JP2005168710A - 空気清浄等用成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】花粉飛散時のような環境にあっても居住空間の快適さを維持することができ、更には花粉症などのアレルギーに対する効果も期待することができる成形品を提供する。
【解決手段】紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭及び安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって飛散し拡散することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭及び安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって飛散し拡散することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は屋内で点火により加熱させることによって空気を清浄化すると共に抗アレルギー効果も発揮するようになした空気清浄等用成形品及びその製造方法に関するものである。
従来、木炭を成分として用い、これにタブ粉等の糊料を混合し、水を加えて練合した後成形し、乾燥させて成形品とした線香、お香等の燻蒸物がある。
斯かる従来の燻蒸物の殆どは、屋内で燃焼させて香りを発散させることにより、屋内環境での香りを楽しむものである。しかしながら、こうした香りを楽しむだけでなく、屋内居住空間を一層爽やかにしたいという多くの要望がある。
また、特に初春からピークを迎える花粉飛散期においては、スギ、ヒノキ、カバノキ等の花粉をはじめとする超微粒子が空気中に飛散浮遊し、眼疾患、鼻炎などのアレルギー性の疾病が多発する。しかも花粉の飛散は春先にとどまらず、夏から秋にかけてはブタクサ科、ヨモギ科等の花粉が飛散し、またイネ科に至っては通年花粉の飛散がみられるとされる。
ところで、一般的に線香、お香などの燻蒸物は燃焼させることによって香りが揮散し、この香りが屋内環境を爽やかにすると言われている。しかし、従来の線香、お香の成分からは空気清浄、殺菌、消臭、吸湿等の作用を期待することはできないため、花粉飛散時のような環境ではその効果が弱い。そこでこのような環境にあっても居住空間の快適さを維持することができると共に、花粉症などのアレルギーに対する効果も期待することができるような機能を持った製品の開発が期待されていた。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、花粉飛散時のような環境にあっても居住空間の快適さを維持することができ、更には花粉症などのアレルギーに対する効果も期待することができるようになした成形品及びその製造方法を提供せんとするものである。
そこで、斯かる課題を解決すべく、本発明者らは、先ず花粉症等のアレルギーに対して効果があるとされる紫蘇エキスを中心に、アレルギーに効く甜茶及びその他のアレルギーに対して効果があるとされる生薬、更に抗菌作用のあるティーツリーオイルを用いることを思いつき、研究を行った。その結果、これらの成分からは、花粉症などのアレルギーに対する効果を期待することができることを確認した。
そして更に、炭、安定化剤との併用により、炭の持つ吸着作用、消臭作用、清浄作用、吸湿・放湿作用等が賦与され、花粉症などのアレルギーに対する効果が増強されることも知見した。また、安定化剤は成形品の液性を弱酸性に維持することで、紫蘇エキス、甜茶、生薬、ティーツリーオイルの活性成分を酸化分解、加水分解、開環による分解等から保護できることと、弱酸性状態により糊粉の機能を逸することなく成形品配合の防かび防菌剤を活性型に保持することが可能であることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
而して、本発明に係る空気清浄等用成形品は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭及び安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって発散し拡散することを特徴とするものである。
また、上記成形品における紫蘇エキスは、新鮮な青シソの葉を原料として製造され、リキッド又は粉末として供給されるものである。また、上記成形品における紫蘇エキスの全体に対する含有量は、0.1〜20重量%であることが望ましい。
また、上記ティーツリーオイルは、ティーツリー(Malaleuca alternifolia)の葉から得られた天然精油である。また、上記成形品におけるティーツリーオイルの全体に対する含有量は、0.01〜10重量%であることが望ましい。
また、上記生薬は、抗アレルギー作用を持つ生薬であり、それぞれの草、根、木、皮、葉、果実等を乾燥、粉砕し、粉末化したもの、又はこれらの抽出エキス及びその濃縮物、或いは各種乾燥処理粉末等として得られるものである。また、上記成形品におけるこれら生薬の全体に対する含有量は、0.1〜20重量%であることが望ましい。
また、上記成形品には、所定の割合で炭を配合することが望ましい。該炭としては、木炭、竹炭、活性炭、黒炭、白炭等の粉末のいずれかが用いられる。また、上記成形品におけるこれらの全体に対する含有量は、1〜60重量%であることが望ましい。
更に、上記成形品には、所定の割合で安定化剤を配合することが望ましい。該安定化剤としては、弱酸性物質として、酸性りん酸塩、酸性硫酸塩、ホウ酸、酸性有機酸塩のうちのいずれかが用いられる。また、これら安定化剤の上記成形品の全体に対する含有量は、0.01〜10重量%であることが望ましい。
また、本発明に係る上記成形品の製造方法は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭、安定化剤とに、無機物質、糊料、香料、防かび剤、顔料、着色料、溶解剤等を混合し、更に水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形することを要旨とするものである。
本発明に係る空気清浄等用成形品によれば、空気清浄作用、殺菌作用、消臭作用、吸湿作用等によって屋内の居住空間を常に爽やかで快適な環境に維持することができるものである。
そして、特に花粉飛散時期にあっては、屋内に浮遊する花粉や細菌等の微粒子を激減させてアレルゲンを低減させ、且つまた人体に抗アレルギー効果を有する成分をとり込ませることにより、花粉症などのアレルギー症状を軽減することもできるものである。
本発明に係る空気清浄等用成形品は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭及び安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって発散し拡散するようにするものである。
また、本発明に係る上記成形品の製造方法は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭、安定化剤とに、無機物質、糊料、香料、防かび剤、顔料、着色料、溶解剤等を混合し、更に水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形するものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に係る空気清浄等用成形品は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭、安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって発散し拡散することを特徴とするものである。
本発明に係る空気清浄等用成形品は、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭、安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって発散し拡散することを特徴とするものである。
斯かる成形品によれば、紫蘇エキス及び生薬のポリフェノール類、ティーツリーオイルのテルペン類、及び炭が有する物理化学特性を安定した状態で発揮させ、これらの特性から誘導される機能特性として、空気清浄作用、消臭作用、害虫忌避作用等を充分に発揮することが可能である。
上記成形品における紫蘇エキスは、農薬不使用栽培のチリメンジソ(Perilla
frutescens(L)var.crispa(Labiatae)等の新鮮な青シソの葉を原料として製造され、加熱臭やムレ臭を排除し、リキッド又は粉末として供給されるものである。また、フラボン類のアピゲニン、ルテオニン、更にロスマリン酸の他に、精油等を含有する。該紫蘇エキスは、ペリラアルデヒド含量を極力低減させ、感作反応を回避している。これらポリフェノールには抗アレルギー作用が確認されている。
frutescens(L)var.crispa(Labiatae)等の新鮮な青シソの葉を原料として製造され、加熱臭やムレ臭を排除し、リキッド又は粉末として供給されるものである。また、フラボン類のアピゲニン、ルテオニン、更にロスマリン酸の他に、精油等を含有する。該紫蘇エキスは、ペリラアルデヒド含量を極力低減させ、感作反応を回避している。これらポリフェノールには抗アレルギー作用が確認されている。
ティーツリーオイルは、オーストラリアで広く栽培されているティーツリー(Malaleuca alternifolia)の葉を水蒸気蒸留して得られた天然精油である。テルピネン−4−オールを中心にテルペン系炭化水素を含有し、天然の殺菌薬として汎用されている。
生薬は、抗アレルギー作用を有するもので、甜茶、シジウム、タラ、クズ、パパイア、アロエ、ニホンヤマニンジン、カミツレ、ルイボステイ、ペイチィー、桑、甘茶、羅漢果、サルノコシカケ、葡萄、マイタケ、プロポリスであり、更に和漢薬として、シツリシ、細辛、辛夷、蒼耳子、ヨモギ、ジフシ、甘草等がある。更に漢方処方としての小青竜湯、葛根湯、麻黄湯、当帰四逆加呉しゅゆ生姜湯、十全大補湯、麻黄附子細辛湯、小柴胡湯、苓甘姜味夏仁湯、柴胡桂枝乾姜湯等の配合生薬である。これらはテルペン系炭化水素類、フラボノイド類、ポリフェノール類等を含有し、花粉症を含むアレルギーに効果がある。
炭は、一般的に汎用される木炭、竹炭、活性炭、黒炭、白炭等である。これらの特性から空気清浄作用、消臭作用、吸湿作用等の作用が生じる。
安定化剤は、酸性リン酸塩としてリン酸1水素アルカリ金属塩、リン酸2水素アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩、酸性硫酸塩として硫酸1水素アルカリ金属塩、ホウ酸及びクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマール酸等の酸性アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩である。
上記紫蘇エキス及び生薬に含有されるポリフェノール類は、アルカリ性で分解し、失活する。また、重金属、例えば鉄、銅等の存在で酸化される。而して、上記安定化剤は、pHを弱酸性に維持し、酸化性の金属イオンを遮蔽し、ポリフェノール類を安定化すると共に、糊料の粘性、結合性を弱めることなく、また酸性域に調整することで抗菌、防かび性を保持させる。
ところで、アレルギー性疾患の1つである花粉症は、花粉を初めとして微生物、ディーゼル排出微粒子、ハウスダスト(ダニ、ほこりなど)、ペットの毛やフケなどの微粒子がアレルゲンとなる。そして、これらは空気中或いは室内に侵入して浮遊している。これらの超微粒子が吸入により鼻孔内のマクロファージにとり込まれ、Tリンパ球、Bリンパ球の協同作業により免疫グロブリン(IgE抗体)が肥満細胞上に形成される。そして肥満細胞上のIgE抗体はアレルゲンの再侵入で抗原抗体反応を起こし、肥満細胞からケミカルメディエーターが放出される。これによりアレルギー症状が発現する。したがって、アレルギー症状の緩和には、空気中に浮遊する微粒子のアレルゲンを低減させればよいことになる。
本発明に係る成形品の機能評価の指標として、空気中の花粉数の測定も可能ではあるが、測定しやすさの観点から発明者らは花粉症のアレルゲンの一つでもある空気中の浮遊細菌への効果を測定した。即ち、花粉と細菌、真菌とはその細胞構造が類似する。花粉は植物の単細胞であり、細菌及びカビもこれと類似構造を有することから、本発明に係る成形品の効果を、空気中に浮遊する細菌及びカビの数量変化で評価した。即ち、本発明に係る成形品を燃焼させ、燃焼前の総微生物数が、燃焼によってどのように変化するかを測定した。そしてこの結果からアレルゲンへの本発明に係る成形品の効果を確認した。
以下、本発明に係る空気清浄等用成形品の試験例を示す。
〔成形品1〕
紫蘇エキス5g、ティーツリーオイル1g、シジウム3g、木炭10g、タブ粉6g、酒石酸水素ナトリウム1g、香料等を混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて製造した。
〔成形品1〕
紫蘇エキス5g、ティーツリーオイル1g、シジウム3g、木炭10g、タブ粉6g、酒石酸水素ナトリウム1g、香料等を混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて製造した。
〔成形品2〕
紫蘇エキス3g、ティーツリーオイル5g、カミツレ7g、竹炭7g、タブ粉3g、メチルセルロース0.5g、リンゴ酸1水素ナトリウム1.5g、香料等を混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて製造した。
紫蘇エキス3g、ティーツリーオイル5g、カミツレ7g、竹炭7g、タブ粉3g、メチルセルロース0.5g、リンゴ酸1水素ナトリウム1.5g、香料等を混和、練合し、円柱状に成形し、乾燥させて製造した。
〔対照試料A〕
成形品1及び2において、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、シジウム、カミツレ、炭、安定化剤を含まない処方で同様に製造した。
成形品1及び2において、紫蘇エキス、ティーツリーオイル、シジウム、カミツレ、炭、安定化剤を含まない処方で同様に製造した。
〔対照試料B〕
市販の線香。
市販の線香。
〔対照試料C〕
市販の線香。
市販の線香。
浮遊微生物の測定:無菌的環境状態で手袋を装着し、Standard RCS Air Sampler(株式会社GSIクレオス)に、アガーストリップTC(Biotest HYCON,一般細菌用、lot.3480703 BiotestAG)を、培地面が内側になるように装着する。20m3 の測定室内の中央に、Standard RCS Air Samplerを設置する。測定室内空気160リットルを吸引した後アガーストリップTCを取り出し、37℃で5日間培養して生育微生物数をカウントした。
同様にアガーストリップTCを装着したStandard RCS Air Samplerを設置後、成形品1を測定室内中央で燃焼させる。燃焼後30分放置後の測定室内の浮遊微生物数を測定した。成形品2及び対照試料A、B、Cのそれぞれについても同様に測定し、それぞれの測定アガーストリップを37℃で5日間培養して生育微生物数をカウントした。尚、減少率は次式によった。
100−[(燃焼後カウント数/燃焼前カウント数)×100]
100−[(燃焼後カウント数/燃焼前カウント数)×100]
結果は、表1に示す通りであり、本発明に係る成形品が空気中浮遊微生物の顕著な低減作用を示すことが明らかである。そしてまたこのことは、類似構造を有する花粉においても同様の低減作用、即ち花粉症状(鼻炎、眼症状等)の軽減が可能であることを示すものである。
Claims (12)
- 紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭及び安定化剤を必須成分として含み、点火することによりこれらの成分が加熱によって発散し拡散することを特徴とする空気清浄等用成形品。
- 紫蘇エキスが新鮮な青シソの葉を原料として製造されるものである請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- ティーツリーオイルがティーツリー(Malaleuca alternifolia)の葉を原料として製造されるものである請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 生薬がテルペン系炭化水素、フラボノイド、ポリフェノール等を成分として含み、抗アレルギー効果を有するものである請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 炭が木炭、竹炭、活性炭、黒炭、白炭等である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 安定化剤が弱酸性物質からなり、それらの1種以上からなるものである請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 紫蘇エキスの全体に対する含有量が、0.1〜20重量%である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- ティーツリーオイルの全体に対する含有量が、0.01〜10重量%である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 生薬の全体に対する含有量が、0.1〜20重量%である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 炭の全体に対する含有量が、1〜60重量%である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 安定化剤の全体に対する含有量が、0.01〜10重量%である請求項1記載の空気清浄等用成形品。
- 紫蘇エキス、ティーツリーオイル、生薬、炭、安定化剤とに、無機物質、糊料、香料、防かび剤、顔料、着色料、溶解剤等を混合し、更に水を加えて均一に練合し、所定の形状に成形してなる空気清浄等用成形品の製造方法。
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JP2003411537A JP2005168710A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | 空気清浄等用成形品及びその製造方法 |
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CN102743782A (zh) * | 2012-07-22 | 2012-10-24 | 上海拜纳环保科技有限公司 | 一种天然草本空气净化材料及其制备方法和使用方法 |
KR101467564B1 (ko) * | 2007-11-16 | 2014-12-01 | 코웨이 주식회사 | 수목정유를 함유하는 탈취제 및 이를 이용한 필터 |
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2003
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