JP2005351728A - 誘電率測定装置および誘電損失測定装置 - Google Patents

誘電率測定装置および誘電損失測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ミリ波帯・サブミリ波帯においても高精度な測定が可能となる誘電率・誘電損失測定装置を提供すること。
【解決手段】誘電率測定装置101は、測定端103,104間の経路の反射・通過損失を測定するためのネットワークアナライザ102と、測定端103,104間の経路中に挿入された擬フラクタル共振器105から構成されている。2つの測定端103,104は、自由空間中への平面波の生成と、所望の方向から到来する平面波の受信を行えるよう、集光光学系108,109の焦点位置に、ネットワークアナライザに接続された広帯域アンテナ106,107を設けることによって構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミリ波・サブミリ波帯における、誘電体材の誘電率、及び誘電損失の測定に適した空洞共振器構造、及び、共振器を用いた誘電率・誘電損失の測定装置に関するものである。
高周波回路・アンテナを構成する際、限られた開発期間内で設計段階で想定された特性を十分な確度で実現させるためには、それらを構成する各種誘電体材料の、回路の動作周波数帯における誘電率・誘電損失の精密な測定が予めなされていることが必要不可欠である。従来、この趣旨の下で実施される誘電率・誘電損失測定の代表的な方法としては、空洞共振器を用いているものがあった(例えば、非特許文献1参照)。図9は、前記非特許文献1に記載された空洞共振器による従来の誘電率・誘電損失測定装置の概略構成を示したものである。
図9において、従来の誘電率・誘電損失測定装置801は、被測定試料が有するSパラメータなどの電気的特性の周波数依存性を計測するためのネットワークアナライザ102と、被測定試料としての空洞共振器802を接続することによって構成されていた。空洞共振器802を適用することによって、図9に示された極めて単純な装置構成でありながら、誘電率・誘電損失の高精度測定が可能となっている。
この従来の誘電率・誘電損失測定装置801に適用される代表的な計測方法として「摂動法」があるが、以下にその測定原理について説明する。測定周波数帯に共振周波数が一致した空洞共振器802を用意し、最低次の自己共振周波数が測定周波数帯より十分高周波数帯に位置するよう小型に構成された被測定誘電体小片110を空洞共振器802内に挿入すると、空洞共振器802内の電磁界分布に大きな変化が生じないものの、空洞共振器802内における一様な誘電率・誘電損失の増加と近似的に同等な現象が生じる。この誘電率の増加は空洞共振器802の共振周波数の低下を、また、誘電損失の増加は空洞共振器の無負荷Q値の低下を生じさせる。よって、逆に、被測定誘電体小片110の挿入による、空洞共振器802の共振周波数と無負荷Q値の変化をネットワークアナライザ102により観測すれば、空洞共振器802内の一様な誘電率と誘電損失の増加量を算出することが可能であり、それと一対一に対応する量である空洞共振器802の容積に対する被測定誘電体小片110の体積比を考慮することによって、各種電気特性を求めるのが摂動法の測定原理である。
摂動法はその測定原理上、誘電損失の測定限界は試料未挿入時の空洞共振器802の無負荷Q値で決定されるため、低損失性誘電体材料の誘電損失の測定を可能にするためには、被測定誘電体小片110の誘電正接の逆数よりも十分に高い無負荷Q値を有した空洞共振器802の実現が必要となる。そこで、通常、導体損失の低減化のために高い導電率を有する銅あるいは内部が銀メッキされた金属製円筒が空洞共振器802として適用されている。被測定誘電体小片110の挿入のためには、挿入用の小開口、ないしは開閉可能な穴が円筒外壁に必要となるが、円筒形空洞に存在するTM01モードを適用すれば、円筒の上下平面と回転中心軸の2つの交点近傍は電流が生じにくく、そこに微小な窓を設けても電力損失が少ない。従って準ミリ波帯においては、容易に10,000程度の無負荷Q値が実現できるため、摂動法により高精度に誘電率・誘電損失を測定することが出来ていた。
三浦 太郎,古林 真,高橋 毅,藤井 忠雄,中井 信也,「摂動法による小誘電体試料の複素誘電率評価−面積法による共振性能評価精度の検討−」,信学技報,MW91-97, pp.1-8, 1999, 図−2,及び図−8
しかしながら、最近実用化されつつある76, 78GHz帯を適用した自動車衝突レーダに代表されるように、通信システムに適用される周波数帯が高周波帯に遷移を続ける昨今、上記従来の装置構成を踏襲していたのでは測定に十分な空洞共振器802の無負荷Q値を実現できず、そのため特に誘電損失の測定限界が減じられてしまうという課題を有していた。
その主要な理由は、測定周波数帯の高周波化に付随した空洞共振器802内壁で発生する導体損失の増加に伴う無負荷Q値の劣化である。振動電磁界にさらされた金属表面に誘起される表面電流に対する、有限の導電率のために生じる表面抵抗は、周波数の1/2乗に比例して増大するばかりでなく、金属表面の凹凸による表面電流の散乱による損失成分もまた非常に増加する。後者は、周波数と導電率より決定される表皮深さを基準にしたときの、金属表面の表面平均粗さの大きさより算定されるが、例えば、120GHzにおける銅の表皮深さの計算値は約0.19 mmであり、これ以上の面精度が空洞内全面にわたって確保されなければ導体損失は理論的最低値を実現しない。このような光学素子の面精度に匹敵する面精度の実現は非常に困難であり、従って通常は導電率のみから計算される理論値よりも大きな無負荷Q値の劣化をきたす。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ミリ波帯・サブミリ波帯においても高い無負荷Q値を有した共振器を実現し、同周波数帯においても測定性に優れた誘電率または誘電損失測定装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明の誘電率測定装置は、高周波を共振させる共振器内部に、被測定試料を挿入することによって生じる共振特性の変化を、高周波特性測定手段により測定することにより、前記被測定試料の誘電率を測定する誘電率または誘電損失測定装置であって、前記高周波の伝搬方向に前記共振器内の誘電体に屈折率分布が設けられており、前記屈折率分布は擬フラクタル構造を有する。
本構成によって、従来の空洞共振器802に比べ極めて無負荷Q値が高く、しかもミリ波・サブミリ波帯においても無負荷Q値の劣化が生じない共振器を実現することができる。しかも、本発明の共振器は、共振周波数の近接した2つ以上の共振モードを有し、そのうちの特定の共振モードは被測定誘電体の共振器への挿入位置によっては、共振周波数がほとんど変化しないようにすることができる。
本発明の誘電率または誘電損失測定装置によれば、被測定材料の挿入による共振器の共振周波数、および無負荷Q値の変化を正確に捉えることが可能となるばかりでなく、共振器以外の要因で発生する共振周波数・無負荷Q値の変化を減じることができるるため、ミリ波帯・サブミリ波帯においても高精度な測定が可能となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘電率または誘電損失測定装置101の概略構成図である。図1において、図8と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
本発明の誘電率測定装置101は、高周波を共振させる共振器105内部に、被測定試料110を挿入することによって生じる共振特性の変化を、高周波特性測定手段112により測定することにより、前記被測定試料110の誘電率を測定する誘電率測定装置101であって、前記高周波の伝搬方向に前記共振器105内の誘電体に屈折率分布が設けられており、前記屈折率分布は擬フラクタル構造を有する。通常、同じ装置を用いて誘電損失も測定できる。
図1において、本発明の誘電率測定装置101は、擬フラクタル共振器105と、高周波特性測定手段112から構成されている。高周波特性測定手段112は、測定端103,104と、測定端間の経路の反射・通過損失を測定するためのネットワークアナライザ102とから構成されている。2つの測定端103,104は、自由空間中への平面波の生成と、所望の方向から到来する平面波の受信を行えるよう、集光光学系108,109の焦点位置に、ネットワークアナライザ102に接続された広帯域アンテナ106,107を設けることによって構成されている。擬フラクタル共振器105は、測定端103,104間の経路中に挿入されている。なお、各集光光学系108,109の光軸は一致するように配置されている。
測定端103に対する反射・通過損失の測定は以下のようになされる。ネットワークアナライザ102から測定端103へ出力された高周波信号は広帯域アンテナ106から自由空間へ球面波として放射されるが、集光光学系108によって平面波に変換される。平面波は擬フラクタル共振器105に入射するが、そこで反射され再び集光光学系108に戻ってゆく成分と、擬フラクタル共振器105を透過し集光光学系109へ向かう成分に分かれる。各々の成分は再び集光光学系108,109によって広帯域アンテナ106,107に結像受信され、再びネットワークアナライザ102で計測される。そして、最初にネットワークアナライザ102から発せられた信号と受信された各々の信号の比をとることによって、測定端103に対する反射・通過損失の測定がなされる。
次に擬フラクタル共振器105の詳細構造について図2を参照しながら述べる。
本実施形態の擬フラクタル構造は、共振器を構成する誘電体に屈折率変化を持たせることによって作製できる。屈折率の変化は、誘電体内における電磁波の波長に比べて十分短い領域で起こる必要がある。簡単に実現するためには、誘電率の異なる誘電体を積層すればよい。ここでは、擬フラクタル構造の構成例としては、第1の誘電体と、第1の誘電体と屈折率の異なる第2の誘電体の積層構造により作製できる。なお、本実施形態では、第2の誘電体部分には、被測定試料を挿入する必要があるため、気体や液体などの流体で構成されている必要がある。本実施形態では、第1の誘電体として平行平板状の誘電体を、第2の誘電体として、空気層を用いた例について説明する。
図2は、擬フラクタル共振器105を集光光学系103,104の光軸を含む平面で切断した断面図である。擬フラクタル共振器105は、空気中に複数枚の低損失性誘電体平行平板201を平行に配置した多層膜構造を有しており、集光光学系108,109から放射される平面波波面に対し、誘電体表面が平行になるよう位置決めされている。なお、本実施の形態においては、全ての誘電体平行平板201は全て同一誘電率を有している。
各誘電体平行平板201の厚さと配置間隔は、擬フラクタル共振器105の層構造が以下に述べる操作を有限回数繰り返すことによって得られる擬フラクタル構造を実現するように設定されている。以下では説明を簡略にするため、厚さtを有する1枚の誘電体平行基板201をB(t)、厚さtを有する空気層をA(t)とし、図2に向かって左側から順に層B(t’),A(t)と並んでいる場合、B(t’)A(t)と表現することにする。フラクタル構造を実現する手続きとは、まず、始めにB(t)を同一厚さの3枚の誘電体層からなる3層膜B(t/3) B(t/3) B(t/3)に分解し、そして、次に中央のB(t/3)を空気層A(t/3)に置換する操作を指す。この一連の操作を1回実施することによって、1枚の厚さtの誘電体層B(t)は、その中央が厚さt/3の空気層に変換された3層構造B(t/3)A(t/3)B(t/3)に変換される。
本実施の形態における擬フラクタル共振器105は、厚さdの誘電体単層B(d)を初期値として上記の操作を3回施すことによって得られる構造である。その層構造は図2に示されているとおりである。厚さd/27, d/9, d/3の総計15枚の誘電体層と空気層が交互に積層された層構造になっている。
上述の操作はCantor集合を作成する数学的操作の一種である。完全なフラクタル構造はこの操作を無限に繰り返した結果得られる構造であり、その著しい特徴は無限の自己相似性にある。上述の操作を無限に繰り返した場合に得られる構造の中央の空気層A(d/3)を挟む左右の層構造は、全体の層構造を1/3倍したものと全く合同であることに注意されたい。更にこの合同性には、任意の正の整数nに対して全体を3n倍した構造の一部に、もとの構造が含まれる無限の相似対称性が含まれていることが分かるが、これが完全なフラクタル構造の特徴である自己相似性である。図2に示した層構造は、この無限の自己相似性を持っていないので擬フラクタル構造と称されるべき構造である。
擬フラクタル共振器の大きさの例としては、次のごとくである。今、誘電率4の誘電体材料と空気層を用いて、1次の局在モードが30 GHzで生成される図2に示した擬フラクタル共振器105の大きさdを計算すると、d=1.67 cmとなる。
次に、擬フラクタル構造を有した擬フラクタル共振器105に平面電磁波が垂直に入射した場合の透過特性について述べる。図3に、屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1の時の図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105に、波数kを有する平面波が入射した時のエネルギー透過率を示した。ここで、波数kは空気中における単色平面電磁波に対する量であり、光速をc、振動数をνとすれば、2πν = ckの関係が成立する。従って、図3はエネルギー透過率の波数k依存性であるが、この関係式を用いて振動数νに関する依存性に換算することが可能となる。
さて、図より容易に分かるように、擬フラクタル共振器105の透過特性は、通常の光学多層膜フィルタの通過特性と同様に通過禁止帯中に広帯域性を有する通過帯が散在する、いわゆる「バンド構造」と称される特性に加え、通過禁止帯に存在する狭帯域性を示す通過帯が混在していることがわかる。以下、この狭帯域性を示す通過帯を「局在モード」と呼ぶことにする。
局在モードにおいて擬フラクタル共振器105中に生成される電磁界分布を図4に示す。図4においては、図3と同様に屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1の時の図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105のエネルギー透過率の波数依存性のグラフから、局在モードのみを抜き出したモードマップ、ならびに各局在モードの共振器中における電界振幅分布を示した。電界振幅分布は入射電界振幅が等しく1となるよう正規化してあり、エネルギーの局在化の度合いを各局在モード間で比較できるようになっている。
図よりわかるように、従来の金属の遮蔽体に囲まれた空洞共振器と同様に、本発明の擬フラクタル共振器105は誘電体のみから構成されているにもかかわらず、全ての局在モードにおいて電磁界エネルギーは共振器中に強く束縛されている。ゆえに、従来例と同様に、本擬フラクタル共振器105を適用し摂動法に従って誘電率・誘電損失の測定が可能となる。残された問題は、局在モードの無負荷Q値が精密測定を実現するのに十分高いかどうかである。そこで、次に各局在モードの無負荷Q値について調べる。
今、擬フラクタル共振器105のエネルギー透過率特性の反値幅Δkと中心波数kの比の逆数k/Δkで局在モードの全Q値を規定した場合、図3より局在モードは非常に高い値を実現していることがわかる。これを定量的に評価するため、図5に、屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105の各局在モードの全Q値の波数依存性を示した。
例えば、図中[6]と記された局在モードの全Q値は55,000を示し、従来の空洞共振器802の無負荷Q値を遥かにしのぐ値を実現している。しかも、全Q値は無負荷Q値と、信号の入出力のために必要となる入出力端子と共振器の結合に関する外部Q値を含んでいるので、必ず、
全Q値 < 無負荷Q値
となり、局在モード[6]の実際の無負荷Q値は55,000より大きいのである。ゆえに、図1に示したように所望の測定周波数において自己共振を起こさないように十分薄く構成された被測定誘電体小片110を擬フラクタル共振器105中に平行に挿入することによって、従来の方法よりもより高い測定精度で誘電率・誘電損失の計測が可能となる。
ところで、これまでの特性の説明においては擬フラクタル共振器105に適用される誘電体は全て無損失、すなわち、その誘電正接が完全にゼロであるとしたが、実際にはこのような状況はありえない。そこで、最後に共振器中の誘電体が誘電損失を持ったときに、局在モードの全Q値がどのように劣化するかを精査する。そこで、図6に、屈折率4の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105の最低次局在モード(図5における[1]と記されたモード)の無負荷Q(以下Q0と略称)に対して誘電損失tanδを掛けた値Q0tanδのtanδ依存性を示した。
もし、誘電正接tanδを有した均一な誘電体媒質に満たされた自由空間中に一様に電磁界が分布した場合には、Q0tanδは正確に1となるはずである。なぜならば、Q0は空間中に蓄えられるエネルギーを失われるエネルギーで割った値で定義され、誘電損失のみを有する媒体においてQ0は正確に1 / tanδに一致する量であるからである。よって、より誘電体媒質の誘電正接の影響を受けにくい電磁界分布が実現されている場合はQ0 tanδ > 1となり、また逆に誘電正接の影響を非常に被るような電磁界分布が実現された場合には、Q0 tanδ < 1となる。ゆえに、図6のQ0tanδの値をみることにより、擬フラクタル共振器105中の局在モードがどれだけ共振器中の誘電体の誘電正接に感受性を持つか判断することができる。図をみれば分かるように、明らかにQ0tanδ > 1であり、例えば、アルミナセラミックの誘電正接の3倍程度、すなわちtanδ= 0.03が実現されていれば、共振器の無負荷Q値は誘電正接の数百倍もの値を実現することがわかる。このことより、本発明の擬フラクタル共振器105はそれを構成する誘電体の誘電損失について感受性が非常に低いと結論することが出来る。
擬フラクタル共振器105のこの構成誘電体の誘電損失に対する感受性の低さは、図4を見ればわかるように、図4に示した全ての局在モードにおいて束縛電磁界の大部分が空気層中に局在しており構成誘電体への浸潤が少ないためである。ゆえに、例え被測定誘電体材料と同等の誘電体を用いたとしても、十分な精度で誘電損失の測定が可能となる。
最後に本発明の従来例の課題において説明したように、導体損失は周波数の1/2乗に比例して増加するため空洞共振器の無負荷Q値は周波数の増加とともに低下するが、誘電損失は共振器に使用される誘電体の誘電正接に周波数依存性がなければ周波数依存性がないため、擬フラクタル共振器105の無負荷Q値は周波数によらず一定であり劣化しない。ゆえに、本発明の擬フラクタル共振器105はミリ波帯、更にはサブミリ波帯などの高周波帯において適した共振器である。
かかる構成によれば、複数枚の誘電体平行平板を空気中に平行に配置し、それらが厚さ方向に対して擬フラクタル構造をなすように構成することにより、誘電体平行平板の法線方向から入射する電磁界平面波に対して非常に無負荷Q値の高い共振器となり、それを用いることによって、ミリ波帯・サブミリ波帯においても精密測定が可能な誘電率・誘電正接の測定系を実現することができる。
なお、本実施の形態において、屈折率は固定値4であるとしたが、屈折率が3以上で低誘電損失であれば任意の屈折率値の材料を用いても良い。一般には、高屈折材料であればあるほど局在モードの無負荷Q値は高くなり、測定の高精度化の観点から望ましい。
また、本実施の形態において、図2に記した擬フラクタル構造は、屈折率n(B)を有した厚さtの層をB(t)層と呼ぶとき、層B(t)があればそれを3枚の厚さt/3の層B(t/3)に分割し、そのうちの中央の層B(t/3)をA(t/3)に置換するという操作を3回繰り返したものに限定して説明したが、より共振周波数の高い局在モードの利用を考える場合には、上記操作をさらに繰り返すことによってより高いQ値を実現することができるので、3回に限定する必要はない。
図8は、図2に示した層構造を有する擬フラクタル共振器105に生じる局在モードのうち、1次および2次共振モードの各全Q値のフラクタル構造生成操作を施した回数依存性を示したものである。この場合も、擬フラクタル共振器105の各部パラメータとしては、誘電体材料は屈折率4,誘電正接0を有し、共振器厚さはd=1としている。
図から分かるように、両モードともそのQ値において、フラクタル構造生成操作回数に依存性を有していることが分かる。図では回数1〜10まで計算を行ったが、1次共振モードにおいては回数2〜4、また、2次共振モードにおいては回数2〜9においてのみ発生していることから、局在モードは有限の操作回数で生成される「準」フラクタル構造においてのみ存在可能な現象であることが理解できる。しかも、両モードとも回数3の時に最も高い全Q値を示しており、共振器内への電磁界エネルギーの局在化は完全なフラクタル性によるものではないことが分かる。
以上の結果より、誘電率・誘電損失の測定に1次,2次共振を適用する場合、フラクタル構造生成操作を3回行って得られる構造、すなわち図2に示した構造が、最も高精度な測定を実現する。他の高次モードを適用する場合においても1次、2次モードと同様に、3回あるいは3回以上の有限の回数において最も高い全Q値を実現し、その時に最も精度の高い測定系を実現するであることは、この結果より容易に推測することができる。一般に、電磁界エネルギーはより高い誘電率を有した領域に集中し易いが、フラクタル構造生成操作は高誘電率領域を除去する操作であるため、ある操作回数を過ぎた時点で電磁界エネルギーを束縛するのに十分な誘電体が存在しなくなってくる。そのために、全ての局在モードは有限の回数で最も高い全Q値をもつのである。ただ、モード次数が高くなるに従って束縛に必要とされる領域は低次モードに比べ小さくてよいことから、3回以上の繰返し回数で最も高い全Q値が実現されるであろうと推測される。したがって、3次以上の共振モードを利用する場合、適切な繰り返し回数としては2−9回、望ましくは3回がよい。
更に、本発明の擬フラクタル構造を作る操作の説明において、「層B(t)があればそれを3枚の厚さt/3の層B(t/3)に3等分する」と限定したが、もっと一般的に「層B(t)があればそれを、B(t/3+α),B(t/3+β),B(t/3+γ)(ただし、α+β+γ=0)の3層に分割する」としても良い。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における誘電率・誘電損失測定装置の構成は図1に示した実施の形態1と同一であるので、以下では装置構成に関しての説明は繰り返さない。本発明の実施の形態2では、その誘電率の測定手法について説明する。従来例の説明で述べたように、空洞共振器802を用いた摂動法による誘電率の測定方法は、被測定誘電体小片110の空洞共振器802内への挿入による、共振周波数の低下を測定することである。摂動法の適用の妥当性が保証される測定条件は、「摂動」の名の通り「被測定誘電体小片110の挿入によって、未挿入時に共振器内に出現する電磁界分布がほとんど変化しないこと」と言い表すことができる。そのため、被測定誘電体小片110を出来るかぎり小型に構成すればするほど摂動法の適用は正確さを帯びてくる。しかしながら、被測定誘電体小片110の小型化は挿入による共振周波数の変化量を抑圧することとなり、誘電率の高精度測定のためには、被測定誘電体小片110の体積測定の高精度化はもとより、共振周波数の高精度測定が必要となってくる。
共振周波数の変化は、共振器内の誘電率の変動以外に温度変動などによる共振器の膨張や、共振器とネットワークアナライザ102の入出力端との電磁界結合度、及び、ネットワークアナライザ102などの共振器に接続されている外部負荷の変動によっても影響を受ける。そのため、被測定共誘電体小片102の挿入による共振周波数変動とこれらの影響による共振周波数変動を分離することが高精度測定の実現には必要不可欠となってくる。しかしながら、従来の測定法においては共振器中に存在する周波数的に孤立した1つの共振モードを適用していたために、上述の2つの周波数変動の切り分けは原理的に不可能であった。
しかしながら、本発明の擬フラクタル共振器105は共振周波数が非常に接近した2つ以上の局在モードを有し、しかも被測定誘電体小片110の擬フラクタル共振器105への挿入位置によって、一方の局在モードは通常の共振器同様に共振周波数の変化を生じるが、もう一方の局在モードの共振周波数はほとんど変動しないという著しい特徴を有する。そこで、これらの隣接した局在モードの共振周波数差を基準として、試料の挿入・未挿入時の共振周波数差を測定すれば、先述の2つの周波数変動の切り分けが可能となる。なぜならば、試料の挿入による周波数変動以外は、近似的に全ての隣接した局在モードの共振周波数変化に等しく影響するため、2つの局在モードの周波数差をとった時点でそれらは消去されるからである。
以下では、実際に擬フラクタル共振器105の隣接した2つ(ないしは3つ)の局在モードの振る舞いについて調べる。話を具体的にするため、屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105に存在する2共振モードに注目する。注目するモードは、図4のモードマップにおいて[7e],[7o]、及び[8]と名づけた3つの局在モードである。被測定誘電体小片110の挿入によって擬フラクタル共振器105の中央に位置する厚さ1/3の空気層の屈折率が1+δnと変化した時の、局在モード[7e],[7o]、及び[8]の共振波数のδn依存性を図7に示した。
[7e]と[8]の共振波数は屈折率変化δnに対して非常に敏感であり、δnが増加するに従って共振波数が低下していることが図7より読み取ることができる。ところが一方、[7o]はδnの増加に対してはほとんど不感であることがわかる。これらの局在モードの振る舞いから、[7o]を基準として[7e]、あるいは[8]の共振波数を測定することによって、被測定誘電体薄膜の挿入による屈折率変化のみを得ることができることが理解できる。
かかる構成によれば、本発明の擬フラクタル共振器105の有する共振周波数の隣接した2つの局在モード間の共振周波数差を基準にして、被測定誘電体小片110の挿入による共振周波数差の変化を観測することにより、共振器周囲の環境変動や共振器に接続された外部負荷の変動に影響されない、高精度な誘電率・誘電損失測定装置を提供することが可能となる。
なお、上記説明においては局在モードの[7e],[7o]及び[8]に限定したが、[4e],[4o]及び[5]においても被測定誘電体小片110の挿入に対して同様な振る舞いを生じるため、本発明の誘電率・誘電損失の測定法として等しく適用可能であることは言うまでもない。
本発明に用いられる共振器に生成される局在モードと類した電磁界エネルギーの局在現象を生じる構造として、フォトニック結晶中に点欠陥などの格子欠陥を設けた構造がある。本発明の擬フラクタル構造とこのフォトニック結晶の構造上の差異は2点あり、その1点目としては明らかな並進対称性が存在するかどうかにある。上記フォトニック結晶は、格子欠陥部位を除く領域は明らかに格子を成しており、格子ベクトルで生成される並進移動に対して構造は不変である。しかしながら、擬フラクタル構造にはこの明らかな並進対称性は存在しない。
また、両構造の差異の2点目は、共振器としての動作に必要とされる構造体の大きさである。両構造を用いて同一周波数帯で最低次の共振を生じさせるのに必要な構造体の大きさは、上記フォトニック結晶においては擬フラクタル構造に比べ遥に大きくなる。なぜならば、フォトニック結晶における共振器は、共振周波数において電磁界の伝搬が可能な領域として格子欠陥を設け、その周囲を伝搬不可能な領域であるフォトニック結晶で囲むことにより電磁界エネルギーの束縛領域、すなわち、共振器を構成しているためである。十分な伝搬阻止特性を有したフォトニック結晶を実現するためには、非常に多くの格子が必要とされるため、擬フラクタルを用いた共振器より大型化するのである。
ところで、局在モードを生成可能であるが明らかな並進対称性を持たない構造として、「準結晶」という名のもとに分類される構造が存在する。その例として有名なものに、フィボナッチ数列によるものがある。数列の詳細は割愛するが、同一厚さの誘電率の異なる層をA, Bとしそれらを積層することによって多層構造を実現する時、厚さ方向に対してA, Bの繰返しがフィボナッチ数列を構成するように多層膜化すると局在モードを生成する。しかし、準結晶構造を用いて良好な電磁界束縛を実現するためには非常に多くに層が必要となり、擬フラクタル構造に比べ共振器が大型化するという課題がある。
以上の説明で明白なように、実施形態1,2の擬フラクタル共振器は、極めてQ値の高い狭帯域フィルタ特性を有し、光学・高周波フィルタ等として有用である。また、高周波回路の発振器に接続される共振器等の用途にも応用できる。
本発明にかかる誘電率測定装置は、極めてQ値の高い狭帯域フィルタ特性を有する擬フラクタル共振器である。よって、ミリ波、サブミリ波体における誘電率・誘電損失の測定に利用できる。
本発明の実施の形態1における誘電率・誘電損失測定装置の概略構成図 本発明の実施の形態1における擬フラクタル共振器105を集光光学系103,104の光軸を含む平面で切断した断面図 屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1の時の図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105に、波数kを有する平面波が入射した時の、エネルギー透過率の波数依存性図 屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1の時の図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105に発生する局在モードのみを抜き出したモードマップ、ならびに各局在モードの共振器中における電界振幅分布図 屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105の各局在モードの全Q値の波数依存性図 屈折率4の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105の最低次局在モード(図5における[1]と記されたモード)の無負荷Q値Q0に対して誘電損失tanδを掛けた値Q0tanδのtanδ依存性図 屈折率4,誘電正接0の誘電体材料を用いて構成した、d=1のときの図2に示した層構造の擬フラクタル共振器105の中央に位置する厚さ1/3の空気層の屈折率が1+δnと変化した時の、局在モード[7e],[7o]、及び[8]の共振波数のδn依存性図 擬フラクタル構造の共振器における1次共振(黒丸)、2次共振(白抜き四角)の場合の、全Q値のフラクタル構造繰り返し回数依存性を示す図 従来の空洞共振器を用いた誘電率・誘電損失測定装置の概略構成図
符号の説明
101 本発明の誘電率・誘電損失測定装置
102 ネットワークアナライザ
103,104 測定端
105 擬フラクタル共振器
106,107 広帯域アンテナ
108,109 集光光学系
110 被測定誘電体小片
112 高周波特性測定手段
201 誘電体平行平板
801 従来の誘電率・誘電損失測定装置
802 空洞共振器

Claims (9)

  1. 高周波を共振させる共振器内部に、被測定試料を挿入することによって生じる共振特性の変化を、高周波特性測定手段により測定することにより、前記被測定試料の誘電率を測定する誘電率測定装置であって、
    前記高周波の伝搬方向に前記共振器内の誘電体に屈折率分布が設けられており、前記屈折率分布は擬フラクタル構造を有する誘電率測定装置。
  2. 前記共振器の屈折率変化は、第1の誘電体と、前記第1の誘電体と屈折率の異なる第2の誘電体を積層して構成している請求項1に記載の誘電率測定装置。
  3. 前記第2の誘電体は、空気である請求項2に記載の誘電率測定装置。
  4. 前記第1の誘電体は、平行平板状の誘電体である請求項2または3に記載の誘電率測定装置。
  5. 前記擬フラクタル構造は、前記共振器の厚さに等しい厚さを有する誘電体単板を初期状態として、前記初期状態に対して置換操作を2回以上実施することにより得られ、
    前記置換操作は、
    まず、前記共振器を構成する誘電体全てに対して、予め定められた比率に従って3枚の同一屈折率値を有した前記第1の誘電体に分割し、
    次に、3つの前記第1の誘電体のうちで、中央に位置する前記第1の誘電体を同一厚さを有した第2の誘電体に置換する、
    請求項1に記載の誘電率測定装置。
  6. 前記共振特性の変化は、周波数的に孤立して発生する共振現象に関するものである、
    請求項1に記載の誘電率測定装置。
  7. 前記共振特性の変化は、周波数的に隣接して発生する2つ以上の共振現象に関するものである、
    請求項1に記載の誘電率測定装置。
  8. 前記2つ以上の共振現象は不変共振と変動共振からなり、
    前記不変共振は、前記共振器内への前記被測定試料の挿入に対して近似的に不変な前記共振現象であり、
    前記変動共振は、前記不変共振に比べ前記共振器内への前記被測定試料の挿入に対して大きな変化を生じる前期共振現象であり、
    前記共振器内への前記被測定試料の挿入により生じる、前記不変共振と前記変動共振の共振周波数の変化より、前記被測定試料の誘電率を測定する、
    請求項7に記載の誘電率測定装置。
  9. 高周波を共振させる共振器内部に、被測定試料を挿入することによって生じる共振特性の変化を、高周波特性測定手段により測定することにより、前記被測定試料の誘電率を測定する誘電損失測定装置であって、
    前記高周波の伝搬方向に前記共振器内の誘電体に屈折率分布が設けられており、前記屈折率分布は擬フラクタル構造を有する誘電損失測定装置。
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