JP2005268699A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温成膜でも、リーク電流等の膜特性が良好で、所望の膜質を得るようにする。
【解決手段】 ボート217を上昇して、チューブ204、205の処理室201内に複数のウェハ200を搬入する。ガス導入管241a〜241cから処理室201内に複数種の処理ガスGAS1〜GAS3を供給してウェハ200を処理する。処理室201よりボート217を降下して処理後のウェハ200を搬出する。ウェハ200を処理する工程では、処理ガスGAS1〜GAS3を用いる。GAS1はシリコン原子を含むガス、例えばHCDである。GAS2は窒素を含むガス、例えばNH3である。GAS3はカーボン原子を含むガス、例えばC22である。ウェハ200に対して少なくともシリコン原子を含むガスと、カーボン原子を含むガスとを供給して、ウェハ200にカーボン原子を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはシリコン酸窒化膜を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に膜質の改善をはかった半導体装置の製造方法に関する。
従来、CVD法で、ウェハにシリコン窒化膜等を形成することが行われている。例えば、500〜900℃に加熱されている反応管に、HCD(ヘキサクロロジシラン:Si2Cl6)とアンモニア(NH3)とを供給して、半導体ウェハにシリコン窒化膜を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、これ以外にも、CVD法で、Si34膜、SiO2膜、SiON膜を成膜するには、処理ガスにDCS(ジクロロシラン:SiH2Cl2)やSiCl4(四塩化シリコン)、Si26(ジシラン)、SiH4(シラン)等を用いることが行われている。
しかし、これらは成膜温度がいずれも600℃〜800℃と高温であり、微細化されたデバイスにおいては、不純物拡散を低減することができなかった。
なお、関連する公報として、Si原子を含むガス状原料(SiH4、Si26、SiH2Cl2)と、C原子(C22)を含むガス状原料とを、半導体表面を有する基板上に照射して、炭素を含んだシリコン炭素混晶を成長させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、キャリアガスとして水素ガスを、シリコン原料ガスとしてジクロロシラン(DCS)を、ゲルマニウム原料ガスとしてゲルマンを、炭素原料ガスとしてアセチレンを、それぞれ反応室に供給して、シリコン基板のシリコン表面に単結晶のSi1-x-YGeyy混晶を成膜するものもある(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−334869号公報 特開平6−326037号公報 特開2000−351694号公報
特許文献1を含めた従来の半導体装置の製造方法では、微細化されたデバイスにおいて、ガス種を特定のガス種に換えることにより、不純物拡散を低減することができる。しかし、ガス種を換えて低温にて成膜すると、低温化における膜質劣化が生じて、リーク電流等の特性が悪化し、所望の膜質を得ることができなかった。
本発明者は、リーク電流がダングリングボンド(未結合手)と相関があることを見い出し、カーボン添加によってダングリングボンドを共有結合化すれば、リーク電流を低減できるとの知見を得て本発明を創案するに至ったものである。
なお、特許文献2及び特許文献3において、カーボン含有膜が形成されているが、カーボン添加の目的は、特許文献2ではワイドギャップ材料に用いるためであり、特許文献3では、シリコンと同じ格子の長さをもつSi1-x-YGeyy混晶をエピタキシャル成長させるためであり、いずれもリーク電流を防止するためではない。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、リーク電流等の膜特性が良好で、所望の膜質を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、処理室内に基板を搬入する工程と、処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、処理室より処理後の基板を搬出する工程とを有し、前記基板を処理する工程では、基板に対して少なくともシリコン原子を含むガスとカーボン原子を含むガスとを供給して、基板上にカーボン原子を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
基板に対してシリコン原子を含むガスを供給して成膜すると、成膜温度を低温化した場合に、Si−Hの結合を有した状態の元素、すなわちダングリングボンドが存在する元素が膜中に取り込まれる。しかし、成膜時に、シリコン原子を含むガスに加えて、カーボン原子を含むガスも供給するので、ダングリングボンドにカーボン原子が結合して、元素の結合状態を共有結合とすることができる。したがって、リーク電流の原因となる未結合手を低減したシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはシリコン酸窒化膜が基板上に形成できる。その結果、低温成膜においても、リーク電流の少ない膜特性が良好な所定の膜質を得ることができる。
本発明によれば、低温成膜においても、リーク電流等の膜特性が良好で、所定の膜質をもつ半導体装置を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図3は、本発明の半導体装置の製造方法を実施するための減圧CVD処理炉の縦断面である。減圧CVD処理炉は、外管(以下アウターチューブ205)、及び内管(以下インナーチューブ204)を有する。
アウターチューブ205は例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。インナーチューブ204は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウターチューブ205内に同心円状に配置されている。アウターチューブ205とインナーチューブ204の間の空間は筒状空間250を成す。インナーチューブ204の上部開口から上昇したガスは、筒状空間250を通過して排気管231から排気されるようになっている。
アウターチューブ205およびインナーチューブ204の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド209が係合され、このマニホールド209にアウターチューブ205およびインナーチューブ204が保持されている。このマニホールド209は保持手段(以下ヒータベース251)に固定される。アウターチューブ205の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下Oリング220)が配置され、両者の間が気密にシールされている。
マニホールド209の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体(以下シールキャップ219)がOリング220を介して気密シール可能に着脱自在に取付けられている。シールキャップ219には、ガス供給管232が貫通するよう設けられている。これらのガス供給管232により、処理用のガスがアウターチューブ205内に供給されるようになっている。これらのガス供給管232はガスの流量制御手段(以下マスフローコントローラ(MFC)241)に連結されており、MFC241はガス流量制御部122に接続されており、供給するガスの流量を所定の量に制御し得る。
マニホールド209の上部には、圧力調節器(例えばAPC、N2バラスト制御器があり、以下ここではAPC242とする)及び、排気装置(以下真空ポンプ246)に連結されたガスの排気管231が接続されており、アウターチューブ205とインナーチューブ204との間の筒状空間250を流れるガスを排出し、アウターチューブ205内をAPC242により圧力を制御することにより、所定の圧力の減圧雰囲気にするよう圧力検出手段(以下圧力センサ245)により検出し、圧力制御部123により制御する。
シールキャップ219には、回転手段(以下回転軸254)が連結されており、回転軸254により、基板保持手段(以下ボート217)及びボート217上に保持されている基板(以下ウェハ200)を回転させる。又、シールキャップ219は昇降手段(以下ボートエレベータ225)に連結されていて、ボート217を昇降させる。回転軸254、及びボートエレベータ225を所定のスピードにするように、駆動制御部124により制御する。
アウターチューブ205の外周には加熱手段(以下ヒータ207)が同心円状に配置されている。ヒータ207は、アウターチューブ205内の温度を所定の処理温度にするよう温度検出手段(以下熱電対263)により温度を検出し、温度制御部121により制御する。
図3に示した処理炉による減圧CVD処理方法の一例を説明すると、まず、ボートエレベータ225によりボート217を下降させる。ボート217に複数枚のウェハ200を保持する。次いで、ヒータ207により加熱しながら、アウターチューブ205内の温度を所定の処理温度にする。ガス供給管232に接続されたMFC241により予めアウターチューブ205内を不活性ガスで充填しておき、ボートエレベータ225により、ボート217を上昇させてアウターチューブ205内に移し、アウターチューブ205の内部温度を所定の処理温度に維持する。アウターチューブ205内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。同時にガス供給管232から処理用のガスを供給する。供給されたガスは、アウターチューブ205内を上昇し、ウェハ200に対して均等に供給される。
減圧CVD処理中のアウターチューブ205内は、排気管231を介して排気され、所定の真空になるようAPC242により圧力が制御され、所定時間減圧CVD処理を行う。
このようにして減圧CVD処理が終了すると、次のウェハ200の減圧CVD処理に移るべく、アウターチューブ205内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ225によりボート217を下降させて、ボート217及び処理済のウェハ200をアウターチューブ205から取出す。アウターチューブ205から取出されたボート217上の処理済のウェハ200は、未処理のウェハ200と交換され、再度前述同様にしてアウターチューブ205内に上昇され、減圧CVD処理が成される。
図1は、本発明の半導体装置の製造方法を、より分りやすく説明するために、上述した減圧CVD処理炉を簡略化して示した図である。図3の説明と重複するところがあるが、これを図1に沿って再度簡単に説明すれば、次の通りである。
ヒータ207の内側にアウターチューブ205が設けられ、アウターチューブ205の内部には処理室201を構成するインナーチューブ204が配設され、アウターチューブ205、インナーチューブ204はマニホールド209上に立設され、マニホールド209の下端はシールキャップ219により気密に閉塞され、シールキャップ219にボート217が立設されてインナーチューブ204内に挿入される。ボート217には処理されるウェハ200が水平姿勢で多段に装填される。ボート217は回転軸254により矢印で示す方向に回転自在となっている。
シールキャップ219のインナーチューブ204下方の位置に複数本、ここでは3本のガス供給管232a〜232cが連通されて、異なる処理ガスGAS1〜GAS3を処理室201に供給するようになっている。処理ガスGAS1は、シリコン原子を含むガスであり、例えばHCDである。GAS2は、窒素原子または酸素原子を含むガスであり、例えばNH3、O2、N2Oである。そしてGAS3はカーボン原子を含むガスである。各ガス供給管232a〜232cには、ガス流量を制御するMFC241a〜241cがそれぞれ設けられている。
またアウターチューブ205とインナーチューブ204との間に形成される円筒状の空間250下端に連通するよう、排気管231がマニホールド209に接続されている。排気管231には処理室201内の圧力を制御する圧力調整器242が設けられている。
図示しないボートエレベータにシールキャップ219を介してボート217を下降させ、ボート217にウェハ200を装填し、ボートエレベータによりボート217をインナーチューブ204内に挿入する。シールキャップ219がマニホールド209下端を完全に密閉した後、アウターチューブ205内(処理室201内)を排気する。
MFC241、圧力調節器242、回転軸254等は、主制御装置120によって制御されるようになっている。
主制御装置120を制御して、図示しないウェハ移載機により、多数のウェハ200をボート217に装填した後、ボート217を上昇させ、処理室201内に挿入する(搬入工程)。ガス供給管232から処理ガスを処理室201内に供給しつつ、ガス排気管231より排出する。ヒータ207によりインナーチューブ204内を成膜温度に加熱し、ウェハ200表面に成膜する(成膜工程)。
ここで、ガス供給管232aからウェハ200に対してシリコン原子を含むガス(例えば、HCD)を供給し、ガス供給管232cからカーボン原子を含むガスを供給し、これらのガスに加えて、ガス供給管232bから窒素原子または酸素原子を含むガスを供給すると、ウェハ200上にカーボン原子を含むシリコン窒化膜や、シリコン酸化膜、またはシリコン酸窒化膜が形成される。
例示すれば、HCD+NH3+C含有ガス→Si34
HCD+ O2+C含有ガス→SiO2
HCD+N2O+C含有ガス→SiON膜
となる。
成膜完了後、ガス供給管232から不活性ガスを導入し、アウターチューブ205、インナーチューブ204内を不活性ガスに置換して常圧に復帰させる。ボート217を下降させ、ボート217から成膜完了後のウェハ200を払い出す(搬出工程)。
カーボン含有ガスの添加によりリーク電流が低減する理由は次の通りである。上述したウェハに対してシリコン原子を含むガスを供給して成膜する成膜工程では、Si−O、Si−Nの完全結合が膜質的に望まれる。しかしながら、図2(b)に示すように、成膜温度が低温化するほど、Si−Hの結合を有した状態の元素、すなわちダングリングボンドが存在する元素が、ウェハ200上の成膜される膜202中に取り込まれる。これは低温反応時に、Si−NやSi−Oの結合が進行するよりも、媒体ガスからSi−Hの結合が切れる前に、Si−H結合を有する元素が膜中に取り込まれるためである。このSi−H結合を有する元素は不安定な状態であり電流が流れやすい。したがって、Si−Hにて結合した状態では電流リークが多くなる。
このため、図2(a)に示すように、成膜時にカーボンガスを添加すると、ウェハ200上に成膜される膜202中のSi−H結合を有する元素のダングリングボンドにC元素が結合してSi−H−C結合を有する元素となる。また、成膜時にカーボンおよびフッ素を含むガスを添加すると、Si−H結合を有する元素とC元素、F元素が結合して、Si−H−CF結合を有する元素となる。これらのSi−H−C結合、Si−H−CF結合を有する元素は、Si−H結合を有する元素よりも安定な状態であり、電流が流れにくい。よって、リーク電流が低減することとなる。
Si−Hのダングリングボンドに対してカーボンC添加により生じる反応は、次の通りである。
Si−H+C→Si−H−C
Si−H+CF→Si−H−CF
このようにして、Si−H−CまたはSi−H−CFの結合状態を形成することにより、Si−Hのみの結合状態を低減し、リーク電流を防止することができる。
ここに、カーボン含有ガスとして、有機系ガス、フロン系ガス、または(Cxy、CxyZ、CxyZ、CxyZw、Cxy)等を用いることができる。
また、カーボン含有ガスとしては、例えばC22、C24、CH4等がある。
また、Si34膜を成膜する場合の成膜工程では、HCDガスは熱分解により次のような反応形態をたどり、Si系絶縁膜、またはキャパシタ膜、パッシベーション膜を生成する。
3Si2Cl6+8NH3→2Si34+9Cl2+12H2
上記CVD法により形成する膜は、カーボン含有膜であって、例えばカーボン含有Si34膜、カーボン含有SiO2膜、カーボン含有SiON膜である。
また、本発明における好ましい条件範囲は、次の通りである。
使用するシリコン含有ガスとしては、例えばHCD、DCS、BTBAS(ビスターシャリーブチルアミノシラン[H2Si{HNC(CH322]等がある。
また、窒素含有ガスとしては、例えばNH3、N2O等があり、酸素含有ガスとしては例えばO2等がある。
カーボン含有ガスを添加して成膜する場合の好ましい温度範囲は、成膜均一性確保が±5%領域では、
Si34:450〜700℃
SiO2:400〜650℃
SiON:450〜700℃
が有効である。
カーボン含有ガスを添加して成膜する場合の好ましい圧力範囲は、0.1〜10Torr(13.3〜1330Pa)である。
なお、膜中のC濃度の制御は、主制御装置120でMFC241、及び圧力調整器242を制御することによって、ガス流量及び圧力を調整することにより行う。また、膜中のC濃度の測定は二次イオン質量分析計(SIMS)で行う。
上述したように、本実施の形態によれば、Siを含むガスとCを含むガスとを用いてカーボン含有Si34膜、SiO2膜、またはSiON膜を形成して、Si−H−C、Si−H−CF等の安定な結合状態を形成するようにしたので、Si−H等の不安定な結合状態を低減することができ、リーク電流を有効に防止できる。
したがって、ガス種を換えることにより低温での成膜が可能であり、また低温化における膜質劣化改善としてカーボンソース添加によるリーク電流等の特性を改善できるので、所望の膜質を得ることができる。
具体的には、熱CVD装置において、HCD、DCSやBTBASガス等を用いて、上述した成膜条件範囲で実施すれば、低温で且つ膜質の優れたSi34膜やSiO2膜、SiON膜の形成が可能となる。
なお、本発明と異なり、カーボン含有ガスを添加することなく、Si34膜、SiO2膜、またはSiON膜を形成し、その後、不純物除去処理によりSi−H結合を消滅させるようにすれば、リーク電流等の特性の悪化等による膜質低下を回避できる可能性があるが、その分、不純物除去処理等の工程が増え、スループットが低下するので、好ましくない。
本発明の半導体装置の製造方法を実施するためのCVD炉の概略構成図である。 カーボン添加の有無による結晶内における原子の結合状態を示す比較説明図である。 実施の形態による減圧CVD処理炉の縦断面である。
符号の説明
201 処理室
200 ウェハ(基板)
GAS1〜GAS3 処理ガス

Claims (1)

  1. 処理室内に基板を搬入する工程と、
    処理室内に処理ガスを供給して基板を処理する工程と、
    処理室より処理後の基板を搬出する工程とを有し、
    前記基板を処理する工程では、基板に対して少なくともシリコン原子を含むガスとカーボン原子を含むガスとを供給して、基板上にカーボン原子を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

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