JP2005192521A - 部分分解重合性タンパク質からなる造血幹細胞を含む未熟な血液細胞(hsc)の増殖促進用支持体およびその支持体を使用したhscの製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】微量に存在する造血幹細胞を含む未熟な血液細胞(hematopoietic stem cells以下、HSCと書く)を効果的に増殖させる新規なHSC増殖促進用支持体およびその支持体を使用して効果的にHSCを増殖製造する方法を提供する。
【解決手段】重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性の細胞外マトリックス(extracellular matrix以下ECMと書く)タンパク質からなることを特徴とするHSCの増殖促進用支持体。重合性ECMタンパク質を部分的に分解し、タンパク質の重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質を得て、それをクロット(血液中の血球成分を除いて得られる血漿を凝固させたもの)に添加したものをHSC増殖促進用支持体として使用しHSCを含む血液細胞を培養し、HSCを増殖製造することを特徴とするHSCの製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性の細胞外マトリックス(extracellular matrix以下ECMと書く)タンパク質からなることを特徴とするHSCの増殖促進用支持体。重合性ECMタンパク質を部分的に分解し、タンパク質の重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質を得て、それをクロット(血液中の血球成分を除いて得られる血漿を凝固させたもの)に添加したものをHSC増殖促進用支持体として使用しHSCを含む血液細胞を培養し、HSCを増殖製造することを特徴とするHSCの製造方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は造血幹細胞を含む未熟な血液細胞(hematopoietic stem cells 以下HSCと書く)の増殖促進用支持体およびその支持体を使用したHSCの製造方法に関し、さらに詳しくは重合能を残しかつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質からなることを特徴とするHSC増殖促進用支持体およびその支持体を使用したHSCの製造方法に関する。
血液細胞として先ず赤血球、白血球、血小板があげられるが、それらの発生を造血芽細胞(hemangioblast)さらに造血幹細胞を含む未熟な血液細胞(hematopoietic stem cells 以下HSCと書く)まで辿れば血管内皮細胞や骨系細胞も含まれる(非特許文献1)。HSCは微量であるが骨髄、末梢血、臍帯血に含まれており、成熟血液細胞が不足すればHSCが増殖、分化して成熟細胞となって補給される。しかし再生不良性貧血、白血病では正常な血液細胞が補充されないので治療が必要である。それらの治療法として最も期待されるのがHSC移植である。先に挙げた再生不良性貧血、白血病だけではなくリンパ腫、固形癌や遺伝子病にまでHSC移植治療が現在実施されよい生存率をあげているのは周知の事実である。しかしこの治療法はHSCが骨髄や血液に微量しか存在しないと言うだけではなく、患者に対する組織適合性血液が必要という難点がある。臍帯血は一人当り約50-100ml量なので、含まれるHSC量は少ない。もし骨髄採取と違って身体に対する侵襲の少ない臍帯血中のHSCを効果的に増殖することができるならば、多くの人達が画期的な治療法を受けられるようになる。従って微量に存在するHSCを効率的に増殖させる方法・技術が必要である。
細胞は一般に滅菌状態、37℃の5%CO2インキュベータで、適当な培地(メジウムとも言われる)中で培養する。効果的なHSC増殖法として1)血液細胞培地に種々の成長因子(growth factors、例えばエリスロポエチン)、刺激因子 (stimulating factors、例えば顆粒球コロニー刺激因子、GCSF、 granulocyte colony stimulating factor)、 (inhibitory factors、例えば白血病阻止因子、 LIF、 leukemia inhibitory factor) (cytokines、例えばインターロイキン、 IL、 interleukins)等を添加すればシグナル伝達により増殖作用を惹起することが報告されている。さらに2)血液細胞培養を行う器材、例えばポリスチレン表面は細胞マトリックスとなるので、種々表面処理をしたり、細胞増殖に作用するような支持物質、例えばコラーゲンを塗布したり添加する方法が取られている。
血液中から血球成分を除いて得られる血漿を凝固させればクロット(clots) が得られ、従来そのクロットがHSC増殖の培養支持体として有効であることは知られていた。血漿中の主な重合性タンパク質はフィブリノーゲンである。フィブリノーゲンを処理して得たフィブリン・モノマーからなる細胞培養支持体では、細胞播種直後では細胞増殖が認められたが、数日以上の長期培養では幹細胞関連細胞は伸展して分化してしまい、結局細胞死に至り幹細胞関連細胞の増殖は認められなかった。
本発明は前述の従来の技術2)の改良技術に関するものであり、本発明者は細胞分化を抑制し、細胞死を抑制するために、重合能を残しかつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のフィブリノーゲンを利用することに着目し、鋭意研究の結果本発明を完成したものである。
エフ・オー・バーテル(F.O.Bartel)、ティー・樋口(T.Higuchi)、ディー・ディー・スピロプーロス(D.D.Spyropoulos)著「オンコジン(Oncogene)」(英国)2000年、第19巻6443頁
エフ・オー・バーテル(F.O.Bartel)、ティー・樋口(T.Higuchi)、ディー・ディー・スピロプーロス(D.D.Spyropoulos)著「オンコジン(Oncogene)」(英国)2000年、第19巻6443頁
本発明は、微量に存在するHSCを効果的に増殖させる新規なHSC増殖促進用支持体およびその支持体を使用して効果的にHSCを増殖製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は、重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質からなることを特徴とするHSC増殖促進用支持体に関する。また本発明は重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質がフィブリノーゲン フラグメントXであるHSC増殖促進用支持体に関する。また本発明は、重合性ECMタンパク質を部分的に分解し、タンパク質の重合能を残し細胞接着性を低下させて、部分分解重合性のECMタンパク質を得、それをHSC増殖促進用支持体に使用して、HSCを含む血液細胞を培養しHSCを増殖することを特徴とするHSCの製造方法に関る。
また本発明は重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質をクロット(血液中の血球成分を除いて得られる血漿を凝固させたもの)に添加し、それをHSC増殖促進用支持体として使用することを特徴とする請求項3記載のHSCの製造方法に関する。
本発明の「重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた」状態は、ECMタンパク質を特異な酵素や化学処理により軽度に分解した段階で、種々の酵素阻害剤を添加して止めることで得られる。
ECMタンパク質の部分分解酵素としては、プラスミンのほか一般的にタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が利用可能である。例えばカルボキシペプチターゼ等の種々ペプチド加水分解酵素やトリプシン、ペプシン、キモトリプシンまた果汁に含まれるパパイン、酵母や細菌のストレプトキナーゼ等のようなプロティナーゼが挙げられる。一方弱塩基等の化学処理によりタンパク質を軽度に加水分解しても、重合能を保持して細胞接着性を低下させることができる。
酵素阻害剤としては多くの天然ならびに合成のものが存在するが、本発明は医療目的を達成するためになされるものであるため、生体に残存しない安全なものが望ましい。本発明で使用した酵素プラスミンの阻害剤としてのアプロチニンのほか、プロテアーゼ阻害剤として例えばロイペプチン、アンチパイン、キモスタチン、エラスタチナール等が本発明の酵素反応停止に利用できる。重金属を含んでいる阻害剤や付加逆酵素阻害剤は有毒であるが、タンパク質加水分解反応を溶液状態ではなく、固定化することにより反応後分離できるならば阻害剤として使用できる。
本発明の部分分解フィブリノーゲンは、分子量が34万のフィブリノーゲンよりわずかに低い28.5−24万であるフィブリノーゲン・フラグメントX(fibrinogen fragments X以下FXと書く) およびさらに分解された分子量15万のフィブリノーゲン・フラグメントY(fibrinogen fragments Y以下FYと書く)であり、フィブリノーゲンを酵素プラスミンで重合能を保持できるほど軽度に部分分解を行い、細胞接着モチーフであるアミノ酸配列(アルギニン残基・グリシン残基・アスパラギン酸残基・セリン残基、簡略記号はRGDSと書く)を含む部分を、フィブリノーゲン・アルファー鎖から除去して得られる。反応停止には酵素プラスミンの阻害剤としてアプロチニンを使用した。
本発明に用いる細胞接着性の重合性マトリックス・タンパク質にはフィブリノーゲンだけではなくフィブロネクチン、コラーゲンがあげられる。さらにトロンボスポンジン、ラミニン、ビトロネクチン、テネイシン、エラスチン、エンタクチン、ゼラチン、vWF(von Willebrand Factor)等もそれらに結合するのでタンパク質重合に関与して細胞接着性モチーフを持つECMタンパク質として挙げられる。種々型のコラーゲンやフィブロネクチンは元々繊維形成性であり、言い換えれば重合能を持っている。細胞接着部位はアルギニン残基を含むのでそれに酵素または化学処理を施すと軽度の分解作用をするものと推定できる。一方コラーゲンやフィブロネクチンの重合および凝集部位もまた、複数のアミノ酸残基からなる複雑な立体構造をとっていると考えられる。したがって重合能を保持させる必要から、酵素および化学的処理による軽度な加水分解段階で反応を止めることにより本発明の部分分解処理の目的は達成される。
本発明の部分分解重合性のECMタンパク質は、クロットに添加または単独でHSC増殖促進用支持体として使用できる。
上記重合性タンパク質の部分分解物をクロットに添加しないで単独で細胞支持体としてHSC培養に利用する場合、フィブリン、I型コラーゲン、ポリスチレンと大差ない細胞増殖を示すことが推定されるが、クロット支持体を利用できない無血清培養では、上記重合性タンパク質の部分分解物を血液細胞増殖支持体として利用することは細胞死抑制効果があること、また種々成長因子やサイトカインを有効に結合させると考えられるので血液細胞増殖に有効と考えられる。
従来のHSC細胞増殖法による細胞培養支持体では、細胞播種直後では細胞増殖が認められるが、数日以上の長期培養ではHSCは伸展して分化してしまい、細胞は死んでゆく。本細胞培養支持体を利用するならば、細胞分化並びに細胞死を抑制することにより細胞増殖を効果的に促進できる。
効果的なHSC増殖ができれば微量のHSCしか採取できなくても増殖して、医療への実用化が可能となる。例えば、身体に対する侵襲の少ない臍帯血は一人当り約50-100mlの量なので、そこから採取できるHSC量は少ないが、本発明のHSC培養によって治療に必要な量が増殖可能になる。
そしてHSC移植に必要な量が確保できれば、種々の疾患治療に役立ち、例えば再生不良性貧血、白血病、骨髄種、リンパ腫、乳がんのような固形癌、自己免疫疾患、遺伝子病等の治療に利用できる。もし身体に対する侵襲の少ない臍帯血中のHSCを効果的に増殖することができるならば、多くの人達がその治療法を受けられるようになる。バンク保存の臍帯血が多くなりHSC増殖が可能になれば、HSC移植時に問題となる組織適合性の低確率という困難も乗り越えられると考えられ、従って微量に存在するHSCを効率的に増殖させ方法・技術が待望されており、本発明は当分野に多大な貢献をなすものである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
1.ヒト臍帯血由来単核球細胞(mononuclear cells、以下 MNCと書く)の採取とクロット・マトリックスの効果
ヒト臍帯血をハンクス緩衝溶液で約2倍容量に希釈後、フィコール・ハイパーク溶液に重層して遠心、即ち比重遠心分離法で白層のMNCを分離した。20%ウシ血清を含むIMDM培地(Iscove's 改良ダルベッコ・メジウム)で一夜培養しさらに比重遠心分離法を行い、赤血球を分離除去し、精製した。MNC播種後、種々細胞支持体タンパク質を添加した。本MNCは蛍光標識抗CD34抗体染色し、CD34に陽性であることを認めた。
ヒト臍帯血をハンクス緩衝溶液で約2倍容量に希釈後、フィコール・ハイパーク溶液に重層して遠心、即ち比重遠心分離法で白層のMNCを分離した。20%ウシ血清を含むIMDM培地(Iscove's 改良ダルベッコ・メジウム)で一夜培養しさらに比重遠心分離法を行い、赤血球を分離除去し、精製した。MNC播種後、種々細胞支持体タンパク質を添加した。本MNCは蛍光標識抗CD34抗体染色し、CD34に陽性であることを認めた。
細胞支持体の作製はウシ貧血小板血漿に微量の0.38M CaCl2を添加してクロットを形成させた。ウシI型コラーゲンおよびウシ由来フィブリン・モノマーは水酸化カリウム水溶液を各々微量添加して各タンパク質のゲルを形成させた。IV型コラーゲンはゲルを形成しなかったが、中和させるために微量の水酸化カリウム水溶液を添加した。
図1にはI型コラーゲン・ゲル、IV型コラーゲン、クロットの細胞支持体を用いた時の7日間のMNC培養結果を示している。クロットの全細胞密度はI型ならびにIV型コラーゲンに較べ大差は無いが、特に小面積の細胞数に限れば顕著にクロットでは高値になり血液細胞支持体として優れていることがわかる。
2.重合性ECMタンパク質の部分分解法
ヒト・フィブリノーゲン(Kabi、 スエーデン)1g、27mM 塩化カルシウム、 0.3M 塩化ナトリウム、 4.3mgメチオレートを含む反応溶液47.3 mlにストレプトキナーゼ(ベーリング、ドイツ)0.1 ml、 1万単位を加えてプラスミン分解を37℃、60分行った。プラスミン分解反応をアプロチニン(バイエルン、ドイツ)1万単位、1mlを添加して停止した。反応溶液をセファロースCL6Bカラム(ファルマシア、スエーデン、4.9 cm2x170 cm)をとおし、流速1.5ml/ml でプラスミン分解産物を分けた。この条件ではFX、さらにプラスミン分解が進んだFYも得られた 。
ヒト・フィブリノーゲン(Kabi、 スエーデン)1g、27mM 塩化カルシウム、 0.3M 塩化ナトリウム、 4.3mgメチオレートを含む反応溶液47.3 mlにストレプトキナーゼ(ベーリング、ドイツ)0.1 ml、 1万単位を加えてプラスミン分解を37℃、60分行った。プラスミン分解反応をアプロチニン(バイエルン、ドイツ)1万単位、1mlを添加して停止した。反応溶液をセファロースCL6Bカラム(ファルマシア、スエーデン、4.9 cm2x170 cm)をとおし、流速1.5ml/ml でプラスミン分解産物を分けた。この条件ではFX、さらにプラスミン分解が進んだFYも得られた 。
3.マウス骨髄芽球様白血病細胞、M1増殖とFX添加マトリックス
以下ヒト血液細胞の代わりにマウス骨髄芽球様白血病細胞、M1細胞(市川康夫著、「ウィルス学の進展」(日本)、1971年、P40,道下エム(Michishita M)、吉田ワイ(Yoshida Y)、内野エイチ(Uchino H)、永田ケイ(Nagata K)著、「ジェイ.バイオロ.ケム(J.Biol.Chem)」(米国)、1990年、第265巻、P8751)を用いた本発明の実施例を示す。M1細胞は骨髄由来の血液細胞の一種であり、抗CD34抗体が結合し、細胞凝集体コロニーを形成する。またサイトカインの刺激によりマクロファージに分化する。
以下ヒト血液細胞の代わりにマウス骨髄芽球様白血病細胞、M1細胞(市川康夫著、「ウィルス学の進展」(日本)、1971年、P40,道下エム(Michishita M)、吉田ワイ(Yoshida Y)、内野エイチ(Uchino H)、永田ケイ(Nagata K)著、「ジェイ.バイオロ.ケム(J.Biol.Chem)」(米国)、1990年、第265巻、P8751)を用いた本発明の実施例を示す。M1細胞は骨髄由来の血液細胞の一種であり、抗CD34抗体が結合し、細胞凝集体コロニーを形成する。またサイトカインの刺激によりマクロファージに分化する。
5%ウマ血清、5%ウシ胎児血清、ストレプトマイシン(100 mg/ml)およびペニシリンG (200 ユニット/ml) を含むDMEM培地でM1細胞を培養した。図2はM1細胞のコロニー様凝集体ならびにギムザ染色を示す。
表1はM1細胞を各支持体で2日間培養後の細胞密度を示す。
細胞培養用ポリスチレン容器をコントロールとして、M1細胞をクロット中で2日間培養すると、細胞密度は1.8倍高い結果を得た。PPP(platelets poor plasma、 ウシ貧血小板血漿)中、推定フィブリノーゲン量34 mg/cm2に対して、F X(31mg/cm2)あるいはFY(44mg/cm2)を混合した。FX添加では1.36倍、FYでは1.18倍の増殖が認められた。
細胞培養用ポリスチレン容器をコントロールとして、M1細胞をクロット中で2日間培養すると、細胞密度は1.8倍高い結果を得た。PPP(platelets poor plasma、 ウシ貧血小板血漿)中、推定フィブリノーゲン量34 mg/cm2に対して、F X(31mg/cm2)あるいはFY(44mg/cm2)を混合した。FX添加では1.36倍、FYでは1.18倍の増殖が認められた。
図3は、M1細胞を3日間培養した時の種々ゲル支持体による増殖効果を示す。細胞培養用ポリスチレン容器をコントロールとして、クロット、フィブリン、I型コラーゲンゲル(CoI)のそれぞれに、無添加(−)、FX添加(+X)、FY添加(+Y)したゲル支持体中で、M1細胞を3日間培養すると、クロットに対してFXでは1.43倍になり、FYでは0.65倍であるが、コントロールのポリスチレン・ディッシュよりも顕著に高い。
以上はM1細胞を用いた結果であるが、 FXおよびFYのような部分分解重合性タンパク質を細胞支持体として血液細胞増殖に使用することを特徴とする新規な本発明は、従来法の細胞支持体を使用するよりも増殖効果が高く、HSC細胞製造に大いに有効であると考えられる。
−(無添加、白で示す)、+X(FX添加、網で示す)、+Y(FY添加、斜め縞で示す)、クロット(b―ppp、牛貧血小板血漿)、フィブリン、CoIゲル(I型コラーゲンゲル)、PS(ポリスチレン)
Claims (4)
- 重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性の細胞外マトリックス(extracellular matrix以下ECMと書く)タンパク質からなることを特徴とする造血幹細胞を含む未熟な血液細胞(hematopoietic stem cells以下HSCと書く)の増殖促進用支持体。
- 重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質がフィブリノーゲン フラグメントXである請求項1記載のHSC増殖促進用支持体。
- 重合性ECMタンパク質を部分的に分解し、タンパク質の重合能を残し細胞接着性を低下させて、部分分解重合性のECMタンパク質を得、それをHSC増殖促進用支持体に使用して、HSCを含む血液細胞を培養しHSCを増殖することを特徴とするHSCの製造方法。
- 重合能を残し、かつ細胞接着性を低下させた部分分解重合性のECMタンパク質をクロット(血液中から血球成分を除いて得られる血漿を凝固させたもの)に添加し、それをHSC増殖促進用支持体として使用することを特徴とする請求項3記載のHSCの製造方法。
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