JP2005502332A - Gmg−2ポリヌクレオチド及びポリペプチド並びにそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の分野
本発明は代謝研究の分野、特に肥満及び肥満関連疾患及び障害の治療に有効な化合物の発見に関する。本発明に係る方法により治療されることが構想される肥満関連疾患又は障害は、非限定的に、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、及び高血圧を含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
以下の議論は本発明の理解を促進することを意図されるが、本発明の前分野であるとは意図されず、許可されない。
肥満は深刻な、広くはびこる、及び増大している公衆の健康問題である。米国においては、人口の20%は肥満である;欧州においては、それよりわずかに低い割合が肥満である[Friedman(2000)Nature404:632−634]。肥満は呼吸器合併症及び変形性関節症に加えて、高血圧、心血管疾患、糖尿病、及び癌の増大した危険性に関連する[Kopelman(2000)Nature404:635−643]。ささやかな体重減少でさえもこれらの関連する状態を改善する。
【0003】
体重増加又は減少の維持は、通常体重とは異なる体重の維持に対抗するエネルギー消費における代償的な変化に関連する[Leibel et al.(1995)N Engl J Med 332:621−8]。これらの変化は、部分的には、長期肥満治療の効果のなさの原因でありうる[Wadden(1993)Ann Intern Med 229:688−93]。さらに、何人かの患者における体重増加後の減少したインスリン感受性並びにささやかな量の体重減少の炭水化物代謝及びインスリン感受性に対する有益な効果はよく証明されている[Olefsky et al.(1974)J Clin Invest 53:64−76]。
【0004】
環境、食事、年齢及び運動を含む生活因子が肥満において役割を果たすことが証明されている一方で、双子研究、家族集団の分析、及び養子研究は全て、肥満は主に遺伝的因子の結果であることを示す[Barsh et al.(2000)Nature 404:644−651]。これらの研究と一致して、増大する数の肥満関連遺伝子が同定されているという事実がある。いくつかのより広範囲に研究されている遺伝子はレプチン(ob)及びその受容体(db)、プロ−オピオメラノコルチン(Pomc)、メラノコルチン−4−受容体(Mc4r)、アグーチタンパク質(A y )、カルボキシペプチダーゼE(fat)、5−ヒドロキシトリプタミン受容体2C(Htr2c)、無知の塩基性へリックス−ループ−へリックス2(NhIh2)、プロホルモン変換酵素I(PCSKI)、及びチュービータンパク質(tubby)をコードするものを含む[rev’d in Barsh et al.(2000)Nature 404:644−651]。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
本発明は、gGMG−2ポリペプチド断片といわれる、球状ドメインを含む全長GMG−2ポリペプチドの断片がヒト及び他の哺乳類において体重減少、体重増加の予防、及び血中グルコース値の制御についての利用を含む、in vitro及びin vivoで予想されない効果を有するホモ三量体を形成するという発見に基づく。本発明はさらに、N−末端に配置された独特の領域内のシステイン残基でのヂスルフィド結合をとおして形成されるgGMG−2ホモ三量体の複合体は、非複合体化gGMG−2ホモ三量体が有するよりも本明細書中で開示される活性についてより低い特異的活性を有するという発見に基づく。本発明はさらにコラーゲン様領域の全部又は一部を含むgGMG−2−ポリペプチド断片は本明細書中に開示される活性を有するより安定なgGMG−2ホモ三量体を形成するという発見に基づく。
【0006】
哺乳類におけるホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片投与のこれらの予想されない効果はまた、筋肉細胞における増大した脂肪酸酸化、及び高脂肪/高スクロース食を消費する哺乳類における体重減少に加えて、エピネフリンの投与、「内部脂質」のi.v.注入又は高脂肪試験食の投与により引き起こされた上昇した遊離脂肪酸値の減少を含む。gGMG−2ホモ三量体の複合体の投与は典型的に特異的な生物学的活性及び投与される量に因り、in vivo又はin vitroで全く又は非常にわずかにしか効果がないので、これらの効果は予想されないものであり、驚くべきものである。効果がgGMG−2ホモ三量体の複合体の投与に続いて観察される程度までの、効果に必要とされる複合体化したgGMG−2ホモ三量体の値のために、その投与はここでほとんどの場合においてヒトへの可能性のある治療としては実行不可能である。対照的に、本発明に係る非複合体化gGMG−2ホモ三量体は根本的により効果的であり、そしてしたがってヒトにおける治療について実行可能である値で提供されうる。
【0007】
したがって、本発明は、前記gGMG−2ポリペプチド断片を含む医薬の及び生理学的に許容される組成物並びに体重を減少させるため又は肥満関連疾患及び障害を治療するための前記gGMG−2の医薬の及び生理学的に許容される組成物の投与方法に加えて、gGMG−2ポリペプチド断片、前記gGMG−2ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチド、前記gGMG−2ポリヌクレオチドを含むベクター、及び前記gGMG−2ポリヌクレオチドについて組換えた細胞について示し、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びさらに、ここで、前記システイン残基はシステイン以外のアミノ酸で置換されているため又は前記断片は前記システイン残基まで伸びていないため、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内にシステイン残基を含まない。肥満関連活性のアゴニスト及びアンタゴニストを同定するための分析も本発明の部分である。
【0008】
ホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片活性のアンタゴニストは悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む、本発明に係る他の代謝関連疾患又は障害の治療においても効果的であるはずである。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0009】
第一の局面において、本発明は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、予想されない前記活性は脂肪分割、脂肪代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチドはコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内でシステインについて、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチヂン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、及びチロシンから成る群から選ばれるシステイン以外のアミノ酸の置換を含み、好ましくは、ここで、前記置換されたアミノ酸はセリンである。好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2の少なくとも6〜288以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4の少なくとも6〜278以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記ポリペプチドはコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される;又は配列ID番号:6の少なくとも6〜259以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記ポリペプチドはコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。
【0010】
他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化1】
から選ばれ、ここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸
【化2】
から選ばれ、ここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸
【化3】
から選ばれ、ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。さらに他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2の
【化4】
;又は配列ID番号:4の
【化5】
;又は配列ID番号:6の
【化6】
についてのアミノ酸から選ばれる。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。他のさらに好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2、4又は6の対応する連続的なアミノ酸と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を含む。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0011】
他の非常に好ましい態様においては、本発明はGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれる予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内でシステインについてアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチヂン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、及びチロシンから成る群から選ばれるシステイン以外のアミノ酸の置換を含み、好ましくはここで、前記置換されたアミノ酸はセリンである。好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化7】
から選ばれ、ここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸
【化8】
から選ばれ、ここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸
【化9】
から選ばれ、ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。あるいは、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2の対応するアミノ酸57〜288と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278若しくは配列ID番号:6の28〜259と少なくとも75%同一のアミノ酸配列を含む、主にそれから成る又はそれから成る。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0012】
他の非常に好ましい態様においては、本発明は、精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、予想されない前記活性は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内でシステインについてアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチヂン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、及びチロシンから成る群から選ばれるシステイン以外のアミノ酸の置換を含み、好ましくはここで、前記置換されたアミノ酸はセリンである。好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2の少なくとも6〜288以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される又は配列ID番号:4の少なくとも6〜278以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される又は配列ID番号:6の少なくとも6〜259以下の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。
【0013】
他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化10】
から選ばれ、ここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸
【化11】
から選ばれ、ここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸
【化12】
から選ばれ、ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。他のさらに好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2、4又は6の対応する連続的なアミノ酸と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を含む。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0014】
他の非常に好ましい態様においては、本発明はGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれる予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、及びここで、前記ポリペプチド断片は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内でシステインについて、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチヂン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、及びチロシンから成る群から選ばれるシステイン以外のアミノ酸の置換を含み、好ましくは、ここで、前記置換されたアミノ酸はセリンである。好ましくは、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸57〜288の少なくとも6の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278の少なくとも6の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、ここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される又は配列ID番号:6の28〜259アミノ酸の少なくとも6の連続的なアミノ酸を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。
【0015】
他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化13】
から選ばれ、ここで、66、69又は70位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸
【化14】
から選ばれ、ここで、56、59又は60位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸
【化15】
から選ばれ、ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。あるいは、前記gGMG−2ド断片は配列ID番号:2の対応するアミノ酸57〜288と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一の又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278若しくは配列ID番号:6の28〜259と少なくとも75%同一のアミノ酸配列を含む、主にそれから成る又はそれから成る。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0016】
さらに他の非常に好ましい態様において、本発明は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、予想されない前記活性は脂肪分割、脂肪代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は部分を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内のシステイン残基まで伸びない。好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2の少なくとも6〜288以下の連続的なアミノ酸又は配列ID番号:4の少なくとも6〜278以下の連続的なアミノ酸、又は配列ID番号:6の少なくとも6〜259以下の連続的なアミノ酸を含む、主にそれから成る又はそれから成る。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸57〜288、58〜288、59〜288、60〜288、61〜288、143〜288、144〜288、152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278、48〜278、49〜278、50〜278、51〜278、133〜278、134〜278、142〜278、143〜278、151〜278又は152〜278から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259、29〜259、30〜259、31〜259、32〜259、114〜259、114〜259、115〜259、123〜259、124〜259、132〜259又は133〜259から選ばれる。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。他のさらに好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2、4又は6の対応する連続的なアミノ酸と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を含む。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0017】
他の非常に好ましい態様において、本発明はGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は脂肪分割、脂肪代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれる予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内のシステイン残基まで伸びない。好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸57〜288、58〜288、59〜288、60〜288、61〜288、143〜288、144〜288、152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278、48〜278、49〜278、50〜278、51〜278、133〜278、134〜278、142〜278、143〜278、151〜278又は152〜278から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259、29〜259、30〜259、31〜259、32〜259、114〜259、114〜259、115〜259、123〜259、124〜259、132〜259又は133〜259から選ばれる。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。あるいは、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2の対応するアミノ酸57〜288と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一の又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278と少なくとも75%同一の又は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259と少なくとも75%同一のアミノ酸配列を含む、主にそれから成る又はそれから成る。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0018】
他の非常に好ましい態様において、本発明は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、予想されない前記活性は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内のシステイン残基まで伸びない。好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2の少なくとも6〜288以下の連続的なアミノ酸又は配列ID番号:4の少なくとも6〜278以下の連続的なアミノ酸又は配列ID番号:6の少なくとも6〜259以下の連続的なアミノ酸を含む、主にそれから成る又はそれから成る。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸57〜288、58〜288、59〜288、60〜288、61〜288、143〜288、144〜288、152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278、48〜278、49〜278、50〜278、51〜278、133〜278、134〜278、142〜278、143〜278、151〜278又は152〜278から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259、29〜259、30〜259、31〜259、32〜259、114〜259、114〜259、115〜259、123〜259、124〜259、132〜259又は133〜259から選ばれる。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。他のさらに好ましい態様においては、前記ポリペプチド断片は配列ID番号:2、4又は6の対応する連続的なアミノ酸と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を含む。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0019】
他の非常に好ましい態様において、本発明はGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記GMG−2ポリペプチド断片は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれる予想されない活性を有するホモ三量体を形成し、及びここで、前記ポリペプチド断片は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を含み、主にそれから成り又はそれから成り、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内のシステイン残基まで伸びない。好ましくは、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含む配列ID番号:2のアミノ酸57〜288の少なくとも6の連続的なアミノ酸又はコラーゲン様領域の全部又は一部を含む配列ID番号:4のアミノ酸配列47〜278の少なくとも6の連続的なアミノ酸又はコラーゲン様領域の全部又は一部を含む配列ID番号:6のアミノ酸28〜259の少なくとも6の連続的なアミノ酸を含む、主にそれから成る又はそれから成る。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸57〜288、58〜288、59〜288、60〜288、61〜288、143〜288、144〜288、152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278、48〜278、49〜278、50〜278、51〜278、133〜278、134〜278、142〜278、143〜278、151〜278又は152〜278から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259、29〜259、30〜259、31〜259、32〜259、114〜259、114〜259、115〜259、123〜259、124〜259、132〜259又は133〜259から選ばれる。最も好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片はヒトのものである。あるいは、前記gGMG−2断片は配列ID番号:2の対応するアミノ酸57〜288と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一の又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278と少なくとも75%同一の又は配列ID番号:6のアミノ酸28〜259と少なくとも75%同一のアミノ酸配列を含む、主にそれから成る又はそれから成る。上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0020】
他の非常に好ましい態様において、本発明は精製された、単離された又は組換えられたgGMG−2ポリペプチド断片を特徴付け、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は、単量体gGMG−2ポリペプチド断片より顕著に大きな活性を有するホモ三量体を形成し、ここで、予想されない前記活性は平滑筋増殖の阻害、前炎症性サイトカインの発現の阻害、細胞接着分子の発現の阻害、及び組織因子の発現の阻害から成る群から選ばれ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はコラーゲン様領域の全部又は一部を含み、及びここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片はN−末端に配置された独特の領域内のシステインについて、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチヂン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、及びチロシンから成る群から選ばれるシステイン以外のアミノ酸の置換を含み、好ましくはここで、前記置換されたアミノ酸はセリンである。
【0021】
さらに好ましい態様においては、上記gGMG−2ポリペプチド断片は(i)遊離脂肪酸、(ii)グルコース、及び/又は(iii)トリグリセリドの循環(血液、血清又は血漿)値(濃度)を低くすることができるホモ三量体を形成する。さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は遊離脂肪酸値低下活性、グルコース値低下活性、及び/又はトリグリセリド値低下活性を示すホモ三量体を形成し、同じモル濃度での全長GMG−2より顕著に大きな活性を有し、一過性の活性より大きなものを有し及び/又は維持された活性を有する。
【0022】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は、好ましくは以前に「肥満」であった及び現在は(本明細書中に定義される)「健康」である個体において、体重減少を維持するホモ三量体を形成するものである。
【0023】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は同じモル濃度の全長GMG−2ポリペプチドと比較して、筋肉の脂質又は遊離脂肪酸酸化を顕著に刺激するホモ三量体を形成するものである。さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は無処理の細胞又は全長GMG−2で処理した細胞と比較して、同じ断片の存在下で分化したC2C12細胞を少なくとも10%、20%、30%、35%又は40%多くオレイン酸酸化させるホモ三量体を形成するものである。
【0024】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は肝細胞系(好ましくはBPRCLマウス肝細胞(ATCC CRL−2217))における増大するレプチン取り込みで全長GMG−2より少なくとも30%より効果的であるホモ三量体を形成するものである。
【0025】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は特に高脂肪食後の、血漿遊離脂肪酸における食後増大を顕著に減少させるホモ三量体を形成するものである。
【0026】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は特に、高脂肪食後の、ケトン体産生を顕著に減少させる又は除去するホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は骨格筋細胞においてグルコース取り込みを増大させるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は脂肪細胞においてグルコース取り込みを増大させるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいGMG−2ポリペプチド断片は神経細胞においてグルコース取り込みを増大させるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は赤血球細胞においてグルコース取り込みを増大させるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は脳においてグルコース取り込みを増大させるホモ三量体を形成するものである。
【0027】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は食事、特に高炭水化物食後の血漿グルコースにおける食後増大を顕著に減少させるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は食事、特に高脂肪又は高炭水化物食後の血漿グルコースにおける食後増大を顕著に妨げるホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片はインスリン感受性を改善するホモ三量体を形成するものである。
【0028】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は損なわれたグルコース耐性からインスリン抵抗性への進行を阻害するホモ三量体を形成するものである。
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は筋肉マスを増大させるホモ三量体を形成するもの、好ましくは筋細胞数を増大させるもの、より好ましくは筋繊維数を増大させるものである。
【0029】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は体重肥大における増大を促進させるホモ三量体を形成するもの、好ましくは筋肉マスにおける増大を促進させる断片である。さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は、好ましくはgGMG−2ポリペプチド断片の非存在下での平均成長速度より大きな成長速度で増大を促進させて、成長速度を促進させる。
【0030】
さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は新生哺乳類、好ましくは、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、マウス、ラット、ブタ、イヌ又はヒト新生児、より好ましくは0〜6月齢のヒト新生児、最も好ましくは0〜3月齢のヒト新生児における成長速度を促進するホモ三量体を形成するものである。さらに好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は新生の体重不足の又は未熟の哺乳類、好ましくは、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、マウス、ラット、ブタ、イヌ又はヒトの体重不足の又は未熟の新生児、より好ましくは0〜6月齢のヒトの体重不足の又は未熟の新生児、最も好ましくは0〜3月齢のヒトの体重不足の又は未熟の新生児において成長速度を促進させるホモ三量体を形成するものである。
【0031】
さらに好ましくはgGMG−2ポリペプチド断片はin vitro及び/又はin vivoでホモ三量体を形成するものである。より好ましくはgGMG−2ポリペプチド断片はin vitro及び/又はin vivoでホモ三量体を形成するものであり、ここで、少なくとも10%,15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の前記gGMG−2ポリペプチド断片は前記ホモ三量体を含む。最も特に好ましいgGMG−2ポリペプチド断片はin vitro及び/又はin vivoで脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれる活性を有するホモ三量体を形成するものである。また最も特に好ましいgGMG−2ポリペプチド断片はin vitro及び/又はin vivoで体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれる活性を有するホモ三量体を形成するものである。上記に示すように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0032】
さらに好ましい態様は本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片を含む異種のポリペプチドを含む。より好ましいものは本発明に係る前記gGMG−2ポリペプチドにN−末端で融合されたシグナルペプチドから成る前記異種のポリペプチドである。さらにより好ましい態様においては、前記シグナルペプチドは好ましくは配列atggtaagaatggtgcctgtcctgctgtctctgctgctgcttctgggtcctgctgtccccのポリヌクレオチドによりコードされる、アミノ酸配列MVRMVPVLLSLLLLLGPAVPのヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドである。
【0033】
第二の局面において、本発明は第一の局面において示した前記gGMG−2ポリペプチド断片又は全長GMG−2ポリペプチドをコードする精製された、単離された又は組換えられたポリヌクレオチド又はその相補体を特徴付ける。さらなる態様においては、上記ポリヌクレオチドはDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、一重鎖、及び二重鎖である。
【0034】
第三の局面において、本発明は第二の局面において示した前記ポリヌクレオチドを含む、主にそれから成る又はそれから成る組換えベクターを特徴付ける。
【0035】
第四の局面において、本発明は第三の局面において示した前記組換えベクターを含む、主にそれから成る又はそれから成る組換え細胞を特徴付ける。好ましい前記組換え細胞は原核又は真核組換え細胞である。好ましい前記原核組換え細胞はE. coli組換え細胞である。好ましい前記真核組換え細胞は哺乳類の組換え細胞である。特に好ましい哺乳類の組換え細胞はCOS組換え細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)組換え細胞、ヒト胚腎臓(HEK)組換え細胞、及び3T3−L1脂肪細胞組換え細胞から成る群から選ばれる。さらなる態様は本発明に係るポリヌクレオチドについて組換えられた宿主細胞を含む。好ましい前記宿主細胞は原核又は真核宿主細胞である。好ましい前記原核宿主細胞はE. coli宿主細胞である。好ましい前記真核宿主細胞は哺乳類の宿主細胞である。特に好ましい哺乳類の宿主細胞はCOS宿主細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞、ヒト胚腎臓(HEK)宿主細胞、及び3T3−L1脂肪細胞宿主細胞から成る群から選ばれる。
【0036】
第五の局面において、本発明は第一の局面において示した前記gGMG−2ポリペプチド断片及び、あるいは、医薬の又は生理学的に許容される希釈剤を含む、主にそれから成る又はそれから成る医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。より好ましい前記医薬の又は生理学的に許容される組成物は第一の局面において示される前記gGMG−2ポリペプチド断片のホモ三量体及び、あるいは、医薬の又は生理学的に許容される希釈剤を含む、主にそれから成る又はそれから成る。前記医薬の又は生理学的に許容される組成物においては、好ましくは第一の局面の前記gGMG−2ポリペプチド断片の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%がホモ三量体を含む。
【0037】
第六の局面において、本発明はボディマスを減少させる必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含むボディマスを減少させる方法を特徴付ける。さらに好ましいものはその必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む体脂肪マスを減少させる方法である。さらに好ましいものはその必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含むやせたボディマスを増大させる方法である。さらに好ましいものはその必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む体重肥大又は身長の成長速度を増大させる方法である。
【0038】
さらに好ましい態様においては、本発明は体重減少剤と共に彼らの体重を改善させるために肥満患者の補完の治療において使用されうる。体重減少剤の例はオーリスタットの如きリパーゼ阻害剤、及びシブトラミンの如きセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤を含む。
【0039】
さらに好ましい態様においては、本発明は減少したボディマスを維持する必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む減少したボディマスを維持する方法を特徴付ける。さらに好ましいものは、その必要のある個体に、前記個体においてエネルギー取り込みを正常な値に戻し、及び前記個体において増大したエネルギー消費を維持する、第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む減少した体脂肪マスを維持する方法である。好ましくは、前記個体は(本明細書中で示される)彼らの肥満体重より10〜20%低い安定した体重を維持することができる。
【0040】
他の好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明は体重減少を維持する方法として減少したエネルギー取り込み及び/又は増大したエネルギー消費と共に使用されうる。
【0041】
またさらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物で処置されるべきボディマスを減少させる必要のある前記個体の同定はGMG−2シングルヌクレオチド多形性(SNPs)の遺伝子型計測又は前記個体からの臨床サンプルにおけるGMG−2ポリペプチド又はmRNA値の計測を含む。好ましくは、前記臨床サンプルは血漿、尿、及び唾液から成る群から選ばれる。好ましくは、本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片は、健康な、非肥満患者と比較して、全長GMG−2又は天然にタンパク質分解的に切断されたGMG−2断片の血液、血清又は血漿値において少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%減少を有する個体に投与される。
【0042】
第七の局面において、本発明は上記処置の必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む、肥満関連疾患又は障害の予防又は治療方法を特徴付ける。好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物で治療されるべき上記処置の必要のある前記個体の同定はGMG−2シングルヌクレオチド多形性(SNPs)遺伝子型計測又は前記個体からの臨床サンプルにおけるGMG−2ポリペプチド又はmRNA値の計測を含む。好ましくは、前記臨床サンプルは血液、血清、血漿、尿、及び唾液から成る群から選ばれる。好ましくは、前記肥満関連疾患又は障害は肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の代謝関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0043】
関連した局面において、本発明は上記治療の必要のある個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含む炎症関連疾患又は障害の予防又は治療方法を特徴付ける。好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物で処置されるべき上記処置の必要のある前記個体の同定はGMG−2シングルヌクレオチド多形性(SNPs)の遺伝子型計測又は前記個体からの臨床サンプルにおけるGMG−2ポリペプチド又はmRNA値の計測を含む。好ましくは、前記臨床サンプルは血液、血清、血漿、尿、及び唾液から成る群から選ばれる。好ましくは、前記炎症関連疾患又は障害は血管障害、疾患及び損傷、特に、アテローム性動脈硬化症の如き、過剰の炎症性応答により引き起こされるもの、狭心症、心筋梗塞、深層静脈の血栓症、末梢動脈閉塞、冠状心疾患(CDH)、冠状動脈疾患(CAD)、心不全、一過性の虚血性発作、血管形成後再狭窄、骨髄造血、及び播種性血管内凝固症候群(DIC)から成る群から選ばれる。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0044】
関連した局面において、本発明の態様は個体に第一の局面のポリペプチドを含む組成物を提供する又は投与する段階を含む、個体において所望の生物学的応答を引き起こす又は誘発する方法を含み、ここで、前記生物学的応答は:
(a)遊離脂肪酸の循環(血液、血清又は血漿)値(濃度)を低下させる;
(b)グルコースの循環(血液、血清又は血漿)値(濃度)を低下させる;
(c)トリグリセリドの循環(血液、血清又は血漿)値(濃度)を低下させる;
(d)筋肉の脂質又は遊離脂肪酸酸化を刺激する;
(c)肝臓又は肝細胞においてレプチン取り込みを増大させる;
(e)特に高脂肪食後の血漿遊離脂肪酸における食後増大を減少させる;及び
(f)特に高脂肪食後のケトン体産生を減少させる又は除去する;
(g)特に筋肉、脂肪、肝臓又は脳でインスリンへの組織感受性を増大させる;
(h)損なわれたグルコース耐性からインスリン抵抗性への進行を阻害する;
(i)筋細胞タンパク質合成を増大させる;
(j)脂肪細胞トリグリセリド内容量を減少させる;
(k)食物又は代謝貯蓄からのエネルギー利用を増大させる;
(l)成長速度、好ましくは大きさ又は身長における成長を増大させる;
(m)筋肉成長を増大させる;及び
(n)骨格成長を増大させる;
から成る群から選ばれ、及びさらにここで、前記生物学的応答は同じモル濃度の全長GMG−2ポリペプチドにより引き起こされる又は誘導される生物学的応答より顕著に大きい又は少なくとも10%、20%、30%、35%又は40%大きい;又はあるいはここで、前記生物学的応答は一過性の応答より大きい;又はあるいは前記生物学的応答は維持される。さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいて血中グルコースを制御する方法として使用されうる。
【0045】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいて血中グルコースを制御する方法として使用されうる。
【0046】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいて体重を制御する方法として使用されうる。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいて体重を制御する方法として使用されうる。
【0047】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療を伴わずに、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)のみを有する何人かのヒトにおいて血中グルコースを制御する方法として使用されうる。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療を伴わずに、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)のみを有する何人かのヒトにおいて血中グルコースを制御する方法として使用されうる。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療を伴わずに、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)のみを有する何人かのヒトにおいて体重を制御する方法として使用されうる。
【0048】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療を伴わずに、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)のみを有する何人かのヒトにおいて体重を制御する方法として使用されうる。
【0049】
さらに好ましい態様においては、本発明は経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と共に、NIDDM患者の補充治療において彼らの体重又はグルコース制御を改善するために使用されうる。好ましくは、上記経口インスリン分泌促進剤は1,1−ヂメチル−2−(2−モルフォリノフェニル)グアニヂンフマル酸(BTS67582)又はトルブタミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリメピリド、グリピジド及びグリダジドから選ばれるスルフォニル尿素である。好ましくは、インスリン増感剤はメトフォルミン、シグリタゾン、トログリタゾン及びピオグリタゾンから選ばれる。
【0050】
本発明はさらに経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤なしに、NIDDM患者のみの体重又はグルコース制御を改善する方法を提供する。
さらに好ましい態様においては、本発明は経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と共に、IDDM患者の補充の治療において彼らの体重又はグルコース制御を改善するために使用されうる。好ましくは、上記経口インスリン分泌促進剤は1,1−ヂメチル−2−(2−モルフォリノフェニル)グアニヂンフマル酸(BTS67582)又はトルブタミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリメピリド、グリピジド及びグリダジドから選ばれるスルフォニル尿素である。好ましくは、上記インスリン増感剤はメトフォルミン、シグリタゾン、トログリタゾン及びピオグリタゾンから選ばれる。
【0051】
本発明はさらに経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤なしに、IDDM患者のみの体重又はグルコース制御を改善する方法を提供する。
さらに好ましい態様においては、本発明は、例えば、同時に、別々に又は連続して使用される別々の投与単位の形態で、経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と共に、付随して又は同時に投与されうる(上記分泌促進剤の前若しくは後又は上記増感剤の前若しくは後)。したがって、本発明はさらにNIDDM又はIDDM患者における体重又はグルコース制御の改善のための同時の、別々の又は連続した使用のための混合された調製物として医薬の又は生理学的許容される組成物及び経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤の組成物を提供する。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はさらにインスリン増感剤としての使用のための方法を提供する。
【0052】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいてインスリン感受性を改善する方法として使用されうる。
【0053】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療と共に、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいてインスリン感受性を改善する方法として使用されうる。
【0054】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン治療を伴わずに、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)を有する何人かのヒトにおいてインスリン感受性を改善する方法として使用されうる。
【0055】
第八の局面において、本発明は第一の局面において示されるgGMG−2ポリペプチド断片の作出方法を特徴付け、ここで、前記方法はタンパク質分解的な切断、組換え法及び人工合成から成る群から選ばれる。
【0056】
第九の局面において、本発明は組換えgGMG−2ポリペプチド断片又は全長GMG−2ポリペプチドの作出方法、その乳が前記組換えgGMG−2ポリペプチド断片又は全長タンパク質を含むトランスジェニック、非ヒト哺乳類を提供すること、及び前記非ヒト哺乳類の乳から前記組換えgGMG−2ポリペプチド断片又は前記全長GMG−2ポリペプチドを精製することを含む方法を提供する。1の態様においては、前記非ヒト哺乳類はウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ又はマウスである。他の態様においては、上記方法は前記乳からシグナルペプチドを有しない組換え成熟GMG−2ポリペプチドを精製することを含み、さらにin vitroで前記タンパク質を切断して所望のgGMG−2ポリペプチド断片を得ることを含む。
【0057】
第十の局面において、本発明は肥満関連疾患及び障害の治療及び/又はボディマスの減少のための第一の局面において示されるポリペプチドの使用を特徴付ける。好ましくは、前記肥満関連疾患及び障害は肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0058】
本発明はさらに体重増加の予防のための、体重減少のための、及び/又は体重減少の維持のための第一の局面のポリペプチドの使用を特徴付ける。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0059】
第十一の局面において、本発明は肥満関連疾患及び障害の治療のための及び/又はボディマスの減少のための医薬の調製についての第一の局面において示されるポリペプチドの使用を特徴付ける。好ましくは、前記肥満関連疾患又は障害は肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の代謝関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0060】
本発明はさらに体重増加の予防のための、体重減少のための、及び/又は体重減少の維持のための医薬の調製についての第一の局面のポリペプチドの使用を特徴付ける。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。
【0061】
第十二の局面において、本発明はヒト又は動物の体の治療方法における使用のための、本発明の第一の局面のポリペプチド又は本発明の第五の局面の組成物を提供する。
【0062】
第十三の局面において、本発明は個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物又は第一の局面において示されるポリペプチドを提供することを含む体重を減少させる方法を特徴付ける。体重減少が美容目的で実施される場合、個体は少なくとも20〜25以下のBMIを有する。肥満治療のための態様においては、上記個体は少なくとも20のBMIを有しうる。肥満治療のための1の態様は少なくとも25のBMI値を有する個体の治療を提供する。肥満治療のための他の態様は少なくとも30のBMI値を有する個体の治療を提供する。さらに他の態様は少なくとも40のBMI値を有する個体の治療を提供する。あるいは、個体の体重増加のために上記BMI値は少なくとも15〜20以下であるべきである。
【0063】
関連した局面において、本発明は個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物又は第一の局面において示されるポリペプチドを提供することを含む体重減少を維持する方法を特徴付ける。体重減少の維持が美容目的で実施される場合、上記個体は少なくとも20〜25以下のBMIを有する。体重減少の維持の方法による肥満治療のための態様においては、上記個体は少なくとも20のBMIを有しうる。体重減少の維持の方法による肥満治療のための1の態様は少なくとも25のBMI値を有する個体の治療を提供する。体重減少の維持の方法による肥満治療のための他の態様は少なくとも30のBMI値を有する個体の治療を提供する。
【0064】
第十四の局面において、本発明はボディマスを減少させるための及び/又は肥満関連疾患又は障害の治療又は予防のための第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。好ましくは、前記肥満関連疾患又は障害は肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の肥満関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物で処置されるべき前記個体の同定はGMG−2シングルヌクレオチド多形性(SNPs)の遺伝子型計測又は前記個体からの臨床サンプルにおけるGMG−2ポリペプチド又はmRNA値の計測を含む。好ましくは、前記臨床サンプルは血液、血清、血漿、尿、及び唾液から成る群から選ばれる。
【0065】
関連した局面において、本発明は炎症性応答、好ましくは血管傷害又は損傷に関連した炎症性応答を減少させるための、及び/又は炎症関連疾患又は障害の治療又は予防のための第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。好ましくは、前記炎症関連疾患又は障害は血管障害、疾患及び損傷、特にアテローム性動脈硬化症の如き、過剰の炎症性応答により引き起こされるもの、狭心症、心筋梗塞、深層静脈の血栓症、末梢動脈閉塞、冠状心疾患(CDH)、冠状動脈疾患(CAD)、心不全、一過性の虚血性発作、血管形成後再狭窄、骨髄造血、及び播種性血管内凝固症候群(DIC)から成る群から選ばれる。好ましい態様においては、前記個体は哺乳類、好ましくはヒトである。好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物で処置されるべき前記個体の同定はGMG−2シングルヌクレオチド多形性(SNPs)の遺伝子型計測又は前記個体からの臨床サンプルにおけるGMG−2ポリペプチド又はmRNA値の計測を含む。好ましくは、前記臨床サンプルは血液、血清、血漿、尿、及び唾液から成る群から選ばれる。
【0066】
第十五の局面において、本発明は美容目的のための体重減少のための第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。
【0067】
関連する局面において、本発明は美容目的のために体重減少を維持するための第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。
第十六の局面において、本発明は個体に第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物又は第一の局面において示されるポリペプチドを提供することを含むインスリン抵抗性の治療方法を特徴付ける。
【0068】
第十七の局面において、本発明は肥満である又は絶食時高インスリン血を有する又は両方を有する、正常なグルコース耐性(NGT)を有する個体の治療方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。
さらに好ましい態様においては、本発明は妊娠糖尿病を有する個体の治療方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。妊娠糖尿病は妊娠中、通常妊娠の第二又は第三トリメスター中の個体における糖尿病の発展をいう。
【0069】
さらに好ましい態様においては、本発明は損なわれた絶食時グルコース(IFG)を有する個体の治療方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。損なわれた絶食時グルコース(IFG)は、個体における絶食時血漿グルコース値が上昇しているが、明白な糖尿病の診断ではない、すなわち、血漿グルコース値が126mg/dl未満〜110mg/dl以上である状態である。
【0070】
さらに好ましい態様においては、本発明は個体における損なわれたグルコース耐性(IGT)の治療方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。他のさらに好ましい態様においては、本発明は個体におけるIGTの予防方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。IGTを減少させる又は予防するための、すなわち、インスリン抵抗性を正常化させるための治療及び方法を提供することにより、NIDDMへの進行は遅延され又は妨げられうる。さらに、インスリン抵抗性を減少させる又は予防する治療及び方法を提供することにより、本発明はインスリン抵抗性症候群の表れを減少させる及び/又は予防する方法を提供する。
【0071】
さらに好ましい態様においては、本発明は多嚢胞卵巣症候群(PCOS)を有する患者の治療方法において第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。PCOSは閉経前の女性の最もよくある障害のうちである。インスリン増感剤はPCOSにおいて有効であることが示されている。したがって、本発明はインスリン抵抗性を減少させる、血中グルコースを正常化する、したがってPCOSを治療する及び/又は予防する方法を提供する。
【0072】
さらに好ましい態様においては、本発明はインスリン抵抗性を有する患者の治療方法における第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物を特徴付ける。またさらに好ましい態様においては、インスリン抵抗性を有する患者はインスリン抵抗性を減少させる又は治療するために本発明に係る方法にしたがって処置される。インスリン抵抗性はまたしばしば感染及び癌にも関連しているので、本発明に係る方法にしたがうインスリン抵抗性の予防又は減少は感染及び癌を予防し又は減少させうる。
さらに好ましい態様においては、本発明に係る方法は患者、例えば、インスリン抵抗性を発展する増大した危険性を有すると知られる者においてインスリン抵抗性の発展を予防するために使用される。
【0073】
第十八の局面において、本発明はホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片活性の1以上のアンタゴニストについての化合物のスクリーニング方法におけるホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片の使用方法を特徴付け、ここで、前記活性は、非限定的に、体重減少、体重減少の維持、脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から選ばれる。
好ましい態様においては、前記化合物は、非限定的に、低分子量有機又は無機化合物、タンパク質、ペプチド、炭水化物又は脂質から選ばれる。
【0074】
第十九の局面において、本発明は哺乳類、好ましくは新生ヒトに新生哺乳類、特に新生ヒトにより消費される食物中に存在するエネルギー及び他の栄養素、及び特に幼児処方又は母乳中のエネルギー及び他の栄養素の同化、利用又は貯蔵を促進する、改善する、高める又は増大させる栄養補助物を提供する。本発明のさらに好ましい態様は哺乳類、好ましくは新生ヒトに成長速度を促進させる、改善する、高める又は増大させる栄養補助物を提供することである。第一の局面のポリペプチドでの好ましい補給方法は、非限定的に:
(a)合成幼児処方への又は母乳への第一の局面のポリペプチドの直接の添加;
(b)摂食前の、好ましくは摂食1〜15分前の、より好ましくは摂食1〜5分前の、第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物の投与;及び
(c)摂食後の、好ましくは摂食1〜15分後の、より好ましくは摂食1〜5分後の、第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物の投与;
を含み、ここで、第一の局面に係るポリペプチド又は第五の局面において示される医薬の又は生理学的に許容される組成物の投与経路は経口の、頬の、鼻の及び筋内の経路、好ましくは経口経路から選ばれる。
【0075】
さらに好ましい態様は第一の局面のポリペプチドを新生哺乳類、特に新生ヒトにより消費される食物中に存在するエネルギー及び他の栄養素、及び特に、幼児処方又は母乳中のエネルギー及び他の栄養素の同化、利用又は貯蔵を促進させる、改善する、高める又は増大させる方法において使用することに方向付けられる。さらに好まし態様は第一の局面のポリペプチドを新生哺乳類、好ましくはヒト新生児の成長速度を促進させる、改善する、高める又は増大させる方法において使用することに方向付けられる。さらに好ましいものは新生哺乳類、特に新生ヒトにより消費される食物中に存在するエネルギー及び他の栄養素、及び特に、幼児処方又は母乳中のエネルギー及び他の栄養素の同化、利用又は貯蔵を促進させる、改善する、高める又は増大させる方法において使用されうる、第一の局面のポリペプチドを含む組成物である。さらに好ましいものは新生哺乳類、好ましくはヒト新生児の成長速度を促進させる、改善する、高める又は増大させる方法において使用されうる、第一の局面のポリペプチドを含む組成物である。本発明のまたさらに好ましい態様は合成幼児乳処方及び第一の局面のポリペプチドを含む組成物に方向付けられる。
【0076】
本発明の他の態様は合成幼児乳処方又は母乳の栄養価を高める又は改善するのに有用な第一の局面のポリペプチドを含む組成物を提供することである。さらに好ましいものは食事の栄養価を高める又は改善するために新生哺乳類の食事中へ混合するのに有用な組成物である。本発明のさらに他の態様は、新生哺乳類、特に未熟の、低体重の又は非常に低い誕生体重の新生児、好ましくはヒト新生児の食事及び摂食を改善するための技術及び日課を提供することである。
【0077】
本発明に係る方法の好ましい局面において、個体に投与されるgGMG−2ポリペプチド断片又はポリヌクレオチドの量はGMG−2ポリペプチドの循環(血液、血清又は血漿)値(濃度)をそれらの正常な値(非肥満個体における値)にするのに十分な量である。「正常値」は全ての循環するGMG−2ポリペプチド(全長GMG−2及びその断片)の総濃度又は全ての循環するタンパク質分解的に切断されたGMG−2ポリペプチドのみの濃度として特定されうる。
【0078】
本明細書中に開示される本発明に係る組成物の好ましい態様においては、本発明に係る組成物は、上記組成物がインスリン、インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と共にでなく単独で投与される前記gGMG−2ポリペプチド断片について予想される効果よりも大きな生物学的効果を産生するように、さらに第一の局面のgGMG−2ポリペプチド断片、インスリン、インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤の組み合わせを含みうる。
【0079】
さらなる態様においては、前記生物学的機能は、非限定的に、遊離脂肪酸値低下活性、グルコース値低下活性、トリグリセリド値低下活性、脂肪細胞の脂肪分解を刺激すること、筋肉の脂質又は遊離脂肪酸酸化を刺激すること、肝細胞系におけるレプチン取り込みを増大させること、高脂肪食のための血漿遊離脂肪酸又はグルコースにおける食後増大を顕著に減少させること、高脂肪食の結果としてのケトン体産生を顕著に減少させる又は除去すること、骨格筋細胞、脂肪細胞、赤血球又は脳におけるグルコース取り込みを増大させること、インスリン感受性を増大させること、損なわれたグルコース耐性からインスリン抵抗性への進行を阻害すること、ボディマスを減少せること、脂肪マスを減少させること、やせた筋肉マスを増大させること、代謝関連疾患又は障害の予防又は治療、非インスリン依存性真性糖尿病又は非インスリン依存性新生糖尿病を有する何人かのヒトにおいて血中グルコースを制御すること、インスリン抵抗性の治療又はインスリン抵抗性の発展の予防を含む。
【0080】
上記に示されるように、活性を有するホモ三量体を形成するいかなるgGMG−2ポリペプチド断片も除外されうる。
【0081】
配列リストの簡単な説明
配列ID番号:1はその位置が特徴付けられるように示されるオープンリーディングフレームを有するcDNAのヌクレオチド配列である。
配列ID番号:2は配列ID番号:1のcDNAによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列である。
配列ID番号:3はその位置が特徴付けられるように示されるオープンリーディングフレームを有するcDNAのヌクレオチド配列である。
配列ID番号:4は配列ID番号:3のcDNAによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列である。
配列ID番号:5はその位置が特徴付けられるように示されるオープンリーディングフレームを有するcDNAのヌクレオチド配列である。
配列ID番号:6は配列ID番号:5のcDNAによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列である。
付属の配列リストはそれらを全体として本明細書中に援用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
発明の詳細な説明
本発明をより詳細に示す前に、以下の定義が本明細書中の本発明を示すために使用される用語の意味及び範囲を例示する及び定義するために示される。
本明細書中で相互交換可能に使用されるとき、上記用語「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」及び核酸は単鎖又は二重形の1以上のヌクレオチドのRNA、DNA又はRNA/DNAハイブリッド配列を含む。上記用語は少なくとも1の改変を含む「改変されたヌクレオチド」を含み、例のために及び限定ではなく:(a)代替の結合基、(b)プリンの類似形態、(c)ピリミヂンの類似形態又は(d)類似の糖を含む。類似の結合基、プリン、ピリミヂン、及び糖の例のために、例えば、PCT公開番号WO 95/04064を参照のこと。本発明に係るポリヌクレオチド配列は本分野において知られる精製方法を利用することに加えて、合成、組換え、ex vivo産生又はそれらの組み合わせを含む既知の方法により調製されうる。
【0083】
上記用語ポリヌクレオチド構築物、組換えポリヌクレオチド及び組換えポリペプチドは本分野におけるそれらの使用と一致して、本明細書中で使用される。上記用語「上流」及び「下流」は本分野におけるそれらの使用と一致して、本明細書中で使用される。上記用語「塩基対の」及び「Watson & Crick塩基対の」は本明細書中で相互変換可能に、及び本分野におけるそれらの使用と一致して使用される。同様に、上記用語「相補的な」、「その相補の」、「相補物」、「相補的なポリヌクレオチド」、「相補的な核酸」及び「相補的なヌクレオチド配列」は本明細書中で相互変換可能に及び本分野におけるそれらの使用と一致して使用される。
【0084】
上記用語「精製された」は本明細書中で、非限定的に、他の核酸、炭水化物、脂質及び(上記ポリヌクレオチドの合成において使用される酵素の如き)タンパク質を含む他の化合物から分離された、本発明に係るポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドベクターを示すために使用される。「精製された」はまた、例えば、直鎖のポリヌクレオチドからの共有結合的に閉じたポリヌクレオチドの分離又はその逆をもいう。ポリヌクレオチドは少なくとも約50%、60%、75%又は90%のサンプルが単一のポリヌクレオチド配列を含むとき実質的に純粋である。いくつかの場合、このことはコンフォメーション(直鎖対共有結合的に閉じたもの)間の決定を含む。実質的に純粋なポリヌクレオチドは典型的に約50、60、70、80、90、95、99%重量/重量の核酸サンプルを含む。ポリヌクレオチドの純粋さ又は均質性は、サンプルのアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、続いて上記ゲルを染色した際の単一のポリヌクレオチドバンドの可視化の如き、本分野において周知の多くの方法により示されうる。いくつかの目的のために、高分解がHPLC又は本分野において周知の他の方法を用いることにより達成されうる。
【0085】
同様に、上記用語「精製された」は本明細書中で、非限定的に、核酸、脂質、炭水化物及び他のタンパク質を含む他の化合物から分離された、本発明に係るポリペプチドを示すために使用される。いくつかの好ましい態様においては、ポリペプチドは少なくとも約50%、60%、75%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%のサンプルのポリペプチド分子が単一のアミノ酸配列を有するとき実質的に純粋である。いくつかの好ましい態様においては、実質的に純粋なポリペプチドは典型的に約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%重量/重量のタンパク質サンプルを含む。ポリペプチドの純粋さ又は均一性はサンプルのアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、続いて上記ゲルを染色した際の単一のポリペプチドバンドの可視化の如き、本分野において周知の多くの方法により示される。いくつかの目的のために、高分解がHPLC又は本分野において周知の他の方法を用いることにより達成されうる。
【0086】
さらに、本明細書中で使用されるとき、上記用語「精製された」は絶対的な純粋さを必要としない;むしろ、それは比較的な定義として意図される。出発物質又は天然材料の少なくとも1オーダーの等級、好ましくは2又は3オーダー、及びより好ましくは4又は5オーダーの等級への精製が明白に企図される。あるいは、精製は異種のポリヌクレオチド(DNA、RNA又は両方)又はポリペプチドに比較した「少なくとも」パーセントの純粋さとして表現されうる。好ましい態様として、本発明に係るポリヌクレオチド又はポリペプチドは異種のポリヌクレオチド又はポリペプチドに比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、96%、98%、99%、99.5%又は100%純粋である。さらに好ましい態様として、上記ポリヌクレオチド又はポリペプチドは異種のポリヌクレオチド又はポリペプチドに比較して90%〜100%(例えば、少なくとも99.995%純粋)の、ある数字から少数点以下第三位までに及ぶ「少なくとも」の純粋さを有する。さらに、上記ポリヌクレオチド又はポリペプチドの純粋さは担体溶液以外の全ての材料及び化合物に比較した(上記に示した)パーセントとして表現されうる。小数点以下第三位までの、それぞれの数字は純粋さの個々の種として請求されうる。
【0087】
上記用語「単離された」は上記材料がその源の環境(例えば、それが天然のものである場合は、天然の環境)から除去されることを必要とする。例えば、生存する動物中に存在する天然のポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されていないが、天然の系においていくつかの又は全部の共存する材料から分離された同じポリヌクレオチド若しくはDNA又はポリペプチドは単離されている。上記ポリヌクレオチドはベクターの部分でありうる及び/又は上記ポリヌクレオチド又はポリペプチドは組成物の部分でありうる、及び上記ベクター又は組成物がその天然の環境の部分ではない点で単離されている。
【0088】
「単離された」の定義から特定して排除されるものは:天然の染色体(例えば、染色体スプレッド)、人工的な染色体ライブラリー、ゲノムライブラリー、及びin vitro核酸調製物として又はトランスフェクトされた/形質転換された宿主細胞調製物として存在するcDNAライブラリーであり、ここで、宿主細胞はin vitro不均一調製物である又は単一のコロニーの不均一集団としてまかれる。また特定して排除されるものは、5’ESTが上記ベクター分子内に5%(又はあるいは1%、2%、3%、4%、10%、25%、50%、75%又は90%、95%又は99%)未満のいくつかの核酸挿入物を作出する上記ライブラリーである。さらに特定して排除されるものは全細胞ゲノムDNA又は全細胞RNA調製物(機械的に切断された又は酵素的に消化された前記全細胞調製物を含む)である。さらに特定して排除されるものはin vitro調製物としての又は(同じもののブロットトランスファーを含む)電気泳動により分離された不均一の混合物としての上記全細胞調製物であり、ここで、本発明に係るポリヌクレオチドはさらに(例えば、アガロースゲル又はナイロンブロット中の不均一のバンド集団から単一のバンドを削り取ることによりさらに分離して)電気泳動媒体中の異種のポリヌクレオチドから分離されていない。
【0089】
上記用語「プライマー」は標的ヌクレオチド配列と相補的であり、そして標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせるために使用される特定のオリヌクレオチド配列を示す。プライマーはDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素により触媒されるヌクレオチドポリメライゼーションのための開始点としてはたらく。
【0090】
上記用語「プローブ」はサンプル中に存在する特定のポリヌクレオチド配列を同定するために使用されうる、定義された核酸セグメント(又はヌクレオチドアナログセグメント、例えば、本明細書中以下に定義されるPNA)を示し、前記核酸セグメントは同定されるべき特定のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0091】
上記用語「ポリペプチド」はポリマーの長さに関係なく、アミノ酸のポリマーをいう。したがって、ペプチド、オリゴペプチド、及びタンパク質はポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまたポリペプチドの発現後修飾を特定しない又は排除しない。例えば、グリコシル基、アセチル基、リン酸基、脂質基等の共有結合的な結合を含むポリペプチドは上記用語ポリペプチドにより表現的に含まれる。また、天然の及び非天然の、本分野において知られる他の改変に加えて、(例えば、非天然のアミノ酸、関連しない生物系でのみ天然に起こるアミノ酸、哺乳類系から改変したアミノ酸を含む)アミノ酸の1以上のアナログを含むポリペプチド、置換された結合を有するポリペプチドも上記定義内に含まれる。本明細書中で使用されるとき、上記用語「GMG−2」は一般的に、別段の定めなき限り、マウスの又はヒトのGMG−2をいう。
【0092】
学説に制限されることなく、本発明に係る化合物/ポリペプチドは肝臓及び末梢組織間で食物脂質の分割を調節することができ、そしてしたがって、「肝臓及び末梢組織間の食物脂質の分割に関係する疾患」を治療すると考えられる。上記用語「末梢組織」は筋肉及び脂肪組織を含むと意味される。好ましい態様においては、本発明に係る化合物/ポリペプチドは筋肉へ食物脂質を筋肉へ分割する。代替の好ましい態様においては、上記食物脂質は脂肪組織へ分割される。他の好ましい態様においては、上記食物脂質は肝臓へ分割される。さらに他の好ましい態様においては、本発明に係る化合物/ポリペプチドは筋肉による食物脂質、好ましくは遊離脂肪酸(FFA)の酸化を増大させる又は減少させる。食物脂質は、非限定的に、トリグリセリド及び遊離脂肪酸を含む。
【0093】
食物脂質の分割に関係すると考えられる好ましい疾患は肥満及び肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)の如き肥満関連疾患及び障害を含む。本発明に係る方法により治療されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により治療されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明のさらに他の代謝関連疾患又は障害は悪疫質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。
【0094】
上記用語「異種の」は、本明細書中で使用されるとき、本発明に係るGMG−2又はGMG−2ポリペプチド又はgGMG−2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド以外のポリペプチド又はポリヌクレオチドを指すと意図される。
【0095】
上記用語「含む(comprising)」、「から成る(consisting of)」及び「本質的にそれから成る(consisting essentially of)」はそれらの標準の意味にしたがって定義される。M.P.E.Pにおいて示される定義された意味は本分野における定義された意味を支配する、またフェデラル・サーキットの判例法において示される定義された意味はM.P.E.P.中に示される意味を支配する。このことを念頭において、上記用語はそれぞれの用語に関連した特定の意味を結びつけるために本明細書をとおして互いに置換されうる。
【0096】
上記用語本発明に係る特定のポリヌクレオチド「について組換えた宿主細胞」は前記細胞において天然に見られない方法で前記ポリヌクレオチドを含むよう人の手で変換された宿主細胞を意味する。例えば、前記宿主細胞は本発明に係る前記ポリヌクレオチドで一時的に又は安定的にトランスフェクトされ又は形質導入されうる。
【0097】
上記用語「肥満」は、本明細書中で使用されるとき、体重のWHO分類において定義される(Kopelman(2000)Nature 404:635643)。体重不足は18.5未満である(やせた);健康は18.5〜24.9である(正常);1等級体重超過は25.0〜29.9である(体重超過);2等級体重超過は30.0〜39.0である(肥満);3等級体重超過は40.0BMI以上である。BMIはボディマスインデックス(病性の肥満)であり、及びkg/m2である。ウエスト周囲も代謝合併症の危険性を示すために使用されることができ、ここで、男性において、94cm以上の周囲は増大した危険性を示し、そして102cm以上は実質的に増大した危険性を示す。女性についても同様に、88cm以上は増大した危険性を示し、そして88cm以上は実質的に増大した危険性を示す。上記ウエスト周囲は肋骨の下の境界線及び骨盤の上の境界線の間の中点でcmで計測される。肥満の他の基準は、非限定的に、カリパスを用いた皮膚の重なりの厚みのcmでの計測である、皮膚の重なり、及びやせたマスは主に電解質溶液であるため太ったマスよりも電流を伝導するという原理に基づいたバイオインピーダンスを含む;手足にわたり適用された弱い電流(インピーダンス)への抵抗の計測は経験的に由来する式を用いて体脂肪の見積もりを提供する。
【0098】
上記用語「エネルギー取り込み」は、本明細書中で使用されるとき、総カロリー取り込み、すなわち、食物及び液体食物からの総エネルギーから個体へ取り込まれたエネルギーとして定義される。
【0099】
上記用語「エネルギー消費」は、本明細書中で使用されるとき、休止中エネルギー消費(REE)、食事の熱効果(TEF)、及び運動の如き活動を含む、総エネルギー消費(TEE)として定義される。「エネルギー取り込み」及び「エネルギー消費」の両方はRosenbaum et al.により定義される[それらを全体として本明細書中に援用する、Am J Clin Nutr(2000)Jun;71(6):1421−32]。
【0100】
上記用語「体重減少の維持」は、本明細書中で使用されるとき、上記個体の開始の肥満体重より10〜20%低い個体における安定な体重の維持として定義される。好ましくは、体重減少後の新たに維持された体重は(本明細書中で定義されるとき)健康体重である。体重減少の維持が美容目的で実施されるとき、上記個体は少なくとも20〜25以下のBMIを有する。体重減少の維持の方法による肥満治療について定義されるとき、上記個体は少なくとも20のBMIを有しうる。
【0101】
上記用語「糖尿病」は、本明細書中で使用されるとき、非限定的に、以下のリスト:糖尿病の症状(例えば、多尿、多渇症、多食症)に加えて200mg/dl以上の不定期の血漿グルコース値、ここで、不定期の血漿グルコースは食事又は飲み物消費の時間に関係なく1日のいかなる時間でも定義される;126mg/dl以下の8時間絶食時血漿グルコース値;及び水中に溶解した75g無水物グルコースの経口投与2時間後の200mg/dl以上の血漿グルコース値を含んだどの方法からもなされる糖尿病の通常の診断を含むと意図される。
【0102】
上記用語「損なわれたグルコース耐性(IGT)」は、本明細書中で使用されるとき、明らかなNIDDM及び正常なグルコース耐性(NGT)の間の中間である、インスリン抵抗性に関連した状態を示すと意図される。IGT集団の高い割合が正常なグルコース耐性を有する者と比較してNIDDMへ進行することが知られる(その開示をそれらを全体として本明細書中に援用する、Sad et al., New Engl J Med 1988;319:1500−6)。したがって、IGTを減少させる又は予防する、すなわち、インスリン抵抗性を正常化する治療及び方法を提供することにより、NIDDMへの進行は遅延され又は妨げられうる。IGTは、患う者の食後グルコース応答が食事2時間後の血漿グルコース値により評価されるとき異常であると決定される、手順により診断される。この試験において、計測された量のグルコースが患者に与えられ、及び血中グルコース値が規則的な間隔で、通常はじめの2時間については30分毎及びその後1時間毎に計測される。「正常な」又は非IGT個体において、グルコース値ははじめの2時間の間140mg/dl未満の値まで上がり、そしてその後急速に落ちる。IGT個体においては、上記血中グルコース値はより高く、そして降下値は遅い速度である。
【0103】
上記用語「インスリン抵抗性症候群」は、本明細書中で使用されるとき、高血圧及び成熟前アテローム性動脈硬化血管疾患の如き、冠状動脈疾患(CAD)の発展において重要な役割をはたす一連の事件を推進する、インスリン抵抗性を補償するための試みから生ずる異常性のクラスターを含むと意図される。増大した血漿トリグリセリド及び減少したHDL−コレステロール濃度、CADに関連すると知られる状態もインスリン抵抗性に関連すると報告されている。したがって、インスリン抵抗性を減少させる又は予防する治療及び方法を提供することにより、本発明はインスリン抵抗性症候群の発現を減少させる及び/又は予防する方法を提供する。
【0104】
上記用語「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は、本明細書中で使用されるとき、この集団の5〜10%に影響する、高アンドロゲン症、慢性無排卵、インスリン活性における欠陥、インスリン分泌、卵巣ステロイド症及びフィブリン溶解により特徴付けられる、閉経前の女性の病因論的に割り当てられない障害を示すと意図される。PCOSを有する女性はしばしばインスリン抵抗性であり、及び人生の三十代及び四十代にグルコース非耐性又はNIDDMを発展する増大した危険性にある(Dunaif et al.(1996)J Clin Endocrinol Metab 81:3299、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。高アンドロゲン症も、これらの状態が閉経前の女性において起こるとき、A型症候群から、妖精症及び脂肪組織萎縮性糖尿病をとおして、B型症候群までの、さまざまな多様のインスリン抵抗性状態の特徴である。高インスリン血症はそれ自体、高アンドロゲン症を引き起こすことが示されている。インスリン増感剤、例えば、トログリタゾンはインスリン抵抗性のヒトにおけるように、PCOSにおいて有効であり、そして特に、インスリン活性における欠陥、インスリン分泌、卵巣ステロイド症及びフィブリン溶解が改善されることが知られている(Ehrman et al.(1997)J Clin Invest 100:1230、その開示をそれらを全体として本明細書中に援用する)。
【0105】
上記用語「インスリン抵抗性」は、本明細書中で使用されるとき、静脈内グルコース耐性試験又は絶食時インスリン値の計測の如き、いくつかの方法のいずれかによりなされる、通常のインスリン抵抗性の診断を含むと意図される。絶食時インスリン値の高さ及びインスリン抵抗性の程度の間に優れた相関性があることがよく知られる。それゆえ、どの正常グルコース耐性(NGT)個体がインスリン抵抗性を有するかを同定する目的のために、上昇した絶食時インスリン値をインスリン抵抗性についての代理のマーカーとして使用することができる。これを行うための他の方法はThe New England Journal of Medcine, No.3,pp. 1188(1995)(その開示をそれらを全体として本明細書中に援用する)中に開示されるアプローチにしたがうこと、すなわち、処置群への加入についての開始基準として肥満患者を選択することである。何人かの肥満患者は損なわれたグルコース耐性(IGT)を有し、一方、他の者は正常なグルコース耐性(NGT)を有する。主に全ての肥満患者はインスリン抵抗性である、すなわち、NGT肥満患者でさえインスリン抵抗性であり、及び絶食時高インスリン血症を有する。それゆえ、本発明にしたがう治療の標的は肥満である又は絶食時高インスリン血症を有する又は両方を有するNGT個体として定義されうる。
【0106】
インスリン抵抗性の診断はまた正常血糖グルコースクランプ試験を用いてもなされうる。この試験は一定のインスリン融合及びさまざまな速度のグルコース融合の同時の投与を含む。3〜4時間続く上記試験の間、上記血漿グルコース濃度はグルコース値を5〜10分毎に計測し、そしてその後血漿グルコース値を変化させないように保つためにさまざまな速度のグルコース融合を調節することにより正常血糖値に一定に保たれる。これらの状況下で、血流へのグルコース加入の速度は体内のグルコース処理の全体の速度と等しい。基礎状態(インスリン融合なし)及びインスリン融合状態におけるグルコース処理の速度間の差はインスリン仲介グルコース取り込みを示す。正常な個体において、インスリンは体全体のグルコース処理において鋭い及び大きな増大を引き起こすが、NIDDM患者においては、インスリンのこの効果は非常に鈍く、そして正常の20〜30%しかない。IGT又はNGTを有するインスリン抵抗性患者において、インスリン刺激されたグルコース処理の速度は正常及びNIDDMの間のおよそ真ん中である。例えば、約100μU/ml(生理学的値)の定常血漿インスリン濃度で、正常な患者におけるグルコース処理速度は約7mg/kg/分である。NIDDM患者においては、それは約2.5mg/kg/分であり、及びIGTを有する患者(又はNGTを有するインスリン抵抗性患者)においては、それは約4〜5mg/kg/分である。このことは高く再現可能であり、そして正確な試験はこれらのカテゴリー内で患者を区別しうる。患者がよりインスリン抵抗性になればなるほど、絶食時インスリン値が上がることも知られる。正常血糖グルコースクランプ試験により計測したとき、絶食時インスリン値の高さ及びインスリン抵抗性の大きさの間に優れた正の相関があり、そしてそれゆえ、このことはインスリン抵抗性の代理の計測として絶食時インスリン値を用いることについての根本理由を提供する。
【0107】
上記用語「肝臓及び末梢組織間で食物脂質の分割について作用する剤」は以前に示されるように肝臓及び末梢組織の間で食物脂質の分割を調節する本発明に係る化合物又はポリペプチドをいう。好ましくは、上記剤は筋肉による食物脂質、好ましくは、遊離脂肪酸(FFA)の酸化を増大させる又は減少させる。好ましくは、上記剤は個体の体重を減少させる若しくは増大させる又は肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)の如き、肥満関連疾患又は障害を治療する又は予防するために使用される。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の肥満関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。
【0108】
上記用語「肝臓及び末梢組織の間で食物脂質の分割について作用する剤への応答」は、非限定的に、個体における、化合物を代謝する能力、プロドラッグを活性薬に変換する能力、並びに薬物の薬物動態(吸収、分布、排出)及び薬力学(受容体関連)を含む、薬物効果をいう。
【0109】
上記用語「肝臓及び末梢組織の間の食物脂質の分割について作用する剤への副作用」は上記薬物の第一の薬理学的活性の延長から生ずる治療の悪い効果を又は上記薬物の独特の宿主因子との相互作用から生ずる特異的な悪い反応をいう。「肝臓及び末梢組織の間の食物脂質の分割について作用する剤への副作用」は、非限定的に、皮膚科の、血液学の又は肝臓学の毒性の如き悪い反応を含むことができ、そしてさらに胃腸の及び小腸の潰瘍、血小板機能における妨害、腎臓損傷、腎炎、おびただしい水っぽい分泌物を伴う血管運動神経性鼻炎、血管運動神経性水腫、一般的なじんま疹、及び喉頭の水腫及び気管支収縮への気管支喘息、低血圧、及び卒中を含む。
【0110】
上記用語「GMG−2関連疾患及び障害」は、本明細書中で使用されるとき、GMG−2の異常な機能を含む又はGMG−2値若しくは活性の調節により治療され若しくは予防されうる疾患又は障害をいう。「GMG−2の異常な機能」は、非限定的に、GMG−2の異常な発現値(増大した又は減少した、しかし好ましくは減少した)、GMG−2の異常な活性(増大した又は減少した)、及びリガンド又は結合相手との異常な相互作用(増大した又は減少した)を含む。「異常」により、正常な細胞、組織若しくは患者において見られる又は上記病気の開始の前に細胞、組織若しくは患者において以前に見られた型又は活性の値からの変化が意味される。好ましい態様においては、これらのGMG−2関連疾患及び障害は肥満及び以前に示した肥満関連疾患及び障害を含む。
【0111】
上記用語「美容処置」は、上記個体が臨床的に肥満又は臨床的にやせではない場合に個体のボディマスを増大させる又は減少させる本発明に係る化合物又はポリペプチドでの処置を含むと意味される。したがって、これらの個体は臨床的な肥満の境界より低い(例えば、25kg/m2未満の)及び臨床的なやせの境界より高い(例えば、18.5kg/m2超の)ボディマスインデックス(BMI)を有する。さらに、これらの個体は好ましくは健康である(例えば、本発明の肥満関連疾患又は障害を有しない)。「美容処置」はまた、いくつかの状況において、脂肪組織における、より位置づけられた増大、例えば、特に、例えば、ウエスト若しくは尻の周り又は尻及び腿の周りの増加又は減少を含むとも意味される。これらの脂肪組織の位置づけられた増加又は減少は例えば、ウエスト又は尻の大きさにおける増大又は減少により同定されうる。
【0112】
上記用語「予防する」は、本明細書中で使用されるとき、肥満又はGMG−2に関連した異常の身体の現れを予防するために疾患又は状態の臨床的な症状の開始前に化合物を投与することをいう。あるいは、上記用語「予防する」は疾患又は状態に関連した臨床的な症状の重篤さの減少を示すために使用されうる。
【0113】
上記用語「治療する」は、本明細書中で使用されるとき、臨床的症状の開始後に化合物を投与することをいう。
【0114】
上記用語「処置の必要のある」は、本明細書中で使用されるとき、個体又は動物が処置を必要とする又は処置から恩恵を得るであろうという、処置する者(例えば、ヒトの場合は、医師、看護士、看護従業者等;非ヒト哺乳類を含む、動物の場合は獣医学者)によりなされる判断をいう。この判断は、処置する者の経験の範囲内であるが、上記個体又は動物が本発明に係る化合物により治療されうる状態の結果として、病気である又は病気になるであろうという知識を含む、さまざまな因子に基づいてなされる。
【0115】
上記用語「処置についての必要性を認める」は、個体が上記「美容処置」の下で議論されるように美容理由のために体重減少を所望するというサブ臨床的な決定をいう。他の態様における上記用語「処置についての必要性を認める」は動物の所有者が上記動物の美容処置のためになすという決定をいいうる。
【0116】
上記用語「個体」又は「患者」は、本明細書中で使用されるとき、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ又は霊長類、及び好ましくはヒトを含む動物をいう。上記用語は男性若しくは女性又は両方を特定し、あるいは男性若しくは女性を排除しうる。
【0117】
上記用語「非ヒト動物」は鳥類及びより通常には哺乳類、好ましくは霊長類、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ又はげっ歯類、より好ましくはラット又はマウスの如き動物を含む、非ヒト脊椎動物をいう。上記用語「動物」及び「哺乳類」は上記用語「非ヒト」と先に付かない限りはヒト患者を表現的に含む。
【0118】
本発明者はgGMG−2と呼ばれる、GMG−2の断片が高脂肪/スクロース食を摂食したマウスにおいて血漿遊離脂肪酸、グルコース、及びトリグリセリドの食後応答を顕著に減少させることができることを見つけた。レプチン、インスリン又はグルカゴンの値には顕著な効果はなかった。さらに、gGMG−2はin vitro及びex vivoでの筋肉の遊離脂肪酸酸化を増大させることを見つけた。さらに、gGMG−2は19日間高脂肪/スクロース食を摂食したマウスにおいて体重増加を減少させ、そしてその後増大を妨げることが示された。同じ高脂肪/スクロース食で6ヶ月間維持したマウスにおいて、gGMG−2処置は高脂肪/スクロース食で維持したにも関わらず、顕著に16日間にわたる維持された体重減少をもたらした。
【0119】
本発明は遊離脂肪酸(FFA)の分割における及びエネルギーホメオスタシスの制御のための重要な新規ツールとしてGMG−2ポリペプチド断片の使用を含む。循環から顕著に脂質を除去し、そしてFFA酸化を引き起こしうる組織の筋肉は定量的に最も重要である。球状GMG−2は食物摂取を妨害することなく体重を制御する独特な及び新規な薬理学的ツールである。
【0120】
本発明の好ましい態様
I. 本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片
in vitro及びin vivoで計測可能な活性を有するGMG−2ポリペプチド断片が同定された。これらの活性は、非限定的に、高脂肪/スクロース食を摂食したマウスにおける血漿遊離脂肪酸、グルコース、及びトリグリセリドの食後応答の減少(実施例8又は11)、in vitro及びex vivoの筋肉遊離脂肪酸酸化における増大(実施例10)、及び高脂肪/スクロース食のマウスにおける維持された体重減少(実施例2)を含む。in vitro及びin vivoでのGMG−2ポリペプチド断片活性についての他の分析はまた実施例をとおしても提供され、そして同等の分析は当業者により設計されうる。
【0121】
対照的に、上記「無傷の」又は「全長の」GMG−2ポリペプチドは本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片について同定されたin vivo又はin vitro活性のいずれも有しない。ほとんどの場合、上記活性は存在しない又は最小値であり、使用される分析においてコントロール値にわたり検出できない。他の場合には、上記活性は計測されうるが、非常に減少された値で存在する及び/又は本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片と比較して1モーラー基準で非常により多くのタンパク質を必要とする(例えば、実施例10を参照のこと)。本明細書中で使用されるとき、「無傷の」又は「全長の」GMG−2ポリペプチドにより、N−末端メチオニンからC−末端停止コドンまでの、GMG−2ポリペプチドの全長ポリペプチド配列が意味される。無傷の又は全長のGMG−2ポリペプチドの例は配列ID番号:2、4及び6において見られる。上記用語「GMG−2ポリペプチド断片」は、本明細書中で使用されるとき「肥満関連活性」又は「インスリン様活性」を有する「無傷の」又は「全長の」GMG−2ポリペプチドの断片をいう。上記用語「gGMG−2ポリペプチド断片」は球状ドメインから成るポリペプチド断片をいい、そしてしたがって「GMG−2ポリペプチド断片」よりも狭い言葉である。上記用語「断片」は無傷の又は全長のGMG−2ポリペプチドの部分と全く同じであるが、全部ではない配列を有するポリペプチドを意味する。上記断片は「遊離状態」(すなわち、他のポリペプチドの部分ではない又はそれに融合されていない)で存在しうる又は1以上の断片は単一のポリペプチド内に存在しうる。gGMG−2断片は、別段の定めなき限り、全長GMG−2ポリペプチドの連続的な断片である。
【0122】
上記用語「肥満関連活性」は、本明細書中で使用されるとき、少なくとも1の、及び好ましくは全ての本明細書中で示されるGMG−2ポリペプチド断片についての活性をいう。これらの活性の決定についての分析は本明細書中に提供され(例えば、実施例4〜16)、そして同等の分析は当業者により設計されうる。場合により、「肥満関連活性」は脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性又はこれらのカテゴリーの1のうちの活性から成る群から選ばれうる。「脂質分割」活性により脂肪組織、肝臓、及び筋肉を含む、主要な組織群間での食物脂質の配置に影響する能力が意味される。本発明者は、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片は筋肉、肝臓又は脂肪組織への脂質分割において役割をはたすことを示した。「脂質代謝」活性により脂質の代謝に影響する能力が意味される。本発明者は、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片は遊離脂肪酸酸化実験をとおして筋肉において脂質の代謝を増大させる能力並びに血漿及び筋肉においてトリグリセリドの値に一過的に影響する能力に加えて、血漿において遊離脂肪酸の値に影響する能力を有することを示した。「インスリン様」活性により血漿におけるグルコース値を調節するGMG−2ポリペプチド断片の能力が意味される。本発明者は、GMG−2ポリペプチド断片はインスリン値に顕著に影響しないが、インスリンの効果と同様にグルコース値に強く影響することを見つけた。これらの効果はgGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体の複合体の存在下では見られない又はgGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体の複合体と比較して非複合体gGMG−2ポリペプチド断片三量体の存在下で顕著に大きい。
【0123】
上記用語「顕著に大きい」は、本明細書中で使用されるとき、同じ分析におけるgGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体の複合体の活性と比較した、肥満関連分析における非複合体化gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体の活性の比較をいう。本明細書中で使用されるとき、「顕著に」により、当業者により典型的に決定されるように、統計的に顕著であることが意味される。例えば、データは典型的に平均±SEMとして計算される、及びp値<0.05は統計的に顕著であると考えられる。統計的分析はそれぞれの研究において適切なように、典型的にthe unpaired Student’s t test又はthe paired Student’s t testのいずれかを用いてなされる。全長GMG−2ポリペプチドの存在と比較した、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片の存在の結果としての活性における顕著な変化の例は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%のあるパラメーターにおける増大又は減少を含む。1以上の、しかし全てである必要はないが、計測可能なパラメーターは無傷のGMG−2ポリペプチドの存在下と比較して、GMG−2ポリペプチド断片の存在下で顕著に変化するであろう。
【0124】
代表的な「肥満関連分析」は実施例において提供される。これらの分析は、非限定的に、食後応答の計測方法、遊離脂肪酸酸化の計測方法、及び体重調節の計測方法を含む。好ましい態様においては、上記食後応答は非ヒト動物、好ましくはマウスにおいて計測される。好ましい態様においては、食物脂質、好ましくは遊離脂肪酸及び/又はトリグリセリドにおける変化が計測される。他の態様においては、非限定的に、グルコース、インスリン、及びレプチンの値を含む、他の生理学的パラメーターが計測される。他の好ましい態様においては、遊離脂肪酸酸化はin vitro又はex vivoで細胞において、好ましくは非ヒト動物、好ましくはマウスの筋肉細胞又は組織において計測される。さらに他の好ましい態様においては、体重調節は高脂肪/スクロース食のヒト又は非ヒト動物、好ましくはげっ歯類(ラット又はマウス)、霊長類、イヌ、ネコ又はブタにおいて計測される。場合により、「肥満関連活性」は本明細書中で特異的に同定される他の活性を含む。一般的に、肥満及び代謝研究の分野に関連する「計測可能なパラメーター」は遊離脂肪酸値、遊離脂肪酸酸化、トリグリセリド値、グルコース値、インスリン値、レプチン値、食物摂取、体重、レプチン及びリポタンパク質結合、取り込み及び分解並びに脂肪分解刺激された受容体(LSR)発現から成る群から選ばれうる。
【0125】
これらの肥満関連分析において、本発明に係る好ましいGMG−2ポリペプチド断片であるが、全長GMG−2ポリペプチドではないものは、食後脂肪血、遊離脂肪酸値、トリグリセリド値、グルコース値、遊離脂肪酸酸化、及び体重から成る群から選ばれる少なくとも1の計測可能なパラメーターにおいて顕著な変化を引き起こしうる。あるいは、本発明に係る好ましいGMG−2ポリペプチド断片であるが、全長GMG−2ポリペプチドではないものは、LSR活性における増大、レプチン活性における増大及びリポタンパク質活性における増大から成る群から選ばれる少なくとも1の計測可能なパラメーターにおける顕著な変化を有しうる。「LSR」活性により、レプチン及びリポタンパク質を結合し、取り込み、及び分解するその能力に加えて、細胞表面上の又は特定のコンフォメーションのLSRの発現が意味される。「レプチン」活性により、血液脳関を介するその輸送、及び潜在的にはLSRが仲介因子又は唯一の仲介因子である必要はないこれらの発現に加えて、LSRによるその結合、取り込み及び分解が意味される。同様に、「リポタンパク質」活性により、LSRが仲介因子又は唯一の仲介因子である必要はないこれらの発現に加えて、そのLSRによる結合、取り込み及び分解が意味される。
【0126】
本発明は単離された、精製された又は組換えられたGMG−2ポリペプチドについてinter aliaで示される。本発明に係るGMG−2ポリペプチドは美容処置として又は代謝関連疾患及び障害の治療若しくは予防のために体重を(GMG−2ポリペプチドのアンタゴニストを用いて)減少させる又は増大させるために有用である。GMG−2ポリペプチドはGMG−2ポリペプチド活性のアゴニスト又はアンタゴニストについてのスクリーニング分析において;GMG−2断片のN−末端のヂペプチヂルペプチダーゼ切断、好ましくは配列ID番号:2GMG−2ポリペプチド断片144〜288のN−末端SPヂペプチドの切断又は配列ID番号:4のGMG−2ポリペプチド断片134〜278のN−末端SPヂペプチドの切断又は配列ID番号:6のGMG−2ポリペプチド断片115〜259のN−末端SPヂペプチドの切断又は配列ID番号:2のGMG−2断片162〜288のN−末端TAヂペプチドの切断又は配列ID番号:2のGMG−2断片152〜278のN−末端TAヂペプチドの切断又は配列ID番号:6のGMG−2断片133〜259のN−末端TAヂペプチドの切断のアンタゴニストについてのスクリーニング分析において;GMG−2ポリペプチド特異的抗体を生じるために;及び診断分析においてinter aliaで有用である。美容処置のために又は代謝関連疾患、障害又は状態の処置又は予防のために使用されるとき、1以上のGMG−2ポリペプチド断片が患者に提供されうる。したがって、全長タンパク質のさまざまな断片がさまざまな処置計画における使用のために「カクテル」中に混合されうる。
【0127】
上記全長GMG−2ポリペプチドは:
1.配列ID番号:2のアミノ酸1〜56又は配列ID番号:4の1〜46又は配列ID番号:6の1〜27からのN−末端の推定されているシグナル配列;
2.配列ID番号:2のアミノ酸57〜106又は配列ID番号:4の47〜96又は配列ID番号:6の28〜77からの独特の領域;
3.配列ID番号:2のアミノ酸107〜148又は配列ID番号:4の97〜138又は配列ID番号:6の78〜119からのコラーゲン様領域;及び
4.配列ID番号:2のアミノ酸155〜288又は配列ID番号:4の145〜278又は配列ID番号:6の126〜259からのC1qホモロジーの球状領域
を含む、少なくとも4の明らかな領域から成る。
【0128】
上記用語「コラーゲン残基」はアミノ酸三重グリシン、X、Y、を意味する本分野における標準の様式で使用され、ここで、X及びYはいかなるアミノ酸でもありうる。
【0129】
本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片は単離された形態で好ましく提供される、及び部分的に又は実質的に精製されうる。GMG−2ポリペプチド断片の組換えて作出された変形はSmith et al.((1988)Gene 67(1):31〜40)により示される1段階法により又は本明細書中に示される若しくは本分野において知られる方法により実質的に精製されうる。本分野の断片はまたタンパク質精製の本分野において知られる方法により本発明に係るポリペプチド断片に対して方向付けられた抗体を用いて天然の又は組換えられた源からも精製されうる。
【0130】
GMG−2ポリペプチド断片の部分的な精製又は選択に関連する本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片の調製はまた特定して企図される。これらの粗い調製物は、おそらく少ない追加の精製段階を用いてはいるが、上記断片の完全な精製の前の、GMG−2ポリペプチド断片を発現する細胞の濃度の結果であると構想される。GMG−2ポリペプチド断片を発現する細胞はペレット中に存在し、それらは溶解される又は例えば、上記粗いポリペプチドは凍結乾燥される。
【0131】
GMG−2ポリペプチド断片は全長GMG−2ポリペプチド未満の少なくとも6の連続的なアミノ酸から1アミノ酸の長さの整数でありうる。したがって、配列ID番号:2のポリペプチドについて、GMG−2ポリペプチドは、例えば、6〜287の連続的なアミノ酸の整数でありうる。上記用語「整数」は、本明細書中で使用されるとき、その数学的な意味であり、及びしたがって、代表的な整数は、非限定的に:
【化16】
を含む。
【0132】
上記に示されるそれぞれのGMG−2ポリペプチド断片はそのN−末端及びC−末端位についてさらに特定されうる。例えば、配列ID番号:2のある無傷の及び連続的な全長ポリペプチド配列についての、配列ID番号:2の全長ポリペプチド未満の6の連続的なアミノ酸から1のアミノ酸までの断片が占有しうるN−末端及びC−末端位のそれぞれの組み合わせは本発明に含まれる。したがって、6の連続的なアミノ酸断片は、244の連続的なアミノ酸断片の
【化17】
から成る群から選ばれる位置を占有しうる。238の連続的なアミノ酸断片は1〜238、2〜238、3〜240、4〜241、5〜242、6〜243及び7〜244から成る群から選ばれる位置を占有しうる。同様に、配列ID番号:2における6アミノ酸〜287アミノ酸の大きさの全ての他の断片により、及び配列ID番号:4における6アミノ酸〜277アミノ酸の大きさの全ての他の断片により、及び配列ID番号:6における6アミノ酸〜258アミノ酸の大きさの全ての他の断片により占有される上記位置は本発明に含まれる、及びまたこれらの2の例に基づいて直ちに認識されうる、及びそれゆえ、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単に個々に挙げられない。さらに、配列ID番号:2、4又は6における連続的なアミノ酸の6〜最後のアミノ酸の隣までの断片により占有される位置は本発明に含まれる、及びまた2の例に基づいて直ちに認識されうる、及びしたがって、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単に個々に挙げられない。さらに、いかなる他の全長GMG−2ポリペプチド未満の6の連続的なアミノ酸から1アミノ酸の断片により占有される位置はこれらの2の例に基づいて認識されうる、及びそれゆえ、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単に個々に挙げられない。
【0133】
238の連続的なアミノ酸断片は配列ID番号:2の1〜238、2〜239、3〜240、4〜241、5〜242、6〜243及び7〜244から成る群から選ばれる位置を占有しうる。同様に、配列ID番号:2の6アミノ酸〜284アミノ酸の大きさの全ての他の断片により占有される位置は本発明に含まれる、及びまた上記に挙げられる6、50、100又は284の連続的なアミノ酸の断片についての例に基づいて直ちに認識されうる、及びそれゆえ、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単に個々に挙げられない。さらに、配列ID番号:4の6〜217の連続的なアミノ酸の断片により占有される位置は本発明に含まれる、及びまたこれらの2の例に基づいて直ちに認識されうる、及びそれゆえ、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単に個々に挙げられない。好ましい態様においては、予想されない活性を有する、gGMG−2ポリペプチド断片、及び同じものをコードするポリヌクレオチドは配列ID番号:2の
【化18】
から番号付けられるアミノ酸から選ばれ、ここで、位置66、69又は70のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。好ましい態様においては、予想されない活性を有する、gGMG−2ポリペプチド断片、及び同じものをコードするポリヌクレオチドは配列ID番号:4の
【化19】
から番号付けられるアミノ酸から選ばれ、ここで、位置56、59又は60のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:6のアミノ酸
【化20】
から選ばれ、ここで、位置37、40又は41のシステインは前記置換アミノ酸により置換される。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有する、gGMG−2ポリペプチド断片、及び同じものをコードするポリヌクレオチドは配列ID番号:2の
【化21】
から番号付けられるアミノ酸から選ばれる。他の好ましい態様においては、予想されない活性を有する、gGMG−2ポリペプチド断片、及び同じものをコードするポリヌクレオチドは配列ID番号:6の
【化22】
から番号付けられるアミノ酸から選ばれる。
【0134】
本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片はあるいは式「n〜c」(包括的な)により示されうる;ここで、「n」は上記ポリペプチドの(配列リストにより定義される)N−末端のほとんどのアミノ酸位置に等しく、及び「c」は(配列リストにより定義される)C−末端のほとんどのアミノ酸位置に等しい;及びさらにここで、「n」が1〜本発明に係る全長ポリペプチド配列のアミノ酸数の整数から5をひいたものに等しい(配列ID番号:2について283及び配列ID番号:4について273及び配列ID番号:6について254);及びここで、「c」は6〜全長ポリペプチド配列のアミノ酸数の整数に等しい(配列ID番号:2について288及び配列ID番号:4について278及び配列ID番号:6について259);及びここで「n」は「c」より少なくとも6小さい整数である。それゆえ、配列ID番号:2について、「n」は
【化23】
から成るリストから選ばれる整数である、及び「c」は
【化24】
から成る群から選ばれる整数である・・・(245〜288のそれぞれの整数、包括的に)。「n」及び「c」位置のそれぞれの組み合わせは本発明の特定の態様として含まれる。さらに、式「n」〜「c」は「n1〜n2」〜「c1〜c2」として改変されうる、ここで、「n1〜n2」及び「c1〜c2」は配列リストのアミノ酸位置を示す上記2の整数から選ばれる位置範囲を示す。代替の式は「n1〜n2」〜「c」及び「n」〜「c1〜c2」を含む。好ましい態様においては、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片は、配列ID番号:2のn1=57、n2=155、及びc=288の式により;又は配列ID番号:4のn1=47、n2=145、及びc=278の式により又は配列ID番号:6のn1=28、n2=126、及びc=259により示されうる。
【0135】
これらの特定の態様、及び本明細書中に示される他のポリペプチド及びポリヌクレオチド断片の態様は「少なくとも」、「に等しい」、「以下の」、「未満の」、「少なくとも_であるが_未満の」又は「_〜_の」特定の大きさ又は特定のN−末端及び/又はC−末端位置として改変されうる。本発明のいかなる態様を示すために使用される全ての範囲も、特別に別段の定めなき限り、包括的であることが留意される。
【0136】
本発明はまたN−末端及びC−末端位置により特定される個々の断片の又は上記に示されるアミノ酸残基の大きさにより特定される断片の排除も提供する。さらに、N−末端及びC−末端位置により又は上記に示されるアミノ酸残基の大きさにより特定される断片の数は個々の種として排除されうる。さらに、N−末端及びC−末端位置により又は上記に示されるアミノ酸残基の大きさにより特定される断片の数は組み合わせでポリペプチド断片を作出しうる及び場合により非GMG−2ポリペプチド配列をも含みうる。
【0137】
本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片は、改変されたgGMG−2ポリペプチド断片を含む、上記に示されるgGMG−2ポリペプチド断片の変形、断片、アナログ及び誘導体を含む。
【0138】
上記球状C−末端C1qホモロジー領域の全部又は一部から成る及び予想されない脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性を有する、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片の適切な及び効果的な生成を促進する、in vivoの本発明に係る全長GMG−2ポリペプチドのタンパク質分解的切断は複雑な制御を受けやすいと考えられる。前記タンパク質分解的切断は代替のスプライシングをとおしてプロテアーゼ切断部位の選択的な提示により部分的に制御される。前記タンパク質分解的切断はさらに上記プロテアーゼの値で、例えば、上記プロテアーゼの組織分布の値で及び上記プロテアーゼの量の値で制御され、それ自体は炎症に関連するものの如き生理学的シグナルにより制御されうる。球状C−末端C1qホモロジー領域の全部又は一部から成る及び予想されない脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性を有する、本発明に係る特に好ましいGMG−2ポリペプチド断片はin vivoでタンパク質分解的に生成されると考えられる配列ID番号:2、4又は6の前記GMG−2ポリペプチド断片である。特に好ましいものは144位での配列ID番号:2のコラーゲナーゼ切断により作出される、配列ID番号:2の約アミノ酸144〜288のGMG−2断片である。特に好ましいものは134位での配列ID番号:2のコラーゲナーゼ切断により作出される配列ID番号:4の約アミノ酸134〜278のGMG−2断片である。特に好ましいものは115位での配列ID番号:6のコラーゲナーゼ切断により作出される、配列ID番号:6の約アミノ酸115〜259のGMG−2断片である。特に好ましいものは114位での配列ID番号:2のマトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)切断により作出される、配列ID番号:2の約アミノ酸114〜288のGMG−2断片である。特に好ましいものは134位での配列ID番号:4のマトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)切断により作出される、配列ID番号:4の約アミノ酸134〜278のGMG−2断片である。特に好ましいものは115位での配列ID番号:6のマトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)切断により作出される、配列ID番号:6の約アミノ酸115〜259のGMG−2断片である。特に好ましいものは152、153、161又は162位での配列ID番号:2のプラスミン切断により作出される、配列ID番号:2の約アミノ酸152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288のGMG−2断片である。特に好ましいものは142、143、151又は152位での配列ID番号:4のプラスミン切断により作出される、配列ID番号:4の約アミノ酸142〜278、143〜278、151〜278又は152〜278のGMG−2断片である。特に好ましいものは123、124、132又は133位での配列ID番号:6のプラスミン切断により作出される、配列ID番号:6のアミノ酸123〜259、124〜259、132〜259又は133〜259のGMG−2断片である。
【0139】
本発明に係るGMG−2ポリペプチドは改変されたGMG−2ポリペプチドを含む、上記に示されるGMG−2ポリペプチドの変形、断片、アナログ及び誘導体を含む。
【0140】
変形
本発明に係るgGMG−2断片配列のいくつかのアミノ酸は上記タンパク質の構造又は機能に顕著な影響を与えることなく変形されうること;活性を決定する断片配列中の重要なアミノ酸があるであろうことは当業者により認識されるであろう。したがって、本発明はさらに上記に示される肥満関連活性を有するgGMG−2ポリペプチド断片の変形含む。上記変形は活性にほとんど影響を与えないために、本分野において知られる一般規則にしたがって選択される天然の突然変異又は人の操作からの1以上のアミノ酸欠失、挿入、反転、繰り返し、及び置換を有するGMG−2断片配列を含む。表現形としてサイレントなアミノ酸置換を作出する方法についてのガイダンスは以下に提供される。
【0141】
アミノ酸配列の変化への耐性の研究については2の主なアプローチがある(Bowie, et al.(1990)Science,247,1306〜10を参照のこと)。第一の方法は、突然変異が自然選択により許容される又は拒絶される、進化のプロセスによる。第二のアプローチはクローニングした遺伝子の特定の位置にアミノ酸変化を導入する遺伝子工学又は機能的に維持される配列を同定するスクリーニングを用いる。
これらの研究は、タンパク質が驚くべきことにアミノ酸置換に耐性であることを明らかにし、そしてそのアミノ酸変化は上記タンパク質のある位置で許容されやすいことを示す。例えば、ほとんどの埋もれたアミノ酸残基は非極性側鎖を必要とし、その一方で表面側鎖の特徴は一般的にほとんど保存されていない。他の上記表現形としてサイレントな置換はBowie et al.(supra)及び本明細書中に引用される文献により示される。
【0142】
連続的な置換基として典型的に見られるものは脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu及びPheの間の互いの置換;ヒドロキシル基Ser及びThrの交換;酸性残基Asp及びGluの交換;アミド残基Asn及びGlnの間の置換;塩基性残基Lys及びArgの交換;及び芳香族残基Phe、Tyrの間の置換である。さらに、以下のアミノ酸群は一般的に同等の変化を示す:(1)Ala、Pro、Gly、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Thr;(2)Cys、Ser、Tyr、Thr;(3)Val、Ile、Leu、Met、Ala、Phe;(4)Lys、Arg、His;(5)Phe、Tyr、Trp、His。
【0143】
同様に、機能に重要な本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片配列におけるアミノ酸は、位置特異的突然変異又はアラニンスキャニング突然変異の如き、本分野において知られる方法によっても同定されうる(例えば、Cunningham et al.(1989)Science 244(4908):1081−5を参照のこと)。後者の手順は上記分子内の残基毎に単一のアラニン変異を導入する。生ずる変異分子はその後上記に示される分析を用いて肥満関連活性について試験される。特別興味深いのは、凝集が少ないことの如き、非常に所望される改良された特性を有するタンパク質を作出しうる、電荷を有するアミノ酸の他の電荷を有する又は中性アミノ酸での置換である。凝集は活性を減少させるのみでなく、凝集物は免疫原性でありうるため、医薬の又は生理学的に許容される調剤を調製するとき問題でありうる(例えば、Pinckard, et al., (1967)Clin. Exp. Immunol 2:331−340;Robbins, et al.,(1987)Diabetes Jul;36(7):838−41;及び Cleland et al., (1993)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 10(4):307−77を参照のこと)。
【0144】
したがって、本発明に係るgGMG−2断片の断片、誘導体、アナログ又はホモログは、例えば、:(i)1以上のアミノ酸残基が保存された又は保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換される及び上記置換アミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものでありうる又はありえない(すなわち、非天然のアミノ酸でありうる)もの;又は(ii)1以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの;又は(iii)gGMG−2断片が、上記断片の半減期を増大させる化合物の如き他の化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合されるもの;又は(iv)追加のアミノ酸が、IgG Fc融合領域ペプチド又はリーダー若しくは分泌配列又は断片の上記形態の精製に使用される配列又はプロタンパク質配列の如き、断片の上記形態と融合されるものでありうる。上記断片、誘導体及びアナログは本明細書中の教示から当業者の範囲内にあると考えられる。
【0145】
本発明のさらなる態様は少なくとも1の保存されたアミノ酸置換であるが50以下の保存されたアミノ酸置換、40以下の保存されたアミノ酸置換、30以下の保存されたアミノ酸置換、及び20以下の保存されたアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を有するgGMG−2ポリペプチド断片のアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。少なくとも1であるが、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1以下の保存されたアミノ酸置換を有するgGMG−2断片のアミノ酸配列を含むポリペプチドも提供される。
【0146】
本発明のさらなる態様は前記ポリペプチド断片のN−末端の改変をとおしてヂペプチヂルペプチダーゼ切断に耐性にされたGMG−2ポリペプチド断片に関する。好ましい態様においては、前記GMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸144〜288若しくは162〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸134〜278若しくは152〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸115〜259若しくは133〜259から選ばれる。好ましい態様においては、前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断は前記好ましい断片からのヂペプチヂルペプチダーゼによるN−末端ヂペプチドSP又はTAの除去を引き起こす。他の好ましい態様においては、前記ヂペプチヂルペプチダーゼはヂペプチヂルペプチダーゼから成るヒト血漿である。他の好ましい態様においては、前記ヂペプチヂルペプチダーゼは、非限定的に、ヒトCD26及びヒトアトラクチンから選ばれる。さらに好ましい態様においては、前記ヂペプチヂルペプチダーゼは溶解性のヒトCD26又は溶解性のヒトアトラクチンから選ばれる。好ましい態様においては、前記N−末端の改変は、非限定的に、グリケーション[Harte(2001)Regulatory Peptides 96:95−104、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する]、N−メチル化、アルファ−メチル化、デスアミデーション[Gallwitz(2000)Regulatory Peptides 86:103−111、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する]又は1以上のN−末端アミノ酸のキラリティーの変化[Siegel(1999)European Journal of Clinical Investigation 29:610−614、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する]から選ばれる。したがって、本発明は前記ポリペプチド断片のN−末端の改変をとおしてヂペプチヂルペプチダーゼ切断に耐性にされたGMG−2ポリペプチド断片又はその変形をも含む。
【0147】
本発明に係る改変されたgGMG−2断片の他の特定の態様はタンパク質分解に耐性のポリペプチド、例えば、−CONH−ペプチド結合が1以上の以下の(CH2NH)還元結合;(NHCO)レトロ逆結合;(CH2−O)メチレン−オキシ結合;(CH2−S)チオメチレン結合;(CH2CH2)カルバ結合;(CO−CH2)セトメチレン結合:(CHOH−CH2)ヒドロキシエチレン結合;(N−N)結合;E−アルセン結合;又は−CH=CH−結合により改変された及び置換された、gGMG−2断片である。したがって、本発明は少なくとも1のペプチド結合が上記に示されるように改変されたgGMG−2断片又はその変形をも含む。
【0148】
さらに、アミノ酸はL又はD体のキラリティーを有する。いくつかの態様においては、体内での半減期を延ばすために本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片においてアミノ酸のキラリティーを変えることが好ましい。したがって、いくつかの態様においては、1以上のアミノ酸は好ましくはL配置で存在する。他の態様においては、1以上のアミノ酸は好ましくはD配置で存在する。
【0149】
パーセント同一性
本発明に係るポリペプチドは上記に示したgGMG−2断片と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをも含む。gGMG−2断片アミノ酸配列と少なくとも、例えば、95%「同一の」アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、上記アミノ酸配列が上記gGMG−2ポリペプチド断片アミノ酸配列の100アミノ酸当たり5までのアミノ酸変化を含みうることを除いては、gGMG−2ポリペプチド断片配列と同一であることが意味される。上記引用配列は上記配列リストの配列に対応する配列を有する上記gGMG−2ポリペプチド断片である。したがって、gGMG−2断片アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、上記配列中の5%(100のうちの5)までのアミノ酸残基が挿入され、欠失され又は上記gGMG−2ポリペプチド断片配列と比較して他のアミノ酸で置換されうる。これらの変化はアミノ若しくはカルボキシ末端又は上記配列内又は上記配列内の1以上の連続的な基の中の残基間に個々に散在するそれらの末端位間のどこでも起こりうる。
【0150】
実質的な問題として、特定のポリペプチドがgGMG−2断片にパーセント同一であるか否かは既知のコンピュータプログラムを用いて慣用的に決定されうる。上記アルゴリズム及びプログラムは、非限定的に、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、及びCLUSTALWを含む(Pearson and Lipman,(1988)Proc Natl Acad Sci USA 85(8):2444−8;Altschul et al.,(1990)J Mol Biol 215(3):403−410;Thompson et al.,(1994)Nucleic Acids Res 22(2):4673−4680;Higgins et al.,(1996)Meth Enzymol 266:383−402;Altschul et al.,(1997)Nuc Acids Res 25:3389−3402;Altschul et al.,(1993)Nature Genetics 3:266−272)。特に好ましい態様においては、タンパク質及び核酸配列ホモロジーはBasic Local Alignment Search Tool(“BLAST”)を用いて評価され、それは本分野において周知である(例えば、Karlin and Altschul(1990)Proc Natl Acad Sci USA 87(6):2264−8;Altschul et al., 1990, 1993, 1997, all supraを参照のこと)。特に、5の特定のBLASTプログラムは以下のタスクを行うために使用される:
【0151】
(1)BLASTP及びBLAST3はタンパク質配列データベースに対してアミノ酸クエリー配列を比較する;
(2)BLASTNはヌクレオチド配列データベースに対してヌクレオチドクエリー配列を比較する;
(3)BLASTXはタンパク質配列データベースに対してクエリーヌクレオチド配列(両方の鎖)の6フレームの概念上の翻訳産物を比較する;
(4)TBLASTNは全ての6のリーディングフレーム(両方の鎖)において翻訳されるヌクレオチド配列データベースに対してクエリータンパク質配列を比較する;及び
(5)TBLASTXはヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物に対してヌクレオチドクエリー配列の6フレーム翻訳物を比較する。
【0152】
上記BLASTプログラムは、クエリーアミノ又は核酸配列及び好ましくはタンパク質又は核酸配列データベースから得られる試験配列の間で、本明細書中で「ハイスコアリング セグメントペア」と呼ぶ、類似のセグメントを同定することにより相同的配列を同定する。ハイスコアリング セグメントペアは、その多くが本分野において知られるスコアリングマトリックスの方法により好ましく同定される(すなわち、並べられる)。好ましくは、使用されるスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックスである(Gonnet et al.,(1992)Science 256(5062):1443−5;Henikoff and Henikoff(1993)Proteins 17(1):49−61を参照のこと)。より好ましくないが、PAM又はPAM250マトリックスも使用されうる(例えば、Schwartz and Dayhoff, eds, (1978)Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundationを参照のこと)。上記BLASTプログラムは同定された全てのハイスコアリング セグメントペアの統計的な顕著性を評価し、そして好ましくはユーザーが特定したパーセントホモロジーの如き、ユーザーが特定した顕著性の閾値を満足するセグメントを選択する。好ましくは、ハイスコアリング セグメントペアの統計的な顕著性はKarlinの統計的な顕著性の式を用いて評価される(例えば、Karlin and Altschul,(1990)Proc Natl Acad Sci USA 87(6):2264−8を参照のこと)。上記BLASTプログラムはデフォルトパラメーターで又はユーザーにより提供される改変されたパラメーターで使用されうる。好ましくは、上記パラメーターはデフォルトパラメーターである。
【0153】
全体的な配列整合とも言われる、クエリー配列(本発明に係る配列)及び問題の配列の間の最もよい全体的な適合を決定するための好ましい方法はBrutlag et al.(1990)Comp. App. Biosci. 6:237−245のアルゴリズムに基づいたFASTDBコンピュータプログラムを用いて決定されうる。配列整合において上記クエリー及び問題の配列は両方アミノ酸配列である。前記全体的な配列整合の結果はパーセント同一性である。FASTDBアミノ酸整合において使用される好ましいパラメーターは:Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=20、Randomization Group=25、Length=0、Cutoff Score=1、Window Size=配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty=0.05、Window Size=247又は問題のアミノ酸配列の長さのいずれか短い方である。
【0154】
上記問題の配列が内部の欠失のためでなく、N−又はC−末端欠失のためにクエリー配列よりも短い場合、FASTDBプログラムは全体的なパーセント同一性を計算するとき上記問題の配列のN−及びC−末端切断を考慮しないので、パーセント同一性での上記の結果を手で補正しなければならない。クエリー配列に比較して、N−及びC−末端で切断された問題の配列については、上記パーセント同一性は問題の配列のN−及びC−末端である、対応する問題の残基と適合/整合しないクエリー配列の残基の数を、上記クエリー配列の総塩基のパーセントとして、計算することにより補正される。残基が適合/整合するか否かはFASTDB配列整合の結果により決定される。このパーセントはその後特定のパラメーターを用いて上記FASTDBプログラムにより計算された、パーセント同一性から引かれ、最終的なパーセント同一性スコアに到達する。この最終的なパーセント同一性スコアは本発明の目的のために使用されるものである。上記クエリー配列と適合/整合しない上記問題の配列のN−及びC−末端の残基のみがパーセント同一性スコアを手で調節する目的のために考慮される。すなわち、上記問題の配列の最も遠いN−及びC−末端残基の外のクエリーアミノ酸残基のみ。
【0155】
例えば、90アミノ酸残基の問題の配列がパーセント同一性を決定するために100残基のクエリー配列と整合される。欠失が問題の配列のN−末端で起こる、及びそのため、上記FASTDB整合はN−末端のはじめの残基と適合/整合しない。10の対にならない残基は配列の10%(適合しないN−及びC−末端の残基の数/クエリー配列における残基の総数)を示すので、10%はFASTDBプログラムにより計算されるパーセント同一性スコアから引かれる。残りの90残基が完全に適合する場合、最終的なパーセント同一性は90%であろう。
【0156】
他の例においては、90残基の問題の配列が100残基のクエリー配列と比較される。今度は、欠失は内部であるので、上記クエリー配列と適合/整合しない問題の配列のN−又はC−末端の残基はない。この場合には、FASTDBにより計算されるパーセント同一性は手動で補正されない。再び、上記クエリー配列と適合/整合しない、FASTDB整合において示される、上記問題の配列のN−及びC−末端の外の残基位置のみが手動で補正される。他の手動の補正は本発明の目的のためになされない。
【0157】
産生
本開示をとおして、GMG−2ポリペプチド断片が議論されるときはいつでも、gGMG−2断片がGMG−2ポリペプチド断片の好ましいサブセットとして含まれることが特別に意図されることに注意すべきである。
【0158】
GMG−2ポリペプチド断片は好ましくはヒト又は哺乳類の組織サンプルから単離される又はヒト又は哺乳類の細胞内のヒト又は哺乳類の遺伝子から発現される。本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片は本分野において知られる日常の発現方法を用いて作出されうる。所望のポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドは便利な宿主について好適な発現ベクター中へライゲーションされる。真核細胞及び原核細胞宿主系の両方が組換えポリペプチド断片の形成において使用される。上記ポリペプチド断片はその後溶解した細胞から又は培養培地から単離され、そしてその意図される使用に必要とされる程度まで精製される。精製は本分野において知られる技術、例えば、ディファレンシャル抽出、塩画分化、クロマトグラフィー、遠心分離等による。例えば、Methods in Enzymology for a variety of methods for purifying proteinsを参照のこと。また、GMG−2ポリペプチド断片について以前に使用される方法についての実施例1〜3を参照のこと。
【0159】
代替の態様においては、本発明に係るポリペプチドは乳から単離される。上記ポリペプチドは全長GMG−2ポリペプチドとして精製されることができ、それはその後、適切な場合は、in vitroで切断されてGMG−2断片を作出する、又は、あるいは、GMG−2断片それ自体が上記乳から精製されうる。Protein Purification Applications,A Practical Approach(New Edition),Edited by Simon Roe,AEA Technology Products and Systems,Biosciences, Harwell; Clark(1998)J Mammary Gland Biol Neoplasia 3:337−50;Wilkins and Velander(1992)49:333−8;U.S.Patent Nos. 6,140,552;6,025,540;Hennighausen,Protein Expression and Purification, vol.1,pp.3−8(1990);Harris et al.(1997)Bioseparation 7:31−7;Degener et al.(1998)J Chromatog 799:125−37;Wilkins(1993)J Cell Biochem Suppl.0(17 part A):39において教示されるものを含む、多くの方法のいずれも乳からの本ポリペプチドを精製するために使用されることができる;そのそれぞれの全開示を本明細書中に援用する。典型的な態様においては、乳は脂質画分を分離するために例えば、比較的遅いスピードで遠心分離される、及び上記水性上清はその後残る「ホエー」画分から乳中のカゼインを分離するためにより速いスピードで遠心分離される。しばしば、生物医薬タンパク質がこのホエー画分中に見られ、及び標準のクロマトグラフィーの又は例えば、本明細書中のどこかに示されるタンパク質精製に通常使用される他の手順を用いてこの画分から単離されうる。1の好ましい態様においては、GMG−2ポリペプチドはGMG−2ポリペプチドに特異的な抗体を用いて、例えば、アフィニティークロマトグラフィーを用いて精製される。さらに、方法、例えば、電気泳動又は特定の大きさのタンパク質を単離するための他の方法は特定のGMG−2断片を単離するために使用されうる。GMG−2ポリペプチド断片は哺乳類の乳中に天然に存在することが発見されている(例えば、実施例18を参照のこと)ので、これらの方法を用いて単離されるGMG−2ポリペプチドは天然でありうる又は以下に示すように、非ヒト哺乳類の乳腺におけるタンパク質の組換えの産生の結果でありうる。1の上記態様において、上記GMG−2断片は異種の、抗原性ポリペプチド配列を有する融合タンパク質として産生され、その抗原性配列は、例えば、標準の免疫アフィニティー法を用いて、上記タンパク質を精製するために使用されうる。
【0160】
さらに、より短いタンパク質断片は化学合成により作出されうる。あるいは、本発明に係るタンパク質はヒト又は非ヒト動物の細胞又は組織から抽出される。タンパク質を精製する方法は本分野において知られ、そして粒子を破壊するための界面活性剤又はカオトロピック剤の使用、続いてディファレンシャル抽出並びにイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、濃度にしたがった沈降分離、及びゲル電気泳動による上記ポリペプチドの分離を含む。
【0161】
いかなるGMG−2断片cDNAもGMG−2ポリペプチド断片を発現するために使用されうる。発現されるべきGMG−2断片をコードする核酸は慣用のクローニング技術を用いて発現ベクター中のプロモーターに実施可能に結合される。発現ベクター中のGMG−2断片cDNAインサートは:(後に改変されるべき)全長GMG−2ポリペプチド;全長GMG−2ポリペプチドよりも6アミノ酸〜1アミノ酸少ないもの;gGMG−2断片;又は変形及び%類似のポリペプチドについてのコード配列を含みうる。
【0162】
上記発現ベクターは本分野において知られる哺乳類、酵母、昆虫又は菌の発現系のいずれでもあり、それらのうちのいくつかは本明細書中に示され、そしてその例は実施例(実施例1〜3)中に与えられる。商業的に入手可能なベクター及び発現系はGenetics Institute(Cambridge, MA)、Stratagene(La Jolla, California)、Promega(Madison, Wisconsin)、及びInvitrogen(San Diego, California)を含むさまざまな供給者から入手可能である。所望の場合は、発現を高める及び適切なタンパク質折りたたみを促進するために、上記配列のコドンコンテクスト及びコドンペアリングは、その開示をそれらを全体として本明細書中に援用するHatfield et al., 米国特許第5,082,767号により説明されるように、発現ベクターが導入される特定の発現生物について最適化されうる。
【0163】
GMG−2ポリペプチド断片をコードする核酸が開始部位としてはたらくメチオニンを欠く場合、開始メチオニンは慣用の技術を用いて核酸のはじめのコドンの隣に導入されうる。同様に、上記GMG−2ポリペプチド断片cDNAからの挿入物がポリAシグナルを欠く場合、この配列は、例えば、BglI及びSalI制限エンドヌクレアーゼ酵素を用いてpSG5(Stratagene)からのポリAシグナルを切り出し、そしてそれを哺乳類の発現ベクターpXT1(Stratagene)中に導入することにより、上記構築物に加えられうる。pXT1はモロニーマウス白血病ウイルスからのLTRs及びギャグ遺伝子の一部を含む。上記構築物中のLTRsの一部は効果的で安定的なトランスフェクションを許す。上記ベクターは単純ヘルペスチミヂンキナーゼプロモーター及び選択可能なネオマイシン遺伝子を含む。
【0164】
GMG−2断片をコードする核酸は、所望のGMG−2cDNAに相補的な、及び5’プライマー中に導入されたPstI及び対応するcDNA3’プライマーの5’末端でBglIIについての制限エンドヌクレアーゼ配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、GMG−2ヌクレオチド配列を含むベクターから、上記GMG−2断片をコードする配列がポリAシグナルに関して適切に位置付けられることを確実にすることに留意しながら、PCRにより得られうる。生ずるPCR反応から得られた精製した断片はPstIで消化され、エキソヌクレアーゼで平滑末端にされ、BglIIで消化され、精製され、そしてpXT1にライゲーションされて、ポリAシグナルを含むことになり、そしてBglIIで消化される。代替の方法は実施例1〜3中に示される。
【0165】
GMG−2断片を発現するベクターのマウスNIH3T3細胞へのトランスフェクションはポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する1の態様である。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの宿主細胞への導入はリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン仲介トランスフェクション、陽イオン性脂質仲介トランスフェクション、エレクトロポーレーション、トランスダクション、感染又は他の方法により影響されうる。上記方法はDavis et al.((1986)Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing Co., Inc., Amsterdam)の如き、多くの標準の研究室マニュアル中に示される。本発明に係るポリペプチドは実際に組換えベクターを欠く宿主細胞により発現されうることが特に企図される。細胞内で本発明に係るGMG−2断片を発現させる方法は実施例1〜3中に示される。
【0166】
本発明に係るポリペプチド(すなわち、gGMG−2断片)は硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法により組換え細胞培養物から回復され及び精製されうる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(“HPLC”)が精製に使用される。本発明に係るポリペプチド、及び好ましくは上記分泌された形態も:直接単離され又は培養された、体液、組織及び細胞を含む、天然の源からの精製した産物;化学合成手順の産物;及び例えば、菌類、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳類細胞を含む原核細胞又は真核細胞宿主からの組換え技術により作出された産物から回復されうる。
【0167】
組換え産生手順において使用される宿主に因り、本発明に係るポリペプチドはグリコシル化されうる又は非グリコシル化されうる。好ましくは、本発明に係るポリペプチドを含むGMG−2球状ドメインは非グリコシル化される。さらに、本発明に係るポリペプチドは、いくつかの場合宿主仲介プロセスの結果として、開始の改変されたメチオニン残基をも含みうる。したがって、翻訳開始コドンによりコードされるN−末端メチオニンは一般的に全ての真核細胞において翻訳後にタンパク質から高い率で除去されることが本分野において周知である。ほとんどのタンパク質についてのN−末端メチオニンはほとんどの原核生物においても効果的に除去される一方で、いくつかのタンパク質については、この原核生物除去プロセスが上記N−末端メチオニンが共有結合的に結合しているアミノ酸の性質に因り、不十分である。
【0168】
本明細書中で議論されるベクター構築物を含む宿主細胞を含むことに加えて、本発明は、内因性の遺伝子材料(例えば、コード配列)を欠失させる又は置き換えるよう、及び/又は本発明に係るポリヌクレオチドに実施可能に関連し、そして内因性のポリヌクレオチドを活性化する、変化させる、及び/又は増幅させる遺伝子材料(例えば、異種のポリヌクレオチド配列)を含むよう作り変えた、脊椎動物起源、特に哺乳類起源の初代の、二代目の、及び不死化した宿主細胞をも含む。例えば、本分野において知られる技術は相同組換えを介して異種のコントロール領域(例えば、プロモーター及び/又はエンハンサー)及び内因性のポリヌクレオチド配列を実施可能に関連させるために使用されることができ、例えば、1997年6月24日発行の米国特許第5,641,670号;1996年9月26日公開の国際公開番号WO 96/29411;1994年8月4日公開の国際公開番号WO 94/12650;Koller et al.,(1989)Proc Natl Acad Sci USA 86(22):8932−5;Koller et al.,(1989)Proc Natl Acad Sci USA 86(22):8927−31;及びZijlstra et al.(1989)Nature 342(6248):435−8を参照のこと;そのそれぞれの開示はそれらを全体として本明細書中に援用する。
【0169】
改変
さらに、本発明に係るポリペプチドは本分野において知られる技術を用いて化学合成されうる(例えば、Creighton,1993 Proteins. New York, New York:W. H. Freeman and Company;and Hunkapiller et al.,(1984)Nature 310(5973):105−11を参照のこと)。例えば、本発明に係る比較的短い断片はペプチド合成機の使用により合成されうる。さらに、所望の場合、非古典的アミノ酸又は化学アミノ酸アナログが上記断片配列中に置換又は追加として導入されうる。非古典的アミノ酸は、非限定的に、通常のアミノ酸のD−異性体、2,4−ヂアミノブチル酸、a−アミノイソブチル酸、4−アミノブチル酸、Abu、2−アミノブチル酸、g−Abu、e−Ahx、6−アミノヘキサノン酸、Aib、2−アミノイソブチル酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグルシン、シクロヘキシルアラニン、b−アラニン、フルオロアミノ酸、b−メチルアミノ酸、Ca−メチルアミノ酸、Na−メチルアミノ酸の如きデザイナーアミノ酸、及び一般のアミノ酸アナログを含む。さらに、上記アミノ酸はD(右旋性)又はL(左旋性)でありうる。
【0170】
本発明は例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/防御基による誘導体化、タンパク質分解的切断、抗体分子又は他の細胞内リガンドへの結合等により翻訳中又は後に特異に改変されたポリペプチド断片を含む。多くの化学修飾のいずれも、非限定的に、臭化シアノーゲン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH4による特異的化学的切断;アセチル化、フォルミル化、酸化、還元;タニカマイシンの存在下での代謝合成;等を含む既知の技術により行われうる。
【0171】
本発明に含まれる追加の翻訳後修飾は、例えば、N−結合又はO−結合炭水化物鎖、N−末端又はC−末端のプロセッシング、アミノ酸骨格への化学基の結合、N−結合又はO−結合炭水化物鎖の化学修飾、及び原核生物宿主細胞発現の結果としてのN−末端メチオニン残基の追加又は欠失を含む。上記ポリペプチド断片は、上記ポリペプチドの検出及び単離を許すための酵素的な、蛍光の、同位体の又はアフィニティーの標識の如き、検出可能な標識と共にも改変されうる。
【0172】
また本発明により、上記ポリペプチドの増大した溶解性、安定性及び循環時間又は減少した免疫原性の如き、追加の利点を提供しうる本発明に係るポリペプチドの化学修飾された誘導体が提供される。米国特許第4,179,337号を参照のこと。誘導体化のための化学基はポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリヴィニルアルコール等の如き、水溶解性ポリマーから選ばれうる。上記ポリペプチドは上記分子内でランダムな位置で又は上記分子内で前決定された位置で改変されることができ、そして1、2、3又はそれ以上の結合した化学基を含みうる。
【0173】
上記ポリマーはいかなる分子量からもなることができ、そして枝分かれしうる又は枝分かれしない。ポリエチレングリコールについて、好ましい分子量は取り扱い及び製造の容易さのために、約1kDa〜約100kDaである(上記用語「約」はポリエチレングリコールの調製物において、いくつかの分子は示した分子量より重く、いくつかはより軽いであろうということを示す)。他の大きさは、所望の治療プロファイル(例えば、所望される維持された放出の長さ、ある場合は生物学的活性への効果、取り扱いの容易さ、抗原性の程度又は欠如及び上記ポリエチレングリコールの治療タンパク質又はアナログへの他の既知の効果)に因り使用されうる。
【0174】
上記ポリエチレングリコール分子(又は他の化学基)は上記ポリペプチドの機能的な又は抗原性のドメインへの効果を考慮して上記ポリペプチドに結合されるべきである。当業者に入手可能ないくつかの結合方法がある、例えば、本明細書中に援用するEP 0 401 384(G−CSFへのPEGのカップリング)、また塩化トレシルを用いたGM−CSFのペジレーションを報告するMalik et al.(1992)Exp Hematol 20(8):1028−35を参照のこと。例えば、ポリエチレングリコールは遊離アミノ又はカルボキシル基の如き、反応基を介してアミノ酸残基をとおして共有結合されうる。反応基は活性化されたポリエチレングリコール分子が結合されうるものである。遊離アミノ酸を有するアミノ酸残基はリジン残基及びN−末端アミノ酸残基を含みうる;遊離カルボキシル基を有するものはアスパラギン酸残基、グルタミン酸残基及びC−末端アミノ酸残基を含みうる。サルフヒドリル基もポリエチレングリコール分子の結合のために反応基として使用されうる。治療目的のために好ましいものはN−末端又はリジン基での結合の如き、アミノ基での結合である。
【0175】
N−末端で化学修飾されたタンパク質が特に所望されうる。本組成物の例示としてポリエチレングリコールを用いて、(分子量、枝分かれ等による)さまざまなポリエチレングリコール分子、反応混合物中のポリエチレングリコール分子のタンパク質(ポリペプチド)分子に対する割合、達成されるべきペジレーション反応の型、及び選択されたN−末端にペジル化されたタンパク質を得る方法が選択されうる。N−末端にペジル化した調製物を得る方法(すなわち、必要で有ればこの基を他のモノペジル化基から分離すること)はペジル化タンパク質分子の集団からのN−末端ペジル化材料の精製によりうる。N−末端で化学修飾された選択的タンパク質は、特定のタンパク質における誘導体化について入手可能な異なる型の第一アミノ基(リジン対N−末端)の特異な反応性を活用する、還元アルキル化により完成されうる。適切な反応条件下で、重合体を含むカルボニル基でのN−末端でのタンパク質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。
【0176】
さらなる好ましい態様においては、本発明はボディマスを減少させる必要のある個体に第一の局面のGMG−2ポリペプチド断片のヂペプチヂルペプチダーゼ切断のアンタゴニストの供給又は投与と共に、第五の局面において示される前記医薬の又は生理学的に許容される組成物を提供する又は投与することを含むボディマスの減少方法を特徴付ける。
【0177】
好ましい前記アンタゴニストはアルファ−アミノアルキルリン酸のヂエステルのペプチヂル誘導体である(米国特許第5,543,396号、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。より好ましい前記ペプチヂル誘導体はAla−ProP(OZ)2、AcOH.Ala−PipP(Oph)2、HCl.Ala−ProP(Oph−4Cl)2、HCl.Ala−PipP(Oph−4Cl)2又は2HCl.Lys−PipP(Oph−4Cl)2から選ばれ、ここで、Zはアリール基、置換されたアリール基又は非常にフルオロ化されたアルキル基を示し、ProPはリン酸プロリン誘導体を示し、及びPipPはリン酸ピペリヂルを示す(米国特許第5,543,396号、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。
【0178】
他の好ましい前記アンタゴニストは一般式Z−Xaa−Y’の化合物であり、ここで、Xaaはアミノ酸であり、Zは保護基であり、及びY’はさまざまな型の環状構造の1である(米国特許第6,090,786号、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。より好ましいものはZが存在しうる又は存在しない、及びベンジルオキシカルボニルの如き保護基を示す;Xaaがアラニン、メチオニン、アルギニン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、プロリン、アスパラギン、セリン、システイン、スレオニン、グリシン、チロシン、グルタミン酸、トリプトファン、グルタミン、バリン、イソロイシン、リジン、ロイシン、L−チオプロリン、L−ホモプロリン、L−1,2,3,4,テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、L−2,3−ヂヒドロインドール−2−カルボン酸、L−ナフチルグリシン、L−フェニルグリシン、L−4−フェニルプロリン、O−ベンジルチロシン、オメガ−Zリジン又はオメガ−アセチルリジンを示す;及びY’はピローリヂド、フォスフォネート又はフォスフィネート誘導体又は還元ペプチドを示す前記化合物;又はその医薬として許容される塩である(米国特許第6,090,786号、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。
他の好ましい前記アンタゴニストはサルフォスチンである(米国特許第6,214,340号、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。
【0179】
他の好ましい前記アンタゴニストはN−(置換されたグリシル)−2−シアノピローリヂンである(米国特許第6,166,063号)。より好ましい前記N−(置換されたグリシル)−2−シアノピローリヂンはピローリヂン,1−[[(3,5−ヂメチル−1−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[(3−エチル−1−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン、1−[[(3−メトキシ−1−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[[3−[[(t−ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]−1−アダマンチル]アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン、1−[[[3−[[[(4−メトキシフェニル)アミノ]−カルボニル]オキシ]−1−アダマンチル]アミノ]−アセチル]−2−シアノ,(S)−;ピローリヂン、1−[[[(3−[[(フェニルアミノ)カルボニル]オキシ]−1−アダマンチル]アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[(3−アセチルオキシ−1−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[[(3−[[[(ヂイソプロピル)アミノ]カルボニル]オキシ]−1−アダマンチル]アミノ]−アセチル−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[[3−[[[(シクロヘキシル)アミノ]カルボニル]オキシ]−1−アダマンチル]アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;ピローリヂン,1−[[(3−エトキシ−1−アダマンチル)アミノ]−アセチル]−2−シアノ−,(S)−;又はそれぞれの場合においては、それらの医薬として許容される酸添加塩から選ばれる(米国特許第6,166,063号)。
【0180】
他の好ましい前記アンタゴニストは式##STR1##のテトラヒドロイソキノリン3−カルボキサミド誘導体である(米国特許第6,172,081号)。より好ましいものはXがCH2、S、O又はC(CH3)2である;R1及びR2が独立に水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アラルコキシ又はハロゲンである、前記誘導体及びその医薬として許容される塩である(米国特許第6,172,081号)。
【0181】
他の好ましい前記アンタゴニストはバリン−ピローリヂドである[Deacon(2001)Diabetes 50:1588−1597、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する]。
【0182】
複合体(多量体)
本発明に係るポリペプチド断片は単量体又は複合体で存在しうる。最も好ましくは、本発明に係るポリペプチド断片はホモ三量体である。したがって、本発明は本発明に係るポリペプチド断片の単量体及び複合体、それらの調製、及びそれらを含む組成物(好ましくは、医薬の又は生理学的に許容される組成物)に関連する。特定の態様においては、本発明に係るポリペプチドはホモ三量体である。さらなる態様においては、本発明に係る複合体はホモ三量体を含む、主にそれから成る又はそれから成る。
【0183】
本発明に含まれる複合体はホモ体又はヘテロ体でありうる。本明細書中で使用されるとき、上記用語ホモ体は(本明細書中に示されるこれらのポリペプチド断片に対応するポリペプチド断片、変形、スプライス変形、及び融合タンパク質を含む)本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片に対応するポリペプチドのみを含む複合体をいう。これらのホモ体は同一の又は異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド断片を含みうる。特定の態様においては、本発明に係るホモ体は同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド断片のみを含む複合体である。他の特定の態様においては、本発明に係るホモ体は異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド断片を含む複合体である。特定の態様においては、本発明に係る複合体は(例えば、同一の又は異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド断片を含む)ホモ二量体又は(例えば、同一の及び/又は異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド断片を含む)ホモ三量体である。追加の態様においては、本発明に係るホモの複合体は少なくとも1のホモ二量体、少なくとも1のホモ三量体又は少なくとも1のホモ四量体である。より好ましくは、本発明に係るホモの複合体はホモ三量体である。さらにより好ましくは、本発明に係る前記ホモ三量体はgGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体である。最も好ましくは、本発明に係る前記gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体は脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれる活性を有する。また最も好ましくは、本発明に係る前記gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれる活性を有する。
【0184】
本明細書中で使用されるとき、上記用語ヘテロ体は本発明に係るポリペプチドに加えて、1以上の異種のポリペプチド(すなわち、異なるタンパク質又はそのポリペプチド断片に対応する)を含む複合体をいう。特定の態様においては、本発明に係る複合体はヘテロ二量体、ヘテロ三量体又はヘテロ四量体である。追加の態様においては、本発明に係るヘテロの複合体は少なくとも1のヘテロ二量体、少なくとも1のヘテロ三量体又は少なくとも1のヘテロ四量体である。
【0185】
本発明に係る複合体は疎水性、親水性、イオン性及び/又は共有結合の結果でありうる及び/又は例えば、リポソーム形成により間接的に結合されうる。したがって、最も好ましい態様においては、本発明に係るホモ三量体は本発明に係るポリペプチドが溶液中で互いに接触するとき形成される。他の態様においては、例えば、ヘテロ三量体又はヘテロ四量体の如き、本発明に係るヘテロ複合体は本発明に係るポリペプチドが溶液中で(本発明に係る融合タンパク質中の異種のポリペプチド配列に対する抗体を含む)本発明に係るポリペプチドに対する抗体と接触するとき形成される。他の態様においては、本発明に係る複合体は本発明に係るポリペプチドと及び/又はその間で共有結合により形成される。上記共有結合は上記ポリペプチド配列中に含まれる1以上のアミノ酸残基(例えば、配列リスト中に引用される又は沈殿されたクローンによりコードされるポリペプチド中に含まれるもの)を含みうる。1の場合においては、上記共有結合はポリペプチド配列内に位置されるシステイン残基の間のクロス結合であり、それは天然(すなわち、天然に起こる)ポリペプチド内で相互作用する。他の場合においては、上記共有結合は化学又は組換え操作の結果である。あるいは、上記共有結合は本発明に係る融合タンパク質中の異種のポリペプチド配列中に含まれる1以上のアミノ酸残基に関連しうる。
【0186】
本発明に係る特定の好ましい態様においては、本発明に係る前記複合体はgGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体である。最も好ましくは、本発明に係る前記gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体は脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から成る群から選ばれる活性を有する。また最も好ましくは、本発明に係る前記gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体は体重増加の予防、体重減少、及び体重減少の維持から成る群から選ばれる活性を有する。
【0187】
1の例においては、共有結合は本発明に係る融合タンパク質中に含まれる異種の配列の間である(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の例においては、上記共有結合は(本明細書中に示される)本発明に係るFc融合タンパク質中に含まれる異種の配列の間である。他の特定の例においては、本発明に係る融合タンパク質の共有結合は、例えば、オセテオプロテゲリンの如き、共有結合した複合体を形成することのできる他のタンパク質からの異種のポリペプチド配列の間である(例えば、国際公開番号:WO 98/49305を参照のこと、その内容をそれらを全体として本明細書中に援用する)。他の態様においては、本発明に係る2以上のポリペプチドはペプチド結合をとおして結合される。例は(本明細書中に援用する)米国特許第5,073,627号中に示されるそれらのペプチド結合を含む。ペプチド結合により分離される本発明に係る複数のポリペプチドを含むタンパク質は慣用の組換えDNA技術を用いて作出されうる。
【0188】
本発明に係る複合体ポリペプチドの他の調製方法はロイシンジッパー又はイソロイシンジッパーポリペプチド配列に融合した本発明に係るポリペプチドの使用を含む。ロイシンジッパー及びイソロイシンジッパードメインはそれらが発見されたタンパク質の複合体化を促進するポリペプチドである。ロイシンジッパーはもともといくつかのDNA−結合タンパク質中で同定され、そしてそれ以来さまざまな異なるタンパク質中で発見されている(Landschulz et al.,(1988)Genes Dev. Jul;2(7):786−800)。既知のロイシンジッパーのうちには二量体化する又は三量体化する天然のペプチド及びその誘導体がある。本発明に係る溶解性の複合体タンパク質を作出するために好適なロイシンジッパードメインの例はPCT出願WO 94/10308中に示されるものであり、本明細書中に援用する。溶液中で二量体化する又は三量体化するポリペプチド配列に融合された本発明に係るポリペプチドを含む組換え融合タンパク質は好適な宿主細胞中に発現され、そして生ずる溶解性の複合体融合タンパク質は本分野において知られる技術を用いて培養上清から回復される。
【0189】
本発明に係る三量体ポリペプチドは高められた生物学的活性の利点を提供しうる。好ましいロイシンジッパー基及びイソロイシン基は優先的に三量体を形成するものである。1の例はHoppe et al. FEBS Letters(1994)344(2〜3):191−5中及び米国特許出願シリアル番号 08/446,922号中に示される、肺の界面活性タンパク質D(SPD)に由来するロイシンジッパーであり、本明細書中に援用する。天然の三量体タンパク質に由来する他のペプチドは本発明に係る三量体ポリペプチドの調製において使用されうる。他の例においては、本発明に係るタンパク質はFlag(商標)及びFlag(商標)ポリペプチド配列を含む本発明に係る融合タンパク質中に含まれるポリペプチド配列の間の相互作用により結合される。さらなる態様においては、本発明に係るタンパク質は本発明に係るFlag(商標)融合タンパク質中に含まれる異種のポリペプチド配列及び抗Flag(商標)抗体の間の相互作用により結合される。
【0190】
本発明に係る複合体は本分野において知られる化学技術を用いて作出されうる。例えば、本発明に係る複合体中に含まれることが所望されるポリペプチドは本分野において知られるリンカー分子及びリンカー分子長最適化技術を用いて化学的にクロスリンクされうる(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。さらに、本発明に係る複合体は上記複合体中に含まれることが所望されるポリペプチドの配列内に位置するシステイン残基の間で1以上の分子内クロスリンクを形成する本分野において知られる技術を用いて作出されうる(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。さらに、本発明に係るポリペプチドは上記ポリペプチドのC−末端又はN−末端へのシステイン又はビオチンの追加により慣例的に改変されることができ、そして本分野において知られる技術は1以上のこれらの改変したポリペプチドを含む複合体を作出するために適用されうる(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。さらに、本分野において知られる少なくとも30の技術が本発明に係る複合体中に含まれることが所望されるポリペプチド成分を含むリポソームを作出するために適用されうる(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。
【0191】
あるいは、本発明に係る複合体は本分野において知られる遺伝子工学技術を用いて作出されうる。1の態様においては、本発明に係る複合体中に含まれるポリペプチドは本明細書中に示される又はそうでなければ本分野において知られる融合タンパク質技術を用いて組換え体として作出される(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の態様においては、本発明に係るホモ二量体をコードするポリヌクレオチドは本発明に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をリンカーポリペプチドをコードする配列に、そしてその後さらに(リーダー配列を欠く)もとのC−末端からN−末端への逆向きのポリペプチドの翻訳産物をコードする合成ポリヌクレオチドにつなげることにより作出される(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。他の態様においては、本明細書中において示される又はそうでなければ本分野において知られる組換え技術は膜貫通ドメイン(又は疎水性の若しくはシグナルペプチド)を含む本発明に係る組換えポリペプチドを作出するために適用され、そしてそれは膜再構成技術によりリポソーム中に導入されうる(例えば、それを全体として本明細書中に援用する米国特許第5,478,925号を参照のこと)。
【0192】
II. 本発明に係るGMG−2ポリヌクレオチド
好ましいポリヌクレオチドは全長GMG−2及び本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片をコードするものである。全長GMG−2及びgGMG−2ポリペプチド断片をコードする組換えポリヌクレオチドは、非限定的に、肥満関連疾患及び障害の治療及び/又は予防及び/又はボディマスを減少させることに加えて、その活性のアゴニスト及びアンタゴニストについてのスクリーニング分析、診断スクリーニング、及び抗体作成を含む、さまざまな方法における使用のためのその精製を促進することに加えて、非限定的に、その活性のアンタゴニスト及びアゴニストについてのスクリーニング分析における使用のための組換え細胞中でポリペプチドを発現することを含む、さまざまな方法で使用されうる。
【0193】
本発明は全長GMG−2及びgGMG−2ポリペプチド断片及び本明細書中に示されるそのさまざまなポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドに関連する。これらのポリヌクレオチドは精製され、単離され、及び/又は組換えでありうる。全ての場合においては、本発明に係る所望のGMG−2及びgGMG−2ポリヌクレオチドは本明細書中に示される及び議論される肥満関連活性を有する本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片をコードするものである。
【0194】
断片
ポリヌクレオチド断片は全長GMG−2ポリペプチドの全体ではないが、部分として全て同じである配列又は特定のgGMG−2ポリペプチドヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。上記断片は「遊離状態」で、すなわち、他のポリヌクレオチドの部分又はそれに融合された状態ではなく、存在しうる又はそれらは、それらが部分又は領域を形成する他の非GMG−2又は非gGMG−2(異種の)ポリヌクレオチド内に含まれうる。しかしながら、いくつかのgGMG−2ポリヌクレオチド断片は単一のポリヌクレオチド内に含まれうる。
【0195】
本発明に係るGMG−2ポリヌクレオチドは無傷のGMG−2ポリペプチドをコードする全長ポリヌクレオチド配列未満の18連続塩基〜18連続塩基、例えば、配列ID番号:1、3又は5中の全長GMG−2ポリペプチドポリヌクレオチド配列を含む。この態様の1の局面においては、上記ポリヌクレオチドは本発明に係るポリヌクレオチドの少なくとも
【化25】
の連続したヌクレオチドを含む。
【0196】
上記の好ましい核酸の大きさに加えて、さらに好ましい核酸は少なくとも18ヌクレオチドを含み、ここで、「少なくとも18」は18及び配列ID番号:1、3又は5中に又は本明細書中のどこかに示される無傷のGMG−2ポリペプチドcDNAの3’端ヌクレオチド位より18ヌクレオチド少ない整数の間の整数として定義される。
【0197】
本発明に係る好ましいポリヌクレオチドとしてさらに含まれるものは、さらにそれらの5’及び3’位の点で特定される、上記に示される、少なくとも18ヌクレオチドの長さの核酸断片である。上記5’及び3’位は以下の配列リスト中に示される位置数により示される。対立遺伝子の及び縮合した及び他の変形については、1位はORFの5’端ヌクレオチドとして定義される、すなわち、残りのヌクレオチドと共に開始コドン(ATG)のヌクレオチド「A」は連続的に番号付けされる。それゆえ、ポリヌクレオチド断片発明、長さが少なくとも18の連続したヌクレオチドが本発明に係る無傷のGMG−2ポリペプチドポリヌクレオチド上を占めうる、5’及び3’ヌクレオチド位のどの組み合わせも個々の種として本発明に含まれる。5’及び3’により特定されるポリヌクレオチド断片は即座に構想されることができ、それゆえ本明細書を不必要に長くさせない目的のために単独で個々には列挙されない。
【0198】
本発明に係るポリヌクレオチド断片の上記種はあるいは、式「x〜y」により示されることができ、ここで、「x」は上記ポリヌクレオチドの5’端ヌクレオチドに等しい及び「y」は3’端ヌクレオチド位に等しい;及びさらに、ここで、「x」は1〜本発明に係るポリヌクレオチド配列のヌクレオチド数引く18の間の整数に等しい、及びここで、「y」は19〜本発明に係るポリヌクレオチド配列のヌクレオチド数の間の整数に等しい;及びここで、「x」は少なくとも18「y」より小さい整数である、ということが留意される。
【0199】
本発明は5’及び3’位により特定される本発明に係るポリヌクレオチド断片又は上記に示されるヌクレオチドにおける大きさにより特定されるポリヌクレオチドの種の排除をも提供する。5’及び3’位により又はヌクレオチドにおける大きさにより特定された断片の数は、上記に示されるように、排除されうる。
【0200】
本発明に係るGMG−2ポリヌクレオチド断片は本明細書中に示されるGMG−2断片をコードする18の連続的な塩基〜全長ポリヌクレオチド配列を含む。この態様の1の局面においては、上記ポリヌクレオチドは本発明に係るポリヌクレオチドの少なくとも
【化26】
の連続的なヌクレオチドを含む。
【0201】
上記の好ましい核酸の大きさに加えて、さらに好ましい核酸は少なくとも18ヌクレオチドを含み、ここで、「少なくとも18」は18〜本明細書中のgGMG−2断片cDNAの3’端ヌクレオチド位に対応する整数の間の整数として定義される。
【0202】
本発明に係る好ましいポリヌクレオチドとしてさらに含まれるものは、さらにそれらの5’及び3’位の点で特定される、上記に示される、長さが少なくとも18ヌクレオチドの核酸断片である。上記5’及び3’位は以下の配列リスト中に示される位置数により示される。対立遺伝子の及び縮合した及び他の変形については、1位はオープンリーディングフレーム(ORF)の5’端ヌクレオチドとして定義される、すなわち、残りのヌクレオチドと共に開始コドン(ATG)のヌクレオチド「A」は連続的に番号付けられる。それゆえ、ポリヌクレオチド断片発明、長さが少なくとも18の連続したヌクレオチドが本発明に係るgGMG−2断片ポリヌクレオチド上を占めうる、5’及び3’ヌクレオチド位のどの組み合わせも個々の種として本発明に含まれる。5’及び3’位により特定されるポリヌクレオチド断片は即座に構想されることができ、そしてそれゆえ、本明細書を不必要に長くさせない目的のために単独で個々には列挙されない。
【0203】
本発明に係るポリヌクレオチド断片の上記の種はあるいは、式「x〜y」により示されることができ;ここで、「x」は上記ポリヌクレオチドの5’端ヌクレオチド位に等しい及び「y」は3’端ヌクレオチド位に等しい;及びさらに、ここで、「x」は1〜本発明に係るgGMG−2ポリヌクレオチド配列のヌクレオチド数引く18の間の整数に等しい、及びここで、「y」は9〜本発明に係るgGMG−2ポリヌクレオチド配列のヌクレオチド数の間の整数に等しい;及びここで、「x」は少なくとも18「y」より小さい整数である、ということが留意される。「x」及び「y」位のどの組み合わせも本発明に係る特定の態様として含まれる。さらに、式「x」〜「y」は「x1−x2」〜「y1−y2」として改変されることができ、ここで、「x1−x2」及び「y1−y2」は配列リストの2のヌクレオチド位から選ばれる位置範囲を示す。代替の式は「x1−x2」〜「y」及び「x」〜「y1−y2」を含む。
【0204】
これらの特定の態様、及び本明細書中に示される他のポリヌクレオチド断片の態様は「少なくとも」、「に等しい」、「以下の」、「未満の」、「少なくとも_であるが_以下の」又は「_〜_の」特定の大きさ又は特定の5’及び/又は3’位であるとして改変されうる。本発明はまた、5’及び3’位により特定される本発明に係るポリヌクレオチド断片又は上記に示されるヌクレオチドにおける大きさにより特定されるポリヌクレオチドの種の排除をも提供する。5’及び3’位により又はヌクレオチドにおける大きさにより特定される断片の数は、上記に示されるように、排除されうる。
【0205】
変形
他の好ましい態様においては、gGMG−2ポリペプチド断片をコードするgGMG−2ポリヌクレオチドの変形が構想される。ポリヌクレオチドの変形は、上記用語が本明細書中で使用されるとき、その配列が引用ポリヌクレオチドとは異なるポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドの変形は天然の対立変形の如き、天然の変形でありうる又はそれは天然に起こることが知られていない変形でありうる。上記ポリヌクレオチドの非天然の変形は、ポリヌクレオチド、細胞又は生物に適用されるものを含む、突然変異技術により行われうる。一般的に、差異は制限されるので、上記引用のヌクレオチド配列及び変形が非常に全体的に似ており、及び多くの領域で同一である。
【0206】
上記に示されるものと実質的に異なる配列を含むが、遺伝子コードの縮重のために、本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチド変形もまた特定して構想される。当業者にとって上記に示される縮重変形を作出すること、例えば、特定の宿主についてコドン発現を最適化する(例えば、ヒトmRNA中のコドンを他の哺乳類又は菌類の宿主細胞により好まれるものに変える)ことも通常の作業であろう。
【0207】
上記に示されるように、変形ポリヌクレオチドは天然の対立遺伝子変形の如き天然に又は組換え法により起こりうる。「対立遺伝子変形」により、生物の染色体上のある位置を占める遺伝子のいくつかの代替の形態の1が意図される(例えば、B. Lewin, (1990) Genes IV, Oxford University Press, New Yorkを参照のこと)。非天然の変形は本分野において知られる突然変異技術を用いて作出されうる。上記核酸変形はヌクレオチド置換、欠失又は付加により作出されるものを含む。上記置換、欠失又は付加は1以上のヌクレオチドを含みうる。コード領域における変化は保存された又は保存されていないアミノ酸置換、欠失又は付加を作出しうる。この中で特に好ましいものはサイレント置換、付加及び欠失であり、それは本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片の特性及び活性を変化させない。またこの点において好ましいものは保存された置換である。
【0208】
変形ポリヌクレオチド中に存在するヌクレオチド変化は好ましくはサイレントであり、それはそれらが上記ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸を変化させないことを意味する。しかしながら、ヌクレオチド変化は上記引用配列によりコードされるポリペプチド中のアミノ酸置換、付加、欠失、融合及び切除をもたらしうる。
【0209】
上記ヌクレオチド置換が1以上のアミノ酸変化をもたらした場合には、好ましいgGMG−2ポリペプチド断片は本発明の好ましい態様のI節中に示される1以上の肥満関連活性を保持するものを含む。
【0210】
「同じ活性を保持する」により、分析において変形gGMG−2ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを用いて計測される活性が本明細書中の実施例の節中で示されるgGMG−2断片を用いて計測される活性の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%及び101%、102%、103%、104%、105%、110%、115%、120%又は125%以下であることが意味される。
【0211】
活性が「増大される」により、分析において変形gGMG−2ヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを用いて計測される活性が本明細書中の実施例の節中に示されるgGMG−2断片を用いて計測される活性の少なくとも125%、130%、135%、140%、145%、150%、155%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%、450%又は500%であることが意味される。
【0212】
活性が「減少される」により、分析において変形gGMG−2ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを用いて計測される活性が本明細書中の実施例の節中で示されるgGMG−2断片を用いて計測される活性の少なくとも25%、30%、35%、40%、45%又は50%減少されることが意味される。
【0213】
パーセント同一性
本発明はさらに配列ID番号:1若しくは配列ID番号:3若しくは配列ID番号:5のポリヌクレオチド配列又は本発明の好ましい態様の節I中に示される肥満関連活性を有するポリペプチドをコードするその断片に少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一の配列を有する核酸分子に方向付けられる。もちろん、上記遺伝子コードの縮重のために、当業者は、配列ID番号:1、3若しくは5中に示される核酸配列又はその断片に少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一の多数の核酸分子は生物学的活性を有するポリペプチドをコードするであろうことを即座に認識するであろう。実際に、これらのヌクレオチド配列の縮重した変形は全て同じポリペプチドをコードするので、これは上記に示される比較分析を行うことなしに当業者に明らかであろう。縮合した変形でない上記核酸分子について、妥当な数が生物学的活性を有するポリペプチドをコードするであろうということもさらに本分野において認識されるであろう。これは、さらに本発明の好ましい態様の節Iで以前に示されるように、当業者はタンパク質機能に顕著に影響をほとんど及ぼさないであろう又は及ぼさないであろうアミノ酸置換(例えば、1の脂肪族アミノ酸を第二の脂肪族アミノ酸で置換すること)について完全に理解するからである。
【0214】
本発明に係る引用ヌクレオチド配列に少なくとも、例えば、95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにより、上記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、上記ポリヌクレオチド配列がgGMG−2断片をコードする引用ヌクレオチド配列の100ヌクレオチド当たり5までの点突然変異を含みうる点を除いては、上記引用配列と同一であることが意図される。他の表現では、引用ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド配列を得るために、上記引用配列中の5%までのヌクレオチドが欠失され、挿入され又は他のヌクレオチドで置換されうる。上記クエリー配列は本明細書中で示されるように特定される全体配列又は断片でありうる。
【0215】
特定の核酸分子又はポリペプチドが本発明に係るヌクレオチド配列に少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるか否かを決定する及び定義する方法は既知のコンピュータプログラムを用いて行われうる。包括的な配列整合とも言われる、クエリー配列(本発明に係る配列)及び問題の配列の間の最もよい全体的な適合を決定するための好ましい方法はBrutlag et al.,((1990)Comput Appl Biosci 6(3):237−45)のアルゴリズムに基づいたFASTDBコンピュータプログラムを用いて決定されうる。配列整合において、上記クエリー及び問題の配列は両方DNA配列である。RNA配列ははじめにU’sをT’sに変換することにより比較されうる。前記包括的な配列整合の結果はパーセント同一性である。パーセント同一性を計算するためのDNA配列のFASTDB整合において使用される好ましいパラメーターは:Matrix=Unitary,k−tuple=4,Mismatch Penalty=1,Joining Penalty=30,Randomization Group Length=0,Cutoff Score=1,Gap Penalty=5,Gap Size Penalty 0.05, Window Size=500又はより短いほうの問題のヌクレオチド配列の長さである。
【0216】
内部の欠失のためでなく、5’又は3’欠失のために、上記問題の配列が上記クエリー配列よりも短い場合、手動の補正が上記結果についてなされなければならない。これは、FASTDBプログラムはパーセント同一性を計算するとき、問題の配列の5’及び3’切除を考慮しないからである。上記クエリー配列に比較して、5’又は3’端で切除された問題の配列について、上記パーセント同一性は適合/整合しない、上記問題の配列の5’及び3’である上記クエリー配列の塩基数を、上記クエリー配列の総塩基のパーセントとして計算することにより補正される。ヌクレオチドが適合/整合するか否かはFASTDB配列整合の結果により決定される。このパーセントは特定のパラメーターを用いて上記FASTDBプログラムにより計算されるパーセント同一性から引かれ、最終的なパーセント同一性スコアに到達する。この補正されたスコアは本発明に係る目的のために使用されるものである。上記クエリー配列と適合/整合しない、FASTDB整合により表された、上記問題の配列の5’及び3’ヌクレオチドより外のヌクレオチドのみがパーセント同一性スコアを手動で調節する目的のために計算される。
【0217】
例えば、90ヌクレオチドの問題の配列はパーセント同一性を決定するために100ヌクレオチドのクエリー配列に対して整合される。欠失が上記問題の配列の5’端で起こり、それゆえ、上記FASTDB整合は5’端ではじめの10ヌクレオチドの適合/整合を示さない。上記10の対でないヌクレオチドは配列の10%を示し(適合しない5’及び3’端のヌクレオチド数/上記クエリー配列中のヌクレオチドの総数)、そのため10%はFASTDBプログラムにより計算されたパーセント同一性スコアから引かれる。残りの90ヌクレオチドが完全に適合した場合は、最終的なパーセント同一性は90%であろう。
【0218】
他の例においては、90ヌクレオチドの問題の配列は100ヌクレオチドのクエリー配列と比較される。今度は、欠失が内部欠失であるため、上記クエリーと適合/整合しない問題の配列の5’又は3’上のヌクレオチドはない。この場合においては、FASTDBにより計算されたパーセント同一性は手動で補正されない。再び、上記クエリー配列と適合/整合しない問題の配列の5’及び3’のヌクレオチドのみが手動で補正される。他の手動の補正は本発明に目的のために行われない。
【0219】
融合
本発明にさらに含まれるものは追加の異種のアミノ酸配列についてのコード配列にフレームで融合される本発明に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。例えば、非限定的に、非コード5’及び3’配列、ベクター配列、精製、プロービング又はプライミングに使用される配列を含む、追加の、非コード配列を共に有する本発明に係るポリペプチドをコードする核酸も本発明に含まれる。例えば、異種の配列は転写、及びmRNAプロセッシング、例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性において役割を果たしうる転写された、翻訳されない配列を含む。上記異種の配列はあるいは追加の機能を提供する追加のコード配列を含みうる。したがって、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、融合されたポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列の如き、タグ配列に融合されうる。本発明のこの局面のいくつかの好ましい態様においては、上記タグアミノ酸配列は、それらの多くが商業的に入手可能である、その他の中で、pQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)において提供されるタグの如き、ヘキサ−ヒスチヂンペプチドである。例えば、ヘキサ−ヒスチヂンは融合タンパク質の便利な精製を提供する(Gentz et al.,(1989)Proc Natl Acad Sci USA 86(3):821−4を参照のこと)。上記「HA」タグはインフルエンザヘマググルチニンタンパク質に由来するエピトープに対応する精製に有用な他のペプチドである(Wilson et al.,(1984)Cell 37(3):767−78を参照のこと)。上記に議論されるように、他の上記融合タンパク質はN−又はC−末端でFcに融合されたgGMG−2断片cDNAを含む。
【0220】
III. 本発明に係る組換えベクター
上記用語「ベクター」は、二重鎖又は一重鎖である、及び細胞宿主中に又は単細胞の若しくは複数の細胞の宿主生物中に移行されることが要求される少なくとも1の問題のポリヌクレオチドを含む、環状の又は直鎖のDNA若しくはRNA分子を示すために本明細書中で使用される。
本発明は本明細書中に示されるポリヌクレオチドのいずれか1を含む組換えベクターに関連する。
【0221】
本発明は本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドを含む組換えベクターのファミリーを含む。
第一の好ましい態様においては、本発明に係る組換えベクターは好適な細胞宿主中で挿入されたポリヌクレオチドを増幅するために使用され、このポリヌクレオチドは組換えベクターが複製する度に増幅される。上記挿入されたポリヌクレオチドは本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片をコードするものでありうる。
【0222】
本発明にしたがう組換えベクターの第二の好ましい態様は本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターから成る。いくつかの態様においては、発現ベクターは本発明に係るGMG−2断片、好ましくは本発明において示される改変されたGMG−2断片を発現するために使用され、それはその後精製され、そして、例えば、肥満関連疾患のための治療として又は単に個体のボディマスを減少させるために使用されうる。
【0223】
発現は、適切なシグナルが上記ベクター中に提供されることを必要とし、前記シグナルは宿主細胞内で問題の遺伝子の発現を駆動する、ウイルス及び哺乳類源からのエンハンサー/プロモーターの如き、さまざまな調節エレメントを含む。上記産物を発現する永久的な、安定な細胞クローンを確立するためのドミナント薬物選択マーカーは、それらが上記薬物選択マーカーの発現を上記ポリペプチドの発現にリンクさせるエレメントであるので、一般的に本発明に係る発現ベクター中に含まれる。
より特に、本発明はGMG−2ポリペプチド断片から選ばれる調節配列の制御下で又はあるいは外因性の調節配列の制御下で、本発明に係るGMG−2断片若しくは本明細書中で示される改変されたGMG−2断片又はその変形若しくは断片をコードする核酸を含む発現ベクターに関連する。
【0224】
その結果、本発明に係る好ましい発現ベクターは:(a)それに実施可能に結合したコードポリヌクレオチドの発現を駆動させる、GMG−2断片調節配列;及び(b)好適な細胞宿主及び/又は宿主生物内でのその発現を許す調節配列に実施可能に結合される、本発明に係るGMG−2断片コード配列から成る群から選ばれる。
【0225】
本発明に係るベクター中で見られうるエレメントのいくつかは以下の節中にさらに詳細に示される。
【0226】
1)本発明に係る発現ベクターの一般的特徴:
本発明にしたがう組換えベクターは、非限定的に、YAC(酵母人工染色体)、BAC(菌人工染色体)、ファージ、ファージミド、コスミド、プラスミド又は染色体の、非染色体の、半合成若しくは合成DNAから成りうる直鎖DNA分子を含む。上記組換えベクターは:
(1)遺伝子発現において調節的な役割を有する遺伝子エレメント又はエレメント、例えば、プロモーター又はエンハンサー。エンハンサーは、転写を増大させるためのプロモーターにはたらく通常約10〜300bpの長さのDNAのシス活性エレメントである;
(2)転写されてmRNAになり、最終的に翻訳されてポリペプチドになる構造的な又はコード配列であって、前記構造的な又はコード配列は(1)中に示される調節エレメントに実施可能に結合される;及び
(3)適切な転写開始及び停止配列。酵母又は真核細胞発現系における使用のために意図された構造単位は好ましくは宿主細胞による翻訳されたタンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含む。あるいは、組換えタンパク質がリーダー又は輸送配列なしに発現されるとき、それはN−末端残基を含みうる。この残基は続いて最終産物を作出するために発現された組換えタンパク質から切断されうる又はされない;
の集合から成る転写単位を含みうる。
【0227】
一般的に、組換え発現ベクターは複製の起源、宿主細胞の形質転換を許す選択可能なマーカー、及び下流の構造配列の直接の転写のための高い発現率の遺伝子に由来するプロモーターを含むであろう。上記異種の構造配列は翻訳開始及び停止配列、及び好ましくは翻訳されたタンパク質のペリプラズミックスペース又は細胞外媒体中への方向性のある分泌を可能にするリーダー配列と共に適切なファージ中に並べられる。上記ベクターが哺乳類宿主細胞中で所望の配列をトランスフェクトする及び発現するために適合された特定の態様においては、好ましいベクターは所望の宿主内における複製起源、好適なプロモーター及びエンハンサー、及び必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、転写停止配列、及び5’−フランキング非転写配列を含むであろう。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列、例えば、SV40起源、初期プロモーター、エンハンサー、スプライス及びポリアデニル化部位は必要とされる非転写遺伝子エレメントを提供するために使用されうる。
【0228】
2)調節エレメント
プロモーター
【0229】
本発明に係る発現ベクターにおいて使用される好適なプロモーター領域は異種の遺伝子が発現される細胞宿主を考慮に入れて選択される。問題の核酸配列の発現を制御するために使用される特定のプロモーターは、それが標的細胞において核酸の発現を方向付けることができる限りは、重要でないと考えられている。したがって、ヒト細胞が標的であるとき、例えば、ヒト又はウイルスプロモーターの如き、ヒト細胞において発現されることが可能なプロモーターの制御の隣に及び下流に核酸コード領域を位置づけることが好ましい。使用されるプロモーターは構成的又は誘導的でありうる。
【0230】
好適なプロモーターは、それが発現を制御する上記核酸について異種でありうる又はあるいは発現されるべきコード配列を含むもとのポリヌクレオチドについて内因性でありうる。さらに、上記プロモーターは一般的に、上記構築物プロモーター/コード配列が挿入された上記組換えベクター配列について異種である。
【0231】
プロモーター領域は、例えば、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクター及びより好ましくはpKK232−8及びpCM7ベクターを用いて所望の遺伝子から選ばれうる。好ましい菌プロモーターはLacI、LacZ、T3又はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーター、gpt、lambda PR、PL及びtrpプロモーター(EP 0036776)ポリヘドリンプロモーター、又はバキュロウイルスからのp10タンパク質プロモーター(Kit Novagen)(Smith et al.,(1983)Mol Cell Biol 3(12):2156−65;O’Reilly et al., 1992)、lambda PR プロモーター又はtrcプロモーターである。
【0232】
真核細胞プロモーターはCMV immediate early、HSVチミヂンキナーゼ、early and late SV40、レトロウイルスからのLTRs、及びマウスメタロチオネイン−Lを含む。さらに、脂肪組織、筋肉組織又は肝臓における発現を促進するものの如き、特定の細胞型について特異的なプロモーターが選択されうる。便利なベクター及びプロモーターの選択は当業者の水準内でよい。
【0233】
プロモーターの選択は遺伝子工学の当業者の能力の範囲内でよい。例えば、Sambrook et al.(1989) Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, Vol.1,2,3(1989)を又はFuller et al.(1996)Immunology in Current Protocols in Molecular Biologyにより示される手順を引用しうる。
【0234】
他の調節エレメント
cDNA挿入物が使用される場合、典型的に遺伝子転写産物の適切なポリアデニル化に影響させるためにポリアデニル化シグナルを含むことが所望されるであろう。上記ポリアデニル化シグナルの性質は本発明の成功的な実施に重要ではないと考えられており、及びヒト成長ホルモン及びSV40ポリアデニル化シグナルの如きどんな上記配列も使用されうる。発現カセットのエレメントとしてターミネーターも企図される。これらのエレメントはメッセージの値を高める及び上記カセットから他の配列への読みとばしを最小限にする役割を果たしうる。上記に示される適切なDNA配列を含むベクターは適切な宿主を形質転換するために利用され、所望のポリペプチド又はポリヌクレオチドの発現を可能にしうる。
【0235】
3)選択可能なマーカー
上記マーカーは上記細胞に発現構築物を含む細胞の容易な同定を可能にする同定可能な変化を与えるであろう。形質転換された宿主細胞の選択についての上記選択可能なマーカー遺伝子は好ましくはヂヒドロフォレート還元酵素又は真核細胞培養についてのネオマイシン耐性、S. cerevisiaeについてのTRP1又はE. coliにおけるテトラサイクリン、リファムピシン若しくはアンピシリン耐性又はマイコバクテリアについてのレバンサッカレースであり、この後者のマーカーは陰性選択マーカーである。
【0236】
4)好ましいベクター
菌ベクター
代表的な、しかし非限定的な例として、菌類についての有用な発現ベクターはpBR322(ATCC 37017)の遺伝子エレメントを含む商業的に入手可能なプラスミド由来の選択可能なマーカー及び菌の複製起源を含みうる。上記商業的なベクターは、非限定的に、pKK223−3(Pharmacia, Uppsala, Sweden)and pGEM1(Promega Biotec, Madison, WI, USA)を含む。
【0237】
多くの他の好適なベクターは当業者に知られ、そして以下の菌のベクターのように、商業的に入手可能である:pTrc−His、pET30−His、pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pbs、pD10、phagescript、psiX174、pbluescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16A、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene);pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia);pQE−30(QIAexpress)。
【0238】
バキュロウイルスベクター
本発明に係るポリペプチドの発現について好適なベクターは昆虫細胞内及び昆虫細胞系内で増殖されうるバキュロウイルスベクターである。特定の好適な宿主ベクター系はSpodoptera frugiperdaに由来するSF9細胞系(ATCC No.CRL 1711)をトランスフェクトするために使用されるpVL1392/1393バキュロウイルストランスファーベクター(Pharmingen)である。
【0239】
さらに好適なバキュロウイルスベクターは当業者に知られており、例えば、FastBacHTである。バキュロウイルス発現系におけるAPM1球状ヘッドポリペプチドの発現について好適な他のベクターは、非限定的に、Chai et al.(1993;Biotechnol Appl Biochem. Dec;18(Pt3):259−73);Vlasak et al.(1983;Eur J Biochem Sep 1;135(1):123−6);及びLenhard et al.(1996;Gene Mar 9;169(2):187−90)により示されるものを含む。
【0240】
哺乳類ベクター
本発明に係るポリペプチドの発現についてさらに好適なベクターは哺乳類ベクターである。いくつかの好適なベクター系は当業者に知られ、例えば、pcDNA4HisMax、pcDNA3.1Hygro−His及びpcDNA3.1Hygroである。
【0241】
ウイルスベクター
1の特定の態様においては、上記ベクターはアデノウイルスに由来する。本発明にしたがう好ましいアデノウイルスベクターはFeldman and Steg(19996;Semin Interv Cardiol 1(3):203−8)又はOhno et al.(1994;Science 265(5173):781−4)により示されるものである。本発明に係るこの特定の態様にしたがう他の好ましい組換えアデノウイルスはヒトアデノウイルス2若しくは5型(Ad2若しくはAd5)又は動物起源のアデノウイルス(フランス特許出願第FR−93.05954号)である。
【0242】
レトロウイルスベクター及びアデノ関連ウイルスベクターは一般的に、特にヒトを含む哺乳類へのin vivoの外因性のポリヌクレオチドの輸送についての選択の組換え遺伝子デリバリー系であると理解される。これらのベクターは遺伝子の細胞への効果的なデリバリーを提供し、及び上記輸送された核酸は安定に宿主の染色体DNAに統合される。
【0243】
本発明に係るレトロウイルスin vitro又はin vivo遺伝子デリバリー媒体の調製又は構築に特に好ましいレトロウイルスはMink−Cell Focus Inducing Virus、マウス肉腫ウイルス、Reticuloendotheliosisウイルス及びラウス肉腫ウイルスから成る群から選ばれるレトロウイルスを含む。特に好ましいマウス白血病ウイルスは4070A及び1504Aウイルス、Abelson(ATCC No VR−999)、Friend(ATCC No VR−245)、Gross(ATCC No VR−590)、Rauscher(ATCC No VR−998)及びモロニーマウス白血病ウイルス(ATCC No VR−190;PCT出願番号WO 94/24298)を含む。特に好ましいラウス肉腫ウイルスはBryan high titer(ATCC Nos VR−334、VR−657、VR−726、VR−659及びVR−728)を含む。他の好ましいレトロウイルスベクターはRoth et al.(1996)、PCT出願番号WO 93/25234、PCT出願番号WO 94/06920、Roux et al.,((1989)Proc Natl Acad Sci USA 86(23):9079−83)、Julan et al.,(1992)J. Gen. Virol. 3:3251−3255及びNeda et al.((1991)J Biol Chem 266(22):14143−6)中に示されるものである。本発明により企図されるさらに他のウイルスベクター系はアデノ関連ウイルス(AAV)から成る。上記アデノ関連ウイルスはアデノウイルス又はヘルペスウイルスの如き他のウイルスを効果的な複製及び生産的なライフサイクルのためのヘルパーウイルスとして必要とする天然の欠陥ウイルスである(Muzyczka et al.,(1992)Curr Top Microbiol Immunol 158:97−129)。それは、そのDNAを非分割細胞内へ統合することができ、及び高頻度の安定な統合を示す数少ないウイルスの1でもある(Flotte et al.,(1992)Am J Respir Cell Mol Biol 7(3):349−56;Samulski et al.,(1989)J Virol 63(9):3822−8;McLaughlin et al.,(1989)Am J Hum Genet 59:561−569)。AAVの1の有益な特性は形質転換された細胞に比較して初代細胞を変換することについてのその減少した効率に由来する。
【0244】
5)組換えベクターのデリバリー
【0245】
本発明に係るポリヌクレオチドの発現に影響を与えるために、これらの構築物は細胞内にデリバリーされなければならない。このデリバリーは細胞系を形質転換するための実験室手順におけるように、in vitroで又はいくつかの疾患状態の治療におけるように、in vivo又はex vivoで行われうる。
1の機構は上記発現構築物が感染性のウイルス粒子内に封じ込められるウイルス感染である。
【0246】
ポリヌクレオチドの培養哺乳類細胞への移行のためのいくつかの非ウイルス法も本発明により企図され、そして、非限定的に、リン酸カルシウム沈殿(Graham et al.,(1973)Virology 54(2):536−9;Chen et al.,(1987)Mol Cell Biol 7(8):2745−52)、DEAE−デキストラン(Gopal,(1985)Mol Cell Biol 5(5):1188−90)、エレクトロポーレーション(Tur−Kaspa et al.,(1986)Mol Cell Biol 6(2):716−8;Potter et al.,(1984)Proc Natl Acad Sci USA 81(22):7161−5)、ダイレクトマイクロインジェクション(Harland et al.,(1985)J Cell Biol 101(3):1094−9)、DNA−loaded liposomes(Nicolau et al.,(1982)Biochim Biophys Acta 721(2):185−90;Fraley et al.,(1979)Proc Natl Acad Sci USA 76(7):3348−52)、及び受容体仲介トランスフェクション(Wu and Wu,(1987)J Biol Chem 262(10):4429−32;Wu and Wu(1988)Biochemistry 27(3):887−92)を含む。これらの技術のいくつかはin vivo又はex vivoの使用にうまく適合されうる。
【0247】
上記発現ポリヌクレオチドが上記細胞内へデリバリーされたとき、それは宿主細胞のゲノム内へ安定的に統合されうる。この統合は相同組換えを介した同種の位置及び方向でありうる(遺伝子置換)又はそれはランダムな、非特異的な位置内に統合されうる(遺伝子拡大)。またさらなる態様においては、上記核酸はDNAの分離したエピソームのセグメントとして細胞内に安定的に維持されうる。上記核酸セグメント又は「エピソーム」は宿主細胞周期とは独立して又は同調して維持及び複製をさせるのに十分な配列をコードする。
【0248】
タンパク質又はペプチドをin vivoで脊椎動物の細胞内部へデリバリーするための方法についての1の特異的な態様は生理学的に許容される担体及び問題のポリペプチドを実施可能にコードする裸のポリヌクレオチドを含む調製物を上記細胞を含む組織の間隙の空間内へ導入する段階を含み、それにより上記裸のポリヌクレオチドは上記細胞内部へ取り込まれ、そして生理学的効果を有する。このことはin vitroの移行に特に適用可能であるが、in vivoにも適用可能でありうる。
【0249】
「裸の」ポリヌクレオチドを含むin vitro及びin vivoの使用のための組成物はTascon et al.(1996) Nature Medicine 2(8):888−892の及びHuygen et al.((1996)Nat Med 2(8):893−8)の記事中に加えて、PCT出願番号WO 90/11092(Vical Inc.)中及びPCT出願番号WO 95/11307(Institut Pasteur, INSERM, Universite d’ Ottawa)中に示される。
【0250】
本発明のさらに他の態様においては、本発明に係るポリヌクレオチド構築物を含む、本発明に係る裸のポリヌクレオチドの細胞内への移行は粒子爆弾(biolistic)で進行されることができ、前記粒子は、Klein et al.((1990)Curr Genet Feb;17(2):97−103)により示されるように、それらが細胞膜を通り抜け、そしてそれらを殺さずに細胞内へ入ることを可能にする高速に加速されたDNAでコーティングした微小な発射物である。
さらなる態様においては、本発明に係るポリヌクレオチドはリポソーム内へ閉じこめられうる(Ghosh and Bacchawat,(1991)Targeted Diagn Ther 4:87−103;Wong et al.,(1980)Gene 10:87−94;Nicolau et al.,(1987)Methods Enzymol 149:157−76)。これらのリポソームはさらにレプチン、トリグリセリド、ACRP30又は他の既知のLSRリガンドを上記リポソーム膜内に導入することによりLSRを発現する細胞に標的化されうる。
【0251】
特定の態様においては、本発明は本明細書中に示されるGMG−2球状ヘッドポリペプチドのin vivo産生のための組成物を提供する。それは、生理学的に許容される担体中で、及び上記組織の細胞に前記ポリペプチドを発現させるための組織内への導入に好適な溶液中に、このポリペプチドを実施可能にコードする裸のポリヌクレオチドを含む。
【0252】
所望の宿主生物に注入されるべきベクターの量は注入部位により変化する。表示的な用量としては、0.1〜100μgのベクターが動物の身体、好ましくは哺乳類の身体、例えば、マウスの身体内へ注入されるであろう。
本発明にしたがう上記ベクターの他の態様においては、それは宿主細胞内に、好ましくは治療されるべき動物から以前に回収された宿主細胞及びより好ましくは筋細胞の如き体細胞内にin vitroで導入されうる。次の段階において、所望のGMG−2球状ヘッドポリペプチド又はその所望の断片をコードするベクターで形質転換された細胞は組換えタンパク質を局所的に又は体系的に上記身体内へデリバリーするために動物の身体内へ再導入される。
【0253】
IV. 本発明に係る組換え細胞
本発明の他の目的は本明細書中に示されるポリヌクレオチドの1、及びより正確には、「本発明に係るポリヌクレオチド」中に示されるもののいずれか1の如き、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドについて組換えられた、すなわち形質転換された又はトランスフェクトされた宿主細胞から成る。これらのポリヌクレオチドは一過性の又は安定的なトランスフェクションの結果として細胞内に存在しうる。本発明は「本発明に係る組換えベクター」中に示されるもののいずれか1の如き組換えベクターで形質転換された(原核細胞)又はトランスフェクトされた(真核細胞)宿主細胞を含む。
【0254】
一般的に、本発明に係る組換え宿主細胞は本明細書中に示される少なくとも1の本発明に係るポリヌクレオチド又は組換えベクターを含む。
【0255】
本発明に係る組換えベクターについての宿主として使用される好ましい宿主細胞は以下のものである:
a)原核宿主細胞:Escherichia coli strains(LE.DH5−α strain)、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、及びPseudomonas、Streptomyces及びStaphylococcusの如き種からの株、並びに
b)真核宿主細胞:HeLa細胞(ATCC No CCL2;No CCL2.1;No CCL2.2)、Cv 1細胞(ATCC No CCL70)、COS細胞(ATCC No CRL1650;No CRL1651)、Sf−9細胞(ATCC No CRL1711)、C127細胞(ATCC No CRL−1804)、3T3(ATCC No CRL−6361)、CHO(ATCC No CCL−61)、ヒト腎臓293(ATCC No 45504;No CRL−1573)、BHK(ECACCNo 84100501;No 84111301)、PLC細胞、HepG2、及びHep3B。
【0256】
上記宿主細胞内の構築物は組換え配列によりコードされる遺伝子産物を作出するために慣用の方法で使用されうる。
好適な宿主の形質転換及び上記宿主の適切な細胞濃度への成長に続いて、上記選択されたプロモーターは温度移行又は化学誘導の如き、適切な方法により誘導され、そして細胞は追加の期間培養される。
【0257】
細胞は典型的に遠心分離により回収され、物理的又は化学的方法により破壊され、及び生ずる粗い抽出物がさらなる精製のために保持される。
【0258】
タンパク質の発現において使用される微生物細胞は、凍結融解周期、超音波処理、機械的破壊又は細胞溶解剤の使用を含む、慣用の方法により破壊されうる。上記方法は当業者に周知である。
【0259】
さらに、本発明にしたがって、これらの組換え細胞は動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはマウス、ラット、イヌ、ブタ、ヒツジ、ウシ、及びヒトを含まない霊長類から成る群から選ばれるものにおいてin vitro又はin vivoで作出されうる。in vitroで作出された組換え細胞も例えば、後に動物において外科的に移植されうる。in vivoの組換え細胞を作出する方法は本分野で周知である。
【0260】
本発明は:a)外因性(異種の)ポリヌクレオチドを標的遺伝子の内因性の染色体DNAに挿入する、b)内因性の染色体DNAを欠失させる、及び/又はc)内因性の染色体DNAを外因性のポリヌクレオチドで置換するよう作り変えられた、脊椎動物起源、好ましくは哺乳類起源及び特にヒト起源の初代の、二代目の、及び不死化された相同的に組換えた宿主細胞をも含む。ポリヌクレオチド配列の挿入、欠失、及び/又は置換は標的遺伝子のコード配列で及び/又は上記標的遺伝子と実施可能に関連したプロモーター及びエンハンサー配列の如き、調節領域でありうる。
【0261】
本発明はさらにin vitro又はin vivoで相同的に組換えられた宿主細胞を作出する方法に関連し、ここで、上記細胞で通常には発現されない標的遺伝子の発現は変化される。好ましくは、上記変化は通常の成長条件下又は標的遺伝子によりコードされるポリペプチドを作出するために好適な条件下で標的遺伝子の発現を引き起こす。上記方法は:(a)in vitro又はin vivoでポリヌクレオチド構築物、(i)標的配列;(ii)調節配列及び/又はコード配列;及び(iii)必要であれば、それによりトランスフェクトされた細胞を作出する対になっていないスプライスドナー部位を含むポリヌクレオチド構築物で上記細胞をトランスフェクトする;及び(b)相同組換えに適切な条件下でin vitro又はin vivoでトランスフェクトされた細胞を維持する段階を含む。
【0262】
本発明はさらに、(a)in vitro又はin vivoでポリヌクレオチド構築物、(i)標的配列;(ii)調節配列及び/又はコード配列;及び(iii)必要であれば、それによりトランスフェクトされた細胞を作出する、対になっていないスプライスドナー部位を含むポリヌクレオチド構築物で上記細胞をトランスフェクトする;及び(b)それにより相同的に組換えられた細胞を作出する、相同組換えに適切な条件下でin vitro又はin vivoでトランスフェクトされた細胞を維持する;及び(c)上記遺伝子の発現に適切な条件下でin vitro又はin vivoで相同的に組換えられた細胞を維持する段階を含む、in vitro又はin vivoで細胞内で標的化された遺伝子の発現を変化させる方法に関連し、ここで、上記遺伝子は上記細胞内で通常には発現されない。
【0263】
本発明はさらに、a)in vitroでポリヌクレオチド構築物、(i)標的配列;(ii)調節配列及び/又はコード配列;及び(iii)必要であれば、それによりトランスフェクトされた細胞を作出する、対になっていないスプライスドナー部位を含むポリヌクレオチド構築物で上記細胞をトランスフェクトする;(b)それにより相同的に組換えられた細胞を作出する、相同組換えに適切な条件下でin vitro又はin vivoでトランスフェクトされた細胞を維持する;及びそれにより上記ポリペプチドを作出する、上記遺伝子の発現に適切な条件下でin vitro又はin vivoで相同的に組換えられた細胞を維持する段階を含む、in vitro又はin vivoで細胞内で標的化された内因性の遺伝子の発現を変化させることにより本発明に係るポリペプチドを作出する方法に関し、ここで上記遺伝子は細胞内で通常には発現されない。
【0264】
本発明はさらに上記遺伝子が通常には発現されない細胞型内で、標的化された遺伝子の発現を変化させるポリヌクレオチド構築物にも関する。これは、ポリヌクレオチド構築物が標的細胞の染色体DNA内へ挿入されるとき起こり、ここで、上記ポリヌクレオチド構築物は:a)標的配列;b)調節配列及び/又はコード配列;及びc)必要であれば、対になっていないスプライスドナー部位を含む。上記に示されるポリヌクレオチド構築物もさらに含まれ、ここで、上記構築物はさらにポリペプチドをコードする及び染色体DNAでの相同組換えの後に標的内因性遺伝子のフレーム内にあるポリヌクレオチドを含む。
【0265】
上記組成物は作出されうる、及び方法は米国特許第6,054,288号;第6,048,729号;第6,048,724号;第6,048,524号;第5,994,127号;第5,968,502号;第5,965,125号;第5,869,239号;第5,817,789号;第5,783,385号;第5,733,761号;第5,641,670号;第5,580,734号;国際公開番号:WO 96/29411、WO 94/12650;及びKoller et al.,(1994)Annu. Rev. Immunol. 10:705−730により示される科学記事中に示されるものの如き、本分野において知られる技術により行われ、そのそれぞれの開示はそれらを全体として本明細書中に援用する。
【0266】
哺乳類の、及び典型的にヒトの細胞におけるGMG−2遺伝子発現は不完全にさせられうる又はあるいはそれは本発明にしたがうGMG−2ポリヌクレオチドによる動物細胞のゲノム中のGMG−2遺伝子相対物の置換を伴うGMG−2ゲノム又はcDNA配列の挿入で高められうる。これらの遺伝子変化は以前に示された特定のDNA構築物を用いて相同組換え事件により作出されうる。
【0267】
使用されうる宿主細胞の1種は、マウスの接合体の如き、哺乳類の接合体である。例えば、マウスの接合体は問題の精製したDNA分子、例えば、100mM NaCl、30μM スペルミン、及び70μM スペルミヂンを含む10mM Tris−HCl、pH7.4、250μM EDTA中でBAC挿入物については1ng/ml〜P1バクテリオファージ挿入物については3ng/μlの濃度範囲に以前に調節された精製したDNA分子でのマイクロインジェクションを経験しうる。マイクロインジェクションされるべきDNAが大きな大きさを有するとき、Schedl et al((1993)Nature 362(6417):258−61)により示されるように、ポリアミン及び高塩濃度がこのDNAの機械的な破壊を避けるために使用されうる。
【0268】
本明細書中で示されるDNA構築物を含む、本発明に係るポリヌクレオチドのいずれか1は胚性幹(ES)細胞系,好ましくはマウスES細胞系中に導入されうる。ES細胞系は移植前未分化胚芽細胞の内部細胞マスの多分化能の、拘束されていない細胞に由来する。好ましいES細胞系は以下のものである:ES−E14TG2a(ATCC No.CRL−1821)、ES−D3(ATCC No.CRL1934及びNo. CRL−11632)、YS001(ATCC No. CRL−11776)、36.5(ATCC No. CRL−11116)。ES細胞を拘束されていない状態に維持するために、それらはこの胚の表現型を保存する適切なシグナルを提供する及びES細胞粘着のためのマトリックスとしてはたらく成長を阻害されたフィーダー細胞の存在下で培養される。好ましいフィーダー細胞はAbbondanzo et al.(1993;Methods Enzymol 225:803−23)により示されるように、培養中に維持された実質上いかなるマウス株の13日〜14日胚の組織からも確立された及びRobertson((1987)Embryo−derived stem cell lines. In: E.J. Robertson Ed. Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, IRL Press, Oxford)により示されるように、照射により又はPease and Williams(1990;Exp Cell Res 190(2):209−11)により示されるように、LIFの阻害的濃度の存在により成長を阻害された初代胚線維芽細胞である。
【0269】
宿主細胞中の構築物は組換え配列によりコードされた遺伝子産物を作出するために慣用の方法で使用されうる。
【0270】
好適な宿主の形質転換及び上記宿主の適切な細胞濃度への成長に続いて、上記選択されたプロモーターが温度移行又は化学誘導の如き、適切な方法により誘導され、及び細胞は追加の期間培養される。細胞は典型的に遠心分離により回収され、物理的又は化学的方法により破壊され、そして生ずる粗い抽出物はさらなる精製のために保持される。タンパク質の発現において使用される微生物細胞は凍結融解周期、超音波処理、機械的破壊又は細胞溶解剤の使用を含む、いかなる慣用の方法によっても破壊されうる。上記方法は当業者に周知である。
【0271】
IV. トランスジェニック動物
本発明は組換えGMG−2ポリペプチド、すなわち、組換えgGMG−2ポリペプチド断片又は全長GMG−2ポリペプチドを発現する非ヒト動物及び植物の作出のための方法及び組成物をも提供する。上記動物又は植物はトランスジェニックでありうる、すなわち、それらの細胞のそれぞれはGMG−2ポリペプチドをコードする遺伝子を含む、又はあるいは、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは動物又は植物の体細胞内へ、例えば、哺乳類の乳房の分泌上皮細胞内へ導入されうる。好ましい態様においては、上記非ヒト動物はウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ又はウサギの如き哺乳類である。さらに好ましい態様においては、前記gGMG−2ポリペプチド断片又は前記全長GMG−2ポリペプチドをコードする前記遺伝子は配列ID番号:5のポリヌクレオチドを含む。
【0272】
哺乳類の如きトランスジェニック動物を作出する方法は当業者に周知であり、そして上記方法は本発明において使用されうる。簡単に述べると、トランスジェニック哺乳類は、例えば、問題のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドでES細胞の如き多分化能の幹細胞をトランスフェクトすることにより作出されうる。うまく形質転換されたES細胞はその後初期段階の胚に導入されることができ、その後それは同じ種の哺乳類の子宮内へ移植される。いくつかの場合、上記形質転換された(「トランスジェニックの」)細胞は生ずる動物の生殖細胞系の部分を含むであろう、及び生殖細胞系にトランスジェニック細胞を含む成体動物はその後他の動物と交配されるとこができ、それにより最終的にそれらの細胞のそれぞれにトランスジーンを有するトランスジェニック動物の集団を作出し、及びそれはそれらの子孫のそれぞれに上記トランスジーンを安定的に受け渡しうる。上記ポリヌクレオチドを導入する他の方法は、例えば、問題のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを受精した卵又は初期段階の胚にマイクロインジェクションにより導入して使用されうる。あるいは、上記トランスジーンは上記トランスジーンを含むレトロウイルスでの接合体の感染により動物内に導入されうる(Jaenisch, R.(1976)Proc Natl Acad Sci USA 73, 1260−1264)。トランスジェニック動物の作出方法は、例えば、Wall et al.(1992)J Cell Biochem 1992 49(2):113−20;Hogan, et al.(1986)in Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.中に;WO 91/08216中に;又は米国特許第4,736,866号中に示される。
【0273】
好ましい方法においては、上記ポリヌクレオチドは受精した卵母細胞内へマイクロインジェクトされる。典型的に、受精した卵母細胞は標準の技術を用いてマイクロインジェクトされ、及びその後「移植前胚」が得られるまでin vitroで培養される。上記移植前胚は好ましくは約16〜150細胞を含む。受精した卵母細胞を移植前段階まで培養する方法は、例えば、Gordon et al.((1984)Methods in Enzymology, 101,414);Hogan et al.((1986)in Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y)(マウス胚について);Hammer et al.((1985)Nature, 315, 680)(ウサギ及びブタの胚について);Gandolfi et al.((1987)J Reprod Fert 81, 23−28);Rexroad et al.((1988)J Anim Sci 66, 947−935)(ヒツジの胚について);及びEyestone et al.((1989)J Reprod Fert 85, 715−720;Camous et al.((1984)J Reprod Fert 72, 779−785);及びHeyman et al.((1987)Theriogenology 27, 5968)(ウシの胚について)により示され、そのそれぞれの開示はそれらを全体として本明細書中に援用する。移植前胚はその後上記トランスジーンが導入されたときの発達段階に因り、トランスジェニック又はキメラ動物の誕生を可能にするために標準の方法により適切な雌に移植される。
【0274】
トランスジーン導入の頻度はしばしば低いので、移植前胚におけるトランスジーン統合の検出がしばしば本明細書中に示される方法のいずれかを用いて所望される。いくつかの方法のいずれかは移植前胚においてトランスジーンの存在を検出するために使用されうる。例えば、1以上の細胞が移植前胚から除去されることができ、そして上記除去された細胞(単一)又は細胞(複数)におけるトランスジーンの存在又は不在は標準の方法、例えば、PCRを用いて検出されうる。あるいは、トランスジーンの存在は標準の方法を用いて子宮内又は分娩後に検出されうる。
【0275】
本発明の特定の好ましい態様においては、それらの乳中に組換えGMG−2ポリペプチドを分泌するトランスジェニック哺乳類が作出される。乳腺は高く効果的なタンパク質産生器官であるので、上記方法はリットル当たりグラムの範囲の、及びしばしば顕著にもっと多くのタンパク質濃度を作出するために使用されうる。好ましくは、乳腺における発現は乳腺特異的プロモーター及び、場合により、他の調節エレメントに上記GMG−2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを実施可能に連結することにより達成される。好適なプロモーター及び他のエレメントは、非限定的に、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーターに加えて、哺乳類の短い及び長いWAP、アルファ、ベータ、及びカッパー、カゼイン、アルファ及びベータラクトグロブリン、ベータ−CN 5’遺伝子に由来するものを含む。上記プロモーター及び他のエレメントは、非限定的に、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウサギ、及びモルモットを含む、哺乳類に由来しうる。プロモーター及び他の調節配列、ベクター及び他の関連技術は、例えば、Clark(1998)J Mammary Gland Biol Neoplasia 3:337−50;Jost et al.(1999)Nat Biotechnol 17:160−4;米国特許第5,994,616号;第6,140,552号;第6,013,857号;Sohn et al.(1999)DNA Cell Biol. 18:845−52;Kim et al.(1999)J Biochem (Japan)126:320−5;Soulier et al.(1999)Euro J Biochem 260:533−9;Zhang et al.(1997)Chin J Biotech 13:271−6;Rijnkels et al.(1998)Transgen Res 7:5−14;Korhonen et al.(1997)Euro J Biochem 245 :482−9;Uusi−Oukari et al.(1997)Transgen Res 6:75−84;Hitchin et al.(1996)Prot Expr Purif 7:247−52;Platenburg et al.(1994)Transgen Res 3:99−108;Heng−Cherl et al.(1993)Animal Biotech 4:89−107;及びChrista et al.(2000)Euro J Biochem 267:1665−71により提供され、そのそれぞれの全体の開示は本明細書中に援用する。
【0276】
他の態様においては、本発明に係るポリペプチドは上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをin vivoで乳腺の体細胞、例えば、乳房の分泌上皮細胞に導入することにより乳中に作出されうる。例えば、プラスミドDNAは、例えば、DEAE−デキストランと関連して(例えば、Hens et al.(2000)Biochim. Biophys. Acta 1523:161−171を参照のこと)、上記構築物の受容体仲介エンドサイトーシスを引き起こしうるリガンドと関連して(例えば、Sobolev et al.(1998)273:7928−33を参照のこと)乳頭管をとおして又はレトロウイルスベクター、例えば、Gibbonサル白血病ウイルスの如きウイルスベクターで(例えば、Archer et al.(1994)PNAS 91:6840−6844を参照のこと)融合されうる。これらの態様のいずれにおいても、上記ポリヌクレオチドは上記に示されるように、乳腺特異的プロモーター又はあるいは、CMV若しくはMoMLV LTRの如き強く発現するプロモーターに実施可能に連結されうる。
【0277】
本発明における使用のためのベクター、プロモーター、調節エレメント等の好適性は乳房上皮細胞、例えば、in vitroでMacT細胞(ウシ乳房上皮細胞)又はGME細胞(ヤギ乳房上皮細胞)の如き、細胞に事前にトランスフェクトすること、及び上記細胞におけるトランスジーンのトランスフェクション及び発現の効率を評価することにより評価されうる。
【0278】
in vivo投与のために、上記ポリヌクレオチドはいかなる濃度範囲(例えば、1〜500μg/ml、好ましくは50〜100μg/ml)でも、いかなる容積(例えば、1〜100ml、好ましくは1〜20ml)でも、好適な調剤中で投与されることができ、そして何回(例えば、1、2、3、5又は10回)でも、どんな頻度(例えば、1、2、3,5、10又は何日毎)でも、投与されうる。好適な濃度、頻度、投与様式等は特定のポリヌクレオチド、ベクター、動物等に因るであろう、そして当業者により容易に決定されうる。
【0279】
好ましい態様においては、Gibbonサル白血病ウイルスベクターの如きレトロウイルスベクターがArcher et al.((1994)PNAS 91:6840−6844)中に示されるように使用される。レトロウイルス感染は典型的に細胞分裂を必要とするので、乳腺における細胞分裂は、例えば、エストラヂオールベンゾエート、プロゲステロン、レゼルピン又はデキサメタゾンの如き因子を用いて、上記ベクターの投与と共に刺激されうる。さらに、レトロウイルス及び他の感染方法はポリブレンの如き付属の化合物を用いて促進されうる。
【0280】
乳からGMG−2ポリペプチドを得るための本明細書中に示される方法のいずれにおいても、得られる乳の量、及びしたがって作出されるGMG−2ポリペプチドの量は、乳汁分泌誘導の標準の方法を用いて、例えば、ヘキセストロール、エストロゲン、及び/又はプロゲステロンを用いて高められうる。
【0281】
上記態様において使用されるポリヌクレオチドは全長GMG−2ポリペプチド又はgGMG−2ポリペプチド断片をコードしうる。典型的に、上記コードされたポリペプチドは乳中への上記タンパク質の分泌を確実にするためにシグナル配列を含むであろう。全長GMG−2配列が使用される場合、上記全長タンパク質は、例えば、乳から単離され、そして好適なプロテアーゼを用いてin vitroで切断されうる。あるいは、第二の、プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドが上記動物内へ又は乳腺細胞内へ導入されることができ、これによりプロテアーゼの発現はin vivoでのGMG−2ポリペプチドの切断をもたらし、それにより乳からのgGMG−2ポリペプチド断片の直接の単離が可能になる。
【0282】
V. 本発明に係る医薬の又は生理学的に許容される組成物
本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片は単独で又はそれらが好適な担体又は賦形剤と混合される医薬の又は生理学的に許容される組成物中で非ヒト動物及び/又はヒトに投与されうる。上記医薬の又は生理学的に許容される組成物はその後治療的に有効な量で提供される。治療的に有効な量とは本明細書中で示される方法により決定される肥満関連疾患又は障害の症状又は生理学的状態の予防又は緩和をもたらすのに十分なgGMG−2断片の量をいう。治療的に有効な用量は美容理由のためにこの影響を所望するヒトにおいて体重減少又は体重増加の予防又は体重増加の割合における増大の予防のために必要なgGMG−2断片の量をいう。本発明に係るgGMG−2断片の治療的に有効な用量は継続した期間の使用又は投与で体重減少又は体重増加を促進するのに十分な量である。GMG−2ポリペプチド断片の調合及び投与の技術は“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,Mack Publishing Co., Easton, PA, latest edition中に見られうる。
【0283】
本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片が治療する又は予防するために使用されうる他の疾患又は障害は、非限定的に、肥満及び肥満、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、アテロームの疾患、心疾患、高血圧、卒中、シンドロームX、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM又はII型糖尿病)及びインスリン依存性真性糖尿病(IDDM又はI型糖尿病)の如き、肥満関連疾患及び障害を含む。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の肥満関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。上記gGMG−2ポリペプチド断片は仕事又は運動の間の身体のパフォーマンスを高める又は一般の健康意識を高めるためにも使用されうる。身体のパフォーマンス活性は、歩く、走る、飛ぶ、持ち上げる及び/又は登ることを含む。
【0284】
上記gGMG−2ポリペプチド断片又はそのアンタゴニストも脂肪酸代謝、より特には、いくつかの長鎖多不飽和脂肪酸の産出を調節することにより失読症、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥/活動過剰障害(ADHD)、及び統合失調症の如き精神障害を治療するためにも使用されうる。さらに好ましい態様は、治療の必要のある患者に(あるいは時間を決めた日の基礎で)、前記動物又はヒト患者において前炎症性サイトカイン及び/又は(ii)細胞接着分子値を減少させるのに十分な用量及び期間で、ホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片(又は前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)を投与することを含む、アテローム性動脈硬化症の如き、炎症関連障害の予防又は治療のための方法に関する。
【0285】
本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片は単独で又は他の医薬として又は生理学的に許容される化合物と共に提供されうることが明白に考えられる。肥満及び他の疾患及び障害の治療に有用な他の化合物は最近本分野で周知である。
【0286】
好ましい態様においては、上記gGMG−2ポリペプチド断片は本明細書中で示される及び本分野において知られる方法を用いてインスリン抵抗性及び糖尿病の治療に有用であり、そこで使用される。より特に、好ましい態様は動物又はヒト患者におけるグルコース代謝の治療的改変及び調節のためのプロセスに関し、それは処置の必要のある患者に(あるいは時間を決めた日の基礎で)前記動物又はヒト患者において血漿グルコース値を減少させるのに十分な投与量及び期間で、GMG−2ポリペプチド断片(又は前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)を投与することを含む。
さらなる好ましい態様は処置の必要のある患者に(あるいは時間を決めた日の基礎で)前記動物又はヒト患者において血漿グルコース値を減少させるのに十分な投与量及び期間で、GMG−2ポリペプチド断片(又は前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)を投与することを含む、糖尿病の予防又は治療のための方法に関連する。
【0287】
投与経路
好適な投与経路は、本分野において知られる方法を用いた、包膜内の、直接の室内の、静脈内の、腹腔内の、鼻内の、肺内の(吸入の)又は眼内の注入に加えて、経口の、鼻の、直腸の、粘膜を介した又は小腸の投与、筋内、皮下、髄内注入を含む非経口デリバリーを含む。体重減少を促進させるための化合物を投与する特に有用な方法は、例えば、GMG−2又はgGMG−2ポリペプチド断片を延長された期間デリバリーするための装置の、受容者の腹腔への外科的埋め込みを含む。他の特に好ましい投与経路はエーロゾル及び補給調剤である。本発明の医薬の維持された放出調剤、特に補給剤は明白に企図される。
【0288】
組成物/調合
本発明にしたがう使用のための医薬の又は生理学的に許容される組成物及び医薬は賦形剤及び補助剤を含む1以上の生理学的に許容される担体を用いて慣用の方法で調合されうる。適切な調剤は選択される投与経路に因る。
本明細書中に示されるいくつかの医薬は医薬として又は生理学的許容される担体及び少なくとも1の本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片であるポリペプチドを含むであろう。注入のために、本発明に係る剤は水溶液中に、好ましくはHank’s溶液、Ringer’s溶液の如き生理学的に融和性の緩衝液又はリン酸又は重炭酸緩衝液の如き生理学的塩緩衝液中に調合されうる。粘膜を介した投与のために、浸透されるべき境界に対して適切な浸透剤が調剤中に使用される。上記浸透剤は一般的に本分野において知られる。
【0289】
経口で取られうる医薬の又は生理学的に許容される調製物は、ゼラチン及びグリセロール又はソルビトールの如き可塑剤から成るやわらかい、密閉されたカプセルに加えて、ゼラチンから成る押しばめカプセルを含む。上記押しばめカプセルはラクトースの如き充填剤、デンプンの如き結合剤、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウムの如き潤滑剤、及び、場合により、安定化剤と混合された活性成分を含みうる。やわらかいカプセルにおいて、上記活性化合物は脂っぽい脂、液体パラフィン又は液体ポリエチレングリコールの如き、好適な液体中に溶解又は懸濁されうる。さらに、安定化剤が添加されうる。経口投与のための全ての調剤は上記投与のために好適な投与量であるべきである。
【0290】
頬の投与のために、上記組成物は慣用の方法で調合される錠剤又は舐剤の形態をとりうる。
吸入による投与のために、本発明にしたがう使用のための化合物は、好適な気体の駆出剤、例えば、二酸化炭素の使用を伴って、加圧パック又は噴霧器からのエーロゾルスプレイ提示の形態で便利にデリバリーされる。加圧エーロゾルの場合、上記投与単位は計測された量デリバリーするための弁を提供することにより決定されうる。吸入器又は粉吹き器における使用のための、例えば、ゼラチンから成るカプセル及びカートリッヂは化合物及びラクトース又はデンプンの如き好適な粉末基礎の粉末混合物を含んで調合されうる。
【0291】
上記化合物は注入による、例えば、ボーラス注入又は連続した融合による非経口投与のために調合されうる。注入のための調剤は単位投与形態で、添加された保存剤と共に、例えば、アンプルで又は複数の用量の容器で提示されうる。上記組成物は水性媒体中の懸濁物、溶液又はエマルジョンの如き形態をとりうる、及び懸濁、安定化及び/又は分散剤の如き調合剤を含みうる。
【0292】
非経口投与のための医薬の又は生理学的に許容される調剤は水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。水性懸濁物はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランの如き、上記懸濁物の粘性を増大させる物質を含みうる。場合により、上記懸濁物は高く濃縮された溶液の調製を可能にするために好適な安定化剤又は上記化合物の溶解性を増大させる剤をも含みうる。
【0293】
あるいは、上記活性成分は、使用前に、滅菌ピローゲンフリー水の如き、好適な媒体を伴う構成のための粉末の又は凍結乾燥された形態で存在しうる。
以前に示された調剤に加えて、上記化合物は補給調製物としても調合されうる。上記長期活性調剤は埋め込み(例えば、皮下に又は筋内に)により又は筋内注入により投与されうる。したがって、例えば、上記化合物は好適な重合体の又は疎水性の材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)若しくはイオン交換樹脂と共に又はゆるやかに溶解する誘導体として、例えば、ゆるやかに溶解する塩として調合されうる。
【0294】
さらに、上記化合物は治療用剤を含む固体の疎水性重合体の半浸透性マトリックスの如き、維持された放出系を用いてデリバリーされうる。さまざまな維持された放出材料が確立されており、そして当業者に周知である。維持された放出カプセルはそれらの化学的性質に因り、数週間〜100日間にわたり上記化合物を放出しうる。
上記治療用試薬の化学的性質及び生物学的安定性に因り、タンパク質安定化のための追加の策が使用されうる。
【0295】
上記医薬の又は生理学的に許容される組成物は好適な固体又はジェル相の担体又は賦形剤を含みうる。上記担体又は賦形剤の例は、非限定的に、カルシウムカーボネート、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールの如き重合体を含む。
【0296】
効果的な用量
本発明における使用のための好適な医薬の又は生理学的に許容される組成物は上記活性成分がそれらの意図された目的を達成するために有効な量で含まれる組成物を含む。より特には、治療として有効な量は処置されるべき患者の存在する症状の発展を妨げるために又は緩和するために有効な量を意味する。上記有効な量の決定は、特に本明細書中に提供される詳細な開示の観点で、当業者の能力の範囲内である。
【0297】
本発明に係る方法において使用される化合物のために、上記治療的に有効な用量ははじめに細胞培養分析から見積もられうる。例えば、用量はin vitro系におけるレプチン又はリポタンパク質取り込み又は結合を増大させるために示される濃度点又は範囲を含む又は包含する循環濃度範囲を達成するために動物モデルにおいて調合されうる。上記情報はヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用されうる。
【0298】
治療的に有効な用量は患者における症状の緩和をもたらす化合物の量をいう。上記化合物の毒性及び治療的有効性は、例えば、LD50(試験集団の50%に致死的な用量)及びED50(上記集団の50%中で治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養又は実験動物において標準の医薬手順により決定されうる。毒性及び治療的有効性の間の上記用量の割合は治療的指標であり、そしてそれはLD50及びED50の間の割合として表現されうる。高い治療的指標を示す化合物は好ましい。
【0299】
これらの細胞培養分析及び動物研究から得られたデータはヒトにおける使用のための用量範囲の調合において使用されうる。上記化合物の用量は好ましくは、ほとんど又は全く毒性を伴わないで、ED50を含む循環濃度の範囲内にある。上記用量は使用される投与形態及び利用される投与経路に因り、この範囲内で変化しうる。上記厳格な調剤、投与経路及び投与量は患者の状態の観点から個々の医師により選択されうる(例えば、Fingl et al., 1975, in “The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Ch.1を参照のこと)。
【0300】
投与量及び間隔は、特定の状況に因り、体重減少又は増加を維持する又は予防するために十分な上記活性化合物の血漿値を提供するために個々に調節されうる。これらの効果を達成するために必要な用量は個体の性質及び投与経路に因るであろう。
【0301】
投与間隔は最小有効濃度についての値を用いて決定されうる。化合物は10〜90%、好ましくは30〜90%;及び最も好ましくは50〜90%の期間、血漿値を上記最小有効濃度超に保つ投与計画を用いて投与されるべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、上記薬物の有効な局所濃度は血漿濃度に関連しえない。
【0302】
組成物の量は、もちろん、処置されるべき患者に、患者の体重、苦痛の重篤さ、投与様式及び主治医の判断に因るであろう。
循環血漿トリグリセリドリッチリポタンパク質の値における減少を含む、所望の結果を達成するために日で又は規則的な基礎で投与されうる、本発明に係るGMG−2ポリペプチド断片の量のための好ましい投与範囲は0.001〜0.5mg/kgボディマスに及ぶ。より好ましい投与範囲は0.05〜0.1mg/kgである。もちろん、これらの日の用量は日の過程の間定期的に少量でデリバリーされ又は投与されうる。これらの用量範囲は好ましい範囲であるのみであり、本発明の限定ではないと意図されることが留意される。
【0303】
VI. 治療方法
gGMG−2ポリペプチド断片でのマウスの治療は増大した筋肉酸化に加えて、減少したトリグリセリド値、減少した遊離脂肪酸値、減少したグルコース値、及び減少した体重をもたらす。
【0304】
本発明は上記治療の必要のある個体に本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片を提供することを含む肥満関連疾患及び障害を予防する又は治療する方法についてinter aliaで示される。好ましくは、上記GMG−2ポリペプチド断片はiin vitro又はin vivoで肥満関連活性を有する。好ましくは上記GMG−2ポリペプチド断片は好ましくは経口で取られる医薬組成物中で個体に提供される。好ましくは、上記個体は哺乳類、及び最も好ましくはヒトである。好ましい態様においては、上記肥満関連疾患又は障害はアテローム性動脈硬化症、心血管疾患、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、高血圧、卒中、シンドロームX、I型糖尿病、II型糖尿病及び脂肪組織萎縮性糖尿病から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症、高トリグリセリド血症、及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の肥満関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、新生物関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。非常に好ましい態様においては、医薬組成物中のGMG−2ポリペプチドポリペプチド断片が美容理由のために健康な個体において体重を調節するために使用される。
【0305】
本発明は上記治療の必要のある個体に(本発明の好ましい態様の節VI中及び実施例中で示される)本発明に係る分析により同定された化合物を提供することを含む、肥満関連疾患及び障害を予防する又は治療する方法をも特徴付ける。好ましくは、これらの化合物はin vitroで細胞、ex vivoで筋肉において又は動物モデルにおいてgGMG−2ポリペプチド断片の効果に拮抗する又は作用する。あるいは、これらの化合物はレプチン及び/又はリポタンパク質取り込み及び/又は結合へのgGMG−2ポリペプチド断片の効果に作用する又は拮抗する。場合により、これらの化合物はin vitro又はin vivoでgGMG−2ポリペプチド断片のLSRとの相互作用、結合又は取り込みを妨げる。好ましくは、上記化合物は好ましくは経口で取られる医薬組成物中で個体に提供される。好ましくは、上記個体は哺乳類、及び最も好ましくはヒトである。好ましい態様においては、上記肥満関連疾患又は障害は肥満及びアテローム性動脈硬化症、心疾患、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、高血圧、卒中、シンドロームX、I型糖尿病、II型糖尿病、及び脂肪萎縮性糖尿病の如き、肥満関連疾患及び障害から成る群から選ばれる。本発明に係る方法により処置されるべき糖尿病関連合併症は細小血管病変、眼の病変、網膜症、神経障害、及び腎臓病変を含む。心疾患は、非限定的に、心不全、冠状動脈不全、及び高血圧を含む。本発明に係る化合物により処置されるべき他の肥満関連障害は高脂血症、高トリグリセリド血症、及び尿酸過剰血症を含む。本発明に係るさらに他の肥満関連疾患又は障害は悪液質、るいそう、AIDS関連体重減少、新生物関連体重減少、食欲不振、及び過食症を含む。非常に好ましい態様においては、上記医薬組成物は美容理由のための体重減少を調節するために使用される。
【0306】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的許容される組成物の本発明はインスリン療法と共に、いくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者において、血中グルコースを制御するための方法として使用されうる。またさらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明は、非限定的に、アテローム性動脈硬化症、冠状心疾患、心筋梗塞、及び播種性血管内共凝集を含む、炎症性障害を治療するための方法として使用されうる。
【0307】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン療法と共に、いくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者において体重を制御するための方法として使用されうる。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン療法を伴わずに、単独で、いくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者において、血中グルコースを制御するための方法として使用されうる。
【0308】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン療法を伴わずに、単独で、いくつかの個体、特にII型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者において、体重を制御するための方法として使用されうる。
【0309】
さらに好ましい態様においては、本発明は補充的な治療において、特にいくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者において、経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と共に、それらの体重又はグルコース制御を改善するために使用されうる。好ましくは、上記経口インスリン分泌促進剤は1,1−ヂメチル−2−(2−モルフォリノフェニル)グアニヂンフマル酸(BTS67582)又はトルブタミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリメピリド、グリピジド及びグリダジドから選ばれるスルフォニル尿素である。好ましくは、上記インスリン増感剤はメトフォルミン、シグリタゾン、トログリタゾン及びピログリタゾンから選ばれる。
【0310】
本発明はさらにインスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤を伴わずに、単独で、いくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者の体重又はグルコース制御を改善する方法を提供する。
【0311】
さらに好ましい態様においては、本発明は、例えば、同時に、別々に又は(分泌促進剤の前若しくは後又は増感剤の前若しくは後に)連続して使用される別々の投与単位の形態で、経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤と付随して又は同時に投与されうる。したがって、本発明はさらにいくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者における体重又はグルコース制御の改善のための同時の、別々の又は連続した使用のための混合された調製物として医薬の又は生理学的に許容される組成物及び経口インスリン分泌促進剤又はインスリン増感剤の組成物を提供する。
【0312】
さらなる好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はさらにインスリン増感剤としての使用のための方法を提供する。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン療法と共に、いくつかの個体、特にI型糖尿病、II型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者においてインスリン感受性を改善するための方法として使用されうる。
【0313】
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はインスリン療法を伴わずに、いくつかの個体、特にII型糖尿病又はインスリン抵抗性を有する者においてインスリン感受性を改善するための方法として使用されうる。
さらに好ましい態様においては、前記医薬の又は生理学的に許容される組成物の本発明はさらに損なわれたグルコース耐性からインスリン抵抗性への進行の阻害剤としての使用のための方法を提供する。
【0314】
より一般には、本発明は、個体がGMG−2マーカーについて特定の遺伝子型を有することが示される又はそれらがコントロール値、例えば、非疾患個体の代表的な値に比較して又は疾患又は状態の開始前のその個体に比較して、減少された量の血漿GMG−2、全長又は好ましくはGMG−2のより生物学的に活性な断片を有することが示される、gGMG−2ポリペプチド断片での治療について示される。どちらの場合にも、治療は医薬として許容されるgGMG−2又はGMG−2ポリペプチド断片を上記個体に提供することを含む。提供されるgGMG−2断片の厳格な量は医師の案内の下の臨床試験をとおして決定されるであろうが、1日当たり1個体当たり5〜7mgの範囲内であることが予想されるであろう。一般的に、好ましい範囲は1日当たり1個体当たり0.5〜14mgであろう、非常に好ましい範囲は1日当たり1個体当たり1〜10mgである。gGMG−2又はGMG−2ポリペプチド断片での治療から恩恵を得うる個体は少なくとも2の方法:血漿血清値決定及び遺伝子タイピングをとおして同定されうる。
【0315】
GMG−2値
予備研究は肥満のヒトは非肥満のヒトより全長GMG−2の低い値を有することを示した。本発明は全長GMG−2の低い値を有する個体の本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片での治療を構想する。さらに、本発明は好ましくは低い値のGMG−2の生物学的に活性な断片を有する個体の本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片での治療について示される。さらなる態様においては、本発明に係るGMG−2又はGMG−2ポリペプチド断片は個体、好ましくは肥満個体に投与され、その全長GMG−2(又はあるいは成熟GMG−2ポリペプチド断片)の値は非肥満個体、好ましくは本分野における正常標準を用いて医師により決定された健康な個体の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、約100%又は100%より低い。個体において全長GMG−2の値を決定する及び比較する方法は本分野において周知であり、そして、非限定的に、Radio Immune Assay、ELISA、ウェスタンブロット、ドットブロットの如きフォーマットで又は例えば、分析の一部としてGMG−2に特異的な抗体を用いることを含む。SNPsを有するタンパク質に対するものに加えて、GMG−2及びその断片に対する抗体を作出する、及びGMG−2及びその断片を検出する方法は本発明に含まれ、そしてPCT/IB99/01858、米国出願第09/434,848号、及びWO 99/07736中で議論され、図画、図面又は表を含むそれらを全体として本明細書中に援用する。さらに、本発明に係るGMG−2/gGMG−2ポリペプチド断片に特異的な抗体、それらの作出、及びそれらの使用は本明細書中に示される。
【0316】
VII. GMG−2ポリペプチド断片活性の調節剤の同定のための分析
本発明は細胞内でgGMG−2ポリペプチド断片活性を調節する1以上の化合物についてのスクリーニング方法を特徴付け、それは上記細胞について試験されるべき可能性のある化合物を提供することを含み、そしてそこで、gGMG−2ポリペプチド断片効果又は活性の調節は1以上の化合物を示す。使用されうる例示的な分析は実施例4〜5、7〜14、16、及び18中に示される。gGMG−2ポリペプチド断片単独の効果に比較した、それらの阻害性の又は刺激性の活性について試験されるべき化合物がこれらの分析に添加されるであろう。効果がgGMG−2ポリペプチド断片の添加に基づいて観察される他の分析も細胞に対するgGMG−2ポリペプチド断片活性又はgGMG−2ポリペプチド断片の存在の効果の調節剤についてスクリーニングするために使用されうる。重要な段階は未知の化合物を適用すること及びその後gGMG−2ポリペプチド断片のみが上記細胞に適用されるときに見られるものからの変化についての分析をモニターすることである。変化はgGMG−2ポリペプチド断片単独と比較して上記化合物及びgGMG−2ポリペプチド断片の存在下で顕著に異なる何らかのものとして定義される。この場合、顕著に異なるは少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%の計測可能な効果における「増大」又は「減少」であろう。
【0317】
上記用語「調節」は、本明細書中で使用されるとき、活性における計測可能な変化をいう。例は、非限定的に、脂肪分解刺激された受容体(LSR)調節、レプチン調節、リポタンパク質調節、血漿FFA値、FFA酸化、TG値、グルコース値、及び体重を含む。これらの効果はin vitro又は好ましくはin vivoでありうる。活性の調節は上記活性における増大又は減少でありうる。したがって、LSR活性は増大され又は減少されうる、レプチン活性は増大され又は減少されうる、及びリポタンパク質活性は増大され又は減少されうる。同様に、FFA、TG、及びグルコース値(及び体重)はin vivoで増大され又は減少されうる、遊離脂肪酸化はin vivo又はex vivoで増大され又は減少されうる。
【0318】
「LSR」活性により、そのレプチン及びリポタンパク質を結合する、取り込む及び分解する能力に加えて、上記細胞表面での、特に特定のコンフォメーションでのLSRの発現が意味される。「レプチン」活性によりその血液脳関門を介した輸送、及び潜在的にLSRが必ずしも仲介因子又は唯一の仲介因子ではないこれらの出現に加えて、そのLSRによる結合、取り込み及び分解が意味される。同様に、「リポタンパク質」活性によりLSRが必ずしも仲介因子又は唯一の仲介因子ではないこれらの出現に加えて、LSRによるその結合、取り込み及び分解が意味される。例示的な分析は実施例4〜5、7〜14、16、及び18中に提供される。これらの分析及び他の同等の分析はgGMG−2ポリペプチド断片活性を調節する化合物を決定する/同定するために使用されうる。好ましくは全ての活性が調節されるが、いくつかの場合、いくつかの、しかし全てではないgGMG−2ポリペプチド断片活性を調節する化合物を同定することは重要でありうる。
【0319】
上記用語「増大させる」は、本明細書中で使用されるとき、その非存在下のgGMG−2ポリペプチド断片の効果と比較していくつかの計測可能な方法においてgGMG−2ポリペプチド断片活性を増大させる化合物の能力をいう。上記化合物の存在の結果として、レプチン結合及び/又は取り込みは、例えば、上記gGMG−2ポリペプチド断片のみの存在下のコントロールに比較して、増大しうる。好ましくは、活性における増大は上記gGMG−2ポリペプチド断片の存在下における活性の値に比較して少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である。
【0320】
同様に、上記用語「減少させる」は、本明細書中で使用されるとき、その非存在下でのgGMG−2断片の効果に比較していくつかの計測可能な方法において活性を減少させる化合物の能力をいう。例えば、上記化合物の存在はマウスにおいてFFA、TG、及びグルコースの血漿濃度を減少させる。また化合物の存在の結果としてレプチン結合及び/又は取り込みは、例えば、上記gGMG−2ポリペプチド断片のみの存在下のコントロールに比較して、減少されうる。好ましくは、活性における減少は上記gGMG−2ポリペプチド断片のみの存在下における活性の値に比較して少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である。
【0321】
本発明は、a)細胞をgGMG−2ポリペプチド断片及び候補化合物と接触させる;b)LSR調節、レプチン調節、リポタンパク質調節、FFA酸化調節から成る群から選ばれる結果を検出する;及びc)ここで前記結果が前記細胞が上記gGMG−2ポリペプチド断片のみと接触するときの前記結果と異なる場合、前記結果は前記可能性のある化合物を同定することを含む、ボディマスを調節する必要のある個体においてボディマスを調節する可能性のある化合物を同定する方法を特徴付ける。
【0322】
好ましい態様においては、前記接触はさらに前記LSRのリガンドを含む。好ましくは、前記リガンドはサイトカイン、リポタンパク質、遊離脂肪酸、及びC1qから成る群から選ばれ、及びより好ましくは前記サイトカインはレプチンであり、及び最も好ましくは前記レプチンは米国仮出願第60/155,506号中に示されるレプチンポリペプチド断片であり、図面、図画又は表を含むそれを全体として本明細書中に援用する。
【0323】
他の好ましい態様において、前記gGMG−2ポリペプチド断片はマウスのものである又はヒトのものである。他の好ましい態様において、前記細胞はPLC、CHO−K1、Hep3B、及びHepG2から成る群から選ばれる。
【0324】
さらに他の好ましい態様において、前記リポタンパク質調節は結合、取り込み、及び分解から成る群から選ばれる。好ましくは、前記調節は前記結合、取り込み又は分解における増大である。あるいは、前記調節は前記結合、取り込み又は分解における減少である。
【0325】
他の好ましい態様において、レプチン調節は結合、取り込み、分解、及び輸送から成る群から選ばれる。好ましくは、前記調節は前記結合、取り込み、分解又は輸送における増大である。あるいは、前記調節は前記結合、取り込み、分解又は輸送における減少である。好ましくは、前記輸送は血液脳関門を介する。
さらに他の好ましい態様において、前記LSR調節は前記細胞の表面上の発現である。好ましくは、前記検出はFACSを含み、より好ましくは前記検出はさらに前記LSRに特異的に結合する抗体を含み、及び最も好ましくは前記抗体は前記LSRのカルボキシ末端に特異的に結合する。
【0326】
さらに他の好ましい態様において、前記可能性のある化合物はペプチド、ペプチドライブラリー、非ペプチドライブラリー、ペプトイド、脂肪酸、リポタンパク質、医薬、抗体、小分子、及びプロテアーゼから成る群から選ばれる。本発明の他の特性及び利点は図面の簡単な説明及び実施例中に示される。これらはいかなる場合でも例示するのみであり、本発明を限定するものではないことが意味される。この明細書をとおして、さまざまな出版物、特許及び公開された特許出願が引用される。本明細書中に引用されるこれらの出版物、特許及び公開された特許明細書の開示は本明細書中に援用する。
【0327】
VIII. エピトープ及び抗体融合
本発明の好ましい態様はエピトープを有するポリペプチド及びエピトープを有するポリペプチド断片に方向付けられる。これらのエピトープは「抗原エピトープ」又は「抗原エピトープ」及び「免疫原生エピトープ」の両方でありうる。「免疫原生エピトープ」は上記ポリペプチドが免疫原であるときin vivoで抗体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方、抗体が結合するポリペプチドの領域は「抗原決定基」又は「抗原エピトープ」として定義される。タンパク質の免疫原生エピトープの数は一般的に抗原エピトープの数より少ない。例えば、Geysen, et al.(1983)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:39984002を参照のこと。特定のエピトープが免疫原生でなくても、しかしながら抗体はエピトープに対してin vitroで作出されうるので、それは有用であることが特に留意される。
エピトープは上記エピトープに独特の空間的なコンフォメーションにおいて少なくとも3アミノ酸を含みうる。一般的に、エピトープは少なくとも6の上記アミノ酸、及びよりしばしば少なくとも8〜10の上記アミノ酸から成る。好ましい態様において、抗原エピトープは3〜50の整数の数のアミノ酸を含む。エピトープとして機能する断片は慣用の方法により作出されうる。例えば、米国特許第4,631,211号中にさらに示される、Houghten, R. A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5131−5135(1985)を参照のこと。免疫原生エピトープを作り上げるアミノ酸を決定する方法はx線結晶学、2次元核磁気共鳴、及びエピトープマッピングを含む、例えば、H. Mario Geysen et al.(1984)により示されるPepscan method;Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:3998−4002;PCT出願第WO 84/03564;及びPCT出願第WO 84/03506。他の例はJameson and Wolf, Comp. Appl. Biosci. 4:181−186(1988)のアルゴリズムである(前記引用文献はそれらを全体として援用する)。上記Jameson−Wolf抗原分析は、例えば、PROTEANコンピュータプログラムを用いて、デフォルトパラメーターを用いて行われうる(Version 4.0 Windows, DNASTAR, Inc., 1228 South Park Street Madison, WT)。
【0328】
本発明に係るエピトープを有する断片は好ましくは本発明に係るポリペプチドの6〜50のアミノ酸(すなわち、6〜50の整数、包括的)を含む。また、6〜配列リストの全長配列の整数の抗原断片も本発明に含まれる。6〜本発明に係るポリペプチドの全長配列の整数の、全ての配列の組み合わせが含まれる。上記エピトープを有する断片は、本発明に係るポリペプチド断片について上記に示されるように、(亜属として)連続するアミノ酸残基の数により又は(種として)特定のN−末端及びC−末端位により特定されうる。本発明に係るエピトープを有する断片の数も同じ方法で排除されうる。
【0329】
抗原エピトープは、例えば、エピトープを特異的に結合するモノクローナル抗体を含む、抗体を作出するのに有用である(Wilson et al., 1984;and Sutcliffe, J. G. et al., 1983を参照のこと)。上記抗体はその後本明細書中に示される、診断及び組織/細胞同定技術の如きさまざまな技術において、及び精製方法において使用される。
【0330】
同様に、免疫原生エピトープは本分野において周知の方法にしたがって抗体を誘導するために使用されうる(Sutcliffe et al., supra; Wilson et al., supra; Chow, M. et al;(1985)and Bittle, F. J. et al., (1985)を参照のこと)。好ましい免疫原生エピトープは配列リストのポリペプチドを含む。上記免疫原生エピトープは、必要であれば、(ウサギ又はマウスの如き)動物系にアルブミンの如き、担体タンパク質と共に提示されうる。少なくとも8〜10アミノ酸を含む免疫原生エピトープは(例えば、ウェスタンブロットにおいて)非常に少なくとも変性したポリペプチド中の直鎖エピトープに結合することができる抗体を作出するのに十分であることが示されている。
【0331】
本発明に係るエピトープを有するポリペプチドは、非限定的に、in vivo免疫化、in vitro免疫化、及びファージディスプレイ法を含む、本分野において周知の方法にしたがって抗体を誘導するために使用される(例えば、Sutcliffe et al., supra; Wilson, et al., supra, and Bittle, et al., 1985を参照のこと)。in vivo免疫化が使用される場合、動物は遊離ペプチドで免疫化されうる;しかしながら、抗ペプチド抗体タイターは上記ペプチドをキーホールカサガイヘマシアニン(KLH)又は破傷風変性毒素の如き、巨大分子担体にカップリングすることによりブーストされうる。例えば、システイン残基を含むペプチドはマレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(MBS)の如きリンカーを用いて担体にカップリングされうる、一方で、他のペプチドはグルタルアルデヒドの如きより一般的な結合剤を用いて担体にカップリングされうる。ウサギ、ラット及びマウスの如き動物は、例えば、約100μgsのペプチド又は担体タンパク質及びFreund’s補助剤を含むエマルジョンの腹腔内及び/又は皮内注入により遊離した又は担体にカップリングされたペプチドで免疫化される。何度かのブースター注入が、例えば、固体表面に吸着された遊離ペプチドを用いたELISA分析により検出されうる、抗ペプチド抗体の有用なタイターを提供するために、例えば、約2週間の間隔で必要とされうる。免疫化された動物からの血清中の抗ペプチド抗体のタイターは、抗ペプチド抗体の選択により、例えば、本分野において周知の方法にしたがって上記ペプチドの固体支持への吸着及び選択された抗体の溶離により、増大されうる。
【0332】
当業者は、上記に議論されるように、非限定的に、免疫原生又は抗原エピトープを含むポリペプチドを含む本発明に係るポリペプチドは異種のポリペプチド配列に融合されうることを理解するであろう。例えば、本発明に係るポリペプチドは免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG、IgM)の一部を含む一定の領域又は一定の領域の一部(CH1、CH2、CH3、ドメイン全体及びそれらの一部を含むそれらの組み合わせ)に融合されることができ、キメラポリペプチドをもたらす。これらの融合タンパク質は精製を容易にし、及びin vivoでの増大した半減期を示す。これは、例えば、ヒトCD4−ポリペプチドのはじめの2ドメイン及び哺乳類免疫グロブリンの重又は軽鎖の一定の領域のさまざまなドメインから成るキメラタンパク質について示されている(例えば、EPA 0,394,827号;及びTraunecker et al., 1988を参照のこと)。IgG部分のためにヂスルフィド結合二量体構造を有する融合タンパク質は単量体ポリペプチド又はその断片のみより他の分子の結合及び中和においてより有効でありうる(例えば、Fountoulakis et al., 1995を参照のこと)。上記エピトープをコードする核酸は発現されたポリペプチドの検出及び精製において補助するためのエピトープタグとして問題の遺伝子と結合されうる。
【0333】
本発明に係る追加の融合タンパク質は遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフリング又はコドンシャッフリング(集合的に「DNAシャッフリング」と言われる)の技術をとおして作出されうる。DNAシャッフリングは本発明に係るポリペプチドの活性を調節し、それにより上記ポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストを効果的に作出するために使用されうる。例えば、米国特許第5,605,793号;第5,811,238号;第5,834,252号;第5,837,458号;及びPatten, P.A.,et al.,(1997);Harayama, S., (1998);Hansson, L. O., et al(1999);及びLorenzo, M.M.and Blasco, R.,(1998)を参照のこと。(この書類のそれぞれは本明細書中に援用する)。1の態様において、本発明に係るコードポリヌクレオチド又はそれによりコードされるポリペプチドの1以上の成分、モチーフ、節、部分、ドメイン、断片等は1以上の異種の分子の1以上の成分、モチーフ、節、部分、ドメイン、断片等と結合されうる。
【0334】
抗体
本発明はさらに上記ポリペプチドに、及びより特に本発明に係るポリペプチドのエピトープに特異的に結合する、抗体及びT細胞抗原受容体(TCR)に関する。本発明に係る抗体は(IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む)IgG、(IgA1及びIgA2を含む)IgA、IgD、IgE又はIgM、及びIgYを含む。本明細書中で使用されるとき、上記用語「抗体」(Ab)は、単鎖の抗体全体を含む抗体全体、及びその抗原結合断片を含むことが意味される。好ましい態様において、上記抗体は本発明に係るヒト抗原結合抗体断片であり、非限定的に、Fab、Fab’F(ab)2及びF(ab’)2、Fd、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ヂスルフィド結合Fvs(sdFv)及びVL又はVHドメインを含む断片を含む。上記抗体は鳥類及び哺乳類を含む動物源からでありうる。好ましくは、上記抗体はヒト、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウシ又はニワトリのものである。
【0335】
単鎖抗体を含む、抗原結合抗体断片は単独で又は以下の:ヒンジ領域、CH1、CH2、及びCH3ドメインの全部又は部分と共に可変領域(単数又は複数)を含みうる。また可変領域(単数又は複数)及びヒンジ領域、CH1、CH2、及びCH3ドメインのいかなる組み合わせも本発明に含まれる。本発明はさらに、本発明に係るポリペプチドに特異的に結合する、キメラの、ヒト化された、並びにヒトモノクローナル及びポリクローナル抗体を含む。本発明はさらに本発明に係る抗体に抗イディオタイプである抗体を含む。
本発明に係る抗体は単一特異的、二特異的、及び三特異的でありうる又は大きな複合特異性を有しうる。複合特異的抗体は本発明に係るポリペプチドの異なるエピトープに特異的でありうる又は異種のポリペプチド又は固体支持材料の如き、異種の組成に加えて本発明に係るポリペプチドについて特異的でありうる。例えば、WO 93/17715;WO 92/08802;WO 91/00360;WO 92/05793;Tutt, A et al.(1991);米国特許第5,573,920号、第4,474,893号、第5,601,819号、第4,714,681号、第4,925,648号;Kostelny, S. A. et al.(1992)を参照のこと。
【0336】
本発明に係る抗体は本発明に係るポリペプチドのエピトープ(単数又は複数)又はエピトープ結合部分(単数又は複数)について示される又は特定されることができ、それは上記抗体により認識され又は特異的に結合される。本発明の分泌されたタンパク質のタンパク質の場合、上記抗体は本発明に係る核酸によりコードされる全長タンパク質、本発明に係る核酸によりコードされる成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプチドの切断により作出されるタンパク質)、本発明に係る核酸によりコードされるシグナルペプチド又は本発明に係る他のポリペプチドを特異的に結合しうる。それゆえ、上記エピトープ(単数又は複数)又はエピトープを有するポリペプチド部分(単数又は複数)は、例えば、N−末端及びC−末端位により、連続したアミノ酸残基の大きさにより又は本明細書中に示される別の方法で、本明細書中に示されるように特定されうる。本発明に係るエピトープ又はポリペプチドを特異的に結合する抗体は個々の種として排除されうる。それゆえ、本発明は本発明に係る特定のポリペプチドを特異的に結合する抗体を含み、そして同じものの排除を可能にする。
【0337】
本発明に係る抗体はそれらの交差反応性の点でも示され又は特定されうる。本発明に係るポリペプチドの他のアナログ、オーソログ又はホモログに特異的に結合しない抗体が含まれる。(例えば、FASTDB及び本明細書中で示されるパラメーターを用いて、本分野において知られる及び本明細書中で示される方法を用いて計算されるように)95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、及び50%未満の同一性でポリペプチドを結合しない本発明に係るポリペプチドに対する抗体も本発明に含まれる。さらに(本明細書中で示されるように)厳格なハイブリダイゼーション条件下で本発明に係るポリヌクレオチドとハイブリダイズする、ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのみを結合する抗体も本発明に含まれる。本発明に係る抗体はそれらの結合アフィニティーの点でも示され又は特定されうる。好ましい結合アフィニティーは5×10-6M、10-6M、5×10-7M、10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10M、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×10-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M、及び10-15M未満の解離定数又はKd値を有するものを含む。
【0338】
本発明に係る抗体は、非限定的に、in vitro及びin vivoの診断及び治療方法を含む、本発明に係るポリペプチドを精製する、検出する、及び標的化するための本分野において知られる方法を含む使用を有する。例えば、上記抗体は生物学的サンプル中の本発明に係るポリペプチドの定性的な及び定量的な計測値についての免疫分析における使用を有しうる(例えば、Harlow et al.,1988を参照のこと)。
【0339】
本発明に係る抗体は単独で又は他の組成物と共に使用されうる。上記抗体はさらにポリペプチド又は他の組成物にN−又はC−末端で異種のポリペプチドに組換えて融合され又は(共有及び非共有結合を含んで)化学的に結合されうる。例えば、本発明に係る抗体は検出分析における標識として有用な分子及び異種のポリペプチド、薬物又は毒素の如き、エフェクター分子に組換えて融合され又は結合されうる。例えば、WO 92/08495;WO 91/14438;WO 89/12624;米国特許第5,314,995号;及びEP 0 396 387を参照のこと。
【0340】
本発明に係る抗体は本分野において知られる好適な方法により調製されうる。例えば、本発明に係るポリペプチド又はその抗原性断片はポリクローナル抗体を含む血清の産出を誘導するために動物に投与されうる。上記用語「モノクローナル抗体」はハイブリドーマ技術をとおして作出される抗体に限定されない。上記用語「抗体」は少なくとも1の結合ドメインから成るポリペプチド又はポリペプチド群をいい、ここで、結合ドメインは抗原の抗原決定基の特性と相補的な内部表面の形及び電荷分布を有する3次元の結合空間を形成する抗体分子の可変ドメインの折りたたみから形成され、それが上記抗原との免疫学的反応を可能にする。上記用語「モノクローナル抗体」は真核細胞の、原核細胞の又はファージのクローンを含む、単一のクローンに由来する抗体をいい、それが作出される方法ではない。モノクローナル抗体はハイブリドーマ、組換え体、及びファージディスプレイ技術の使用を含む本分野において知られる広くさまざまな技術を用いて調製されうる。
【0341】
ハイブリドーマ技術は本分野において知られるものを含む(例えば、Harlowet al. 1988;Hammerling et al, 1981を参照のこと)。(前記引用文献はそれらを全体として援用する)。Fab及びF(ab’)2断片は、例えば、(Fab断片を作出するために)パパイン又は(F(ab’)2断片を作出するために)ペプシンの如き酵素を用いて、タンパク質分解的切断によりハイブリドーマ作出抗体から作出されうる。
【0342】
あるいは、本発明に係る抗体は本分野において知られる方法を用いて組換えDNA技術の適用をとおして又は合成化学をとおして作出されうる。例えば、本発明に係る抗体は本分野において知られるさまざまなファージディスプレイ法を用いて調製されうる。ファージディスプレイ法において、機能的な抗体ドメインはそれらをコードするポリヌクレオチド配列を有するファージ粒子の表面上に提示される。所望の結合特性を有するファージは抗原、典型的に固体表面又はビーズに結合された又は捕獲された抗体で直接選択することによりレパートリー又はコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒト又はマウスの)から選ばれる。これらの方法で使用されるファージは典型的にファージ遺伝子III又は遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換えて融合されたFab、Fv又はヂスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するfd及びM13を含む繊維状ファージである。本発明に係る抗体を作出するために使用されうるファージディスプレイ法の例はBrinkman U. et al.(1995);Ames, R.S. et al.(1995);Kettleborough, C. A. et al.(1994);Persic, L. et al.(1997);Burton, D. R. et al.(1994);PCT/GB91/01134;WO 90/02809;WO 91/10737;WO 92/01047;WO 92/18619;WO 93/11236;WO 95/15982;WO 95/20401;及び米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号及び第5,733,743号中に開示されるものを含む。
【0343】
上記の引用文献中に示されるように、ファージ選択後、上記ファージからの抗体コード領域は単離され、そしてヒト抗体又は他の所望の抗原結合断片を含む、抗体全体を作出するために使用され、そして哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、及び菌を含む所望の宿主中で発現されうる。例えば、組換えてFab、Fab’F(ab)2及びF(ab’)2断片を作出するための技術はWO 92/22324;Mullinax, R. L. et al.(1992);及びSawai, H. et al.(1995);及びBetter, M. et al.(1988)中に開示されるものの如き本分野において知られる方法を用いても使用されうる。
【0344】
単鎖Fvs及び抗体を作出するために使用されうる技術の例は米国特許第4,946,778号及び第5,258,498号;Huston et al.(1991);Shu, L. et al.(1993);及びSkerra, A. et al.(1988)中に示されるものを含む。ヒトにおける抗体のin vivoの使用及びin vitro検出分析を含む、いくつかの使用のために、キメラの、ヒト化された又はヒトの抗体を使用することが好まれうる。キメラ抗体を作出する方法は本分野において知られる。例えば、Morrison,(1995);Oi et al.,(1986);Gillies, S. D. et al.(1989);及び米国特許第5,807,715号を参照のこと。抗体はCDR−グラフティング(EP 0 239 400;WO 91/09967;米国特許第5,530,101号;及び第5,585,089号)、ベニアリング又は再舗装(EP 0 592 106;EP 0 519 596;Padlan E. A., 1991;Studnicka G. M. et al., 1994;Roguska M. A. et al., 1994)、及び鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)を含むさまざまな技術を用いてヒト化されうる。ヒト抗体は上記に示されるファージディスプレイ法を含む本分野において知られるさまざまな方法により作出されうる。また、米国特許第4,444,887号、第4,716,111号、第5,545,806号、及び第5,814,318号;WO 98/46645;WO 98/50433;WO 98/24893;WO 96/34096;WO 96/33735;及びWO 91/10741も参照のこと。
【0345】
本発明に係るポリペプチドに組換えて融合された又は(共有結合的な及び非共有結合的な結合を含む)化学的に結合された抗体は本発明中にさらに含まれる。上記抗体は本発明に係るポリペプチド以外の抗原に特異的でありうる。例えば、抗体は本発明に係るポリペプチドを特定の細胞表面受容体に特異的な抗体に融合する又は結合することにより、in vitro又はin vivoで本発明に係るポリペプチドを特定の細胞型に標的化するために使用されうる。本発明に係るポリペプチドに融合される又は結合される抗体は本分野において知られる方法を用いてin vitro免疫分析及び精製方法においても使用されうる(例えば、Harbor et al. supla;WO 93/21232;EP 0 439 095;Naramura, M. et al. 1994;米国特許第5,474,981号;Gillies, S. O. et al., 1992;Fell, H. P. et al.,1991を参照のこと)。
【0346】
本発明はさらに可変領域以外の抗体ドメインに融合された又は結合された本発明に係るポリペプチドを含む組成物を含む。例えば、本発明に係るポリペプチドは抗体Fc領域又はその一部に融合され又は結合されうる。本発明に係るポリペプチドに融合された抗体部分はヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメイン又はドメイン全体若しくはその一部の組み合わせを含みうる。本発明に係るポリペプチドは上記ポリペプチドのin vivo半減期を増大させるために又は本分野において知られる方法を用いた免疫分析における使用のために上記抗体部分に融合され又は結合されうる。上記ポリペプチドは複合体を形成するために上記抗体部分に融合され又は結合されうる。例えば、本発明に係るポリペプチドに融合されたFc部分はFc部分の間のヂスルフィド結合をとおして二量体を形成しうる。より高度に複合体化した形態は上記ポリペプチドをIgA及びIgMの一部に融合することにより作出されうる。本発明に係るポリペプチドを抗体の一部に融合する又は結合する方法は本分野において知られる。例えば、米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号、第5,112,946号;EP 0 307 434、EP 0 367 166;WO 96/04388、WO 91/06570;Ashkenazi, A. et al.(1991);Zheng, X. X. et al.(1995);及びVil, H. et al.(1992)を参照のこと。
【0347】
本発明はさらに本発明に係るポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストとしてはたらく抗体に関連する。例えば、本発明は部分的に又は完全に、本発明に係るポリペプチドとの受容体/リガンド相互作用を破壊する抗体を含む。受容体特異的抗体及びリガンド特異的抗体の両方が含まれる。リガンド結合を妨げないが、受容体活性化を妨げる受容体特異的抗体が含まれる。受容体活性化(すなわち、シグナリング)は本明細書中に示される技術により又は本分野において知られる別の方法で決定されうる。リガンド結合及び受容体活性化の両方を妨げる受容体特異的抗体も含まれる。そのように、リガンドに結合し、それにより受容体活性化を妨げるが、リガンドが受容体に結合することを妨げない抗体に加えて、リガンドに結合する及び上記リガンドの上記受容体への結合を妨げる中和抗体が含まれる。上記受容体を活性化する抗体がさらに含まれる。これらの抗体はリガンド仲介受容体活性化により影響される生物学的活性の全部の又は全部未満のアゴニストとしてはたらきうる。上記抗体は本明細書中に開示される特異的活性を含む生物学的活性についてのアゴニスト又はアンタゴニストとして特定されうる。上記抗体アゴニストは本分野において知られる方法を用いて作出されうる。例えば、WO 96/40281;米国特許第5,811,097号;Deng, B. et al.(1998);Chen, Z. et al.(1998);Harrop, J. A. et al.(1998);Zhu, Z. et al. (1998);Yoon, D. Y. et al.(1998);Prat, M. et al.(1998)J.;Pitard, V. et al.(1997);Liautard, J. et al.(1997);Carlson, N. G. et al.(1997)J.; Taryman, R. E. et al.(1995);Muller, Y. A. et al.(1998);Bartunek, P. et al.(1996)を参照のこと。
【0348】
上記に議論されるように、本発明に係るポリペプチドの抗体は、今度は、当業者に周知の技術を用いて本発明に係るポリペプチドを「真似る」抗イディオタイプ抗体を作出するために利用されうる(例えば、Greenspan and Bona(1989);and Nissinoff(1991)を参照のこと)。例えば、結合し、及びポリペプチド複合体化を又は本発明に係るポリペプチドのリガンドへの結合を競合的に阻害する抗体は、ポリペプチド複合体化又は結合ドメインを「真似る」及び、結果として、ポリペプチド又はそのリガンドに結合する及び中和する抗イディオタイプを作出するために使用されうる。上記中和抗イディオタイプ抗体は本発明に係るポリペプチドを結合するために又はそのリガンド/受容体を結合し、及びそれによりその生物学的活性をブロックするために使用されうる。
【0349】
本発明は本発明に係る突然変異された全長又は成熟ポリペプチドに又は上記突然変異されたポリペプチドのエピトープを含むその断片又は変形に特異的に結合することのできる精製された又は単離された抗体にも関する。他の好ましい態様においては、本発明は本発明に係るポリペプチドの少なくとも10の連続したアミノ酸を含む及び特性を引き起こす突然変異によりコードされうる少なくとも1のアミノ酸を含むポリペプチドに結合することのできる抗体に関する。
【0350】
本発明に係るポリペプチドの、抗体が結合するものとは異なる種を発現する、野生型の又はトランスジェニックの、非ヒト動物又は哺乳類が所望され、そして本発明に係るポリペプチドを発現しない動物(すなわち、ノックアウト動物)は抗体の調製に特に有用である。遺伝子ノックアウト動物は本発明に係るポリペプチドの暴露された領域の全部又はほとんどを外来抗原として認識するであろう、そしてそれゆえ、エピトープのより広い配列で抗体を作出する。さらに、10〜30アミノ酸しか有しない、より小さいポリペプチドは本発明に係るポリペプチドのいずれか1への特異的結合を得るために有用であり得る。さらに、抗原配列に似る本発明に係るポリペプチドの種を作出する動物の体液性の免疫系は動物の固有のポリペプチド種及び抗原配列の差を好ましく認識し、そして上記抗原配列におけるこれらの独特の部位に対する抗体を作出するであろう。上記技術は本発明に係るポリペプチドのいずれか1に特異的に結合する抗体を得ることにおいて特に有用であろう。
【0351】
プロトコールにしたがって調製される抗体調製物は生物学的サンプル中の抗原を有する物質の濃度を決定する定量的な免疫分析において有用である;それらはまた生物学的サンプル中の抗原の存在を同定するために半定量的に又は定量的に使用されうる。上記抗体は上記タンパク質を発現する細胞を殺す又は体内の上記タンパク質の値を減少させるための治療用組成物においても使用されうる。
【0352】
本発明に係る抗体は本分野において知られる放射活性の、蛍光の又は酵素の標識のいずれか1により標識化されうる。
したがって、本発明は生物学的サンプル中で本発明にしたがって本発明に係るポリペプチドの存在を特異的に検出するための方法にも方向付けられ、前記方法は以下の段階:
a)本発明に係るポリペプチドを含むことが疑われる生物学的サンプルを得ること;
b)上記生物学的サンプルを抗原抗体結合について好適な条件下で本発明に係るポリペプチドに特異的に結合するポリクローナル又はモノクローナル抗体に接触させること;及び
c)形成された抗原−抗体複合体を検出すること
を含む。
【0353】
本発明は生物学的サンプル中で本発明に係るポリペプチドの存在をin vitroで検出するための診断キットにも関し、ここで、前記キットは:
a)場合により、標識化された、本発明に係るポリペプチドに特異的に結合するポリクローナル又はモノクローナル抗体;
b)形成された抗原−抗体複合体の検出を可能にする試薬
を含み、前記試薬は場合により、より特には上記に挙げたモノクローナル又はポリクローナル抗体がそれ自体標識化されない場合に、標識を有する又は標識化試薬によりそれ自体認識されることができる。
【0354】
A. ハイブリドーマ融合によるモノクローナル抗体産生
示されるように同定された及び単離されたペプチドのいずれかのエピトープに対するモノクローナル抗体はKohler, G. and Milstein, C., Nature 256:495(1975)の古典的な方法又はその誘導される方法にしたがって、マウスハイブリドーマから調製されうる。簡単に述べると、マウスにそこから由来した数マイクログラムの選択されたタンパク質又はペプチドを数週間にわたり反復して接種する。上記マウスをその後殺し、及び脾臓の抗体産生細胞を単離する。上記脾臓細胞をポリエチレングリコールの方法によりマウスミエローマ細胞と融合し、そして過剰の融合されない細胞をアミノプテリンを含む選択的媒体(HAT媒体)上での系の成長により破壊する。うまく融合した細胞を希釈し、そして上記希釈物の等分をマイクロタイタープレートのウェル中に置き、培養物の成長を継続させる。抗体産出コロニーを、もともとEngvall, E., Meth. Enzymol. 70:419(1980)により示されたElisa、及びその誘導される方法の如き、免疫分析手順により上記ウェルの上清液体における抗体の検出により同定する。選択された陽性クローンは展開され、そしてそれらのモノクローナル抗体産物は使用のために回収されうる。モノクローナル抗体産生の詳細な手順はDavis, L. et al. Basic Methods in Molecular Biology Elsevier, New York. Section 21−2中に示される。
【0355】
C−末端C1qホモロジー領域の全部又は一部から成るGMG−2ポリペプチド断片に特異的に結合するが、N−末端ヂペプチドがヂペプチヂルペプチダーゼによりタンパク質分解的に除去された前記断片には特異的に結合しないモノクローナル抗体も本発明にまた特に含まれる[Deacon(2000)Jounal of Clinical Endocrinology and Metabolism 85:3575−3581 その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する]。好ましい前記GMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸144〜288若しくは162〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸134〜278若しくは152〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸115〜259若しくは133〜259から選ばれる。モノクローナル抗体を作出する方法は当業者に知られる。GMG−2(144〜288)を含むサンプルを得る、GMG−2(146〜288)を含むサンプルを得る、前記抗体を144〜288と接触させる、前記抗体を146〜288と接触させる、酵素結合免疫吸着分析(ELISA)により144〜288に及び146〜288に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体を選択する方法もさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:2の144〜288に特異的に結合するが、配列ID番号:2の146〜288には特異的に結合しない。134〜278を含むサンプルを得る、136〜278を含むサンプルを得る、前記抗体を134〜278と接触させる、前記抗体を136〜278と接触させる、ELISAにより134〜278に及び136〜278に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体の選択方法もさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:4の134〜278に特異的に結合するが136〜278には特異的に結合しない。115〜259を含むサンプルを得る、117〜259を含むサンプルを得る、前記抗体を115〜259と接触させる、前記抗体を117〜259と接触させる、ELISAにより115〜259に及び117〜259に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体の選択方法もまたさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:6の115〜259に特異的に結合するが117〜259には特異的に結合しない。162〜288を含むサンプルを得る、164〜288を含むサンプルを得る、前記抗体を162〜288と接触させる、前記抗体を164〜288と接触させる、ELISAにより162〜288に及び164〜288に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体の選択方法もまたさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:2の162〜288に特異的に結合するが164〜288には特異的に結合しない。152〜278を含むサンプルを得る、154〜278を含むサンプルを得る、前記抗体を152〜278と接触させる、前記抗体を154〜278と接触させる、ELISAにより152〜278に及び154〜278に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体の選択方法もまたさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:4の152〜278に特異的に結合するが154〜278には特異的に結合しない。133〜259を含むサンプルを得る、135〜259を含むサンプルを得る、前記抗体を133〜259と接触させる、前記抗体を135〜259と接触させる、ELISAにより133〜259に及び135〜259に結合する抗体の値を定量する:段階を含む、モノクローナル抗体の選択方法もまたさらに特に含まれ、ここで、前記モノクローナル抗体は配列ID番号:6の133〜259に特異的に結合するが135〜259には特異的に結合しない。
【0356】
B. 免疫化によるポリクローナル抗体産生
単一のタンパク質の不均一のエピトープに対する抗体を含むポリクローナル抗血清は好適な動物を、免疫原生を高めるために改変されない又は改変されうる、上記に示されたものに由来する発現されたタンパク質又はペプチドで免疫化することにより調製されうる。有効なポリクローナル抗体産生は抗原及び宿主種の両方に関する多くの因子により影響される。例えば、小分子は他のものよりも免疫原生を有し難い傾向があり、そして担体及び補助剤の使用を必要としうる。また、宿主動物は接種の部位及び用量に応答して変化し、不十分な又は過剰の用量の抗原は低いタイター抗血清をもたらす。複数の皮内部位で投与される小用量(ngレベル)の抗原は最も信頼可能であるように見える。ウサギについての有効な免疫化プロトコールはVaitukaitis, J. et al. J. Clin. Endocrinol. Metab. 33:988−991(1971)中に見られうる。
【0357】
ブースター注入は規則的な間隔で与えられることができ、そして抗血清は、例えば、上記抗原の既知の濃度に対するアガー中の二重免疫拡散法により、半定量的に決定される、その抗体タイターが落ちはじめるとき、回収される。例えば、Ouchterlony, O et al., Chap. 19 in: Handbook of Experimental Immunology D. Wier(ed)Blackwell(1973)を参照のこと。抗体の安定した濃度は通常0.1〜0.2mg/mlの血清(約12 μM)の範囲内である。抗原についての抗血清のアフィニティーは、例えば、Fisher, D., Chap. 42 in:Manual of Clinical Immunology, 2d Ed.(Rose and Friedman, Eds.)Amer. Soc. For Microbiol., Washington, D. C. (1980)により示されるように、競合的結合曲線を準備することにより決定される。
【0358】
いずれかのプロトコールにしたがって調製された抗体調製物は生物学的サンプル中の抗原を有する物質の濃度を決定する定量的免疫分析において有用である;それらはまた生物学的サンプル中の抗原の存在を半定量的に又は定性的に同定するためにも使用されうる。上記抗体は上記タンパク質を発現する細胞を殺す又は体内の上記タンパク質の値を減少させるための治療用組成物においても使用されうる。
【0359】
本発明の他の特性及び利点は図面の簡単な説明及び実施例中に示される。これらはいかなる場合にも単に例示であり、本発明を限定するとは意味されない。本明細書をとおして、さまざまな出版物、特許及び公開特許出願が引用される。本明細書中に引用されるこれらの出版物、特許及び公開特許出願の開示は、本開示に援用する。
【0360】
IX. ホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片活性のアンタゴニストの同定のための分析
本発明はヂペプチヂルペプチダーゼによるGMG−2ポリペプチド断片のN−末端の切断をブロックする1以上のアンタゴニスト化合物のためのスクリーニング方法を特徴付ける。好ましい前記化合物は、非限定的に、小分子量有機又は無機化合物、タンパク質、ペプチド、炭水化物又は脂質から選ばれる。好ましい前記ヂペプチヂルペプチダーゼはヂペプチヂルペプチダーゼから成るヒト血漿である。好ましいヂペプチヂルペプチダーゼは、非限定的に、ヒトCD26又はヒトアトラクチンから選ばれる。さらに好ましいヂペプチヂルペプチダーゼは、非限定的に、水溶性ヒトCD26又は水溶性ヒトアトラクチンから選ばれる。水溶性ヒトCD26は当業者に周知の方法を用いて組換え法により作出される(米国特許第6,265,551号 その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。水溶性ヒトアトラクチンは当業者に周知の方法を用いて組換え法により作出される(国際特許出願番号 WO 15651A1 その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)。好ましい前記GMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸144〜288若しくは162〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸134〜278若しくは152〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸115〜259若しくは133〜259から選ばれる。配列ID番号:2の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(144〜288)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドSPを除去する。配列ID番号:2の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(162〜288)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドTAを除去する。配列ID番号:4の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(134〜278)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドSPを除去する。配列ID番号:4の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(152〜278)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドTAを除去する。配列ID番号:6の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(115〜259)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドSPを除去する。配列ID番号:6の前記好ましいGMG−2ポリペプチド断片(133〜259)の前記ヂペプチヂルペプチダーゼ切断はN−末端のヂペプチドTAを除去する。
【0361】
本発明はさらに:a)前記ホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片を前記化合物と接触させる又はさせない;b)活性に基づいて結果を検出する、ここで、前記活性は、非限定的に、脂質分割、脂質代謝、及びインスリン様活性から選ばれる;及びc)化合物ありの前記結果が化合物なしの前記結果と異なる場合、前記結果は前記化合物をホモ三量体gGMG−2ポリペプチド断片活性のアンタゴニストとして同定する:を含む、gGMG−2ポリペプチド断片活性の前記アンタゴニストのついての化合物のスクリーニング方法を特徴付ける。
【実施例】
【0362】
実施例
【0363】
以下の実施例は例示的な目的のために提供され、限定の意味ではない。当業者は本明細書中の開示に基づいて同等の分析及び方法を設計することができるであろう、その全ては本明細書の一部を形成する。
【0364】
本明細書をとおして使用される上記用語全長GMG−2ポリペプチドはタンパク質ホモログマウスACRP30[Scherer, et al.,“A novel serum protein similar to C1q, produced exclusively in adipocytes”;J Biol Chem 270, 26746−26749(1995)]、マウスAdipoQ[Hu, et al.,“AdipoQ is a novel adipose−specific gene dysregulated in obesity”, J Biol Chem 271, 10697−10703(1996)]、ヒトAPM1[Maeda, et al.,“cDNA cloning and expression of a novel adipose specific collagen−like factor, APM1(AdiPose Most abundant Gene trascript 1)”, Biochem Biophys Res Commun 221, 286−289(1996)]及びヒトGBP28[Nakano, et al., “Isolation and characterization of GBP28, a novel gelatin−binding protein purified from human plasma”, J Biochem(Tokyo)120, 803−812(1996)]を含むと意図されることに注意すべきである。GMG−2はまた他のホモログを含むと意図される。gGMG−2は球状ドメインから成る全長GMG−2ポリペプチドのポリペプチド断片をいうと理解される。
【0365】
実施例1: GMG−2 DNAのノザン分析
発達の異なる段階におけるマウス胚に加えて、異なるヒト組織(成人及び胎児)及び細胞系におけるGMG−2発現の分析はClontechから購入されるポリA+RNAブロット(例えば、#7780−1、7757−1、7756−1、7768−1及び7763−1)を用いることにより達成される。RNAプローブの標識化はAmbionからのRNA Strip−EZキットを用いて製造業者の教示どおりに行われる。RNAプローブのRNAブロットへのハイブリダイゼーションはUltrahybハイブリダイゼーション溶液(Ambion)で行われる。簡単に述べると、ブロットを58℃(低い厳格さ)又は65℃(高い厳格さ)で30分間、前ハイブリダイゼーションする。標識化したプローブ(2×106cpm/ml)を添加後、ブロットを一晩(14〜24時間)ハイブリダイズし、及び2×SSC/0.1%SDSで50℃で2×20分間(低い厳格さ)、1×SSC/0.1%SDSで58℃で2×20分間(中間の厳格さ)及び1×SSC/0.1%SDSで65℃で2×20分間(高い厳格さ)洗浄する。洗浄完了後、ブロットをフォスフォイメージャー(Molecular Dynamics)上に1〜3日暴露する。
【0366】
実施例2: 代謝関連活性のin vitro試験
GMG−2ポリペプチドのさまざまな調製物及びさまざまな配列変形の活性を以下に提供されるものを含むさまざまなin vitro分析を用いて評価する。これらの分析はまたGMG−2ポリペプチドアンタゴニスト及びアゴニストを発展させるために使用されうるものの例示である。そうするために、候補分子の存在下での、例えば、レプチン及び/又はLSR活性に対する、上記分析におけるGMG−2ポリペプチドの効果は上記候補分子の非存在下の分析におけるGMG−2ポリペプチドの効果と比較されうる。GMG−2ポリペプチドは高カフェテリア食のマウスにおいて体重を減少させると考えられているので(実施例5)、これらの分析はまた体重を減少させる(又は増大させる)ための候補治療を同定するためにもはたらく。
【0367】
肝細胞系
GMG−2ポリペプチドのLSRへの効果の試験は、例えば、PLC、HepG2、Hep3B(ヒト)、Hepa1〜6、BPRCL(マウス)又はMCA−RH777、MCA−RH8994(ラット)を含む、肝細胞系を用いて行われうる。
【0368】
BPRCLマウス肝細胞(ATCC Repository)をグルタミン及びペニシリン−ストレプトマイシンを含むDMEM(高グルコース)中6−ウェルプレート中に300,000細胞/ウェルの濃度で置く(0日目)(Bihain & Yen, 1992)。培地を2日目に変える。3日目、コンフルエント単層をリン酸緩衝塩水(PBS,pH7.4)(2mL/ウェル)で一回洗浄する。細胞を0.2%(w/v)BSA、5mM Hepes、2mM CaCl2、3.7g/L重炭酸ナトリウム、pH7.5を含むDMEM中の増大する濃度の組換えAdipoQ(AQ)又は球状AdipoQ(AQ−GH)で37℃で30分間インキュベートする。10ng/mL125I−マウスレプチン(特異的活性、22100cpm/ng)の添加後、インキュベーションを37℃で3時間続ける。単層を0.2%BSAを含むPBSで続けて2回、続いて、PBS/BSAで1回、及びその後PBSで続けて2回洗浄する。細胞を0.24mM EDTAを含む0.1N NaOHで溶解する。溶解物を管内に回収し、そしてガンマカウンター内で計測する。
【0369】
血液脳関門モデル:
脳におけるGMG−2ポリペプチドのレプチン輸送に対する効果は脳由来細胞を用いて決定されうる。構想される1の方法は、LSR又は他の受容体を介したレプチン(又は他の分子)の輸送に対するGMG−2ポリペプチドの効果を試験するために脳毛細管内皮細胞及び星状細胞の共培養を使用する、Dehouck, et al(J Neurochem 54:1798−801,1990;図面、表又は図画を含むそれらを全体として本明細書中に援用する)により示される血液/脳関門モデルを用いることである。
【0370】
この分析はGMG−2ポリペプチドの脳へのレプチン輸送に対する潜在的な効果の表示でありうる、及びGMG−2ポリペプチド変形を脳におけるLSR又は他の受容体をとおしたレプチン輸送を調節するそれらの能力についてスクリーニングするために使用されうる。さらに、GMG−2ポリペプチドのLSR又は他の受容体をとおしたレプチン輸送に対する効果の推定上のアゴニスト及びアンタゴニストもこの分析を用いてスクリーニングされうる。血液/脳関門を介するレプチンの増大した輸送はおそらくその満腹因子としての活性を増大させるであろう。
【0371】
LSR発現のFACS分析
GMG−2ポリペプチドのLSRに対する効果は、抗LSR抗体及び蛍光二次抗体を用いて、フロー表面サイトメトリーにより細胞表面上のLSR発現値を計測することにより決定されうる。フローサイトメトリーは生物学的粒子の特性を計測するために使用されるレーザーに基づいた技術である。フローサイトメトリーの根底にある原理は光が分散され、励起源からの光が動く粒子にぶつかるとき蛍光が吸収されるというものである。
これはGMG−2ポリペプチドの推定上のアゴニスト及びアンタゴニストに加えて、GMG−2ポリペプチド及び変形をスクリーニングするために容易に適合しうるハイスループット分析である。2の分析は以下に提供される。上記抗体、細胞系及びGMG−2ポリペプチドアナログは実験に因り変化しうるが、ヒト細胞系、ヒト抗LSR抗体及び球状GMG−2がヒトを治療するために使用されるべき変形、アゴニスト、及びアンタゴニストについてスクリーニングするために使用されうる。
【0372】
分析1:
細胞を回収及びFACSによる分析前に無傷のGMG−2ポリペプチド(又は無処理の)で前処理する。細胞を非酵素解離溶液(Sigma)を用いて回収し、及びその後1%(w/v)BSAを含むPBS中で抗LSR 81B又は関連性のない抗血清の1:200希釈で4℃で1時間インキュベートする。同じ緩衝液で2回洗浄後、ヤギ抗ウサギFITC結合抗体(Rockland, Gilbertsville, PA)を細胞に添加し、続いてさらに4℃で30分間インキュベートする。洗浄後、上記細胞を2%フォルマリン中に固定する。フローサイトメトリー分析をFACS Caliburサイトメーター(Becton−Dickinson, Franklin Lakes, NJ)上で行う。
【0373】
分析2:
細胞を分析前に48時間、製造業者の教示にしたがってT175フラスコ中で培養する。
細胞をFACS緩衝液(1×PBS/2%FBS、フィルター滅菌)で1回洗浄し、及びフラスコから10mLのFACS緩衝液中に手動でかきとる。上記細胞懸濁物を15mL円錐管に移し、及び1200rpm、4℃で5分間遠心分離する。上清を捨て、及び細胞を4℃に冷却した10mL FACS緩衝液中に再懸濁する。細胞カウントを行い、及び上記細胞濃度をFACS緩衝液で1×106細胞/mLの濃度に合わせる。1ミリリットルの細胞懸濁物を分析のために48ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加した。細胞を1200rpm、4℃で5分間遠心分離する。プレートをチェックし、細胞がペレット化していることを確認して、上記上清を除去し、そして細胞をヴォルテックスミキサー上でプレートを揺らすことにより再懸濁する。1ミリリットルのFACS緩衝液をそれぞれのウェルに添加し、続いて、1200rpm、4℃で5分間遠心分離する。細胞洗浄といわれるこれを全部で3回行った。
【0374】
適切なワーキング希釈液(例えば、1:25、1:50、1:100、1:200、1:400、1:500、1:800、1:1000、1:2000、1:4000、1:5000又は1:10000)を決定するためのスクリーニング実験において滴定された、一次抗体を総容積50μL FACS緩衝液中の細胞に添加する。プレートを光から保護して4℃で1時間インキュベートする。インキュベーションに続いて、細胞を上記に示したように3回洗浄する。適切なワーキング希釈液(例えば、1:25、1:50、1:100、1:200、1:400、1:500、1:800、1:1000、1:2000、1:4000、1:5000又は1:10000)を決定するためのスクリーニング実験において滴定された、適切な二次抗体を総容積50μL FACS緩衝液中の細胞に添加する。プレートを光から保護して4℃で1時間インキュベートする。インキュベートに続いて、細胞を上記に示したように3回洗浄する。最後の洗浄の際、細胞を500μL FACS緩衝液中に再懸濁し、そしてFACS取得管に移す。サンプルを光から保護して氷上に置き、そして1時間以内に分析する。
【0375】
蛍光マイクロスコピーにより検出されるGMG−2ポリペプチドの細胞結合及び取り込み
GMG−2ポリペプチドの蛍光イソチオシアネート(FITC)結合:1mg/mL濃度の精製されたGMG−2タンパク質をSigmaのFluoroTagFITC結合キット(Stock No.FITC−1)を用いてFITCで標識化する。GMG−2タンパク質標識化のために、スモールスケール結合についてのSigma Handbook中に概略されるプロトコールにしたがった。
【0376】
細胞培養:C2C12マウス骨格筋細胞(ATCC、Manassas, VA CRL−1772)及びHepa−1−6マウス肝細胞(ATCC, Manassas, VA CRL−1830)をウェル当たり2×105細胞の細胞濃度で6ウェルプレート中にまく。C2C12及びHepa−1−6細胞を分析前に24〜48時間容器の教示にしたがって培養する。細胞が80%コンフルエントになったとき分析を行う。
【0377】
マイクロスコピーを用いたFITC標識化したGMG−2タンパク質細胞結合及び取り込み:C2C12及びHepa−1−6細胞をヒトLSR(81B:ヒトLSRのN−末端配列;マウスLSRとクロス反応しない及び93A:C−末端配列、マウスLSRとクロス反応する)に対して方向付けられた抗体又はgC1qr(953)に対して方向付けられた抗血清の存在下/非存在下で37℃、5%CO2で1時間インキュベートする。LSR抗体を2μg/mLの濃度で培地に添加する。上記抗gC1qr抗血清を2.5μLの容積の希釈しない血清(高濃度)又は1:100希釈(低濃度)で培地に添加する。特定した抗体でのインキュベーションに続いて、FITC−GMG−2ポリペプチド(50nM/mL)をそれぞれの細胞培養ウェルに添加する。細胞を再び37℃、5%CO2で1時間インキュベートする。細胞をPBSで2回洗浄し、細胞をウェルから1mLのPBS中にかきとる。細胞懸濁物をエッペンドルフチューブに移し、そして1000rpmで2分間遠心分離する。上清を除去し、そして細胞を200μLのPBS中に再懸濁する。FITC−GMG−2ポリペプチドの結合及び取り込みを40×倍率で蛍光マイクロスコピーにより分析する。
【0378】
この分析はGMG−2ポリペプチドの細胞への取り込み及び/又は結合を促進する又は妨げる剤を同定するために有用でありうる。
【0379】
リポタンパク質受容体としてのLSRに対する効果
LSRのリポタンパク質結合、内面化及び分解活性に対するGMG−2タンパク質の効果も試験されうる。LSRのリポタンパク質受容体としての計測はBihain & Yen,((1992)Biochemistry May 19;31(19):4628−36;その図画、表又は図面を含むそれらを全体として本明細書中に援用する)において示される。GMG−2タンパク質のLSR(又は他の受容体)のリポタンパク質結合、内面化及び分解活性に対する効果は、追加のコントロールとしての無処理の細胞を伴って、無傷のGMG−2タンパク質のそれと比較されうる。この分析は代謝関連活性のアゴニスト及びアンタゴニストに加えて、GMG−2タンパク質の活性及び阻害変形についてスクリーニングするためにも使用されうる。
【0380】
ヒト肝PLC細胞(ATCC容器)をグルタミン及びペニシリン−ストレプトマイシンを含むDMEM(高グルコース)中の6ウェルプレート中に300,000細胞/ウェルの濃度で置く(0日目)(Bihain & Yen, 1992)。培地を2日目に変える。3日目、コンフルエント単層をリン酸緩衝塩水(PBS,pH7.4)(2mL/ウェル)で一回洗浄する。細胞を0.2%(w/v)BSA、5mM Hepes、2mM CaCl2、3.7g/L重炭酸ナトリウムを含むDMEM、pH7.5中の10ng/mLヒト組換えレプチンで37℃で30分間インキュベートし、続いて増大する濃度のGMG−2ポリペプチドで37℃でさらに30分間インキュベートする。0.8mMオレイン酸及び20μg/mL125I−LDLの添加後、インキュベーションを37℃で2時間続ける。単層を0.2%BSAを含むPBSで続けて2回洗浄し、続いて、PBS/BSAで1回、及びその後PBSで続けて2回洗浄する。125I−LDLのオレイン酸誘導結合、取り込み及び分解の量を以前に示したように(Bihain & Yen, 1992, supra)計測する。結果は三重決定の平均として示される。
【0381】
本発明者はGMG−2タンパク質の添加はリポタンパク質受容体としてのLSRの増大した活性を引き起こすと考える。LDLのオレイン酸誘導結合及び取り込みは分解に比較してGMG−2タンパク質により影響されやすい。この増大したLSR活性は食後状態の間のトリグリセリドリッチリポタンパク質の高められたクリアランスを可能性としてもたらしうる。したがって、より多くの食物脂肪が脂肪組織中に沈積されるより、肝臓をとおして除去されうる。
【0382】
この分析はLSR活性(又は他の受容体をとおしたリポタンパク質取り込み、結合及び分解)を増大させる又は減少させる、及びしたがってトリグリセリドリッチリポタンパク質のクリアランス速度に影響する化合物(又はアゴニスト若しくはアンタゴニスト)の効率を決定するために使用されうる。
【0383】
筋肉分化に対する効果
C2C12細胞(マウス骨格筋細胞系;ATCC CRL 1722, Rockville,MD)を完全なDMEM(w/グルタミン、pen/strep等)+10%FCS中の薄く(約15〜20%)まく。2日後、それらは80〜90%コンフルエントになる。このとき、培地をDMEM+2%ウマ血清に変え、分化を許す。上記培地を毎日変える。豊富な筋管形成が2%ウマ血清にして3〜4日後に起こるが、C2C12分化の正確な時間経過は他の事実の間で、それらがどのくらい継代されているか及びそれらがどのくらい維持されているかに因る。
【0384】
GMG−2タンパク質の存在の筋肉分化に対する効果を試験するために、GMG−2(1〜2.5μg/mL)を上記細胞がまだDMEM w/10% FCS中にある、まいた日の後添加する。上記細胞をまいた2日後(GMG−2がはじめに添加された1日後)、約80〜90%コンフルエントで、上記培地をDMEM+2%ウマ血清+GMG−2に変える。
【0385】
筋細胞脂肪酸酸化に対する効果
C2C12細胞を4日間、2μg/mLのGMG−2タンパク質の存在下又は非存在下で分化させる。4日目、オレイン酸酸化速度を1−14C−オレイン酸(0.2mM)の14CO2への変換を90分間計測することにより決定する。この実験はGMG−2ポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニスト又は活性化剤及び阻害剤に加えて、活性ポリペプチド及びペプチドについてのスクリーニングをするために使用されうる。
【0386】
GMG−2のオレイン酸酸化の速度に対する効果は分化したC2C12細胞(マウス骨格筋細胞;ATCC, Manassas, VA CRL−1772)において及び肝細胞細胞系(Hepa1−6; ATCC, Manassas, VA CRL−1830)において比較されうる。培養細胞を製造業者の教示にしたがって維持する。上記オレイン酸酸化分析は以前に示したように行われる(Muoio et al(1999)Biochem J 338;783−791)。簡単に述べると、ほぼコンフルエントの単層を低血清分化培地(DMEM、2.5%ウマ血清)中で4日間保ち、このとき筋管の形成が最大になる。肝細胞を10%FCSで補充した同じDMEM培地中で2日間保つ。実験の1時間前に、上記培地を除去し、そして1mLの前インキュベーション培地(MEM、2.5%ウマ血清、3mM グルコース、4mM グルタミン、25mM Hepes、1%FFAフリーBSA、0.25mM オレイン酸、5μg/mL ジェンタマイシン)を添加する。酸化実験の開始に、14C−オレイン酸(1μCi/mL、American Radiolabeled Chemical Inc., St. Louis, MO)を添加し、そして細胞を2.5μg/mL GMG−2非存在下/存在下で37℃で90分間インキュベートする。インキュベーション時間の後、0.75mLの培地を除去し、そして筋FFA酸化実験について以下に示されるように14C酸化産物について分析する。
【0387】
培養細胞におけるオレイン酸酸化後のトリグリセリド及びタンパク質分析
オレイン酸酸化分析のための培地の移行に続いて、細胞を氷上におく。トリグリセリド及びタンパク質内容量を決定するために、細胞を残りの培地を除去するために1mLの1×PBSで洗浄する。それぞれのウェルに300μLの細胞解離溶液(Sigma)を添加し、そして37℃で10分間インキュベートする。プレートを細胞をゆるめるために軽くたたき、そして0.5mLの1×PBSを添加する。上記細胞懸濁物をエッペンドルフチューブに移し、それぞれのウェルを追加の0.5mLの1×PBSですすぎ、そして適切なエッペンドルフチューブに移す。サンプルを室温で1000rpmで10分間遠心分離する。上清を捨て、そして750μLの1×PBS/2%chapsを細胞ペレットに添加する。細胞懸濁物をヴォルテックスし、そして氷上に1時間おく。サンプルをその後13000rpmで4℃で20分間遠心分離する。上清を新しい管に移し、そして分析するまで−20℃で凍らせる。それぞれのサンプルにおけるトリグリセリド値の定量的な計測はSigma Diagnostics GPO−TRINDER酵素キットを用いて決定される。上記マニュアル中に概略される手順を以下の例外をともなって厳守する:分析を48ウェルプレート中で行い、350μLのサンプル容積を分析し、コントロールブランクは350μL PBS/2%chapsから成り、及び標準はキット中に提供される10μL標準及び690μL PBS/2%chapsを含む。サンプルの分析をPackard Spectra Count上で550nMの波長で行う。タンパク質分析を製造業者の教示にしたがってBCAタンパク質分析(Pierce)を用いて25μLのそれぞれの上清サンプルについて行う。サンプルの分析はPackard Spectra Count上で550nMの波長で行う。
【0388】
筋細胞によるin vitroグルコース取り込み
L6筋細胞をEuropean Culture Collection(Porton Down)から得、そして7〜11継代で使用する。細胞を標準の組織培養培地DMEM中で維持し、そしてグルコース取り込みを以前に示されているように(Walker, P. S. et al.(1990)Glucose transport activity in L6 muscle cells is regulated by the coordinate control of subcellular glucose transporter distribution, biosythesis, and mRNA transcription. JBC 265(3):1516−1523;and Kilp, A. et al.(1992)Stimulation of hexose transport by metformin in L6 muscle cells in culture. Endocrinology 130(5):2535−2544、その開示をそれらを全体として本明細書中に援用する)インスリン(10-8M)の存在下又は非存在下でGMG−2ポリペプチド断片あり又はなしで[3H]−2−デオキシグルコース(2DG)を用いて評価する。2DGの取り込みをコントロール(添加されたインスリン又はGMG−2ポリペプチド断片なし)と比較したパーセント変化として表す。値は実験当たり4ウェルの平均±SEMとして表される。ウェルのセット間の差はStudent’s t testにより評価され、確率値p<0.05は顕著であると考えられる。
【0389】
実施例3: GMG−2ポリペプチドの高脂肪食を与えたマウスへの効果
実験を約6週齢C57B1/6マウス(群当たり8)を用いて行う。全てのマウスを個々に飼う。上記マウスをそれぞれの実験をとおして高脂肪食で維持する。上記高脂肪食(カフェテリア食;Research Diets, Inc.からのD12331)は以下の組成を有する:タンパク質kcal%16、スクロースkcal%26、及び脂肪kcal%58。上記脂肪は主に水素化したココナッツ油から成る。
【0390】
マウスが高脂肪食を6日間摂取した後、マイクロ−浸透ポンプをイソフルラン麻酔を用いて挿入し、そして全長GMG−2ポリペプチド、GMG−2ポリペプチド断片、塩水、及び関連のないペプチドをマウスに皮下で(s.c.)18日間、提供するために使用する。GMG−2ポリペプチドは100、50、25、及び2.5μg/日の用量で提供され、そして関係のないペプチドは10μg/日で提供される。体重を高脂肪食の1、3及び5日目に、及びその後処置の開始後毎日計測する。最後の血液サンプルを心穿刺により取り、そしてトリグリセリド(TG)、総コレステロール(TC)、グルコース、レプチン、及びインスリン値を決定するために使用する。日当たりに消費された食物量もそれぞれの群で決定される。
【0391】
実施例4: ヒトにおける代謝関連活性の試験
ヒトにおけるGMG−2ポリペプチドの効果の試験は医師の推奨及び確立されたガイドラインにしたがって行われる。マウスにおいて試験されるパラメーターはヒトにおいても試験される(例えば、食物摂取、体重、TG、TC、グルコース、インスリン、レプチン、FFA)。生理学的因子は短期間にわたり変化を示すことが予想される。体重増加における変化はより長い期間を必要としうる。さらに、上記食物は慎重にモニターされる必要があるであろう。GMG−2ポリペプチド、好ましくはC1qホモロジー領域を含むGMG−2ポリペプチドは70kgのヒト当たり約6mgタンパク質又は1日当たり約10mgの日の用量で与えられうる。他の用量は、例えば、1日当たり1mg又は5mg〜1日当たり20mg、50mg又は100mgまで試験されうる。
【0392】
実施例5: マウス脂肪萎縮性糖尿病モデルにおける代謝関連活性の試験
以前に、レプチンは先天性脂肪異栄養症を有するマウスにおいてインスリン抵抗性及び真性糖尿病をくつがえすことが報告された(Shimomura et al.Nature 401:73−76(1999);図画、図面又は表を含むそれらを全体として本明細書中に援用する)。レプチンは脂肪萎縮性糖尿病の異なる脂肪異栄養マウスモデルにおいて、より効果的でないことが発見された(Gavrilova et al Nature 403:850(2000);図画、図面又は表を含むそれらを全体として本明細書中に援用する)。本発明は単独の又はレプチン、レプチンペプチド(米国仮出願番号60/155,506)若しくは他の化合物を伴うこのモデルにおけるインスリン抵抗性及び高血糖症を減少させるためのGMG−2ポリペプチドの使用を含む。分析はA−ZIP/F−1マウスを用いた、以前にGavrilova et al.((2000)Diabetes Nov;49(11):1910−6;(2000)Nature Feb 24;403(6772):850)中に示されるものを、GMG−2ポリペプチドが実施例3(又は実施例6〜8)において以前に示された方法を用いて投与されるであろうことを除いては、含む。上記マウスのグルコース及びインスリン値は試験されるであろう、そして典型的に私たちの実験において計測されるレプチン、FFA、及びTG値の如き他の因子に加えて、上記食物摂取及び肝重量がモニターされる(実施例3、上記又は実施例6〜8を参照のこと)。
【0393】
実施例6: C57BL/6マウスにおけるGMG−2ポリペプチドの血漿遊離脂肪酸に対する効果
正常なC57BL6/JマウスにおけるGMG−2ポリペプチドの食後脂肪血(PPL)に対する効果が試験される。
この実験において使用されるマウスは実験前2時間絶食され、その後基礎の血液サンプルが取られる。全ての血液サンプルがEDTAでコーティングした毛細管を用いて尾から取られる(それぞれの時点で50μL)。0時(8:30 AM)に、標準高脂肪食(6gバター、6gヒマワリ油、10g非脂肪乾燥乳、10gスクロース、Nb#6,JF,pg.1にしたがう12mLの新たに調製した蒸留水)が全ての動物に胃管栄養(vol.=体重の1%)により与えられる。
【0394】
上記高脂肪食後即座に、25μg GMG−2ポリペプチドが100μL塩水中でi.p.で注入される。上記同じ用量(100μL中25μg/mL)が再び45分に及び1時間45分に注入される。コントロール動物は塩水(3×100μL)を注入される。無処理の及び処理した動物は変換モードで扱われる。
【0395】
血液サンプルは1時間間隔で取られ、そして即座に氷上に置かれる。血漿はそれぞれの時点に続いて遠心分離により調製される。血漿は−20℃で保持され、そして遊離脂肪酸(FFA)、トリグリセリド(TG)及びグルコースは標準の試験キット(Sigma and Wako)を用いて24時間以内に決定される。制限される入手可能な血漿量のため、グルコースは集められたサンプルを用いて二重で決定される。それぞれの時点について、処置群当たり8動物全てからの等用量の血漿が集められる。
【0396】
実施例7: C57 BL/6マウスにおけるGMG−2ポリペプチドの血漿レプチン及びインスリンに対する効果
正常なC57BL6/Jマウスにおける食後脂肪血(PPL)の間のGMG−2ポリペプチドの血漿レプチン及びインスリン値への効果が試験される。上記実験手順は、血液が、RIAによるレプチン及びインスリンの決定について必要とされるより多くの血液サンプルを得るために0、2及び4時間にのみ取られることを除いては、実施例6において示されるものと同じである。
【0397】
簡単に述べると、16のマウスは実験前2時間絶食され、その後基礎の血液サンプルが取られる。全ての血液サンプルがEDTAコーティングされた毛細管を用いて尾から取られる(それぞれの時点で100μL)。0時(9:00 AM)に、標準の高脂肪食(実施例6を参照のこと)が全ての動物に胃管栄養(vol.=体重の1%)により与えられる。高脂肪食後即座に、25μgのGMG−2ポリペプチドが100μL塩水中でi.p.で注入される。上記同じ用量(100μL中25μg)が再び45分に及び1時間45分に注入される(処置群)。コントロール動物は塩水(3×100μL)を注入される。無処理の及び処置した動物は変換モードで扱われる。
【0398】
血液サンプルは即座に氷上に置かれ、そして血漿はそれぞれの時点に続いて遠心分離により調製される。血漿は−20℃で保持され、そして遊離脂肪酸(FFA)が標準の試験キット(Wako)を用いて24時間以内に決定される。レプチン及びインスリンは製造業者のプロトコールにしたがってRIA(ML−82K及びSRI−13K、LINCO Research, Inc., St Charles, MO)により決定される。しかしながら、20μLの血漿のみが使用される。それぞれの決定は二重で行われる。限られる入手可能な血漿の量のために、レプチン及びインスリンは両方の群でそれぞれの2動物の4プールにおいて決定される。
【0399】
実施例8: C57 BL/6マウスにおけるGMG−2ポリペプチドの血漿FFA、TG及びグルコースに対する効果
正常なC57BL6/JマウスにおいてGMG−2ポリペプチドの食後脂肪血(PPL)中の血漿FFA、TG、グルコース、レプチン及びインスリン値に対する効果が示されている。高脂肪食の正常なC57BL6/Jマウスに与えられるGMG−2ポリペプチド(2.5μg/日)から生ずる体重減少も示されている(実施例3)。
【0400】
上記実験手順は実施例6中で示されるものと同様である。簡単に述べると、14のマウスは実験前2時間絶食され、その後基礎血液サンプルが取られる。全ての血液サンプルがEDTAコーティングされた毛細管を用いて尾から取られる(それぞれの時点で50μL)。0時(9:00 AM)に、標準の高脂肪食(実施例6を参照のこと)が全ての動物に胃管栄養(vol.=体重の1%)により与えられる。高脂肪食後即座に、4のマウスは25μgのGMG−2ポリペプチドを100μL塩水中でi.p.で注入される。上記同じ用量(100μL中25μg)が再び45分に及び1時間45分に注入される。第二の処置群は同じ間隔で50μgのGMG−2ポリペプチドを3回受ける。コントロール動物は塩水(3×100μL)を注入される。無処理の及び処理された動物は変換モードで扱われる。
【0401】
血液サンプルは即座に氷上に置かれる。血漿はそれぞれの時点に続いて遠心分離により調製される。血漿は−20℃で保持され、そして遊離脂肪酸(FFA)、トリグリセリド(TG)及びグルコースが標準の試験キット(Sigma and Wako)を用いて24時間以内に決定される。
【0402】
実施例9: エピネフリン注入後のFFAに対するGMG−2ポリペプチドの効果
マウスにおいて、血漿遊離脂肪酸は高脂肪/スクロース試験食の胃管内投与後に増大する。これらの遊離脂肪酸はほとんど脂肪分解酵素、すなわち、リポタンパク質リパーゼ(LPL)及び肝臓リパーゼ(HL)の活性により作出される。この種において、これらの酵素は内皮に結合して及び血漿中に遊離循環して顕著な量で見られる。血漿遊離脂肪酸の他の源はβ−アドレナリン性刺激後に脂肪組織から遊離脂肪酸を放出するホルモン感受性リパーゼ(HSL)である。GMG−2ポリペプチドがHSLにより放出される遊離脂肪酸の代謝をも制御するかどうか試験するために、マウスはエピネフリンを注入される。
2群のマウスは腹腔内注入によりエピネフリン(5μg)を与えられる。処理群はエピネフリンの1時間前及び再びエピネフリンと共にGMG−2ポリペプチド(25μg)を注入され、一方でコントロール動物は塩水を受ける。血漿は単離され、そして遊離脂肪酸及びグルコースは上記に示されるように計測される(実施例8)。
【0403】
実施例10: 筋FFA酸化に対するGMG−2ポリペプチドの効果
筋遊離脂肪酸酸化に対するGMG−2ポリペプチドの効果を調査するために、C57BL/6Jマウスからの無傷の後肢筋が単離され、そしてFFA酸化がオレイン酸を基質として用いて計測される(Clee, S. M. et al.Plasma and vessel wall lipoprotein lipase have different roles in atherosclerosis, J Lipid Res 41, 521−531(2000);Muoio, D. M. Dohm, G. L., Tapscott, E. B. & Coleman, R. A. Leptin opposes insulin’s effects on fatty acid partitioning in muscles isolated from obese ob/ob mice. Am J Physiol 276, E913−921(1999))。単離された筋におけるオレイン酸酸化は以前に示されるように計測される(Cuendet et al(1976)J Clin Invest 58:1078−1088;Le Marchand−Brustel, Y., Jeanrenaud, B. & Freychet, P. Insulin binding and effects in isolated soleus muscle of lean and obese mice. Am J Physiol 234, E348−E358(1978))。簡単に述べると、マウスを断頭により殺し、そしてヒラメ筋及びEDL筋をすばやく後肢から単離する。それぞれの筋の遠位の腱を異なる媒体間での移行を促進するために縫合して一つの塊にする。全てのインキュベーションはFFAフリーウシ血清アルブミン(フラクションV、RIAグレード、Sigma)及び5mMグルコース(Sigma)で補充された1.5mLのKrebs−Henseleit重炭酸緩衝液(118.6mM NaCl、4.76mM KCl、1.19mM KH2PO4、1.19mM MgSO4、 2.54mM CaCl2、25mM NaHCO3、10mM Hepes、pH7.4)中で30℃で行われる。上記実験をとおしてオレイン酸(Sigma)の総濃度は0.25mMである。全ての媒体はインキュベーション前に酸素化される(95%O2;5%CO2)。上記気体混合物はガスウォッシャー(Kontes Inc., Vineland, NJ)をとおして泡立たせることにより実験をとおして水和される。
【0404】
筋を酸素化でインキュベーション媒体中で30分間すすぐ。上記筋をその後新しい媒体(1.5mL)に移し、1μCi/mL[1−14C]オレイン酸(American Radiolabeled Chemicals)の存在下で30℃でインキュベートする。この媒体を含む上記インキュベーションバイアルをゴムの隔壁で密閉し、そこからWhatman paper(1.5cm×11.5cm)の1片を有する中心ウェルが懸濁される。
【0405】
一定の酸素化を伴う10分間のはじめのインキュベーションの後、気体循環を外環境から系を閉じるために除去し、そして上記筋を30℃で90分間インキュベートする。この期間の最後に、0.45mLのSolvable(Packard Instruments, Meriden, CT)を中心ウェル中のWhatman paper上に注入し、そして上記筋によるオレイン酸酸化を上記バイアルを氷上に移すことにより停止する。
【0406】
5分後、上記筋を媒体から除去し、そして0.5mL媒体の等分も除去する。上記バイアルを再び閉じ、そして1mLの35%過塩素酸をゴムの隔壁をとおして貫通することにより媒体中へシリンジで注入する。酸化された媒体から放出されるCO2は中心ウェル中のSolvableにより回収される。30℃での90分の回収期間後、Whatman paperを中心ウェルから除去し、そして15mLのシンチレーション液(HionicFlour, Packard Instruments, Meriden, CT)を含むシンチレーションバイアル中におく。14C放射活性の量を液体シンチレーション計測により定量する。オレイン酸酸化の速度は90分/筋gで産生されるnmolオレイン酸として表される。
【0407】
GMG−2のオレイン酸酸化に対する効果を試験するために、これらのタンパク質を最終濃度2.5μg/mLで媒体に添加し、そして上記手順をとおして媒体中で維持する。
【0408】
実施例11: マウスから単離された筋肉及び肝臓におけるトリグリセリドに対するGMG−2ポリペプチドの効果
GMG−2ポリペプチドにより誘導された増大したFFA酸化は筋肉又は肝臓への増大したFFAデリバリーをも伴うかどうかを決定するために、上記後肢筋肉及び肝臓トリグリセリド内容量がマウスのGMG−2ポリペプチド処理の後計測される。肝臓サンプルに加えて後肢筋肉は処理及び無処理動物から除去され、そして上記トリグリセリド及び遊離脂肪酸濃度が標準の脂質抽出法(Shimabukuro, M. et al. Direct antidiabetic effect of leptin through triglyceride depletion of tissues. Proc Natl Acad Sci USA 94, 4637−4641(1997))にしたがって決定され、続いて標準の試験キットを用いたTG及びFFA分析がされる。
【0409】
実施例12: 内部脂質注入後のFFAに対するGMG−2ポリペプチドの効果
2群のマウスに、小腸吸収をバイパスして、血漿FFAにおける突然の上昇を作出するために、Intralipid−20%(Clintec)の30μLボーラスを静脈内(尾の静脈)注入する(Intralipidは栄養治療において使用される静脈内脂肪エマルジョンである)。処理群(GMG−2ポリペプチド−処理)にIntralipidが与えられる30及び60分前にGMG−2ポリペプチド(25μg)を注入し、一方で、コントロール動物(コントロール)は塩水を受ける。血漿を単離し、そしてFFAを以前に示されるように計測する。Intralipid注入により誘導されるピークに続く血漿FFAにおける減少に対するGMG−2ポリペプチドの効果がその後モニターされる。
【0410】
実施例13: 筋細胞によるin vitroグルコース取り込み
L6筋細胞はEuropean Culture Collection(Porton Down)から得られ、そして継代7〜11で使用される。細胞は標準の組織培養培地DMEM中で維持され、そしてグルコース取り込みを以前に示されているように(Walker, P. S. et al.(1990)Glucose transport activity in L6 muscle cells is regulated by the coordinate control of subcellular glucose transporter distribution, biosynthesis, and mRNA transcription. JBC 265(3):1516−1523;及びKilp A. et al.(1992)Stimulation of hexose transport by metformin in L6 muscle cells in culture. Endocrinology 130(5):2535−2544、その開示はそれらを全体として本明細書中に援用する)、インスリン(10.sup.−8M)存在下又は非存在下でGMG−2ポリペプチドあり又はなしで[.sup.3H]−2−デオキシグルコース(2DG)を用いて評価される。2DGの取り込みはコントロール(添加されたインスリン又はGMG−2なし)と比較したパーセント変化として表される。値は実験当たり4ウェルのセットの平均±SEMとして表される。ウェルのセット間の差はStudent’s t testにより評価され、確率値p<0.05は顕著であると考えられる。
【0411】
実施例14: げっ歯類糖尿病モデルにおける代謝関連活性についてのin vitro試験
代謝プロファイルは肥満及び糖尿病のさまざまな動物モデル間で異なるので、複数モデルの分析がGMG−2ポリペプチドの高血糖症、高インスリン血症、高脂血症及び肥満に対する効果を分離するために取られる。実験動物のコロニーにおける突然変異及び食計画に対する異なる感受性は肥満及びインスリン抵抗性と関連しうる非インスリン依存性糖尿病を有する動物モデルの開発をなした。マウスにおけるdb/db及びob/obの如き遺伝子モデル(Diabetes, (1982)31(1):1−6を参照のこと)及びzuckerラットにおけるfa/faが疾患の病態生理を理解する及び新規抗糖尿病化合物の効果を試験するためにさまざまな研究室により開発されている(Diabetes, (1983)32:830−838;Annu. Rep. Sankyo Res. Lab.(1994).46:1−57)。ホモ接合動物、Jackson Laboratory, USにより開発されたC57 BL/KsJ−db/dbマウスは肥満、高血糖症、高インスリン血症及びインスリン抵抗性であり(J. Clin. Invest., (1990)85:962−967)、一方で、ヘテロ接合体はやせ及び正常血糖である。db/dbモデルにおいて、マウスは年齢と共にインスリン血症を発展的に発達し、それは血糖値が不十分に制御されるときヒトII型糖尿病の後期の段階において通常観察される特徴である。膵臓の状態及びその過程は上記モデルにより変化する。このモデルは真性II型糖尿病のものに似ており、本発明に係る化合物は血糖及びトリグリセリド低下活性について試験される。Zucker(fa/fa)ラットは重篤に肥満、高インスリン血症、及びインスリン抵抗性であり(Coleman, Diabetes 31:1,1982;E Shafrir, in Diabetes Mellitus;H. Rifkin and D. Porte, Jr. Eds.(Elsevier Science Publishing Co., Inc., New York, ed. 4, 1990),pp. 299−340)、そして上記fa/fa変異はマウスdb変異と同等のラットでありうる(Friedman et al., Cell 69:217−220, 1992; Truett et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7806, 1991)。Tubby(tub/tub)マウスは顕著な高血糖を伴わず、肥満、軽いインスリン抵抗性及び高インスリン血症により特徴付けられる(Coleman et al., J. Heredity 81:424,1990)。
【0412】
以前に、レプチンは先天性脂肪異栄養症を有するマウスにおいてインスリン抵抗性及び真性糖尿病を後退させることが報告された(Shimomura et al. Nature 401:73−76(1999))。レプチンは脂肪萎縮性糖尿病の異なる脂肪異栄養症マウスモデルにおいて効果的でないことがわかった(Gavrilava et al. Nature 403:850(2000);図画、図面又は表を含むそれらを全体として本明細書中に援用する)。
【0413】
化学的に誘導された糖尿病についてのストレプトゾトシン(STZ)モデルは肥満の非存在下での高血糖症の効果を調べるために試験される。STZ処理動物はインスリンを欠き、そして重篤に高血糖である(Coleman, Diabetes 31:1, 1982;E. Shafrir, in Diabetes Mellitus; H. Rifkin and D. Porte, Jr. Eds.(Elsevier Science Publishing Co., Inc., New York, ed. 4, 1990),pp.299−340)。肥満が遺伝子モデルにおけるよりも重篤でなく、そして過食症、高インスリン血症及びインスリン抵抗性を伴わず発展する、化学的に誘導された肥満についてのグルタミン酸一ナトリウム(MSG)モデル(Olney, Science 164:719, 1969; Cameron et al.,Cli. Exp. Pharmacol. Physiol. 5:41,1978)も調べられる。最後に、肥満の誘導についての非化学的、非遺伝的モデルはげっ歯類にad libitumで高脂肪/高炭水化物(カフェテリア食)食を給餌することを含む。
【0414】
本発明はどの又は全ての上記げっ歯類糖尿病モデルにおける又はI型若しくはII型糖尿病又は以前に示される他の好ましい代謝疾患を有するヒト又は他の動物に基づくモデルにおけるインスリン抵抗性及び高血糖を減少させるためのGMG−2ポリペプチドの使用を含む。本発明に係る組成物中で、上記GSSP4ポリペプチドは、所望の場合、単独で又は組み合わせで、インスリン、レプチン(米国仮出願番号60/155,506)又はトログリタゾンの如き、他の融和性の生理学的に活性な抗糖尿病剤と関連されうる。分析は、GSSP4ポリペプチドが腹腔内、皮下、筋内又は静脈内投与されることを除いては、A−ZIP/F−1マウスを用いた、Gavrilova et al.((2000)Diabetes Nov;49(11):1910−6;(2000)Nature Feb 24;403(6772):850)中に以前に示されるものを含む。上記マウスのグルコース及びインスリン値は試験され、そして典型的に私たちの実験で計測されるレプチン、FFA、及びTG値の如き他の因子に加えて、食物摂取及び肝臓重量がモニターされる。
【0415】
GMG−2ポリペプチドの抗高血糖活性についてのin vivo分析
遺伝子的に変換された肥満糖尿病マウス(db/db)(雄、7〜9週齢)を22.degree. C. 及び50%比較湿度で標準の研究室条件下で飼い(7〜9マウス/ケージ)、ad libitumでPurinaげっ歯類食の餌及び水で維持する。処置前、血液をそれぞれの動物の尾の静脈から回収し、そして血中グルコース濃度をOne Touch Basic Glucose Monitor System(Lifescan)を用いて決定する。250〜500mg/dlの血漿グルコース値を有するマウスが使用される。それぞれの処理群は、研究の開始に平均グルコース値がそれぞれの群で同等になるように分配された7のマウスから成る。db/dbマウスに上記マウスに皮下で(s.c.)GMG−2ポリペプチド、塩水、及び関連のないペプチドを提供するために、イソフルラン麻酔を用いて挿入された、マイクロ−浸透ポンプにより投与する。血液を4時間の間1時間毎に及び投与後24、30時間に尾の静脈からサンプリングし、血中グルコース濃度について分析する。食物を投与後0〜4時間は取り出し、その後再導入する。個体の体重及び平均食物消費(それぞれのケージ)も24時間後に計測する。群間の顕著な差(GMG−2処理を塩水処理に比較して)はStudent t−testを用いて評価される。
【0416】
in vivoインスリン感受性分析
in vivoインスリン感受性は以下のプロトコールにしたがって2段階高インスリン血−正常血糖クランプを利用して調べられる。実施例2中に示されるどの又は全てのさまざまなモデルからのげっ歯類を実験手順の前に少なくとも1週間飼う。頸静脈及び頸動脈カテーテルの設置のための手術をケタミン及びキシラジン(i.m.)麻酔を用いて滅菌条件下で行う。手術後、全てのげっ歯類の意識を回復させ、そして個々のケージに置く。GMG−2ポリペプチド又は媒体を完全な回復後及び続く2日間、頸静脈をとおして投与する。最後の処理16時間後、高インスリン血−正常血糖クランプを行う。げっ歯類をリストレイナーに置き、そして4.mu Ci[3−.sup.3H]グルコース(NEN)のボーラスを投与し、続いて0.2.mu.Ci/分(20.mu.l/分)の用量でトレーサーを連続して融合する。トレーサー融合の開始2時間後、3の血液サンプル(それぞれ0.3ml)を基礎の計測のために10分間隔(−20〜0分)で回収する。インスリン融合をその後開始し(5mU/kg/分)、そして100.mu.l血液サンプルを血漿グルコースをモニターするために10分毎に取る。30%グルコース溶液を正常血糖を達成する及び維持するために血漿グルコース値に基づいて第二のポンプを用いて融合する。定常状態が5mU/kg/分インスリン(安定グルコース融合速度及び血漿グルコース)で確立されたら、3の追加の血液サンプル(それぞれ0.3ml)をグルコース、[3−.sup.3H]グルコース及びインスリン(100〜120分)の計測のために得る。インスリンのより高い用量(25mU/kg/分)をその後投与し、そしてグルコース融合速度を第二の正常血糖クランプについて調節し、そして血液サンプルを分で取る。グルコース特異的活性を脱タンパク質血漿において決定し、そしてRd及び肝臓グルコースアウトプット(HGO)の計算を、示されるように(Lang et al., Endocrinology 130:43, 1992)行う。基礎の期間での並びに5及び25mU/kg/分融合後の血漿インスリン値をその後決定し、そしてGMG−2処理及び媒体処理げっ歯類間で比較する。
【0417】
グルコースホメオスタシスのインスリン制御は2の主な成分;末梢グルコース取り込みの刺激及び肝臓グルコースアウトプットの抑制を有する。グルコースクランプにおけるトレーサー研究を用いて、上記インスリン応答のどの部分がGMG−2ポリペプチドにより影響されるかを決定することが可能である。
【0418】
実施例15: GMG−2ポリペプチド断片のヂペプチヂルペプチダーゼ切断についての分析
GMG−2(配列ID番号:2の144〜288若しくは162〜288又は配列ID番号:4の134〜278若しくは152〜278又は配列ID番号:6の115〜259若しくは133〜259)ポリペプチド断片のヂペプチヂルペプチダーゼ切断は無傷のGMG−2ポリペプチド断片に特異的に結合するが、N−末端ヂペプチドEPが除去された前記GMG−2ポリペプチド断片には特異的に結合しないモノクローナル抗体を用いてELISAにより決定される。すなわち、前記抗体はGMG−2(配列ID番号:2の144〜288若しくは162〜288又は配列ID番号:4の134〜278若しくは152〜278又は配列ID番号:6の115〜259若しくは133〜259)に結合するが、GMG−2(配列ID番号:2の146〜288若しくは164〜288又は配列ID番号:4の136〜278若しくは154〜278又は配列ID番号:6の117〜259若しくは135〜259)には結合しない。ヂペプチヂルペプチダーゼは、非限定的に、ヂペプチヂルペプチダーゼ、水溶性ヒトCD26又は水溶性ヒトアトラクチンから成るヒト血漿から選ばれる。
【0419】
簡単に述べると、GMG−2(5μl、100fmol)を血漿サンプル(95μl)に添加し、そして37℃で1時間インキュベートし、その後分解されずに残るGMG−2ポリペプチド断片の量を無傷のGMG−2ポリペプチド断片について特異的なモノクローナル抗体を用いて酵素結合免疫吸着分析(ELISA)により決定する。リファレンスとして、GMG−2ポリペプチド断片(5μl、100fmol)を熱不活性化血漿(95μl)に添加し、それは0.01mmol/lバリン−ピローリヂド及び500KIE/mlアプロチニンを含む。リファレンスにおけるヂペプチヂルペプチダーゼ活性を0として定義すること及びサンプルにおける無傷のGMG−2ポリペプチド断片の量をリファレンスと比較することにより、GMG−2ポリペプチド断片のヂペプチヂルペプチダーゼ切断の程度がリファレンスに比較して計算され、そしてパーセントとして表される。
【0420】
実施例16: マウスにおける体重減少の維持に対するgACRP30の効果
aACRP30の体重減少維持特性を示すために、正常マウスを体重減少を促進するよう減少したカロリー食におく。上記減少したカロリー食を、上記マウスがそれらの開始体重の10%を失うまで続ける。第二の群のマウスを、上記マウスがそれらの開始体重の20%を失うまで体重減少食で続ける。上記マウスにその後2.5μg/日のgACRP30、5μg/日のACRP30又は生理学的塩水をデリバリーする浸透ポンプ(Alzet、 Newark、 DE)を手術で埋め込む。上記マウスを正常食に戻し、そしてそれらの体重を10日間にわたり記録する。10日後、gACRP30で処置されたマウスは塩水で処置されたマウスより低い体重を有するという結果は、gACRP30での処置は体重減少の維持を促進する証拠を提供すると取られるであろう。
【0421】
実施例17: GMG−2及びその断片の可溶化
ベクター構築物: 配列ID番号:2のアミノ酸
【化27】
ここで、66、69又は70位でのシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化28】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化29】
ここで、56、59又は60位でのシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化30】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化31】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは菌発現ベクターpTrcHis中にクローニングされる。
【0422】
配列ID番号:2のアミノ酸
【化32】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化33】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化34】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸47〜278、48〜278、49〜278、50〜278、51〜278、133〜278、134〜278、142〜278、143〜278、151〜278若しくは152〜278;又はID番号:6のアミノ酸
【化35】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは改変された菌発現ベクターpET30a(上記GMG−2ポリペプチドのC−末端にHis Tagを提供する)中にクローニングされる。
配列ID番号:2のアミノ酸1〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸1〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸1〜259から選ばれるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはバキュロウイルス発現ベクターFastBacHT中にクローニングされる。本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片にN−末端で融合されたヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドから成る異種のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはバキュロウイルス発現ベクターFastBacHT中にクローニングされ、ここで前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化36】
ここで66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化37】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化38】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化39】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化40】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれる。
【0423】
配列ID番号:2のアミノ酸1〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸1〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸1〜259を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは哺乳類の発現ベクターpcDNA4HisMax中にクローニングされる。本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片にN−末端で融合されたヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドから成る異種のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは哺乳類の発現ベクターpcDNA4HisMax中にクローニングされ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化41】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸57〜288、58〜288、59〜288、60〜288、61〜288、143〜288、144〜288、152〜288、153〜288、161〜288又は162〜288;配列ID番号:4のアミノ酸
【化42】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化43】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化44】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれる。
【0424】
配列ID番号:2のアミノ酸1〜288又は配列ID番号:4のアミノ酸1〜278又は配列ID番号:6のアミノ酸1〜259を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは哺乳類発現ベクターpcDNA3.1Hygro中にクローニングされる。本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片にN−末端で融合されたヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドから成る異種のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは哺乳類発現ベクターpcDNA3.1Hygro中にクローニングされ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化45】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化46】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化47】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化48】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化49】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれる。
【0425】
あるいは、配列ID番号:2のアミノ酸
【化50】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化51】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化52】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化53】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化54】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは好ましくは、pTrcHis、pET30a、FastBacHT、pcDNA4His又はpcDNA3.1Hygroから選ばれる、菌の、哺乳類の又はバキュロウイルスの発現ベクター中にクローニングされる。さらにあるいは、本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片にN−末端で融合されたヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドから成る異種のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは好ましくは、pTrcHis、pET30a、FastBacHT、pcDNA4His又はpcDNA3.1Hygroから選ばれる、菌の、哺乳類の又はバキュロウイルスの発現ベクター中にクローニングされ、ここで前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2のアミノ酸
【化55】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化56】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化57】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化58】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化59】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれる。
【0426】
あるいは、配列ID番号:2のアミノ酸
【化60】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化61】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化62】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化63】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化64】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはPichia Pastoris(酵母)発現ベクター、好ましくはPHIL−SI中にクローニングされる。さらにあるいは、本発明に係るgGMG−2ポリペプチド断片にN−末端で融合されたヒト亜鉛−アルファ2−糖タンパク質シグナルペプチドから成る異種のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはPichia Pastoris(酵母)発現ベクター、好ましくはPHIL−S1中にクローニングされ、ここで、前記gGMG−2ポリペプチド断片は配列ID番号:2の
【化65】
ここで、66、69又は70位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;配列ID番号:2のアミノ酸
【化66】
;配列ID番号:4のアミノ酸
【化67】
ここで、56、59又は60位のシステインはシステイン以外のアミノ酸により置換される;又は配列ID番号:4のアミノ酸
【化68】
;又は配列ID番号:6のアミノ酸
【化69】
ここで、37、40又は41位のシステインは前記置換アミノ酸により置換される、から選ばれる。
【0427】
実施例18: 幼児処方補助栄養
以下の例はgGMG−2ポリペプチドを補助栄養援助として新生児に投与する方法を示し、さらにgGMG−2−強化ヒト母乳又は非ヒト源からのgGMG−2−強化乳置換調剤を投与することにより新生児の成長を促進する方法を提供する。脱水された又は凍結乾燥されたgGMG−2ポリペプチド粉末は汲み出されたヒト母乳(新たに汲み出された又は保存後事前に温められた)又は非ヒト源からの事前に温められた乳置換調剤に5〜1000ng/ml、好ましくは20〜800ng/ml、より好ましくは65〜650ng/mlの範囲で、直接添加される。本発明に係るポリペプチドでの補助は日をとおして給食毎にヒト母乳又は母乳置換の瓶での給食において、幼児、特に早産の幼児に提供され、そして誕生から6月齢まで提供され続ける。早産の幼児は低い誕生体重又は非常に低い誕生体重のものでありうる。
【0428】
本研究の第一の目的は、ヒト乳(HM)又はヒト乳置換(HMS)に添加される本発明に係るポリペプチドが早産の幼児において許容される成長を援助することを示すことである。第二の目的は栄養モジュールを消費する成熟前幼児の血清生物化学物質(すなわち、タンパク質状態、カルシウム、アルカリフォスファターゼ)、耐性、臨床的問題、及び病的性質を評価することである。他の第二の目的は本発明に係る補助組成物を早産の幼児における成長を促進するために何年間か使用されている商業的な強化粉末と比較することである。意図〜処置の、予想される、ランダム化された、二重盲検の、複数中心研究が給食毎に商業的に入手可能な粉末化されたヒト母乳強化剤(Enfamil. RTM. Human Milk Fortifier, control)又は本発明に係る補助ポリペプチド(試験)粉末(実験)で補助された早産の母乳を受ける早産の幼児を評価するために行われる。患者は登録され、そして誕生から21日までそれぞれの強化剤粉末についてランダム化される。研究1日目は試験粉末の強化が開始し、そして上記患者が少なくとも100mL/kg/日の摂取に達する時である。人体測定学的指標、血清生物化学物質、摂取、耐性、及び病的性質のデータが評価される。それぞれの幼児は退院まで研究される;人体測定学的変数(体重、身長、及び頭部周囲)のみが研究29日後に集められる。成熟前幼児は研究調査員と共同研究することに同意した新生児集中治療単位から採用される。妊娠齢について適切な体重を有し、そして1600g前後の重さの、妊娠33週齢前後に生まれた単独の、双子の又は三つ子の幼児は参加に適格性を有する。144の幼児がコントロール又は実験のいずかにランダム化される;70の早産の幼児はコントロール群にランダム化され、そして74の早産の幼児は実験群にランダム化される。上記ランダム化は誕生体重及び性別について釣り合っている。
【0429】
独立変数(処置)はHM又はHMSに添加されるコントロール強化粉末及び実験試験粉末である。両方の強化剤(試験及びコントロール)は粉末化された形態で小さな包で提供され、そして25mLのHM又はHMSに添加される。第一の成果変数は研究1日目〜研究29日目まで又は退院のどちらか早い方までの体重増加(g/kg/日)である。第二の成果変数は身長増加(mm/日)並びにタンパク質状態、電解質状態、鉱物ホメオスタシス、及びビタミンA及びE状態を評価するための血清生物化学物質である。血清生物化学物質はまた医薬チャートにおいて記録されるスケジュール化されていない研究室結果をも含む。第三の変数は頭部周囲の増加(mm/日)、病歴、摂取、耐性、臨床的問題/病的性質、呼吸状態、抗生物質使用、及び輸血の回数を含む。研究期間の平均総エネルギー摂取は118kcal/kg/日前後で、群間で異ならない。
【0430】
実施例19: gGMG−2ポリペプチド断片によるホモ三量体形成の評価
gGMG−2ポリペプチド断片によるホモ三量体形成は分析遠心分離における沈降平衡、分子量を正確に及び形の如き他の物理学的因子に因らず決定する方法を用いて評価される。
候補gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体を、例えば、16/60superdex 200ゲルろ過カラム(Amersham)の如きゲルろ過の方法を含むプロトコールを用いて精製する。前記精製された候補gGMG−2ポリペプチド断片ホモ三量体タンパク質濃度は5.7mMリン酸(pH7.5)、137mM NaCl、2.7mM KCl中3μMに作出される。サンプルはBeckman XL−A分析超遠心分離内で8,000rpmで10℃で18時間遠心分離され、その後吸収が記録される。上記データを、均一種の沈降を示す以下の式にMacNonlin PPCを用いて、包括的にフィットする:Abs=B+A’exp[H×M(x2−x0 2)]、ここでAbs=半径xでの吸収、A’=リファレンス半径x0での吸収、H=(1−υρ)ω2/2RT、R=気体定数、T=Kelvinでの温度、υ=部分的な特異的容積=0.71896131mL/g、ρ=溶媒濃度=1.0061g/ml、ω=radians/sでの角度速度、M=見かけの分子量、及びB=溶媒吸収(ブランク)。
【0431】
実施例20: タンパク質キナーゼCアルファ(PKCα)のリン酸化状態に対するGMG−2ポリペプチドの効果
細胞を5μg/ml GMG−2ポリペプチド又は生理学的塩水で5、10、30、及び60分間処置する。細胞をその後洗浄し、そして50mM Tris pH7.6、150mM NaCl、1% NP−40、0.25% デオキシコール酸、1mM EDTA、1:100 Phosphatase Inhibitor Cocktail I及びII(Sigma)、及びComplete protease inhibitor cocktail(Roche Diagnostics)中ですすぐ。Ser657−リン酸化PKCαの量を上記セリン/スレオニン残基がリン酸化されたときのみ保存された疎水性C−末端FXXF(S/T)(F/Y)モチーフを認識するアフィニティー精製したPKC抗体(Cell Signaling Technology)を用いてウェスタンブロット分析により評価した。個々のレーンにおけるタンパク質の総量をβ−チューブリン(Sigma)に対するモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロットにより正規化する。
【0432】
実施例21: NF−κB活性化に対するGMG−2ポリペプチドの効果
GMG−2ポリペプチドによるNF−κBの活性化
ルシフェラーゼ活性を、プロテインキナーゼK及び熱処理の前及び後に、200ng/ml LPS(E. coli serotype 055:B5、Sigma)又は5μg/ml GMG−2ポリペプチドでの一晩のインキュベートに続いてトランスフェクトされた細胞において計測する。細胞をFuGene 6 reagent(Roche)を用いて製造業者の教示にしたがってE−セレクチンプロモータールシフェラーゼ構築物[Schindler U et al.(1994)Mol Cell Biol Sep;14(9):5820−31、それらを全体として本明細書中に援用する]及び内部トランスフェクション効率コントロールとしてCMVプロモーター−β−ガラクトシダーゼでトランスフェクトする。インキュベーションは通常の成長培地で行われる。内毒素汚染について試験するために、GMG−2ポリペプチド及びLPSをプロテインキナーゼK(0.2mg/ml)で50℃で90分間、続いて99℃で12分間処理する。消化に対するLPSの抵抗性及びGMG−2ポリペプチドの感受性は後者の活性は菌の内毒素による汚染のためではないことを確立する。
【0433】
GMG−2ポリペプチドによるIκB−αのSer32リン酸化及び分解
細胞を通常の成長培地で200ng/ml LPS又は5μg/ml GMG−2ポリペプチドで処理する。30及び120分のインキュベーション後、細胞をCa2+及びMg2+を含むPBSで洗浄し、そして本明細書中に示されるように溶解する。溶解物中のリン酸化された及び総IκB−αの量をアフィニティー精製したSer32リン−特異的抗体及び異なるリン酸化状態に依存しないIκB−α抗体(Cell Signaling Technology)を用いてウェスタンブロット分析により評価する。
【0434】
実施例22: 異なる組織源からのPoly A+及びトータルRNAのiAFLP遺伝子発現プロファイリング分析の効果
Introduced Amplified Fragment Length Polymorphism(iAFLP)法を“Expression Profiling by iAFLP: A PCR based Method for Genome Wide Gene Expression Profiling”(Kawamoto et al., Genome Research.9:1305−1312,1999)と題された記事から適合させる。
【0435】
iAFLP遺伝子発現はAmbion(#7961−肝臓、7967−心臓、7963−脳、7983−骨格筋、7951−胎盤、及び7951−小腸)及びResearch Genetics(#D6005−01−脂肪組織)からそれぞれ購入される異なる成人ヒト組織からのPoly A+ RNA及びトータルRNAを用いて行われる。トータルRNAは37℃で30分間DNase処理される。20μgのトータルRNA又は2μgのPolyA+ RNAをRoche Applied Scienceにより供給されるcDNA Synthesis Systemを用いて製造業者の教示にしたがってdscDNAに変換する。上記精製された及び定量されたdscDNAをNew England Biolabsにより供給されるMboI制限酵素キットを用いて製造業者の教示にしたがって切断する。3分の1のMboI切断dscDNAをRoche Applied Scienceにより供給されるT4 DNA Ligation kitを用いて製造業者の教示にしたがってリン酸化アダプターカセットプライマーにつなげる。上記つなげられたdscDNAを最終濃度1ng/μlにグリコーゲン及びDI水中に希釈する。1ngを0.2mM dNTPs、1mM PCR緩衝液、2mM MgCl2、2μM Vic蛍光標識化T7プライマー、2μMの遺伝子特異的逆プライマー、8%グリセロール、及び1Unit Amplitag Gold DNA Polymeraseを含む10μlの最終PCRマスターミックス容積に添加する。上記鋳型を95℃で10分間インキュベートし、95℃で30秒間変性させ、60℃で1分間アニーリングさせ、35サイクル72℃で30秒間伸長させ、及び1サイクル72℃で7分間伸長させる。
PCR反応はApplied Biosystem’s 9700 GeneAmp thermalcyclerを用いて行われる。1μlのPCR反応を1:100に希釈する。1μlの希釈されたPCR産物を0.1μlのLiz 500 size standard(Applied Biosystems)及び8.9μlのHiDi Formamide(Applied Biosystems)と混合する。上記混合物を95℃で5分間変性させる。1μlの変性した混合物を3700 DNA Analyzer(Applied Biosystems)中にロードし、そして大きさにより分ける。異なる大きさにされた断片の分析はApplied Biosystemsにより供給されるGenescanソフトウェアパッケージにより製造業者の教示にしたがって行われる。
【0436】
【化70】
【化71】
Claims (9)
- 前記方法はさらにボディマスを減少させる、請求項1に記載の方法。
- 担体及び請求項3に記載のgGMG−2ポリペプチド断片を含む組成物。
- 請求項3に記載のgGMG−2ポリペプチド断片をコードする、単離されたポリヌクレオチド又はその相補物。
- 担体及び請求項5に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む組成物。
- 請求項3に記載のgGMG−2ポリペプチド断片をコードする単離されたポリヌクレオチド配列を含むベクター。
- 担体及び請求項7に記載のベクターを含む組成物。
- 請求項7に記載のベクターを含む形質転換された宿主細胞。
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