JP2005241585A - 多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置および多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量測定方法 - Google Patents

多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置および多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外輪および内輪のうちいずれか一方の軌道輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することのできる多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置を提供する
【解決手段】装置本体21と、この装置本体21に定圧流体を供給する定圧流体供給手段22と、装置本体21に供給された定圧流体の流量変動から多点接触玉軸受9Aの軸方向ギャップ量を測定するエアーマイクロメータ23とを備え、装置本体21が、多点接触玉軸受9Aの外周面と嵌合する凹部26を上面に有する第1のギャップ量測定部材24と、この第1のギャップ量測定部材24の上面と対向する下面に多点接触玉軸受9Aの外周面と嵌合する凹部27を有する第2のギャップ量測定部材25とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、精密位置決め用ボールねじや一般産業機械等で使用される多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置および方法に関し、特に、外輪および内輪のうちいずれか一方の軌道輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置および方法に関する。
従来、精密位置決め用ボールねじのボールねじ軸端部や一般産業機械の回転軸端部は、図15に示すように、二つのアンギュラ玉軸受を軸方向に組合せて構成される二列組合せ軸受1によって支持されていること多い。なお、図中2は軸受ハウジング、3はボールねじ軸、4は外輪押え、5は軸受ナット、6はオイルシールを示している。
このような二列組合せ軸受は、図16に示すように、アンギュラ玉軸受7aの外輪端面とアンギュラ玉軸受7bの外輪端面との間に形成されたギャップgの軸方向ギャップ量を外輪押え等で端面が密着するように調整することにより予圧荷重の大きさを変更することができるが、単列のものと比較して約2倍のスペースを必要とする。
そこで、スペースを小さくして小型化したものとして、下記特許文献1には、図17に示す外輪分割型多点接触玉軸受9Aや図18に示す内輪分割型多点接触玉軸受9Bが開示されている。図17及び図18において、符号10は外輪、11は内輪を示しており、外輪10の内周面には転動体軌道溝12が形成されている。この転動体軌道溝12は内輪11の外周面に形成された転動体軌道溝13と対向しており、転動体軌道溝12と転動体軌道溝13との間には、転動体としての玉14が多数設けられている。これらの玉14は外輪10または内輪11の回転運動に伴って転動体軌道溝12,13の溝面を転動するようになっており、転動体軌道溝12,13のうち少なくとも一方の転動体軌道溝は、玉14と2点で接触するように、ゴシックアーチ状に形成されている。
このような多点接触玉軸受は、前述した二列組合せ軸受のように、二つのアンギュラ玉軸受を軸方向に組合せる必要がないので、軸受の省スペース化および軽量化等を図ることができる。また、外輪10および内輪11のうちいずれか一方の軌道輪が転動体軌道溝12,13の中央部で二つに分割されているため、分割された軌道輪間に軸方向ギャップ15a,15b(図17及び図18参照)を形成することができ、この軸方向ギャップ15a,15bのギャップ量(以下、軸方向ギャップ量という)Δaを外輪押え4または軸受ナット5で外輪端面又は内輪端面が密着するように調整することにより、予圧荷重を任意の大きさに設定することができる。
ところで、このような多点接触玉軸受をボールねじ軸支持用軸受や回転軸支持用軸受として用いる場合は、動トルクの変動が少ない安定した回転性能を得る必要があり、安定した回転性能を得るためには、軸方向ギャップ15a,15bの軸方向ギャップ量Δaを測定し、その測定値が数μm〜十数μmの範囲内に収まるようにする必要がある。そこで、従来においては、図19に示すように、測定台16の上面に多点接触玉軸受9Bを置いた後、多点接触玉軸受9Bの内周面に嵌め込まれた測定用治具17の上面に測定用錘18を載置し、このときの測定用治具17の変位量をマイクロメータ19で計測して、軸方向ギャップ15bの軸方向ギャップ量が許容範囲内にあるか否かを検査している。
また、マイクロメータを使用しないで多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する方法として、特許文献2に記載された方法がある。
特開2003−172341号公報 特許第2872526号公報
しかしながら、上述した方法は軸方向ギャップ量を測定する前に多点接触玉軸受9Bを分解し、図19に示すように、内輪11のみを測定台16の上面に載置した状態でマイクロメータ19の指針を零にセットしなければならないため、軸方向ギャップ量の測定に多くの時間と手間を要していた。また、測定時に金属等の硬い異物が軸受内部に侵入し、玉や軌道溝の表面が異物によって損傷する可能性があった。さらに、測定台16と軸受9Bとの間に油が介在していると軸受9Bが測定台16から浮き上がり、マイクロメータ19の測定値に許容範囲を越える測定誤差が生じる可能性があった。
また、軸受の軸方向ギャップ量を測定する他の方法として、特許文献2に開示された方法があるが、この方法で軸方向ギャップ量を測定できる軸受は内輪分割型複列玉軸受に限られてしまい、図17に示す外輪分割型多点接触玉軸受9Aや図18に示す内輪分割型多点接触玉軸受9Bのような単列の多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定することは不可能であった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、外輪および内輪のうちいずれか一方の軌道輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することのできる多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置および測定方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、外輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置であって、装置本体と、この装置本体に定圧流体を供給する定圧流体供給手段と、前記装置本体に供給された定圧流体の流量変動から前記軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段とを備え、前記装置本体が、前記多点接触玉軸受の外周面と嵌合する凹部を上面に有する第1のギャップ量測定部材と、この第1のギャップ量測定部材の上面と対向する下面に前記多点接触玉軸受の外周面と嵌合する凹部を有する第2のギャップ量測定部材とからなることを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項1記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材が、前記多点接触玉軸受の外輪端面をシールするシールリングを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項1又は2記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材のうち一方のギャップ量測定部材の内周面が、前記多点接触玉軸受の分割された二つの外輪の外周面に嵌合して、分割された二つの外輪外周面が同一面上にあるように前記多点接触玉軸受を位置決めすることを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項3記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材が、前記凹部内に供給された定圧流体を外部に排出する複数の定圧流体排出溝を前記凹部の内壁面に有することを特徴とする。
請求項5記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項3記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第2のギャップ量測定部材または前記第1のギャップ量測定部材が、前記凹部内に供給された定圧流体を排出する複数の定圧流体排出孔を前記凹部の内壁面に有することを特徴とする。
請求項6記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、内輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置であって、装置本体と、この装置本体に定圧流体を供給する定圧流体供給手段と、前記装置本体に供給された定圧流体の流量変動から前記軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段とを備え、前記装置本体が、前記多点接触玉軸受の内周面に嵌合する凸部を上面に有する第1のギャップ量測定部材と、この第1のギャップ量測定部材の上面と対向する下面に前記多点接触玉軸受の内周面に嵌合する凸部を有する第2のギャップ量測定部材とからなることを特徴とする。
請求項7記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項6記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材が、前記多点接触玉軸受の内輪端面をシールするシールリングを有することを特徴とする。
請求項8記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項6又は7記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材のうち一方のギャップ量測定部材の外周面が、前記多点接触玉軸受の分割された二つの内輪内周面に嵌合して、分割された二つの内輪の内周面が同一面上にあるように前記多点接触玉軸受を位置決めすることを特徴とする。
請求項9記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項8記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材が、前記凸部の外周面に複数の定圧流体導入溝を前記凸部の外周面に有することを特徴とする。
請求項10記載の発明に係る多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置は、請求項8記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置において、前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材が、前記凸部の外周面に環状の定圧流体導入溝を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明に係る多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量測定方法は、内周面に転動体軌道溝を有する外輪と、この外輪の転動体軌道溝を対向する転動体軌道溝を外周面に有する内輪と、前記外輪の転動体軌道溝と前記内輪の転動体軌道溝との間に設けられた多数の玉とを備えてなり、かつ前記外輪および前記内輪のうちいずれか一方の軌道輪を前記転動体軌道溝の中央部で二つに分割した多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する方法であって、前記転動体軌道溝の中央部で二つに分割された軌道輪間に定圧流体を供給し、前記軌道輪間を流れる定圧流体の流量または圧力を検出して前記多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定することを特徴とする。
本発明によれば、軸方向ギャップ量が零の状態でマイクロメータの指針を零にセットする必要がないので、多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に示す。図1において、符号20は外輪分割型多点接触玉軸受9Aの軸方向ギャップ量を測定する軸方向ギャップ量測定装置を示し、この軸方向ギャップ量測定装置20は、測定装置本体21と、この測定装置本体21に空気等の定圧流体を供給する定圧流体供給手段22と、この定圧流体供給手段22から測定装置本体21に供給された定圧流体の流量変化から多点接触玉軸受9Aの軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段としてのエアーマイクロメータ23とを備えて構成されている。
測定装置本体21は第1のギャップ量測定部材24と、この第1のギャップ量測定部材24の上方に配置された第2のギャップ量測定部材25とからなり、第1のギャップ量測定部材24の上面と第2のギャップ量測定部材25の下面には、多点接触玉軸受9Aの外周面と嵌合する凹部26,27が相対向して形成されている。これらの凹部26,27は多点接触玉軸受9Aの長さ(軸受幅)をL(図1参照)とすると例えば1/4L〜2/5L程度の深さでギャップ量測定部材24,25に形成されており、第2のギャップ量測定部材25には、凹部26,27の内部に定圧流体を供給する定圧流体供給孔28が設けられている。
ギャップ量測定部材24,25は、凹部26,27の内壁部に環状段部29,30(図2及び図3参照)を有している。これらの環状段部29,30にはシールリング収容溝31がそれぞれ形成されており、各シールリング収容溝31には、多点接触玉軸受9Aの外輪端面をシールするシールリング32が収容されている。
なお、定圧流体供給手段22は定圧流体供給源34、レギュレータ35および絞り弁36等から構成され、定圧流体供給源34からの定圧流体はレギュレータ35で圧力を調整され、さらに絞り弁36で流量を調整された後、エアーマイクロメータ23および定圧流体供給管路37を経て装置本体21に供給されるようになっている。
このように構成される軸方向ギャップ量測定装置20を用いて多点接触玉軸受9Aの軸方向ギャップ量Δaを測定する場合は、図4に示すように、第1のギャップ量測定部材24の上面に形成された凹部26に多点接触玉軸受9Aの外周面を嵌合させた後、第2のギャップ量測定部材25の下面に形成された凹部27を多点接触玉軸受9Aの外周面に嵌め込む。次に、定圧流体による多点接触玉軸受9Aの浮き上がりを防ぐために、第2のギャップ量測定部材25の上面に測定用錘38を載置した後、第2のギャップ量測定部材25に設けられた定圧流体供給孔28から空気等の定圧流体を凹部26,27内に供給する。このとき、定圧流体供給孔28から凹部26,27内に供給された定圧流体は多点接触玉軸受9Aの外輪に形成された軸方向ギャップ15aから流出し、軸方向ギャップ15aのギャップ量に応じてエアーマイクロメータ23のフロート指示値が変化する。
したがって、上述した第1の実施形態では、エアーマイクロメータ23のフロート指示値から多点接触玉軸受9Aの軸方向ギャップ量Δaを精度よく測定することができ、前述した従来技術のように、軸方向ギャップ量が零の状態でマイクロメータの指針を零にセットする必要がないので、外側輪分割型多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することができる。
なお、上述した第1の実施形態では凹部26,27内に定圧流体を供給する定圧流体供給孔28を第2のギャップ量測定部材25に設けたが、第1のギャップ量測定部材24に定圧流体供給孔28を設けてもよい。また、第1の実施形態ではギャップ量測定部材24,25に形成される凹部26,27の深さを多点接触玉軸受9Aの長さ(軸受幅)Lの25%〜40%程度として、第1のギャップ量測定部材24と第2のギャップ量測定部材25の内周面が分割された2個の外輪9A1,9A2の外周面と個々に嵌合する構造としたが、図5に示す第2の実施形態のように、第1のギャップ量測定部材24に形成される凹部26の深さを例えば3/5L程度とし、第2のギャップ量測定部材25に形成される凹部27の深さを例えば1/5L程度として、第1のギャップ量測定部材24の内周面が分割された2個の外輪9A1,9A2の両方の外周面と嵌合すると共に第2のギャップ量測定部材25の内周面が一方の外輪9A2の外周面と嵌合する構造としてもよいし、あるいは図6に示す第3の実施形態のように、第1のギャップ量測定部材24に形成される凹部26の深さを例えば2/5L程度とし、第2のギャップ量測定部材25に形成される凹部27の深さを例えば3/5L程度として、第2のギャップ量測定部材25の内周面が分割された2個の外輪9A1,9A2の両方の外周面と嵌合すると共に第1のギャップ量測定部材24の内周面が第2のギャップ量測定部材25の外周面と嵌合する構造としてもよい。なお、第1のギャップ量測定部材24の内周面が一方の外輪9A1の外周面と嵌合する構造でもよい。
このような構成とすることにより、分割された2個の外輪9A1,9A2が第1のギャップ量測定部材24または第2のギャップ量測定部材25の内周面で位置決めされるため、2個のギャップ量測定部材24,25の位置ずれに関係なく、外輪9A1,9A2の外周面が同一面上に位置するように設置することにより、軸方向ギャップ量の測定精度が向上する。
この場合、軸方向ギャップ15aからの定圧流体の排出経路を確保するために、凹部26の内壁面に複数の定圧流体排出溝39(図5参照)を設けたり、凹部27の内壁面に複数の定圧流体排出孔40(図6参照)を設けたりすることが望ましい。
また、多点接触玉軸受9Aのエアーの流れを円滑にするために、多点接触玉軸受9Aの内周面とすきま嵌合する軸部41(図6参照)を凹部26または凹部27の底面中央部に設けてもよい。このような構成とすることにより、エアーの流れが定圧流体供給孔28から凹部27を通って軸方向ギャップ15aから流出するまでの空間容積が小さくなり、軸方向ギャップの変化に対するエアーの流量変化が敏感になるので、測定精度が向上する。
次に、本発明の第4の実施形態を図7乃至図9に示す。図7において、符号45は内輪分割型多点接触玉軸受9Bの軸方向ギャップ量を測定する軸方向ギャップ量測定装置を示し、この軸方向ギャップ量測定装置45は、測定装置本体46と、この測定装置本体46に空気等の定圧流体を供給する定圧流体供給手段22と、この定圧流体供給手段22から測定装置本体46に供給された定圧流体の流量変化から多点接触玉軸受9Bの軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段としてのエアーマイクロメータ23とを備えて構成されている。
測定装置本体46は第1のギャップ量測定部材47と、この第1のギャップ量測定部材47の上方に配置された第2のギャップ量測定部材48とから構成されており、第1のギャップ量測定部材47の上面と第2のギャップ量測定部材48の下面には、多点接触玉軸受9Bの内周面と嵌合する円柱状の凸部49,50が設けられている。これらの凸部49,50は多点接触玉軸受9Bの長さ(軸受幅)をLとすると例えば1/4L程度の高さでギャップ量測定部材47,48に形成されており、第2のギャップ量測定部材48には、凸部49と凸部50との間隙部51に空気等の定圧流体を供給する定圧流体供給孔52が設けられている。
ギャップ量測定部材47,48は、凸部49,50の外周にシールリング収容溝53,54(図8及び図9参照)を有している。これらのシールリング収容溝53,54にはシールリング55が収容されており、多点接触玉軸受9Bの内輪端面はシールリング55によってシールされるようになっている。
なお、定圧流体供給手段22は定圧流体供給源34、レギュレータ35および絞り弁36等から構成され、定圧流体供給源34からの定圧流体はレギュレータ35で圧力を調整され、さらに絞り弁36で流量を調整された後、エアーマイクロメータ23および定圧流体供給管路37を経て装置本体46に供給されるようになっている。
このように構成される軸方向ギャップ量測定装置45を用いて多点接触玉軸受9Bの軸方向ギャップ量Δaを測定する場合は、図10に示すように、第1のギャップ量測定部材47の上面に形成された凸部49に多点接触玉軸受9Bの内周面を嵌合させた後、第2のギャップ量測定部材48の下面に形成された凸部50を多点接触玉軸受9Bの内周面に嵌め込む。次に、定圧流体による多点接触玉軸受9Bの浮き上がりを防ぐために、第2のギャップ量測定部材48の上面に測定用錘38を載置した後、第2のギャップ量測定部材48に設けられた定圧流体供給孔52から空気等の定圧流体を凸部49と凸部50との間隙部51に供給する。このとき、定圧流体供給孔52から間隙部51に供給された定圧流体は多点接触玉軸受9Bの内輪に形成された軸方向ギャップ15bに流入し、軸方向ギャップ15bのギャップ量に応じてエアーマイクロメータ23のフロート指示値が変化する。
したがって、上述した第4の実施形態では、エアーマイクロメータ23のフロート指示値から多点接触玉軸受9Bの軸方向ギャップ量Δaを精度よく測定することができ、前述した従来技術のように、軸方向ギャップ量が零の状態でマイクロメータの指針を零にセットする必要がないので、内輪分割型多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することができる。
なお、上述した第4の実施形態では凸部49と凸部50との間隙部51に定圧流体を供給する定圧流体供給孔52を第2のギャップ量測定部材48に設けたが、第1のギャップ量測定部材47に定圧流体供給孔52を設けてもよい。また、第4の実施形態では凸部49,50の高さを多点接触玉軸受9Bの長さ(軸受幅)Lの25%程度としたが、図11に示す第5の実施形態のように、第1のギャップ量測定部材47の上面に設けられる凸部49の高さを例えば1/5L程度とし、第2のギャップ量測定部材48の下面に設けられる凸部50の高さを例えば3/5L程度として、第2のギャップ量測定部材48の外周面が分割された2個の内輪9B1,9B2の両方の内周面と嵌合すると共に第1のギャップ量測定部材47の外周面が一方の内輪9B1の内周面と嵌合する構造としてもよいし、あるいは図12に示す第6の実施形態のように、第1のギャップ量測定部材47の上面に設けられる凸部49の高さを例えば3/5L程度とし、第2のギャップ量測定部材48の下面に設けられる凸部50の高さを例えば1/5L程度として、第1のギャップ量測定部材47の外周面が分割された2個の内輪9B1,9B2の両方の内周面と嵌合すると共に第2のギャップ量測定部材48の外周面が一方の内輪9B2の内周面と嵌合する構造としてもよい。
このような構成とすることにより、分割された2個の内輪9B1,9B2が第1のギャップ量測定部材47または第2のギャップ量測定部材48の外周面で位置決めされるため、2個のギャップ量測定部材47,48の位置ずれに関係なく、内輪9B1,9B2の内周面が同一面上に位置するように設置することにより、軸方向ギャップ量の測定精度が向上する。
この場合、軸方向ギャップ15bへの定圧流体の流入経路を確保するために、凸部49または凸部50の外周面に複数の定圧流体導入溝56(図12参照)を設けたり、環状の定圧流体導入溝57(図11参照)に設けたりすることが望ましい。
上述した方法で外輪分割型単列4点接触玉軸受(内径:12mm、外径:28mm、幅:8mm)の軸方向ギャップ量を測定したときのエアーマイクロメータのフロート指示値を表1に示す。
Figure 2005241585
表1において、Aは軸方向ギャップの下限値が−3μmの試験軸受、Eは軸方向ギャップの上限値が−17μmの試験軸受、B〜Dは軸方向ギャップが−6〜−11μmの試験軸受を示している。また、「すきま精密測定値」は試験軸受A〜Eの軸方向ギャップ量を別の方法で測定したときの測定値を示している。さらに、試験軸受B〜Dのエアーマイクロメータ指示値は、試験軸受A及びEを使用してエアーマイクロメータのフロート指示値を図13にように絞りで調整したときの指示値を示している。
試験軸受B〜Dの軸方向ギャップをエアーマイクロメータで3回ずつ測定したときのエアーマイクロメータ指示値と軸方向ギャップ量との関係を図14に示す。同図から明らかなように、試験軸受B〜Dの軸方向ギャップ量とエアーマイクロメータのフロート指示値はほぼ比例関係を保っており、ばらつきの最大値も1μm程度であることがわかる。したがって、上述した方法で多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定することで、多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を多くの時間や手間等を要することなく精度よく測定することができる。
本発明の第1の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 図1に示す第1のギャップ量測定部材の断面図である。 図1に示す第2のギャップ量測定部材の断面図である。 図1の軸方向ギャップ量測定装置を用いて外輪分割型多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定するときの測定方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 図7に示す第1のギャップ量測定部材の断面図である。 図7に示す第2のギャップ量測定部材の断面図である。 図7の軸方向ギャップ量測定装置を用いて内輪分割型多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定するときの測定方法を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 本発明の第6の実施形態に係る軸方向ギャップ量測定装置の概略構成図である。 エアーマイクロメータの正面図である。 エアーマイクロメータ指示値と軸方向ギャップ量との関係を示す図である。 従来のボールねじ支持用軸受の断面図である。 二つのアンギュラ玉軸受からなる二列組合せ軸受の軸方向ギャップを示す図である。 外輪分割型多点接触玉軸受の構造を示す図である。 内輪分割型多点接触玉軸受の構造を示す図である。 内輪分割型多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定するときの従来方法を示す図である。
符号の説明
1 二列組合せ玉軸受
2 軸受ハウジング
3 ボールねじ軸
4 外輪押え
5 軸受ナット
6 オイルシール
7a,7b アンギュラ玉軸受
9A 外輪分割型多点接触玉軸受
9B 内輪分割型多点接触玉軸受
10 外輪
11 内輪
12,13 転動体軌道溝
14 玉
15a,15b 軸方向ギャップ
16 測定台
17 測定用治具
18 測定用錘
19 マイクロメータ
21,46 装置本体
22 定圧流体供給手段
23 エアーマイクロメータ
24,47 第1のギャップ量測定部材
25,48 第2のギャップ量測定部材
26,27 凹部
28 定圧流体供給孔
29,30 環状段部
31,53,54 シールリング収容溝
32,55 シールリング
34 定圧流体供給源
35 レギュレータ
36 絞り弁
37 定圧流体供給管路
38 測定用錘
39 定圧流体排出溝
40 定圧流体排出孔
41 軸部
49,50 凸部
51 間隙部
52 定圧流体供給孔
56,57 定圧流体導入溝

Claims (11)

  1. 外輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置であって、装置本体と、この装置本体に定圧流体を供給する定圧流体供給手段と、前記装置本体に供給された定圧流体の流量変動から前記軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段とを備え、前記装置本体が、前記多点接触玉軸受の外周面と嵌合する凹部を上面に有する第1のギャップ量測定部材と、この第1のギャップ量測定部材の上面と対向する下面に前記多点接触玉軸受の外周面と嵌合する凹部を有する第2のギャップ量測定部材とからなることを特徴とする多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  2. 前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材は、前記多点接触玉軸受の外輪端面をシールするシールリングを有することを特徴とする請求項1記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  3. 前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材のうち一方のギャップ量測定部材の内周面は、前記多点接触玉軸受の分割された二つの外輪の外周面と嵌合することを特徴とする請求項1又は2記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  4. 前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材は、前記凹部の内壁面に複数の定圧流体排出溝を有することを特徴とする請求項3記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  5. 前記第2のギャップ量測定部材または前記第1のギャップ量測定部材は、前記凹部の内壁面に複数の定圧流体排出孔を有することを特徴とする請求項3記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  6. 内輪が転動体軌道溝の中央部で二つに分割された多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する装置であって、装置本体と、この装置本体に定圧流体を供給する定圧流体供給手段と、前記装置本体に供給された定圧流体の流量変動から前記軸方向ギャップ量を測定するギャップ量測定手段とを備え、前記装置本体が、前記多点接触玉軸受の内周面に嵌合する凸部を上面に有する第1のギャップ量測定部材と、この第1のギャップ量測定部材の上面と対向する下面に前記多点接触玉軸受の内周面に嵌合する凸部を有する第2のギャップ量測定部材とからなることを特徴とする多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  7. 前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材は、前記多点接触玉軸受の内輪端面をシールするシールリングを有することを特徴とする請求項6記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  8. 前記第1のギャップ量測定部材および前記第2のギャップ量測定部材のうち一方のギャップ量測定部材の外周面は、前記多点接触玉軸受の分割された二つの内輪の内周面と嵌合することを特徴とする請求項6又は7記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  9. 前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材は、前記凸部の外周面に複数の定圧流体導入溝を有することを特徴とする請求項8記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  10. 前記第1のギャップ量測定部材または前記第2のギャップ量測定部材は、前記凸部の外周面に円環状の定圧流体導入溝を有することを特徴とする請求項8記載の多点接触玉軸受用軸方向ギャップ量測定装置。
  11. 内周面に転動体軌道溝を有する外輪と、この外輪の転動体軌道溝を対向する転動体軌道溝を外周面に有する内輪と、前記外輪の転動体軌道溝と前記内輪の転動体軌道溝との間に設けられた多数の玉とを備えてなり、かつ前記外輪および前記内輪のうちいずれか一方の軌道輪を前記転動体軌道溝の中央部で二つに分割した多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定する方法であって、前記転動体軌道溝の中央部で二つに分割された軌道輪間に定圧流体を供給し、前記軌道輪間を流れる定圧流体の流量または圧力を検出して前記多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量を測定することを特徴とする多点接触玉軸受の軸方向ギャップ量測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016008832A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 株式会社ジェイテクト 転がり軸受のアキシャルすきま測定装置及び測定方法
CN108709483A (zh) * 2018-07-19 2018-10-26 慈兴集团有限公司 一种滚珠丝杆轴向游隙测试装置

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