JP2005337429A - Pulley unit having built-in clutch - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クラッチ内蔵型プーリユニットに関し、より詳細には、自動車のスタータやオルタネータ用プーリ、クランクプーリ、エンジンアイドルストップ時の補機駆動用モータに使用されるクラッチが内蔵されたクラッチ内蔵型プーリ等、自動車用補機に用いられるクラッチ内蔵型プーリユニットに関する。 The present invention relates to a pulley unit with a built-in clutch, and more particularly, a pulley with a built-in clutch in which a clutch used for a motor for driving an auxiliary machine at the time of engine idle stop is built. The present invention relates to a pulley unit with a built-in clutch used in an auxiliary machine for automobiles.
例えば、オルタネータ等の自動車用補機は、エンジンを駆動源とし、エンジンのクランク軸に固定された駆動プーリと、自動車用補機の回転軸に固定された従動プーリとの間に無端ベルト等の巻掛け伝達部材が巻き掛けられて駆動される。近年、オルタネータ等の自動車用補機は、高性能化、高出力化がますます進み、高回転、高荷重、高温、振動等の過酷な条件下で使用される。 For example, an automobile auxiliary machine such as an alternator uses an engine as a drive source, and an endless belt or the like is provided between a driving pulley fixed to the crankshaft of the engine and a driven pulley fixed to a rotating shaft of the automobile auxiliary machine. The winding transmission member is wound and driven. In recent years, alternators and other automotive auxiliary machines have been improved in performance and output, and are used under severe conditions such as high rotation, high load, high temperature, and vibration.
また、エンジンの回転角速度の微小変動は、無端ベルトのばたつきやベルト鳴きを誘起して、無端ベルトの寿命に悪影響を与えると共に、異音発生の一因となっていた。このため、自動車用補機のプーリに一方向クラッチを組み込んで、エンジンの回転角速度の変動が、自動車用補機に与える影響を少なくするようにしたクラッチ内蔵型プーリユニットの需要が高まっている。 In addition, minute fluctuations in the rotational angular velocity of the engine induce flapping of the endless belt and belt squeal, which adversely affects the life of the endless belt and contributes to the generation of abnormal noise. For this reason, there is an increasing demand for a pulley unit with a built-in clutch in which a one-way clutch is incorporated in a pulley of an automobile auxiliary machine so that the influence of fluctuations in the rotational angular velocity of the engine on the automobile auxiliary machine is reduced.
図12に示すように、従来のクラッチ内蔵型プーリユニット200は、オルタネータ等の自動車用補機(図示せず)の回転軸201に螺合して固定されるスリーブ202と、スリーブ202の径方向外側にスリーブ202と同芯に配設され、外周面にベルト溝203aが形成されたプーリ部材203とを備えている。また、スリーブ202の軸方向中央部における外周面202aとプーリ部材203の内周面203bとの間には、一方向クラッチ204が配置されており、スリーブ202の軸方向両端部における外周面202bとプーリ部材203の内周面203bとの間には、一方向クラッチ204を狭持するように一対の転がり軸受205が配置されている。
As shown in FIG. 12, the
一方向クラッチ204は、プーリ部材203の内周面203bに圧入固定されるクラッチ外輪206と、スリーブ202の外周面202aに圧入固定されるクラッチ内輪207と、クラッチ外輪206とクラッチ内輪207との間に回動自在に配設された複数のころ208とを備える。また、一方向クラッチ204は、各ころ208を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器209と、各ころ208をロック方向に弾性的に押圧するばね210とを有している。
The one-
クラッチ内輪207の外周面には、複数のランプ部207aが円周方向に所定の間隔で形成されており、ころ208は各ランプ部207aとクラッチ外輪206とから形成される環状のクラッチ空間に回動自在に保持されている。
A plurality of
そして、プーリ部材203の回転角速度が回転軸201の回転角速度より速い場合には、ころ208がくさび作用によってランプ部207aとクラッチ外輪206との間のクラッチ空間に噛み込まれて、プーリ部材203とスリーブ202とが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力が回転軸201に伝達される。一方、プーリ部材203の回転角速度が回転軸201の回転角速度より遅い場合には、ころ208の噛込みが解除されて、プーリ部材203とスリーブ202との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
When the rotational angular velocity of the
図12に示された従来技術では、スリーブ202とクラッチ内輪207とが別体として構成されており、クラッチ内輪207の内径d4は、一対の転がり軸受205の内輪が嵌合するスリーブ202の軸方向両端部における外周面202bの外径d3より大きくなっている。
In the prior art shown in FIG. 12, the
また、図13は従来の他のクラッチ内蔵型プーリユニット220を示す。このクラッチ内蔵型プーリユニット220は、スリーブとクラッチ内輪の構成が図12に示された従来技術と異なっており、クラッチ内輪がスリーブ221と一体に形成されている。
FIG. 13 shows another
また、従来のさらに他のクラッチ内蔵型プーリユニットとしては、スリーブの外周面とクラッチ内輪の内周面の少なくとも一方の面に、他方の面を部分的に塑性変形させて食い込みを生じさせる溝部または突部を形成し、クリープの発生を防止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。 In addition, as another conventional pulley unit with a built-in clutch, at least one of the outer peripheral surface of the sleeve and the inner peripheral surface of the clutch inner ring, a groove portion that causes biting by partially plastically deforming the other surface. A projection is formed to prevent the occurrence of creep (see, for example, Patent Document 1).
さらに、プーリとスリーブとの間に一方向クラッチを介装し、一方向クラッチと軸方向において重複しないスリーブの自動車補機側にシャフト固定部(雌ねじ部)を形成して、一方向クラッチ配置部の径方向内方に雌ねじ部が配置されないようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば、オルタネータに用いられるクラッチ内蔵型プーリユニットでは、スリーブに形成された雌ねじ部をオルタネータの回転軸に形成された雄ねじ部に螺合させることで、スリーブと回転軸とを固定させる。このため、プーリユニットの脱落防止を図るためには、ねじ部の締め付け強度を大きくする必要がある。しかしながら、図12及び図13に示すように、締め付け強度を大きくすると、ねじの締結によって生じたねじ部の変形は、矢印P方向に伝達されてスリーブ202、221、クラッチ内輪207を変形させ、ひいては複数のころ208が配置されたクラッチ空間が歪み、クラッチの正常な機能が阻害される要因となっていた。
For example, in a pulley unit with a built-in clutch used in an alternator, a sleeve and a rotary shaft are fixed by screwing a female screw portion formed on a sleeve with a male screw portion formed on a rotary shaft of the alternator. For this reason, in order to prevent the pulley unit from falling off, it is necessary to increase the tightening strength of the threaded portion. However, as shown in FIGS. 12 and 13, when the tightening strength is increased, the deformation of the thread portion caused by the fastening of the screw is transmitted in the direction of the arrow P to deform the
また、一方向クラッチ204の内部には、ころ208を潤滑するための潤滑剤が封入されており、潤滑剤の特性がクラッチの係合動作に影響を与える一つの要因となっている。潤滑剤は温度によって粘度が変化し、オルタネータで発生した熱がスリーブ202,221を介して一方向クラッチ204に伝達されて潤滑剤の温度が上昇すると、潤滑剤の粘度が低下して油膜形成が不十分となり、ころ208やランプ部207aが異常摩耗し、焼付きを発生する可能性があった。
In addition, a lubricant for lubricating the
さらに、特許文献1に開示されているクラッチ内蔵型プーリユニットでは、スリーブの外周面またはクラッチ内輪の外周面を塑性変形させることで、スリーブにクラッチ内輪が圧入されており、塑性変形による影響がクラッチ空間を歪ませる可能性があった。 Furthermore, in the pulley unit with a built-in clutch disclosed in Patent Document 1, the clutch inner ring is press-fitted into the sleeve by plastically deforming the outer peripheral surface of the sleeve or the outer peripheral surface of the clutch inner ring. There was a possibility of distorting the space.
また、特許文献2に開示されているクラッチ内蔵型プーリユニットでは、スリーブと回転軸のねじ締結の影響がクラッチ空間に及ばないように構成されているが、回転軸とプーリユニットとの結合長さを十分長くとることができず、プーリユニットが回転軸の一端に片持ち状に固定されることになる。従って、回転軸に対してプーリユニットが偏心して取り付けられたり、或いは無端ベルトの張力によってプーリユニットに半径方向の力が作用すると、プーリユニットが傾き、クラッチ性能に影響を与える可能性があった。 Further, the pulley unit with a built-in clutch disclosed in Patent Document 2 is configured so that the influence of screw fastening between the sleeve and the rotating shaft does not reach the clutch space. However, the coupling length between the rotating shaft and the pulley unit is not limited. Cannot be sufficiently long, and the pulley unit is cantilevered at one end of the rotating shaft. Therefore, if the pulley unit is eccentrically attached to the rotating shaft, or if a radial force acts on the pulley unit due to the tension of the endless belt, the pulley unit may be inclined and affect the clutch performance.
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転軸とプーリユニットとの結合による一方向クラッチの歪み、及び自動車用補機等から伝導される熱によってクラッチ性能に与える影響を排除し、安定したクラッチ作用を行うことができるクラッチ内蔵型プーリユニットを提供することである。 The present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and its purpose is to improve the clutch performance by the distortion of the one-way clutch due to the coupling of the rotating shaft and the pulley unit, and the heat conducted from the auxiliary equipment for automobiles. It is an object of the present invention to provide a pulley unit with a built-in clutch capable of eliminating the influence and performing a stable clutch action.
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外周面にベルト溝が形成されたプーリ部材と、
回転軸に形成された雄ねじ部を内周面に形成された雌ねじ部に螺合固定して前記回転軸と共に回転可能なスリーブと、
前記スリーブに外嵌固定され、前記プーリ部材の内側に同芯に配置された環状部材と、
前記プーリ部材の内周面と前記環状部材の外周面との間に設けられ、前記プーリ部材と前記スリーブ間でトルクを伝達可能な複数のトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器とを備えたクラッチと、
前記クラッチの軸方向両側に配置され、前記プーリ部材と前記スリーブとを相対回転可能に支持する一対の転がり軸受と、を備えたクラッチ内蔵型プーリユニットであって、
前記環状部材は、前記クラッチのクラッチ内輪を構成するクラッチ内輪領域と、前記一対の転がり軸受の内輪が嵌合する軸受嵌合領域とを備え、前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の内周面の内径は、前記軸受嵌合領域における前記環状部材の外周面の直径より小径であり、
前記雌ねじ部の径方向外方における前記スリーブと前記環状部材との間には、空間部が設けられていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリユニット。
(2) 前記空間部は、前記雌ねじ部の径方向外方における前記スリーブの外周面と前記雌ねじ部の径方向外方における前記環状部材の内周面の少なくとも一方に環状凹部を設けることによって形成されることを特徴とする(1)に記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。
(3) 前記スリーブは、その外周面がその軸方向一端部から前記雌ねじ部全体に亙って軸方向に形成された小径部と、該小径部からその軸方向他端部に亙って軸方向に形成された大径部とから構成され、
前記環状部材は、その内周面がその軸方向一端部から前記雌ねじ部の径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成された大径孔部と、該大径孔部からその軸方向他端部に亙って軸方向に形成された小径孔部とから構成されると共に、
前記空間部は、前記環状部材の前記大径孔部と前記スリーブの前記大径部、及び前記環状部材の前記小径孔部と前記スリーブの前記小径部とを嵌合させることによって形成されることを特徴とする(1)に記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。
(4) 前記環状部材及び前記スリーブの少なくとも一方は、互いに係合して相対的な軸方向移動を規制する係合部を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。
(5) 外周面にベルト溝が形成されたプーリ部材と、
回転軸に形成された雄ねじ部を内周面に形成された雌ねじ部に螺合固定して前記回転軸と共に回転可能なスリーブと、
前記スリーブに外嵌固定され、前記プーリ部材の内側に同芯に配置された環状部材と、
前記プーリ部材の内周面と前記環状部材の外周面との間に設けられ、前記プーリ部材と前記スリーブ間でトルクを伝達可能な複数のトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器とを備えたクラッチと、
前記クラッチの軸方向両側に配置され、前記プーリ部材と前記スリーブとを相対回転可能に支持する一対の転がり軸受と、を備えたクラッチ内蔵型プーリユニットであって、
前記環状部材は、前記クラッチのクラッチ内輪を構成するクラッチ内輪領域と、前記一対の転がり軸受の内輪が嵌合する軸受嵌合領域とを備え、前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の内周面の内径は、前記軸受嵌合領域における前記環状部材の外周面の直径より小径であり、
前記雌ねじ部の径方向外方における前記スリーブと前記環状部材との間の締め代は、残りの領域における前記スリーブと前記環状部材との間の締め代より小さく設定されていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリユニット。
(6) 前記クラッチの前記トルク伝達部材は、前記プーリ部材の内周面によって構成される第1のクラッチ軌道と前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の外周面によって構成される第2のクラッチ軌道との間に形成されたクラッチ空間に配置されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。
(7) 前記クラッチの前記トルク伝達部材は、前記プーリ部材の内周面に圧入されたクラッチ外輪によって構成される第1のクラッチ軌道と前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の外周面によって構成される第2のクラッチ軌道との間に形成されたクラッチ空間に配置されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。
The above object of the present invention can be achieved by the following constitution.
(1) a pulley member having a belt groove formed on the outer peripheral surface;
A sleeve that can be rotated together with the rotary shaft by screwing and fixing a male screw portion formed on the rotary shaft to a female screw portion formed on the inner peripheral surface;
An annular member that is externally fixed to the sleeve and is arranged concentrically on the inside of the pulley member;
A plurality of torque transmission members provided between the inner peripheral surface of the pulley member and the outer peripheral surface of the annular member, and capable of transmitting torque between the pulley member and the sleeve, and individually accommodating the torque transmission member. A clutch comprising a clutch retainer having a plurality of pockets;
A clutch built-in pulley unit comprising a pair of rolling bearings disposed on both axial sides of the clutch and supporting the pulley member and the sleeve so as to be relatively rotatable;
The annular member includes a clutch inner ring region constituting a clutch inner ring of the clutch, and a bearing fitting region in which inner rings of the pair of rolling bearings are fitted, and an inner peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The inner diameter is smaller than the diameter of the outer peripheral surface of the annular member in the bearing fitting region,
A pulley unit with a built-in clutch, characterized in that a space is provided between the sleeve and the annular member on the radially outer side of the female screw part.
(2) The space portion is formed by providing an annular recess on at least one of the outer peripheral surface of the sleeve on the radially outer side of the female screw portion and the inner peripheral surface of the annular member on the radially outer side of the female screw portion. The pulley unit with a built-in clutch as set forth in (1), wherein
(3) The sleeve has a small-diameter portion whose outer peripheral surface is formed in the axial direction from the one axial end portion to the entire female screw portion, and a shaft extending from the small-diameter portion to the other axial end portion. A large-diameter portion formed in the direction,
The annular member has a large-diameter hole portion formed in the axial direction over a portion where an inner peripheral surface thereof is located radially outward of the female screw portion from the one axial end portion, and the large-diameter hole portion. A small-diameter hole formed in the axial direction over the other axial end, and
The space portion is formed by fitting the large-diameter hole portion of the annular member and the large-diameter portion of the sleeve, and the small-diameter hole portion of the annular member and the small-diameter portion of the sleeve. The pulley unit with a built-in clutch as set forth in (1).
(4) At least one of the annular member and the sleeve has an engaging portion that engages with each other and restricts relative axial movement, according to any one of (1) to (3). Pulley unit with built-in clutch.
(5) a pulley member having a belt groove formed on the outer peripheral surface;
A sleeve that can be rotated together with the rotary shaft by screwing and fixing a male screw portion formed on the rotary shaft to a female screw portion formed on the inner peripheral surface;
An annular member that is externally fixed to the sleeve and is arranged concentrically on the inside of the pulley member;
A plurality of torque transmission members provided between the inner peripheral surface of the pulley member and the outer peripheral surface of the annular member, and capable of transmitting torque between the pulley member and the sleeve, and individually accommodating the torque transmission member. A clutch comprising a clutch retainer having a plurality of pockets;
A clutch built-in pulley unit comprising a pair of rolling bearings disposed on both axial sides of the clutch and supporting the pulley member and the sleeve so as to be relatively rotatable;
The annular member includes a clutch inner ring region constituting a clutch inner ring of the clutch, and a bearing fitting region in which inner rings of the pair of rolling bearings are fitted, and an inner peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The inner diameter is smaller than the diameter of the outer peripheral surface of the annular member in the bearing fitting region,
A fastening allowance between the sleeve and the annular member on a radially outer side of the female screw portion is set to be smaller than a fastening allowance between the sleeve and the annular member in the remaining region. Pulley unit with built-in clutch.
(6) The torque transmission member of the clutch includes a first clutch raceway constituted by an inner peripheral surface of the pulley member, and a second clutch raceway constituted by an outer peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The pulley unit with a built-in clutch according to any one of (1) to (5), which is disposed in a clutch space formed between the two.
(7) The torque transmission member of the clutch is configured by a first clutch raceway configured by a clutch outer ring press-fitted into an inner peripheral surface of the pulley member, and an outer peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The pulley unit with a built-in clutch according to any one of (1) to (5), which is disposed in a clutch space formed between the second clutch raceway and the second clutch raceway.
本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットによれば、クラッチ内輪領域における環状部材の内周面の内径は、軸受嵌合領域における環状部材の外周面の直径より小径であり、雌ねじ部の径方向外方におけるスリーブと環状部材との間には、空間部が設けられている。これにより、スリーブに回転軸を螺合固定することによるスリーブ(ねじ部)の変形は、空間部で吸収されて一方向クラッチに影響を及ぼすことはなく、一方向クラッチの変形を抑制することができる。従って、クラッチの機能を正常に維持し、ころの係合、解除作用を確実に行うことができ、クラッチ内蔵型プーリユニットが組み込まれた機器の機能を確保することができる。 According to the pulley unit with a built-in clutch of the present invention, the inner diameter of the inner circumferential surface of the annular member in the clutch inner ring region is smaller than the diameter of the outer circumferential surface of the annular member in the bearing fitting region. A space is provided between the sleeve and the annular member. Thereby, the deformation of the sleeve (threaded portion) by screwing and fixing the rotating shaft to the sleeve is absorbed in the space portion and does not affect the one-way clutch, and the deformation of the one-way clutch can be suppressed. it can. Therefore, the function of the clutch can be maintained normally, the roller can be engaged and released reliably, and the function of the device incorporating the clutch built-in pulley unit can be ensured.
また、スリーブから伝導される熱は、空間部で遮断されるので、空間部が設けられていない場合と比較すると、一方向クラッチに伝導される熱量を低減することができる。また、これによって、オルタネータ等の自動車用補機で発生した熱エネルギーがクラッチ内部に伝達され難くなり、封入された潤滑剤の粘度低下による潤滑不十分等の不具合の発生を防止することができる。従って、クラッチ内蔵型プーリユニットは、高速回転、高荷重等の厳しい条件下で用いられる発熱量の大きな自動車用補機にも使用が可能となる。 Moreover, since the heat conducted from the sleeve is blocked by the space portion, the amount of heat conducted to the one-way clutch can be reduced as compared with the case where the space portion is not provided. This also makes it difficult for heat energy generated in an automobile auxiliary machine such as an alternator to be transmitted to the inside of the clutch, thereby preventing problems such as insufficient lubrication due to a decrease in the viscosity of the enclosed lubricant. Therefore, the pulley unit with a built-in clutch can be used for an auxiliary machine for automobiles having a large calorific value that is used under severe conditions such as high speed rotation and high load.
また、本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットによれば、空間部は、雌ねじ部の径方向外方におけるスリーブの外周面、及び雌ねじ部の径方向外方における環状部材の内周面の少なくとも一方に環状凹部を設けることによって形成したので、簡単な加工によってスリーブと環状部材との間に空間部を形成することができる。特に、スリーブの外周面または環状部材の内周面のどちらか一方に環状凹部を設ける場合には、他方に環状凹部の加工が不要となり、クラッチ内蔵型プーリユニットの製作費用をより低減できる。 Further, according to the pulley unit with a built-in clutch of the present invention, the space portion is formed on at least one of the outer peripheral surface of the sleeve radially outward of the female screw portion and the inner peripheral surface of the annular member radially outward of the female screw portion. Since it was formed by providing the annular recess, the space portion can be formed between the sleeve and the annular member by simple processing. In particular, when an annular recess is provided on either the outer peripheral surface of the sleeve or the inner peripheral surface of the annular member, the processing of the annular recess is not required on the other, and the manufacturing cost of the clutch built-in pulley unit can be further reduced.
また、本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットによれば、スリーブを小径部と大径部とから形成し、環状部材を小径孔部と大径孔部とから形成して、環状部材の大径孔部とスリーブの大径部、及び環状部材の小径孔部とスリーブの小径部とを嵌合させることによって空間部を形成したので、環状部材及びスリーブの加工が容易となる。また、環状部材とスリーブとの圧入がし易く、単に環状部材とスリーブとを組み付けるだけで、所定の位置(雌ねじ部の径方向外方)に空間部を確実に形成することができる。 Further, according to the pulley unit with a built-in clutch of the present invention, the sleeve is formed from the small diameter portion and the large diameter portion, the annular member is formed from the small diameter hole portion and the large diameter hole portion, and the large diameter hole of the annular member is formed. Since the space portion is formed by fitting the portion and the large-diameter portion of the sleeve, and the small-diameter hole portion of the annular member and the small-diameter portion of the sleeve, the annular member and the sleeve can be easily processed. Further, the annular member and the sleeve can be easily press-fitted, and the space portion can be reliably formed at a predetermined position (outward in the radial direction of the female screw portion) simply by assembling the annular member and the sleeve.
また、本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットによれば、環状部材及びスリーブは、互いに係合して相対的な軸方向移動を規制する係合部を少なくともどちらか一方に設けたので、環状部材とスリーブとの圧入時に、軸方向の位置決めを容易に行うことができる。具体的には、係合部が相手部材に当接する位置まで圧入するだけで、容易に所定の位置に組み付けることができる。また、ベルトのミスアライメント等によって、クラッチ内輪に軸方向の力が作用しても、係合部の係合によって軸方向移動を阻止することができる。従って、クラッチ内蔵型プーリユニットの機能は、安定して維持される。 Further, according to the pulley unit with a built-in clutch of the present invention, the annular member and the sleeve are provided with at least one of the engaging portions that engage with each other and restrict relative axial movement. Positioning in the axial direction can be easily performed during press-fitting with the sleeve. Specifically, it can be easily assembled at a predetermined position by simply press-fitting the engagement portion to a position where it comes into contact with the mating member. Further, even if an axial force acts on the inner ring of the clutch due to misalignment of the belt or the like, the axial movement can be prevented by the engagement of the engaging portion. Therefore, the function of the clutch built-in pulley unit is stably maintained.
また、本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットによれば、クラッチ内輪領域における環状部材の内周面の内径は、軸受嵌合領域における環状部材の外周面の直径より小径であり、雌ねじ部の径方向外方におけるスリーブと環状部材との締め代は、それ以外の領域におけるスリーブと環状部材との締め代より小さく設定されているので、ねじ締結による環状部材の変形を締め代が小さな領域で吸収することができ、一方向クラッチの変形を抑制することができる。本発明のクラッチ内蔵型プーリユニットは、特に、ねじの締結力が小さい場合、ポアソン比の小さい場合に有効である。従って、クラッチの機能を正常に維持し、ころの係合、解除作用を確実に行うことができる。また、スリーブ及び環状部材の加工が容易である。 According to the pulley unit with a built-in clutch of the present invention, the inner diameter of the inner circumferential surface of the annular member in the clutch inner ring region is smaller than the diameter of the outer circumferential surface of the annular member in the bearing fitting region, and the radial direction of the female thread portion Since the tightening allowance between the sleeve and the annular member on the outer side is set smaller than the tightening allowance between the sleeve and the annular member in the other region, the deformation of the annular member due to screw fastening is absorbed in the region where the tightening allowance is small. And deformation of the one-way clutch can be suppressed. The pulley unit with a built-in clutch according to the present invention is particularly effective when the screw fastening force is small or the Poisson's ratio is small. Therefore, the function of the clutch can be maintained normally, and the roller engagement and release operations can be performed reliably. Further, the processing of the sleeve and the annular member is easy.
以下、本発明の各実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて図面を参照して詳細に説明する。 Hereinafter, a pulley unit with a built-in clutch according to each embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。
図1は本発明の第1実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図であり、図2はねじ締結によるスリーブの変形が空間部によって吸収される状態を示す図1における部分断面図である。
(First embodiment)
First, a pulley unit with a built-in clutch according to a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
1 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a first embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a partial sectional view in FIG. 1 showing a state in which deformation of a sleeve due to screw fastening is absorbed by a space portion. is there.
図1に示すように、本実施形態に係るプーリユニット10は、オルタネータ等の自動車用補機(図示せず)の回転軸11に形成された雄ねじ部11aが螺合する雌ねじ部12aが内周面に形成されたスリーブ12を備えており、スリーブ12は回転軸11を螺合固定して回転軸11と共に回転する。また、プーリユニット10は、スリーブ12の径方向外側にスリーブ12と同芯に配設され、外周面にベルト溝13aが形成されたプーリ部材13を備える。プーリ部材13とクランク軸(図示せず)に設けられた駆動プーリ(図示せず)との間には、無端ベルト(図示せず)が巻き掛けられており、エンジンの回転力を無端ベルトを介してプーリ部材13に伝達する。
なお、ベルト溝13aは、使用される無端ベルトに応じて、V溝、ポリV溝、歯型溝に形成される。
As shown in FIG. 1, the
The
スリーブ12の外周面12bには、別体の環状部材14が圧入により外嵌固定されており、環状部材14はプーリ部材13の内側に同芯に配置されている。環状部材14はスリーブ12と略同一な軸方向長さを有しており、その内周面14aはスリーブ12の外周面12bに圧入されている。
A separate
雌ねじ部12aの径方向外方におけるスリーブ12の外周面12bには、雌ねじ部12aの軸方向長さと略同じ長さに亙って環状凹部12cが形成されている。また、環状部材14の内周面14aには、スリーブ12を環状部材14に圧入により嵌合したとき、雌ねじ部12aの径方向外方における軸方向位置に、雌ねじ部12aの軸方向長さと略同じ長さに亙って環状凹部14bが形成されている。そして、スリーブ12を環状部材14に嵌合させると、スリーブ12の環状凹部12cと環状部材14の環状凹部14bとが対向配置され、環状凹部12cと環状凹部14bとによって、スリーブ12と環状部材14との嵌合面間に環状の空間部Sが形成されている。
An
また、環状部材14の軸方向中間部における外周面14cは、軸方向両端部における外周面14dより大径に形成されている。プーリ部材13の内周面13bと環状部材14の軸方向中間部における外周面14cとの間には、本発明のクラッチである一方向クラッチ15が設けられる。また、一方向クラッチ15の軸方向両側で、プーリ部材13の内周面13bと環状部材14の軸方向両端部における外周面14dとの間には、本発明の一対の転がり軸受である深溝玉軸受16が設けられている。
Moreover, the outer
各玉軸受16は、プーリ部材13に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ12とプーリ部材13とを相対回転可能に支持する。各玉軸受16は、内周面に外輪軌道17aを有する外輪17と、外周面に内輪軌道18aを有する内輪18と、外輪軌道17aと内輪軌道18a間に転動自在に設けた転動体である複数の玉19と、各玉19を保持する保持器20とを有する。また、外輪17の両端部内周面と内輪18の両端部外周面との間に、シールリング21,21が設けられており、各玉軸受16の軸受空間の両端開口部を塞いでいる。外輪17は、プーリ部材13の内周面13bに締め代を持って圧入されており、内輪18は、環状部材14の軸方向両端部における外周面14dに締め代を持って圧入されている。
Each
一方向クラッチ15は、プーリ部材13の内周面13bに圧入により内嵌固定されるクラッチ外輪22を有する。また、環状部材14の軸方向中間部における外周面14cには、複数のランプ部14eが円周方向に所定の間隔で形成されている。そして、本発明の第1のクラッチ軌道であるクラッチ外輪22の内周面と本発明の第2のクラッチ軌道である各ランプ部14eとから形成される環状のクラッチ空間には、本発明のトルク伝達部材である複数のころ23と、ころ23を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器24と、ばね25とが配置されている。クラッチ保持器24は、環状部材14に相対回転不能に外嵌されており、各ころ23を転動及び円周方向に若干の変位自在に支持する。また、ばね25は、円周方向においてころ23とクラッチ保持器24の柱部(図示せず)との間に設けられており、クラッチ空間が浅くなる方向、即ち、ロック方向にころ23を押圧する。
The one-way clutch 15 has a clutch
一方向クラッチ15は、プーリ部材13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より速い場合には、ころ23がくさび作用によってランプ部14eとクラッチ外輪22との間に噛み込まれて、プーリ部材13とスリーブ12とが相対回転不能(ロック状態)となり、プーリ部材13から回転軸11に回転力を伝達する。一方、プーリ部材13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より遅い場合には、ころ23の噛込みが解除されて、プーリ部材13とスリーブ12との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
When the rotational angular velocity of the
ここで、環状部材14は、軸方向中間部における外周面14cにおいて一方向クラッチ15のクラッチ内輪を構成するクラッチ内輪領域aと、軸方向両端部の外周面14dにおいて各玉軸受16の内輪18の内周面と嵌合する軸受嵌合領域bとを構成している。そして、クラッチ内輪領域aにおける環状部材14の内周面14aの内径d1は、軸受嵌合領域bにおける環状部材14の外周面14dの直径d2より小径となっている。また、クラッチ内輪領域aは、雌ねじ部12aと軸方向においてオーバーラップして位置しており、本実施形態では、軸方向において略一致している。勿論、クラッチ内輪領域aは空間部Sとも軸方向においてオーバーラップしており、本実施形態では、軸方向に略一致している。
Here, the
このように構成されたクラッチ内蔵型プーリユニットにおいて、図2に示すように、スリーブ12の雌ねじ部12aと回転軸11の雄ねじ部11aとを螺合することによって、スリーブ12は締結力により径方向外方(矢印P方向)に変形するが、該スリーブ12の変形は、スリーブ12と環状部材14との間に形成された空間部Sによって吸収されるので、スリーブ12の変形が環状部材14に影響を及ぼすことはない。従って、クラッチ外輪22の内周面と各ランプ部14eとから形成されるクラッチ空間の変形が抑制されて正常なクラッチ機能が維持される。
In the pulley unit with a built-in clutch configured as described above, as shown in FIG. 2, the
また、スリーブ12と環状部材14との間に空間部Sを設けることによって、スリーブ12から環状部材14に伝導される熱量は、大幅に低減する。一般に、伝導熱量は次式により求められる。
Q=λ×θ×A×t/σ
ここで、Qは全伝導熱量、λは熱伝導率、θは温度差、Aは表面積、tは時間、σは熱が伝導される壁の厚さである。
Further, by providing the space S between the
Q = λ × θ × A × t / σ
Here, Q is the total heat of conduction, λ is the thermal conductivity, θ is the temperature difference, A is the surface area, t is the time, and σ is the thickness of the wall through which heat is conducted.
気体の熱伝導率λは、固体の熱伝導率λより遥かに小さいことが知られている。具体的には、空間部Sに存在する空気の熱伝導率λは、固体であるスリーブ12及び環状部材14の熱伝導率λより遥かに小さく、上式から空間部Sを介してスリーブ12から環状部材14に伝導される熱量は極めて小さく、空間部Sにおける伝導熱量は無視できる。
これにより、空間部Sを設けた場合のスリーブ12と環状部材14との接触面積Aは、空間部Sを設けない場合のものと比較して小さくなり、温度差θ、時間t、壁厚さσを同条件とすると、伝導熱量は小さくなることが分かる。
It is known that the thermal conductivity λ of a gas is much smaller than the thermal conductivity λ of a solid. Specifically, the thermal conductivity λ of air existing in the space S is much smaller than the thermal conductivity λ of the
Thus, the contact area A between the
従って、オルタネータ等の自動車用補機で発生した熱エネルギーが一方向クラッチ15に伝導される熱量は大幅に低減され、一方向クラッチ15の温度上昇は大幅に抑制される。従って、潤滑剤の粘度低下による潤滑不良が生じることはなく、一方向クラッチ15の異常摩耗や焼付きが防止され、長期間に亙って機能を維持することができる。
また、本実施形態の構成では、一対の深溝玉軸受16に伝導される熱量も低減されることから、一対の深溝玉軸受16の軸受空間における潤滑剤にとっても同様の効果を奏する。
Therefore, the amount of heat that is transmitted to the one-way clutch 15 by the heat energy generated in the auxiliary equipment for automobiles such as an alternator is greatly reduced, and the temperature rise of the one-way clutch 15 is greatly suppressed. Therefore, lubrication failure due to a decrease in the viscosity of the lubricant does not occur, abnormal wear or seizure of the one-way clutch 15 is prevented, and the function can be maintained over a long period of time.
Further, in the configuration of the present embodiment, since the amount of heat conducted to the pair of deep
本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット10によれば、クラッチ内輪領域aにおける環状部材14の内周面の内径d1は、一対の転がり軸受16の内輪18が嵌合する軸受嵌合領域bにおける環状部材14の外周面14dの直径d2より小径であり、且つ雌ねじ部12aの径方向外方におけるスリーブ12と環状部材14との間には、空間部Sが設けられている。これにより、スリーブ12に回転軸11を螺合固定することによるスリーブ12(雌ねじ部12a)の変形は、空間部Sで吸収されて一方向クラッチ15に影響を及ぼすことはなく、一方向クラッチ15の変形を抑制することができる。従って、クラッチ機能を正常に維持し、ころ23の係合、解除作用を確実に行うことができ、クラッチ内蔵型プーリユニット10が組み込まれた機器の機能を確保することができる。
According to the
また、スリーブ12に伝導された熱は、空間部Sで遮断されるので、空間部Sが設けられていない場合と比較すると、一方向クラッチ15に伝導される熱量Qを低減することができる。また、これによって、オルタネータ等の自動車用補機で発生した熱エネルギーがクラッチ内部に伝達され難くなり、封入された潤滑剤の粘度低下による潤滑不十分等の不具合の発生を防止することができる。従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット10は、高速回転、高荷重等の厳しい条件下で用いられる発電負荷が大きなオルタネータや発熱量の大きなオルタネータにおいても安定したクラッチ係合動作を行うことができる。
Moreover, since the heat conducted to the
さらに、クラッチ内輪領域aにおける環状部材14の内周面14aの内径d1は、軸受嵌合領域bにおける環状部材14の外周面14dの直径d2より小径となっていることから、環状部材14の肉厚を厚くすることができる。これによって、環状部材に作用する応力、特にランプ部に発生する応力集中を低減させてクラッチ内輪を構成する環状部材14の割れを防止することができる。
Further, the inner diameter d 1 of the inner
また、空間部Sは、スリーブ12の環状凹部12cと環状部材14の環状凹部14bとによって構成したので、簡単な加工によってスリーブ12と環状部材14との間に空間部Sを形成することができ、クラッチ内蔵型プーリユニット10を安価に製作できる。
Further, since the space portion S is constituted by the
なお、空間部Sの径方向厚さは、図2に示されるようにねじ締結によるスリーブ12の変形を空間部Sによって吸収してクラッチ空間に伝播しない程度が望まれるが、環状部材14に形成されたクラッチ軌道が変化してもクラッチ機能に支障がでない程度の厚さがあればよい。
As shown in FIG. 2, the thickness of the space S in the radial direction is preferably such that the deformation of the
(第2実施形態)
次に、図3を参照して本発明の第2実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Second Embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図3は本発明の第2実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。図3に示すように、第2実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット30は、環状部材14にのみ環状凹部14bが設けられており、内周面に雌ねじ部31aが形成されたスリーブ31には環状凹部が形成されていない点が第1実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット10と異なる。
FIG. 3 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a second embodiment of the present invention. As shown in FIG. 3, the
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット30によれば、空間部Sは、雌ねじ部31aの径方向外方における環状部材14の内周面にのみ環状凹部14bを設けることによって形成したので、より簡単な加工によってスリーブ31と環状部材14との間に空間部Sを形成することができ、クラッチ内蔵型プーリユニット30をより安価に製作できる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
Therefore, according to the
Other configurations and operations are the same as those in the first embodiment.
(第3実施形態)
次に、図4を参照して本発明の第3実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Third embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図4は本発明の第3実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。図4に示すように、第3実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット40は、スリーブ12にのみ環状凹部12cが設けられており、環状部材41には環状凹部が形成されていない点が第1実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット10と異なる。
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a third embodiment of the present invention. As shown in FIG. 4, the clutch built-in
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット40によれば、空間部Sは、雌ねじ部12aの径方向外方におけるスリーブ12の外周面にのみ環状凹部12cを設けることによって形成したので、より簡単な加工によってスリーブ12と環状部材41との間に空間部Sを形成することができ、クラッチ内蔵型プーリユニット40をより安価に製作できる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
Therefore, according to the
Other configurations and operations are the same as those in the first embodiment.
(第4実施形態)
次に、図5を参照して本発明の第4実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Fourth embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図5は本発明の第4実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。 図5に示すように、第4実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット50では、スリーブ51は、その外周面が小径部51bと、小径部51bより径が大きな大径部51cとから構成されている。小径部51bは、スリーブ51の軸方向一端部から雌ねじ部51a全体に亙って軸方向に形成されており、大径部51cは小径部51bからスリーブ51の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。また、環状部材52は、その内周面が小径孔部52bと、小径孔部52bより内径が大きな大径孔部52cとから構成されている。大径孔部52cは、環状部材52の軸方向一端部から雌ねじ部51aの径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成されており、小径孔部52bは大径孔部52cから環状部材52の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。なお、スリーブ51の小径部51b及び環状部材52の小径孔部52bは、フロント側(自動車用補機側)に形成されている。
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a fourth embodiment of the present invention. As shown in FIG. 5, in the
スリーブ51の小径部51bの外径は、環状部材52の小径孔部52bの内径と略同一であり、更にスリーブ51の大径部51cの外径は、環状部材52の大径孔部52cの内径と略同一である。そして、環状部材52の大径孔部52cとスリーブ51の大径部51c、及び環状部材52の小径孔部52bとスリーブ51の小径部51bとを圧入により嵌合させることによって、環状部材52とスリーブ51とが組み付けられる。このとき、雌ねじ部51aの径方向外方における環状部材52とスリーブ51との間には、環状部材52の大径孔部52cとスリーブ51の小径部51bによって、雌ねじ部51aの軸方向長さと略同じ軸方向長さを有する空間部Sが形成される。
The outer diameter of the
本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット50によれば、スリーブ51は小径部51bと大径部51cとから構成され、環状部材52は小径孔部52bと大径孔部52cとから構成され、環状部材52の大径孔部52cとスリーブ51の大径部51c、及び環状部材52の小径孔部52bとスリーブ51の小径部51bとを嵌合させることによって空間部Sを形成している。これにより、環状部材52及びスリーブ51の加工が容易となる。 また、環状部材52とスリーブ51との圧入がし易く、更に単に環状部材52とスリーブ51とを嵌合するだけで、所定の位置(雌ねじ部51aの径方向外方)に空間部Sを確実に形成することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態と同様である。
According to the clutch built-in
Other configurations and operations are the same as those in the first embodiment.
なお、第4実施形態の変形例として、クラッチ内蔵型プーリユニット60は、図6に示されるように、スリーブ51の大径部51c及び環状部材52の大径孔部52cが、第4実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット50と逆に、フロント側(自動車用補機側)に配置されていてもよく、同様の効果を奏する。
As a modified example of the fourth embodiment, the
(第5実施形態)
次に、図7を参照して本発明の第5実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第4実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Fifth embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a fifth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the fourth embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図7は本発明の第5実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。 図7に示すように、第5実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット70は、環状部材71に係合部71dが形成されている点において第4実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット50と異なる。
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a fifth embodiment of the present invention. As shown in FIG. 7, the clutch-embedded
環状部材71は、その内周面が小径孔部71bと、小径孔部71bより内径が大きな大径孔部71cとから構成されている。大径孔部71cは、環状部材71の軸方向一端部から雌ねじ部51aの径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成されており、小径孔部71bは大径孔部71cから環状部材71の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。また、環状部材71の大径孔部71cの中間部には径方向内方に突出する環状の係合部71dが形成されている。
The
そして、クラッチ内蔵型プーリユニット50と同様に、スリーブ51の小径部51b及び環状部材71の小径孔部71bがフロント側(自動車用補機側)に形成され、大径部51c、大径孔部71cがその反対側に形成されている。
係合部71dは、環状部材71にスリーブ51を圧入により嵌合したとき、スリーブ51の小径部51bと大径部51cとの段部に係合するように位置している。そして、雌ねじ部51aの径方向外方における環状部材71とスリーブ51との間には、雌ねじ部51aの軸方向長さと略同じ軸方向長さを有する空間部Sが形成される。
Similarly to the
The engaging
また、本実施形態の回転軸11は、スリーブ51の雌ねじ部51aに螺合する雄ねじ部11aが小径とされた段付軸として形成されており、回転軸11の段部11bがスリーブ51及び環状部材71のフロント側(自動車用補機側)側面に当接している。従って、環状部材71の矢印A方向への軸方向移動は、スリーブ51の段部に係合する係合部71dによって阻止され、また矢印B方向への軸方向移動は、回転軸11の段部11bによって阻止される。これによって、スリーブ51と環状部材71とが相対的に軸方向に移動することはない。
Further, the rotating
本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット70によれば、環状部材71の大径孔部71cに、互いに係合してスリーブ51との相対的な軸方向移動を規制する係合部71dを設けたので、環状部材71とスリーブ51との組み付け時に、軸方向の位置決めを容易に行うことができる。具体的には、係合部71dがスリーブ51の段部に当接する位置まで圧入するだけで、所定の位置に組み付けることができる。また、ベルトのミスアライメント等によって、クラッチ内輪を構成する環状部材71に軸方向の力が作用しても、係合部71dの係合によって軸方向移動を規制することができる。従って、クラッチ内蔵型プーリユニット70の機能は、安定して維持される。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
According to the
Other configurations and operations are the same as those in the first embodiment.
なお、第5実施形態の変形例として、クラッチ内蔵型プーリユニット80は、図8に示されるように、スリーブ51の大径部51c及び環状部材71の大径孔部71cが、第5実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット70と逆に、フロント側(自動車用補機側)に配置されていてもよく、同様の効果を奏する。
As a modification of the fifth embodiment, as shown in FIG. 8, the
(第6実施形態)
次に、図9を参照して本発明の第6実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第4実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Sixth embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a sixth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the fourth embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図9は本発明の第6実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。 図9に示すように、第6実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット90では、第4実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット50と同様に、スリーブ91は、その外周面が小径部91bと、小径部91bより径が大きな大径部91cとから構成されている。小径部91bは、スリーブ91の軸方向一端部から雌ねじ部91a全体に亙って軸方向に形成されており、大径部91cは小径部91bからスリーブ91の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。また、環状部材92は、その内周面が小径孔部92bと、小径孔部92bより内径が大きな大径孔部92cとから構成されている。大径孔部92cは、環状部材92の軸方向一端部から雌ねじ部91aの径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成されており、小径孔部92bは大径孔部92cから環状部材92の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。なお、スリーブ91の小径部91b及び環状部材92の小径孔部92bは、フロント側(自動車用補機側)に配置されており、スリーブ91の大径部91c及び環状部材92の大径孔部92cはその反対側に配置されている。
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a sixth embodiment of the present invention. As shown in FIG. 9, in the
環状部材92の小径孔部92bの側端部には、径方向内方に突出する環状の係合部92dが形成されている。スリーブ91の軸方向長さは、係合部92dの厚さ分だけ短く形成されており、係合部92dが、スリーブ91のフロント側(自動車用補機側)端面に係合する。回転軸11の段部11bは、環状部材92のフロント側(自動車用補機側)側面(係合部92dの側面)に当接している。従って、環状部材92の矢印A方向への軸方向移動は、スリーブ91のフロント側端面に係合する係合部92dによって阻止され、また矢印B方向への軸方向移動は、回転軸11の段部11bによって阻止される。これによって、スリーブ91と環状部材92との相対的な軸方向移動が防止される。
An
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット90によれば、環状部材92の端部に、互いに係合して相対的な軸方向移動を規制する係合部92dを設けたので、環状部材92とスリーブ91との組み付け時に、軸方向の位置決めを容易に行うことができ、係合部92dが相手部材に当接する位置まで圧入するだけで、所定の位置に正確に組み付けることができる。また、ベルトのミスアライメント等によって、クラッチ内輪に軸方向の力が作用しても、係合部92dの係合によって軸方向移動を規制することができる。従って、クラッチ内蔵型プーリユニット90の機能は、安定して維持される。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
Therefore, according to the
Other configurations and operations are the same as those of the fourth embodiment.
なお、図10は、第6実施形態の変形例である、クラッチ内蔵型プーリユニット100を示す。スリーブ101は、その外周面が小径部101bと、小径部101bより径が大きな大径部101cとから構成されている。小径部101bは、スリーブ101の軸方向一端部から雌ねじ部101a全体に亙って軸方向に形成されており、大径部101cは小径部101bからスリーブ101の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。また、環状部材102は、その内周面が小径孔部102bと、小径孔部102bより内径が大きな大径孔部102cとから構成されている。大径孔部102cは、環状部材102の軸方向一端部から雌ねじ部101aの径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成されており、小径孔部102bは大径孔部102cから環状部材102の軸方向他端部に亙って軸方向に形成されている。
FIG. 10 shows a clutch built-in
この変形例では、第6実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット90と逆に、スリーブ101の大径部101c及び環状部材102の大径孔部102cがフロント側(自動車用補機側)に配置されている。また、スリーブ101のフロント側端面に、径方向外方に突出する鍔状の係合部101dが形成されており、環状部材102の軸方向長さは、係合部101dの厚さ分だけ短く形成されている。これにより、係合部101dが環状部材102のフロント側(自動車用補機側)端面に係合する一方、回転軸11の段部11bが、スリーブ101のフロント側(自動車用補機側)側面(係合部101dの側面)に当接することで、同様の効果を奏している。
In this modification, the large-
(第7実施形態)
次に、図11を参照して本発明の第7実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリユニットについて説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、同一の符号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
(Seventh embodiment)
Next, a pulley unit with a built-in clutch according to a seventh embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Note that the same or equivalent parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted or simplified.
図11は本発明の第7実施形態であるクラッチ内蔵型プーリユニットの縦断面図である。図11示すように、第7実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット110は、内周面に雌ねじ部111aが形成され、回転軸11が螺合して固定されるスリーブ111を備えており、スリーブ111は回転軸11と共に回転する。スリーブ111の外周面111bには、別体の環状部材112が圧入により外嵌固定されており、環状部材112はプーリ部材13と同芯に配置されている。環状部材112はスリーブ111と略同一な軸方向長さを有しており、その内周面112aはスリーブ111の外周面111bに軸方向長さに亙って圧入されている。
FIG. 11 is a longitudinal sectional view of a pulley unit with a built-in clutch according to a seventh embodiment of the present invention. As shown in FIG. 11, the
スリーブ111と環状部材112との圧入時の締め代は、軸方向に夫々異なる締め代が設定されている。具体的には、スリーブ111の雌ねじ部111aの径方向外方(図11において領域lの範囲)におけるスリーブ111の外周面111bと環状部材112の内周面112aとの締め代は、それ以外の領域(図11において領域m及びnの範囲)におけるスリーブ111の外周面111bと環状部材112の内周面112aとの締め代より小さく設定されている。
The tightening allowance when the
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット110によれば、スリーブ111の雌ねじ部111aに回転軸11を螺合して固定するときに生じるスリーブ111の径方向への歪み変形は、雌ねじ部111aの径方向外方に設定された締め代の小さな領域におけるスリーブ111及び環状部材112の弾性変形によって吸収されるので、環状部材112、惹いては一方向クラッチ15に影響を与えることはない。スリーブ111及び環状部材112に環状凹部を設けない本実施形態のクラッチ内蔵型プーリユニット110は、特に、ねじの締結力が小さい場合、スリーブ111、環状部材112のヤング率が大きな場合、ポアソン比の小さい場合に有効である。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
Therefore, according to the
Other configurations and operations are the same as those in the first embodiment.
なお、本実施形態の締め代は、空間部Sを形成した第1実施形態〜第6実施形態で説明された手法を用いて設定可能である。例えば、領域lにおける締め代を小さくするため、第1〜3実施形態のように、スリーブの外周面と環状部材の内周面の少なくとも一方に環状凹部を設けるようにしてもよく、第4実施形態のように、小径部と大径部からなるスリーブと小径孔部と大径孔部からなる環状部材を嵌合することによって設けるようにしてもよい。また、第5及び第6実施形態のように、スリーブと環状部材の少なくとも一方に、互いに係合して相対的な軸方向移動を規制する係合部を有するように構成してもよい。 In addition, the interference allowance of this embodiment can be set using the method demonstrated in 1st Embodiment-6th Embodiment in which the space part S was formed. For example, in order to reduce the interference in the region l, an annular recess may be provided on at least one of the outer peripheral surface of the sleeve and the inner peripheral surface of the annular member as in the first to third embodiments. You may make it provide by fitting the annular member which consists of a sleeve which consists of a small diameter part and a large diameter part, and a small diameter hole part, and a large diameter hole part like a form. Further, as in the fifth and sixth embodiments, at least one of the sleeve and the annular member may be configured to have an engaging portion that engages with each other and restricts relative axial movement.
尚、本発明は、前述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本実施形態においては、一方向クラッチのクラッチ空間は、プーリ部材の内周面に圧入されたクラッチ外輪によって構成される第1のクラッチ軌道と環状部材のランプ部によって構成される第2のクラッチ軌道との間に形成されたが、第1のクラッチ軌道はクラッチ外輪が一体化されたプーリ部材の内周面によって構成されてもよい。
Note that the present invention is not limited to the above-described embodiments and modifications, and modifications and improvements can be made as appropriate.
In this embodiment, the clutch space of the one-way clutch is a first clutch raceway constituted by a clutch outer ring press-fitted into the inner peripheral surface of the pulley member, and a second clutch raceway constituted by a ramp portion of the annular member. However, the first clutch raceway may be formed by an inner peripheral surface of a pulley member in which a clutch outer ring is integrated.
また、プーリユニットは、クラッチ内輪を構成する環状部材にランプ部が形成されたものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、プーリ部材の内周面、或いはプーリ部材に圧入されたクラッチ外輪の内周面にランプ部が形成されたプーリユニットであってもよい。 The pulley unit has been described as having a ramp portion formed on an annular member constituting the clutch inner ring. However, the pulley unit is not limited to this. For example, the pulley unit is press-fitted into the inner peripheral surface of the pulley member or the pulley member. A pulley unit in which a ramp portion is formed on the inner peripheral surface of the outer ring of the clutch may also be used.
さらに、本実施形態の一方向クラッチでは、トルク伝達部材としてころを用いたが、スプラグが対向するクラッチ軌道間に配置されてもよく、プーリ部材とスリーブ間でトルクを伝達可能なものであれば、特に限定されない。また、一方向クラッチに適用されるばねは板ばねであっても、コイルばねであってもよく、トルク伝達部材をロック側に押圧できるばねであれば、特に限定されない。
また、本実施形態では、クラッチは一方向クラッチとしたが、くさび作用を行なう方向を選択できるようにした両方向クラッチであってもよい。
Further, in the one-way clutch of the present embodiment, the roller is used as the torque transmission member. However, the sprag may be disposed between the facing clutch raceways as long as the torque can be transmitted between the pulley member and the sleeve. There is no particular limitation. The spring applied to the one-way clutch may be a leaf spring or a coil spring, and is not particularly limited as long as it can press the torque transmitting member toward the lock side.
In the present embodiment, the clutch is a one-way clutch, but it may be a two-way clutch that allows selection of the direction in which the wedge action is performed.
本実施形態のプーリ部材はベルトによって駆動されているが、ベルト及びカップリングゴムによって駆動されるように構成されてもよい。
また、一方向クラッチの軸方向両側に配置された転がり軸受は、深溝玉軸受以外の形式の転がり軸受であってもよい。
さらに、本発明のプーリユニットは、自動車用補機に組み込まれるプーリユニットに限定されることはなく、一方向クラッチが組み込まれるどのような機器にも適用することができる。
The pulley member of this embodiment is driven by a belt, but may be configured to be driven by a belt and coupling rubber.
Further, the rolling bearings disposed on both sides in the axial direction of the one-way clutch may be a rolling bearing of a type other than the deep groove ball bearing.
Furthermore, the pulley unit of the present invention is not limited to a pulley unit incorporated in an automobile auxiliary machine, and can be applied to any device in which a one-way clutch is incorporated.
10,30,40,50,60,70,80,90,100,110 クラッチ内蔵型プーリユニット
11 回転軸
11a 雄ねじ部
12、31,51,91,101,111 スリーブ
12a、31a,51a,91a,101a,111a 雌ねじ部
12c、14b 環状凹部
13 プーリ部材
14,41,52,71,92,102,112 環状部材
15 一方向クラッチ(クラッチ)
16 深溝玉軸受(転がり軸受)
18 転がり軸受の内輪
23 ころ(トルク伝達部材)
24 クラッチ保持器
S 空間部
51b、91b、101b スリーブの小径部
51c、91c、101c スリーブの大径部
52b、71b、92b、102b 環状部材の小径孔部
52c、71c、92c、102c 環状部材の大径孔部
71d、92d、101d 係合部
a クラッチ内輪領域
b 軸受嵌合領域
10, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 110 Pulley unit with built-in clutch 11
16 Deep groove ball bearings (rolling bearings)
18 Rolling bearing
24 Clutch retainer
Claims (7)
回転軸に形成された雄ねじ部を内周面に形成された雌ねじ部に螺合固定して前記回転軸と共に回転可能なスリーブと、
前記スリーブに外嵌固定され、前記プーリ部材の内側に同芯に配置された環状部材と、
前記プーリ部材の内周面と前記環状部材の外周面との間に設けられ、前記プーリ部材と前記スリーブ間でトルクを伝達可能な複数のトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器とを備えたクラッチと、
前記クラッチの軸方向両側に配置され、前記プーリ部材と前記スリーブとを相対回転可能に支持する一対の転がり軸受と、を備えたクラッチ内蔵型プーリユニットであって、
前記環状部材は、前記クラッチのクラッチ内輪を構成するクラッチ内輪領域と、前記一対の転がり軸受の内輪が嵌合する軸受嵌合領域とを備え、前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の内周面の内径は、前記軸受嵌合領域における前記環状部材の外周面の直径より小径であり、
前記雌ねじ部の径方向外方における前記スリーブと前記環状部材との間には、空間部が設けられていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリユニット。 A pulley member having a belt groove formed on the outer peripheral surface;
A sleeve that can be rotated together with the rotary shaft by screwing and fixing a male screw portion formed on the rotary shaft to a female screw portion formed on the inner peripheral surface;
An annular member that is externally fixed to the sleeve and is arranged concentrically on the inside of the pulley member;
A plurality of torque transmission members provided between the inner peripheral surface of the pulley member and the outer peripheral surface of the annular member, and capable of transmitting torque between the pulley member and the sleeve, and individually accommodating the torque transmission member. A clutch comprising a clutch retainer having a plurality of pockets;
A clutch built-in pulley unit comprising a pair of rolling bearings disposed on both axial sides of the clutch and supporting the pulley member and the sleeve so as to be relatively rotatable;
The annular member includes a clutch inner ring region constituting a clutch inner ring of the clutch, and a bearing fitting region in which inner rings of the pair of rolling bearings are fitted, and an inner peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The inner diameter is smaller than the diameter of the outer peripheral surface of the annular member in the bearing fitting region,
A pulley unit with a built-in clutch, characterized in that a space is provided between the sleeve and the annular member on the radially outer side of the female screw part.
前記環状部材は、その内周面がその軸方向一端部から前記雌ねじ部の径方向外方に位置する部分に亙って軸方向に形成された大径孔部と、該大径孔部からその軸方向他端部に亙って軸方向に形成された小径孔部とから構成されると共に、
前記空間部は、前記環状部材の前記大径孔部と前記スリーブの前記大径部、及び前記環状部材の前記小径孔部と前記スリーブの前記小径部とを嵌合させることによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ内蔵型プーリユニット。 The sleeve has an outer peripheral surface formed in the axial direction from one end portion in the axial direction to the entire internal thread portion and in the axial direction from the small diameter portion to the other end portion in the axial direction. A large diameter portion, and
The annular member has a large-diameter hole portion formed in the axial direction over a portion where an inner peripheral surface thereof is located radially outward of the female screw portion from the one axial end portion, and the large-diameter hole portion. A small-diameter hole formed in the axial direction over the other axial end, and
The space portion is formed by fitting the large-diameter hole portion of the annular member and the large-diameter portion of the sleeve, and the small-diameter hole portion of the annular member and the small-diameter portion of the sleeve. The pulley unit with a built-in clutch according to claim 1.
回転軸に形成された雄ねじ部を内周面に形成された雌ねじ部に螺合固定して前記回転軸と共に回転可能なスリーブと、
前記スリーブに外嵌固定され、前記プーリ部材の内側に同芯に配置された環状部材と、
前記プーリ部材の内周面と前記環状部材の外周面との間に設けられ、前記プーリ部材と前記スリーブ間でトルクを伝達可能な複数のトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器とを備えたクラッチと、
前記クラッチの軸方向両側に配置され、前記プーリ部材と前記スリーブとを相対回転可能に支持する一対の転がり軸受と、を備えたクラッチ内蔵型プーリユニットであって、
前記環状部材は、前記クラッチのクラッチ内輪を構成するクラッチ内輪領域と、前記一対の転がり軸受の内輪が嵌合する軸受嵌合領域とを備え、前記クラッチ内輪領域における前記環状部材の内周面の内径は、前記軸受嵌合領域における前記環状部材の外周面の直径より小径であり、
前記雌ねじ部の径方向外方における前記スリーブと前記環状部材との間の締め代は、残りの領域における前記スリーブと前記環状部材との間の締め代より小さく設定されていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリユニット。 A pulley member having a belt groove formed on the outer peripheral surface;
A sleeve that can be rotated together with the rotary shaft by screwing and fixing a male screw portion formed on the rotary shaft to a female screw portion formed on the inner peripheral surface;
An annular member that is externally fixed to the sleeve and is arranged concentrically on the inside of the pulley member;
A plurality of torque transmission members provided between the inner peripheral surface of the pulley member and the outer peripheral surface of the annular member, and capable of transmitting torque between the pulley member and the sleeve, and individually accommodating the torque transmission member. A clutch comprising a clutch retainer having a plurality of pockets;
A clutch built-in pulley unit comprising a pair of rolling bearings disposed on both axial sides of the clutch and supporting the pulley member and the sleeve so as to be relatively rotatable;
The annular member includes a clutch inner ring region constituting a clutch inner ring of the clutch, and a bearing fitting region in which inner rings of the pair of rolling bearings are fitted, and an inner peripheral surface of the annular member in the clutch inner ring region. The inner diameter is smaller than the diameter of the outer peripheral surface of the annular member in the bearing fitting region,
A fastening allowance between the sleeve and the annular member on a radially outer side of the female screw portion is set to be smaller than a fastening allowance between the sleeve and the annular member in the remaining region. Pulley unit with built-in clutch.
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