JP2005339180A - 画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの多い画像であっても背景となる領域と対象となる領域とを精度よく分離することが可能である画像処理方法を提供する。
【解決手段】濃淡画像を複数個のブロックに分割し、ブロックの特徴量の類似度が規定値以上のブロックに同ラベルを付与する。同ラベルが付与されているブロックからなるブロック連結領域の境界部分に位置するブロックをさらに分割し、同処理の繰り返しにより全画素にラベルを付与する。ブロック連結領域のラベル付与後に、ラスタ走査によりブロック連結領域の境界を探索する(S1)。境界周辺のブロック連結領域の濃度値を反映する濃度評価値を求め(S4)、着目するブロック連結領域の濃度値と濃度評価値との差をパラメータとする識別評価値を求める(S5)。識別評価値と規定の閾値との大小を比較することにより目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域とを分離する(S7)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モノクロ濃淡画像、カラー画像、距離画像のように各画素の画素値を多段階に割り当てた多値画像を、目的の領域と背景の領域とに分割する画像処理方法に関するものである。
近年、画像によって各種対象物の識別、検査、計測、認識を行うために画像処理技術が利用されている。この種の画像処理技術では、画像内において対象物を識別する必要があるから、画像内において対象物を抽出する技術が各種提案されている。たとえば、撮像装置と対象物との位置関係に応じて適宜方向から照明を行うことによって画像内における対象物と背景との濃度値の差が大きくなるようにしておき、濃淡画像における各画素の画素値である濃度値に対して適宜の閾値を適用して濃淡画像を二値化することにより、対象物を背景から分離する技術が広く用いられている。
しかしながら、濃淡画像を単純に二値化する技術では、対象物と背景との濃度値の差が不十分な場合や背景に地模様があるような場合には、背景から対象物を分離することができないという問題を有している。たとえば、光学式文字読み取り装置では文字の周囲に図柄や地模様が存在していると、文字の認識精度が低下するという問題が生じる。また、生産ラインにおいてコンベア上を搬送される物品を撮像した画像内でパターンマッチングを行うことによって物品の種別を判別するような場合に、画像内にベルトコンベアなどの画像が含まれていると部品を特定できない場合がある。
そこで、画像内において類似した特徴を有する部分ごとに領域を分割することによって、目的の領域を画像内から抽出する技術が種々提案されている。たとえば、写真画像の処理に関して、画像を「ライト」「中間」「シャドウ」に分割するために、画像をブロック化し、ブロックを対にして類似度を評価することによりブロックを統合するクラスタリングを行い、クラスタリングにより形成された領域について統合の履歴を参照しながら再度評価を行って輪郭を確定する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平8−167028号公報
上述した特許文献1に記載された技術では、クラスタリングにより3種類の領域に分割しているが、ノイズが存在する場合にノイズを十分に除去する技術ではなく、とくに文字認識や部品の種別認識のように対象物の領域を背景から分離する目的では採用することができない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ノイズの多い画像であっても背景となる領域と対象となる領域とを精度よく分離することが可能である画像処理方法を提供することにある。
請求項1の発明は、多値画像をそれぞれ複数個の画素を含む矩形状の複数個のブロックに分割した後に、ブロック内の画素値の分布に関する特徴量を隣接する各一対のブロック間で比較し特徴量の類似度が規定値以上である各一対のブロックには同じラベルを付与するとともに特徴量の類似度が規定値未満である各一対のブロックには異なるラベルを付与して前記多値画像内のすべてのブロックにラベルを付与し、さらに、同ラベルが付与されているブロックからなるブロック連結領域の境界部分に位置するブロックを複数個の分割ブロックに分割するとともに、分割前のブロックに隣接するブロックの前記特徴量と分割ブロックの画素値の分布に関する特徴量との類似度が規定値以上になるときに隣接するブロックと同じラベルを当該分割ブロックに付与することにより当該分割ブロックを前記ブロック連結領域を構成するブロックとして前記ブロック連結領域に統合し、分割ブロックに分割し分割ブロックをブロック連結領域に統合する処理を繰り返すことにより多値画像に含まれる全画素をいずれかのブロック連結領域に統合する第1過程と、ラスタ走査によりブロック連結領域の境界を探索し、境界の周辺に存在するブロック連結領域のうち着目するブロック連結領域に対する周辺のブロック連結領域の濃度値を反映する濃度評価値を求める第2過程と、着目するブロック連結領域の濃度値と濃度評価値との差をパラメータとする識別評価値を求める第3過程と、識別評価値と規定の閾値との大小を比較することにより目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域とを分離する第4過程とを有することを特徴とする。
この方法によれば、隣接するブロックのうち画素値の分布が類似しているブロックに同ラベルを付与してブロック連結領域を形成しているので、かすれた文字や陰影の付いたマークなどのような対象であって、背景との画素値分布は異なるが同一領域内で画素値にばらつきが生じているような場合でも正しく領域を抽出することができる。また、ブロック連結領域の境界部分についてのみブロックを細分化し、全画素にラベルを付与するから、ブロック連結領域の境界部分では輪郭形状を正確に抽出しながらも全体では処理の負荷が少なく、しかもノイズが含まれるような画像であっても、対象を画像内から容易に抽出することができ、文字認識や物品の種別の認識などにおいて、高精度かつ高速な処理が期待できる。さらにまた、ラスタ走査によってブロック連結領域の境界を探索し、境界の周辺のブロック連結領域について濃度値を反映する濃度評価値を求め、着目するブロック連結領域の濃度値と濃度評価値との差をパラメータに持つ識別評価値を用いて目的のブロック連結領域(後述する物体領域)と背景のブロック連結領域(後述する背景領域)とに分離するから、ノイズが多く含まれているような画像であってもブロック連結領域の境界付近における濃度差を反映している濃度評価値を用いて目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域とを精度よく分離することが可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記境界を挟む2個のブロック連結領域のうちの一方のブロック連結領域を着目するブロック連結領域とし、前記濃度評価値として、他方のブロック連結領域の平均濃度値を用いることを特徴とする。
この方法によれば、境界を挟む2個のブロック連結領域が互いに他方のブロック連結領域の平均濃度値を濃度評価値に用いるから、少ない演算量で濃度評価値を求めることができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第1過程の後に前記ブロック連結領域の前記境界を中心として複数のブロック連結領域を含む判断領域を設定し、前記境界を挟む2個のブロック連結領域のうちの一方のブロック連結領域を着目するブロック連結領域とし、前記濃度評価値として、他方のブロック連結領域が判断領域に占める面積の割合に前記他方のブロック連結領域の平均濃度値に乗じた値を用いることを特徴とする。
この方法によれば、境界の周辺に設定した判断領域内に含まれる複数個のブロック連結領域のうちの2個について平均濃度値と占有面積とを用いて濃度評価値を決定するから、境界付近の濃度値の変化を反映させた濃度評価値を得ることができ、目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域との分離精度を高めることができる。とくに、判断領域内で各ブロック連結領域の占有面積の割合で重み付けをしているから、目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域との濃度値の相違だけではなく面積差の情報も付加することで、両者を分離できる可能性を高めることができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記第1過程の後に前記ブロック連結領域の前記境界を中心として複数のブロック連結領域を含む判断領域を設定し、前記濃度評価値として、各ブロック連結領域が判断領域に占める面積の割合を重み係数とし各ブロック連結領域の平均濃度値に重み係数を乗じて平均した加重平均値を用いることを特徴とする。
この方法によれば、境界の周辺に設定した判断領域内に含まれる複数個のブロック連結領域の全体の平均濃度値と占有面積とを用いて濃度評価値を決定するから、境界付近の濃度値の変化を反映させた濃度評価値を得ることができ、目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域との分離精度を高めることができる。とくに、判断領域内で各ブロック連結領域の占有面積の割合を重み係数に用いた濃度値の加重平均値を用いるから、目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域との濃度値の相違だけではなく面積差の情報も付加することで、両者を分離できる可能性を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記第2過程では、求めた前記濃度評価値を着目するブロック連結領域の画素値とする評価画像データを生成し、濃度評価値が一度求められたブロック連結領域については濃度評価値を再度求めないことを特徴とする。
この方法によれば、1つの画像内において濃度評価値を一旦求めたブロック連結領域については、その後に濃度評価値を再度求めることがないから、少ない演算量で濃度評価値を求めることができ、処理の高速化が期待できる。
本発明の方法によれば、隣接するブロックのうち画素値の分布が類似しているブロックに同ラベルを付与してブロック連結領域を形成しているので、かすれた文字や陰影の付いたマークなどのような対象であって、背景との画素値分布は異なるが同一領域内で画素値にばらつきが生じているような場合でも正しく領域を抽出することができるという利点がある。また、ブロック連結領域の境界部分についてのみブロックを細分化し、全画素にラベルを付与するから、ブロック連結領域の境界部分では輪郭形状を正確に抽出しながらも全体では処理の負荷が少なく、しかもノイズが含まれるような画像であっても、対象を画像内から容易に抽出することができ、文字認識や物品の種別の認識などにおいて、高精度かつ高速な処理が期待できる。さらにまた、ラスタ走査によってブロック連結領域の境界を探索し、境界の周辺のブロック連結領域について濃度値を反映する濃度評価値を求め、着目するブロック連結領域の濃度値と濃度評価値との差をパラメータに持つ識別評価値を用いて目的のブロック連結領域(後述する物体領域)と背景のブロック連結領域(後述する背景領域)とに分離するから、ノイズが多く含まれているような画像であってもブロック連結領域の境界付近における濃度差を反映している濃度評価値を用いて目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域とを精度よく分離することが可能になるという効果を奏する。
本実施形態では、図2に示すように、文字が表記された対象物1をCCDカメラのような撮像装置2を用いて撮像し、撮像装置2により得られた画像内において文字の領域を他の領域から分離する場合を例として説明する。撮像装置2としてはモノクロ信号を出力するものを想定する。撮像装置2の出力は後述の処理を行う画像処理装置10に入力される。撮像装置2の出力はアナログ信号であって画像処理装置10に設けたA/D変換器11においてデジタル信号に変換された後、画像処理装置10に設けた記憶手段12に格納される。記憶手段12は、A/D変換器11から出力された濃淡画像を一時的に記憶する一時記憶領域および濃淡画像に対して後述する各種処理を行う間に発生するデータを一時的に記憶する作業記憶領域を備えるメモリと、各種データを長期的に記憶するためのハードディスク装置のような記憶装置とを含む。記憶手段12における一時記憶領域に格納される濃淡画像は、画素がマトリクス状に配列されるとともに各画素に多段階の画素値が設定される多値画像になる。なお、本実施形態では、濃淡画像(グレー画像)を用いるから以下では画素値として濃度値を用いるが、多値画像としてはカラー画像や距離画像を用いることができ、カラー画像では画素値として色相あるいは彩度を用いればよく、距離画像では画素値として距離を用いることになる。また、カラー画像では、適宜の基準色との色差を用いて各画素に1つの画素値を対応させたり、L表色系の明度L色度a,bの3つの値を1画素の画素値として対応させてもよい。
画像処理装置10はマイクロコンピュータを主構成とし、記憶手段12に格納した画像に対して図3に示す処理を実行することによって、本実施形態の目的である文字の領域を他の領域から分離する。なお、画像処理装置10にはCRTあるいは液晶表示器を用いたモニタ3が付設され、記憶手段12に格納された画像や処理中の画像をモニタ3で監視することが可能になっている。
いま、画像処理装置10において、記憶手段12に格納された画像内から文字の領域を抽出するものとする(すなわち、画像内を文字の領域と他の領域とに分割する)。また、記憶手段12に格納された画像の文字の領域には、不連続部分(左右両部分の間に隙間)や明暗のむらの大きい部分が存在している場合があるものとする。このような画像では、画素値(濃度値)で単純に二値化すると、不連続部分の存在する文字はひとまとまりに(1文字として)扱うことができず、明暗のむらの大きい文字は形状を明確に抽出することができなくなる。さらに、画像内には撮像手段2により生じるノイズが含まれていることもあり、ノイズが含まれていると二値化した画像内で文字と同じ画素値の画素が不規則に発生することがある。つまり、文字以外の情報が含まれていたり、本来は1文字であるのにひとまとまりに扱うことができない情報が含まれていたり、文字の形状が不明瞭であったりする場合には、光学的文字読み取り装置などにおいて文字を認識しようとするときに、元の画像の濃度値を二値化しただけでは得られる情報に過不足が生じ、文字の認識率が低下する。
そこで、文字以外の不要な情報(以下、「背景領域」という)を画像内から除去し、さらに文字ごとに1つのまとまった領域として扱うことを可能にするとともに、文字の中で濃度値にばらつきがあっても文字の形状をほぼ正確に抽出することを可能にすることが要求される。以下では、文字のような目的の領域を「物体領域」と呼ぶ。光学的文字読み取り装置においては、文字の認識率を向上させるために、文字の領域である物体領域と背景領域とを分離することが前処理として要求される。また、物品の種別をパターンマッチングによって認識するような場合にも、パターンマッチングの精度を高めるために、物品の領域である物体領域と背景領域とを分離することが前処理として要求される。
このような前処理を行うために、本実施形態では記憶手段12に格納された濃淡画像に対して、図3に示す手順の処理を行って物体領域と背景領域とを分離する。すなわち、まず画像分割処理部13では、記憶手段12に格納された濃淡画像を2の累乗個(nを正整数として2個)の画素を一辺とする正方領域であるブロックB(図4参照)に分割する(S1)。ブロックBのサイズは、文字を物体領域とする場合であれば、ブロックBの一辺が文字の線幅程度になるように設定される。このようなブロックBのサイズは画像における空間周波数に基づいて自動的に設定することができる。
次に、画像分割処理部13で得られた各ブロックBは特徴量演算部14に引き渡され、各ブロックBの画素値の分布に関する特徴量がそれぞれ求められる(S2)。本実施形態では特徴量としてブロックBに含まれる各画素の濃度値の平均値および標準偏差を用いる。各ブロックBについて求めた特徴量は追跡処理部15において比較され、着目しているブロックBに隣接するブロックBであって着目しているブロックBとの特徴量の類似度が規定値以上であるブロックBを追跡する(S3)。隣接する各一対のブロックBの類似度が規定値以上であるときには両ブロックBに同じラベルを付与することによって、同ラベルを付与した複数個のブロックBからなるブロック連結領域を形成する。すなわち、着目するブロックBに対して特徴量の類似度が規定値以上になるような隣接するブロックBを順次追跡し、追跡されたブロックBによって図5に示すような形でブロック連結領域が形成される(図5において濃淡の異なるひとまとまりの部分がそれぞれブロック連結領域になる)。追跡可能であったブロックBについては、ブロック連結領域ごとにラベルを付与して記憶手段12に格納する。隣接するブロックBの特徴量を比較してブロック連結領域を追跡する処理手順については後述する。
一方、上述のようにしてブロックBを追跡して濃淡画像に複数個のブロック連結領域が形成されると、異なるラベルが付与されたブロック連結領域の境界部分のブロックBをブロック分割処理部16に引き渡す(S4)。ブロック分割処理部16ではブロック連結領域の境界部分である各ブロックBを縦横にそれぞれ2分割した分割ブロックBn(=B1、nは正整数、図6参照)を形成する(S5,S6)。つまり、分割ブロックB1に含まれる画素数はブロックBの画素数の4分の1になる。ブロック分割処理部16において生成された分割ブロックB1は、特徴量演算部14に引き渡されて特徴量が求められ、分割ブロックB1について求めた特徴量は追跡処理部15において周囲のブロックBの特徴量との類似度が評価される。分割ブロックB1の特徴量と周囲のブロックBの特徴量との類似度が規定値以上であるときには、分割ブロックB1に周囲のブロックBと同じラベルが付与され、この分割ブロックB1は周囲のブロックBと同じブロック連結領域に統合される(S7)。このようなラベル付けの処理によって各分割ブロックB1にラベルが付与され、ブロック連結領域の境界部分では分割ブロックB1の単位でブロック連結領域の形状が微細化される。このようにして、ブロック連結領域の境界部分には分割ブロックB1が並ぶから、分割ブロックB1をブロックBと等価に扱い、分割ブロックB1をさらに分割ブロックB2に分割して上述の処理を繰り返し、最終的には1画素単位まで分割する(S8,S9)。ここにおいて、分割ブロックBnを用いて形成したブロック連結領域を記憶手段12に格納するのはもちろんのことである。上述のようにしてすべてのブロックBと分割ブロックBn(nは正整数)とにラベルが付与されれば各ブロック連結領域が物体領域または背景領域であると考えられるから、物体領域と背景領域とを分離することが可能になる。
上述した処理により、画像からブロック連結領域が抽出され、図7に示すように、各ブロック連結領域Di(i=1〜17)にそれぞれラベルが付与される。ところで、図7に示す画像を生成した原画像は「8」という文字を含むグレー画像であって、文字が背景よりも暗い(濃度値が小さい)が、原画像において文字を簡単には判別できない程度に多くのノイズ(文字の周辺に水滴や泡が存在する場合など)が含まれている場合を想定している。ブロック連結領域Diを抽出した段階では1文字となるべき領域が複数個のブロック連結領域Diに分割され、このままでは文字として認識することができない。そこで、本実施形態では、隣接するブロック連結領域Diにそれぞれ含まれる画素の濃度値の差を反映した評価値(以下では、「識別指標値」と呼ぶ)を用いることによって、各ブロック連結領域Diを背景領域と物体領域とに分離する技術を提供する。識別指標値rviは、後述するように、各ブロック連結領域Diに含まれる画素の濃度値の差に相当するパラメータを含み、コントラストと同様にブロック連結領域Diの区別のしやすさを表している。背景領域と物体領域とを分離すれば、を抽出することができれば、物体領域の位置関係から文字を判別することが可能になる。
ラベルを付与したブロック連結領域Diの生成後に各ブロック連結領域Diを背景領域と物体領域とに分離する処理手順は、図1のようになる。すなわち、まず画像の全体についてラスタ走査を行うことにより、ブロック連結領域Diの境界を探索する(S1)。ブロック連結領域Diの境界が発見されると、発見された位置を中心として所定範囲の判断領域Ddを設定する(S2)。判断領域Ddは等間隔で分布した複数個の判断ポイントPdを含んでおり、判断領域Ddに少なくとも一部が含まれる各ブロック連結領域Diの中の判断ポイントPdの個数が求められる(S3)。要するに、各ブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める面積の指標が判断ポイントPdの個数として求められる。
次に、判断領域Ddに含まれる各ブロック連結領域Diについて、周辺とのコントラストを評価するために、まず判断領域Ddの中で着目するブロック連結領域Diを除いた周辺の濃度値の目安を求める(S4)。以下では、各ブロック連結領域Diの周辺の濃度値の目安を着目するブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiと呼ぶ。濃度評価値SaIiは、着目するブロック連結領域Diを除いた周辺のブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める面積(判断ポイントPdの個数を用いる)と、各ブロック連結領域Diの濃度値の平均値(以下では、「平均濃度値」と呼ぶ)Iaiとを用いて算出する。したがって、着目するブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiと濃度評価値SaIiとの差は、着目するブロック連結領域Diと周辺とのコントラストを反映する。
上述のように、着目するブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiと濃度評価値SaIiとの差はコントラストを反映しているから、識別指標値rviとして用いることが可能である。ただし、識別指標値rviは物体領域と背景領域とを分離する指標に用いるから、濃度値だけではなくブロック連結領域Diの面積もパラメータとして含んでいるほうが、物体領域と背景領域との分離が容易になると考えられる。
そこで、本実施形態では、識別指標値rviとして、ブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiと濃度評価値SaIiとの差に、着目するブロック連結領域Diの全体の画素数ndiを乗じた値を用いる(S5)。すなわち、背景領域と物体領域とでは濃度値の差が大きいから、背景領域となるブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiと当該ブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiとの差の絶対値は比較的大きい値になり、しかも、一般に背景領域は物体領域に比較して面積が大きいから、背景領域となるブロック連結領域Diの画素数ndiを平均濃度値Iaiと濃度評価値SaIiとの差に乗じて求めた識別指標値rviの絶対値は、物体領域について求めた識別指標値rviの絶対値に比較して有意の差で大きくなると考えられる。
本実施形態は、このような知見に基づいて各ブロック連結領域Diの識別指標値rviを求めており、適宜の閾値Thを用いて識別指標値rviを2値化することにより、各ブロック連結領域Diを背景領域と物体領域とに分離している。閾値Thを設定するにあたっては、画像の全体において識別指標値rviの平均値arvを求め(S6)、識別指標値rviの平均値arvと識別指標値rviの最大値または最小値との間で閾値Thを設定する(S7)。閾値Thの求め方については後述する。
以下の説明では、図7に示す場合を例とする。図示例では、ブロック連結領域Diが17個設けられており、2個のブロック連結領域D1,D2は背景領域に属し、残りのブロック連結領域D3〜D17は物体領域に属している。また、ブロック連結領域D1は物体領域よりも明るく(濃度値が高く)、ブロック連結領域D2は物体領域よりも暗いものとする。
上述したように、各ブロック連結領域Diについて、濃度評価値SaIiを求めるには各ブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiが必要であり、識別指標値rviを求めるにはブロック連結領域Diの画素数ndiが必要である。そこで、各ブロック連結領域Diごとに平均濃度値Iaiおよび画素数ndiを求める。以下の説明では、各ブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiおよび画素数ndiとして表1に示す値を用いる。
Figure 2005339180
図1のステップS1として説明したように、ブロック連結領域Diの境界はラスタ走査により求める。すなわち、隣接する2個のブロック連結領域Diの間の境界上の画素を1画素刻みのラスタ走査により探索し、ブロック連結領域Diのラベルが変化した位置を2個のブロック連結領域Diの境界上の画素とする。また、ステップS2のように、求めた画素の周辺に判断領域Ddを設定し、判断領域Ddに少なくとも一部が含まれるブロック連結領域Diを用いて濃度評価値SaIiを求める。
判断領域Ddは図8に示す例では31画素×31画素の正方形状の領域であり、判断領域Ddには1画素の大きさの判断ポイントPdを等間隔で縦横に7個ずつ配列してある。つまり、判断領域Ddには合計49個の判断ポイントPdが設定され、隣り合う判断ポイントPdの距離は5画素に設定してある(判断ポイントPdの間に4画素入る)。ただし、図8に示している判断領域Ddの大きさ、判断ポイントPdの間隔、判断ポイントPdの個数は一例であって、使用者が適宜に設定できるように設定入力部を設ける。判断領域Ddは複数個のブロック連結領域Diを含んでいれば、必ずしも正方形状でなくてもよく、たとえば円形状などの判断領域Ddを設定することも可能である。ただし、正方形状の判断領域Ddは設定が容易であり、後述する演算も容易である。
図8に示す例では、ラスタ走査によりブロック連結領域D1とブロック連結領域D3との境界の画素が検出され、この画素を中心画素(図において符号pcで示した画素)として判断領域Ddを設定している。判断領域Ddには、境界を挟む2個のブロック連結領域D1,D3のほか、ブロック連結領域D2,D4も含まれる。つまり、ラスタ走査により探索して求めた境界の位置の周辺に存在する4個のブロック連結領域D1〜D4が判断領域Ddに含まれる。これらの4個のブロック連結領域D1〜D4にそれぞれ含まれる画素を用いて濃度評価値SaIiが求められる。
図8に示す例では、判断領域Ddに4個のブロック連結領域D1〜D4が含まれ、かつ各ブロック連結領域D1〜D4に含まれる判断ポイントPdの個数がそれぞれ31個、12個、4個、2個になっている。各連結領域Diに含まれる判断ポイントPdの個数をniで表すと、n1=31、n2=12、n3=4、n4=2になる。また、図から明らかなように、隣接するブロック連結領域D1〜D4の対は、(D1,D3)(D2,D3)(D2,D4)になる。濃度評価値SaIiは、以下のいずれかの方法によって求める。
各ブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiは、上述したように、判断領域Ddに少なくとも一部が含まれるブロック連結領域Diのうち着目するブロック連結領域Diを除く周辺のブロック連結領域Diの濃度値の目安であるから、もっとも簡単な濃度評価値SaIiとしては、隣接する2個のブロック連結領域Diのうちの一方を着目するブロック連結領域Diとし、他方のブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiを用いことができる。
図8に示した例では、判断領域Ddにおいて隣接するブロック連結領域Diは、(D1,D3)(D2,D3)(D2,D4)の組合せであるが、判断領域Ddを設定した境界はブロック連結領域D1とブロック連結領域D3との境界であるから、(D1,D3)の組合せについて濃度評価値SaI1,SaI3を求める。すなわち、ブロック連結領域D3に着目すれば濃度評価値SaI3はブロック連結領域D1の平均濃度値Ia1であって220になり、ブロック連結領域D1に着目すれば濃度評価値SaI1はブロック連結領域D3の平均濃度値Ia3であって35になる。
上述の方法で濃度評価値SaIiを求める場合には、ブロック連結領域Diのラベルが変化した境界がどのブロック連結領域Diの境界であるかがわかればよいから判断領域Ddは必要ではない。ただし、各ブロック連結領域Diの平均濃度値Iaiに代えて、判断領域Ddの中で各ブロック連結領域Diに含まれる各判断ポイントPdごとに濃度値を求め、各ブロック連結領域Diごとに求めた濃度値の平均値を濃度評価値SaIiに用いることも可能であって、この場合には演算量は増加するものの、判断領域Ddの中で濃度値の平均値を求めるから、境界の近傍領域の濃度値の変化を反映しやすくなる。具体的には、判断領域Ddの中でm行n列の位置の判断ポイントPdの濃度値をI(m,n)とし、境界を挟む2個のブロック連結領域Di,Djのうちの一方のブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiを、数1によって求めるのである。つまり、ブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiは、他方のブロック連結領域Djの濃度値の平均値になる。数1において、(m,n)は判断領域Ddのうちブロック連結領域Djに含まれる判断ポイントPdの位置を表し、njはブロック判断領域Djに含まれる判断ポイントPdの個数である。
Figure 2005339180
数1によって判断領域Ddの中で各ブロック連結領域Diの濃度値の平均値を求める方法は境界付近の濃度値の変化を反映しているものの演算量が増加する。そこで、各ブロック判断領域Diの濃度値の平均値に代えて、各ブロック判断領域Diの平均濃度値Iaiに各ブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める面積の割合を重み係数として重み付けした値を用いるようにしてもよい。この値は、平均濃度値に重み係数を乗じるだけの簡単な演算であるから、数1を用いる場合よりも演算量を低減することができる。
すなわち、重み係数は、各ブロック連結領域Diに含まれる判断ポイントPdの個数をniとし、判断領域Ddに含まれる判断ポイントPdの全数をn0(=49)とすると、ni/n0になる。したがって、各ブロック連結領域Diに対する濃度評価値SaIiを求める際に、各ブロック連結領域Diごとに求める値は、平均濃度値Iaiを用いて、Iai・ni/n0になる。各ブロック連結領域D1〜D4ごとに求める値は、以下のようになる。
D1:220×31/49=139.18
D2:130×12/49=31.84
D3:35×4/49=2.86
D4:30×2/49=1.22
図8に示す例では、判断領域Ddを設定した境界がブロック連結領域D1とブロック連結領域D3との境界であるから、ブロック連結領域D1に対する濃度評価値SaI1はブロック連結領域D3から求められる値であって2.86になり、ブロック連結領域D3に対する濃度評価値SaI3はブロック連結領域D1から求められる値であって139.18になる。
重み係数ni/n0を用いる演算は、各ブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める面積の割合を反映しており、物体領域が文字に基づく場合には判断領域Ddにおいて背景領域のほうが物体領域よりも占有面積が大きくなるから、背景領域のほうが重み係数が大きくなる。上述した重み係数は、背景領域の濃度値が物体領域の濃度値よりも高い場合(背景領域が物体領域よりも明るい場合)に用いる値であって、背景領域に対する濃度評価値SaIiと物体領域に対する濃度評価値SaIiとの比を大きくすることになり、背景領域に対する濃度評価値SaIiが物体領域に対する濃度評価値SaIiに比べて大幅に小さくなる。たとえば、平均濃度値Iaiを用いる場合には濃度評価値SaI1,SaI3はそれぞれ35,220であって6.29倍であるのに対して、重み係数ni/n0を乗じた場合には濃度評価値SaI1,SaI3はそれぞれ2.86,139.18であって48.66倍になる。なお、背景領域が物体領域よりも暗い場合には、(1−ni/n0)を重み係数とすればよい。
上述した各方法によって求められる濃度評価値SaIiは、境界を挟む2個のブロック連結領域Diのみを対象にして求めているが、境界の周辺の全体の濃度値を反映しているとは言えない。そこで、境界の周辺の全体の濃度値を反映させた濃度評価値SaIiとして、判断領域Ddに少なくとも一部が含まれる各ブロック連結領域Diのうち着目するブロック連結領域Di以外のブロック連結領域Diにおける平均濃度値Iaiの加重平均値を用いる方法を示す。加重平均値を求めるための重み係数には、判断領域Ddに少なくとも一部が含まれるブロック連結領域Diのうちで、着目するブロック連結領域Diを除いた各ブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める面積の割合を用いる。つまり、重み係数は、各ブロック連結領域Diに含まれる判断ポイントPdの個数をniで表すとすると、着目するブロック連結領域Diを除くブロック連結領域Diに含まれる判断ポイントPdの個数niを用いて、それぞれni/Σniと表される。
たとえば、図8においてブロック連結領域D3に対する濃度評価値SaI3を求めようとすれば、ブロック連結領域D1,D2,D4にそれぞれ含まれる判断ポイントPdの個数が31,12,2であるから、各ブロック連結領域D1,D2,D4に対する重み係数は、それぞれ31/(31+12+2),12/(31+12+2),2/(31+12+2)であって、各平均濃度値Ia1,Ia2,Ia4は、それぞれ220,130,30であるから、SaI3=(220×31+130×12+30×2)/(31+12+2)=187.56になる。同様にして、SaI1,SaI2,SaI4はそれぞれ以下のように求めることができる。
SaI1=(130×12+35×4+30×2)/(12+4+2)=97.78
SaI2=(220×31+35×4+30×2)/(31+4+2)=189.73
SaI4=(220×31+130×12+35×4)/(31+12+4)=181.28
上述の演算で求めた濃度評価値SaIiは、着目するブロック連結領域Diの周辺の平均濃度値Iaiが高いほど大きい値になり、周辺のブロック連結領域Diが判断領域Ddに占める割合が大きいほど重み係数ni/Σniが小さくなる。一般に背景領域は物体領域よりも面積が大きいから、背景領域の平均濃度値Iaiが物体領域の平均濃度値Iaiよりも高い場合には、上述の演算によって、物体領域の濃度評価値SaIiは背景領域の濃度評価値SaIiよりも大きい値になる。
上述のいずれかの方法で濃度評価値SaIiを求めた後には(図1のステップS4)、濃度評価値SaIiを用いて識別指標値rviを求めることができる。識別指標値rviは、各ブロック連結領域Diに含まれる画素の濃度値の差を反映する値であって、着目するブロック連結領域Diと周辺のブロック連結領域Diとの濃度値の差を反映する識別指標値rviは、着目するブロック連結領域Diの平均濃度値をIai、着目するブロック連結領域Diの全体の画素数をndi、濃度評価値をSaIiとすると、次式で表すことができる。
rvi=(Slai−Iai)×ndi
たとえば、ブロック連結領域D1〜D4について、各ブロック連結領域D1〜D4に関する平均濃度値Ia1〜Ia4の加重平均値を濃度評価値SaI1〜SaI4に用いる場合を例として、識別指標値rv1〜rv4を求めると、以下のようになる。
rv1=(97.78−220)×5300=−647766
rv2=(189.73−130)×3100=185163
rv3=(187.56−35)×250=38140
rv4=(181.28−30)×22=3328.16
上述のようにして求めた識別指標値rviは、周辺よりも濃度値が高いブロック連結領域Diでは負の値になり、また背景領域のほうが物体領域よりも画素数が多いから背景領域のほうが絶対値が大きくなる。つまり、物体領域よりも明るい背景領域(たとえば、ブロック連結領域D1)の識別指標値rviは、絶対値が大きく符号が負になる。識別指標値rviを求めるために用いる濃度評価値SaIiは、必ずしも各ブロック連結領域Dいにおける平均濃度値の加重平均値である必要はなく、上述したいずれかの方法で求めた濃度評価値SaIiを用いることが可能である。
画像の全体で物体領域を背景領域から分離するためには、すべてのブロック連結領域Diについて識別指標値rviを決定しなければならない。ただし、ラスタ走査によってブロック連結領域Diのラベルが変化する境界が見つかるたびに当該境界について識別指標値rviを求める演算を行うとすれば、同じ組合せのブロック連結領域Diの境界を何度も検出することになって演算量が増加し、しかも各ブロック連結領域Diに対する識別指標値rviを一意に定めることができないから、ブロック連結領域Diごとに複数個の識別指標値rviから1つの値を決定するための演算も必要になる。
そこで、本実施形態では、1つのブロック連結領域Diについて識別指標値rviを求めた後に、求めた識別指標値rviを当該ブロック連結領域Diの全画素の画素値とする評価画像データを生成し、評価画像データにおいて画素値が決まったブロック連結領域Diについては、当該画像の処理が終了するまでは画素値の変更を行わないようにしている。つまり、評価画像データにおいては、各ブロック連結領域Diについて画像値となる識別指標値rviを1回だけ求めることになり、ブロック連結領域Diごとの識別指標値rviの決定が容易になり演算量が少なくなるから、処理の高速化を図ることができる。
さらに、評価画像データにおいて識別指標値rviが設定されたブロック連結領域Diについては、ラスタ走査によって当該ブロック連結領域Diと他のブロック連結領域Diとの境界が見つかっても、識別指標値rviを設定したときと同じブロック連結領域Diの間の境界であるときには判断領域Ddを設定せず、異なるブロック連結領域Diの境界であるときにのみ判断領域Ddを設定する。また、新たに設定された判断領域Ddに含まれるブロック連結領域Diのすべてについて、評価画像データにおいて画素値がすでに設定されているときには、当該判断領域Ddによる識別指標値rviの演算は行わないようにする。このように、識別指標値rviが一旦決まったブロック連結領域Diについてはできるだけ重複した演算を防止することによって、演算量を低減することができ処理の高速化を図ることができる。
以下では、各ブロック連結領域Diについて求めた識別指標値rviを用いて物体領域を背景領域から分離する技術について説明する。物体領域を背景領域から分離するには、識別指標値rviに対する閾値Thを設定し、識別指標値rviと閾値Thとの大小を比較する。
閾値Thを設定するために、まず数2によって画像の全体での識別指標値rviの平均値arvを求める。この平均値arvは、画像の全体におけるコントラストの目安になる。ただし、数2においてkは画像内のブロック連結領域Diの個数である。
Figure 2005339180
物体領域と背景領域とを分離する閾値Thは、数2で求めた平均値arvに基づいて下式を用いて設定する。下式における係数αは物体領域と背景領域との濃度値の関係によって適宜値に設定される。すなわち、係数αは利用者が適宜に入力することができる。ただし、係数αの規定値としては0.2が設定されている。
Th=arv+α・(Imax−arv)
ここに、|I|maxは、背景領域が物体領域よりも明るい(濃度値が高い)場合には識別指標値rviの最大値を用い、背景領域が物体領域よりも暗い場合には識別指標値rviの最小値を用いる。上式は識別指標値rviの|I|maxと平均値arvとの差のα倍を平均値arvに加算した値を閾値Thに用いるものであって、係数αを0.2とすれば、平均値arvよりもやや|I|max寄りに閾値Thを設定することになる。
上式により求められる閾値Thとの大小関係によって識別指標値rviを分離すれば、物体領域と背景領域とを容易に分離することができる。つまり、背景領域が物体領域よりも明るい場合は識別指標値rviが閾値Thよりも大きくなるブロック連結領域Diが物体領域であり、背景領域が物体領域よりも暗い場合には識別指標値rviが閾値Thよりも小さくなるブロック連結領域Diが物体領域になる。実際の画像では物体領域に対して背景領域が明るい場所と暗い場所とが混在している場合があり、この場合には閾値Thは平均値arvの両側に設定される。つまり、物体領域の上下限を決める2個の閾値Thの間の範囲と、上限の閾値Thを超えて最大値までの範囲と、下限の閾値Thを下回って最小値までの範囲との3段階に分けることができる。
ところで、一般に撮像時の照明やTVカメラの位置関係によっては背景の濃度値にむらが生じる。とくに、撮像対象を一方向から照明している場合には画像内の特定方向において背景の濃度値にほぼ一定の勾配が生じ、濃度値が徐々に増加または減少する。上述した処理手順では画像の全体を処理対象としているが、濃度値に勾配が生じているような場合には、数2によって求められる識別指標値rviの平均値arvは、物体領域と背景領域との間の値ではなく、背景に対する中間の値になる可能性があり、このような平均値arvによって閾値Thを設定しても背景領域と物体領域とを正確に分離することは困難になる。
そこで、図9に示すように、画像内を比較的小さい複数の検査領域Fi(図示例ではi=1〜9)に分割し、各検査領域Fiごとに上述した処理を行うようにすれば、背景における濃度値の変化の影響を軽減することができ、背景領域と物体領域とを正確に分離することが可能になる。検査領域Fiは画像内で目的の物体領域を含む対象領域Tiを複数に分割することにより設定される。各検査領域Fiは、物体領域として抽出しようとする既知の検査対象の大きさに合わせて互いに等しい大きさに設定される。たとえば、検査対象が文字であれば検査領域Fiの大きさを文字の大きさ程度に設定する。また、背景に濃度勾配が生じているときには、濃度勾配の方向に沿って検査領域Fiを並べる。あるいはまた、検査対象が文字列であれば、文字列の全体を含むように対象領域Tiを設定し、文字列の並ぶ方向に検査領域Fiを並べる。
上述したように、検査領域Fiは対象領域Tiを分割することにより設定しているから、1個の検査対象が複数個の検査領域Fiに分割されることがある。そこで、図9のように設定した検査領域Fiを、検査領域Fiの配列方向において検査領域Fiの半分の幅寸法分だけ偏移させた検査領域Fj(図示例ではj=11〜19)を設定する(図10参照)。この検査領域Fjを設定すれば、検査領域Fiと検査領域Fjとの一部が互いに重複するから、1つの検査対象の大部分がいずれかの検査領域Fi,Fjに含まれる確率が高まり、背景領域と物体領域とを正確に分離することが可能になる。
上述のようにして設定した検査領域Fi,Fjのどちらにおいて検査対象の大部分が含まれているかを判断するには、以下の処理手順を用いる。すなわち、図11(a)に示すように検査領域Fiにおいて物体領域Ebを求めた後、対象領域Tiの中でそれぞれひとまとまりとみなせる物体領域Ebに分離する。ひとまとまりとみなせる物体領域Ebは、製品に刻印した文字列のような既知情報を用いる場合には既知情報と物体領域Ebとのパターンマッチングによって類似度の高い領域を抽出すればよく、既知情報を用いることができない場合には抽出された物体領域Ebの間隔を用いる。
ひとまとまりとみなせる物体領域Ebが抽出されると、まとまりごとの重心位置Jn(n=1,2,…)を求め、検査領域Fi,Fjの各中心位置Ci,Cjと重心位置Jnとの距離を求める。距離の演算はすべての検査領域Fi,Fjについて行うのではなく、ひとまとまりとみなせる物体領域Ebが含まれる検査領域Fi,Fjについてのみ行えばよい。図示例では、「A」の文字とみなせる物体領域Ebが、検査領域F1,F2,F11に含まれているから、物体領域Ebの重心位置J1と検査領域F1,F2,F11の中心位置C1,C2,C11との距離をそれぞれ求める。求めた距離が最小になる検査領域(図示例ではF11)では、1つの検査対象の大部分が含まれる可能性が高くなるから、この検査領域F11において、物体領域と背景領域とを分離する処理を再び行えば、物体領域と背景領域とを精度よく分離することが可能になる。
たとえば、図11(a)に示す例では、「A」と「P」との文字に相当する物体領域Ebがそれぞれ検査対象になるが、検査領域Fiにおいては境界線が「A」と「P」との各文字をほぼ半分に分断するように設定されており、検査領域F2においては「A」と「P」との文字の一部ずつが含まれている。これに対して、図11(b)に示す検査領域Fjにおいては各検査領域F11,F12に「A」と「P」との文字のほぼ全体がそれぞれ含まれるから、検査領域F11,F12において物体領域と背景領域とを分離すれば、検査対象に対応する物体領域を背景領域から正確に分離できる可能性が高くなる。
本発明の実施形態を示す動作説明図である。 同上のブロック図である。 同上の動作の概要を示す動作説明図である。 同上においてブロックを設定した状態の動作説明図である。 同上においてブロック連結領域を形成した状態の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。
符号の説明
1 対象物
2 撮像装置
3 モニタ
10 画像処理装置
11 A/D変換器
12 記憶手段
13 画像分割処理装置
14 特徴量演算部
15 追跡処理部
16 ブロック分割処理部

Claims (5)

  1. 多値画像をそれぞれ複数個の画素を含む矩形状の複数個のブロックに分割した後に、ブロック内の画素値の分布に関する特徴量を隣接する各一対のブロック間で比較し特徴量の類似度が規定値以上である各一対のブロックには同じラベルを付与するとともに特徴量の類似度が規定値未満である各一対のブロックには異なるラベルを付与して前記多値画像内のすべてのブロックにラベルを付与し、さらに、同ラベルが付与されているブロックからなるブロック連結領域の境界部分に位置するブロックを複数個の分割ブロックに分割するとともに、分割前のブロックに隣接するブロックの前記特徴量と分割ブロックの画素値の分布に関する特徴量との類似度が規定値以上になるときに隣接するブロックと同じラベルを当該分割ブロックに付与することにより当該分割ブロックを前記ブロック連結領域を構成するブロックとして前記ブロック連結領域に統合し、分割ブロックに分割し分割ブロックをブロック連結領域に統合する処理を繰り返すことにより多値画像に含まれる全画素をいずれかのブロック連結領域に統合する第1過程と、ラスタ走査によりブロック連結領域の境界を探索し、境界の周辺に存在するブロック連結領域のうち着目するブロック連結領域に対する周辺のブロック連結領域の濃度値を反映する濃度評価値を求める第2過程と、着目するブロック連結領域の濃度値と濃度評価値との差をパラメータとする識別評価値を求める第3過程と、識別評価値と規定の閾値との大小を比較することにより目的のブロック連結領域と背景のブロック連結領域とを分離する第4過程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記境界を挟む2個のブロック連結領域のうちの一方のブロック連結領域を着目するブロック連結領域とし、前記濃度評価値として、他方のブロック連結領域の平均濃度値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 前記第1過程の後に前記ブロック連結領域の前記境界を中心として複数のブロック連結領域を含む判断領域を設定し、前記境界を挟む2個のブロック連結領域のうちの一方のブロック連結領域を着目するブロック連結領域とし、前記濃度評価値として、他方のブロック連結領域が判断領域に占める面積の割合に前記他方のブロック連結領域の平均濃度値に乗じた値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  4. 前記第1過程の後に前記ブロック連結領域の前記境界を中心として複数のブロック連結領域を含む判断領域を設定し、前記濃度評価値として、各ブロック連結領域が判断領域に占める面積の割合を重み係数とし各ブロック連結領域の平均濃度値に重み係数を乗じて平均した加重平均値を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  5. 前記第2過程では、求めた前記濃度評価値を着目するブロック連結領域の画素値とする評価画像データを生成し、濃度評価値が一度求められたブロック連結領域については濃度評価値を再度求めないことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像処理方法。
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