JP2005340105A - 高速伝送用ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、介在の難燃化と発泡化によりケーブル全体の難燃性の向上と可撓性の維持を図った高速伝送用ケーブルを提供する。
【解決手段】 かゝる本発明の高速伝送用ケーブル100は、複数の絶縁電線110の間に難燃剤と発泡剤の添加された複数の介在120を撚り合わせ、必要により、このケーブルコアの外周に、ラミネートテープなどからなるテープ層130や金属層140が施され、最外周にはシース150が施されてなり、火災などの際、ケーブル100内に火が入っても、介在120の難燃化により介在自体が燃え難くく、一方、この火災の加熱により発泡剤が発泡するため、発泡による吸熱反応や、体積膨張による内圧上昇によって、優れたケーブルの延焼防止効果が得られる。また、内蔵の絶縁電線110や、シース部分、及びケーブル構造自体の難燃化が不要なため、誘電率ε及び誘電正接tanδが小さく、優れた可撓性も得られる。る
【選択図】 図1

Description

本発明は、介在の難燃化と発泡化によりケーブル全体の難燃性の向上と可撓性の維持を図った高速伝送用ケーブルに関するものである。
近年、ストレージネットワーク(SAN)における周辺機器やサーバー間にあっては、高速伝送用ケーブルとして、2本のツイン電線(2芯平行シールド線)を複数内蔵させたケーブルが提案されている(非特許文献1)。
フジクラ技報(第104号、2003年4月、株式会社フジクラ発行)−「インフィニパンドケーブル
近年、このような高速伝送用ケーブルなどでは、その取り扱う信号の高周波数化が進み、ものによっては、数〜数十GHzの帯域レベルに達している。
このようなケーブルの場合、内臓される絶縁電線での損失(誘電損)をなるべく小さくするため、絶縁体層部分の誘電率ε及び誘電正接tanδをより小さくすることが要求されている。しかし、一方で、火災などの際、ケーブルによる延焼を防止するため、ケーブルの難燃化の要請も強い。
ところが、ケーブルの難燃化のため、2本のツイン電線などの内臓絶縁電線の絶縁体部分に難燃剤を添加して難燃化すると、絶縁体の誘電率ε及び誘電正接tanδが大きくなり、信号の伝送ロスが増大して、ケーブルの布設距離が長くできないという問題があった。
このため、ケーブルのシース部分を難燃化したり、遮蔽層を設けるなどしてケーブル構造自体を難燃化したりして、ケーブル全体の難燃化を図る必要があるが、この場合、ケーブル全体の柔軟性、即ち可撓性が失われて取り回しが悪くなるという問題がある。
そこで、本発明者が鋭意検討したところ、次のような新たな着想を見出した。つまり、ケーブルの介在に注目し、この介在自体を難燃化すると同時に、介在中に所望の発泡剤を含有(充填)させておくと、ケーブル全体の難燃化が図れ、また、同時に良好な可撓性が得られることが判った。即ち、火災などの際、ケーブル内に火が入っても、難燃化により介在自体が燃え難く、一方、火災の加熱により発泡剤が発泡するため、この発泡による吸熱反応や、体積膨張による内圧上昇によっても、ケーブルの延焼防止効果が得られる判った。
本発明は、このような観点に立ってなされたもので、基本的には、介在の難燃化と発泡化により、誘電率ε及び誘電正接tanδが小さく、ケーブル全体の難燃性の向上と可撓性の維持を図った高速伝送用ケーブルを提供するものである。
請求項1記載の本発明は、絶縁電線間に発泡剤を含有させた難燃性介在に設けたことを特徴とする高速伝送用ケーブルにある。
請求項2記載の本発明は、前記絶縁電線が2芯平行シールド線であることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用ケーブルにある。
本発明の高速伝送用ケーブルによると、介在を難燃化すると同時に発泡化してあるため、内蔵の絶縁電線の難燃化は特に必要なく、誘電率ε及び誘電正接tanδが小さく、ケーブル全体の難燃性の向上と可撓性の維持を図った高速伝送用ケーブルを得ることができる。
絶縁電線が2芯平行シールド線の場合、電磁遮蔽機能に優れ、また、多数のツイン線を集合させることができるため、大きな伝送容量を確保することができる。
図1は、本発明に係る高速伝送用ケーブルの一例を示したものである。
この高速伝送用ケーブル100は、複数の絶縁電線110、例えば2芯平行シールド線が内蔵されると共に、これらの絶縁電線110の間には、難燃剤と発泡剤を含有させた複数の介在120が撚り合わせてある。そして、この絶縁電線110と介在120からなるケーブルコアの外周には、樹脂テープ(PETテープなど)の片側にアルミなどの金属を蒸着させたり、金属テープを貼り合わせるなどしたラミネートテープからなる押さえ巻き層などのテープ層130を施し、また、必要により、この外側に金属編粗などからなる金属層140などを施した後、最外周には押出被覆としてシース140(例えば無鉛PVCなどの層)が施してある。
上記2芯平行シールド線は、図2に示す如くで、2本のツイン線111,111、鋼線などのテンションメンバー112、これらの外周に被せたシールド層113からなる。絶縁電線111は、銀メッキ軟銅撚線や軟銅撚線からなる導体111aとこの外周に被覆した発泡ポリエチレンなどの絶縁体111bからなり、シールド層113は、図3に示すように、樹脂テープ(PETテープなど)113aの片側にアルミなどの金属を蒸着させたり、金属テープを貼り合わせるなどしたラミネートテープからなる。
上記介在のベース樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン(HDPEやMDPEなど)の使用が挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレンの他に、ポリプロピレン(PP)、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1などのポリオレフィン系炭化水素モノマーの単独重合体、これらの2種類以上のモノマーの共重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体など、或いはこれらのオレフィン系炭化水素モノマーと少量のビニルエステル系モノマーやアクリレート系モノマーとの共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)なども使用することができる。また、これらの各種の重合体を単独で用いる他、2種以上の混合物として使用することも可能である。
この介在は、上記ベース樹脂を用いて、予め押出機により紐状や板状のものとして製造しておく。この製造時、所望の難燃剤と発泡剤を添加しておく。ここで、使用する難燃剤は、特に限定されないが、ノンハロゲン系難燃剤としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、三酸化アンチモン、ほう酸亜鉛、りん酸エステル及びりん化合物、ハロゲン系難燃剤としては、塩素や臭素系の化合物などを挙げることができる。近年の環境保護の観点からすると、ノンハロゲン系のものの使用が望ましい。
また、使用する発泡剤も、特に限定されないが、少なくとも発泡温度が、介在の押出温度よりも高いものの選定が必要となる。従って、通常使用される重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミンなどのニトロソ化合物、スルホニル・シドラジッドなどの発泡剤の中から、押出温度を考慮して、適宜設定すればよい。
本発明の高速伝送用ケーブルでは、上記のように、介在のベース樹脂中には、所望の難燃剤と発泡剤が添加されているため、ケーブル布設状況下で、火災などの際、ケーブル内に火が入っても、介在の難燃化により介在自体が燃え難くく、先ず、この点からの延焼防止効果が得られる。一方、この火災の加熱により発泡剤が発泡するため、発泡による吸熱反応や、体積膨張による内圧上昇によっても、ケーブルの延焼防止効果が得られる。
また、このようなケーブルの延焼防止効果にあっても、その用途に応じて、例えば、介在の占有率(ケーブル断面に対する占有面積)を変えることにより、適宜調整することができる。例えば、より高い難燃度が要求される場合には、介在自体の難燃度を高めたり、或いは介在の本数を増やして占有率を高めて対応することができる。
このように本発明の高速伝送用ケーブルでは、介在の難燃化と発泡化を図っているため、内蔵の絶縁電線の絶縁体部分を特に難燃化する必要はない。また、従来のように、シース部分を難燃化したり、遮蔽層を設けるなどしてケーブル構造自体を難燃化したりする必要もないため、ケーブル全体の柔軟性、即ち可撓性が失われることもなく、取り回しが良く、優れた使い勝手が得られる。
本発明に係る高速伝送用ケーブルの一例を示した断面図である。 図1のケーブルに使用される2芯平行シールド線の一例を示した断面図である。 図2の2芯平行シールド線に使用されるラミネートテープの一例を示した断面図である。
符号の説明
100・・・ケーブル、110・・・絶縁電線、120・・・介在、130・・・テープ層、140・・・金属層、150・・・シース

Claims (2)

  1. 絶縁電線間に発泡剤を含有させた難燃性介在に設けたことを特徴とする高速伝送用ケーブル。
  2. 前記絶縁電線が2芯平行シールド線であることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用ケーブル。
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