JP2005329411A - 非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ミルフィニッシュ材のように表面粗さの小さい材料にて見られる摩擦係数の異方性を有する材料での成形シミュレーション計算の精度を向上させることのできる、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法を提供する。
【解決手段】 圧延方向に垂直な方向の表面粗さRaが0.5μm以下である板材料を被成形材とし、等価ドロービード設定を行う非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法において、材料流入方向と平行な方向の摩擦係数をμ1、それに垂直な方向の摩擦係数値をμ2、材料流入方向に垂直な方向とドロービードの線とのなす角をθ、汎用のドロービード張力をBとしたとき、計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2・(μ1/μ2)2+(Bcosθ)2)の平方根を用い、μ2を入力する場合には、((Bsinθ)2+(Bcosθ)2・(μ2/μ1)2)の平方根を用いることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム合金に代表されるような非鉄金属板をプレス成形する金型の設計に際し、金属板表面の摩擦係数に異方性を有することに起因するプレス不具合を有限要素法によるプレス成形シミュレーションにより精度高く予測することのできる、等価ドロービード設定を行う非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法に関する。
近年の有限要素法による成形シミュレーションの精度向上を背景にして、板材のプレス成形金型の設計および製造工期の短縮、これによるコスト削減等が図られるようになってきた。例えば、鋼板あるいはアルミニウム板(アルミニウム合金板を含む)に代表される非鉄金属板をメカニカルプレス、油圧プレス、トランスファープレス、ACサーボ制御プレスなどによってプレス成形加工するに際し、プレス成形金型を製造する前に、有限要素法による成形シミュレーションを利用して、設計されたプレス成形金型の成形可否を判断し、金型の設計にフィードバックさせて、プレス成形金型の設計および製造工期の短縮を図ることができる。
一方、更なる効果発現のためにこの有限要素法を用いた成形シミュレーションの数値解析精度の向上が要望されている。従来の有限要素法による成形シミュレーションとしては、材料の機械的特性を材料構成式として入力し、工具(金型)との接触問題を摩擦係数をパラメータとした材料の変形状態の釣り合い式によって解いたり(静的陰解法や静的陽解法)、運動方程式を解くこと(動的陽解法)によって応力分布や歪み分布を出力する方法が代表的である。アルミニウム合金での成形シミュレーションとしては、例えば、特許文献1に記載のような内容の発明がなされている。このようなアルミニウム板についての成形シミュレーションには、今まではダル材と呼ばれる材料が用いられてきた。ダル材とは、最後の圧延工程において、表面に意図的に凹凸を付与できるロールによる冷間圧延を施した材料である。その表面はダル表面、そしてそれを付与する冷間圧延でのロールはダルロールと呼ばれている。
しかし、最近、ダルロールによる圧延を省略することで圧延コストを削減し、素材コストを下げることが図られている。ダルロールによる圧延が省略された場合、平滑な表面を有するロールによる圧延工程が最後であるため、その表面はダル材に比べて平滑になる。この様な表面を有する材料をミルフィニッシュ材と呼ぶ。ミルフィニッシュ材はダル材に比べて表面の粗さが小さい。しかし、このミルフィニッシュ材を被成形材として用いた成形シミュレーションでは、その解析精度はダル材の場合に比べて格段に低下した。つまり、計算と実際のプレスとの乖離が非常に大きく、計算結果は上述した成形シミュレーションに対する要求に応えるだけの精度を与えなかった。
ミルフィニッシュ材のように表面粗さが小さくなると摩擦係数が小さくなることは、例えば非特許文献1に記載されている通り、鋼に関してはその現象が調査されている。鋼の場合は、金型も鋼故に、鋼板と金型の双方の磨耗が摩擦現象に影響を及ぼす。しかし、アルミニウム合金に関しては、金型が鋼であることから、アルミニウム合金のみの磨耗が摩擦現象に影響を及ぼす。それゆえ、今回のようなアルミニウム合金での摩擦係数と粗さの関係は、従来の鋼に関して調査されたものとは異なり、その現象の詳細は明らかにされてはいない。
また、従来のシミュレーション計算では、表面粗さ低下に伴う摩擦係数増大を計算に取り込むことはなかった。これは、上述したように今までは表面粗さの大きいダル材が用いられていたため、摩擦係数が増大した計算を想定していなかったことによる。それゆえ、計算に使用されるビード張力の導出においても、非特許文献2に記される通りの汎用的なビード張力の導出方法しか提示されておらず、摩擦係数増大時に限ったビード張力の導出方法の知見はない。
特開2000−301263号公報 飯塚他、「高強度鋼板の深絞り性に及ぼす表面粗度の影響」、塑性と加工、vol35、No.404、社団法人 日本塑性加工学会、1994年9月発行、P1097 桑原他、「アルミニウム合金板A5182−Oのビード引抜き特性とビード張力計算モデル」、塑性と加工、vol.36、No.413、社団法人 日本塑性加工学会、1995年6月20日発行
ミルフィニッシュ材とダル材との根本的な違いは表面粗さである。表面粗さの違いは、成形シミュレーション計算では成形金型と被成形材との間の摩擦係数値として導入する。一般に、ダル材の摩擦係数はミルフィニッシュ材のそれに比べて小さい。これは、表面の凹凸の大きさによるものと理解される。表面の凹部分は、潤滑油溜りとして機能するので、ダル材のように表面の凹凸が多く、かつ凹部分が深い材料では、凹凸の浅い材料に比べて摩擦係数は低いと考えられている。一方、ミルフィニッシュ材はダル材に比べて凹凸が浅く、平滑である。それゆえ潤滑油たまりが少なく、ダル材に比べて摩擦係数は大きいと考えられている。さらに、ミルフィニッシュ材では、凹部が圧延方向に平行な溝として存在している特徴がある。この特徴は摩擦係数の異方性を生じさせると考えられる。圧延方向に平行な方向の摺動では、凹部の溝に平行に存在する凸部と金型材料との金属−金属接触が連続的となる。しかし、圧延方向に垂直な方向の摺動では、凸部と金型材料との金属−金属接触は不連続になると考えられる。摩擦力の大きいこの金属―金属接触の大きさが、方向により異なれば、摩擦係数に異方性が生じる可能性が高いと考えられる。それゆえ、ミルフィニッシュ材料では、摩擦係数はダル材料に比べて大きく、かつ摩擦係数の方向差が生じることが考えられる。
そこで、本発明者等は、摩擦係数の方向性を調査した。摩擦係数測定は、プレス成形時に使用される潤滑油を塗布した平板引抜き試験により行った。材料には成分と機械的性質が同じである6000系アルミニウム合金のダル材とミルフィニッシュ材とを用いた。圧延方向に垂直な摩擦係数は、ダル材で0.15であり、ミルフィニッシュ材では0.22であった。ところが、圧延方向に平行な摺動による測定では、ダル材では0.15と同じであったものの、ミルフィニッシュ材では0.33と圧延方向と垂直な方向に比べて大きかった。以上より、ミルフィニッシュ材には摩擦係数の方向差が確認された。
この方向差は、プレス成形性、特に材料流入に大きな影響を及ぼす可能性が考えられる。しかし、現状の成形シミュレーションにおいては、入力する摩擦係数値は一つであるため、摩擦係数の異方性を加味した計算はできない。また、通常、材料流入はビード張力にて制御される。この張力値は汎用的なビード張力計算にて設定されるが、摩擦係数の異方性が大きい場合では、プレス時の材料流入はこのビード張力計算値による制御範囲を越えてしまう。
それゆえ、ミルフィニッシュ材での成形シミュレーションの精度低下の原因は、この摩擦係数の異方性を計算に取り込んでいないためと考えられた。
そこで、本発明は、ミルフィニッシュ材に代表される表面粗さの小さい材料において、成形シミュレーションの計算精度を向上させることのできる、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、摩擦係数に異方性が生じる表面を有する材料におけるプレス成形シミュレーションにおいて、摩擦係数の異方性比率を等価ドロービード設定でのビード張力に導入することで、計算精度が向上することを見出した。
等価ドロービードの設定とは、実際のドロービード部分を平坦にし、その代わりにその部分を通過する材料に、実成形金型にてドロービード通過時に材料に加えられる張力値に相当する張力を計算上で付与する設定のことである。ほとんどの成形シミュレーション計算において、この等価ドロービードの設定が実施されている。本発明者等は、摩擦係数の異方性による材料流入をこのビード張力の制御により達成し、計算精度の向上を図った。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 実成形金型に存在するドロービードをシミュレーション上省略し、その代替としてドロービード位置で被成形材にドロービード張力を付与する等価ドロービード設定を行うプレス成形シミュレーション方法であって、板面内で圧延方向(L方向)に垂直な方向(C方向)の表面粗さRa(JIS B 0601に基づく中心線平均粗さ)が0.5μm以下である板材料を被成形材とし、該板材料のL方向とC方向の2方向が材料流入の主方向であるプレス成形を対象とした、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法において、任意の等価ドロービード設定位置における、材料流入方向と平行な方向の摩擦係数をμ1、それに垂直な方向の摩擦係数値をμ2、材料流入方向に垂直な方向とドロービードの線とのなす角をθ、材料特性値とドロービード形状と押付け力から求まる汎用のドロービード張力をBとしたとき、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2・(μ1/μ2)2+(Bcosθ)2)の平方根を用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2+(Bcosθ)2・(μ2/μ1)2)の平方根を用いることを特徴とする、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法。
(2) 前記被成形材のプレス前の素材形状が長方形であり、前記成形金型はドロービード線の方向が流入方向に対して垂直である成形金型であり、前記汎用ドロービード張力Bの代わりに、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合にはBのままを用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を用いる場合にはB・(μ2/μ1)を用いることを特徴とする、上記(1)に記載の非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法。
本発明により、ミルフィニッシュ材のように摩擦係数に異方性が生じる、アルミニウムないしアルミニウム合金に代表される非鉄金属板のプレス成形シミュレーションの計算精度が格段に向上し、プレス成形金型の設計および製造工期を大幅に短縮できるなど、産業上の貢献が極めて顕著である。特に、流入量精度において、実験値と計算値との差が5mm以内であれば、プレス成形用本金型の製造工期は半分近くに減少すると見積もられることから、これに関わるコストを大幅に削減することが可能となる。
本発明者等は、摩擦係数の異方性の入力手段として、通常の境界条件としての入力ではない方法について検討した。通常の境界条件としての摩擦係数の取り扱いでは、1つの値しか入力できず、これを2方向以上の入力を可能にさせるのは、現状のプレス成形シミュレーションの大幅改造を必要とし、実施が極めて困難である。本発明者等は、等価ドロービード設定におけるビード張力値に摩擦係数の異方性を入力する方法を考えた。
具体的には、1方向の摩擦係数を計算に適用した場合、その方向と板面内で垂直な方向の材料流入の制御をビード張力の変更で補う方法をとる。例えば、金属板の圧延方向(L方向)の摩擦係数を計算に適用した場合、圧延方向と垂直な方向(C方向)の材料流入が不正確になるので、流入量の調整を、C方向のビード張力を両方向の摩擦係数比で補正する。金属板のC方向の摩擦係数を計算に適用する場合は、この逆を行えばよい。また、ビード形状が材料流入方向と垂直でない場合は、ビード張力を材料流入方向成分とそれに垂直な方向の成分の2方向の成分に分解し、それぞれに対して、上記の補正を行う。そして、それら分解した応力の和をそのビードの張力とする。
すなわち、任意の等価ドロービード設定位置における、材料流入方向と平行な方向の摩擦係数をμ1、それに垂直な方向の摩擦係数値をμ2、材料流入方向に垂直な方向とドロービードの線とのなす角をθ、材料特性値とドロービード形状と押付け力から求まる汎用のドロービード張力をBとしたとき、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2・(μ1/μ2)2+(Bcosθ)2)の平方根を用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2+(Bcosθ)2・(μ2/μ1)2)の平方根を用いる。
また、前記被成形材のプレス前の素材形状が長方形であり、前記成形金型はドロービード線の方向が流入方向に対して垂直である成形金型である場合は、前記汎用ドロービード張力Bの代わりに、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合にはBのままを用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を用いる場合にはB・(μ2/μ1)を用いる。
なお、本発明は、摩擦係数の異方性が発現するような表面粗さにおいてなされるわけであり、本発明の適用は、表面粗さRa(JIS B 0601に基づく中心線平均粗さ)にて0.5μm以下の値の表面粗さを有する材料のみである。この様な表面は、現状の技術では、微小なロール溝を生成させるロールによる圧延工程でのみ得ることができる。このロール溝の存在から、摩擦係数の異方性差が生じる。
なお、この知見はアルミニウム板、5000系、6000等のアルミニウム合金板以外非鉄金属板、例えばチタン板およびチタン合金板、マグネシウム板およびマグネシウム合金板などにおいて特に見られる表面粗さの小さい表面を有する場合に適用可能である。また、鋼板においても適用可能であり、例えば表面粗さの小さいロールで圧延した鋼板であれば、従来の表面とは異なり、摩擦係数の異方性差を生じさせる表面を得ることができる。このような鋼板であれば、本発明は適用できる。更に、メッキなどにより表面処理方法を変えることにより、粗さが小さい表面を得ることは可能であり、このような表面では摩擦係数の異方性差が生じ、本発明が適用できる。
本発明を適用する既存の成形シミュレーションのプログラムとしては、公知の動的陽解法FEM(Pam−stampやLS−DYNAなど)、静的陽解法FEM(ITAS−3Dなど)、静的陰解法FEM(ABAQUSやAUTOFORMなど)を使用することができる。
板厚1mmの6000系アルミニウム合金を用いて、図1、図2、図3記載のモデル金型およびブランクによるプレス試験を行った。図1はダイスを上からみた図であり、中央のポンチが通る領域の周囲には同じ形状のビードが存在する。図2はブランクの形状であり短辺方向が素材の圧延方向であり、ブランク形状は図1記載のダイスの外形と同じである。図3は、図1中の圧延方向と平行な流入方向からみたプレス成形時の断面である。シワ押さえの形状は、ビードの凹凸が逆以外では図1のダイスの形状と同じである。なお、ポンチの押し込みは50mmである。
試験材料の表面粗さは、圧延と平行な方向ではRaにて0.12μm、圧延と垂直な方向ではRaにて0.28μmであった。摩擦係数値は、プレスにて使用する潤滑油を用いた平板引抜き試験にて、圧延と平行な方向で0.32、垂直な方向で0.15であった。
また、ドロービードに関しては、その凸部の半径Rは5mm、すそ部分の半径Rは3mmである。ダイスおよびしわ押さえの形状から、このプレス金型における材料流入挙動は2つに分けることができる。図1中の2つの圧延方向と平行な方向からの材料流入挙動は円筒の小型金型における挙動に近く、また圧延方向と垂直な方向からの材料流入挙動は角筒の小型金型における挙動に近い。したがって、本モデル金型は円筒および角筒での流入挙動を併せ持った材料流入挙動を示すことが可能である。このときのブランクホールドフォースは1029kN(105ton)である。
この成形金型により成形を行い、成形品から図1記載の各辺における材料流入量を計測し、計算との対比を行った。なお、この成形金型では、ドロービードのaとcの方向が流入方向と垂直でない部分があるため、請求項1記載の発明のドロービード張力を適用すべきである。
計算は、表1に示した入力摩擦係数と各ビード位置でのビード張力の値をそれぞれ用いた、以下の3つの方法で実施した。まず、従来の方法として、圧延方向の摩擦係数を計算に適用し、ビード張力に修正は加えない計算を実行した。次に、計算1として、圧延方向の摩擦係数を計算に適用し、請求項1記載の発明の方法で得られるビード張力にて計算を実行した。最後に、計算2として、圧延方向と垂直な方向の摩擦係数を計算に適用し、同様に請求項1記載の発明の方法で得られるビード張力にて計算を実行した。図4は下死点までの成形した状態での各方向での材料流入量である。流入量は、成形前のフランジ位置と成形後のフランジ位置との距離の差により評価した。図4から分かるように、摩擦係数の方向比率でビード張力を補正することで、計算値は実測値に近くなる。
Figure 2005329411
図5は図1の金型と異なり、長方形の金型であり、この金型を用いてプレス成形を実施した。この金型でのドロービード形状は図1の金型のそれと同じであるが、ドロービードは材料流入方向と常に垂直の位置関係にある。この金型でのプレス成形に用いるブランク形状は図6である。図2のブランク同様に、短辺側が素材の圧延方向と平行である。この金型とブランクでのプレス成形条件は、ブランクホールドフォースが931kN(95ton)、ポンチの押し込みは45mmであること以外は全て図1の成形金型での条件と同じである。
計算も図1の成形金型と同様な方法で行ったが、ドロービード張力の計算方法は請求項2に記載の発明の方法に従った。図7は下死点までの成形した状態での各方向での材料流入量である。流入量は、同様に成形前のフランジ位置と成形後のフランジ位置との距離の差により評価した。図から分かるように、摩擦係数の方向比率でビード張力を補正することで、計算値は実測値に近くなる。
プレス成形試験用のモデル金型のダイスの上方から見た形状を模式的に示す図である。 図1で示すプレス成形試験用のモデル金型にて使用する材料を上から見た形状であり、上下左右の配置は、図1のモデル金型の上下左右と対応する。 図1で示すプレス成形試験用のモデル金型のダイスとポンチと材料との配置を図1の圧延方向と平行な方向からの模式的に示す図である。 図1示すプレス成形試験用のモデル金型を用いたプレス試験による各辺において、請求項1記載の発明の2つの方法を用いてシミュレーション計算したときの流入量と実測の流入量(実験値)と従来のシミュレーション計算での流入量を示した図である。 プレス成形試験用の長方形形状のモデル金型のダイスの上方から見た形状を模式的に示す図である。 図5で示すプレス成形試験用のモデル金型にて使用する材料を上から見た形状であり、上下左右の配置は、図6のモデル金型の上下左右と対応する。 図5で示すプレス成形試験用のモデル金型を用いたプレス試験による各辺において、請求項1記載の発明の2つの方法を用いてシミュレーション計算したときの流入量と実測の流入量(実験値)と従来のシミュレーション計算での流入量を示した図である。

Claims (2)

  1. 実成形金型に存在するドロービードをシミュレーション上省略し、その代替としてドロービード位置で被成形材にドロービード張力を付与する等価ドロービード設定を行うプレス成形シミュレーション方法であって、板面内で圧延方向(L方向)に垂直な方向(C方向)の表面粗さRa(JIS B 0601に基づく中心線平均粗さ)が0.5μm以下である板材料を被成形材とし、該板材料のL方向とC方向の2方向が材料流入の主方向であるプレス成形を対象とした、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法において、任意の等価ドロービード設定位置における、材料流入方向と平行な方向の摩擦係数をμ1、それに垂直な方向の摩擦係数値をμ2、材料流入方向に垂直な方向とドロービードの線とのなす角をθ、材料特性値とドロービード形状と押付け力から求まる汎用のドロービード張力をBとしたとき、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2・(μ1/μ2)2+(Bcosθ)2)の平方根を用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を入力する場合には、ドロービード張力として((Bsinθ)2+(Bcosθ)2・(μ2/μ1)2)の平方根を用いることを特徴とする、非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法。
  2. 前記被成形材のプレス前の素材形状が長方形であり、前記成形金型はドロービード線の方向が流入方向に対して垂直である成形金型であり、前記汎用ドロービード張力Bの代わりに、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ1を入力する場合にはBのままを用い、シミュレーション計算に用いる摩擦係数にμ2を用いる場合にはB・(μ2/μ1)を用いることを特徴とする、請求項1に記載の非鉄金属板のプレス成形シミュレーション方法。
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