JP2005324040A - 酸素濃縮装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の在宅及び/または外出時(車内移動時等を含む)でも使用が可能な酸素濃縮装置の提供。
【解決手段】 空気の取り入れ口から取り入れられた空気を圧縮するための圧縮手段と、圧縮された空気内の酸素以外の所定の成分を吸着筒内で吸着して圧縮された空気内から除去するための吸着手段と、所定の成分が除去された濃縮酸素を蓄積するための製品タンクと、吸着された酸素以外の成分を排出するための排気流路に開放弁とを備え、着脱可能なバッテリでの動作可能な酸素濃縮装置であって、開放弁を動作させることで流路内圧力の真空度を調整可能とし、バッテリによる駆動時かつ濃縮酸素流速(L/分)が所定以上の時、呼吸同調制御を行うことを特徴とする酸素濃縮装置。
【選択図】 図5

Description

本発明は、酸素濃縮装置に関し、より詳細には患者の使い勝手を向上させるための可搬型酸素濃縮装置に関する。
従来、慢性気管支炎等の呼吸器疾患の患者の治療法として有効な酸素吸入法に使用される酸素濃縮装置は、空気中の酸素を透過し窒素を選択的に吸着するゼオライトを吸着剤として用いた吸着法が広く使われている。
しかしながら、この種の酸素濃縮装置は、在宅患者が通常家庭内に据置いて使用するものであり総重量が40〜50kgw程度と重く、可搬型のものではなかった。患者が外出する場合には酸素ボンベを搭載したカートを押しながら、その酸素ボンベから濃縮酸素を供給する必要があり、患者のQOLを著しく損なうものであった。また、バッテリの使用を可能にした可搬型酸素濃縮装置が提案されている(特許文献1)が、総重量が10kgwとなり、30分程度の駆動しかできず、実用に即しないという問題があった。
特開2002−45424号公報
上記課題を解決するための本発明は、患者の在宅及び/または外出時(車内移動時等を含む)でも使用が可能な酸素濃縮装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の酸素濃縮装置は、

空気の取り入れ口から取り入れられた空気を圧縮するための圧縮手段と、圧縮された空気内の酸素以外の所定の成分を吸着筒内で吸着して圧縮された空気内から除去するための吸着手段と、所定の成分が除去された濃縮酸素を蓄積するための製品タンクと、吸着された酸素以外の成分を排出するための排気流路に開放弁とを備え、着脱可能なバッテリでの動作可能な酸素濃縮装置であって、開放弁を動作させることで流路内圧力の真空度を調整可能とし、バッテリによる駆動時かつ濃縮酸素流速(L/分)が所定以上の時、呼吸同調制御を行うことを特徴とする酸素濃縮装置である。
本願発明の酸素濃縮装置によれば、小型、軽量、低消費電力であり、患者の外出時等においても可搬性を有することが可能となり、騒音が低減され、患者のQOLに役立つものである。
図1は、本発明の実施形態に対応した酸素濃縮装置で、可搬性を有する酸素濃縮装置の構成の一例を示すブロック図である。なお、太線および矢印は、配管流路(導管)および空気(濃縮酸素)の流れ方向を示すものである。図1に示すように、空気取入口100から酸素濃縮装置1内に取り込まれる空気は、空気取入口100から取入れられ、フィルタ101と、消音バッファも兼ねる吸気フィルタ102とによりゴミが除去された後、コンプレッサ(圧縮手段)105で圧縮される。なお、コンプレッサ(圧縮手段)105は、冷却用ファン104により冷却される。
圧縮された空気は配管流路を切替える流路切換手段としての3方向切換弁(パイロット式3方向電磁弁)107を介して、吸着剤が充填され、並列に2本配列された吸着筒108a,108bのいずれかに送り込まれる。
吸着筒108a,108b内ではガス分離が行われ、生成された酸素濃縮ガスは一時的に製品タンク111に送り込まれた後、さらに圧力調整器112と流量調節器(流量設定器)115とを介して圧力と流速に基づく流量とが制御され(このとき、酸素濃度は圧力調整器112に接続した酸素濃度センサ114によって検知される。)、呼吸同調器(デマンド弁)116を経て、酸素濃縮装置1の酸素供給出口(ワンタッチ酸素出口)117から鼻カニューレ(不図示)を経て患者に最大流量2L/分の90%程度に濃縮された酸素が供給されるように構成されている。また、吸着された酸素以外の成分を排出(排気)するため、コンプレッサ105の減圧手段VP、排気マフラ120、排気口121により排気流路を形成している。この排気流路に開放弁(真空破壊弁)118が設けられている。酸素濃縮装置1の駆動は、通常は、AC電源と接続するAC電源コネクタ130、スイッチング電源部125を介して商用電源により行われる。外出時等においては、バッテリ(充電式バッテリ)127によって行われる。なお、126は、電源スイッチ、128は、表示部である。表示部128は、LED等で形成され、運転状態(通常動作時は緑色に点灯または点滅/異常時または停止時は赤色に点灯または点滅)、酸素濃度(所定濃度時は緑色に点灯または点滅/所定濃度範囲外は赤色に点灯または点滅)、呼吸同調モニタ表示(呼吸同調制御時は緑色に点灯または点滅)、バッテリ残量表示(緑色から赤色までの複数段階の色、例えば6色)等の表示を行うようになっている。
この酸素濃縮装置1は、バッテリ駆動時において駆動時間を長くするためと、患者の外出時/室内での移動時の利便性を向上するための小型化、軽量化、低消費電力化を実現するために様々な工夫がなされており、以下に詳述する。
<吸気フィルタ>
吸気フィルタ102は、消音構造となっており、内部にフィルタを兼ね備えた一体構造となっている。約200cc程度の体積で、重量は120gw程度である。
<コンプレッサ>
コンプレッサ105は、総重量約1kgwであり、制御部(CPU)124、モータ制御部123、可変速度制御器123aにより駆動制御が行われる。コンプレッサ105は、加圧機能(加圧手段:P)と減圧機能(減圧手段:VP)の両方の機能を備えるものである。コンプレッサ105は、取出される酸素流量に応じて回転数が制御され、速度が500rpmから3000rpmの間で制御される。至適速度(1700rpm程度)で回転するときの操作寿命は15000時間程度である。コンプレッサ/モータ・システムを取り巻く操作温度は、好ましくは0℃〜40℃である。コンプレッサ105用の電圧は、好ましくは12Vまたは24V DC(自動車などのアダプタから得られる電源)で、電力使用量は、約45〜80W程度で制御される。コンプレッサ105の冷却と、できれば酸素濃縮装置1全体の冷却のために、コンプレッサ105には消費電力約2.7W程度のシャフト搭載ファン、もしくはブロア等の冷却ファン(冷却手段)104が少なくとも2本取り付けられ得る。酸素濃縮装置1の最大騒音圧力レベルは、制御される最大の回転数の場合、35dBA以下であり、濃縮酸素流量1L/分以下の場合、33dBAである。また、コンプレッサ105は、空気を100kPa、好ましくは60kPa以下に圧縮するように適応される。
コンプレッサ105は、各種速度で運転可能であり、必要な真空/圧力レベルと流量を提供し、僅かな騒音と振動しか出さず、僅かな熱しか発生せず、小型軽量であり、そして僅かな電力を消費するものであることが好ましい。充電式バッテリ127や他の商用電源等の電源に対してコンプレッサ105に必要とされる消費電力を軽減するために可変速度制御器(可変速度制御手段)123aが設けられている。可変速度制御器123aを備えることにより、患者の活動レベル、環境条件に基づいてコンプレッサ105の速度を変化させることができる。例えば、可変速度制御器123aは、患者が座ったり、寝たり、低い場所にいる時等、患者の酸素要求が比較的低いと判断される時にはコンプレッサ105の駆動(回転)速度を落とし、患者が立ったり、活動的であったり、高地にいるときなど、患者の酸素要求が比較的高い、もしくは高まったと判断される時には速度を上げることができる。これによって酸素濃縮装置1全体の消費電力が低減され、充電式バッテリ127での駆動時の充電式バッテリ127の寿命を延ばし、充電式バッテリ127の重量と大きさを軽減し、コンプレッサ105の摩耗度を低めて寿命を延ばし信頼性が向上する。
<3方向切換弁/制御>
従来装置においては、一般的に直動式と呼ばれる電磁弁が使用されており、弁の動作は電気の力によるものである。この種の電磁弁は直接電気の力だけで主弁を動作させるため消費電力が高いという問題点があった。酸素濃縮装置1に採用されるパイロット式3方向切換弁107は、僅かな消費電力とコンプレッサからの空気圧を利用して動作させることが出来るため大幅に電力が低減される(8Wから0.5Wに低減される)。図2において、107a1,107b1は主弁(主電磁弁)、107a2,107b2はパイロット弁(パイロット電磁弁)である。このパイロット弁107a2,107b2は、コンプレッサ105からのわずかな圧力により、主弁107a1,107b1を開閉動作するため、直動式に比べ低消費電力化が図られる。なお、図1と同一の参照符号は同一の構成要素であることを示す。107a3,107b3は逆止弁である。その制御シーケンスは、従来の方法とは異なり、図3に示すように、まずコンプレッサ105を所定秒(図3では0.5秒)作動させ(コンプレッサ起動工程)、次に3方向切換弁107のパイロット弁107a2を作動(開動作)させるように制御する(動作状態は矢印で示す)。このように制御をすることにより、パイロット弁は空気圧を利用できる状態となり、わずかな電力で主弁を作動させることが可能となる。主弁が開となると圧縮空気は、吸着筒108a(吸着筒A)に流れ込みガス吸着を行われる吸着工程となる。均圧弁を所定秒開動作(このとき、開動作状態の前半は、吸着筒108b(吸着筒A)の洗浄工程となる)させる。吸着筒108bの洗浄工程が終了すると、3方向切換弁107の主弁107b1を作動(開動作)させるように制御する。均圧弁の開動作状態の後半は、3方向切換弁107の主弁107a1,107b1ともに開動作状態であり、いわゆる均圧工程となる。以降、同様のシーケンスで吸着工程、洗浄工程、均圧工程を繰り返す。なお、コンプレッサ105は、上記すべての工程(起動時工程、吸着工程、洗浄工程、均圧工程)において、動作状態にある。ここでは、吸着筒108aの吸着工程から始まる工程について説明したが、先に吸着筒108bの吸着工程から始まる工程としてもよい。また、3方向切換弁107の排気流路側には開放弁118が接続(連通)し、均圧工程と同期して、制御部124により開放弁118を開状態に動作させてコンプレッサ105に高真空状態を低減(真空度を調整可能にしている)させ、振動の発生を防止し、騒音を低減している。
<開放弁>
酸素濃縮装置1に採用されるコンプレッサ105の形態は加圧機能(加圧手段:P)と減圧機能(減圧手段:VP)の両機能を備えるものである。加圧手段のみで構成された酸素濃縮装置より、この種のコンプレッサを採用することで酸素の回収率が高まり濃縮部の小型化できるという利点がある。しかしながら、一体化されたコンプレッサは加圧専用コンプレッサや真空専用コンプレッサに対して振動が大きいという問題点があった。特に、酸素濃縮プロセスにおいては均圧工程時に振動が激しくなる。均圧工程時には3方向切換弁107の流路は加圧機能側と吸着筒側が連通され、減圧機能側は遮断された状態となるため、3方向切換弁と減圧手段間は極端な高真空状態となるためである。この問題点を解決するために、まず、この流路内に外気と連通する開放弁118を設け、さらには均圧工程と同期して、制御部124により開放弁118を開状態に動作させることで流路内に外気が入り込み、流路内は大気圧により近い状態となる。この作用によりコンプレッサ105は無負荷状態に近い状態となるため、振動の発生を防止できまた、騒音の低減や低電力化にも寄与する結果となる。
<吸着筒>
気体分離手段としての吸着筒108a,108bは、少なくとも2本以上の吸着筒が並列に配置されており、充填される吸着剤には、1mm未満の顆粒測定値を有し、SiO/Al比が2.0〜3.0であるX型ゼオライトであり、かつ、Alの四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと融合させたものが好ましい。
<圧力調整器>
図1の製品タンク111では、吸着筒内圧力と同期して圧力が変動しているため、圧力調整器112は、リリーフ弁(開放弁)112a、減圧弁112cを含み、濃縮酸素を減圧し、ほぼ一定圧力となるよう機能する。更に、図4に示すように、酸素吐出圧(2次側圧力)が異常に上昇した場合のリリーフ機能(リリーフ弁)112aとフィルタ機能(フィルタ112b)を備えており、従来機のような個々に部品を設置するタイプに比べ、小型・軽量化・メンテナンス等の作業性の向上が図れる。なお、圧力調整器下流側には流量設定器が設置されるが、この流量設定器は流量制限をオリフィスで行っており、その穴孔径は設定される吐出圧力にもよるが最小で120〜150ミクロン(マイクロメータ)程度の孔径(平均孔径)が設定される。よって、ここで使用されるフィルタには100ミクロン(マイクロメータ)以下の孔径(平均孔径)のものが使用されることが流量を安定して得られる点で好ましい。また、リリーフ機能は、吸気検知の際に使用する微圧センサの保護を目的とする。
<呼吸同調器(デマンド弁)/制御>
制御部124は、流量設定器115での酸素流量が所定流量(例えば1.25L/分以上)に設定され、かつ、バッテリ127で駆動動作されると判断すると、バッテリ127の消費電力を押さえるため、図5に示すシーケンス制御により、制御部124、呼吸同調制御部(デマンド制御部)122によって、1L/分の濃縮酸素発生能力と呼吸同調制御(デマンド制御)で実質的に2L/分の酸素流量まで対応可能としている。このため、2L/分の濃縮酸素流量時で消費電力は約50Wである。吸着工程、洗浄工程、均圧工程における3方向切換弁107の主弁107a1,107b1の開動作、開放弁118、均圧弁の開動作は矢印で示すとおりである。この時、コンプレッサ105、呼吸同調機器116は連続動作状態にある。なお、製品タンク111内の圧力変動を下に示している。なお、このような酸素濃縮工程は一例であり、この例に限られるものではない。
<電源>
酸素濃縮装置1の本体重量が10kgw以下の軽量で、図6に示すように可搬可能なシステム100として適切に機能するためには、システム100は適切な再充電可能な電源から電源供給を受けなければならない。従来、このようなシステムに使用される電池は残量が不明確で、繰り返し使用による容量減少により、更に電池残量の予測が難しいものであった。酸素濃縮装置1の電源は、数100回程度の充放電が可能で、バッテリ残量、使用充放電サイクル数、劣化程度、出力電圧等のマネジメント機能を有するものが使用され、バッテリ残量、残充電容量、充放電回数が表示部128(図1参照)に表示または通信コネクタ129(図1参照)を介して外部モニタ装置で読取れるようにされている。本機能により、従来の電池のように不確実な残量ではなく、劣化程度に応じた、電池の実力値としての残量管理が可能となった。また、コネクタ127a(図1参照)を介して酸素濃縮装置1に好ましくは着脱自在に設けられ、好ましくはリチウム・イオン形式で積層された構造で、出力電圧が21.0〜29.0Vの充電式バッテリ127を含む。また、重量は、1.5kgw程度で、呼吸同調制御を行う場合、濃縮酸素流量が最大2L/分時に最大3時間の動作を可能にしている。システム100は、リチウム・イオン・バッテリ以外にも他の携帯用エネルギ源からの供給も受け得る。例えば、充電式もしくは取替え式の燃料電池セルが使用され得る。当該システムは、全般に1つの充電式バッテリ127により動力供給されるように記述されているが、システム100は多数のバッテリによっても動力供給がされ得る。したがって、ここで言う「バッテリ」は、1つ、もしくはそれ以上のバッテリを含む。さらには、充電式バッテリ127には、1つ、もしくはそれ以上の内部、及び/又は外部バッテリを含み得る。バッテリ127、もしくはバッテリ127を含むバッテリ・モジュールは、好ましくはシステム100から着脱が可能である。システム100は、標準の内部バッテリ、低価格バッテリ、延長作動内部バッテリ、クリップ取り付けモジュールの外部の2次的バッテリを使用することができる。システム100は、充電コネクタ131に接続できるバッテリ充電器143と、1つ、もしくはそれ以上のプラグ(不図示)とを含む組込み式のアダプタを備えることができ、これらは、システム100がDC電源(例えば、自動車のシガレット・ライタ・アダプタ)から、及び/又はAC電源(例えば家庭もしくは事務所の商用電源のAC壁ソケット)から電力を供給され、同時にバッテリ127は前記DCもしくはAC電源から充電されるよう構成されている。アダプタもしくは充電器143は、個別のアクセサリとすることもできる。例えば、アダプタは、自動車内でシステム100を駆動し、及び/又はバッテリ127を充電する個別のシガレット・ライタ・アダプタ144であってもよい。システム100に使用され、及び/又はバッテリ127を充電するため、出力からのACをDCに変換するように個別のACアダプタを使用してもよい。アダプタの他の例には、車椅子バッテリ、もしくはその他のカートと共に使用するアダプタがある。システム100を搭載する架台142は、システム100の一部とも、あるいはシステム100とは独立したアクセサリとも考え得る。架台142は、スペアのバッテリ・パック(不図示)を充電するため、充電器143に接続された1つ、もしくはそれ以上の追加の充電取付部(不図示)を含んでいてもよい。充電取付部と1つ、もしくはそれ以上の追加のバッテリ・パックとを持つことにより、患者は、より長時間の外出等が可能となり、そのQOLが向上する。患者は常に追加の、新鮮な充電済みバッテリ127を持つことができる。架台142及び/又はシステム100は、適当な接続部を介して、システム100内の濃縮酸素の流れに湿気を加えるための加湿手段140を備えていてもよい。また、架台142及び/又はシステム100は、車輪を有するカート(二輪または四輪カート)とし、ストッパ145、収縮/延伸自在な取手146等を設けた手押し車式142aとしてもよい。システム100は、就寝時の防音のために、酸素濃縮装置1と充電器143を覆う防音ボックス148を備えていてもよい。
<呼吸同調制御>
充電式バッテリ127により、酸素濃縮装置1全体が駆動されている場合、濃縮された酸素をより効率的に患者が使用するために、呼吸に同調した制御を行う。通常の呼吸の間、患者は、吸息/呼息サイクル時間の約1/3を吸息に、残りの2/3を呼息に当てている。呼息の間に生成される濃縮酸素は患者にとっては不要のもので、その結果この余剰の濃縮酸素の流れを効率的に提供する追加のバッテリ電力は無駄にされているといえる。呼息の間に生成された濃縮酸素を吸息時に供給することにより、仮に、吸息/呼息サイクルが1(吸息):2(呼息)であるならば、吸息時に3倍の流量まで供給することが可能となる。このように、呼吸同調制御を行うことにより、装置の小型化、低消費電力化が可能となる。呼吸同調器116の開閉制御は図6に示すように全期間に亘って行われる(コンプレッサ105も全期間に亘って動作する)。なお、図5において、矢印は、3方向切換弁107の主弁107a1,107b1の開動作、開放弁118、均圧弁の開動作の期間を示すものである。
<各種センサ>
酸素濃縮装置1は、酸素センサ114を標準装備しているが、加速度センサ125、GPS(全地球位置センサ)134、ショックセンサ132等の各種センサ、脈拍センサ、血圧センサ、血中酸素飽和度センサ等をオプションとして付属させることも可能である。採用される酸素センサにはガルバニ電池式、超音波式、ジルコニア式等のセンサが使用可能だが、大きさの点や測定精度の点からもジルコニア式酸素センサが好ましい。しかしながら、ジルコニア式と呼ばれるその方法はジルコニア高分子膜をヒータで熱せなくてはならず、消費電力が高いという問題点があった。消費電力低減には特にバッテリ動作時には、連続測定(ヒータを連続加熱)でなく、間欠測定(ヒータを間欠加熱)するように動作させることが消費電力を最小限に抑えるうえで有効な手段であり、この酸素センサ114による測定値が所定の範囲を外れる場合には所定期間連続測定に切替えるようにすることで、測定の信頼性も向上できる。なお、所定期間の連続測定で所定範囲内であることが確認されると自動的に間欠測定にもどるようにしてもよい。
本発明に対応した酸素濃縮装置の構成の一例を示す図である。 本発明に対応した酸素濃縮装置の電磁弁を示す図である。 本発明に対応した酸素濃縮装置における制御シーケンスを示す図である。 本発明に対応した酸素濃縮装置における圧力調整器を示す図である。 本発明に対応した酸素濃縮装置における呼吸同調器動作時の運転制御シーケンスを示す図である。 本発明に対応した酸素濃縮装置を含むシステム全体を示す図である。
符号の説明
1・・・酸素濃縮装置、101・・・フィルタ、102・・・吸気フィルタ、105・・・コンプレッサ、107・・・電磁弁、108a,b・・・吸着筒、112・・・圧力調整器、116・・・呼吸同調器、114・・・酸素センサ、127・・・バッテリ、100・・・全体システム

Claims (1)

  1. 空気の取り入れ口から取り入れられた空気を圧縮するための圧縮手段と、前記圧縮された空気内の酸素以外の所定の成分を吸着筒内で吸着して前記圧縮された空気内から除去するための吸着手段と、前記所定の成分が除去された濃縮酸素を蓄積するための製品タンクと、吸着された酸素以外の成分を排出するための排気流路に開放弁とを備え、着脱可能なバッテリでの動作可能な酸素濃縮装置であって、
    前記開放弁を動作させることで前記流路内圧力の真空度を調整可能とし、
    前記バッテリによる駆動時かつ濃縮酸素流速(L/分)が所定以上の時、呼吸同調制御を行うことを特徴とする酸素濃縮装置。

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