JP2005296774A - イオン交換樹脂フィルタシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理液中の陽イオン及び陰イオンを選択的に除去し、設置される燃料電池システム等の耐久性を向上させたイオン交換樹脂フィルタシステムを提供する。
【解決手段】陽イオン交換樹脂フィルタ9及び陰イオン交換樹脂フィルタ10を個別に収納したイオン除去ユニット3と、イオン除去ユニット3の各フィルタ9,10に流通させる被処理液の流量比を調節する流量調節手段(三方バルブ)6と、被処理液のpH値を検出するpHセンサ7と、pHセンサ7から検出されたpH値に基づき、流量調節手段6に制御信号を送り、被処理液の流量比を制御するコントローラ8と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、燃料電池システムの純水系又は冷却水系などに設置されて、冷却水等の被処理液中に含まれるイオンを除去するイオン交換樹脂フィルタシステムに関する。
近年、自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化等の環境問題を解決するため、燃料電池を動力源とした燃料電池システムの開発が進められている。
燃料電池システムは、固体高分子膜を電解質として用いた固体高分子電解質型燃料電池から構成される燃料電池スタックを備えており、固体高分子電解質型燃料電池の作動温度は、約80℃〜120℃の低温領域である。このため、燃料電池システムに冷却系を設置し、燃料電池スタックに冷却水を供給することにより燃料電池スタックの温度上昇を緩和している。また、発電に際し、固体高分子電解質を加湿する必要があるため、燃料電池システム内に純水系を設置し、燃料電池スタックに純水を供給している。
燃料電池スタックに供給する冷却水あるいは純水は、その液中にAl3+、Ca2+、Mg2+、Na、K等の金属イオンが含まれると、燃料電池スタック内でショートする原因となる。そこで、通常、冷却系及び純水系にイオン交換樹脂フィルタシステムを設置して、冷却水あるいは純水に含まれる金属イオンを除去している。
上記イオン交換樹脂フィルタシステムは、基本的に、イオン交換樹脂フィルタと、イオン交換樹脂フィルタ内に冷却水あるいは純水を循環させる駆動力となるポンプと、により構成される。イオン交換樹脂フィルタは、陽イオンを選択的に除去する陽イオン交換樹脂と陰イオンを選択的に除去する陰イオン交換樹脂とを充填して構成されるか、あるいは、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを各々充填した2つのイオン交換樹脂フィルタを直列に配置して構成している。
例えば、燃料電池スタックを冷却する冷却系に、イオン交換樹脂から形成したイオン除去ユニットを設けた燃料電池システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。本技術では、冷却系を流通する冷却水の導電率が上昇した時に、冷却水をイオン交換樹脂フィルタに流通させて、冷却水中に溶出したイオンを除去して冷却水の導電率を規定値に維持している。
特開2003-36869号公報(第7頁、第1図)
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、イオン除去ユニットを構成する陽イオン交換樹脂フィルタと陰イオン交換樹脂フィルタとに流通させる流量比が変化しないため、イオン除去ユニットで除去できる陽イオンと陰イオンの比率が一定であった。このため、冷却水中に溶出するイオン種やイオンの比率に変動が生じた場合、冷却水のpHが、酸性またはアルカリ性に傾く恐れがあった。
冷却水のpHが、酸性あるいはアルカリ性に極端に傾くと、燃料電池スタック中の固体高分子電解質膜や触媒に損傷を与え、発電性能が低下する恐れを有していた。また、酸性あるいはアルカリ性に傾いた冷却水が、金属製配管等の流路内を流通すると、金属の腐食により流路に欠陥が生じる恐れがあった。
そこで、固体高分子電解質膜を構成する高分子樹脂材料や配管を形成する金属材料の劣化を防止するために、材料自体に高耐酸性及び高耐アルカリ性の高分子樹脂材料や高耐食性の金属材料を使用することも検討されている。しかし、この場合には、部品材料の制約を受けてコストが高騰するだけではなく、重量が増加する恐れもあり、燃料電池システムを自動車等の移動体に搭載することが難しくなっていた。このような問題は、燃料電池システムの純水系だけではなく冷却系にも生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明のイオン交換樹脂フィルタシステムは、陽イオン交換樹脂フィルタ及び陰イオン交換樹脂フィルタを個別に収納したイオン除去ユニットと、イオン除去ユニットの各フィルタに流通させる被処理液の流量比を調節する流量調節手段と、被処理液のpH値を検出するpHセンサと、pHセンサから検出されたpH値に基づき、流量調節手段に制御信号を送り、被処理液の流量比を制御するコントローラと、を備えることを要旨とする。
本発明のイオン交換樹脂フィルタによれば、流量調節手段で陽イオン交換樹脂フィルタと陰イオン交換樹脂フィルタとに流れる流量比を調節して被処理液中の陽イオン又は陰イオンを選択的に除去したため、燃料電池システム等の耐久性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るイオン交換樹脂フィルタシステムについて、図1から図3までを用いて説明する。なお、本発明の実施の形態に係るイオン交換樹脂フィルタシステムは、例えば、燃料電池システムの純水系または冷却水系に設置され、純水系または冷却水系に流通させる純水または冷却水の導電率を低い値に維持するものである。
図1は、本発明の実施の形態に係るイオン交換樹脂フィルタシステムの基本的な構成を示す図である。
図1に示すように、イオン交換樹脂フィルタシステム1は、系内の流路2を流通する冷却水または純水などの被処理液中に含まれるイオンを除去するイオン除去ユニット3及びイオン交換樹脂フィルタ4を直列に接続している。イオン除去ユニット3の上流側には、イオン除去ユニット3及びイオン交換樹脂フィルタ4に被処理液を循環させる駆動力となるポンプ5を設置している。イオン除去ユニット3上流には、流量調節手段である三方バルブ6を接続している。イオン除去ユニット3とポンプ5との間の流路2には、pHセンサ7を設置し、pHセンサ7にはコントローラ8を接続している。
イオン除去ユニット3は、被処理液中に含まれる陽イオンを選択的に除去する陽イオン交換樹脂フィルタ9と、陰イオンを選択的に除去する陰イオン交換樹脂フィルタ10とを、内部に並列に収納して構成される。陽イオン交換樹脂フィルタ9としては、例えば、スルホン酸基(-SO3H)を交換基とする強酸性陽イオン交換樹脂、あるいはカルボン酸基(-COOH)を交換基とする弱酸性陽イオン交換樹脂を用いたフィルタを挙げることができる。また、陰イオン交換樹脂フィルタ10としては、例えば、4級アンモニウム基(≡N+OH-)を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂、あるいは1級1,2,3,アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いたフィルタを挙げることができる。この中でも、被処理液が、冷却水や純水である場合は、強酸樹脂フィルタまたは強塩基樹脂フィルタを使用することが好ましい。
イオン交換樹脂フィルタ4は、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合して充填して構成される。また、本構成に限定されず、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を個別に収納した各樹脂を直列に配置して構成しても良い。なお、ここではイオン除去ユニット3の後流側に設置したが、イオン交換樹脂フィルタ4の設置位置は限定されるものではなく、系内に設置すれば良い。
流量調節手段としての三方バルブ6は、イオン除去ユニット3内の陽イオン交換樹脂フィルタ9と陰イオン交換樹脂フィルタ10とに流通させる被処理液の流量比を調節するものである。なお、ここでは、流量調節手段として三方バルブ6を使用したが、三方バルブに限定されず、陽イオン交換樹脂フィルタ9と陰イオン交換樹脂フィルタ10とに流通させる被処理液の流量比を調節できるものであれば良い。
pHセンサ7は、系内の流路2を流通する被処理液のpH値を検出するセンサである。
コントローラ8は、pHセンサ7から検出されたpH値に基づき、三方バルブ6に制御信号を送り、三方バルブ6の開度を調節して、イオン除去ユニット3内の陽イオン交換樹脂フィルタ9及び陰イオン交換樹脂フィルタ10に流通させる被処理液の流量比を制御するものである。例えば、コントローラ8は、pHセンサ7から検出されたpH値が、予め設定した規定値よりも酸性側である場合に、イオン除去ユニット3内の陰イオン交換樹脂フィルタ9に流通させる被処理液の流量を増加させる。一方、pHセンサ7から検出されたpH値が、予め設定した規定値よりもアルカリ性側である場合に、コントローラ8は、三方バルブ6に制御信号を送り、イオン除去ユニット3内の陽イオン交換樹脂フィルタ10に流通させる被処理液の流量を増加させる。
図2は、流量調節手段である三方バルブ6の開度の決め方を説明する図である。横軸Aは、系内を流通する被処理液のpH値と、中性であるpH値との差を示し、縦軸Bは、三方バルブ6の開度(%)を示す。また、三方バルブ6の開度100%とは、イオン除去ユニット3内の陽イオン交換樹脂フィルタ9に、被処理液を全量流す時の開度を意味するものである。図2に示すように、pHセンサ7から検出された被処理液のpH値が、予め設定した規定値以上、つまりアルカリ側に傾いている時には、陽イオン交換樹脂フィルタ10に流れるように三方バルブ6の開度を調節する。一方、被処理液のpH値が、予め設定した規定値以下、つまり酸性側に傾いている時には、陰イオン交換樹脂フィルタ9に被処理液が流通するように三方バルブ6の開度を調節する。三方バルブ6の開度を調節して、被処理液のpH値を迅速に中性に近づけることができる。なお、三方バルブ6の開度は、検出された被処理液のpH値が中性に近づくほど、図2に示すように、陽イオン交換樹脂フィルタ9と陰イオン交換樹脂フィルタ10とを流通する被処理液の流量比を1:1となるように調節する。
さらに、コントローラ8において、被処理液のpHを調節する処理工程フローを図3に示す。
図3に示すように、まず、pHセンサ7から検出された系内の流路2を流通する被処理液のpH値を取得する(St100)。その後、取得した被処理液のpH値が、予め設定した規定値(ここでは、規定値7)よりも小さいか否かを判定する(St200)。
St200での判定の結果、被処理液のpH値が規定値よりも大きい(pH>7)場合には、被処理液中に陽イオンが多く存在するため、コントローラ8から三方バルブ6に制御信号を送り(St300)、三方バルブ6の開度を調節して陽イオン交換樹脂フィルタ9に流れる流量比を増加させて、陽イオンを除去する。一方、St200での判定の結果、被処理液のpH値が規定値よりも小さい(pH<7)場合には、被処理液中に陰イオンが多く存在するため、コントローラ8から三方バルブ6に制御信号を送り(St400)、三方バルブ6の開度を調節して陰イオン交換樹脂フィルタ10に流れる流量比を増加させて、陰イオンを除去する。
さらに、系内の流路2を流通する被処理液のpH値を取得して、取得した被処理液のpH値がpH=7であるか否かを判定する(St500)。St500での判定の結果、被処理液のpH値がpH=7である場合は、三方バルブ6の開度をそのまま維持して処理を終了する。一方、被処理液のpH値が、pH=7ではない場合には(pH>7またはpH<7)、St100に戻る。
本実施形態によれば、流量調節手段として三方バルブ6を設置したため、イオン除去ユニット3を構成する陽イオン交換樹脂フィルタ9と陰イオン交換樹脂フィルタ10とに流通させる被処理液の流量比を変えることができる。このため、被処理液中の陽イオンと陰イオンとの溶出量が異なり、被処理液のpH値が酸性あるいはアルカリ性に傾いた場合でも、被処理液中に含まれる陽イオン及び陰イオンを選択的に除去して素早くpHを調節し、被処理液を中性あるいは予め設定した基準値内とすることができる。この結果、被処理液のpH値が、アルカリ性側あるいは酸性側に極端に傾き、燃料電池スタックがオーバーショートするのを防止することができる。
また、本実施形態によれば、イオン除去ユニット3の後流側にイオン交換樹脂フィルタ4を設置したため、被処理液が、必ず陽イオン交換樹脂フィルタ9及び陰イオン交換樹脂フィルタ10を通過する。このため、イオン除去ユニット3で、陽イオン交換樹脂フィルタ又は陰イオン交換樹脂フィルタのいずれか一方のみを通過した場合でも、被処理液中の陽イオン及び陰イオンを除去することができる。
なお、本実施形態では、燃料電池システムの冷却系あるいは純水系にイオン交換樹脂フィルタシステムを設置して、冷却水あるいは純水中のイオンを除去する例を挙げて説明したが、イオン交換樹脂フィルタシステムは、燃料電池システムの冷却系あるいは純水系に設定されるものに限定されるものではなく、被処理液中の金属イオン等を除去する他のシステムに設置できることはもちろんである。
本発明の実施の形態に係るイオン交換樹脂フィルタシステムを説明する構成図である。 図1に示す三方バルブの開度の調節を説明する図である。 図1に示すイオン交換樹脂フィルタシステムのコントローラにおける、被処理液のpHを調節する工程を説明するフロー図である。
符号の説明
1…イオン交換樹脂フィルタシステム
2…流路
3…イオン除去ユニット
4…イオン交換樹脂フィルタ
5…ポンプ
6…三方バルブ
7…pHセンサ
8…コントローラ
9…陽イオン交換樹脂フィルタ
10…陰イオン交換樹脂フィルタ

Claims (5)

  1. 陽イオン交換樹脂フィルタ及び陰イオン交換樹脂フィルタを個別に収納したイオン除去ユニットと、
    前記イオン除去ユニットの各フィルタに流通させる被処理液の流量比を調節する流量調節手段と、
    前記被処理液のpH値を検出するpHセンサと、
    前記pHセンサから検出されたpH値に基づき、前記流量調節手段に制御信号を送り、前記被処理液の流量比を制御するコントローラと、
    を備えることを特徴とするイオン交換樹脂フィルタシステム。
  2. 前記コントローラは、前記pHセンサから検出されたpH値が、予め設定した規定値よりも酸性側である場合に、前記流量調節手段を制御する制御信号を送り、前記イオン除去ユニット内の陰イオン交換樹脂フィルタに流通させる被処理液の流量を増加させることを特徴とする請求項1記載のイオン交換樹脂フィルタシステム。
  3. 前記コントローラは、前記pHセンサから検出されたpH値が、予め設定した規定値よりもアルカリ性側である場合に、前記流量調節手段を制御する制御信号を送り、前記イオン除去ユニット内の陽イオン交換樹脂フィルタに流通させる被処理液の流量を増加させることを特徴とする請求項1又は2記載のイオン交換樹脂フィルタシステム。
  4. 前記流量調節手段は、三方バルブであり、
    前記コントローラは、前記三方バルブの開度を調節する制御信号を送り、前記イオン除去ユニット内の各フィルタに流通させる被処理液の流量を調節することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイオン交換樹脂フィルタシステム。
  5. さらに、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合して充填して構成されたイオン交換樹脂フィルタ、又は陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を個別に収納した各樹脂を直列に配置したイオン交換樹脂フィルタのいずれかを備えることを特徴とする請求項1記載のイオン交換樹脂フィルタシステム。

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