JP2005503057A - ジッタバッファおよびパケット化遅延の計算方法 - Google Patents
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Abstract
パケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法で、送信側から各対それぞれ既知の時間間隔で送られたN対の異なるサイズS1およびS2のパケットを受信側で受信するステップと、各対ごとにパケット到着時間間隔を測定するステップと、パケット到着時間間隔の平均値を使って速度係数を計算するステップと、速度係数およびパケットサイズを使ってジッタバッファの深さを計算するステップとから成る。送信側での最適化されたパケット化遅延は、ジッタバッファの深さを使って計算できる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット交換網(PSN)に関し、特にこの交換網の回線エミュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
回線エミュレーションでは、パケット交換網の固有のジッタを補償するためにジッタバッファを維持する必要がある。ジッタバッファが大きければ大きなジッタを補償できるが、その際に遅延が生じる。大きな遅延は、避けなければならない。なぜなら、十分なサービスを提供するためには、全回線の端末間の遅延を制限する必要があるからである。従って、パケット損失を起こさないように遅延を最小限にとどめるという両方の要求を最もよく満足する正しいジッタバッファの深さ(値)(jitter buffer depth)を求めることは重要である。一つの方法は、システム(使用者)に各回線ごとに、正しい値を知っているものとして、ジッタバッファの深さを設定させる方法である。しかし、この方法には問題がある。その理由は、交換網のジッタは、予め知ることができないからである。そのため、正しいジッタバッファの深さを選択する自動アルゴリズムが求められている。
回線エミュレーションの現在の基準では、各パケットのペイロードサイズを選択するため、構成を自由に選択することができる。パケタイザは、時分割多重(TDM)ストリームから一定組のバイトを蓄積して、この一定組のバイトをパケットにペイロードとして乗せて、送信側からPSNを介して遠端(受信側)に送る。従って、パケタイザによりパケット化遅延と呼ばれる遅延が生じる。パケット化遅延は、送信側がこれらのデータを運ぶ最初のパケットを送り出す前に送信側に蓄積されたデータ量である。等式1は、パケット交換網の端末間遅延をもたらす成分を示している。
ここで、Sはビット数で表すパケットサイズ、Riは1秒あたりのリンクiのビットレート、Tsはパケット送信時刻、Trは遠端でのパケット受信時刻、Pは送信側から受信側までの経路での伝搬遅延、Frは送出遅延、Jはパケット網のジッタである。パケット化遅延が小さいということは、パケットのペイロードが小さいことを意味し、従って、交換網の利用率が低いことを意味し、即ちペイロードのトランスポート付加バイトに対する割合が小さくなる。端末間遅延を小さくすることと交換網利用率を上げることの間で妥協点を見いだす必要がある。再度述べるが、最良のパケット化遅延を計算する自動アルゴリズムがあれば手動設定よりも著しく有利となる。
【0003】
全回線にわたってエミュレートしたTDM通話による遅延は、受信側のジッタバッファと、送信側のパケット化遅延と、各ノードでの伝搬遅延および処理遅延との総和である。伝送路沿いの各蓄積送出交換機は、二つ主成分、即ち、(プログラムの)実行によって変わるパケット送出遅延と、負荷遅延および待機遅延にジッタを付与する。待機遅延とはパケットが送信されるまで行列して待っている全時間である。送出遅延は、無視できるものとする。ジッタバッファは、交換網に生じた待機遅延により情報が失われていないことを確かめる必要がある。たとえ、回線エミュレーショントラフィックが好ましい送出処理を受けていても、各ホップ内では到着パケット以前に既に最大サイズのパケットが送られてきていることもあり、その場合には先着のパケットが送り出されるまで、新しいパケットは行列して待たなければならない。従って、この現象を防ぐには、最小のジッタバッファの深さは、次式のとおりでなければならない。
ここで、JBは最小ジッタバッファの深さ、Smは最大サイズのパケット、そして、F=Σ1/Riは「速度係数」(speed factor)である。例えば、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))に基づく交換網では、Smの値は約1500バイトまたは12キロビットである。もし、イーサネット(登録商標)の交換網が10個の1Gイーサネット(登録商標)リンクで相互接続された9台の交換機で構成されているとすれば、JB=12K*10/1G/s=0.12ミリ秒となる。JBのこの値は、TDMフレームの0.125ミリ秒のオーダーでバッファを維持することに対応する。二つの高速イーサネット(登録商標)リンク(100Mbit/s)と五つの1Gイーサネット(登録商標)リンクを有する交換網を仮定すると、JBは二つのTDMフレーム(0.25ミリ秒)と等しいかあるいはそれ以上である。
【0004】
TDMサービスでは、全TDMインフラにわたってのサービスが通信の混乱を起こすような端末間遅延を生じさせないようにするために、各セグメントに一定の遅延を強制する。G-114 (ITU-T G-114基準、02/96) では、国内および国際デジタル伝送線路にわたっての端末間遅延計画を勧告している。端末間遅延は、各ホップごとの処理遅延によるばかりでなく伝搬遅延にもよる。前記勧告のClause 3は、機器に対する処理時間の割当てについて述べている。デジタル中継交換機(Digital Transit Exchange)に対して推奨されている処理時間は、0.45ミリ秒である。例えば、市内交換局間の純デジタル交換網の仮計画では、デジタル切換え交換機5台とPCMコーダ/デコーダ1台を含めて、全体の処理遅延を3ミリ秒としている。国際通話については、マルチプレクサ、交換機およびクロスコネクトを含む国内処理遅延の限度は、6ミリ秒とされ、一方、高速国際リンクについては、処理遅延の限度は、3ミリ秒とされている。
エミュレートされた回線は、一組の実TDM回線の代わりをする。エミュレートされた回線による遅延は、伝搬遅延と処理遅延に分けられる。この遅延を基準のものと比較するために、処理遅延成分だけに注目する。等式3は、伝搬遅延以外の端末間遅延を生じるすべての成分を示している。この式では一定のパケットサイズ(圧縮なし)Sを想定している。
ここで、Edは受信側での処理遅延Edrおよび送信側での処理遅延Edsから成るエッジ処理遅延(Ed=Edr+Eds)であり、Fdは送出遅延、Pkはパケット化遅延、Prはエミュレートされた回線による等価処理遅延である。Prを基準TDMの処理遅延と比べると、EdrとEdsに対する標準的な値は、1および2TDMフレーム、即ち各エッジで250ミリ秒である。最新のパケット交換網におけるFdは、マイクロ秒のオーダーである。
【0005】
1本のエミュレートされた擬似線で、場合によっては、市内交換機間の全伝送インフラ、さらに全国内伝送インフラの代わりとすることができる。しかし、より穏当なやり方では、1本のエミュレートされた擬似線が2台のデジタル中継交換機の代わりをする。従って、理想的にはPr<0.9msであるが、Pr<3mでもよい。
送出処理時間Fdは無視できる。ジッタバッファJBは遠端末で既知であり、近端末に送り返すことができる。近端末のエッジ処理遅延は既知であり、遠端末の処理遅延は近端末の処理遅延と同じと考えてもよいし、あるいは近端末に送り返してもよい。
ジッタバッファの計算とパケット化遅延の上記問題を解決し、特に、正しいジッタバッファの選択および最適パケット化遅延の計算のための自動アルゴリズムが得られる方法の必要性は、広く認識されており、また、そのような方法が実現できれば非常に有益である。
【非特許文献1】
RFC1191, IETF, "Path MTU Discovery", J. Mogul, S. Deering, November 1990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ジッタバッファの深さの自動的な計算と、このジッタバッファの深さと速度係数に基づいて最大のパケット化遅延の計算を可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法は、受信側ではそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、前記それぞれ異なるサイズのN対のパケットの前記繰り返し受信を使って速度係数Fを計算するステップと、前記速度係数を使ってジッタバッファの深さを計算するステップと、から成る。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法の一つの特徴は、前記速度係数の前記計算をするステップが、前記受信側で前記N対のパケットのそれぞれの到着時間間隔を測定するステップと、前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含むことである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に2から4の範囲の係数kを乗算するステップを含むことである。
【0008】
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数を等式5を使って計算することである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のさらにもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さを等式6を使って計算することである。
本発明によるパケット交換網の送信側でパケット化遅延を最適化する方法は、ジッタバッファの深さを受信するステップと、前記ジッタバッファの深さを使って最大のパケット化遅延を計算するステップと、から成る。
本発明によるパケット交換網の送信側でパケット化遅延を最適化する方法の一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの受信の前に、受信側でそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は、相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、異なるサイズの前記N対のパケットの繰り返しの受信を使って速度係数Fを計算するステップと、前記速度係数を使って前記ジッタバッファの深さを計算するステップと、を含むジッタバッファの深さの計算が行われることである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記最大のパケット化遅延の計算は、さらに受信側の処理遅延Edrを入力として受信するステップと、所望の処理遅延Prを入力として受信するステップと、前記最大のパケット化遅延を等式8を使って計算するステップと、を含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数の前記計算が受信側で前記N対のパケットのそれぞれのパケット到着時間間隔を測定するステップと、前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含むことである。
【0009】
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの前記計算の前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に2から4までの範囲の整数の係数kを乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数を等式5を使って計算することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、ジッタバッファおよびパケット化遅延の計算方法に関する。以下の説明は、先ずジッタバッファの計算から始まり、その次に計算したジッタバッファを入力として使うパケット化遅延を説明する。以下に述べる原理および動作は、添付の図面についての説明からいっそう良く理解できるであろう。
【0011】
ジッタバッファの計算
ジッタバッファの深さを計算するため、受信側は、送信側からそれぞれ時刻Ts1とTs2に送信された異なるサイズS1とS2の二つのパケットの到着時間Tr1とTr2を測定する。例えば、S1とS2の予想される値は、それぞれ2320ビットおよび320ビットである。この具体例では、最初のパケットは、2番目のパケットより大きいが、パケットサイズの差(S1−S2)の絶対値が下記の等式4および5で使用される限り、原理的にこの方法では2番目のパケットが最初のパケットよりも大きくても構わない。各対の二つのパケット間の時間差の標準的な値は0.125ミリ秒で、これはTDMの一フレームの持続時間と等価である。
以下の計算では、一対のパケット間の時間差だけが重要なので、送信側と受信側間の時間測定、あるいは時間測定の開始時点(時間=0)を間連付けることは重要ではない。等式1によれば、受信側で測定した時間間隔Ir=Tr1−Tr2は異なるパケットサイズによる伝搬遅延の違いばかりでなく、パケット交換網のジッタによるものである。
パケットが数個以上になると、ジッタ差Σ(J1−J2)が平均されてゼロになる。唯一未知として残されている係数Σ1/Riを抽出できる。
背景技術の項で述べたように、JBは必要なジッタバッファの最小のサイズで、一方、Σ1/Riは待機遅延が蓄積され得るインターフェイスの総和である。この総和は等式2で計算した速度係数と等価である。
ジッタバッファは、起動時のトレーニングセッションを使って計算するのが好ましい。トレーニングセッションでは、等式2で示すように、速度係数、従ってジッタバッファの計算を可能とする異なるサイズ(S1およびS2)のフレームから成る同じ対を繰り返し(N回)送信する。ここで、Nは2から10の範囲が好ましいが、5から7の範囲が最も好ましい。各パケットを0.125ミリ秒の間隔で送信すると仮定すると、Nが6の場合には、セットアップ時間(これは秒のオーダー)に対して僅か15ミリ秒の遅延を生じるだけで、この遅延は無視できるものである。稼動中、ジッタバッファは、本明細書に述べる方法で定期的に再評価でき、もし必要ならば新しいジッタバッファの深さを選択できる。好ましいジッタバッファの深さの計算手順を図1のブロック図に示す。
【0012】
図1では、送信ステップ110において、最初のパケットのサイズがS1、2番目がS2のサイズの異なる一対のパケットを送信側からそれぞれ送信時刻Ts1およびTs2で送信する。二つの送信時刻の間隔はIs=Ts2−Ts1である。受信ステップ112において、受信側では、一対のパケットのそれぞれのパケットの到着時間Tr1およびTr2を測定し、そのパケット対について受信側到着時間間隔Ir=Tr2−Tr1を計算する。繰り返しステップ114において、ステップ110における同じパケット対を最初に送ったパケット対と全く同じパケットサイズS1およびS2を使い、さらに同じ送信時間間隔IsでN回繰り返し送信する。これらのパケット対は受信側で受信され、ステップ112において、各パケット対について到着時間間隔を受信側でも同じように繰り返し計算する。通知ステップ116において、送信側はタイムスタンプTs1およびTs2および/または送信時間間隔Isを受信側に与えることができる。平均化ステップ118において、受信側はすべての受信パケットの到着時間間隔の平均Ir(av)を計算し、Is、S1およびS2は既知なので、速度係数抽出ステップ120において、速度係数Fを等式5(Ir(av)はIrとなっている)を使って抽出する。次に、ジッタバッファ計算ステップ122で受信側は下記のように、k(正の整数)を乗じた等式2を用いてジッタバッファの深さを計算する。
Smは構成によるか、あるいはRFC1191(RFC1191, IETF, "Path MTU Discovery", J. Mogul, S. Deering, November 1990)に定義されているようにMTU(最大転送単位)発見プロトコルを使うかして知ることができる。k=1で必要とされる最小ジッタバッファの深さが得られる。ジッタバッファ設定ステップ124において、受信側はJBをJB*と等しいかそれより大きい値に設定する(JB≧JB*)。
【0013】
パケット化遅延の計算
次に、パケット化遅延の自動計算の好ましい実施例を述べる。遠端末のジッタバッファを近端末に送り返すと仮定すると、パケット化遅延は、基準遅延値を満足させるような値に計算する。原理的には、どの既知の方法によって得たジッタバッファの深さを使っても以下に述べるようにパケット化遅延を得ることができる。しかし、本発明によるパケット化遅延の自動計算に使うジッタバッファの深さは、上述した方法で得るのが好ましい。
パケット化遅延は、端末間遅延の減少とパケット交換網の有効利用との折り合いを付けられるような値にすべきである。理想的なパケット化遅延は、等式3を解くと、Prがほぼ1ミリ秒に等しくなる最大のパケット化遅延である。パケットサイズSは、オーバーヘッドとペイロードとから成る。圧縮を考えないと、ペイロードサイズは、パケット化遅延に直接比例する。
ここで、Oはオーバヘッドビットの数、Yはペイロードビットの数、Cはサーキットフレーム中のビットの数である。従って、遠方エッジのジッタバッファが例えば上述した等式4から等式6によるジッタバッファの計算で既知であリ、また送出遅延は無視できるものとすると、等式8で与えられるような理想的なパケット化遅延を得ることができる。
JBの値を遠端末から近端末へ送るか、あるいはJBの値を(システム管理者により)設定する必要がある。係数OとCは、用いられた回線およびカプセル包装(encapsulation)(パケットをカプセルで包むこと)の特性から分かる。係数Σ1/Riは、遠端末から送られるか、あるいは設定することができる速度係数Fである。Fは、等式5を使って計算するのが好ましいが、設定によって得てもよい。
【0014】
図2のブロック図にパケット化遅延計算ステップの好ましい実施例を示す。パラメータ通知ステップ150において、送信側はジッタバッファの深さJBと、速度係数Fと、受信側処理遅延Edrとを設定入力として直接受信するか、あるいは受信側送信ブロック158に示すように、受信側から任意に受け取る。続いて、送信側は処理遅延取得ステップ152において、標準仕様で許される所望の処理遅延Prを設定値から取得し、計算ステップ154で等式8により最大のパケット化遅延を計算する。最後に、遅延選択ステップ156において、送信側がステップ154で得られた最大遅延より小さいか、あるいは等しいパケット化遅延となるペイロードサイズを選択する。
【0015】
本明細書で言及したすべての刊行物、特許および特許出願は、それらがあたかも特別にかつ個別に言及されていると同じように本明細書に記載されている。さらに、本明細書における参考のための引用または証明は、本発明に対する先行技術として認めるものと解釈すべきではない。
本発明を限られた数の実施例について説明したが、本発明は多くの変形、変更そして他の応用が可能であることが分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ジッタバッファの深さの計算ステップの好ましい実施例を示す図である。
【図2】自動パケット化遅延の計算ステップの好ましい実施例を示す図である。
【0001】
本発明は、パケット交換網(PSN)に関し、特にこの交換網の回線エミュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
回線エミュレーションでは、パケット交換網の固有のジッタを補償するためにジッタバッファを維持する必要がある。ジッタバッファが大きければ大きなジッタを補償できるが、その際に遅延が生じる。大きな遅延は、避けなければならない。なぜなら、十分なサービスを提供するためには、全回線の端末間の遅延を制限する必要があるからである。従って、パケット損失を起こさないように遅延を最小限にとどめるという両方の要求を最もよく満足する正しいジッタバッファの深さ(値)(jitter buffer depth)を求めることは重要である。一つの方法は、システム(使用者)に各回線ごとに、正しい値を知っているものとして、ジッタバッファの深さを設定させる方法である。しかし、この方法には問題がある。その理由は、交換網のジッタは、予め知ることができないからである。そのため、正しいジッタバッファの深さを選択する自動アルゴリズムが求められている。
回線エミュレーションの現在の基準では、各パケットのペイロードサイズを選択するため、構成を自由に選択することができる。パケタイザは、時分割多重(TDM)ストリームから一定組のバイトを蓄積して、この一定組のバイトをパケットにペイロードとして乗せて、送信側からPSNを介して遠端(受信側)に送る。従って、パケタイザによりパケット化遅延と呼ばれる遅延が生じる。パケット化遅延は、送信側がこれらのデータを運ぶ最初のパケットを送り出す前に送信側に蓄積されたデータ量である。等式1は、パケット交換網の端末間遅延をもたらす成分を示している。
ここで、Sはビット数で表すパケットサイズ、Riは1秒あたりのリンクiのビットレート、Tsはパケット送信時刻、Trは遠端でのパケット受信時刻、Pは送信側から受信側までの経路での伝搬遅延、Frは送出遅延、Jはパケット網のジッタである。パケット化遅延が小さいということは、パケットのペイロードが小さいことを意味し、従って、交換網の利用率が低いことを意味し、即ちペイロードのトランスポート付加バイトに対する割合が小さくなる。端末間遅延を小さくすることと交換網利用率を上げることの間で妥協点を見いだす必要がある。再度述べるが、最良のパケット化遅延を計算する自動アルゴリズムがあれば手動設定よりも著しく有利となる。
【0003】
全回線にわたってエミュレートしたTDM通話による遅延は、受信側のジッタバッファと、送信側のパケット化遅延と、各ノードでの伝搬遅延および処理遅延との総和である。伝送路沿いの各蓄積送出交換機は、二つ主成分、即ち、(プログラムの)実行によって変わるパケット送出遅延と、負荷遅延および待機遅延にジッタを付与する。待機遅延とはパケットが送信されるまで行列して待っている全時間である。送出遅延は、無視できるものとする。ジッタバッファは、交換網に生じた待機遅延により情報が失われていないことを確かめる必要がある。たとえ、回線エミュレーショントラフィックが好ましい送出処理を受けていても、各ホップ内では到着パケット以前に既に最大サイズのパケットが送られてきていることもあり、その場合には先着のパケットが送り出されるまで、新しいパケットは行列して待たなければならない。従って、この現象を防ぐには、最小のジッタバッファの深さは、次式のとおりでなければならない。
ここで、JBは最小ジッタバッファの深さ、Smは最大サイズのパケット、そして、F=Σ1/Riは「速度係数」(speed factor)である。例えば、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))に基づく交換網では、Smの値は約1500バイトまたは12キロビットである。もし、イーサネット(登録商標)の交換網が10個の1Gイーサネット(登録商標)リンクで相互接続された9台の交換機で構成されているとすれば、JB=12K*10/1G/s=0.12ミリ秒となる。JBのこの値は、TDMフレームの0.125ミリ秒のオーダーでバッファを維持することに対応する。二つの高速イーサネット(登録商標)リンク(100Mbit/s)と五つの1Gイーサネット(登録商標)リンクを有する交換網を仮定すると、JBは二つのTDMフレーム(0.25ミリ秒)と等しいかあるいはそれ以上である。
【0004】
TDMサービスでは、全TDMインフラにわたってのサービスが通信の混乱を起こすような端末間遅延を生じさせないようにするために、各セグメントに一定の遅延を強制する。G-114 (ITU-T G-114基準、02/96) では、国内および国際デジタル伝送線路にわたっての端末間遅延計画を勧告している。端末間遅延は、各ホップごとの処理遅延によるばかりでなく伝搬遅延にもよる。前記勧告のClause 3は、機器に対する処理時間の割当てについて述べている。デジタル中継交換機(Digital Transit Exchange)に対して推奨されている処理時間は、0.45ミリ秒である。例えば、市内交換局間の純デジタル交換網の仮計画では、デジタル切換え交換機5台とPCMコーダ/デコーダ1台を含めて、全体の処理遅延を3ミリ秒としている。国際通話については、マルチプレクサ、交換機およびクロスコネクトを含む国内処理遅延の限度は、6ミリ秒とされ、一方、高速国際リンクについては、処理遅延の限度は、3ミリ秒とされている。
エミュレートされた回線は、一組の実TDM回線の代わりをする。エミュレートされた回線による遅延は、伝搬遅延と処理遅延に分けられる。この遅延を基準のものと比較するために、処理遅延成分だけに注目する。等式3は、伝搬遅延以外の端末間遅延を生じるすべての成分を示している。この式では一定のパケットサイズ(圧縮なし)Sを想定している。
ここで、Edは受信側での処理遅延Edrおよび送信側での処理遅延Edsから成るエッジ処理遅延(Ed=Edr+Eds)であり、Fdは送出遅延、Pkはパケット化遅延、Prはエミュレートされた回線による等価処理遅延である。Prを基準TDMの処理遅延と比べると、EdrとEdsに対する標準的な値は、1および2TDMフレーム、即ち各エッジで250ミリ秒である。最新のパケット交換網におけるFdは、マイクロ秒のオーダーである。
【0005】
1本のエミュレートされた擬似線で、場合によっては、市内交換機間の全伝送インフラ、さらに全国内伝送インフラの代わりとすることができる。しかし、より穏当なやり方では、1本のエミュレートされた擬似線が2台のデジタル中継交換機の代わりをする。従って、理想的にはPr<0.9msであるが、Pr<3mでもよい。
送出処理時間Fdは無視できる。ジッタバッファJBは遠端末で既知であり、近端末に送り返すことができる。近端末のエッジ処理遅延は既知であり、遠端末の処理遅延は近端末の処理遅延と同じと考えてもよいし、あるいは近端末に送り返してもよい。
ジッタバッファの計算とパケット化遅延の上記問題を解決し、特に、正しいジッタバッファの選択および最適パケット化遅延の計算のための自動アルゴリズムが得られる方法の必要性は、広く認識されており、また、そのような方法が実現できれば非常に有益である。
【非特許文献1】
RFC1191, IETF, "Path MTU Discovery", J. Mogul, S. Deering, November 1990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ジッタバッファの深さの自動的な計算と、このジッタバッファの深さと速度係数に基づいて最大のパケット化遅延の計算を可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法は、受信側ではそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、前記それぞれ異なるサイズのN対のパケットの前記繰り返し受信を使って速度係数Fを計算するステップと、前記速度係数を使ってジッタバッファの深さを計算するステップと、から成る。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法の一つの特徴は、前記速度係数の前記計算をするステップが、前記受信側で前記N対のパケットのそれぞれの到着時間間隔を測定するステップと、前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含むことである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に2から4の範囲の係数kを乗算するステップを含むことである。
【0008】
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数を等式5を使って計算することである。
本発明によるパケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法のさらにもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さを等式6を使って計算することである。
本発明によるパケット交換網の送信側でパケット化遅延を最適化する方法は、ジッタバッファの深さを受信するステップと、前記ジッタバッファの深さを使って最大のパケット化遅延を計算するステップと、から成る。
本発明によるパケット交換網の送信側でパケット化遅延を最適化する方法の一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの受信の前に、受信側でそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は、相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、異なるサイズの前記N対のパケットの繰り返しの受信を使って速度係数Fを計算するステップと、前記速度係数を使って前記ジッタバッファの深さを計算するステップと、を含むジッタバッファの深さの計算が行われることである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記最大のパケット化遅延の計算は、さらに受信側の処理遅延Edrを入力として受信するステップと、所望の処理遅延Prを入力として受信するステップと、前記最大のパケット化遅延を等式8を使って計算するステップと、を含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数の前記計算が受信側で前記N対のパケットのそれぞれのパケット到着時間間隔を測定するステップと、前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含むことである。
【0009】
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの前記計算の前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に2から4までの範囲の整数の係数kを乗算するステップを含むことである。
本発明によるパケット交換網の送信側パケット化遅延を最適化する方法のもう一つの特徴は、前記速度係数を等式5を使って計算することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、ジッタバッファおよびパケット化遅延の計算方法に関する。以下の説明は、先ずジッタバッファの計算から始まり、その次に計算したジッタバッファを入力として使うパケット化遅延を説明する。以下に述べる原理および動作は、添付の図面についての説明からいっそう良く理解できるであろう。
【0011】
ジッタバッファの計算
ジッタバッファの深さを計算するため、受信側は、送信側からそれぞれ時刻Ts1とTs2に送信された異なるサイズS1とS2の二つのパケットの到着時間Tr1とTr2を測定する。例えば、S1とS2の予想される値は、それぞれ2320ビットおよび320ビットである。この具体例では、最初のパケットは、2番目のパケットより大きいが、パケットサイズの差(S1−S2)の絶対値が下記の等式4および5で使用される限り、原理的にこの方法では2番目のパケットが最初のパケットよりも大きくても構わない。各対の二つのパケット間の時間差の標準的な値は0.125ミリ秒で、これはTDMの一フレームの持続時間と等価である。
以下の計算では、一対のパケット間の時間差だけが重要なので、送信側と受信側間の時間測定、あるいは時間測定の開始時点(時間=0)を間連付けることは重要ではない。等式1によれば、受信側で測定した時間間隔Ir=Tr1−Tr2は異なるパケットサイズによる伝搬遅延の違いばかりでなく、パケット交換網のジッタによるものである。
パケットが数個以上になると、ジッタ差Σ(J1−J2)が平均されてゼロになる。唯一未知として残されている係数Σ1/Riを抽出できる。
背景技術の項で述べたように、JBは必要なジッタバッファの最小のサイズで、一方、Σ1/Riは待機遅延が蓄積され得るインターフェイスの総和である。この総和は等式2で計算した速度係数と等価である。
ジッタバッファは、起動時のトレーニングセッションを使って計算するのが好ましい。トレーニングセッションでは、等式2で示すように、速度係数、従ってジッタバッファの計算を可能とする異なるサイズ(S1およびS2)のフレームから成る同じ対を繰り返し(N回)送信する。ここで、Nは2から10の範囲が好ましいが、5から7の範囲が最も好ましい。各パケットを0.125ミリ秒の間隔で送信すると仮定すると、Nが6の場合には、セットアップ時間(これは秒のオーダー)に対して僅か15ミリ秒の遅延を生じるだけで、この遅延は無視できるものである。稼動中、ジッタバッファは、本明細書に述べる方法で定期的に再評価でき、もし必要ならば新しいジッタバッファの深さを選択できる。好ましいジッタバッファの深さの計算手順を図1のブロック図に示す。
【0012】
図1では、送信ステップ110において、最初のパケットのサイズがS1、2番目がS2のサイズの異なる一対のパケットを送信側からそれぞれ送信時刻Ts1およびTs2で送信する。二つの送信時刻の間隔はIs=Ts2−Ts1である。受信ステップ112において、受信側では、一対のパケットのそれぞれのパケットの到着時間Tr1およびTr2を測定し、そのパケット対について受信側到着時間間隔Ir=Tr2−Tr1を計算する。繰り返しステップ114において、ステップ110における同じパケット対を最初に送ったパケット対と全く同じパケットサイズS1およびS2を使い、さらに同じ送信時間間隔IsでN回繰り返し送信する。これらのパケット対は受信側で受信され、ステップ112において、各パケット対について到着時間間隔を受信側でも同じように繰り返し計算する。通知ステップ116において、送信側はタイムスタンプTs1およびTs2および/または送信時間間隔Isを受信側に与えることができる。平均化ステップ118において、受信側はすべての受信パケットの到着時間間隔の平均Ir(av)を計算し、Is、S1およびS2は既知なので、速度係数抽出ステップ120において、速度係数Fを等式5(Ir(av)はIrとなっている)を使って抽出する。次に、ジッタバッファ計算ステップ122で受信側は下記のように、k(正の整数)を乗じた等式2を用いてジッタバッファの深さを計算する。
Smは構成によるか、あるいはRFC1191(RFC1191, IETF, "Path MTU Discovery", J. Mogul, S. Deering, November 1990)に定義されているようにMTU(最大転送単位)発見プロトコルを使うかして知ることができる。k=1で必要とされる最小ジッタバッファの深さが得られる。ジッタバッファ設定ステップ124において、受信側はJBをJB*と等しいかそれより大きい値に設定する(JB≧JB*)。
【0013】
パケット化遅延の計算
次に、パケット化遅延の自動計算の好ましい実施例を述べる。遠端末のジッタバッファを近端末に送り返すと仮定すると、パケット化遅延は、基準遅延値を満足させるような値に計算する。原理的には、どの既知の方法によって得たジッタバッファの深さを使っても以下に述べるようにパケット化遅延を得ることができる。しかし、本発明によるパケット化遅延の自動計算に使うジッタバッファの深さは、上述した方法で得るのが好ましい。
パケット化遅延は、端末間遅延の減少とパケット交換網の有効利用との折り合いを付けられるような値にすべきである。理想的なパケット化遅延は、等式3を解くと、Prがほぼ1ミリ秒に等しくなる最大のパケット化遅延である。パケットサイズSは、オーバーヘッドとペイロードとから成る。圧縮を考えないと、ペイロードサイズは、パケット化遅延に直接比例する。
ここで、Oはオーバヘッドビットの数、Yはペイロードビットの数、Cはサーキットフレーム中のビットの数である。従って、遠方エッジのジッタバッファが例えば上述した等式4から等式6によるジッタバッファの計算で既知であリ、また送出遅延は無視できるものとすると、等式8で与えられるような理想的なパケット化遅延を得ることができる。
JBの値を遠端末から近端末へ送るか、あるいはJBの値を(システム管理者により)設定する必要がある。係数OとCは、用いられた回線およびカプセル包装(encapsulation)(パケットをカプセルで包むこと)の特性から分かる。係数Σ1/Riは、遠端末から送られるか、あるいは設定することができる速度係数Fである。Fは、等式5を使って計算するのが好ましいが、設定によって得てもよい。
【0014】
図2のブロック図にパケット化遅延計算ステップの好ましい実施例を示す。パラメータ通知ステップ150において、送信側はジッタバッファの深さJBと、速度係数Fと、受信側処理遅延Edrとを設定入力として直接受信するか、あるいは受信側送信ブロック158に示すように、受信側から任意に受け取る。続いて、送信側は処理遅延取得ステップ152において、標準仕様で許される所望の処理遅延Prを設定値から取得し、計算ステップ154で等式8により最大のパケット化遅延を計算する。最後に、遅延選択ステップ156において、送信側がステップ154で得られた最大遅延より小さいか、あるいは等しいパケット化遅延となるペイロードサイズを選択する。
【0015】
本明細書で言及したすべての刊行物、特許および特許出願は、それらがあたかも特別にかつ個別に言及されていると同じように本明細書に記載されている。さらに、本明細書における参考のための引用または証明は、本発明に対する先行技術として認めるものと解釈すべきではない。
本発明を限られた数の実施例について説明したが、本発明は多くの変形、変更そして他の応用が可能であることが分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ジッタバッファの深さの計算ステップの好ましい実施例を示す図である。
【図2】自動パケット化遅延の計算ステップの好ましい実施例を示す図である。
Claims (14)
- パケット交換網のジッタバッファの深さを計算する方法であって、
a.受信側でそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、
b.前記N対のパケットの前記繰り返し受信を使って速度係数Fを計算するステップと、
c.前記速度係数を使ってジッタバッファの深さを計算するステップと、から成るジッタバッファの深さを計算する方法。 - 前記速度係数の前記計算をするステップは、
i. 前記受信側で前記N対のパケットのぞれぞれの到着時間間隔を測定するステップと、
ii. 前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含む請求項1に記載の方法。 - 前記ジッタバッファの前記計算前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含む請求項1に記載の方法。
- 前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に係数kを乗算するステップを含み、前記係数kは、2から4の間の整数である請求項2に記載の方法。
- 前記速度係数は、等式5を使って計算する請求項1に記載の方法。
- 前記ジッタバッファの深さは、等式6を使って計算する請求項4に記載の方法。
- パケット交換網の送信側でパケット化遅延を最適化する方法であって、
a.ジッタバッファの深さを受信するステップと、
b.前記ジッタバッファの深さを使って最大のパケット化遅延を計算するステップと、から成る方法。 - 前記ジッタバッファの深さの受信の前に、前記ジッタバッファの深さを計算する方法であって、
i. 受信側でそれぞれ異なるサイズS1およびS2の一対のパケットを送信側から受信し、前記パケット対は相互間で既知の送信時間間隔でN回繰り返し送信されるステップと、
ii. 前記N対のパケットの前記繰り返し受信を使って速度係数Fを計算するステップと、
iii. 前記速度係数を使って前記ジッタバッファの深さを計算するステップと、を含む請求項7に記載の方法。 - 前記最大のパケット化遅延の計算は、さらに
i. 受信側の処理遅延Edrを入力として受信するステップと、
ii. 所望の処理遅延Prを入力として受信するステップと、
iii. 前記最大のパケット化遅延を等式8を使って計算するステップと、を含む請求項7に記載の方法。 - 前記速度係数の前記計算は、
i. 前記受信側で前記N対のパケットのそれぞれのパケット到着時間間隔を測定するステップと、
ii. 前記N対のパケットの到着時間間隔の平均を計算し、前記パケットサイズの差を使って前記速度係数を抽出するステップと、を含む請求項8に記載の方法。 - 前記ジッタバッファの前記計算の前に最大のパケットサイズを得るステップを含み、前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズに前記速度係数を乗算するステップを含む請求項8に記載の方法。
- 前記ジッタバッファの深さの前記計算は、さらに前記最大のパケットサイズと前記速度係数に係数kを乗算するステップを含み、前記係数kは、2から4の間の整数である請求項11に記載の方法。
- 前記速度係数は、等式5を使って計算する請求項8に記載の方法。
- 前記ジッタバッファの深さの前記計算は、等式6によって行う請求項13に記載の方法。
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