JP2005173945A - ドラッグジェスチャの判別方法とコントローラ - Google Patents

ドラッグジェスチャの判別方法とコントローラ Download PDF

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Abstract

【課題】ドラッグジェスチャの判別方法とそれに対応するコントローラを提供する。
【解決手段】
トラックデバイスを用いた入力の際のドラッグジェスチャの判別方法において、そのドラッグジェスチャはトラックデバイス上で生成され、物体のトラックデバイスへの一回目出現の時間の長さと、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔の総和が第一参照時間値より小さい場合に、一回目出現の時間の長さ、一回目と二回目の出現の間の時間間隔と二回目出現の時間の長さの総和が第一参照時間値より小さくない時、或いは二回目出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくない時に、ドラッグ信号を発生することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明はドラッグジェスチャの判別方法とコントローラに関し、特に、トラックデバイス上でドラッグジェスチャを判別するとマウスでオブジェクトをドラッグするのを模したドラッグ信号を発生するトラックデバイス上でドラッグジェスチャを判別する方法とコントローラに関する。
グラフィカルユーザインタフェース(GUI)は最初ゼロックスPARC研究室が開発したプログラム操作インタフェースで、ポインティングデバイス(マウスなど)と合わせて使用し、使用者は視覚的なポインタでマウスを移動してクリック動作するだけで済み、実行したい動作を簡単に完了することができるようになり、それまでの文字で煩雑な指令を入力する不便さを解決した。そのためGUIは、アップルコンピュータとマイクロソフトに相次いで採用され、全てのワークシステムの主流形態となった。GUIを使用する電子デバイスは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット、PDAなどにわたり、ポインティングデバイスは基本装備となっている。
ポインティングデバイスには、外部装置のマウスと携帯型パソコンシステムに内蔵するトラックボール、トラックパッドや、またスクリーンと結合したタッチパネルなどがあり、中でもマウスが最も早期に開発されたポインティングデバイスである。マウスを例にポインティングデバイスの機能を説明すると、マウスは電子デバイスのスクリーン上のポインタを制御でき、マウスが移動するとポインタもそれにつれて移動し、スクリーン上の実行したい目標に対して制御ボタンを押せば、電子デバイスに実行指令を出すことができる。しかし、今日の電子デバイス設計は軽薄短小の方向に発展しており、ノートパソコンの出荷数がデスクトップパソコンを上回り、そのため体積の小さいトラックデバイス(トラックパッド)がポインティングデバイスの主流と成りつつある。
トラックパッドの技術は、ほぼ静電容量式、抵抗式、感圧式、インダクタ式、表面弾性波式、超音波式、光学式などとなっている。手指のような物体がトラックパッド上を移動すると、ポインタを物体が移動する方向に従って移動させることができる。しかし、ポインティングデバイスはポインタの移動だけでなくコマンドを出す機能も兼ね備えなければならない。マウスによる操作を例にとると、ポインタを移動したいオブジェクト(プログラム、文書、イメージなど)へ移動し、マウスのクリックボタン(左ボタン)を押し続けながらマウスを移動すると、オブジェクトを他の位置へドラッグすることができる。しかし、トラックパッドの類のトラックデバイスでは、多くがその下方に二つの制御キーを設けてマウスの左右ボタンの代わりにしたり、物体のトラックデバイス上のある種の動作ジェスチャを定義して、オブジェクトを移動する時にマウスボタンを押し続ける信号を発生することによってオブジェクトを他の位置までドラッグできるようにしたりしている。
一般にトラックデバイスは、これらのドラッグジェスチャでマウスのドラッグ動作を模して、トラックデバイス上で一回のタップを行い、続いて移動のジェスチャを行ってオブジェクトを移動するという方法を採っている。特許文献1では、トラックデバイス上のドラッグジェスチャを判別する公知の方法を提案している。図1に示すように、まず物体がトラックパッド上に一回目に出現した時間の長さt4(物体のトラックデバイス上への一回目出現の滞留時間を指す)と第一参照時間値を比較し、一回目出現の時間の長さt4が第一参照時間値より小さい時にドラッグ信号11を発生する。その後一回目出現と二回目出現の間の時間間隔t5と第二参照時間値を比較し、時間間隔t5が第二参照時間値より小さい時には、ドラッグ信号11を維持し、二回目出現の時間の長さt6内に重複してX、Yデータを発生する。
これら公知の方法でドラッグジェスチャ判別の目的は達成されるが、公知の方法では一回目出現の時間の長さt4と、一回目と二回目出現の間の時間間隔t5を、それぞれ対応する参照時間値と比較するため、判断が複雑になり、その上二回目出現の時間の長さt6内に重複してX、Yデータを発生することが、設計をより複雑なものにしてしまう。更に、使用者の個人差のために、一人一人がトラックデバイスで行うドラッグジェスチャの各段階の動作時間に差があり、同じ使用者でも毎回のドラッグジェスチャの動作時間も長かったり短かったりすることもあり、公知の方法は容易に判断ミスが生じる。また、トラックデバイスの使用過程でミスタッチが起こりやすかったり、トラックデバイスそのものが動作時にノイズを発生したり外界環境のノイズに干渉されるなどして、スパイクの一回目出現、スパイクの二回目出現といった現象も起こる。公知の方法は、一回目、二回目出現の時間の長さ、二度の出現の間の時間間隔に最小時間を制限していないため、ノイズ干渉で発生した信号に対する不適当な判断が起こりやすく、誤判が生じやすい。
米国特許明細書第6,414,671号明細書
公知の方法の欠点を解決し、簡略で精度が高く、誤判が起こりにくいドラッグジェスチャの判断方法とコントローラを提供することを課題とする。
本発明はドラッグジェスチャの判断方法とコントローラを提供し、各動作の時間の総和を参照時間値と比較することにより、判断を簡略にし信頼性を向上させる。また、各動作の時間がそれぞれの対応時間値より大きいことを要求し、ノイズによる誤判の発生を避ける。更に、二回目の出現期間の累積移動量と参照移動量を比較してドラッグジェスチャであるか否かを判定することにより判断の精度向上を達成する。
本発明のドラッグジェスチャの判別方法は、トラックデバイス上で生成するドラッグジェスチャに対する以下のプロセスから構成する。
物体のトラックパッド上への一回目の出現を検知する。
その物体のトラックパッド上への二回目の出現を検知する。及び、
一回目出現の時間の長さと、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔の総和が第一参照時間値より小さく、且つ下記の二つの状況のうち一つに当てはまる時に、ドラッグ信号を発生する。
(A) 一回目出現の時間の長さ、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの総和が参照時間値より小さくないこと。及び
(B) 二回目の出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくないこと。
各動作時間を個別に判断していた公知技術と異なり、本発明が提供するドラッグジェスチャの判別方法とコントローラは、各動作の時間の総和と参照時間値を比較することにより、判断が簡略で且つ信頼性が高くなる。また、各動作の時間がそれぞれの対応時間値より大きいことを要求して、ノイズによる誤判を効果的に避けることができる。更に、公知技術では時間だけをドラッグジェスチャの判断に利用していたが、本発明では二回目の出現期間の累積移動量と参照移動量を比較してドラッグジェスチャであるか否かを判定することができることにより、判断の精度が向上する。
本発明のドラッグジェスチャの判別方法は、トラックデバイス中に用いる。本実施例では静電容量式トラックデバイスを例に挙げて説明する。
図2に示すように、静電容量式トラックデバイス2は大別してトラックパッド21、X方向プロセッサユニット22、Y方向処理ユニット23、演算ユニット24と位置移動ユニット25の演算モジュール、ジェスチャユニット26と伝送インタフェイス27から成る。トラックパッド21は、それぞれX、Y方向に複数本の導線を分布させる。例えばX方向16本、Y方向12本といった具合である。これにより、手指10などの導電性をもつ物体がトラックパッド21に触れたり接近したりすると、トラックパッド21上の静電容量値が変化し、続いてX、Y方向プロセッサユニット22、23がX、Y方向の静電容量値をそれぞれ処理した後演算ユニット24に伝送する。演算ユニット24はこれ基づき物体接触位置のX座標値とY座標値を演算する。そして、位置移動ユニット25が演算ユニット24の演算結果X、Yを受信し、これに従い物体のトラックパッド21上の相対位置移動Dx、Dy(押圧信号を指す)を計算してから、ジェスチャユニット26と伝送インタフェイス27に伝送する。このようにして、計算結果Dx、Dyは伝送インタフェイス27を経てホスト3に伝送され、ホスト3がポインタのスクリーン上での移動を制御できる。ホスト3はパソコン、ノートパソコン、PDA、携帯電話などの各種電子デバイスとすることができる。また、本例での演算ユニット24、位置移動ユニット25、ジェスチャユニット26、伝送インタフェイス27はチップなどのコントローラ中に統合する。
ジェスチャユニット26は位置移動ユニット24の計算結果Dx、Dy、を受け取って、物体がトラックパッド21上でドラッグジェスチャに符合する動作を発生するか否かを判断する。ドラッグジェスチャであると判断すると、対応してマウスボタンを押してマウスを移動するのを模したドラッグ信号(このドラッグ信号は複数個の連続した信号パケットである)を出力し、伝送インタフェイス27を経てホスト3に送り込んでカーソルの対応制御を行う。本発明の技術の特徴は、ジェスチャユニット26がドラッグジェスチャを判別する方法にある。この方法はソフトウエア、ファームウエア、ハードウエアなどの形態でジェスチャユニット26内に設けることができる。更に、本例でのジェスチャユニット26はトラックデバイス2のコントローラ中に統合しているが、ソフトウエア或いはハードウエアとしてホスト3内に設けてもよい。
また、本実施例では静電容量式トラックデバイス2を例に挙げて説明しているが、本発明は他の形態のトラックパッドデバイス、例えば光学式、抵抗式、インダクタンス式、感圧式、電磁式、表面弾性波式、超音波式などにも応用できる。
図3に本実施例の判断フローの範例を示す。この範例では、トラックパッド21が手指10などの類の物体に二回タップされたとする。ここでは物体を手指10として説明するが、トラックパッド21は多種の物体を感知することができる。
まず、プロセス41で、トラックデバイス2は手指10のトラックパッド21への一回目出現開始を検知する。一回目タップの開始である。この時トラックデバイス2は、手指10のトラックパッド21上への出現時間の計測を開始する。本例ではドラッグジェスチャは第一参照時間値T1内に出現開始を二回検知されたとする。本例の第一参照時間値T1の範囲は、100マイクロ秒〜1000マイクロ秒の間(式1)に設定するとよく、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整できる。
100ms≦T1≦1000ms (式1)
続いて、プロセス42では、トラックデバイス2は引き続きトラックパッド21上に出現する手指10を検知し、一回目出現終了の検知か、一回目出現開始から計測する時間の第一参照時間値T1到達かの二つの条件のうち、どちらが先に達成されたかを判断する。
プロセス42で一回目出現終了を検知したと先に判断した場合、時間計測が第一参照時間値T1に至る前に一回目の出現があったため、第一参照時間値T1内に更に二回目出現がある可能性がある。よって続いてプロセス44を実行する。逆に、プロセス42で計測時間が第一参照時間値T1に到達したと判断した場合、第一参照時間値T1内では一回目出現だけであり、一回目出現の時間の長さTdown1は第一参照時間値T1を越えているから、ドラッグジェスチャではないことが確定でき、ジェスチャユニット26はプロセス43を実行し、ほかのジェスチャであるか否か判断する。
プロセス44では、トラックデバイス2は続いて、手指10のトラックパッド21上への二回目出現開始の検知か、計測時間が第一参照時間値T1到達かの二つの条件のうち、どちらが先に達成されたかを判断する。プロセス44で、二回目出現が開始したと判断した場合、つまり第一参照時間値T1内に二度の出現があってドラッグジェスチャとなる可能性があることを意味するから、続いてプロセス45に入る。プロセス44で計測時間が第一参照時間値T1に達したと判断した場合、ドラッグジェスチャではないことが確定でき、プロセス43に移り、他のジェスチャであるか否か判断する。
プロセス44で二回目出現の開始を判断した場合、図4に示すようにトラックデバイス2はそれまでの検知で、一回目出現の時間の長さTdown1(手指10が一回目にトラックパッド21に出現を持続した時間)と、一回目と二回目の出現の間の第一時間間隔Tup1(手指10が一回目タップのあと上がってトラックパッド21を離れてから、手指10の二回目タップまでの時間の長さ)を得ている。
トラックパッド21は使用過程で誤って触れ易かったり、トラックパッド21自体の作動で生じるノイズ或いは外界環境のノイズによって不当な信号が発生する。たとえば、短い時間の一回目出現、二回目出現、及び二度の出現の間の時間間隔などであるが、これらの不当な信号の多くは、瞬時しか持続しない。そこで本実施例では、各動作の持続時間が、それぞれに対応する最小参照時間値より大きくなければならないこととし、これにより不当な信号をふるい落とし、判別の精度を増進する。
そこでプロセス45では、一回目と二回目出現の間の第一時間間隔Tup1が第一最小上昇参照時間値T21より大きいか否か判断する。ここで第一最小上昇参照時間値T21は、手指10が上昇(UP)し再降下する最短有効時間である。本例の第一最小上昇参照時間値T21の範囲は、おおよそ1マイクロ秒〜10マイクロ秒の間(式2)に設定するとよく、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整できる。
1ms≦T21≦10ms (式2)
プロセス45で第一時間間隔Tup1が第一最小上昇参照時間値T21より大きくない(式3)と判断した場合、一回目と二回目の出現の間の第一時間間隔Tup1が短すぎることを意味するため、第一時間間隔の信号はノイズであると判断する。よって一回目出現は実際にはまだ本当に終了していないため、プロセス42に戻る。
Tup1≦T21 (式3)
プロセス45で、第一時間間隔Tup1が第一最小上昇参照時間値T21より大きい(式4)場合、第一時間間隔Tup1は有効信号であることを意味し、続いてプロセス46に入る。
Tup1>T21 (式4)
プロセス46で、一回目出現の時間の長さTdown1が第一最小タップ参照時間値T31より大きいか否かを判断する。ここで、第一最小タップ参照時間値T31は、手指10がトラックパッド21上に滞留する最短有効時間を指す。プロセス46で、一回目出現の時間の長さTdown1が第一最小タップ参照時間値T31より大きい(式5)と判断した場合、一回目出現の信号は有効信号であることを意味し、続いてプロセス47に入る。
Tdown1>T31 (式5)
逆に、プロセス46で、一回目出現の時間の長さTdown1が第一最小タップ参照時間値T31より大きくない(式6)と判断した場合、一回目出現はノイズであることを意味するため、これを無視し、プロセス41に戻って一回目出現の開始を感知しなおす。
Tdown1≦T31 (式6)
本例の第一最小タップ参照時間値T31の範囲は、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整することができる。
プロセス47に入る時、一回目出現の時間の長さTdown1と第一時間間隔Tup1の総和が第一参照時間値T1より小さい(式7)ことを意味する。
Tdown1+Tup1<T1 (式7)
ドラッグジェスチャを行う時、手指10がトラックパッド21に接触する二回目の出現の滞留時間は長いはずである。だから本実施例では時間或いは移動量を必要条件としてドラッグジェスチャであるか否かを判断し、判断の信頼性を増進している。よって、プロセス47では同時に、二回目出現の終了、二回目出現の累計移動量Mdown2が第一参照移動量M1より大きい、一回目出現から開始した計測時間が第一参照時間値T1に達している、という三条件のうちの何れか一条件が先に達成されたことを検知したと判断する。ジェスチャユニット26は、二回目出現を検知すると時間計測するほか、位置移動ユニット25が発生する計算結果DX、DYを利用して二回目出現の累計移動量Mdown2を計算する。
プロセス47で、二回目出現終了を先に検知した場合、二回目出現の時間の長さTdown2と、二回目出現終了後手指10を上げたときに発生する第二時間間隔Tup2が得られる。この時、第二時間間隔Tup2と二回目出現の時間の長さTdown2が有効信号であることを確認した場合、第一参照時間値T1内に二度の完結した出現があり(式8)、且つ二回目出現の累積移動量Mdown2は参照移動量M1より小さかった(式9)ことを意味するため、ドラッグジェスチャではないと推定する。
(Tdown1+Tdown2+Tup1)<T1 (式8)
Mdown2<M1 (式9)
よって、プロセス47で二回目出現終了を検知したと先に判断した場合、続いてプロセス48、49に入り、第二時間間隔Tup2と二回目出現の時間の長さTdown2が有効信号であるか否かを先に判断する。
プロセス48で、第二時間間隔Tup2が第二最小上昇参照時間値T22より大きいか否かを判断する。本例の第二最小上昇参照時間値T22の範囲は、おおよそ1マイクロ秒〜10マイクロ秒の間(式10)に設定するとよく、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整できる。
1ms≦T2≦10ms (式10)
プロセス48で、第二時間間隔Tup2が第二最小上昇参照時間値T22より大きい(式11)と判断した場合、第二時間間隔Tup2は有効信号であることを意味し、続いてプロセス49の判断に入る。
Tup2>T22 (式11)
プロセス49でそうでないと判断した場合(式12)、この第二時間間隔T22の信号はノイズであることを意味するため、これを無視し、プロセス47に戻る。
Tup2≦T22 (式12)
本例では第一最小上昇参照時間値T21と第二最小上昇参照時間値T22を等しく設定した。
プロセス49で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きいか否かを判断する。プロセス49で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きい(式13)と判断した場合、二回目出現の信号は有効信号であることを確定でき、続いてドラッグジェスチャではないと推定できるため、プロセス43に飛んで他のジェスチャかどうか判断する。
Tdown2>T32 (式13)
逆に、プロセス49で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きくない(式14)と判断した場合、二回目出現はノイズであることを意味し、これを無視してプロセス44に戻って引き続き二回目出現が開始したか否かを感知する。
Tdown2≦T32 (式14)
本例の第二最小タップ参照時間値T32の範囲は、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整でき、第二最小タップ参照時間値T32を第一最小タップ参照時間値T31と等しく設定してもよい。
プロセス47で、一回目出現から計測開始した時間が参照時間値T1に達したと先に判断した場合、二回目出現が有効信号であることを確定できれば、二度の出現はドラッグジェスチャであると推定できるため、先にプロセス50を実行して、二回目出現が有効信号であるか否かを判断する。
プロセス50で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きいか否か判断する。プロセス50で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きい(式15)と判断した場合、二回目出現は有効信号であることを意味し、更に一回目出現の時間の長さTdown1、一回目と二回目出現の間の第一時間間隔Tup1、二回目出現の時間の長さTdown2の総和が第一参照時間値T1より小さくない(式16)ことを意味するため、ジェスチャユニット26はドラッグ信号を発生し、伝送インタフェイス27を経てホスト3に送り、ホスト3にドラッグジェスチャの発生を知らせ、マウスボタンが押されたまま移動することにより発生するドラッグ信号を模す。
Tdown2>T32 (式15)
(Tdown1+Tdown2+Tup1)≧T1 (式16)
プロセス50で、二回目出現の時間の長さTdown2が第二最小タップ参照時間値T32より大きくない(式17)と判断した場合、二回目出現はノイズであることを意味し、しかし一回目出現開始から既に第一参照時間値T1に達しているため、プロセス43に飛んで他のジェスチャかどうか判断する。
Tdown2≦T32 (式17)
プロセス47で、二回目出現の累計移動量Mdown2が参照移動量M1より大きい(式18)と先に判断した場合、二度のタップの全体時間は短いが、二回目タップ(二回目出現)はトラックパッド21上のドラッグであり、使用者はドラッグを目的としてこれらの動作を行ったのであり、よってプロセス51を実行し、図5に示すようにドラッグ信号を発生する。
Mdown2≧M1 (式18)
本例の参照移動量M1の範囲は1画素(ピクセル)〜10画素の範囲(式19)とすることができ、例えば3画素などというように、設計者の必要或いは使用者の操作習慣に応じて調整できる。
1 pixel≦M1≦10 pixel (式19)
以上に述べたように、公知の判別方法ではドラッグ信号を一回目タップの後ですぐ発生するのとは異なり、図4に示すように、一回目、二回目出現の時間の長さTdown1、Tdown2と二度の出現の間の第一時間間隔Tup1の総和が第一参照時間値T1より大きい(式20)場合、一回目出現からの累計時間が第一参照時間値T1に達した後に、ドラッグ信号51を出力する。
(Tdown1+Tdown2+Tup1)≧T1 (式20)
また、図5に示すように、一回目、二回目出現の時間の長さTdown1−1、Tdown2−1と、二度の出現の間の時間間隔Tup1−1の総和が第一参照時間値T1−1より小さい(式21)が、二回目出現の累計移動量Mdown2−1が参照移動量M1より小さくない(式22)場合、二回目出現期間に累積移動量が参照移動量より小さくなくなった時間点において、ドラッグ信号51−1を出力する。
(Tdown1+Tdown2+Tup1)<T1 (式21)
Mdown2≧M1 (式22)
以上に基づき、本実施例のドラッグジェスチャに対する必要条件は以下の公式になる。
Tdown1>T31 公式1(式23)
Tdown2>T32 公式2(式24)
Tup1>T21 公式3(式25)
Tup2>T22 公式4(式26)
Tdown1+Tup1)<T1;及び
a.(Tdown1+Tdown2+Tup1)≧T1;或いは
b.Mdown2≧M1 公式5(式27)
注意すべきは、前述のプロセス42、44、47は同時に複数個の条件を判断しているが、前述プロセス42、44、47の条件は順に判断することもできる。
以上から、公知技術では一回目出現と、一回目、二回目出現の間隔の時間が対応する参照時間値より小さいか否かを個別に判断し、二回目出現時間内に更にX、Yデータを出力して計算根拠としなければならなかったのとは異なり、本発明のドラッグジェスチャ判別方法ではX、Yデータの出力は必要なく、各動作時間Tdown1、Tdown2、Tup1を総合した総和で、第一参照時間値T1より小さい(参照公式5a)か否かを判断するか、或いは二回目出現の累計移動量Mdown2が参照移動量M1より小さい(参照公式5b)か否かを判断するため、判断が簡潔かつ信頼性が高くなる効果が達成された。
また、本発明は各動作時間がそれぞれに対応する参照値T31(参照公式1)、T32(参照公式2)、T21(参照公式3)及びT22(参照公式4)より大きいことを要求し、干渉により発生する不当な信号を効果的に排除し、判断の精度が向上した。
更に、公知技術では時間だけをドラッグジェスチャの判断に利用していたが、本発明では二回目出現の累計移動量Mdown2が参照移動量M1より小さくないか否かを利用してドラッグジェスチャである(参照公式5b)か否かを判断するため、使用者の操作が便利であり、ひいては判断の精度を増進している。
公知の一種のドラッグジェスチャのクロック略図である。 本発明のドラッグジェスチャの判別方法と公的な実施例のトラックデバイスを結合したブロック図である。 図2の実施例のフロー図である。 図2の実施例の一範例の入力と出力信号のクロック図である。 図2の実施例の別の範例の入力と出力信号のクロック図である。
符号の説明
10 手指
2 トラックデバイス
21 トラックパッド
22 X方向プロセッサユニット
23 Y方向プロセッサユニット
24 演算ユニット
25 位置移動ユニット
26 ジェスチャユニット
27 伝送インタフェイス
3 ホスト
41〜47 プロセス
51、51−1 ドラッグ信号
Tdown1、Tdown1−1 一回目出現の時間の長さ
Tdown2、Tdown2−1 二回目出現の時間の長さ
Tup1、Tup1−1 一回目と二回目出現の間の第一時間間隔
Tup2 第二時間間隔
T3 参照時間値
Mdown2、Mdown2−1 二回目出現の累計移動量
down 接触

Claims (20)

  1. ドラッグジェスチャの判別方法において、そのドラッグジェスチャはコントローラ上で生成され、その方法は以下の順序で、
    物体のトラックパッド上への一回目の出現を検知し、
    その物体のトラックパッド上への二回目の出現を検知し、及び、
    一回目出現の時間の長さと、一回目の出現の終了と二回目の出現の開始との間の時間間隔の総和が第一参照時間値より小さく、且つ下記の状況、
    (A) 一回目出現の時間の長さと、一回目出現終了と二回目出現の開始との間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの総和がその参照時間値より小さくないこと、及び
    (B) 二回目の出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくないこと、
    以上の二つうちの一つに当てはまるときに、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とするドラッグジェスチャの判別方法。
  2. ドラッグ信号は、一回目出現の時間の長さ、一回目の出現終了と二回目の出現開始との間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの累積加算値が、参照時間値を越えた時間点で発生されるようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  3. ドラッグ信号は、二回目の出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくなくなる時間点で発生されるようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  4. ドラッグ信号は更に、一回目出現の時間の長さが第一最小タップ参照時間値より大きくなる時に発生されるようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  5. ドラッグ信号は更に、二回目出現の時間の長さが第二最小タップ参照時間値より大きくなる時に発生されるようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  6. ドラッグ信号は更に、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔が第一最小上昇参照時間値より大きくなる時に発生されるようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  7. トラックデバイスはドラッグ信号をホストに伝送するようにして成ることを特徴とする請求項1記載のドラッグジェスチャの判別方法。
  8. トラックデバイスのコントローラは、物体のトラックデバイス上におけるジェスチャの判別に用い、コントローラは、
    演算モジュールを具え、物体のトラックデバイスへ出現を検知するたびに、それぞれに対応して押圧信号を発生し、各押圧信号は各対応毎のトラックデバイス上への出現開始時間から発生され始め、その回の出現が終了すると終止され、及び、
    ジェスチャユニットを具え、演算モジュールに接続し、それらの押圧信号を受信するとともに、押圧信号に基づきトラックデバイス上の物体出現時間の長さと累積移動量を計算し、物体の動作を判別し、
    そのうち、ジェスチャユニットは演算モジュールから、物体のトラックデバイス上への一回目の出現に対応して発生した第一押圧信号及び二回目の出現に対応して発生した第二押圧信号を受信した時、且つ一回目出現の時間の長さ、一回目の出現終了と二回目の出現開始の間の時間間隔の総和を計算して第一参照時間値より小さい時、且つ計算結果が下記の状況、
    (A) 一回目の出現の時間と、一回目の出現終了と二回目の出現の開始との間の時間間隔、及び二回目の出現の時間の総和が参照時間値より小さくないこと、及び
    (B) 二回目の出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくないこと、
    以上の二つのうち一つに当てはまる時に、ジェスチャユニットは対応してドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とするトラックデバイスのコントローラ。
  9. ジェスチャユニットは、一回目出現の時間の長さ、一回目出現の終了と二回目の出現開始の間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの累積加算値が参照時間値を越えた時間点にドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  10. ジェスチャユニットは、二回目の出現期間に累積移動量が参照移動量より小さくなくなる時間点でドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  11. ジェスチャユニットは更に、一回目出現の長さが第一最小タップ参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  12. ジェスチャユニットは、二回目出現の時間の長さが第二最小タップ参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  13. ジェスチャユニットは更に、一回目出現の終了と二回目出現の開始との間の時間間隔が第一最小上昇参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  14. コントローラは更に、ジェスチャユニットに接続する伝送インタフェイスを含み、ドラッグ信号をホストに伝送するようにして成ることを特徴とする請求項8記載のトラックデバイスのコントローラ。
  15. トラックデバイスのジェスチャユニットは、物体のトラックデバイス上での動作を判別し、ジェスチャユニットがトラックデバイスから、物体のトラックデバイス上への一回目出現に対応して発生した第一押圧信号及び物体のトラックデバイス上への二回目出現に対応して発生した第二押圧信号を受信すると、一回目出現の時間の長さと、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔の総和が第一参照時間値より小さいと計算した時、且つ下記の状況、
    (A) 一回目出現の時間の長さ、一回目出現の終了と二回目出現開始の間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの総和が参照時間値より小さくないこと、及び
    (B) 二回目の出現期間の累計移動量が参照移動量より小さくないこと、
    以上の二つのうち一つに当てはまる時、ジェスチャユニットは対応してドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とするトラックデバイスのジェスチャユニット。
  16. 一回目出現の時間の長さ、一回目出現の終了と二回目出現の開始の間の時間間隔、及び二回目出現の時間の長さの累積加算値が参照時間値を越えた時間点でドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項15記載のトラックデバイスのジェスチャユニット。
  17. 二回目の出現期間に累積移動量が参照移動量より小さくなくなる時間点でドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項15記載のトラックデバイスのジェスチャユニット。
  18. 一回目出現の長さが第一最小タップ参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項15記載のトラックデバイスのジェスチャユニット。
  19. 二回目出現の時間の長さが第二最小タップ参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項15記載のトラックデバイスのジェスチャユニット。
  20. 一回目出現の終了と二回目出現開始の間の時間間隔が最小上昇参照時間値より大きいと計算した時に、ドラッグ信号を発生するようにして成ることを特徴とする請求項15記載のトラックデバイスのジェスチャユニット。
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