JP2005256699A - エネルギー利用方法及びエネルギー利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の目的に使用するために高所へ引き上げた流体を、前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して流下させたときに生ずる運動エネルギーを有効利用するためのエネルギー利用方法及びエネルギー利用システムを提供する。
【解決手段】 熱媒体として使用する流体を、高所に設置された熱交換器(3,72,85,89)へ引き上げ、熱交換に使用した後、流体の流れを維持して略鉛直に設置した放水管(13,76,99,111)へ送り込み、放水管(13,76,99,111)を流下する流体によって、放水管(13,76,99,111)内に設置した水車(21,61)を回転させることにより、流体の運動エネルギーを回転力に変換する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高所にて所定の目的に使用した冷却又は加熱用の水などの流体を流下させたときに生ずる運動エネルギーを有効利用するためのエネルギー利用方法及びエネルギー利用システムに関する。
一般に、蒸気などの圧力でタービンを駆動することによって発電するいわゆる汽力発電所では、そのタービンを駆動するのに用いられた蒸気は、復水器で冷やされて水又は温水に戻された後、再びボイラで蒸気に変換されタービンを駆動するのに用いられる。
この復水器は、タービン側から送られる蒸気を冷やすため、冷却媒体(例えば、海水など)を取水ポンプで汲み上げ、蒸気との間で熱交換を行うようになっている。また、復水器は、高所(例えば、地上10m)に設置されることが多いため、一旦汲み上げられた冷却媒体は、大きな位置エネルギーとその流れによる運動エネルギーを有しているが、従来、そのエネルギーが利用されることなく放出されている。
ここで、復水器へ冷却媒体を汲み上げるためのポンプとしては、発電所ごとに最適な性能の特注品を製造するには大きな費用が掛かることや、長期使用による経年劣化を考慮して必要以上の能力のある仕様(以下「オーバースペック」という。)の汎用品を採用するのが通常である。従って、このポンプは、ポンプ自体の最適な稼動効率を維持するために復水器へ必要以上の流量を供給するように設定されていることが多く、或いは熱交換に必要な最低限の流量を維持するために稼動効率を著しく下げて運転している場合もある。これにより、前者の場合には、より多くの冷却媒体が無造作に放出されることになり、後者の場合には、ポンプの性能が極めて無駄になることから、このような問題を抱える発電所などでは、特にポンプを最大効率で運用した場合に、全体として効率を向上させるような運用が望まれている。
また、上記汽力発電所の復水器のほか、工場や化学プラントなどに配備された空調設備においても、高所に設置された熱交換器(例えば、凝縮器、蒸発器、又は加熱器など)へ加熱用又は冷却用の熱媒体を引き上げるポンプとして、上記と同様の理由からオーバースペックの汎用品が採用されるのが通常であり、上記復水器の場合と同様の問題が生じている。
下記特許文献1には、冷却水放水路に水力発電装置を設け、放流冷却水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する「放流冷却水を利用した発電システム」が開示されており、下記特許文献2には、消費量の少ない夜間の余剰電力を利用してポンプ揚水し、消費量の集中する昼間にこれを流下させて発電し、夜間と昼間の外部電力の負荷の平準化を図る揚水発電の貯水を利用して地域冷暖房等の熱源を蓄熱する「揚水発電併用蓄熱施設」が開示されている。
特開2002−115642号公報 特許第3289151号公報
しかしながら、上記「放流冷却水を利用した発電システム」では、コンデンサーから流下した冷却水は、冷却水放水ピットに一旦落ち込んだ後、略水平に設置された冷却水放水路を流れ、冷却水放水路に配列された水力発電装置を駆動するようになっており、冷却水流下時の運動エネルギーが無駄になっている。さらに、汽力発電所の冷却水放水路は地中に設置されていることが多く、これを改造して水力発電装置を設置するためには、莫大な工事費用が掛かるという問題もある。
一方、上記「揚水発電併用蓄熱施設」においては、揚水ポンプは、下部水槽の水を上部水槽へ揚水するためだけに使用されており、発電には、上部水槽から自由落下する水を利用することしかできないため、揚水ポンプを最大効率で運転しても発電効率は変わらないし、揚水ポンプの稼動効率を下げれば揚水ポンプの性能を著しく無駄にすることになる。
本発明の目的は、所定の目的に使用するために高所へ引き上げた流体を、前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して流下させたときに生ずる運動エネルギーを有効利用するためのエネルギー利用方法及びエネルギー利用システムを提供することである。
本発明のエネルギー利用方法は、所定の目的(例えば、後述の熱交換)に使用する流体を高所へ引き上げ、前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して略鉛直に設置した管路へ送り込み、該管路を流下する流体によって該管路内に設置した回転体(例えば、後述の水車)を回転させることにより、前記流体の運動エネルギーを回転力に変換することを特徴とする。
本発明の具体的態様では、前記目的は、前記高所にて前記流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用することである。
また、前記高所に前記流体と熱交換を行う熱交換器が設置されていることを特徴とする。
本発明の具体的態様では、前記流体を前記熱交換器へ送る管路を該熱交換器に接続し、前記略鉛直に設置した管路に該熱交換器を介して連通させた。
本発明の具体的態様では、前記回転力により発電機を駆動する。
本発明のエネルギー利用システムは、高所に設けられて流体を所定の目的に使用する手段(例えば、後述の復水器)と、前記流体を使用する手段へ前記流体を送る取水管と、前記取水管に設置され、前記流体を該取水管を通して前記流体を使用する手段へ引き上げる手段(例えば、後述のポンプ)と、前記流体を使用する手段から下に向かって略鉛直に設置され、前記流体を前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して流下させる放水管と、前記放水管内に設置され、該放水管内を流下する流体によって回転する回転体(例えば、後述の水車)とを備え、前記放水管内を流下する流体によって前記回転体を回転させることにより、前記流体の運動エネルギーを回転力に変換することを特徴とする。
本発明の具体的態様では、前記流体を使用する手段は、前記流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用する熱交換器である。
また、前記回転体は水車であり、該水車の回転力によって駆動される発電機を備えたことを特徴とする。
本発明のエネルギー利用方法によれば、所定の目的に使用する流体を高所へ引き上げ、その目的に使用した後、該流体の流れを維持して略鉛直に設置した管路へ送り込み、該管路を流下する流体によって該管路内に設置した回転体を回転させることにより、流体の運動エネルギーを回転力に変換することができる。これにより、高所へ引き上げる流量を増加させれば、それだけ大きな回転力を得ることができるため、流体を高所へ引き上げる手段を最大効率で稼動しても、これにより流量が増した流体の運動エネルギーを無駄なく有効利用することが可能になる。さらに、高所へ引き上げた水を一旦貯留した後に自由落下させる揚水式発電所等と異なり、高所へ引き上げた流体の流れを維持したまま該流体を流下させるため、流体を単に自由落下させた場合と比較して、格段に大きな回転力を得ることができる。
また、高所へ引き上げた流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用することができる。この場合、その高所には、引き上げた流体と熱交換を行う熱交換器を設置するのがよい。
また、熱交換器へ引き上げられた流体の流れを維持してこの流体を流下させるための具体的構成として、流体を熱交換器へ送る管路を該熱交換器に接続し、略鉛直に設置した管路にその熱交換器を介して連通させることができる。
また、回転力により発電機を駆動することができる。これにより、流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
本発明のエネルギー利用システムによれば、高所に設けられて流体を所定の目的に使用する手段と、流体を使用する手段へ流体を送る取水管と、取水管に設置され、流体を該取水管を通して流体を使用する手段へ引き上げる手段と、流体を使用する手段から下に向かって略鉛直に設置され、流体を所定の目的に使用した後、該流体の流れを維持して流下させる放水管と、放水管内に設置され、該放水管内を流下する流体によって回転する回転体とを備えたことにより、放水管内を流下する流体によって回転体を回転させて、流体の運動エネルギーを回転力に変換することができる。これにより、高所へ引き上げる流量を増加させれば、それだけ大きな回転力を得ることができるため、流体を高所へ引き上げる手段を最大効率で稼動しても、これにより流量が増した流体の運動エネルギーを無駄なく有効利用することが可能になる。さらに、高所へ引き上げた水を一旦貯留した後に自由落下させる揚水式発電所等と異なり、高所へ引き上げた流体の流れを維持したまま該流体を流下させるため、流体を単に自由落下させた場合と比較して、格段に大きな回転力を得ることができる。
また、流体を使用する手段としては、流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用する熱交換器を採用することができる。
また、回転体として水車を採用し、該水車の回転力によって駆動される発電機を備えることができる。これにより、放水管内を流下する流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
図1は、本発明の第1実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システム1の構成を示す。
第1実施例では、蒸気の圧力でタービンを駆動することによって発電する火力発電所に対しエネルギー利用システム1を適用し、タービンを駆動するのに使用した蒸気を冷やして水に戻す復水器3から出る冷却水(例えば、海水)の流下によって回転体を回転させ、この流下により生ずる海水の運動エネルギーを回転力に変換する方法について説明する。
具体的には、このエネルギー利用システム1は、上記の機能を果たすための具体的手段として、
水源(例えば、海)から取水した水を復水器3へ送るため、この海水を貯留する取水槽5と、
取水槽5及び復水器3を接続する取水管7と、
取水槽5内の海水を取水管7を通して復水器3へ引き上げる手段としてのポンプ9と、
復水器3から出る海水を一定水位以下にならないように貯留し、該水位を超えた分を排出する放水槽11と、
復水器3に上端を接続し、放水槽11内に下端を位置させ、且つ、復水器3から放出される海水の流れを維持して流下させる放水管13と、
放水管13の外周面に設置され、放水管13内に位置させた回転体(例えば、水車)の回転に伴って駆動する水力発電装置15と
水力発電装置15を迂回するように放水管13に接続された予備経路16と、
復水器3から流下する海水を水力発電装置15側又は予備経路16側のいずれか一方へ流すように切り替える切替弁18と
を備えている。
また、このエネルギー利用システム1は、一般的な汽力発電所の構成と同様に、取水管7の下端が取水槽5内で海水に常時浸っており、放水管13の下端が放水槽11内で海水に常時浸っている。具体的には、放水槽11内には、堰17が設けられており、復水器3から放水管13を通って放出される海水を一定水位以下にならないように貯留可能になっている。これにより、放水管13の下端は、この堰17の内側で海水に常時浸っている。従って、このエネルギー利用システム1においては、放水槽11内の堰を超えた海水が、略水平に設置された放水路19を通って海へ放流される。一方、取水槽5は、取水路20を介して海水を取り込むことができるようになっている。
このように、第1実施例のエネルギー利用システム1では、取水管7及び放水管13のそれぞれの下端が取水槽5及び放水槽11内で海水に常時浸ってサイフォンを構成している。これにより、取水槽5内の海水がポンプ9によって復水器3へ一旦汲み上げられると、取水槽5内の海水は、取水管7、復水器3、及び放水管13内を継続的に流れようとするため、海水を圧送するポンプ9の効率を上げることができるようになっている。
さらに、このエネルギー利用システム1では、一般的な汽力発電所と同様に、取水ポンプ9としてオーバースペックのものを採用し、この取水ポンプ9を最大効率で運転することができる。この場合、復水器3へ供給される流量が熱交換に必要な流量を超えることもあるが、放水管13側へ流れる大きな流量によってさらに大きな回転力を得ることができるため、エネルギー利用システム1全体としての効率を上げることができる。即ち、復水器3での熱交換に必要な流量に合わせて取水ポンプ9を運転した場合には、取水ポンプ3の効率を著しく低下させることになるため、取水ポンプ9を最大効率で運転し、放水管13内を流下する大流量の海水の運動エネルギーをより大きな回転力として回収すれば、取水ポンプの消費電力も無駄にならず、全体として効率を上げることができる。
また、切替弁18は、水力発電装置15のメンテナンス時など、水力発電装置15側への海水の流下を遮断する必要のある場合に、手動又は遠隔操作等の適宜の方法により、海水を水力発電装置15側から予備経路16側へ流すように経路を切り替えることができる。
第1実施例のエネルギー利用システム1では、復水器3は、高所(例えば、地上8m)に設置されており、復水器3から放出される海水は、ポンプ9及びサイフォンの効果により付勢されて生じた運動エネルギーを有しているとともに、復水器3の設置されている高さ及び海水の流量(例えば、200m/min)に比例した大きな位置エネルギーを有している。従って、復水器3から放水管13内を流下する海水は、放水管13を取って水力発電装置15に達したときは、復水器3から自由落下する場合に比較して、上記付勢されて生じた運動エネルギー分だけ大きな運動エネルギーを有している。これにより、水力発電装置15は、海水が復水器3から自由流下する場合より、格段に大きな電気エネルギーを取り出すことができる。また、復水器3から放出された海水のエネルギー損失を低減し、効率よく発電するため、放水管13を全体的に鉛直な管路で構成するのがよい。
図2は上記エネルギー利用システム1で採用した水力発電装置15の断面図、図3は図2のI−I線断面図、及び図4は水力発電装置15の要部を示す。この水力発電装置15は、放水管13内に位置し、復水器3から流れてくる海水を受けて回転する水車21と、放水管13の外側に設置された発電機23とを有し、水車21の動力をベルト25を介して発電機23に伝えることができるようになっている。
この水力発電装置15は、放水管13の内部及び外部の構成に大別され、内部には、複数枚(例えば、3枚)の羽根27を備えた水車21を回転可能に支持する水車本体29を備える。この水車本体29は、海水の抵抗を低減するため、先端部に丸みを付けてあり、その内側にはベルト25を掛けるためのプーリ31を保持することができる空間を有している。また、水車21にはシャフト33が固定されており、これが水車本体29内に直列に配列された2つの軸受(例えば、球面ころ軸受35及び円筒ころ軸受37)を貫通し、水車本体29内のプーリ31に連結されている。これにより、プーリ31は、水車21の回転に伴って、水車本体29の内部で回転可能になっている。また、この水力発電装置15のように、水車21の動力をベルト25を介して発電機23に伝える構成を採用した場合には、水車本体29の2つの軸受側とプーリ31側とをシール部材39で分離しておき、軸受側の隙間に潤滑油を入れておくのがよい。
この水車本体29は、プーリ31に掛けたベルト25を放水管13の外側に位置する発電機23側のプーリ41に掛けることができるように、ベルト25を通すことができる開口を設けた状態で放水管13の一部に固定されている。さらに、水車本体29と放水管13の間には、効率よく水車21を回転させるため、流れてくる海水を水車21の羽根27の向きに合わせて整流する複数の固定案内羽根43が設けられている。
一方、放水管13の外側には、発電機23のシャフト45をプーリ41に固定した状態で、このシャフト45及びプーリ41を回転可能に支持するシャフト支持部47を備えている。このシャフト支持部47は、中空部材から成り、放水管13に設けられた上記開口と連通するように放水管13の週面に固定されている。また、発電機23のシャフト45は、プーリ41の前後に位置するようにシャフト支持部47に固定された一対の円筒ころ軸受49a,49bに嵌合し、回転可能に支持されている。
以上の構成により、流れてくる海水を受けて水車21が回転し、この動力をベルト駆動方式で発電機23に伝えることにより、水力発電装置15は、ポンプ9で復水器3に汲み上げられた海水のエネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができる。
以上、第1実施例について説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、水力発電装置15は、水車と発電機とを一体的に構成し、これを放水管13内に設置することもできる。
図5は、水車と発電機とを一体的に構成した水力発電装置51を放水管13内に設置した状態を示す。
この水力発電装置51は、発電機を内蔵した略円筒形の本体上部53と、復水器3から流れてくる海水を受けて回転する水車を内蔵した略円筒形の本体下部55とで一体的に構成されている。
水力発電装置51の本体上部53は、本体下部55の中央に立設し、海水から受ける抵抗を低減するため、先端部にテーパを付けてある。一方、本体下部55は、上端部の外周が放水管13に嵌合しており、流れてくる海水を全て本体下部55内の水車側へ送ることができるようになっている。また、本体下部55の上端部の内側には、本体上部53との間に複数の固定案内羽根57が設けられており、流れてくる海水を整流するようになっている。
水力発電装置51を放水管13に設置するには、これを設置する位置で、本体下部55の上端部の外周に嵌合する上流側管路13aと、本体下部55の下端部と同径の下流側管路13bとを接合(例えば、フランジ接合)し、下流側管路13bの上端部に水力発電装置51を据え置くようにすればよい。
図6は、水力発電装置51の要部の構成を示す。このように、水力発電装置51は、本体下部55内には複数枚(例えば、3枚)の羽根59を備えた水車61を備え、本体上部53内にはシャフト63を介して水車61に接続された発電機65を備えている。これにより、この水力発電装置51では、水車61の動力をシャフト63を介して発電機65にダイレクトに伝えることができる。
図7は、第2実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システム71の構成を示す。
このエネルギー利用システム71には、第1実施例で採用した復水器3(図1)に代えて、空調機器などから出る高温の作動流体(例えば、代替フロンなど)を冷やすための熱交換器72が備えられている。
このエネルギー利用システム71は、第2実施例のエネルギー利用方法を実施するための具体的手段として、
湖沼や河川などの水を冷却用の熱媒体として熱交換器72へ送る取水管73と、
取水管73を通して、水を熱交換器72へ引き上げる手段としてのポンプ74と、
熱交換器72で熱交換に使用された水を流下させるため、熱交換器72に上端を接続し、下端を湖沼や河川まで延ばした放水管76と、
放水管76の周面に設置され、放水管76内に位置させた回転体(例えば、水車)の回転に伴って駆動する水力発電装置77と
水力発電装置77を迂回するように放水管76に接続された予備経路78と、
熱交換器72から流下する海水を水力発電装置77側又は予備経路78側のいずれか一方へ流すように切り替える切替弁79と
を備えている。
放水管76に設置した水力発電装置77は、第1実施例で採用した水力発電装置15と同じものを採用することが可能である。
また、このエネルギー利用システム71において、熱交換器72から放水管76を通って流下する水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法は、第1実施例と同様である。このように、本発明のエネルギー利用方法を実施すれば、汽力発電所にある復水器からの放水のみならず、高所にて所定の目的のために使用された流体を流下させ、その際に生ずる運動エネルギーを回転力に変換し、発電などの適宜の用途に利用することができる。
図8は、第3実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システム81の構成を示す。
このエネルギー利用システム81は、作動流体としてのアンモニアを蒸気(以下「アンモニアガス」という。)に換えてタービンを回すことによって発電する、いわゆる低温度差発電システム82に適用したものである。
この発電システム82は、作動流体のアンモニアによって発電する具体的手段として、環状に設置され、作動流体のアンモニアを循環させる循環経路83上において、
アンモニアガスと冷却媒体(例えば、海水)との間で熱交換を行い、アンモニアガスを凝縮してアンモニア液に換える凝縮器85と、
凝縮器85から出るアンモニア液が循環経路83内を循環するように圧送する循環ポンプ87と、
圧送されたアンモニア液と加熱媒体(例えば、復水器から放出された温水)との間で熱交換を行い、アンモニア液を蒸発させてアンモニアガスに換える蒸発器89と、
蒸発器89で生成されたアンモニアガスによって駆動されるタービン91と
を備えている。
一方、エネルギー利用システム81では、上記低温度差発電システム82に備えられた凝縮器85と蒸発器89のそれぞれにおいて熱交換に使用された熱媒体を流下させ、この流下の際に生ずる運動エネルギーを回転力に変換する。
具体的には、エネルギー利用システム81は、凝縮器85側の構成として、
冷却媒体としての海水(例えば、深層水)を凝縮器85へ供給できるように、上端を凝縮器85に接続した取水管95と、
取水管95を通して凝縮器85へ海水を引き上げる手段としてのポンプ97と、
凝縮器85で熱交換に使用した海水を流下させるため、凝縮器85に上端を接続した放水管99と、
放水管99に設置され、放水管99内を流下する海水によって駆動される水力発電装置101と
水力発電装置101を迂回するように放水管99に接続された予備経路103と、
凝縮器85から流下する海水を水力発電装置101側又は予備経路103側のいずれか一方へ流すように切り替える切替弁105と
を備えている。
また、水力発電装置101としては、第1実施例で説明した水力発電装置15,51を採用することができる。
さらに、エネルギー利用システム81は、蒸発器89側の構成として、
加熱媒体としての流体(例えば、40度程度の温水)を蒸発器89へ供給できるように、上端を蒸発器85に接続した取水管107と、
取水管107を通して蒸発器89へ温水を引き上げる手段としてのポンプ109と、
蒸発器89で熱交換に使用した温水を流下させるため、蒸発器89に上端を接続した放水管111と、
放水管111に設置され、放水管111内を流下する海水によって駆動される水力発電装置113と
水力発電装置113を迂回するように放水管111に接続された予備経路115と、
蒸発器89から流下する温水を水力発電装置113側又は予備経路115側のいずれか一方へ流すように切り替える切替弁117と
を備えている。
また、蒸発器89側の水力発電装置113についても、凝縮器85側の構成と同様に、第1実施例で説明した水力発電装置15,51を採用することができる。
さらに、蒸発器89側の構成では、加熱媒体として、例えば、復水器にて熱交換に使用され温められた水を採用することが可能である。具体的には、第1実施例のエネルギー利用システム1(図1)の復水器3に上端を接続した放水管13を、水力発電装置15を経由した後に上方へ折り返し、上記蒸発器89側の構成へと導くようにすることが可能である。
以上のように、本発明のエネルギー利用方法及びエネルギー利用システムによれば、所定の目的のために高所へ引き上げられた流体を流下させたときに生ずる運動エネルギーを回転力に変換し、これを有効利用することができる。
また、実施例では、流体の運動エネルギーを回転力に変換し、これにより発電機を駆動して電気エネルギーの利用を可能にしたが、このほかにも、その回転力は、ベルトコンベヤなどの搬送装置の動力としても利用可能である。
また、いずれの実施例においても、熱交換器から下に向かって設置した放水管を複数(例えば、2つ)に分岐し、この分岐した管路にそれぞれ切替弁及び水力発電装置を設置することができる。さらに、予備経路16,78,103,115上にも水力発電装置を設置することも可能である。
また、いずれの実施例においても、海水、湖沼の水、河川の水、水道水、又は井戸水など、一般に熱媒体として利用される流体を熱交換器へ送ることができる。
第1実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システムの構成を示す図。 第1実施例で採用した水力発電装置の断面図。 図2のI−I線断面図。 第1実施例で採用した水力発電装置の要部を示す図。 水車と発電機とを一体的に構成した水力発電装置を放水管内に設置した状態を示す図。 水車と発電機とを一体的に構成した水力発電装置の要部を示す図。 第2実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システムの構成を示す図。 第3実施例のエネルギー利用方法を実施するためのエネルギー利用システムの構成を示す図。
符号の説明
1,71,81…エネルギー利用システム、3…復水器、5…取水槽、7,73,95,107…取水管、9,75,97,109…ポンプ、11…放水槽、13,76,99,111…放水管、13a…上流側管路、13b…下流側管路、15,51,77,101,113…水力発電装置、16,78,103,115…予備経路、17…堰、18,79,105,117…切替弁、19…放水路、20…取水路、21,61…水車、23,65…発電機、25…ベルト、27,59…羽根、29…水車本体、31,41…プーリ、33,45,63…シャフト、35…球面ころ軸受、37,49a,49b…円筒ころ軸受、39…シール部材、43,57…固定案内羽根、47…シャフト支持部、53…本体上部、55…本体下部、72…熱交換器、82…低温度差発電システム、83…循環経路、85…凝縮器、87…循環ポンプ、89…蒸発器、91…タービン。

Claims (8)

  1. 所定の目的に使用する流体を高所へ引き上げ、前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して略鉛直に設置した管路へ送り込み、該管路を流下する流体によって該管路内に設置した回転体を回転させることにより、前記流体の運動エネルギーを回転力に変換することを特徴とするエネルギー利用方法。
  2. 請求項1記載のエネルギー利用方法において、前記目的は、前記高所にて前記流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用することであるエネルギー利用方法。
  3. 請求項2記載のエネルギー利用方法において、前記高所に前記流体と熱交換を行う熱交換器が設置されていることを特徴とするエネルギー利用方法。
  4. 請求項3記載のエネルギー利用方法において、前記流体を前記熱交換器へ送る管路を該熱交換器に接続し、前記略鉛直に設置した管路に該熱交換器を介して連通させたことを特徴とするエネルギー利用方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載のエネルギー利用方法において、前記回転力により発電機を駆動することを特徴とするエネルギー利用方法。
  6. 高所に設けられて流体を所定の目的に使用する手段と、
    前記流体を使用する手段へ前記流体を送る取水管と、
    前記取水管に設置され、前記流体を該取水管を通して前記流体を使用する手段へ引き上げる手段と、
    前記流体を使用する手段から下に向かって略鉛直に設置され、前記流体を前記目的に使用した後、該流体の流れを維持して流下させる放水管と、
    前記放水管内に設置され、該放水管内を流下する流体によって回転する回転体とを備え、
    前記放水管内を流下する流体によって前記回転体を回転させることにより、前記流体の運動エネルギーを回転力に変換することを特徴とするエネルギー利用システム。
  7. 請求項6記載のエネルギー利用システムにおいて、前記流体を使用する手段は、前記流体を冷却用又は加熱用の熱媒体として使用する熱交換器であることを特徴とするエネルギー利用システム。
  8. 請求項6又は7記載のエネルギー利用システムにおいて、前記回転体は水車であり、該水車の回転力によって駆動される発電機を備えたことを特徴とするエネルギー利用システム。
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