JP2005302103A - 追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法 - Google Patents

追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法 Download PDF

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明弘 山田
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Abstract

【課題】 番組を追っかけ再生可能な追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法を提供する。
【解決手段】 上記のうち少なくとも追っかけ再生装置は,チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と,映像及び/又は音声データを処理する制御部と,映像及び/又は音声データを記録可能な記録部とを備えており,上記制御部は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付けると,記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と,該第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理とを,該記録処理の処理回数に応じて第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法に関する。
既存のテレビジョン受像機等では,CPU又はDSP等の性能が高く無い場合,番組の録画中に,既に記録された部分を2倍速再生などを使って早送り再生し,放送中の映像に追いつくことが可能な追いつき再生処理(追っかけ再生処理)は困難であった。
そこで,追いつき再生処理(追っかけ再生処理)を実現するためハイエンドなCPU又はDSPなどを採用することで,上記問題点を解決していた。例えば,以下の先行技術文献に示す録画再生装置が挙げられる。
特開2003−18527号公報
しかしながら,追っかけ再生可能なDSP等の制御部は,例えば略同時にエンコード,デコードできる高性能なDSPやメディアプロセッサである必要があった。一方,ソフトウェアでコーディック(Codec)しない場合でも,映像信号の圧縮,伸長機能をハードウェアで実現可能な高性能なプロセッサが必要であった。
したがって,制御部が高性能である必要があるため,追っかけ再生処理を実現するための装置が大規模にならざるを得ず,装置を生産する工程が複雑となっていた。また,装置を開発する費用や,生産コスト等に多額の費用を要していた。
本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,略同時にエンコード又はデコードできない等の高性能でない制御部でも追っかけ再生可能な,新規かつ改良された追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法を提供することである。
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置が提供される。上記追っかけ再生装置は,チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と,映像及び/又は音声データを処理する制御部と,映像及び/又は音声データを記録可能な記録部とを備えており,上記制御部は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付けると,記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と,該第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理とを,該記録処理の処理回数に応じて第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行することを特徴としている。
本発明によれば,追っかけ再生装置に備わる制御部は,映像及び/又は音声データを記録する記録処理に費やす第1の所定時間よりも短い第2の所定時間で映像及び/又は音声データを再生し,上記記録処理と再生処理とを交互に繰り返し行うとともに,記録処理の度に第1の所定時間を収縮するように短くしている。かかる構成により,間欠的な追っかけ再生ながらも,制御部に対する負荷を最大限に軽減させ,高性能な処理能力でなくても逐次処理で追っかけ再生を実施することができる。なお,記録処理の際に短縮する時間は,第2の所定時間と等しい時間に第1の所定時間を短縮してもよい。なお,上記記録部は,SDRAM,EEPROM,またはハードディスクドライブのうち少なくとも一つであり,さらにそれらを1又は2以上備えることができる。
上記制御部は,少なくとも一回は記録処理と再生処理とを交互に繰り返すように構成してもよい。
制御部は,第1の所定時間が所定時間まで収縮した場合,少なくともリアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えるように構成してもよい。かかる構成により,追っかけ再生により到達したライブ放送の映像に自動的に切換わり,ユーザに違和感無く映像を表示させることができる。
第2の所定時間は,第1の所定時間の略半分であるように構成してもよい。かかる構成により,画面上に表示される映像の平均再生速度は,略1.5倍の速さとなる。また上記第1の所定時間は,第2の所定時間まで短縮させられるように構成してもよい。
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置が提供される。上記追っかけ再生装置は,チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と,映像及び/又は音声データを処理する制御部と,映像及び/又は音声データを読み書き可能な記録部とを備え,制御部は,ユーザにより追っかけ再生指示を受付けると,記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で所定時間,再生する再生処理と,該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で所定時間,映像及び/又は音声データを記録する記録処理とを,交互に繰り返し実行することを特徴としている。なお,上記記録部は,SDRAM,EEPROM,またはハードディスクドライブのうち少なくとも一つであり,さらにそれらを1又は2以上備えることができる。
本発明によれば,追っかけ再生装置に備わる制御部は,映像及び/又は音声データを記録する記録処理の第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で所定時間,映像及び/又は音声データを記録し,上記記録処理と再生処理とを交互に繰り返し行っている。かかる構成により,記録処理と,記録処理よりも速い再生処理とを双方とも所定時間だけ交互に繰り返し行われることで,間欠的な追っかけ再生ながらも,制御部に対する負荷を最大限に軽減させ,高性能な処理能力でなくても逐次処理で追っかけ再生を実施することができる。なお,所定時間は記録処理および再生処理双方同じでもよく,相違しても良い。また所定時間を短縮し,記録処理と再生処理との切り替えを迅速に絶え間なく数多くすることで,シームレスな映像を再生することができる。
所定時間は,1又は2以上の映像データを1つのグループとするGOP単位に記録するのにかかる記録時間であるように構成してもよい。かかる構成により,迅速,的確に記録処理又は再生処理を実施することができる。なお,GOP単位の映像データは少なくともMPEGであればよい。
制御部は,記録部に格納されたGOP単位の映像及び/又は音声データのデータの個数が所定数に満たない場合,処理を終了するように構成してもよい。なお,記録部に格納されたデータが無くなった場合に処理を終了するようにしてもよい。
制御部は,録画された映像及び/又は音声データから,リアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えるように構成してもよい。かかる構成により,ライブ放送の映像に自動的に切替えることができ,ユーザに違和感なく画面に映像を表示させることができる。
再生処理と記録処理の処理時間は等しくてもよい。かかる構成により,記録処理よりも速い再生処理が短時間で記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生することができる。
第1の所定速度は,第2の所定速度の略2倍であるように構成してもよい。かかる構成により,平均再生速度を1.5倍で画面上に映像・音声を再生できる。
上記課題を解決するため,本発明の第3の観点によれば,番組を追っかけ再生するテレビジョン受像機が提供される。上記テレビジョン受像機は,チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と,映像及び/又は音声データを処理する制御部と,映像及び/又は音声データを記録可能な記録部とを備え,制御部は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付けると,記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と,該第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理とを,該記録処理の処理回数に応じて第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行することを特徴としている。
上記制御部は,記録処理の間,表示画面に再生処理時の映像データの静止画を表示させるように構成してもよい。かかる構成により,静止画よりデータ量が軽く,制御部に対する処理負荷の軽減が図れる。
上記課題を解決するため,本発明の第4の観点によれば,番組を追っかけ再生するテレビジョン受像機が提供される。上記テレビジョン受像機は,チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と,映像及び/又は音声データを処理する制御部と,映像及び/又は音声データを読み書き可能な記録部とを備え,制御部は,ユーザから追っかけ再生指示を受付けると,記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で所定時間,再生する再生処理と,該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で,映像及び/又は音声データを記録する記録処理とを,交互に繰り返し実行することを特徴としている。
上記課題を解決するため,本発明の第5の観点によれば,番組を追っかけ再生する追っかけ再生方法が提供される。上記追っかけ再生方法は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付ける受付処理と;記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と;第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理と;記録処理と再生処理とを該記録処理の処理回数に応じて,第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行する繰り返し処理とを含むことを特徴としている。
上記繰り返し処理は,少なくとも一回は記録処理と再生処理とを交互に繰り返すように構成してもよい。
上記繰り返し処理は,第1の所定時間が所定時間まで収縮した場合,少なくともリアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えるように構成してもよい。
上記課題を解決するため,本発明の第6の観点によれば,番組を追っかけ再生する追っかけ再生方法が提供される。上記追っかけ再生方法は,ユーザにより追っかけ再生指示を受付ける受付処理と,記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で,再生する再生処理と,該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で,映像及び/又は音声データを記録する記録処理と,再生処理と記録処理とを交互に繰り返し実行する繰り返し処理とを含むことを特徴としている。
上記所定時間は,1又は2以上の映像データを1つのグループとするGOP単位に記録するのにかかる記録時間であるように構成してもよく,繰り返し処理は,記録部に格納された映像及び/又は音声データのGOP単位の個数が所定数に満たない場合,処理を終了するように構成してもよい。
上記繰り返し処理は,録画された映像及び/又は音声データから,リアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えるように構成してもよい。
以上説明したように,本発明によれば,高速,高性能,高価な制御部を使用しなくとも,制御部に処理負荷をかけずに,番組を追っかけ再生することができる。
以下,本発明の好適な実施の形態について,添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
まず,図1を参照しながら,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理について説明する。図1は,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略を示す説明図である。
図1(a)に示すように,例えば,“A”,“B”,“C”,“D”,および“E”の映像シーンからなる番組が放送される場合,利用者に何らかの事由で,番組の“A”シーンから視聴を中断する際に,放送番組を中断時から録画しておく(LTVP)。なお,LTVPはリアル放送の番組を追っかけ再生する場合であるが,かかる例に限定されない。
次に,利用者の視聴中断事由が解消し,番組の視聴を再開する場合,何も録画していなければ視聴中断していた間の番組は放送されてしまうが,番組を録画しておけば,中断した時点から番組の視聴を再開することができる。
例えば,図1(a)に示すように,9時05分に利用者に電話があり視聴を中断した場合,中断した時点以後に放送されている番組を録画しておけば,視聴再開後,図1(b)に示すように,中断した時点の“A”シーンから番組の視聴を再開できる。
“A”からの視聴再開時,録画された番組の再生速度をリアルタイムで放送する番組の速度よりも早めることで,ライブ放送番組のシーンに到達することができる。以上の一連の処理が「追っかけ再生」である。
したがって,電話以外にも,来客などで番組の視聴を中断しなければならない時も,録画ボタン等を押して録画しておけば,席に戻り次第「追っかけ再生」で見逃した場面から見ることができる。
「追っかけ再生」は,例えば,テレビジョン受像機以外にも,VTR(ビデオテープレコーダー)等の記録再生装置で放送番組等の録画中でも,録画開始時点(“A”シーン)から再生できる。また追っかけ再生中に,早送りで不要なシーンをとばしたり,一時停止またはスロー再生を行い,見たい場面をゆっくり見たりすることも可能である。利用者に応じて必要なシーンのみ視聴するなど,時間を有意義に活用できる。
なお,追っかけ再生には,放送受信した番組を記録しながら,この記録された番組を早送り再生し,放送中のシーンに追いつく「追っかけ再生」も存在するが,第1の実施の形態又は第2の実施の形態にかかる「追っかけ再生」では,放送受信した番組を記録する記録処理と,この記録された番組を早送り再生する再生処理とを逐次処理で切替えながら,放送中のシーンに追いつく機能を追っかけ再生機能とする。
次に,図2を参照しながら,第1の実施の形態にかかるテレビジョン受像機について説明する。図2は,第1の実施の形態にかかるテレビジョン受像機の概略を示すブロック図である。
図2に示すように,テレビジョン受像機100は,チューナー101と,AVスイッチ等を兼ね備えたクロマデコーダ103と,番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置105と,映像スイッチ107と,マルチカラープロセッサ109と,CRT111と,音声スイッチ113と,音声アンプ115と,スピーカ117とを備える。
なお,本実施のかかる追っかけ再生装置105は,テレビジョン受像機100に備わる場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば,VTR等の記録再生装置,PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置などに備わる場合であっても実施可能である。
また,本実施の形態にかかるテレビジョン受像機100は,放送番組を表示可能な装置であれば,いかなる場合であっても実施可能である。例えば,液晶テレビや,プラズマディスプレイなどを例示することができる。
上記追っかけ再生装置105は,テレビジョン受像機100に汎用的に組み込み可能とするため一般的なアナログの入出力回路を備えたモジュール構造となっている。したがって,例えば,チューナー101からの映像データ(映像信号)であるY/C(輝度信号/色度信号)またはCVBS(コンポジット信号)を追っかけ再生装置105に接続し,同じくY/CまたはCVBSの出力を映像スイッチ107等に接続すれば,追っかけ再生装置105を他の形式・種類のテレビジョン受像機でも実施することができる。
なお,各国のテレビ放送方式により,クロマデコーダ103またはクロマデコーダ201は,NTSC,PAL,SECAM等の信号に対応している必要がある。また,ディジタル放送方式等の場合であっても,クロマデコーダ103またはクロマデコーダ201などをディジタル信号に対応させることで追っかけ再生を実施することができる。
次に,追っかけ再生装置105には,クロマデコーダ201と,フラッシュメモリ203と,SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)205と,制御部207と,EEPROM209と,基準クロック生成部211と,エンコーダ213と,音声DAC215とが備わっている。
上記SDRAM205は,図2に示すように,2つのメモリから構成される場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,1つ又は3つ以上の場合であっても実施可能である。また,記憶容量についても,例えば10分程度の映像データを記録可能であれば,いかなる容量でもよい。なお,SDRAM205は,例えば,一般的に生産されているものでも流用可能であるため開発コストをかけずに済む。
エンコーダ213は,制御部207から送出される映像データをNTSC又はPAL方式の信号にエンコードするが,かかる例に限定されず,他の方式であっても実施可能である。
フラッシュメモリ203は制御部207が処理を実行するために必要なプログラムが記憶されている。制御部207は,処理を実行するに際して必要なプログラムを上記フラッシュメモリ203の記憶領域から読み出して,プログラムに記述された命令を実行している。
また,SDRAM205には制御部207が実行するプログラムに応じて,実行するに際して必要なワーキングエリア(作業領域)とともに,追っかけ再生処理を実行するに際して必要な映像ストリームを記録可能な映像ストリーム記憶領域が割り当てられる。なお,クロマデコーダ103に備わるマイクロプロセッサは,上記制御部207を制御するための制御部である。
なお,第1の実施の形態にかかる制御部207は,DSP(Digital Signal Processor)である場合を例に挙げて説明するが,追っかけ再生装置105内の各部の処理を制御したり,映像データを例えばMPEG4形式など,エンコード又はデコード処理等の処理を実行可能であれば,かかる例に限定されず,いかなる場合でもよい。
第1の実施の形態にかかる制御部207がDSPであることの特徴として,高機能で高速処理である大規模な回路素子のチップである必要はなく,既存のDSPのチップを活用し,追っかけ再生処理が,上記DSPによって実現できるため,開発コスト,生産コスト等を大幅に削減することができる点がある。
次に,図3を参照しながら,第1の実施の形態にかかるSDRAM205について説明する。図3は,第1の実施の形態にかかるSDRAM205の概略的な構成を示す説明図である。
図3に示すように,SDRAM205には,所定容量からなる3つのパート(記憶領域)が存在する。追記録画パートは,上記説明した映像ストリームを記録する領域であり,制御部207は映像データを上記追記録画パートに記録する。
また,図3に示す緩衝パートは,追記録画パートと再生パートの中間に位置するいわゆるバッファーに相当する記憶領域である。映像データを再生中に急に前の映像に戻りたい場合等のために使用される領域である。再生パートは,制御部207が映像データを読み取り,再生するためのデータが記憶される領域である。
また,上記3つのパートは,説明上いわゆる仮想的に定義した記憶領域である。映像データを記録又は再生することで,記録する映像データの格納先または再生する映像データの格納先のアドレスが変動するため,記録/再生に伴い上記3つのパートの領域も変動する(例えばスライド移動等)。
ここで,図3に示すように,例を挙げて説明すると,例えば,SDRAM205が1又は2以上の記憶領域に相当するブロックから構成され,左から順にA,B,C,D,…,K,Lと映像データが各ブロックに記憶されている。
映像データを再生する場合,Aブロックから右方向に順に映像データを読み取り再生する。図3に示すように,現時点では,Eブロックまで映像データを再生しているのがわかる(既再生パート)。
映像データの再生は,再生パートに相当するF,G,H,…,Lブロックに格納された映像データを順次再生すると,再生パートの映像データが存在しないため再生処理は終了する。再生されたブロックは,既再生パートとして追記録画パートまたは緩衝パートとして新たに映像データが格納される。
ブロックの映像データの再生が終了すると,ポインタが先頭アドレスに指すように設定され,先頭アドレスに該当するAブロックから順に映像データが記録されていく。なお,AブロックとDブロックとが重複したブロックに位置しているが,同一ブロックであり,Aブロックに格納された映像データは上書きされる。
また再生速度を一倍速で再生する場合,領域の変動は発生せず問題ないが,追っかけ再生では再生速度を一倍速よりも早送り再生すると,速度が早く映像データが増えた分の追記記録パートが増える。
したがって,再生速度が速まれば,その分早く現在の放送画に近づくが,逆にスロー再生やポーズを行うと,近づくどころか逆に現在の放送画から離れてしまい,その分の映像データは緩衝パートの記録領域に記録される。
なお,第1の実施の形態では,例えば,ポーズ時間を1分以内と決めておけば,その分の緩衝パート(メモリ容量)を予め確保しておけば良い。
次に,図4を参照しながら,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理にかかる状態遷移(ステートマシン)について説明する。図4は,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な状態遷移について示す説明図である。
図4(a)に示すように,現在の映像としてテレビジョン受像機のCRT111等に番組が放送されている状態(S401)から,例えば電話等によりユーザが視聴を中断する場合,追っかけ再生用に番組を録画するために“録画”ボタン等をユーザが押下すると,処理状態がライブ放送の映像表示状態(S401)から録画状態(S402)に遷移する。
なお,上記“録画”ボタンの押下は,例えば,リモートコントローラ(リモコン)に備わる“録画”ボタンの押下の場合を例示することができるが,かかる例に限定されず,画面上をタッチパネルとし“録画”ボタンをタッチする場合等でも実施できる。
録画状態(S402)に遷移すると,番組の録画処理を示す“●”マーク又は“録画”などのアイコンが図4(b)に示すように,画面451上に表示される。録画状態(S402)は,番組の録画処理を停止するための“停止”ボタンの押下によって,番組の録画処理を停止し,ライブ放送の映像を表示する元の状態に遷移する。
また,録画処理中は,図4(b)の画面451等に示すように,映像データの記録容量の状態を示すインジケータ等が表示される。したがって,番組の録画処理中は,上記インジケータの表示も空の状態(エンプティ)から刻一刻と容量一杯の状態(FULL)に近づくように更新する。
なお,第1の実施の形態にかかる録画処理中は,CRT111の画面には,記録開始直後の静止画像がフルイメージで表示されるが,かかる例に限定されず,例えば,記録中である旨のメッセージが表示された静止画面が表示される場合,何も表示されない場合,またはライブ放送の映像が表示される場合等でもよい。
録画処理中の状態(S402)から,例えばユーザが席に戻り視聴を再開する場合,追っかけ再生するために“再生”ボタン等をユーザが押下すると,再生状態(S403)に遷移する。
再生状態(S403)に遷移すると,番組の再生処理を示すアイコンが図4(b)に示すように,画面452上に表示される。さらに再生状態(S403)は,再生速度を調整するための“早送り再生”または“スロー再生”ボタンの押下によって,再生速度が調整された速度制御再生状態(S404)に遷移する。“スロー再生”の場合,SDRAM205の物理的記憶容量までは,任意のスロー再生または一時停止が可能となる。
速度制御再生状態(S404)に遷移すると,早送り再生の場合は,図4(b)の画面453に示すように三角形が2つ並んだアイコンが表示され,“スロー再生”の場合も適当なアイコン(図示せず。)が表示される。
また,“早送り再生”ボタンを押下する回数に応じて早送り再生する速度を変更することができる。例えば,デフォルトの状態では1倍速の再生速度であり,利用者が一回ボタンを押下すると1.1倍速になり,二回の押下で1.2倍速,三回の押下で2倍速など速度を変更することができる。なお回数に応じた再生速度の変動幅はいかなる場合であっても実施することができる。
SDRAM205に記録された映像データを再生することで,映像を追っかけ再生し,番組の映像がライブ放送の映像に到達した場合,“早送り再生”または“スロー再生”による速度制御再生状態(S404)から現在の映像の表示状態(S401)に遷移する。画面表示も録画の再生映像からライブの映像に切換わる。
なお,上記説明した追っかけ再生処理のステートマシンは,フラッシュメモリ203に記憶されるプログラムから構成される場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,追っかけ再生装置105内に備わるデバイス等の場合であっても実施可能である。
次に,図5を参照しながら,第1の実施の形態にかかるプログラムのモジュール構成について説明する。図5は,第1の実施の形態にかかるプログラムのモジュール構成の概略を示す説明図である。
上記ライブ放送の追っかけ再生処理するプログラムはフラッシュメモリ203に記憶されている。図5に示すようにプログラムは,ステートマシンモジュール501と,OSDモジュール502と,プロセス処理モジュール503と,エンコーダ/デコーダモジュール505と,リアルタイムOSモジュール507と,デバイスライブラリモジュール509とから少なくとも構成される。
ステートマシンモジュール501は,上記説明したように,次なるステートの遷移先等,各ステートの状態遷移を管理している。ステートの遷移先は,APIを経由して,プロセス処理モジュールに指示する。具体的にはAPIに次のステート(再生状態,早送り再生状態等)が設定される。
OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)モジュール502は,追っかけ再生処理中や録画処理中などを指標するアイコン等のGUIを画面上に表示するモジュールであり,またユーザからの指示を受付けるモジュールも含まれる。例えば,リモコン等に備わる“録画”ボタンがユーザにより押下されたのをOSDモジュール502が検知し,ステートマシンモジュール501に知らせる。
プロセス処理モジュール503は,ステートマシンモジュール501からの指示に応じて,映像データの追っかけ再生処理,記録処理,早送り再生処理,またはメモリに対する記録制御処理等の各プロセス処理を実行または制御する。
エンコーダ/デコーダモジュール505は,クロマデコーダ201から送出される映像データをMPEG4形式にエンコードし,または読み出した映像データをデコードする。なお,第1の実施の形態にかかるエンコーダ/デコーダモジュール505は,MPEG4形式にエンコードまたはデコードする場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,MPEG2等の場合であっても実施可能である。
デバイスライブラリモジュール509は,例えば追っかけ再生装置105に備わるデバイス(クロマデコーダ201等)を管理制御する。したがって,プロセス処理モジュール503等から処理の実行指示を受けると,デバイスを駆動し指示に応じた処理を実行させることができる。例えば,追っかけ再生装置105に備わるSDRAM205のデバイス(ハードウェア)に対して,映像データを記録させる記録処理等の制御等を例示できる。
デバイスによる処理の実行結果をデバイスライブラリモジュール503からプロセス処理モジュール503が受けることで,プロセス処理モジュール503が割り込み処理(ルーチン)したり,周辺機器等のデバイスコントロールを行うためリアルタイムOS507に指示を行う。また,ステータスハンドラー(Status Handler)経由で,ステートマシンモジュール501に次のステータスに該当するプロセス処理を指示するようコールバック(Callback)する。
なお,ステータスハンドラーは,例えば,あるステータス(再生状態,早送り再生状態など)が遷移するたびにステートマシンモジュール501等に問い合わせる機能である。
また,コールバックは,例えば,呼び出しの際に,現在のプロセス処理の内容等をパラメータとして渡すことで,呼び出し先(ステートマシンモジュール501等)から,自身が提供するプロセス処理のうち適当なプロセス処理を実行するよう指示してもらう。
リアルタイムOS507は,制御部207の動作を総合的に管理するOS(オペレーションシステム)である。リアルタイムOSであるため,所定時間内には指示された処理を実行可能なようにタスク管理している。
第1の実施の形態にかかるプログラムのモジュール群は,フラッシュメモリ203に記憶され,制御部207によって上記プログラムが読み込まれ,上記プログラムモジュールに記述された処理内容通りに,制御部207に追っかけ再生処理を実行させる。
(追っかけ再生処理)
次に,図6を参照しながら,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の動作について説明する。図6は,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示す説明図である。
まず,ユーザがリモコン等の“録画”ボタンを押下すると,OSDモジュールが駆動し,制御部207が当該ボタンの押下を受付け,チューナー101から送出される映像ストリーム600の録画を開始する(S601)。録画された映像データは,例えば,1又は2以上のフレーム単位,または所定時間単位に,SDRAM205に割当てられた複数の記憶領域(ブロック)に格納される。
図6に示すように,録画開始(S601)すると,制御部207はチューナー101で受信する映像ストリーム600のうち“A”パート,“B”パート,…の記録単位でSDRAM205のブロックに格納する。なお,上記“A”パートは,例えば,GOP(Group Of Pictures)等に相当する1又は2以上の映像データからなるグループ単位である。
したがって,制御部207は,録画開始後,図6に示すように,“A”パート〜“H”パートに相当する映像データをSDRAM205の記憶領域に格納させる。
次に,ユーザがリモコン等の“再生”ボタン押下後さらに“早送り再生”ボタンを押下すると,制御部207は,上記“早送り再生”ボタンの押下を受付け,録画データの再生を開始する(S603)。
図6に示すように,“早送り再生”は,番組の録画処理を1倍速とすると2倍速で再生するため,例えば,“A”パートの映像データを録画する同一時間内で,“A”及び“B”パートの映像を再生しているのが分かる。
以上から,録画開始後(S601)〜再生開始前(S603)に録画された“A”パート〜“H”パートの映像データは,録画時間の半分の時間で再生する。なお,再生している間は,制御部207は,新たにチューナー101から受信する映像データをSDRAM203に格納することはできない。なお,上記録画開始後(S601)から再生開始前(S603)までの所定時間,または上記以降の再生時間を,例えば第1の所定時間等としてもよい。
上記“A”〜“H”パート再生処理後,新たに“I”〜“L”パートの映像データをSDRAM205に格納する。なお,記録処理の間は,再生処理を実行できないため,CRT111の画面には,例えば“H”パートに該当する映像データのうち,終了直前のフレームの静止画像が表示されるが,かかる例に限定されない。
第1の実施の形態にかかる追っかけ処理は,再生処理と録画処理が交互に繰り返し行われるため,再生される映像は所々途切れ途切れで,間欠的であるが,視聴するに際してユーザに違和感を生じさせるほどではない上,仮想的に追っかけ再生が可能となるため開発コストをかけずに経済的に負担とならない。
上記記録された“I”〜“L”パートの映像データも,上記説明した通り,記録処理の2倍の速度で再生するため,録画する時間の半分の時間で再生処理が終了する。“M”パート,“N”パート,…以降の映像データの記録及び再生処理についても同様に再帰的に交互に繰り返し処理が行われる。
以上から,記録及び再生処理が繰り返し行われることで,録画及び再生処理時間が半分ずつ短くなって,再生する映像がライブ放送の現在の映像に徐々に近づいていき,終局的に再生映像が現在の映像に追いつくことができる(S605)。
なお,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の再生・記録処理にて対象する映像データはアナログの映像データである場合に限定されず,他のいかなるデータ形式でもよい。
また,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の平均再生速度は,再生処理を2倍速としたことから,平均再生速度は1.5倍速の追っかけ再生速度となる。なお,追っかけ再生処理のうち再生処理が1.5倍速の場合,平均再生速度は,1.25倍速の追っかけ再生速度となる。
また,第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理において,映像データの記録区間,音声データも同時記録可能なため,それを再生速度に合わせて繋いで再生することができる。さらに,映像の再生速度等とは別に,音声の再生速度が異なる場合でも実施することができる。
次に,図7,図8,および図9を参照しながら,第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理について説明する。図7は,第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示す説明図である。図8および図9は,第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示すフローチャートである。なお,第2の実施の形態にかかる追っかけ処理については,第1の実施の形態にかかる追っかけ処理と比較した際の相違点について特に説明する。
まず,図8に示すように,ユーザがリモコン等の“録画”ボタンを押下すると,OSDモジュールが駆動し,制御部207は,当該ボタンが押下されたのを検出する(S801)。
“録画”ボタンの押下を受付けると(S801),SDRAM205の記憶領域をクリア(初期化)し,ポインタをクリアするために“0”を設定する(S803)。なお,かかるポインタに限定されず,例えば変数などの場合でもよい。
次に,例えば,“1”等のアドレスを,SDRAM205の記憶領域に先頭番地として設定し,エンコードの回数を示すエンコードカウンタ(ENCカウンタ:M)とデコードカウンタ(DECカウンタ:N)を“0”クリアする(S805)。
次に,録画開始するため,制御部207は,クロマデコーダ201によりデコードされた映像データをMPEG4形式にエンコードし,映像データを先頭番地から順に記録する(S807)。
なお,先頭番地など格納先を示す番地(アドレス)は,物理的なSDRAM205の記憶領域に格納される例えば1GOP(Group Of Pictures)単位にグループ化された1又は2以上の映像データと1対1に対応がとれているものとする。
上記記録処理(S807)後,エンコードをカウントするためのENCカウンタの値(M)を1インクリメントする(S809)。次に,制御部207は,SDRAM205の記憶容量が一杯であるか否かを確認する(S811)。なお,第2の実施の形態にかかるカウントは,例えばGOP単位にカウントしてもよく,またはGOPに含む映像データ単位にカウントしても良い。
上記確認の結果(S811),記憶容量一杯である場合,先頭番地に戻ることを示すポインタに1を設定し(S813),先頭番地(S805)から既格納された映像データが上書きされるように記録される(S807)。なお,先頭番地に戻り継続して記録処理があることを示せれば,かかるポインタに1以外の値が設定されてもよい。また,記憶容量が一杯になった回数の値がポインタに設定される場合等でもよい。
上記確認の結果,まだ記憶容量が一杯でない場合(S811),次に,制御部207は,ユーザにより,再生ボタンが押下されたか否かを確認する(S815)。
なお,上記記録処理(S807)は,図7に示すように,“A”パート,“B”パート,“C”パート,・・・,“G”パート,“H”パートに相当する映像ストリーム600の映像データを,SDRAM205の記憶容量が一杯になるまで(S811),またはユーザによる再生ボタンの押下されるまで(S815),1倍速の速さでSDRAM205に記録する。
次に,再生ボタンの押下を検知すると(S815),上記ポインタの値が“1”であるか否かをチェックし(S817),ポインタの値が“1”の場合,少なくとも1回は先頭番地に戻り録画が繰り返されているため,再生ボタン押下のタイミングでエンコードされた映像データの格納先アドレス(M)に1を加算する(S819)。
上記再生ボタン押下時にエンコードされ,格納された映像データの次の格納先を示すアドレスは,既に記録された映像データのうち最古のものである映像データが格納されたアドレスを示している。
一度先頭番地に戻り繰り返し記録処理があった場合,単にSDRAM205の先頭番地から再生したのでは前後関係が反転するため番組ストーリーの整合がとれない。したがって,再生ボタン押下に対応するアドレスの次のアドレスに格納された映像データから再生することで,タイムシーケンスのとれた再生処理を行える。
次に,DECカウンタの値(N)に上記エンコーダ回数の値(M)を代入し,ENCカウンタ(M)に0を代入する。なお,Mはエンコードの回数を示し,Nはデコードの回数を示しているため,映像データの再生時には,逆にエンコードした回数(M回)だけデコード(M回)すればよいことが分かる。なお,第2の実施の形態にかかるカウンタ値は,例えば,GOP単位にカウントしてもよく,またはGOPに含む映像データ単位にカウントしても良い。
次に,図9に示すように,再生ボタンが押下されると(S815),録画開始したポインタにかかる映像データを最初から順に(“A”,“B”パート等),格納先から取り出し,デコードして早送り再生する(S823)。
ユーザからの録画開始の指示後,SDRAM205に所定時間の間映像データが記録されるが,その記録された映像データをバッファとして利用することで,記録速度または通常再生を基準速度として2倍速などの再生速度で追っかけ再生することができる。
なお,図7に示すように,早送り再生は,例えば記録処理の2倍の処理速度で番組を記録しているため,記録処理の“A”パートでメモリに記録した録画時間の1/2の時間で再生できる。例えば,“A”パートの映像データを録画する処理の時間で,“A”及び“B”パートの映像データを早送り再生しているのがわかる。
上記早送り再生(S823)に伴い,DECカウンタの値(N)を2だけデクリメントする。つまり,2パート分(例えば,“A”,“B”パート)の映像データを再生処理したためである。なお,第2の実施の形態にかかるカウンタ値は,例えば,GOP単位にカウントしてもよく,またはGOPに含む映像データ単位にカウントしても良い。
再生処理すると(S825),次に録画処理するため,当該再生処理で表示した最後のIピクチャの静止画を,制御部207は,CRT111などの表示画面に表示する(S827)。かかる静止画を表示画面に表示することで,制御部207への処理負荷を軽減できる。なお,Iピクチャに限定されず,例えばBピクチャや,予め格納された画像データ等の場合でもよい。
次に,図7に示す例えば“I”パート等,1GOP分の映像データをMPEG4形式にエンコードし,SDRAM205に記録する(S829)。記録後,ENCカウンタの値を1インクリメント(M=M+1)する(S831)。
次に,ユーザから“停止”又は“一時停止”ボタンが押下されたか否かを制御部207は,確認し(S833),押下されていない場合,DECカウンタのNが1であるか否かをチェックする(S835)。
次に,DECカウンタの値(N)が1以下の場合,制御部207はENCカウンタの値(M)が1であるか否かを確認する(S837)。上記ENCカウンタの値が1のとき(S837),現在の映像に追いつくことができたため,ライブ放送の映像に表示が切り替わる(S841)。
上記ENCカウンタの値が1でない場合(S837),再度DECカウンタの値にエンコード回数を示す値(M)を設定し,ENCカウンタの値に“0”を設定し(S839),早送り再生が行われる(S823)。
また,上記停止ボタン又は一時停止ボタンが押下された場合(S833),10秒経過したか否かをチェックし,10秒(10GOP)以内でない場合(S843),1GOP分の映像データを取り出し,エンコードし,映像データを記録する(S845)。次に,ENCカウンタの値(M)に1インクリメントする(S847)。なお,かかる例に限定されず,例えば,20秒,3GOPなど,如何なる場合でも実施できる。
最後に,ユーザから“停止”又は“一時停止”ボタンが押下されたか否かを制御部207は確認し(S849),押下された場合,再度早送り再生処理が実行される(S823)。以上から,第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の一連の動作が終了する。
なお,第2の実施の形態にかかる「追っかけ再生」では,放送受信した番組を記録する記録処理と,この記録された番組を早送り再生する再生処理とを逐次処理で切替えながら,放送中のシーンに追いつく機能を追っかけ再生としている。
また,第2の実施の形態にかかる制御部207は,DSP(Digital Signal Processor)である場合を例に挙げて説明するが,追っかけ再生装置105内の各部の処理を制御したり,映像データをエンコード又はデコード処理等の処理を実行可能であれば,かかる例に限定されず,いかなる場合でもよい。
第2の実施の形態にかかる制御部207がDSPであることの特徴として,高機能で高速処理である大規模な回路素子のチップである必要はなく,既存のDSPのチップを活用し,追っかけ再生処理が,上記DSPによって実現できるため,開発コスト,生産コスト等を大幅に削減することができる点がある。
第2の実施の形態にかかる録画処理中は,CRT111の画面には,記録開始直後の静止画像がフルイメージで表示されるが,かかる例に限定されず,例えば,記録中である旨のメッセージが表示された静止画面が表示される場合,何も表示されない場合,またはライブ放送の映像が表示される場合等でもよい。
第2の実施の形態にかかるエンコーダ/デコーダモジュール505は,MPEG4形式にエンコードまたはデコードする場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,MPEG2等の場合であっても実施可能である。
第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理については,一旦録画処理が終了すると,再生処理となるため,録画/再生を交互にシーケンシャルに実施することができる。また,映像データの記録区間,音声データも同時記録可能なため,それを再生速度に合わせて繋いで再生することができる。さらに,映像の再生速度等とは別に,音声の再生速度が異なる場合でも実施することができる。
また,第1の実施の形態および第2の実施の形態では,ハードウェア構成による映像/音声のエンコード/デコード(Codec)以外に,ソフトウェアでエンコード,デコードを交互に実施することで,より柔軟な追っかけ再生用のアプリケーションを組むことができる(コーディング)。ソフトウェアで実現することで,MPEG4,MPEG1,またはMPEG2などのCodecをアプリケーションに応じて,臨機応変に使い分けることができる。
また,第1の実施の形態および第2の実施の形態では,例えば300MHzを超えるDSPクロック等が不要の為,外部に対してEMI(電磁気干渉)の影響も少なく,回路基板やモジュール設計等を比較的容易に設計することができる。
なお従来においては,LTVPなどのアプリケーションを実現しようとすると,同時にエンコード,デコードできる高性能なDSPやメディアプロセッサを必要としていた。従って,チップコストも高価となり,低価格TVにフィーチャとして搭載できなかった。一方,ソフトウェアでCodecを行わない場合は,ビデオ信号の圧縮,伸長機能をハードウェアで備えている高価なプロセッサを必要としていた。
また従来においては,追っかけ再生を行う映像ストリームを記録する記録媒体としては,殆どHDD(ハードディスクドライブ)が用いられていた。上記HDDは,記録媒体として大変優れているが高価であること,テレビジョン(TV)に内蔵するには容積が比較的大きいこと,また機械的に常に回転している為,耐用寿命が短くかつ騒音がメモリなど他の記録媒体と比較すると大きいこと等が欠点とされていた。
さらに従来において,追っかけ再生のためハードウェアでエンコード,デコード機能を有すると,Codecは例えばMPEG4等,一つの方式に限定されてしまい,他のCodecに柔軟に対応できない。アップグレードによる機能追加や,バグ修正のためのパッチなど,ソフトウェアによる柔軟な対応が困難であること等が欠点として挙げられる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例を想定し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態においては,制御部207は,DSPである場合を例に挙げて説明したが,追っかけ再生装置105内の各部の処理を制御したり,映像データをエンコード又はデコード処理等の処理を実行可能であれば,かかる例に限定されない。
上記実施形態においては,エンコーダ/デコーダモジュール505は,MPEG4形式にデータをエンコードまたはデコードする場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば,MPEG2等の場合であっても実施可能である。
また,上記実施の形態にかかるフラッシュメモリ203,SDRAM205は,データを読書き可能であれば,かかる例に限定されない。例えば,ハードディスクドライブなどの補助記憶装置であっても実施することができる。
上記実施形態においては,追っかけ再生装置105に備わる各部はハードウェアからなる場合を例にあげて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,上記各部は,1又は2以上のモジュールまたはコンポーネントから構成されるプログラムの場合であってもよい。
また,上記実施形態においては,フラッシュメモリ203に備わる各モジュールはプログラムからなる場合を例にあげて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,上記各モジュールは,ハードウェアから構成される場合であってもよい。
本発明は,番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置,テレビジョン受像機,および追っかけ再生方法に適用可能である。
第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略を示す説明図である。 第1の実施の形態にかかるテレビジョン受像機の概略を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるSDRAM205の概略的な構成を示す説明図である。 第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な状態遷移について示す説明図である。 第1の実施の形態にかかるプログラムのモジュール構成の概略を示す説明図である。 第1の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかる追っかけ再生処理の概略的な動作について示すフローチャートである。
符号の説明
100 テレビジョン受像機
101 チューナー
103 クロマデコーダ
105 追っかけ再生装置
203 フラッシュメモリ
205 SDRAM
207 制御部

Claims (18)

  1. 番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置であって:
    チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と;
    前記映像及び/又は音声データを処理する制御部と;
    前記映像及び/又は音声データを記録可能な記録部とを備え,
    前記制御部は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付けると,前記記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と,該第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理とを,該記録処理の処理回数に応じて第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行することを特徴とする,追っかけ再生装置。
  2. 前記制御部は,少なくとも一回は前記記録処理と再生処理とを交互に繰り返すことを特徴とする,請求項1に記載の追っかけ再生装置。
  3. 前記制御部は,前記第1の所定時間が所定時間まで収縮した場合,少なくともリアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えることを特徴とする,請求項1に記載の追っかけ再生装置。
  4. 番組を追っかけ再生する追っかけ再生装置であって:
    チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と;
    前記映像及び/又は音声データを処理する制御部と;
    前記映像及び/又は音声データを読み書き可能な記録部とを備え,
    前記制御部は,ユーザにより追っかけ再生指示を受付けると,前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で所定時間,再生する再生処理と,該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で所定時間,映像及び/又は音声データを記録する記録処理とを,交互に繰り返し実行することを特徴とする,追っかけ再生装置。
  5. 前記所定時間は,GOP単位の映像データの記録時間であることを特徴とする,請求項4に記載の追っかけ再生装置。
  6. 前記制御部は,前記記録部に格納された映像及び/又は音声データのGOP単位の個数が所定数に満たない場合,処理を終了することを特徴とする,請求項5に記載の追っかけ再生装置。
  7. 前記制御部は,リアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えることを特徴とする,請求項6に記載の追っかけ再生装置。
  8. 番組を追っかけ再生するテレビジョン受像機であって:
    チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と;
    前記映像及び/又は音声データを処理する制御部と;
    前記映像及び/又は音声データを記録可能な記録部とを備え,
    前記制御部は,ユーザにより追っかけ録画指示を受付けると,前記記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と,該第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理とを,該記録処理の処理回数に応じて第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行することを特徴とする,テレビジョン受像機。
  9. 制御部は,前記記録処理の間,表示画面に再生処理時の映像データの静止画を表示させることを特徴とする,請求項8に記載のテレビジョン受像機。
  10. 番組を追っかけ再生するテレビジョン受像機であって:
    チューナーから送出される映像及び/又は音声データをデコードするデコード部と;
    前記映像及び/又は音声データを処理する制御部と;
    前記映像及び/又は音声データを読み書き可能な記録部とを備え,
    前記制御部は,ユーザから追っかけ再生指示を受付けると,前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で所定時間,再生する再生処理と,該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で,映像及び/又は音声データを記録する記録処理とを,交互に繰り返し実行することを特徴とする,テレビジョン受像機。
  11. 制御部は,前記記録処理の間,表示画面に再生処理時の映像データの静止画を表示させることを特徴とする,請求項10に記載のテレビジョン受像機。
  12. 番組を追っかけ再生する追っかけ再生方法であって:
    ユーザにより追っかけ録画指示を受付ける受付処理と;
    記録部に映像及び/又は音声データを第1の所定時間,記録する記録処理と;
    前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間内に前記記録部に記録された映像及び/又は音声データを再生する再生処理と;
    前記記録処理と再生処理とを該記録処理の処理回数に応じて,前記第1の所定時間を収縮させながら,交互に繰り返し実行する繰り返し処理とを含むことを特徴とする,追っかけ再生方法。
  13. 前記繰り返し処理は,少なくとも一回は前記記録処理と再生処理とを交互に繰り返すことを特徴とする,請求項12に記載の追っかけ再生方法。
  14. 前記繰り返し処理は,前記第1の所定時間が所定時間まで収縮した場合,少なくともリアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えることを特徴とする,請求項12に記載の追っかけ再生方法。
  15. 番組を追っかけ再生する追っかけ再生方法であって:
    ユーザにより追っかけ再生指示を受付ける受付処理と;
    記録部に記録された映像及び/又は音声データを,第1の所定速度で所定時間,再生する再生処理と;
    該第1の所定速度よりも遅い第2の所定速度で所定時間,映像及び/又は音声データを記録する記録処理と;
    前記再生処理と記録処理とを交互に繰り返し実行する繰り返し処理とを含むことを特徴とする,追っかけ再生方法。
  16. 前記所定時間は,GOP単位の映像データの記録時間であることを特徴とする,請求項15に記載の追っかけ再生方法。
  17. 前記繰り返し処理は,前記記録部に格納された映像及び/又は音声データのGOP単位の個数が所定数に満たない場合,処理を終了することを特徴とする,請求項16に記載の追っかけ再生方法。
  18. 前記繰り返し処理は,リアルタイムに放送する番組の映像及び/又は音声データに切替えることを特徴とする,請求項17に記載の追っかけ再生方法。

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