JP2005164477A - 電気泳動容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 泳動方向と垂直方向(または水平方向)に、複数のヒーターおよび電極をつけ、泳動が進むにつれ、適時または一定間隔で、ヒーターをパルス的に駆動する。さらに下地には、ペルチェ板が用意されており、すぐに規定の温度まで下げることが出来る。
【解決手段】 ヒーターのパルス駆動により、denatureされたまま泳動が進むとすると、ミスマッチに由来する違い、メチル化の影響、その他ヘアピン構造など、chain conformationによる違い、情報を取得できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ヒーターのパルス駆動により、denatureされたまま泳動が進むとすると、ミスマッチに由来する違い、メチル化の影響、その他ヘアピン構造など、chain conformationによる違い、情報を取得できる。
【選択図】 図1
Description
本件はライフサイエンス等の分野で用いられる、新規な電気泳動装置、容器に関するものである。
電気泳動という分析手法は汎用され、従来からのスラブゲルを用いる方法、キャピラリーを用いる方法、またこれらに用いられるゲルの媒体や、バッファーの組成等、多岐にわたっている。また近年温度勾配をかけるマイクロキャピラリー等の核酸電気泳動手段は、従来の鎖長を示す電気泳動からさらに付加的情報を求める手段として、注目されつつある(例えば、特許文献1など)。
特開2002−350400号公報
しかしながら、現在の温度勾配電気泳動は、定常的な温度を時間とともに変化させていく勾配をかけるのみで、本件のように、パルス的に急速に温度をかけ、その後冷やされるといったことの効果を採用しているものは無い。
本発明は、温度をかけたり冷やしたり、またその周期的温度変化の時定数や、温度の勾配のかけ方を自由に設定することによって、より詳細な情報を取得できるようにしたものである。またその容器を提供する。
よって本発明は、薄膜ヒーター特有の急速加熱を応用することによって、動的情報、すなわち鎖が解けてもとに戻るまでの応答時間やその可逆性、不可逆性といった情報まで考慮された泳動結果を取得することが出来る。
また任意のパルス列を自由にかけることができるので、システムとしての自由度が高い。さらに本件はマイクロタス的発想のもとに、シリコンウエハ上のマイクロ流路でチップすることができ、分析チップの小型化に貢献できる。
また任意のパルス列を自由にかけることができるので、システムとしての自由度が高い。さらに本件はマイクロタス的発想のもとに、シリコンウエハ上のマイクロ流路でチップすることができ、分析チップの小型化に貢献できる。
図1は本発明の実施の形態を表す図で、サンプルを分離泳動するための流路上に、加熱をするためのヒーター6が配置されている。流路は基本的には2枚の上基板7と下基板7'で構成され、電極の厚み分だけ、単に陽極接合で上基板と下基板を張り合わせても良いし、液室を形成するように上基板7の中央部を四角く、数十%程度のフッ酸溶液で、使用ガラスカタログのエッチングレートを参考にエッチングしても良い。下基板7'は冷却をするためのペルチェ素子と接触させ、急冷却できるようになっている。形成された流路は、急速に加熱冷却できるように熱拡散率の良い担体が望ましい。熱拡散率aは、熱伝導率λと熱容量Cp、物質の密度ρで定義され、
a = λ/ (Cp・ρ) (m2/s)
例えば熱伝導率だけ比べると、ガラスの中で最も良いとされる石英ガラスは、シリコンウエハに比べ一桁低く、金属からみると二桁低い。熱容量は板厚と関係し、手でハンドリング可能な厚さということであれば、数百ミクロン程度からハンドリング可能である。密度は材質と関係し、プラスチックなどの有機高分子化合物よりは、無機のアモルファス材料、それよりは結晶性の無機材料のほうが一般に密度は高い。こうしたことから望ましい材料の具体例を幾つか挙げると、薄いガラス板やシリコンウエハなどがコスト要素も含め、優位である。このような材質を選定することで、試料の急加熱急冷却は、試料溶液および電気泳動媒体の熱拡散速度が律速となる。そこでこのとき物性値をほぼ水に等しいとすると、水の熱容量(比熱)を1cal/deg・g、熱伝導度0.001429cal/cm・sec・deg、密度1g/cm3であるから熱拡散率aを求めると、0.143mm2/secとなり、√0.143〜0.3であるから一次元方向だけの考慮をすると、厚さ0.3mmの検体液室には約1秒以内には十分熱が拡散する、とおよそ推定できる。試料が泳動する速度はこのとき数十〜数百μm/secなので、1秒程度以内の急速加熱−冷却サイクルは十分、泳動する核酸鎖のchain conformationに変化を与えることが出来る。
a = λ/ (Cp・ρ) (m2/s)
例えば熱伝導率だけ比べると、ガラスの中で最も良いとされる石英ガラスは、シリコンウエハに比べ一桁低く、金属からみると二桁低い。熱容量は板厚と関係し、手でハンドリング可能な厚さということであれば、数百ミクロン程度からハンドリング可能である。密度は材質と関係し、プラスチックなどの有機高分子化合物よりは、無機のアモルファス材料、それよりは結晶性の無機材料のほうが一般に密度は高い。こうしたことから望ましい材料の具体例を幾つか挙げると、薄いガラス板やシリコンウエハなどがコスト要素も含め、優位である。このような材質を選定することで、試料の急加熱急冷却は、試料溶液および電気泳動媒体の熱拡散速度が律速となる。そこでこのとき物性値をほぼ水に等しいとすると、水の熱容量(比熱)を1cal/deg・g、熱伝導度0.001429cal/cm・sec・deg、密度1g/cm3であるから熱拡散率aを求めると、0.143mm2/secとなり、√0.143〜0.3であるから一次元方向だけの考慮をすると、厚さ0.3mmの検体液室には約1秒以内には十分熱が拡散する、とおよそ推定できる。試料が泳動する速度はこのとき数十〜数百μm/secなので、1秒程度以内の急速加熱−冷却サイクルは十分、泳動する核酸鎖のchain conformationに変化を与えることが出来る。
電気泳動のための電極3は白金が好ましい。ヒーター6の材質は、同じく白金ヒーターとするか、ポリシリコンが適当である。図2は図1と全く変わりはないが、サンプル注入口5を一つにする代わり、形態を二次元電気泳動に拡張したものである。二次元方向の一対の電極3'と泳動方向切り替えスイッチ2'を持っている。
また中に充填するポリマー剤としてはポリアクリルアミドの0.01%〜6%、ヒドロキシアルキルセルロースまたはポリビニルアルコールまたはアガロースまたはデキストランの1%〜15%などが使用できる。緩衝液は、電気泳動で一般的に使用される緩衝液で構わない。例えばTAE、TBE、トリスグリシン緩衝液、MOPS緩衝液等が挙げられる。蛋白質の泳動にはSDSを0.1%程度添加しても良い。また蛋白を染色する場合、クマジーブリリアントブルーを緩衝液に添加しても良い。DNAであればEB(エチジウムブロマイド)や、SYBR GREEN I、RNAであればSYBR GREEN IIなどが使用できる。またRNAや1本鎖DNAなどの泳動には尿素やホルムアミドといった変性剤を緩衝液に添加すると分子内会合を防ぐことが出来る。
CO2レーザー加工機で75×25mmにシリコンウエハをカットし、さらに図1の位置に2mm角のサンプル注入口を作った。これを上基板とした。つぎに下基板として79×29mmにシリコンウエハをカットし、RFスパッタ装置で、雰囲気を80%Ar−20%O2 、圧力5mTorr 、RFパワー6W/cm2 を印加、0.1μmのSiO2膜(絶縁層)を形成した。
その上にターゲットをSiとして、以下の条件で1μmのポリシリコン膜を製膜した。
約使用ガス(流量) Ar/H2 (200sccm/20sccm)
圧力 10mTorr
基板温度 150℃
成膜速度 250A/min
供給電力 100MHz/100W
ターゲットバイアス −180V
基板バイアス 10V
図1のようなヒーターのマスクパターンを用意し、AZ1500(クラリアント社)をスピンコート、プリベーク後、露光、現像した。次にKOHエッチング液にて、ヒーター部以外の部分をエッチングした。
圧力 10mTorr
基板温度 150℃
成膜速度 250A/min
供給電力 100MHz/100W
ターゲットバイアス −180V
基板バイアス 10V
図1のようなヒーターのマスクパターンを用意し、AZ1500(クラリアント社)をスピンコート、プリベーク後、露光、現像した。次にKOHエッチング液にて、ヒーター部以外の部分をエッチングした。
次に先ほどの条件で絶縁層としてSiO2膜を0.1μm製膜、ヒーター部をサンドイッチ構造とした。その上にPtを次のスパッタ条件で10分製膜した。
(白金膜のスパッタ条件)
パワー 400W
スパッタガス アルゴン 100%
ガス圧 2Pa
基板温度 450℃
次にPtを各ヒーターの電極引き出し部、グランド側共通部、及び電気泳動のための電極部を残すようにAZ1500(クラリアント社)をスピンコート、プリベーク、露光、現像した。
パワー 400W
スパッタガス アルゴン 100%
ガス圧 2Pa
基板温度 450℃
次にPtを各ヒーターの電極引き出し部、グランド側共通部、及び電気泳動のための電極部を残すようにAZ1500(クラリアント社)をスピンコート、プリベーク、露光、現像した。
エッチングは水:塩酸:硝酸=5:10:1(容量比)のエッチング液にて行った。専用のリムーバ(AZリムーバ100)で、保護部のレジストを剥離させた後、これを下地電極として、白金メッキ液(田中貴金属工業)を用いて、温度70℃、電流密度2A/dm2で、6時間メッキを行った。この下基板を先ほどの上基板と、250℃、300Vで陽極接合した。
以上完成した容器に、TBE緩衝液に溶かした1%アガロースを充填し、サンプル注入口にBPB(ブロモフェノールブルー)を含んだ、マーカーDNA(タカラ社、Wide-Range DNA Ladder)1KbとLotの異なるλDNAをHind IIIでダイジェストしたものを2つ、さらに一方をMethylase Hae IIIによってメチル化したもの注入した。つぎに電極に40Vの電圧を印加、電気泳動した。このとき下基板は10℃に設定されたペルチェプレートの上に密着させた。また電気泳動直後から、マルチプレクサを1Hz周期で泳動方向に切り替え、各ヒーターには15V、250msecのヒートパルスを同期させた。
以上により、λDNAの泳動パターン3サンプルに泳動パターンの違いをみることが出来た。
1 ヒートパルス
2 マルチプレクサスイッチ
2' 泳動方向切り替えスイッチ
3 一次元方向の一対の電極
3' 二次元方向の一対の電極
4 泳動電源
5 サンプル注入口
6 ヒーター
7 上基板
7' 下基板
2 マルチプレクサスイッチ
2' 泳動方向切り替えスイッチ
3 一次元方向の一対の電極
3' 二次元方向の一対の電極
4 泳動電源
5 サンプル注入口
6 ヒーター
7 上基板
7' 下基板
Claims (1)
- 蛋白質または核酸等を含む試料を電気泳動するための一対の電極と、該試料を分離泳動するための網目状構造を有した媒体と、該媒体で満たされるところの分離方向に沿った流路と、該流路に満たされる緩衝液で構成される、いわゆる電気泳動装置において、該流路に任意の温度上昇及び温度降下を任意の周期で自在に、該流路に熱的に接触した一つ又は複数の加熱冷却モジュールによって、制御可能な電気泳動容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405888A JP2005164477A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 電気泳動容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405888A JP2005164477A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 電気泳動容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005164477A true JP2005164477A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34728430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003405888A Withdrawn JP2005164477A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 電気泳動容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005164477A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102250148B1 (ko) * | 2019-11-12 | 2021-05-10 | 주식회사 티맥 | 수평형 전기영동장치 |
-
2003
- 2003-12-04 JP JP2003405888A patent/JP2005164477A/ja not_active Withdrawn
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KR102250148B1 (ko) * | 2019-11-12 | 2021-05-10 | 주식회사 티맥 | 수평형 전기영동장치 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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