JP2005254907A - 制御システム、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクセル開度センサ22が検出したアクセル開度の時間変化量が大きい場合には、加速制御の高い応答性が必要であるため、マネージャ制御装置30が算出した上位算出トルクTaではなく、パワートレイン制御装置40が独自に算出した下位算出トルクTbが目標トルクTcに設定され、その目標トルクTcが得られるようにエンジン12およびトランスミッション14が制御される。また、アクセル開度の時間変化量が小さい場合には、加速制御の高い応答性はそれほど必要ないため、マネージャ制御装置30が算出した上位算出トルクTaが目標トルクTcに設定され、その目標トルクTcが得られるようにエンジン12およびトランスミッション14が制御される。
【選択図】 図1
Description
そして、下位要素が上位要素の下位に位置する階層構造が設定され、運転者の意図を実行する命令は上位要素から下位要素への一方向にのみ伝達される。
また、上位要素と下位要素とはバスシステム(バスライン)を用いて接続され、上位要素の命令はバスシステムを通って下位要素へ送信される。そのため、バスシステムの通信負荷が高い場合にも、上位要素から下位要素へ命令が伝達されるのが遅れる。
このとき、上位要素における命令の生成処理に時間がかかったり、バスシステムの通信負荷が高かったりして、上位要素からパワートレインへ命令が伝達されるのが遅れた場合には、運転者がアクセルペダルを踏み込んでからパワートレインが動作して車両が実際に加速されるまでに時間がかかり、加速制御の応答性が悪化することになる。
(1)各種制御を統合的に行う制御システムに関し、制御の応答性を高めることが可能な制御システムを提供する。
(2)前記(1)の制御システムを実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを提供する。
(3)前記(1)の制御システムを実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
請求項1に記載の発明は、被制御装置の制御に関するユーザーからの指示命令を検出する検出手段と、その検出手段が検出した指示命令に基づいて、被制御装置を制御するための制御命令を生成する上位制御手段と、その上位制御手段が生成した制御命令または前記検出手段が検出した指示命令に基づいて、被制御装置を制御する下位制御手段と、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて、その指示命令に対する被制御装置の動作に必要とされる応答性の程度を判定する判定手段とを備えた制御システムであって、前記下位制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定された場合には、前記上位制御手段が生成した制御命令でなく、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて被制御装置を独自に制御し、前記指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定された場合には、前記上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御することを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制御システムにおいて、前記判定手段は、前記検出手段が検出した指示命令の時間変化量を検出し、当該時間変化量が所定値以上の場合には、その指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定し、当該時間変化量が所定値未満の場合には、その指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定することを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記上位制御手段が生成した制御命令に基づく被制御装置の第1制御量と、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて当該下位制御手段が独自に制御する被制御装置の第2制御量との差分の絶対値を算出し、その差分の絶対値が所定値以上の場合には、被制御装置の制御量を前記第2制御量に設定した状態を所定時間維持した後に、前記第2制御量を前記第1制御量に近い値に設定し直す処理を、前記差分の絶対値が所定値未満になるまで繰り返すことにより、前記第2制御量を前記第1制御量に近づけることを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記検出手段から受け取った指示命令が正常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が正常な場合にのみ前記制御を実行することを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記検出手段から受け取った指示命令が異常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が正常な場合には、前記制御に替えて、前記上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御することを技術的特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記検出手段から受け取った指示命令が異常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が異常な場合には、前記制御に替えて、予め設定しておいた制御命令に基づいて被制御装置を制御することを技術的特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記検出手段から受け取った指示命令が正常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が異常な場合には、前記制御に替えて、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて被制御装置を独自に制御することを技術的特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記検出手段から受け取った指示命令が、取り得る値の範囲内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、取り得る値の範囲内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定することを技術的特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項4〜7のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記下位制御手段は、前記上位制御手段から受け取った制御命令が、取り得る値の範囲内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、取り得る値の範囲内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定することを技術的特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記被制御装置は、自動車のエンジンおよびトランスミッションであり、前記検出手段は、ユーザーである運転者が操作したアクセルペダルの踏み込み量に対応したアクセル開度を指示命令として検出し、前記上位制御手段は、前記エンジンおよびトランスミッションから所望の出力トルクを発生させるための制御信号を制御命令として生成し、前記下位制御手段は、前記上位制御手段が生成した前記制御信号または前記検出手段が検出した前記アクセル開度に基づいて、前記エンジンおよびトランスミッションを制御することを特徴とする自動車に搭載された車両用電子制御システムを技術的特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システムにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを提供するものである。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子制御システムにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
請求項1に記載の発明において、下位制御手段は、判定手段により指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定された場合には、上位制御手段が生成した制御命令でなく、当該指示命令に基づいて被制御装置を独自に制御する。また、下位制御手段は、判定手段により指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定された場合には、上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御する。
しかし、請求項1に記載の発明では、指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要な場合には、上位制御手段が生成した制御命令でなく、当該指示命令に基づいて下位制御手段が被制御装置を独自に制御する。
言い換えれば、請求項1に記載の発明では、制御に高い応答性が必要な場合には、上位制御手段から下位制御手段へ制御命令が伝達されるのを待つことなく、下位制御手段自らが被制御装置を制御するため、上位制御手段から下位制御手段への制御命令の伝達が遅れても制御の応答性は悪化しない。
請求項2に記載の発明において、判定手段は、検出手段が検出した指示命令の時間変化量が所定値以上の場合には当該指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定する。また、判定手段は、検出手段が検出した指示命令の時間変化量が所定値未満の場合には、その指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定する。
従って、請求項2に記載の発明によれば、制御に必要とされる応答性の程度を正確に判定することができる。
尚、前記指示命令の時間変化量の所定値は、カット・アンド・トライで実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
請求項3に記載の発明において、下位制御手段は、上位制御手段が生成した制御命令に基づく被制御装置の第1制御量と、検出手段が検出した指示命令に基づいて下位制御手段が独自に制御する被制御装置の第2制御量との差分の絶対値を算出する。そして、下位制御手段は、前記差分の絶対値が所定値以上の場合には、被制御装置の制御量を第2制御量に設定した状態を所定時間維持した後に、第2制御量を第1制御量に近い値に設定し直す処理を、前記差分の絶対値が所定値未満になるまで繰り返すことにより、第2制御量を第1制御量に近づける。
つまり、請求項3に記載の発明を実行しない場合、第2制御量と第1制御量との違いが非常に大きいときには、第2制御量による制御から第1制御量による制御へ移行した時点で、被制御装置の挙動に大きな変化が生じる。
尚、前記差分の絶対値の所定値および前記所定時間はそれぞれ、カット・アンド・トライで実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1または請求項3に記載の発明において、下位制御手段が実行する前記制御の作用・効果を確実に得られる。
請求項5に記載の発明では、下位制御手段が検出手段から受け取った指示命令が異常な場合には、その指示命令に基づいて下位制御手段が被制御装置を制御できないため、請求項1または請求項3に記載の発明において下位制御手段が実行する前記制御に替えて、上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御するわけである。
請求項6に記載の発明では、下位制御手段が検出手段から受け取った指示命令と上位制御手段から受け取った指示命令とが共に異常な場合には、正確な指示命令および制御命令が得られないため、請求項1または請求項3に記載の発明において下位制御手段が実行する前記制御に替えて、予め設定しておいた制御命令に基づいて被制御装置を制御するわけである。
尚、予め設定しておいた制御命令は、カット・アンド・トライで実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
請求項7に記載の発明では、下位制御手段が上位制御手段から受け取った指示命令が異常な場合には、その制御命令に基づいて下位制御手段が被制御装置を制御できないため、請求項1または請求項3に記載の発明において下位制御手段が実行する前記制御に替えて、検出手段が検出した指示命令に基づいて下位制御手段が被制御装置を独自に制御するわけである。
請求項8に記載の発明によれば、下位制御手段が検出手段から受け取った指示命令が正常か異常かを正確に判定できる。
尚、下位制御手段が検出手段から受け取った指示命令に異常が起こる原因には、例えば、検出手段の故障や動作不良、検出手段の指示命令を下位制御手段に送るための配線の接続不良や断線、などがある。
ところで、前記指示命令が取り得る値の範囲は、カット・アンド・トライで実験的に見つけて設定すればよい。
請求項9に記載の発明によれば、下位制御手段が上位制御手段から受け取った制御命令が正常か異常かを正確に判定できる。
尚、下位制御手段が上位制御手段から受け取った制御命令に異常が起こる原因には、例えば、上位制御手段の故障や動作不良、上位制御手段と下位制御手段との通信異常、などがある。
ところで、前記制御命令が取り得る値の範囲は、カット・アンド・トライで実験的に見つけて設定すればよい。
請求項10に記載の発明は、運転者が操作したアクセルペダルの踏み込み量に対応して自動車のエンジンおよびトランスミッションを制御する車両用電子制御システムに適用したものである。そして、請求項10に記載の発明によれば加減速制御の応答性を高めることができる。
言い換えれば、加速制御の高い応答性が必要な場合には、上位制御手段から下位制御手段へ制御命令が伝達されるのを待つことなく、下位制御手段自らがエンジンおよびトランスミッションを制御するため、上位制御手段から下位制御手段への制御命令の伝達が遅れても加速制御の応答性は悪化しない。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システムを実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを提供できる。
また、請求項12に記載の発明によれば、請求項11のプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供できる。
この他、前記プログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を備えた外部記録装置(外部記憶装置)に記録(記憶)しておき、当該プログラムを必要に応じて外部記録装置からコンピュータシステムにロードして用いるようにしてもよい。
尚、上述した[課題を解決するための手段]に記載した構成要素と、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「ユーザー」は、運転手に該当する。
「指示命令」は、アクセル開度を表す検出信号に該当する。
「検出手段」は、アクセル開度センサ22およびパワートレイン制御装置40が実行するS201およびS203の処理に該当する。
「制御命令」は、上位算出トルクTaを表す制御信号に該当する。
「上位制御手段」は、マネージャ制御装置30に該当する。
「下位制御手段」は、パワートレイン制御装置40に該当する。
「判定手段」は、パワートレイン制御装置40が実行するS205の処理に該当する。
請求項3に記載の「第1制御量」は、上位算出トルクTaに該当する。
請求項3に記載の「第2制御量」は、下位算出トルクTbに該当する。
請求項3に記載の「差分の絶対値の所定値」は、閾値βに該当する。
請求項3に記載の「所定時間」は、繰り返し回数nが設定回数Nに達するまでの時間に該当する。
請求項3に記載の「第2制御量を第1制御量に近い値に設定し直す処理」は、パワートレイン制御装置40が実行するS212の処理に該当する。
「プログラム」は、マネージャ制御装置30が実行するS101〜S105の処理と、パワートレイン制御装置40が実行するS201〜S217の処理とに該当する。
「記録媒体」は、ROM34,44に該当する。
図1は、本実施形態の車両用電子制御システム(車両用電子制御装置)10の概略構成を示すブロック図である。
車両用電子制御システム10は、、エンジン(内燃機関)12、トランスミッション14、各種センサ20、アクセル開度センサ22、配線(信号線)24,26、マネージャ制御装置30、パワートレイン制御装置40、シャシ系制御装置50、マルチメディア制御装置60、バスラインBLなどから構成され、自動車に搭載されている。
トランスミッション14は、エンジン12のクランクシャフトとドライブシャフト18とを連結し、クランクシャフトに出力されたエンジントルクを適宜な変速比で変速してドライブシャフト18に伝達し、ドライブシャフト18を介して駆動輪16を駆動させる。
各制御装置30〜60にはそれぞれ、中央演算処理装置(CPU)32,42,52,62、読み取り専用の記憶装置(ROM)34,44,54,64、読み書き可能な記憶装置(RAM)36,46,56,66、入出力装置(I/O)38,48,58,68などが内蔵されている。
また、各制御装置30,40のI/O38,48はそれぞれ配線24,26を介してアクセル開度センサ22に接続されている。そして、アクセル開度センサ22の検出信号は、配線24からマネージャ制御装置30のI/O38を介してCPU32に入力されると共に、配線26からパワートレイン制御装置40のI/O48を介してCPU42に入力される。
マネージャ制御装置30は、各種センサ20およびアクセル開度センサ22の検出信号や各制御装置40〜60の制御状態に基づいて、各制御装置40〜60を制御するための制御信号(制御命令、制御データ)を生成し、それら制御信号をI/O38からバスラインBLを介して各制御装置40〜60のI/O48,58,68へ送信(出力)する。
図2は、本実施形態においてマネージャ制御装置30が実行する動作の流れを示すフローチャートである。
マネージャ制御装置30が起動すると、CPU32は、ROM34に記憶(記録)されているコンピュータプログラムをロードし、そのコンピュータプログラムに従って各種演算処理を実行することにより、以下の各ステップの処理を実行する。
尚、図面および以下の説明ではステップを「S」と記載する。
そして、マネージャ制御装置30は、S101〜S103の各処理で読み込んだ内容に基づき、当該内容に対応した最適な自動車の出力トルク(以下、「上位算出トルクTa」と呼ぶ)を算出し、その上位算出トルクTaを表す制御信号を生成する(S104)。
次に、マネージャ制御装置30は、S104の処理で生成した制御信号をパワートレイン制御装置40へ送信し(S105)、その後にS101の処理へ戻る。
図3〜図5は、本実施形態においてパワートレイン制御装置40が実行する動作の流れを示すフローチャートである。
パワートレイン制御装置40が起動すると、CPU42は、ROM44に記憶(記録)されているコンピュータプログラムをロードし、そのコンピュータプログラムに従って各種演算処理を実行することにより、以下の各ステップの処理を実行する。
そして、パワートレイン制御装置40は、入力したアクセル開度センサ22の検出信号が正常かどうかを判定し(S202)、その検出信号が正常な場合には(S202:Yes)、アクセル開度センサ22の検出信号に基づいてアクセル開度を検出する(S203)。
すると、エンジン12は、パワートレイン制御装置40から送信されてくる制御信号に従い、各種制御(例えば、混合気を生成するための空気供給量や燃料噴射量の制御、点火時期の制御など)を実行し、適宜なエンジントルクを発生する。
すると、トランスミッション14は、パワートレイン制御装置40から送信されてくる制御信号に従い、変速比を適宜設定し、エンジン12が発生したエンジントルクを設定した変速比で変速してドライブシャフト18に伝達する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
そこで、本実施形態では、アクセル開度の時間変化量を検出し、当該時間変化量が大きい場合には加速制御の高い応答性が必要であると判断し、当該時間変化量が小さい場合には加速制御の高い応答性はそれほど必要ないと判断する。
尚、上記した加速制御と同様に、減速制御についてもその応答性を高めることができる。
従って、本実施形態によれば、加減速制御に必要とされる応答性の程度を正確に判定することができる。
また、閾値αについてもカット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定しておけばよく、その設定した閾値αを予めROM44に記憶しておき、S205の処理にてROM44から読み出せばよい。
そのため、各トルクTa,Tbの差分の絶対値(|Tb−Ta|)が閾値β以上になり(S209:No)、S209からS210の処理へ移行する場合ある。
その結果、繰り返し回数nが設定回数Nに達するまでの時間だけ、下位算出トルクTbを目標トルクTcとしてエンジン12およびトランスミッション14が制御される。
例えば、下位算出トルクTbが上位算出トルクTaより大きい場合には、下位算出トルクTbから設定増減分Δを減算した値(TbーΔ)が目標トルクTcに設定し直される。
また、下位算出トルクTbが上位算出トルクTaより小さい場合には、下位算出トルクTbに設定増減分Δを加算した値(Tb+Δ)が目標トルクTcに設定し直される。
また、設定回数Nについてもカット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定しておけばよく、その設定回数Nを予めROM44に記憶しておき、S210の処理にてROM44から読み出せばよい。
従って、本実施形態によれば、上記[1][3]に記載の作用・効果を確実に得られる。
尚、固定トルクTdはカット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定しておけばよく、その設定した固定トルクTdを予めROM44に記憶しておき、S215の処理にてROM44から読み出せばよい。
そして、パワートレイン制御装置40は、当該検出信号が上下限値内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、当該検出信号が上下限値内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定する。
尚、S201の処理で入力されたアクセル開度センサ22の検出信号に異常が起こる原因には、例えば、アクセル開度センサ22の故障や動作不良、配線26の接続不良や断線、などがある。
そして、パワートレイン制御装置40は、当該制御信号が上下限値内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、当該制御信号が上下限値内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定する。
尚、S201の処理で入力されたマネージャ制御装置30の制御信号に異常が起こる原因には、例えば、マネージャ制御装置30の動作不良、バスラインBLの不具合(接続不良や断線など)によって発生する各制御装置30,40間の通信異常、などがある。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
しかし、各配線24,26を省き、アクセル開度センサ22の検出信号をバスラインBLを通して各制御装置30,40へ送信するようにしてもよい。また、各種センサ20の検出信号についても、バスラインBLを通してマネージャ制御装置30へ送信するようにしてもよい。
しかし、トルクセンサをドライブシャフト18に設けておき、そのトルクセンサが計測したドライブシャフト18のトルクを「現在の出力トルク」としてもよい。
しかし、各制御装置30〜60をそれぞれ専用の通信線で接続してもよく、例えば、マネージャ制御装置30からパワートレイン制御装置40へ制御信号を送信するための専用の通信線を設けてもよい。
しかし、本発明は、上記実施形態に限らず、各制御装置30〜60が実行する他の制御動作に適用してもよい。例えば、マネージャ制御装置30およびシャシ系制御装置50が実行する前記の各種システム(ABS、VSC、ECB 、 TRC、EPS、エアバック制御システム)を実現するための制御動作に適用してもよい。
しかし、本発明は、車両用電子制御システムに限らず、どのような被制御装置(例えば、産業用ロボットなど)を制御するための制御システムに適用してもよい。
12…エンジン
14…トランスミッション
22…アクセル開度センサ
24,26…配線
30…マネージャ制御装置
40…パワートレイン制御装置
50…シャシ系制御装置
60…マルチメディア制御装置
BL…バスライン
32,42,52,62…CPU
34,44,54,64…ROM
36,46,56,66…RAM
38,48,58,68…I/O
Claims (12)
- 被制御装置の制御に関するユーザーからの指示命令を検出する検出手段と、
その検出手段が検出した指示命令に基づいて、被制御装置を制御するための制御命令を生成する上位制御手段と、
その上位制御手段が生成した制御命令または前記検出手段が検出した指示命令に基づいて、被制御装置を制御する下位制御手段と、
前記検出手段が検出した指示命令に基づいて、その指示命令に対する被制御装置の動作に必要とされる応答性の程度を判定する判定手段と
を備えた制御システムであって、
前記下位制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、
前記指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定された場合には、前記上位制御手段が生成した制御命令でなく、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて被制御装置を独自に制御し、
前記指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定された場合には、前記上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御することを特徴とする制御システム。 - 請求項1に記載の制御システムにおいて、
前記判定手段は、
前記検出手段が検出した指示命令の時間変化量を検出し、
当該時間変化量が所定値以上の場合には、その指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要であると判定し、
当該時間変化量が所定値未満の場合には、その指示命令に対する被制御装置の動作に高い応答性が必要でないと判定することを特徴とする制御システム。 - 請求項1または請求項2に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記上位制御手段が生成した制御命令に基づく被制御装置の第1制御量と、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて当該下位制御手段が独自に制御する被制御装置の第2制御量との差分の絶対値を算出し、
その差分の絶対値が所定値以上の場合には、被制御装置の制御量を前記第2制御量に設定した状態を所定時間維持した後に、前記第2制御量を前記第1制御量に近い値に設定し直す処理を、前記差分の絶対値が所定値未満になるまで繰り返すことにより、前記第2制御量を前記第1制御量に近づけることを特徴とする制御システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記検出手段から受け取った指示命令が正常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が正常な場合にのみ前記制御を実行することを特徴とする制御システム。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記検出手段から受け取った指示命令が異常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が正常な場合には、前記制御に替えて、前記上位制御手段が生成した制御命令に基づいて被制御装置を制御することを特徴とする制御システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記検出手段から受け取った指示命令が異常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が異常な場合には、前記制御に替えて、予め設定しておいた制御命令に基づいて被制御装置を制御することを特徴とする制御システム。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記検出手段から受け取った指示命令が正常で、且つ、前記上位制御手段から受け取った制御命令が異常な場合には、前記制御に替えて、前記検出手段が検出した指示命令に基づいて被制御装置を独自に制御することを特徴とする制御システム。 - 請求項4〜7のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記検出手段から受け取った指示命令が、取り得る値の範囲内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、取り得る値の範囲内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定することを特徴とする制御システム。 - 請求項4〜7のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記下位制御手段は、
前記上位制御手段から受け取った制御命令が、取り得る値の範囲内に収まると共に固着していない場合には正常と判定し、取り得る値の範囲内に収まらないか又は固着している場合には異常と判定することを特徴とする制御システム。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、
前記被制御装置は、自動車のエンジンおよびトランスミッションであり、
前記検出手段は、ユーザーである運転者が操作したアクセルペダルの踏み込み量に対応したアクセル開度を指示命令として検出し、
前記上位制御手段は、前記エンジンおよびトランスミッションから所望の出力トルクを発生させるための制御信号を制御命令として生成し、
前記下位制御手段は、前記上位制御手段が生成した前記制御信号または前記検出手段が検出した前記アクセル開度に基づいて、前記エンジンおよびトランスミッションを制御することを特徴とする自動車に搭載された車両用電子制御システム。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システムにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システムにおける前記各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004067044A JP4193733B2 (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 制御システム、プログラム、記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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