JP2005170819A - スフィンゴシン−1−リン酸受容体刺激を介した癌細胞の転移をサブタイプ特異的に阻害する方法 - Google Patents

スフィンゴシン−1−リン酸受容体刺激を介した癌細胞の転移をサブタイプ特異的に阻害する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】S1P受容体刺激時の細胞移動に関与している情報伝達機構をS1P受容体のサブタイプ特異的に解明し、よって抗癌剤の開発に資することが本発明の課題である。
【解決手段】本発明により、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)が関与する癌細胞の転移の制御はS1P受容体サブタイプ特異的に行われることを見出された。S1P2受容体刺激は癌細胞の転移を抑制するが、S1P1受容体刺激またはS1P3受容体刺激は逆に癌細胞の転移を促進するという二面的な制御が行われる。かかる知見は癌細胞の転移を抑制することを可能にすると共に、抗癌剤の開発のための新たな途を開くものである。
【選択図】図8

Description

本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸受容体のサブタイプ特異的に癌細胞の転移を阻害する方法に関する。更に本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸受容体サブタイプ特異的に細胞転移を阻害する化合物のスクリーニング方法、ならびに抗癌剤を開発する方法に関する。
スフィンゴシン-1-リン酸は(S1P)は細胞増殖作用、抗アポトーシス作用、細胞分化作用、細胞骨格・細胞運動調節作用、細胞形態調節作用、血管収縮などの多彩な活性を示す脂質メディエーターである。当初S1Pはスフィンゴシン代謝の中間代謝産物に過ぎないと考えられていた。しかし近年の研究によりS1Pはシグナル分子として上記の生理活性作用に関与していること、S1Pの作用の多くは細胞膜表面に存在する複数のEdgファミリーG蛋白質受容体を介することが明らかとなった。
S1Pは血中においてnMオーダーで存在し、血小板において豊富に貯蔵されているS1Pは血小板の活性化に伴って細胞外へ放出される。具体的には、ホルボールエステルやトロンビンなどの受容体アゴニストによって血小板を刺激することにより、大量のS1Pが放出される。またS1Pの放出はプロテインキナーゼCの阻害剤により強く抑制される。
またS1P特異的なG蛋白質共役型受容体は、いくつかのサブタイプを含有するファミリーを形成している。そのようなサブタイプとして、(1)S1P1/EDG1 (2)S1P2/EDG5/AGR16、(3)S1P3/EDG3、(4)S1P4/EDG6、(5)S1P5/EDG8が同定されている。発現組織にもサブタイプ特異性が認められ、S1P1、S1P2、S1P3は広範囲に発現しているが、S1P4はリンパ組織・肺に、S1P5は神経系に発現している。
またS1Pの各サブタイプによって活性化されるシグナル伝達経路についても現在研究が進められている。S1P1はGiを介してRAS-ERK(extracellular signal-regulated kinase)の活性化、ホスホリパーゼC(PLC)の活性化、アデニール酸シクラーゼの抑制に関与している。S1P3はS1P1と同様にGiを介してRAS-ERKの活性化およびアデニール酸シクラーゼの抑制に共役する他に、Gqを介してPLCの活性化に、G12/13を介してRhoの活性化に共役している。S1P2はS1P3と同様にGi、Gq、G12/13を介してそれぞれRAS-ERK、PLCおよびRhoを活性化するが、ERK活性化能を指標として判断するとGiへの共役は他の2つの受容体に比較して弱い。またS1P2はS1P1やS1P3と異なり細胞内のサイクリックAMPレベルを高める。
S1Pの興味深い作用の1つとして細胞運動の促進(化学遊走の誘導)と抑制(化学遊走の抑制)が知られてきた。その制御の方向が促進的であるのか抑制的であるかは細胞の型によっても異なっており、B16メラノーマ細胞を含むヒトやネズミの癌細胞や血管平滑筋細胞においてS1Pは細胞移動を抑制するが、血管内皮細胞細胞などの他の細胞型においては化学誘因物質として作用するという知見が得られている。
上記のような知見に関する報告の例として、MG-63骨肉腫細胞、Balb/c3T3線維芽細胞、末梢血好中球、培養血管平滑筋細胞に対してもS1Pが運動抑制作用を発揮することを見出し、これらのS1Pの細胞運動抑制作用はS1Pが細胞外から作用した結果であることを示唆している五十嵐らの論文が挙げられる(非特許文献1)。一方S1Pは血管内皮細胞に対して化学走化性因子として作用し、化学遊走を誘導することも報告されている(非特許文献2)。
しかし上記のS1Pによる細胞移動の二面的な制御がどのようなメカニズムによってもたらされるものかは理解されてなかった。SpiegelらはS1Pの細胞運動抑制作用の機序について、S1Pの細胞内作用によると主張し、議論となっていた(非特許文献3)。
一方本発明者らは、2000年にS1P2受容体が膜ラッフリングや細胞運動を負に制御するユニークな受容体であり、この作用がRacの抑制によること、一方S1P1及びS1P3受容体は逆に細胞運動を促進すること、この作用はRacの活性化によることを報告した(非特許文献4)。S1Pが細胞移動の制御に関与していることを考えると、S1Pの受容体を介した刺激の伝達をサブタイプ特異的に制御することにより、癌細胞の転移を防ぐことができる抗癌剤を開発できる可能性がある。そこでS1P刺激時において、S1P1、S1P2、S1P3などの受容体の各サブタイプにおける調節機構の差について詳細な知見が得られたら、抗癌剤などの医薬の開発に資することができる可能性がある。
また、S1Pをトリメチルスフィンゴシン(TMS)と併用投与した場合に、B16メラノーマ細胞の転移が抑制されることを示す論文が発表されている(非特許文献5)。しかしこの報告においては、(1)従来例ではS1P単独投与は無効であった、(2)TMSの作用機序が不明であり、受容体を介して作用するとは考えにくい、(3)S1PとTMSの併用効果が細胞表面S1P2受容体を介しているという証拠が与えられていない、(4)SIPの癌転移・局所増殖促進効果は報告されていない、などの問題点が未解決であり、更に検討を行う余地がある。
S.Yamamura et al.,Biochemistry (1997) Vol.36 pp10751-11759 M.Lee et al., Cell (1999) Vol.99 pp301-312 S.Spiegel et al., Journal of Leukocyte Biology (1999) Vol.65 pp341-344 H.Okamoto et al.,Molecular and Cellular Biology (2000) Vol.20 pp9247-9261 Y.S.Park and Y.Igarashi et al., International Journal of Oncology (1995) Vol.7 p487-494
そこで本発明の課題はS1P受容体を刺激時の癌細胞移動に関与している情報伝達機構をS1P受容体のサブタイプ特異的に解明し、よって抗癌剤の開発に資することである
上記課題を解決するために、本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体を介した刺激を促進することにより癌細胞の転移を阻害する方法、ならびに、スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体を介した刺激またはスフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体を介した刺激を抑制することにより癌細胞の転移を阻害する方法を提供するものである。
更に本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体を介した刺激の活性化剤であることを指標として細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングする方法、ならびに、スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体を介した刺激の遮断剤またはスフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体を介した刺激の遮断剤であることを指標として細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングする方法を提供するものである。
更に本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体刺激の促進を介した細胞転移を標的として抗癌剤を開発する方法、ならびに、スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体刺激の抑制またはスフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体刺激の抑制を介した細胞転移を標的として抗癌剤を開発する方法を提供するものである。
本発明により、S1Pが関与する癌細胞の転移の制御はS1P受容体サブタイプ特異的に行われることが見出された。S1P2受容体を介した刺激は癌細胞の転移を抑制するが、S1P1受容体を介した刺激またはS1P3受容体を介した刺激は逆に癌細胞の転移を促進するという二面的な制御が行われる。かかる知見は癌細胞の転移を抑制することを可能にすると共に、抗癌剤の開発のための新たな途を開くものである。
癌の進行と治療において、血流等を介した癌細胞が転移するという現象は最も重要な問題である。癌細胞転移の現象には、細胞移動、細胞外液物質の分解、細胞増殖などの多くの段階が含まれている。本発明者らはS1Pの情報伝達システムが細胞移動に関与していることを観察し、その現象に関与している情報伝達機構を解析することにより本発明を行うに至った。
かかる知見に基づいて本発明者らは検討を行ってきたところ、下記の実施例において示すように、メラノーマ細胞の血流による転移がS1P受容体サブタイプ特異的に制御されることを見出した。即ちS1P前処理を行った際における癌細胞B16メラノーマ細胞の尾静脈注入後の肺転移巣形成は、S1P2受容体を介した機構により抑制されるが、一方、S1P1受容体またはS1P3受容体を介した機構は逆に肺転移巣形成を促進するという二面的な制御が行われるという現象を見出した。
この知見から、S1P2受容体を介した刺激を促進することにより、又はS1P1受容体またはS1P3受容体を介した刺激を抑制することにより、癌細胞の転移を阻害することができると考えられる。
また、S1P2受容体を介した刺激の活性化剤であることを指標として、細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングすること、更には、S1P1受容体又はS1P3受容体を介した刺激の遮断剤であることを指標として、細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングすることも可能であると考えられる。
ここでS1P2受容体刺激の活性化剤とは、S1P2受容体と結合して情報伝達系の下流にその情報を伝達する刺激薬を意味するものである。また、ここでS1P1受容体またはS1P3受容体刺激の遮断剤とは、S1P1受容体またはS1P3受容体と結合するが情報伝達系の下流にその情報を伝達せず、同時に投与されたS1Pの受容体刺激効果を遮断する阻害薬を意味するものである。
更にかかる知見を利用して、S1P受容体サブタイプ特異的に癌細胞の転移を阻害する抗癌剤を開発することができると考えられる。かかる抗癌剤を開発するための方法にはいくつものアプローチが考えられるが、一例として下記のような手法により目的とする抗癌剤を得ることができると考えられる。
S1P受容体をサブタイプ特異的に過剰発現させた癌細胞株の作製
まず、S1P1受容体、S1P2受容体、S1P3受容体を過剰発現させた癌細胞を作製する。具体的には上記の各サブタイプを特異的に発現させるための発現プラスミドで癌細胞をトランスフェクトし、安定発現細胞株を樹立する。下記の実施例においては、S1P受容体の上記の各サブタイプを特異的に発現させるための発現プラスミドを、メラノーマ細胞であるB16F10細胞に導入している。このような遺伝子導入の手段としては、アデノウイルスベクターを用いた方法が最も好適であるが、レトロウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクターやレンチウイルスベクターなど他のウイルスベクターを用いた方法も適宜使用することができる。また癌細胞の種類についても特に限定されるものではなく、得ようとする抗癌剤の目的に応じて種々の癌細胞を用いてS1P受容体を過剰発現させることができる。
S1P受容体刺激を介した癌細胞転移の阻害剤のスクリーニング
かかる遺伝子導入細胞においてはS1P1受容体、S1P2受容体またはS1P3受容体が特異的に発現しているので、該細胞の細胞膜を調製することにより上記受容体のサンプルと成すことができる。そしてその受容体サンプルに対する結合能を指標とし、各受容体に対する活性化剤または遮断剤をスクリーニングすることができる。あるいは、細胞膜の調製を経ずに、受容体を過剰発現する無傷細胞をそのまま使用することもできる。スクリーニングの手段としては受容体に対する結合アッセイを用いることが可能である。
具体的には、S1P受容体のサブタイプ特異的に結合することが知られている既知化合物と評価対照である化合物(対照化合物)が共存している溶液を調製し、既知化合物の受容体への結合を該対照化合物が阻害するかを測定する。該対照化合物が受容体結合能を有している場合には、その活性により既知化合物の受容体への結合が阻害されるが、既知化合物を例えば放射活性により標識化することにより、そのような阻害の程度を評価することができる。
活性化剤であるか遮断剤であるかの評価
上記の結合アッセイにおいて、受容体結合能を有すると判定された候補化合物について、活性化剤であるか遮断剤であるかの評価を行う。具体的には、各S1P受容体を過剰発現している細胞において、リン酸化酵素ERKの活性化、細胞内遊離Ca2+濃度の上昇作用、細胞運動の調節作用(S1P1とS1P3の場合には促進、S1P2の場合には抑制)を指標として評価する。この評価によりS1P2の活性化剤であると判定された化合物、更にはS1P1またはS1P3の遮断剤であると判定された化合物は癌細胞転移を抑制する抗癌剤として有望である。
動物による薬効評価
更に動物に投与することにより、上記で有望と判定された化合物の薬効をインビボで評価することができる。具体的には、癌細胞を動物に1回又は数回投与し、数週間後に該動物における癌細胞の転移の有無を検討する。そしてS1P受容体を介した癌細胞の転移を上記化合物が抑制するかを評価することにより、該化合物の抗癌剤としての薬効を確認することができる。
安全性などの評価
更に医薬としての安全性を確認する目的で、癌細胞の転移を抑制する効果が見られた化合物につき急性毒性・慢性毒性の有無を検討する。そして抗癌剤として有効であり、かつ安全性の高い化合物を探索することにより優れた医薬を得ることができる。
(実験方法)
細胞、プラスミドおよびアデノウイルス
B16(B16F10)細胞を10%ウシ血清アルブミンと抗生物質を添加したDMEM培地中で生育させた。S1P1、S1P2とS1P3のcDNAと、N17Rac、N19RhoAまたはLacZをコードしているアデノウイルスを使用した。B16細胞を、およそ100のMOI(multiplicity of infection)でアデノウイルスに感染させた。この条件により、遺伝子導入された産物の発現が最大である時に、感染後約48から72時間で、マーカー遺伝子であるLacZは感染細胞のほぼ100%に発現する。
アデノウイルスにより感染した細胞を感染後48時間で回収し、インビボまたはインビトロのアッセイに使用した。S1P受容体の各サブタイプを過剰発現しているB16クローンを得るために、限界希釈により得られたペアレントのB16F10を、S1P受容体発現ベクター又は空のベクターによりトランスフェクトした。その際にネオマイシン耐性遺伝子(pKM3)の発現ベクターを共存させ1mg/mlのG418の存在下で選択した。
肺転移アッセイ
B16細胞を室温(25℃)で5分間トリプシン処理し、該細胞を回収した。細胞を洗浄して1×106細胞/mlの密度でHanks’溶液中に再懸濁し、100μlの細胞懸濁液を6週齢のオスC57BL/6マウスの尾静脈に注入した。いくつかの実験においては10μgのS1P又は100μlの0.1%(v/v)のDMSOを、腹腔内(i.p.)の経路を介して3週間毎日マウスに注入した。このセットの実験の初日に、B16細胞を尾静脈注入する30分前にS1Pを腹腔内投与した。他のセットの実験において、B16細胞をアデノウイルスによって感染させ、48時間後に回収して肺転移アッセイにかけた。この時点で、アデノウイルス感染細胞の生存率は常に95%以上であった。
N19RhoAを発現している細胞における注入の時点におけるアクチン骨格の変化を、ファロイジン染色によって評価した。注入して3週間後、ペントバルビタールの過剰投与によりマウスを屠殺し、肺を摘出し、DulbeccoのPBSで洗浄し、Bouinの溶液中で一晩固定化した。正常な肺組織は濃い黄色に染色されるために、黒又は白の結節として明らかに区別される転移コロニーは裸眼で容易に同定することができる。5つの肺葉の全表面上に存在している転移巣の数を顕微鏡下で数えた。
(増殖アッセイ)
肺転移のアッセイに使用した細胞の増殖能を評価するために、各細胞処理群より一部分を採り、6穴プレート中の2mlの生育培地に4×104細胞/ウェルで接種した。各ウェルの細胞を同じようにサブコンフルエント状態に保ち、転移アッセイの期間(21日)を通じて3又は4日毎に日常的に継代した。プレーティングして3、7、14、21日後に細胞をトリプシン処理し、トリパンブルー排除を指標としてヘモサイトメーター中で計測した。
他のセットの実験において、S1Pの存在下又は非存在下の細胞増殖をMTS([3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テロラゾリウム、内部塩])を用いて評価した。プレーティングして72時間後に96個の各ウェルに添加し、細胞を更に4時間インキュベートした。96穴マイクロプレートリーダーを用いて490nmの減衰度により生細胞の数を測定した。
(ウェル間移動アッセイとRho, RacとCdc42プルダウンアッセイ)
B16F10細胞の接触運動性(haptotactic motility)をボイデンチャンバー中で測定した。ポリカーボネートフィルター(孔径8μm)を有し、チャンバーの下部が10μl/mlフィブロネクチンで被覆されているボイデンチャンバーを使用した。(v/v)脂肪酸フリーのBSAを0.1%含んでいるDMEM中に細胞を1×106細胞/mlの密度で懸濁し、その細胞懸濁液の300μlを上部ウェルにのせ、下部のウェルにS1Pが存在している条件下または存在していない条件下で、37℃の組織培養インキュベーター中で4時間、多孔性膜を通じて移動させた。
いくつかの実験において、アデノウイルスに感染した細胞を感染させて48時間後に回収し、移動アッセイにかけた。アッセイの終わりにおいて、フィルターをチャンバーからはずし、フィルターの両側に付着したまま残った細胞をメタノールで固定した。Diff-Quick染色キットを用いて細胞を染色した後、フィルターの上部に付着した細胞を拭き取り、フィルターの下部に移動した細胞数を、3556型の96穴マイクロプレートリーダーを用いて595nmにおける減衰度を用いて測定した。細胞におけるGTP結合型である活性型のRac, Cdc42とRhoAの量を、プルダウンアッセイ法を用いて測定した。細胞抽出液の一部(RacとRhoAについては1/200、Cdc42については1/30)を用いてウエスタンブロット解析を行い、RacとRhoAの全量を解析した。
(実験結果)
ノザンブロット解析による発現の確認
ノザンブロット解析を行ったところ、天然のB16F10細胞は内在性のS1P2のmRNAを中程度発現していた。内在性S1P2のmRNAの発現レベルは、S1P1、S1P2又はS1P3のいずれかを過剰発現した細胞、又はベクターコントロール細胞においては比較的一定のままであった。これらの細胞型のいずれも、他の型のS1Pサブタイプを検出可能な程には発現していなかった(図1)。
インビトロにおける細胞運動
まず、インビトロにおける接触性細胞運動(haptotactic cell motility)に対するS1Pの効果をインビトロで比較した(図2)。ボイデンチャンバーの下のウェルにS1Pが存在している時には、ベクターコントロールのB16細胞の移動を用量依存的に阻害した。S1P非存在下における値と比較すると、10-9、10-8、10-7Mにおいて10%、30%と56%の阻害が認められた。天然のB16細胞についても同じ結果が得られた。
S1P2を過剰発現している細胞はS1Pに対する感受性が高く、10-9Mの濃度で細胞移動を65%抑制した。一方、S1P1を過剰発現している細胞とS1P3を過剰発現している細胞の移動については、試験した最大濃度を除き、SIPによる抑制は見られなかった。10-9MのS1P存在下における細胞移動は、ベヒクルコントロールの値と比較して、S1P2過剰発現細胞では21±2%、S1P1過剰発現細胞では94±4%、S1P3過剰発現細胞では107±3%であった(平均±S.E, n=3)。
Rac活性化の検討
S1P受容体を過剰発現させたB16細胞型(S1P1、S1P2、S1P3過剰発現)において、Racの活性に対するS1Pの影響を検討した。(図3)。S1Pの非存在下における全Rac蛋白質の発現レベル又はGTPに結合した活性型のRac(GTP-Rac)の基礎レベルは、S1P受容体の過剰発現によって影響されなかった。ベクターによりトランスフェクトされたB16F10細胞におけるGTP-Racの量はS1Pにより用量依存的に低下した(10-8MのS1Pで35%の低下:図3)。同様の結果が、天然のB16F10細胞についても得られた。
S1P2を過剰発現している細胞は細胞内S1PのRac活性抑制に対して高い感受性を有し、10-9MのS1PにおいてGTP-Racのレベルは39±2%低下した。一方S1P1を過剰発現した細胞とS1P3を過剰発現した細胞はS1PによるRacの抑制に対して耐性を示した。他のクローンの細胞においても同様の傾向が認められ、10-9MのS1PにおけるGTP-Racのレベルは86±8%(S1P1過剰発現細胞)と88±5%(S1P3過剰発現細胞)であった(平均±S.E. n=3)。
RhoA活性化の検討
S1P受容体を過剰発現させたB16細胞型(S1P1、S1P2、S1P3過剰発現)において、RhoA活性化の検討を行った(図4)。異なったB16細胞型の間で、全RhoA蛋白質の発現レベルとRhoAの基礎活性に差は見られなかった。SIPは全ての型の細胞においてGTP結合型のRhoA(GTP-RhoA)の量を増加させた。ベクターコントロールのB16細胞におけるSIPの活性化は、これまでに報告されたものと同じであった。RhoCの活性測定を試みたが、B16細胞におけるそれの発現は検出限界以下だった。
Cdc42活性化の検討
B16細胞におけるCdc42の活性を測定した(図5)。天然のB16F10細胞又はベクターコントロール細胞において、10-7M以下のSIPの影響は少なくとも30分間は見られなかった。
B16F10細胞における肺転移の抑制
SIPがB16F10細胞の肺転移を調節することができるかどうか、検討を行った(図6)。各濃度のSIPをB16F10細胞に添加し、尾静脈注入の5分前にB16F10細胞のSIPによる一時的処理を1回行うと、3週間後の検査において肺転移巣の数が40%減少した(S1P i.p.)。未処理のB16細胞に投与する30分前に最初のSIPのボーラス投与を行い、マウスにSIPを1日あたり10μg投与すると、肺転移に関して同程度の抑制を引き起こした(S1P前処理)。両者の処理を組み合わせると、いずれかの単独処理と比較して転移は大きく低下した(60%)。
更にS1P2の弱いアゴニストであるDH-S1Pと、S1P受容体のアゴニストではないスフィンゴシンが、メラノーマ細胞の転移に及ぼす影響を検討した(図7)。DH-S1Pの効果はS1Pと比較してずっと限られており、またスフィンゴシンは本質的に無効であった。その結果は受容体を介したS1Pの作用と一致していた。
図8において、B16F10ベクターコントロール細胞と、S1P1、S1P2、S1P3のいずれかを過剰発現している細胞において、種々の濃度のS1Pによって前処理を行った影響を示す。
ベクターコントロール細胞においては、10-7MのS1P(それ以下の濃度ではなく)は転移巣の有意な減少(56%)を引き起こし、その結果は天然のB16細胞において得られた結果と一致していた(図6と図7)。S1P2を過剰発現している細胞はベクターコントロール細胞と比較してS1P阻害に対しておよそ2桁感受性が高いことを見出したが、10-9MのS1Pによる前処理により転移は53%、10-7MのS1Pにより最大81%阻害されるという結果となった。他のS1P2を過剰発現クローンもまたS1Pによる転移阻害の促進が認められた。10-9Mと10-7MにおけるS1P前処理後の転移巣の数は、それぞれ、ベヒクルコントロールの57±5%と24±4%であった(n=8)。
一方、S1P1を過剰発現している細胞とS1P3を過剰発現している細胞においては、10-9MのS1Pで刺激された場合に肺転移の顕著な刺激が認められ(210〜270%)、対照的な結果となっている(図8)。S1P1又はS1P3を過剰発現している他のクローン(図8と異なるクローン)において、10-9MのS1Pで刺激された場合における転移巣の数は、206±11%と218±24%であった(n=8)。
これらの結果は、天然及びベクターでトランスフェクトされたB16細胞のS1Pの転移阻害作用は受容体により仲介される過程であり、S1P2がS1Pの転移阻害に関与しているサブタイプであることを示している。また上記の知見は、S1P2とは異なり、S1P1とS1P3は細胞転移をむしろ促進することを示している。S1P1とS1P3が発現している細胞において、高濃度のS1Pで転移を刺激する効果が鈍ることは、外在性に発現した2つの受容体(S1P1とS1P3)と内在性に発現したS1P2の間の中和作用を反映しているとも考えられる。
更に癌細胞の転移の発達における内在性Rac活性の役割を評価するために、ドミナントネガティブなRacとN17Racを使用した。N17Rac、N19RhoAまたはβ-ガラクトシダーゼ(LacZ)のいずれかをコードしているアデノウイルスにより、天然のB16細胞を感染させた。発現レベルが最大である48時間後に(図9)細胞を回収し、移動アッセイ(図10)、増殖アッセイ(図11)ならびに転移アッセイにかけた(図12)。
その結果、N19RhoAではなくN17Racの発現が、B16細胞のウェル間移動を顕著に抑制することを見出した(図10)。これらの結果は、B16F10細胞の移動にRacが必要であり、アデノウイルスにより仲介されたN17Racの発現は内在性Rac活性を効率的に抑制することを示唆している。加えて、S1Pは細胞のCdc42活性に影響しないが(図5)、LacZのコントロールと比較して、N17Cdc42を発現させるとインビトロの細胞移動を実質的に阻害することを見出した(図10)。これらの観察は、Cdc42の基礎活性は、B16細胞の接触性細胞運動に必要であることを示唆している。
図12に見られるように、LacZのコントロールと比較して、N17Racの発現により転移巣の数が74%低下した。これは細胞のRac活性は転移に必要であるという説得力のある証拠をインビボで与えるものである。N19RhoAの発現は、B16細胞におけるS1Pによるアクチンストレスファイバーの形成を抑制し、有意ではないものの、軽度の転移形成の阻害を引き起こした。
N17Racの発現による転移抑制は細胞死の結果であるという可能性を評価するために、転移アッセイに使用したアデノウイルスにより形質転換された細胞集団の一部を採り、尾静脈注入を行って3、7、14、21日後の細胞数を計測し、それらの細胞の増殖をインビトロで評価した。LacZコントロールに対して、N17RacとN19RhoAをコードしているアデノウイルスにより遺伝子導入された細胞における細胞数は、それぞれ18%と15%減少した(図11)。しかしその後にはもはや細胞数は減少せず、アデノウイルスが導入された発現システムの一過性の性質と一致していた。MTS増殖アッセイを採用すると、N17Racを発現している細胞において、最初の3日間に同程度(18%)の抑制も見られた。その結果は、転移抑制の重要な機構として、増殖阻害以外の他の機構が関与していることを示唆している。上記の実験より推定された各受容体サブタイプの情報伝達機構を図13に示す。
S1P刺激による癌細胞移動は、S1P受容体のサブタイプ特異的に制御されている現象であることが本発明によって示された。本発明により得られた知見は癌細胞の転移を防止するための新たなストラテジーを提供するものであり、抗癌剤を開発するための新たな途を提供するものである。
図1は、天然のB16F10細胞とS1Pの各サブタイプを過剰発現したB16F10細胞における、ノザンブロットの結果を示す写真である。 図2は、固定化したフィブロネクチンに対するB16F10細胞の接触性細胞運動を示すグラフである。 図3は、S1Pで刺激した細胞におけるRacの活性化(GTP-Rac1レベル)を示すグラフである。 図4は、S1Pで刺激した細胞におけるRhoAの活性化(GTP-RhoAレベル)を示すグラフである。 図5は、S1Pで刺激した細胞におけるCdc-42の活性化(GTP-Cdc-42レベル)を示すグラフである。 図6は、尾静脈にB16F10細胞を投与して3週間後の肺転移巣の数を示すグラフである。 図7は、DH-S1Pとスフィンゴシンによる前処理が肺転移巣の形成に対して及ぼす影響を示すグラフである。 図8は、B16F10ベクターコントロール細胞とS1P受容体過剰発現細胞において、肺転移巣の形成における前処理のS1P濃度の影響を示すグラフである。 図9は、N17Rac、N19RhoA又はLacZをインフェクトした細胞におけるN17Rac蛋白質とN19RhoA蛋白質の発現を示すウエスタン解析の写真である。 図10は、N17Rac、N19RhoA又はLacZを過剰発現している細胞における移動アッセイの結果を示す図である。 図11は、N17Rac、N19RhoA又はLacZを過剰発現している細胞における増殖アッセイの結果を示す図である。 図12は、N17Rac、N19RhoA又はLacZを過剰発現している細胞における転移アッセイの結果を示す図である。 図13は、実施例の結果より推定された各受容体サブタイプの情報伝達機構を示す模式図である。

Claims (9)

  1. スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体を介した刺激を促進することにより、癌細胞の転移を阻害する方法。
  2. スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体を介した刺激を抑制することにより、癌細胞の転移を阻害する方法。
  3. スフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体を介した刺激を抑制することにより、癌細胞の転移を阻害する方法。
  4. スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体を介した刺激の活性化剤であることを指標として、細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングする方法。
  5. スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体を介した刺激の遮断剤であることを指標として、細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングする方法。
  6. スフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体を介した刺激の遮断剤であることを指標として、細胞転移を阻害する化合物をスクリーニングする方法。
  7. スフィンゴシン-1-リン酸2型(S1P2)受容体刺激の促進を介した細胞転移を標的として、抗癌剤を開発する方法。
  8. スフィンゴシン-1-リン酸1型(S1P1)受容体刺激の抑制を介した細胞転移を標的として、抗癌剤を開発する方法。
  9. スフィンゴシン-1-リン酸3型(S1P3)受容体刺激の抑制を介した細胞転移を標的として、抗癌剤を開発する方法。
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