JP2005190845A - 電池電源装置 - Google Patents

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英夫 門井
Toshihiro Takimoto
利宏 瀧本
Hiroichi Takayanagi
博一 高柳
Kinichi Ozawa
欣一 小澤
Hiromichi Takahashi
弘道 高橋
Hitoshi Wake
仁志 和気
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Abstract

【課題】 互いに直列に接続された複数個の電池と、前記複数個の電池のそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオードとを備えた電池電源装置において、負荷となる回路の状態によっては、過大なる電流によりダイオードが破壊され、ひいては直列に接続した複数の電池の性能のバラツキ等により、転極の状態が発生し、電池の漏液、破裂が起こる場合がある。
【解決手段】 前記ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいダイオードであることを特徴とする電池電源装置。
【選択図】 図1。

Description

本発明は、複数の電池を直列に接続して構成される電池電源装置に関連するものであり、電池の性能のバラツキによる場合や、一部または全部の電池を誤って正極と負極を逆に接続してしまった場合等の機器の損傷や電池の不具合の発生等を防止するための電池電源装置に関する。
電池を電源として用いる機器は多種多様に渡る。使用者が手に把持して使う機器としては、例えば、筆記する際の照明を意図して光源(LED)を装着した筆記具や、予め筆圧の範囲を設定し複数枚綴りの複写用紙に適切な筆圧で筆記できる様に筆圧を感知するセンサーを設けた筆記具等が知られている。また、実開昭61−95583公報に記載されている、筆記した時の雑音を電気的に変換し、ランプの点滅、イルミネーションなど光電装置のスイッチやブザー、メロディーなどの音響装置のスイッチとして、又は光電装置、音響装置、電動装置を組み合わせた玩具として利用するものも知られている。
使用者が把持して使う筆記及び/又は塗布及び/又は消去機能を有する機器及び/又は手書き電子入力の機能を有する機器では、使用者が手に持って紙やタブレット等の手書き電子媒体に筆記したり、紙等の媒体へ塗布したり、紙等の媒体に筆記された筆跡やタブレット等の手書き電子媒体上の筆記データを消去したり、使用者の把持具合や使用者が把持して動かした際の座標もしくは移動情報などを検出したりするため、特に小型化が要望される。これらの装置においては、大きさ上の制限により、電池電源装置の装着が機能設計上の大きな障害となる。したがって、一般的に電池としても小型のボタン電池が、複数個直列に接続して使用される。
一方、複数の電池を直列に接続した際、電池の性能のバラツキ、即ち、その電池の内部抵抗や容量の大小によって、直列を構成する一方の電池が他方の電池により強制的に放電され、その放電した電池の正極端子の電圧がマイナスになってしまう電池の転極の状態が発生することが知られている。例えば、新しい電池と古い電池とを混用したり、異なる種類の電池を混用したりする場合には、この転極が発生し易い。この転極が発生した電池では、漏液、発熱、破裂の可能性がある。また、電池交換において、一部の電池を誤って正極と負極を逆に接続しても、この電池の漏液、発熱、破裂の可能性がある。さらに、一部の電池または全部の電池を誤って正極と負極を逆に接続した場合には、機器へ損傷を与える可能性がある。
この問題を解決するために、例えば、特開平8−242545号公報に記載されているように、乾電池電源装置において、全ての乾電池に正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように、いわゆる逆流阻止用のダイオードを並列接続することが知られていた。
実開昭61−95583号公報 特開平8−242545号公報
しかし、この逆流阻止用のダイオードを各々の電池に並列接続しても、負荷となる回路の状態によっては、過大なる電流によりダイオードが破壊され、ひいては直列に接続した複数の電池の性能のバラツキ等により、直列を構成する一方の電池が他方の電池により強制的に放電され、その放電した電池の正極端子の電圧がマイナスになってしまう電池の転極の状態が発生し、電池の漏液、発熱、破裂が起こる場合があるといった問題があった。特に、電池がボタン電池である場合には、その構造的原因により、危険性が高いものである。
本発明は、転極が発生した電池の、漏液、発熱、破裂の可能性の回避と、電池交換における一部の電池を誤って正極と負極を逆に接続した際の、この電池の漏液、発熱、破裂の可能性の回避と、一部の電池または全部の電池を誤って正極と負極を逆に接続したときに機器への損傷を与える可能性の回避とのために、全ての電池に正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるようにダイオードを並列接続する際、使用するダイオードの順方向最大定格電流が、電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいダイオードを使用して、電流を流せるようにするものである。
すなわち、互いに直列に接続された複数個の電池と、前記複数個の電池のそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオードとを備えた電池電源装置において、前記ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいダイオードであることを特徴とする電池電源装置を第1の要旨とし、前記ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流の少なくとも1.2倍以上であることを特徴とする電池電源装置を第2の要旨とし、前記電池はボタン電池であることを特徴とする電池電源装置を第3の要旨とし、前記電池電源装置において、筆記及び/又は塗布及び/又は消去機能を有する機器及び/又は手書き電子入力の機能を有する機器に接続し使用されることを特徴とする電池電源装置を第4の要旨とする。
本発明に係る電池電源装置は、複数の電池を直列に接続して、電池の性能のバラツキによる場合や、一部または全部の電池を誤って正極と負極を逆に設置してしまった場合等の機器の損傷や電池の不具合の発生等を回避できる。
特に危険性の高いボタン電池を複数個直列に接続し電池電源として、使用者が把持して使う筆記及び/又は塗布及び/又は消去機能を有する機器及び/又は手書き電子入力の機能を有する機器に接続して用いても、電池の性能のバラツキによる場合や、一部または全部の電池を誤って正極と負極を逆に設置してしまった場合等の機器の損傷や電池の不具合の発生等を回避できる。
本発明による電池電源装置の構成は、複数の電池を直列に接続して、複数個の電池のそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオードからなる。そして、一つの電池を誤って正極と負極を逆に接続したと仮定したときその電池と対になるダイオードの順方向電位差の特性は、電池の単体時の終止電圧未満で順方向電位差が発生するダイオードであることが必要である。また、このときダイオードに流れる電流は、電池の電圧と、電池の終止電圧未満でのダイオードの順方向電位差との差を、電池の内部抵抗で割って得られる電流値の電流であり、この電流値以上の電流に耐え得るダイオードであることが必要である。つまり、ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電流値以上であることが必要であり、電池の内部抵抗のバラツキと、ダイオードの寿命と安全性を考慮すると、ダイオードの順方向最大定格電流には、前記電流値の1.2倍以上にすることが必要である。特に、ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電流値の1.4倍以上であれば、問題を完全に回避できて好ましい。
以下、本発明を、リラックス感誘導装置を具備した筆記具に接続して用いた実施例によって具体的に説明するが、本発明は電池電源装置を有する広汎な装置に関して適用可能であり、本実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
また、本発明は、使用者が把持して使う筆記及び/又は塗布及び/又は消去機能を有する機器及び/又は手書き電子入力の機能を有する機器に接続して用いる電池電源装置として、特に最適である。使用者が把持して筆記するものの例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具、えのぐ、化粧料、接着剤を塗布する塗布具、又消去機能を持つものでは軸筒内から繰り出し可能な消し具等が挙げられる。また、手書き電子入力の機能を有する機器の例としては、座標入・出力ペンなどや光、超音波を利用した筆跡入力装置に使用する手書き電子ペン、コンピュータのマウス、携帯情報端末等が挙げられる。
尚、本発明の電池電源装置は、電池の正極と負極を間違えて逆に挿入することのないように形状等により種々の工夫がなされた電池ボックスと組み合わせて用いられることにより、更にその効果を高めることが出来るものである。
本実施例を、添付図面を参照して説明する。図1は、本実施例による電池電源装置13とリラックス感誘導装置14を具備した筆記具からなる模式的回路図であり、図2は、一つの電池を誤って正極と負極を逆に接続した電池電源装置13とリラックス感誘導装置14を具備した筆記具からなる模式的回路図である。本実施例になるリラックス感誘導装置14を具備した筆記具は、所定の振動を発生する部位を持ち、電池電源装置13を装着して一体となった状態で、使用者が把持して及び/又は身につけて使用可能な外観を持つものが好ましい。ここで使用する電池の種類は、アルカリボタン電池LR41という電池を使用する。
まず図1では、電池電源装置13は、電池7、8、9を直列に接続し、電池7、8、9のそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオード10、11、12より構成されている。これらのダイオードの順方向最大定格電流は、電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいものである。そして、この電池電源装置13より、筆記具の形態をなしたリラックス感誘導装置14に電源供給をする。
ここでリラックス感誘導装置14を説明すると、ワンチップ・マイクロコントローラ1(以下マイコンと表記する)は、所定の振動パターンを生成して振動モータ3を駆動し、また、所定の表示パターンを生成して抵抗5を介してLED6も駆動する。電源スイッチ2は、使用者の操作により、電池電源装置13からリラックス感誘導装置14内の各部品への電源供給を制御する。入力スイッチ4は、振動モータ3の振動のパターンとLED6の表示パターンとを切り替えるのに使用する。使用者が電源スイッチ2をオンにすることにより、電池電源装置13からリラックス感誘導装置14の各部品への電源を供給し、使用者が筆記具の形態をなしたリラックス感誘導装置14を把持している及び/又は身につけている状態で、使用者に振動モータ3からのリラックス感を与える振動パターンを発生させ、かつ、使用者が筆記具の形態をなしたリラックス感誘導装置14を目視している状態で、使用者にLED6からのリラックス感を与える点灯パターンを発生させる。
ここで図1に使用している電池7、8、9は、アルカリボタン電池LR41を使用している。このアルカリボタン電池LR41の特性は、正極に二酸化マンガン、負極に亜鉛を用いた1.5V系の一次電池あり、電解液には水酸化カリウムを用いており、いわゆる水溶液の電池である。そのため充電すると、電池電圧が上昇し水の電気分解が起こり、そのときに発生する水素、酸素によりガスが発生し、電池内圧が上がり破裂に至ることになる。また、アルカリボタン電池LR41の終止電圧は1.2Vである。
もし、図1に、ダイオード10、11、12が配置されていない場合では、どうだろうか。直列に接続された電池7、8、9に新品のアルカリボタン電池LR41を使用しても、容量、内部抵抗のバラツキにより、3個の内の弱い個体(内部抵抗が大きく、容量が小さい)が強い個体にいじめられる形で、3個直列の電圧が0Vになるように弱い個体で転極(+と−が逆転)が発生する。すなわち、充電状態と同じ状態が発生する。そして、そのとき強い2個の電池の電圧がそれぞれ1.5Vであると、弱い電池は最大−3Vまで低下するので、この状態で電池内部にガスが発生し破裂に至ることになる。ここで電池内部にガスが発生する条件としては、電池の電圧が、−1.23V以下になるときである。
この転極を防ぐため、直列に接続された電池7、8、9にそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオード10、11、12が配置され、これらのダイオードによって、電池電圧がマイナスになることを防ぎ、即ち転極を防止することができる。
図2では、図1の構成における電池電源装置13に配置されている電池8を誤って正極と負極とを逆に接続した図であり、電池8を逆に接続した電池を電池82としている。この場合、ダイオード11によって電池82の電流が消耗され、且つダイオード11の順方向最大定格電流は、電池82の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいものであるため、ダイオードが破壊されることもなく、電池内部にガスが発生してフクレたり破裂することもなかった。
もし、図2の電池電源装置13に、ダイオード10、11、12が、配置されていない場合、電池82には、電池7と電池9の電圧がそれぞれ1.5Vであると、最大−3Vまで低下するので、この状態で電池内部にガスが発生し破裂に至ることになる。
ここでアルカリボタン電池LR41の内部抵抗を100個サンプリングして計測した。計測方法としては、まず、単体でのアルカリボタン電池LR41の電圧値を電圧計で計測する。次に、抵抗値が既知の抵抗器とアルカリボタン電池LR41を単体で接続し、その抵抗に流れる電流値を電流計にて計測し、かつ、アルカリボタン電池LR41の電圧値を電圧計にて計測する。そして、この計測した結果より、アルカリボタン電池LR41の単体での電圧値より、抵抗器を接続したときのアルカリボタン電池LR41の電圧値を引き、この引いた結果を電流計で計測した電流値にて割ることによりアルカリボタン電池LR41の内部抵抗が算出できる。この計測方法を採用して、アルカリボタン電池LR41を100個サンプリングした結果、最小5.8Ω、最大8.1Ω、平均6.73Ωというアルカリボタン電池LR41の内部抵抗の値を得た。
そして、計測したアルカリボタン電池LR41の内部抵抗値の値をもとに、アルカリボタン電池LR41にあった条件のダイオード10、11、12を検討してみる。図3のように、図1より転極になった1組のアルカリボタン電池LR41とダイオードと取り出し、その等価回路となるように、アルカリボタン電池LR41の正極端子にダイオードのアノードを、負極端子にダイオードのカソードを接続した場合を想定してみた。
ここで、アルカリボタン電池LR41の単体での出力電圧は、1.5Vであり、終止電圧は、1.2Vであることが、知られている。このことより、ダイオードの順方向電位差の特性は、電池の単体時の終止電圧未満で順方向電位差が発生するダイオードであることが必要である。そのため、0.8Vで順方向電位差が発生するダイオードを仮定し、また、アルカリボタン電池LR41から、1.5Vを出力すると仮定する。その結果、アルカリボタン電池LR41の内部抵抗にかかる電圧値は、アルカリボタン電池LR41の出力電圧値1.5Vよりダイオードの順方向電位差0.8Vを引いた値0.7Vが得られる。これより内部抵抗に流れる電流値は、アルカリボタン電池LR41の内部抵抗にかかる電圧値0.7Vを、計測した内部抵抗値の平均値6.73Ωで割ると、0.104Aの電流がダイオードに流れる。同様に、計測したアルカリボタン電池LR41の内部抵抗値の最小5.8Ω、最大8.1Ωのときに、最大0.121A、最小0.086Aの電流がダイオードに流れる。すなわち、アルカリボタン電池LR41の内部抵抗が平均値6.73Ωのときにダイオードに流れる電流0.104Aと、内部抵抗が最小5.8Ωのときにダイオードに流れる最大電流0.121Aを比較すると1.16倍の電流が流れる。これらのことより、ダイオードの寿命と安全性を考慮すると、ダイオードの順方向最大定格電流は、アルカリボタン電池LR41の内部抵抗値の平均値6.73Ωのときの電流値の1.2倍以上が必要であり、このことよりダイオードの順方向最大定格電流0.125A以上が必要になる。
以上より、アルカリボタン電池LR41にあった条件のダイオード10、11、12の順方向最大定格電流は、アルカリボタン電池LR41が供給できるダイオードの順方向電位差による電流の少なくとも1.2倍以上が必要となる。
電池電源装置とリラックス感誘導装置を具備した筆記具からなる模式的回路図 一つの電池を誤って正極と負極を逆に接続した電池電源装置とリラックス感誘導装置からなる模式的回路図 図1より転極になった1組のアルカリボタン電池LR41とダイオードの等価回路
符号の説明
1 マイコン
2 電源スイッチ
3 振動モータ
4 入力スイッチ
5 抵抗
6 LED
7、8、9、15、82 電池
10、11、12、16 ダイオード
13 電池電源装置
14 リラックス感誘導装置

Claims (4)

  1. 互いに直列に接続された複数個の電池と、前記複数個の電池のそれぞれについて正極端子がカソードに、負極端子がアノードになるように並列接続されたダイオードとを備えた電池電源装置において、前記ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流よりも大きいダイオードであることを特徴とする電池電源装置。
  2. 前記ダイオードの順方向最大定格電流が、前記電池の供給できるダイオードの順方向電位差による電流の少なくとも1.2倍以上であることを特徴とする、請求項1記載の電池電源装置。
  3. 前記電池はボタン電池であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池電源装置。
  4. 前記請求項1〜3の何れかに記載の電池電源装置において、筆記及び/又は塗布及び/又は消去機能を有する機器及び/又は手書き電子入力の機能を有する機器に接続し使用されることを特徴とする電池電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008053221A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気機器、及び電池パック
CN106230044A (zh) * 2016-07-28 2016-12-14 广州市仟顺电子设备有限公司 可为开路电池提供放电回路的蓄电池组结构及其实现方法

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