JP2005205782A - ガラス保護用シートおよびディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチックシートを用いて構成され、ディスプレイの前面等に貼り付けると、パネル前面のガラス板の破損を防止する際の破損防止性の向上を図ることができ、しかもプラスチックシートの厚みおよび重量の軽減を両立させたガラス保護用シート、およびこれを適用したディスプレイを提供することを課題とする。
【解決手段】耐衝撃性層である第1の透明樹脂層11および高せん断弾性率を有する第2の透明樹脂層12が接着性層13を介して積層され、層11および層12の間の剥離強度を50N/m以上としたガラス保護用接着1を、貼り付け用粘着剤層2を介してディスプレイの前面ガラス3に貼り付け、課題を解決することができた。
【選択図】 図1
【解決手段】耐衝撃性層である第1の透明樹脂層11および高せん断弾性率を有する第2の透明樹脂層12が接着性層13を介して積層され、層11および層12の間の剥離強度を50N/m以上としたガラス保護用接着1を、貼り付け用粘着剤層2を介してディスプレイの前面ガラス3に貼り付け、課題を解決することができた。
【選択図】 図1
Description
本発明はガラスの表面、とりわけディスプレイの前面に貼り付けて使用するのに適したガラス保護用シート、およびそれを適用したディスプレイに関するものである。
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイには、ディスプレイを構成するパネルの前面にガラス板が用いられており、衝撃を受けてガラスが破損する恐れがあるので、以前からガラスの破損を防止する策が講じられている。古くはプラスチックの透明板をディスプレイの前面に隙間をおいて配置することが行なわれたが、ディスプレイの重量を増加する上に薄型化に逆行し、また、隙間があるために外光の写りこみが生じ、さらには、僅かな振動によっても画像に歪みが生じると言った問題が避けられなかった。
そこで、ガラスの破損を防止するためのプラスチックシートをディスプレイの前面に貼り付けることが検討され、ディスプレイ側より、透明な粘着剤層、せん断弾性率が特定の範囲にある割れ防止層、および高せん断弾性率を有する飛散防止層の順に積層することにより、上記の問題点を解消することが試みられている。(特許文献1。)
特開2001−266759号公報(請求項1、請求項4)。
特許文献1に記載された技術によれば、プラスチックの透明板をディスプレイの前面に配置する際の問題点は解消されるものの、シートを薄くすると、本来の機能であるガラスの破損防止性が低下してしまうので、破損防止性を向上させ、プラスチックシートの厚みおよび重量を減らす目的でさらに一層の改善が望まれている。
本発明においては、プラスチックシートを用いて構成され、ディスプレイの前面等に貼り付けると、パネル前面のガラス板の破損を防止する際の破損防止性の向上を図ることができ、しかもプラスチックシートの厚みおよび重量の軽減を両立させたガラス保護用シート、およびこれを適用したディスプレイを提供することを課題とする。
発明者の検討によれば、プラスチックシートを、比較的せん断弾性率が低い耐衝撃性層と高せん断弾性率を有する層の二層が複合されたものとし、これら二層の間の剥離強度を一定の値以上にすることにより、課題を解決することが可能となった。
課題を解決する第1の発明は、耐衝撃性層である第1の透明樹脂層、および高せん断弾性率を有する第2の透明樹脂層が積層されており、前記第1の透明樹脂層と前記第2の透明樹脂層との間の剥離強度が50N/m以上であることを特徴とするガラス保護用シートに関するものである。
また、第2の発明は、前記剥離強度が100N/m以上であることを特徴とする請求項1記載のガラス保護用シートに関するものである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第1の透明樹脂層のせん断弾性率が常温(25℃)で1×104Pa〜5×107Paであり、前記第2の透明樹脂層のせん断弾性率が1×108Pa以上であることを特徴とするガラス保護用シートに関するものである。
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記第1の透明樹脂層と前記第2の透明樹脂層が接着性層を介して積層されたものであることを特徴とするガラス保護用シートに関するものである。
第5の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記第1もしくは第2の透明樹脂層が、近赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽性層、色調調整層、ネオン光遮蔽層、反射防止層、防眩層、防汚染層、対象物への貼り付け用の粘着剤層、もしくは粘着剤層保護用の剥離シートのうちの1種もしくは2種以上を伴なうものであり、ディスプレイの前面ガラスに貼り付けるためのものであるガラス保護用シートに関するものである。
第6の発明は、第5の発明において、前記接着性層が色調調整するための色素、もしくはネオン光透過率を低減させるための色素を含むものであり、ディスプレイの前面ガラスに貼り付けるためのものであるガラス保護用シートに関するものである。
第7の発明は、第5または第6の発明のガラス保護用シートをディスプレイの前面ガラスに積層したことを特徴とするディスプレイに関するものである。
第1の発明によれば、耐衝撃性層である第1の透明樹脂層と、高せん断弾性率を有する第2の透明樹脂層とが積層され、両層の間の剥離強度を50N/m以上と規定したので、ガラス板に貼り付けると、ガラス板の破損を防止する機能がより向上したガラス保護用シートを提供することができる。
第2の発明によれば、剥離強度を100N/m以上と規定したので、ガラス板の破損を防止する機能がなお一層向上したガラス保護用シートを提供することができる。
第3の発明によれば、第1または第2の発明の効果に加えて、好ましい耐衝撃性を有する第1の透明樹脂層とガラス板の破損防止効果の高い第2の透明樹脂層を有し、両層の持つガラス板の破損を防止する機能が加味されたガラス保護用シートを提供することができる。
第4の発明によれば、第1〜第3いずれかの発明の効果に加えて、両層の接着を接着性層を介して行なうことができるので、所定の必要な剥離強度を得ることが容易なガラス保護用シートを提供することができる。
第5の発明によれば、第1〜第4いずれかの発明の効果に加えて、例えば、プラズマディスプレイのような、ディスプレイの発光機能上の種々の問題点を解消するための層を備え、そのようなディスプレイに適用するのに適したガラス保護用シートを提供することができる。
第6の発明によれば、第5の発明の効果に加えて、さらに接着性層が色調調整するための色素、もしくはネオン光透過率を低減させるための色素を含むものであり、それらを含むことによる機能が加えられたガラス保護用シートを提供することができる。
第7の発明によれば、第5または第6の発明のガラス保護用シートを適用することにより、それらの効果が発揮されたディスプレイを提供することができる。
図1は本発明のガラス保護用シートがディスプレイの前面ガラスに貼り付けられた状態を示す断面の模式図である。本発明のガラス保護用シート1は、図1中の下側から、耐衝撃性層である第1の透明樹脂層11および高せん断弾性率層である第2の透明樹脂層12とが積層されたもので、図1に示す例では、粘着剤層13を介して第1の透明樹脂層11および第2の透明樹脂層が積層されたものである。なお、本発明のガラス保護用シート1は、ディスプレイの前面ガラスに貼り付けると価値が高いものであるが、必ずしもディスプレイの前面ガラス用でなくてもよく、一般的なガラスの表面に適用し得る。
図1に示す例では、ガラス保護用シート1はディスプレイの前面ガラス3の観察側に適用され、貼り付け用粘着剤層2を介して貼り付けられている。ガラス保護用シート1の第1の透明樹脂層11側、もしくは第2の透明樹脂層12側のいずれの側がディスプレイの前面ガラス3側を向いていてもよいが、ガラス保護用シート1の第1の透明樹脂層11側、即ち耐衝撃性層側がディスプレイの前面ガラス3側を向いている方が、ガラス板の破損を防止する意味ではより好ましい。
耐衝撃性層である第1の透明樹脂層11は、エチレン/メタクリル酸コポリマーの分子間を金属イオン(Na+、Zn2+等)で架橋したアイオノマー樹脂、EVA(エチレン/酢酸ビニルコポリマー)、PVC(ポリ塩化ビニル)、EEA(エチレンアクリレートコポリマー)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ポリアミド樹脂、ポリブチラール樹脂、もしくはポリスチレン樹脂などの熱可塑樹脂、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩ビ系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系、ポリスチレン・ポリオレフィン系共重合体、(水添)ポリスチレン・ブタジエン系共重合体、もしくはポリスチレン・ビニルポリイソプレン系共重合体等のゴム弾性を示す熱可塑エラストマー、またはポリエチレン、もしくはポリプロピレンなどのポリオレフィンに熱可塑エラストマーをブレンドしたもの等で構成することができる。第1の透明樹脂層11は、これらの各々の樹脂の層の単独もしくは任意の積層体で構成することができる。
積層体の好ましい例として、ポリオレフィン(ポリプロビレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)等)/熱可塑樹脂(EVA)/ポリオレフィン、ポリオレフィン(PPもしくはPE)/ポリオレフィン+熱可塑エラストマ/ポリオレフィン(PPもしくはPE)またはPP/PE/PPなどの積層体、またはポリオレフィン+熱可塑エラストマのブレンド比を変えた複層系の積層体、もしくはポリオレフィンに熱可塑エラストマーをブレンドした積層体なども使用できる。なお、記号「/」は、左右のものどうしが積層されていることを意味する。
第1の透明樹脂層11は、常温(25℃)での動的粘弾性測定におけるせん断弾性率が1×104Pa〜5×107Paであることが好ましい。このせん断弾性率が下限未満であると、柔軟さが過度となって取り扱いに支障がある上、切断や打ち抜き等の加工にも支障をきたす。また、このせん断弾性率が上限を超えると、耐衝撃性、即ち、衝撃を緩和する性質が低下し、ガラス板に貼り付けても、衝撃によるガラス板の割れを十分に防止できなくなる。
また、第1の透明樹脂層11の厚みは、0.5mm〜3.0mmであることが好ましい。厚みが下限未満であると、衝撃を緩和する能力が不十分で、ガラス板に貼り付けても、衝撃によるガラス板の割れを十分に防止できなくなる。また、厚みが上限を超えると、貼り付ける対象の見かけの厚みが増す上、重量も増加しすぎるので好ましくない。
高せん断弾性率層である第2の透明樹脂層は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、メタクリル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ノルボルネン樹脂(もしくはシクロオレフィン樹脂)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン、もしくはポリフェニレンサルファイドからなるものである。
第2の透明樹脂層12は、動的粘弾性測定におけるせん断弾性率が、常温(25℃)において、1×108Pa以上であることが好ましい。このせん断弾性率が1×108Pa未満であると、ガラス板に貼り付けた際に、ガラス板の破損防止効果が乏しく、後に述べるような鋼球の落下試験により、ガラス板の破壊が生じるからである。
第2の透明樹脂層12の厚みは、0.05mm〜0.5mmであることが好ましい。厚みが下限未満であると、後に述べるような鋼球の落下試験により、ガラス板の破壊が生じるので好ましくない。また、厚みが上限を超えると、貼り付ける対象の見かけの厚みが増すことや、重量の増加を避ける意味で、第1の透明樹脂層11や粘着剤層13等の厚みを薄くする必要が生じるので、第1の透明樹脂層11や粘着剤層13の性能を発揮する点で支障を招くからである。
第1の透明樹脂層および第2の透明樹脂層は互いに接着されており、その剥離強度が50N/m以上であることが好ましく、より好ましくは100N/m以上である。この剥離強度は、JIS C2107−99に定めるものである。剥離強度が50N/m未満であると、第1の透明樹脂層および第2の透明樹脂層が積層されて構成されたガラス保護用シートをガラス板に貼り付けても、衝撃によるガラス板の割れを防止する性能が不十分となる。上記の剥離強度は大きいほど好ましく、この剥離強度の上限を定めるべき理由は無いが、実用上、剥離強度は2500N/m以下である。
本発明のガラス保護用シートにおいて、第1の透明樹脂層および第2の透明樹脂層の間の剥離強度が50N/m以上であると、ガラス板の防止効果が高まる理由は、次のようであると推定される。
図2は、本発明のガラス保護用シート1に力が加えられて変形する様子を模式的に示す図である。今、ガラス保護用シート1の図中の上方から先端が半球状である棒4を下方に向かって押し付けると、ガラス保護用シート1の上面がくぼんで変形する。くぼんで変形した箇所における各層は、上側の層12については、上側の表面が収縮し、下側の表面が伸張し、また、下側の層11については、上側の表面が収縮し、下側の表面が伸張する。従って、上側の層12と下側の層11の界面では、一方が伸張し、他方が収縮するので、上側の層12と下側の層11との間で、互いにズレようとする大きな力が加わる。従って両層の接着強度としては、単にガラス保護用シートの製造、加工、運搬、もしくは貼り付け等の取り扱いの際に剥離が生じない程度よりも、高い接着強度が求められる。ちなみに通常の取り扱いの際には、両層の間の剥離強度が10N/m〜40N/mであれば、通常、支障は生じない。
上記の剥離強度を実現するためには、公知のシート手段により第1の透明樹脂層と第2の透明樹脂層の間を接着させることにより行なえ、両層の間の熱融着によって、もしくは一方の層(好ましくは第1の層12)上に、他方の層(好ましくは第2の層)を構成するための素材の溶融物、もしくは溶解物をコーティングして固化することによって行なうことができるが、剥離強度の制御が容易である点で、接着性層13を介して行なう接着法によることが好ましい。
接着性層13を構成する接着性材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール単独もしくはその部分ケン化品、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンエステル樹脂等が挙げられる。また、本発明に用いられる接着性層は、紫外線硬化型等の電離放射線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。また、本発明における接着性層は、粘着剤を用いて構成されたものであってもよい。特に、第2の樹脂層12との密着性や、後述する近赤外線吸収色素、および/または、ネオン光吸収色素との相溶性、分散性などの観点からアクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂を用いることが好ましい。接着性層13の厚みは、0.001mm〜0.050mmであることが好ましい。
これらの接着性材料を用いて、層11と層12との間の90°剥離強度を50N/m以上とするには、層11および層12を構成する素材にもよるが、接着剤の塗布量を上げて接着性層の厚みを増やす、層11および/または層12の接着面にアンカー剤(もしくはプライマー剤)を塗布する、または、層11および/または層12の接着面にコロナ処理を施す等の方法により達成でき、これらの方法は2種類以上を併用してもよく、例えば、層11および/または層12の接着面にコロナ処理を施し、さらに接着剤の塗布量を調整する等である。上記のアンカー剤としては、アルキルチタネート系、ポリエチレンイミン、イソシアネート系、シランカップリング剤、もしくはポリブタジエン系等のものを挙げることができる。
上記の基本的な構成からなる本発明のガラス保護用シート1は、図1に示すように、貼り付け用粘着剤層2を介して、代表的にはディスプレイの前面ガラス等のガラスに適用することができ、貼り付け用粘着剤層2は、予め積層してあってもよく、さらに粘着剤層2のガラス保護用シート1とは反対側の表面に、粘着剤層保護用の剥離シートが積層してあってもよい。
本発明のガラス保護用シート1は、画面サイズの大きいものが使用されることが多いプラズマディスプレイの前面ガラスに適用するのに適している。プラズマディスプレイは、その発光機構に基づく種々の特徴を有しているので、これらの特徴に合わせるための、特に、プラズマディスプレイの問題点を解消するための種々の層を伴なうことが好ましい。例えば、そのような層として、近赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽性層、色調調整層、およびネオン光遮蔽層を挙げることができる。また、他の方式のディスプレイの場合にも共通な層として、反射防止層、防眩層、および防汚染層があり、もちろん、対象物への貼り付け用の粘着剤層、および粘着剤層保護用の剥離シートがある。これらの付加的な層は、上記のうちから任意に1種もしくは2種以上を選択できる。また、これらの付加的な層は、第1の透明樹脂層11もしくは第2の透明樹脂層12、好ましくは、後者である第2の透明樹脂層12に層を付加して積層するか、もしくは第2の透明樹脂層12に層の機能を発揮するための加工を行なうことにより、ガラス保護用接着1に加えることができる。
図3は、プラズマディスプレイの前面ガラスに適用するのに適した、プラズマディスプレイ用のガラス保護用シートの具体例を示す図で、図の上側、即ち、プラズマディスプレイの観察側から順に、反射防止層14、粘着剤層13a、近赤外線吸収層15、粘着剤層13、耐衝撃性層11、粘着剤層13b、基材シート16、および電磁波遮蔽層17が積層された積層構造を有するものであり、貼り付ける前の状態としては、好ましくは、さらに、電磁波遮蔽層17の下層に貼り付け用の粘着剤層2およびは剥離性シート(図示せず。)が積層されたものであってもよい。
反射防止層14は、外光を散乱もしくは拡散させて、外光の光源や外光によって生じた像を見えにくくさせるものであって、層14の光の入射面の粗面化を行なって構成することができ、この粗面化は、サンドブラスト法やエンボス法等により、反射防止層の基体となるものの表面を粗面化する方法、シリカなどの無機フィラーや樹脂粒子などの有機フィラーを含有させた塗料を基体に塗布する方法、もしくは基体の表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法等によって行なうことができる。
反射防止層14はまた、SiO2等の低屈折率層とTiO2、ZrO2等の高屈折率とを交互に積層することによっても形成でき、蒸着等の気相法のほか、ゾルゲル法によっても形成することができる。
粘着剤層13は、先に説明した接着性層が粘着剤である場合に相当する。粘着剤層13以外の粘着剤層(図3に示す例では、符号13aおよび13bで示す。)は、基本的な構成に加えられてもよい各層を積層するためのもので、適宜な粘着剤を用いて構成するほか、市販の両面粘着テープを用いて構成することもできる。
防眩層は、ディスプレイの画像が画面の特定の位置で、高い輝度を持つ線状、帯状等の部分が生じるシンチレーションを緩和するためのもので、例えば、透明性樹脂中に透明性樹脂との屈折率差が0.01〜0.5である光拡散剤が分散したもの等で構成される。
防汚染層は、最表面に設けられ、ごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着した場合に除去を容易にするよう設けるものであり、他の層の機能、例えば反射防止層の透明性や反射防止機能を低下させない範囲で、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く、光学性能を変えない程度に塗布し形成する。あるいは、恒久的な層として形成してもよい。
近赤外線遮蔽層15、ネオン遮蔽層、および色調調整層は、別の層として設けてもよいが、接着性層13や、他の各層を接着させるための粘着剤層13a、もしくは13b等に近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素、もしくは色調調整用色素を含有させることにより、接着性層13、または粘着剤層13aもしくは13b等と兼ねた層として構成することができる。
電磁波遮蔽層17は、プラズマディスプレイ等から発生した電磁波を遮蔽する機能を有するものであって、代表的には、銅等の金属箔がメッシュ状にエッチングされて構成されたもので、通常、メッシュの観察側が酸化クロム等により黒化処理されている。ポリエステルフィルム等に銅箔をラミネートした後、エッチングして得られるため、通常、フィルム等の基材シート16によって裏打ちされて構成されたものである。
基材として厚みが100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績(株)製、品番;「A4300」、両面易接着処理品)を準備し、耐衝撃層としては、厚みが1200μmの低密度ポリエチレン樹脂シート(日本ポリエチレン(株)製、商品名;「カーネルKS340T)を準備し、低密度ポリエチレン樹脂シートの接着予定面側に、放電エネルギー;40000J/m2、電極間距離;1mmの条件でコロナ処理を施し、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とからなるウレタン系接着剤(主剤;三井武田ケミカル(株)製、品番;「A−310」および硬化剤;同社製、品番;「A−10」、主剤/硬化剤/溶剤=12/1/4(質量比)の配合)を用いて貼り合わせ、貼り合わせ後、温度;45℃で5日間、エージング(養生)を行なった。得られた積層シートの剥離強度は50N/mであった。
実施例1と同様に、ただし、接着剤層の厚みを変え、剥離強度の異なる積層シートを数種類作成した。得られた数種類の積層シート、および実施例1で得られた積層シートの各々を、プラズマディスプレイパネルの前面板の表面に粘着剤を用いて貼り付けた試料を用いて、耐衝撃性試験を行なった。
耐衝撃試験は、図4に示す衝撃試験装置を用いて行い、SUS製の土台上に、上面に本発明のガラス保護用シートを貼り付けたプラズマディスプレイ(PDP)パネルを設置し、所定の高さから直径50.8mmの鋼球(質量534g)(JIS B1501 玉軸受用鋼球に規定されたもの)を落下させたときの、破壊エネルギーを測定した。結果を下記の「表1」および「表2」に示す。結果の表示における「○○」は2回の耐衝撃性試験のいずれにおいてもPDPパネルが割れないことを示し、「●●」は2回の耐衝撃性試験のいずれにおいてもPDPパネルが割れることを示す。「表1」および「表2」に示すように、層間の剥離強度が100N/m以上では、耐衝撃性に差が見られなかった。
1……ガラス保護用シート
2……貼り付け用粘着剤層
3……ディスプレイの前面ガラス
11……第1の透明樹脂層
12……第2の透明樹脂層
13……接着性層
14……反射防止層
15……近赤外線吸収層
16……基材シート
17……電磁波遮蔽層
2……貼り付け用粘着剤層
3……ディスプレイの前面ガラス
11……第1の透明樹脂層
12……第2の透明樹脂層
13……接着性層
14……反射防止層
15……近赤外線吸収層
16……基材シート
17……電磁波遮蔽層
Claims (7)
- 耐衝撃性層である第1の透明樹脂層、および高せん断弾性率を有する第2の透明樹脂層が積層されており、前記第1の透明樹脂層と前記第2の透明樹脂層との間の剥離強度が50N/m以上であることを特徴とするガラス保護用シート。
- 前記剥離強度が100N/m以上であることを特徴とする請求項1記載のガラス保護用シート。
- 前記第1の透明樹脂層のせん断弾性率が常温(25℃)で1×104Pa〜5×107Paであり、前記第2の透明樹脂層のせん断弾性率が1×108Pa以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス保護用シート。
- 前記第1の透明樹脂層と前記第2の透明樹脂層が接着性層を介して積層されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載のガラス保護用シート。
- 前記第1もしくは第2の透明樹脂層が、近赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽性層、色調調整層、ネオン光遮蔽層、反射防止層、防眩層、防汚染層、対象物への貼り付け用の粘着剤層、もしくは粘着剤層保護用の剥離シートのうちの1種もしくは2種以上を伴なうものであり、ディスプレイの前面ガラスに貼り付けるためのものである請求項1〜請求項4いずれかのガラス保護用シート。
- 前記接着性層が色調調整するための色素、もしくはネオン光透過率を低減させるための色素を含むものであり、ディスプレイの前面ガラスに貼り付けるためのものである請求項5記載のガラス保護用シート。
- 請求項5または請求項6記載のガラス保護用シートをディスプレイの前面ガラスに積層したことを特徴とするディスプレイ。
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Effective date: 20061212 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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