してアクセス第1画面(これは、ユーザーについての情報について尋ねる)にアクセスすることを示す。アクセスリクエストメッセージが送信され、そして適切なアクセスを可能とするメッセージが伝達される。ユーザー203は、ユーザー203にデータにアクセスするように与えられた権限の範囲に従って、CDPR202への部分アクセスまたは完全アクセスを取得し得る。CDPR202へのアクセスが承諾される前に、適切に支払いがなされることを確実とするためのコンピュータープログラムシステム205が存在する。いくつかの状況において、適切なアクセスコード204は、行206に示されるように、支払い条件205を迂回することを許容する。コンピュータープログラムを通した支払い205は、クレジットカード入力、およびCDPR202のオペレーターに代わる金融施設への自動的転送によってもたらされ得る。データベースへのアクセスに対するこのような支払いは、当該分野で周知のシステムによってもたらされる。金融施設は、オペレーターと金融施設との間に設けられるような金融様式で、CDPR202のオペレーターを適切に入金させる(credit)。
【0111】
CDPR201中で、身体的健康表現型データベース200、遺伝子型データベース201、および他のデータベース207、208および209それぞれにアクセスする能力が存在する。表現型情報および遺伝子型情報は、他のデータベース情報と一緒に、例えばハードコピーの形式で、1つの画面、モニターまたは他の閲覧手段に提示され得る。従って、CDPR202中に含まれる複数のデータベースに対するアクセスが、あり得る。身体的健康データベース200にアクセスした後、ユーザーはモジュール210から分析レポートを得る。次いで、ユーザーは、211に示されるように分析を読み得、そして出力212によって示されるように、リードアウト211からの分析を出力し得る。この出力212は、コンピューター画面のリードアウト、ファックスまたは音声情報であり得る。
【0112】
身体的健康または表現型データベース200は、被験体または群に特異的である。換言すると、データベース中で得られたデータは、特定の動物または動物群(品種、系統、種など)に特異的であり、この特定の動物または動物群は、流体サンプルおよび組織サンプルが1つ以上の研究室環境または研究環境において分析に供されるような、研究室または研究の生物学的試験の被験体であった。これらの生物学的レポートは、血液、尿、他の体液、皮膚、目、骨格筋または他の組織の標本からのレポートを含み得る。PTデータベース200は、CDPR202中で必要とされるような、被験体特異的な情報を記憶する能力を有する。
【0113】
遺伝子型特異的または遺伝子的な障害データまたは疾患データは、CDPRデータベース202中のデータベース201に保存される。このデータは、被験体特異的であるか、ファミリー特異的であるか、品種特異的であるか、種特異的であるか、障害特異的であるか、または疾患特異的であるかのいずれかであり、かつ群または被験体に特異的である。ユーザーは、遺伝子型データベース201にアクセスし得、そしてリードアウト213を取得し得、これは次いで、身体的健康査定が出力として得られるのと同じ様式で、ライン214に沿って出力212に伝達され得る。
【0114】
代替のアプローチにおいて、読取者(reader)は、ライン216によって示されるように、遺伝子型データベースからの分析215を要求する。この分析は、身体健康査定の分析情報から、ライン217に沿って、データを受信し得る。PTおよびGTの解析は、218により示されるように取得され得、次いでこれは、ライン219に沿って示されるように出力され得る。PTおよびGT218の解析は、2つのデータベースPT200およびGT201からのデータを考慮する場合に、障害、疾患および長命に関する情報の係数および確立を関係付けるアルゴリズムによって実施され得る。このことは、自動的になされ得、そしてライン219に沿って出力され得るか、またはブロック218のデータを解析するために熟練した人員を使用する、専用インターフェース220が存在し得、次いでこのことは、ライン221に沿って出力212に出力され得る。
【0115】
データベース207は、遺伝子マーカーデータベースであり得、そしてこのデータベースからの情報は、リードアウト222および223を介して出力212への出力へと直接的に入力され得る。あるいは、データベース207からのデータは、データをライン224に沿って向けることによって、身体健康情報および遺伝子型情報の解析セクション218に加えられ得る。このデータは、必要に応じて、ライン219および221に沿った出力の被験体を作成し得る。
【0116】
同様に、他のデータベース208、209はそれぞれ、リードアウト225および226を有し、これらは直接ライン227および228に沿って出力に繋がり得るか、または必要に応じてライン229および230に沿って解析モジュール218に向けられ得る。次いで、これらは専用インターフェース220の再検査に対する解析の被験体となり得、この再検査は次いで、出力219および221の出力の被験体を作製される。
【0117】
出力ライン219、221、222、223、227、228および214の各々において、システムにおいて必要に応じて使用され得る、暗号化プログラム231もまた提供される。出力212は、必要とされる場合、紙読み出し、電子読み出しまたは音声読み出しを含み得る。
【0118】
この様式で、出力212は、被験体、品種、疾患、障害および寿命に関する全身の健康および遺伝子情報を組み合わせる編集物を提供し、これによって、出力212のレシーバが、通常は同系交配されるか系統繁殖される動物に関して重要であり得る品種判定基準を容易にするための様式で集計された情報を使用することを可能にする。この情報はまた、特定の被験体動物の進行中モニタリングを容易にするためにも使用され得る。このシステムからのデータは、動物の間での、繁殖、健康および長命を効果的に操作および制御するために使用され得る。
【0119】
本発明のシステムはさらに、図7に関して記載され、これは、CDPR202へのデータをインプットするためのシステムである。ここで、複数のユーザー203(研究室のような遠隔ユーザーであり得る)、繁殖者、所有者、病院、代行者、またはCDPR202のオペレーターは、モジュール204を通してこのシステムにアクセスし、次いでCDPR202にアクセスする。適切なアクセスリクエストおよび、アクセスを可能とするメッセージが送信される。CDPR202中で、身体健康または表現型のモジュール200、遺伝子データまたは遺伝型データモジュール201、ならびに他のデータベースモジュール207などが存在する。CDPR202にアクセスした後、さらなるデータが認証される場合、任意のユーザ−203を通じてモジュール200、201、207などに追加され得る。モジュール200、201および207の各々へのデータの蓄積は、必要に応じて、ブロック205により示されるように、CDPR202のオペレーターに対して支払いを要求する。このシステムは、CDPR202からのデータの引き出しと同じ様式で機能し得る。
【0120】
ブロック200、201、および207のそれぞれに保存されたデータは、選択されたユーザー203に制限するかまたは制限しない様式で、ブロック232によって示されるようにセットアップされ得る。これは、異なるデータベースに対して入力されるデータを支配するプロトコルに従って必要であり得る。いくつかの場合において、デポジットフィー(deposit fee)の放棄が、データベースからデータを取り出すことを望む後のユーザーに対して、データベースの自由の目的でなされる。ブロック234によって示されるデータベースの保存後、ユーザー203は、ブロック233によって示されるように、CDPR202を出る。
【0121】
明らかであるように、被験体の動物の身体的健康または表現型のプロファイルは、動的であり、そしてより多くのデータがこの系に追加されるにつれて、増加する。同様に、遺伝子データベースまたは遺伝型データベースはまた、特定の被験体、品種などの研究が増加するにつれて、増加する。CDPR202への新たな情報のデポジットは、データが適切な様式でデータベース202を曲げ得ない様式で調節される。同様に、ユーザー203は、不適切な様式でCDPR202内の保護されたデータベースにアクセスし得ない。
【0122】
種々のアルゴリズムが、健康プロフィール、遺伝子データ、および動物に関連する他のデータの間の関係を調節する。これらのアルゴリズムは、被験体動物および子孫の動物における障害および疾患の確率(probability)、可能性(possibility)および見込み(likelihood)を決定する。これらは、動物の健康の将来の進化の予測として使用される。
【0123】
1つの例において、行動および行動障害に対する遺伝的影響は、行動および行動の差異の表現型発現の半分未満を説明する。しかし、行動は、最も複雑な表現型である。なぜなら、行動は、全体の機能化を反映するだけでなく、環境的影響に応答して動的であり、そして変化するからである。これらの結果は、純粋種動物において最も劇的に見られる。なぜなら、純粋種の遺伝子型が100年にわたって、ほとんど変動がないことを示すとしても、特定の行動および形態について選択されるように、近親交配され、そして株交配されているからである。この例は、現在存在し、そして幅広い異なるサイズ、体重、温度および寿命を有する、種々の純粋種のイヌ全てである。
【0124】
従って、主要な表現型データベースの結果が異常な甲状腺機能を示す場合、これを主要な遺伝子型、ならびに品種、年齢および性別の組み合わせたデータベースのカテゴリーに関連づけることによって、被験体が遺伝性甲状腺疾患を有するかまたは有さないか、あるいは予測された期間内にこの状態を発症しそうであるか否かを決定することが可能である。
【0125】
同様に、表現型データベースが、上昇した血液および尿のグルコースレベルを示す場合、これを遺伝子型ならびに体重、年齢、性別、品種および生殖履歴の組み合わせたデータベースカテゴリーと関連づけることによって、被験体が、遺伝に基づくようである糖尿病を有することを決定することが可能である。
【0126】
別の例は、低い血液のvon Willebrand因子レベルを示す表現型データベースを、遺伝子型ならびに品種、年齢、性別、慢性の履歴および家族歴の組み合わせたデータベースカテゴリーと関連づけ、それによって、被験体が、遺伝性の形態のvon Willebrand疾患を有するかまたは後天性形態のvon Willebrand疾患を有するかを決定することが可能である。
【0127】
本発明の様式でCDPR102からのデータを分析することによって、遺伝子スクリーニング、健康評価プロファイリング、ならびに、動物の診断管理、予防管理および治療管理が可能である。
【0128】
(F.表現型データベースおよび遺伝子型データベースの相互関係)
データベース中の個体または個体のグループ間の相互関係の決定は、多くの計算方法または他の分析方法(単純または複雑)(ニューラルネットワークまたはデータベースを評価する他の種類の関連技術のようなものを含む)のいずれかを使用し得る。
【0129】
例示的なサーバーは、従来のデータベースシステムの操作全てを実施し、そして本発明に従うさらなる操作(先のセクションにおいて考察されている)(ここで、参考として援用する)を実施する。サーバーは、様々な動物の種および履歴についての情報を処理するために、関連するメモリーとともに中央処理装置(CPU)を備える。照会は、動物の種および履歴に関し、そして健康プロファイリングおよび遺伝子情報について照会および要求し、そして健康プロファイルおよび遺伝子情報を提供する。CPUは、通信ポートを介してデータベースおよびユーザーに連結される。CPUはまた、CPUと種々の代理人、ユーザーなどとの間で送信されるeメールメッセージを処理および保存(保存デバイス中)するための電子メールプロセッサに連結される。CPUはさらに、データ保存デバイスに連結される。データ保存デバイスは、種々のデータベースを含み得る。このシステムは、動物表現型情報および遺伝子情報に関するデータを要求、保存、および提供することを可能にする。データベースの形式および内容は、上記に詳細に考察されており、ここで、援用する。
【0130】
図8は、CDPR202に関して、本発明とともに操作可能な、実験機器装置、システムおよび方法の外観を示す。本発明は、試料についてのデータを受信およびアクセスするためのコンピュータまたはプロセッサ100を用いる、遠隔ユーザーによるアクセスを可能にする。インターネット6または他のコンピュータネットワークあるいは通信回線能力を使用して、遠隔ユーザー8は、アクセスを要求するメッセージを、CDPR202を有する研究所またはオペレーターによって提供されるサービスに送る。CDPR202に対するアクセスが与えられる場合、メッセージが、遠隔ユーザーのコンピューター100に送られる。このメッセージによって、遠隔のユーザー8が、CDPR202に保存されるデータを規定し得、そしてアクセスを可能にし得る指示を含む。
【0131】
本発明の1つの形態において、所望のデータは、研究所への特定の動物の試験試料の提出に基づく。いくつかの他の場合において、健康プロフィール試験データ200は、遺伝子データベース201を有するCDPR202に入力され得る。CDPR202は、健康プロファイルデータベース201と遺伝子データベース200との間の分析および相関を実施し得る。
【0132】
通信リンクを使用して、遠隔ユーザー8は、実験室またはCDPR202と連絡する。試料は、パッケージされ得、そして商業的に利用可能な通常の運送業者(例えば、郵便サービスまたは運送サービス)によって実験室の場所に、物理的に輸送され得る。パッケージが到着した場合、実験室は、それらを保存するか、または試験を行う。機器300は、遠隔ユーザー8によって特定されるデータを得るために、試験を行う。バイオハザードなサンプルは、廃棄物として処理され得る。試験結果、または出力は、CDPR202の健康プロファイルデータベース200の一部として提供され、そして遠隔ユーザー8に大して利用可能である。
【0133】
所望である場合、遠隔ユーザー8は、他の遠隔ユーザー8に利用可能な、CDPR202に保存されるデータを有するように配置し得る。遠隔ユーザー8はまた、実験室に、生成される健康プロファイルデータベース200上で分析を実施するように要求し得る。
【0134】
1つの実施形態において、通信リンクは、コンピューターネットワークであり、そしてメッセージ伝達様式は、例えば、インターネット6、ならびに/あるいはイントラネットおよび/またはエクストラネットである。ネットワークシステムは、本明細書中に記載される適用に特に適する。なぜなら、これは、グローバルまたは広範なアクセス性、および大量の情報の高速なデータ移動を提供するからである。
【0135】
セキュリティーユニットによって、遠隔ユーザーは、誰がそれらのデータを見るかまたは使用するための許可を有するかを指定し得る。これらの情報管理要件についての実現可能な選択としては、以下が挙げられる:提供する遠隔ユーザーのみによるアクセス、特定の指定された研究者および共同研究者によるアクセス、時間禁止データ続く幅広いアクセス、および全く未制限なアクセス。商業的ユニットは、CDPR設備のビジネス的な観点(請求書作成、支持材料の在庫管理を含む)に関連する機能を実施し得る。
【0136】
マルチメディアユニットは、音声情報、グラフィカル情報、ビデオ情報を保存、操作、および提示するための手段を備える。この情報は、CDPRがどのように使用されるかを説明するビデオ、データの視覚的説明、方法論、またはデータのバックグラウンドに関するコメントを含み得る。マルチメディアユニットはまた、アップデートされたデータが遠隔ユーザーまたは他の興味を有する集団に自動的に提供されるように、予約(subscription)機能を実施し得る。
【0137】
本発明によって実施される操作は、コントローラーが通信リンクを介して遠隔ユーザーからアクセス要求メッセージを受信する場合に、開始する。アクセス要求メッセージおよび任意の他の利用可能な情報における情報を使用して、コントローラーは、遠隔ユーザーが、CDPR202にアクセスすることを許可されているか否かを決定する。そうである場合、アクセス可能化メッセージが、コントローラーから遠隔ユーザー8に送信される。アクセス可能化メッセージは、インターネット6を越えて伝送される1セットのコンピューターの命令を含み得、これは、遠隔ユーザープロセッサによる実行のために、遠隔ユーザーメモリーにダウンロードされる。これらの命令は、可能化であり得る。すなわち、これらは、コントローラーに対するさらなる必要性なしに、遠隔ユーザー8とCDPR202との間の直接的な通信を可能にし得る。別の実施形態において、アクセス可能化メッセージは、遠隔ユーザー8が、先に進み得るパスワードまたは他の可能化メッセージを単純に含み得る。遠隔ユーザー8は、種々のプロトコルおよびレジメンならびにセキュリティーの配置に従って、CDPR202にアクセスし得るかまたはデータを提出し得る。
【0138】
異なる形態のエキスパートシステム計算およびソフトウェアプログラミングを使用して、データベースおよびデータの関係を決定し得る。並行分散処理およびニューロ形態(neuromorphic)システム(例えば、ニューラルネットワーク)が使用され得る。これらは、不正確な入力情報について決定を行う際に一般化する能力を有する、良好なパターン認識エンジンおよびロバストクラシフィアー(robust classifier)である。エラーアルゴリズムのバックプロパゲーション(backpropagation)、ベクトル定量化の学習、ラジアルベースの機能(radial basis function)、Hopfield、およびKohonenを用いて一般的に訓練される多層認知のような多数の種々の型のネットワークが存在する。データがネットワークによってどのように処理されるかに依存して、あるものは、フィードフォワードであり、他のものは、反復性(すなわち、実行フィードバック)である。あるものは、訓練を必要とし得、他のものは、管理も自己組織化もされない。これは、ソフトウェアまたは専門のハードウェアで実施され得る。
【0139】
あるいは、またはさらに、ファジー論理学が、データ適用、規則および機能の動的な性質に起因して、使用され得る。このようなロジックは、環境の変化に適用される。この論理学およびニューラルネットワークは、このシステムに組み込まれ得る。
【0140】
適応性論理ネットワーク(Adaptive Logic Network)技術は、有効な代替技術または追加の技術である。適応性論理ネットワークは、断片状(piece−wise)線形データを使用することによって、複雑な非線形系をモデル化し得るニューロ計算である。適応性論理ネットワークへの入力は、記載された大きなデータベース、科学者、獣医師または所有者により記録される観測からのデータであり得る。適応性論理ネットワークの出力は、分析、予測、またはリアルタイム管理のために使用され得る。
【実施例】
【0141】
(G.実施例)
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するように含められる。以下の実施例に開示される技術が、本発明の実施において十分に機能するように発明者によって発見された技術を表し、従って、その実施のために好ましい様式を構成すると考慮され得ることが当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、発明の開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更がなされ得、そして本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様なまたは類似の結果を依然として得られ得ることを理解する。
【0142】
(実施例1)
(気質および寿命)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、2、3、8および10を使用して、この実施例のためのデータを得ることができる。
【0143】
簡単に述べると、動物の気質に関する特徴(その寿命に対して影響する)を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。このような試験データは、動物の神経伝達物質活性のレベルに関連する。データは、その動物のセロトニン、γ−アミノ酪酸(GABA)、グルタミン、ドパミン、グリシン、アスパラギン酸、アセチルコリン、ノルエピネフリン、ヒスタミン、サブスタンスP、バソプレシン、血管作用性腸ペプチド、ニューロテンシン、または他のニューロペプチドの値のうちの少なくとも1つに関連する。この値は、動物の気質(消極性、独断性または攻撃性)の予測的な決定因子として、所定のレベルない入るべきである。
【0144】
神経伝達物質を測定するための方法は、当該分野において周知である。神経伝達物質(例えば、セロトニン、エピネフリン、ノルエピネフリン、グルタミン酸、およびGABA)は、市販の抗体(ポリクローナルまたはモノクローナルのいずれか)を含む標準的な免疫化学技術によって測定され得る。このような抗体は、Sigma Chemical Company(St.Louis、MO)のような供給源から市販される。これらの免疫化学技術は、ラジオイムノアッセイまたは他の十分に確立されたアッセイ技術(例えば、ELISA(酵素結合イムノソルベント検定法)のいずれかを含み得る。これらの神経伝達物質はまた、標準的な非免疫化学技術(例えば、ガスクロマトグラフィー)によって測定され得る。ニューロペプチド神経伝達物質は、好ましくは、免疫化学技術によって測定される。
【0145】
(実施例2)
(免疫刺激および細胞性炎症応答)
上記の試験パネル番号1、3、4、8、9および10を使用して、この実施例のためのデータを得ることができる。
【0146】
動物の免疫刺激反応、新生物形成変化もしくは腫瘍随伴性変化の証拠、または細胞性炎症応答のうちの少なくとも1つに関連する特徴を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、その動物の細胞細胞毒性マーカー、サイトカインおよびケモカインのレベル、免疫グロブリンレベル、リンパ球サブセットの型および量、およびリンパ球マーカー、ならびに新生物形成変化または腫瘍随伴性変化のマーカーのうちの1つに関連する。この値は、免疫刺激反応、新生物形成変化もしくは腫瘍随伴性変化、または細胞性免疫応答の決定因子として、所定のレベル内に入るべきである。
【0147】
リンホカインおよび他のサイトカインを測定するための方法は、当業者に周知である。これらの化合物は、代表的に、市販のモノクローナル抗体を使用する免疫化学技術または他の方法によって測定される。
【0148】
(実施例3)
(遺伝的な器官機能不全または形成異常)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、3、5、9を使用して、この実験のためのデータを得ることができる。
【0149】
動物の遺伝的な器官機能不全または形成異常に関連する特徴(そのうちの少なくとも1つがニューロン、神経筋または腎臓である)を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、この動物のアミノ酸、炭水化物、脂質または他の代謝成分、体液または組織マーカーに関連する。データは、その動物のメチルマロン酸、フコース含有細胞代謝産物、血液または尿ウレートまたは尿酸代謝産物、血糖正常糖尿、マンノシダーゼ含有細胞代謝産物、アミノ酸ウリア(uria)、組織におけるアミロイド沈着、ニューロンセロイドリポフスチン沈着症、およびガングリオシドおよび他のリポソーム保存基質の値のうちの少なくとも1つに関連する。この値は、遺伝的な器官機能不全または形成異常の決定因子として、所定のレベル内に入るべきである。
【0150】
(実施例4)
(自己免疫甲状腺炎)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、2、3および10を使用して、この実験のためのデータを得ることができる。
【0151】
動物の自己免疫甲状腺炎に関連する特徴を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、動物の自己免疫甲状腺炎に対する遺伝子マーカーに関連する。データは、この動物の包括的な甲状腺抗体試験プロフィールの結果、DNAフィンガープリント(遺伝子マップ)、およびB細胞、T細胞レセプターにおける免疫グロブリンレセプターに対するマーカー、および主要組織適合性複合体(MHC)遺伝子(クラスIおよびクラスII対立遺伝子HLA)のタンパク質産物、DLAまたは等価な抗原性特異性のうちの少なくとも1つに関連する。MHC遺伝子についてスクリーニングするための試験アッセイとしては、制限断片長多型(RFLP)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)RFLP、PCR配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)およびPCR配列特異的プライマー(SSP)が挙げられる。自己免疫甲状腺炎の決定因子として所定のレベル内に入るべきである。
【0152】
(実施例5)
(乳癌)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、2、3および10を使用して、この実施例のためのデータを得ることができる。
【0153】
動物の乳癌の存在または乳癌に対する感受性に関連する特徴を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、エストロゲン(エストラジオール−17β)、エストロゲンレセプター、インターロイキン(IL)6、プロゲステロン、およびプロゲステロンレセプターに関連する。この値は、乳癌の存在または乳癌に対する感受性の決定因子として所定のレベル内に入るべきである。
【0154】
(実施例6)
(免疫サーベイランス)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、3、5、6、8、9および10を使用して、この実施例6のためのデータを得ることができる。
【0155】
通常の免疫学的サーベイランス機構から保護される部位である眼および脳(眼および血液脳関門)の組織環境に関連する特徴を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、可溶性および細胞性免疫応答メディエーター(サイトカインおよびケモカインのレベル、免疫グロブリンレベル、およびリンパ球サブセットマーカー)に関連する。この値は、保護された免疫サーベイランス機構の完全性の決定因子として所定のレベル内に入るべきである。
【0156】
(実施例7)
(遺伝的出血障害)
上記セクションに記載される試験パネル番号1、7、および9を使用して、この実施例7のためのデータを得ることができる。
【0157】
過剰に出血する傾向に関連する特徴を決定する。動物の体液または組織由来の生物学的実験室試験データが分析される。試験データは、止血性機能および凝固機能の包括的な評価に関連する。この値は、出血障害の存在の決定因子として所定のレベル内に入るべきである。
【0158】
(実施例8)
(動物健康の包括的および蓄積的なデータベース)
最初のデータベース(健康なイヌの群においてなされる最近の時間な期間由来)は、アメリカ合衆国およびカナダのような特定の地理学的領域(他の地理学的領域も使用され得る)についてのこれらのイヌの身体的特徴、健康履歴、および包括的な実験室データを使用し得る。さらなるデータベースが他の国について開発される。一般的に、同じ実験室を使用して、データベースを作成する。時間遡及的データベースは、さらなる試験年数にわたって蓄積し続ける予測データを用いて進行性の様式で増大する。結果は、時間遡及的データベースから分析され、次いで、時間にわたって特定の分析物の値における任意の傾向またはドリフトを検索するために、データベースのサイズに依存して、6〜12ヶ月毎に周期的に再分析される。
【0159】
これは、蓄積に対する重要なデータベースである。なぜなら、時間にわたるドリフトの存在は、同じまたは他の動物の引き続く研究(これらが、健康であるか、または疾患、障害、またはその生活様式、食餌または他のパラメーター(生殖、または性能的使用を含む)において変化を有するか否か)が、得られた値を正確に解釈するために、データベース内のこのようなドリフトを考慮する必要があることを意味するからである。特定の品種または型の特徴、サイズ、年齢、体重、性能レベル、生活様式、地理学的位置の動物は、それらの実験室プロフィールおよび身体的特徴、ならびにこのシステムへのエントリーから開始し、時間にわたって(好ましくは、少なくとも1年)規則的基準で続くデータベースに入力された健康履歴を有する。約6ヶ月齢で最初に試験され、思春期前(pre−puberty)、次いで思春期の前(好ましくは、発情休止期の雌)、次いで、その後毎年、個々の動物についての包括的な実験室データベースを確立するための包括的な様式で試験される子犬がまた、このデータベースに入れられる。
【0160】
これらのデータは、品種特徴または活性特徴または分析目的で一緒にグループ化するために有用な任意の他のパラメーターについて、グループ特異的データベースに入れられる。包括的および蓄積的データを集めるこの方法は、個々の動物の分析(これらが、健康であるか、またはある段階の疾患もしくは障害を発現するか)を可能にするだけでなく、グループ内のメンバーの分析を可能にする。グループが分析される場合、これは、グループの類似のメンバーについての予測の実験室値をデータベースに提供する。次いで、これらのデータベースを蓄積的様式で発展させることによって、例えば、器官の機能を予測する特定の分析物またはグループの分析物についての傾向が、個々の動物(健康または疾患)内で、傾向の違いを探すために、遡及的および予測的な健康な動物データベースの傾向と比較され得る。次いで、傾向における違い、ならびに個々の動物またはグループの動物における違いが、健康、疾患おゆおび寿命の予測因子として使用され得る。
【0161】
一旦、傾向または変化が、個々の動物内または関連するグループの動物内、あるいはデータベース由来の特定の分析物またはグループの分析物内で同定されると、これは、管理および処置の見通しにおける処理を可能にする。この処理は、栄養性であり得、食餌栄養補助剤(dietary supplement)の使用、特定の栄養補助食品(nutraceutical)の使用を含み得、そしてもちろん、健康管理の他の従来の代替的処置および管理を含み得る。
【0162】
このように集められたデータベース(主に、その実験室分析のセンスおよびその患者の説明のセンスにおける表現型であるが)はまた、集団における個々の動物またはグループの動物の遺伝子型の大部分について予測的である。なぜなら、イヌのゲノムは、最近の百年にわたってほとんど変化せず、イヌのゲノムの大部分は、イヌの品種と個々のイヌとの間で同一であるからである。イヌの品種における表現型(例えば、身体的見かけおよび大きさおよび体重)における違いは、ゲノム全体のうちの1%未満の非常に小さな遺伝的変化を構成する。これらの包括的および蓄積的実験室試験パネルを用いる遺伝子型および表現型の予測は、イヌの疾患および障害の管理および処置、ならびにイヌの健康および寿命の維持においても処理に対する新規なアプローチを可能にする。
【0163】
開発された包括的蓄積的データベースによって、関連する個々のイヌの個体またはグループ、あるいは関連するグループ内の動物内で一致する非常に初期のわずかな変化を知ることが可能であり、その結果、疾患をより早く予測し得、より高価でなく、より侵襲性でなく、そしてより効果的な処置を行い、それによって、より重篤な臨床状態になる前に処理を取り消し得る。
【0164】
動物の健康および寿命を促進する際に処置するための最も効果的で、最も侵襲性でも有害でもない方法の1つは、食餌管理を使用することである。特に、健康によい食物は、バランスのとれた機能的免疫系および疾患に対する耐性に対して重要である。このアプローチによって開発された密接(tight)なデータベースを考えると、包括的な実験室分析の結果において外来のノイズが最小化される。次いで、通常の範囲からの傾向またはドリフトの蓄積的な実験室の証拠を有する個々の動物またはグループの動物についての知見が得られ、系を再びバランスを取り、そして免疫機能および疾患に対する耐性を促進する特定の食餌的処置を設計し得る。
【0165】
どのような変更が食餌構成要素または栄養補助食品においてなされ得るかを同定する方法は、個々のペットまたは他の動物のデータの時間の単一点に依存しないが、実際には、どの傾向が時間にわたって証拠とされ、それによって、どの変化が栄養学的要求または栄養学的栄養補助食品または他の処置においてなされるべきかのより確実な決定を与える傾向を使用するために、類似のグループの位置または活性レベルにおける通常の動物、ならびにグループ内の特定の動物についての時間にわたる蓄積的な包括的データベースを開発することが重要である。
(実施例9)
(甲状腺機能)
特定の実施例は、包括的な診断試験パネルに依存する甲状腺機能についての診断試験パネルであり、そして、甲状腺に焦点を当てたより特定の試験であり、この試験は分子に基づく試験および遺伝子マッピングを含む。
【0166】
甲状腺疾患は、伴生動物における最も一般的な内分泌不全である。甲状腺ホルモンは、骨格系の代謝、成長および成熟、中枢神経系の成長および成熟、および温度調節において役割を果たす。甲状腺失調の早期の検出は、特に栄養補助での介入を可能にし、そして甲状腺ホルモン補助が管理および治療の必須の要件となる段階に疾患が進行する前に、甲状腺機能を最適化する個々の食料および補助食品の管理を可能にする。例えば、海草、緑黄色野菜からのヨウ素およびミネラルを含む食料補助食品は、甲状腺機能を高めるのに有用である。対照的に、大豆由来食品および特定の他の野菜は、食料中のタンパク質の品質および内容物が阻害し得るように、甲状腺機能を阻害する傾向にある。
【0167】
甲状腺ホルモンの生理学的役割に加えて、甲状腺ホルモンが、行動において役割を果たすこともまた認識されている。動物と、その世話主との社会的関係は、個々の動物を家庭の伴生動物のメンバーとならしめるための鍵である。動物が、所望でない行動または社会的悪習を有するならば、この動物は孤立し、ストレスを感じ、そして不親切に扱われ得、さらには幾つかの家族のメンバーによって追放され得る可能性が高く、その結果、この動物は、ついには、関係を絶たれ得るか、あるいは収容所またはシェルターに送られそして殺され得る。家族によってこのことが続けられると、この動物は免疫抑制および幸福感の欠如に寄与するかなりのストレスを経験し得、次いで、さらには異常な行動を助長する。従って、動物の生活における甲状腺失調を初期に検出することは重要である。
【0168】
従って、本発明の包括的な個々のデータベースおよびグループのデータベースは、全体的な健康、特に甲状腺機能を評価するために使用される。このデータベースの使用によって、ならびに予想される正常なパラメータからの個々のデータまたは累積のデータの変動によって示される実験室被検体におけるごく最早期の微妙な変化を有する動物を同定することによって、異常な行動が家族の介護者に対して耐えられないようになる前に介入し得る。なお、さらには、甲状腺失調が他の健康の懸念(例えば、代謝不良)につながる前に介入し得る。
【0169】
行動事象に使用される特定の種は、非常に異なった基礎甲状腺代謝を有し得ることは周知であるので(例えば、視覚ハウンドおよび他の猟犬種 対 小型種または労働種)、全体として、このグループの包括的なプロファイリングによってこれらの特性を決定することは、累積データベースにおいて重要であり、その結果、個々の動物についてのデータは、グループと比較され得る。次いで、種によるこの特定の機能的なグループについての値は、種としてのイヌに対する全体的なデータベースと比較され、そして経時的な特定の傾向は、年齢および環境的な影響に関連して発達する。一旦、個々およびそれらが属するグループの特定の決定因子が形成されると、同定されてきた傾向は、健康および寿命を促進するための改変および介入に使用され、特に食事成分または補助食品に対する改変、ならびに生活様式における他の変化(運動、グループの住居、個々の住居、ならびに健康および寿命を促進するパラメータを含む)とともに再び使用される。
(実施例10)
(栄養食を使用する健康の管理)
動物健康産業において、動物全体の栄養の要求のバランスを保ち、そしてそれによってそれらの免疫学的機能、健康、疾患に対する抵抗性、ならびに寿命を改善するために、伴生動物(例えば、イヌおよびネコ)のための、より厳しく制御され、そして設計された栄養補助食品および栄養補助剤(すなわち、治療)が必要とされている。このことは、動物の特定の記述子(例えば、種、年齢、性別、体重、生活様式、地理的な位置、ならびに特定の種の機能または行動型)を考慮することによって達成されることを必要とする。これらの種および特定の動物記述子は、幾つかの種類の実験室動物の健康および総合的な動物の健康ならびに医療履歴情報と関連付けられる必要がある。
【0170】
これらの栄養補助剤、食料および/または治療は、香味、大きさ、ならびに/または形状の点で広範な変化を有し得る。例えば、食品の上面に振りかけられるフレーク状の容器;グラノーラ棒;ビスケット;凍結乾燥された食品;または咀嚼可能な訓練治療。なお、さらには、栄養補助食品および/または治療は、使いやすくそして飼い主にペットの利益のために購入する意欲を起こさせ、そしてペットにそれを食べる意欲を起こさせる種々の形態であり得る。
【0171】
この実施例は、実験室データを含む健康情報および医療履歴を組み合わせることに関し、このデータは、医療情報および実験室健康情報において認められた任意の失調を矯正し得る特定の栄養補助食品、栄養補助剤、治療および/または食料を選択するために、単純であるか、または包括的および累積的であり得る。栄養管理に有用なこのデータベースはまた、それが入手可能で、そして全てのデータベースを、それが属する動物または動物グループの特定の特性の総合的なプロフィールと組み合わせるときはいつでも、遺伝情報を含む。このプロフィールは、遡及的な情報、現在の情報、および予見的な情報を含み得る。これらの少なくとも1つまたは全ては、適切な栄養管理測定が何であるかを決定するために使用され得る。
【0172】
本実施例の実施は、栄養補助食品のいずれの処方箋が、動物にとって適切である基礎食品に加えられ得るかを規定することによってもたらされる。あるいは、この実施は、より複雑であり、ここでは、特定の動物のための高く、厳しく展開された、包括的で累積的なデータベースが、いずれの治療が利用可能かを決定するために使用される。
【0173】
本システムの1つの実施例において、例えば、ペットの飼い主は、食料品店または大型のペットフード供給分配店へ行き、そしてその動物のために適切な栄養補助食品、栄養補助剤、治療調剤、あるいは食料を選択する。店は、選択できるように補助食品および食料の陳列を提供する。それは、その特定のペットのためのコンピューターによって生成される記憶データベースを有する。この情報は、飼い主の名前などに基づくコードおよび他の情報を与えられる。飼い主は、そのために特定の数字を有し、彼らの自身の特別な極秘の数字をコンピューターに打ち込む。次いで、このコンピューターは、適切な栄養補助食品、栄養補助剤、治療調剤、または食料のいずれが選択され得るかを示す。次いで、購入者は、店の倉庫に行き、そしてそこから適切なものを選び取る。従って、飼い主は、動物が必要とし、そして個々の動物に特注のそして独特の適切な補助食品を動物に与える基礎的な基礎食品を購入し得る。
【0174】
特定の基礎食品は、すでに、動物産業/ペットフード産業において存在する(例えば、子犬用食料、成犬用食料、老犬用食料、腎臓疾患または肝臓疾患あるいは肥満症もしくは皮膚疾患または種々の合併症のような特定の状態の動物用の食料)。この実施例は、このことに基づく。
【0175】
1つの実施例として、特定の保存におけるコンピューター化された蓄積されたデータベースにおける情報または識別カードによる情報は、飼い主が保有する機械へ加えられる。このカードは、全ての医療履歴を含み、そしてまた、数字または色彩コードあるいは特定の記述によって、どの治療が適合するか、そしてどの適切な基礎食品を与えられ得るかを示す。従って、購入した食品は、加えられた栄養補助食品であるか、あるいは、またペットのために適切に決定された基礎食品へ加えられるための治療である。
【0176】
これは、伴生動物の健康および福祉ならびに寿命を最適化するための単純で容易に適合され、商業的に実現可能なプログラムである。特に、このプログラムは、適合システムとして開発され、それにより、提供された情報は、適切な基礎食品を選択し、次いで、個々の動物または家族あるいはグループが必要とする特定の補助食品と適合する。
【0177】
販売の点では、コンピューター端末使用者データベースは、遠隔コンピューター記憶データベースと接続され得、このデータベースでは、より洗練された情報が、入手可能で、蓄積されており、数分のうちに遠隔使用者に必要である適切な調剤を与えるために、そこで処理される。これは、銀行の自動金銭出納機械システムと類似の様式で作動し、そこには必要なパスコードを所有する個人に対して特定の独特な全てのデータベースを記憶する中央コンピューターがある。
【0178】
実施例の技術は、家畜診療所およびより大型の家畜病院に応用され得、ここでは、獣医は、ペットに対して適切な栄養補助剤または治療を選択するための情報を入力する専門家であり得る。この場合において、獣医は、例えば、食料品店または特別ペット供給販売店で入手可能なより総合的な補助食品とは逆に、動物の健康をバランス良くするためのより治療用に処方された補助食品を使用し得ると想像し得る。
【0179】
この実施例は、飼い主または家畜診療所あるいは他の健康専門家が、食品の卸売業者または製造者あるいは所望の特定の栄養補助食品にインターネットを通じて実際に接続され得、そして注文し直接送達し得るというところまで、さらに拡張され得る。
【0180】
販売の点で、提供され得る他の情報は、以下を含む:製品のこのような特注の包装または標識;写真、特定の記述子;ならびに特別に選択された補助食品または治療に加えられ得る予め印刷された標識として現われ得る個々の動物の名前;また、健康管理アドバイス;維持するための特定の他の印刷された物質;ペットの福祉(例えば、予防歯学用のもの、毎年の健康検査)。これらの全てはともに関係付けられ得、その結果、要求される特定の栄養補助食品を入手するためにこの情報ベースを評価する場合、健康の扱いやすい概要を飼い主に提供するためのポジティブな感覚に対する、この種の全ての付加的な情報もまた入手可能である。販売の点で、ハードコピー形態で入手可能なこの情報に加えて、インターネットまたは幾つかの他のアクセスコードシステムあるいはコミュニケーションシステムを通じて、電子的に入手可能ともなり得る。
【0181】
このシステムは、個々の伴生動物、家族、または動物グループの特定の必要性に適合するように選択前の処方箋または調製前の処方を使用する。このシステムの利点は、これらの調製前の種々の栄養補助食品製品が、誤差が生じ得そして品質制御が適切に監視されない販売店のその場での混合ではなく、製造工場での最も厳しい制御下で調製され得るということである。
【0182】
本発明の多くの他の実施例が存在し、各々は詳細のみにおいて他と異なる。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
(実施例11)
(疾患の変調)
遺伝子型のデータは、疾患にかかりやすい動物を同定するために使用され得る。一旦、疾患感受性の遺伝指標が決定されると、次いで、栄養摂生は、疾患を変調するために確立される。疾患の変調の結果は、疾患の抑制および/または予防であると考えられる。
【0183】
栄養摂生は、個々の伴生動物、家族、または動物グループの特定の必要性に適合するように、食品の選択前の処方箋および調製前の処方を使用する。栄養補助食品および/または治療は、選択前の食品処方箋および調製前の食品処方と組み合わせてか、または単独のいずれかでも使用され得る。使用される栄養補助食品は、ビタミン、抗酸化剤、栄養補助剤などを含み得る。栄養補助食品および/または治療は、扱いやすく、そして飼い主がペットの利益のために購入する意欲を起こさせ、ならびにペットにそれを食べる意欲を起こさせる種々の形態であり得る。
【0184】
栄養摂生を決定する方法は、本明細書に記載される任意のデータベースおよびシステムを使用することで実施され得、そして参照によって本実施例に組み込まれ得る。例えば、ペットの飼い主は、食料品店または大型のペットフード供給分配店に行き、そして動物のために適切な栄養補助食品を選択する。店は、選択できるように補助食品の陳列を提供する。それは、その特定のペットのためのコンピューターによって生成される記憶データベースを有する。この情報は、飼い主の名前などに基づくコードおよび他の情報を与えられ得る。飼い主は、そのために特定の数字を有し、自身の特別な極秘の数字をコンピューターに打ち込む。次いで、このコンピューターは、適切な栄養補助食品、栄養補助剤、治療調剤、または食料のいずれが選択され得うるかを示す。次いで、購入者は、店の倉庫に行き、そしてそこから適切なものを選び取る。従って、飼い主は、動物が必要とし、そして個々の動物に特注のそして独特の適切な補助食品を動物に与える基礎的な基礎食品を購入し得る。
【0185】
なお、さらに、データベースは栄養摂生を決定することを要求されないことが想定される。例えば、特異的なDNAマーカーおよび/または疾患感受性の指標であるマーカーを決定する単一のDNA試験が、使用される。一旦、DNAマーカーが同定されると、疾患の発達に介入し、そして変調させる栄養摂生が決定される。従って、DNA試験は、疾患感受性を決定し得、そして疾患は、栄養摂生を実施することによって予防および/または抑制され得ると予想される。
【0186】
本発明およびその利点は、詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の意図および範囲から離れることなく、種々の変化、置換ならびに改変が、本明細書でなされ得ることを理解されるべきである。さらには、本出願の意図は、本明細書に記載される処理、機械、製造、物質の組成、手段、方法および工程といった特定の実施形態に限定されるということを意図しない。当業者は、本発明の開示から、処理、機械、製造、物質の組成、手段、方法、または工程を容易に理解するので、現存品、または、本発明に従って、実質的に同様の機能を発揮するか、あるいは本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同様の結果を達成する後の開発品が、利用され得る。従って、添付の特許請求の範囲は、これらの範囲(このような処理、機械、製造、物質の組成、手段、方法、または工程)内に含むように意図される。
【0187】
(参照)
本明細書で言及された全ての特許および出版物は、本発明が関係する当業者のレベルを示す。全ての特許および刊行物は、個々の刊行物が参照として援用されるように特別に、そして個別に示唆されるとして、それと同じ程度にまで本明細書で参照として援用される。
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【図面の簡単な説明】
【0188】
本発明のより完全な理解のために、ここに、添付の図面と関連して理解される以下の説明に対して参照がなされる。
【図1】図1は、インターネットと関連した、本発明の動物遺伝的データベースおよび健康評価データベースのデータベース管理システムに対するアクセスを提供するためのウェブベースのシステムに関する全体図である。
【図2】図2は、コンピューターネットワーク(すなわち、インターネット)の図解的例示である。
【図3】図3は、本発明の種々の局面を実施するための例示的なコンピューターシステムの構成図である。
【図4】図4は、本発明の動物遺伝的データベースおよび健康評価データベースにアクセスするためのデータベース管理システムのためのブラウザの図である。
【図5】図5は、CDPRのオペレーターが、健康評価情報および遺伝的情報に関連するデータを受信および送信する例示的なプロセスを示す、基本的なフローダイアグラムである。
【図6】図6は、リモートユーザーがデータにアクセスしそして出力する、本発明の1つの実施形態において使用されるシステムの工程の詳細なフローダイアグラムである。
【図7】図7は、データベースにデータを加えるためにリモートユーザーによって使用される方法および工程の詳細なフローダイアグラムである。
【図8】図8は、研究室が、健康評価に関連するデータおよび遺伝的データをCDPRに対して動的に寄与し、送信し、そして受信する例示的なプロセスを示す、フローチャートである。

Claims (17)

  1. 非家畜動物の健康状態および動物福祉を管理する方法であって、該方法は、以下の工程:
    a) 以下のiまたはiiのうちの少なくとも1つに関するデータベースを得る工程:
    i. 該動物の種、
    ii. 該種の選択された群;
    b) 該動物に関するデータを得る工程であって、該データは、該動物に関する実験的試験データを含む、工程;
    c) a)のデータベースと、b)のデータとを、コンピューターにより関連づける工程;および
    d) c)に基づいて、該動物の管理のためのレジメンを決定する工程、
    を包含する、方法。
  2. 非家畜動物の栄養摂取を管理するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    a) 以下のiまたはiiのうちの少なくとも1つに関するデータベースを得る工程:
    i.該動物の種、
    ii.該種の選択された群;
    b) 該動物に関するデータを得る工程であって、該データは、該動物に関する実験的試験データを含む、工程;
    c) a)のデータベースと、b)のデータとを、コンピューターにより関連づける工程;および
    d) c)に基づいて、該動物の管理のための栄養学的レジメンを決定する工程、
    を包含する、方法。
  3. 非家畜動物の健康を管理するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    a) 以下のiまたはiiのうちの少なくとも1つに関するデータベースを得る工程:
    i.該動物の種、
    ii.該種の選択された群;
    b) 該動物に関するデータを得る工程であって、該データは、該動物に関する診断的実験的試験データを含む、工程;
    c) a)のデータベースと、b)のデータとを、コンピューターにより関連づける工程;および
    d) c)に基づいて、該動物の管理のための治療的介入または治療的管理を決定する工程、
    を包含する、方法。
  4. 請求項1、2または3に記載の方法であって、前記動物に関する遺伝的プロフィールデータを得る工程をさらに包含する、方法。
  5. 前記種および前記動物がイヌである、請求項1、2または3に記載の方法。
  6. 前記種および前記動物がネコである、請求項1、2または3に記載の方法。
  7. 前記種の選択された群のデータベースが、品種、年齢、性別、大きさ、体重、能力、または地理的位置のうちの少なくとも1つである、請求項1、2または3に記載の方法。
  8. 前記栄養学的レジメンが、食品、おやつ、飲料、栄養補助食品、全体論的処置および運動からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  9. 前記治療的介入または治療的管理が、薬物、栄養補助食品、栄養補助剤、全体論的処置および運動からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  10. 前記診断的実験的試験データは、選択された被験体についての包括的な全身健康プロフィールおよび少なくとも1つの選択された診断プロフィールである、請求項1、2または3に記載の方法。
  11. 前記コンピューターが、専門システム、または相互関係プログラム、またはデータベースとデータとの関係を決定するためのネットワークのうちの少なくとも1つを使用する、請求項1、2または3に記載の方法。
  12. インターネットを含むコミュニケーションネットワーク上での決定を報告する工程を包含する、請求項1、2または3に記載の方法。
  13. インターネットを含むコミュニケーションネットワーク上での決定を報告する工程、および該インターネットを通じた該報告に対する支払いを得る工程を包含する、請求項1、2、または3に記載の方法。
  14. 非家畜動物における疾患を調節するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    a) 以下のiまたはiiのうちの少なくとも1つに関するデータベースを得る工程:
    i. 該動物の種、
    ii. 該種の選択された群;
    b) 該動物に関する遺伝子型データを得る工程であって、該遺伝子型データは、該疾患と関連するDNAマーカーに関する遺伝的プロフィールデータを含む、工程;
    c) a)のデータベースと、b)のデータとを、コンピューターにより関連づける工程;および
    d) c)に基づいて、該疾患を調節するための栄養学的レジメンを決定する工程、
    を包含する、方法。
  15. 前記調節する工程が、前記疾患の阻害である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記調節する工程が、前記疾患の予防である、請求項14に記載の方法。
  17. 非家畜動物における疾患を調節する方法であって、該方法は、以下の工程:
    a) DNA試験を行って、該疾患と関連する既知のDNAマーカーを測定する工程;
    b) 該DNA試験からデータを得る工程;および
    c) b)に基づいて、該疾患を調節するための栄養学的レジメンを決定する工程、
    を包含する、方法。
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