JP2005242494A - 画像の数値的解析方法及びシステム並びにプログラム - Google Patents

画像の数値的解析方法及びシステム並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、カラー画像を単純な数値で表現することによって、低速な通信手段でも、画像から得られるある程度の有用な情報を実時間で収集すること、さらに,複雑な画像情報を単純な数値指標で表現することにより,即時に数値演算的な解析への適用を可能にすることを目的としている。
【解決手段】 毎日同時刻(正午前後)に撮影し、画素毎に該カラー画像を分解する複数色(RGB)のデジタル画像データとして保存する(ST1)。R、G、Bそれぞれの輝度値について、その画像データに含まれる全画素にわたり平均した値r,g,b(単色の平均輝度値)と全色の輝度値の平均値
I を求め(ST2)、r,g,bそれぞれをIで正規化したrav,gav,bavを求める(ST3)。次に、このrav,gav,bavの時系列を作成し、それぞれの値の1.0に対する大小、増減傾向の正負を求める(ST4)。そして、rav,gav,bavの1.0に対する大小および増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応する森林の状態を判定する(ST5)。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー画像を単純な数値で表現することのできる画像の数値的解析方法及びシステム並びにプログラムに関する。
森林による二酸化炭素吸収量などの測定や解析を目的として、定点に設置したカメラを用いて日々の景観の変化を撮影し、植物季節(フェノロジー)を画像として記録するということがよく行われている。通常、このような画像情報を用いたイベント発生日時などの検出は、個別の画像を比較、あるいは動画化し、目視でその変化を観察することによって行っている。この画像情報を単純な数値で表し、時系列を作成できれば、長期間の変動を一目で理解したり、年々の比較を行ったりすることが容易になって非常に便利である。また、撮影と同時に測定されたさまざまな他の数値、たとえば気象要素に画像情報を数値として組み合わせたり、生態系の遠隔監視の自動処理に利用したりといった用途も考えられる。
従来のリモートセンシング的手法による画像解析では、高価な放射量測定器を用いて画素単位で測定された特定波長の放射量(輝度)、もしくは放射量を別の指標に変換した値と、その画素を含む物体、例えば樹冠の葉なのか、積雪なのか,を,物体の放射特性から理論的に,もしくは画像の図柄あるいは実地における目視によって判別した結果とを関連付けた対応表(教師空間)を作成し、この関連付けにより画像の全画素を分類する。この分類により、被写体が未知である画素が何を写したものなのかを判別したり、分類ごとの画素数を画像全体にわたって計数して面積を求めたりすることができる。しかし、この手法は煩雑な処理を伴うものである。また、一般向けに市販されているビデオカメラなどの映像機器の出力は、本来は観賞を目的としたものであり、実際の光エネルギー量の絶対値に関する情報は含まれていないので、精密な解析には適さないが,簡易な解析により,有用な情報を取り出せる可能性がある。
画像情報はデータ量が大きいため、遠隔監視に利用する場合、通信手段によっては送受信する情報量の制約から、画像の実時間監視が困難になることがある。
そこで、本発明は、カラー画像を単純な数値で表現することによって、低速な通信手段でも、画像から得られるある程度の有用な情報を実時間で収集することを可能にすることを目的としている。
さらに,複雑な画像情報を単純な数値指標で表現することにより,即時に数値演算的な解析への適用を可能にすることを目的としている。
本発明の画像の数値的解析方法及びプログラムは、撮影した複数画素からなるカラー画像を、画素毎に該カラーを複数色に分解したデジタル画像データとして画素毎に保存し、分解した色毎の単色の輝度値及び全色の輝度値について、その画像データに含まれる全画素にわたり平均した単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求め、かつ、この全色の平均輝度値に基づき正規化した色毎の正規化平均輝度値を求める。この色毎の正規化平均輝度値の時系列を作成し、それぞれの値の1.0に対する大小及び増減傾向の正負を求め、次に、色毎の正規化平均輝度値の1.0に対する大小及び増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応するカラー画像の状態を判定する。
本発明の画像の数値的解析システムは、現場設置モジュールと、データ集積・解析モジュールとから成っている。現場設置モジュールは、複数画素からなるカラー画像を撮影して、画素毎に該カラーを複数色に分解したデジタル画像データに変換する撮影部と、分解した色毎の単色の輝度値及び全色の輝度値について、その画像データに含まれる全画素にわたり平均した単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求め、かつ、この全色の輝度値の平均値に基づき正規化した色毎の正規化平均輝度値を算出するデータ収集及び演算部と、この算出した色毎の正規化平均輝度値を送信する通信部とを有している。データ集積・解析モジュールは、現場設置モジュールより送信された色毎の正規化平均輝度値を受信する通信部と、色毎の正規化平均輝度値の時系列を作成し、かつ、それぞれの値の1.0に対する大小及び増減傾向の正負を求めて、色毎の正規化平均輝度値の1.0に対する大小及び増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応するカラー画像の状態を判定するデータ収録及び演算部とを有している。
本発明によれば、画像を単純な数値で表現することができ、これによって、低速な通信手段でも、画像から得られるある程度有用なの情報を実時間で収集することができる。
さらに,複雑な画像情報を単純な数値指標で表現することにより,即時に数値演算的な解析に適用することができる。
近年、デジタルスチルカメラなどのデジタル映像機器が安価に入手できるようになり、多点で同時に画像情報を記録することが可能になったことにより、画像情報を記録、蓄積する観測所が増えるものと予想される。精密な物理量測定ではないため、リモートセンシング的な定量解析は困難であるが、本発明のような簡易な解析は可能であり、有用な情報が得られるものと期待される。
以下、本発明の画像の数値的解析を、植物季節の自動判定を行う場合を例として説明する。なお、本明細書中で用いた以下の用語は、以下のような意味で用いている。
植物季節:植生(樹木および草本)の状態の季節変化。たとえば樹木の葉が開く(展葉),紅葉,落葉など。
輝度値: 被写体から放射される光エネルギー量を指す「輝度」に対応して,映像機器が撮影後に記録媒体に整数値として記録した相対的な値。
単色の輝度値:カラーを分解した単色(RGBの場合は赤,緑,青それぞれ)の輝度値
全色の輝度値:カラーの輝度値
(全色の,単色の)平均輝度値:全色の輝度値あるいは単色の輝度値の単一の画像に含まれる全画素にわたる平均値
正規化平均輝度値:各色の単色の平均輝度値について,全色の平均輝度値に基づき正規化した値
図1は、植物季節自動判定のアルゴリズムを例示する図である。ステップST1で、毎日同時刻(正午前後)に撮影し、撮影したカラー画像を分解する複数色(以下、RGBの3色を例として説明する)の画素毎のデジタル画像データとして保存する。各色について,その画像データに含まれる全画素にわたる平均の輝度値r,g,b(色毎の単色の平均輝度値)と、画像データ全体に含まれる全画素にわたる全色の平均輝度値Iを求め(ST2)、r,g,bそれぞれをIで正規化した値rav,gav,bavを求める(ST3)。次に、このrav,gav,bavの時系列を作成し、それぞれの値の所定値1.0(色毎の単色の平均輝度値が全色の平均輝度値に等しい)に対する大小、増減傾向の正負を求める(ST4)。そして、rav,gav,bavの所定値1.0に対する大小および増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応する森林の状態を判定する(ST5)。以下、このアルゴリズムの各ステップについてさらに説明する。
(ステップST1:撮影記録)
まず、撮影記録を行う。図2は、カメラによる撮影を説明する図である。例示のカメラは、高さ約22mの鉄塔上にやや斜め下向きに設置した。より広い範囲を撮影するため、レンズには広角アタッチメントを装着している。画像に収められる範囲は地表で直径およそ40mの円内である。図3に示すように、ビデオカメラの撮像素子で捕らえられた画像は、エンコーダによりアナログのビデオ信号(NTSCコンポジット信号)に変換され、信号線を通じ、塔下に設置した記録装置に送信される。記録装置はパーソナルコンピュータとビデオキャプチャアダプタ(ビデオ信号用アナログ/デジタル変換器)からなり、カメラから受信したビデオ信号をデジタル画像データに変換し、記憶装置(パーソナルコンピュータ)に記録する仕組みになっている。デジタル化した画像データの解像度は横320画素、縦240画素である。なお、この景観カメラシステムは、記憶容量の軽量化を重視し、デジタル化した画像はJPEG形式に圧縮したデータファイルとして記録している。そのため、画像の曖昧化を伴う圧縮によりある程度の誤差(画質の劣化)を伴っている。精密な解析を行うには撮像素子が捕らえた画像を加工せずに記録することが望ましい。
一般に、デジタル映像機器から得られる情報は、2次元に分布する画素のそれぞれについて、色みや明るさ、鮮やかさを、光の三原色であるR(red、赤、一般には波長700nm)、G(green、緑、一般には波長546.1nm)、B(blue、青、一般には波長435.8nm)の単色光に分解し、それぞれの単色光の強さを相対的な値(輝度値、多くは各色について0から255の整数)の組として表現した3次元配列である。ここで用いた撮影画像は、RGB各256階調の整数値で記録されている。
(ステップST2:R、G、Bそれぞれの単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求める)
分布を持つものを単一の数値で扱うもっとも簡単な方法は平均値を求めることである。そこで、各日の画像について、R、G、Bの単色それぞれについて輝度値の画像全体にわたる平均値(単色の平均輝度値)の経時変化を求める。R、G、Bの単色の平均輝度値
で求める。rj、gj、bjは、ある画素jにおけるR、G、Bそれぞれの単色の輝度値、nは画像全体に含まれる画素の総数である。
また、カメラのレンズに入射する光量は、同時刻に撮影していても、生態系の変化の他に、撮影時の天気や太陽高度、地表面反射率の季節変化などの影響を受け、日々変化している。露光の自動調整機能を持つカメラは、撮影された画像の明るさが一定になるようレンズの絞りや露光時間を制御している。また、アナログビデオ信号をデジタルデータ化する際にも同様の調整を行っている。画素jの視覚的な明るさ(輝度値)iは
で計算できる。記録した画像の視覚的明るさを一定に保つよう露光調整をするカメラは、画素ごとの入射光量を、画像内の位置により係数を変えた(多くのカメラでは画像の中央に近いほど係数を大きくしている)加重平均値を画像全体の明るさの指標として調整して記録している。このため、画像の一部に偏って入射光量が多い画素が現れた場合、画像全体を面的に覆う比較的暗い部分の明るさが過小評価された輝度値として記録されてしまう場合がある。そこで、撮影された画像全体に含まれる全画素にわたる全色の輝度値の単純平均値(全色の平均輝度値)
により改めて求めた。
(ステップST3:全色の平均輝度値で正規化)
撮影した(高山サイト)画像では、年間を通じ、全色の平均輝度値が256階調表示で153〜204の範囲でおおむね一定であったが、日によって多少のばらつきがある。この全色の平均輝度値のばらつきを除去し、明るさを一定にした条件下での森林生態系の色の変化を扱うため、
により、全色の平均輝度値で正規化した値(正規化平均輝度値)rav、gav、bavとした。
(ステップST4:画像の平均的な色の経時変化を求める)
rav、gav、bavの値の時系列により、画像の平均的な色の経時変化を求め,それぞれの値の所定値、例えば1.0に対する大小,増減傾向の正負を求める。画像周辺の遮蔽物の影響を除くため、平均値を求める範囲を図4のように画像中央部の横220、縦200の44000画素を対象として計算を行った。
(ステップST5:経時変化を解析し、森林の状態を判別する)
解析結果を図5に示す。毎日14時に撮影、記録した画像を2001年1月から2002年12月までの2年間にわたって蓄積したものを解析した。各年を図中の上下2つの図に示している。各図中の折れ線は、rav、gav、bavの時系列である。rav、gav、bavを合成して作成した色は、各日の画像全体の平均の色、つまり図5の折れ線を日々について色で表したもの(以下、平均の色という)に相当する。大雑把に見て、冬季にはrav、gav、bavともにほぼ1.0、平均の色は灰色、4月(ユリウス日90日付近)以降に各色が1.0の線を離れ、平均の色はやや赤みを帯びる。6月初め(ユリウス日140日付近)から10月(ユリウス日270日付近)まではgavが最も大きく、平均の色も緑色を帯びている。その後、10月にravが約1ヶ月間卓越して大きく、11月(ユリウス日で300日付近)にはrav、gav、bavが再び1.0の線に収束しており、各年とも同じ季節変化がみられる。直感的には、これらの変化は、冬季の積雪の白色、雪解け後の地面と下草の茶ないし薄茶色、夏季の樹木の葉の緑色、紅葉および落葉の黄色ないし薄茶色と対応していると理解できる。ravは土や枯草、紅葉、落葉の茶系色、gavは下草や樹木の葉の緑色の主な色成分としてわかりやすく、それぞれの状況が発生する季節と正規化平均輝度値の増減が整合していると見ることができる、bav、つまり青色は森林の持つ色成分としては理解しにくい。しかし、bavの減少をその補色である黄色成分の増加として考えると、枯草や樹木の葉、紅葉と落葉に含まれる色として理解しやすい。なお、春から秋の間で、時折bavが0.9〜1.0まで急増することがあるが、これは霧の発生、もしくはカメラのレンズカバーに結露あるいは着霜が生じたことによって画像全体が白くなったためである。今後詳しい検討を行う必要があるが、これを霧の発生の検出に利用できる可能性もある。
以上のように、植物季節のイベントを、rav、gav、bavの値や画像平均の色の季節変化の特徴と関係付けることができた。これをまとめると表1のようになる。生態系の状態とrav、gav、bavの値の関係は、値のレベル、特に1.0に対する大小、およびその増減の傾向として現れ、生態系の季節の遷移とその境界は、rav、gav、bavの値の増減傾向が変化、あるいは極大および極小値が発生する点として現れている。
以上の解析から推定される2001年1月〜2003年10月の高山サイト周辺における植物季節イベントの発生日は表2のとおりである。
図6は、図1に例示の植物季節自動判定アルゴリズムを実行する植物季節映像テレメトリシステムを例示する図である。このシステムは、現場設置モジュールとデータ集積・解析モジュールにより構成される。現場設置モジュールは、撮影部と、データ収集、演算部と、通信部を有している。撮影部は、毎日同時刻(正午前後)に撮影し、デジタル(RGB)画像データとして保存する。データ収集、演算部は、R、G、Bそれぞれについてのその画像データ全体にわたる単色の平均輝度値r,g,bと画像全体にわたる全色の平均輝度値
I を求め、r,g,bそれぞれをIで正規化したrav,gav,bavを算出する。通信部は、この算出したrav,gav,bavを、送信する。
データ集積・解析モジュールでは、その通信部が、rav,gav,bavを受信する。データ収録、演算部(1)では、このrav,gav,bavを蓄積して、その時系列を作成する。これによって、森林の植物季節を目視により判定することも可能であるが、データ収録、演算部(2)では、それぞれの値の1.0に対する大小、増減傾向の正負を算出し、rav,gav,bavの1.0に対する大小および増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応する森林の植物季節を判定する。以下、このパターン自動判定についてさらに説明する。
まず、各日、rav,gav,bavからそれぞれ1を差し引き、画像平均の輝度からの相対的乖離値rr,rg,rbとする。
各日を含む前15日間のrr,rg,rbそれぞれの時間平均値を求める。改めてこれをrr,rg,rbとする。rr,rg,rbを移動平均値として扱うことにより、霧や降雪、撮影時の天気によって発生する1日単位の微細な変動(誤差)を除去し、季節的なトレンドを抽出する。
移動平均値rr,rg,rbそれぞれについて、15日前の移動平均値rr,rg,rbとの差を求める。これをdr,dg,dbとし、15日前におけるrr,rg,rbの増減傾向を表すものとする。
一定のしきい値を設定し、rr,rg,rb,dr,dg,dbの値が正か負か、あるいはゼロであるかを判定する。この例ではrr,rg,rbのしきい値を±0.03,dr,dg,dbのしきい値を±0.003とし、値がこの範囲内にある時はゼロ(0)、この範囲以上であれば正(+)、この範囲以下であれば負(-)とした。
以上6つの変数を3種類に分類した結果(+,-,0)をrr,rg,rb,dr,dg,dbの順に並べ、1つのパターンとする。たとえば、解析結果の図中にあるユリウス日90日に現れたパターンは(+0-+0-)である。なお、ある日に求められるrr,rg,rbは当日から7日前に関する値、dr,dg,dbは当日から15日前に関する値であるので、日付を合わせた上でパターンを作成する必要がある。
図7は、2002年の各日についての判定結果を示し、また、図8は、年間を通じて出現した28種類のパターンを示している。各パターンには最初に現れた日の順にパターン1からパターン28の番号を付してある。図でわかるように、同じパターンが繰り返し現れるのは盛夏の時のみであり、その他は植物季節(森林の状態)ごとに独特のパターンとして分類することができた。
各パターンと当該日の画像を目視して判別される森林の状態の対応は図に示す通りである。同じパターンが繰り返し現れたパターン12からパターン19はいずれも樹木に夏の葉がついている状態であり、ひとまとまりのものとして扱って差しつかえない。
以上の手法を用いると、数学的には3の6乗=729組のパターンがあり得るため、2002年に現れた28種類以外の状態についても、現れたパターンが他の季節のものと重複しなければ、画像の目視判別と照合した上で新たな分類として加えることができる。
図9は、高山観測所に設置した定点景観カメラシステムによる観測を説明する図である。本明細書で用いた画像は、岐阜県丹生川村内の森林に産業技術総合研究所が設置した二酸化炭素フラックス測定所(高山サイト)において撮影されたものである。測定所周辺の森林は主にダケカンバ、ミズナラ、シナノキ、シラカンバ、コハウチワカエデなどからなる冷温帯落葉広葉樹林で、季節を代表する画像は冬季の積雪、雪解け後のササを主とする下草と樹木の幹および枝、初夏の展葉、盛夏の樹冠の濃い緑、秋の紅葉および落葉と、明瞭な変化がある。
図5に示した季節変化を、画像の欠損が少ない2002年を例として具体的に述べる。冬季にrav、gav、bavがともに1.0付近であることは、画像のほとんどが白〜灰色〜黒の無彩色で占められていることを意味しており、これは地表の積雪によるものである。解析対象範囲の樹木のほとんどは落葉広葉樹であるため、冬季には樹木の葉がなく、樹木の枝の下に見える地表面はすべて積雪で覆われている。
3月28日にrav、gav、bavがそれぞれ1.0付近から変化し始めた。これは画像に彩度を持つ色が現れ始めたことを意味している。雪解けに伴って、地表の土、下草が露出し始めたため、雪解けが進行するにつれ、ravが増加し、bavが減少している。ravが極大に達したところで地表の積雪が完全に消えている。この間、gavの値は1.02付近で冬季からほとんど変化がない。2002年の場合、雪解けは4月18日に完了し、この後約1ヶ月間rav、gav、bavはほぼ一定であった。
5月11日頃には樹木の枝で展葉が始まり、画像上では地表の下草を遮蔽するようになる。これに伴い、樹冠の緑色が写った面積の増加によってgavが増加し、相対的に下草のravが減少する。gavの増加は、画像内のすべての樹木で展葉が完了する6月1日頃まで続く。この間、gavが増加するとともにbavの値が4月に比べさらに減少し、展葉が完了した際に極小値をとる。展葉直後の樹木の葉の色は下草の色より輝度の高い黄色成分を持っているため、前述したようにbavの減少を補色である黄色成分の増加として理解できる。
展葉が完了してから7、8、9月の間は画像全体が樹冠に覆われ、gavが卓越している。しかし、詳細に見ると、時間の経過とともに漸減傾向にあることがわかる。また、ravとbavが増加していることもわかる。これは平均の色が無彩色に近づいていることを意味している。画像全体の全色の平均輝度値によって正規化しているため、図には表れていないが、季節の進行に伴って樹木の葉が劣化し、色が黒ずんだためであると考えられる。
9月下旬になると、gavの減少が加速し、同時にravが増加、bavが再び減少し始める。これは紅葉に伴って、樹冠の色が緑色から黄色ないし赤色〜薄茶色に変化したためである。平均の色も、紅葉の特徴である赤みと黄みを帯びた色を示している。この紅葉の開始は、他のイベント、雪解けや展葉のようにrav、gav、bavの線グラフに明瞭な屈曲がなく、日の特定が困難である。雪解けや展葉は、雪の白色や樹木の葉の緑色を示す画素が画像中に占める面積の増減によって現れるのに対して、紅葉は被写体そのものの色が徐々に変化することによるものであるためと考えられる。
gavがほぼ1.0に減少し、ravが卓越して極大、bavが極小の値をとった10月16日頃に画像では緑色の葉が見られなくなり、紅葉が最盛期に達したものと思われる。これを境に落葉が始まって、ravが減少し、bavが増加する。図4を細かく見ると、紅葉の最盛期に伴うrav、gav、bavの変化は一斉に起きるのではなく、それぞれ時間差をおいていることが分かる。画像に含まれている樹木は5種類程度あるため、樹種によって紅葉期と色が異なり、さらに樹種によって樹冠の高さも異なるため、それらがrav、gav、bavそれぞれの変化に数日の差を生じているものと思われる。紅葉期の日々の画像を観察すると、最初にシナノキの紅葉が始まり、10月16日に落葉を完了している。同日、画像内の多く範囲を占めるダケカンバ、ミズナラの黄みを帯びた紅葉が最盛期となると同時に落葉が始まり、bavが極小に達している。これと入れ替わるように、樹冠が他の樹木より低いコハウチワカエデが紅葉し、3日後にravが極大に達し、落葉とともに減少している。
2002年には、落葉が完了する前の10月29日に降雪があり、11月3日には積雪期に入ってしまったため、4月に見られたような地表の土や下草、落葉が露出した期間がなかったが、2001年は10月28日に落葉が完了し、地表面の一部に積雪が現れた12月7日まで、樹木に葉がなく、画像全体が地表面の土、下草、落葉で占められている期間があった。この間、2002年4月と同様に、gavがほぼ1.0付近、ravが1.05付近と若干ながら他の2色より大きく、bavが極小と1.0の中間である0.85付近でそれぞれ一定の値をとっていた。その後、地表が積雪によって覆われるとrav、gav、bavが1.0付近に収束している。
本発明による画像の数値的解析方法の利用による森林の二酸化炭素収支テレメトリシステムについて、高山観測所に設置した定点景観カメラシステムを例示する図9を参照して説明する。このテレメトリシステムは、森林による二酸化炭素の吸収・放出の常時無人監視を行うことができる。二酸化炭素排出削減、排出権取引に絡み、森林は産業由来の二酸化炭素排出を少なからず低減する吸収・固定を行っていると考えられている。京都議定書の運用ルールでは、排出削減目標に森林等による吸収を計上することが認められた。この吸収量を算定するため、科学的裏付けのある測定方法の検討が行われつつある。また、実態把握のための研究レベルでは広域をカバーする多点において森林による二酸化炭素固定量の監視を行うことが必要とされ、監視網を構築するプロジェクトが発足するなど整備が急がれている。現在進行中の研究レベルのプロジェクトのみならず、将来、森林保全による排出低減を含む二酸化炭素排出権取引が実行段階に入った場合には、排出権に関わる事業者においても二酸化炭素固定量を低コストで監視する手段が必要になる。
本装置における主な監視項目は、気温、湿度、土壌水分量、光量子量、葉面積指数、フェノロジー(樹木の展葉・落葉、地表面の積雪などの景観)の画像情報などである。これらの情報を用いて二酸化炭素の吸収・放出量の簡易推定を行う。二酸化炭素濃度(フラックス)の精密な測定が行われている観測地点では、その情報収集、処理にも対応する。また、この装置の使用が想定される場所の多くは商用電源の確保や常駐保守要員の配置が困難な遠隔地である。このため、太陽光や風力などの自然エネルギーにより発電し、システムを動作させる。同様に、利用者が習熟していなくとも簡便に扱え、運用コストの低減も可能とする、観測データの自動オンサイト処理や、携帯電話、衛星通信を利用してデータ集積拠点にデータを自動回収するなどのテレメトリ技術を導入する。以上のシステムを、耐久性、価格、操作の簡易性を考慮してパッケージ(製品)化する。最終的には監視パッケージ利用者から回収したデータを自動的にデータベース化し、インターネットを通じて配信するネットワーク化する。
制御通信モジュールは、観測サイト側パッケージに取り付けるすべてのセンサ類の制御およびデータ取得、データ集積拠点との通信、さらにデータのオンサイト処理(各センサからの情報を論理的に処理統合し、観測地点周囲の森林による二酸化炭素の吸収・排出量をその場で算出する)機能を担う核となる装置である。通常のパーソナルコンピュータを用いても、これらの機能は実現できる。しかし、それには大きな電力を要するため、自然エネルギーで駆動するのは困難である。また、筐体が大きくなり、設置の自由度を下げることになる。そこで、最近注目を集めている「組み込み型コンピュータ」の技術を応用した。本装置では、センサ類の装着が容易であり、かつ消費電力や必要とする容積が小さく、ハウジングを小型化しやすいことなどを考慮し、1枚の基板上に構築されたものを採用した。
植物季節自動判定のアルゴリズムを例示する図である。 カメラによる撮影を説明する図である。 撮影記録を行うシステムを例示する図である。 画像の平均的な色の経時変化を求める範囲を説明する図である。 毎日定時に撮影、記録した画像を2001年1月から2002年12月までの2年間にわたって蓄積したものを解析した結果を示す図である。 図1に例示の植物季節自動判定アルゴリズムを実行する植物季節映像テレメトリシステムを例示する図である。 2002年の各日についての判定結果を示す図である。 年間を通じて出現した29種類のパターンを示す図である。 高山観測所に設置した定点景観カメラシステムによる観測を説明する図である。

Claims (3)

  1. 撮影した複数画素からなるカラー画像を、画素毎にこのカラーを複数色に分解したデジタル画像データとして画素毎に保存し、
    分解した色毎の単色の輝度値及び全色の輝度値について、その画像データに含まれる全画素にわたり平均した単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求め、かつ、この全色の平均輝度値に基づき正規化した色毎の正規化平均輝度値を求め、
    色毎に正規化平均輝度値の時系列を作成し、それぞれの値の所定値に対する大小及び増減傾向の正負を求め、
    色毎の正規化平均輝度値の前記所定値に対する大小及び増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応するカラー画像の状態を判定することから成る画像の数値的解析方法。
  2. 現場設置モジュールと、データ集積・解析モジュールとから成る画像の数値的解析システムにおいて、
    前記現場設置モジュールは、複数画素からなるカラー画像を撮影して、画素毎にこのカラーを複数色に分解したデジタル画像データに変換する撮影部と、
    分解した色毎の単色の輝度値及び全色の輝度値について、その画像データに含まれる全画素にわたり平均した単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求め、かつ、この全色の輝度値の平均値に基づき正規化した色毎の正規化平均輝度値を算出するデータ収集及び演算部と、
    この算出した色毎の正規化平均輝度値を送信する通信部とを有し、
    前記データ集積・解析モジュールは、前記現場設置モジュールより送信された色毎の正規化平均輝度値を受信する通信部と、
    色毎の正規化平均輝度値の時系列を作成し、かつ、それぞれの値の所定値に対する大小及び増減傾向の正負を求めて、色毎の正規化平均輝度値の前記所定値に対する大小及び増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応するカラー画像の状態を判定するデータ収録及び演算部と、を有する、
    ことから成る画像の数値的解析システム。
  3. 撮影した複数画素からなるカラー画像を、画素毎にこのカラーを複数色に分解したデジタル画像データとして画素毎に保存し、
    その画像データ毎に含まれる全画素にわたり平均した単色の平均輝度値及び全色の平均輝度値を求め、かつ、この全色の平均輝度値に基づき正規化した色毎の正規化平均輝度値を求め、
    色毎の正規化平均輝度値の時系列を作成し、それぞれの値の所定値に対する大小及び増減傾向の正負を求め、
    色毎の正規化平均輝度値の前記所定値に対する大小及び増減傾向の正負の組み合わせのパターンから、対応するカラー画像の状態を判定する各手順を実行する画像の数値的解析プログラム。
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