JP2005217492A - 椅子、及びスピーカシステム - Google Patents

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隆行 渡辺
Shinji Kishinaga
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Abstract

【課題】 利用者に圧迫感を与えることなく、また、他の利用者に音漏れなどの影響を及ぼすことなく、利用者が好みの音質の音声を聞くことができる椅子、及びスピーカシステムを提供する。
【解決手段】 着席者のみに音声が聞こえるように指向性を調整した狭指向性のフラットパネルスピーカ14と、このフラットパネルスピーカ14から出力する音声の音量や音質を調整するプライベートコントローラ13と、をホール内の各椅子40に設けて、コンサートホール4のステージ5上に設置したメインスピーカ11から出力される音声のバランスが悪い場合や着席者が好みの音声に調整したい場合には、プライベートコントローラ13を操作することで、メインスピーカ11から出力される音声を補強して、音声を聞くことができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、周囲の人に対して音漏れによる迷惑をかけることなく、着席者が自分の好みの音質や音量に調整して音声を聞くことができる椅子及びスピーカシステムに関する。
コンサート会場では、アーティストの歌声や楽器の演奏音は、通常、PA(Public Address)システムを介して観客に提供される。すなわち、アーティストの歌声や楽器の演奏音は、マイクで集音されてミキサに送られるか、または楽器に接続されたケーブルを介して直接ミキサに送られ、複数のマイクや音響機器や楽器の出力レベルの調整や各音声信号を混合するミキシングが行われる。そして、この音声は、イコライザで音場補正され、さらにパワーアンプで増幅されてスピーカから出力される。
また、コンサート会場では、PAシステムを用いた場合、客席の中央付近に音像が定位するように調整されることが多い。そのため、観客は、自分の席がコンサート会場の端の方であると、適正な音響効果の音声を聞くことができない場合があるという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、個々の椅子の背もたれに専用スピーカを設けることで、ホール内のどの場所でも優れた音像定位の効果が得られる立体音再生の技術を提供する立体音再生用システム及びホールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、飛行機内や列車内では、利用者のために音声番組や映像番組などのサービスが提供される場合が多く、利用者は複数チャンネルの番組から好みの音声番組を聞いたり、映画などを視聴したりすることができる。しかし、利用者は、これらのサービスを利用する際には、他の乗客に迷惑をかけないようにイヤホンを装着しなければならない。そのため、イヤホン装着時の圧迫感が嫌な利用者は、音声番組や映像番組などのサービスをあまり利用しなかった。
そこで、シートの上部に着座者のほぼ上半身を覆うカプセルを設け、カプセル内に投影器及びスピーカを設置し、カプセル内に映像を映し、着座者の耳元で音声を流すことができる映像・音響再生用椅子装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−25086号公報(第3−5頁、第1−4図)。 特開平5−161521号公報(第2−3頁、第1−2図)
特許文献1に記載の立体音再生用システムにおいて、観客はホール前方に設けられたメインスピーカの音声に加えて、専用スピーカの音声を観客が聞くことになる。しかし、専用スピーカとしてステレオダイポール音源を使用するため、メインスピーカと専用スピーカとの音量調整の制御が難しいという問題があり、座席によっては、音声が聞きづらい場合があった。また、このシステムでは、座席毎の音量調整が難しいという問題があった。つまり、ある座席において前方のステレオスピーカの音量を上げると、周囲の座席の観客にもその音が到達してしまい、周囲の座席の観客が聞く音声の音量も増加してしまうため、専用スピーカの音量や音質を独自に調整することができなかった。さらに、このシステムでは、各椅子に設けられた専用スピーカと、隣接する椅子に設けられた専用スピーカとの間で漏れ音がある。すなわち、クロストークが生じるため、これをキャンセルするためにクロストークキャンセル演算手段を設けて、音声の出力中には常に演算を行う必要があり、負荷が常に大きいという問題があった。
一方、特許文献2に記載の椅子装置において、利用者は、イヤホンを装着しなくても良い。しかしながら、音楽を聞いたり映画を見たりする際には、カプセルで頭上を覆わなければならない。そのため、この椅子装置は、利用者に対してカプセルによる圧迫感を与えてしまい、この圧迫感が嫌な利用者は、音声番組や映像番組などのサービスをあまり利用できないという問題があった。
そこで、本発明は、利用者に圧迫感を与えることなく、また、他の利用者に音漏れなどの影響を及ぼすことなく、利用者が好みの音質の音声を聞くことができる椅子、及びスピーカシステムを提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)背もたれの背面に設けられ、直後に設置された椅子の着席者に向かって放音する狭指向性の平面スピーカと、この平面スピーカから出力する音声を前記着席者の操作に応じて調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成においては、コンサート会場や飛行機内などに、本発明の椅子を複数個所定の方向に向けてマトリックス状に配置して使用した場合、各椅子の着席者は、直前の椅子の背もたれに設けられた平面スピーカから出力される音声を、調整手段で自分の好みの音声に調整して聞くことができる。また、着席者は、周囲への音漏れを気にせずに、ヘッドホン装着時のような圧迫感を感じることなく音声を聞くことができる。さらに、平面スピーカとして厚みが薄いものを使用することで、この平面スピーカを椅子の背もたれの背面に設けても、椅子の間隔を広くする必要がなく、また椅子の間を人が通る際の妨げとならない。
(2)前記狭指向性の平面スピーカは、スピーカアレイであることを特徴とする。
スピーカアレイは複数のスピーカを備えており、各スピーカの音声出力タイミングを調整することで音の指向性を制御可能であり、また、立体的な音声を出力することができる。そのため、着席者は、周囲への音漏れを気にすることなく、自分の好みの立体的で狭指向性の音声を聞くことができる。
(3)前記狭指向性の平面スピーカを、鉛直方向に対する傾斜角度を変更可能に保持する傾斜保持手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、着席者は平面スピーカの鉛直方向に対する傾斜角を自由に変えることができる。したがって、着席者は、座高の大小にかかわらず自分の顔の方向に平面スピーカを向けて所望の音声を聞くことができる。
(4)座部、背もたれ、及び肘掛けの少なくともいずれかに、低音用スピーカ及び低音振動装置の少なくとも一方を備えたことを特徴とする。
この構成においては、椅子に低音用スピーカ及び低音振動装置の少なくとも一方を設けているので、平面スピーカから出力される音声の低音を補強することができる。したがって、着席者は、よりリアルな音声を聞くことができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の複数の椅子と、
前記複数の椅子の前方に設置された広指向性のメインスピーカと、
複数系統の音声信号を調整して前記メインスピーカへ出力する音声調整手段、及び前記複数系統の音声信号を前記椅子に対して出力する音声出力手段を備えた統括制御装置と、から成り、
前記椅子の調整手段は、前記統括制御装置が出力した音声信号を系統毎に調整する調整機構を備えたことを特徴とする。
この構成においては、各椅子の着席者は、メインスピーカから出力された音声に加えて、椅子に設けられた平面スピーカから出力された音声を聞くことができる。また、各椅子の着席者は、この平面スピーカから出力させる複数系統の音声信号を、系統毎に調整手段で調整することができる。したがって、各椅子の着席者は、メインスピーカから出力される音声が物足りない場合などに、椅子の設置位置や自分の好みに応じて補強・調整した音声を平面スピーカから出力させて、両スピーカから出力される音声を聞くことができる。
(6)前記椅子は、調整手段の設定情報を出力する情報出力手段を備え、
前記統括制御装置は、前記情報出力手段が出力した情報を集計する集計手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、統括制御装置で椅子における調整手段の設定情報を集計できるので、統括制御装置のオペレータは、着席者全体の好みの傾向を知ることができる。したがって、次に同様の音声を提供する際には、この情報に基づいて調整した音声を提供することができ、着席者が音声を調整する手間を軽減させることができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)コンサート会場や飛行機内などに、本発明の椅子を複数個所定の方向に向けてマトリックス状に配置して使用した場合、各椅子の着席者は、直前の椅子の背もたれに設けられた平面スピーカから出力される音声を、調整手段で自分の好みの音声に調整して聞くことができる。また、着席者は、周囲への音漏れを気にせずに、ヘッドホン装着時のような圧迫感を感じることなく音声を聞くことができる。さらに、平面スピーカとして厚みが薄いものを使用することで、この平面スピーカを椅子の背もたれの背面に設けても、椅子の間隔を広くする必要がなく、また椅子の間を人が通る際の妨げとなるのを防止できる。
(2)スピーカアレイの各スピーカの音声出力タイミングを調整することで、音の指向性を制御して、立体的な音声を出力することができる。これにより、着席者は、周囲への音漏れを気にすることなく、自分の好みの立体的で狭指向性の音声を聞くことができる。
(3)着席者は、平面スピーカの鉛直方向に対する傾斜角を自由に変えることができ、座高の大小にかかわらず自分の顔の方向に平面スピーカを向けて所望の音声を聞くことができる。
(4)椅子に低音用スピーカ及び低音振動装置の少なくとも一方を設けているので、平面スピーカから出力される音声の低音を補強でき、よりリアルな音声を着席者に提供することができる。
(5)各椅子の着席者は、メインスピーカから出力される音声が物足りない場合などに、椅子の設置位置や自分の好みに応じて補強・調整した音声を平面スピーカから出力させて、両スピーカから出力される音声を聞くことができる。
(6)統括制御装置で椅子における調整手段の設定情報を集計できるので、統括制御装置のオペレータは、着席者全体の好みの傾向を知ることができ、次に同様の音声を提供する際には、この情報に基づいて調整した音声を提供することが可能となり、着席者が音声を調整する手間を軽減させることができる。
以下、本発明の実施形態に係るスピーカシステムについて、図を参照しながら説明する。図1は、コンサートホールにおける椅子の配置図であり、図2は、本発明の実施形態に係るスピーカシステムの概略構成を示したブロック図である。まず、本発明のスピーカシステム1を、コンサートホール4に適用した場合について説明する。図1に示すように、コンサートホール4は、一般的なコンサートホールと同様の構造であり、各座席用の椅子40はすべて、コンサートホール4の前方に設けられたステージ5側に向けて、マトリックス状に整列された状態に設置されている。また、コンサートホール4には、観客に音声を提供するシステムとしてスピーカシステム1を備えている。
図2に示すように、スピーカシステム1は、パブリックSR(sound reinforcement )システム2と、プライベートSRシステム3とから成る。パブリックSRシステム2は、コンサートホール4内の観客全員に対して全体的に音声を提供するシステムであり、SR卓10及びメインスピーカ11(11L,11R)から成る。統括制御装置であるSR卓10は、入力端子20、ミキシング部21、イコライジング部22、パワーアンプ部23、操作部24、通信部25、記憶部26、表示部27、制御部28、出力端子29、及び入出力端子30を備えており、ミキサ、イコライザ、及びパワーアンプの機能を備えたコンソール装置である。入力端子20は、音声信号をSR卓10に入力するために、マイク15や楽器17が接続されたケーブル16などを接続する端子である。ミキシング部21は、入力端子20を介して入力された複数の音声信号を混合・調整するミキシングを行う。イコライジング部22は、ミキシング部21から出力された音声信号を周波数帯域毎に音量調整するイコライジングを行う。パワーアンプ部23は、イコライジング部22から出力された音声信号を増幅する。操作部24は、ミキシング部21、イコライジング22、及びパワーアンプ部23の調整や、その他の設定を行うためのものである。通信部25は、入出力端子30及び分岐アダプタ12を介して、各椅子40に設けられたプライベートコントローラ13と通信する。記憶部26は、プライベートコントローラ13から取得した情報やSR卓10の各種設定値などを記憶する。表示部27は、SR卓10のオペレータに対して伝達する事項などを表示する。制御部28は、SR卓10の各部を制御する。出力端子29は、パワーアンプ部23から出力された音声信号をメインスピーカ11や分岐アダプタ12へ出力するために、メインスピーカ11や分岐アダプタ12を接続する端子である。入出力端子30は、通信部25とプライベートコントローラ13とが分岐アダプタ12を介して情報をやりとりするために、分岐アダプタ12を接続する端子である。
SR卓10では、入力端子20に接続された複数のマイク15や楽器17に接続されたケーブル16を介して入力されたアーティストの歌声や楽器の演奏音は、オペレータによる操作部24の操作に応じて、ミキシング部21で出力レベルの調整や各音声信号の混合が行われ、イコライジング部22で音場補正される。そして、音声信号は、パワーアンプ部23で増幅されて、出力端子29を介してメインスピーカ11L,11Rに出力される。
メインスピーカ11は、コンサートホール4のステージ5上に、観客席に向けて放音するように設置された広指向性のスピーカである。メインスピーカ11Lは左チャンネル用のスピーカとして、またメインスピーカ11Rは右チャンネル用のスピーカとして、ステージ5上に設置される。なお、メインスピーカ11の個数は2個に限るものではなく、さらに複数のスピーカをステージ5上に設置するようにしても良い。
プライベートSRシステム3は、パブリックSRシステム2から提供された音声を補強するために、コンサートホール4内に設けた各椅子40に着席した観客に対して、個別に調整した音声を提供するシステムである。プライベートSRシステム3は、SR卓10、分岐アダプタ12、プライベートコントローラ13、及びフラットパネルスピーカ14から成り、プライベートコントローラ13及びフラットパネルスピーカ14は、各椅子40に設けられている。
SR卓10では、複数のマイク15やケーブル16を介して入力されたアーティストの歌声や楽器の演奏音など複数の音声は、入力端子20を介してミキシング部21に入力されると、混合されて所定数のグループ(系統またはチャンネル)にまとめられる。例えば、入力音声信号が48チャンネルの場合、ボーカル、ベース、ドラム、ギターなど楽器の種類やソプラノ、アルト、テノール、バスなどといった声部で分類して、8チャンネルの音声信号として出力される。分類の設定や出力チャンネル数は、操作部24の操作により任意に設定できる。
分岐アダプタ12は、SR卓10から出力された音声信号を、各椅子40に設けられているプライベートコントローラ13へ分岐させる。例えば、SR卓10から8チャンネルの音声信号が出力された場合、分岐アダプタ12は、コンサートホール4の全椅子40のプライベートコントローラ13に対して、全音声信号を分岐させて出力する。
プライベートコントローラ13は、情報出力手段である通信部31、調整機構である操作部32、及び制御部33を備えている。通信部31は、分岐アダプタ12を介してSR卓10と通信する。操作部32は、フラットパネルスピーカ14から出力させる音声の音質や音量を設定するためのものである。制御部33は、プライベートコントローラ13の各部を制御する。プライベートコントローラ13は、各椅子40の着席者による操作部32の操作により、フラットパネルスピーカ14から出力する音声の音質を調整することができる。
椅子40の着席者は、例えばメインスピーカ11から出力される特定の楽器の音声や音声の特定の帯域が聞こえにくい場合や、好みの音量に変更したい場合には、プライベートコントローラ13の操作部32を操作することで、着席者の設定に応じて音質や音量を調整した音声を出力することができるので、メインスピーカ11の音声を補強できる。また、上記のように、分岐アダプタ12を介してSR卓10から8チャンネル分の音声信号が出力された場合、プライベートコントローラ13では、この8チャンネルの音声信号のそれぞれに対して、音質や音量などの調整を行うことができる。
フラットパネルスピーカ14は、平面型のアレイスピーカであり、周知のように各スピーカの音声出力タイミングが制御されることにより、出力する音声の指向性が制御される。なお、フラットパネルスピーカ14は、椅子40の着席者がプライベートコントローラ13を操作しなくても、着席者の方向にのみ立体的な音声(ステレオ音声)を出力するように、各スピーカの音声出力タイミングが予め設定されている。すなわち、フラットパネルスピーカ14から出力する音声は、拡散することなく着席者の顔の方向にのみ出力するように指向性が制御されている。そのため、このスピーカシステム1では、各椅子40の着席者が、隣接する席の着席者に対する音漏れを気にすることなく、フラットパネルスピーカ14から出力される音声を聞くことができる。また、フラットパネルスピーカ14は、平面型のアレイスピーカに限るものではなく、出力する音声の指向性を制御して狭指向性の音声を出力できる平面型スピーカであれば、別のスピーカを使用しても良い。
また、スピーカシステム1は、各椅子40におけるプライベートコントローラ13の設定状態をSR卓10へフィードバックする機能を備えている。例えば、コンサート中に、SR卓10の操作部24において、オペレータにより設定フィードバックの操作が行われると、制御部28は通信部25を介して各椅子のプライベートコントローラ13に対して、設定状態をフィードバックするように指示する信号を出力する。各椅子40のプライベートコントローラ13では、通信部25がこの信号を受信すると、制御部33が操作部32における各設定を確認する。そして、制御部33は、プライベートコントローラ13に設定された識別情報とともに、この情報を通信部31から分岐アダプタ12を介してSR卓10へ送信させる。SR卓10では、通信部25は、各プライベートコントローラ13から送信された設定情報を受信すると、制御部28へ出力する。制御部28は、通信部25から出力された設定情報を記憶部26に記憶させる。続いて、操作が行われたすべてのプライベートコントローラ13から設定情報が送信されてくると、制御部28は、記憶部26から各設定情報を読み出して、これらの情報に基づいてデータ集計を行う。そして、集計結果を記憶部26に記憶させるとともに、表示部27に表示させる。また、制御部28は、操作部24の操作に応じて、これまでの集計結果を表示部27に表示させる。オペレータは、この機能を使用することで、前回の観客の音声設定情報を参考にしてミキシングやイコライジングを行うことができ、観客の操作の手間を削減することができる。例えば、前回のコンサートでギターの音声チャンネルの音量を上げる操作を全体の8割の観客が行っていた場合、今回のコンサートでは、オペレータは予めギターの音声チャンネルの音量を上げておくように設定することができる。
図3は、コンサートホールに設置した椅子を図1の矢印A方向から見た側面図である。図3に示すように、観客用の椅子40には、着席者の前方にフラットパネルスピーカ14が設けられている。すなわち、コンサートホールの最前列に設置している椅子40の場合、フラットパネルスピーカ14は、ステー45にヒンジ44で取り付けられて、着席者に対向するように着席者の前方に支持されている。また、それ以外の列における椅子40用のフラットパネルスピーカ14は、放音面を着席者の方向に向けた状態で、直前に設置された椅子40の背もたれ41の背面にヒンジ44で回動自在に取り付けられている。
ヒンジ44は、フラットパネルスピーカ14を鉛直方向に対して任意の角度で傾斜した状態を維持することができるので、着席者は、フラットパネルスピーカ14を任意の角度に傾斜させることができる。例えば、コンサートホールにおいて、コンサートの開始までは、フラットパネルスピーカ14を背もたれの背面に当接した状態にしておくことで、観客が座席に付くために座席の間を移動する際に、通行の妨げとなるのを防止できる。また、着席者(観客)は、コンサートの開始直前には、フラットパネルスピーカ14の下部を手前に引き出すことで、このフラットパネルスピーカ14の放音面を自分の顔の方に向けて使用できる。また、この時、プライベートコントローラ13は、着席者によって操作されると、フラットパネルスピーカ14から出力する音声の音量や音質を制御する。例えば、コンサートホールにおける座席位置が右端の椅子40において、プライベートコントローラ13で、メインスピーカ11Lから出力される左チャンネル用の音声を補強する操作が操作部32で行われると、制御部33は、メインスピーカ11Lから出力される音声をフラットパネルスピーカ14から出力するように制御する。これにより、この椅子の着席者は、コンサートホールの中央部における音声と同様に補強された音声を聞くことができる。
プライベートコントローラ13は、フラットパネルスピーカ14の側部または下部に設けても良いし、椅子30の肘掛けなどに設けて手元で操作できるようにしても良い。この場合、プライベートコントローラ13とフラットパネルスピーカ14とにおける信号やりとりを電波や赤外線で行うように構成することで、両者間の信号線の配線が不要となる。
また、フラットパネルスピーカ14は、手前に引き出すと、音声を出力するようにヒンジ44か、またはフラットパネルスピーカ14の背面などに電源スイッチを設けた構造にすると良い。または、プライベートコントローラ13に電源スイッチを設けておき、着席者がスイッチを操作してプライベートSRシステム3を動作させるようにしても良い。
フラットパネルスピーカ14のサイズは、例えば、幅400mm、高さ300mm程度にすると良い。このサイズであると、背もたれの横幅とほぼ同様である。また、フラットパネルスピーカ14は厚みも薄いので、着席者は容易にフラットパネルスピーカ14を手前に引き出すことができる。
また、各フラットパネルスピーカ14は、直後に設置された席の着席者に対する音漏れを防止するために、着席者の腹部乃至胸部に対向する位置に取り付けると良い。これにより、着席者がフラットパネルスピーカ14を使用するために、このフラットパネルスピーカ14の下部を手前に引き出すと、図3に示したように、フラットパネルスピーカ14の放音面が着席者の腹部乃至胸部に対向する位置から所定の角度で傾斜した状態になる。この状態でフラットパネルスピーカ14に音声を放音させると、スピーカ21の放音面から着席者の顔の方向に向かって狭指向性の音声が斜め上方に放音され、後方の他の着席者に届くことなく、そのまま斜め上方に進む。したがって、着席者の左右や前方だけでなく、後方の着席者に対する音漏れを気にすることなく、自分の好みの音声を聞くことができる。
なお、フラットパネルスピーカ14から出力された音声が、コンサートホール11の天井で反響するおそれがある場合には、コンサートホールの天井に反響防止材を設けると良い。
また、椅子40には、座部、背もたれ、及び肘掛けの少なくともいずれかに低音用スピーカや低音振動装置などを備える構成としても良い。フラットパネルスピーカ14からは、指向性の鋭い音声が出力されるが、この音声の低音域については指向性があまり鋭くないので、着席者は低音を物足りなく感じる可能性がある。しかし、上記のように、低音を補強するスピーカや振動装置を設けることで、フラットパネルスピーカ14から出力される音声の低音域を補強できるので、よりリアルな音声を着席者に提供できる。
次に、本発明のスピーカシステム1は、飛行機内や列車内などに適用した場合について説明する。図4は、飛行機内にスピーカシステムを設けた場合の構成図である。スピーカシステム1の構成は、図2に示したブロック図と同様であるが、CDプレーヤのような音声再生装置で再生した音声信号を、SR卓10を介して各椅子40のプライベートコントローラ13に出力する場合は、ミキシング部21を省略することができる。
図4に示すように、スピーカシステム1を飛行機内や列車内などに適用した場合、パブリックSRシステム2のメインスピーカ11は、コンサートホール4の場合と異なり、乗客に連絡事項を伝えるための放送システムとして使用することができる。また、パブリックSRシステム2のメインスピーカ11は、天井51などに設けると良い。一方、プライベートSRシステム3のプライベートコントローラ13やフラットパネルスピーカ14は、コンサートホール4の場合と同様に設置すると良い。すなわち、椅子40の前方に、ステー45に支持させたり、椅子40の直前の椅子における背もたれ41の背面に設けたりすると良い。
このようにすることで、乗客は、飛行機内や列車内で音声サービスを受けるために、従来のように、イヤホンを装着しなくても良いので、本発明のスピーカシステム1を設けることで、イヤホンやカプセルの圧迫感を感じることなく、音声サービスを利用することができる。また、プライベートコントローラ13で音声を調整して、着席者自身の好みに調整した音声を聞くことができる。さらに、この場合、フラットパネルスピーカ14から出力される音声の指向性は制御されており、着席者の方向に音声が出力されるように音声の指向性が制御されているので、着席者は他の人に迷惑をかけることなく好みの音声を聞くことができる。
なお、乗客に提供する音声サービスとして、従来と同様に複数の音声プログラムを用意しておくことで、乗客(着席者)は好みの音声プログラムを選択して、プライベートSRシステム3を用いて音声プログラムを楽しむことができる。
また、飛行機や列車においても、天井に音声吸収部材を取り付けておくことで、各フラットパネルスピーカ14から出力される音声が天井で反響するのを防止できる。
本発明のスピーカシステム1における椅子は、コンサートホールや飛行機や列車などに設置するのではなく、個人的に音楽を楽しむのにも使用できる。例えば、本発明のスピーカシステム1の椅子を家庭のリビングルームに設置して、CDプレーヤなどの音声再生装置をプライベートコントローラ13に接続して音楽を聞く場合、家族の他の人に音漏れによって迷惑をかけることなく、好みの音楽を楽しむことができる。
なお、本発明のスピーカシステム1は、上記に説明した実施形態に限定するものではなく、他の場所で使用しても良い。例えば、映画館、劇場、パチンコ店など、複数の人に対して同時に音声を提供する場所に設置すると効果的である。
コンサートホールにおける椅子の配置図である。 本発明の実施形態に係るスピーカシステムの概略構成を示したブロック図である。 コンサートホールに設置した椅子の概観図である。 飛行機内にスピーカシステムを設けた場合の構成図である。
符号の説明
1−スピーカシステム、2−パブリックSRシステム、3−プライベートSRシステム、4−コンサートホール、5−ステージ、10−SR卓、11(11L,11R)−メインスピーカ、12−分岐アダプタ、13−プライベートコントローラ、14−フラットパネルスピーカ、40−椅子

Claims (6)

  1. 背もたれの背面に設けられ、直後に設置された椅子の着席者に向かって放音する狭指向性の平面スピーカと、この平面スピーカから出力する音声を前記着席者の操作に応じて調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする椅子。
  2. 前記狭指向性の平面スピーカは、スピーカアレイである請求項1に記載の椅子。
  3. 前記狭指向性の平面スピーカを、鉛直方向に対する傾斜角度を変更可能に保持する傾斜保持手段を備えた請求項1または2に記載の椅子。
  4. 座部、背もたれ、及び肘掛けの少なくともいずれかに、低音用スピーカ及び低音振動装置の少なくとも一方を備えた請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の複数の椅子と、
    前記複数の椅子の前方に設置された広指向性のメインスピーカと、
    複数系統の音声信号を調整して前記メインスピーカへ出力する音声調整手段、及び前記複数系統の音声信号を前記椅子に対して出力する音声出力手段を備えた統括制御装置と、から成り、
    前記椅子の調整手段は、前記統括制御装置が出力した音声信号を系統毎に調整する調整機構を備えたことを特徴とするスピーカシステム。
  6. 前記椅子は、調整手段の設定情報を出力する情報出力手段を備え、
    前記統括制御装置は、前記情報出力手段が出力した情報を集計する集計手段を備えた請求項5に記載のスピーカシステム。
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