JP2005281110A - 機能性ナノカーボンの製造方法、及び製造装置 - Google Patents

機能性ナノカーボンの製造方法、及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高純度の機能性ナノカーボンを得ることが可能で、高収率かつ高効率な機能性ナノカーボンの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の機能性ナノカーボンの製造方法は、過熱水蒸気Wの雰囲気下において、アーク放電により炭素質原料を反応させ、機能性ナノカーボンを生成させることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法である。そして、上述の製造方法を実施するための装置であって、機能性ナノカーボンを生成させるための反応器20を有し、前記反応器20の内部には、放電プラズマを発生させる一対の電極21が備えられるとともに、前記電極には過熱水蒸気を反応器20の内部に供給するためのガス供給手段が設けられることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造装置1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は機能性ナノカーボンの製造方法及び製造装置に関する。
近年、炭素原子からなるクラスターが機能性ナノカーボンとして注目を集めている。機能性ナノカーボンの例としては、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、C60、C70、C240等のフラーレンが挙げられる。
機能性ナノカーボンの中でも、カーボンナノチューブは、機械的強度、電解放出、水素吸蔵、超伝導性等において優れた機能を有することから、ナノエレクトロニクス材料、走査トンネル顕微鏡(STM)等の探針、高指向放射線源、一次元伝導材料、高熱伝導材料、水素貯蔵材料等への応用が期待されている。
カーボンナノチューブは、炭素6員環が連なったグラファイト1層からなるグラフェンシートを丸めた円筒状の物質のことをいい、1層のみからなる単層カーボンナノチューブと(SWCNT)と、複数層が同心筒状になった多層カーボンナノチューブ(MWCNT)との二種類に大きく分けられる。
単層カーボンナノチューブは、一般に、直径が数nm程度、長さが約1μm程度の大きさである。そして、グラフェンシートの巻き方によって、アームチェア型、キラル型、ジグザグ型の3つのタイプがあることが知られている。そして、単層カーボンナノチューブの電子物性は、グラフェンシートを筒状に巻いたときの直径と、螺旋の巻き方(カイラリティ)により金属的性質から半導体的性質まで変化することが知られている。
多層カーボンナノチューブは、グラフェンシートが同心円状に多層的に巻かれているものであり、一般に、直径が1nm程度から数十nm程度、長さは約1μm〜100μm程度の大きさである。そして、多層カーボンナノチューブの電気伝導性については、各層の電気的性質の相関が弱いことから同軸ケーブルのような性質をもっていると考えられている。
また、他にも、カーボンナノチューブの一種として、一端が閉じた裾広がりの角(ホーン)のような形になっているカーボンナノホーンが知られている。
カーボンナノチューブの製造方法としては、主に三つの方法があり、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)が知られている。この中でも、アーク放電法は、アノードとカソードとから構成される放電部において、アーク放電による放電プラズマを発生させることによって、炭素質材料を反応させ、カーボンナノチューブを得る方法である。通常は、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気の低圧下において行うが、水素雰囲気の低圧下において、アーク放電を行うことで、陰極堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される。
また、アーク放電法で得られるカーボンナノチューブは、触媒がない場合には多層カーボンナノチューブのみであるが、触媒を用いることで単層カーボンナノチューブを得ることが可能である。例えば、炭素質材料として炭素棒を用いた場合には、炭素棒中にニッケル/コバルト等を混ぜてアーク放電を行うことで、容器の内側にすすとして付着する物質の中に単層カーボンナノチューブが生成される。
そして、アーク放電法においては、目的物質であるカーボンナノチューブ以外に、多量のアモルファスカーボン及びグラファイト粒子が生成する。そのため、純度の高いカーボンナノチューブ得るためには、加熱処理、化学処理、超音波振動処理等の精製処理を行うことで、これらの不純物を取り除く必要があった。このため、得られるカーボンナノチューブの収率は、一般的に数重量%以下と非常に低いため、収率の高いカーボンナノチューブの製造方法が求められていた。
(特許文献1)では、効率的にカーボンナノチューブを製造することのできるカーボンナノチューブの製造方法及び装置として、陰極、陽極の周囲にカーボンナノチューブの捕集部材を設けることによって、アーク放電によって生成され、カーボンナノチューブを高い含有率で含んでいる蜘蛛の巣状あるいは面状をなした生成物を、選択的に捕集する方法を挙げている。また、同様に(特許文献2)においても、反応器内に捕獲器を設けることで純度の高いカーボンナノチューブを得る方法を開示している。しかしながら、上述のような方法は、不純物を取り除いてカーボンナノチューブのみを選択的に得ることを目的としたもので、高い収率を得るものではなかった。
さらに、(特許文献3)では、キャリアガス中に水素を添加して、アーク放電を行うことで、カーボンナノチューブの収率を向上させる方法を開示している。しかしながら、上述の方法では、水素ガスを添加するために反応器内の雰囲気を予め真空にしておくこと等の工程が必要なため、効率良くカーボンナノチューブを生産することができなかった。
上述のような問題点は、カーボンナノチューブを製造する際だけではなく、フラーレン、カーボンナノコイル等、他の機能性ナノカーボンを製造する際にも同様に存在するものであった。
特開2002−249306号公報 特開2002−255524号公報 特開平7−197325号公報
そこで本発明は、上記従来の状況を鑑み、高純度の機能性ナノカーボンを得ることが可能で、高収率かつ高効率な機能性ナノカーボンの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の機能性ナノカーボンの製造方法は、請求項1として、過熱水蒸気の雰囲気下において放電プラズマにより炭素質材料を反応させ機能性ナノカーボンを生成させることを特徴とする。
上記手段によれば、過熱水蒸気により、黒鉛、アモルファスカーボン等の不純物がガス化され、生成物中から取り除かれる。また、例えば、機能性ナノカーボンとしてカーボンナノチューブを製造する際には、過熱水蒸気によりカーボンナノチューブの先端がエッチングされるため、比較的長鎖で多層のカーボンナノチューブを得ることができる。
なお、ここで放電プラズマとは、アーク放電などの大電流を伴なう放電により形成されるプラズマのことをいう。また、機能性ナノカーボンとは、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、C60、C70、C240等のフラーレンを含む概念である。
また、請求項2では、請求項1記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気が放電プラズマ中に連続的に供給されることを特徴とする。
上記手段によれば、常に新しい過熱水蒸気が反応器内部に供給されるので、不純物のガス化等がより促進される。
また、請求項3では、請求項1又は2記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が放電プラズマ中に連続的に供給されることを特徴とする。
上記手段によれば、反応物である炭素質材料が、放電プラズマ中に連続的に供給されるので、多くの機能性ナノカーボンを製造することが可能となる。
また、請求項4では、請求項1〜3のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気の温度が800℃以上であることを特徴とする。
上記手段によれば、黒鉛、アモルファスカーボン等の不純物をガス化して、取り除くのに最適な過熱水蒸気の温度が選択される。
さらに、請求項5では、請求項1〜4のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が古タイヤを炭化処理することで得られるカーボン粒子であることを特徴とする。
上記手段によれば、廃棄物、再生可能資源の有効利用の観点から炭素質材料が選択される。
さらに、請求項6では、請求項1〜4のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が、アセチレンガスを不完全燃焼して得られたすすであることを特徴とする。
また、請求項7では、請求項1〜6のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気に触媒を混合させることを特徴とする。
上記手段によれば、目的とする機能性ナノカーボンに応じて触媒を選択することで、選択的に目的の機能性ナノカーボンを得ることができる。
さらに、本発明の機能性ナノカーボンの製造装置は、請求項8として、請求項1〜7のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法を実施するための装置であって、機能性ナノカーボンを生成させるための反応器を有し、前記反応器の内部には、放電プラズマを発生させる一対の電極と、過熱水蒸気を連続的に供給するためのガス供給手段とが備えられる。
上記構成によれば、過熱水蒸気により、黒鉛、アモルファスカーボン等の不純物がガス化され、生成物中から取り除かれる。また、例えば、機能性ナノカーボンとしてカーボンナノチューブを製造する場合には、過熱水蒸気によりカーボンナノチューブの先端がエッチングされるため、比較的長鎖で多層のカーボンナノチューブを得ることができる。また、反応器内部にガス供給手段が設けられているので、過熱水蒸気が反応器の内部に連続的に供給される。
また、請求項9は、請求項8記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、ガス供給手段が、電極に設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、供給された過熱水蒸気等が、反応場であるアーク放電場に瞬時に供給される。
また、請求項10は、請求項9記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、電極がチューブの形状に形成され、前記チューブの内壁に撥水性の皮膜が形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、チューブの内壁に防汚性が付与され、チューブの閉塞等が防止される。
また、請求項11は、請求項10記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、皮膜がフッ化炭素と塩基性塩化銅とを含む複合材料から形成されることをを特徴とする。
上記構成によれば、撥水性に優れた材料が選択される。
以上、本発明の機能性ナノカーボンの製造方法及び製造装置によれば、高純度の機能性ナノカーボンを得ることができる。
以下、実施の形態に基づいて本発明を説明する。
本発明の実施の形態(1)について、図1〜図3に基づいて説明する。図1の機能性ナノカーボンの製造装置1は、機能性ナノカーボンを生成するための反応器20を有し、反応器20の内部には、アーク放電を行って放電プラズマを発生させるための一対の電極21が設けられている。そして、電極21はアノード21a及びカソード21bとから構成される。また、前記反応器20には、過熱水蒸気Wを供給するための原料供給手段22が、カソード電極21bに設けられている。
反応器20は、機能性ナノカーボンを生成させるためのものであって、ステンレス等の金属製のものが好ましく用いられる。反応器20の内部には、アノード21aとカソード21bとが対向して配置されている。
電極21は、アノード21aとカソード21bとから構成される。アノード電極21a、カソード電極21bとの間に電圧を印加することで、アーク放電は行われる。アーク放電を行っている間は、電流値が一定となるように電圧あるいは電極間距離を変化させることが好ましい。電流値としては、10A〜1000Aの電流、好ましくは20A〜100Aの電流を流す。電圧は10〜40Vが好ましく、20〜30Vがより好ましい。
アノード21aは、材質としては、鉄、銅、ステンレス、ニッケル、タングステン、タンタル、モリブデン等を使用することが好ましい。
カソード21bは、図2に示すように、チューブ状に形成されており、筒部211の内管213は過熱水蒸気Wが通るように構成されている。カソード21bの材質としては、アノード21aと同様に、鉄、銅、ステンレス、ニッケル、タングステン、タンタル、モリブデン等を使用することが好ましい。
そして、カソード21bの筒部211には、撥水性の皮膜212が形成されていることが好ましい。皮膜212の形成は、線爆溶射等により行うことができる。線爆溶射は、溶射材料の金属ワイヤ等に瞬間的に大電流の放電を発生させ、溶融・微粒子化した材料を対象物に吹き付けることで皮膜を形成する方法のことをいう。
溶射材料として用いられる金属ワイヤとしては、アルミニウムチューブ中にフッ化カーボン及び塩基性塩化銅を詰めた複合ワイヤを用いることが好ましい。この複合ワイヤを用いることで、撥水性に特に優れた皮膜を形成することが可能となる。この場合、過熱水蒸気Wがカソード21bのチューブ内部を通過する際に、過熱水蒸気中に混合された固体の炭素質材料Rや触媒粒子Sがチューブの内壁に付着することを防止できる。
また、アノード21aには、冷却手段が設けられていることが好ましい。特にアーク放電の時間が長時間となる場合には、反応器20の内部、及び電極部が高熱となるが、冷却手段が設けられていることで過度の温度上昇を防ぐことが可能となる。
過熱水蒸気発生器3は、水を加熱して、大気圧下で100℃以上の温度をもつ過熱水蒸気を得るためのものである。水の加熱方法としては、電磁誘導方式、バーナー方式等が挙げられる。電磁誘導方式とは、発熱体に高周波磁束をかけ、発熱体内部の渦電流によるジュール熱により発熱体が過熱し、これに水蒸気を通すことで過熱するものである。発熱体としては金属、セラミックなどを用いることができる。また、バーナー方式は、バーナーを用いて水蒸気を過熱する方法である。
過熱水蒸気は、特に逆転点温度である170℃以上(常圧時)になるとその性質は通常の水蒸気とは異なる性質を発揮することが知られている。本発明においては、500℃以上に過熱した過熱水蒸気を用いることが好ましく、800℃以上の過熱水蒸気を用いることが特に好ましい。800℃以上の場合には、特に水分子の反応性が向上するため好適に用いられる。
供給ガスとしては過熱水蒸気Wに加えてさらに、キャリアガスとして、不活性ガスであるヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素などを用いることができる。
炭素質材料供給器4は、過熱水蒸気W中に炭素質材料Rを供給するための装置であり、過熱水蒸気発生器3から反応器20までの配管途中に、供給可能なように配置されている。
炭素質材料Rとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン等の不飽和炭化水素、アセトン、メタノール等の有機含酸素化合物、一酸化炭素等の無機ガス、それ以外にも古タイヤ、木材等を炭化処理することで得られるカーボン粒子、の種々の炭素質材料を用いることが可能である。上述の炭素質材料の中でも、古タイヤ、木材等を炭化処理することで得られるカーボン微粒子は、廃棄物、再生可能資源の有効利用の観点から好適に用いられる。
触媒供給器5は、過熱水蒸気中に触媒Sを供給するためのもので、スクリューフィーダー等を用いることができる。触媒Sは鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、クロム、ロジウム、白金、イットリア等の金属触媒、及びこれら金属の複合触媒等の混合物を用いることが可能である。
以上の構成の製造装置1を用いた機能性ナノカーボンの製造方法について説明する。
過熱水蒸気発生器3により発生した過熱水蒸気Wは、反応器20までの配管途中で、炭素質材料供給器4から供給された炭素質材料Rと、触媒供給器5から供給された触媒Sとが、過熱水蒸気W中に混合される。そして、炭素質材料Rと触媒Sとが混合された過熱水蒸気Wは、カソード21bのチューブの内管211を通って、反応器20の内部に導入される。
反応器20の内部に導入された炭素質材料Rは、アーク放電により形成された放電プラズマ中に速やかに供給される。そして、過熱水蒸気W及び触媒Sの存在下において、炭素質材料Rは反応し、機能性ナノカーボンを生成する。機能性ナノカーボンを含む反応生成物が、主にアノード21aと反応器20の内壁201等に付着する。その後、得られた反応生成物を加熱処理、化学処理、超音波振動処理等の精製処理を行うことで、純度の高い機能性ナノカーボンが得られる。
本発明の実施の形態(1)によれば、過熱水蒸気とともに反応器20に供給された炭素質材料Rが、アーク放電により反応し、機能性ナノカーボンが生成し、アノード21aと反応器20の内壁201に付着する。この際、過熱水蒸気Wの雰囲気下においてアーク放電を行ない、炭素質材料Rを反応させるので、結晶性の低いアモルファスカーボン、黒鉛等の不純物は過熱水蒸気Wによりガス化され、生成物中から除去される。このため、純度の高い機能性ナノカーボンを得ることができる。特に、過熱水蒸気Wは水分子が一部イオン化した状態で存在するため反応性が高く、不純物のガス化が促進される。また、機能性ナノカーボンとしてカーボンナノチューブを製造する際には、過熱水蒸気Wによりカーボンナノチューブの先端をエッチングされるため、比較的長鎖で多層のカーボンナノチューブを得ることができるとともに、カーボンナノチューブの収量が向上する。さらに、触媒Sが過熱水蒸気Wに混合させるので、目的の機能性ナノカーボンを選択的に製造することが可能となる。
また、本発明の実施の形態(1)では、ガス供給手段22が反応器20に設けられているので、過熱水蒸気Wを連続的に反応器20内に供給することが可能となり、効率良く機能性ナノカーボンを製造することが可能となる。また、特にガス供給手段22が、カソード21bに設けられているため、供給された炭素質材料Rは瞬時にアーク放電により反応する。このため、熱分解が生じやすい高級炭化水素等の原料であっても、反応場であるアーク放電部に至るまで原料の熱分解をさせることなく供給することが可能となる。
さらに、チューブ状に形成されたカソード21bの筒部211の内面に撥水性の皮膜が形成されているため、筒部211の内面に防汚性が付与され、炭素質材料Rや触媒Sが付着し、チューブの内管を閉塞することを防ぐことが可能となる。
また、上記実施の形態(1)では、触媒供給機5により触媒Sを過熱水蒸気Wに混合した後に、炭素質材料供給機4により炭素質材料Rを供給しているが、これに限定されるものではない。炭素質材料Rを過熱水蒸気に混合した後に、触媒Sを混合することも可能であるし、触媒Sと炭素質材料Rを同時に過熱水蒸気W中に供給することもできる。
なお、上記実施の形態(1)では、炭素質材料Rを過熱水蒸気Wに混合させた後に反応器20に供給しているが、反応器20の内部に設けられた電極21を炭素質材料から構成することで、電極21に含まれる炭素質材料をアーク放電により反応させることも可能である。
また、図4に示すように、アセチレンガス供給機7によりアセチレンガスを煤発生器6に供給し、煤発生器6においてアセチレンガスを不完全燃焼させて得られた煤を過熱水蒸気Wとともに反応器20に供給することも可能である。なお、アセチレンガスを不完全燃焼して得られた煤を過熱水蒸気に混合させる際には、エジェクター継ぎ手を用いることが好ましい。
以上のような、機能性ナノカーボンの製造方法、及び製造装置は、高純度の機能性ナノカーボンを得ることが可能であり、さらには高収率かつ高効率に機能性ナノカーボンを製造することができるため、機能性ナノカーボンの製造方法、及び製造装置に好適に用いられる。
実施の形態(1)に係るカーボンナノチューブの製造装置である。 カソード21bの拡大図である。 カーボンナノチューブの製造装置の使用例を表す図である。 カーボンナノチューブの製造装置の使用例を表す図である。
符号の説明
1 カーボンナノチューブの製造装置
20 反応器
201 内壁
21 電極
21a アノード
21b カソード
211 筒部
212 皮膜
213 内管
3 過熱水蒸気発生器
4 炭素質材料供給器
5 触媒供給器
6 煤発生器
7 アセチレンガス供給器
R 炭素質材料
S 触媒
W 過熱水蒸気

Claims (11)

  1. 過熱水蒸気の雰囲気下において放電プラズマにより炭素質材料を反応させ機能性ナノカーボンを生成させる機能性ナノカーボンの製造方法。
  2. 請求項1記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気が放電プラズマの中に連続的に供給されることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が放電プラズマの中に連続的に供給されることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気の温度が800℃以上であることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が、古タイヤを炭化処理することで得られるカーボン粒子であることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、炭素質材料が、アセチレンガスを不完全燃焼して得られたすすであることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法において、過熱水蒸気に触媒を混合させることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の機能性ナノカーボンの製造方法を実施するための装置であって、機能性ナノカーボンを生成させるための反応器を有し、前記反応器の内部には、放電プラズマを発生させる一対の電極と、過熱水蒸気を連続的に供給するためのガス供給手段とが備えられた機能性ナノカーボンの製造装置。
  9. 請求項8記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、ガス供給手段が、電極に設けられたことを特徴とする機能性ナノカーボンの製造装置。
  10. 請求項9記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、電極がチューブの形状に形成され、前記チューブの内壁に撥水性の皮膜が形成されたことを特徴とする機能性ナノカーボンの製造装置。
  11. 請求項10記載の機能性ナノカーボンの製造装置において、皮膜がフッ化炭素と塩基性塩化銅とを含む複合材料であることを特徴とする機能性ナノカーボンの製造装置。
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