JP2005338382A - 形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】
ピンの長大なストロークを可能とするものでありながら、ピンアレイの高密度化が可能なピンアレイ型ディスプレイを提供する。高密度かつ長大なストロークのピンアレイを用いたピンアレイ型ディスプレイでありながら、ピンアレイの動作を高速に行う。
【解決手段】
長さ方向に移動自在の複数のピンから構成したピンアレイと、各ピンに対応して設けたコイル状形状記憶合金の伸縮によって各ピンを長さ方向に移動させるピン駆動部と、該形状記憶合金を収縮させるための加熱手段と、該形状記憶合金の冷却手段と、各ピンの位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段によって検出された各ピンの位置情報に基づいて該ピン駆動部による各ピンの移動を制御する制御部とを有する3次元形状ディスプレイ。ピンは中空状であり、ピン駆動部はピンの中空部内に内蔵される。加熱手段としてのピンへの通電は、マトリクス駆動方式によって行われる。
【選択図】
図1
ピンの長大なストロークを可能とするものでありながら、ピンアレイの高密度化が可能なピンアレイ型ディスプレイを提供する。高密度かつ長大なストロークのピンアレイを用いたピンアレイ型ディスプレイでありながら、ピンアレイの動作を高速に行う。
【解決手段】
長さ方向に移動自在の複数のピンから構成したピンアレイと、各ピンに対応して設けたコイル状形状記憶合金の伸縮によって各ピンを長さ方向に移動させるピン駆動部と、該形状記憶合金を収縮させるための加熱手段と、該形状記憶合金の冷却手段と、各ピンの位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段によって検出された各ピンの位置情報に基づいて該ピン駆動部による各ピンの移動を制御する制御部とを有する3次元形状ディスプレイ。ピンは中空状であり、ピン駆動部はピンの中空部内に内蔵される。加熱手段としてのピンへの通電は、マトリクス駆動方式によって行われる。
【選択図】
図1
Description
本発明は、形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイに関するものである。本発明に係るディスプレイは、視覚ディスプレイ、触覚ディスプレイの両方を含むものである。
Virtual Reality技術は、近年急速な発展を遂げている分野の一つである。その中でも、実物体をVR空間内で表現する手法に関する研究として数多くのものが挙げられる。レンジファインダに代表される非接触型3次元形状計測装置を用いて実物体をデジタルデータに変換し、情報空間内で提示する、もしくは、遠隔地にその情報を伝達するといった試みがこれまでになされている。
これらの手法で取得した3次元情報の提示手法としては、形状をCGモデルとして表現し、モニタ画面もしくはプロジェクタ等でスクリーンや対象物体に提示する方法が主流であった。また、触覚ディスプレイによって形状を提示する試みも数多くなされており、岩田等によるFEELEXに代表される数多くのディスプレイが考案されている。
ここで、従来のピンアレイ型ディスプレイでは、ピンのアクチュエータとしては、ピエゾ素子のような小型アクチュエータ、あるいはモータ等の大型アクチュエータが用いられている。しかしながら、ピンアレイの高密度化、ピンの長大なストロークの確保を考えた場合、これらのアクチュエータではこれら2つの要求の両方を解決することはできない。すなわち、前者の小型アクチュエータではある程度の高密度化は達成できるが、十分に長いピンのストロークを獲得することはできない。一方、後者の大型のアクチュエータでは、大きなピンのストロークを確保することはできるが、ピンアレイの高密度化・集積化を達成することはできない。
特に、顔形状のような細かいテクスチャを表現するには解像度を高くする必要があり、ピンアレイの高密度化は極めて重要である。さらに、ピンアレイの高密度化に伴い、ピンの動作の高速化も重要な課題となる。
特開2001−154780
特開平11−184369
H. Iwata, H. Yano, F. Nakaizumi, R. Kawamura:Project FEELEX: Adding Haptic Surface to Graphics, SIGGRAPH 2001 Conference Proceedings, pp. 469-475, 2001.
牧,芳賀,岩見,江刺: 2次元触覚ディスプレイの開発,第36 回日本エム・イー学会東北支部大会,2002.
P. S. Wellman, W. J. Peine, and R. D. Howe: Mechanical Design and Control of a High-Bandwith Shape Memory Alloy Tactile Display, Proc. of the Int.Sympo. Experimental Robotics, Barcelona, Spain,June, 1997.
旧製品科学研究所(現生命工学工業技術研究所)で開発された3次元型触覚ディスプレイ(http://www.tsukuba-tech.ac.jp/info/kenkyu/kaken/sys33.html)。
本発明の目的は、ピンの長大なストロークを可能とするものでありながら、ピンアレイの高密度化が可能なピンアレイ型ディスプレイを提供することにある。
本発明の他の目的は、高密度かつ長大なストロークのピンアレイを用いたピンアレイ型ディスプレイでありながら、ピンアレイの動作を高速に行うことを目的とするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために創案されたものであって、本発明に係る3次元形状ディスプレイは、長さ方向に移動自在の複数のピンから構成したピンアレイと、各ピンに対応して設けた形状記憶合金の伸縮によって各ピンを長さ方向に移動させるピン駆動部と、該形状記憶合金を収縮あるいは伸長させるための加熱手段と、各ピンの位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段によって検出された各ピンの位置情報に基づいて該ピン駆動部による各ピンの移動を制御する制御部と、を有するものである。
形状記憶合金の加熱手段は、好ましい態様では、形状記憶合金への通電である。形状記憶合金に電流を流して電圧を印加することで、生成したジュール熱によって形状記憶合金が収縮あるいは伸長する。加熱手段としては、形状記憶合金に対して高温の流体(温風や温水)を供給することも考えられるが、駆動部の構成や制御を考えると、形状記憶合金に電流を供給することが望ましい。一つの好ましい態様では、該形状記憶合金は、加熱によって収縮する特性を有するものであり、冷却(自然冷却、強制冷却)によって伸長する。形状記憶合金として、加熱によって伸長し、冷却によって収縮するものを採用してもよい。
好ましい態様では、本発明に係るディスプレイは、該形状記憶合金の強制冷却手段(空冷、水冷を含む)を含んでいる。強制冷却手段を採用することで、形状記憶合金の伸縮を高速化することができる。例えば、加熱によって収縮する形状記憶合金を採用した場合に、加熱によって収縮した形状記憶合金は強制冷却によって、速やかに伸長状態に復帰する。また、この場合、ピン動作の高速化のためには、形状記憶合金を収縮させるときには強制冷却を行わず、伸長させる時のみ強制冷却を行うことが望ましい。強制冷却手段の一例としては、ファンによる風冷が挙げられる。
好ましくは、該形状記憶合金はコイル状形状記憶合金である。コイル状形状記憶合金を採用することで、形状記憶合金の伸縮ストロークをより大きく確保することができる。また、収縮力が小さいながら40-60[g重]のおもりを持ち上げるくらい強力である点において通常の形状記憶合金に比べて有利である。さらに、一つの好ましい態様では、該ピン駆動部は、該形状記憶合金と連結されたスプリング(好適な例では、コイルスプリング)を含んでいる。より具体的には、長尺状の形状記憶合金と長尺状のスプリングとを長さ方向に連設する。このスプリングは拮抗部材として機能し、形状記憶合金の復帰動作を速やかに行うことを可能とする。さらに、一つの態様では、該形状記憶合金と該スプリングとの連結部が該ピンに固定されており、該連結部を介して該形状記憶合金の伸縮が該ピンに伝達される。尚、駆動部とピンとの連結は、形状記憶合金の伸縮がピンに伝達されるものであれば、その構成は限定されない。
好ましくは、該形状記憶合金、該スプリングは、該形状記憶合金の加熱手段である通電のための電気回路の部分を構成している。電気回路に電流を流すことで、形状記憶合金に電流が流れ、ジュール熱によって、収縮あるいは伸張する。
好ましい態様では、該ピンは中空部を有し、該ピン駆動部は該ピンの中空部内に設けてある。一つの例ではピンは円筒状部材であるが、ピンの形状はこれには限定されず、例えば、ピンは角パイプでもよい。ピンは、好ましくは絶縁体(例えば、プラスチック)から形成されている。
ピン駆動部を内蔵するピンにおいて、一つの態様では、該ピン駆動部は、コイル状の形状記憶合金と、スプリングと、該形状記憶合金の基端と該スプリングの先端とを連結する連結部とを有し、該ピン駆動部は、該連結部を介して該ピンの中空部の内壁に固定されている。
ピン駆動部を内蔵するピンにおいて、一つの態様では、該ピンには、長さ方向に間隔を存して、長さ方向に延出する対向状のスリットがそれぞれ形成されており、それぞれの対向状のスリットには、該ピンの長さ方向に直交する方向に延出するワイヤが挿通されており、一方のワイヤには該形状記憶合金の先端が連結されており、他方のワイヤには該スプリングの基端が連結されており、該ピンは、該ワイヤによって該スリットの長さ寸法内において長さ方向に移動可能に支持されている。好ましくは、該ワイヤは該形状記憶合金の加熱手段である通電のためのリード線を構成している。好ましくは、該スリットは風冷手段の導風路を形成している。
ピンの長さ方向に間隔を存して形成した2セットの対向状のスリットを備えたピンにおいて、好ましい態様では、それぞれの対向状のスリットを挿通するそれぞれのワイヤは、互いに直交する方向に延出する。そして、該ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、一方のワイヤが列方向に延出し、他方のワイヤが行方向に延出する。
形状記憶合金の加熱手段が通電である場合に、該ピンの駆動制御は各ピンごとに設けたスイッチの開閉によって行ってもよいが、好ましくは、マトリクス駆動方式によってピンの駆動制御を行う。ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、該マトリクス駆動方式は、行方向に延出する第1リード線群と、列方向に延出する第2リード線群と、該第1リード線群の各第1リード線に設けた第1スイッチからなる第1スイッチ群と、該第2リード線群の各第2リード線に設けた第2スイッチからなる第2スイッチ群と、各第1リード線と各第2リード線とを接続する各第3リード線とを有し、第1スイッチ群および第2スイッチ群から第1スイッチ、第2スイッチを選択することで、所望の第3リード線を構成する形状記憶合金に通電するように構成されている。すなわち、第1スイッチ群を含む第1リード線群と、第2スイッチ群を含む第2リード線群との間を、アクチュエータを構成する形状記憶合金が電気的に接続している。
一つの好ましい態様では、マトリクス駆動方式において、各第3リード線に、非線形素子(例えば、ダイオード)を配置する。一つの態様では、該ピン駆動部が、形状記憶合金と、スプリングと、該形状記憶合金と該スプリングとを連結する連結部とを有する場合に、該非線形素子は該連結部に設けられる。
位置検出手段は、一つの態様では、各ピンに近接してそれぞれ設けた位置センサである。このような位置センサとしては、フォトリフレクタを用いたリニアエンコーダが例示される。
ピンアレイが高密度化されると、多点同時位置計測を行う位置検出手段が望ましい。カメラを用いた多点同時位置計測手法は以下のとおりである。該ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、各ピンを、各行数あるいは各列数が増える毎に各ピンの基端側が順次基端側へ突出するように階段状に配置することで、ピンの長さ方向に対して側方から観測した時に、全てのピンの基端部位が重ならずに観測できるように構成する。撮像手段で該ピンアレイの基端側の画像を取得し、該画像を処理することで各ピンの位置を検出する。
さらに好ましくは、各ピンの基端部には色マーカが設けてあり、色分けによって、ピンアレイ末端側の画像処理をより確実なものとする。さらに好ましい態様では、行方向、列方向において隣位の色マーカ同士は異なる色を有しており、撮像手段で該ピンアレイの基端側の画像を取得し、該色マーカの色によって各ピンの位置を検出する。また、色マーカに代えて、再帰性反射材からなるマーカをピンアレイの基端側に設けてもよい。
本発明では、ピンの駆動装置として形状記憶合金を採用したので、ピンの長大なストロークを確保できるものでありながら、ピンアレイの高密度化が可能となった。コイル状形状記憶合金を採用することで、より大きいピンの可動範囲を確保することができる。ピンの駆動部を内蔵したものでは、ピンアレイの高密度化に有利であるだけでなく、隣接する駆動部間の電気的短絡を防止することができる。また、本発明では、位置検出手段によってピンの移動を制御するので、任意の高さにピンを移動させることができる。形状記憶合金に連結された拮抗スプリングを設けること、及び、形状記憶合金の冷却手段を設けることによって、ピン動作の高速化を実現することができる。また、マトリクス駆動方式でピンを駆動制御するものでは、より少ない制御指令でピンを駆動することでピン動作の高速化を実現すると共に、配線をより少なくすることでピンアレイの高密度化を実現することができる。ピンアレイの基端側の画像を取得することによる多点同時位置検出手段によって、位置検出手段の構成をシンプルにすることができ、ピンアレイの高密度化に貢献するものである。
本発明に係るディスプレイは、長さ方向に移動自在の複数のピンから構成したピンアレイを用いるものである。複数のピンを長さ方向に密に並設することでピンアレイを構成する。各ピンの位置を制御することで、各ピンの先端側を所望の高さに設定し、ピンアレイの上面によって任意の3次元状の凹凸面を形成する。本発明では、各ピンを長さ方向に移動させるための駆動装置(アクチュエータ)として、形状記憶合金(SMA)を用いる。一つの好ましい態様では、本発明が採用する形状記憶合金はコイル形状を有するコイル状形状記憶合金である。本発明に係るピンアレイのピンの移動範囲は、限定されない例では、0.5mm〜120mmであり、さらに大きい移動寸法、例えば400mm程度、を確保することも可能である。尚、本明細書において、ピンの「長大なストローク」とは、例えば点字用ディスプレイ等に用いられる従来のピンのストロークに比べて大きいというものである。
コイル状形状記憶合金バネを利用したピン駆動の基本原理について図1に基づいて説明する。図1において、左図は、ピンが上方に移動した状態(ピンの上端が上方に突出する)を示しており、右図は、ピンが下方に移動した状態(ピンの上端が下方に引っ込む)を示している。コイル状形状記憶合金の基端部は連結部を介して拮抗部材としてのコイルスプリングの先端部に連結されており、コイル状形状記憶合金の先端部は電圧印加のための電気回路のスイッチ側、拮抗コイルスプリングの基端部は該電気回路の電源側にそれぞれ電気的に接続されている。ここで採用した形状記憶合金は、加熱によって伸びた状態から収縮する特性を有する。形状記憶合金を用いたアクチュエータは、連結部を介してピンに連結されており、連結部の位置がピンの長さ方向(図では上下方向)に変化すると、それに伴ってピンが長さ方向に移動するように構成されている。
コイル状形状記憶合金、連結部、拮抗コイルスプリングは、形状記憶合金への電圧印加のための電気回路の部分を構成しており、図1左図に示すように、電気回路のスイッチを閉じることで、コイル状形状記憶合金に通電が行われる。ここで採用したコイル状形状記憶合金は常温では伸長した状態であり、通電によるジュール熱によってコイル状形状記憶合金は収縮し、コイル状形状記憶合金の収縮によって連結部の位置が上昇し、それに伴ってピンが長さ方向に上方に移動する。
電気回路のスイッチを開放することで、形状記憶合金への通電が遮断され、自然冷却により、収縮した形状記憶合金は伸長して元の伸長姿勢に復帰し、それに伴ってピンが下方に移動する。ピンの下方への移動を高速で行うためには、空冷、水冷等の強制冷却手段によって、コイル状形状記憶合金を冷却することが好ましい。
さらに、ピンが上方に移動した状態では、コイル状形状記憶合金とコイルスプリングとの連結部位が上昇しているので、コイルスプリングは引張した状態にあり(コイルスプリングの下端側は固定されている)、コイルスプリングは元の長さに戻る方向の力を蓄えている。従って、強制冷却手段とコイルスプリングの復元力とによって、コイル状形状記憶合金は高速で伸長する。コイル状形状記憶合金が伸長し、コイルスプリングが収縮することで、コイル状形状記憶合金とコイルスプリングの連結部も下方に移動するので、それに伴ってピンが長さ方向に下方に移動する。
一つの好ましい実施例では、コイル状に加工した形状記憶合金をアクチュエータとして用いる。コイル状形状記憶合金は、大きな伸縮動作が可能なリニアアクチュエータであり、室温では柔らかく、簡単に伸ばすことができ、伸ばした状態で電流を流すと硬くなって強い力で元の長さに縮む。具体的には、コイル状形状記憶合金としては、最大限に伸長させた後に加熱すると、伸ばした後の長さの約半分に収縮する特性を有するものが知られている。さらに、この形状記憶合金は単独で、30gf以上の力を発生させることが可能であると共に、1本が非常に細いため密集して配置することができる。これらの点は、大型のピンアレイ式ディスプレイを製作するのに適した特性である。この形状記憶合金の抵抗値はに低く(数100Ω/m)、電圧を印加すると発生したジュール熱によって形状記憶合金全体が縮む。この特性を用いて、本発明の一つの態様では、形状記憶合金に印加する電圧の時間平均値を変化させることで、形状記憶合金が取り付けられたピンの上下位置を制御する。通電のON/OFFによって生じる収縮/伸長動作を、ピンを駆動する力に変えて1画素の上下動を実現する。そして、形状記憶合金の伸長動作を高速化するために、拮抗筋としてコイルスプリングを配置すると共に、形状記憶合金を空冷することが行われる。
次に、駆動装置と一体になったピンの構成について説明する。ピンを高密度に配置するためには、ピンと駆動装置とを一体化させることが望ましい。図2に示す構成では、ピンは円筒状のプラスチックパイプから構成され、アクチュエータを構成する形状記憶合金、コイルスプリングをピンの中空部内に内蔵している。図中のダイオードの役割については後述する。各ピンを駆動するアクチュエータをピンの内部に内蔵することで、ピンアレイの高密度化が可能となると共に、隣接するアクチュエータ同士をパイプ材で電気的に絶縁して、隣接するピンのアクチュエータ同士の意図しない電気的な短絡を防止する。駆動装置一体型のピンの詳細な構成については図11、図12に基づいて後述する。
3次元形状ディスプレイ装置の駆動制御システムのブロック図を図3に示す。ピンの制御には、制御部を構成するコンピュータからの制御信号(PWM出力)によってスイッチ(電界効果型トランジスタ)を駆動し、形状記憶合金に印加する電圧の時間平均値を調節する。ピンの上下動作の情報は、位置センサ(フォトリフレクタ等)によってコンピュータに取り込まれて、信号処理によって位置情報に変換し、制御信号にフィードバックされる。これらの駆動-計測システムをそれぞれのピン1本1本に適用することで、任意本数のピンを制御することができる。各ピンの長さ方向の位置情報については、例えば、各ピンの先端が同じ高さにある一番低い位置にある状態を原点として、ピンの突出方向の座標値によってピンの位置を表す。例えば、コンピュータの記憶部に予め各ピンの所定の座標値が設定され、設定された座標値に達するように制御部から制御信号を各ピンの駆動部に送信して、各ピンを移動させる。
一つの態様では、ピンアレイの駆動方法としては、ピンごとに制御指令を出すことで行う。各ピンの各駆動部を構成する形状記憶合金ごとにスイッチを設けて、各スイッチの開閉によって各形状記憶合金への通電を制御する。すなわち、N×Nのピンアレイにおいては、N×Nの制御入力が必要となる。しかしながら、このものでは、ピンの本数が増大すると、配線の問題が生じてピンアレイの高密度化に支障をきたすおそれがある。また、制御指令の数が多くなると、ピンの移動の高速化に支障をきたすおそれがある。
そこで、改良された形状記憶合金制御用スイッチについて説明する。ピンアレイの駆動方法として、ピンロッドごとに駆動指令を出すのではなく、単純マトリクス型やアクティブマトリクス型のいわゆるマトリクス駆動方式を用いることによって、各ピンアレイの移動を制御する。この手法により、ピンロッド1本につき横方向・縦方向の計2つのスイッチを用いて任意のピンロッドを制御することができる。すなわち、N×Nのピンアレイにおいては、2×Nの制御入力で済む。
マトリクス駆動方式は、横方向(例えば、行方向)に延出する第1リード線群と、縦方向(例えば、列方向)に延出する第2リード線群と、該第1リード線群の各第1リード線に設けた第1スイッチからなる第1スイッチ群と、該第2リード線群の各第2リード線に設けた第2スイッチからなる第2スイッチ群と、各第1リード線と各第2リード線とを接続する各第3リード線とを有する。第1スイッチ群および第2スイッチ群から任意の第1スイッチ、任意の第2スイッチを選択することで、任意の第3リード線を選択することができ、選択された第3リード線を構成する形状記憶合金に電圧を印加することができる。
マトリクス駆動方式におけるピンロッドの制御手法についてさらに詳細に説明する。一つの態様では、本発明にかかる3次元形状ディスプレイは、図4に示すように、上部/下部スイッチ群(ここでのスイッチ群は、0033におけるリード線群及びスイッチ群を指す)による単純マトリクス駆動を採用している。本明細書では、それぞれのスイッチ群を、走査線/信号線と呼ぶ。このとき、図5に示すように、単に信号線と走査線を高速にON/OFFの切替えを行うような制御手法をそのまま適用すると、形状記憶合金が収縮動作に入るより前に隣の行へ制御が移ってしまい、目的位置に到達するまで複数回の制御ループが必要となる。ディスプレイのマトリクスサイズが小さければ、このような制御方式でも目的位置に達することができるが、目標としているディスプレイはマトリクスの一辺が数十〜数百となることから、この制御手法では一つの形状を提示するまでに膨大な時間を要する可能性がある。また1行ずつに電圧を印加する時間を延ばし、ピンが動作するように調整した場合にも、やはりマトリクスサイズが大きくなるにしたがって問題が生じる。制御対象が隣の行以降に移っている間に既に目標位置に到達していたピンが再び降下してしまうからである。この場合も目的とする形状を提示するまでに多くの時間が要することが考えられる。
このように従来の単純マトリクスの制御手法は、液晶ディスプレイのようにほぼ一瞬で目標に到達できるようなダイナミクスの非常に小さいものにとって適切な手法である。一方で、本ディスプレイは目標の高さに到達するまでのダイナミクスが非常に大きく、従来の単純マトリクス制御の手法を改良した上で適用する必要がある。そこで、同時に駆動するピンの数を可能な限り増やし、目標となる図形が提示できくまでの時間が最も短くなるような制御を行うことを考える。
この問題を考えるために次のような定式化を行う。走査線と信号線スイッチのON/OFFを表すN次元ベクトルをそれぞれ、u=(u1,u2....uN), v=(v1,v2,...vN)とするui,viは、0または1の値をとり、1の時スイッチがOn、0の時スイッチがOffであることを表すとする。問題を簡単にするために、仮定として一度目標位置に到達したピンはその後動かないとする。このとき、uTvは、
のように計算され、どのピンが駆動されるかを表現するN×Nの行列である。そこで、ある時刻nにおける駆動状態をA(n)=uTv、また各ピンに与えるべきエネルギーを表すN×N行列(目標位置と現在位置の差分とほぼ同義)をBと表す。ここで、A(n)、Bの要素を並べなおして、
となるようなベクトルを定義する。すると、ベクトルaのとりうる値は高々2N×2N=22N通りであり、目的の形状はスイッチの状態aの組み合わせによって実現される。
ここで、状態a(n)を持続させる時間をkn(kn≧0),m=22Nとした上で、k(ベクトル)=(k1,k2...km)Tを定義すると、目標位置に到達するために必要なエネルギーを表すベクトルbは、
と表現できる。
ここで目標とするのは、目的形状がもっとも短時間で提示できることである。これはすなわちk1+k2+....+kmを最小化することであるから、最終的に次のような線形計画問題に帰着させることができる。
以上の定式化による解を用いた制御を行えば、最短時間で任意の形状を提示できると考えられる。
ここで、状態a(n)を持続させる時間をkn(kn≧0),m=22Nとした上で、k(ベクトル)=(k1,k2...km)Tを定義すると、目標位置に到達するために必要なエネルギーを表すベクトルbは、
ここで目標とするのは、目的形状がもっとも短時間で提示できることである。これはすなわちk1+k2+....+kmを最小化することであるから、最終的に次のような線形計画問題に帰着させることができる。
マトリクス型スイッチでピンを駆動する場合における、さらなる工夫について説明する。マトリクス駆動方式で個々のピンを制御しようとすると、形状記憶合金の電気抵抗が小さいことから、望ましくない回りこみの電流経路(図6における×印の部分において上向きの経路)が生じてやすくなるおそれがある。回り込み電流経路の発生により、望んでいないピンが動いてしまうという問題がピン数の増加に伴って顕在化してきた。そこで、このような回り込み電流経路を遮断するため、リード線の部分を構成する各ピンのピン駆動部に非線形素子(実施例では、ダイオード)を設けた。
位置センサの一つの態様について図7に基づいて説明する。図7のものでは、位置センサとして、個々のピンに対応する一対のフォトリフレクタを用いている。各ピンには、白黒の横方向のストライプがピンの長さ方向にわたって交互に形成されており、フォトリフレクタによってストライプを読み取ることで、リニアエンコーダとして機能する。背景雑音は、フォトリフレクタを覆うスリットによってフィルタリングされる。
位置計測センサの他の態様について説明する。図8に示すものでは、コイルスプリングをコイルとして利用し、コイル内に金属ロッド(例えば、ステンレスや鉄)を挿入し、その電磁誘導による位置計測を行うことが可能である。図8に示すシステムは、駆動モードと、検知モードの2つのモードからなる。検知モードでは、パルス発生器から生成されたパルス波をコイルスプリング及び形状記憶合金に供給する。供給されたパルス波によって形状記憶合金が収縮・伸張し、ピンが駆動される。その際、ピンの高さが上下することによってスプリングを下部で支持する位置に置かれた金属棒がスプリングとオーバーラップする長さが変化することによって生じるインダクタンスの変化はパルス波の歪みを引き起こす。電圧計によって形状記憶合金側から出力された変化したパルス波形を測定する。電圧計はAD変換器に連結されており、コンピュータによってパルス波形の変化を読み取り、これよりインダクタンス変化を計算した結果に基づいてピンの位置が決定される。
カメラを用いた多点同時位置計測について説明する。ピンの位置検出用のセンサ素子として前述のようなフォトリフレクタ等を用いる場合には、一つ以上のセンサ素子を各ピンに対してピンの近傍に配置する必要があり、このことはピンの高密度化の障壁となる。そこで、多数のピンの位置情報を同時に計測するために、カメラによって各ピン基端部(ピンが上下方向に延出している場合にはピン下部)を側方から撮像してピン基端部の画像を取得し、画像処理によってピンの位置を計測する手法を提案する。図9にその概念図を示す。各ピンはマトリックス状に配置され、その行数(行数の代わりに列数をとってもよい)が増えるごとにディスプレイを構成するピンアレイ下部の長さが順次増すよう階段状に設計する(図9右図)。こうすることで、ピンの長さ方向に対して側方から観測した時に、全てのピンの基端部位が重ならずに観測できるようにピンアレイを構成し(図9左図)、カメラ等の撮像手段で該ピンアレイの下部の画像を取得し、該画像を処理することで各ピンの位置を検出する。
さらに、好ましくは、認識精度を高めるために各ピン下部を色分けすることで各ピンを識別する。各ピン1の下部には色マーカ10が設けてあり、行方向、列方向において隣位の色マーカ同士は異なる色を有しており、撮像手段Cとしてのカメラで該ピンアレイの基端側の画像を取得し、色マーカの色によって各ピンの位置を検出する。一つの好ましい態様では、各ピンの末端にはRGBY4色のうちいずれかの色のマーカを、隣の列もしくは隣の行と誤認識されないような配色で取り付ける。各ピンの末端に設ける色マーカは、RGB3色で構成してもよい。各行の長さは、本ディスプレイの最大ストロークに基づいて設計する。また、ピンアレイ下部の撮影は、ピンアレイ下部の画像が取得できさえすれば、直接ピンアレイ下部を撮影するものでなくてもよく、例えば、カメラをピンアレイの側部に置くのではなく、側部におかれた鏡に映った像をカメラで観測することでピンロッドの位置計測を行うことも可能である。また、ピン同士のずれを利用してピンの高さを制御する事も可能である。
マーカとして再帰性反射材を採用してもよい。再帰性反射材を利用した方法について図10に基づいて説明する。各ピン1の末端に再帰性反射材を塗布し、ピンと平行にならんだ光源を多数並べ、この光源を適当な方法で光らせ、それによる反射光を見ることで計測を行う。具体的な計測手法の一つの態様を説明する。例えば、光源が2つあるとする。光源aが測定したいピンの正面に、光源bがピンの周辺それぞれ光ったときの画像を撮像手段Cで取得し、その差分を取ると、測定したいピンの部分は差分の計算値が大きく、そのほかの周辺では差分値が小さくなる。このようにして、測定したいピンに対応する光源の位置を変化させることによって、単一の再帰性反射材を塗布してある場合にも位置計測が可能である。
駆動装置内蔵型のピンの構成について図11に基づいて説明する。ピン1は円筒状のプラスチックパイプから構成されており、内部には長尺状のコイル状記憶合金2と、拮抗筋としての長尺状のコイルスプリング3が長さ方向に連設されて収容されており、コイル状形状記憶合金2とコイルスプリング3とはピン1の内壁に固定された連結部材4を介して一体化されている。より具体的には、コイル状形状記憶合金2の下端が連結部材4の上側に連結されており、コイルスプリング3の上端が連結部材4の下側に連結されており、連結部材4はピン1の内壁に固定されている。コイル状形状記憶合金2とコイルスプリング3とを含む各アクチュエータを各ピン1の中空部に内蔵することで、アクチュエータ同士を電気的に絶縁し、意図しない電気的な短絡を防止している。
ピン1は、ピン1の上下部位に位置して設けられた固定台5に形成された挿通孔50に受け入れられている。板状の上下の固定台5には円形状の挿通孔50がそれぞれ形成さており、挿通孔50の径はピン1の外径よりも僅かに大きく、挿通孔50内にピン1を挿通可能に受け入れることで、ピン1は上下方向に移動可能な状態で固定台5に支持されている。板状の上下の固定台5を図示したが、ピンを移動可能に受け入れる固定台の形状等の構成はこのものに限定されない。また、固定台5は図示しない支持部材によって支持されている。
ピン1には、長さ方向(図では上下方向)に間隔を存して、固定台5の挿通孔50に対応する部位に位置して、長さ方向に延出する対向状の一対のスリット6a,6bがそれぞれ形成されている。それぞれの一対の対向状のスリット6には、ピン1の長さ方向(上下方向)に直交する方向(水平方向)に延出するワイヤ(実施例ではピアノ線)7a,7bが挿通されており、それぞれのワイヤ7a,7bはそれぞれの固定台5上に設けられたワイヤ固定具8に緊張した状態で固定され、緊張状態が維持されてスリット6a,6bを挿通している。上下のワイヤ7a,7bはそれぞれ互いに直交する方向に延出している。すなわち、ピン1の壁面に形成された一対のスリットは、上側の一対のスリット6aと下側の一対のスリット6bとの間で90度ずれて形成されている。
上方のワイヤ7aには形状記憶合金2の先端が連結されており、下方のワイヤ7bにはスプリング3の基端が連結されている。ピン1は、長さ方向に延出するスリット6a,6b内を挿通するワイヤ7a,7bによってスリットの長さ寸法内において長さ方向に移動可能に支持されている。ワイヤ7a,7bは形状記憶合金2の加熱手段である電圧印加手段の電流回路の一部を構成している。すなわち、ワイヤ7a,7bは電流経路のためのリード線の役割をも有する。具体的には、上方のワイヤ7aは電気回路のスイッチ側に電気的に接続されており、下方のワイヤ7bは電気回路の電源側に接続されている。コイル状の形状記憶合金2、連結部4、コイルスプリング3は電気回路の一部を構成しており、連結部4には非線形素子であるダイオード9が設けてある。スリット6a,6bはその長さ寸法において、ピン1の長さ方向の可動範囲を制限するストッパーの役割を有する。さらに、スリット6a,6bは形状記憶合金2の風冷手段(例えば、冷却ファン)の導風路を形成する。各ピン1の下端部にはピンの位置計測のための色マーカ10が設けてある。
このように構成された駆動部内蔵型ピンにおいて、スイッチ(実施例では電界効果型トランジスタ)が閉じられると、コイル状形状記憶合金2に電流が流れることで、形状記憶合金2が収縮し、ピン1の内壁に固定された連結部4が上方に引っ張られることで、それに伴ってピン1が上昇し、連結部4の下方側のコイルスプリング3が伸長する。コイル状形状記憶合金2の伸長時には、コイルスプリング3により連結部が下方に引っ張られ、それに伴ってピン1が下降する。ピン1の下降時には、風冷手段によってスリット6a,6bから流体をピン1の内部に導入することで、形状記憶合金2の伸長の速度を高速化することができる。
図12は、図11に示すピンからなるピンアレイの一部を示す部分斜視図である。同じ列、同じ行を構成する複数のピン1同士は共通のワイヤ(ピアノ線)7a,7bによって支持されている。図では一つの行方向(あるいは列方向)の4つのピン1を例示したが、一つの好ましい態様では、行方向、列方向にピンがマトリクス状に配設される。上側のワイヤ7a、下側のワイヤ7bが、それぞれ、マトリクス駆動方式における、格子状のリード線を構成する横方向のリード線、縦方向のリード線に対応している。各ピン1の下端部には色マーカ10が設けてある。一つの好ましい態様では、ピンアレイは図9のような構成を有し、隣位のピン1の下端部は互いに異なる色のマーカ10を有している。図示のものでは、同じ行(あるいは列)を構成する一連の4つのピン1において、各ピン1の下端には赤マーカ、緑マーカ、青マーカ、黄マーカが設けてある。図では、一方のワイヤ固定具は省略されている。尚、ワイヤを固定する手段は、図示のものには限定されず、ワイヤが緊張した状態で保持されるものであれば、他の手段であってもよい。
ピンの構成についてはさらに次のような工夫が採用し得る。画像提示に関しては以下のような構成を採用し得る。下からプロジェクタで照らしてロッドの光ファイバ効果で上に画面表示することが可能である。下部は透明だが、上部が乳白色で散乱光を放射することが可能である。光ファイバの束で構成し、高精彩な表示が可能である。再帰性反射材を塗布してスクリーンとして用い、画像を投影することが可能である。先端にセンサを取り付ける事に関しては以下のような構成を採用し得る。静電容量センサを取り付ける事で「触らずに変形」することが可能である。光センサを取り付けることで影を読み取ることが可能である。上記に関して、光センサを下端に取り付け、下から観測することが可能である。超小型マイクをパイプ内に内蔵し筒の振動を捕らえることで、接触を感知することが可能である。温度センサ(サーミスタ)をロッド先端に取り付け、接触を感知することができる。チップサーミスタを形状記憶合金と直列に接続し、形状記憶合金から伝わった熱によりサーミスタの抵抗が上昇することを利用して、これを測定して制御を行うことが可能である。上記に関して、サーミスタの抵抗が上昇する事による安全性を確保することが可能である。力センサ(感圧インク、感圧ゴムなどの抵抗変化型)を取り付け、形状記憶合金と回路的に直列に接続しておき、駆動と同時に計測も出来るシステムを構築することが可能である。
本発明の一つの応用例として会話支援を目的とした顔形状呈示装置が考えられる。これは、顔形状データをリアルタイムに取得し、ネットワーク等を介してそのデータを送受信し、遠隔地にいる相手に向けて顔形状を伝達することを意図する。他の応用例としては、3次元形状呈示装置を利用した街頭広告システムが考えられる。例えば、1m立方程度の3次元形状呈示装置を製作し、それを利用して荒い凹凸面を呈示する。そして、その上からプロジェクタ等で細かい凹凸感・質感を呈示する。これらの組み合わせによって、これまで2次元的にしか表現できなかった街頭ディスプレイも3次元的な表現が可能になり、多様な広告形態をとることができる。さらに他の応用例としては、触覚的インタラクションが考えられる。本発明を、形状入出力装置として用いることで、コンピュータグラフィックスとの相互作用を実現できる。また、力センサと組み合わせて、力覚入力装置としても用いることができる。また、硬い・柔らかいの質感を呈示することが可能である。
1 ピン
2 形状記憶合金
3 スプリング
4 連結部
10 マーカ
2 形状記憶合金
3 スプリング
4 連結部
10 マーカ
Claims (25)
- 長さ方向に移動自在の複数のピンから構成したピンアレイと、
各ピンに対応して設けた形状記憶合金の伸縮によって各ピンを長さ方向に移動させるピン駆動部と、
該形状記憶合金を収縮あるいは伸長させるための加熱手段と、
各ピンの位置を検出する位置検出手段と、
該位置検出手段によって検出された各ピンの位置情報に基づいて該ピン駆動部による各ピンの移動を制御する制御部と、
を有することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。 - 請求の範囲1において、該加熱手段は、該形状記憶合金への通電であることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求の範囲1,2いずれかにおいて、該形状記憶合金は、加熱によって収縮するものであることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求の範囲1に記載のディスプレイは、該形状記憶合金の強制冷却手段を含んでいることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至4いずれかにおいて、該形状記憶合金はコイル状形状記憶合金であることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至5いずれかにおいて、該ピン駆動部は、該形状記憶合金と連結されたスプリングを含んでいることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項6において、該形状記憶合金と該スプリングとの連結部が該ピンに固定されており、該連結部を介して該形状記憶合金の伸縮が該ピンに伝達されることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項6,7いずれかにおいて、該形状記憶合金、該スプリングは、該形状記憶合金の加熱手段である通電のための電気回路の部分を構成していることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至8いずれかにおいて、該ピンは中空部を有し、該ピン駆動部は該ピンの中空部内に設けてあることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項9において、該ピン駆動部は、コイル状の形状記憶合金と、スプリングと、該形状記憶合金の基端と該スプリングの先端とを連結する連結部とを有し、該ピン駆動部は、該連結部を介して該ピンの中空部の内壁に固定されていることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項10において、該ピンには、長さ方向に間隔を存して、長さ方向に延出する対向状の一対のスリットが2セット形成されており、各一対の対向状のスリットには、該ピンの長さ方向に直交する方向に延出するワイヤが挿通されており、一方のワイヤには該形状記憶合金の先端が連結されており、他方のワイヤには該スプリングの基端が連結されており、該ピンは、該ワイヤによって該スリットの長さ寸法内において長さ方向に移動可能に支持されていることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項11において、該ワイヤは該形状記憶合金の加熱手段である通電のためのリード線を構成していることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項11,12いずれかにおいて、該スリットは風冷手段の導風路を形成することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項11乃至13いずれかにおいて、それぞれの対向状のスリットを挿通するそれぞれのワイヤは、互いに直交する方向に延出することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項14において、該ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、一方のワイヤが列方向に延出し、他方のワイヤが行方向に延出することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至15いずれかにおいて、該加熱手段は通電であり、該ピンの駆動制御は各ピンに設けたスイッチの開閉によって行うことを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至15いずれかにおいて、該ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、該加熱手段は通電であり、該ピンの駆動制御はマトリクス駆動方式であり、該マトリクス駆動方式は、行方向に延出する第1リード線群と、列方向に延出する第2リード線群と、該第1リード線群の各第1リード線に設けた第1スイッチからなる第1スイッチ群と、該第2リード線群の各第2リード線に設けた第2スイッチからなる第2スイッチ群と、各第1リード線と各第2リード線とを接続する各第3リード線とを有し、第1スイッチ群および第2スイッチ群から第1スイッチ、第2スイッチを選択することで、所望の第3リード線を構成する形状記憶合金に通電するように構成されていることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項17において、各第3リード線には、非線形素子を配置したことを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項18において、該ピン駆動部は、形状記憶合金と、スプリングと、該形状記憶合金と該スプリングとを連結する連結部とを有し、該非線形素子は該連結部に設けてあることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至19いずれかにおいて、該位置検出手段は、各ピンに近接してそれぞれ設けた位置センサであることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項20において、該位置センサはフォトリフレクタを含むものであることを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項1乃至19いずれかにおいて、該ピンアレイは、行×列のマトリクス状に配置されており、各ピンを、各行数あるいは各列数が増える毎に各ピンの末端側が順次末端側へ突出するように階段状に配置することで、ピンの長さ方向に対して側方から観測した時に、全てのピンの末端部位が重ならずに観測できるように構成し、撮像手段で該ピンアレイの末端側の画像を取得し、該画像を処理することで各ピンの位置を検出するように構成したことを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項22において、各ピンの末端側には色マーカが設けてあり、該色マーカで色分けすることで画像処理によって各ピンの位置を検出することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項23において、行方向、列方向において隣位の色マーカ同士は異なる色を有しており、撮像手段で該ピンアレイの基端側の画像を取得し、該色マーカの色によって各ピンの位置を検出することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
- 請求項22において、各ピンの末端側には再帰性反射材からなるマーカが設けてあり、該マーカからの反射光を利用した画像処理によって各ピンの位置を検出することを特徴とする3次元形状ディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004156355A JP2005338382A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004156355A JP2005338382A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005338382A true JP2005338382A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35492044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004156355A Pending JP2005338382A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005338382A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012086435A1 (ja) * | 2010-12-21 | 2012-06-28 | 株式会社ニコン | 電子機器及び入出力システム |
JP2014016716A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Hyundai Motor Company Co Ltd | 電子デバイス |
CN106846990A (zh) * | 2016-12-30 | 2017-06-13 | 浙江八瓦文化创意发展有限公司 | 一种盲文识别转换指环 |
CN114305938A (zh) * | 2022-02-15 | 2022-04-12 | 福建铂利士医疗设备有限公司 | 一种医疗查房车 |
-
2004
- 2004-05-26 JP JP2004156355A patent/JP2005338382A/ja active Pending
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