JP2005281275A - 磁気共鳴用造影剤およびそれを含む高分子組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】MRI造影下において明瞭に画像化できる磁気共鳴用造影剤およびそれを含む高分子組成物からなる磁気共鳴用造影剤を提供する。
【解決手段】中空構造を有する炭素繊維であって、その中空部に水、もしくは無機または有機化合物を一方あるいはともに含む水溶液などからなるプロトン保有物質を液体状態で内包する磁気共鳴用造影剤、該磁気共鳴用造影剤を高分子材料中に含有する高分子組成物、および該高分子組成物を用いて形成されたステントなどの医療用器具。
【選択図】 なし

Description

本発明は、核磁気共鳴(NMR)イメージングや生体の磁気共鳴画像(MRI)装置による診断および治療に用いられる磁気共鳴用造影剤に関するものである。
核磁気共鳴(NMR)イメージングは、NMRの原理に従って物体に含まれる核スピンを持つ物質のシグナルを非破壊的に検出してその分布と性質を画像化する技術である。分子運動が活発で速い物質ほど検出感度に優れるため、その主な検出対象は液体中に含まれるプロトン(水素原子核)であり、存在環境によって変化するプロトンの緩和時間の差異を測定することによって画像化を行う。例えば食品や高分子分野では、物体の内部構造の把握や、外部刺激を与えた際に発現する刺激応答メカニズムの解明などのために利用されている。
一方、これを大型にして医療分野に応用したものが生体の磁気共鳴イメージング(MRI)装置であり、生体にX線被爆の影響を与えることなく内部の構造を多方向から画像化できるため、検査、診断、治療に必要な形態情報を得るためのイメージング手法として医療分野において広く普及している。近年では、MRI装置の静磁場を形成するマグネットに、静磁場内(被験者が入る空間)にアプローチするスペースを設け、MRI造影下における外科的処置、超音波、レーザー、温熱、冷却、ラジオ波などの物理的方法による治療、内視鏡との併用による治療的診断等を行うことのできる、インターベンショナルMRI(MRT)装置も実用化されてきており、被験者の体内に医療用器具を挿入し、MRI下において検査、診断、治療等の医療行為を行うことも可能となってきた。
上記のイメージング技術において、NMR信号強度またはNMR画像のコントラストをより高めるために、造影剤を使用する方法がある。造影剤としては、鉄、クロムなどの強磁性金属やマンガンなどの常磁性金属を無機化合物塩の形態で使用したり、あるいは上記鉄、マンガンなどよりも不対電子の数が多く、強い緩和時間短縮効果を有する他の遷移元素またはランタノイド(例えばガドリニウムなど)の金属イオンと、有機窒素、リン、酸素、硫黄などを含有する各種錯体形成剤(主にエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸など)とから形成される有機キレート錯体などの形態で使用することが提案されている。これらは例えば医療の分野において、病変部位組織または血管を明瞭に造影するために経口的にまたは非経口的に投与される。また、MRTで使用する医療用器具を明瞭に画像化するために、前記医療用器具を構成する主な材料である高分子材料の全体あるいは構成の一部に分散させ、その造影剤付近に存在する生体内水分子と相互作用させることによって、NMRで検出されるのに適当な運動性を有するプロトンを持たない高分子材料の造影性を向上させるために使用される。
しかしながら、これらの造影剤はいずれもNMR画像の鮮明さ、像の正確さにおいて充分ではなかった。これは特に医療分野においては、目的病変部位の正確な大きさや形状が把握できないことを意味し、誤った診断を導く原因となる。さらに、キレート錯体の造影剤では、イオンの分離等により化学的な安定性に劣るため製剤形態での保存が困難であり、例えばガドリニウムなど金属イオンの種類によっては、生体内で金属イオンが遊離した場合に毒性が高い、などの問題がある。
また、これらの造影剤を高分子材料中に分散させて製造した高分子組成物からなる医療用器具をMRTにおいて使用する場合、医療用器具の正確な大きさや形状、生体内での位置を知ることができず医療行為の妨げとなる。さらには、これらの造影剤は生体内の水分子と相互作用することによりNMR造影性を向上させる原理であるため、造影剤を該高分子組成物の表面付近に分散させる必要があり、そのため充分な造影性が得られる量の造影剤を添加すると該高分子組成物の表面が粗くなるという問題があった。
本発明は、MRI造影下において明瞭に画像化できる磁気共鳴用造影剤およびそれを含む高分子組成物からなる磁気共鳴用造影剤を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、中空構造を持つ炭素繊維の中空部分にプロトン保有物質を内包した炭素繊維と、前記炭素繊維を全体あるいは少なくとも一部に分散させた高分子組成物が、MRIにおける磁気共鳴用造影剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
このような目的は、下記の(1)〜(9)によって達成される。
(1)中空構造を有する炭素繊維であって、その中空部にプロトン保有物質を液体状態で内包する磁気共鳴用造影剤。
(2)前記プロトン保有物質が水、もしくは無機または有機化合物を一方あるいはともに含む水溶液である上記(1)に記載の磁気共鳴用造影剤。
(3)前記プロトン保有物質中に磁性体またはそれを含む磁性粒子が分散されている上記(1)または(2)に記載の磁気共鳴用造影剤。
(4)前記炭素繊維の長さが、0.01μm〜1mmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤。
(5)前記炭素繊維の内径が0.1nm〜300nmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤。
(6)前記炭素繊維が炭素6員環構造を主構造とする黒鉛層を有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤。
(7)前記炭素繊維が炭素6員環構造を主構造とする黒鉛シートよりなるらせん円筒構造を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤を高分子材料中に含んでなる高分子組成物。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の磁気共鳴用造影剤を高分子材料中に含んでなる高分子組成物を用いて形成された医療用器具。
本発明の磁気共鳴用造影剤では、炭素繊維の中空部にプロトン保有物質を液体状態で内包することができることにより、NMRの原理により検出するのに充分な分子運動性を持ったプロトン保有物質を安定な状態で保持することができるため、それ自身が高いNMR造影性を有する。さらに、炭素繊維の中空部に内包されたプロトン保有物質は、種々の溶媒等に浸漬させても放出されることはなく、また常温常圧でその物質が通常示す沸点よりも高温の環境とした場合においてもある温度までは放出されることはないため、プロトン保有物質内包炭素繊維を様々な溶媒に分散させて造影剤として用いたり、溶融混練等の加工を施して高分子材料中に均一に分散させ、本来NMRで検出されるのに適当な運動性を有するプロトンを持たない高分子材料に造影性を付与することができる。この原理に依れば、生体内の水分子と相互作用することを必要としないので、高分子組成物そのものがNMR造影性を有すことになり、例えば医療用器具等の成形物として用いる際に、前記医療用器具の正確な大きさや形状、生体内での位置を知ることができる。
以下に、本発明の磁気共鳴用造影剤を詳細に説明する。
本発明の磁気共鳴用造影剤は、中空構造を有する炭素繊維の中空部にプロトン保有物質を液体状態で内包した炭素繊維およびそれを含む高分子組成物である。以下、本発明の磁気共鳴用造影剤を構成する炭素繊維、プロトン保有物質を内包した炭素繊維、およびそれを含む高分子組成物からなる磁気共鳴用造影剤を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維は、中空構造を有するものが使用できる。中空構造を持つことによって、前記炭素繊維の中空部に、NMR造影性を有するプロトン保有物質を内包することができる。
上記炭素繊維は、長さが0.01μm〜1mmであることが好ましい。このような長さの範囲であると、炭素繊維同士の絡まりによる二次凝集がなく、様々な溶媒中や後述する高分子組成物中で高分子材料と均一に分散することができるため、該高分子組成物表面の凹凸が少なく滑らかな表面が得られ、高分子材料の性質を妨げることなくNMR造影性を有する成形物を得ることができる。特に、上記炭素繊維の長さが0.01μm〜500μmであると、該炭素繊維と上記高分子材料との絡み合いが適度に制御され、一層均一な分散が実現でき、得られた高分子組成物に適度な機械的強度も同時に得られるので、より好ましい。さらに好ましくは、0.01μm〜100μmである。
プロトン保有物質を安定して内包するためには炭素繊維の中空部の直径はより小さいもののほうが好適である。一般にこのような中空構造に水などの分子が内包される場合、その直径がより小さいほうが毛管凝縮が起こりやすく、また一度内包した分子を放出しにくいという性質があるため、本発明の炭素繊維としてより好ましい。
上記炭素繊維の内径は、0.1nm〜300nmであることが好ましい。この範囲の内径を有する炭素繊維は、比較的入手しやすく、NMRイメージングやMRIにおいて画像化するのに必要なプロトン保有物質を適量内包することができ、また炭素繊維の壁面と内包されたプロトン保有物質との間の適度な相互作用により、プロトン保有物質が安定に保持されるので好ましい。炭素繊維の内径は、0.1nm〜200nmであると公知の製造法において高い収率で得ることができるので商業的に入手しやすくより好ましい。炭素繊維の内径が0.1nm〜150nmであると、毛管凝縮により炭素繊維内腔へのプロトン保有物質の内包が起こりやすく、また炭素繊維壁面との強い相互作用により内包物質の放出が起こりにくいのでさらに好ましい。
前述の理由により、前記炭素繊維でも特に炭素6員環構造を主構造とする黒鉛層を有するものが好適である。このような構造を有する炭素繊維は、一般的にカーボンナノファイバーやカーボンナノチューブと呼ばれており、針状、らせん状、円筒状等の任意の形状をとることができる。また、上記炭素繊維は単独で分散しているものだけでなく、数本で集合体を形成しているものでもよい。
上記炭素6員環を主構造とする黒鉛層を有する炭素繊維として、具体的には、炭素6員環構造を主構造とする黒鉛シートよりなるらせん円筒構造を有する炭素繊維(一般的に「カーボンナノチューブ」とも言う。)と、炭素6員環構造を主構造とする黒鉛よりなるらせん構造で形成された多重構造を有する黒鉛繊維であって、その繊維の先端が円錐形状で終わる角状の円筒構造を有する黒鉛繊維(一般的に「カーボンナノホーン」とも言う。)が例示される。上記カーボンナノチューブは単層の円筒構造を有するもの(例えば、特許第2526782号公報等に記載の炭素繊維)でもよく、らせん構造で形成された円筒形状が同心円状に配置された多重構造のもの(例えば、Nature,354,56(1991)、特許第2687794号公報等に記載の炭素繊維)でもよい。上記炭素繊維としてカーボンナノチューブを用いると、前述した炭素繊維の好ましい内径および長さの範囲を満たすことができ、本発明の炭素繊維として好ましい。
上記カーボンナノホーンは、1層または2層以上の層を重ね合わせた多重構造のもの(例えば、特許第2705447号公報等に記載の炭素繊維)であってもよい、また、角状の円筒構造が角の先端を外側に向けた集合体のもの(例えば、特開2002−159851号公報等)でもよい。これらのカーボンナノホーンも上記カーボンナノチューブと同様、本発明の炭素繊維として好ましい。
本発明のプロトン保有物質は特に限定されないが、NMRは通常、運動性を持つ物質を検出するので、プロトン保有物質としては常温から体温付近の温度で炭素繊維の中空部において液体として存在し得る物質が好ましい。前記物質としては、沸点が比較的高いものがよく、好ましくは、NMRでの感度の高さから、水、および無機、有機化合物の一方または両方をともに含む水溶液である。このような物質は、例えば前記物質を内包した炭素繊維と高分子材料とを溶融混練して複合組成物を製造する際、プロトン保有物質がより高温まで放出されにくく本発明におけるプロトン保有物質として都合がよい。前記放出温度は内包物質や炭素繊維の内径あるいは炭素繊維の開放端の形状などに依存する(内径が小さい場合や、開放端が蓋で閉じられている場合などは、放出温度が上昇する)ので一概には言えないが、例えば一般的な構造の単層カーボンナノチューブに水を内包させた場合では、水の沸点以上の温度である180℃程度でも水が放出されることはないことが知られている(文献Journal of the Physical Society of Japan,vol.71,No.12,2002,pp.2863−2866)。すなわち、本発明の磁気共鳴用造影剤は、広範な成形温度に対応することができ、各種高分子材料と溶融混練し所望の形状に成形することができる。よって例えば、成形温度が130〜150℃程度であるポリエチレンや、成形温度が180〜200℃程度であるポリ乳酸などと複合組成物を製造することができる。
前記無機化合物の例としては、MRI造影性をより向上させるために、これらのプロトン保有物質中にスピン−格子緩和時間(T1)やスピン−スピン緩和時間(T2)を変化させ、NMR信号強度またはNMR画像のコントラストを高める効果を有する造影剤などが挙げられる。前記造影剤としては、例えば鉄、マンガン、クロムなどの強磁性金属、または常磁性金属の無機化合物塩類、遷移元素またはガドリニウム等のランタノイド、およびこれらを含む物質などが挙げられる。遷移元素には周期表で3族から7族まで、および8,9,10,11族に属する各元素が含まれる。より詳しくは、例えばSc,Y,ランタノイド元素、アクチノイド元素、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Auなどが遷移元素に含まれる。このうちより好ましくは、Mn,Fe,Co,Gd,Eu,Tb,Er等のイオンである。これらの物質は、炭素繊維の中空部において、中空部に内包されたプロトン保有物質と相互作用することによりプロトン保有物質のNMR信号強度を高め、より明瞭な画像を得ることができる。また、これらの物質は常温から体温付近の温度で炭素繊維の中空部から放出されることはないため、例えば、本発明におけるプロトン保有物質内包炭素繊維が造影剤として経口的にまたは非経口的に投与された場合においても、生体内に取り込まれてから排出されるまでの過程で金属イオンが遊離することはなく、キレート錯体の造影剤と比較して安全性が高い。
前記有機化合物の例としては、水、アルコール、グリセロール、スルホン化界面活性剤、エーテル、アミン、イミダゾールおよびトリス(トリス(ヒロドキシメチル)アミノメタン)などが挙げられる。より詳しくは、アルコールとしてはプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびエチレングリコール、エーテルとしてはグライム、ジグライムなどが挙げられる。このうち、水およびポリエチレングリコールが好適である。これらの物質はプロトン供与性物質であり、前述した造影剤を分散させるのに都合がよい。
炭素繊維の中空部にはプロトン保有物質以外の物質が内包されていてもよく、また前記プロトン保有物質中には、上記造影剤以外のその他の物質が含まれていてもよい。
以下に、磁気共鳴用造影剤を製造する方法について詳細に述べるが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
プロトン保有物質を内包した炭素繊維を製造する方法としては、中空構造を有する炭素繊維を製造する第1工程と、その中空部に化合物を内包する第2工程からなる方法がある。
前記第1工程は、前述した公知の炭素繊維製造法により、中空構造を持つ炭素繊維を製造する工程である(例えば、吉田隆著,「カーボンナノチューブの基礎と工業化の最前線」,初版,株式会社エヌ・ティー・エス,2002年1月11日,p.6−18、特開2003−238130号公報参照。)。一般には、アーク放電法(特開平6−157016号公報、特開2000−95509号公報)、レーザー蒸発法(特開平10−273308号公報など)、触媒気相成長法(特開2000−86217号公報)、水熱合成法(非特許文献Carbon Vol.36,No.7−8,pp.937−942,1988(Yury G. Gogotsi et al.、非特許文献Jounal of Materials Research Society,Vol.15,No.12,pp.2591−2594,2000(Yury G. Gogotsi et al.)、Journal of American Chemical Society Vol.123,No.4,pp.741−742,2001(Jose Maria Calderon et al.)、特開2003−221217号公報、特開2002−37614号公報)等がよく用いられる。
これらの製造方法を行う過程において、温度や雰囲気ガス等の製造条件および触媒の種類等によって異なる構造を有する炭素繊維を製造することができる。特に、後述する水熱合成法では、適切な条件を選択することにより、炭素繊維の製造過程において同時にプロトン保有物質等を内包することができる。また、これらの方法以外の方法を用いて製造してもよい。
上記炭素繊維は必ずしも製造時のままである必要はなく、熱処理、分断処理、酸化処理、化学修飾処理等の処理を施したものでもよい。これらの処理を施すことにより、炭素繊維を構成する炭素6員環構造に欠陥が生じるため、後述するプロトン保有物質の内包過程で前記プロトン保有物質を内包しやすくなる。また、後述する高分子組成物中において高分子材料との密着性が強くなり、組成物に適度な機械的強度が得られるので好ましい。
前記第2工程は、前記第1工程で製造した炭素繊維の中空部にプロトン保有物質を内包する内包工程であり、前記炭素繊維に前記物質を気体もしくは液体状態で接触させることにより、プロトン保有物質を内包した炭素繊維を製造する。このとき、前記炭素繊維は酸化処理されたものであることが好ましい。酸化処理を施すことによって、炭素繊維を構成する炭素6員環構造に欠陥が生じるため、前記物質の内包を容易にすることができ、NMRの原理において画像化するのに適当な量を内包することができる。前記酸化処理は公知の方法を用いて行うことができ、例えば炭素繊維を適当な濃度の塩酸や硝酸、硫酸中で一定時間攪拌や還流をすることによって行う。好ましくは、濃硝酸中にて24時間以上還流を行う。
さらに、前記炭素繊維は脱ガス処理されたものを用いるのが好ましい。脱ガス処理を行うことにより、製造や保管の過程において炭素繊維の中空部に内包された様々な化合物を取り除くことができ、プロトン保有物質の内包を容易にすることができる。脱ガス処理は、例えば炭素繊維を炭素繊維が昇華しない程度の温度で数時間加熱しながら真空引きすることによって行うことができる。好ましくは、200℃〜600℃で真空に保持しながら1時間以上加熱する。より好ましくは、300℃〜400℃である。
前記炭素繊維にプロトン保有物質を気体もしくは液体状態で接触させる内包工程は、余計な物質の吸着を防ぐために、炭素繊維の周囲が内包するプロトン保有物質で飽和されている環境で行われることが好ましい。すなわち、好ましい操作手順の一例としては、あらかじめ酸化処理を行った炭素繊維をコック付耐熱容器に入れて上記脱ガス処理を行った後、コックを閉じてそのまま陰圧状態で保持しておく。一方で、一度真空引きして空気中に含まれるガスを取り除いた内包物質を耐熱容器に入れてコックを閉じ、内包物質を飽和させた状態とする。これらを適当な管を用いて接続し、双方のコックを開いて系内が内包物質で満たされるようにする。このとき、系に適当な温度や圧力を加えてもよい。また、内包物質を炭素繊維側に移動させてもよく、特に前記液体が前述のNMR信号強度またはNMR画像のコントラストを高める効果を有する金属イオン(例えばガドリニウムイオンなど)を含む場合にはこの方法が好適である。このような操作を行うことによって炭素繊維中空部にプロトン保有物質を内包することができる。
プロトン保有物質を内包した炭素繊維を製造する別の方法としては、水熱合成法がある。水熱合成法では、適切な条件を選択した場合、中空構造を持つ炭素繊維を製造する過程において物質を内包することができる。本製法では、その高温高圧下における製造原理により、比較的内径の大きく、両端が閉じた構造のプロトン保有物質内包炭素繊維が製造できる。炭素繊維の両端が閉じた構造であることにより、両端が開いた構造のものと比較して、より大きな内径でも内包物質を安定に保持できる。以上の理由により、NMRの原理によって検出されるプロトン保有物質を多く安定した状態で内包することができるので、本発明の炭素繊維として好適である。
水熱合成法によるプロトン保有物質を内包した炭素繊維の製造方法は、例えば前述の非特許文献Jounal of Materials Research Society,Vol.15,No.12,pp.2591−2594,2000(Yury G. Gogotsi et al.)などがある。具体的には、直径3mm、10mm〜50mmの長さの金製容器に、炭素繊維を形成する炭素源となる炭素含有化合物を炭素含有化合物の0〜1.6倍重量のプロトン保有物質とともに密閉し、内部の圧力100MPaまで加圧して温度700℃〜800℃で2時間〜24時間処理を行うことにより、プロトン保有物質を内包した炭素繊維を製造する。前記炭素源としては、炭素を含有する有機化合物であれば特に限定されないが、好ましくはポリエチレン、ポリエチレングリコール、パラホルムアルデヒドおよびカーボン単体(アモルファスカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素繊維など)などを用いる。また、場合によっては金属触媒粉末を添加(添加された金属触媒は炭素繊維製造後、常法により精製して取り除くことができる)してもよく、金属としては気相中で炭素繊維を成長させる効果のあるものであれば特に限定されないが、好ましくはNiを含むものを用いる。
水熱合成法のうち、プロトン保有物質を内包した炭素繊維をより安価で大量に製造する方法として、前述の特開2003−221217号公報などがある。具体的には、芳香族化合物を含有する化合物を炭素源とし、遷移金属元素を含有する触媒存在下、350℃〜800℃の範囲内の温度、3MPa〜50MPaの範囲内の圧力下で超臨界流体または亜臨界流体と接触させる方法がある。前記超臨界流体または亜臨界流体は、前記原料中の芳香族化合物を溶解する溶媒、前記触媒を溶解する溶媒、水、亜酸化窒素およびアンモニアの内から選択される少なくとも一種以上によって形成され、好ましくは水、アルコール、エーテルから選択される。
本発明においては、これらのプロトン保有物質を内包した炭素繊維を高分子材料中の全体、または一部に分散させることにより得られた高分子組成物も磁気共鳴用造影剤とすることができる。具体的には、前記炭素繊維を高分子材料によりカプセル化またはコーティングしたり、前記炭素繊維を高分子材料と均一に混合して高分子組成物としたものなどが含まれる。またこれらを組み合わせて組成物を構成してもよい。
前記炭素繊維に内包されたプロトン保有物質は非常に安定であるため、例えばカプセル化やコーティング操作のために水系もしくは有機系の溶媒に分散させても該溶媒中に放出されることはない。また、前記高分子組成物を得るために後述するような溶融混練押出や射出成形、ブロー成形など、加熱を伴う成形工程を経た場合においても、適当な加熱温度までは放出されることはない。前記加熱温度は炭素繊維の形状や内包物質によるが、内包されているプロトン保有物質の常温常圧での沸点以上の温度である。
前記カプセル化を行うことにより、前記炭素繊維を前記高分子材料による相を有するマイクロカプセルとすることができる。このとき適当な高分子材料を選択することにより、磁気共鳴用造影剤として製剤化する場合に前記炭素繊維の溶媒への分散性を向上させたり、生体投与時における磁気共鳴用造影剤の生体への適合性を向上させることができる。前記カプセル化の方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、界面重合法等の化学的方法、水溶液系あるいは有機溶媒系からの相分離法等の物理化学的方法、スプレードライ法などの公知の物理的・機械的方法などが挙げられる。この他に、リン脂質の2分子膜からなる所謂リポソームなどをカプセルとして用い、該カプセルに本発明の磁気共鳴用造影剤が封入されていてもよい。また、これらのマイクロカプセル中には薬剤などの生物学的生理活性物質を含んでいてもよい。これらのマイクロカプセルは、高分子材料に混練しても、高分子材料からなる成形品にコーティングしても、あるいは、そのものを造影剤として用いても良い。
前記高分子材料のみからなる物質により形成されるカテーテルなどの成形品を前記炭素繊維もしくは前記マイクロカプセルでコーティングすることにより、該成形品にNMR造影性を付与することができる。この場合のコーティング法としては、例えばディッピング法やスプレー法などが好ましい。また、前記高分子材料と、前記炭素繊維もしくは前記マイクロカプセルとを均一に混合して公知の方法により成形することで、NMR造影性を有する高分子組成物を得ることもできる。具体的には熱可塑性または熱硬化性高分子材料に前記炭素繊維もしくは前記マイクロカプセルを均一に混合し、溶融混練押出や射出成形、圧縮成形、ブロー成形など公知の成形法を用いることにより高分子組成物を成形することができる。
前記高分子材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
このようにして製造された成形品は、芯材と被覆層で形成される医療用ガイドワイヤーの被覆層として、あるいはチューブ状に成形された場合は、血管造影用カテーテルや輸液の際に使用される血管内留置カテーテルなどの医療器具として使用される。
以下に本発明の実施例を挙げ、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)プロトン保有物質内包炭素繊維の製造(1)
市販の多層円筒構造のカーボンナノチューブ(Multi−walled carbon nanotubes、(株)ワコーケミカル製)0.5gをコックつきの試験管(石英ガラス製)に入れ、0.001Torr以下に保持しながら350℃で1時間以上加熱した後コックを閉じて密閉し、室温まで放冷した。前記試験管と、蒸留水10gを密閉したコック付き試験管をガラス管で接続し、両方のコックを開いて系内が蒸留水で飽和された状態で24時間以上放置した。系内を常圧に戻した後、カーボンナノチューブをデシケータ内において乾燥させ、プロトン保有物質としての水を内包した炭素繊維を得た。
この水内包炭素繊維を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、炭素繊維の内腔部分にメニスカスがみられることから、炭素繊維内腔に水が内包されていることを確認した。
(実施例2)プロトン保有物質内包炭素繊維の製造(2)
上記実施例1における水の代わりに、塩化ガドリニウム・6水和物(和光純薬工業(株)製)16gを蒸留水500mlに溶かした水溶液を、ガラス管を通じて導入し、炭素繊維と接触させた状態で24時間以上放置した以外は同様に操作を行い、プロトン保有物質としての水と造影性向上物質としてのガドリニウムイオンとを内包した炭素繊維を得た。
(実施例3)プロトン保有物質内包炭素繊維の製造(3)
上記実施例1,2では、本発明に用いる炭素繊維の製造と、プロトン保有物質の内包とを、それぞれ独立して行うものであったが、本実施例では、水熱合成法を採用することにより炭素繊維を製造すると同時にプロトン保有物質を内包する方法を示す。
直径3mm、長さ20mmの金製容器にポリエチレンフィルム1gと水10g、Ni粉末0.1gを入れて密閉し、金製容器内部の圧力が100MPa、温度700〜800℃で24時間処理を行い、プロトン保有物質内包炭素繊維0.3gを得た。
(実施例4)マイクロカプセルの製造
上記実施例1により得られたプロトン保有物質内包炭素繊維0.1gとポリ乳酸(RESOMER L210、ベーリンガーインゲルハイム製)0.9gとをクロロホルム(関東化学(株)製)に分散させ100gとした溶液を、ポリビニルアルコールの飽和水溶液10L中に300〜500r.p.m.にて攪拌しながらゆっくりと滴下し、マイクロカプセルを生成させた。このマイクロカプセルを吸引ろ過によりろ別した後真空乾燥を行い、平均粒径10μm程度のプロトン保有物質内包炭素繊維内包ポリ乳酸マイクロカプセルを得た。
(実施例5)医療用器具の製造(1)
上記実施例1により得られたプロトン保有物質内包炭素繊維を1gとポリ乳酸(LACTY#9010、(株)島津製作所製)9gをクロロホルム(関東化学(株)製)200gに溶解させた溶液に、外径1.4mm、全長145cmの4Fr.のガイディングカテーテル用ポリウレタン製チューブを完全に浸漬させた後引き上げ、40℃のオーブンにて乾燥させることにより、前記炭素繊維がチューブ表面に厚さ10μm程度で均一にコートされたカテーテル(図示せず)を製造した。
(実施例6)医療用器具の製造(2)
本発明に係るプロトン保有物質内包炭素繊維を用い、図1に示すステント1を製造した。上記実施例3により得られたプロトン保有物質内包炭素繊維0.5kgと、平均粒径100μmの粉状のポリ乳酸(LACTY#9010、(株)島津製作所製)粉体4.5kg、さらにX線造影性を付与するための硫酸バリウム1.5kgを分散混合攪拌機を用いて混合し、これらが均一に混合した組成物粉末を二軸混練機(S1KRCニーダー、(株)栗本鐵鋼製)を用いて温度180℃、回転数80rpmにて溶融混練して、組成物ペレットを得た。得られた組成物ペレットを高温溶融紡糸装置(CM/TM−35mm、(株)中部化学機械製作所製)を用いて、シリンダー温度200℃、ギヤーポンプ回転数4rpm、ギヤーポンプ吐出量2.4cc/rpm、引き取り速度37m/minにて溶融紡糸し、さらに得られた繊維について80℃で5倍に熱延伸して得られた直径150μmの繊維を特開2002−239013号に記載された方法で形状付けを行い、波状に折り曲げられた繊維が筒状に巻かれて形成されているステントを製造した。
(実施例7)医療器具の製造(3)
上記実施例1により得られたプロトン保有物質内包炭素繊維0.5kgと、カテーテル構成材料であるポリウレタン4.5kg、さらにX線造影性を付与するための硫酸バリウム1.5kgとを二軸混練機を用いて溶融混練し、外径1.4mm、全長145cmの4Fr.のガイディングカテーテル用のチューブを押出成形した後、全長145cmとなるように切断し、カテーテル(図示せず)を製造した。
(比較例1)
実施例4と同様の方法で、炭素繊維を用いずにマイクロカプセルを製造した。
(比較例2)
実施例5と同様の方法で、炭素繊維を用いずにカテーテルを製造した。
(比較例3)
実施例6と同様の方法で、炭素繊維を用いずにステントを製造した。
(比較例4)
実施例6と同様の方法で、プロトン保有物質を内包していない炭素繊維を用いてステントを製造した。
(比較例5)
実施例6におけるプロトン保有物質内包炭素繊維を塩化ガドリニウム粉末(和光純薬工業(株)製)とした以外は、実施例6と同様にしてステントを製造した。
(評価)
実施例1〜7および比較例1〜5の各成形物をMRI(OXFORD社製、磁場2T(テスラ))を用い、グラジエントエコー法により撮影し、そのMRI画像をモニターした。実施例1〜7では成形物が画像化され輪郭が明瞭に視認できたが、比較例1〜5では全く画像化されなかった。
本発明の一実施例に係る医療器具の外観図。

Claims (9)

  1. 中空構造を有する炭素繊維であって、その中空部にプロトン保有物質を液体状態で内包する磁気共鳴用造影剤。
  2. 前記プロトン保有物質が水、もしくは無機または有機化合物を一方あるいはともに含む水溶液である請求項1に記載の磁気共鳴用造影剤。
  3. 前記プロトン保有物質中に磁性体またはそれを含む磁性粒子が分散されている請求項1または2に記載の磁気共鳴用造影剤。
  4. 前記炭素繊維の長さが、0.01μm〜1mmである請求項1〜3に記載の磁気共鳴用造影剤。
  5. 前記炭素繊維の内径が0.1nm〜300nmである請求項1〜4に記載の磁気共鳴用造影剤。
  6. 前記炭素繊維が炭素6員環構造を主構造とする黒鉛層を有する請求項1〜5に記載の磁気共鳴用造影剤。
  7. 前記炭素繊維が炭素6員環構造を主構造とする黒鉛シートよりなるらせん円筒構造を有する請求項1〜6に記載の磁気共鳴用造影剤。
  8. 請求項1〜7に記載の磁気共鳴用造影剤を高分子材料中に含んでなる高分子組成物。
  9. 請求項1〜7に記載の磁気共鳴用造影剤を高分子材料中に含んでなる高分子組成物を用いて形成された医療用器具。
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