JP2005257214A - 渦巻き型熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の目的は、熱交換効率が高く高温水の渦巻き通路の洗浄を容易に行える渦巻き型熱交換器を提供することにある。
【解決手段】
平板を渦巻き状に形成した仕切板2の壁間を気密的に形成した渦巻き通路に断面円形の渦巻き管1を複数段重ねて配置する。複数段重ねて配置した渦巻き管1の巻き始め端を第一の連通管15に、巻き終わり端を第二の連通管16にそれぞれ接続する。渦巻き管1と第一、第二の連通管15,16で形成される高温水通路に高温水を通流させると共に渦巻き通路に低温水を通流させる。
【選択図】 図2
本発明の目的は、熱交換効率が高く高温水の渦巻き通路の洗浄を容易に行える渦巻き型熱交換器を提供することにある。
【解決手段】
平板を渦巻き状に形成した仕切板2の壁間を気密的に形成した渦巻き通路に断面円形の渦巻き管1を複数段重ねて配置する。複数段重ねて配置した渦巻き管1の巻き始め端を第一の連通管15に、巻き終わり端を第二の連通管16にそれぞれ接続する。渦巻き管1と第一、第二の連通管15,16で形成される高温水通路に高温水を通流させると共に渦巻き通路に低温水を通流させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、浴場等から排出される温水の熱エネルギーを有効利用するための渦巻き型熱交換器に関する。
宿泊施設や集合住宅の浴室、厨房、洗面所等から出される生活排水、温泉プールや浴場、サウナ風呂等から出される温排水の熱を回収し、これを給湯のための熱源として利用すべく、熱交換器を含む種々の加熱システムがある。例えば、温泉を利用した浴場においては、泉源の泉水温度が低い場合にボイラーを介して加熱した後、これを浴槽に流入させる方式が採用されている。
浴槽内の温水は使用頻度に応じて、適宜これを排水してきれいな新しい温水に交換、もしくは補充する必要がある。この場合、温水をそのまま排水しないで熱交換器の高温側を通流させ保有している熱エネルギーを有効利用し、低温側を通流する低温の泉水を加温した後、排水するようにしている。
熱交換器には、套管式とプレート式とがあり、套管式は構造が複雑ではあるが洗浄は容易な利点がある反面、高価で大型化となる欠点がある。一方、プレート式は構造が簡単で安価な利点を有するが、洗浄する際には運転を停止し、熱交換器を分解して伝熱板の洗浄を行い、再度組み立てする必要がある。
これらの問題点を解決するために渦巻き型と称される熱交換器が提案されている。渦巻き型熱交換器は、渦巻き状に形成した2組の矩形の渦巻き通路に、高温水と低温水を対向するように通流させ、渦巻き通路を形成する壁面を介して熱交換を行うものである。このような渦巻き型熱交換器は熱交換効率を向上させ、小型化できるという利点を有している。
従来技術の渦巻き型熱交換器は、渦巻き状に形成した2組の矩形の渦巻き通路に高温水と低温水を対向するように通流させて熱交換している。ところが、浴場内の温排水には、毛髪、水垢、石鹸成分等、様々な異物を含んでおり、これらが渦巻き通路の内壁に付着する。特に、高温水の渦巻き通路は矩形断面のために内壁の隅部分に異物が堆積しやすくなる。渦巻き通路に堆積した異物を除去するには薬品を注入した洗浄液を流して除去することが考えられる。しかし、薬品の購入費用を要し、洗浄廃液による環境を悪化させるという問題点を有する。
このため、熱交換効率が高く洗浄を容易に行える渦巻き型熱交換器の開発が強く要望されている。
本発明の目的は、熱交換効率が高く高温水の渦巻き通路の洗浄を容易に行える渦巻き型熱交換器を提供することにある。
本発明の特徴とするところは、平板を渦巻き状に形成した仕切板の壁間を気密的に形成した渦巻き通路に断面円形の渦巻き管を複数段重ねて配置し、複数段重ねて配置した渦巻き管の巻き始め端を第一の連通管に、巻き終わり端を第二の連通管にそれぞれ接続し、渦巻き管と第一、第二の連通管で形成される高温水通路に高温水を通流させると共に渦巻き通路に低温水を通流させるようにしたことにある。
換言すると、本発明は、要するに、高温水通路を断面円形の渦巻き管で構成し、仕切板で形成する渦巻き通路に渦巻き管を複数段重ねて配置したことである。
本発明は仕切板で形成された渦巻き通路に渦巻き管を複数段重ねて配置しているので、渦巻き通路を通流する低温水と渦巻き管を通流する高温水との間で熱交換が行われる。渦巻き管は複数段重ねて渦巻き状の仕切板間の渦巻き通路に配置したため熱交換効率が高く、組立性のよいコンパクトな渦巻き型熱交換器を構成することができる。また、高温水が通流する渦巻き管は断面円形であり、スポンジボールを通流させることにより容易に洗浄できる。
本発明は仕切板で形成された渦巻き通路に断面円形の渦巻き管を複数段重ねて配置しているので、渦巻き通路を通流する低温水と渦巻き管を通流する高温水との間で効率良く熱交換が行われ、かつ、渦巻き管は断面円形であり洗浄を容易に行うことができる。
容器部は円筒状胴体に上板と下板を設けて形成されている。平板を渦巻き状に形成した仕切板が容器部の上板と下板との間に設置され、仕切板の壁間を気密的に形成して渦巻き通路を構成する。断面円形の渦巻き管は渦巻き通路に複数段重ねて配置される。渦巻き管は巻き始め端を第一の連通管に接続され、巻き終わり端を第二の連通管に接続される。渦巻き管と第一、第二の連通管は高温水通路を形成する。容器部には低温水の導入管および排出管が連通して設けられている。容器部内に導入された低温水は渦巻き通路を通流し、高温水通路を高温水が通流する。渦巻き管、仕切板、胴体、第一の連通管、第二の連通管、下板、上板の内、少なくとも渦巻き管はチタンもしくはチタン合金で構成されている。
図1は本発明の渦巻き型熱交換器を水平方向に切断した断面平面図で、図2は要部の拡大断面図である。
図1、2において、渦巻き状に形成したチタン製の断面円形の渦巻き管1は図2に示すように複数段重ねて配置される。渦巻き管1は巻き始め端を入口側連通管(第一の連通管)15に、また、巻き終わり端を出口側連通管(第二の連通管)16に接続され、高温水が通流する高温水通路を形成している。第一の連通管15は円筒状胴体7が形成する容器部の径方向内側に、第二の連通管16は容器部の径方向外側にそれぞれ配置される。前記渦巻き通路を通流する低温水と前記高温水通路を通流する高温水が対向して通流する渦巻き管1と連通管15,16の接続構造については後述する。
渦巻き管1の巻き始め端に接続された連通管15は高温水の入口に、巻き終わり端に接続された連通管16はその出口にそれぞれ連通している。ステンレス鋼製の平板を渦巻き状に形成した仕切板2は巻き始め端を内側支柱5aに、巻き終わり端を外側支柱5bにそれぞれ固定している。仕切板2の壁面間は渦巻き管1の外径よりやや広い寸法とし、渦巻き管1を壁面間で形成する渦巻き通路に配設している。
6a、6bはゴム等の弾性を有するパッキンで、それぞれ仕切板2の下端と上端が食い込むように、ステンレス鋼製の下板3とステンレス鋼製の上板4との間に設置し、仕切板2の壁間を気密的に仕切るものであり、入口と出口との間が連続した渦巻き状の通路を形成する役目を果たす。7はステンレス鋼製の円筒状金属胴体で、下板3と上板4との間は気密的に設置されている。9は胴体7に結合され低温水Whを導入する導入管、3aは下板3に設けた孔で、低温水Whの出口を形成する。
導入管9から導入された低温水Whは、仕切板2で形成された渦巻き通路を反時計方向に通流し、低温水排水口3aから排出管を介して外部に設置したボイラーに導かれる。高温水は連通管15の入口から導入され、渦巻き管1の内部を通過した後、連通管16を介して高温水出口から外部に排水される。したがって、渦巻き通路を通流する低温水と高温水通路を通流する高温水が対向して通流し、高温水と低温水Whとの間で熱交換が行われることにより低温水Whは暖められ、ボイラーでさらに高温に熱せられる。
チタンは高価ではあるが、比重が鉄鋼や銅、黄銅等の約半分で軽く、耐腐蝕性が高く、熱伝導も比較的良好な特徴を有し、本構造に使用して好適である。しかしながらこれに限定するものではなく、渦巻き管1、仕切板2、下板3、上板4、胴体7は、チタンの他チタン合金、ステンレス鋼、銅、黄銅等の金属を選択的に使用してもよい。
図3は、下板3に下側パッキン6aを挿入した後、仕切板2を設置する状況を示す斜視図である。図4は、図3の状態に渦巻き管1を挿入する状況を示す斜視図で、15は渦巻き管1の巻始めに接続され、高温水の入口側に接続された連通管である。図5は、図4の状態に上側パッキン6bを載せ、上板4を装着する状況を示す斜視図で、16は渦巻き管1の巻き終わりに接続され、高温水の出口側に接続された連通管である。上板4の4aは、ボルト8が貫通する孔である。
図6は、渦巻き型温排水熱交換器の完成状態を示す斜視図である。
ステンレス鋼板を円筒状に丸めた胴体7の両端は高温水の出口側連通管16に溶接等により気密的に固着されている。出口側連通管16は一部分が外部に露出し、大部分は胴体7の内部に収納されている。ボルト8を用いて上板4を支柱5a、5bに締め付けることにより、下板3とともに胴体7は一体化される。この際、胴体7の下端と上端を気密的に一体化するために、下板3および上板4とを溶接等により結合する。9は低温水の入口となる導入管、10はその出口となる排出管、11は高温排水の入口となる導入管、12はその出口となる排出管である。13は基盤で、ボス14で下板3と結合している。
図7は渦巻き管1と高温水導入管11とを入口側連通管15に接続する構造を示す断面図である。
上下端が開口している矩形断面の連通管15の横に設けられた孔に、複数本の渦巻き管1及び高温水導入管11を溶接等により気密的に結合している。高温水は導入管11から導入され、連通管15を介してそれぞれの渦巻き管1に分流し、高温水出口側へ流れる。
図8は渦巻き管1と高温水排出管12とを出口側連通管16に接続する構造を示す断面図で、図7と同様の構造である。
連通管16の横に設けられた孔に、複数本の渦巻き管1及び高温水排出管12を溶接等により気密的に結合している。それぞれの渦巻き管1から導入された高温水は連通管16で合流し、高温水排出管12から外部へ排出される。
なお、図示していないが、連通管15と連通管16の上下開口端は、図2で示したパッキン6a、6bにより気密的に封止される。また、パッキン6a、6bの設置は限定的なものではなく、渦巻き管1、仕切板2、下板3、上板4、胴体7に接している部分を、溶接等によって気密的に結合することもできる。
このようにして熱交換を行うのであるが、本発明は仕切板で形成された渦巻き通路に渦巻き管を複数段重ねて配置しているので、渦巻き通路を通流する低温水と渦巻き管を通流する高温水との間で熱交換が行われる。渦巻き管は複数段重ねて渦巻き状の仕切板間の渦巻き通路に配置したため熱交換効率が高く、組立性のよいコンパクトな渦巻き型熱交換器を構成することができる。
また、高温水が通流する渦巻き管1は断面円形であり、一定期間運転毎にスポンジボールを通流させることにより容易に洗浄できる。スポンジボールは内部に空洞を有した柔らかい合成樹脂製(いわゆるスポンジ)のボールで、渦巻き管1の内径よりやや大きい外径とし、水圧を加えて渦巻き管1の内部を通流させ、内壁に付着した異物を掻き落すものである。
1…渦巻き管、2…仕切板、3…下板、4…上板、3a…低温水の出口孔、7…胴体、
9…低温水導入管、10…低温水排出管、11…高温水導入管、12…高温水排出管、
15…高温水入口側連通管(第一の連通管)、16…高温水出口側連通管(第二の連通管)、Wh…低温水。
9…低温水導入管、10…低温水排出管、11…高温水導入管、12…高温水排出管、
15…高温水入口側連通管(第一の連通管)、16…高温水出口側連通管(第二の連通管)、Wh…低温水。
Claims (3)
- 円筒状胴体に上板と下板を設けて形成された容器部と、平板を渦巻き状に形成した仕切板が前記容器部の上板と下板との間に設置され、この仕切板の壁間が気密的に形成された渦巻き通路と、断面円形の渦巻き管を前記渦巻き通路に複数段重ねて配置し、前記渦巻き管の巻き始め端を第一の連通管に、巻き終わり端を第二の連通管にそれぞれ接続して形成された高温水通路と、前記容器部に連通して設けた低温水の導入管および排出管とを備え、前記容器部内に導入された低温水が前記渦巻き通路を通流すると共に、前記高温水通路を高温水が通流するようにしたことを特徴とする渦巻き型熱交換器。
- 請求項1において、前記第一の連通管は前記容器部の径方向内側に、前記第二の連通管は前記容器部の径方向外側にそれぞれ配置され、前記渦巻き通路を通流する低温水と前記高温水通路を通流する高温水が対向して通流することを特徴とする渦巻き型熱交換器。
- 請求項1において、前記渦巻き管、前記仕切板、前記胴体、前記第一の連通管、前記第二の連通管、前記下板、前記上板の内、少なくとも前記渦巻き管はチタンもしくはチタン合金で構成されていることを特徴とする渦巻き型熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071949A JP2005257214A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | 渦巻き型熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004071949A JP2005257214A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | 渦巻き型熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005257214A true JP2005257214A (ja) | 2005-09-22 |
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Family Applications (1)
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JP2004071949A Pending JP2005257214A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | 渦巻き型熱交換器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011511920A (ja) * | 2008-02-12 | 2011-04-14 | ギルバート,パトリック | 熱交換器 |
JP7471709B1 (ja) | 2023-10-31 | 2024-04-22 | 真 冨永 | 熱交換装置 |
-
2004
- 2004-03-15 JP JP2004071949A patent/JP2005257214A/ja active Pending
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