JP2005284921A - シェーディング情報取得システム、画像処理システム、試料画像撮影装置 - Google Patents

シェーディング情報取得システム、画像処理システム、試料画像撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 種々のパラメータを設定するという煩雑な作業を行うことなく、簡便な操作により仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を取得する。
【解決手段】 ベース10と、ベースに立設されたシャフト11と、シャフト11の上端において、θ1方向に回転可能に接続された支持部22と、支持部22に対してθ2方向に回転可能に接続された試料テーブル21と、試料テーブル21の上側に配設され、試料テーブル21に載置された試料Sの全域に光を拡散して照射する光源34を具備する照射部30とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を取得するシェーディング情報取得システムに関するものである。
コンピュータ上に設定された仮想3次元空間内で作成された仮想3次元モデルは、3次元空間内に設定された仮想カメラ及び光源の位置、光源から仮想的に照射される光の仮想3次元空間内における反射や屈折などの影響を考慮して、仮想3次元空間内の所定の位置に設定された仮想スクリーン上に描画(レンダリング)され、その仮想スクリーン上で描画された画像がディスプレイ上に表示される。仮想3次元モデルをレンダリングする場合、仮想光源から照射される光の影響や仮想3次元モデルの材質などを考慮して、シェーディング処理が行われるが、従来の画像処理装置では、このシェーディング処理は、オペレータがパラメータを設定することにより行われていた。
しかしながら、リアルなシェーディング処理を行うためには、パラメータの設定を的確に行わなければならず、熟練した技能が要求されため、初心者には困難であるとともに、熟練者であっても膨大な時間及び労力を費やさなければならないという問題があった。
特に、布のような繊維状の構造体は、光の当たる角度により光の反射率や拡散などが変化する光学異方性を有しており、このような構造体からなる仮想3次元モデルをリアルにシェーディング処理するためには、仮想3次元空間内の環境光(アンビエント)、発散光(ディフューズ)及び反射光(スペキュラ)といった種々のパラメータをより的確に設定することが要求され、初心者はもとより熟練者であっても、膨大な時間及び労力を費やさなければリアルなシェーディング処理を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、種々のパラメータを設定するという煩雑な作業を行うことなく、簡便な操作でありながらリアルなシェーディング処理を実現することができるレンダリングを行う際に使用されるシェーディング情報を取得するシェーディング情報取得システム、画像処理システム及び試料撮影装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるシェーディング情報取得システムは、現物の試料を撮影する試料撮影装置と、前記試料撮影装置によって撮影された試料画像を基に、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を算出する演算装置とを備えるシェーディング情報取得システムであって、前記試料撮影装置は、現物の試料が載置される試料テーブルと、前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源と、前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備え、前記演算装置は、前記試料画像取得手段によって撮影方向毎に取得された試料画像を複数の領域に分け、各領域の画像を基に、各領域に対する光の照射方向と、前記試料画像に対する撮影方向とにより特定される撮影条件毎のシェーディング情報を算出するシェーディング情報算出手段を備えることを特徴とする。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、前記演算装置は、前記試料テーブルに載置され、かつ、前記光源によって光が照射された基準試料を前記試料画像取得手段により撮影することにより、実測基準画像を取得する実測基準画像取得手段と、理想光源によって照射された基準試料に対する画像を計算により推定し、推定基準画像を算出する推定基準画像算出手段と、前記実測基準画像と前記推定基準画像との各画素データの比率を基に、前記試料画像を補正する第1の補正手段とを更に備え、前記シェーディング情報算出手段は、前記第1の補正手段によって補正された試料画像を基に、前記シェーディング情報を算出することが好ましい。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、前記試料の各位置と前記光源との距離に応じて減衰した光量を補う補正を、前記第1の補正手段によって補正された試料画像に対して施す第2の補正手段を更に備え、前記シェーディング情報算出手段は、前記第2の補正手段によって、補正された試料画像を基に、前記シェーディング情報を算出することが好ましい。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、前記光源は、発光ダイオードからなることが好ましい。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、前記光源は、前記試料テーブルの試料載置面に対し、上下方向にスライド可能に配設されたことが好ましい。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、前記試料テーブルを上下方向にスライドさせるための駆動手段と、前記試料テーブルを上下方向にスライドさせるユーザからの操作指令を受け付ける操作手段とを備え、前記駆動手段は、前記操作手段によって受け付けられた操作指令を基に、前記試料テーブルを上下方向にスライドさせることが好ましい。
また、前記シェーディング情報取得システムにおいて、シェーディング情報取得手段は、前記光源の真下の点を中心として放射状に複数の直線を引くとともに、複数の同心円を引くことにより前記試料画像を複数の領域に分けることが好ましい。
本発明にかかる画像処理システムは、現物の試料を撮影する試料撮影装置と、前記試料撮影装置によって撮影された試料画像を基に、シェーディング情報を算出する演算装置と、前記シェーディング情報を基に、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする画像処理装置とを備える画像処理システムであって、前記試料撮影装置は、現物の試料が載置される試料テーブルと、前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源と、前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備え、前記演算装置は、前記試料画像取得手段によって撮影方向毎に取得された試料画像を複数の領域に分け、各領域の画像を基に、各領域に対する光の照射方向と、前記試料画像に対する撮影方向とにより特定される撮影条件毎のシェーディング情報を算出するシェーディング情報算出手段を備えることを特徴とする。
本発明にかかる試料画像撮影装置は、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を算出するための試料画像を取得する試料画像撮影装置であって、現物の試料が載置される試料テーブルと、前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源と、前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備えることを特徴とする。
請求項1、8、9記載の発明によれば、試料テーブルに載置された試料は、照射手段によって、試料全域に光が拡散して照射され、試料画像取得手段によって、種々の方向から撮影され、撮影方向毎の試料画像が取得される。そして、演算装置によって、試料画像が各領域に分けられ、各領域に対する光の照射方向と、撮影方向とが撮影条件とされ、各領域の画像を基に、撮影条件毎のシェーディング情報が算出される。
仮想3次元空間内にモデリングされた仮想3次元モデル表面のある位置において、仮想光源からの光の照射方向と、仮想カメラからの撮影方向とが設定されれば、当該位置における撮影条件を特定することができる。そして、特定した撮影条件に対応するシェーディング情報を用いて、レンダリングを行えば、計算のみでは再現不可能であった試料の光学異方性を高精度に再現することができ、リアルなシェーディング処理を実現することができる。
ここで、本発明のように、試料全域に光を拡散して照射するのではなく、指向性の高い光を出力する光源とカメラとを、テーブル上方の半天球面において移動させ、光源及びカメラの位置を順次変更していくことにより試料を撮影し、得られた試料画像を基に、撮影条件毎のシェーディング情報を算出する手法も考えられる。しかしながら、この手法を採用した場合、カメラ及び光源は、各々、経度及び緯度の2つのパラメータを有することから、撮影条件は、4つのパラメータから構成されることとなり、各パラメータを、例えば1度刻みで変化させた場合、試料の撮影回数は、360×90×360×90=10億以上となってしまい、1秒あたり2枚の画像を撮影することができるとしても、全撮影条件に対する画像を取得するためには、16年以上という膨大な時間がかかってしまう。
本発明では、上述のように、試料の全域に亘って光を拡散して照射させ、撮影方向のみを変化させ、各撮影方向による試料画像に複数の領域を設定し、各領域と、照射手段との位置関係から照射方向を特定し、撮影条件毎のシェーディング情報を算出しているため、照射方向を変化させる必要がなくなり、試料画像を得るための撮影時間を大幅に減少させることができる。さらに、照射方向を変化させるために光源を移動させる移動手段も不要となり、装置の簡略化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、基準試料を撮影することにより実測基準画像が取得され、基準試料を理想光源により照射した場合に、試料画像取得手段によって撮影されることが推定される推定基準画像が算出され、実測基準画像と推定基準画像との各画素データの比率を基に、試料画像取得手段によって取得された試料画像が補正される。そのため、理想点光源により光が照射された試料を試料画像取得手段によって撮影した場合に、得られること推定される試料画像と、同一の試料画像を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、試料の各位置に照射される光量を一定としたときに取得される試料画像と同一の試料画像を取得することができる。
請求項4記載の発明によれば、光源として発光ダイオードが採用されているため、より太陽光に近い光を試料に照射することができるとともに、消費電力の低減を図ることができる。
請求項5記載の発明によれば、光源が、試料に対して上下方向にスライド可能に配設されているため、試料に対して所望する光量の光を照射することができる。
請求項6記載の発明によれば、ユーザは、操作手段を操作することにより、試料に対する光源の高さを調節することができる。
請求項7記載の発明によれば、試料画像が放射状に分けられているため、撮影条件を特定するための光の照射方向の設定が容易となる。
以下、図面を参照しつつ本発明にかかるシェーディング情報取得システムの一実施の形態について説明する。本実施の形態にかかるシェーディング情報取得システムは、現物の試料を撮影する試料撮影装置1と、試料撮影装置1によって撮影された試料画像を基に、シェーディング情報の算出等を行うコンピュータ2とから構成される。まず、試料撮影装置1の構成から説明する。図1は、試料撮影装置1の外観斜視図を示している。試料撮影装置1は、ベース10と、ベース10の上側(+N方向)に配設されたテーブル部20と、テーブル部20の上方から、現物の試料に対して光を照射する照射部30と、試料を撮影するカメラ40と、ベース10の下方(−N方向)に配設された台座50と、装置全体を覆う暗箱60とを備えている。
ベース10は、円盤状を有し、中心部から円筒状のシャフト11が立設されている。テーブル部20は、試料が載置される円状の試料テーブル21と、シャフト11に対して試料テーブル21を支持する支持部22とを備えている。支持部22は、水平方向に長尺の支持板221を備えている。支持板221は、シャフト11の上端によって、中心部221aが軸支され、水平面上(U−V平面上)をθ1方向に回転可能に配設されている。シャフト11にはモータ111(図1では省略、図3参照)が内蔵され、支持部22は、このモータ111の駆動力により、θ1方向に回転され、位置決めされる。これにより、試料テーブル21は、シャフト11の長手方向を回転軸(軸心)Z1として、θ1方向に回転される。
支持板221の両端には、平板状の連結板222及び223が立設されている。連結板222には、シャフト224が水平方向に貫通されている。シャフト224の一端には、試料テーブル21が接続され、他端には、モータ225が接続されている。モータ225は、例えばステッピングモータが採用されている。モータ225の回転軸(図略)及びシャフト224は、カップリング(図略)を介して接続されている。シャフト224は、モータ225の駆動力により、θ2方向に回転され、位置決めされる。これにより、試料テーブル21は、支持部22に対し、シャフト224の長手方向を回転軸(軸心)Z2として、θ2方向に回転(旋回)する。
照射部30は、試料テーブル21の外枠211に対し、試料テーブル21の試料載置面に対し垂直方向(A方向)に立設された平板上の支持板31と、支持板31に対して、A方向にスライド可能に接続された平板状の光源支持板32と、光源支持板32に対して試料テーブル21側に配設され、光源が内蔵された光源ホルダ33とを備えている。
図2は、照射部30の拡大図である。支持板31の試料テーブル21側には、A方向に長尺の溝311が形成されており、光源支持板32の一端は、この溝311に対し、A方向にスライド可能に嵌めこまれている。また、光源支持板32の他端には、試料テーブル21側に向けて、直方体状の光源ホルダ33が取り付けられ、光源ホルダ33の試料テーブル21と対向する面には、半球面状の光射出面を有する光源34が取り付けられている。これにより、光源34は、試料テーブル21に載置された試料S全域に対し、光を放射状に拡散して出力することとなる。また、光源支持板32は、人間が直接把持してA方向にスライド可能な構成を採用してもよいし、モータ(図略)によってA方向にスライド可能な構成を採用しても良い。
モータによってスライドさせる場合は、例えば、試料テーブル21上に、前後方向に傾倒可能な操作レバーを配設し、この操作レバーを前方向に倒したとき、光源支持板32がモータの駆動力を受けて+A方向にスライドされ、一方、操作レバーを後方向に倒したとき、光源支持板32がモータの駆動力を受けて−A方向にスライドされ、操作レバーがニュートラル位置に戻されたとき、モータの駆動が停止され、光源支持板32のスライドが停止される構成を採用してもよい。これによって、光源34及び試料S間の距離を任意に調節することが可能となり、試料Sへの光量を所望する光量に調節することができる。
なお、光源34は、メタルハライドランプ、又は、発光ダイオード等が採用される。ただし、発光ダイオードから照射される光が太陽光により近いことに加えて、電力消費量が低いことから、光源34としては、発光ダイオードを用いることが好ましい。
図1に示す暗箱60は、直方体状であり、側面には、試料Sをカメラ40で撮影するための撮影孔61が形成されている。カメラ40は、CCD及びレンズ等を備え、暗箱60の外部に配設されている。なお、暗箱60は、直方体状に限定されず、例えばドーム形状のように装置全体を覆うことができる形状であれば、どのような形状を有していてもよい。
図3は、シェーディング情報取得システムの電気的構成を示すブロック図である。シェーディング情報取得システムは、試料撮影装置1とコンピュータ2とを備えている。試料撮影装置1は、撮影機構部1Aと、制御部1Bとを備えている。撮影機構部1Aは、図1で示すベース10、テーブル部20、照射部30及びカメラ40から構成されている。制御部1Bは、モータコントローラ1B−1、モータドライバ1B−2,1B−3及び光源ドライバ1B−4を備え、撮影機構部1Aの機械的な動作を制御する。
モータドライバ1B−2は、モータコントローラ1B−1の制御の下、モータ111の駆動電流を生成し、試料テーブル21をθ1方向に回転させる。モータドライバ1B−3は、モータコントローラ1B−1の制御の下、モータ225の駆動電流を生成し、試料テーブル21をθ2方向に回転させる。モータコントローラ1B−1は、コンピュータ2から種々の制御信号を受信し、その信号に応じてモータドライバ1B−2及び1B−3を制御する。光源ドライバ1B−4は、コンピュータ2からの制御信号を基に、駆動電流を生成し、光源34を点灯させる。
コンピュータ2は、CPU(中央演算処理装置)2A、RAM(ランダムアクセスメモリ)2B、ROM(リードオンリーメモリ)2C、入力装置2D、ビデオキャプチャボード2E、表示装置2F、記録媒体駆動装置2G、外部記憶装置2H及び入出力インターフェイス(I/F)2Iを備える通常のパーソナルコンピュータから構成されている。ビデオキャプチャボード2Eは、カメラ40によって撮影された試料Sの画像を、例えば、IEEE1394規格のケーブルを介して取得する。CPU2A〜I/F2Iは、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスからなるバスラインにより、種々のデータが相互に送受信可能に接続されている。
入力装置2Dは、キーボード及びマウス等から構成されている。表示装置2Fは、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ又は液晶パネル等が採用される。記録媒体駆動装置2Gは、ハードディスクから構成され、オペレーティングシステム等のプログラムを記憶する。記録媒体駆動装置2Gは、フレキシブルディスク、CD−ROM及びDVD−ROM等の記録媒体からデータを読み込むとともに、記録媒体に対してデータ書き込みを行う装置である。
I/F2Iは、例えば、RS−232Cのシリアルインターフェイスであり、RS−232Cケーブルを介して制御部1Bと接続されている。
図4(a)は、試料撮影装置1の構造を説明するための模式図であり、図4(b)は、試料テーブル21部分の拡大模式図である。試料テーブル21において、回転軸Z1に対する角度αは、U軸が基準とされている。
本実施の形態では、試料テーブル21に、試料Sとして布が載置され、角度α=0度のときに試料Sの繊維の方向(縦糸の方向又は横糸の方向)FLがU軸と平行になるように試料Sが載置されるため、U軸に対する試料テーブル21の角度αと、U軸に対する試料Sの繊維の方向FLの角度とは一致する。そして、角度αが、試料テーブル21の水平方向の回転角度である。
U−V平面上であって、繊維の方向FLと直交し、原点Oを通る直線を回転軸Z2とすると、図4(b)に示すN軸と、試料テーブル21のテーブル載置面に直交する法線ベクトルN1との角度が、試料テーブル21の回転軸Z2に対する角度β、すなわち、試料テーブル21の鉛直方向に対する回転角度(U−V平面と直交する面上での回転角度)である。
したがって、カメラ40の光軸の方向は、N軸及び法線ベクトルN1間の角度βと、(a)に示すU軸及び及び方向FL間の角度αの2種類のパラメータによって特定することができる。なお、カメラ40の光軸は、U軸上に設定する場合に限定されず、N軸上に設定してもよいし、V軸上に設定してもよいし、いずれにせよ、天球面B1上の一点と、試料Sとを結ぶ直線上に光軸がくるようにカメラ40が設置されていればよい。天球面B1は、説明の便宜のために設定したものであり、実際に存在するものではない。
試料テーブル21は、回転軸Z2を軸心としてθ2方向に回転可能に配設されている。そのため、天球面B1上にカメラ40を移動させなくとも、カメラ40を移動させた場合と同一の撮影条件を取得することが可能となる。その結果、カメラ40を移動させるための機構が不要となり、装置の構成を簡略化することができる。図5は、光源34と、試料テーブル21に載置された試料Sとの関係を模式的に示した斜視図である。光源34は拡散光を出力する光源であり、原点Oは試料Sの重心である。光LDは、光源34から出力される拡散光のうち、注目点CPを照射する光であり、線分LD1は光LDのU−V平面への正射影である。光LDの照射方向は、光LD及びU−V平面間の角度γと、線分LD1及びU軸間の角度δによって特定することができる。そのため、光LDの方向、すなわち、注目点CPに対する光の照射方向は、角度γ及び角度δの2種類のパラメータによって特定することができる。そして、試料Sの平面上において、注目点CPの位置を変える毎に、光LDの方向が変わり、それに応じて、角度γ及び角度δも変わることとなり、注目点CPの位置に応じて、試料Sへの光の照射方向が特定されることとなる。なお、光源34の光の射出面の表面積は、試料Sの表面積に比べて、著しく小さく設定されている。そのため、光源34は点光源として取り扱うことができる。
ここで、試料Sを照射するにあたり、本実施の形態とは異なり、光源34として指向性の高い光を出力する光源を採用し、この光源34を天球面B1上に移動させるとともに、カメラ40も天球面B1上に移動させ、試料Sを撮影することにより、撮影条件毎のシェーディング情報を算出する手法も考えられる。しかしながら、この手法を採用した場合、カメラ40の光軸方向を変更することに加えて、光の照射方向を変更する度に、試料Sを撮影しなければならず、撮影回数が膨大となってしまう。
一方、本実施の形態では、光源34として、拡散光を出力するものを採用しているため、試料Sの位置に応じて光の照射方向を特定することが可能である。すなわち、光の照射方向を変更することなく、カメラ40の撮影方向(光軸方向)のみを変更し、変更する毎に1枚の画像を撮影し、シェーディング情報を取得しているため、撮影回数を大幅に減らすことができる。
そして、コンピュータ2は、上記4種類の角度α、β、γ、δの4種類のパラメータを1つの撮影条件として、撮影条件毎のシェーディング情報を算出し、このシェーディング情報をBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)として用い、仮想3次元モデルをレンダリングする。
図6は、コンピュータ2の機能を説明するためのブロック図である。コンピュータ2は、記憶部500、プログラム実行部600及び表示部700を備えている。記憶部500は、RAM2B及び外部記憶装置2Hから構成され、比率データ記憶部501、試料画像記憶部502、シェーディング情報記憶部503及び3次元モデル記憶部504を備えている。
比率データ記憶部501は、比率データ算出部601によって算出された比率データを記憶する。
試料画像記憶部502は、試料撮影装置1が、角度α及び角度βを各々所定角度間隔で変化させ、撮影方向毎に撮影した試料Sの画像(試料画像)を記憶する。本実施の形態では、試料テーブル21の角度αは、0〜345度の範囲内で15度間隔で変化され、角度βは、0〜90度の範囲内で5度間隔で変化されているため、合計432(=24×18)枚の試料画像が撮影され、試料画像記憶部505は、これら432枚の試料画像を、角度α及び角度βと対応付けて記憶している。試料画像は、所定行所定列の画素からなる矩形状のカラー画像であり、各画素データは、R(赤),G(緑),B(青)の色成分から構成され、各色成分は0〜255の値をとる。
シェーディング情報記憶部503は、シェーディング情報算出部603によって算出されたシェーディング情報を第1及び第2のテーブルを用いて記憶する。図7及び図8は、各々、シェーディング情報記憶部503が記憶する第1のテーブル及び第2のテーブルのデータ構造を示した図である。図7に示す第1のテーブルは、カメラの撮影方向を特定する角度α及び角度βの欄から構成されている。角度βの欄には、角度βが0度〜90度の範囲内で例えば5度毎に記載されており、角度αの欄には、角度αが0度〜345度の範囲内で例えば15度毎に記載されている。第1のテーブルの各セルには、角度α及びβによって特定される第2のテーブルを特定するためのインデックスが記憶されている。図7では、アルファベットTに各セルを行番号及び列番号を添え字としたものが、第2のテーブルを特定するためのインデックスとされている。例えば、インデックスT00は0行0列にセルに記憶されたインデックスであるため、添え字として「00」が記載されている。
図8に示す第2のテーブルは、複数のテーブルから構成され、各テーブルは、インデックスが付与されており、このインデックスは、第1のテーブルの各セルに記載されたインデックスと対応づけられている。第2のテーブルは、光の照射方向を特定する角度γ及び角度δの欄から構成されている。角度γの欄には、γが、0度〜90度の範囲内で例えば5度毎に記載されている。角度δの欄には、角度δが0度〜345度の範囲で例えば15度毎に記載されている。第2のテーブルの各セルには、後述するシェーディング情報が記憶されている。
なお、図7及び図8では、角度β及び角度γの刻み幅を5度毎に、角度α及び角度γの刻み幅を15度毎に設定しているが、これに限定されず、より細かな刻み幅にしてもよいし、より大きな刻み幅にしてもよいし、さらには、例えば、0〜45度の範囲では5度刻み、45度〜90度の範囲では、10度刻みというように角度範囲に応じて、刻み幅を適宜変更してもよい。
図6に示す3次元モデル記憶部504は、コンピュータ上に設定された仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルの形状を特定するための種々のデータ、例えば、仮想3次元モデルの表面に設定された複数の3角形または4角形等からなるポリゴンの各々の頂点の座標及び各頂点を結ぶ稜線等を記憶するとともに、仮想3次元空間内に設定された仮想光源、仮想カメラの座標を記憶する。仮想3次元空間は、それぞれ直交するN´、U´及びV´の3軸からなる座標系で表され、それぞれ、図1及び図4(a)(b)に示すN、U及びV軸に対応している。
プログラム実行部600は、比率データ算出部601、補正部602、シェーディング情報算出部603、レンダリング処理部604及び撮影機構制御部605を備えている。
比率データ算出部601は、第1の補正部602が、試料画像を補正する際に使用する比率データを算出する。詳細には、比率データ算出部601は、試料撮影装置1によって、所定方向(例えば、試料テーブル21に対して鉛直方向)から撮影された白色基準板の画像である実測基準画像を取得する。次に、比率データ算出部601は、光源34を理想点光源とした場合に、試料撮影装置1が上記所定方向から白色基準板を撮影したときに得られることが推定される理論上の画像(推定基準画像)を計算によって算出し、実測基準画像の各画素の画素データと、推定基準画像の各画素の画素データとの比率を比率データとして算出し、各画素の座標と、比率データとが対応付けられたデータベースを作成し、比率データ記憶部501に記憶させる。なお、白色基準板とは、試料テーブル21内に収まるサイズを有し、紙、プラスチック等の材質で構成され、表面が白色の矩形状の部材である。
比率データ算出部601の比率データのより詳細な算出手法を図5を用いて説明する。図5に示すHは、光源34と試料Sとの距離を示し、Rは、線分LD1の長さを示している。注目点CPでの画素データKは、式(1)で表される。
K=Csin(γ)=Csin(arctan(H/R))・・・式(1)
ここで、原点Oの画素データの値は、C(R成分,G成分,B成分)=(255,255,255)とする。Rは赤、Gは緑、Bは青を示し、それぞれ0〜255の256階調の値をとる。比率データ算出部601は、注目点CPを変えていき、各注目点CPに対して式(1)を用いて画素データKの値を算出し、推定基準画像の画像データを算出する。
そして、比率データ算出部601は、実測基準画像の画素データJのRGB成分JR,JG,JBと、推定基準画像の画素データKのRGB成分KR,KG,KBとに対して、WR=KR/JR,WG=KG/JG,WB=KB/JBの演算を行い、両画像の各画素における比率データW(WR,WG,WB)を算出し、各画素の位置とを対応づけて比率データ記憶部501に記憶させる。
補正部602は、試料撮影装置1が撮影した試料画像に対し補正を施すものであり、第1の補正部602a及び第2の補正部602bを備えている。第1の補正部602aは、試料画像記憶部502に記憶された各試料画像に対し、比率データ記憶部501に記憶された比率データ用いた補正を施し、第1の補正画像を生成する。この第1の補正画像は、試料Sに対して理想点光源からの光を照射した場合に撮影されると推定される試料画像である。詳細には、第1の補正部602aは、第1の補正画像の各画素データをMR、MG、MBとすると、試料画像の各画素データL(LR,LG,LB)に対して比率データW(WR,WG,WB)を乗算し、すなわち、MR=LR×WR,MG=LG×WG,MB=LB×WBの計算を行い、第1の補正画像を生成する。
第2の補正部602bは、各注目点CPに対する光量の格差を均一にした場合に、取得されることが推定される試料画像を得るために、第1の補正画像の各画素データMに対し、M/sin(γ)を乗算し、第1の補正画像に対して光量補正を施し、第2の補正画像を生成する。上述したように光源34は、拡散光を出力するものであるため、注目点CPの位置に応じて、光源34から照射される光量は異なるものとなる。しかしながら、これでは、光源34として指向性の高い光を照射する光源を採用し、光源34を天球面B1上に移動させた場合に得られる試料画像とは、異なる試料画像が得られてしまう。なぜならば、かかる構成を採用した場合、試料Sと光源34との距離が一定となるため、撮影条件毎の試料に対する光量は一定になるからである。そこで、第2の補正部602bは、上記光量の格差を是正するために、第1の補正画像に対して上記光量補正を施し、第2の補正画像を生成している。
シェーディング情報算出部603は、第2の補正画像に対し、複数の領域を設定し、設定した各領域内の各画素の輝度の平均値をシェーディング情報として算出し、第2の補正画像に対する各領域の位置によって特定される角度γ及び角度δと、第2の補正画像に対する撮影方向によって特定される角度α及び角度βとを対応付け、シェーディング情報記憶部503に記憶させる。
図9は、第2の補正画像G2上に設定された複数の領域の一例を示した図である。Oは、第2の画像G2の重心を示し、図5に示す原点Oと対応している。また、U軸及びV軸は、図5に示すU軸及びV軸に対応している。さらに、角度qは、図5に示す角度δに対応し、U軸を基準として時計周りに正の値をとる。シェーディング情報算出部603は、第2の補正画像G2の原点Oを中心とし、15度間隔で放射状に直線G2−1,G2−2,・・・,G2−24の合計24本の直線を引くとともに、原点Oを中心として、複数の同心円C1,C2,・・・を引くことにより、第2の補正画像上に複数の領域DOMを設定する。この場合、各同心円の半径は、k番目の同心円Ckの半径をRk、k+1番目の同心円Ck+1の半径をRk+1とすると、Rk+1−Rkは、図5で示す試料S及び光LD間の角度γが15度間隔となるような値が設定されている。本図においては、説明の便宜上、図5に示す試料S及び光LD間の角度(パラメータ)γをsの符号を付して区別して表す。
したがって、角度sと同心円Ckとの対応関係を例示すると、原点Oが角度s=90度に対応し、同心円C1が角度s=85度に対応し、同心円C2が角度s=80度に対応することとなる。また、角度qと直線G2−1〜G2−24との対応関係を例示すると、直線G2−1が角度q=15度に対応し、直線G2−2が角度q=30度に対応し、直線G2−24がq=0度に対応することとなる。
そして、本実施の形態では、原点O、直線G2−24、直線G2−1、及び同心円C1で規定される領域DOM1を、図8に示すパラメータδ=0及びγ=90に対応させ、直線G2−1,直線G2−2、同心円C1、及び同心円C2によって規定される領域DOM2をパラメータδ=15、γ=85に対応させるというようにして、各領域DOMとパラメータδ及びγを対応付けている。
そして、シェーディング情報算出部603は、区画した各領域DOMの画像から、各画素の輝度の平均値を算出してシェーディング情報とし、算出したシェーディング情報と、各領域DOMに対応する角度γ及び角度δとを対応づけてシェーディング情報記憶部503に記憶させる。
このように区画された各領域DOMに対するシェーディング情報を算出することにより、α〜γの4個パラメータによって特定される撮影条件毎のシェーディング情報を算出することができ、図7及び図8で示す第1及び第2のテーブルを作成することができる。
図6に示すレンダリング処理部604は、シェーディング情報記憶部503に記憶されたシェーディング情報を読み出し、3次元空間内に設定した仮想スクリーン上に仮想3次元モデルをレンダリングし、表示部700に表示させる。表示部700は、表示装置2Fから構成されている。
撮影機構制御部608は、モータコントローラ1B−1に制御信号を出力することにより、試料テーブル21を、回転軸Z1及びZ2に対して、それぞれ所定角度移動させて位置決めする。また、撮影機構制御部608は、光源34を所定タイミング、例えば、試料Sを撮影する直前に光源34を点灯させ、撮影終了時に光源34を消灯させ、光源34の点灯制御を行う。
図10は、本シェーディング情報取得システムが、試料テーブル21に載置された布の試料Sを撮影し、シェーディング情報を取得する際の処理を示したフローチャートである。
ステップS1において、撮影機構制御部608は、角度αを設定し、モータ111を駆動させ、設定した角度α分、試料テーブル21をθ1方向に回転させる。
ステップS2において、撮影機構制御部608は、角度βを設定し、モータ225を駆動させ、設定した角度β分、試料テーブル21をθ2方向に回転させる。
なお、オペレータは、入力装置2Dを用いて、角度α、角度βの刻み幅を適宜変更することができる。
ステップS3において、撮影機構制御部608は、光源34を所定光量で点灯させ、カメラ40により試料Sを撮影させる。撮影が終了すると、撮影機構制御部608は、光源34を消灯させる。なお、撮影機構制御部608は、試料テーブル21、試料テーブル21が位置決めされる毎に光源34を点灯させているが、常時、光源34を点灯させてもよい。これにより、光源34の制御が簡略化される。
ステップS4において、シェーディング情報算出部603は、カメラ40によって撮影された試料画像をビデオキャプチャボード2Eを介して取得し、撮影方向を特定するための角度α及び角度βと対応づけて試料画像記憶部502に記憶させる。
ステップS5において、撮影機構制御部608は、角度βが最終角度に達しているか否かを判断し、最終角度に達している場合(ステップS5でYES)、角度βに初期値を設定する(ステップS6)。一方、角度βが最終角度に達していない場合(ステップS5でNO)、ステップS2に戻り、再度、角度βの設定を行う。なお、本実施形態では、角度βは、初期値として0度が設定され、最終角度として90度が設定されており、0度から90度まで5度単位で順次設定されていく。
ステップS7において、撮影機構制御部608は、角度αが最終角度に達しているか否を判定し、最終角度に達している場合(ステップS7でYES)、処理が終了される。一方、角度αが最終角度に達していない場合(ステップS7でNO)、ステップS1に戻り、再度、角度αの設定を行う。なお、本実施形態では、角度αは、初期値として0度が設定され、最終角度として345度が設定されており、0度から345度まで15度単位で順次設定されていく。
図11は、本シェーディング情報処理システムがシェーディング情報を算出する処理を示したフローチャートである。まず、ステップS101において、比率データ算出部601は、試料撮影装置1に白色基準板を撮影させ、実測基準画像を取得する。次に、比率データ算出部601は、推定基準画像を計算によって算出し(ステップS102)、推定基準画像の各画素の画素データKと実測基準画像の各画素の画素データJとの比率データWを算出し、比率データ記憶部501に記憶させる(ステップS103)。
次に、第1の補正部602aは、試料画像記憶部502に記憶された各試料画像に対し、比率データ記憶部501に記憶された比率データWを用いて補正を施すことにより、第1の補正画像を生成する(ステップS104)。次に、第2の補正部602bは、第1の画像に対し光量補正を施し、第2の補正画像を生成する(ステップS105)。次に、シェーディング情報算出部603は、第2の補正画像上に複数の領域を設定し、設定した各領域内の各画素の輝度の平均値をシェーディング情報として算出し、第2の補正画像上に設定された各領域の位置によって特定される角度γ及び角度δと、第2の補正画像に対する撮影方向によって特定される角度α及び角度βと対応づけてシェーディング情報記憶部503に記憶させる。なお、シェーディング情報としては、平均値に限定されず、各領域内の各画素の輝度の最大値、最小値又は中央値を採用してもよい。あるいは、各画素を構成するR,G,B成分の各々の平均値をシェーディング情報として採用してもよい。
図12は、レンダリング処理部604の処理を示したフローチャートである。本フローチャートでは、仮想3次元モデルとして、図14に示す仮想人体モデルTOが着服するドレスDOを採用するとともに、試料SとしてドレスDOの生地を採用している。ステップS201において、レンダリング処理部604は、仮想3次元空間内に仮想スクリーンを設定する。ここで、仮想スクリーンは、仮想3次元空間内の仮想カメラVC及び仮想3次元モデル間の所定の位置に設定され、所定の解像度を有する矩形状の領域である。
ステップS202において、レンダリング処理部604は、仮想スクリーン上から1つの画素を抽出する。この場合、レンダリング処理部604は、例えば、仮想カメラVCの視線方向から見て仮想スクリーン上の一番左上に位置する画素を抽出する。
ステップS203において、仮想スクリーン上に設定した画素と、仮想カメラVCとを結ぶ直線上に仮想3次元モデルが存在するか否かを判定し、仮想3次元モデルが存在する場合(ステップS203でYES)、上記直線と仮想3次元モデルとの交点を注目点CP´として設定する(ステップS204)。一方、上記直線と仮想3次元モデルとの交点が存在しない場合(ステップS203でNO)、レンダリング処理部604は、仮想スクリーン上から次の画素を抽出する。この場合、レンダリング処理部604、例えば右隣に隣接する画素を次の画素として順次抽出していき、1ライン分の全画素が抽出されると、この1ライン分の下の1ラインの一番左に位置する画素を次の画素として抽出する。
ステップS205において、レンダリング処理部604は、仮想3次元モデルの表面に設定した注目点CP´における角度α´〜δ´を算出する。
図13は、角度α´〜δ´が算出される様子を説明するための図面である。法線ベクトルN1´は、ポリゴンPのポリゴン面PSに対する法線ベクトルを示し、図4(a)、(b)に示すN1に対応している。角度α´及び角度β´は、図4(a)及び(b)に示す角度α及び角度βに対応し、角度γ´及び角度δ´は、図5に示す角度γ及び角度δに対応し、ポリゴンPのポリゴン面PSは、現物の試料Sの表面(すなわち、試料載置面)に対応している。
VCは仮想カメラであり、VLは仮想光源である。仮想カメラVCの視線は、U´軸上であって、注目点CP´方向に設定されている。ベクトルLは、仮想光源VLと注目点CP´とを結ぶ線分であり、ベクトルL1は、ベクトルLのU´−V´平面への正射影ベクトルであり、ベクトルFL´は、繊維の方向FLに対応し、ベクトルFLHは、ベクトルFL´のU´―V´平面への正射影ベクトルである。さらに、注目点CP´は、図5に示す注目点CPに対応し、U´,V´,N´軸は、それぞれ、図4(a)、(b)及び図5に示すU,V,N軸に対応している。
レンダリング処理部604は、仮想3次元モデルの表面上に注目点CP´を設定し、注目点CP´を含むポリゴンPの各頂点P11、P12、P13の座標から、ポリゴン面PSに対する法線ベクトルN1´を算出し、仮想光源VLの座標及び注目点CP´の座標からベクトルLを算出する。そして、レンダリング処理部604は、ベクトルL及びベクトルL1間の角度γ´を算出し、ベクトルL1及びU´軸間の角度δ´を算出し、ベクトルFLH及びU´軸間の角度α´を算出し、法線ベクトルN1´及びN´軸間の角度β´を算出して、注目点CP´における角度α´〜δ´を算出する。
ステップS206において、レンダリング処理部604は、ステップS205で算出した角度α´〜δ´に対応するシェーディング情報がシェーディング情報記憶部503に存在するか否かを判定し(ステップS206)、角度α´〜δ´に対応するシェーディング情報がシェーディング情報記憶部503に存在する場合(ステップS206でYES)、存在するシェーディング情報を読み出し(ステップS207)、読み出したシェーディング情報と、ユーザによって指定された色とから、ステップS202又はステップS210で設定した仮想スクリーン上の画素のRGB値を算出する(ステップS208)。
一方、ステップS206において、レンダリング処理部604は、ステップS205で算出した角度α´〜δ´に対応するシェーディング情報がシェーディング情報記憶部503に存在しないと判定した場合(ステップS206でNO)、算出した角度α´〜δ´に対応するシェーディング情報を補間することによって算出し(ステップS209)、算出したシェーディング情報とユーザによって設定された色とから、ステップS202又はステップS210で設定した仮想スクリーン上の画素のRGB値を算出する。
ステップS210において、レンダリング処理部604は、仮想スクリーン上の全ての画素に対して画素データを設定したか否かを判定し、全ての画素に対しRGB値を算出している場合(ステップS210でYES)、ステップS211に処理を進める。
一方、ステップS210において、レンダリング処理部604は、仮想スクリーン上の全画素に対するRGB値の算出が終了していないと判定した場合(ステップS210でNO)、仮想スクリーン上から次の画素データを抽出し(ステップS211)、ステップS203に戻る。
ステップS212において、レンダリング処理部604は、仮想スクリーン上にレンダリングされた仮想3次元モデルを表示装置2Fに表示する。この場合、図14に示すような画像が表示される。レンダリング処理部604は、現物の試料を撮影することにより取得されたシェーディング情報を用いて、レンダリングを行っているため、布の光学異方性を精密に再現することができる。そのため、図14に示すように、ドレスDOの先端部分や胸の部分のプリーツにシェーディングが美しく施された画像を得ることができる。
なお、本発明は、以下の形態を採用することができる。
(1)上記実施形態では、プログラム実行部600の各機能をCPUにより構成したが、これに限定されず、LSIなどのハードウェアにより構成し、ビデオカメラ等に搭載してもよい。
(2)また、本画像処理装置が現物の試料を撮影することにより取得したシェーディング情報を、PTM(Polynomial Texture Mapping)に用いてもよい。
(3)上記実施の形態では、角度α及び角度γを5度刻みに設定し、角度β及び角度δを15度刻みに設定したが、これに限定されず、角度α〜δを1度刻み等、より細かな刻み幅で設定してもよいし、より荒い刻み幅で設定してもよい。
(4)上記実施の形態では、第2の補正画像に対して、放射状に直線を引くと共に、同心円を引くことにより各領域を設定したが、これに限定されず、例えば格子状に第2の補正画像を区画して、各領域を設定してもよい。
試料撮影装置の外観斜視図を示している。 照射部の拡大図である。 シェーディング情報取得システムの電気的構成を示すブロック図である。 (a)は試料撮影装置の構造を説明するための模式図であり、(b)は、試料テーブル21部分の拡大模式図である。 光源と試料テーブルに載置された試料との関係を模式的に示した斜視図である。 コンピュータの機能を説明するためのブロック図である。 シェーディング情報記憶部が記憶する第1のテーブルのデータ構造を示した図面である。 シェーディング情報記憶部が記憶する第2のテーブルのデータ構造を示した図面である。 第2の補正画像上に設定される領域の一例を示した図である。 本画像処理装置が、試料テーブルに載置された布の試料を撮影し、シェーディング情報を取得する際の処理を示したフローチャートである。 シェーディング情報が算出されるまでの処理を示したフローチャートである。 レンダリング処理部の処理を示したフローチャートである。 レンダリング処理部が設定した注目点において、角度α´〜δ´が算出される様子を説明するための図面である。 レンダリング処理部によってレンダリングされた仮想3次元モデルの一例を示した図である。
符号の説明
1 試料撮影装置
2 コンピュータ
10 ベース
11 シャフト
20 テーブル部
21 試料テーブル
22 支持部
30 照射部
31 支持板
32 光源支持板
33 光源ホルダ
34 光源
40 カメラ
41 レンズ
50 台座
60 暗箱
61 撮影孔
111 モータ
211 外枠
221 支持板
222 連結板
221a 中心部
224 シャフト
225 モータ
311 溝

Claims (9)

  1. 現物の試料を撮影する試料撮影装置と、前記試料撮影装置によって撮影された試料画像を基に、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を算出する演算装置とを備えるシェーディング情報取得システムであって、
    前記試料撮影装置は、
    現物の試料が載置される試料テーブルと、
    前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源と、
    前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備え、
    前記演算装置は、
    前記試料画像取得手段によって撮影方向毎に取得された試料画像を複数の領域に分け、各領域の画像を基に、各領域に対する光の照射方向と、前記試料画像に対する撮影方向とにより特定される撮影条件毎のシェーディング情報を算出するシェーディング情報算出手段を備えることを特徴とするシェーディング情報取得システム。
  2. 前記演算装置は、
    前記試料テーブルに載置され、かつ、前記光源によって光が照射された基準試料を前記試料画像取得手段により撮影することにより、実測基準画像を取得する実測基準画像取得手段と、
    理想光源によって照射された基準試料に対する画像を計算により推定し、推定基準画像を算出する推定基準画像算出手段と、
    前記実測基準画像と前記推定基準画像との各画素データの比率を基に、前記試料画像を補正する第1の補正手段とを更に備え、
    前記シェーディング情報算出手段は、前記第1の補正手段によって補正された試料画像を基に、前記シェーディング情報を算出することを特徴とする請求項1記載のシェーディング情報取得システム。
  3. 前記試料の各位置と前記光源との距離に応じて減衰した光量を補う補正を、前記第1の補正手段によって補正された試料画像に対して施す第2の補正手段を更に備え、
    前記シェーディング情報算出手段は、前記第2の補正手段によって、補正された試料画像を基に、前記シェーディング情報を算出することを特徴とする請求項2記載のシェーディング情報取得システム。
  4. 前記光源は、発光ダイオードからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシェーディング情報取得システム。
  5. 前記光源は、前記試料テーブルの試料載置面に対し、上下方向にスライド可能に配設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシェーディング情報取得システム。
  6. 前記試料テーブルを上下方向にスライドさせるための駆動手段と、
    前記試料テーブルを上下方向にスライドさせるユーザからの操作指令を受け付ける操作手段とを備え、
    前記駆動手段は、前記操作手段によって受け付けられた操作指令を基に、前記試料テーブルを上下方向にスライドさせることを特徴とする請求項5記載のシェーディング情報取得システム。
  7. シェーディング情報取得手段は、前記光源の真下の点を中心として放射状に複数の直線を引くとともに、複数の同心円を引くことにより前記試料画像を複数の領域に分けることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシェーディング情報取得システム。
  8. 現物の試料を撮影する試料撮影装置と、前記試料撮影装置によって撮影された試料画像を基に、シェーディング情報を算出する演算装置と、前記シェーディング情報を基に、仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする画像処理装置とを備える画像処理システムであって、
    前記試料撮影装置は、
    現物の試料が載置される試料テーブルと、
    前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源とを備え、
    前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備え、
    前記演算装置は、
    前記試料画像取得手段によって撮影方向毎に取得された試料画像を複数の領域に分け、各領域の画像を基に、各領域に対する光の照射方向と、前記試料画像に対する撮影方向とにより特定される撮影条件毎のシェーディング情報を算出するシェーディング情報算出手段を備えることを特徴とする画像処理システム。
  9. 仮想3次元空間内に作成された仮想3次元モデルをレンダリングする際に使用されるシェーディング情報を算出するための試料画像を取得する試料画像撮影装置であって、
    現物の試料が載置される試料テーブルと、
    前記試料テーブルの上方に配設され、光を放射状に拡散して出力し、前記試料テーブルに載置された試料の全域を照射する光源とを備え、
    前記試料テーブルに載置された試料の撮影方向を変化させて当該試料を撮影し、試料画像を取得する試料画像取得手段とを備えることを特徴とする試料画像撮影装置。
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