JP2005211095A - 滅菌方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定且つ効果的なオゾンガスによる滅菌処理を行なう。
【解決手段】超高濃度オゾンガス発生装置1にて、酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得る。そして、この超高濃度オゾンガスを滅菌槽2にて滅菌対象物と接触させる。前記超高濃度オゾンガスは80℃以下の加温条件下にて滅菌対象物と接触させるとよい。前記超高濃度オゾンガスは滅菌槽2内の圧力が一定になるまで真空導入し、この一定圧力の状態を一定時間保持した後、前記オゾンガスを排出する工程を滅菌が達成されるまで繰り返すとよい。超高濃度オゾンガス規定圧力範囲は10kPa以下とするとよい。
【選択図】 図1
【解決手段】超高濃度オゾンガス発生装置1にて、酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得る。そして、この超高濃度オゾンガスを滅菌槽2にて滅菌対象物と接触させる。前記超高濃度オゾンガスは80℃以下の加温条件下にて滅菌対象物と接触させるとよい。前記超高濃度オゾンガスは滅菌槽2内の圧力が一定になるまで真空導入し、この一定圧力の状態を一定時間保持した後、前記オゾンガスを排出する工程を滅菌が達成されるまで繰り返すとよい。超高濃度オゾンガス規定圧力範囲は10kPa以下とするとよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、オゾンを用いた滅菌方法とその装置に関するものである。
医療の現場では、滅菌は欠かせない手段であり、ガーゼ、注射器を始めとし、医療に使用するほとんどのものが、使用前の滅菌を必要とする。特に外科手術を扱う病院では、手術用品により無菌の体内に手術時に菌を持ち込むことを防ぐために、厳格な滅菌が必要となる。そのため、多くの病院では滅菌装置を保有し、これを用いて滅菌を行っている。2003年現在で滅菌装置として最も多く用いられているのは、オートクレーブと呼ばれる高圧蒸気滅菌装置で、高温高圧の水蒸気により滅菌を行う。また、プラスチック製品や内視鏡、光学機器等の高温高湿の滅菌が適用できないものについてはエチレンオキサイドガス(以下EOGと略す)を用いたEOG滅菌装置が用いられている。
EOG滅菌装置はほとんどの菌に対して有効で、万能な滅菌装置であるが、重大な欠点を有している。EOGは強い発ガン性物質であり、日本を始め諸外国で厳しく規制されており、例えばアメリカ合衆国では「有害大気汚染物質規制(商業消毒に由来する酸化エチレンの排出制御)EPA(環境保護庁)発癌性B1−B2」として厳しく規制されている。しかしながら、人命を預かる医療現場ではEOG滅菌装置に代わる滅菌装置が無いため、一般に使用され続けられていることが現状である。
近年これに代わる装置として過酸化水素を用いた低温プラズマ滅菌装置が市販されている。この装置は過酸化水素をプラズマで分解することで発生する酸素原子を含むラジカルのきわめて強い殺菌力を利用するものである。汚染ガスが発生しない優れた滅菌装置ではあるが、残念ながらEOG滅菌装置の一部しか代替できない。酸素ラジカルは寿命がきわめて短いため、滅菌する対象物の近傍でプラズマによって酸素ラジカルを発生するようにしなければ、その滅菌作用を期待することはできないからである。例えば、細い注射針やカテーテルの中まではプラズマを発生することができない。
もう一つの方法として、オゾンガスを用いた滅菌法が多くの研究者により検討されている。オゾンは最終的に分解して酸素になるために、環境に優しいガスであり、しかも殺菌力が強い。オゾンの殺菌力は低温プラズマ滅菌装置と同様に、オゾンが分解する際に発生する酸素ラジカルと水分から生成されたヒドロキシラジカルに起因している。オゾンの分解は物質の表面で主に発生するため、低温プラズマ滅菌装置のように滅菌物の形状に制約が無いことも利点である。
このように利点の多いオゾンであり、多くの研究者が試みてきたにもかかわらず、残念ながらEOG滅菌装置に代わるオゾンを用いた滅菌装置はこれまで実用化されていなかった。
これは従来のオゾンガスの滅菌能力が実用レベルに達していないことが最大の原因として挙げられる。
非特許文献1及び2によると、以下のことが知られている。
(1)水分が多く存在する状況では十分に高い滅菌効果を有する。
(2)水分が少ない状況ではオゾンガスによる滅菌は濃度が濃いほど滅菌効果は高いが十分な滅菌効果までは得られない、ということが知られている。
(1)水分が多く存在する状況では十分に高い滅菌効果を有する。
(2)水分が少ない状況ではオゾンガスによる滅菌は濃度が濃いほど滅菌効果は高いが十分な滅菌効果までは得られない、ということが知られている。
(1)に関しては、オゾンにより発生する酸素ラジカルと水が反応することにより、酸素ラジカルよりさらに酸化カの強いヒドロキシラジカル(OH)が発生することの効果である。そのため、加湿したオゾンガスを便用することを前提に特許文献1から5の滅菌方法及びその装置がある。
特許文献1(特開9−271512号公報)記載の滅菌装置は、缶体(圧力容器)と器械収納器からなり、器械収納器にオゾン発生器を内蔵し、オゾンガスを缶体にパイプで送り、それを循環させて滅菌、さらにオゾン回収ファンによって触媒器に送り、それを通してもとの空気に還元している。また、これをより効果的にするため、真空ボンブ・水容器・ヒーターの制御器・酸素ボンベを器械収納器に内設し、缶体を上段に器械収納器を下段にして筐体に納め、器械それぞれを上段の缶体に係合連結して、電気回路を設け、それらをマイコンで制御している。
特許文献2(特公平06−006144号公報)記載の感染性廃棄物のオゾンによる滅菌処理装置及びこの装置を便用する滅菌処理方法は、処理室内を予め陰圧にして加湿オゾンを導入して滅菌を行うもので、オゾンガスの相対湿度は90%以上で、オゾン濃度50mg/l以上としている。このとき、予め処理室の湿度を80〜90%以上にしておけばさらに効果的である。
特許文献3(特開10−258113号公報)記載のオゾンを用いた滅菌方法は、被滅菌物を収容した滅菌容器内にオゾンを供給し、滅菌容器内を大気圧以上の圧力まで加圧してから減圧する操作により、滅菌処理を行っている。このとき攪拌や加湿することで効果的な滅菌を行っている。
特許文献4(特開2000−507853号公報)記載の滅菌装置及びオゾン発生装置は、重量%で少なくとも約10%のオゾンガスを含むガスを発生できるオゾン発生装置を有する滅菌装置であって、保持タンクと、ガス加湿チャンバーと、ガスを第1の触媒上を通してブリージングするための通気口と、第2の触媒上を通して滅菌チャンバーを脱気するためのポンプと流通された滅菌チャンバーと、滅菌チャンバーから滅菌剤ガスをブリージングするための通気口と、ヒーターとを備えている。
特許文献5(特開2002−360674号公報)記載の滅菌方法及び装置は、滅菌に必要な相対湿度を維持して滅菌効果の低下を防止し得、被滅菌物の滅菌を行うもので、被滅菌物を入れた処理容器内を加熱装置によって滅菌処理温度範囲より高い温度に加熱し且つ加湿装置によって加湿した後、処理容器内の温度を滅菌処理温度範囲の上限から下限まで低下させつつオゾン供給装置からオゾンを供給し、被滅菌物の滅菌処理をしている。
特許文献6(特許2942531号公報)記載のオゾン殺菌装置は、被殺菌区間の空気を吸入し、オゾン混合、加湿してオゾン殺菌を可能とする一方、殺菌終了時にはオゾン分解を施して、オゾン濃度を低下せしめるよう構成された停電判定手段と停電判定時にデータを記憶する手段とを具備している。
「オゾン利用の新技術」第12章医療一医療におけるオゾンの使用法,サンユー書房。 「オゾンの不思議」3−2 院内感染から身を守る,講談社BLUE BACKS。 特開9−271512号公報
特公平06−006144号公報
特開10−258113号公報
特開2000−507853号公報
特開2002−360674号公報
特許2942531号公報
「オゾン利用の新技術」第12章医療一医療におけるオゾンの使用法,サンユー書房。 「オゾンの不思議」3−2 院内感染から身を守る,講談社BLUE BACKS。
以上のように、オゾンを用いた滅菌では加湿が重要な手段となっている。酸素ラジカルと水分との組合せは、基本的には前述の低温プラズマ滅菌装置も同様である。
しかしながら、低温プラズマ滅菌法に比べて加湿によるオゾンによる滅菌法は安定して均一にヒドロキシラジカルを発生させることが困難であり、実用化は困難であった。さらに簡便な方法として、オゾンを水に溶解したオゾン水を用いる方法もあるが、効果はともかく、液体による滅菌では、到底EOG滅菌の代替手段とはなり得ない。
特許文献1〜6で示されているオゾンガスによる滅菌における問題点をまとめると以下のようになる。
前記特許文献記載の滅菌方法及び装置で使用されるオゾンガスは、酸素を含む大気または酸素ガスを無声放電することにより発生させており、その発生方式の限界及び爆発的自己分解反応の危険性からオゾン濃度は約10%程度以下と低いため、多くの場合必ず加湿が必要である。
また、オゾンガスは供給する酸素ガス濃度及びオソナイザーの性能により発生するオゾン濃度が左右されるため、発生および暴露時において、その安定性が低い。そのため、オゾンガス濃度を任意に調整することができない。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、安定且つ効果的なオゾンガスによる滅菌処理が行なえる滅菌方法とその装置の提供にある。
そこで、本発明の滅菌方法は、超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌方法であって、酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得た後に、この超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で滅菌対象物に接触させることを特徴とする。
また、本発明の他の滅菌方法としては、超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌方法であって、冷却した吸着剤にオゾンガスを選択的に飽和吸着させ、この吸着剤の温度制御または温度制御とキャリアガスによる掃気を行なうことによって超高濃度オゾンガスを得た後に、この超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で滅菌対象物に接触させることを特徴とする。
さらに、本発明の滅菌装置としては、超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌装置であって、酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得る超高濃度オゾンガス発生装置と、滅菌対象物を収納し、前記超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で前記滅菌対象物に接触させる滅菌槽とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の滅菌装置としては、超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌装置であって、冷却した吸着剤にオゾンガスを選択的に飽和吸着させ、この吸着剤の温度制御または温度制御とキャリアガスによる掃気を行なうことによって超高濃度オゾンガスを得る超高濃度オゾンガス発生装置と、滅菌対象物を収納し、前記超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で前記滅菌対象物に接触させる滅菌槽とを備えたことを特徴とする。
前記超高濃度オゾンガスは、オゾン濃度が80%以上となっている。
以上の本発明の滅菌方法及び滅菌装置は、滅菌対象物を充填した滅菌槽内にオゾン濃度80%以上の超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で供給しているので、前記滅菌槽内のオゾンガスはオゾンガス以外のガスによる干渉が減ることで滅菌対象物の各部への浸透及び拡散作用が高まり、またより効果的に滅菌対象物と接触するため滅菌効果が高くなる。
また、前記滅菌方法及び滅菌装置において、前記超高濃度オゾンガスを滅菌対象物と接触するにあたり、80℃以下の加温条件下にて接触させると、前記作用効果に加え、非耐熱性滅菌対象物に対して支障なく滅菌処理することできる。
さらに、前記滅菌対象物は前記超高濃度オゾンガスが導入されるチャンバー内に収納し、このチャンバー内の圧力が一定になるまで前記超高濃度オゾンガスを真空導入し、この一定圧力の状態を一定時間保持した後に、前記オゾンガスを排出する工程を繰り返すとなおよい。このとき、前記超高濃度オゾンガスの圧力範囲は10kPa以下の範囲で調整すると、前記作用効果に加え、爆発的自己分解反応の危険を回避できる。また、前記保持状態の初期と後期においては、規定圧力及び保持時間を可変させるとなおよい。
さらに、前記滅菌装置において、前記滅菌槽及びオゾンガスを供給する配管系は、予め超高濃度オゾンガスによる酸化処理を施したステンレス製またはアルミニウム製の材料で構成すると、前記作用効果に加え、この材料とオゾンとの接触面でのオゾンの分解を最小限に抑えることができる。
また、滅菌対象物は、多孔質性包装材に包装した後に前記滅菌槽内に充填すると、前記作用効果に加え、滅菌対象物の取り扱いが容易となり、作業性が向上する。
したがって、本発明の滅菌方法及びその装置によれば、超高濃度オゾンガスを用いて滅菌を行なうことで、加湿等を必要とすることなく、オゾンガスによる安定且つ効果的なオゾンガスによる滅菌処理が行なえる。
また、医療用滅菌として知られている従来のEOGと比較しても、同様に低温(80℃以下)での強力な滅菌ができるうえに、加湿等が不要であり、さらに滅菌後の滅菌対象物に残ったオゾンは比較的簡単にパージや分解で除去できるため、滅菌後のエアレーション時間が大幅に短縮または省略することができる(尚、EOGを滅菌物から抜く操作をエアレーションという)。これにより、1日当たりに可能な滅菌回数が多くなる。さらに、滅菌後に使用したオゾンガスは、酸素に分解して排出されるため、環境汚染がまったく無い。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
オゾン(元素記号:O3)は、強い酸化力を持つため、上下水処理や半導体フォトレジストのアッシング処理など様々な分野で利用されている。オゾンの発生には、通常工業用のオゾン発生器、いわゆるオソナイザーが用いられている。この発生器は放電により酸素ガスからオゾンと酸素の混合ガスを発生させるものである。しかし、常温常圧下で一定濃度(約9体積%)以上のオゾンを含有する混合ガスは爆発的自己分解反応の危険性を持つために、一般に発生させる混合ガスのオゾン濃度は数%程度以下に抑えられている。一方、オソナイザーで発生したオゾン混合ガスをオゾンと酸素の低温での蒸気圧の差を用いてオゾンのみ液体に凝縮させて、高純度オゾンガスを得る方法がある(特許第1791865号)。
本発明はこの高濃度化した(99.9%以上)オゾンガスと減圧滅菌漕の組み合わせにより、従来必要とされていた加湿等を行なうことなく、従来では成し得なかった効果的なオゾンによる滅菌が可能となるものである。ちなみに、前述で紹介した過去の特許登録および特許公開を始め、滅菌に関連する文献で紹介されているオゾンガスは本発明のオゾンガスと名称が同じでも全く概念の異なるものである。
従来のオゾンガスとは、空気を原料とした場合、その主成分が窒素ガスと酸素ガスでオゾンが数ppm〜数%混入しているガスである。酸素原料の場合は主成分が酸素ガスでオゾンが数ppm〜数%混入しているガスである。自然科学の一般通念からガス名を表すのに主成分より圧倒的に少ないものの名称で表すのは本来不合理であるが、従来オゾンがこういった状態でしか得られなかったために慣習的に「オゾンガス」と呼ばれているものである。
本発明で用いるオゾンガスは、発生時は濃度99.9%以上のオゾンガスであり、配管等の引き回しにより若干の酸素への分解はあるものの、主成分がオゾンである自然科学の一般通念とも合致する「オゾンガス」である。
よって、従来のオゾンガスでの記述が本発明の記述に類似していたとしても、同じオゾンガスという表現を用いたための混同であり、本質的には異なるものであるので、便宜的に発生時の濃度99.9%以上のオゾンガスを高純度オゾンガスと称することで、従来慣習的に呼ばれてきたオゾンガスと区別する。
高純度オゾンガスの発生とその装置に関しての開発は本発明者の一部が関与しており、安全な高純度オゾンガス発生装置の実用化も本発明者の一部が行ったものである(日本工業出版「クリーンテクノロジー」2003年Vol.13,No.3,pp.46「100%高純度オゾン製造装置」)。
したがって、過去に高純度オゾンを滅菌手段として検討した公知例は無く、本発明は発明者らが始めて実験的により検証した結果に基づくものである。
以下、本発明の滅菌方法及びその装置の実施形態例について述べる。
図1は本発明の実施形態例1を示した概略構成図である。図2は本発明の実施形態例2を示した概略構成図である。
実施形態1に係る滅菌装置は、酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得た後に、この超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で滅菌対象物に接触させている。
本実施形態の滅菌装置は超高濃度オゾンガス発生装置1と滅菌槽2とを備える。
超高濃度オゾンガス発生装置1は、酸素を原料としてオゾンガスを生成する装置である。この装置としては、特許第1791865号及び(日本工業出版「クリーンテクノロジー」2003年Vol.13,No.3,pp.46「100%高純度オゾン製造装置」)で示されている装置がある。原料ガスである酸素ガスは、薬事法で定められた医療用の「日本薬局方酸素」を使用するとよい。尚、発生させたオゾンガスは、フィルタ3で除塵処理した後に滅菌槽2に供給するとよい。
この超高濃度オゾンガス発生装置1の具体例を図3に示した。
図3に示された超高濃度オゾンガス発生装置は、オゾンガス発生排気装置10と液体オゾン生成装置11とを備える。オゾンガス発生排気装置10は、酸素ボンベ101と圧力調整バルブ102とオゾナイザー103とマスフローコントローラー104と微粒子除去フィルタ105とを備えると共に、オゾンキラー106とガス冷却器107と液体窒素トラップ108と真空ポンプ109とを備える。液体オゾン生成装置11は、流量調整バルブ111と、オゾンチャンバー112と、冷却ブロック114と、冷凍機115と、バルブ116,117と、真空計118と安全弁119とを備える。尚、本実施形態の超高濃度オゾンガス発生装置の動作例は特許第1791865号の内容を参照のこと(同公報第3頁)。
滅菌槽2は、滅菌対象物を金属製またはプラスチック製のチャンバー(耐圧容器)内に収納している。そして、超高濃度オゾンガス発生装置1から超高濃度オゾンガスを真空導入して滅菌対象物を滅菌処理する。
滅菌対象物は滅菌処理後無菌状態に保持するため(装置から取り出したとき外気からの微生物的汚染を防ぐため)多孔質材料かからなる通気性且つバクテリア・バリア性のある包装材に充填するとよい。包装材の具体的なものとしては、一般的に滅菌に辱用される紙製包装材またはポリエチレン製不織布(Tyvek)、ポリプロピレン製不織布(Kimguard)が例示される。
本装置に使用する耐圧容器の材質としては、ステンレス製またはアルミニウム製から選択されたものが採用される。このとき、これらの材料からなる密封した耐圧容器内に予め超高濃度オゾンガスのみを供給し、規定時間処理することで不動態膜を形成させてオゾンとの接触面でのオゾンの分解を最小とさせるとなおよい。
また、本装置に使用する配管(特にオゾンガス供給配管)の材質も、ステンレス製を用い、前述のように、これら密封した配管内に予め超高濃度オゾンガスのみを供給し、規定時間処理することで不動態膜を形成させるとよい。
オゾンガス供給量は耐圧容器内圧力または流量計等によりコントロールされる。そのために、超高濃度オゾンガス発生装置1と滅菌槽2とを連結しているオゾンガスの供給管及び排出管には前記耐圧容器内圧力または流量計等の測定値に基づき開度が制御されるバルブV1,V2がそれぞれ設けられる。
滅菌パラメータとしてのオゾン濃度は密閉容器の体積当たりのオゾン質量mg/lで表され、この濃度はオゾン供給量の制御方法により決定する。
オゾン供給範囲は、耐圧容器内のオゾン分圧で最大10kPa以下とするとよい。大気復圧時で約10%以下とすることで爆発的自己分解反応の危険を回避するためである。
殺菌効果は、図2に示した第二の実施形態例のように、温度制御装置3による加温手段5により滅菌槽2内の温度を調節するとその効果は顕著である。
温度制御装置3は水処理技術において採用されている既知のものを用いればよい。本実施形態例では、温度調節制御装置3によって加熱温度が任意に制御されるヒーター5が滅菌槽1の側面に付帯されている。
滅菌対象物またはこれを収納するチャンバー内の温度は、室温から80℃までの任意の温度(好ましくは30〜60℃)でコントロールするとよい。加温温度は高いほど滅菌効果は高くなるが、非耐熱性滅菌対象物に対しては80℃以下が好適である。80℃以下としたのは、耐熱性が低いゴム・プラスチック製品、光学器械、電気器具等を滅菌する際に許容できる温度上限が80℃であるからである。そして、温度分布のばらつきを考慮すれば、部分的にでも80℃を超えないようにするには60℃以下に制御することが安全である。また、下限は使用する室温より高く設定する必要があり、地域差、季節変動を考慮すれば30℃以上とすることが好ましいことによる。
滅菌対象物とオゾンガスとの接触時間は0〜数時間の範囲(好ましくは30分〜120分)で設定するとよい。例えば、2回以上繰り返す場合は0〜60分の範囲、より具体的には0〜10分間で設定される。また、1回の操作で長時間オゾンガスと接触させると、オゾンガスの拡散・浸透が比較的容易な滅菌対象物に対して適応させることができので、オゾンガスの使用量を少なく抑えることができる。さらに、2回以上で短時間のオゾン保持で繰り返す動作は、滅菌対象物周辺のガスを高純度オゾンガスに置換する効果があるため、真空により滅菌対象物に付着または吸着した物質がガス化して放出するような場合やオゾンガスの拡散・浸透が比較的困難な滅菌対象物(細管や多孔質材料で包装されたもの)に対して適応させることができる。
また、滅菌対象物の滅菌処理後、オゾン排気および清浄な窒素ガスや空気によるパージを行えば、容易に滅菌対象物からオゾンを除去することができる。さらに、この際に加温を行えばオゾンの酸素への分解を促進することができる。
尚、本実施形態においては、超高濃度オゾンガスを得る方法として特許第1791865号に示す技術を用いて説明したが、オゾンガス発生装置としては特開平10−287404号公報で示されている方法と装置によっても超高濃度オゾンガスが得られることから、この方法及びその装置を用いるようにしてもよい。これは冷却したシリカゲル等のオゾン吸着剤にオゾンガスを選択的に飽和吸着させ、この吸着剤に吸着させたオゾンガスを吸着剤の温度を制御することで、あるいは温度制御とキャリアガスによる掃気で超高濃度オゾンガスを発生させるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
1.滅菌対象物の滅菌手順の概要
(1)チャンバー(耐圧容器,内径20mm円筒体)内に滅菌対象物を収納した。
1.滅菌対象物の滅菌手順の概要
(1)チャンバー(耐圧容器,内径20mm円筒体)内に滅菌対象物を収納した。
(2)内圧を導入しようとするオゾンガスの圧力よりも低い圧力まで真空引きした前記チャンバー内に超高濃度オゾンガス発生装置(特許第1791865号)で生成した超高濃度オゾンガスを規定量導入し、陰圧下で一定時間保持させた後に排気した。ここで、超高濃度オゾンガス供給範囲は前記耐チャンバー内のオゾン圧力で最大10kPa以下とした。これは大気復圧時で約10%以下とすることで爆発的自己分解反応の危険を回避するためである。
(3)滅菌対象物の特性により、オゾンガス供給→保持→排気の動作を1回または2回以上繰り返して滅菌対象物を滅菌した。
(4)前記滅菌終了後、大気によりチャンバー内をガス置換し、このチャンバーから滅菌対象物を取り出した。
尚、上記滅菌を行なうにあたって、滅菌槽内に供給された超高濃度オゾンガスの濃度測定を試みたところ、99.9%以下に低下していることが確認された。これは、配管等の引き回しの際に分解されたためであると考えられるが、いずれの場合においても、80%以上の濃度が確保されていることが確認された。
2.具体的な滅菌手順とその評価
(1)オゾン処理
チャンバー内に以下のバイオロジカルインジケータ(BI)を入れ、図4に示した動作フロー図のように、前記チャンバー内に前記オゾン発生装置で発生させたオゾンガスを規定量(規定圧)で真空供給及び排出の過程を規定回数繰り返すことで、BIに前記オゾンガスを曝露した。各パラメータを表1に示した。
(1)オゾン処理
チャンバー内に以下のバイオロジカルインジケータ(BI)を入れ、図4に示した動作フロー図のように、前記チャンバー内に前記オゾン発生装置で発生させたオゾンガスを規定量(規定圧)で真空供給及び排出の過程を規定回数繰り返すことで、BIに前記オゾンガスを曝露した。各パラメータを表1に示した。
・バイオロジカルインジケータ(BI)
Attest No.1264(3M)
Lot#2001−09AK
指標菌:Bacillus subtilis(ATCC9372)
菌数:4.5×106CFU/strip
CycleSure(Johnson&Johnson)
Lot#23421
指標菌:Bacillus stearothermophilus(ATCC7953)
菌数:1.7×106CFU/strip
Attest No.1264(3M)
Lot#2001−09AK
指標菌:Bacillus subtilis(ATCC9372)
菌数:4.5×106CFU/strip
CycleSure(Johnson&Johnson)
Lot#23421
指標菌:Bacillus stearothermophilus(ATCC7953)
菌数:1.7×106CFU/strip
また、表2にBIの使用数を示した表を以下に示した。
(2)BIの生残菌数測定
オゾン処理したAttest及びCycleSureのろ紙片を無菌的に取り出し、0.1%Tween80を添加したPBS(回収液)10mLに入れ、超音波洗浄器(発振周波数38kHz、出力150W)で、10分間処理した。その後、試験管ミキサーにて約3分撹搾した。
オゾン処理したAttest及びCycleSureのろ紙片を無菌的に取り出し、0.1%Tween80を添加したPBS(回収液)10mLに入れ、超音波洗浄器(発振周波数38kHz、出力150W)で、10分間処理した。その後、試験管ミキサーにて約3分撹搾した。
この回収液を階段希釈し、各希釈液を1mlずつシャーレに入れ、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地に15g/1000mlとなるように寒天を加えた培地(滅菌済み)と混釈後固化させ平板を作成した。
この平板を35℃(Attestからの平板)または55℃(Cycle Sureからの平板)、24〜48時間培養し、平板中に現れたコロニー数をカウントし、1平板あたり30〜300コロニーが認められた平板の結果から以下の式でBIの生残菌数を算出した。
菌数がいずれの平板からも検出されなかったものについては、更に24〜48時間培養し、コロニーの形成の有無を確認した。この確認で30以下のコロニーしか確認されなかった場合は、計測されたコロニー数で以下の式にてBIの生菌数とした。
尚、未処理のBIも同様に超音波処理し、生残菌の測定を行い、オゾン処理前の菌数とした。
1BI当りの生残菌数=回収液量(10ml)×希釈倍率×コロニー数×接種量(1ml)(但し、コロニー数は2枚の平板の平均値)
(3)生残曲線の作成
求められた生菌数をY軸に生菌数の対数値をX軸に繰り返し回数としたグラフ上にプロットし、条件ごと生残曲線を作成した。
(3)生残曲線の作成
求められた生菌数をY軸に生菌数の対数値をX軸に繰り返し回数としたグラフ上にプロットし、条件ごと生残曲線を作成した。
(4)結果
生残菌数測定結果を表3に示す。また、図5、図6に表3の結果から作成した生残曲線を示した(但し、プロットは補正前菌数)。また、オゾン処理の圧力記録を図7〜14に示した。
生残菌数測定結果を表3に示す。また、図5、図6に表3の結果から作成した生残曲線を示した(但し、プロットは補正前菌数)。また、オゾン処理の圧力記録を図7〜14に示した。
その結果、CycleSureにおいてオゾン供給圧1000Pa及び2000Pa、5回繰り返しの条件で、生菌数が検出されない結果となり、殺菌効果を確認した。また、CycleSureにおいては、繰り返し回数の増加に伴い殺菌速度(曲線の傾き)が速まる傾向を示した。
これに対し、Attestは、オゾン供給圧1000Paにおいて、繰り返し5回までの暴露ではほとんど菌数の減少が見られない結果となった。オゾン供給圧2000Paにおいては1000Paでの結果同様繰り返し5回までの暴露ではほとんど菌数の減少が見られない結果であったが、10同繰り返しにおいては生菌数が検出されない結果となり、殺菌効果を確認した。また、Attestにおいても、繰り返し回数の増加(5回以降)で殺菌速度(曲線の傾き)が速まる傾向を示した。
オゾン供給圧3000Paにおいては、5回繰り返しにおいて生菌数が検出されない結果となった。
これらのことから、真空下での超高純度オゾン処理により殺菌効果が得られることが確認された。
また、この結果では、CycleSureとAttestで殺菌効果に違いが認められた。BIとして両者においての相違点は以下の2点である。
・指標菌が異なる:CycleSureはBacillus stearothermophilus(ATCC7953)
AttestはBacillus subtilis(ATC9372)
・指標菌の担体が異なる:Cyc1eSureはガラス繊維性ろ紙
Attestは紙製ろ紙
指標菌の違いについて考察すると、オゾンを用いた滅菌に対してはBacillus stearothermophilus(ATCC12980)が推奨されており、今回使用したBacillus stearothermophilus(ATCC7953)はこれより抵抗性は低いとされているが、種の異なるBacillus subtilisよりも、抵抗性は高いはずである。
AttestはBacillus subtilis(ATC9372)
・指標菌の担体が異なる:Cyc1eSureはガラス繊維性ろ紙
Attestは紙製ろ紙
指標菌の違いについて考察すると、オゾンを用いた滅菌に対してはBacillus stearothermophilus(ATCC12980)が推奨されており、今回使用したBacillus stearothermophilus(ATCC7953)はこれより抵抗性は低いとされているが、種の異なるBacillus subtilisよりも、抵抗性は高いはずである。
ちなみに、本実験においての指標菌の違いによる効果の差は、担体材質を揃えた実験ではないと明確にならないが、担体材質を揃えた追加実験によっても傾向は変わらないことを確認している。
本実験の容器内を真空引きしてオゾンガスを導入し、かつこのサイクルを繰り返す手法は、特許2854287号や特開平11−347106号公報で示されている容器内を真空引きした後に大気圧のオゾンガスを導入する方法を含む滅菌方法、特許2751525号や特開平10−258113号公報で示されている容器内を真空引きした後に大気圧または大気圧以上のオゾンガスを導入するサイクルを複数回繰り返すことを含む滅菌方法に類似している。
差異としては、本実施例では濃度99.9%以上の超高濃度オゾンガスを用いている点、及び超高濃度オゾンガスを用いているためオゾンガス導入後の圧力は10kPa以下の減圧であるというが挙げられる。
しかしながら、最も大きな差異は前述のように従来とは全く異なるオゾンが主成分の超高濃度オゾンガスを使用しているということである。超高濃度オゾンガスを用いても効果が従来と同様なら新規性は無いが、実験結果は明らかに従来のオゾンガスで得られていた結果とは異なっている。
次に従来の結果と異なる点を記す。
1)本実験で用いたオゾンに耐性が強いといわれている指標菌では、従来湿度50%未満では滅菌効果が認められず、良好な滅菌効果を得るには80%以上の湿度が必要とされていた(特公平6−6144号公報、またはIshizaki K.et al,J.Appl.Bact,60,67(1986))。本実験で用いた超高濃度オゾンガスは液体オゾンの気化により生成するガスであるため、オゾン気化時の水の蒸気圧がオゾンに比べて無視できる程度に小さいことから、水分をほとんど含まない乾燥ガスである。このように水分をほとんど含まないオゾンガスで良好な滅菌効果が得られる現象は、明らかにに従来のオゾンガスでは得られなかった効果である。
2)本実験で用いたオゾンに耐性が強いといわれている指標菌は、乾燥したオゾンガスでは従来滅菌効果が得られなかったため、高湿度のオゾンガスまたはオゾン水での滅菌実験によりその高い耐性が確かめられたものである。
例えば、特開2001−245962号公報(オゾン滅菌用バイオロジカルインジケータ)でも紹介されているように、Bacillus stearothermophilus(ATCC12980)とBacillus subtilis(ATC9372)の2種類が適しており、このうち前者の方がより高い耐性を示すといわれている。
本実験では前者の菌株の変わりにBacillus stearothermophilus(ATCC7953)を用いたが、Bacillus subtilis(ATC9372)の方が強い耐性を示しており、従来と異なる結果となっている。尚、担体材質を揃えて、Bacillus stearothermophilus(ATCC12980)とBacillus subtilis(ATC9372)の比較実験も行ったが、やはり、後者の方が強い耐性を示した。これは明らかに、従来の加湿したオゾンガスとは異なるメカニズムで滅菌効果が発生していることを示唆している。また、滅菌後、オゾン排気および清浄な窒素ガスや空気によるパージを行えば、容易に滅菌対象物からオゾンを除去することができる。
(実施例2)
1.滅菌対象物の滅菌手順の概要
(1)耐圧容器内(チャンバー)に滅菌対象物を収納する。
1.滅菌対象物の滅菌手順の概要
(1)耐圧容器内(チャンバー)に滅菌対象物を収納する。
(2)滅菌対象物を80℃以下に加温する。
(3)前記チャンバー内の圧力を導入しようとする超高濃度オゾンガスの圧力よりも低い圧力まで真空引きした後に、このチャンバー内に前記超高濃度オゾン発生装置から発生させた80%以上の超高濃度オゾンガスを規定量導入し、陰圧下で一定時間保持させた後、排気した。ここで、超高濃度オゾンガス供給範囲は耐圧容器内のオゾン圧力で最大10kPa以下とした。実施例1と同様の理由である。
(4)滅菌対象物の特性により、オゾンガス供給→保持→排気の動作を1回または2回以上繰り返し、滅菌対象物を滅菌した。
(5)滅菌終了後、大気により前記チャンバー内をガス置換し、このチャンバーから滅菌対象物を取り出した。
2.具体的な滅菌手順とその評価
具体的な滅菌手順とその評価法は実施例1における具体的な滅菌手順とその評価法と同様であるので、その詳細な説明は省略し図15にその結果のみを示した。
具体的な滅菌手順とその評価法は実施例1における具体的な滅菌手順とその評価法と同様であるので、その詳細な説明は省略し図15にその結果のみを示した。
図15に示された結果から明らかなように、滅菌対象物を充填したチャンバーを加温することにより、滅菌までの時間が短縮されることが確認された。
このように、実施例1で示したように加温なしでも滅菌効果はあるが、滅菌対象物が損傷しない範囲で室温以上に加温すれば、室温が季節や地域により異なっても、常に同じ温度で安定した滅菌効果を得ることができることが示された。
1…超高濃度オゾンガス発生装置
2…滅菌槽
3…フィルタ
4…温度制御装置
5…ヒーター
2…滅菌槽
3…フィルタ
4…温度制御装置
5…ヒーター
Claims (11)
- 超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌方法であって、
酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得た後に、この超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で滅菌対象物に接触させることを特徴とする滅菌方法。 - 超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌方法であって、
冷却した吸着剤にオゾンガスを選択的に飽和吸着させ、この吸着剤の温度制御または温度制御とキャリアガスによる掃気を行なうことによって超高濃度オゾンガスを得た後に、この超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で滅菌対象物に接触させることを特徴とする滅菌方法。 - 前記超高濃度オゾンガスは、オゾン濃度80%以上であること
を特徴とする請求項1または2記載の滅菌方法。 - 前記超高濃度オゾンガスを80℃以下の加温条件下にて滅菌対象物と接触させること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の滅菌方法。 - 前記滅菌対象物をチャンバー内に収納し、このチャンバー内の圧力が一定になるまで前記超高濃度オゾンガスを真空導入し、この一定圧力の状態を一定時間保持した後に、前記オゾンガスを排出する工程を繰り返すこと
を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の滅菌方法。 - 前記超高濃度オゾンガスの圧力範囲は10kPa以下の範囲で調整すること
を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の滅菌方法。 - 超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌装置であって、
酸素を原料として生成したオゾンガスを真空下にて冷却して高純度及び高濃度化した液化オゾンを生成し、この液化オゾンを気化させることにより超高濃度オゾンガスを得る超高濃度オゾンガス発生装置と、
滅菌対象物を収納し、前記超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で前記滅菌対象物に接触させる滅菌槽と
を備えたことを特徴とする滅菌装置。 - 超高濃度オゾンガスを滅菌対象物に接触させて滅菌対象物を滅菌処理する滅菌装置であって、
冷却した吸着剤にオゾンガスを選択的に飽和吸着させ、この吸着剤の温度制御または温度制御とキャリアガスによる掃気を行なうことによって超高濃度オゾンガスを得る超高濃度オゾンガス発生装置と、
滅菌対象物を収納し、前記超高濃度オゾンガスを減圧雰囲気で前記滅菌対象物に接触させる滅菌槽と
を備えたことを特徴とする滅菌装置。 - 前記滅菌槽は、滅菌対象物を収納すると共に前記超高濃度オゾンガスが導入されるチャンバーを備え、このチャンバー内にチャンバー内の圧力が一定になるまで前記超高濃度オゾンガスを真空導入し、この一定圧力の状態を一定時間保持した後に、前記オゾンガスを排出する工程を繰り返すこと
を特徴とする請求項7または8記載の滅菌装置。 - 前記滅菌槽及びオゾンガスを供給する配管系は、予め超高濃度オゾンガスによる酸化処理を施したステンレス製またはアルミニウム製であること
を特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の滅菌装置。 - 滅菌対象物は多孔質性包装材に包装された後に前記滅菌槽内に充填されることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の滅菌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004017836A JP2005211095A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 滅菌方法及びその装置 |
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JP (1) | JP2005211095A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008104488A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Sakura Seiki Kk | オゾン滅菌方法 |
US8747763B2 (en) | 2011-04-13 | 2014-06-10 | Hitachi, Ltd. | Plasma sterilization apparatus |
JP7146138B1 (ja) * | 2021-04-01 | 2022-10-03 | 三菱電機株式会社 | 殺菌装置および殺菌方法 |
-
2004
- 2004-01-27 JP JP2004017836A patent/JP2005211095A/ja active Pending
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US8747763B2 (en) | 2011-04-13 | 2014-06-10 | Hitachi, Ltd. | Plasma sterilization apparatus |
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